説明

タッチパネル

【課題】並進対称性(Translation Symmetry)を有さず、回転対称性(Rotational Symmetry)を有するように電極パターンを形成することにより、モアレ現象が発生することを防止することができるタッチパネルを提供する。
【解決手段】本発明によるタッチパネルは、1個の第1正五角形と、第N−1正五角形の外側辺を共有するように配置された(N−1)×5個の第N正五角形(Nは自然数であり、2〜特定数まで順に代入される)と、を含むパターンで形成された電極パターン110を含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、ポータブル伝送装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスのような様々な入力装置(Input Device)を用いてテキスト及びグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在入力装置の機能を担当しているキーボード及びマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報入力が可能な機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計及び加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置としてタッチパネル(Touch Panel)が開発された。
【0005】
このようなタッチパネルは、電子手帳、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device;LCD)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置及びCRT(Cathode Ray Tube)のような画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが映像表示装置を見ながら所望の情報を選択するようにするために利用される機器である。
【0006】
一方、タッチパネルの種類は、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁気方式(Electro−Magnetic Type)、弾性表面波方式(Surface Acoustic Wave Type;SAW type)及びインフラレッド方式(Infrared Type)に区分される。このように様々な方式のタッチパネルは、信号増幅の問題、解像度の差、設計及び加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性及び経済性を考慮して電子製品に用いられるが、現在最も広い分野で用いられるものは、抵抗膜方式タッチパネルと静電容量方式タッチパネルである。
【0007】
一方、タッチパネルは、特許文献1に開示されたように、金属を用いて電極パターンを形成しようとする研究が活発に進められている。このように、金属で電極パターンを形成すると、電気伝導度に優れ、需給が円滑であるという長所がある。しかし、金属で電極パターンを形成する場合、ユーザに認識されることを防止するためにマイクロメータ(μm)単位のメッシュ(Mesh)構造で形成しなければならない。しかし、規則的で一定の間隔のメッシュ構造でタッチパネルの電極パターンを形成すると、タッチパネルの電極パターンと画像表示装置(LCDなど)に備えられたカラーフィルター(Color Filter)のブラックマトリックス(Black Matrix)パターン間の周期特性が重複するため、モアレ(moire)現象が発生して視認性が低下されるという問題点が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2010−0091497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような問題点を解決するために導き出されたものであって、並進対称性(Translation Symmetry)を有さず、回転対称性(Rotational Symmetry)を有するように電極パターンを形成することにより、モアレ現象が発生することを防止することができるタッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好ましい第1実施例によるタッチパネルは、1個の第1正五角形と、第N−1正五角形の外側辺を共有するように配置された(N−1)×5個の第N正五角形(Nは自然数であり、2〜特定数まで順に代入される)と、を含むパターンで形成された電極パターンを含む構成を有する。
【0011】
ここで、前記第1正五角形から前記第N正五角形は、辺の長さが互いに同一であることを特徴とする。
【0012】
また、隣接した2個の前記第N正五角形及び前記2個の第N正五角形に隣接した2個の第N+1正五角形の間には、二つの内角が36°で残り二つの内角が144°であるひし形が形成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記電極パターンが形成された透明基板をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記電極パターンは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせで形成されることを特徴とする。
【0015】
また、前記電極パターンは、銀塩乳剤層を露光/現像して形成される金属銀で形成されることを特徴とする。
【0016】
本発明の好ましい第2実施例によるタッチパネルは、二つの内角が72°で残り二つの内角が108°であり、内角が72°である所定頂点を中心に互いに2つの辺を共有するように配置された5個の第1ひし形と、二つの内角が36°で残り二つの内角が144°であり、内角が144°である2つの辺が隣接した2個の前記第1ひし形の外側の2つの辺を共有するように配置された5個の第2ひし形と、で構成される第1所定パターンから第N所定パターンを含み(Nは自然数であり、2〜特定数まで順に代入される)、前記第1所定パターンは1個であり、前記第N所定パターンは(N−1)×5個であり、(N−1)×5個の前記第N所定パターンは、前記第1所定パターンの前記所定頂点を中心に、前記第N所定パターンの前記所定頂点が正(N−1)×5角形を形成するように配置されるパターンで形成された電極パターンを含んで構成される。
【0017】
ここで、前記第1ひし形と前記第2ひし形は、辺の長さが互いに同一であることを特徴とする。
【0018】
また、前記電極パターンは、前記第1所定パターンから前記第N所定パターン以外の部分には、二つの内角が72°で残り二つの内角が108°である第3ひし形と、二つの内角が36°で残り二つの内角が144°である第4ひし形とが配置されることを特徴とする。
【0019】
また、前記第3ひし形と前記第1ひし形は、辺の長さが互いに同一であり、前記第4ひし形と前記第2ひし形は、辺の長さが互いに同一であることを特徴とする。
【0020】
また、前記電極パターンが形成された透明基板をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記電極パターンは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせで形成されたことを特徴とする。
【0022】
また、前記電極パターンは、銀塩乳剤層を露光/現像して形成される金属銀で形成されたことを特徴とする。
【0023】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0024】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、電極パターンが並進対称性(Translation Symmetry)を有さず、回転対称性(Rotational Symmetry)を有するため、モアレ現象が発生することを防止することができ、それによって、タッチパネルの視認性を改善することができる長所がある。
【0026】
また、本発明によると、電極パターンが準周期的特性を有するため、電極パターンの単位面積当り開口率を一定に維持することができ、タッチパネルは、均一な電気伝導度と視覚性を確保することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】本発明の好ましい第1実施例によるタッチパネルの平面図である。
【図1B】図1Aに図示された電極パターンを説明するための拡大図及び陰影を付加した平面図である。
【図2】図1Aに図示された電極パターンの回転対称性を示す平面図である。
【図3】図1Aの電極パターンにカラーフィルターのブラックマトリックスパターンが重複した状態を図示した平面図である。
【図4】図1Aの電極パターンにカラーフィルターのブラックマトリックスパターンが重複した状態を図示した平面図である。
【図5】図1Aの電極パターンにカラーフィルターのブラックマトリックスパターンが重複した状態を図示した平面図である。
【図6A】本発明の好ましい第2実施例によるタッチパネルの平面図である。
【図6B】図6Aに図示された電極パターンを説明するために拡大図、陰影、補助線及び太線を付加した平面図である。
【図7】図6Aに図示された電極パターンの回転対称性を示す平面図である。
【図8】図6Aの電極パターンにカラーフィルターのブラックマトリックスパターンが重複した状態を図示した平面図である。
【図9】図6Aの電極パターンにカラーフィルターのブラックマトリックスパターンが重複した状態を図示した平面図である。
【図10】図6Aの電極パターンにカラーフィルターのブラックマトリックスパターンが重複した状態を図示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係わる以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。本明細書において、第1、第2などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、前記構成要素は前記用語によって限定されない。
【0029】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0030】
図1Aは、本発明の好ましい第1実施例によるタッチパネルの平面図であり、図1Bは、図1Aに図示された電極パターンを説明するための拡大図及び陰影を付加した平面図である。
【0031】
図1A及び図1Bに図示されたように、本実施例によるタッチパネルは、1個の第1正五角形120、及び第N−1正五角形の外側辺を共有するように配置された(N−1)×5個の第N正五角形(Nは自然数であり、2〜特定数まで順に代入される)を含むパターンで形成された電極パターン110を含む構成を有する。
【0032】
前記電極パターン110は、ユーザがタッチする際に信号を発生してコントローラーでタッチ座標を認識できるようにする役目をするものであって、透明基板100で形成される。ここで、電極パターン110は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせで形成することができる。この際、電極パターン110は、メッキ工程やスパッタ(Sputter)を用いた蒸着工程で形成することができる。一方、電極パターン110を銅(Cu)で形成する場合、電極パターン110の表面は、黒化処理が施されることができる。ここで、黒化処理とは、電極パターン110の表面を酸化させてCuOまたはCuOを析出することにより、CuOは、褐色を帯びるため、ブラウンオキシド(Brown Oxide)とし、CuOは、黒色を帯びるため、ブラックオキシド(Black Oxide)とする。このように、電極パターン110の表面に黒化処理を施すことにより、光が反射することを防止することができ、それによって、タッチパネルの視認性を改善することができる長所がある。また、前記金属の他にも電極パターン110は、銀塩乳剤層を露光/現像して形成される金属銀で形成することもできる。
【0033】
一方、電極パターン110は、1個の第1正五角形120、及び第N−1正五角形の外側辺を共有するように配置された(N−1)×5個の第N正五角形を含むパターンで形成される。ここで、Nは、自然数であり、2〜特定数まで順に代入されるものであり、第N−1正五角形の外側辺とは、第N−1正五角形の辺のうち第N−2正五角形と共有する辺から最も離れている1個または2つの辺を意味する。例えば、1個の第1正五角形120を中心に、5個の第2正五角形123が第1正五角形120の外側辺を共有するように配置され、10個の第3正五角形125が第2正五角形123の外側辺を共有するように配置される。結果、第N正五角形が第N−1正五角形の外側辺を共有するとともに、第1正五角形120から外側に拡張される。この際、第N正五角形の辺が第N−1正五角形の外側辺を共有するために、第1正五角形120から第N正五角形まで辺の長さは、互いに同一でなければならない。
【0034】
また、前記のように、第1正五角形120から第N正五角形まで配置すると、隣接した2個の第N正五角形及びこれに隣接した2個の第N+1正五角形との間には、二つの内角が36°で残り二つの内角が144°であるひし形130が形成される。例えば、図1Bの拡大図に図示されたように、隣接した2個の第2正五角形123及びここに隣接した2個の第3正五角形125の間には、2つの内角が36°で残り二つの内角が144°であるひし形130が形成される。但し、隣接した第N正五角形の向き合う辺は、36°または108°を形成するが、ひし形130は、隣接した第N正五角形の向き合う辺が36°を形成する際に形成される。
【0035】
従って、電極パターン110は、正五角形120、123、125と、ひし形130(二つの内角が36°で残り二つの内角が144°)とを含むパターンで形成される。
【0036】
このように、電極パターン110を、正五角形120、123、125と、ひし形130とを含むパターンで形成すると、電極パターン110は、並進対称性(Translation Symmetry)を有さず、回転対称性(Rotational Symmetry)を有する。ここで、並進対称性とは、一定方向に一定距離だけ移動させた時に本来のパターンと上下左右が変わらないことを意味し、回転対称性とは、一定角度で転させた時に本来のパターンと形態が一致することを意味する。具体的に、図2は、図1Aに図示された電極パターンの回転対称性を示す平面図であり、図2に図示されたように、電極パターン110は、第1正五角形の中心120aを基準に72°回転させた時に本来のパターンとの形態が一致する。これにより、電極パターン110が回転対称性を有することが分かる。
【0037】
従って、タッチパネルの電極パターン110は、回転対称性を有する反面、画像表示装置(LCDなど)に備えられたカラーフィルター(Color Filter)のブラックマトリックス(Black Matrix)パターンは、周期的な格子構造を有するため、並進対称性を有する。従って、電極パターン110とブラックマトリックスパターンは、互いに周期特性が重複しないため、モアレ現象が発生することを防止することができる。
【0038】
より具体的に、図3〜図5を参照して、モアレ現象が発生しないことを説明すると、次のとおりである。
【0039】
図3〜図5は、図1Aの電極パターンにカラーフィルターのブラックマトリックスパターンが重複した状態を図示した平面図である。
【0040】
図3に図示されたように、電極パターン110は、回転対称性を有する反面、画像表示装置(LCDなど)に備えられたカラーフィルターのブラックマトリックスパターン140は、並進対称性(周期的な格子構造)を有する。そのため、電極パターン110とブラックマトリックスパターン140が重複するように配置しても、干渉現象が発生することを最小化することができ、それによって、モアレ現象を防止することができる。
【0041】
また、図4及び図5に図示されたように、電極パターン110とブラックマトリックスパターン140を重複した状態で、5°(図4参照)〜7°(図5参照)まで回転させても、また干渉現象が発生することを最小化することができ、それによって、モアレ現象を防止することができる。
【0042】
それだけでなく、電極パターン110が準周期的特性(回転対称性有)を有するため、電極パターン110の単位面積当り開口率を一定に維持することができ、タッチパネルは、均一な電気伝導度と視覚性を確保することができる。
【0043】
一方、電極パターン110は、透明基板100(図1A参照)で形成されるが、ここで透明基板100は、電極パターン110を支持する支持力と、画像表示装置から提供される画像をユーザが認識できるように、透明性とを有しなければならない。上述の支持力と透明性を考慮して、透明基板100は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、二軸延伸ポリスチレン(K樹脂含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラスまたは強化ガラスなどで形成することが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
さらに、透明基板100を活性化させるために、高周波処理またはプライマー(Primer)処理を施すことが好ましい。このように、透明基板100を活性化させることにより、透明基板100と電極パターン110との間の接着力を向上させることができる。
【0045】
また、透明基板100は、タッチパネルの最外側に備えられたウィンドウ(Window)であってもよい。透明基板100がウィンドウである場合、ウィンドウに直接電極パターン110が形成されるため、別途の透明基板100に電極パターン110を形成した後、前記透明基板100をウィンドウに付着する工程を省略して製造工程を単純化することができ、タッチパネルの全体的な厚さを減少させることができる。
【0046】
図6Aは、本発明の好ましい第2実施例によるタッチパネルの平面図であり、図6Bは図6Aに図示された電極パターンを説明するために拡大図、陰影、補助線及び太線を付加した平面図である。
【0047】
図6A及び図6Bに図示されたように、本実施例によるタッチパネルは、二つの内角が72°で残り二つの内角が108°であり、内角が72°である所定頂点230a、240a、250aを中心に互いに2つの辺を共有するように配置された5個の第1ひし形220、及び二つの内角が36°で残り二つの内角が144°であり、内角が144°である2つの辺が隣接した2個の第1ひし形220の外側の2つの辺を共有するように配置された5個の第2ひし形225で構成される第1所定パターン230から第N所定パターンを含み(図6Bの右側の拡大図参照)、(Nは自然数であり、2〜特定数まで順に代入される)、第1所定パターン230は、1個であり、第N所定パターンは、(N−1)×5個であり、(N−1)×5個の第N所定パターンは、第1所定パターンの所定頂点230aを中心に第N所定パターンの所定頂点240a、250aが、正(N−1)×5角形を形成するように配置されるパターンで形成された電極パターン210を含む構成を有する。
【0048】
本実施例によるタッチパネルは、前記第1実施例によるタッチパネルと比較すると、電極パターン210が相違している。従って、本実施例は、電極パターン210を中心に記述し、前記第1実施例と重複する内容は簡単に説明する。
【0049】
前記電極パターン210は、ユーザがタッチする際に信号を発生させてコントローラーでタッチ座標を認識できるようにする機能をするものであって、透明基板100で形成される。ここで、電極パターン210は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせで形成することができる。また、上記金属の他にも電極パターン210は、銀塩乳剤層を露光/現像して形成された金属銀で形成することもできる。
【0050】
一方、電極パターン210は、第1所定パターン230から第N所定パターン(第2所定パターン240、第3所定パターン250)を含むパターンで形成され、前記Nは、自然数であり、2〜特定数まで順に代入される。また、図6Bの右側の拡大図に図示されたように、第1所定パターン230から第N所定パターン(第2所定パターン240、第3所定パターン250)は、第1ひし形220と第2ひし形225で構成される。ここで、第1ひし形220は、二つの内角が72°で残り二つの内角が108°であり、第2ひし形225は、二つの内角が36°で残り二つの内角が144°である。この際、第1ひし形220は、5個が備えられ、内角が72°である所定頂点230a、240a、250aを中心に互いに2つの辺を共有するように配置される。また、第2ひし形225は、5個が備えられ、内角が144°である2つの辺が隣接した2個の第1ひし形220の外側の2つの辺を共有するように配置される。即ち、第1所定パターン230ないし第N所定パターン(第2所定パターン240及び第3所定パターン250)は、5個の第1ひし形220それぞれが72°を形成、即ち、5個の第1ひし形220が合計360°を形成するように配置され、5個の第2ひし形225が5個の第1ひし形220の外側で前記第1ひし形220と辺を共有するように配置される。この際、第2ひし形225と第1ひし形220が辺を共有するために、第1ひし形220と第2ひし形225は、辺の長さが互いに同一でなければならない。
【0051】
また、第1所定パターン230は、1個が備えられ、第N所定パターンは、(N−1)×5個が備えられる(例えば、第2所定パターン240は5個、第3所定パターン250は10個が備えられる)。ここで、(N−1)×5個の第N所定パターンは、第1所定パターンの所定頂点230aを中心に第N所定パターンの所定頂点240a、250aが正(N−1)×5角形を形成するように配置される。例えば、5個の第2所定パターン240は、第1所定パターンの所定頂点230aを中心に第2所定パターンの所定頂点240aが正五角形260を形成するように配置され、10個の第3所定パターン250は、第1所定パターンの所定頂点230aを中心に第3所定パターンの所定頂点250aが正十角形270を形成するように配置される。
【0052】
一方、電極パターン210を形成するパターンのうち、第1所定パターン230から第N所定パターン以外の部分には、二つの内角が72°で残り二つの内角が108°である第3ひし形227と、二つの内角が36°で残り二つの内角が144°である第4ひし形229が配置される(図6Bの左側の拡大図参照)。ここで、第3ひし形227は、第1ひし形220と辺の長さが互いに同一であり、第4ひし形229は、第2ひし形225と辺の長さが互いに同一である。結果、電極パターン210は、二つの内角が72°で残り二つの内角が108°であるひし形(第1ひし形220、第3ひし形227)と二つの内角が36°で残り二つの内角が144°であるひし形(第2ひし形225、第4ひし形229)で構成されたパターンで形成される。
【0053】
このように、電極パターン210を第1ひし形〜第4ひし形220、225、227、229で構成されたパターンで形成すると、電極パターン210は、並進対称性を有さず、回転対称性を有する。具体的に、図7は、図6Aに図示された電極パターンの回転対称性を示す平面図であり、図7に図示されたように、電極パターン210は、第1所定パターンの所定頂点230aを基準に72°回転させた場合、本来のパターンと形状が一致する。これにより、電極パターン210が回転対称性を有することが分かる。
【0054】
結果、タッチパネルの電極パターン210は、回転対称性を有する反面、画像表示装置(LCDなど)に備えられたカラーフィルターのブラックマトリックスパターンは、周期的な格子構造であるため、並進対称性を有する。従って、電極パターン210とブラックマトリックスパターンは、互いに周期特性が重複しないため、モアレ現象が発生することを防止することができる。
【0055】
より具体的に、図8〜図10を参照して、モアレ現象が発生しないことを説明すると、次のとおりである。
【0056】
図8〜図10は、図6Aの電極パターンにカラーフィルターのブラックマトリックスパターンが重複した状態を図示した平面図である。
【0057】
図8に図示されたように、電極パターン210は、回転対称性を有する反面、画像表示装置(LCDなど)に備えられたカラーフィルターのブラックマトリックスパターン140は、並進対称性(周期的な格子構造)を有する。そのため、電極パターン210とブラックマトリックスパターン140を重複して配置しても、干渉現象が発生することを最小化することができ、それによって、モアレ現象を防止することができる。
【0058】
また、図9及び図10に図示されたように、電極パターン210とブラックマトリックスパターン140を重複した状態で、5°(図9参照)〜7°(図10参照)まで回転しても、また干渉現象が発生することを最小化することができ、それによって、モアレ現象を防止することができる。
【0059】
それだけでなく、電極パターン210が準周期的特性(回転対称性有)を有するため、電極パターン210の単位面積当り開口率を一定に維持することができ、タッチパネルは、均一な電気伝導度と視覚性を確保することができる。
【0060】
一方、電極パターン210は、透明基板(100、図6A参照)で形成されるが、ここで透明基板100は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、二軸延伸ポリスチレン(K樹脂含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラスまたは強化ガラスなどで形成することが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0061】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは、本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるタッチパネルは、これに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0062】
本発明の単純な変形乃至変更は、いずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、並進対称性(Translation Symmetry)を有さず、回転対称性(Rotational Symmetry)を有するように電極パターンを形成することにより、モアレ現象が発生することを防止することができるタッチパネルに適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
100 透明基板
110、210 電極パターン
120 第1正五角形
120a 第1正五角形の中心
123 第2正五角形
125 第3正五角形
130 ひし形
140 ブラックマトリックスパターン
220 第1ひし形
225 第2ひし形
227 第3ひし形
229 第4ひし形
230 第1所定パターン
230a 第1所定パターンの所定頂点
240 第2所定パターン
240a 第2所定パターンの所定頂点
250 第3所定パターン
250a 第3所定パターンの所定頂点
260 正五角形
270 正十角形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個の第1正五角形と、
第N−1正五角形の外側辺を共有するように配置された(N−1)×5個の第N正五角形(Nは自然数であり、2〜特定数まで順に代入される)と、を含むパターンで形成された電極パターンを含むことを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記第1正五角形から前記第N正五角形は、辺の長さが互いに同一であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
隣接した2個の前記第N正五角形及び前記2個の第N正五角形に隣接した2個の第N+1正五角形の間には、二つの内角が36°で残り二つの内角が144°であるひし形が形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記電極パターンが形成された透明基板をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記電極パターンは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせで形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記電極パターンは、銀塩乳剤層を露光/現像して形成される金属銀で形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項7】
二つの内角が72°で残り二つの内角が108°であり、内角が72°である所定頂点を中心に互いに2つの辺を共有するように配置された5個の第1ひし形と、
二つの内角が36°で残り二つの内角が144°であり、内角が144°である2つの辺が隣接した2個の前記第1ひし形の外側の2つの辺を共有するように配置された5個の第2ひし形と、で構成される第1所定パターンから第N所定パターンを含み(Nは自然数であり、2〜特定数まで順に代入される)、
前記第1所定パターンは1個であり、前記第N所定パターンは(N−1)×5個であり、
(N−1)×5個の前記第N所定パターンは、前記第1所定パターンの前記所定頂点を中心に、前記第N所定パターンの前記所定頂点が正(N−1)×5角形を形成するように配置されるパターンで形成された電極パターンを含むことを特徴とするタッチパネル。
【請求項8】
前記第1ひし形と前記第2ひし形は、辺の長さが互いに同一であることを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記電極パターンは、
前記第1所定パターンから前記第N所定パターン以外の部分には、二つの内角が72°で残り二つの内角が108°である第3ひし形と、二つの内角が36°で残り二つの内角が144°である第4ひし形とが配置されることを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記第3ひし形と前記第1ひし形は、辺の長さが互いに同一であり、
前記第4ひし形と前記第2ひし形は、辺の長さが互いに同一であることを特徴とする請求項9に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記電極パターンが形成された透明基板をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項12】
前記電極パターンは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせで形成されたことを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項13】
前記電極パターンは、銀塩乳剤層を露光/現像して形成される金属銀で形成されたことを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−114667(P2013−114667A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32734(P2012−32734)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】