説明

タッチパネル用入力装置およびこれを備えたタッチパネルシステム

【課題】ユーザにとって使い勝手がよくなるようにする。
【解決手段】タッチパネル装置のタッチ面上に配置される支持部31と、この支持部に支持されて、ユーザによる操作をタッチパネル装置側で検出されるように設けられた操作キー32と、ユーザの人体と導通可能に、且つユーザによる操作を検知する領域を示す入力装置判別用の導電体35と、を備えたものとする。特に、操作キーは、ユーザが操作する際にその身体に接触するように設けられた身体接触用の導電体33を有し、この身体接触用の導電体が、入力装置判別用の導電体と電気的に接続されたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル装置のタッチ面上に配置して使用されるタッチパネル用入力装置およびこれを備えたタッチパネルシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル装置は、画面上の位置を入力する位置入力デバイスとして広く普及しており、画面上のボタンを選択する操作などの画面操作では使い勝手がよいが、文字入力にはキーボードが必要となる。ところが、キーボードを別に用意してPCに接続するのは面倒であることから、キーボードをタッチパネル装置で代用することが一般的に行われており、具体的には、表示装置の画面にソフトキーボードを表示させて、タッチパネル装置でユーザにキーを選択させて文字入力を行うようにしている。
【0003】
また、タッチパネル装置でキー操作を行うことに関連する技術として、タッチパネルの背面側に配置される表示パネルをタッチパネルより小さく形成して、表示パネルによる可変表示領域の外側に形成される固定表示領域に、操作キーが描かれた固定表示シートを配置する技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、固定表示シートに描かれた操作キーを押す指をタッチパネル装置が検出して、操作キーの操作を判別するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−312054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、前記のように、ソフトキーボードを画面に表示させたり、また操作キーが描かれた固定表示シートをタッチパネルに配置することで、操作キーによる入力デバイスをタッチパネル装置で構成することができるが、これらの従来の技術では、入力デバイスの位置が固定されているため、入力デバイスを好きなところに配置したり、また他の入力デバイスに適宜に取り替えたり、また異なる入力デバイスを同時に使用したりするなど、自由な使い方ができないことから、ユーザにとって必ずしも使い勝手がよいものではなかった。また、前記の従来の技術では、ユーザの操作に応じて操作キーが機械的に動作する一般的なキーボードと比較すると、操作性が劣る難点があり、この面でも使い勝手がよくないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、ユーザにとって使い勝手がよくなるように構成されたタッチパネル用入力装置およびこれを備えたタッチパネルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタッチパネル用入力装置は、タッチパネル装置のタッチ面上に配置される支持部と、この支持部に支持されて、ユーザによる操作を前記タッチパネル装置側で検知されるように設けられた操作部と、ユーザの人体と導通可能に、且つユーザによる操作を検知する領域を示す入力装置判別用の導電体と、を備えた構成とする。
【0008】
また、本発明のタッチパネルシステムは、前記の発明に係る入力装置と、ユーザによるタッチ操作が行われるとともに前記入力装置が配置されるタッチ面を有するタッチパネル装置とを有するタッチパネルシステムにおいて、前記タッチパネル装置は、前記タッチ面に導電体が近接することによるタッチ領域を検出するタッチ検出部と、前記タッチ検出部で検出されたタッチ領域の形態に基づいて、前記入力装置が前記タッチ面上に配置されたことを検知する入力装置検知部と、前記入力装置検知部の検知結果、および前記タッチ検出部で検出されたタッチ領域の変化状況に基づいて、前記入力装置の操作状態を検知する操作検知部と、を備えた構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力装置判別用の導電体をタッチパネル装置に検出させることで、タッチ面上での入力装置の配置位置をタッチパネル装置側で検知し、入力装置判別用の導電体の内側の領域がこの入力装置による操作領域であると認識させることができる。また、入力装置判別用の導電体の形態からタッチパネル装置側で入力装置の種類を判別することができる。このため、入力装置の種類に応じて異なる操作部の操作状態をタッチパネル装置側で正確に検知させることができる。これにより、タッチパネル装置のタッチ面上の任意の位置に入力装置を配置して使用することができ、また、入力装置を必要に応じて取り替えて使用することができ、また、異なる入力装置を同時に使用することができるため、ユーザの使い勝手がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係るタッチパネルシステムを示す全体構成図
【図2】タッチパネルシステムの利用状況の一例を示す斜視図
【図3】キーボード型入力装置4の平面図
【図4】キーボード型入力装置4の断面図
【図5】ジョイスティック型入力装置5の断面図
【図6】ジョイスティック型入力装置5の平面図
【図7】タッチパネル装置1の制御部17の概略構成を示す機能ブロック図
【図8】入力装置4,5を検知する要領を説明する図
【図9】タッチパネル装置1の制御部17での処理の手順を示すフロー図
【図10】第2実施形態に係るタッチパネルシステムを示す平面図
【図11】タッチパネル本体14、表示パネル本体21および電極プレーン73の断面図
【図12】タッチパネル本体14、表示パネル本体21および電極プレーン73の分解斜視図
【図13】電極プレーン73の平面図
【図14】受信電極13の出力信号の周波数特性を示す図
【図15】キーボード型入力装置4の別の例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、タッチパネル装置のタッチ面上に配置される支持部と、この支持部に支持されて、ユーザによる操作を前記タッチパネル装置側で検知されるように設けられた操作部と、ユーザの人体と導通可能に、且つユーザによる操作を検知する領域を示す入力装置判別用の導電体と、を備えた構成とする。
【0012】
これによると、入力装置判別用の導電体をタッチパネル装置に検出させることで、タッチ面上での入力装置の配置位置をタッチパネル装置側で検知し、入力装置判別用の導電体の内側の領域がこの入力装置による操作領域であると認識させることができる。また、入力装置判別用の導電体の形態(形状、数、大きさなど)からタッチパネル装置側で入力装置の種類(キーボードまたはジョイスティックなど)を判別することができる。このため、入力装置の種類に応じて異なる操作部の操作状態をタッチパネル装置側に正確に検知させることができる。これにより、タッチパネル装置のタッチ面上の任意の位置に入力装置を配置して使用することができ、また、入力装置を必要に応じて取り替えて使用することができ、また、異なる入力装置を同時に使用することができるため、ユーザの使い勝手がよくなる。
【0013】
また、第2の発明は、前記操作部は、ユーザが操作する際にその身体に接触するように設けられた身体接触用の導電体を有し、この身体接触用の導電体が、前記入力装置判別用の導電体と電気的に接続された構成とする。
【0014】
これによると、ユーザが操作部を操作するのに応じて、入力装置判別用の導電体がユーザの身体と導通されるため、ユーザが特別な操作を行わなくても、入力装置判別用の導電体をタッチパネル装置に検出させることができ、ユーザの使い勝手がよくなる。
【0015】
また、第3の発明は、前記操作部は、ユーザによる操作に連動して機械的に動作することで、ユーザによる操作を前記タッチパネル装置側で検知させる操作検知用の導電体と、ユーザが操作する際にその身体に接触するように設けられた身体接触用の導電体とを有し、前記操作検知用の導電体および前記身体接触用の導電体が電気的に接続された構成とする。
【0016】
これによると、ユーザが操作部を操作するのに応じて、操作検知用の導電体がユーザの身体と導通されるため、操作検知用の導電体をタッチパネル装置に検出させることができる。特に、ユーザの操作に応じて操作部が機械的に動作するため、一般的な入力装置と同様の操作性が得られ、ユーザの使い勝手がよくなる。
【0017】
なお、操作検知用の導電体を機械的に動作しないように構成することも可能であり、また、操作部を操作するユーザの指をタッチパネル装置側で直接検出させるようにして、操作検知用の導電体を設けない構成も可能である。
【0018】
また、第4の発明は、前記入力装置判別用の導電体は、前記操作部を取り囲むように設けられた構成とする。
【0019】
これによると、入力装置判別用の導電体の検出結果に基づいて、入力装置が配置された領域を判別することができるため、操作部の操作をタッチパネル装置側で簡単に且つ正確に検知することができる。
【0020】
また、第5の発明は、前記操作部は、複数配列された操作キーで構成され、この操作キーは、キートップ部に導電体を有し、この導電体が、前記操作キーの押下操作で前記タッチ面に近接するように設けられた構成とする。
【0021】
これによると、入力装置をキーボード装置として用いることができる。特に、ユーザの押下操作に応じて操作キーが機械的に動作するため、画面に表示させるソフトキーボードと異なり、一般的なキーボード装置と同様の操作性が得られ、ユーザの使い勝手がよくなる。
【0022】
この場合、キートップ部の導電体は、ユーザが操作部を操作する際にユーザの身体に接触する身体接触用の導電体と、ユーザによる操作に連動して機械的に動作することで、ユーザによる操作をタッチパネル装置側に検知させる操作検知用の導電体とを兼用する。
【0023】
また、第6の発明は、前記操作部は、前記支持部に対して傾動可能に設けられた操作レバーで構成され、この操作レバーは、把持部に身体接触用の導電体を有し、前記タッチ面に近接する側に、前記操作レバーの傾動に連動して前記タッチ面に沿う方向に移動する操作検知用の導電体を有し、前記身体接触用の導電体と前記操作検知用の導電体とが電気的に接続された構成とする。
【0024】
これによると、入力装置をジョイスティック装置として用いることができる。
【0025】
また、第7の発明は、前記の発明に係る入力装置と、ユーザによるタッチ操作が行われるとともに前記入力装置が配置されるタッチ面を有するタッチパネル装置とを有するタッチパネルシステムにおいて、前記タッチパネル装置は、前記タッチ面に導電体が近接することによるタッチ領域を検出するタッチ検出部と、前記タッチ検出部で検出されたタッチ領域の形態に基づいて、前記入力装置が前記タッチ面上に配置されたことを検知する入力装置検知部と、前記入力装置検知部の検知結果、および前記タッチ検出部で検出されたタッチ領域の変化状況に基づいて、前記入力装置の操作状態を検知する操作検知部と、を備えた構成とする。
【0026】
これによると、入力装置判別用の導電体によるタッチ領域の形態に基づいて、入力装置検知部で入力装置の種類を判別することができる。このため、入力装置の種類に応じて異なる操作部の操作状態を操作検知部で正確に検知することができる。また、入力装置判別用の導電体によるタッチ領域の位置に基づいて、タッチ面上での入力装置の配置位置を入力装置検知部で検知することができる。これにより、タッチパネル装置のタッチ面上の任意の位置に入力装置を配置して使用することができ、また、複数の入力装置を必要に応じて取り替えて使用することができ、また、複数の入力装置を同時に使用することができるため、ユーザの使い勝手がよくなる。
【0027】
また、第8の発明は、前記タッチパネル装置のタッチパネル本体の背面側に表示パネル本体が配置された画像表示装置をさらに備え、前記タッチパネル本体は、前記表示パネル本体より大きくなるように形成されて、前記タッチパネル本体における前記表示パネル本体の外側に形成された非表示領域に、前記入力装置が配置されるようにした構成とする。
【0028】
これによると、表示パネル本体の画面に重ならないように入力装置を配置することができる。
【0029】
また、第9の発明は、前記タッチパネル本体の背面側において前記表示パネル本体が配設されていない領域に、電極プレーンが設けられた構成とする。
【0030】
これによると、タッチパネル本体において、表示パネル本体が配設された領域と、表示パネル本体が配設されていない領域とで、電気的特性が大きく異なることを避けることができるため、高精度で安定したタッチ検出を行うことができる。
【0031】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るタッチパネルシステムを示す全体構成図である。このタッチパネルシステムは、タッチパネル装置1と、PC(情報処理装置)2と、表示装置3と、キーボード型入力装置4と、ジョイスティック型入力装置5と、で構成されている。
【0033】
タッチパネル装置1は、指示物(ユーザの指やスタイラス等)によるタッチ操作を検出するために、互いに並走する複数の送信電極12と互いに並走する複数の受信電極13とが格子状に配置されたタッチパネル本体14を備えており、このタッチパネル本体14の表面に設けられたタッチ面11上で指示物によるタッチ操作が行われる。
【0034】
タッチ面11上での指示物によるタッチ操作はタッチパネル装置1で検出されて、タッチ位置情報を含む信号がPC2に出力され、PC2では、タッチ位置に対応する画面操作、すなわち画面上のポインタ(カーソル)を移動する操作や、画面上のボタンを選択する操作や、線を描画する操作などに対応した処理が行われる。
【0035】
また、タッチ面11上に、キーボード型入力装置4およびジョイスティック型入力装置5を配置して、これらの入力装置4,5をユーザが操作すると、その操作をタッチパネル装置1が検出して、タッチパネル装置1から一般的なキーボード装置やジョイスティック装置と同様の信号がPC2に出力され、PC2では、タッチパネル装置1から信号に基づいて文字入力などの処理が行われる。
【0036】
表示装置3は、プラズマディスプレイパネルや液晶ディスプレイパネルからなる表示パネル本体21と、PC2から出力される表示データに基づいて、表示パネル本体21の表示動作を制御する表示制御部22と、を備えている。
【0037】
タッチパネル装置1は、送信電極12に対して駆動信号を印加する送信部15と、送信電極12に印加された駆動信号に応答した受信電極13の応答信号を受信して、送信電極12と受信電極13とが交差する電極交点ごとのレベル信号を出力する受信部16と、この受信部16から出力されるレベル信号に基づいてタッチ位置を検出すると共に送信部15及び受信部16の動作を制御する制御部17と、を備えている。
【0038】
タッチパネル本体14においては、送信電極12と受信電極13とが、絶縁層を挟んで重なり合う態様で交差しており、この送信電極12と受信電極13とが交差する電極交点にはコンデンサが形成され、ユーザが指等の指示物でタッチ操作を行う際に、指示物がタッチ面11に接近あるいは接触すると、これに応じて電極交点の静電容量が実質的に減少することで、タッチ操作の有無を検出することができる。
【0039】
ここでは、相互容量方式が採用されており、送信電極12に駆動信号を印加すると、これに応答して受信電極13に充放電電流が流れ、この充放電電流が応答信号として受信電極13から出力され、このとき、ユーザのタッチ操作に応じて電極交点の静電容量が変化すると、受信電極13の応答信号が変化し、この変化量に基づいてタッチ位置が算出される。この相互容量方式では、受信部16で応答信号を信号処理して得られるレベル信号が、送信電極12と受信電極13とによる電極交点ごとに出力されるため、同時に複数のタッチ位置を検出する、いわゆるマルチタッチ(多点検出)が可能である。
【0040】
送信部15では、送信電極12を1本ずつ選択して駆動信号を印加し、受信部16では、受信電極13を1本ずつ選択して、受信電極13の応答信号をアナログ処理した上でAD変換処理してレベル信号を出力する。送信部15および受信部16は、制御部17から出力される同期信号に応じて動作し、送信部15において1本の送信電極12に駆動信号を印加する間に、受信部16において受信電極13を1本ずつ選択して受信電極13からの応答信号を順次処理し、この1ライン分のスキャン動作を全ての送信電極12について順次繰り返すことで、全ての電極交点ごとのレベル信号を取得することができる。
【0041】
制御部17は、受信部16から出力される電極交点ごとのレベル信号から所定の演算処理によってタッチ位置(タッチ領域の中心座標)を求める。このタッチ位置の演算では、X方向(受信電極13の配列方向)とY方向(送信電極12の配列方向)とでそれぞれ隣接する複数(例えば4×4)の電極交点ごとのレベル信号から所要の補間法(例えば重心法)を用いてタッチ位置を求める。これにより、送信電極12及び受信電極13の配置ピッチ(例えば10mm)より高い分解能(例えば1mm以下)でタッチ位置を検出することができる。
【0042】
また、制御部17では、タッチ面11の全面に渡って電極交点ごとのレベル信号の受信が終了する1フレーム周期ごとにタッチ位置を求める処理が行われ、タッチ位置情報がフレーム単位でPC2に出力される。PC2では、時間的に連続する複数のフレームのタッチ位置情報に基づいて、各タッチ位置を時系列に連結する表示画面データを生成して、表示装置3に出力する。なお、同時に複数の位置でタッチ操作が行われた場合には、複数のタッチ位置を含むタッチ位置情報がフレーム単位で出力される。
【0043】
図2は、タッチパネルシステムの利用状況の一例を示す斜視図である。図2(A)に示す例では、タッチパネル装置1と表示装置3とが一体化されており、タッチパネル本体14の背面側に表示パネル本体21が配置され、タッチパネル本体14を通して表示パネル本体21の画面が表示され、ユーザは表示パネル本体21に表示された画面を直接操作する感覚で操作を行うことができる。
【0044】
この場合、図1に示したキーボード型入力装置4およびジョイスティック型入力装置5は、吸盤などの適宜な固定手段でタッチ面11に固定して使用される。
【0045】
図2(B)に示す例では、タッチパネル装置1がテーブルとして構成され、天板25にタッチパネル本体14が配置されており、天板25の上面が、ユーザがタッチ操作を行うタッチ面11となる。表示装置3およびPC2は、タッチパネル装置1の側方に配置された架台26に搭載されており、ユーザは、表示装置3の画面を見ながらタッチ面11上でタッチ操作を行うことで、PC2の画面操作を行うことができる。
【0046】
この場合、図1に示したキーボード型入力装置4およびジョイスティック型入力装置5は、タッチ面11上に載置して使用される。
【0047】
なお、図2(B)に示した例と同様に、タッチパネル装置1をテーブルとして構成して、天板25にタッチパネル本体14を配置するとともに、その背面側に表示パネル本体21を配置して、タッチパネル本体14を通して表示パネル本体21の画面が天板25上に表示されるようにしてもよい。
【0048】
また、図2(B)に示した例と同様に、タッチパネル装置1をテーブルとして構成する一方で、表示装置3を短焦点型のプロジェクタで構成して、この表示装置3をタッチパネル装置1の天板25上に載置して、天板25上のタッチ面11を、表示装置3の画面を投影する投影面に利用するようにしてもよい。
【0049】
図3は、キーボード型入力装置4の平面図である。図4は、キーボード型入力装置4の断面図である。
【0050】
図3に示すように、キーボード型入力装置4は、タッチパネル装置1のタッチ面11上に配置される支持部31と、支持部31上に複数配列された操作キー(操作部)32と、を備えている。
【0051】
図4に示すように、各操作キー32のキートップ部には導電体33が設けられている。この導電体33は、ユーザが操作キー32を操作する際にユーザの指が接触することでユーザの人体と導通される。
【0052】
また、キートップ部の導電体33は、ユーザが操作キー32を押下するのに応じてタッチ面11に近接するように設けられている。すなわち、導電体33は、可撓性の材料で形成された保持部34に保持され、操作キー32が押下されない初期状態では、導電体33がタッチ面11から離間しているため、タッチパネル装置1側で検出されず、操作キー32が押下されると、保持部34が撓んで導電体33がタッチ面11に近接して、タッチパネル装置1側で検出される。
【0053】
このようにキーボード型入力装置4では、ユーザの押下操作に応じて操作キー32が機械的に動作するため、画面に表示させるソフトキーボードと異なり、一般的なキーボードと同様の操作性が得られ、使い勝手がよくなる。
【0054】
図3に示したように、支持部31には、入力装置判別用の枠状の導電体35が設けられている。この導電体35は、その内側の領域がこの入力装置による操作領域であることをタッチパネル装置1に認識させるとともに、入力装置の種類をタッチパネル装置1に認識させる機能を有し、入力装置の種類ごとに異なる形態に設けられ、ここでは矩形をなしている。
【0055】
この入力装置判別用の導電体35は、接続部36を介して、全ての操作キー32のキートップ部の導電体33と電気的に接続されており、ユーザがいずれかの操作キー32を押下する際にキートップ部の導電体33に指が接触すると、入力装置判別用の導電体35がユーザの人体と導通されて、その導電体35がタッチパネル装置1側で検出される。
【0056】
また、入力装置判別用の導電体35は、キーボード型入力装置4が配置された領域をタッチパネル装置1側に判別させる機能も有しており、キートップ部の導電体33を取り囲むように支持部31の外周部に沿って設けられている。
【0057】
なお、このキーボード型入力装置4は、回路基板などが不要であるため、支持部31などを可撓性の材料で形成すると、丸めたり折り畳んだりすることができるようになり、使い勝手がよくなる。
【0058】
図5は、ジョイスティック型入力装置5の断面図である。図6は、ジョイスティック型入力装置5の平面図である。
【0059】
図5に示すように、ジョイスティック型入力装置5は、タッチパネル装置1のタッチ面11上に配置される台座部(支持部)41と、この台座部41に傾動可能に支持された操作レバー(操作部)42と、を有している。
【0060】
操作レバー42は、上端の把持部に身体接触用の導電体43を有し、タッチ面11に近接する下端側に、操作レバー42の傾動に連動してタッチ面11に沿う方向に移動する操作検知用の導電体44を有している。
【0061】
身体接触用の導電体43と操作検知用の導電体44とは、接続部45を介して電気的に接続されており、ユーザが操作レバー42を操作する際に把持部の導電体43に手が接触すると、操作検知用の導電体44がユーザの人体と導通されて、その導電体44がタッチパネル装置1側で検出される。
【0062】
また、操作レバー42は、ボール部48の中心点を中心にして傾動し、操作レバー42を所要の方向に傾けると、操作検知用の導電体44がタッチ面11の近傍で移動し、この導電体44の動きがタッチパネル装置1側で検出される。
【0063】
台座部41の底面側には、入力装置判別用の枠状の導電体46が設けられている。この導電体46は、その内側の領域がこの入力装置による操作領域であることをタッチパネル装置1に認識させるとともに、入力装置の種類をタッチパネル装置1に認識させる機能を有し、入力装置の種類ごとに異なる形態に設けられ、ここでは、図6に示すように、円形をなしている。
【0064】
この入力装置判別用の導電体46は、図5に示したように、接続部45,47を介して把持部の導電体43と電気的に接続されており、ユーザが操作レバー42を操作する際に把持部の導電体43に手が接触すると、入力装置判別用の導電体46がユーザの人体と導通されて、その導電体46がタッチパネル装置1側で検出される。
【0065】
また、入力装置判別用の導電体46は、ジョイスティック型入力装置5が配置された領域をタッチパネル装置1側で判別させる機能も有しており、操作検知用の導電体44を取り囲むように台座部41の外周部に沿って設けられている。
【0066】
図7は、タッチパネル装置1の制御部17の概略構成を示す機能ブロック図である。図8は、入力装置4,5を検知する要領を説明する図であり、図8(A)に入力装置4,5をタッチ面11上に配置した状況を、図8(B)にタッチ検出の有効領域内に現れるタッチ領域を、それぞれ示す。
【0067】
図7に示すように、タッチパネル装置1の制御部17は、タッチ検出部51と、入力装置検知部52と、操作検知部53と、を備えている。
【0068】
タッチ検出部51は、受信部16から出力されるレベル信号に基づいてタッチ面11に導電体が近接することによるタッチ領域を検出する。ここでは、ユーザが指示物(指やスタイラス等)でタッチ面11に対してタッチ操作を行うことで、指示物によるタッチ領域が検出され、また、入力装置4,5をタッチ面11に配置して入力装置4,5を操作することで、入力装置4,5の導電体33,35,44,46によるタッチ領域が検出される。
【0069】
入力装置検知部52は、タッチ検出部51で取得したタッチ領域の形態に基づいて、入力装置4,5がタッチ面11上に配置されたことを検知する。ここでは、タッチ面11上に配置された入力装置4,5の種類を判別するとともにその入力装置4,5の配置位置を取得する。
【0070】
図8(A)に示すように、ユーザがキーボード型入力装置4をタッチ面11上に配置して、その操作キー32を押下すると、図8(B)に示すように、指が接触したキートップ部の導電体33(図3参照)の位置でタッチ領域61が検出され、また、キートップ部の導電体33と導通された枠状の導電体35の位置で矩形のタッチ領域62が検出され、この矩形のタッチ領域62により、キーボード型入力装置4がタッチ面11上に配置されたことがわかる。
【0071】
また、図8(A)に示すように、ユーザがジョイスティック型入力装置5をタッチ面11上に配置して、その操作レバー42を操作すると、図8(B)に示すように、手が接触した把持部の導電体43(図5参照)と導通された操作検知用の導電体44(図6参照)の位置でタッチ領域63が検出され、また、把持部の導電体43と導通された枠状の導電体46の位置で円形のタッチ領域64が検出され、この円形のタッチ領域64により、ジョイスティック型入力装置5がタッチ面11上に配置されたことがわかる。
【0072】
このようにして、タッチ面11上に配置された入力装置4,5の種類が判別されると、枠状の導電体35,46によるタッチ領域62,64の位置に基づいて入力装置の配置位置を取得し、入力装置の種類を示す識別情報と、入力装置の配置位置に関する位置情報とが、図7に示したように、入力装置検知部52から操作検知部53に出力される。
【0073】
操作検知部53は、入力装置検知部52から取得した入力装置の種類および配置位置と、タッチ検出部51で検出されたタッチ領域の変化状況とに基づいて、入力装置4,5の操作状態を検知する。
【0074】
図8に示したように、キーボード型入力装置4の場合には、ユーザが操作キー32を押下すると、枠状の導電体35による矩形のタッチ領域62の内側に、キートップ部の導電体33によるタッチ領域61が現れ、このタッチ領域61は、押下された操作キー32に応じて位置が変化するため、タッチ領域62に対するタッチ領域61の相対的な位置関係に基づいて、押下された操作キー32を判別することができる。
【0075】
ジョイスティック型入力装置5の場合には、ユーザが操作レバー42を操作すると、枠状の導電体46による円形のタッチ領域64の内側に、操作検知用の導電体44によるタッチ領域63が現れ、このタッチ領域63は、操作レバー42の操作に応じて位置が変化するため、タッチ領域64に対するタッチ領域63の相対的な位置関係に基づいて、操作レバー42の操作状態(傾斜方向および傾斜角度)を判別することができる。
【0076】
このようにして、操作検知部53にて入力装置4,5の操作状態が検知されると、キーボード型入力装置4については、押下された操作キー32の識別情報(例えば操作キーごとに付与されたコード)が出力され、ジョイスティック型入力装置5については、操作レバー42の傾斜方向および傾斜角度に関する情報(例えばX軸方向およびY軸方向の操作量)が操作検知部53から出力される。
【0077】
図9は、タッチパネル装置1の制御部17での処理の手順を示すフロー図である。まず、タッチパネル装置1の電源を投入すると、初期化処理が行われる(ST101)。この初期化処理では、全ての電極交点ごとのレベル信号の初期値、すなわちタッチ操作が行われていない非タッチ状態でのレベル信号を取得する処理が行われる。
【0078】
ついで、1フレーム分のスキャン動作が行われて(ST102)、全ての電極交点ごとのレベル信号を取得する。そして、ここで取得したレベル信号を初期化処理(ST101)で取得した初期値と比較して、タッチ領域があるか否かの判定がタッチ検出部51にて行われ(ST103)、ここでタッチ領域が検出されると(ST103でYes)、そのタッチ領域の形状に基づいて入力装置を検知する処理が入力装置検知部52にて行われる(ST104)。
【0079】
ここでタッチ領域が所定の大きさの円形をなす場合には、ジョイスティック型入力装置5がタッチ面11上に配置されたものと判断して(ST105)、ジョイスティック型入力装置5の導電体44によるタッチ領域の動きに基づいて操作レバー42の操作状態を検知する処理が操作検知部53にて行われ(ST106)、その操作状態に関する情報がPC2に出力される。
【0080】
また、タッチ領域が所定の大きさの矩形をなす場合には、キーボード型入力装置4がタッチ面11上に配置されたものと判断して(ST107)、キーボード型入力装置4のキートップ部の導電体33によるタッチ領域の位置に基づいて操作キー32の操作状態を検知する処理が操作検知部53にて行われ(ST108)、その操作状態に関する情報がPC2に出力される。
【0081】
一方、タッチ領域が点(指やスタイラスの大きさに相当する)である場合には、通常のタッチ操作と判断して(ST109)、タッチ位置に関する情報がPC2に出力される。
【0082】
以上のように、入力装置4,5に設けられた入力装置判別用の導電体35,46をタッチパネル装置1に検出させることで、タッチパネル装置1側で入力装置の種類を判別することができる。このため、入力装置4,5の種類に応じて異なる操作部(操作キー32および操作レバー42)の操作状態をタッチパネル装置1側で正確に検知することができる。さらに、入力装置判別用の導電体35,46によりタッチ面11上での入力装置4,5の配置位置を検知することができる。
【0083】
これにより、タッチパネル装置1のタッチ面11上の任意の位置に入力装置4,5を配置して使用することができ、特に、タッチパネル本体14の背面側に表示パネル本体21を配置してタッチ面11に重なるように画面が表示される構成では、重要な表示画像の邪魔にならない位置に入力装置4,5を配置して使用することができる。さらに、複数の入力装置4,5を必要に応じて取り替えて使用することができ、また、複数の入力装置4,5を同時に使用することができる。このため、ユーザの使い勝手がよくなる。
【0084】
特に、ユーザが操作部(操作キー32および操作レバー42)を操作する際にその身体に接触する身体接触用の導電体33,43が、入力装置判別用の導電体35,46と電気的に接続されているため、ユーザが操作部を操作するのに応じて、入力装置判別用の導電体35,46が、身体接触用の導電体33,43を介してユーザの身体と導通されるため、ユーザが特別な操作を行わなくても、入力装置判別用の導電体35,46をタッチパネル装置1に検出させることができ、ユーザの使い勝手がよくなる。
【0085】
また、キーボード型入力装置4では、キートップ部の導電体33が、身体接触用の導電体と操作検知用の導電体とを兼用し、また、ジョイスティック型入力装置5では、身体接触用の導電体43と操作検知用の導電体44とが電気的に接続されているため、ユーザは操作部(操作キー32および操作レバー42)を操作するだけで、操作検知用の導電体がユーザの身体と導通されるため、操作が簡単になる。
【0086】
さらに、入力装置判別用の導電体35,46が操作部(操作キー32および操作レバー42)を取り囲むように設けられているため、入力装置判別用の導電体35,46の検出結果に基づいて、入力装置4,5が配置された領域を判別することができるため、操作部の操作をタッチパネル装置1側で簡単に且つ正確に検知することができる。
【0087】
また、操作検知用の導電体33,44によるタッチ領域は、必ず入力装置判別用の導電体35,46の内側に位置するため、入力装置判別用の導電体35,46によるタッチ領域の外側近傍でタッチ領域が検出された場合には、入力装置4,5の操作中にユーザが誤ってタッチ面11に触れたものと判断することができる。このため、入力装置判別用の導電体35,46によるタッチ領域の外側近傍で検出されたタッチ領域を無効にすることで、誤検出を防止することができる。
(第2実施形態)
【0088】
図10は、第2実施形態に係るタッチパネルシステムを示す平面図である。図11は、タッチパネル本体14、表示パネル本体21および電極プレーン73の断面図である。図12は、タッチパネル本体14、表示パネル本体21および電極プレーン73の分解斜視図である。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
【0089】
図10に示すように、本第2実施形態では、タッチパネル本体14が、表示パネル本体21より大きくなるように形成されており、タッチパネル本体14における表示パネル本体21の外側に非表示領域71が設けられ、この非表示領域71にキーボード型入力装置4やジョイスティック型入力装置5が配置されるようになっている。
【0090】
これにより、表示パネル本体21の画面に重ならないようにキーボード型入力装置4やジョイスティック型入力装置5を配置することができる。
【0091】
図11に示すように、表示パネル本体21には電極プレーン72が存在する。この電極プレーン72は、プラズマディスプレイパネルの場合にはメッシュ電極、液晶ディスプレイパネルの場合にはべた透明電極となる。この電極プレーン72は、表示パネル本体21がタッチパネル本体14の背面に沿って設けられることで、タッチパネル本体14の送信電極12及び受信電極13との間に静電結合を生じ、表示パネル本体21が配設された領域と、表示パネル本体21が配設されていない領域とで、電気的特性が大きく異なるものとなる。
【0092】
そこで、本第2実施形態では、図11および図12に示すように、タッチパネル本体14の背面側において表示パネル本体21が配設されていない領域に、表示パネル本体21の電極プレーン72と同等の電気的特性を有する電極プレーン73が設けられている。これにより、タッチパネル本体14において、表示パネル本体21が配設された領域と、表示パネル本体21が配設されていない領域とで、電気的特性が大きく異なることを避けることができるため、高精度で安定したタッチ検出を行うことができる。
【0093】
図13は、電極プレーン73の平面図である。電極プレーン73は、タッチパネル本体14と同一構成のものでよく、線状の導電体からなる電極74,75が格子状に配置され、表示パネル本体21に対応する部分が切り抜かれている。電極74,75はすべて接地されている。
【0094】
図14は、受信電極13の出力信号の周波数特性を示す図であり、図14(A)に電極プレーン72,73がある場合を、図14(B)に電極プレーン73がない場合を、それぞれ示す。ここでは、送信電極12の1本に駆動信号を印加しながら受信電極13の1本から出力される信号を受信し、このとき、駆動信号の周波数を変化させながら信号レベルを測定した。
【0095】
前記のように、本タッチパネル装置1では、タッチの有無に応じた信号レベルの変化量に基づいてタッチが検出され、正確なタッチ検出を行うには、タッチの有無に応じた信号レベルの変化量が大きくなるようにする必要がある。
【0096】
ここで、図14(B)に示すように、電極プレーン73がない、すなわちタッチパネル本体14の背面側に表示パネル本体21を配置する一方で電極プレーン73を配置しない状態では、周波数f2より低い周波数の領域が正常動作範囲となり、駆動信号の周波数がこれより高くなると、信号レベルの変化量が小さすぎ、さらに信号レベルが逆転する現象が発生し、正常なタッチ検出ができない。
【0097】
一方、図14(A)に示すように、電極プレーン72,73がある、すなわちタッチパネル本体14の背面側に表示パネル本体21と電極プレーン73とを配置した状態では、正常動作範囲が高周波側に広がり、電極プレーン73がない場合の上限周波数f2より高い周波数f1(f1>f2)まで正常なタッチ検出が可能になる。このように高い周波数で動作させることができると、1フレーム分のスキャンに要する時間が短縮されるため、フレームレートを高めて高速化を図ることができる。
【0098】
特にタッチパネル本体14を大型化すると、駆動信号の周波数を低くしないとタッチ検出の精度が低下するため、駆動信号の周波数を高くすることができず、フレームレートが低下する傾向にあるが、前記のように、タッチパネル本体14の背面側に表示パネル本体21を配置するとともに、表示パネル本体21が配設されていない領域に電極プレーン73を配置することで、正常動作範囲を高周波側に広げることができるため、フレームレートを高めて高速化を図ることができる。
【0099】
図15は、キーボード型入力装置4の別の例を示す断面図である。ここでは、支持部31上に操作キー81が設けられており、この操作キー81には、ユーザが押した際に指の一部が接触するように身体接触用の導電体82を設けられている。この身体接触用の導電体82は、接続部83を介して入力装置判別用の枠状の導電体35と電気的に接続されている。
【0100】
図4に示した例では、ユーザによる操作キー32の押下操作に応じてタッチ面11に対するキートップ部の導電体33の位置が変化する構成となっていたが、ここでは、操作キー81を押しても操作キー81は動かない構成となっている。また、ユーザによる操作をタッチパネル装置1側で検知させる操作検知用の導電体は存在せず、ユーザが操作キー81を押した際にタッチ面11に近接する指がタッチパネル装置1側で直接検出される。
【0101】
また、ユーザが操作キー81を押した際に導電体82にユーザの指が接触することで、枠状の導電体35がユーザの人体と導通され、枠状の導電体35がタッチパネル装置1側で検出される。このとき、全ての導電体82が接続部83および導電体35を介して電気的に接続されているため、押されていない操作キー81の導電体82もタッチパネル装置1側で検出されるが、押された操作キー81の位置では、タッチ領域が指先の大きさで検出され、そのタッチ領域は導電体82より大きな面積となることから、押された操作キー81を判別することができる。
【0102】
なお、本実施形態では、タッチパネル用入力装置の一例として、キーボード型入力装置4およびジョイスティック型入力装置5を示したが、これらを適宜に組み合わせた複合的な入力装置としてもよい。
【0103】
また、本実施形態では、図4に示したように、キーボード型入力装置4において、キートップ部の導電体33が、1枚の板状のもので、身体接触用の導電体と操作検知用の導電体とを兼用する構成となっているが、この身体接触用の導電体と操作検知用の導電体とを別体のもので構成することも可能である。
【0104】
また、本実施形態では、図3および図6に示したように、入力装置4,5の種類ごとに形態が異なるように設けられた入力装置判別用の導電体35,46を、キーボード型入力装置4では矩形に構成し、ジョイスティック型入力装置5では円形に構成したが、本発明における入力装置判別用の導電体はこのような形態に限定されるものではない。本発明では、入力装置判別用の導電体を構成する部材の形状、数、および大きさなどの形態に基づいて入力装置を判別することができるようにすればよく、入力装置判別用の導電体は、1つの部材のみで構成される他、例えば複数の部材の組み合わせとしてもよく、この場合、複数の部材の相対的な配置位置で入力装置を判別することができる。
【0105】
また、本実施形態では、図3および図5に示したように、ユーザが操作部(操作キー32および操作レバー42)を操作する際にユーザの身体に接触する身体接触用の導電体33,43が、入力装置判別用の導電体35,46と操作検知用の導電体33,44とに電気的に接続されて、ユーザが操作部を操作するのに応じて、入力装置判別用の導電体35,46と操作検知用の導電体33,44とが同時にユーザの人体と導通される構成となっているが、入力装置判別用の導電体および操作検知用の導電体の各々に別の身体接触用の導電体が接続された構成も可能である。この場合、操作部の操作に先だって、入力装置判別用の導電体に接続された身体接触用の導電体にユーザが触れることで、タッチパネル装置1に入力装置を認識させることができる。
【0106】
また、本実施形態では、図13に示したように、電極プレーン73を、線状の導電体からなる電極74,75が格子状に配設された構成としたが、電極プレーンに設けられる電極をべたの導電体からなる構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明にかかるタッチパネル用入力装置およびこれを備えたタッチパネルシステムは、ユーザにとって使い勝手がよくなる効果を有し、タッチパネル装置のタッチ面上に配置して使用されるタッチパネル用入力装置およびこれを備えたタッチパネルシステムなどとして有用である。
【符号の説明】
【0108】
1 タッチパネル装置
2 PC(情報処理装置)
3 表示装置
4 キーボード型入力装置
5 ジョイスティック型入力装置
11 タッチ面
14 タッチパネル本体
21 表示パネル本体
31 支持部
32 操作キー(操作部)33 導電体
34 保持部
35 導電体
36 接続部
41 台座部(支持部)
42 操作レバー(操作部)
43 導電体
44 導電体
45,47 接続部
46 導電体
51 タッチ検出部
52 入力装置検知部
53 操作検知部
71 非表示領域
73 電極プレーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル装置のタッチ面上に配置される支持部と、
この支持部に支持されて、ユーザによる操作を前記タッチパネル装置側で検知されるように設けられた操作部と、
ユーザの人体と導通可能に、且つユーザによる操作を検知する領域を示す入力装置判別用の導電体と、を備えたことを特徴とするタッチパネル用入力装置。
【請求項2】
前記操作部は、ユーザが操作する際にその身体に接触するように設けられた身体接触用の導電体を有し、この身体接触用の導電体が、前記入力装置判別用の導電体と電気的に接続されたことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル用入力装置。
【請求項3】
前記操作部は、ユーザによる操作に連動して機械的に動作することで、ユーザによる操作を前記タッチパネル装置側で検知させる操作検知用の導電体と、ユーザが操作する際にその身体に接触するように設けられた身体接触用の導電体とを有し、前記操作検知用の導電体および前記身体接触用の導電体が電気的に接続されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタッチパネル用入力装置。
【請求項4】
前記入力装置判別用の導電体は、前記操作部を取り囲むように設けられたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のタッチパネル用入力装置。
【請求項5】
前記操作部は、複数配列された操作キーで構成され、この操作キーは、キートップ部に導電体を有し、この導電体が、前記操作キーの押下操作で前記タッチ面に近接するように設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のタッチパネル用入力装置。
【請求項6】
前記操作部は、前記支持部に対して傾動可能に設けられた操作レバーで構成され、この操作レバーは、把持部に身体接触用の導電体を有し、前記タッチ面に近接する側に、前記操作レバーの傾動に連動して前記タッチ面に沿う方向に移動する操作検知用の導電体を有し、前記身体接触用の導電体と前記操作検知用の導電体とが電気的に接続されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のタッチパネル用入力装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の入力装置と、
ユーザによるタッチ操作が行われるとともに前記入力装置が配置されるタッチ面を有するタッチパネル装置とを有するタッチパネルシステムにおいて、
前記タッチパネル装置は、
前記タッチ面に導電体が近接することによるタッチ領域を検出するタッチ検出部と、
前記タッチ検出部で検出されたタッチ領域の形態に基づいて、前記入力装置が前記タッチ面上に配置されたことを検知する入力装置検知部と、
前記入力装置検知部の検知結果、および前記タッチ検出部で検出されたタッチ領域の変化状況に基づいて、前記入力装置の操作状態を検知する操作検知部と、を備えたことを特徴とするタッチパネルシステム。
【請求項8】
前記タッチパネル装置のタッチパネル本体の背面側に表示パネル本体が配置された画像表示装置をさらに備え、
前記タッチパネル本体は、前記表示パネル本体より大きくなるように形成されて、前記タッチパネル本体における前記表示パネル本体の外側に形成された非表示領域に、前記入力装置が配置されるようにしたことを特徴とする請求項7に記載のタッチパネルシステム。
【請求項9】
前記タッチパネル本体の背面側において前記表示パネル本体が配設されていない領域に、電極プレーンが設けられたことを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−41320(P2013−41320A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175914(P2011−175914)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】