説明

タッチパネル及びタッチパネルの製造方法

【課題】本発明は、周辺回路等の内部回路を遮蔽装飾し、内側素子を保護し、タッチコントロール機能を含む複数の機能を有することができる斬新なタッチパネル設計を提供する。
【解決手段】本発明のタッチパネル1は、基板10と、基板10上に配される透明導電層11と、基板10上と透明導電層11上とに配される遮蔽装飾層12と、透明導電層11上と遮蔽装飾層12上とに配されて透明導電層11から遮蔽装飾層12に向けて延伸されると共に透明導電層11の周縁を超える透明導電接続層13と、遮蔽装飾層12上と透明導電接続層13上とに配されるが透明導電層11の上方には配されていない不透明導電層14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力パネル及びその製造方法に関し、特に、タッチパネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種タイプのタッチ入力装置は、既知の電子製品に広く応用されている。例えば、スマートフォンなどの携帯電話やタブレット型コンピューターは、主にタッチパネルを入力装置としており、ユーザーが使い勝手がよいように、直接手指を入力パネルの表面にタッチして指令を下し、または、タッチパネルをカーソルで制御することができ、若しくは文字入力を手書きすることができる。タッチパネルの機能を備えた表示パネルは、ユーザーが選択できるように仮想ボタンを表示し、ユーザーがこれらの仮想ボタンによって対応の関連文字を入力することができる。
【0003】
タッチパネルの方式としては、一般に、抵抗膜方式、静電容量式、超音波式、赤外線方式などに分類される。実際には、抵抗膜方式を用いたタッチパネルの製品がもっとも多く、抵抗膜方式タッチパネルの設計は、主に、4線式、5線式、6線式、8線式などに分類される。現在、4線式タッチパネルは、コストと技術面が比較的成熟しているため、すでに広く生産と応用がなされている。
【0004】
本出願人は、特許文献1の抵抗膜式タッチパネルを出願している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−168915号公報
【0006】
タッチパネルは基板と、基板上に形成される回路層と絶縁層、及びフレキシブルプリント配線板パターンなどを含む。ここで、基板には透明材料を採用しており、例えば、ガラスである。基板周縁に位置する接着用材料は、透明材料で作られている。故に、絶縁層とフレキシブルプリント配線板パターンを視覚上で遮断することができず、ユーザーは、基板側からタッチパネルを見た場合、依然として絶縁層とフレキシブルプリント配線板パターンを視認することができる。この視覚上の問題を解決するためには、従来技術ではハウジングに余分なフレームを追加する必要があり、タッチパネルをハウジング内に組み立てる時、フレームを利用して人に見られたくないタッチパネルの一部、例えば、絶縁層とフレキシブルプリント配線板パターンを遮蔽することによって、製品のハウジングが余分なフレームを保有しなければならない欠点を招く。
【0007】
したがって、その中の周縁回路が視覚上において、ユーザーに視認されないようなタッチパネル及びその製造方法を如何に提供するかが重要な課題の一つとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の問題点に鑑み、本発明の目的は、周辺回路を視認されない構成のタッチパネル及びその製造方法を提供することを課題とする。さらには、本発明の目的は、内部回路を遮蔽装飾し、内側素子を保護し、及び/或いは完全なタッチコントロール機能を含む複数の機能を有することができる斬新なタッチパネル設計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のタッチパネルは、基板と、前記基板上に配される透明導電層と、前記基板上と前記透明導電層上とに配される遮蔽装飾層と、前記透明導電層上と前記遮蔽装飾層上とに配されて前記透明導電層から前記遮蔽装飾層に向けて延伸されると共に前記透明導電層の周縁を超える透明導電接続層と、前記遮蔽装飾層上と前記透明導電接続層上とに配されるが前記透明導電層の上方には配されていない不透明導電層と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のタッチパネルは、二つの基板ユニットと、空気層とを有するタッチパネルにおいて、二つの前記基板ユニットはそれぞれ、基板と、前記基板上に配される透明導電層と、前記基板上と前記透明導電層上とに配される遮蔽装飾層と、前記透明導電層上と前記遮蔽装飾層上とに配されて前記透明導電層から前記遮蔽装飾層に向けて延伸されると共に前記透明導電層の周縁を超える透明導電接続層と、前記遮蔽装飾層上と前記透明導電接続層上とに配されるが前記透明導電層の上方には配されていない不透明導電層と、を備えており、前記空気層は二つの前記基板ユニットの二つの前記透明導電層の間に配されるが、二つの前記透明導電層の間には光学接着剤が配されていないことを特徴とする。
【0011】
本発明のタッチパネルの製造方法は、基板上に透明導電層を形成するステップと、前記基板上と前記透明導電層上とに遮蔽装飾層を形成するステップと、前記透明導電層上と前記遮蔽装飾層上とに透明導電接続層を形成するステップと、前記遮蔽装飾層上と前記透明導電接続層上とに不透明導電層を形成するステップと、を備え、前記透明導電接続層を前記透明導電層から前記遮蔽装飾層に向けて延伸すると共に前記透明導電層の周縁を超えて配するが前記不透明導電層を前記透明導電層の上方には配さないこと、を特徴とする。
【0012】
本発明によれば、前記遮蔽装飾層は不透明導電層として周辺回路を遮蔽し、視覚上において露出することを回避することができ、周辺回路をユーザーに視認させない構成となる。
【0013】
本発明は、前記遮蔽装飾層上において、前記不透明導電層が、前記透明導電層に向けて延伸されるが前記透明導電層の前記遮蔽装飾層側の周縁まで達していないことを特徴とする。
【0014】
本発明は、前記遮蔽装飾層の材料には絶縁性のカラーインクが含有され、前記透明導電接続層の材料には導電性ポリマー或いはインジウムスズ酸化物が含有され、前記不透明導電層の材料には銀、銅、モリブデン或いはアルミニウムが含有されることを特徴とする。
【0015】
本発明は、前記遮蔽装飾層の配色は、前記透明導電接続層の配色には対応しておらず、さまざまなカラーであることを特徴とする。
【0016】
本発明は、前記タッチパネルは抵抗膜方式タッチパネル又は静電容量式タッチパネルであり、前記透明導電層にはタッチ検知回路が備わっていることを特徴とする。
【0017】
本発明は、前記タッチパネルは、接続ピンと、前記接続ピンと前記不透明導電層とを接着する導電接着剤と、を更に備えることを特徴とする。
【0018】
本発明は、前記タッチパネルにおいて、前記遮蔽装飾層は前記透明導電層上に開口を有し、前記透明導電接続層は前記開口を充填し、前記タッチパネルは、前記透明導電接続層上に配されて前記開口を遮蔽するもう一つの遮蔽装飾層を更に備えることを特徴とする。
【0019】
本発明は、前記基板はタッチセンシング機能と保護機能を共に備えていることを特徴とする。つまり、前記タッチパネルにおいて、前記基板がタッチセンシング機能と保護機能を共に備えているため、カバーレンズの代わりとなる。
【0020】
本発明によれば、単一の基板のみを使用することができるため、余分な透明接着剤、またはガラスカバーレンズが不要になり、製品の薄型化に有利である。
【0021】
前記基板は、透明プラスチック基板、透明ガラス基板、ポリイミド(polyimide,PI)基板、またはポリエチレンテレフタレート基板である。
【0022】
本発明は、前記基板が、透明プラスチック基板又は透明ガラス基板であることを特徴とする。
【0023】
本発明は、前記タッチパネルは、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ装置等に用いられるのに好適なタッチパネルとなる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、本発明のタッチパネル及びその製造方法によれば、前記遮蔽装飾層は不透明導電層として周辺回路を遮蔽し、視覚上において露出することを回避することができ、周辺回路をユーザーに視認させない構成となる。また、本発明のタッチパネルおよびその製造方法によれば、単一の基板のみを使用することができるため、余分な透明接着剤、またはガラスカバーレンズが不要になり、製品の薄型化に有利である。
【0025】
上述の作用効果に加えてさらに重要なことは、本発明のタッチパネルの基板は、従来技術にない複数の機能を共に備えることができる。その一は、内部回路を遮断することによって、装飾機能を提供することができる。その二は、導電層と内部回路が損傷されないように保護する。その三は、完全な導電層を設置することによって、感知機能を提供する。簡潔に説明すると、従来技術にカバーレンズを増設することで上述の装飾と保護の二つの効果を有することができるが、余分な製造プロセスや材料を必要する。本発明では、斬新な設計によって多機能基板を実現することができる。また、単一の基板の機能を強化したことで、パネル内の他の基板を省略することができ、及び装飾の目的を達成するために、余分な貼り付け、或いは組み立てのステップを簡略することができる。故に、本発明は、モジュール化の製造工程に適し、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】本発明の実施例1に係るタッチパネルを側面から見た概略断面図である。
【図1B】本発明の実施例1に係るタッチパネルを側面から見た概略断面図である。
【図1C】本発明の実施例1に係るタッチパネルを側面から見た概略断面図である。
【図2A】本発明の実施例2に係るタッチパネルを側面から見た概略断面図である。
【図2B】本発明の実施例2に係るタッチパネルを側面から見た概略断面図である。
【図3】本発明の実施例3に係るタッチパネルを側面から見た概略断面図である。
【図4】本発明の実施例4に係るタッチパネルを側面から見た概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図を参照しながら、本発明の好適な実施例におけるタッチパネル及びその製造方法について説明する。同一の符号は、同じ機能の構成部材を指す。
【実施例1】
【0028】
図1A〜図1Cは、本発明の実施例1に係るタッチパネル1を側面から見た概略断面図である。図1Aに示すように、タッチパネル1は基板10と、透明導電層11と、遮蔽装飾層12、及び透明導電接続層13とを含み、透明導電層11は基板10に設置されており、遮蔽装飾層12は基板10上と透明導電層11上に設置されている。
【0029】
前記透明導電層11と、遮蔽装飾層12、及び透明導電接続層13は、例えば、以下の手順に基づいて、基板10の上若しくは基板10の上方に形成する。本発明に係るタッチパネル1の製造方法は、基板10上に透明導電層11を形成するステップと、基板10上と透明導電層11上とに遮蔽装飾層12を形成するステップと、透明導電層11上と遮蔽装飾層12上とに透明導電接続層13を形成するステップと、を備え、透明導電接続層13を透明導電層11から遮蔽装飾層12に向けて延伸すると共に透明導電層11の周縁を超えて配する。透明導電接続層13は印刷方式を用いて形成することができる。
【0030】
前記透明導電層11はパターン化処理後にタッチ検知回路を形成する。前記透明導電層11の材料は、例えば、インジウムスズ酸化物(Indium tin oxide ITO)であり、遮蔽装飾層12の材料は、例えば、絶縁材料、或いは絶縁性を有するさまざまなカラ−インク(Ink)である。透明導電接続層13の材料は、例えば、導電性ポリマー、或いはインジウムスズ酸化物を含み、導電性ポリマーは例えば、導電インクであり、例えば、印刷方式を用いて透明導電層11と遮蔽装飾層12上に形成する。前記透明導電層11は、タッチパネル1のタッチ入力エリアの上でタッチ検知回路を構成する複数の導線を有する。タッチ入力エリアの透明導電層11は遮蔽装飾層12に覆われていない。
【0031】
前記基板10は、透明基板であり、例えば、透明プラスチック基板、透明ガラス基板である。前記基板10は、ポリイミド(polyimide, PI)、或いはポリエチレンテレフタレート製の基板とすることができ、本発明はこれらに限定しない。前記基板10の外表面101は、ユーザーの操作のための操作画面となっている。普段、ユーザーは外表面101からタッチパネル1を見て、次に、外表面101で操作を行う。前記タッチパネル1のその残りの各層構成と素子は基板10の内表面102に設置される。
【0032】
そして、図1Bに示すように、タッチパネル1は、不透明導電層14を含み、不透明導電層14は遮蔽装飾層12上と透明導電接続層13上に設置されるが前記透明導電層11の上方には設置されていない。前記不透明導電層14の材料は、例えば、銀ペーストである。前記不透明導電層14は、例えば、スクリーン印刷設備によって、微細回路のスクリーン印刷に合わせて微細回路を形成し、且つ遮蔽装飾層12上に印刷する。前記不透明導電層14の材料は、例えば、銅、モリブデン、アルミニウムなどの金属を含んでおり、スパッタリング装置によって、銅導線、或いはモリブデンアルミニウム導線を形成する。前記不透明導電層14は遮蔽装飾層12上において、透明導電層11に向けて延伸し、且つ透明導電層11の周縁に達していない。
【0033】
図1Bに示すように、図1Aに示す各層の形成後、不透明導電層14を遮蔽装飾層12上と透明導電接続層13上とに形成するが、透明導電層11の上方には不透明導電層14を形成しない。よって、不透明導電層14と透明導電層11とは、透明導電接続層13によって導通する(図1B)。
【0034】
図1Cに示すように、タッチパネル1は、絶縁層15と、導電接着剤16と、接続ピン17とを更に含み、絶縁層15は、不透明導電層14上に設置されており、導電接着剤16は接続ピン17と不透明導電層14を接着する。
【0035】
例えば、絶縁層15は、スクリーン印刷することができる。そして、導電接着剤16と絶縁層15とで、不透明導電層14上を覆い、不透明導電層14を保護することで、空気と接触することによる酸化を引き起こすのを防止することができる(図1Cを参照)。
【0036】
前記接続ピン17は、例えば、フレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Board, FPC)の接続ピンであり、導電接着剤16によって、不透明導電層14上及び絶縁層15の傍に接着固定する。前記接続ピン17は、導電接着剤16と不透明導電層14によって、透明導電層11と電気的に接続される。前記導電接着剤16は、異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film, ACF)、または異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste, ACP)としてもよい。
【実施例2】
【0037】
図2Aと図2Bは、本発明の実施例2に係るタッチパネル1aを側面から見た概略断面図である。図2Aに示すように、透明導電層11は基板10上に設置され、遮蔽装飾層12は基板10上と透明導電層11上に設置されている。そして、前記遮蔽装飾層12は開口125と、第一部分121と、第二部分122とを有する。前記遮蔽装飾層12の開口125は透明導電層11上に位置し、かつ、前記遮蔽装飾層12の第一部分121と第二部分122との間にある(図2A)。前記透明導電接続層13は開口125を充填して透明導電層11と電気的かつ機械的に接触する。前記開口125の形状は任意である。前記開口125の形状としては、円柱形状、角柱形状、円錐台形状、溝形状、楕円柱形状等が挙げられる。
【0038】
図2Aに示す透明導電層11と遮蔽装飾層12、及び透明導電接続層13の構造と製造工程は図1Aと似ている。そして、前記遮蔽装飾層12の開口125の上方にはもう一つの遮蔽装飾層120を更に形成し、遮蔽装飾層120は少なくとも透明導電接続層13上に設置することによって遮蔽装飾層12の開口125を外光から遮蔽しており、外光からの光線がタッチパネル1aの一方の側からこの開口125を通った後タッチパネル1aの他方の側をとおり抜けることを防止する。
【0039】
本発明の第2の実施形態は、図2Aに示すように、遮蔽装飾層120は遮蔽装飾層12上と透明導電接続層13上に設置され、遮蔽装飾層120の一方の側は第一部分121に向けて延伸されており、且つ透明導電層11の周縁を超えるが、透明導電接続層13の周縁を超えていない。それによって、後の不透明導電層14の設置位置を制御することができる。前記遮蔽装飾層120の他方の側は第二部分122に向けて延伸されるが遮蔽装飾層12の周縁を超えていない(図2A)。
【0040】
前記遮蔽装飾層12と120とは同じ色とするか、或いは近いカラーとすることができ、それによって、ユーザーに遮蔽装飾層12の開口125を見られることを回避することができ、さらには、透明導電接続層13と遮蔽装飾層12との間の色差を視認されることを回避することができる。
【0041】
上記以外の構成としては、前記遮蔽装飾層12と120は異なるカラー、及び/或いは、異なる輝度としてもよい。前記遮蔽装飾層12の開口125は、特定の模様に設計することができ、例えば、商品の名称文字、或いは標示、或いはメーカの名称文字、或いは標示等を表すことが可能である。これらの名称文字、或いは標示は遮蔽装飾層120を用いて表現し、遮蔽装飾層12と120のコントラストが強いほど、名称文字、或いは標示はより明らかになる。
【0042】
本発明の実施例2は、図2Bに示すように、不透明導電層14は遮蔽装飾層12上と透明導電接続層13上に設置されている。つまり、遮蔽装飾層12の第一部分121と第二部分122との間の開口125は、まず、透明導電接続層13に充填された後、遮蔽装飾層12上と透明導電接続層13上に不透明導電層14が更に形成されている。図2Bに示す不透明導電層14の構造と製造過程は図1Bと似ている。そして、本実施例において、不透明導電層14は遮蔽装飾層120の傍に形成される。仮に、不透明導電層14が製造過程における位置ずれ等の誤差によって、遮蔽装飾層120の傍に正確に形成されなかったとしても、例えば、不透明導電層14の一部が遮蔽装飾層120上に形成されるか、或いは不透明導電層14と遮蔽装飾層120との間に隙間を有しているとしても、この構成によれば、これらの欠点は遮蔽装飾層12と120によって遮蔽されるため、視認されないので、タッチパネルの本来の機能を超えてその外観視認性が問われるようなことはない。
【0043】
上記の実施例以外の例としては、遮蔽装飾層120と不透明導電層14の形成順序を入れ換えることができる。例えば、図2Aにおいて、透明導電層11を基板10上に設置し、遮蔽装飾層12を基板10上と透明導電層11上とに設置し、遮蔽装飾層12は開口125、第一部分121と第二部分122を有し、開口125は透明導電層11の上方に位置し、且つ第一部分121と第二部分122との間にあるとし、透明導電接続層13は開口125を充填して透明導電層11と接触させる。このとき、遮蔽装飾層120を形成しないでおく。続いて、図2Bに示したように、不透明導電層14を遮蔽装飾層12上と透明導電接続層13上に形成してから、遮蔽装飾層12の開口125の上方に遮蔽装飾層120を更に形成し、遮蔽装飾層120を少なくとも透明導電接続層13上に設置することで遮蔽装飾層12の開口125を外光から遮蔽する。そして、遮蔽装飾層120を不透明導電層14の傍に形成する。
【0044】
続いて、絶縁層15を不透明導電層14の上に設置し、導電接着剤16によって接続ピン17と不透明導電層14とを接着する(図2B)。
【0045】
図2Bに示すように、不透明導電層14は遮蔽装飾層12の上に配置されるが、透明導電層11の周縁を超えていない。そして、その他の外部接続用の不透明部材も透明導電層11の周縁に達していないので、透明導電層11の上方には不透明導電層14とその他の外部接続用の不透明部材が設置されていない。ユーザーは外表面101からタッチパネル1aを見るので、透明導電層11の領域において不透明部材を見ることはできない。さらに、透明導電接続層13のカラーは透明であるため、遮蔽装飾層12の配色(カラー)は透明導電接続層13の透明色に対応させる必要性はなく、任意のカラーが選択できる。さらには、遮蔽装飾層12の配色(カラー)はユーザーの視界にも影響を与えていない。遮蔽装飾層12は周辺回路を遮蔽することができ、例えば、不透明導電層14の回路を遮蔽している。これにより、ユーザーは周辺回路に向けて遮蔽装飾層12を見ることができるが周縁回路までは見ることができない。当然ながら、前記周辺回路とその他の部材との間の色差も判別不可能である。よって、周辺回路に色差のないタッチパネルを実現できる。
【0046】
上記の実施例において、タッチパネル1、1aは、抵抗膜式タッチパネル、或いは静電容量式タッチパネルであり、静電容量式タッチパネルは、より具体的には、投影型静電容量式タッチパネルである。
【0047】
上記の実施例において、タッチパネル1、1aは、非可撓性タッチパネルとすることができる。或いは、タッチパネル1、1aは、可撓性タッチパネルとすることができる。本発明に係るタッチパネル1、1aは、一つの基板10からなるタッチパネルとすることができる。本実施形態によれば、タッチパネル1、1aは、一つの基板10からなるから、パネル内にもう一つの基板を設置する必要がないため、パネル全体の厚みを比較的に薄くすることができ、また、その厚みが比較的に薄いことにより全体の透過率を向上させることができる。また、一つの基板10を使用しているため、2枚の基板を貼り付ける必要がなく、貼り付け工程によって引き起こされる低い歩留まりの問題を回避するだけでなく、製造の歩留まりを高めることができ、且つ貼り付けに必要とされる製造工程及び補助材料、例えば、透明接着剤、及び/又は、ガラスカバーレンズを削減することができるため、製造コストを低減することができる。従って、製造コストにおいて、従来の技術より一つの基板及び光学接着剤層を使用していないため、コストを下げることができる。
【0048】
本実施例では、タッチパネル1、1aの基板10が、複数の機能を共に備えている。其の一は、組み立てた後に、基板10は外表面に位置し、且つ周辺回路と透明導電層11、及びその他の部材の上を覆うことで、上記の遮蔽装飾層12と透明導電接続層13を合わせることによって装飾機能を提供し、前記周辺回路を遮蔽することで当該周辺回路が視認されるのを回避する。其の二は、前記周辺回路と透明導電層11とが損傷しないように保護することができる。また、基板10上に完全な透明導電層11を設置して感知機能を提供することができる。従って、本発明は、基板10の製造工程を簡略化し、且つ複数の機能を有している。よって、斬新なコンセプトに属し、さらにもう一つの基板を貼り付けるとの余分なステップを省くことができ、モジュール化の製造工程に適しており、製造コストの低減に有利である。上記のコンセプトのもと、本発明はこれに限定されず、実質的に同一または類似の何れかの製造工程、或いは構造に形成される異なる形態のタッチパネルのすべてを含む。
【0049】
また、上記実施例において、タッチパネル1、1aは少なくとも2つの基板10,10aを有することができる。例えば、基板10は、もう一つの基板10aと接合する。即ち、タッチパネルは二つの基板ユニットを含み、基板ユニットは、上記基板と、透明導電層と、遮蔽装飾層と、透明導電接続層、及び不透明導電層をそれぞれ備える。以下、二つの例をあげて説明する。
【実施例3】
【0050】
図3は、本発明の実施例3に係るタッチパネル1bを側面から見た概略断面図である。図3に示すように、タッチパネル1bには、基板ユニットSU1と、基板ユニットSU2と、接続ピン17、及び透明絶縁層18と、が備わっている。前記基板ユニットSU1は、基板10と、透明導電層11と、遮蔽装飾層12と、透明導電接続層13と、不透明導電層14と、絶縁層15と、導電接着剤16とを備える。前記基板ユニットSU2は、基板10aと、透明導電層11aと、遮蔽装飾層12aと、透明導電接続層13aと、不透明導電層14aと、絶縁層15aと、導電接着剤16aとを備える。前記透明絶縁層18は、透明導電層11、11aとの間に配置される。前記透明絶縁層18は、例えば、光学接着剤である。ここで、光学接着剤とは、透明な接着剤である。光学接着剤としては、より具体的には、フッ素化エポキシ及びフッ素化エポキシアクリレート樹脂をベースとした透明な紫外線(UV)硬化型の光学用接着剤が挙げられる。図3に示す基板ユニットSU1とSU2とは、上述の図1A〜1Cに示す対応素子と類似の構造と製造工程を有するため、その詳細な説明を省略する。
【実施例4】
【0051】
図4は、本発明の実施例4に係るタッチパネル1cを側面から見た概略断面図である。図4に示すように、タッチパネル1cは、基板ユニットSU1と、基板ユニットSU2と、接続ピン17、及び空気層19とを備える。前記基板ユニットSU1は、基板10と、透明導電層11と、遮蔽装飾層12、120と、透明導電接続層13と、不透明導電層14と、絶縁層15と、導電接着剤16とを備える。前記基板ユニットSU2は、基板10aと、透明導電層11aと、遮蔽装飾層12a、12a’と、透明導電接続層13aと、不透明導電層14aと、絶縁層15aと、導電接着剤16aとを備える。図4に示す基板ユニットSU1とSU2とは、上述の図2A、2Bに示す対応素子と類似の構造と製造工程を有するため、その詳細な説明を省略する。
【0052】
図4に示す実施例では、基板10、10aとの間には、光学接着剤などを配置しておらず、透明絶縁層として空気を満たしている。つまり、空気層19は基板ユニットの透明導電層11、11aとの間に配置され、かつ、透明導電層11、11aとの間には、光学接着剤などを配置しておらず、空気層19を介して透明導電層11と透明導電層11aとが向かい合っている。前記透明導電接続層13は開口125を充填して透明導電層11と電気的かつ機械的に接触する。前記透明導電接続層13aは開口125aを充填して透明導電層11aと電気的かつ機械的に接触する。
【0053】
本実施例によれば、透明絶縁層18となる光学接着剤のコストを削減することができ、その上さらに、製造時に、透明導電層11と透明導電層11aとが向かい合う面をそれぞれ接着する必要もないため、製造工程が比較的に簡単である。貼り付け不良によって引き起こされる低生産歩留まりとの欠点を防止できる。つまり、図4に示す実施例では、基板10、10aとの間に光学接着剤などの透明絶縁層18を設置せず、代わりに空気で充填することによって、二つの基板ユニットとの間に空気層を形成している。上記の例では、空気層19としたが、空気に代えて、窒素などの不活性ガスを満たすことも可能である。
【0054】
前記タッチパネル1b、1cを、静電容量式タッチパネルとした場合、コンデンサの容量は、二つの電極との間の誘電率と正の相関関係にあり、且つタッチパネルのタッチ反応時間はコンデンサの容量と、正の相関関係にある。空気の誘電率は光学接着剤の誘電率より小さいため、透明絶縁層18を空気層19とした場合には、透明導電層11、11aに構成されたコンデンサの容量を減少させることができ、タッチパネル1cのタッチ反応時間を下げることで、タッチパネル1cがタッチされた時の反応速度を向上させることができる。
【0055】
図3と図4に示す実施例では、もちろん、図1A〜図2Bに示す実施例と同じく、基板10は、少なくとも装飾と保護の機能を共に備えた多機能基板となっている。そして、さらには、追加の貼付工程を回避しているので、本発明は、発明の単一性要件を満たしている。上記実施例によれば、本発明の概念は、単層基板、或いは多層基板の実施形態にも適合される。
【0056】
上述した本発明をまとめると、本発明のタッチパネル及びその製造方法において、透明導電接続層は透明導電層から遮蔽装飾層に向けて延伸するとともに、透明導電層の周縁を超え、不透明導電層は透明導電接続層に設置され、且つ透明導電層の上方に設置されていない。そして、それらを介して遮蔽装飾層は周辺回路としての不透明導電層を遮断して、視認されるような露出状態となるようなことを回避することができる。よって、ユーザーに周辺回路を視認させない。また、本発明のタッチパネル及びその製造方法を用いることで、単一の基板のみを使用することができるため、余分な透明接着剤とガラスカバーレンズとが不要になり、製品の薄型化に有利である。
【0057】
さらに重要、且つ有利なことは、本発明のタッチパネルの基板は、従来技術にない複数の機能を共に備えることができる。其の一は、周辺回路を遮蔽することで、装飾機能を提供することができる。其の二は、導電層と周辺回路が損傷されないように保護する。其の三は、完全な導電層を設置することによって、感知機能を提供する。簡潔に説明すると、従来技術では、カバーレンズを増設することで上述の装飾と保護の二つの効果を有していたが、この場合は、付加的な製造プロセスや材料を必要する。これに対して、本発明の斬新な設計によって多機能基板を実現することができる。また、一つの基板の機能を強化したことより、パネル内の他の基板を省略することができ、及び装飾の目的を達成するために、余分な貼り付け、或いは組み立てステップを簡略化することができる。故に、本発明は、モジュール化の製造工程に適し、製造コストを低減することができる。
【0058】
例えば、本発明に係るタッチパネルは、単一のカバーレンズ(cover lens)基板とタッチセンサ(touch sensor)基板とを有し、これら基板の相対する両側はそれぞれ内側と外側であり、内側には透明導電層と、導電装飾パッドと、装飾層、及び不透明導電層などを設置し、外側には上記の各層を設置せずに、外側表面をタッチ入力の表面とすることができる。本発明に係るタッチパネルは、ハウジングと組み立てることができ、内側表面の部材はハウジング内に位置し、外側表面は依然として外側に向く。また、本発明に係るタッチパネルは、その他の電子装置と組み立てることができる。例えば、本発明に係るタッチパネルと表示パネルを組み立てる時、タッチパネルの内側は表示パネルに向く。本発明に係るタッチパネルは、どのデバイスと組み立てた場合においても、単一の基板は内側の各層のカバーレンズを保護すると見なすことができる。前記表示パネルとしては、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、プラズマディスプレイパネル等が挙げられる。
【0059】
また、2つの基板ユニットを使用した場合においても、本発明に係るタッチパネルは、依然として、余分な貼り付け、或いは組み立て工程を省略できるという利点がある。
【0060】
以上、本発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、周辺回路を視認されない構成のタッチパネル及びその製造方法を提供し得るものである。
【符号の説明】
【0062】
1、1a、1b、1c 本発明に係るタッチパネル、
10、10a 基板、
101、101a 外表面、
102、102a 内表面、
11、11a 透明導電層、
12、12a、120、120a 遮蔽装飾層、
121 第一部分、
122 第二部分、
125、125a 開口、
13、13a 透明導電接続層、
14、14a 不透明導電層、
15、15a 絶縁層、
16、16a 導電接着剤、
17 接続ピン、
18 透明絶縁層、
19 空気層、
SU1、SU2 基板ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に配される透明導電層と、前記基板上と前記透明導電層上とに配される遮蔽装飾層と、前記透明導電層上と前記遮蔽装飾層上とに配されて前記透明導電層から前記遮蔽装飾層に向けて延伸されると共に前記透明導電層の周縁を超える透明導電接続層と、前記遮蔽装飾層上と前記透明導電接続層上とに配されるが前記透明導電層の上方には配されていない不透明導電層と、を備えることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記遮蔽装飾層上において、前記不透明導電層が、前記透明導電層に向けて延伸されるが前記透明導電層の前記遮蔽装飾層側の周縁まで達していないことを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記遮蔽装飾層の材料には絶縁性のカラーインクが含有され、前記透明導電接続層の材料には導電性ポリマー或いはインジウムスズ酸化物が含有され、前記不透明導電層の材料には銀、銅、モリブデン或いはアルミニウムが含有されることを特徴とする請求項1または2記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記遮蔽装飾層の配色は、前記透明導電接続層の配色には対応しておらず、さまざまなカラーであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のタッチパネル。
【請求項5】
接続ピンと、前記接続ピンと前記不透明導電層とを接着する導電接着剤と、を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のタッチパネル。
【請求項6】
請求項1記載のタッチパネルにおいて、前記遮蔽装飾層は前記透明導電層上に開口を有し、前記透明導電接続層は前記開口を充填し、前記タッチパネルは、前記透明導電接続層上に配されて前記開口を遮蔽するもう一つの遮蔽装飾層を更に備えることを特徴とするタッチパネル。
【請求項7】
前記タッチパネルは抵抗膜方式タッチパネル又は静電容量式タッチパネルであり、前記透明導電層にはタッチ検知回路が備わっていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記基板はタッチセンシング機能と保護機能を共に備えていることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
【請求項9】
二つの基板ユニットと、空気層とを有するタッチパネルにおいて、二つの前記基板ユニットはそれぞれ、基板と、前記基板上に配される透明導電層と、前記基板上と前記透明導電層上とに配される遮蔽装飾層と、前記透明導電層上と前記遮蔽装飾層上とに配されて前記透明導電層から前記遮蔽装飾層に向けて延伸されると共に前記透明導電層の周縁を超える透明導電接続層と、前記遮蔽装飾層上と前記透明導電接続層上とに配されるが前記透明導電層の上方には配されていない不透明導電層と、を備えており、前記空気層は二つの前記基板ユニットの二つの前記透明導電層の間に配されるが、二つの前記透明導電層の間には光学接着剤が配されていないことを特徴とするタッチパネル。
【請求項10】
前記基板が、透明プラスチック基板又は透明ガラス基板であることを特徴とする請求項1または9記載のタッチパネル。
【請求項11】
基板上に透明導電層を形成するステップと、前記基板上と前記透明導電層上とに遮蔽装飾層を形成するステップと、前記透明導電層上と前記遮蔽装飾層上とに透明導電接続層を形成するステップと、前記遮蔽装飾層上と前記透明導電接続層上とに不透明導電層を形成するステップと、を備え、
前記透明導電接続層を前記透明導電層から前記遮蔽装飾層に向けて延伸すると共に前記透明導電層の周縁を超えて配するが前記不透明導電層を前記透明導電層の上方には配さないこと、を特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項12】
請求項11記載のタッチパネルの製造方法において、前記遮蔽装飾層は前記透明導電層上に開口を有し、前記透明導電接続層は前記開口を充填し、前記製造方法は、前記透明導電接続層上に前記開口を遮蔽するもう一つの遮蔽装飾層を形成するステップを更に備えることを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項13】
前記基板に、タッチセンシング機能と保護機能を共に備えさせることを特徴とする請求項11記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項14】
前記基板が、透明プラスチック基板又は透明ガラス基板であることを特徴とする請求項11記載のタッチパネルの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−114690(P2013−114690A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257976(P2012−257976)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【出願人】(511074442)宇辰光電股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】