説明

タッチパネル及びタッチパネルの製造方法

【目的】 フレキシブルプリント基板を容易に接続することができるタッチパネル及びタッチパネルの製造方法を提供する。
【構成】 タッチパネルは、対向配置された透明な第1、第2の基体100a、100bと、基体100aの内面に設けられた第1の透明電極300aと、基体100bの内面に設けられた第2の透明電極300bと、基体100aの内面に設けられ且つ透明電極300aに接続された第1の引き出し線400aと、基体100bの内面に設けられ且つ透明電極300bに接続された第2の引き出し線400bと、基体100aの内面に設けられた転移引き出し線500と、引き出し線400bと転移引き出し線500とを導通させるコモン転移部600と、基体100aの内面上で引き出し線400a及び転移引き出し線500に接続されたフレキシブルプリント基板700とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル及びタッチパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のタッチパネルとしては、対向配置された透明な第1、第2の基板の間にフレキシブルプリント基板が挿入され、該フレキシブルプリント基板の第1面が前記第1の基板の面上の第1の引き出し線に、該フレキシブルプリント基板の第2面が前記第2の基板の面上の第2の引き出し線に接続されるようになっているものがある(特許文献1の図6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2005/017732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記タッチパネルは、第1、第2の基板の間にフレキシブルプリント基板を挿入しつつ、フレキシブルプリント基板の第1面を前記第1の基板の面上の第1の引き出し線に、該フレキシブルプリント基板の第2面を前記第2の基板の面上の第2の引き出し線に接続しなければならない。よって、フレキシブルプリント基板を第1、第2の基板の第1、第2の引き出し線に接続する作業が困難であり、その作業性が悪かった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、フレキシブルプリント基板を容易に接続することができるタッチパネル及びタッチパネルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のタッチパネルは、互いに対向配置され且つ少なくとも一方が透明である第1、第2の基体と、前記第1の基体の第2の基体対向面上に設けられた第1の透明電極と、前記第2の基体の第1の基体対向面上に設けられた第2の透明電極と、前記第1の基体の第2の基体対向面上に設けられ且つ第1の透明電極に接続された第1の引き出し線と、前記第2の基体の第1の基体対向面上に設けられ且つ第2の透明電極に接続された第2の引き出し線と、前記第1の基体の第2の基体対向面上に設けられた転移引き出し線と、前記第2の引き出し線と前記転移引き出し線とを導通させるコモン転移部と、前記第1の基体の第2の基体対向面上で前記第1の引き出し線及び転移引き出し線に接続されたフレキシブルプリント基板とを備えている。
【0007】
このようなタッチパネルによる場合、前記コモン転移部により第2の基体の第1の基体対向面上の前記第2の引き出し線が前記第1の基体の第2の基体対向面上の転移引き出し線に導通させられている。すなわち、前記第2の基体の第1の基体対向面上の前記第2の引き出し線の一部が前記コモン転移部により前記転移引き出し線として前記第1の基体の第2の基体対向面側に転移している。このため、前記第1の基体の第2の基体対向面上でフレキシブルプリント基板を前記第1の引き出し線及び転移引き出し線に一度に接続することができるので、フレキシブルプリント基板と前記第1の引き出し線及び転移引き出し線との接続作業が簡単になる。また、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線が前記第1の基体側に集中しているため、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の配線を単純化することができる。更に、前記フレキシブルプリント基板を前記第1の基体の第2の基体対向面に圧着接続する場合であっても、圧着固定がフレキシブルプリント基板の片面で済むので、安価なフレキシブルプリント基板を用いることができる。
【0008】
前記第1、第2の基体の間に樹脂を充填した構成とすることができる。このように前記樹脂を前記第1、第2の基体の間に充填されることにより、該第1、第2の基体の間に気泡が混入し難くなる。
【0009】
前記第2の基体の端部に、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部を露出させる切欠き部を設けることができる。前記フレキシブルプリント基板の端部が前記切欠き部に挿入された状態で、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線に接続されている。この場合、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部が前記切欠き部から露出していることから、前記フレキシブルプリント基板の端部を簡単に接続させることができる。しかも、前記第2の基体上の前記第2の引き出し線の一部が前記コモン転移部により前記転移引き出し線として前記第1の基体側に転移されているので、前記第2の基体の前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部に対向する領域に前記第2の引き出し線が設けられていない。前記領域に前記切欠き部を設けることにより、前記第1の基体にフレキシブルプリント基板を接続するための接続部を設ける必要がなくなる。すなわち、前記第1の基体の外形を大きくする必要がなくなるので、タッチパネルが大型化するのを抑止することができる。また、前記切欠き部により前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部が露出しているので、前記樹脂を充填する際に、該樹脂により前記第1の引き出し線及び転移引き出し線が埋もれてしまうことがない。
【0010】
前記第1、第2の基体には、該第1、第2の基体の端部に連続する切り落とし部が設けられた構成とすることができる。前記第1又は第2の基体の切り落とし部には、前記第2又は第1の基体の切り落とし部の一部を露出させる凹部が設けられており、前記樹脂は、前記切り落とし部の一部に滴下され、前記第1、第2の基体の間に充填されるようになっている。この場合、前記樹脂を前記切り落とし部の一部に滴下すると、前記樹脂の表面張力により前記第1、第2の基体の間を進み、該第1、第2の基体の間に充填される。よって、前記樹脂を前記第1、第2の基体の間に簡単に充填することができる。
【0011】
前記第1又は第2の基体には凸状の切り落とし部が設けられた構成とすることができる。前記樹脂は、前記切り落とし部に滴下され、前記第1、第2の基体の間に充填されるようになっている。この場合、前記樹脂を前記切り落とし部に滴下すると、前記第1、第2の基体の間を進み、該第1、第2の基体の間に充填される。よって、前記樹脂を前記第1、第2の基体の間に簡単に充填することができる。
【0012】
前記第1、第2の基体は、該第1の基体の一部と該第2の基体の一部とが対向しないように配置することができる。前記樹脂は、前記第1又は第2の基体の一部に滴下され、該第1、第2の基体の間に充填されるようになっている。この場合、前記樹脂を前記第1又は第2の基体の一部に滴下すると、前記第1、第2の基体の間を進み、該第1、第2の基体の間に充填される。よって、前記樹脂を前記第1、第2の基体の間に簡単に充填することができる。
【0013】
前記コモン転移部としては導電ペースト又は導電性粒子を含有する接着樹脂を使用することができる。特に、前記接着樹脂を用いた場合、前記導電性粒子により前記第2の引き出し線と前記転移引き出し線とが導通されるので、本タッチパネルが屈曲されたとしても安定した導通状態を維持することができる。また、前記転移引き出し線を金属線とすることができる。この場合、前記転移引き出し線の配線抵抗を低くすることができる。更に、前記樹脂に第1、第2の基体の間の間隔を維持するギャップ剤を含有させることもできる。この場合、前記ギャップ剤により第1、第2の基体の間の間隔を安定的に維持される。
【0014】
本発明のタッチパネルの製造方法は、少なくとも一方が透明である第1、第2の基体を備え、前記第1の基体に第1の透明電極、これに接続された第1の引き出し線及び転移引き出し線が、前記第2の基体に第2の透明電極及びこれに接続された第2の引き出し線が設けられたタッチパネルの製造方法である。この方法は、前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に導電ペースト又は導電性粒子を含有する接着樹脂を塗布し、その後、前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせ、前記第2の引き出し線又は前記転移引き出し線を前記導電ペースト又は接着樹脂に付着させ、これにより前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させ、その後、フレキシブルプリント基板の端部を前記第1の基体の第2の基体対向面上の第1の引き出し線及び転移引き出し線に接続するようになっている。
【0015】
このようなタッチパネルの製造方法による場合、前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に導電ペースト又は導電性粒子を含有する接着樹脂を塗布し、前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせるだけで、前記導電ペースト又は接着樹脂により前記第2の基体の第1の基体対向面上の前記第2の引き出し線と前記第1の基体の第2の基体対向面上の転移引き出し線とが導通するようになっている。すなわち、前記第2の基体上の前記第2の引き出し線の一部を前記コモン転移部により前記転移引き出し線として第1の基体の第2の基体対向面側に転移させることができる。よって、前記第1の基体の第2の基体対向面上でフレキシブルプリント基板を前記第1の引き出し線及び転移引き出し線に一度に接続することができるので、前記フレキシブルプリント基板と前記第1の引き出し線及び転移引き出し線との接続作業が簡単になる。また、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線が前記第1の基体側に集中させているため、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の配線を単純化することができる。更に、フレキシブルプリント基板を前記第1の基体の第2の基体対向面に圧着接続する場合であっても、圧着固定がフレキシブルプリント基板の片面で済むので、安価なフレキシブルプリント基板を用いることができる。
【0016】
前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に前記導電ペースト又は接着樹脂を塗布する前に、前記第2の基体の端部に切欠き部を形成しておくことができる。この場合、前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせる際に、前記切欠き部から前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部を露出させる。そして、前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させた後、前記第1、第2の基体の間に樹脂を充填する。その後、前記フレキシブルプリント基板の端部を前記切欠き部に挿入し、前記第1の基体の第2の基体対向面上の第1の引き出し線及び転移引き出し線に接続すると良い。このように前記切欠き部から前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部が露出させた後、前記第1、第2の基体の間に樹脂を充填することにより、該第1の引き出し線及び転移引き出し線が埋もれてしまうのを避けることができる。また、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部が前記切欠き部から露出しているため、フレキシブルプリント基板の端部を簡単に接続させることができる。しかも、前記切欠き部は、第2の引き出し線の一部をコモン転移部により転移引き出し線として前記第1の基体側に移したことにより、前記第2の基体の前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部に対向する領域には前記第2の引き出し線が設けられていない。前記領域に前記切欠き部を設けることにより、前記第1の基体にフレキシブルプリント基板を接続するための接続部を設ける必要がなくなる。すなわち、前記第1の基体の外形を大きくする必要がなくなるので、タッチパネルが大型化するのを抑止することができる。
【0017】
前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に前記導電ペースト又は接着樹脂を塗布する前に、前記第1又は第2の基体の端部に連続する切り落とし部に凹部を設けておくことができる。この場合、前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせる際に、該第1の基体の切り落とし部と該第2の基体の切り落とし部とが互いに対向するように配置し、前記凹部から前記第2又は第1の基体の切り落とし部の一部を露出させる。前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させた後、前記切り落とし部の前記一部に樹脂を滴下して前記第1、第2の基体の間に充填する。その後、前記切り落とし部を前記第1、第2の基体から切り離すと良い。このように前記樹脂を前記切り落とし部の前記一部に滴下するだけで、前記樹脂が表面張力により前記第1、第2の基体の間を進み、該第1、第2の基体の間に充填される。よって、前記樹脂を前記第1、第2の基体の間に簡単に充填することができる。
【0018】
また、前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に前記導電ペースト又は接着樹脂を塗布する前に、前記第1又は第2の基体に凸状の切り落とし部を設けておくことができる。この場合、前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせる際に、前記切り落とし部が前記第2又は第1の基体に重ならないように配置する。そして、前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させた後、前記切り落とし部に前記樹脂を滴下して前記第1、第2の基体の間に充填し、その後、前記切り落とし部を前記第1又は第2の基体から切り離すと良い。このように前記樹脂を前記切り落とし部に滴下するだけで、前記樹脂が表面張力により前記第1、第2の基体の間を進み、該第1、第2の基体の間に充填される。よって、前記樹脂を前記第1、第2の基体の間に簡単に充填することができる。
【0019】
前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせる際に、該第1の基体の一部と該第2の基体の一部とが重ならないように配置することができる。この場合、前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させた後、前記第1又は第2の基体の前記一部に樹脂を滴下して該第1、第2の基体の間に充填し、その後、前記第1、第2の基体の前記一部を切り落とすと良い。このように前記樹脂を前記切り落とし部に滴下するだけで、前記樹脂が表面張力により前記第1、第2の基体の間を進み、該第1、第2の基体の間に充填される。よって、前記樹脂を前記第1、第2の基体の間に簡単に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの模式的平面図である。
【図2】(a)が前記タッチパネルの図1中の模式的A−A断面図、(b)が前記タッチパネルの図1中の模式的B−B断面図である。
【図3】(a)が前記タッチパネルの第1の基体の内面を示す模式図、(b)が前記タッチパネルの第2の基体の内面を示す模式図である。
【図4】(a)が前記タッチパネルの製造に用いる第1のフィルムの内面を示す模式図、(b)が前記タッチパネルの製造に用いる第2のフィルムの内面を示す模式図である。
【図5】前記タッチパネルの製造工程うち、前記第1、第2のフィルムを重ね合わせ、樹脂を充填する工程を示す模式図であって、(a)が平面図、(b)が図5(a)中のC−C断面図、(c)が図5(a)中のD−D断面図である。
【図6】前記タッチパネルの第1、第2のフィルムの間に樹脂を充填する工程の変更例を示す図であって、(a)が第1のフィルムに設けられた凸状の切り落とし部に樹脂を滴下する状態を示す平面図、(b)が図6(a)中のE−E断面図である。
【図7】前記タッチパネルの第1、第2のフィルムを重ね合わせる工程の変更例を示す図であって、(a)が第1、第2のフィルムを位置ズレさせて重ね合わせた状態を示す平面図、(b)が図7(a)中のF−F断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係るタッチパネルについて図1乃至図3を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すタッチパネルは静電容量式タッチパネルである。このタッチパネルは、第1、第2の基体100a、100bと、樹脂接着剤200(樹脂)と、複数の第1、第2の透明電極300a、300bと、複数の第1、第2の引き出し線400a、400bと、転移引き出し線500と、コモン転移部600と、フレキシブルプリント基板700とを備えている。以下、各部について詳しく説明する。
【0022】
第1、第2の基体100a、100bはポリエチレンテレフタラート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等で構成された矩形状の透明フィルムである。第1、第2の基体100a、100bは間隔を空けて対向配置されている。この第1、第2の基体100a、100bの間には樹脂接着剤200が充填されている。この樹脂接着剤200としては、積水化学工業株式会社製のSP−210等のギャップ剤(10μm程度の透明真球状のプラスチック微粒子)を含有するUV硬化性樹脂を用いている。前記ギャップ剤により第1、第2の基体100a、100bの間が所定の間隔で維持されている。第1の基体100aの内面(すなわち、第2の基体対向面)には、図3(a)に示すように、第1の透明電極300a、第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500が設けられている。第2の基体100bの内面(すなわち、第1の基体対向面)には、図3(b)に示すように、第2の透明電極300b及び第2の引き出し線400bが設けられている。また、第2の基体100bの外周縁部の第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500の一部(後述する長さ方向の他端部)に対向する領域は、第2の引き出し線300bが設けられていない。前記領域に略矩形状の切欠き部110bが設けられている。切欠き部110bの幅寸法は、フレキシブルプリント基板700の幅寸法よりも大きくなっている。
【0023】
各第1の透明電極300aは第1の基体100aの内面に下記素材が蒸着又は塗布されることにより形成されたX列電極である。各第2の透明電極300bは第2の基体100bの内面に下記素材が蒸着又は塗布されることにより形成されたY列電極である。第1の透明電極300aと第2の透明電極300bとは、図1に示すように、平面位置的に直交配置されている。第1、第2の透明電極300a、300bの素材としては、ITO(酸化インジウム+酸化錫)、IZO(酸化インジウム+酸化亜鉛)、AZO(AIドープ酸化亜鉛)、導電性高分子(PEDOT)又はPSS等を用いている。
【0024】
図2(a)に示すように、第2の基体100bの外面が指で触れられると、指に最も近い第1の透明電極300aと該指との間に静電容量が発生すると共に、前記指に最も近い第2の透明電極300bと該指との間に静電容量が発生する。これに伴って、前記指に最も近い第1、第2の透明電極300a、300bの間の静電容量が他に比べて高くなり、この結果、指の位置が特定される。
【0025】
各第1の引き出し線400aは第1の基体100aの内面に第1の透明電極300aと同じ素材が蒸着又は塗布されることにより形成されたリードである。この第1の引き出し線400aの長さ方向の一端部は、図1及び図3(a)に示すように、第1の透明電極300aの端部に接続されている。第1の引き出し線400aの長さ方向の他端部は、図1に示すように、第2の基体100bの切欠き部110bから露出している。各第2の引き出し線400bは第2の基体100bの内面に第2の透明電極300bと同じ素材が蒸着又は塗布されることにより形成されたリードである。この第2の引き出し線400bの長さ方向の一端部が、図1及び図3(b)に示すように、第2の透明電極300bの端部に接続されている。第2の引き出し線400bの長さ方向の他端部は、図1及び図2(b)に示すように、転移引き出し線500の長さ方向の一端部の上方に位置している。
【0026】
各転移引き出し線500は第1の基体100aの内面に形成された金属膜(すなわち、金属線)である。この転移引き出し線500の長さ方向の一端部が、図1及び図2(b)に示すように、コモン転移部600を介して第2の引き出し線400bの前記他端部に接続されている。すなわち、第2の基体100b上の第2の引き出し線400bの一部がコモン転移部600により転移引き出し線500として第1の基体100aに転移されている。転移引き出し線500の長さ方向の他端部は、図1に示すように、第2の基体100bの切欠き部110bから露出している。転移引き出し線500の他端部及び第1の引き出し線400aの他端部は、第1の基体100aの内面の切欠き部110bに間隔を空けて一列で配列されている。
【0027】
コモン転移部600は、図2(b)に示すように、転移引き出し線500の前記一端部と第2の引き出し線400bの前記他端部とを導通させる銀ペースト又はUV硬化性樹脂(接着樹脂)である。UV硬化性樹脂には、樹脂球に導電メッキが施された導電スペーサ(例えば、積水化学工業株式会社製のAU−210(表面に金メッキが施された10μm程度のプラスチック微粒子))が含有されている。前記導電スペーサは転移引き出し線500の前記一端部と第2の引き出し線400bの前記他端部との間の導通を取ると共に両者間に一定の間隙を保つ機能を発揮する。
【0028】
フレキシブルプリント基板700は周知のものである。このフレキシブルプリント基板700の長さ方向の端部が第2の基体100bの切欠き部110bに挿入され、第1の基体100aの内面の切欠き部110bから露出する部分に圧着接続されている。この状態で、フレキシブルプリント基板700の図示しない導電ラインと、第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500とが各々接続されている。
【0029】
以下、上述した構成のタッチパネルの組み立て手順について図4乃至図5を参照しつつ説明する。まず、矩形状の透明フィルムである第1、第2のフィルムF1、F2を用意する。この第1、第2のフィルムF1、F2は第1、第2の基体100a、100bと同じ素材で構成されている。第1、第2のフィルムF1、F2は、図4に示すように、第1、第2の基体100a、100bをなす部分である基体本体部10a、10bと、基体本体部10a、10bの外周縁部に連続する枠状の切り落とし部20a、20bを有している。すなわち、第1、第2のフィルムF1、F2の外形は第1、第2の基体100a、100bの外形よりも大きくなっている。
【0030】
次に、第1のフィルムF1の基体本体部10aの面上にITO等を蒸着又は塗布し、第1の透明電極300a及び第1の引き出し線400aを形成する。そして、基体本体部10aの面上に金属膜を蒸着又は塗布することにより、転移引き出し線500を形成する。その一方で、第2のフィルムF2の基体本体部10bの面上にITO等を蒸着又は塗布し、第2の透明電極300b及び第2の引き出し線400bを形成する。その後、第2のフィルムF2の切り落とし部20bの両長辺部を部分的にカットし、4つの凹部21bを形成する。また、第2のフィルムF2の切り落とし部20bの短辺部及びこれに続く基体本体部10bを部分的にカットし、切欠き部22bを形成する。その一方で、第1のフィルムF1の切り落とし部20aの短辺部の切欠き部22bに対応する部分をカットし、切欠き部21aを形成する。
【0031】
その後、図4(a)に示すように、第1のフィルムF1の転移引き出し線500の一端部上に銀ペースト又は導電スペーサを含有するUV硬化性樹脂を塗布する。その後、図5に示すように、第1のフィルムF1と第2のフィルムF2とを重ね合わせ、基体本体部10aと基体本体部10bとを、切り落とし部20aと切り落とし部20bとを対向させる。これにより、第2の基体100bの第2の引き出し線400bの他端部に前記銀ペースト又はUV硬化性樹脂が付着する。その後、前記銀ペースト又はUV硬化性樹脂を硬化させる。なお、UV硬化性樹脂の場合には、UVランプ等を用いてUV硬化性樹脂にUV照射し、該UV硬化性樹脂を硬化させる。前記銀ペースト又はUV硬化性樹脂が硬化することによりコモン転移部600となる。
【0032】
その後、第1のフィルムF1の切り落とし部20aの凹部21bから露出する部分に樹脂接着剤200を滴下する。このときの樹脂接着剤200の粘度は、10,000cp以下とする。滴下された樹脂接着剤200は第1、第2のフィルムF1、F2の間を表面張力によって進み、該第1、第2のフィルムF1、F2間に充填される。このとき、第1、第2のフィルムF1、F2の切欠き部21a、22bには、前記表面張力が作用しないことから、樹脂接着剤200が充填されない。よって、第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500の切欠き部22bから露出する部分(他端部)には、樹脂接着剤200が付着せず、後述のフレキシブルプリント基板700との接続が妨げられない。
【0033】
樹脂接着剤200が第1、第2のフィルムF1、F2間に充填されると、UVランプ等を用いて樹脂接着剤200にUV照射し、該樹脂接着剤200を硬化させる。その後、第1、第2のフィルムF1、F2の切り落とし部20a、20bを基体本体部10a、10bから切り離す。これにより、基体本体部10a、10bが第1、第2の基体100a、100bとなり、基体本体部10bの切欠き部22bが第2の基体100bの切欠き部110bとなる。
【0034】
その後、図1に示すように、フレキシブルプリント基板700の端部を切欠き部110bに挿入し、第1の基体100aの該切欠き部110bから露出する部分に圧着接続する。このとき、フレキシブルプリント基板700の導電ラインと第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500の露出部分(他端部)とが接触し接続される。
【0035】
このようなタッチパネルによる場合、第2の基体100bの内面上の第2の引き出し線300bがコモン転移部600により第1の基体100aの内面上の転移引き出し線500に導通している。すなわち、第2の基体100b上の第2の引き出し線300bの一部がコモン転移部600により転移引き出し線500として第1の基体100aの内面に転移している。このため、フレキシブルプリント基板700を第2の基体100bの切欠き部110bに挿入し、第1の基体100aの該切欠き部110bから露出する部分に圧着接続するだけで、フレキシブルプリント基板700の導電ラインを切欠き部110bから露出する第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500に一度に接続することができる。よって、フレキシブルプリント基板700の導電ラインと第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500との接続作業を簡単に行うことができる。また、第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500が第1の基体100a側に集中しているため、第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500を一列に並べて配列することができる。すなわち、第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500の配線を単純化することができる。この点でも、フレキシブルプリント基板700の導電ラインと第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500との接続が簡単になる。また、圧着固定がフレキシブルプリント基板700の片面で済むので、安価なフレキシブルプリント基板700を用いることができる。
【0036】
更に、第2の引き出し線300bの一部がコモン転移部600により転移引き出し線500として第1の基体100a側に移った構成となっているので、第2の基体100bの外周縁部の第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500の他端部に対向する領域には、第2の引き出し線300bが設けられていない。前記領域に切欠き部110bが設けられていることから、第1の基体100aにフレキシブルプリント基板700を接続するための接続部を設ける必要がなくなる。すなわち、第1基体100aの外形を大きくする必要がないので、本タッチパネルが大型化するのを抑止することができる。
【0037】
なお、上述したタッチパネルは、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0038】
上記実施の形態では、第1、第2の基体100a、100bは透明フィルムであるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1、第2の基体100a、100bとしては、透明なガラス板や樹脂板等を用いることができる。また、第1、第2の基体100a、100bは双方とも透明であるとしたが、タッチパネルが液晶表示装置等の上に搭載されるものでない場合には、いずれか一方のみが透明であれば良い。また、上記実施の形態では、第1、第2の基体100a、100bの間には、樹脂接着剤200が充填されているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、UV硬化性樹脂以外の光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は両面テープ等で第1、第2の基体100a、100bを接着することも可能である。両面テープ等で第1、第2の基体100a、100bを接着したとしても、コモン転移部600により第2の基体100b上の第2の引き出し線400bの一部を転移引き出し線500として第1の基体100a側に転移させ、該第1の基体100a上でフレキシブルプリント基板700に接続させることが可能である。
【0039】
更に、第2の基体100bには、切欠き部110bが設けられているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1の基体100aの外周縁部に凸状の舌部を設け、該舌部上に第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500の他端部を露出させることができる。この場合、前記舌部上にフレキシブルプリント基板700の端部が圧着接続され、第1の引き出し線400a及び転移引き出し線500の他端部に接続される。第2の基体100bに切欠き部110bを設けない場合には、第1、第2のフィルムF1、F2に切欠き部21a、切欠き部22bを設ける必要はない。
【0040】
上記実施の形態では、コモン転移部600として銀ペースト又は導電スペーサを含有するUV硬化性樹脂であるとしたが、前記第2の引き出し線と前記転移引き出し線とを導通させ得る限りどのようなものを用いても構わない。例えば、コモン転移部600として銀ペースト以外の導電ペースト又は導電性粒子を含有する接着樹脂を用いることが可能である。前記接着樹脂としては、導電性粒子を含有するUV硬化性樹脂以外の光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂等がある。
【0041】
上記実施の形態では、切り落とし部20bには凹部21bが設けられているとしたが、切り落とし部20aに凹部を設けることが可能である。この場合、第1のフィルムF1を上に向けた状態で設置し、第2のフィルムF2の前記凹部から露出する部分に樹脂接着剤200を滴下すれば良い。なお、切り落とし部20a、20bは、基体本体部10a、10bの外側に連続するものである限り任意に設計変更することが可能である。
【0042】
上記実施の形態では、第1、第2のフィルムF1、F2が、基体本体部10a、10bと、切り落とし部20a、20bとを有する構成であるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、第1のフィルムF1’に凸状の切り落とし部10a’を設けることが可能である。この場合、第1、第2の基体F1’、F2’の外形は第1、第2の基体100a、100bの外形と同じである。切り落とし部10a’に樹脂接着剤200を滴下し、第1、第2の基体F1’、F2’の間に樹脂接着剤200を充填させる。その後、切り落とし部10a’を第1の基体100aから切り離すことにより、第1、第2の基体F1’、F2’が第1、第2の基体100a、100bとなる。なお、凸状の切り落とし部10a’を第2のフィルムF2’に設けることも可能である。この場合、第1のフィルムF1’を上に向けた状態で切り落とし部10a’に樹脂接着剤200を滴下させる。
【0043】
第2のフィルムF2’には切欠き部22b’を設けることが可能である。この場合、切欠き部22b’が切欠き部110bとなる。ただし、第2の基体100bに切欠き部110bを設けない場合には、第2のフィルムF2’に切欠き部22b’を設ける必要はない。
【0044】
また、上記実施の形態では、第1、第2のフィルムF1、F2は、全体が重なるように重ね合わせていたが、図7に示すように、第1、第2の基体F1’’、F2’’の一方の長辺部が重ならないように位置ズレさせて重ね合わせることが可能である。この場合、第1、第2の基体F1’’、F2’’の重なる部分が基体本体部10a’’、10b’’となり、重ならない部分が切り落とし部20a’’、20b’’となる。切り落とし部20a’’に樹脂接着剤200を滴下し、第1、第2の基体F1’’、F2’’の間に樹脂接着剤200を充填させる。その後、切り落とし部20a’’、20b’’を基体本体部10a’’、10b’’から切り離すことにより、基体本体部10a’’、10b’’が第1、第2の基体100a、100bとなる。なお、第1のフィルムF1’’を上に向けた状態で切り落とし部20b’’に樹脂接着剤200を滴下させるようにしても良い。なお、第1、第2の基体F1’’、F2’’は、一方の長辺部が重ならないように重ね合わせるとしたが、第1、第2の基体の一部が重ならないように重ね合わせれば良い。
【0045】
第2のフィルムF2’’には切欠き部22b’’を設けることが可能である。この場合、切欠き部22b’’が切欠き部110bとなる。ただし、第2の基体100bに切欠き部110bを設けない場合には、第2のフィルムF2’’に切欠き部22b’’を設ける必要はない。
【0046】
なお、上記実施の形態では、タッチパネルの各部を構成する素材、形状、寸法及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。また、上記実施の形態のタッチパネルは静電容量式であるとしたが、抵抗膜方式とすることも可能である。抵抗膜方式のタッチパネルであっても、コモン転移部600により第2の基体100b上の第2の引き出し線400bの一部を転移引き出し線500として第1の基体100a側に転移させ、該第1の基体100a上でフレキシブルプリント基板700に接続させることが可能である。
【符号の説明】
【0047】
100a・・・第1の基体
100b・・・第2の基体
110b・・切欠き部
200・・・・樹脂接着剤
300a・・・第1の透明電極
300b・・・第2の透明電極
400a・・・第1の引き出し線
400b・・・第2の引き出し線
500・・・・転移引き出し線
600・・・・コモン転移部
700・・・・フレキシブルプリント基板
F1・・・・第1の基体
10a・・基体本体部
20a・・切り落とし部
21a・切欠き部
F2・・・・第2の基体
10b・・基体本体部
20b・・切り落とし部
21b・凹部
22b・切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置され且つ少なくとも一方が透明である第1、第2の基体と、
前記第1の基体の第2の基体対向面上に設けられた第1の透明電極と、
前記第2の基体の第1の基体対向面上に設けられた第2の透明電極と、
前記第1の基体の第2の基体対向面上に設けられ且つ第1の透明電極に接続された第1の引き出し線と、
前記第2の基体の第1の基体対向面上に設けられ且つ第2の透明電極に接続された第2の引き出し線と、
前記第1の基体の第2の基体対向面上に設けられた転移引き出し線と、
前記第2の引き出し線と前記転移引き出し線とを導通させるコモン転移部と、
前記第1の基体の第2の基体対向面上で前記第1の引き出し線及び転移引き出し線に接続されたフレキシブルプリント基板とを備えていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
請求項1記載のタッチパネルにおいて、
前記第1、第2の基体の間には樹脂が充填されていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項3】
請求項2記載のタッチパネルにおいて、
前記第2の基体の端部には、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部を露出させる切欠き部が設けられており、
前記フレキシブルプリント基板の端部が前記切欠き部に挿入された状態で、前記第1の引き出し線及び転移引き出し線に接続されていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項4】
請求項2又は3記載のタッチパネルにおいて、
前記第1、第2の基体には、該第1、第2の基体の端部に連続する切り落とし部が設けられており、
前記第1又は第2の基体の切り落とし部には、前記第2又は第1の基体の切り落とし部の一部を露出させる凹部が設けられており、
前記樹脂は、前記切り落とし部の一部に滴下され、前記第1、第2の基体の間に充填されるようになっていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項5】
請求項2又は3記載のタッチパネルにおいて、
前記第1又は第2の基体には凸状の切り落とし部が設けられており、
前記樹脂は、前記切り落とし部に滴下され、前記第1、第2の基体の間に充填されるようになっていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項6】
請求項2又は3記載のタッチパネルにおいて、
前記第1、第2の基体は、該第1の基体の一部と該第2の基体の一部とが対向しないように配置されており、
前記樹脂は、前記第1又は第2の基体の一部に滴下され、該第1、第2の基体の間に充填されるようになっていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6記載のタッチパネルにおいて、
前記コモン転移部は導電ペースト又は導電性粒子を含有する接着樹脂であることを特徴とするタッチパネル。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のタッチパネルにおいて、
前記転移引き出し線が金属線であることを特徴とするタッチパネル。
【請求項9】
請求項2記載のタッチパネルにおいて、
前記樹脂は、第1、第2の基体の間の間隔を維持するギャップ剤を含有していることを特徴とするタッチパネル。
【請求項10】
少なくとも一方が透明である第1、第2の基体を備え、前記第1の基体に第1の透明電極、これに接続された第1の引き出し線及び転移引き出し線が、前記第2の基体に第2の透明電極及びこれに接続された第2の引き出し線が設けられたタッチパネルの製造方法であって、
前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に導電ペースト又は導電性粒子を含有する接着樹脂を塗布し、
その後、前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせ、前記第2の引き出し線又は前記転移引き出し線を前記導電ペースト又は接着樹脂に付着させ、これにより前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させ、
その後、フレキシブルプリント基板の端部を前記第1の基体の第2の基体対向面上の第1の引き出し線及び転移引き出し線に接続することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項11】
請求項10記載のタッチパネルの製造方法において、
前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に前記導電ペースト又は接着樹脂を塗布する前に、前記第2の基体の端部に切欠き部を形成しておき、
前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせる際に、前記切欠き部から前記第1の引き出し線及び転移引き出し線の一部を露出させ、
前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させた後、前記第1、第2の基体の間に樹脂を充填し、
その後、前記フレキシブルプリント基板の端部を前記切欠き部に挿入し、前記第1の基体の第2の基体対向面上の第1の引き出し線及び転移引き出し線に接続することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項12】
請求項10記載のタッチパネルの製造方法において、
前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に前記導電ペースト又は接着樹脂を塗布する前に、前記第1又は第2の基体の端部に連続する切り落とし部に凹部を設けておき、
前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせる際に、該第1の基体の切り落とし部と該第2の基体の切り落とし部とが互いに対向するように配置し、前記凹部から前記第2又は第1の基体の切り落とし部の一部を露出させ、
前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させた後、前記切り落とし部の前記一部に樹脂を滴下して前記第1、第2の基体の間に充填し、
その後、前記切り落とし部を前記第1、第2の基体から切り離すことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項13】
請求項10記載のタッチパネルの製造方法において、
前記第1の基体の転移引き出し線又は第2の基体の第2の引き出し線上に前記導電ペースト又は接着樹脂を塗布する前に、前記第1又は第2の基体に凸状の切り落とし部を設けておき、
前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせる際に、前記切り落とし部が該第2又は第1の基体に重ならないように配置し、
前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させた後、前記切り落とし部に樹脂を滴下して前記第1、第2の基体の間に充填し、
その後、前記切り落とし部を前記第1又は第2の基体から切り離すことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項14】
請求項10記載のタッチパネルの製造方法において、
前記第1の基体と前記第2の基体とを重ね合わせる際に、該第1の基体の一部と該第2の基体の一部とが重ならないように配置し、
前記転移引き出し線と第2の引き出し線とを前記導電ペースト又は接着樹脂を介して導通させた後、前記第1又は第2の基体の前記一部に樹脂を滴下して該第1、第2の基体の間に充填し、
その後、前記第1、第2の基体の前記一部を切り落とすことを特徴とするタッチパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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