タッチパネル及びそれを備えた電子機器
【課題】タッチパネル及びそれを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】タッチパネル100は、複数の下部電極103を有する下部基板101と、下部基板101と所定の間隙をおいて離隔しており、下部電極103に対応する複数の上部電極104を有する上部基板102と、下部電極103と上部電極104との間に介在されている導電性ゴム層105と、下部電極103と上部電極104との間に介在されており、導電性ゴム層105の上側または下側に接続されるように配置された有機トランジスタ106と、を含む。
【解決手段】タッチパネル100は、複数の下部電極103を有する下部基板101と、下部基板101と所定の間隙をおいて離隔しており、下部電極103に対応する複数の上部電極104を有する上部基板102と、下部電極103と上部電極104との間に介在されている導電性ゴム層105と、下部電極103と上部電極104との間に介在されており、導電性ゴム層105の上側または下側に接続されるように配置された有機トランジスタ106と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ入力装置(user’s input apparatus)に係り、より具体的には、タッチパネルとそれを備えた電子機器とに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、ユーザからの接触を感知して、入力の有無を判定するとともに入力位置を検出するユーザ入力装置の1つである。ユーザは、指やスタイラスペンなどを用いてタッチパネルの一領域を接触または加圧することによって、データや信号などをタッチパネルに入力することができる。例えば、タッチパネルはラップトップコンピュータやネットブックなどでマウスの代わりに備えられるタッチパッド(touch pad)として使用されてもよく、または電子機器の入力スイッチの代わりに使用されてもよい。タッチパネルは、ディスプレイと一体に形成されてもよい。液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)のようなディスプレイの画像表示面に設けられたタッチパネルを、タッチスクリーンと言う。タッチスクリーンは、ディスプレイの一面を構成するようにディスプレイの表示に組み込まれるか、またはディスプレイの一面に取り付けられてもよい。
【0003】
タッチパネルは、キーボード、トラックボール、マウスのような機械的なユーザ入力装置の代わりにタッチパネルに実装されてもよい。タッチパネルの操作はユーザにとって簡単である。そして、タッチパネルは、実行されるアプリケーションの種類及び/又はアプリケーションの実行段階によって、さまざまなタイプの入力ボタンをユーザに提供することができる。したがって、タッチパネルは、現金自動預け払い機(ATM)、情報検索器、無人チケット発売機などはもとより、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable MultimediaPlayer)、デジタルカメラ、携帯用ゲーム機、MP3プレーヤーのような様々な電子機器の入力装置として幅広く使われている。
【0004】
タッチパネルは、抵抗膜方式(resistive film type)タッチパネル、静電容量方式(capacitive type)タッチパネル、超音波方式(ultrasonic type)タッチパネル、赤外線方式(infrared type)タッチパネルなどに区分することができる。そのうち、モバイル機器に主に使われるものは、静電容量方式タッチパネルと抵抗膜方式とタッチパネルである。
【0005】
静電容量方式タッチパネルでは、接触または加圧による特定地点での静電容量の変化に基づき、当該地点でのユーザの入力有無を判定する。しかし、静電容量方式タッチパネルは、通常、その外形が一定の形態を保持した状態でタッチ入力を検出するため、フレキシブル(flexible)な静電容量方式タッチパネルは製造しにくい。また、静電容量方式タッチパネルは、放電特性に基づく感知メカニズムであるため、微細なタッチ解像度(touch resolution)を有しにくい。
【0006】
抵抗膜方式方式タッチパネルでは、接触または加圧による抵抗の変化を感知して、当該地点でのユーザの入力有無を判定する。抵抗膜方式タッチパネルは、上部基板と下部基板との間にエアギャップ(air gap)が存在する構造であり、タッチパネルが反ったり折り畳まれた状態では、タッチ入力を感知することができない。そのため、フレキシブルな抵抗膜方式タッチパネルも製造しにくい。さらに、抵抗膜方式タッチパネルは、X軸とY軸とのそれぞれの抵抗比を用いてタッチ入力位置を感知するため、マルチタッチを実現しにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、フレキシブルユーザインターフェースとして使用することができるタッチパネル、これを備えた電子機器及びその製造方法を提供する。
【0008】
本発明の他の目的は、両面いずれもをタッチ面であるタッチパネル、両面タッチ技術、及びその製造方法を提供する。
【0009】
本発明のさらなる特徴は、以下の詳細な説明に記載されるか、詳細な説明から明らかになるか、又は本発明の実施により明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によるタッチパネルは、第1電極を有する第1基板と、第2電極を有する第2基板と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前記第1電極と直列に接続された部分を有し、変形に基づく可変抵抗を有している導電性ゴム層と、前記導電性ゴム層の前記部分と前記第1電極とに接続されたスイッチング素子と、を含む。
【0011】
本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法は、第1電極を有する第1基板を配置し、第2電極を有する第2基板を配置し、変形に基づく可変抵抗を有している導電性ゴム層を前記第1電極と前記第2電極との間に介在させ、前記導電性ゴム層の一部分と前記第1電極とを直列に接続し、前記導電性ゴム層の前記一部分と前記第1電極とにスイッチング素子を直列に接続させること、を含む。
【0012】
本発明の一実施形態によるタッチパネルは、第1面及び第2面と、前記第1面と前記第2面との間に介在される導電性ゴム層と、前記導電性ゴム層と前記第1面とに直列に接続されたダイオードと、を含み、変形状態においては、前記導電性ゴム層は前記第1面から前記第2面に電流を流し、変形していない状態においては、前記導電性ゴム層は前記第1面から前記第2面に流れる電流を遮断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導電性ゴム層と有機トランジスタとを用いてタッチパネルを実現するので、フレキシブルディスプレイに適するだけではなく、湾曲しているか、折り畳まれている状態などでも、安定して入力を感知できるだけではなく、両面タッチパネルとして使われることもできる。したがって、本発明によるタッチパネルは、フレキシブルディスプレイの活用性を向上させることができ、多様なアプリケーションに活用されうる。
【0014】
そして、本発明によるタッチパネルは、有機トランジスタの密集度によってタッチ解像度を向上させ、入力感知の正確性も向上させることができる。このようなタッチパネルは、高性能化され、能動的なディスプレイに対する需要を充足させて、多様なユーザインターフェース、アプリケーションなどに活用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるタッチパネルの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるタッチパネル本体の構成を示す分解斜視図である。
【図3】図2のIII−III´ラインに沿って切った断面図である。
【図4A】本発明の一実施形態によるシート状の導電性ゴム層の構造及び電気的特性を説明するための断面図である。
【図4B】本発明の一実施形態によるシート状の導電性ゴム層の構造及び電気的特性を説明するための断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるタッチパネル本体の一ノードを示す等価回路図である。
【図6A】本発明の一実施形態によるタッチパネルを加圧している状態を示す図である。
【図6B】本発明の一実施形態によるタッチパネルを加圧している状態を示す図である。
【図7A】本発明の一実施形態による複数の有機トランジスタの使用を説明するための図である。
【図7B】本発明の一実施形態による複数の有機トランジスタの使用を説明するための図である。
【図8A】本発明の一実施形態による1つの上部電極と交差する複数の下部電極との間に形成される複数のノードを示す等価回路図である。
【図8B】本発明の一実施形態による制御部の複数の上部電極に入力される感知信号Ssのアプリケーションを示すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態による制御部の構成を示すブロック図である。
【図10A】タッチ面として使われる上部基板を有する本発明の一実施形態によるタッチパネル本体を示す断面図である。
【図10B】タッチ面として使われる下部基板を有する本発明の一実施形態によるタッチパネル本体を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施形態によるタッチパネルを備えた電子機器の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。しかし、本発明は、いくつかの異なる形態での実現が可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の開示が完全になるように完全に提供されたものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の開示範囲を十分に示すであろう。本願明細書において、周知の特徴及び技術は、示された実施形態を不必要に不明確にすることを避けるために省略されることがある。
【0017】
図面及び本明細書において、特に言及が無い限り、同一の要素、特徴及び構成には同一の参照番号が付与される。要素の相対的な大きさ及び描写は、明確さ、説明及び利便性のために誇張されうる。
【0018】
ここで使用される技術用語は、特定の実施形態を説明する目的のみであって、本願の発明の開示を限定するものでは無い。ここに記載されるように、個々の名詞は、文脈の前後関係から明らかに単数であることが示されていない限り、複数のものを表すことも意図されている。「第1」、「第2」等の用語は、特定の順番を暗示するのではなく、個々の要素を識別するために使用される。さらに第1」、「第2」等の用語は、何らかの順番や重要性を示すのではなく、むしろある要素を別の要素から区別するために使用される。また、本明細書で用いるところでは、用語「含む」、
「有する」は、特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を表すが、一つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分及び又はその群の存在、若しくは追加を排除しない。
【0019】
特に規定がない限り、ここに使用される技術的及び科学的な用語を含む全ての用語は、当業者いよって共通に理解される意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術と本明細書の文脈におけるその意味と一致している意味を有するものとして解釈されるべきであることが理解され、そして明示的にそうここに定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味には解釈されない。
【0020】
本開示の目的のためには、「X、Y、Zのうちの少なくとも一つ」との記述は、Xのみ、Yのみ、Zのみ、又は、X、Y及びZのうちの何れか二つ以上の組み合わせ(例えば、XYZ、XYY、YZ、ZZなど)を意味するように解釈される。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態によるタッチパネルの一例の構成を示すブロック図であり、図2は、本発明の一実施形態によるタッチパネル本体の一例の構成を示す分解斜視図であり、図3は、図2に示したタッチパネル本体をIII−III´ラインに沿って切った断面図である。
【0022】
図1を参照すると、タッチパネル10は、タッチパネル本体100、及び制御部110を含む。タッチパネル本体100は、タッチパネル10を構成する物理的構造体を示す。一方、制御部110は、タッチパネル10の動作を制御する電気回路及び/またはハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、またはソフトウェアのみであり得る。したがって、本明細書で、単純に「タッチパネル」と称する場合、タッチパネル本体100を示すが、制御部110も含むタッチパネル10の全体を示すこともある。以下、図2及び図3を参照して、タッチパネル本体100の構成について説明する。
【0023】
図2及び図3を参照すると、タッチパネル本体100は、下部基板101と、上部基板102と、下部基板101と上部基板102との間に配置されている複数の下部電極103及び複数の上部電極104と、下部基板101と上部電極102との間に介在されている複数の有機トランジスタ106及び導電性ゴム層105とを含む。
【0024】
下部基板101は、タッチパネル本体100の下面をなすベース基板である。下部基板101は、ガラスなどの硬い材料で形成されてもよく、ポリマーフィルムなどのようなフレキシブルな材料で形成されてもよい。例えば、タッチパネル10が、電子機器のタッチスクリーンとして機能し、またディスプレイ(例えば、LCDパネル)が、タッチパネル10の下側に取り付けられる場合、タッチパネル本体100を構成する全ての又は一部の構成要素は、透明な材料で形成されてもよい。この場合、下部基板101は、ディスプレイの上面でもよく、またはディスプレイの上面に付加的に取り付けられた基板であってもよい。
【0025】
上部基板102は、タッチパネル本体100の上面をなすように下部基板101と所定間隔離隔して対向配置されている。上部基板102も、ガラスなどの硬い材料で形成されてもよく、ポリマーフィルムなどのようなフレキシブルな材料で形成されてもよい。タッチパネル10が、電子機器のタッチスクリーンとして機能し、またディスプレイが、タッチパネル10の上側に取り付けられる場合、タッチパネル本体100を構成する構成要素が必ずしも透明な材料で形成される必要はない。この場合、上部基板102は、ディスプレイの下面であってもよく、またはディスプレイの下面に付加的に取り付けられた基板であってもよい。
【0026】
上部基板102の上面は、ユーザが入力をするために直接または間接的に接触するタッチ面である。例えば、タッチパネルは、両面が、即ち、上部基板102の上面はもとより、下部基板101の下面も、タッチ面であってもよい。上部基板102の上面や下部基板101の下面に所定の力が加えられれば、上部基板102や下部基板101には、図10A及び図10Bに示すように変形が生じる。例えば、ユーザが指やスタイラスペンのようなポインティングオブジェクト(pointing object)を使ってタッチ面を接触または加圧する場合、上部基板102または下部基板101は、局部的に変形されうる。
【0027】
下部電極103は下部基板101の上面上に配置され、上部104は上部基板102の下面上に配置されてもよい。下部電極103及び上部電極104は、タッチパネル本体100の略全体に亘ってアレイ状に配列されるてもよく、またはマトリックス状に配列されてもよい。図2には、マトリックス状に配列された下部電極103及び上部電極104の一例が示されている。図2を参照すると、下部基板101の上面に複数のの下部電極103が平行に配置されてもよく、上部基板102の下面に複数の上部電極104が配置されてもよい。ここで、例えば、下部電極103は第1方向に延長され、上部電極104は第1方向に実質的に直交する第2方向に延長されてもよい。したがって、下部電極103と上部電極104との交差点で、複数の感知電極対が定義されうる。下部電極103及び上部電極104は、それぞれ透明または不透明な導電性物質で形成され、下部電極103と上部電極104とが、必ずしも同じ材料で形成される必要はない。
【0028】
下部基板101と上部基板102との間の間隙には、有機トランジスタ106及び導電性ゴム層105が介在されている。例えば、図2を参照すると、下部基板101の下部電極103上に有機トランジスタ106と導電性ゴム層105とが順次に積層されていると示されているが、これは、単に例示的なものである。別の一例において、導電性ゴム層105と有機トランジスタ106とが順次下部電極103上に積層されてもよい。
【0029】
導電性ゴム層105は、タッチパネル本体100の全面に敷かれているシート状の層であってもよい。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではなく、導電性ゴム層105は、下部電極103または上部電極104と同じ形状、即ちライン(line)状であってもよく、下部電極103と上部電極104との交差点に形成されるスポット(spot)状であってもよい。このような導電性ゴム層105は、上側または下側のうち何れか一方から一定の圧力以上に加圧されると、垂直に電気が通じるが、加圧されない場合には電気を通さず、したがって、導電性ゴム層105は、可変抵抗としての特性を有する。
【0030】
図4A及び図4Bは、本発明の一実施形態によるシート状の導電性ゴム層105の構造及び電気的特性を示す断面図である。図4A及び図4Bを参照すると、導電性ゴム層105は、薄く、電気絶縁性に優れた弾性材料、例えば、ゴムなどで形成された母材105aに導電材料で形成された微細粒子、例えば、細かく割れた状態のカーボンナノチューブ105bが分散されている構造である。導電性ゴム層105は、変形していない状態で絶縁体となり、変形した状態で導電体となる。図4A及び図4Bでは、導電性ゴム層105の厚さ及びカーボンナノチューブ105bの粒子が相対的に大きく示されているが、これは、単に図示及び説明の便宜のためのものである。実質的に、導電性ゴム層105は、非常に薄い厚さのシート状のゴムで形成された母材105aに非常に微細なカーボンナノチューブ105bが均一に分散して分布されている。カーボンナノチューブ105bは、母材105aに不規則的に、または規則的に分布されている。
【0031】
このような導電性ゴム層105は、何らの力が加えられない場合には、図4Aに示したように、如何なる方向にも電気が通じない電気絶縁体である。すなわち、導電性ゴム層105におけるカーボンナノチューブ105bの密度が低くいため、導電性ゴム層105は電流を通さない。しかし、図4Bに示したように、導電性ゴム層105の一方向、例えば、上側から導電性ゴム層105に所定の圧力が加えられれば、ゴムで形成された母材105aの特性上、加圧される方向に圧縮され、母材105aに分散して分布していたカーボンナノチューブ105b間の距離が近くなり、また互いに接触する。その結果、カーボンナノチューブ105bの密度が高くなり(点線A部分)、導電性ゴム層105は導電性が高くなる。特に、導電性ゴム層105は、加圧される方向(点線A部分の上下方向)に電流が最もよく通じる電気導伝体になる。このような導電性ゴム層105の電気的特性によれば、導電性ゴム層105は、上側から加圧される場合はもとより、下側から加圧される場合、または上下側いずれもから加圧される場合にも、上下方向に電気導電性が高くなり、電流を通すことができるということは明白である(図10A及び図10B参照)。
【0032】
タッチパネル本体100において、複数の有機トランジスタ106が上部電極104と下部電極103との交差点にマトリックス状に配置されている。有機トランジスタ106は、電界効果薄膜トランジスタ(TFT)であって、その全体構造及び動作原理は、シリコンを基盤とした電界効果薄膜トランジスタと大きく差がないので、これについての具体的な説明は省略する。但し、有機トランジスタ106は、チャネルを形成する半導体層、すなわち、チャネル層がシリコン半導体ではなく有機半導体材料で形成されるという点で異なる。有機トランジスタ106は、有機半導体材料でチャネル層が形成されており、シリコン半導体に比べて機械的な柔軟性が優れているため、フレキシブルデバイスを作るのに広く活用されることができる。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態によるタッチパネル本体100の一ノードを示す等価回路図である。図5では、上部電極104がアノードとして使われ、下部電極がカソードとして使われる場合である。図5を参照すると、一実施形態によるタッチパネル本体100のノードは、上部電極104と下部電極103との間に可変抵抗として機能する導電性ゴム層105と導電性ゴム層105に直列にお接続されているスイッチング素子である有機トランジスタ106を有してもよい。有機トランジスタ106は、ゲート106gとドレイン106dとが電気的に接続されており、ダイオードとして動作してもよい。
【0034】
より具体的には、可変抵抗である導電性ゴム層105の抵抗が低く、有機トランジスタ106のソース106sとゲート106gとの間に有機トランジスタ106の閾値電圧Vth以上の電圧が印加される場合、有機トランジスタ106を通じて電流Idが流れるようになる。一方、可変抵抗である導電性ゴム105の抵抗が高く、有機トランジスタ106のソース106sとゲート106gとの間に相対的に有機トランジスタ106の閾値電圧Vth未満の電圧が印加される場合、有機トランジスタ106は、電流の流れを遮断する。
【0035】
このように、有機トランジスタ106は、導電性ゴム層105を通じて流れる電流をオン/オフ(On/Off)するスイッチを行う。このような有機トランジスタ106のスイッチング機能は、タッチパネル10の誤作動を防止することができる。より具体的には、導電性ゴム層105が加圧されると、有機トランジスタ106は、加圧された部分(図4Bの点線A部分)を通じて電流を流れるようにするが、A部分に隣接した部分(点線B部分)では電流を遮断する。その結果、タッチパネル本体100で加圧された部分のみが入力と感知され、加圧されていない他の部分が入力と感知されることを防ぎ、タッチパネル10の誤動作または不正確な入力の感知を防止することができる。
【0036】
図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態によるタッチパネルの加圧状態を示す図である。前述したように、導電性ゴム層105には、カーボンナノチューブ105bのような微細な導電性粒子が母材105aの全体に分散して分布されており、加圧されなければ電気絶縁体であるが(図4A参照)、圧力が加えられれば、加圧部分において、母材105a内に分布しているカーボンナノチューブ105bの密度が高くなり、上下方向に電流が流れるようになる(図4B参照)。ところが、導電性ゴム層105は、圧力が加えられた部分(図4Bの点線A部分)はもとより、それに隣接した部分(図4Bの点線B部分)でも、カーボンナノチューブ105bの密度が高くなることがある(もちろん、点線B部分でのカーボンナノチューブ105bの密度は、点線A部分でのカーボンナノチューブ105bの密度よりは低いが、加圧されていないそれ以外の領域よりは高い)。
【0037】
その結果、図6A及び図6Bに示したように、経路bを通じて電流が流れる、すなわち、導電性ゴム層105の加圧部分に隣接した部分に所望しない誘導電流が発生させることがある。誘導電流は、例えば、入力タッチ位置の感知エラーなどのタッチパネルの誤動作を起こす原因になりうる。この場合、図6Aに示したように、導電性ゴム層105と下部電極103との間に、または導電性ゴム層105と上部電極104との間に有機トランジスタが介在されていなければ、上部電極104に印加された電流は、加圧部分Aに対応する経路aはもとより、隣接する経路bを通じて複数の下部電極103に流れる。しかし、図6Bに示すように、有機トランジスタ106のようなスイッチング素子が導電性ゴム層105と下部電極103との間などに介在されていれば、複数の有機トランジスタ106を選択的にオン/オフさせ(より具体的には、経路aに位置した有機トランジスタ106をオンさせ、経路bに位置した有機トランジスタ106をオフさせ)ることによって、経路aを通じて流れる電流はそのまま流れるようにし、経路bの電流の流れを遮断することができる。特に、図5に示したように、有機トランジスタ106はダイオードとして機能してもよい。経路aの部分では導電性ゴム層105の抵抗が低いため、経路aの部分の有機トランジスタ106のソース106sとゲート106gとの間に閾値電圧以上の電圧がかかる。経路bの部分では導電性ゴム105の抵抗が高いため、経路bの部分の有機トランジスタ106のソース106sとゲート106gとの間に閾値電圧未満の電圧がかかる。したがって、経路aの部分に印加される電流と経路bの部分に印加される電流とに差があるため、有機トランジスタ106は、選択的なオン/オフスキャニング動作を行う必要もなしに選択的にスイッチのオンまたはオフが可能である。
【0038】
このような誘導電流の発生を低減、または防止するため、導電性ゴム層105は、ライン状またはスポット状にであってもよい。例えば、導電性ゴム層105がライン状である場合、導電性ゴム層105が延長する方向には誘導電流が発生する可能性があるが、この場合、導電性ゴム層105が延長する方向に直交する方向には導電性ゴム層が存在しないため、この方向に誘導電流が発生しない。そして、導電性ゴム層105がスポット状である場合は、導電性ゴム層105がタッチパネル10の特定部分に存在するため、不要な誘導電流の発生を根本的に防ぐことができる。
【0039】
有機トランジスタ106は、タッチパネル本体100、より具体的には、上部電極104と下部電極103との間の逆電流を防止する機能も行うことができる。すなわち、有機トランジスタ106は、下部電極103から上部電極104に流れる逆電流が発生する場合、これを遮断する。複数の下部電極103と複数の上部電極104とを有し、ダイオードと類似した特性を有しているタッチパネル本体100に逆電流が持続的に流れると、タッチパネル本体100の破損を引き起こす可能性が高くなる。そのため、有機トランジスタ106を用いて、逆電流の流れまたは発生を防いでもよい。したがって、逆電流を防ぐことによって、タッチパネル10の耐久性及び信頼性を向上させることができる。
【0040】
図7A及び図7Bは、本発明の一実施形態による複数の有機トランジスタの使用を説明するための図である。図7Aを参照すると、有機トランジスタ106がない場合には、上部電極104から下部電極103に経路aに沿ってはもとより、経路aに沿う流れの向きとは反対に、下部電極103から上部電極104に経路cに沿っても電流が流れうる。一方、図7Bを参照すると、有機トランジスタ106がある場合、一方向、すなわち、上部電極104から下部電極103に経路aに沿っては電流が流れるが、下部電極103から上部電極104に経路cに沿っては電流が流れない。したがって、有機トランジスタ106は、逆電流を防止することができる。
【0041】
次いで、図1を参照すると、制御部110は、タッチパネル本体100に対するユーザからの入力を感知して、入力位置を判定してもよい。例えば、制御部110は、感知信号Ssを生成してタッチパネル本体100に入力してもよい。制御部110は、タッチパネル本体100の出力信号Soを受信して、該出力信号Soに基づいてユーザからの入力有無を判定してもよい。そして、ユーザからの入力があると判定されると、制御部110は、入力信号Si(例えば、図11のタッチパネル10といった電子機器のタッチプロセッサに入力されるインタラプト信号)とともに入力感知位置についての情報を出力する。感知信号Ssを生成するための電源は、電子機器の電源部(図11参照)などから提供されてもよい。
【0042】
図8Aは、本発明の一実施形態による1つの上部電極104とこれと交差する複数の下部電極103との間に形成される複数のノードを示す等価回路図である。そして、図8Bは、本発明の一実施形態ぬよる、複数の上部電極104への感知信号Ssの一例を示すグラフである。図8Bを参照すると、制御部110は、複数の上部電極X1、X2、X3、X4・・・をスキャンしながら上部電極X1、X2、X3、X4・・・に順次にパルス信号Vsを入力する。そして、パルス信号Vsの入力を受けて、ユーザからの入力を受信したノード、すなわち、可変抵抗である導電性ゴム層105の抵抗が低くなったノードに接続された下部電極103(図8Aにおいては、左側から四番目の下部電極103)を通じて電流Idの流れが検出されるが、ユーザからの入力がないノード、すなわち、可変抵抗である導電性ゴム層105の抵抗が相対的に大きいノードに接続された下部電極103(図8Aにおいては、左側から四番目の下部電極103を除いた下部電極)には電流が流れない。その結果、制御部110は、下部電極103(図8Aのは、左側から四番目の下部電極103)を通じて流れる電流Idを検出して、ユーザからの入力有無とともに入力位置を判定することができる。
【0043】
このように、制御部110は、パッシブマトリックススキャン(passive matrix scan)を行い、ユーザの加圧によって導電性ゴム層105の抵抗が低くなった部分のノードを通じて流れる電流を検出することによって、ユーザの入力位置を判定することができる。
【0044】
図9は、本発明の一実施形態による制御部110の構成を示すブロック図である。図9に示された本発明の一実施形態において、制御部110は、パッシブマトリックススキャンを行って、入力位置を判定するための商用化された回路構成を有する。
【0045】
図9を参照すると、制御部110は、ドライバー1101、マルチプレクサ(MUX)1102、及びアナログ−デジタル変換器(Analog−Digital Converter、ADC)1103を含む。
【0046】
ドライバー1101は、マトリックス状に配列されている複数ノードの各々のX座標値とY座標値、各上部電極104の位置と各下部電極103の位置とを示す値を受信するタッチパネルドライバーインターフェースであってもよい。例えば、タッチパネル本体100にタッチ入力が印加されると、インタラプト信号Siが生成され、ドライバー1101は、図8Bに示したようにX1、X2、X3、・・・の順序でスキャニングを行なってもよい。スキャンセンシング回路は、Y列Y1、Y2、Y3、・・・のうち少なくとも何れか1つのラインから物理的接触、すなわち、入力を感知する。ドライバー1101によるスキャン動作によって得られたスキャンセンシング信号は、MUX1102に入力されてもよい。MUX1102は、多重入力を受けてスイッチを通じて出力される信号の数を減らしてもよい。アナログ−デジタル変換器1103は、MUX1102を通じて入力されるスキャンセンシング信号をデジタルスキャンセンシング信号に変換する。
【0047】
前述したように、本発明の一実施形態によるタッチパネル10は、フレキシブルであり弾性がある材質の導電性ゴム層105を可変抵抗として用い、弾性を有する有機トランジスタ106をスイッチング素子として用いて、より信頼性に優れた動作を行う。したがって、下部基板101と上部基板102とをポリマーフィルムのようなフレキシブルな材料で形成すれば、タッチパネル10が、耐久性に優れるとともによりフレキシブルにすることができる。そして、タッチパネル10が反るか、折り畳まれた状態であっても、タッチパネル10のタッチ認識性能が低下しないだけではなく、タッチ認識に対する正確性も信頼性も高い。
【0048】
そして、本発明の一実施形態によるタッチパネル10は、両面をいずれもをユーザタッチ面として用いてもよい。例えば、前述したように、本発明の一実施形態によるタッチパネル10は、フレキシブルな特性を有するように、下部電極103と上部電極104との間に導電性ゴム層105と有機トランジスタ106とが配置される。このような例において、物理的にはタッチパネル10の上下が区分されず、タッチ面として使用されるタッチパネル10の上部基板102の上面と下部基板101の下面とがいずれもユーザタッチ面であってもよく、タッチパネル10の上下如何なる側から圧力が加えられても、当該部分の導電性ゴム層105の抵抗が減少する。
【0049】
図10Aは、本発明の一実施形態による、タッチ面として用いられる上部基板を有するタッチパネル本体を示す断面図であり、図10Bは、本発明の一実施形態による、タッチ面として用いられる下部基板を有するタッチパネル本体を示す断面図である。
【0050】
図10Aに示すように、上部基板102の上面から圧力が加えられることにより導電性ゴム層105は変形し、図10Bに示すように、下部基板101の下面から圧力が加えられることにより、導電性ゴム層105は同様に変形する。その結果、導電性ゴム層105を通じて電流Idが流れるようになる。
【0051】
図1乃至図10Bを参照して前述した本発明の一実施形態によるタッチパネル10は、ユーザ入力装置としてさまざまな種類の電子機器に備えられてもよい。例えば、タッチパネル10は、ノート型パソコンやネットブックなどのタッチパッドとして使われてもよい。また、タッチパネル10は、電子機器のディスプレイの上面及び/または下面に装着されて使われるタッチスクリーンとして使われてもよい。タッチパネル10は、例えば、携帯電話、スマートフォンやPDA、PMP、電子ブック端末機(e−book)、タブレットコンピュータのような携帯用電子機器や現金自動預け払い機(ATM)、情報検索器、無人チケット発売機のような電子機器のタッチスクリーンとして使われてもよい。
【0052】
それだけではなく、タッチパネル10は、さまざまな種類の家庭用電子機器やオフィス環境におけるさまざまな事務用電子機器などでユーザ入力装置として使われてもよい。例えば、部分的に折り曲げられた状態(一部がロール状に巻き付けられており、他の部分は広がっている状態)のタッチパネル10は、広がっている状態の部分は、前面をユーザタッチ面として使い、折り曲げられている状態の部分は、後面をユーザタッチ面として使い、両面タッチパネルとして使うことができる。この場合、後面をタッチして入力装置として使う場合には、タッチパネルの前面上に配置されている透明ディスプレイには180°反対のミラーイメージを表示して、便利性を付与してもよい。
【0053】
他の例として、タッチパネル10は、導電性ゴム層105を用いて微細な圧力も検知することができる特性を利用して、圧力変動を認識できる電子機器として活用することもできる。または、タッチパネル10は、また、フレキシブルディスプレイを有する電子機器(例えば、本形状のディスプレイを有する電子ブック端末機など)と組み合わされて、多様な用途のユーザ入力装置として活用されてもよく、ゲーム機やグラフィック作業などといった電子機器の両面タッチ入力装置として使われてもよい。
【0054】
図11は、本発明の一実施形態によるタッチパネルを備えた電子機器の一例を示すブロック図である。図11を参照すると、電子機器は、タッチパネル10、タッチプロセッサ20、ホストプロセッサ30、電源部40、及びメモリ50を含む。図11に示す電子機器の構成は、例示的なものであって、本発明の一実施形態によるタッチパネル10は如何なる種類の電子機器にも適用されうる。
【0055】
タッチパネル10は、前述したように、タッチパネル本体100及び制御部110を含む。ユーザからのタッチ入力を受信すると、当該地点の導電性ゴム層105が一時的に圧縮または変形されるため、導電性ゴム層105の抵抗が減少する。この際、センシングパルスがタッチ入力が検知された位置にあるノードに入力されれば、低い抵抗によって有機トランジスタのソースには、相対的に高い電圧がかかって有機トランジスタがオン状態になる。
【0056】
タッチプロセッサ20は、タッチパネル10の制御部110からデジタルスキャンセンシング信号(図9参照)が入力されると、これをメモリ50に保存されているデータに対してマッピングを行って、有効な認識情報を生成する。より具体的には、タッチプロセッサ20は、タッチパネル10を通じて入力された情報の種類を識別してもよく、識別情報に対応するパターンを検索してもよく、識別情報にマッピングされた情報をメモリ50から抽出して、抽出した情報をホストプロセッサ30に伝達してもよい。
【0057】
メモリ50には、入力された情報に対応するそれぞれの定義されたパターンが保存されている。メモリ50に保存されているパターンは、特定メニューやアプリケーションの最初の生成時に定義されるてもよく、及び/またはユーザによって追って定義されてもよい。入力された情報に対応する定義されたパターンは、半永久的に保存が可能な外部記憶装置や電子機器のROM、フラッシュメモリのような不揮発性メモリに保存されてもよい。
【0058】
タッチパネル10が設けられた電子機器のメインプロセッサまたはアプリケーションプロセッサであるホストプロセッサ30は、タッチプロセッサ20で生成された認識情報が伝達される。そして、ホストプロセッサ30は、受信した認識情報を処理して、処理した認識情報に基づいたイベントを生成する。
【0059】
電源部40は、電子機器の各種構成要素に電源を供給してもよい。電源部40は、電子機器の構成要素と直接接続されているか、その中間に交流/直流コンバータ(AC/DC converter)及び/または直流/直流コンバータ(DC/DC converter)がさらに備えられていてもよい。AC/DCコンバータは、電源部40で交流電源が使われる場合、交流電流を直流電流に変換するためのものである。、DC/DCコンバータは、電源部40及び/またはAC/DCコンバータから供給される直流電圧を各構成要素の動作に適した電圧に変換するためのものである。
【0060】
前述したように、タッチパネルは、導電性ゴム層及び有機トランジスタを用いて製造されるため、フレキシブルディスプレイいおける使用に適しており、湾曲された、或いは折り畳まれているとしてもユーザ入力を感知することが可能であり、両面タッチパネルとしても使用することができる。本発明のタッチパネルは、フレキシブルディスプレイの使用の利便性を向上させ、さまざまなアプリケーションに用いることが可能である。さらに、本発明のタッチパネルは、有機トランジスタの密度に応じてタッチ解像度の正確性を向上させることが可能であり、ユーザ入力の検知の正確性を向上させることができる。本発明のタッチパネルは、さまざまなユーザインターフェース、アプリケーションに適用されてもよく、タッチ検知におけるより高い信頼性を提供するアクティブディスプレイ(active diaplay)の発展に寄与するものである。
【0061】
以上の説明は、本発明の実施例に過ぎず、この実施例によって本発明の技術思想が限定されると解析されてはならない。本発明の技術思想は、特許請求の範囲に記載の発明によってのみ特定されなければならない。したがって、本発明の技術思想を外れない範囲で前述した実施例は多様な形態に変形されて具現可能であるということは当業者に自明である。
本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想を外れない範囲で、本発明にさまざまな修正又は変形が可能であることは自明である。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、タッチパネル及びそれを備えた電子機器関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
10:タッチパネル
100:タッチパネル本体
110:制御部
101:下部基板
102:上部基板
103:下部電極
104:上部電極
105:導電性ゴム層
106:有機トランジスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ入力装置(user’s input apparatus)に係り、より具体的には、タッチパネルとそれを備えた電子機器とに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、ユーザからの接触を感知して、入力の有無を判定するとともに入力位置を検出するユーザ入力装置の1つである。ユーザは、指やスタイラスペンなどを用いてタッチパネルの一領域を接触または加圧することによって、データや信号などをタッチパネルに入力することができる。例えば、タッチパネルはラップトップコンピュータやネットブックなどでマウスの代わりに備えられるタッチパッド(touch pad)として使用されてもよく、または電子機器の入力スイッチの代わりに使用されてもよい。タッチパネルは、ディスプレイと一体に形成されてもよい。液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)のようなディスプレイの画像表示面に設けられたタッチパネルを、タッチスクリーンと言う。タッチスクリーンは、ディスプレイの一面を構成するようにディスプレイの表示に組み込まれるか、またはディスプレイの一面に取り付けられてもよい。
【0003】
タッチパネルは、キーボード、トラックボール、マウスのような機械的なユーザ入力装置の代わりにタッチパネルに実装されてもよい。タッチパネルの操作はユーザにとって簡単である。そして、タッチパネルは、実行されるアプリケーションの種類及び/又はアプリケーションの実行段階によって、さまざまなタイプの入力ボタンをユーザに提供することができる。したがって、タッチパネルは、現金自動預け払い機(ATM)、情報検索器、無人チケット発売機などはもとより、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable MultimediaPlayer)、デジタルカメラ、携帯用ゲーム機、MP3プレーヤーのような様々な電子機器の入力装置として幅広く使われている。
【0004】
タッチパネルは、抵抗膜方式(resistive film type)タッチパネル、静電容量方式(capacitive type)タッチパネル、超音波方式(ultrasonic type)タッチパネル、赤外線方式(infrared type)タッチパネルなどに区分することができる。そのうち、モバイル機器に主に使われるものは、静電容量方式タッチパネルと抵抗膜方式とタッチパネルである。
【0005】
静電容量方式タッチパネルでは、接触または加圧による特定地点での静電容量の変化に基づき、当該地点でのユーザの入力有無を判定する。しかし、静電容量方式タッチパネルは、通常、その外形が一定の形態を保持した状態でタッチ入力を検出するため、フレキシブル(flexible)な静電容量方式タッチパネルは製造しにくい。また、静電容量方式タッチパネルは、放電特性に基づく感知メカニズムであるため、微細なタッチ解像度(touch resolution)を有しにくい。
【0006】
抵抗膜方式方式タッチパネルでは、接触または加圧による抵抗の変化を感知して、当該地点でのユーザの入力有無を判定する。抵抗膜方式タッチパネルは、上部基板と下部基板との間にエアギャップ(air gap)が存在する構造であり、タッチパネルが反ったり折り畳まれた状態では、タッチ入力を感知することができない。そのため、フレキシブルな抵抗膜方式タッチパネルも製造しにくい。さらに、抵抗膜方式タッチパネルは、X軸とY軸とのそれぞれの抵抗比を用いてタッチ入力位置を感知するため、マルチタッチを実現しにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、フレキシブルユーザインターフェースとして使用することができるタッチパネル、これを備えた電子機器及びその製造方法を提供する。
【0008】
本発明の他の目的は、両面いずれもをタッチ面であるタッチパネル、両面タッチ技術、及びその製造方法を提供する。
【0009】
本発明のさらなる特徴は、以下の詳細な説明に記載されるか、詳細な説明から明らかになるか、又は本発明の実施により明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によるタッチパネルは、第1電極を有する第1基板と、第2電極を有する第2基板と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前記第1電極と直列に接続された部分を有し、変形に基づく可変抵抗を有している導電性ゴム層と、前記導電性ゴム層の前記部分と前記第1電極とに接続されたスイッチング素子と、を含む。
【0011】
本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法は、第1電極を有する第1基板を配置し、第2電極を有する第2基板を配置し、変形に基づく可変抵抗を有している導電性ゴム層を前記第1電極と前記第2電極との間に介在させ、前記導電性ゴム層の一部分と前記第1電極とを直列に接続し、前記導電性ゴム層の前記一部分と前記第1電極とにスイッチング素子を直列に接続させること、を含む。
【0012】
本発明の一実施形態によるタッチパネルは、第1面及び第2面と、前記第1面と前記第2面との間に介在される導電性ゴム層と、前記導電性ゴム層と前記第1面とに直列に接続されたダイオードと、を含み、変形状態においては、前記導電性ゴム層は前記第1面から前記第2面に電流を流し、変形していない状態においては、前記導電性ゴム層は前記第1面から前記第2面に流れる電流を遮断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導電性ゴム層と有機トランジスタとを用いてタッチパネルを実現するので、フレキシブルディスプレイに適するだけではなく、湾曲しているか、折り畳まれている状態などでも、安定して入力を感知できるだけではなく、両面タッチパネルとして使われることもできる。したがって、本発明によるタッチパネルは、フレキシブルディスプレイの活用性を向上させることができ、多様なアプリケーションに活用されうる。
【0014】
そして、本発明によるタッチパネルは、有機トランジスタの密集度によってタッチ解像度を向上させ、入力感知の正確性も向上させることができる。このようなタッチパネルは、高性能化され、能動的なディスプレイに対する需要を充足させて、多様なユーザインターフェース、アプリケーションなどに活用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるタッチパネルの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるタッチパネル本体の構成を示す分解斜視図である。
【図3】図2のIII−III´ラインに沿って切った断面図である。
【図4A】本発明の一実施形態によるシート状の導電性ゴム層の構造及び電気的特性を説明するための断面図である。
【図4B】本発明の一実施形態によるシート状の導電性ゴム層の構造及び電気的特性を説明するための断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるタッチパネル本体の一ノードを示す等価回路図である。
【図6A】本発明の一実施形態によるタッチパネルを加圧している状態を示す図である。
【図6B】本発明の一実施形態によるタッチパネルを加圧している状態を示す図である。
【図7A】本発明の一実施形態による複数の有機トランジスタの使用を説明するための図である。
【図7B】本発明の一実施形態による複数の有機トランジスタの使用を説明するための図である。
【図8A】本発明の一実施形態による1つの上部電極と交差する複数の下部電極との間に形成される複数のノードを示す等価回路図である。
【図8B】本発明の一実施形態による制御部の複数の上部電極に入力される感知信号Ssのアプリケーションを示すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態による制御部の構成を示すブロック図である。
【図10A】タッチ面として使われる上部基板を有する本発明の一実施形態によるタッチパネル本体を示す断面図である。
【図10B】タッチ面として使われる下部基板を有する本発明の一実施形態によるタッチパネル本体を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施形態によるタッチパネルを備えた電子機器の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。しかし、本発明は、いくつかの異なる形態での実現が可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の開示が完全になるように完全に提供されたものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の開示範囲を十分に示すであろう。本願明細書において、周知の特徴及び技術は、示された実施形態を不必要に不明確にすることを避けるために省略されることがある。
【0017】
図面及び本明細書において、特に言及が無い限り、同一の要素、特徴及び構成には同一の参照番号が付与される。要素の相対的な大きさ及び描写は、明確さ、説明及び利便性のために誇張されうる。
【0018】
ここで使用される技術用語は、特定の実施形態を説明する目的のみであって、本願の発明の開示を限定するものでは無い。ここに記載されるように、個々の名詞は、文脈の前後関係から明らかに単数であることが示されていない限り、複数のものを表すことも意図されている。「第1」、「第2」等の用語は、特定の順番を暗示するのではなく、個々の要素を識別するために使用される。さらに第1」、「第2」等の用語は、何らかの順番や重要性を示すのではなく、むしろある要素を別の要素から区別するために使用される。また、本明細書で用いるところでは、用語「含む」、
「有する」は、特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を表すが、一つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分及び又はその群の存在、若しくは追加を排除しない。
【0019】
特に規定がない限り、ここに使用される技術的及び科学的な用語を含む全ての用語は、当業者いよって共通に理解される意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術と本明細書の文脈におけるその意味と一致している意味を有するものとして解釈されるべきであることが理解され、そして明示的にそうここに定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味には解釈されない。
【0020】
本開示の目的のためには、「X、Y、Zのうちの少なくとも一つ」との記述は、Xのみ、Yのみ、Zのみ、又は、X、Y及びZのうちの何れか二つ以上の組み合わせ(例えば、XYZ、XYY、YZ、ZZなど)を意味するように解釈される。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態によるタッチパネルの一例の構成を示すブロック図であり、図2は、本発明の一実施形態によるタッチパネル本体の一例の構成を示す分解斜視図であり、図3は、図2に示したタッチパネル本体をIII−III´ラインに沿って切った断面図である。
【0022】
図1を参照すると、タッチパネル10は、タッチパネル本体100、及び制御部110を含む。タッチパネル本体100は、タッチパネル10を構成する物理的構造体を示す。一方、制御部110は、タッチパネル10の動作を制御する電気回路及び/またはハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、またはソフトウェアのみであり得る。したがって、本明細書で、単純に「タッチパネル」と称する場合、タッチパネル本体100を示すが、制御部110も含むタッチパネル10の全体を示すこともある。以下、図2及び図3を参照して、タッチパネル本体100の構成について説明する。
【0023】
図2及び図3を参照すると、タッチパネル本体100は、下部基板101と、上部基板102と、下部基板101と上部基板102との間に配置されている複数の下部電極103及び複数の上部電極104と、下部基板101と上部電極102との間に介在されている複数の有機トランジスタ106及び導電性ゴム層105とを含む。
【0024】
下部基板101は、タッチパネル本体100の下面をなすベース基板である。下部基板101は、ガラスなどの硬い材料で形成されてもよく、ポリマーフィルムなどのようなフレキシブルな材料で形成されてもよい。例えば、タッチパネル10が、電子機器のタッチスクリーンとして機能し、またディスプレイ(例えば、LCDパネル)が、タッチパネル10の下側に取り付けられる場合、タッチパネル本体100を構成する全ての又は一部の構成要素は、透明な材料で形成されてもよい。この場合、下部基板101は、ディスプレイの上面でもよく、またはディスプレイの上面に付加的に取り付けられた基板であってもよい。
【0025】
上部基板102は、タッチパネル本体100の上面をなすように下部基板101と所定間隔離隔して対向配置されている。上部基板102も、ガラスなどの硬い材料で形成されてもよく、ポリマーフィルムなどのようなフレキシブルな材料で形成されてもよい。タッチパネル10が、電子機器のタッチスクリーンとして機能し、またディスプレイが、タッチパネル10の上側に取り付けられる場合、タッチパネル本体100を構成する構成要素が必ずしも透明な材料で形成される必要はない。この場合、上部基板102は、ディスプレイの下面であってもよく、またはディスプレイの下面に付加的に取り付けられた基板であってもよい。
【0026】
上部基板102の上面は、ユーザが入力をするために直接または間接的に接触するタッチ面である。例えば、タッチパネルは、両面が、即ち、上部基板102の上面はもとより、下部基板101の下面も、タッチ面であってもよい。上部基板102の上面や下部基板101の下面に所定の力が加えられれば、上部基板102や下部基板101には、図10A及び図10Bに示すように変形が生じる。例えば、ユーザが指やスタイラスペンのようなポインティングオブジェクト(pointing object)を使ってタッチ面を接触または加圧する場合、上部基板102または下部基板101は、局部的に変形されうる。
【0027】
下部電極103は下部基板101の上面上に配置され、上部104は上部基板102の下面上に配置されてもよい。下部電極103及び上部電極104は、タッチパネル本体100の略全体に亘ってアレイ状に配列されるてもよく、またはマトリックス状に配列されてもよい。図2には、マトリックス状に配列された下部電極103及び上部電極104の一例が示されている。図2を参照すると、下部基板101の上面に複数のの下部電極103が平行に配置されてもよく、上部基板102の下面に複数の上部電極104が配置されてもよい。ここで、例えば、下部電極103は第1方向に延長され、上部電極104は第1方向に実質的に直交する第2方向に延長されてもよい。したがって、下部電極103と上部電極104との交差点で、複数の感知電極対が定義されうる。下部電極103及び上部電極104は、それぞれ透明または不透明な導電性物質で形成され、下部電極103と上部電極104とが、必ずしも同じ材料で形成される必要はない。
【0028】
下部基板101と上部基板102との間の間隙には、有機トランジスタ106及び導電性ゴム層105が介在されている。例えば、図2を参照すると、下部基板101の下部電極103上に有機トランジスタ106と導電性ゴム層105とが順次に積層されていると示されているが、これは、単に例示的なものである。別の一例において、導電性ゴム層105と有機トランジスタ106とが順次下部電極103上に積層されてもよい。
【0029】
導電性ゴム層105は、タッチパネル本体100の全面に敷かれているシート状の層であってもよい。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではなく、導電性ゴム層105は、下部電極103または上部電極104と同じ形状、即ちライン(line)状であってもよく、下部電極103と上部電極104との交差点に形成されるスポット(spot)状であってもよい。このような導電性ゴム層105は、上側または下側のうち何れか一方から一定の圧力以上に加圧されると、垂直に電気が通じるが、加圧されない場合には電気を通さず、したがって、導電性ゴム層105は、可変抵抗としての特性を有する。
【0030】
図4A及び図4Bは、本発明の一実施形態によるシート状の導電性ゴム層105の構造及び電気的特性を示す断面図である。図4A及び図4Bを参照すると、導電性ゴム層105は、薄く、電気絶縁性に優れた弾性材料、例えば、ゴムなどで形成された母材105aに導電材料で形成された微細粒子、例えば、細かく割れた状態のカーボンナノチューブ105bが分散されている構造である。導電性ゴム層105は、変形していない状態で絶縁体となり、変形した状態で導電体となる。図4A及び図4Bでは、導電性ゴム層105の厚さ及びカーボンナノチューブ105bの粒子が相対的に大きく示されているが、これは、単に図示及び説明の便宜のためのものである。実質的に、導電性ゴム層105は、非常に薄い厚さのシート状のゴムで形成された母材105aに非常に微細なカーボンナノチューブ105bが均一に分散して分布されている。カーボンナノチューブ105bは、母材105aに不規則的に、または規則的に分布されている。
【0031】
このような導電性ゴム層105は、何らの力が加えられない場合には、図4Aに示したように、如何なる方向にも電気が通じない電気絶縁体である。すなわち、導電性ゴム層105におけるカーボンナノチューブ105bの密度が低くいため、導電性ゴム層105は電流を通さない。しかし、図4Bに示したように、導電性ゴム層105の一方向、例えば、上側から導電性ゴム層105に所定の圧力が加えられれば、ゴムで形成された母材105aの特性上、加圧される方向に圧縮され、母材105aに分散して分布していたカーボンナノチューブ105b間の距離が近くなり、また互いに接触する。その結果、カーボンナノチューブ105bの密度が高くなり(点線A部分)、導電性ゴム層105は導電性が高くなる。特に、導電性ゴム層105は、加圧される方向(点線A部分の上下方向)に電流が最もよく通じる電気導伝体になる。このような導電性ゴム層105の電気的特性によれば、導電性ゴム層105は、上側から加圧される場合はもとより、下側から加圧される場合、または上下側いずれもから加圧される場合にも、上下方向に電気導電性が高くなり、電流を通すことができるということは明白である(図10A及び図10B参照)。
【0032】
タッチパネル本体100において、複数の有機トランジスタ106が上部電極104と下部電極103との交差点にマトリックス状に配置されている。有機トランジスタ106は、電界効果薄膜トランジスタ(TFT)であって、その全体構造及び動作原理は、シリコンを基盤とした電界効果薄膜トランジスタと大きく差がないので、これについての具体的な説明は省略する。但し、有機トランジスタ106は、チャネルを形成する半導体層、すなわち、チャネル層がシリコン半導体ではなく有機半導体材料で形成されるという点で異なる。有機トランジスタ106は、有機半導体材料でチャネル層が形成されており、シリコン半導体に比べて機械的な柔軟性が優れているため、フレキシブルデバイスを作るのに広く活用されることができる。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態によるタッチパネル本体100の一ノードを示す等価回路図である。図5では、上部電極104がアノードとして使われ、下部電極がカソードとして使われる場合である。図5を参照すると、一実施形態によるタッチパネル本体100のノードは、上部電極104と下部電極103との間に可変抵抗として機能する導電性ゴム層105と導電性ゴム層105に直列にお接続されているスイッチング素子である有機トランジスタ106を有してもよい。有機トランジスタ106は、ゲート106gとドレイン106dとが電気的に接続されており、ダイオードとして動作してもよい。
【0034】
より具体的には、可変抵抗である導電性ゴム層105の抵抗が低く、有機トランジスタ106のソース106sとゲート106gとの間に有機トランジスタ106の閾値電圧Vth以上の電圧が印加される場合、有機トランジスタ106を通じて電流Idが流れるようになる。一方、可変抵抗である導電性ゴム105の抵抗が高く、有機トランジスタ106のソース106sとゲート106gとの間に相対的に有機トランジスタ106の閾値電圧Vth未満の電圧が印加される場合、有機トランジスタ106は、電流の流れを遮断する。
【0035】
このように、有機トランジスタ106は、導電性ゴム層105を通じて流れる電流をオン/オフ(On/Off)するスイッチを行う。このような有機トランジスタ106のスイッチング機能は、タッチパネル10の誤作動を防止することができる。より具体的には、導電性ゴム層105が加圧されると、有機トランジスタ106は、加圧された部分(図4Bの点線A部分)を通じて電流を流れるようにするが、A部分に隣接した部分(点線B部分)では電流を遮断する。その結果、タッチパネル本体100で加圧された部分のみが入力と感知され、加圧されていない他の部分が入力と感知されることを防ぎ、タッチパネル10の誤動作または不正確な入力の感知を防止することができる。
【0036】
図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態によるタッチパネルの加圧状態を示す図である。前述したように、導電性ゴム層105には、カーボンナノチューブ105bのような微細な導電性粒子が母材105aの全体に分散して分布されており、加圧されなければ電気絶縁体であるが(図4A参照)、圧力が加えられれば、加圧部分において、母材105a内に分布しているカーボンナノチューブ105bの密度が高くなり、上下方向に電流が流れるようになる(図4B参照)。ところが、導電性ゴム層105は、圧力が加えられた部分(図4Bの点線A部分)はもとより、それに隣接した部分(図4Bの点線B部分)でも、カーボンナノチューブ105bの密度が高くなることがある(もちろん、点線B部分でのカーボンナノチューブ105bの密度は、点線A部分でのカーボンナノチューブ105bの密度よりは低いが、加圧されていないそれ以外の領域よりは高い)。
【0037】
その結果、図6A及び図6Bに示したように、経路bを通じて電流が流れる、すなわち、導電性ゴム層105の加圧部分に隣接した部分に所望しない誘導電流が発生させることがある。誘導電流は、例えば、入力タッチ位置の感知エラーなどのタッチパネルの誤動作を起こす原因になりうる。この場合、図6Aに示したように、導電性ゴム層105と下部電極103との間に、または導電性ゴム層105と上部電極104との間に有機トランジスタが介在されていなければ、上部電極104に印加された電流は、加圧部分Aに対応する経路aはもとより、隣接する経路bを通じて複数の下部電極103に流れる。しかし、図6Bに示すように、有機トランジスタ106のようなスイッチング素子が導電性ゴム層105と下部電極103との間などに介在されていれば、複数の有機トランジスタ106を選択的にオン/オフさせ(より具体的には、経路aに位置した有機トランジスタ106をオンさせ、経路bに位置した有機トランジスタ106をオフさせ)ることによって、経路aを通じて流れる電流はそのまま流れるようにし、経路bの電流の流れを遮断することができる。特に、図5に示したように、有機トランジスタ106はダイオードとして機能してもよい。経路aの部分では導電性ゴム層105の抵抗が低いため、経路aの部分の有機トランジスタ106のソース106sとゲート106gとの間に閾値電圧以上の電圧がかかる。経路bの部分では導電性ゴム105の抵抗が高いため、経路bの部分の有機トランジスタ106のソース106sとゲート106gとの間に閾値電圧未満の電圧がかかる。したがって、経路aの部分に印加される電流と経路bの部分に印加される電流とに差があるため、有機トランジスタ106は、選択的なオン/オフスキャニング動作を行う必要もなしに選択的にスイッチのオンまたはオフが可能である。
【0038】
このような誘導電流の発生を低減、または防止するため、導電性ゴム層105は、ライン状またはスポット状にであってもよい。例えば、導電性ゴム層105がライン状である場合、導電性ゴム層105が延長する方向には誘導電流が発生する可能性があるが、この場合、導電性ゴム層105が延長する方向に直交する方向には導電性ゴム層が存在しないため、この方向に誘導電流が発生しない。そして、導電性ゴム層105がスポット状である場合は、導電性ゴム層105がタッチパネル10の特定部分に存在するため、不要な誘導電流の発生を根本的に防ぐことができる。
【0039】
有機トランジスタ106は、タッチパネル本体100、より具体的には、上部電極104と下部電極103との間の逆電流を防止する機能も行うことができる。すなわち、有機トランジスタ106は、下部電極103から上部電極104に流れる逆電流が発生する場合、これを遮断する。複数の下部電極103と複数の上部電極104とを有し、ダイオードと類似した特性を有しているタッチパネル本体100に逆電流が持続的に流れると、タッチパネル本体100の破損を引き起こす可能性が高くなる。そのため、有機トランジスタ106を用いて、逆電流の流れまたは発生を防いでもよい。したがって、逆電流を防ぐことによって、タッチパネル10の耐久性及び信頼性を向上させることができる。
【0040】
図7A及び図7Bは、本発明の一実施形態による複数の有機トランジスタの使用を説明するための図である。図7Aを参照すると、有機トランジスタ106がない場合には、上部電極104から下部電極103に経路aに沿ってはもとより、経路aに沿う流れの向きとは反対に、下部電極103から上部電極104に経路cに沿っても電流が流れうる。一方、図7Bを参照すると、有機トランジスタ106がある場合、一方向、すなわち、上部電極104から下部電極103に経路aに沿っては電流が流れるが、下部電極103から上部電極104に経路cに沿っては電流が流れない。したがって、有機トランジスタ106は、逆電流を防止することができる。
【0041】
次いで、図1を参照すると、制御部110は、タッチパネル本体100に対するユーザからの入力を感知して、入力位置を判定してもよい。例えば、制御部110は、感知信号Ssを生成してタッチパネル本体100に入力してもよい。制御部110は、タッチパネル本体100の出力信号Soを受信して、該出力信号Soに基づいてユーザからの入力有無を判定してもよい。そして、ユーザからの入力があると判定されると、制御部110は、入力信号Si(例えば、図11のタッチパネル10といった電子機器のタッチプロセッサに入力されるインタラプト信号)とともに入力感知位置についての情報を出力する。感知信号Ssを生成するための電源は、電子機器の電源部(図11参照)などから提供されてもよい。
【0042】
図8Aは、本発明の一実施形態による1つの上部電極104とこれと交差する複数の下部電極103との間に形成される複数のノードを示す等価回路図である。そして、図8Bは、本発明の一実施形態ぬよる、複数の上部電極104への感知信号Ssの一例を示すグラフである。図8Bを参照すると、制御部110は、複数の上部電極X1、X2、X3、X4・・・をスキャンしながら上部電極X1、X2、X3、X4・・・に順次にパルス信号Vsを入力する。そして、パルス信号Vsの入力を受けて、ユーザからの入力を受信したノード、すなわち、可変抵抗である導電性ゴム層105の抵抗が低くなったノードに接続された下部電極103(図8Aにおいては、左側から四番目の下部電極103)を通じて電流Idの流れが検出されるが、ユーザからの入力がないノード、すなわち、可変抵抗である導電性ゴム層105の抵抗が相対的に大きいノードに接続された下部電極103(図8Aにおいては、左側から四番目の下部電極103を除いた下部電極)には電流が流れない。その結果、制御部110は、下部電極103(図8Aのは、左側から四番目の下部電極103)を通じて流れる電流Idを検出して、ユーザからの入力有無とともに入力位置を判定することができる。
【0043】
このように、制御部110は、パッシブマトリックススキャン(passive matrix scan)を行い、ユーザの加圧によって導電性ゴム層105の抵抗が低くなった部分のノードを通じて流れる電流を検出することによって、ユーザの入力位置を判定することができる。
【0044】
図9は、本発明の一実施形態による制御部110の構成を示すブロック図である。図9に示された本発明の一実施形態において、制御部110は、パッシブマトリックススキャンを行って、入力位置を判定するための商用化された回路構成を有する。
【0045】
図9を参照すると、制御部110は、ドライバー1101、マルチプレクサ(MUX)1102、及びアナログ−デジタル変換器(Analog−Digital Converter、ADC)1103を含む。
【0046】
ドライバー1101は、マトリックス状に配列されている複数ノードの各々のX座標値とY座標値、各上部電極104の位置と各下部電極103の位置とを示す値を受信するタッチパネルドライバーインターフェースであってもよい。例えば、タッチパネル本体100にタッチ入力が印加されると、インタラプト信号Siが生成され、ドライバー1101は、図8Bに示したようにX1、X2、X3、・・・の順序でスキャニングを行なってもよい。スキャンセンシング回路は、Y列Y1、Y2、Y3、・・・のうち少なくとも何れか1つのラインから物理的接触、すなわち、入力を感知する。ドライバー1101によるスキャン動作によって得られたスキャンセンシング信号は、MUX1102に入力されてもよい。MUX1102は、多重入力を受けてスイッチを通じて出力される信号の数を減らしてもよい。アナログ−デジタル変換器1103は、MUX1102を通じて入力されるスキャンセンシング信号をデジタルスキャンセンシング信号に変換する。
【0047】
前述したように、本発明の一実施形態によるタッチパネル10は、フレキシブルであり弾性がある材質の導電性ゴム層105を可変抵抗として用い、弾性を有する有機トランジスタ106をスイッチング素子として用いて、より信頼性に優れた動作を行う。したがって、下部基板101と上部基板102とをポリマーフィルムのようなフレキシブルな材料で形成すれば、タッチパネル10が、耐久性に優れるとともによりフレキシブルにすることができる。そして、タッチパネル10が反るか、折り畳まれた状態であっても、タッチパネル10のタッチ認識性能が低下しないだけではなく、タッチ認識に対する正確性も信頼性も高い。
【0048】
そして、本発明の一実施形態によるタッチパネル10は、両面をいずれもをユーザタッチ面として用いてもよい。例えば、前述したように、本発明の一実施形態によるタッチパネル10は、フレキシブルな特性を有するように、下部電極103と上部電極104との間に導電性ゴム層105と有機トランジスタ106とが配置される。このような例において、物理的にはタッチパネル10の上下が区分されず、タッチ面として使用されるタッチパネル10の上部基板102の上面と下部基板101の下面とがいずれもユーザタッチ面であってもよく、タッチパネル10の上下如何なる側から圧力が加えられても、当該部分の導電性ゴム層105の抵抗が減少する。
【0049】
図10Aは、本発明の一実施形態による、タッチ面として用いられる上部基板を有するタッチパネル本体を示す断面図であり、図10Bは、本発明の一実施形態による、タッチ面として用いられる下部基板を有するタッチパネル本体を示す断面図である。
【0050】
図10Aに示すように、上部基板102の上面から圧力が加えられることにより導電性ゴム層105は変形し、図10Bに示すように、下部基板101の下面から圧力が加えられることにより、導電性ゴム層105は同様に変形する。その結果、導電性ゴム層105を通じて電流Idが流れるようになる。
【0051】
図1乃至図10Bを参照して前述した本発明の一実施形態によるタッチパネル10は、ユーザ入力装置としてさまざまな種類の電子機器に備えられてもよい。例えば、タッチパネル10は、ノート型パソコンやネットブックなどのタッチパッドとして使われてもよい。また、タッチパネル10は、電子機器のディスプレイの上面及び/または下面に装着されて使われるタッチスクリーンとして使われてもよい。タッチパネル10は、例えば、携帯電話、スマートフォンやPDA、PMP、電子ブック端末機(e−book)、タブレットコンピュータのような携帯用電子機器や現金自動預け払い機(ATM)、情報検索器、無人チケット発売機のような電子機器のタッチスクリーンとして使われてもよい。
【0052】
それだけではなく、タッチパネル10は、さまざまな種類の家庭用電子機器やオフィス環境におけるさまざまな事務用電子機器などでユーザ入力装置として使われてもよい。例えば、部分的に折り曲げられた状態(一部がロール状に巻き付けられており、他の部分は広がっている状態)のタッチパネル10は、広がっている状態の部分は、前面をユーザタッチ面として使い、折り曲げられている状態の部分は、後面をユーザタッチ面として使い、両面タッチパネルとして使うことができる。この場合、後面をタッチして入力装置として使う場合には、タッチパネルの前面上に配置されている透明ディスプレイには180°反対のミラーイメージを表示して、便利性を付与してもよい。
【0053】
他の例として、タッチパネル10は、導電性ゴム層105を用いて微細な圧力も検知することができる特性を利用して、圧力変動を認識できる電子機器として活用することもできる。または、タッチパネル10は、また、フレキシブルディスプレイを有する電子機器(例えば、本形状のディスプレイを有する電子ブック端末機など)と組み合わされて、多様な用途のユーザ入力装置として活用されてもよく、ゲーム機やグラフィック作業などといった電子機器の両面タッチ入力装置として使われてもよい。
【0054】
図11は、本発明の一実施形態によるタッチパネルを備えた電子機器の一例を示すブロック図である。図11を参照すると、電子機器は、タッチパネル10、タッチプロセッサ20、ホストプロセッサ30、電源部40、及びメモリ50を含む。図11に示す電子機器の構成は、例示的なものであって、本発明の一実施形態によるタッチパネル10は如何なる種類の電子機器にも適用されうる。
【0055】
タッチパネル10は、前述したように、タッチパネル本体100及び制御部110を含む。ユーザからのタッチ入力を受信すると、当該地点の導電性ゴム層105が一時的に圧縮または変形されるため、導電性ゴム層105の抵抗が減少する。この際、センシングパルスがタッチ入力が検知された位置にあるノードに入力されれば、低い抵抗によって有機トランジスタのソースには、相対的に高い電圧がかかって有機トランジスタがオン状態になる。
【0056】
タッチプロセッサ20は、タッチパネル10の制御部110からデジタルスキャンセンシング信号(図9参照)が入力されると、これをメモリ50に保存されているデータに対してマッピングを行って、有効な認識情報を生成する。より具体的には、タッチプロセッサ20は、タッチパネル10を通じて入力された情報の種類を識別してもよく、識別情報に対応するパターンを検索してもよく、識別情報にマッピングされた情報をメモリ50から抽出して、抽出した情報をホストプロセッサ30に伝達してもよい。
【0057】
メモリ50には、入力された情報に対応するそれぞれの定義されたパターンが保存されている。メモリ50に保存されているパターンは、特定メニューやアプリケーションの最初の生成時に定義されるてもよく、及び/またはユーザによって追って定義されてもよい。入力された情報に対応する定義されたパターンは、半永久的に保存が可能な外部記憶装置や電子機器のROM、フラッシュメモリのような不揮発性メモリに保存されてもよい。
【0058】
タッチパネル10が設けられた電子機器のメインプロセッサまたはアプリケーションプロセッサであるホストプロセッサ30は、タッチプロセッサ20で生成された認識情報が伝達される。そして、ホストプロセッサ30は、受信した認識情報を処理して、処理した認識情報に基づいたイベントを生成する。
【0059】
電源部40は、電子機器の各種構成要素に電源を供給してもよい。電源部40は、電子機器の構成要素と直接接続されているか、その中間に交流/直流コンバータ(AC/DC converter)及び/または直流/直流コンバータ(DC/DC converter)がさらに備えられていてもよい。AC/DCコンバータは、電源部40で交流電源が使われる場合、交流電流を直流電流に変換するためのものである。、DC/DCコンバータは、電源部40及び/またはAC/DCコンバータから供給される直流電圧を各構成要素の動作に適した電圧に変換するためのものである。
【0060】
前述したように、タッチパネルは、導電性ゴム層及び有機トランジスタを用いて製造されるため、フレキシブルディスプレイいおける使用に適しており、湾曲された、或いは折り畳まれているとしてもユーザ入力を感知することが可能であり、両面タッチパネルとしても使用することができる。本発明のタッチパネルは、フレキシブルディスプレイの使用の利便性を向上させ、さまざまなアプリケーションに用いることが可能である。さらに、本発明のタッチパネルは、有機トランジスタの密度に応じてタッチ解像度の正確性を向上させることが可能であり、ユーザ入力の検知の正確性を向上させることができる。本発明のタッチパネルは、さまざまなユーザインターフェース、アプリケーションに適用されてもよく、タッチ検知におけるより高い信頼性を提供するアクティブディスプレイ(active diaplay)の発展に寄与するものである。
【0061】
以上の説明は、本発明の実施例に過ぎず、この実施例によって本発明の技術思想が限定されると解析されてはならない。本発明の技術思想は、特許請求の範囲に記載の発明によってのみ特定されなければならない。したがって、本発明の技術思想を外れない範囲で前述した実施例は多様な形態に変形されて具現可能であるということは当業者に自明である。
本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想を外れない範囲で、本発明にさまざまな修正又は変形が可能であることは自明である。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、タッチパネル及びそれを備えた電子機器関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
10:タッチパネル
100:タッチパネル本体
110:制御部
101:下部基板
102:上部基板
103:下部電極
104:上部電極
105:導電性ゴム層
106:有機トランジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極を有する第1基板と、
第2電極を有する第2基板と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前記第1電極と直列に接続された部分を有し、変形に基づく可変抵抗を有している導電性ゴム層と、
前記導電性ゴム層の前記部分と前記第1電極とに接続されたスイッチング素子と、
を含むタッチパネル。
【請求項2】
前記スイッチング素子は、有機薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記導電性ゴム層は、母材と前記母材に分散されたカーボンナノチューブ粒子とを含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記カーボンナノチューブ粒子の密度は、タッチ入力により変化することを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記第1電極と前記第2電極とは互いに直交して交差するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記導電性ゴム層は、ライン形状またはスポット形状であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記第2電極の電圧を制御する制御部をさらに有する請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記第1基板、前記第2基板、前記第1電極、前記第2電極及び前記スイッチング素子は、透明であり且つフレキシブルであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記第1基板及び前記第2基板は、ポリマーフィルムで形成されることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネル。
【請求項10】
第1電極を有する第1基板を配置し、
第2電極を有する第2基板を配置し、
変形に基づく可変抵抗を有している導電性ゴム層を前記第1電極と前記第2電極との間に介在させ、
前記導電性ゴム層の一部分と前記第1電極とを直列に接続し、
前記導電性ゴム層の前記一部分と前記第1電極とにスイッチング素子を直列に接続させること、
を含む入力タッチパネルの製造方法。
【請求項11】
前記スイッチング素子は、有機薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記導電性ゴム層は、絶縁性を有する母材と前記母材に分散されたカーボンナノチューブ粒子とを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記カーボンナノチューブ粒子の密度は、タッチ入力により変化することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1電極と前記第2電極とは互いに直交して交差するよう配置されていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記導電性ゴム層は、ライン形状またはスポット形状であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第2電極に電圧を印加する制御部を提供することをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記第1基板、前記第2基板、前記第1電極、前記第2電極及び前記スイッチング素子は、透明であり且つフレキシブルであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記第1基板及び前記第2基板は、ポリマーフィルムで形成されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1面及び第2面と、
前記第1面と前記第2面との間に介在される導電性ゴム層と、
前記導電性ゴム層と前記第1面とに直列に接続されたダイオードと、
を含み、
変形状態においては、前記導電性ゴム層は前記第1面から前記第2面に電流を流し、変形していない状態においては、前記導電性ゴム層は前記第1面から前記第2面に流れる電流を遮断することを特徴とするタッチパネル。
【請求項20】
前記導電性ゴム層は、カーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項19に記載のタッチパネル。
【請求項1】
第1電極を有する第1基板と、
第2電極を有する第2基板と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前記第1電極と直列に接続された部分を有し、変形に基づく可変抵抗を有している導電性ゴム層と、
前記導電性ゴム層の前記部分と前記第1電極とに接続されたスイッチング素子と、
を含むタッチパネル。
【請求項2】
前記スイッチング素子は、有機薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記導電性ゴム層は、母材と前記母材に分散されたカーボンナノチューブ粒子とを含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記カーボンナノチューブ粒子の密度は、タッチ入力により変化することを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記第1電極と前記第2電極とは互いに直交して交差するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記導電性ゴム層は、ライン形状またはスポット形状であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記第2電極の電圧を制御する制御部をさらに有する請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記第1基板、前記第2基板、前記第1電極、前記第2電極及び前記スイッチング素子は、透明であり且つフレキシブルであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記第1基板及び前記第2基板は、ポリマーフィルムで形成されることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネル。
【請求項10】
第1電極を有する第1基板を配置し、
第2電極を有する第2基板を配置し、
変形に基づく可変抵抗を有している導電性ゴム層を前記第1電極と前記第2電極との間に介在させ、
前記導電性ゴム層の一部分と前記第1電極とを直列に接続し、
前記導電性ゴム層の前記一部分と前記第1電極とにスイッチング素子を直列に接続させること、
を含む入力タッチパネルの製造方法。
【請求項11】
前記スイッチング素子は、有機薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記導電性ゴム層は、絶縁性を有する母材と前記母材に分散されたカーボンナノチューブ粒子とを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記カーボンナノチューブ粒子の密度は、タッチ入力により変化することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1電極と前記第2電極とは互いに直交して交差するよう配置されていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記導電性ゴム層は、ライン形状またはスポット形状であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第2電極に電圧を印加する制御部を提供することをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記第1基板、前記第2基板、前記第1電極、前記第2電極及び前記スイッチング素子は、透明であり且つフレキシブルであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記第1基板及び前記第2基板は、ポリマーフィルムで形成されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1面及び第2面と、
前記第1面と前記第2面との間に介在される導電性ゴム層と、
前記導電性ゴム層と前記第1面とに直列に接続されたダイオードと、
を含み、
変形状態においては、前記導電性ゴム層は前記第1面から前記第2面に電流を流し、変形していない状態においては、前記導電性ゴム層は前記第1面から前記第2面に流れる電流を遮断することを特徴とするタッチパネル。
【請求項20】
前記導電性ゴム層は、カーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項19に記載のタッチパネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【公開番号】特開2013−37674(P2013−37674A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135140(P2012−135140)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(505463102)パンテック カンパニー リミテッド (89)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(505463102)パンテック カンパニー リミテッド (89)
【Fターム(参考)】
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