Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
タッチパネル装置
説明

タッチパネル装置

【課題】駆動周波数を常時切り替え続けたり、また、GNDシールドや厚みの大きなエアギャップを設けたりしなくても、表示装置からのノイズを防ぎ、タッチの有無に関する誤判定を防止することができるタッチパネル装置を提供する。
【解決手段】タッチセンサICは、静電容量のデジタル値がタッチ検出判定閾値を超えていることを条件に、タッチパネル装置に対する導体のタッチがあると判定する。また、タッチセンサICは、静電容量のデジタル値がノイズレベル検出閾値未満になったことを検出すると、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル装置に関し、特に、静電容量方式のタッチパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多機能型携帯電話機(スマートフォン)やタブレット型情報端末には、画面をタッチすることによって操作を行うユーザインタフェースを搭載したものがある。このようなユーザインタフェースは、例えば、液晶表示装置上に投影型静電容量方式のタッチパネル装置を重ねることによって実現可能である。投影型静電容量方式では、タッチパネル装置に設けられたセンサ電極上に発生する静電容量をタッチセンサIC(Integrated Circuit)で計測する。
【0003】
投影型静電容量方式のタッチパネル装置は、抵抗膜式タッチパネル装置と異なり、センサ電極の周囲の静電容量(静電界の強弱ということもできる。)をタッチセンサICが周期的に計測する。そして、その計測結果(アナログ量)をデジタル値に変換し、変換によって得られたデジタル値と閾値との比較によって、タッチパネル装置に対するタッチの有無を判定する。例えば、静電容量のデジタル値が閾値を超えたならば、タッチがあると判定し、静電容量のデジタル値が閾値以下であれば、タッチはないと判定する。以下、この閾値をタッチ検出判定閾値と記す。
【0004】
図12は、理想的な静電容量のデジタル値を示す説明図である。図12において、横軸は時間を表し、縦軸は静電容量のデジタル値を表す。また、期間A,Cは、タッチパネル装置に対するタッチがない期間であり、期間Bは、タッチパネル装置に対するタッチがある期間である。図12に示す丸印は、各計測時刻における静電容量のデジタル値を表す。これらの事項は、後述の図13および図14においても同様である。理想的には、図12に示すように、静電容量のデジタル値は、タッチの有無に対応した2種類の値であることが好ましい。すなわち、期間A,Cで静電容量のデジタル値は一定であり、タッチが生じている期間Bでは、静電容量のデジタル値は期間A,Cとは異なる値で一定となることが好ましい。また、図12に示す例において、期間A,Cでは、静電容量のデジタル値はタッチ検出判定閾値以下であるので、タッチセンサICはタッチがないと判定する。また、期間Bでは、静電容量のデジタル値がタッチ検出判定閾値を超えているので、タッチセンサICはタッチがあると判定する。
【0005】
実際には、タッチがある場合およびタッチがない場合それぞれにおいて、静電容量のデジタル値は変動する。図13は、静電容量のデジタル値の変動の一例を示す説明図である。図13に示すように、実際に計測される静電容量のデジタル値は変動する。この変動幅は、タッチパネル装置に設けられたセンサ電極周囲の静電容量の変動やタッチセンサICの電源電圧の変動の程度に依存する。そして、タッチパネル装置の周囲のノイズの影響を受けると、静電容量のデジタル値の変動幅も大きくなる。なお、図13に示す例においても、期間A,Cでは、静電容量のデジタル値はタッチ検出判定閾値以下であるので、タッチセンサICはタッチがないと判定する。また、期間Bでは、静電容量のデジタル値がタッチ検出判定閾値を超えているので、タッチセンサICはタッチがあると判定する。
【0006】
ノイズの影響を除去するタッチパネル装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のタッチパネル装置は、複数の異なる周波数でタッチパネルを駆動する。特許文献1に記載のタッチパネル装置は、140kHz、200kHz、および260kHzの駆動周波数を規則的に切り替えていくことにより、ノイズの影響を除去する。
【0007】
また、タッチパネル基板において、センサ電極が配置される面とは反対側の面に、グラウンド電位を設定するための透明電極(以下、GNDシールドと記す。)を配置することにより、タッチパネル装置の背面側の液晶表示装置からのノイズを防ぐ方法が知られている。
【0008】
また、タッチパネル基板と、その背面側の液晶表示装置との間にガスケットを配置し、タッチパネル基板と液晶表示装置との間に厚みの大きなエアギャップ(空気層)を設けることで、液晶表示装置からのノイズを防ぐ方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2009−535742号(段落0030、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
液晶表示装置等の表示装置の上にタッチパネル装置を重ねると、表示装置の駆動により発生するノイズの影響が大きくなり、静電容量のデジタル値の変動幅も大きくなる場合が生じる。図14は、静電容量のデジタル値の変動幅が大きくなった状態を示す説明図である。図14に示す例では、デジタル値の変動幅が大きくなったことにより、タッチがない期間A,Cにおいて、静電容量のデジタル値がタッチ検出判定閾値を超えることがある。従って、期間A,Cにおいて、「タッチがある。」という誤判定が生じることになる。また、タッチがある期間Bにおいて、静電容量のデジタル値がタッチ検出判定閾値以下になることがある。従って、期間Bにおいて、「タッチがない。」という誤判定が生じることになる。
【0011】
図15は、静電容量の変動幅を増加させるノイズの発生を示す説明図である。タッチパネル装置79は、観察者側の面にセンサ電極90が設けられたタッチパネル基板81を備える。そして、タッチパネル装置79は、センサ電極90が設けられたタッチパネル基板81の上層にカバーガラス91を備える。タッチパネル制御用FPC(Flexible Printed Circuits )83上に設けられたタッチセンサIC82は、センサ電極90に対するオン電位およびオフ電位の設定を周期的に行い、センサ電極90の近傍の静電容量を計測し、その静電容量に基づいて、カバーガラス91に対する導体92(以下、指である場合を例にする。)のタッチの有無を判定する。なお、導体とは、導電性の物である。
【0012】
また、本例では、液晶表示装置80がTFT(Thin Film Transistor)型液晶表示装置である場合を例にする。液晶表示装置80は、2枚の透明基板88a,88bを備える。観察者側の透明基板88a(以下、フロント側基板88aと記す。)には、コモン電極(図示略)が設けられ、背面側の透明基板88b(以下、リア側基板88bと記す。)には、画素毎にTFTおよび画素電極(図示略)が設けられる。そして、コモン電極と画素電極との間に液晶層(図示略)が挟持されるように、フロント側基板88aおよびリア側基板88bが配置される。液晶ドライバIC用FPC84に接続された液晶ドライバIC85は、コモン電極および各画素電極の電位を設定することにより、外部から入力された画像データが示す輝度値に応じて、各画素の液晶の状態を制御する。なお、液晶表示装置80は、ガラス基板88bの背面側にバックライト87を備える。また、フロント側基板88aおよびタッチパネル基板81は、両面テープ89によって接着される。
【0013】
センサ電極90と指92とによってキャパシタ93が形成される。タッチセンサICがセンサ電極90と指92との間の静電容量Cを計測し、その静電容量のデジタル値とタッチ検出判定閾値との比較に基づいて、カバーガラス91に対する指92のタッチの有無を判定することが理想的である。しかし、タッチパネル基板81の背面側に液晶表示装置80が配置されていることにより、センサ電極90と、フロント側基板88aに設けられた電極(本例ではコモン電極。図示略。)とによってキャパシタ94も形成される。そのため、センサ電極90には、寄生容量Cも生じる。寄生容量Cは、センサ電極90とフロント側基板88aに設けられたコモン電極との間に生じる静電容量である。この結果、タッチセンサICは静電容量Cそのものではなく、{C/(C+C)}を計測することになる。すなわち、タッチセンサIC82は、センサ電極90に対するオン電位およびオフ電位の設定により、センサ電極の近傍の静電容量{C/(C+C)}を計測する。
【0014】
液晶ドライバIC85は、液晶表示装置80を駆動する際に、周期的にコモン電極の電位を変化させる。このため、タッチセンサIC82による静電容量の計測結果として、寄生容量がノイズとして重畳され、静電容量の計測結果の変動が大きくなってしまう。
【0015】
液晶表示装置80のフロント側基板88aに電極(上記の例ではコモン電極)が設けられていることに起因する静電容量の計測結果の変動は、その電極に対する電位設定の周波数と、センサ電極90に対する電位設定の周波数(タッチパネルモジュールの駆動周波数)とが所定の関係になったときに、誤判定が生じるほど増加する。具体的には、フロント側基板88aの電極に対する電位設定の基本周波数の整数倍と、タッチパネルモジュールの駆動周波数とが一致したときに、誤判定が生じるほどの計測結果の変動が生じる。なお、センサ電極が設けられたタッチパネル基板をタッチパネルモジュールと記す。
【0016】
このような問題は、TFT型液晶表示装置以外の表示装置を用いた場合にも生じる。例えば、パッシブマトリクス型液晶表示装置や有機EL(Electroluminescence)表示装置等のように、基板上に電極を配置した構成の表示装置を用いる場合、同様の問題が生じる。
【0017】
特許文献1に記載のタッチパネル装置は、上記のような静電容量計測結果の変動が大きくなる条件が成立していなくても、タッチパネル装置の駆動周波数を切り替える。すなわち、特許文献1に記載のタッチパネル装置は、駆動周波数を切り替える必要がない場合でも駆動周波数を切り替える。
【0018】
また、GNDシールドを設けることでノイズを除去する方法を図15に示す構成に適用する場合、タッチパネル基板81の背面側にGNDシールド(透明電極)を配置し、GNDシールドをグラウンド電位に設定することになる。すると、透明電極が一層追加されることにより、光の透過率が低下し、タッチパネル装置の光学特性が低下する。また、GNDシールドを設ける場合、タッチパネル制御用FPC83とは別にGNDシールド用のFPCを設けたり、その2つのFPCを接着剤で接着したりする等の製造コストを要する。
【0019】
また、液晶表示装置とタッチパネル基板との間にガスケットを配置し、エアギャップを設けることでノイズを除去する方法では、そのエアギャップ内に塵が入り込み、その結果、表示品質が低下する可能性がある。なお、液晶表示装置とタッチパネル基板とを透明な光学糊で張り合わせることで、塵の進入を防止することも考えられる。この場合、液晶表示装置とタッチパネル基板との間を透明な樹脂(光学糊)で充填することになり、塵の進入を防止できる。しかし、その樹脂を介して、タッチパネル側に液晶表示装置のノイズが伝達されてしまう。
【0020】
そこで、本発明は、駆動周波数を常時切り替え続けたり、また、GNDシールドや厚みの大きなエアギャップを設けたりしなくても、表示装置からのノイズを防ぎ、タッチの有無に関する誤判定を防止することができるタッチパネル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によるタッチパネル装置は、導体がタッチしたか否かを判定するタッチパネル装置であって、導体と対になってキャパシタを形成するセンサ電極(例えば、センサ電極42)と、センサ電極が配置されるタッチパネル基板(例えば、タッチパネル基板43)と、センサ電極に対して2種類の電位を周期的に設定する電位設定手段(例えば、電圧励起部23)と、センサ電極の周囲の静電容量と第1の閾値(例えば、タッチ検出判定閾値)とを比較することにより、当該タッチパネル装置に対する導体のタッチの有無を判定するタッチ判定手段(例えば、ステップS2を実行する制御部25)と、タッチがないときの静電容量と、第2の閾値(例えば、ノイズレベル検出閾値)とを比較することにより、センサ電極に関する駆動周波数を変更するか否かを判定する周波数変更判定手段(例えば、変動幅判定部28)と、駆動周波数を変更すると判定されたときに、駆動周波数を変更する周波数変更手段(例えば、ステップS6を実行する制御部25)とを備えることを特徴とする。
【0022】
また、過去の一定サンプル数分の、タッチがないときの静電容量の平均値である周囲環境値を算出し、周囲環境値の変化に合わせて、第1の閾値および第2の閾値を変化させる閾値制御手段を備えることが好ましい。
【0023】
また、過去の一定サンプル数分の、タッチがないときの静電容量の平均値である周囲環境値と、第1の閾値と、第2の閾値との間に、第1の閾値が周囲環境値より大きな値であり、第2の閾値が周囲環境値より小さな値であるという関係があることが好ましい。
【0024】
また、センサ電極がタッチパネル基板の背面側の面に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、駆動周波数を常時切り替え続けたり、また、GNDシールドや厚みの大きなエアギャップを設けたりしなくても、表示装置からのノイズを防ぎ、タッチの有無に関する誤判定を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】TFT型液晶表示装置のみを駆動した場合における、コモン電極の駆動波形から得た周波数スペクトルの計測結果の模式図。
【図2】TFT型液晶表示装置の上層にタッチパネル基板を配置し、タッチパネル基板上のセンサ電極に対してオン電位およびオフ電位の設定を行った場合における周波数スペクトルの計測結果の模式図。
【図3】本発明のタッチパネル装置および、そのタッチパネル装置とともに用いられるTFT型液晶表示装置の分解斜視図。
【図4】本発明のタッチパネル装置およびTFT型液晶表示装置の模式的断面図。
【図5】本発明によるタッチパネル装置と、そのタッチパネル装置に接続されるCPUとを模式的に示す上面図。
【図6】タッチセンサIC2が計測した静電容量のデジタル値の変動の例を示す説明図。
【図7】タッチパネルモジュールの個々のセンサ電極の駆動波形の例を示す説明図。
【図8】タッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値の変化の例を示す説明図。
【図9】タッチセンサIC2の構成例を示すブロック図。
【図10】タッチパネルモジュールの駆動周波数を変更する際の処理経過の例を示すフローチャート。
【図11】本発明のタッチパネル装置においてカバーガラスを設けない場合の構成例を示す模式的断面図。
【図12】理想的な静電容量のデジタル値を示す説明図。
【図13】静電容量のデジタル値の変動の一例を示す説明図。
【図14】静電容量のデジタル値の変動幅が大きくなった状態を示す説明図。
【図15】静電容量の変動幅を増加させるノイズの発生を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の実施形態では、タッチパネル基板の背面にTFT型液晶表示装置を設ける場合を例にして説明する。
【0028】
まず、本発明の原理を説明する。図1は、観察者側の透明基板にコモン電極が配置され、背面側の透明基板に画素電極が配置されたTFT型液晶表示装置のみを駆動した場合における、コモン電極の駆動波形から得た周波数スペクトルの計測結果の模式図である。なお、コモン電極の電位は、一定期間毎に第1の電位および第2の電位に交互に切り替えられる。このとき、コモン電極の駆動波形に対してFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)を行うことによって得た周波数スペクトルとして、基本周波数fおよびその整数倍の周波数が確認される。
【0029】
また、図2は、TFT型液晶表示装置の上層にタッチパネル基板を配置し、タッチパネル基板上のセンサ電極に対してオン電位およびオフ電位の設定を行った場合における周波数スペクトルの計測結果の模式図である。この場合、図2に示すように、タッチパネルモジュールの駆動周波数fも確認することができる。1つのセンサ電極をオン電位に設定する開示時刻から、そのセンサ電極をオフ電位に設定し、次にそのセンサ電極をオン電位に設定する開始時刻までの周期の逆数がタッチパネルモジュールの駆動周波数fである。
【0030】
駆動周波数fが、コモン電極の駆動波形から得られる基本周波数fの整数倍に該当する場合、タッチパネル装置における静電容量の計測結果の変動が大きくなり、誤判定が発生する。本発明によるタッチパネル装置は、そのような状況を検出したことを条件に、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させることで、表示装置(本例では、TFT型液晶表示装置)からのノイズを防ぎ、タッチの有無に関する誤判定を防止する。また、計測結果の変動が大きくなったという状況を検出しなければ、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させずに一定に保つ。
【0031】
なお、タッチパネル装置の駆動IC(後述のタッチセンサIC2)と、液晶表示装置の液晶ドライバICとは、それぞれ独立したクロック信号に従って動作する。タッチパネル装置の駆動ICのクロック信号、および液晶ドライバICのクロック信号は、それぞれ時間経過とともにパルス間隔が少しずつずれる。そのため、初期状態において、タッチパネルモジュールの駆動周波数を基本周波数fの整数倍からずれるようにしたとしても、時間が経過すると、タッチパネルモジュールの駆動周波数がfの整数倍に該当することがある。従って、初期状態で静電容量の変動幅が小さくても、時間経過とともに大きくなることがある。本発明のタッチパネル装置は、静電容量の計測結果の変動が大きくなったことを検出すると、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させる。
【0032】
図3は、本発明のタッチパネル装置および、そのタッチパネル装置とともに用いられるTFT型液晶表示装置の分解斜視図である。図4は、本発明のタッチパネル装置およびTFT型液晶表示装置の模式的断面図である。本発明のタッチパネル装置10は、TFT型液晶表示装置5の観察者側の面に配置される。以下、TFT型液晶表示装置5を単に液晶表示装置5と記す。
【0033】
タッチパネル装置10は、投影型静電容量方式のタッチパネル装置である。タッチパネル装置10は、タッチパネルモジュール1と、タッチセンサIC2と、カバーガラス4とを備える。タッチセンサIC2は、例えば、タッチパネル制御用FPC3上に配置され、FPC3を介してタッチパネルモジュール1を駆動する。タッチセンサIC2は、タッチパネルモジュール1に設けられたセンサ電極の周囲の静電容量を測定し、その静電容量に応じて、タッチパネル装置10に対するタッチの有無を判定する。また、タッチセンサIC2は、静電容量の変動量が大きいと判定したときに、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させる。
【0034】
タッチパネルモジュール1は、タッチパネル基板43の観察者側の面にセンサ電極42を配置した構成である(図4参照)。なお、後述するように、タッチパネル基板43上には、センサ電極として、列電極および行電極がそれぞれ複数配置されているが、図4に示す例では、説明を簡単にするために、それらの電極をまとめて、センサ電極42として図示している。タッチパネル基板43は透明基板であり、センサ電極42は透明電極である。
【0035】
タッチパネルモジュール1の観察者側の面にはカバーガラス4が配置される。図3では、外周部分に黒色の印刷が施されたカバーガラス4を例示している。カバーガラス4は、タッチパネルモジュールを保護する。また、カバーガラス4は、センサ電極42(図4参照)と、カバーガラス4にタッチする導体(以下、指である場合を例にする。)とが直接接触しないようにする。この結果、センサ電極42は、指と対になってキャパシタを形成する。
【0036】
タッチパネル装置10および液晶表示装置5は、例えば、両面テープ44によって接着される。なお、両面テープ44の厚みはわずかである。そのため、タッチパネル装置10と液晶表示装置5との間の隙間に塵が入り込む可能性は少なく、表示品質が低下する可能性も少ない。
【0037】
また、液晶表示装置5は、2枚の透明基板51,52を備える。観察者側の透明基板51(以下、フロント側基板51と記す。)にはコモン電極(図示略)が設けられる。また、背面側の透明基板52(以下、リア側基板52と記す。)には、画素毎にTFTおよび画素電極(図示略)が設けられる。そして、コモン電極と画素電極との間に液晶層(図示略)が挟持されるように、フロント側基板51およびリア側基板52が配置される。液晶表示装置5は、リア側基板52の背面側にバックライト8を備える。また、液晶表示装置5は、コモン電極および各画素電極の電位を設定することにより、外部から入力された画像データが示す輝度値に応じて、各画素の液晶の状態を制御する液晶ドライバIC6を備える。液晶ドライバIC6によって、バックライト8から照射される光の透過量が画素毎に制御される。
【0038】
図3および図4に示す例では、液晶ドライバIC6は、リア側基板52の端部に配置され、リア側基板52の端部に接続された液晶ドライバIC用FPC7を介して液晶表示装置5の制御装置(図示略)の制御に従って動作する。液晶ドライバIC6は、周期的にコモン電極の電位を変化させる。具体的には、液晶ドライバIC6は、コモン電極の電位を、一定期間毎に、第1の電位および第2の電位に交互に切り替える。このコモン電極の駆動波形にFFTを行うことによって得た周波数スペクトルにおける基本周波数を、表示装置の基本周波数と記し、fで表す。
【0039】
図5は、本発明によるタッチパネル装置と、そのタッチパネル装置に接続されるCPUとを模式的に示す上面図である。タッチパネルモジュール1において、タッチパネル基板43(図4参照)には、複数の列電極11と複数の行電極12とが互いに直交するように配置される。列電極11および行電極12は、透明電極であり、センサ電極として用いられる。
【0040】
列電極11は縦方向に伸びる電極であり、行電極12と交差する各箇所の幅は狭められている。なお、図5では、図を簡略化し、幅の狭い箇所で列電極11が分割されているように図示しているが、実際には、1本の列電極11は、縦方向に伸び、分割されていない。
【0041】
行電極12は横方向に伸びる電極であり、列電極と交差する各箇所の幅は狭められている。なお、図5では、図を簡略化し、幅の狭い箇所で行電極が分割されているように図示しているが、実際には、1本の行電極は、横方向に伸び、分割されていない。
【0042】
また、列電極11と行電極12の交差部分において、列電極11と行電極12との間には絶縁層(図示略)が設けられる。そのため、列電極11と行電極12とが導通しない。
【0043】
CPU16は、PCB(Printed Circuit Board )15上に配置される。また、PCB15とタッチパネル制御用FPC3とは、PCB15の端部に設けられたコネクタ14によって接続される。CPU16は、タッチパネル制御用FPC3を介して、タッチセンサIC2から、タッチパネル装置に対するタッチの有無の情報や、タッチがあった場合におけるタッチ位置の情報を受信する。そして、CPU16は、その情報を用いて、アプリケーションソフトウェアに従って動作する。
【0044】
タッチセンサIC2は、各列電極11および各行電極12に対して、それぞれ、オン電位およびオフ電位の2種類の電位を設定する。なお、オン電位は、センサ電極に設定される2種類の電位のうち、高い方の電位である。オフ電位は、その2種類の電位のうち、低い方の電位である。本実施形態では、オン電位の設定期間とオフ電位の設定期間とが等しい場合(すなわち、Duty比が50%である場合)を例にする。ただし、Duty比は50%に限定されず、他の値であってもよい。
【0045】
そして、タッチセンサIC2は、各列電極11および各行電極12をそれぞれ順次選択し、選択した列電極11および行電極12の周囲の静電容量を測定し、その計測結果(アナログ量)をデジタル値に変換する。本実施形態では、タッチセンサIC2は、そのデジタル値がタッチ検出判定閾値以下であれば、タッチはないと判定し、そのデジタル値がタッチ検出判定閾値を超える値であれば、タッチがあると判定する。また、タッチセンサIC2は、タッチがあると判定した場合、その判定を導出した静電容量の測定時に選択した列電極11および行電極12に基づいて、タッチ位置を判定する。タッチセンサIC2は、タッチの有無の情報、および、タッチがある場合におけるタッチ位置の情報をCPU16に送信する。
【0046】
また、タッチセンサIC2は、過去の一定サンプル数分の、タッチがないと判定したときの静電容量(デジタル値)を記憶し、その静電容量の平均値を算出する。この静電容量の平均値を、周囲環境値と記す。なお、タッチがないという判定を行わなくても、タッチがないときの静電容量を定期的に測定し、その複数の測定値の平均値を静電容量値としてもよい。
【0047】
また、タッチセンサIC2は、タッチ検出判定閾値とは別の閾値(以下、ノイズレベル検出閾値と記す。)と、静電容量のデジタル値とを比較して、静電容量の変動幅が所定値よりも大きくなったか否かを判定する。本実施形態では、タッチセンサIC2は、静電容量のデジタル値がノイズレベル検出閾値未満であれば、静電容量の変動幅が所定値よりも大きくなったと判定する。また、静電容量のデジタル値がノイズレベル検出閾値以上であれば、静電容量の変動幅が所定値以下であると判定する。
【0048】
タッチセンサIC2は、静電容量のデジタル値がノイズレベル検出閾値未満である場合(すなわち、静電容量の変動幅が所定値よりも大きくなったと判定した場合)、各センサ電極に対するオン電位およびオフ電位の設定期間を変更することによって、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させる。このとき、タッチセンサIC2は、タッチパネルモジュールの駆動周波数を高くしてもよく、あるいは、低くしてもよい。また、ここでは、Duty比は一定に保つものとする。この場合、タッチセンサIC2は、オン電位およびオフ電位の設定期間を短くすることで、タッチパネルモジュールの駆動周波数を高くすることができる。また、タッチセンサIC2は、オン電位およびオフ電位の設定期間を長くすることで、タッチパネルモジュールの駆動周波数を低くすることができる。
【0049】
タッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値のうち、一方は周囲環境値より大きな値であり、他方は周囲環境値より小さな値であることが好ましい。本実施形態では、タッチ検出判定閾値が周囲環境値よりも大きな値であり、ノイズレベル検出閾値が周囲環境値よりも小さな値である場合を例にする。なお、ノイズレベル検出閾値が周囲環境値よりも大きな値であっても、表示装置が発する重畳ノイズを検出し、静電容量の変動幅が所定値よりも大きくなったと判定することは可能である。しかし、その場合、表示装置のノイズが発生していないときでも、ノイズを誤検出する可能性がある。例えば、導体である指がタッチ動作を行うためではなく単にタッチパネルモジュールに近づいた場合や、タッチパネルモジュールに水滴が付着した場合も、静電容量の変動幅が所定値よりも大きくなったと判定して、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変更してしまう可能性がある。すると、駆動周波数の変更が不要である場合であっても、駆動周波数を変更することで消費電力が増加してしまう。本実施形態では、表示装置から発生する下振れのノイズを検出するようにノイズレベル検出閾値を周囲環境値よりも小さな値としている。このようにノイズレベル検出閾値の値を最適なレベルとすることで、消費電力の増加を防止し、表示装置からのノイズによる誤動作を確実に防止することができる。
【0050】
図6は、タッチセンサIC2が計測した静電容量のデジタル値の変動の例を示す説明図である。図6に示す例において、期間A,Cは、タッチパネル装置に対するタッチがない期間であり、期間Bは、タッチパネル装置に対するタッチがある期間である。
【0051】
図6に示す例において、期間A,Cでは、静電容量のデジタル値はタッチ検出判定閾値以下であるので、タッチセンサIC2は、タッチパネル装置に対する指のタッチがないと判定する。また、期間Bでは、静電容量のデジタル値がタッチ検出判定閾値を超えているので、タッチセンサIC2は、タッチパネル装置に対する指のタッチがあると判定する。
【0052】
また、期間Cの時刻tにおいて、静電容量のデジタル値はノイズレベル検出閾値未満になる。タッチセンサIC2は、このことを検出すると、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させる。以下の説明では、静電容量のデジタル値はノイズレベル検出閾値未満になったときに、タッチパネルモジュールの駆動周波数を高くする場合を例にして説明する。ただし、タッチパネルモジュールの駆動周波数を低くしてもよい。
【0053】
図7は、タッチパネルモジュールの個々のセンサ電極の駆動波形の例を示す。図7(a)は時刻t(図6参照)より前の駆動波形を示し、図7(b)は時刻tよりも後の駆動波形を示す。時刻tにおいて静電容量がノイズレベル検出閾値未満になったことを検出すると、タッチセンサIC2は、図7に示すように、個々のセンサ電極をオン電位に設定する時間、およびオフ電位に設定する時間をそれぞれ短くする。この結果、オン電位の設定開始時刻から次回のオン電位の設定開始時刻までの周期が短くなり、タッチパネルモジュールの駆動周波数は高くなる。
【0054】
図6に示す時刻tのように、静電容量がノイズレベル検出閾値未満になったということは、静電容量の計測結果の変動が大きくなっていて、誤判定が生じやすくなっていることを意味する。このとき、タッチパネルモジュールの駆動周波数は、表示装置の基本周波数fの整数倍になっている。タッチセンサIC2は、この状態からタッチパネルモジュールの駆動周波数をずらすことで、タッチパネルモジュールの駆動周波数がfの整数倍に該当していない状態に変化させる。この結果、時刻tの後、静電容量の計測結果は再びノイズレベル検出閾値以上の値になり、誤判定が防止される。
【0055】
また、タッチセンサIC2は、周囲環境値とタッチ検出判定閾値との差が一定に保たれるように、周囲環境値の変化に合わせてタッチ検出判定閾値を更新する。周囲環境値とタッチ検出判定閾値との差は、定数として予め定めておけばよい。以下、この定数を第1の定数と記す。
【0056】
同様に、タッチセンサIC2は、周囲環境値とノイズレベル検出閾値との差が一定に保たれるように、周囲環境値の変化に合わせてノイズレベル検出閾値を更新する。周囲環境値とノイズレベル検出閾値との差は、定数として予め定めておけばよい。以下、この定数を第2の定数と記す。
【0057】
図8は、タッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値の変化の例を示す説明図である。当初、周囲環境値がE1であり、タッチ検出判定閾値がTh1であり、ノイズレベル検出閾値がTh2であったとする。周囲環境値は、タッチパネル装置の周囲の温度が高いほど上昇し、周囲の温度が低いほど下降する。周囲の温度が高くなったことにより、周囲環境値がE2に変化したとする。このとき、タッチセンサIC2は、タッチ検出判定閾値をTh1’に更新し、ノイズレベル検出閾値をTh2’に更新する。さらに周囲の温度が高くなったことにより、周囲環境値がE3に変化したとする。このとき、タッチセンサIC2は、タッチ検出判定閾値をTh1’’に更新し、ノイズレベル検出閾値をTh2’ ’に更新する。このとき、以下の式(1)および式(2)が成立する。
【0058】
Th1−E1=Th1’−E2=Th1’’−E3 式(1)
E1−Th2=E2−Th2’=E3−Th2’’ 式(2)
【0059】
Th1−E1の値は、第1の定数である。また、E1−Th2の値は、第2の定数である。
【0060】
次に、タッチセンサIC2の構成について説明する。図9は、タッチセンサIC2の構成例を示すブロック図である。タッチセンサIC2は、マルチプレクサ21a,21bと、A−Dコンバータ22と、電圧励起部23と、タイミングコントローラ24と、制御部25と、レジスタ26と、閾値算出部27と、変動幅判定部28と、クロック信号生成部29と、分周器30と、インタフェース部31(以下、I/F部31と記す。)
【0061】
クロック信号生成部29は、クロック信号を生成する。分周器30は、クロック信号生成部29によって生成されたクロック信号を分周する。すなわち、クロック信号生成部29によって生成されたクロック信号の周波数を低下させる。クロック信号の周波数をどれだけ低下させるかは、制御部25によって指示される。
【0062】
マルチプレクサ21a,21bは、それぞれ個々のセンサ電極に接続される。また、マルチプレクサ21a,21bは、個々のセンサ電極を順次選択する。マルチプレクサ21bは、電圧励起部23に従って、センサ電極に対して電荷の充電および放電を行う。また、もう一方のマルチプレクサ21aには、センサ電極の周囲の静電容量に応じた電圧が入力される。
【0063】
電圧励起部23は、マルチプレクサ21bを介して、センサ電極に対して電荷の充電および放電を行うことによって、センサ電極の電位をオン電位またはオフ電位に設定する。電圧励起部23は、センサ電極の電位をオン電位にする期間、および、オフ電位にする期間は、分周器30による分周後のクロック周波数に応じて定める。
【0064】
A−Dコンバータ22は、マルチプレクサ21aに入力された、センサ電極の周囲の静電容量に応じた電圧(すなわち、静電容量の計測結果)をデジタル値に変換する。本実施形態では、A−Dコンバータ22は、センサ電極の周囲の静電容量の値が大きいほど、変換後のデジタル値の値が高くなるように電圧を変換する。
【0065】
タイミングコントローラ24は、電圧励起部23およびA−Dコンバータ22の動作タイミングを制御する。
【0066】
レジスタ26は、最新のタッチ検出判定閾値およびタッチ検出判定閾値を記憶する。レジスタ26がさらに他の情報を記憶していてもよい。
【0067】
I/F部31は、CPU16との通信インタフェースである。なお、I/F部31の方式は、シリアルインタフェースであっても、パラレルインタフェースであってもよい。
【0068】
変動幅判定部28は、センサ電極の周囲の静電容量を示すデジタル値と、ノイズレベル検出閾値とを比較し、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値よりも大きいか否かを判定する。
【0069】
閾値算出部27は、過去の一定サンプル数分の、タッチがないと判定したときの静電容量を示すデジタル値を記憶し、そのデジタル値の平均値を算出することによって、周囲環境値を求める。そして、閾値算出部27は、周囲環境値に第1の定数を加算した値をタッチ検出判定閾値とする。この結果、タッチ検出判定閾値と周囲環境値との差は一定に保たれる。同様に、閾値算出部27は、周囲環境値から第2の定数を減算した値をノイズレベル検出閾値とする。この結果、周囲環境値とノイズレベル検出閾値との差も一定に保たれる。
【0070】
制御部25は、閾値算出部27によって定められたタッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値をレジスタ26に記憶させる。
【0071】
また、制御部25は、変動幅判定部28によって、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させると判定された場合、分周器30が出力するクロック周波数を変化させる。
【0072】
また、制御部25は、センサ電極の周囲の静電容量を示すデジタル値と、タッチ検出判定閾値とを比較し、タッチパネル装置に対する指のタッチの有無を判定する。そして、制御部25は、シリアルI/F部31を介して、タッチの有無の判定結果をCPU16(図5参照)に送信する。タッチがあると判定した場合、制御部25は、タッチ位置の情報も合わせてCPU16に送信する。
【0073】
図10は、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変更する際の処理経過の例を示すフローチャートである。まず、A−Dコンバータ22に、センサ電極の周囲の静電容量に応じた電圧が入力される。すると、A−Dコンバータ22は、その電圧をデジタル値に変換する(ステップS1)。A−Dコンバータ22は、そのデジタル値を制御部25に入力する。
【0074】
制御部25は、ステップS1で得られたデジタル値(静電容量を示すデジタル値)と、レジスタ26に記憶されているタッチ検出判定閾値とを比較して、タッチパネル装置に対する指のタッチの有無を判定する(ステップS2)。制御部25は、静電容量を示すデジタル値がタッチ検出判定閾値以下であれば、タッチはないと判定する。また、制御部25は、静電容量を示すデジタル値がタッチ検出判定閾値を超えていれば、タッチがあると判定する。
【0075】
ステップS2でタッチがないと判定した場合、制御部25は、ステップS1で得られたデジタル値を閾値算出部27に入力する。すると、閾値算出部27は、新たに入力され静電容量を示すデジタル値を記憶し、それまで記憶していた最も古い時刻における静電容量を示すデジタル値を削除する。この結果、閾値算出部27は、過去の一定サンプル数分の、タッチがないと判定したときの静電容量のデジタル値を記憶することになる。そして、閾値算出部27は、記憶している静電容量のデジタル値の平均値である周囲環境値を算出する(ステップS3)。
【0076】
続いて、閾値算出部27は、タッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値を新たに求め直す(ステップS4)。
【0077】
具体的には、閾値算出部27は、ステップS3で算出した周囲環境値に第1の定数を加算することによって、タッチ検出判定閾値を求め直す。第1の定数は、タッチパネルモジュールの駆動周波数がfの整数倍でないという条件のもとで、タッチ有無の誤判定が生じないように設計者が予め定めておけばよい。
【0078】
また、閾値算出部27は、ステップS3で算出した周囲環境値から第2の定数を減算することによって、ノイズレベル検出閾値を求め直す。第2の定数は、タッチパネルモジュールの駆動周波数がfの整数倍であるという条件のもとで、タッチパネル装置に対する指のタッチがない場合の静電容量のデジタル値の変動幅に基づいて設計者が予め定めておけばよい。
【0079】
ステップS4において、閾値算出部27は新たに求めたタッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値を制御部25に入力する。制御部25は、そのタッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値で、レジスタ26に記憶されているタッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値を更新する。
【0080】
次に、制御部25は、ステップS1で得られたデジタル値(静電容量を示すデジタル値)を変動幅判定部28に入力する。変動幅判定部28は、その静電容量を示すデジタル値と、レジスタ26に記憶されているノイズレベル検出閾値とを比較することによって、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS5)。変動幅判定部28は、静電容量を示すデジタル値がノイズレベル検出閾値未満であれば、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値よりも大きいと判定する。また、変動幅判定部28は、静電容量を示すデジタル値がノイズレベル検出閾値以上であれば、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値以下であると判定する。変動幅判定部28は、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値よりも大きいか否かの判定結果を制御部25に入力する。
【0081】
なお、ステップS5の処理は、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変更するか否かを判定する処理であるということができる。
【0082】
制御部25は、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値よりも大きい場合(ステップS5におけるYes)、タッチパネルモジュールの駆動周波数を変更する(ステップS6)。具体的には、制御部25は、クロック信号生成部29によって生成されたクロック信号の周波数を分周器30が低下させる程度を変化させる。この結果、電圧励起部23がセンサ電極の電位をオン電位にする期間、および、オフ電位にする期間が変更され、タッチパネルモジュールの駆動周波数が変化する。
【0083】
ステップS6の後、制御部25は、ステップS2におけるタッチの有無の判定結果をCPU16(図5参照)に送信する(ステップS7)。
【0084】
また、制御部25は、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値以下である場合(ステップS5におけるNo)、ステップS6を行うことなく、ステップS7に移行し、ステップS2におけるタッチの有無の判定結果をCPU16に送信する。ステップS6またはステップS5からステップS7に移行した場合、制御部25は、「タッチなし」という判定結果をCPU16に送信する。
【0085】
また、ステップS2でタッチがあると判定した場合、制御部25は、ステップS3〜S6を行うことなく、ステップS7に移行し、ステップS2におけるタッチの有無の判定結果をCPU16に送信する。この場合、制御部25は、「タッチあり」という判定結果をCPU16に送信する。また、このとき、制御部25は、その判定を導出した静電容量の測定時に選択された列電極11および行電極12に基づいて、タッチ位置を判定する。そして、制御部25は、「タッチあり」という判定結果とともに、タッチ位置の情報もCPU16に送信する。
【0086】
以降、A−Dコンバータ22にセンサ電極の周囲の静電容量に応じた電圧が入力されると、タッチセンサIC2はステップS1以降の動作を繰り返す。
【0087】
本発明では、静電容量を示すデジタル値がノイズレベル検出閾値未満になったときに、タッチセンサIC2がタッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させる。静電容量を示すデジタル値がノイズレベル検出閾値未満であるということは、タッチパネルモジュールの駆動周波数がfの整数倍に該当したため、静電容量の変動幅が大きくなった状態であるということができる。本発明では、この状態を検出すると、タッチセンサIC2がタッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させるので、タッチパネルモジュールの駆動周波数をfの整数倍の周波数からずらすことになる。よって、液晶表示装置からのノイズを抑え、静電容量の変動幅を小さくすることができる。その結果、GNDシールドを設けたり、あるいは、ガスケットを配置して液晶表示装置5とタッチパネル装置10(図4参照)の間に厚みの大きなエアギャップを設けたりしなくても、タッチの有無の誤判定を防止することができる。
【0088】
また、静電容量を示すデジタル値がノイズレベル検出閾値未満であるという条件が満たされていないときには、タッチセンサIC2がタッチパネルモジュールの駆動周波数を変化させない。従って、駆動周波数を常時切り替え続ける必要はない。
【0089】
また、閾値算出部27が、周囲環境値の変化に合わせて、タッチ検出判定閾値およびノイズレベル検出閾値を変化させる。従って、タッチパネル装置の周囲の温度が変化したとしても、誤判定の発生を防止することができる。
【0090】
また、静電容量の計測値の変動を小さく抑えられることで、SNR(Signal to Noise Ratio)を向上させることができる。SNRは、タッチありのときの静電容量のデジタル値の平均値と周囲環境値との差と、周囲環境値との比である。SNRが高ければ、例えば、カバーガラスの厚みを厚くしてもタッチの検出が可能となる。従って、本発明によれば、タッチパネルの設計の自由度も向上させることができる。
【0091】
次に、上記の実施形態の種々の変形例について説明する。
図11は、本発明のタッチパネル装置においてカバーガラスを設けない場合の構成例を示す模式的断面図である。図4に示す要素と同様の構成要素については、図4と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0092】
図11に示す例では、タッチパネル基板43の背面側にセンサ電極42が配置される。なお、センサ電極42は、より具体的には、複数の行電極および複数の列電極である。センサ電極42がタッチパネル基板43の背面側に存在することによって、タッチパネル基板43は、センサ電極42と指とが直接接触しないようにする。また、タッチパネル基板43がセンサ電極42を保護する。
【0093】
図11に例示する構成では、タッチパネル基板43がカバーガラスとしての役割を果たすので、カバーガラスを設ける必要がなく、タッチパネル装置をより薄くすることができる。
【0094】
また、A−Dコンバータ22による電圧のA−D変換の態様によっては、タッチ検出判定閾値を周囲環境値よりも小さな値とし、ノイズレベル検出閾値を周囲環境値よりも大きな値としてもよい。例えば、A−Dコンバータ22がセンサ電極の周囲の静電容量の値が大きいほど、変換後のデジタル値の値が低くなるように電圧を変換する場合、タッチ検出判定閾値を周囲環境値よりも小さな値とし、ノイズレベル検出閾値を周囲環境値よりも大きな値とすればよい。
【0095】
この場合、閾値算出部27は、周囲環境値から第1の定数を減算することでタッチ検出判定閾値を算出すればよい。また、閾値算出部27は、周囲環境値に第2の定数を加算することでノイズレベル検出閾値を算出すればよい。
【0096】
また、制御部25は、静電容量を示すデジタル値がタッチ検出判定閾値以上であれば、「タッチなし」と判定し、静電容量を示すデジタル値がタッチ検出判定閾値未満であれば「タッチあり」と判定すればよい。
【0097】
また、変動幅判定部28は、静電容量を示すデジタル値がノイズレベル検出閾値を超えていれば、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値よりも大きいと判定し、静電容量を示すデジタル値がノイズレベル検出閾値以下であれば、タッチがないときの静電容量の変動幅が所定値以下であると判定すればよい。
【0098】
また、タッチパネル装置の背面に配置される表示装置は、TFT型液晶表示装置に限定されず、他の表示装置であってもよい。例えば、タッチパネル装置の背面にパッシブマトリクス型液晶表示装置、IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置、あるいは有機EL表示装置等が配置されてもよい。いずれの場合であっても、本発明によれば、表示装置の透明基板上の電極に起因するノイズを防止することができる。
【0099】
また、上記の実施形態では、Duty比を一定に保つ場合を説明したが、ステップS6において、Duty比を変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、タッチパネル装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0101】
1 タッチパネルモジュール
2 タッチセンサIC
4 カバーガラス
5 TFT型液晶表示装置
6 液晶ドライバIC
8 バックライト
21a,21b マルチプレクサ
22 A−Dコンバータ
23 電圧励起部
25 制御部
27 閾値算出部
28 変動幅判定部
29 クロック信号生成部
30 分周器
42 センサ電極
43 タッチパネル基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体がタッチしたか否かを判定するタッチパネル装置であって、
導体と対になってキャパシタを形成するセンサ電極と、
センサ電極が配置されるタッチパネル基板と、
センサ電極に対して2種類の電位を周期的に設定する電位設定手段と、
センサ電極の周囲の静電容量と第1の閾値とを比較することにより、当該タッチパネル装置に対する導体のタッチの有無を判定するタッチ判定手段と、
タッチがないときの静電容量と、第2の閾値とを比較することにより、センサ電極に関する駆動周波数を変更するか否かを判定する周波数変更判定手段と、
前記駆動周波数を変更すると判定されたときに、前記駆動周波数を変更する周波数変更手段とを備える
ことを特徴とするタッチパネル装置。
【請求項2】
過去の一定サンプル数分の、タッチがないときの静電容量の平均値である周囲環境値を算出し、周囲環境値の変化に合わせて、第1の閾値および第2の閾値を変化させる閾値制御手段を備える
請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
過去の一定サンプル数分の、タッチがないときの静電容量の平均値である周囲環境値と、第1の閾値と、第2の閾値との間に、第1の閾値が周囲環境値より大きな値であり、第2の閾値が周囲環境値より小さな値であるという関係がある
請求項1または請求項2に記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
センサ電極は、タッチパネル基板の背面側の面に配置される
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のタッチパネル装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate