説明

タッチパネル操作装置、タッチパネル操作装置の制御方法およびプログラム

【課題】タッチパネルによる操作において、誤操作なく所望の操作を可能とする。
【解決手段】
タッチパネル操作部401は、表示部400に重ねて配置され、表示内容に対応するタッチ操作を受け付ける。回転検出部310は、表示部400における表示面と同一面上の回転を検出する。判断部201は、回転検出部310において表示部400の回転が検出された場合に表示部400にタッチパネル操作部401によるタッチ操作を要求する操作要求画面404が表示されているか否かを判断する。表示向き変更制御部211は、判断部201において操作要求画面404が表示されていると判断された場合は、操作要求画面404に対するタッチ操作がタッチパネル操作部401により行われた後に、回転検出部310によって検出された表示部400の回転における回転角度に応じて、表示部400に表示される表示内容の表示向きを変更させる処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルによる操作が可能なタッチパネル操作装置において、タッチパネルによる誤操作がなく所望の操作を可能とする、タッチパネル操作装置、タッチパネル操作装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルによる操作が可能な携帯型情報装置が普及しており、多様なアプリケーションが利用可能であり、様々な利用形態の装置がある。このような装置において、装置の向きを判別する加速度センサ等が内蔵され、装置の向きに応じて表示画面における情報の表示向きを変更する機能を備える装置も一般的となっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−70884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような装置においては、例えばユーザが表示された操作アイコン等に対してタッチパネルをタッチすることによって操作を行う場合、誤ってまたは意識せずに装置の重力方向に対する向きを変更してしまうと、操作アイコンを含む表示画面の向きが変わってしまう。このため、ユーザが意図したタッチ位置にタッチを行ったときに、ユーザの意図によらない表示画面の回転が行われることによって、ユーザが誤った位置をタッチしてしまう可能性がある。このような誤った位置へのタッチによって、ユーザの意図しない処理が実行されてしまう可能性もある。
【0005】
このように、装置の向きによる画面表示向きの変更により、ユーザの意図していない処理が実行されてしまい、スムーズな操作が阻害されてしまう。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、装置の向きに伴い表示画面の向きを変更する装置であっても、表示画面の向きの変更に伴う誤操作を行うことが無く適切な操作を可能とする、タッチパネル操作装置、タッチパネル操作装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明に係るタッチパネル操作装置(10)は、各種情報を表示する表示部(400)、前記表示部(400)に重ねて配置されるとともに、前記表示部(400)に表示された表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部(401)、前記表示部(400)における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出部(310)、前記回転検出部(310)において前記表示部(400)の回転が検出された場合に前記表示部(400)に前記タッチパネル操作部(401)によるタッチ操作を要求する操作要求画面(404)が表示されているか否かを判断する判断部(201)、前記判断部(201)において前記操作要求画面(404)が表示されていると判断された場合は、前記操作要求画面(404)に対するタッチ操作がタッチパネル操作部(401)により行われた後に、前記回転検出部(310)によって検出された前記表示部(400)の回転における回転角度に応じて、前記表示部(400)に表示される表示内容の表示向きを変更させる処理を行う表示向き変更制御部(211)、を備えることを特徴とする。
【0008】
第2の発明に係るタッチパネル操作装置(10)は、第1の発明において、前記判断部(201)は、前記表示部(400)に前記操作要求画面(404)がポップアップ画面(403)として表示されているか否かを判断し、前記表示向き変更制御部(211)は、前記判断部(201)によって前記操作要求画面(404)がポップアップ画面(403)として表示されていると判断された場合、前記ポップアップ画面(403)における操作要求画面(404)に対する操作がタッチパネル操作部(401)により行われた後に、前記表示部(400)に表示される表示内容の表示向きを変更させる処理を行うことを特徴とする。
【0009】
第3の発明に係るタッチパネル操作装置(10)は、第1の発明において、前記判断部(201)は、前記表示部(400)に前記操作要求画面(404)がポップアップ画面(403)として表示されているか否かを判断し、前記表示向き変更制御部(211)は、前記判断部(201)によって前記操作要求画面(404)がポップアップ画面(403)として表示されていると判断された場合、前記回転検出部(310)によって検出された前記表示部(400)の角度に応じて前記ポップアップ画面(403)以外の表示内容の表示向きを変更させる処理を行うことを特徴とする。
【0010】
第4の発明に係るタッチパネル操作装置(10)の制御方法は、各種情報を表示する表示部(400)における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、前記検出ステップにおいて前記表示部(400)の回転が検出された場合、前記表示部(400)にタッチパネル操作部(401)によるタッチ操作を要求する操作要求画面(404)が表示されているか否かを判断する判断ステップ、前記判断ステップにおいて前記操作要求画面(404)が表示されていると判断された場合は、前記操作要求画面(404)に対するタッチ操作が行われた後に、前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部(400)の回転における回転角度に応じて前記表示部(400)に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、を備えることを特徴とする。
【0011】
第5の発明に係るプログラムは、タッチパネル操作装置(10)が備えるコンピュータに、各種情報を表示する表示部(400)における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、前記検出ステップにおいて前記表示部(400)の回転が検出された場合、前記表示部(400)にタッチパネル操作部(401)によるタッチ操作を要求する操作要求画面(404)が表示されているか否かを判断する判断ステップ、前記判断ステップにおいて前記操作要求画面(404)が表示されていると判断された場合は、前記操作要求画面(404)に対するタッチ操作が行われた後に、前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部(400)の回転における回転角度に応じて前記表示部(400)に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置の向きに伴い表示画面の向きを変更する装置であっても、表示画面の向きの変更に伴う誤操作を誘発せず、適切な操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るタッチパネル操作装置の構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明に係るタッチパネル操作装置の外観斜視図の例である。
【図3】本発明における第1の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図4】本発明における第1の実施例に係るタッチパネル操作装置の回転角度例と回転角度例に対応する画面表示例を表す概念図である。
【図5】本発明における第2の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図6】本発明における第2の実施例に係るタッチパネル操作装置の回転角度例と回転角度例に対応する画面表示例を表す概念図である。
【図7】本発明における第3の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図8】本発明における第3の実施例に係るタッチパネル操作装置の回転角度例と回転角度例に対応する画面表示例を表す概念図である。
【図9】本発明に係る他の例としてのタッチパネル操作装置の概観図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のタッチパネル操作装置10について、図1および図2を参照して説明する。図1は本発明が実施されるタッチパネル操作装置10における構成ブロック図の例であり、図2は本発明が実施されるタッチパネル操作装置10の外観斜視図の例である。
【0015】
タッチパネル操作装置10は、主にタッチパネルによる操作を行うことのできる各種装置であって、具体例としては携帯型メディアプレーヤ、携帯型オーディオ装置、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話(スマートフォン含む)、携帯型ゲーム装置、PC(Personal Computer)、電子書籍リーダ等である。また、携帯型の装置ではなく据置型の装置であっても、タッチパネルによる操作を行うことができ、回転可能な表示部の回転に伴い表示内容の回転を行う装置であれば、据え置き型PC、医療機器、各種操作制御機器等であってもよい。
【0016】
タッチパネル操作装置10は、図1に示すように、入力部101、出力部102、記憶部103、操作部104、制御部200、センサ部300、表示部400を備える。また、これら以外にも装置の種類は機能に応じて他の構成要素を備えてもよい。
【0017】
入力部101は、後述する記憶部103に記憶される各種データが入力される。さらに入力部101は、後述する表示部400に表示される画像データ等が入力される。入力部101は、各種端子や、音声の入力を行う図示しないマイクロフォン、映像や画像の入力を行う図示しない撮像素子であってもよい。
【0018】
入力部101は、入力された各種信号がアナログ信号である場合に、入力された信号を後述する制御部200によって処理するためのデジタル信号化を行う図示しないADC(Analog Digital Converter)や、入力される信号レベルを増幅する図示しない増幅装置を包含してもよい。さらには記憶部103が外部の記憶デバイスである場合における例えばUSB(Universal Serial Bus)端子等のインターフェースとして兼用されてもよい。
【0019】
出力部102は、記憶部103に記憶された各種コンテンツデータを制御部200により再生した音声や映像等、各種データや信号を出力する。出力部102は、各種データや信号を出力する各種端子や、制御部200から出力されるデジタルデータをアナログ信号に変換するDAC(Digital Analog Converter)、音声データや音声信号を増幅する図示しない増幅部、音声信号を音波に変換するスピーカやヘッドフォンを包含してもよい。
【0020】
記憶部103は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等により構成され、タッチパネル操作装置10において動作や表示が行われる各種コンテンツデータを記憶する。コンテンツデータとは、例えば動画データ、画像データ、地図データ、音声データ、テキストデータや、タッチパネル操作装置10における各種アプリケーションにより動作するデータであってもよい。また、記憶部103は所定のインターフェースによりタッチパネル操作装置10に接続される外部の記憶デバイスであってもよい。具体的には、USB端子を介して接続される外付けHDDやUSBメモリ、所定のメモリカードスロットにより接続されるメモリカードなどである。
【0021】
操作部104は、タッチパネル操作装置10の各部を動作させるための指示を受け付け、受け付けた指示を制御部に出力して各部の動作を制御する。操作部104が受け付けた指示は、制御部200を通さずに直接各部に対して動作指示が行われてもよい。操作部104は、押しボタン式やスライド式、回転式等の操作装置により構成される。また、操作部104によって受け付けられる指示は、後述するタッチパネル操作部401による操作処理と同一の操作指示、異なる操作指示、補完する操作指示などが対応してもよい。
【0022】
制御部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)、画像処理用集積回路等、単数または複数の集積回路等により構成され、タッチパネル操作装置10の各部の制御や、各種データの処理を行う。また、制御部200は、処理または制御の対象によって上記構成要素によって構成される、判断部201、操作制御部202、回転判断部203、表示制御部210を備える。
【0023】
判断部201は、制御部200の処理機能として、表示制御部210によって表示部400に、タッチ操作を要求する操作要求画面が表示されているか否かを判断する。この判断はタッチパネル操作装置10において実行される各種アプリケーションや基本ソフトウェアにおいて、タッチ操作を要求する所定の画面が表示制御部210によって表示されているか否かの判断に基づく。
【0024】
操作制御部202は、操作部104やタッチパネル操作部401による入力を受け付け、受け付けられた入力操作に基づき、各部の動作を制御する。また、操作制御部202は、操作部104やタッチパネル操作部401における操作が完了したか否かの判断を行う。
【0025】
表示制御部210は、表示部400による各種情報の表示を実行する制御を行うとともに、表示されている各種情報の表示向きの変更や表示サイズの変更等の表示形態に係る制御も行う。表示制御部210の機能において、表示されている各種情報の表示向きを変更する機能を実行する構成要素を、表示向き変更制御部211とする。
【0026】
回転判断部203は、後述するセンサ部300において検出された加速度等の情報に基づき、タッチパネル操作装置10または表示部400が回転されたことを検出する。また、回転判断部203は、センサ部300において検出された加速度等の情報に基づきタッチパネル操作装置10または表示部400の回転角度を演算により算出する。さらに、回転判断部203は、センサ部300において検出された加速度等の情報に基づき設定された所定の角度との差分等を判断する。回転判断部203によって算出されるタッチパネル操作装置10または表示部400の回転角度は、重力加速度に直角な角度である水平面を基準角度とした基準角度からの回転角度を算出する場合に加えて、所定の角度を基準角度としてその基準角度からの回転角度を算出することとしてもよい。
【0027】
センサ部300は、タッチパネル操作装置10で用いる各種センサであり、本実施例においては、タッチパネル操作装置10または表示部400に備えられ、備えられた装置の回転角度を検出するための加速度センサ301を備える。加速度センサ301は、備えられた装置に加えられる加速度を検出するセンサであり、2軸や3軸など複数の方向に対する加速度を検出する。加速度センサ301は、タッチパネル操作装置10または表示部400に加えられた複数方向の加速度を回転判断部203に出力し、回転判断部203は得られた加速度の値を演算することによって、タッチパネル操作装置10または表示部400の回転の検出や回転角度の算出を行う。
【0028】
回転判断部203においてタッチパネル操作装置10または表示部400の回転角度を検出するために用いるセンサとしては、加速度センサ301に限らず角速度センサ等であってもよい。また、センサ部300は、加速度センサ301以外に、図示しないが、照度センサ、温度センサ等の各種センサを備えていてもよい。
【0029】
また、制御部200における回転判断部203と、回転判断部203に、タッチパネル操作装置10または表示部400の回転角度に基づくデータを出力する加速度センサ301または図示しない角速度センサを包含して、タッチパネル操作装置10または表示部400の回転を検出する回転検出部310とする。
【0030】
表示部400は、例えば液晶表示素子や有機EL(Electro Luminescence)表示素子などにより構成され、表示制御部210の制御により各種情報を表示する。また、表示部400は、表示画面に触れることによりまたは押すことによって、表示画面に表示されている操作処理を実現するタッチパネル操作部401を備える。タッチパネル操作部401の方式は、静電容量式であっても抵抗膜式であってもよい。
【0031】
次に、タッチパネル操作装置10の外観について図2に基づき説明する。図2に例示するタッチパネル操作装置10は、ユーザが携帯可能なサイズの装置であり、矩形形状の一面に表示部400が一体的に備えられ、表示部400にはタッチパネル操作部401が備えられている。
【0032】
図2に示すタッチパネル操作装置10は、矩形の筐体のいずれかまたは複数の面に操作部104を備える。図2において操作部104は表示部400と同一面に記載されているが、他の面に備えられていてもよい。また、操作部104は、図示しないリモコン装置であってもよく、さらにはタッチパネル操作装置10の各面に操作部104を備えずに、タッチパネル操作部401のみを備える装置であってもよい。さらには、タッチパネル操作装置10が受けた加速度に基づき所定の操作を行わせるように、加速度センサ301が操作部104として機能してもよい。
【0033】
図2に示すように、タッチパネル操作装置10における表示部400と同一の面に対して、y軸方向およびx軸方向とし、表示部400の奥行き方向に対してz軸方向と定義する。加速度センサ301は、タッチパネル操作装置10の各方向に加えられる加速度を検出し、回転検出部310は、加速度センサ301が検出した各方向の加速度のうち、x軸方向およびy軸方向の加速度を抽出することによって、表示部400と同一面であるxy平面におけるタッチパネル操作装置10の回転を検出することができる。
【0034】
次に、本発明における第1の実施例に係るタッチパネル操作装置10の動作例について、図3および図4により説明する。図3は本発明における第1の実施例に係るタッチパネル操作装置10の動作例を表したフローチャートであり、図4は本発明における第1の実施例に係るタッチパネル操作装置10の回転角度例と回転角度例に対応する画面表示例を示す概念図である。
【0035】
図3において、先ず回転検出部203は回転検出ステップとして、回転検出部310によって表示部400の回転が検出されたか否かを判断する(ステップS100)。ステップS100の判断は、図2に示すように表示部400がタッチパネル操作装置10に一体化している装置である場合は、タッチパネル操作装置10の回転の検出の判断と同一の意味である。以下、本実施例に加えて他の実施例においても、表示部400の回転とは、タッチパネル操作装置10の形態によってはタッチパネル操作装置10の回転と置き換えることができる。
【0036】
ステップS100の判断は、表示部400と同一の面における向きのうちいずれの向きを基準角度として処理を開始してもよい。ステップS100の状態の例を図4(A)に示す。図4(A)の状態は、例えば矩形形状のタッチパネル操作装置10を横長方向に使用している状態であり、表示部400には横長方向に画像や文書等の表示内容が表示されている。この状態において、例えば表示部400の同一面上でタッチパネル操作装置10が右回りに回転されることを想定する。
【0037】
ステップS100において、表示部400の回転が検出されていないと判断された場合は(ステップS100:No)、ステップS100の判断を再度実行する。つまり、回転検出部310は逐次表示部400の回転を検出している。ステップS100において、表示部400の回転を検出したと判断された場合は(ステップS100:Yes)、回転検出部310は表示部400の回転を継続して検出することによって、表示部400の回転角度が閾値となる角度を超えたか否かを判断する(ステップS101)。
【0038】
ステップS101における閾値の角度とは、例えば図4(A)の状態を回転の基準となる角度とすると、表示部400が表示面上に回転したときに、基準の角度に対して表示向き変更制御部211が表示内容の表示向きを変更する回転角度である。
【0039】
具体例としては、図4(A)のようにタッチパネル操作装置10が、その表示面を横長方向に使用され、紙面下方向に重力加速度が加わっている状態を基準角度とする。この状態より、タッチパネル操作装置10を例えば右回転させた場合、右回転方向に45度回転した角度が閾値となる。このため、閾値の角度を越えて右方向回転された場合、表示向き変更制御部211は図4(C)のように表示内容を左回転方向に90度回転させ、タッチパネル操作装置10の縦向きでの使用に適した表示とする。タッチパネル操作装置10の左回転についても同様であり、左方向に45度回転した角度が閾値となる。
【0040】
ステップS101において、表示部400の回転角度が閾値となる角度を超えたと判断された場合は(ステップS101:Yes)、判断部201は判断ステップとして表示部400にタッチパネル操作部401によるタッチ操作を要求する操作要求画面404が表示されているか否かを判断する(ステップS102)。ステップS101において、表示部400の回転角度が閾値となる角度を超えていないと判断された場合は(ステップS101:No)、ステップS101に推移し表示部400の回転検出を継続して行う。
【0041】
ステップS102において判断され操作要求画面404とは、一例として図4(A)に示すように、ユーザにタッチ操作による何らかの選択や決定を求める表示である。図4(A)の例においては、ユーザが選択したファイルに対して削除指示を行ったときに、削除要否の入力を要求する画面であり、「削除しますか?」というユーザへの選択要求を促す文字情報とともに、削除の実行有無を決定する「YES」および「NO」の要求操作決定部402が表示されている。これらの表示を総括して操作要求画面404する。図4(A)においては表示部400の表示全体が操作要求画面404であり、操作要求画面404は表示部400の一部分の表示であってもよい。
【0042】
このような操作要求画面404において、例えばユーザがタッチパネル操作部401を操作して要求操作決定部402のうち「No」を選択するために「No」の表示位置をタッチする。このときに、タッチパネル操作装置10の回転が同時に行われることにより表示内容の表示向きが変更されると、表示向き変更制御部211の処理によって操作要求画面404の表示向きが変更される。この場合、操作要求画面404の表示向きの変更に対して、ユーザのタッチ動作は追従できず表示向き変更前の操作要求画面に基づいたタッチ操作を行ってしまう。つまり、要求操作決定部402の位置が変更されたにも関わらず、ユーザは変更前の要求操作決定部402の位置をタッチ操作してしまう。
【0043】
このために、ステップS102において操作要求画面404が表示されていると判断された場合は(ステップS102:Yes)、操作制御部202は操作要求画面404において要求されているタッチ操作が完了したか否かを判断する(ステップS103)。ステップS102において操作要求画面404が表示されていないと判断された場合は(ステップS102:No)、ステップS104に推移して表示向き変更制御部211は回転角度に応じた向きに表示内容の表示向きを変更させる。
【0044】
タッチ操作を要求する操作要求画面404としては他にも様々な表示例があり、他の例としては、複数のアイコン表示よりそれらのアイコンの選択をタッチ操作によって要求する画面、何らかの設定に対する実行とキャンセルの選択をタッチ操作によって要求する画面、複数の選択肢より1または複数の要素の選択をタッチ操作によって要求する画面などがある。
【0045】
ステップS103において、操作要求画面404において要求されているタッチ操作が完了したと判断された場合は(ステップS103:Yes)、表示向き変更制御部211は回転検出部310によって検出された表示部400の回転角度に応じた向きに表示内容の表示向きを変更させる(S104)。ステップS103において、操作要求画面404において要求されているタッチ操作が完了していないと判断された場合は(ステップS103:No)、ステップS103において再度要求されたタッチ操作が完了したか否かを判断する。
【0046】
ステップS104においては、ステップS103において要求されたタッチ操作が完了した後に、ステップS100およびステップS101において検出された表示部400の回転角度に基づき、表示向き変更制御部211は表示部400に表示する表示内容の表示向きを変更する。
【0047】
このように、ステップS101の判断によって表示部400の回転角度が閾値を超えた場合においても、表示部400にタッチ操作を要求する操作要求画面404が表示されているときは、要求されたタッチ操作が完了するまで表示内容の表示向きが変更されない。この状態を図4(B)に示す。図4(A)の状態を回転の基準となる角度とすると、図4(B)は基準の角度より約60度右方向に回転している状態を示す。図4(B)は、基準の角度より閾値である45度を越えた回転角度であるが、表示部400に操作要求画面404が表示されており、操作要求画面404に対する操作が完了していないため、表示内容の表示向きは図4(A)と同一のままである。
【0048】
さらに、図4(B)の状態において操作要求画面404の操作が完了したときは、図4(C)に示すように、表示部400の回転角度が閾値を超えている場合であれば、表示部400の回転角度に応じた向きに表示内容の表示向きが変更される。図4(B)においては、操作要求画面404における要求操作決定部402のうち「YES」が操作された状態を示しており、要求操作決定部402が操作されたことによって、操作要求画面404に代えて操作要求画面404の操作に基づく画面が表示向きを変更された状態で表示される。図4(B)において「NO」が操作された場合であっても同様である。
【0049】
このような処理によって、タッチパネル操作装置10の向きや表示部400の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたタッチ位置におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、表示部400にタッチ操作が要求される操作要求画面404が表示されているときは、要求されているタッチ操作が完了した後にタッチパネル操作装置10の向きや表示部400の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更を行うことで上記のような誤操作を防止することができる。
【0050】
また、ステップS103において、要求されたタッチ操作が完了するまでの間に、表示部400の回転角度が変化することも考えられる。ステップS100からステップS101の処理は逐次行われており、例えばステップS103がNoの状態において表示部400がステップS100で検出された逆方向の回転によりステップS101で超えたと判断された閾値を超える前の角度となった場合、ステップS103において要求されたタッチ操作が完了した後は、ステップS104の処理は行われずに本処理を終了する。
【0051】
また、ステップS103がNoの状態において表示部400がステップS101で越えたと判断された閾値からさらに同一方向に回転することによって、次の閾値を超えた角度となった場合、ステップS103において要求されたタッチ操作が完了した後は、ステップS104の処理において次の閾値を超えた回転角度に応じた向きに表示内容の表示向きを変更する。ここでいう次の閾値とは、図4(A)の状態を回転の基準となる角度とすると、同一の回転方向に45度、135度、225度、315度として設定されている。これらの閾値を超える毎に表示内容の表示向きは90度毎に常に重力方向に表示内容の下部が向くように回転向きが変更される。
【0052】
次に、本発明における第2の実施例に係るタッチパネル操作装置10の動作例について、図5および図6により説明する。図5は本発明における第2の実施例に係るタッチパネル操作装置10の動作例を表したフローチャートであり、図6は本発明における第2の実施例に係るタッチパネル操作装置10の画面表示例を示す概念図である。図6の説明において図3と同一の処理については、同一符号を付すとともに説明を省略する。
【0053】
ステップS101において、表示部400の回転角度が閾値となる角度を超えたと判断された場合は(ステップS101:Yes)、判断部201は表示部400にタッチパネル操作部401によるタッチ操作を要求するポップアップ表示部403が表示されているか否かを判断する(ステップS110)。ここでいうポップアップ表示部403とは、図6(A)に示すように、「削除しますか?」というユーザへの選択要求を促す文字情報とともに、削除の実行有無を決定する「YES」および「NO」の要求操作決定部402が表示されているポップアップ表示であり、この場合ポップアップ表示部403が操作要求画面404である。
【0054】
ステップS110において、タッチ操作を要求するポップアップ表示部403が表示されていると判断された場合は(ステップS110:Yes)、操作制御部202はポップアップ表示部403における操作要求画面404において要求されているタッチ操作が完了したか否かを判断する(ステップS103)。ステップS110において、タッチ操作を要求するポップアップ表示部403が表示されていないと判断された場合は(ステップS110:No)、ステップS104に推移して表示向き変更制御部211は回転角度に応じた向きに表示内容の表示向きを変更させる。
【0055】
ステップS103において、ポップアップ表示部403における操作要求画面404において要求されているタッチ操作が完了したと判断された場合は(ステップS103:Yes)、表示制御部210はポップアップ表示部403を消去し(ステップS111)、表示向き変更制御部211は回転検出部310によって検出された表示部400の回転角度に応じた向きに表示内容の表示向きを変更させる(S104)。
【0056】
このように、ステップS101の判断によって表示部400の回転角度が閾値を超えた場合においても、表示部400に、タッチ操作を要求するポップアップ表示部403が表示されているときは、要求されたタッチ操作が完了するまで表示内容の表示向きが変更されない。この状態を図6(B)に示す。図6(A)の状態を回転の基準となる角度とすると、図6(B)は基準の角度より約60度右方向に回転している状態を示す。図6(B)は、基準の角度より閾値である45度を越えた回転角度であるが、表示部400にタッチ操作を要求するポップアップ表示部403が表示されており、ポップアップ表示部403における操作要求画面404に対する操作が完了していないため、表示内容の表示向きは図6(A)と同一のままである。
【0057】
さらに、図6(B)の状態において操作要求画面404の操作が完了したときは、図6(C)に示すように、表示部400の回転角度が閾値を超えている場合であれば、ポップアップ表示部403が消去され、表示部400の回転角度に応じた向きに表示内容の表示向きが変更される。図6(B)においては、ポップアップ表示部403である操作要求画面404における操作要求決定部402のうち「YES」が操作された状態を示しており、要求操作決定部402が操作されたことによってポップアップ表示部403が消去され、要求操作決定部402の操作に基づく画面が表示向きを変更された状態で表示される。図6(B)において「NO」が操作された場合であっても同様である。
【0058】
このような処理によって、タッチパネル操作装置10の向きや表示部400の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたポップアップ表示部403におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、表示部400にタッチ操作が要求される操作要求画面404がポップアップ表示部403として表示されているときは、要求されているタッチ操作が完了した後にタッチパネル操作装置10の向きや表示部400の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更を行うことで上記のような誤操作を防止することができる。
【0059】
また、ステップS103において、要求されたタッチ操作が完了するまでの間に、表示部400の回転角度が変化することも考えられる。ステップS100からステップS101の処理は逐次行われており、例えばステップS103がNoの状態において表示部400がステップS100で検出された逆方向の回転によりステップS101で超えたと判断された閾値を超える前の角度となった場合、ステップS103において要求されたタッチ操作が完了した後は、ステップS111の処理が行われた後、ステップS104の処理は行われずに本処理を終了する。
【0060】
また、ステップS103がNoの状態において表示部400がステップS101で越えたと判断された閾値からさらに同一方向に回転することによって、次の閾値を超えた角度となった場合、ステップS103において要求されたタッチ操作が完了した後は、ステップS111が行われた後、ステップS104の処理において次の閾値を超えた回転角度に応じた向きに表示内容の表示向きを変更する。
【0061】
次に、本発明における第3の実施例に係るタッチパネル操作装置10の動作例について、図7および図8により説明する。図7は本発明における第3の実施例に係るタッチパネル操作装置10の動作例を表したフローチャートであり、図8は本発明における第3の実施例に係るタッチパネル操作装置10の画面表示例を示す概念図である。図7において図3および図5と同一の処理については、同一符号を付すとともに説明を省略する。
【0062】
ステップS110において、タッチ操作を要求するポップアップ表示部403が表示されていると判断された場合は(ステップS110:Yes)、表示向き変更制御部211はポップアップ表示部403以外の画面の表示向きを表示部400の回転角度に応じた向きに変更させる(ステップS121)。ステップS121の処理によって、図8(B)に示すように表示部400の回転角度が閾値を超えた場合は、ポップアップ表示部403は閾値を越える以前の表示位置に表示され、ポップアップ表示部403以外の表示内容は表示部400の回転角度に応じた表示向きとして表示される。
【0063】
このような処理によって、タッチパネル操作装置10の向きや表示部400の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたポップアップ表示部403におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、表示部400にタッチ操作が要求される操作要求画面404がポップアップ表示部403として表示されているときは、ポップアップ表示部403以外の表示内容について表示部400の回転角度に応じて表示向きを変更することで上記のような誤操作を防止することができる。
【0064】
また、ステップS103において、要求されたタッチ操作が完了するまでの間に、表示部400の回転角度が変化することも考えられる。ステップS100からステップS101の処理は逐次行われており、例えばステップS103がNoの状態において表示部400がステップS100で検出された逆方向の回転によりステップS101で超えたと判断された閾値を超える前の角度となった場合、ステップS121で表示向きが変更されたポップアップ表示部403以外の表示内容は変更前の表示向きに表示向きが変更される。
【0065】
また、ステップS103がNoの状態において表示部400がステップS101で越えたと判断された閾値からさらに同一方向に回転することによって、次の閾値を超えた角度となった場合、ステップS121で表示向きが変更されたポップアップ表示部403以外の表示内容は逐次回転角度に応じた表示向きに変更される。
【0066】
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更可能である。例えば、上記各実施例においてタッチパネル操作装置10の例として、表示部400がタッチパネル操作装置10と一体化している装置を例に説明したが、図9に示すように、表示部400のみ回転するような装置であってもよい。
【0067】
図9に示すタッチパネル操作装置10は、タッチパネル操作部401を備えた表示部400のみが本体に対して回転可能な構造となっており、その回転を表示部400に備えられた加速度センサ301または表示部400と本体との結合部等に備えられた機械的または電気的、光学的なセンサ等によって表示部400の回転を検出する。図9(A)は、表示部400の基準角度の例として横長方向に使用しており、ユーザが表示部400を回転させることにより図9(B)に示すように表示部400が90度回転した状態で使用することができる。このようなタッチパネル操作装置10であっても、上述した各種実施例を実現することにより、同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、上記説明した各実施例における動作フローを適用したプログラムを、タッチパネル操作装置10を動作させるコンピュータにインストールして動作させてもよい。具体的には制御部200によって上記プログラムを実行し、動作させるプログラムは制御部200における図示しないRAM等に記憶される。上記プログラムを実行するコンピュータは、制御部200以外にタッチパネル操作装置10を外部から制御するコンピュータであってもよく、上記プログラムはRAM以外に記憶部104や他の装置に記憶されていてもよい。また、インストールするプログラムは、電気通信ネットワークを介して配布されてもよく、記録媒体を介して配布されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10:タッチパネル操作装置、101:入力部、102:出力部、103:記憶部、104:操作部、200:制御部、201:判断部、202:操作制御部、203:回転判断部、210:表示制御部、211:表示向き変更制御部、300:センサ部、301:加速度センサ、310:回転検出部、400:表示部、401:タッチパネル操作部、402:要求操作決定部、403:ポップアップ表示部、404:操作要求画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種情報を表示する表示部、
前記表示部に重ねて配置されるとともに、前記表示部に表示された表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部、
前記表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出部、
前記回転検出部において前記表示部の回転が検出された場合に前記表示部に前記タッチパネル操作部によるタッチ操作を要求する操作要求画面が表示されているか否かを判断する判断部、
前記判断部において前記操作要求画面が表示されていると判断された場合は、前記操作要求画面に対するタッチ操作がタッチパネル操作部により行われた後に、前記回転検出部によって検出された前記表示部の回転における回転角度に応じて、前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更させる処理を行う表示向き変更制御部、
を備えることを特徴とするタッチパネル操作装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記表示部に前記操作表示画面がポップアップ画面として表示されているか否かを判断し、
前記表示向き変更制御部は、前記判断部によって前記操作要求画面がポップアップ画面として表示されていると判断された場合、前記ポップアップ画面における操作要求画面に対する操作がタッチパネル操作部により行われた後に、前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更させる処理を行うことを特徴とする、
請求項1に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記表示部に前記操作要求画面がポップアップ画面として表示されているか否かを判断し、
前記表示向き変更制御部は、前記判断部によって前記操作要求画面がポップアップ画面として表示されていると判断された場合、前記回転検出部によって検出された前記表示部の角度に応じて前記ポップアップ画面以外の表示内容の表示向きを変更させる処理を行うことを特徴とする、
請求項1に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項4】
各種情報を表示する表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、
前記検出ステップにおいて前記表示部の回転が検出された場合、前記表示部にタッチパネル操作部によるタッチ操作を要求する操作要求画面が表示されているか否かを判断する判断ステップ、
前記判断ステップにおいて前記操作要求画面が表示されていると判断された場合は、前記操作要求画面に対するタッチ操作が行われた後に、前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部の回転における回転角度に応じて前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、
を備えることを特徴とするタッチパネル操作装置の制御方法。
【請求項5】
タッチパネル操作装置が備えるコンピュータに、
各種情報を表示する表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、
前記検出ステップにおいて前記表示部の回転が検出された場合、前記表示部にタッチパネル操作部によるタッチ操作を要求する操作要求画面が表示されているか否かを判断する判断ステップ、
前記判断ステップにおいて前記操作要求画面が表示されていると判断された場合は、前記操作要求画面に対するタッチ操作が行われた後に、前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部の回転における回転角度に応じて前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−20531(P2013−20531A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154673(P2011−154673)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】