説明

タッチパネル式入力装置、計測方法、計測装置及び計測プログラム

【課題】適切にタッチパネル部品の寿命予測を行うことにより、修理コストを低減し且つ予期しない故障を防止する。
【解決手段】タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置が、前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶する。前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する。その後、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルが受け付けるタッチの計測に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末やパーソナルコンピュータのディスプレイ、或いは施設に設置された端末等でタッチパネル式の入力装置が利用されることが多くなっている。タッチパネル式の入力装置による操作は、物理キーによる操作に比べて、直感的に行うことができるという利点を有する。そのため、タッチパネル式の入力装置が利用される範囲がますます広がるものと思われる。
【0003】
しかしながら、タッチパネル式の入力装置は、ユーザが直接タッチするという構造上、物理的に故障することは避けられない。すなわち、タッチパネル式の入力装置には実装する方式や素材により違いはあれど部品としての耐久度(寿命)があり、部品が寿命を迎えると予期しないタイミングでタッチパネルが動作しなくなったり、異常動作を引き起こしたりすることがある。
【0004】
そこで、タッチパネルの寿命を予測して事前にタッチパネルを交換する予防保守を行うことで予期しない故障の発生を回避することが考えられる。
【0005】
このような、タッチパネルの寿命予測に関するタッチパネル式入力装置の一例が、特許文献1乃至6に記載されている。
【0006】
具体的には、特許文献1乃至4では、タッチパネル上に表示された各ボタンに対してタッチ回数を計測し、一定の回数に達した場合は寿命が近づいたと判断してボタン位置を切り替えることでタッチパネル寿命の延長を図る方式が提示されている。
【0007】
また、特許文献5では、タッチパネル面をマトリクス上に分割し、分割された各領域ごとにタッチ回数を計測することで、各領域ごとの寿命を予測する方式が提示されている。
【0008】
更に、特許文献6では、特許文献2に類する方式としてタッチパネル面を複数領域に分割してタッチ回数を管理する方式が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−010734号公報
【特許文献2】特許第3000887号公報
【特許文献3】特開平10−177458号公報
【特許文献4】特開平01−284917号公報
【特許文献5】特開2002−073278号公報
【特許文献6】特開2008−299582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように各特許文献には、タッチパネルの寿命を考慮し、寿命を延ばすためにタッチ位置を移動させる技術や、タッチパネル面をマトリクス上に分割してタッチ回数を計測する方式などが提示されている。
【0011】
もっとも、特許文献1乃至4に記載されているボタン位置を切り替える方式は、アプリケーションのボタン位置に依存する仕組みであり、汎用性がないという欠点がある。
【0012】
また、特許文献5に記載されるタッチパネル面をマトリクス上に分割して計測する方式にも下記のような課題点がある。この方式はアプリケーションに依存せずにタッチパネルの寿命を予測することが可能であると考えられるが、一方でマトリクスの粗密を如何にして決定するかが課題となる。マトリクスの目を細かくすればするほど、タッチパネル上の特定箇所に絞った精密なタッチ回数の計測が可能である。しかし、その分マトリクスの目ごとにタッチ回数を記録する必要がある。そのため計測に必要なメモリ領域が増加してしまう。逆にマトリクスの目を粗くした場合は、メモリ領域は少なくて済むが計測する対象範囲が広がるため精度が低くなり本来の寿命より早い予測をすることになってしまう。
【0013】
例えば、特許文献2の明細書段落[0017]乃至[0019]にはアプリケーションのメニューに依存したマトリクスの決定方式が述べられているが、特定のアプリケーションに依存しないマトリクスの決定方式については適切な提案がなされていない。
【0014】
更に、特許文献6でも、特許文献2に類する方式としてタッチパネル面を複数領域に分割してタッチ回数を管理する方式が提示されているが、本文献についても特許文献2と同様の課題を抱えている。
【0015】
このように、一般的な技術ではタッチパネルの寿命を予測して事前にタッチパネルを交換する予防保守を行うことで予期しない故障の発生を回避することができるが、運用段階において消耗度を正確に予測して交換時期を決定することは困難であった。交換時期を短く見積もることで故障の発生を予防することは可能であるが、まだ使えるうちに交換することは修理コストの増大を招いてしまう欠点がある。
【0016】
そこで、本願発明は、適切にタッチパネル部品の寿命予測を行うことにより、修理コストを低減し且つ予期しない故障を防止することが可能な、タッチパネル式入力装置、計測方法、計測装置及び計測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の観点によれば、タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置であって、前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウント手段と、前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断手段と、を備え、前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しないことを特徴とする計測装置が提供される。
【0018】
本発明の第2の観点によれば、タッチパネルと、前記タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置と、を含む入力装置であって、
前記タッチパネルがタッチを受け付け、前記計測装置が上記本発明の第1の観点により提供される計測装置であることを特徴とする入力装置が提供される。
【0019】
本発明の第3の観点によれば、タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置に組み込まれる計測プログラムであって、前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウント手段と、前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断手段と、を備え、前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しない計測装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする計測プログラムが提供される。
【0020】
本発明の第4の観点によれば、タッチパネルと、前記タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置と、を含む入力装置が行う計測方法であって、
前記タッチパネルがタッチを受け付けるステップと、前記計測装置が、前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウントステップと、前記計測装置が、前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断ステップと、を備え、前記カウントステップ及び前記判断ステップを終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しないことを特徴とする計測方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、それぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を対象領域として、対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しないことから、適切にタッチパネル部品の寿命予測を行え、修理コストを低減し且つ予期しない故障を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図2】本発明の実施形態を実現するためのコンピュータの一例を表す図である。
【図3】本発明の実施形態の基本的動作を表すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態のトレーニングモードにおける基本的動作を表すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態における計測領域の定め方の一例を表す図である。
【図6】本発明の実施形態の通常運用モードにおける基本的動作を表すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態におけるタッチ座標記憶テーブルを表す図である。
【図8】本発明の実施形態におけるタッチ座標統計テーブルを表す図である。
【図9】本発明の実施形態におけるタッチ座標補正テーブルを表す図である。
【図10】本発明の実施形態における計測領域登録テーブルを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
まず、図1の機能ブロック図を参照して、本実施形態の構成について説明する。図1を参照すると本実施形態は、計測装置100及びタッチパネル200を含む。また、計測装置100は、判断部101、カウント部102、テーブル格納部103及び補正部104を含む。
【0025】
なお、本実施形態では、タッチパネル200がユーザより受け付けた操作のことを「タッチ」と呼ぶものとする。また、タッチを受け付けたタッチパネル200上の座標を「タッチ座標」と呼ぶものとする。
【0026】
判断部101は、カウント部102から、タッチパネル200がタッチされた回数や、タッチされた座標についての通知を受ける。また、判断部101は、カウント部102からの通知結果に基づいて各種のテーブルを作成し、作成したテーブルをテーブル格納部103に格納する。更に、判断部101は、補正部104を用いて、カウントされたタッチ回数の補正を行う。各種のテーブル及びタッチ回数の補正の具体的内容については、後述する。
【0027】
カウント部102はタッチパネル200と接続される。そして、タッチパネル200が受け付けたタッチの回数を計測し、また、タッチされた座標についても計測する。そして、カウント部102は計測した内容を判断部101に対して通知する。
【0028】
テーブル格納部103は、各種のテーブルを記憶する記憶装置である。
【0029】
補正部104は、判断部101を介してタッチパネル200がタッチされた回数や、タッチされた座標についての通知を受け、タッチ回数についての補正を行う。
【0030】
タッチパネル200は表示装置及び入力装置を組み合わせた機器であり、ユーザが手又はペン型の器具により圧力等を加えることにより操作を行う。なお、タッチパネル200を具体的にどのような方式や素材により実現するかは、本実施形態の要旨ではなく、任意の方式及び素材により実現することが可能である。
【0031】
タッチパネル200の具体的実現方法は、当業者によく知られているため、詳細な説明は省略する。
【0032】
本実施形態では、計測装置100及びタッチパネル200の利用開始時に一定のトレーニング期間を設け、その間に利用実態に応じてタッチされる頻度の高い複数の座標領域を特定する。トレーニング期間終了後は当該の座標領域に対してタッチされた回数を累積することによって、タッチパネル面内で最も消耗が早い箇所のタッチ回数から精度の高い寿命予測を行う。
【0033】
以上の説明では、機能ブロック図である図1を参照して本実施形態の機能ブロックについて説明した。続いて、以下の説明では、本実施形態を具体的に実現するためのハードウェア構成について図2を参照して説明する。
【0034】
図2は本実施形態の計測装置100及びタッチパネル200をコンピュータ10により実現する場合の回路構成の要部を表したものである。コンピュータ10により、上述の計測装置100及びタッチパネル200を実現することが出来る。
【0035】
図2を参照すると、コンピュータ10は、CPU11、バス12、ROM13、RAM14、不揮発メモリ15、入力受付装置制御部16、入力受付装置入力受付部17、表示装置制御部18及び表示装置表示部19を含む。
【0036】
CPU11は、プログラムに基づいて演算を行う中央演算処理装置である。CPU11は、バス12を介して装置内の各部と接続されている。
【0037】
ROM13は、CPU11が実行するための各種の制御用プログラムを格納したリード・オンリ・メモリである。
【0038】
RAM14はCPU11がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するメモリである。
【0039】
不揮発メモリ15は装置に電源が供給されない場合でもデータを保持できるメモリであり、タッチパネルの特定領域のタッチ回数を格納する。
【0040】
入力受付装置制御部16は入力受付装置入力受付部17に接続され、入力受付装置入力受付部17の制御を行う。表示装置制御部18は表示装置表示部19に接続され、表示装置表示部19の制御を行う。そして、入力受付装置及び表示装置が一体化され、タッチパネル200が実現される。
【0041】
次に、図3、図4及び図6のフローチャートを参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。今回は、M個の計測領域を使う例について説明する。
【0042】
図3を参照すると、本実施形態は、トレーニングモード(ステップS301−1〜ステップS302−M)及び通常運用モード(ステップS400)の2つのモードを有している。
【0043】
この点、まず、計測装置100の実装先となる携帯端末等の初期状態はトレーニングモードに設定されている。そして、トレーニングモードでは、通常運用モードでタッチ回数の計測に利用するための計測領域を決定する処理を行う。なお、決定する計測領域の数はM(1以上の整数)個であるものとする。
【0044】
1番目から順にM番目まで計測領域の決定処理が行われ、その後にトレーニングモードを終了し通常運用モードに移行する。
【0045】
計測領域の決定処理は、それぞれタッチ座標をN(1以上の整数)回サンプリング(ステップS301)した結果から、1つの計測領域を決定する(ステップS302)というプロセスにより行われる。
【0046】
そして、そのプロセスをM回繰り返すことでM個の計測領域を決定する(ステップS301−1〜ステップS302−M)。したがって、トレーニングモードにおいて最大でM×N回のタッチ座標のサンプリングを必要とする。
【0047】
なお、M及びNは、1以上の整数でさえあればよく、任意の数とすることが可能である。具体的には、本実施形態を実装する際に接続するタッチパネル200の座標数や、計測領域の広さ、タッチパネル上で使用するアプリケーションソフトウェアの種別、及び要求する寿命予測の精度、等に応じて任意の数を設定すればよい。なお、Nは一定の数であってもよいが決定処理の度に数を変更してもよい。例えば、初回の計測領域の決定処理時のNは少なく設定し、次回以降の計測領域の決定処理時にはNをより多く設定するようにしてもよい。
【0048】
また、計測装置100が実装先となる携帯端末等に最初から組み込まれている場合は、上述したように携帯端末等の初期状態がトレーニングモードとなっている。もっとも計測装置100の機能を、後日、ソフトウェアとして携帯端末等に組み込む場合は、その組み込み時にトレーニングモードとなる。
【0049】
次に図4を参照してトレーニングモードの動作についてより詳細に説明する。
【0050】
図4は、トレーニングモードにおいて1回のタッチパネル入力が行われた時の動作を表すフローチャートである。
【0051】
タッチパネル200にタッチが行われると、カウント部102及び判断部101は、タッチ座標を図7に例として表されるようなタッチ座標記録テーブル701としてテーブル格納部103に保存する(ステップS501)。図7を参照するとタッチ座標記録テーブル701では、タッチ毎に番号を割り振り、番号毎にタッチ座標であるX座標とY座標を紐付けて記憶されている。
【0052】
次に、カウント部102は、タッチ回数のカウントアップを行う(ステップS502)。
【0053】
そして、判断部101は、ステップS502におけるカウントアップ後のタッチ回数が、既定のサンプリング回数上限であるN回に達したか否かの判断を行う(ステップS503)。タッチ回数が既定のサンプリング回数であるN回に達していない場合は(ステップS503においてNo)、さらにサンプリングが必要であるためこれ以上の処理を行わずに今回のタッチに関してのタッチ入力処理を終了する。
【0054】
一方、タッチ回数がN回に達した場合は(ステップS503においてYes)、判断部101は、タッチ座標記録テーブル701を基にして、図8に例として表されるようなタッチ座標統計テーブル702を作成する。そして、補正部104は、タッチ座標統計テーブル702を参照しながらタッチ回数の補正を行う(ステップS504)。
【0055】
ここで、タッチ座標統計テーブル702とは、一度でもタッチを受け付けた座標をテーブルとしたものであり、一度でもタッチを受け付けた座標毎に番号が割り当てられ、各座標毎にタッチされた回数の総数が紐付けられている。
【0056】
なお、上述した説明では、タッチ座標記憶テーブル701とタッチ座標統計テーブル702を用いて、タッチ座標とそのタッチ回数を記録したが、タッチ座標記憶テーブル701を用いず、タッチ座標統計テーブル702のみを用いて、タッチ座標とそのタッチ回数を記録するようしてもよい。すなわち、2つのテーブルを用いるのではなく、1つのテーブルにより処理をするようにしてもよい。この場合、タッチが行われる度に、タッチされた座標がタッチ座標記憶テーブルに存在するか否かを確認し、既に存在すればそのタッチ回数を+1とする。一方、存在しなければ、タッチ座標記憶テーブルに新たにタッチされた座標を登録し、そのタッチ回数を1とする動作を繰り返す。当然ながら、最初にタッチした場合は、タッチ座標記憶テーブルに存在しないので、タッチ座標記憶テーブルに新たに登録し、そのタッチ回数を1とする。
【0057】
また、タッチ回数の補正とは、タッチ座標統計テーブル702に記録されたタッチ座標のうち互いに近傍に位置するものを考慮することにより、タッチ位置のばらつきを吸収して密に押下されている範囲を特定する処理である。
【0058】
具体的には、タッチ座標毎のタッチ回数に対して、近傍に位置するタッチ座標のタッチ回数に比例する数(例えば、2点間の距離の逆数を乗じたもの)を加算することで補正を行う。つまり、近傍に位置するタッチ座標間でタッチ回数の平準化を行う。例えば、座標(100,120)はタッチ回数が4であるが、近傍に位置する座標(102,119)のタッチ回数15と2点間の距離(約2.23)を考慮する。
【0059】
そして、4+(15÷2.23)≒11を補正回数とする。
【0060】
同様に座標(102,119)のタッチ回数は15であるが、近傍の座標(100,120)のタッチ回数4と2点間の距離(約2.23)を考慮して、15+(4÷2.23)≒17を補正回数とする。
【0061】
この計算をタッチ座標統計テーブル702に記録されたタッチ座標のすべての組み合わせについて行う。これにより、タッチ回数から補正回数を求める。そして、補正回数を含んだタッチ座標補正テーブル703を作成する。図9を参照すると、タッチ座標補正テーブル703では、タッチ座標統計テーブル702に加えて補正済みのタッチ回数(図では「補正回数」と図示する)が追加されていることが分かる。
【0062】
次に、判断部101は、サンプリングされたタッチ座標を補正した補正済みのタッチ回数に基づき、通常運用モードで計測の対象とする計測領域の候補を求める(ステップS505)。ここで、計測領域とは、或るタッチ座標を中心とした一定範囲内を領域とするものである。なお、計測領域の定め方としては、正円状あるいは矩形状が一般的である。図5を参照して、その具体例について説明する。図5の(a)は、中心座標を中心とした縦横3の大きさの矩形状に計測領域を定めた場合の例である。一方、図5の(b)は、中心座標を中心とした半径3の大きさの正円状に計測領域を定めた場合の例である。なお、これらはあくまで一例に過ぎず、計測領域の定め方はこの例に限定されるものではない。その、形状及び大きさは任意のものとすることが可能である。例えば、正方形ではなく長方形としたり、半径を4としたりすることが可能である。
【0063】
続いて、判断部101は、計測領域の候補の中から、補正済みタッチ回数が最も多い座標を中心とする計測領域を決定する(ステップS506)。
【0064】
そして、ステップS506で決定した領域について、既に登録済みの計測領域と重複していないか確認する(ステップS507)。重複がない場合は(ステップS507においてNo)、ステップS506で決定した計測領域を、通常運用モードで計測の対象とする計測領域として新たに登録する(ステップS514)。
【0065】
一方、ステップS506で決定した計測領域が、既に登録済みの計測領域と重複している場合は(ステップS507においてYes)、2番目に補正済みタッチ回数の多い計測領域を決定して(ステップS508)、ステップS507と同様に登録済みの計測領域と重複していないか確認する(ステップS509)。重複がなければステップS514へ進む(ステップS509においてNo)。
【0066】
一方、ステップS509で登録済みの計測領域と重複している場合は(ステップS509においてYes)、さらに3番目に補正済みタッチ回数の多い領域を決定して(ステップS510)、ステップS509と同様に登録済みの計測領域と重複していないか確認する(ステップS511)。重複がなければステップS514へ進む(ステップS511においてNo)。
【0067】
一方、ステップS511でも計測領域を決定できなかった場合は(ステップS511においてYes)、失敗回数をカウントアップする(ステップS512)。
【0068】
続いて、ステップS512においてカウントアップ後の失敗回数が既定のF回に達したかどうか判定する(ステップS513)。ここで、Fは任意の整数とすることが可能である。もしも、ステップS512においてカウントアップ後の失敗回数が既定のF回に達している場合は(ステップS513においてYes)、トレーニングモードを終了する(ステップS516)。
【0069】
この点、失敗回数が既定のF回に達する場合としては、頻繁にタッチされる領域が、あらかじめ想定したM個の領域よりも少ないという場合が考えられる。この場合は、決定処理を何度繰り返してもM個の領域を決定できずトレーニングモードを抜けられなくなってしまう可能性がある。そのため、失敗回数が既定のF回に達した時点でM個よりも少ない領域でトレーニングモードを終了する。失敗回数が既定のF回に達していない場合は(ステップS513においてNo)、押下座標およびカウントをクリアし(ステップS517)、今回のタッチに関してのタッチ入力処理を終了する。
【0070】
ステップS506〜S511で登録済みの計測領域と重複しない計測領域が見つかり、通常運用モードで計測の対象とする計測領域として新たに登録した場合(ステップS514)、であって、登録領域がM個に達していない場合は(ステップS515においてNo)、押下座標およびカウントをクリアし(ステップS517)、今回のタッチに関してのタッチ入力処理を終了する。
【0071】
登録領域がM個に達するか(ステップS515においてYes)、失敗回数がF回に達すると(ステップS513においてYes)、トレーニングモードを終了する(ステップS516)。
【0072】
トレーニングモードが終了すると、通常運用モードが開始される。
【0073】
図6は、通常運用モードにおいて1回のタッチパネル入力が行われた時の動作を表すフローチャートである。
【0074】
タッチパネル200がタッチを受け付けると、押下された座標が、図10に例示されるような登録済みの計測領域のうちいずれかの範囲内にあるかどうかのチェックが行われる(ステップS601)。押下された座標がいずれかの計測領域内に入っている場合は(ステップS601においてYes)、当該計測領域のタッチ数をカウントアップする(ステップS602)。押下された座標がいずれかの計測領域内に入っていない場合(ステップS601においてNo)、及び、次にタッチパネル200がタッチを受け付けた場合は、再度ステップS601からの処理が行われる。
【0075】
以上で、本実施形態の計測処理は終了する。本実施形態では、上述のようにトレーニングモードにおいて決定された、タッチ頻度の高い複数の計測領域に対してタッチ回数の計測を行う。この動作により、タッチパネル面内において最も早く劣化し、故障する可能性の高い箇所のタッチ回数が計測できる。そのため、タッチパネルの精度の高い寿命予測が可能となり、不必要な予防修理コストの削減とともに、故障発生前の適切なタイミングで予防修理を施すことで装置の信頼性を高めることができるという効果を奏する。
【0076】
上述の実施形態の変形例として、ステップS506〜ステップS511について変形することが考えられる。上述の説明では2番目に補正済みタッチ回数の多い計測領域(ステップS508)及び3番目に補正済みタッチ回数の多い計測領域(ステップS510)に関しても計測領域とするか否かを検証していた(ステップS509及びステップS511)。この点、更にステップを増やすようにしてもよい。すなわち、4番目、5番目に補正済みタッチ回数の多い領域を対象として、ステップS506〜ステップS511と同様の処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、トレーニングモードの期間をより短縮できることが見込まれる。
【0077】
一方、最もタッチ回数の多い領域のみを対象とするようにしてもよい。すなわち、ステップS508〜ステップS511を省略し、ステップS507でNoの場合はステップS512へ進むようにしてもよい。実装後の環境によっては、このように最もタッチ回数の多い領域のみを対象とした場合の方が、適切な結果が得られることが見込まれる。
【0078】
また、本実施形態と、特許文献2で提案されているような、マトリクステーブルを用いた矩形領域のタッチ回数計測と組み合わせることもできる。この場合、本実施形態によるタッチ頻度の高い領域のタッチ回数計測を補う形で、タッチ頻度のより低い領域のタッチ回数をマトリクステーブルを用いて計測することが可能である。
【0079】
また、上記実施形態では、タッチパネルと計測装置が単一のコンピュータにより実現されているものとして説明した。しかし、タッチパネルと計測装置を別のコンピュータとして実現し、バスやUSB規格に準拠したケーブル、任意のコネクタ等の手段を用いて接続するようにしてもよい。また、接続は有線接続であってもよいがその一部又は全部を無線による接続としてもよい。
【0080】
更に、上記実施形態では、タッチパネル及び計測装置を実現するためのプログラムが、コンピュータに予め記憶されているものとして説明した。しかし、コンピュータを、タッチパネル及び計測装置の全部又は一部として動作させ、あるいは、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disk(Disc))BD(Blu-ray Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0081】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波にプログラムを重畳させて、コンピュータにダウンロード等してプログラムを実行してもよい。
【0082】
また、本発明の実施形態による計測方法は、ハードウェアにより実現することもできるが、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0083】
また、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0084】
以上説明した本発明の実施形態は、以下に示すような多くの効果を奏する。
【0085】
第1の効果は、タッチパネルの寿命を高い精度で予測できることにある。
【0086】
その理由は、あらかじめトレーニングモードでタッチ頻度が高く、最も早く故障しやすい領域を特定するためである。
【0087】
第2の効果は、アプリケーションに依存しないことにある。
【0088】
その理由は、トレーニングモードでの動作はアプリケーションの画面デザインに依存せず、任意の操作を行うことができるためである。
【0089】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0090】
(付記1) タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置であって、
前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウント手段と、
前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断手段と、を備え、
前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しないことを特徴とする計測装置。
【0091】
(付記2) 付記1に記載の計測装置であって、
或る領域を前記対象領域として決定した際に、前記カウント手段が前記記憶している、タッチを受け付けた箇所の座標及びタッチの合計回数を消去し、再度前記カウント手段及び前記判断手段を動作させることによって前記或る領域以外の領域を前記対象領域として更に決定する、ことを繰り返し、前記対象領域として決定した領域の数が一定の値であるM(1以上の整数)となった場合に前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させることを特徴とする計測装置。
【0092】
(付記3) 付記2に記載の計測装置であって、
前記カウント手段及び前記判断手段を繰り返し動作させたとしても前記M個以上の対象領域が決定できない場合は、該繰り返し動作の回数が一定の値であるF(1以上の整数)となった時点で前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させることを特徴とする計測装置。
【0093】
(付記4) 付記1乃至3の何れか1に記載の計測装置であって、
前記受け付けたタッチ回数が最も多い座標を中心座標として設定し、該中心として設定した座標の周囲の座標を含む領域を一つの候補領域として選択し、
最もタッチを受け付けた回数が多い座標を対象領域として決定するのではなく、前記選択した候補領域を対象領域として決定することを特徴とする計測装置。
【0094】
(付記5) 付記1乃至4の何れか1に記載の計測装置であって、
前記各座標が受け付けたタッチの回数の統計を取った後に、近傍の座標間で受け付けたタッチの回数を考慮して近傍の座標間との間で受け付けたタッチの回数を平準化し、該平準化後の値に前記各座標が受け付けたタッチの回数を補正することを特徴とする計測装置。
【0095】
(付記6) 付記1乃至5の何れか1に記載の計測装置であって、
前記統計の結果最もタッチを受け付けた回数が多い座標又は候補領域を前記対象領域として決定しようとした場合に、既に該座標又は該候補領域が前記対象領域として決定されているのであれば、前記統計の結果次にタッチを受け付けた回数が多い座標又は候補領域を前記対象領域として決定することを特徴とする計測装置。
【0096】
(付記7) タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置に組み込まれる計測プログラムであって、
前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウント手段と、
前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断手段と、
を備え、
前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しない計測装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする計測プログラム。
【0097】
(付記8) タッチパネルと、前記タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置と、を含む端末入力装置であって、
前記タッチパネルがタッチを受け付け、
前記計測装置が付記1乃至6の何れか1に記載の計測装置であることを特徴とする入力装置。
【0098】
(付記9) タッチパネルと、前記タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置と、を含む入力装置が行う計測方法であって、
前記タッチパネルがタッチを受け付けるステップと、
前記計測装置が、前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウントステップと、
前記計測装置が、前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断ステップと、を備え、
前記カウントステップ及び前記判断ステップを終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しないことを特徴とする計測方法。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明によれば、タッチパネルを搭載した任意の入力装置に好適である。
【符号の説明】
【0100】
10 コンピュータ
11 CPU
12 バス
13 ROM
14 RAM
15 不揮発メモリ
16 入力受付装置制御部
17 入力受付装置入力受付部
18 表示装置制御部
19 表示装置表示部
100 計測装置
101 判断部
102 カウント部
103 テーブル格納部
104 補正部
200 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置であって、
前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウント手段と、
前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断手段と、を備え、
前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しないことを特徴とする計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の計測装置であって、
或る領域を前記対象領域として決定した際に、前記カウント手段が前記記憶している、タッチを受け付けた箇所の座標及びタッチの合計回数を消去し、再度前記カウント手段及び前記判断手段を動作させることによって前記或る領域以外の領域を前記対象領域として更に決定する、ことを繰り返し、前記対象領域として決定した領域の数が一定の値であるM(1以上の整数)となった場合に前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させることを特徴とする計測装置。
【請求項3】
請求項2に記載の計測装置であって、
前記カウント手段及び前記判断手段を繰り返し動作させたとしても前記M個以上の対象領域が決定できない場合は、該繰り返し動作の回数が一定の値であるF(1以上の整数)となった時点で前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させることを特徴とする計測装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の計測装置であって、
前記受け付けたタッチ回数が最も多い座標を中心座標として設定し、該中心として設定した座標の周囲の座標を含む領域を一つの候補領域として選択し、
最もタッチを受け付けた回数が多い座標を対象領域として決定するのではなく、前記選択した候補領域を対象領域として決定することを特徴とする計測装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の計測装置であって、
前記各座標が受け付けたタッチの回数の統計を取った後に、近傍の座標間で受け付けたタッチの回数を考慮して近傍の座標間との間で受け付けたタッチの回数を平準化し、該平準化後の値に前記各座標が受け付けたタッチの回数を補正することを特徴とする計測装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の計測装置であって、
前記統計の結果最もタッチを受け付けた回数が多い座標又は候補領域を前記対象領域として決定しようとした場合に、既に該座標又は該候補領域が前記対象領域として決定されているのであれば、前記統計の結果次にタッチを受け付けた回数が多い座標又は候補領域を前記対象領域として決定することを特徴とする計測装置。
【請求項7】
タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置に組み込まれる計測プログラムであって、
前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウント手段と、
前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断手段と、
を備え、
前記カウント手段及び前記判断手段の動作を終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しない計測装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする計測プログラム。
【請求項8】
タッチパネルと、前記タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置と、を含む端末入力装置であって、
前記タッチパネルがタッチを受け付け、
前記計測装置が請求項1乃至6の何れか1項に記載の計測装置であることを特徴とする入力装置。
【請求項9】
タッチパネルと、前記タッチパネルに接続され、該タッチパネルの寿命予測を行うための計測装置と、を含む入力装置が行う計測方法であって、
前記タッチパネルがタッチを受け付けるステップと、
前記計測装置が、前記タッチパネルがタッチを受け付けるたびに、前記タッチパネル上のタッチを受け付けた箇所の座標を記憶すると共に前記タッチパネルが受け付けたタッチの合計回数をカウントして記憶するカウントステップと、
前記計測装置が、前記タッチの合計回数が一定の値であるN(1以上の整数)となった場合に、前記タッチを受け付けた箇所の座標毎にそれぞれの座標が前記タッチを何回受け付けたかの統計を取り、該統計の結果、最もタッチを受け付けた回数が多い座標を、対象領域として決定する判断ステップと、を備え、
前記カウントステップ及び前記判断ステップを終了させた後は、前記対象領域に対してのタッチの合計回数を計測し、前記対象領域以外の領域についてはタッチの合計回数を計測しないことを特徴とする計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−69030(P2013−69030A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205827(P2011−205827)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】