説明

タッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物

【課題】 本発明の目的は、上述の如く従来技術の問題点を解決し、透明性が高く、ガラス、アクリル、ポリカーボネート、PET等の各種基材に対する接着性に優れ、高温に置ける耐久性、耐湿熱性が良好で、特に静電容量方式のタッチパネル用粘着剤として重要な特性である、ITOなどの透明導電性薄膜や金属薄膜に対する耐腐食性がなく、段差追従性に優れ、高誘電率である粘着剤組成物、及び粘着シートを提供する。
【解決手段】 (a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(c)アミド基を含有する単量体、及び(d)ビニルエステル系単量体を含む単量体成分を共重合して得られ、樹脂酸価が0.1mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が40万〜200万であり、Tgが−80〜0℃であり、誘電率が3〜6である、タッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物に関する。さらに詳しくは、本発明は、透明性、接着性、耐久性、耐腐食性、段差追従性、高誘電率、塗工性に優れたタッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物に関するものである。本発明のタッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物を用いた粘着剤組成物は、直接もしくはシート状に成形した後、光学表示素子であるタッチパネルを構成するシート及びフィルムの各種基材(例えば、画像表示装置)に対して貼り合わせて使用される。
【背景技術】
【0002】
光学表示素子であるタッチパネル(タッチスクリーンパネルとも呼ばれる)は、通常、液晶ディスプレイなどのFPD(フラットパネルディスプレイ)やCRT(ブラウン管)の表示面側に形成され、液晶表示装置と、座標軸を即座に認識し入力を行うデバイスの組み合わせであり、液晶表示装置およびソフトウエアーと組み合わせることで多種多様の操作性を実現する事が出来る。
【0003】
また、タッチパネルには各種の方式が存在するが、抵抗膜方式と静電容量方式の2つの方式が主流であり、静電容量方式はさらに表面型静電容量方式と投影型静電容量方式に分類され、後者の投影型はX−Yの格子状駆動電極を用いた積算算出法を適用しており、ワイヤーセンサー方式とグリッド方式がある。さらにグリッド方式には1つのセンサーを使用した自己容量検出法と2つの送受信センサーを使用した相互容量検出法などがある。なお、抵抗膜方式と静電容量方式以外の方式としては、光学方式、超音波方式、電磁誘導方式、インセル方式などが挙げられる。
【0004】
タッチパネルに使用される粘着剤(粘着シート)は、ITO面と直接接する、最表面のカバーパネル(ガラス、樹脂)とITO面を持つ支持板(ガラス板又は樹脂板)との貼り合わせ、及び背面(液晶ディスプレイの場合は偏光板のTACフィルム等)との貼り合せ他がある。また、タッチパネルと背面側(バックライト側)の液晶ディスプレイ(偏光板)を全面で貼り合わせる場合などにオプティカルボンディングと呼ばれる基材レス両面粘着シートが使用され、タッチパネルの内部側で使用されるものとは要求物性が異なる。
【0005】
従来、本用途で使用される粘着剤(感圧接着剤とも呼ばれる)や粘着シートは、耐久性、特に高温下や高温高湿度下での問題があり、高温環境下における微細な気泡や着色の発生、高温高湿度環境下における粘着剤層の白濁や剥がれの発生、微細な気泡の発生が見られた。また最近の傾向では意匠性を高めるため平坦な画像表示部に印刷等による装飾が施される場合がある。しかし、それに伴い生じる段差に対して粘着剤をそのまま貼り合わせた場合、気泡を巻き込むなどの問題があり、前者の耐久性向上と後者の段差追従性は両立させることが困難であった。
【0006】
特許文献1は、平坦な画像表示部と装飾部における段差部分を有する透明パネルの貼り合わせの際に発生しうる、気泡の発生を抑制しうる粘着剤を開示している。しかし、粘着剤成分としてカルボキシル基含有単量体が用いられているために直接金属面あるいは金属薄膜層に接触した場合腐食が発生するため、この用途で用いることは困難であった。
【0007】
さらに、投影型静電容量方式などにおいては、粘着剤中に含有する酸成分等がガラスや樹脂のシートやフィルム上に形成されたITOなどの透明導電性皮膜やそれをエッチングして得られる回路、及び銀、銅、アルミなどの微細な金属配線を腐食してしまうという問題があったが、カルボキシル基含有単量体粘着剤を含有しない粘着剤が提案されている。しかし樹脂の凝集力が不足し接着力や保持力等の基本物性が不足しタッチパネル用粘着剤としては十分な性能を有しているとは言えず、未だ十分な解決はなされていなかった。
【0008】
特許文献2は、カルボキシル基含有モノマーを含まずアルコキシアクリレートを主モノマー成分として用い、金属箔膜層に対して腐食を生じさせない粘着剤組成物を開示している。しかし、高温高湿度下における粘着剤層の白濁や、各種被着体に対する剥離強度については触れられてはおらず、不十分であった。
【0009】
特に静電容量方式のタッチパネルにおいては、指先などでタッチパネルに触れた場合の感度(応答性)が重要であるが、一般的な粘着剤や粘着シートの誘電率が低く、特許文献3における粘着剤組成物および粘着剤組成物から得られるシートではこの点について全く触れられておらず、タッチパネル用の粘着剤や粘着シートに要求される粘着剤の性能という点で全く不充分であり、このような条件を満たす製品は未だ上市されるに至っていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−155503
【特許文献2】特開2009−79203
【特許文献3】特開2005−325250
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上述の如く従来技術の問題点を解決し、透明性が高く、ガラス、アクリル、ポリカーボネート、PET等の各種基材に対する接着性に優れ、高温に置ける耐久性、耐湿熱性が良好で、特に静電容量方式のタッチパネル用粘着剤として重要な特性である、ITO等の透明導電性膜に対する耐腐食性がなく、段差追従性に優れ、高誘電率である粘着剤組成物、及び粘着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、鋭意研究の結果、アミド基を含有する単量体を用いることにより、各種基材に対する密着性・接着性に優れ、過酷な条件下において被着体との界面に気泡の発生もなく剥れ・膨れ・白化も生じず、更にはITO等の透明導電性膜に対する腐食性がなく、光学特性に優れる粘着組成物の開発に至った。
【0013】
本発明は、以下のタッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物、タッチパネル用粘着剤組成物及びタッチパネルに用いる粘着シートを提供する。
項1. (a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、
(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体、
(c)アミド基を含有する単量体、及び
(d)ビニルエステル系単量体
を含む単量体成分を共重合して得られ、
樹脂酸価が0.1mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が40万〜200万であり、Tgが−80〜0℃であり、
誘電率が3〜6である、
タッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物。
項2. 前記アクリル系高分子化合物を形成する単量体成分の比率が、
前記(a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が60〜95質量%、
前記(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が0.1〜20質量%、
前記(c)アミド基を含有する単量体の含有率が0.1〜30質量%、及び
前記(d)ビニルエステル系単量体の含有率が0.1〜10質量%である、
項1に記載のアクリル系高分子化合物。
項3. 前記(c)アミド基を含有する単量体が、下記式(1):
【0014】
【化1】

【0015】
(式中、Rは水素原子あるいはメチル基であり、R及びRは同一又は異なってそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4で示される直鎖状又は分岐状のアルキル基である。)
項1又は2に記載のアクリル系高分子化合物。
項4. 静電容量方式用である項1〜3のいずれかに記載のアクリル系高分子化合物。
項5. 項1〜3のいずれかに記載のアクリル系高分子化合物を用いた、静電容量方式のタッチパネルに用いる粘着シート。
項6. 項1〜3のいずれかに記載の前記アクリル系高分子化合物と架橋する架橋剤を含むタッチパネル用粘着剤組成物。
項7. 前記アクリル系高分子化合物100質量部に対し、無機系誘電体の粉末を0.01〜200質量部配合し、
誘電率が3〜10である、
項6に記載のタッチパネル用粘着剤組成物。
項8. 静電容量方式用である項6又は7に記載のタッチパネル用粘着剤組成物。
項9. 項6又は7に記載のタッチパネル用粘着剤組成物からなる静電容量方式のタッチパネルに用いる粘着シート。
【0016】
本発明の粘着剤組成物について詳細に説明する。
(1)(a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体
本発明のアクリル系高分子化合物は、単量体成分として、(a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む。
【0017】
(a)成分の炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルケニルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル、(メタ)アクリル酸アラルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルアラルキルエステル、(メタ)アクリル酸アラルキルアリールエステル等が挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルであり、特に好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、または炭素数5〜12のシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルから選ばれる1種類以上の単量体である。
【0018】
炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単量体として、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸iso‐ブチル、メタクリル酸iso‐ブチル、アクリル酸sec‐ブチル、メタクリル酸sec‐ブチル、アクリル酸tert‐ブチル、メタクリル酸tert‐ブチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸iso‐オクチル、メタクリル酸iso‐オクチル、アクリル酸iso‐ノニル、メタクリル酸iso‐ノニル、アクリル酸iso‐デシル、メタクリル酸iso‐デシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸iso‐ドデシル、メタクリル酸iso‐ドデシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ブチルシクロヘキシルアクリレート、ブチルシクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート等を挙げることができる。
【0019】
本発明のアクリル系高分子化合物においては、好ましくは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられこれら単量体は1種または2種以上を適宜選択して使用することができ、高分子化合物に粘着剤としての基本的な粘弾性体特性を付与することができるという理由から、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。
(2)(b)成分としてヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体
本発明のアクリル系高分子化合物は、単量体成分として、(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む。
【0020】
(b)成分のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、カプロラクトンメタクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独、もしくは2種類以上を適宜選択して用いることができる。
【0021】
本発明のアクリル系高分子化合物においては、ヒドロキシル基含有アクリル酸エステル系単量体が好ましく、架橋剤との反応部位となる官能基を高分子化合物に与えることができ、架橋して得られた架橋物が粘着剤としての適切な弾性を付与して凝集力を高めると共に、誘電率を高め、さらに粘着シートの耐湿熱性の向上に寄与することができるという理由から、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び4−ヒドロキシブチルアクリレートが特に好ましい。
(3)(c)アミド基を含有する単量体
本発明のアクリル系高分子化合物は、単量体成分として、(c)アミド基を含有する単量体を含む。
【0022】
(c)成分のアミド基を含有する単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジプロピルメタクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタクリルアミド、N−メチル−N−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−ブチルアクリルアミド、N−メチル−N−ブチルメタクリルアミド、N−エチル−N−プロピルアクリルアミド、N−エチル−N−プロピルメタクリルアミド、N−エチル−N−ブチルアクリルアミド、N−エチル−N−ブチルメタクリルアミド、N−プロピル−N−ブチルアクリルアミド、N−プロピル−N−ブチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミドグリコレートメチルエーテル挙げられ、これらは単独、もしくは2種類以上を適宜選択して用いることができる。
【0023】
(c)成分のアミド基を含有する単量体としては、下記式(1):
【0024】
【化2】

【0025】
(式中、Rは水素原子あるいはメチル基であり、R及びRは同一又は異なってそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4で示される直鎖状又は分岐状のアルキル基である。)
を満たす化合物が好ましく、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジプロピルメタクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタクリルアミド、N−メチル−N−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−ブチルアクリルアミド、N−メチル−N−ブチルメタクリルアミド、N−エチル−N−プロピルアクリルアミド、N−エチル−N−プロピルメタクリルアミド、N−エチル−N−ブチルアクリルアミド、N−エチル−N−ブチルメタクリルアミド、N−プロピル−N−ブチルアクリルアミド、N−プロピル−N−ブチルメタクリルアミドが挙げられる。
【0026】
本発明のアクリル系高分子化合物においては、高分子化合物、その架橋物、粘着シートの誘電率を高めることができ、被着体との接着性を高め、さらに粘着剤シートの耐湿熱性の向上に寄与することができるという理由から、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドが好ましく、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミドが特に好ましい。
(4)(d)ビニルエステル系単量体
本発明のアクリル系高分子化合物は、単量体成分として、(d)ビニルエステル系単量体を含む。
【0027】
ビニルエステル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル(例えば、ジャパンエポキシレジン製:ベオバ(商品名))、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系単量体等が挙げられ、これらは単独、もしくは2種類以上を適宜選択して用いることができる。
【0028】
本発明のアクリル系高分子化合物においては、高分子化合物に凝集力を付与することができ、かつTgや粘着剤の諸物性を適切に保つ粘着剤及び粘着シートの提供に寄与することができるという理由から、酢酸ビニルが特に好ましい。
(5)(e)その他の単量体
本発明のアクリル系高分子化合物は、前記(a)〜(d)以外の単量体成分として、アミノ基含有単量体、エポキシ含有単量体、シリル基含有単量体、カルボジイミド基含有単量体、アセトアセトキシ基含有単量体、ニトリル系単量体、ビニルエーテル系単量体等が挙げられ、これらは1種または2種以上を適宜選択して使用することができる。
【0029】
アミノ基含有単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジアリルメチルアミン、アミノスチレン、ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、テトラメチルピペリジルアクリレート、又はテトラメチルピペリジルメタクリレート等を適宜選択して使用することができる。
【0030】
エポキシ含有単量体として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等を適宜選択して使用することができる。
【0031】
シリル基含有単量体として、例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、又は3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン等を適宜選択して使用することができる。
【0032】
カルボジイミド基含有単量体としては、例えば、カルボジイミドエチル(メタ)アクリレート、又はtert‐ブチルカルボジイミドエチル(メタ)アクリレート等を適宜選択して使用することができる。
【0033】
アセトアセトキシ基含有単量体としては、例えば、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、4−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル、又は4−アセトアセトキシブチルビニルエーテル等を適宜選択して使用することができる。
【0034】
ニトリル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、又はメタクリロニトリル等を適宜選択して使用することができる。
【0035】
ビニルエーテル系単量体としては、例えば、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニールエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、又はジエチレングリコールジビニルエーテル等を適宜選択して使用することができる。
【0036】
その他、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸iso‐トリデシル、メタクリル酸iso‐トリデシル、アクリル酸ミリスチル、メタクリル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸iso‐オクタデシル、メタクリル酸iso‐オクタデシル、アクリル酸オレイル、メタクリル酸オレイル、アクリル酸イコシル、又はメタクリル酸イコシル等を適宜選択して使用することができる。
(6)(a)〜(e)成分の配合割合
本発明のアクリル系高分子化合物を形成する単量体成分の比率は、
前記(a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が60〜95質量%、
前記(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が0.1〜20質量%、
前記(c)アミド基を含有する単量体の含有率が0.1〜30質量%、及び
前記(d)ビニルエステル系単量体の含有率が0.1〜10質量%である、
であることが好ましい。
以下、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分(e)成分と記す。
(6−1)(a)成分の含有率
(a)成分の含有率は、高分子化合物に粘着剤としての基本的な粘弾性体の特性を付与するという理由から、60〜95質量%が好ましく、65〜95質量%がより好ましい。
(6−2)(b)成分の含有率
(b)成分の含有率は、0.1質量%未満では架橋剤との反応部位となる官能基を高分子化合物に十分与えることができず、架橋して得られた架橋物が粘着剤としての適切な弾性や凝集力を有さず、さらに粘着シートの耐湿熱性の向上に寄与することができない上に誘電率も低いため好ましくない。また、20質量%超では樹脂粘度が高くなりコーター等での塗工時の作業性が低下し好ましくない。このため(b)成分の含有率は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。
(6−3)(c)成分の含有率
(c)成分の含有率は、0.1質量%未満では透明導電膜や各種被着体への密着性が不足し、また、粘着剤シートに良好な耐湿熱性を付与することができず、高分子化合物、その架橋物、及び粘着シートに所望の誘電率を付与することが困難となるため好ましくない。また、30質量%超では好ましい粘度及び分子量範囲のポリマーが得られず好ましくない。このため(c)成分の含有率は、0.1〜30質量%が好ましく、2〜25質量%がより好ましい。
(6−4)(d)成分の含有率
(d)成分の含有率は、0.1質量%未満では高分子化合物に十分な凝集力を付与することができず、かつTgや粘着剤の諸物性を適切に保つ粘着剤及び粘着シートの提供に寄与することができないため好ましくない。10質量%超では粘着性能そのものの低下を招き、本発明の目的に合致した物性が得られないため好ましくない。このため(d)成分の含有率は、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
(7)重量平均分子量
本発明の前記(a)〜(d)を含む単量体成分を共重合して得られるアクリル系高分子化合物の重量平均分子量は、40万〜200万の範囲であり、好ましくは60万〜150万である。重量平均分子量が小さすぎる場合、耐熱性などの耐久性、粘着力の低下が起こり好ましくない。一方、重量平均分子量が大きすぎる場合、樹脂粘度が高くなり塗工性が低下するため工業製品として好ましくない。また、重量平均分子量は40万〜200万の範囲であり、好ましくは60万〜150万である。
【0037】
なお、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定される。また上記分子量の範囲内で小さい分子量のポリマーと大きい分子量のポリマーを別々に重合し、これら2つもしくは2つ以上の高分子を配合して用いてもよい。
(8)樹脂の酸価
本発明の前記(a)〜(d)を含む単量体成分を共重合して得られるアクリル系高分子化合物の樹脂酸価は0.1mgKOH/g以下である。
【0038】
アクリル系高分子化合物の樹脂酸価が0.1mgKOH/g以下であることは、高分子共重合化合物が実質的にカルボキシル基を含有しないことを意味する。この「実質的にカルボキシル基を含有しない」とは、不可避的に混入する場合を除いて能動的には配合しないことをいう。本発明においては、粘着剤樹脂組成物にカルボキシル基が含まれると、ITOなどの金属酸化物膜や金属薄膜に対する耐腐食性が低下するからである。
【0039】
樹脂酸価(AV)は、JIS K0070に準拠し、溶剤を除去した粘着剤組成物約10g(A)を精秤しテトラヒドロフラン100mlに溶解させる。得られた試料溶液に指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、0.1N・KOHエタノール溶液(ファクター:f)を樹脂溶液がうすい紅色に着色するまで添加(Bml)する。樹脂参加は下記式にて求められる。
【0040】
AV(mgKOH/g)=B×f×5.611/A
(9)Tg(ガラス転移点温度は)
本発明の前記(a)〜(d)を含む単量体成分を共重合して得られるアクリル系高分子化合物のTgは0〜−80℃が好ましく、0℃以上では粘着剤として適切な粘着力が得られず、特に段差追随性が低下する。一方、Tgが−80℃以下では耐熱性などの耐久性等に問題が生じる。
【0041】
Tgは、高分子物質に対してエネルギーを与えた際に結晶質状態から非晶質状態に変移する温度を表す。共重合物のTgは各単量体から生成されるポリマーTgより下記式により計算される。
【0042】
Tg(℃)=1/[ a2/100/(273+a1)
+b2/100/(273+b1)
+c2/100/(273+c1)
+d2/100/(273+d1)]−273
ここで、a1=単量体AのTg(℃)、a2=単量体Aの含有量(質量%)、
b1=単量体BのTg(℃)、b2=単量体Bの含有量(質量%)、
c1=単量体CのTg(℃)、c2=単量体Cの含有量(質量%)、
d1=単量体DのTg(℃)、d2=単量体Dの含有量(質量%)、
但し、a2+b2+c2+d2=100である。
(10)アクリル系高分子化合物の誘電率
本発明のタッチパネル用粘着剤組成物は、例えば、粘着剤組成物をセパレーター(離型フィルム)上にて試験片に加工し、この試験片からセパレーターを剥離させ日本HP(株)インピーダンス測定装置4291Bにて誘電率を測定することができる。
【0043】
静電容量方式のタッチパネルにおいては、指先などでタッチパネルに触れた場合の感度(応答性)が重要である。
【0044】
一般的な粘着剤や粘着シートの誘電率は2〜2.7程度と低く、指先などでタッチパネルに触れた場合の感度(応答性)が悪い。特に昨今、粘着剤層は厚膜化される傾向にあり、ますます応答性の低下が指摘されており、粘着剤や粘着シートの高誘電率化が切望されていた。
【0045】
本発明者らは鋭意研究の結果、前記アクリル系高分子化合物を形成する単量体成分の比率が、前記(a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が60〜95質量%、前記(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が0.1〜20質量%、前記(c)アミド基を含有する単量体の含有率が0.1〜30質量%、及び前記(d)ビニルエステル系単量体の含有率が0.1〜10質量%である、アクリル系高分子を用いることによりに誘電率を増大させることに成功した。
【0046】
本発明のアクリル系高分子化合物の誘電率は、タッチパネルの感度(応答性)向上の観点から3〜6である。
【0047】
なお、誘電率をより高めるために、各種の誘電体等を粘着剤組成物に対して任意の割合で配合してもよい。
(11)タッチパネル用粘着剤用組成物の製造方法
本発明のアクリル系高分子化合物は、一般的な公知の重合方法によって行うことができ、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、光重合でも可能であるが、溶剤を用いた溶液重合により共重合させて高分子を得る方法が好適である。重合温度は一般的に30〜100℃程度の範囲で実施され、好ましくは50〜80℃程度である。
(11−1)溶剤
重合時や重合後の希釈用に使用される溶剤については特に限定されず、適宜選定すればよいが、溶剤の例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネートなどの有機溶剤が挙げられる。ただし、これら以外の溶剤を使用しても何ら差し支えなく、また、2種以上の溶剤を併用してもよい。特に好ましい溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
(11−2)重合開始剤
重合開始剤は特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メトキシプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、[1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)]、などのアゾ系化合物、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、エチルメチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド等の有機化酸化物系化合物等を使用することができる。
【0048】
過酸化物系化合物はN,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチルトルイジン等の還元剤を併用することによりレドックス重合を行うことも可能である。
【0049】
なお、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、エチルメチルケトンパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤は、その分解物や開始剤切片にカルボキシル基等の酸成分を発生させる場合があるため、ITOなどの透明導電性皮膜を腐食する可能性があり、少量であれば使用や他の開始剤との併用も可能ではあるが、使用しないことが好ましい。
【0050】
重合開始剤は、前記アクリル系高分子化合物を形成する単量体成分(a)〜(d)(或いは、単量体成分(a)〜(e))の総量に対して0.01〜2.0重量%の範囲で使用するのが好ましい。
【0051】
共重合体の分子量は、重合開始剤の種類や添加量、重合時の温度や単量体濃度などで制御可能であるが、連鎖移動剤としてメルカプタン類、ハロゲン化炭素類、ハロゲン化炭化水素類などを適宜使用してもよい。
(11−3)架橋剤
本発明のアクリル系高分子化合物と架橋する架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤が適しており、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート系、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノボルネンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート系、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の上記芳香族ジイソシアネートの水添物などの脂環族イソシアネート系を使用することが好ましい。また、これらのイソシアネート系架橋剤は上記で示した化合物のアダクト型、イソシアヌレート型、ビウレット型など多官能化したポリイソシアネート構造物やポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、トリメチロールプロパン変性ポリイソシアネート等の反応性生物を有するが、これらは単独もしくは2種類以上を併用して使用してもよい。これらの内、特にアダクト型が望ましく、これに適量の芳香族イソシアネート系を配合したものがさらに好ましい。
【0052】
イソシアネート系以外の架橋剤も使用可能であり、エポキシ系、エポキシシラン系、ヒドラジド系、カルボジイミド系、アジリジン系の他、有機物が配位した金属系(チタン系など)の架橋剤を使用することが好ましい。
【0053】
エポキシ系架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、テレフタル酸ジグリシジルエステル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルアミノフェニルメタン、m−N,N−ジグリシジルジアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジルトルアニリン、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンオキシグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等を使用することが好ましい。
【0054】
エポキシシラン系架橋剤としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ-グリシドキシプロピルジエトキシメチルシラン、β-(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β-(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等を使用することが好ましい。
【0055】
アミノシラン系架橋剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を使用することが好ましい。
【0056】
メルカプトシラン系架橋剤としては、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシメチルシラン等を使用することが好ましい。
【0057】
イソシアネートシラン系架橋剤としては、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシランを使用することが好ましい。
【0058】
エポキシイソシアヌレート系架橋剤としては、トリグリシジルイソシアヌレートを使用することが好ましい。
【0059】
ヒドラジド系架橋剤としては、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を使用することが好ましい。
【0060】
アジリジン系(エチレンイミノ基含有化合物)架橋剤としては、セミカルバジド樹脂、ポリカルボジイミド系樹脂、テトラメチロールメタン-トリス(β−アジリジニルプロピオナート)、トリメチロールプロパン-トリス(β-アジリジニルプロピオナート)、メチレンビス[N−(1−アジリジニルカルボニル)−4−アニリン]、N,N’−ヘキサメチレンビス(1−アジリジンカルボアミド)等を使用することが好ましい。
【0061】
アセトアセトキシ基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物、ポリエチレンポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン、ポリアミドポリ尿素、アルキル化ポリメチロールメラミン、グリオキザール等の架橋剤を使用することが好ましい。
【0062】
これらの架橋剤は、必要によりイソシアネート系架橋剤に1種類以上併用して用いられる。特にエポキシ系やシラン系の架橋剤が好ましく、被着体がガラスの場合はシラン系架橋剤の併用が特に有効である。
【0063】
これら架橋剤の添加量は特に限定されないが、通常、高分子の合計質量(前記アクリル系高分子化合物を形成する単量体成分(a)〜(d)(或いは、単量体成分(a)〜(e)の総量)に対して0.001〜4.0質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%である。架橋剤の添加量が0.01質量%未満のとき保持力(耐熱クリープ性)が低くなり、逆に0.5質量%を超える場合は、粘着力の低下や短時間で架橋反応が進行しポットライフが短くなるため好ましくない。
【0064】
そして、本発明のアクリル系高分子化合物と架橋する架橋剤を添加することで、タッチパネル用粘着剤組成物を調製することができる。
(11−4)その他の配合剤
また、本発明の樹脂組成物は必要により、無機系誘電体の粉末、粘着付与剤(タッキファイヤー)、帯電防止剤、無機フィラー、レベリング剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、粘性調整剤、殺菌剤、抗菌剤、着色剤等が添加されてもよい。
【0065】
無機系誘電体の粉末としては、酸化チタン、酸化バリウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化鉛、酸化クロム、酸化銅、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、アンチモンドープ錫酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸鉛、硫酸鉛、硝酸鉛、ガラス、黒鉛、カーボン、半導体物質、金属等の粉末が挙げられる。
【0066】
本無機系誘電体の粉末は、粘着剤、その硬化物、及び粘着シートの誘電率をさらに増大させる効果があり、特に高い誘電率が求められる場合に効果がある。
【0067】
本発明のアクリル系高分子化合物を用いたタッチパネル用粘着剤組成物は、光学用途であるため、無色であることが望ましく、ITO等の透明導電性皮膜や回路を腐食させないためイオンを放出せず、かつ安全性の高い無機系誘電体の微粉末が好ましい。
【0068】
この点から、好ましい無機系誘電体としては、酸化チタン、酸化バリウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス等が挙げられる。
【0069】
また、上記粉末は透明性(全光線透過率、ヘイズ)の点から微粒子であることが望ましく、その平均粒子径は100nm以下が好ましく、さらに好ましくは50nm以下である。100nm超では透明性が低下し、本用途に適さない場合がある。下限値は特に限定されないが、微粒子の製造上の技術的制約から1nm以下の粒子は入手が困難である。なお、粒子の形状は必ずしも球状である必要はなく、針状、板状、円錐状、不定形等であってよい。
【0070】
無機系誘電体の粉末は、本発明のアクリル系高分子化合物に対し適宜配合されるが、目的の誘電率を得るために、前記アクリル系高分子化合物100質量部に対し、0.01〜200質量部の範囲で配合されることが好ましい。0.01質量部未満では、目的の誘電率が得られない場合があり、200質量部以上では透明性や所望の粘着剤としての各種物性が得られず不適切である。さらに、粉末の粒子径と透明性の関係を考慮する必要がある場合、0.01〜50質量部配合することが好ましい。
【0071】
粘着付与剤の例としては、ロジン系、テルペン系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂系、石油樹脂系などが挙げられる。ロジン系粘着付与剤としては、アビエチン酸を主成分としたロジンそのものやその誘導体が挙げられ、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン、重合ロジン、ホルムアルデヒド変性ロジン、及びこれらのエステル化物(グリセリンエステル化物他)等が挙げられる。
【0072】
ただし、カルボキシル基等の酸成分を有する粘着付与剤は、ITOなどの透明性導電膜を腐食する恐れがあるため、使用を避けることが好ましい。
(11−5)タッチパネル用粘着剤用組成物の誘電率
また、前記アクリル系高分子化合物に対し、無機系誘電体の粉末を配合したタッチパネル用粘着剤組成物の誘電率は、静電容量方式のタッチパネルにおける応答性の観点からより高い程好ましいが、実際のタッチパネルモジュールを構成する材料との関係から一定以上の数値は必要なく、3〜10の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜10である。
(12)粘着シートの調製
本発明の粘着剤組成物はシートやフィルム基材に直接、原液もしくは上述した重合時に使用される溶剤で挙げた有機溶剤で希釈して塗工、加熱乾燥させればよく、その膜厚は乾燥後で5〜1000μm、好ましくは20〜500μm程度が望ましい。基材の種類としては、ガラス、ポリエステル(PET)、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィン(COP)などが挙げられる。
【0073】
本発明の粘着剤組成物は、各種光学フィルム基材へ直接、もしくはセパレーターに塗工し加熱乾燥して得られる両面粘着シートとして使用される。後者の場合、粘着剤をセパレーターに塗工後、加熱乾燥して溶剤等の除去及び架橋反応を行って粘着剤層を形成した後ロール状に巻き取ったり、粘着剤をセパレーターに塗工・加熱乾燥後さらにセパレーターを貼り合わせて粘着剤層の両面をセパレーターで挟み込んだ後にロール状に巻き取ったりしてもよい。セパレーターにはメラミンやシリコーンなどで表面処理したPETフィルム、オレフィン系フィルムなどの樹脂フィルム、シリコーンや剥離性アクリル樹脂などで表面処理したグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの離型紙を使用することができる。特にPETフィルムなどの樹脂フィルムが好ましい。さらにセパレーターは密着防止などの背面処理や帯電防止性を付与されていてもよい。なお、本用途では高い透明性を求められるため、樹脂フィルムや不織布などの両面に粘着剤を塗布・含浸させて得られるタイプの両面粘着シートはあまり適していない。また、粘着剤組成物をセパレーターに塗工せず、直接各種光学シートやフィルム基材へ塗工して乾燥させ、別の光学シートやフィルムを貼り合わせてもよい。
【0074】
膜形成液の塗布方法は、ダイコーター、リップコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、コンマロールコーター、ディップロールコーター、グラビアロールコーター、バーコーター、ブレードナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、スピンコーター、スプレーコーターなどの公知の方法を適宜選択して用いることができる。
【0075】
粘着剤組成物の塗工後の乾燥条件は特に限定されず、使用された溶剤、架橋剤の種類や量、基材シートやフィルムの種類によって適宜設定されるが、一般的に60〜150℃で0.5〜10分程度乾燥させることが好ましい。
【0076】
また、粘着シートを構成する粘着剤層は、膜厚を厚くする目的で、粘着剤が積層されていてもよい。基材シート上に、粘着剤の塗工と乾燥を繰り返せばよい。
【0077】
得られた粘着シートは、ITO(インジウム錫酸化物)やATO(アンチモン錫酸化物)などの透明導電性皮膜やそれをエッチングして得られる回路、及び銀、銅、アルミなどの微細な金属配線を付したガラスや樹脂(PET、PMMA、PC、COP等)のシートやフィルムへ貼り合わせ、さらに別のシートやフィルムに貼り合わせることにより、二つの基材を貼り合わせて使用される。例えば、ITOをスパッタした後にエッチングなどで回路が形成されたガラス上に、本発明の粘着シートの粘着面を貼り合わせ、粘着シートのセパレーターを剥がした後、UV硬化型樹脂でハードコートされたPETフィルムを張り合わせたり、ITOをスパッタした後にエッチングなどで回路が形成された表面処理PETフィルム上に、本発明の粘着シートの粘着面を貼り合わせ、粘着シートのセパレーターを剥がした後、PETフィルムを張り合わせたり、光学フィルム上に直接粘着剤組成物を塗工して乾燥した後に別の光学フィルムを張り合わせたり、ITOのパターンが形成された樹脂シートやフィルム、ガラスなどを別の光学部材(例えば、偏光板(TAC、COP他)や液晶セル(ガラス))に貼り合わせたりする場合が挙げられるが、タッチパネルを形成するシートやフィルム状の光学部材同士を貼り合わせる場合に全般的に適用され、粘着剤や粘着シートの被着体の種類は特に限定されない。
【0078】
ITOは酸化インジウムと酸化錫からなり、アモルファス型や結晶型などがあるがその種類は限定されない。ITOの表面はさらに酸化ケイ素などで薄くスパッタリング処理されていてもよい。また、透明導電膜としてはITO以外に、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、さらにこれらへ酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化アンチモン、酸化ニオブ、フッ素などを添加したタイプの化合物が使用されてもよい。透明導電膜は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、ゾルゲル法などにより対象とするシートやフィルムの表面へ形成させることができる。
【0079】
タッチパネルは、携帯電話、パソコン、携帯ゲーム機、ATM、切符の自動販売機、サイネージ用、電子書籍、電子ペーパーなどの各種ディスプレイ機器の表示(画像表示装置)に供され、本粘着剤や粘着シートはこれらを構成する光学部材の貼り合わせに使用される。なお、使用されるディスプレイの種類ではFPD(フラットパネルディスプレイ)向けが適しており、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)、OLED(有機ELディスプレイ)などに適しているが、CRT(ブラウン管)他のディスプレイにも使用することができる。
(13)静電容量方式用タッチパネル
静電容量型(静電容量方式用)のタッチパネルは、粘着剤が透明導電膜に直接接触する構造であり、このとき粘着剤の樹脂成分および粘着剤に含まれる成分によっては透明導電膜を腐食させる恐れがある。
【0080】
本発明のタッチパネル用粘着剤組成物及びタッチパネルに用いる粘着シートは、実質的にカルボキシル基を含有しないアクリル系高分子化合物を含むため、透明導電膜を腐食させる恐れがなく他の粘着剤および粘着シートと比較して優位性が特に発揮されることが分かる。
【0081】
また最近、製品の意匠性を高め差別化を図るため保護透明板に印刷層を設けることが多い。この印刷インク層、各種回路に使用される銀ペーストなどの層、またFPD部分に発生する段差など、基材シートやフィルムに10〜30μm程度の段差を有する場合が多く、粘着シートによる貼り合わせ時に気泡が発生するという問題がある。これは粘着剤層の段差追従性の不足によるものである。この段差追従性は粘着剤組成物から得られる粘着シートの粘着特性において、適度なTgとゲル分率が密接に関係する。粘着剤のゲル分率は30〜70%程度が好ましく、より好ましくは40〜65%程度である。ゲル分率が30%未満である場合には凝集力の低下や、耐熱試験における保持力の低下を招く恐れがあり、逆に70%を超えると粘着力の低下、粘着シート貼り合わせ後の気泡の発生原因となる。ゲル分率を調整するに当たり粘着剤組成物の分子量や架橋剤の配合量により調整する事ができ、両者のバランスを取ることも重要である。
【0082】
また、タッチパネルは様々な機器や環境下で用いられる場面が増えており、特に高温多湿環境下において、従来の粘着剤や粘着シートでは水分子が透過し難く、一旦浸入した水分は接着剤層と被着体の界面に停滞し、粘着剤層に濁りや白化を発生させてディスプレイの透明性を低下させてしまう。本発明のアクリル系高分子化合物を用いると、接着剤層と各種基材との界面に水分が浸入した場合でも粘着剤層が容易に水分子を透過させるため、界面に水分が局在化することを防ぎ、著しく耐湿熱性が向上する。さらに粘着剤層が水分を含んで白化しても、室温低湿度環境下に放置すれば短時間で水分を放出し、元の高い透明性に復元させることが可能となる。
【発明の効果】
【0083】
本発明により、透明性、接着性、耐久性、耐腐食性、段差追従性、高誘電率、塗工性に優れた実質的にカルボキシル基を含有しないタッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物、該アクリル系高分子化合物を含むタッチパネル用粘着剤組成物及び粘着シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】タッチパネルの構成例を説明する図である。
【0085】
(a)カバーガラス又はPETフィルム、(b)粘着剤、(c)ITO透明導電膜、(d)支持板、(e)ITO透明導電膜、(f)粘着剤、(g)背面ガラス又はPETフィルム、(h)フレーム又はベゼルを示す。
【0086】
図1のように、本発明の粘着剤は支持板上に形成されたITOパターン(ITO透明導電膜)の上に粘着剤あるいは粘着シートを介し、カバーガラスないし背面ガラスを固定する構造である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の粘着剤組成物および粘着シートを具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。また、各例中の部及び%は質量基準である。
【実施例】
【0088】
[製造例1]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、アクリル酸ブチル89質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量部、アクリルアミド5質量部、酢酸ビニル1質量部、酢酸エチル150質量部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で68℃まで昇温させ5時間重合させた。さらに混合モノマーの滴下終了後、85℃まで昇温して3時間攪拌した後30℃まで冷却した。このようにして得られた共重合体溶液は、不揮発分40.5%、粘度3200mPa・s、重量平均分子量90万であった。
[製造例2]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分41.3%、粘度7800mPa・s、重量平均分子量100万であった。
[製造例3]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分39.8%、粘度5000mPa・s、重量平均分子量130万であった。
[製造例4]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分42.7%、粘度3000mPa・s、重量平均分子量125万であった。
[製造例5]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分40.0%、粘度7200mPa・s、重量平均分子量105万であった。
[製造例6]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分40.0%、粘度3500mPa・s、重量平均分子量145万であった。
[製造例7]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分39.4%、粘度6000mPa・s、重量平均分子量99万であった。
[製造例8]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて酢酸エチル150部の代わりに酢酸エチル135質量部、トルエン15部を用いた以外製造例1と同様に重合反4応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分41.3%、粘度4000mPa・s、重量平均分子量75万であった。
[製造例9]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分40.7%、粘度5000mPa・s、重量平均分子量130万であった。
[製造例10]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分40.7%、粘度3400mPa・s、重量平均分子量100万であった。
[製造例11]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分40.3%、粘度2800mPa・s、重量平均分子量120万であった。
[製造例12]
製造例1において、表1に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体溶液は、不揮発分41.0%、粘度3300mPa・s、重量平均分子量120万であった。
【0089】
[比較製造例1]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分41.1%、粘度8200mPa・s、重量平均分子量130万であった。
[比較製造例2]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分40.9%、粘度2100mPa・s、重量平均分子量15万であった。
[比較製造例3]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分39.0%、粘度5000mPa・s、重量平均分子量100万であった。
[比較製造例4]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて酢酸エチル150部の代わりに酢酸ブチル50質量部、トルエン100部を用いた以外製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分40.9%、粘度1000mPa・s、重量平均分子量30万であった。
[比較製造例5]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分41.5%、粘度20000mPa・s、重量平均分子量125万であった。
[比較製造例6]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分39.9%、粘度15000mPa・s、重量平均分子量90万であった。
[比較製造例7]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて、酢酸エチル150部の代わりに酢酸ブチル50質量部、トルエン100部を用いた以外製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分39.8%、粘度8000mPa・s、重量平均分子量70万であった。
[比較製造例8]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分40.0%、粘度90000mPa・s、重量平均分子量210万であった。
[比較製造例9]
製造例1において、表2に示す単量体組成にて製造例1と同様に重合反応を行なった。得られた共重合体溶液は、不揮発分39.6%、粘度3300mPa・s、重量平均分子量40万であった。
【0090】
[実施例1]
[製造例1]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.2質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例2]
[製造例2]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名)0.1質量部及び日本ポリウレタン工業(株)製のミリオネートMR(商品名)0.05質量部)を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例3]
[製造例3]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.3質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例4]
[製造例4]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(三菱化学(株)製のマイテックNY730(商品名))0.15部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例5]
[製造例5]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(三菱化学(株)製のマイテックNY730(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例6]
[製造例6]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(三菱化学(株)製のマイテックNY730(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た
[実施例7]
[製造例7]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.25質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例8]
[製造例8]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例9]
[製造例9]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネート24A−100(商品名)0.2質量部、及び日本ポリウレタン工業(株)製のミリオネートMR(商品名)0.05質量部)を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例10]
[製造例10]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネート24A−100(商品名))0.3質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例11]
[製造例11]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例12]
[製造例12]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[実施例13]
[製造例8]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、誘電体として平均粒子径20nmのルチル型酸化チタン粉末を100質量部添加し、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.25質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
【0091】
[比較例1]
[比較製造例1]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[比較例2]
[比較製造例2]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[比較例3]
[比較製造例3]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[比較例4]
[比較製造例4]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[比較例5]
[比較製造例5]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[比較例6]
[比較製造例6]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネート24A−100(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[比較例7]
[比較製造例7]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネート24A−100(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
[比較例8]
[比較製造例8]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネート24A−100(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。しかし得られた樹脂組成物が高粘度により各種基材に対して均一に塗工することが困難であった。
[比較例9]
[比較製造例9]にて得られた共重合体溶液を固形分換算で100質量部量り取り、これを攪拌しながら、架橋剤としてイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネート24A−100(商品名))0.15質量部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物を得た。
【0092】
[不揮発分の測定]
JIS K−6833−1に準拠し、試料約1g小数点4桁まで天秤で精秤した(この試料の質量(g)をWA0とする)。次に、この試料を温度105℃の乾燥機(強制対流式乾燥機(アドバンテック東洋(株)製:DRM420DA型)中で120分間放置することにより揮発分を除去した後、デシケーター中で室温(約23℃)下にて十分に放冷し、試料を精秤した(この乾燥後の試料の質量(g)をWA1をとする)。そして、下記の数式により不揮発分を算出した。なお、%表示での小数点以下2桁目を四捨五入し、小数点以下1桁の値を用いた。
【0093】
[不揮発分]=(WA1/WA0)×100(%)
[粘度の測定]
JIS K−6833−1に準拠し、ブルックフィールド型回転粘度計(東機産業(株)製TVB−10型)を用いて、試料温度25℃、回転数12回転/分の条件にて測定した。
【0094】
[分子量の測定]
分子量はGPCにて下記の条件にて測定した。
GPC:島津製作所製(CTO−20A)
カラム:昭和電工製(KF−806(φ8mm、長さ300mm)+KF−804(φ8mm、長さ300mm)+KF−802.5(φ8mm、長さ300mm)
試料濃度:0.1%
注入量:100μl
流量:1.0ml/分
溶離液:テトラヒドロフラン(試薬特級)
カラム温度:50℃
検出器(示差屈折計(RI)):島津製作所製(RID−10A)
標準物質:ポリスチレン
【0095】
【表1】

【0096】
【表2】

【0097】
表1〜5における略語は以下の通りである。
MA:アクリル酸メチル
EA:アクリル酸エチル
BA:アクリル酸ブチル
2−EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
MMA:メタクリル酸メチル
BMA:メタクリル酸ブチル
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
VAc:酢酸ビニル
VeoVa10:(商品名)ジャパンエポキシレジン社製のバーサチック酸ビニル
AAm:アクリルアミド
DMAAm:N,N−ジメチルアクリルアミド
DEAAm:N,N−ジエチルアクリルアミド
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
コロHX:日本ポリウレタン工業(株)製商品名「コロネートHX」(HDI系イソシアヌレート型無黄変性ポリイソシアネート)
NY730:三菱化学(株)製商品名「マイテックNY730A」(HDI系イソシアヌレート型無黄変性ポリイソシアネート)
24A100:旭化成ケミカルズ(株)製商品名「デュラネート24A−100」(HDI系ビュレット型無黄変性ポリイソシアネート)
ミリMR:日本ポリウレタン工業(株)製商品名「ミリオネートMR」(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)
【0098】
[粘着シートの作成]
実施例ないし比較例で得られた粘着剤組成物に酢酸エチルを添加して22%まで希釈し、これを400μmドクターブレードを用いて厚さ25μmの基材フィルム(材質:PET)上に塗布し、105℃の恒温槽へ試験片を入れ5分間乾燥させて乾燥膜厚50μmの粘着シートを作成した。更に厚さ38μmのセパレーター(離型PETフィルム)を貼り合せ後、50℃の恒温槽にて48時間養生を行い「粘着シート」を得た。
【0099】
[接着性の評価]
JIS Z−0237に準拠し、室温23℃湿度50%RHの恒温室中で[粘着シートの作成]で得られた「粘着シート」を幅25mm、有効測定長100mmに調整し厚さ5mmガラス板、厚さ2mmアクリル板、厚さ2mmポリカ板、ITOが表面にスパッタリング処理(アモルファス型ITO)されたPETフィルムのITO面に2Kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせを行い、24時間放置後、引張試験機((株)島津製作所製:EZ−L)にて180°剥離強度(N/25mm)の測定を、剥離速度300mm/分にて行った。
【0100】
[保持力の評価]
JIS Z−0237に準拠し、[粘着シートの作成]で得られた「粘着シート」を長さ25mm幅25mmに調整した後セパレーターをはがし、SUS304板に2Kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせた。室温23℃、湿度50%RH下にて20分、更に40℃恒温槽中に20分放置後、試験片に1Kgの荷重を掛け40℃恒温室中で1時間試験を行い、試験前後での貼り合せ位置からのずれ及び試験片の落下の有無の確認を行った。落下がなく、試験片のズレが少ない程、保持力(凝集力)が高く良好な粘着シートである。
【0101】
[透明性の評価]
上記[粘着シートの作成]で作成した「粘着シート」からセパレーターをはがし、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製:NDH2000)にて室温23℃湿度50%RH下で全光線透過率(%)、ヘイズ値(%)を測定し各種試験前の値とした。全光線透過率値が高いほど、またヘイズ値が低いほど透明性が高く良好な粘着シートである。
【0102】
[着色の評価]
上記[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」からセパレーターをはがし、これを室温23℃湿度50%RH環境下で色差計(グレタグマクベスAG社製:スペクトロアイ)にてb*値を測定し、各種試験前の値とした。表3〜5では、「色差(b*)」とした。b*値が0に近いほど、黄色に変色した程度が低く良好な粘着シートである。
【0103】
[耐熱性の評価]
[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」からセパレーターをはがし、これを80℃の恒温槽に1000時間放置した後、色差計(グレタグマクベスAG社製スペクトロアイ)にて試験後のb*値を測定し、更に目視により気泡、膨れの発生状態を確認した。表3〜5では、これらを「耐熱試験後」の「色差(b*)」及び「気泡・膨れ」と表記した。
【0104】
[耐湿熱性の評価]
[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」からセパレーターをはがし、これを温度60℃湿度90%RHの恒温槽中に1000時間放置した後、色差計(グレタグマクベスAG社製スペクトロアイ)にてb*値を、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製:NDH2000)にてヘイズ値(%)を測定し、更に目視により気泡、膨れの発生状態を確認した。次に温度23℃湿度50%RHの恒温恒湿室に4時間放置し、ヘイズ値を測定した(白化戻り)。表3〜5では、これらを「耐湿熱試験後」の「色差(b*)」、「ヘイズ値」(%)、「白化戻り(%)」、「気泡・膨れ」と表記した。
【0105】
[ITO腐食性]
[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」を長さ100mm×幅50mmに調整した後セパレーターをはがし、これをITOでスパッタリング処理された長さ120mm×幅50mm×厚さ125μmのPETフィルムのITO面に、2Kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせ、試験片を得た。この試験片を、温度60℃湿度90%RHの恒温恒湿槽中に1000時間放置した後、テスター(アドバンテスト社製:R8340A)にて抵抗値(R)を測定し、試験開始前に測定した抵抗値(R)と比較した。下記の計算式より求めた値(抵抗値の上昇率)が少ないほど、ITOを腐食する程度が低く良好な粘着シートである。
ITO腐食性(%)=(R−R)/R×100
【0106】
[段差追従性]
長さ150mm×幅100mmのガラス板上に、長さ100mm、幅50mmで、厚さが20μmとなるよう、黒色インキ(スクリーン印刷用インキ)をコーターで塗工し、ガラス板上に黒色インキによる20μmの段差を形成させて試験用基材とした。この試験用基材に[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」を長さ100mm×幅25mmに調整した後セパレーターをはがし、室温23℃×湿度50%RH環境下で2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせを行い、24時間放置後の段差部分の状態を確認した。表3〜5では、その状態(段差追従性)を下記の記号により示した。
【0107】
S:全く気泡が見られない
A:わずかに小さな球状の気泡が見られる
B:大きな気泡が見られ、気泡同士がつながっている場合がある
C:大きな気泡同士がつながり、段差部分で線上に広がっている
【0108】
[ゲル分率]
[粘着シートの作成]で用いた25μmの基材フィルムの代わりにセパレーターを用いて「粘着シート」を作成した後に、幅50mm×長さ50mmの大きさに切り取り、「粘着シート」両面のセパレーターを剥離させ試験片(質量:WB1)とした。この試験片をメッシュ容器(300メッシュ、目開き45μm、質量WB2)で包み酢酸エチルに浸漬させ168時間放置した。未溶解物をメッシュ容器ごと取り出し150℃にて1時間乾燥後質量(質量WB3)を測定し下記式にてゲル分率を求めた。
[ゲル分率]=(WB3−WB2)/WB1×100(%)
【0109】
[誘電率]
実施例ないし比較例で得られた粘着剤組成物を、セパレーター上に乾燥膜厚500μmの「粘着樹脂層」が得られるように塗布し、室温23℃湿度50%RH環境下で72時間、更に50℃の恒温槽にて48時間放置して試験片を得た。この試験片を幅25mm×長さ25mmに調整した後、セパレーターを剥がし、得られた「粘着樹脂層」の誘電率をインピーダンス測定装置(日本HP(株)製:4291B)を用いて周波数100MHzにて測定した。
【0110】
【表3】

【0111】
【表4】

【0112】
【表5】

【0113】
上記表3に示すように本発明のアクリル系高分子化合物を含むタッチパネル用粘着剤組成物及び粘着シートは、透明性、接着性、耐久性が高く、耐腐食性、段差追従性、高誘電率で、優れた性能を有することが確認され、特に静電容量方式用の
タッチパネル用粘着剤組成物として有用であることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明により、透明性、接着性、耐久性、耐腐食性、段差追従性、高誘電率、塗工性に優れた実質的にカルボキシル基を含有しないタッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物、該アクリル系高分子化合物を含むタッチパネル用粘着剤組成物及び粘着シートを提供することができる。
【符号の説明】
【0115】
(a) カバーガラス又はPETフィルム
(b) 粘着剤
(c) ITO透明導電膜
(d) 支持板
(e) ITO透明導電膜
(f) 粘着剤
(g) 背面ガラス又はPETフィルム
(h) フレーム又はベゼル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、
(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体、
(c)アミド基を含有する単量体、及び
(d)ビニルエステル系単量体
を含む単量体成分を共重合して得られ、
樹脂酸価が0.1mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が40万〜200万であり、Tgが−80〜0℃であり、
誘電率が3〜6である、
タッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物。
【請求項2】
前記アクリル系高分子化合物を形成する単量体成分の比率が、
前記(a)炭素数1〜12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が60〜95質量%、
前記(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が0.1〜20質量%、
前記(c)アミド基を含有する単量体の含有率が0.1〜30質量%、及び
前記(d)ビニルエステル系単量体の含有率が0.1〜10質量%である、
請求項1に記載のアクリル系高分子化合物。
【請求項3】
前記(c)アミド基を含有する単量体が、下記式(1):
【化1】

(式中、Rは水素原子あるいはメチル基であり、R及びRは同一又は異なってそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4で示される直鎖状又は分岐状のアルキル基である。)
である請求項1又は2に記載のアクリル系高分子化合物。
【請求項4】
静電容量方式用である請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系高分子化合物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系高分子化合物を用いた、静電容量方式のタッチパネルに用いる粘着シート。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の前記アクリル系高分子化合物と架橋する架橋剤を含むタッチパネル用粘着剤組成物。
【請求項7】
前記アクリル系高分子化合物100質量部に対し、無機系誘電体の粉末を0.01〜200質量部配合し、
誘電率が3〜10である、
請求項6に記載のタッチパネル用粘着剤組成物。
【請求項8】
静電容量方式用である請求項6又は7に記載のタッチパネル用粘着剤組成物。
【請求項9】
請求項6又は7に記載のタッチパネル用粘着剤組成物からなる静電容量方式のタッチパネルに用いる粘着シート。




【図1】
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【公開番号】特開2012−41456(P2012−41456A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184449(P2010−184449)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(591195592)大同化成工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】