説明

タッチパネル

【課題】 機械的強度が高く、衝撃に強い構成で、かつ入力位置を正確に検出するタッチパネルを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】 タッチパネルを、表示装置の表示画面の正面に設けて使用する。表示画面を見ながらタッチパネルに接触して文字や図等を入力すると、接触位置に合わせて表示画面の表示が変化する。表示装置においては、TFT群を覆うように樹脂材料でなる層間絶縁膜が設けられ、前記層間絶縁膜上に画素電極が設けられている。前記層間絶縁膜は、少なくともタッチパネルとTFT群との間に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペン先又は指先等による入力位置を光センサーにより検出するタッチパネル
及びタッチパネルを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルには、パネル全面に感圧式、静電容量式のセンサーが形成されてお
り、パネル面をペンや指先で触れることにより、ペン先又は指先の位置をセンサーで検出
している。しかしながら、このようなタッチパネルでは、パネル全面にセンサーを設ける
ため、製造が困難であり、また、機械的な強度に問題がある。
【0003】
そこで、上記の問題点を解消したタッチパネルとして、発光素子と受光素子とをパネル
周囲に対向して設けられた光学式(又は光電式)のタッチパネルが知られている。図8に
光学式のタッチパネルを簡単に示す。図8(A)は上面図であり、図8(B)は図(A)
の一点鎖線A−A'に沿った断面図である。
【0004】
図8に示すように、パネル11の1辺に発光素子12a〜12eがライン状に配列され
、これに対向する辺に受光素子13a〜13eがライン状に配列されている。パネル11
を指で触れると、触れた位置で発光素子12bからの光が遮断されるため、これと対向し
ている受光素子13bの出力信号が減少する。即ち、指先が触れた位置が、出力信号が減
少した受光素子の位置として検出される。
【0005】
しかしながら、図8の光学式タッチパネルでは、光が空気中を伝搬するため、外光の影
響を受け易い。また発光素子12、受光素子13の表面が汚れやすいという欠点も有する
。この欠点を改善したタッチパネルの1つが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−253853号公報
【0007】
図9に示すように、特開平7−253853号公報では、異方性透明結晶よりなる押し
変形自在なパネル21の側面に発光素子22がライン状に配置され、これと対向する側面
に受光素子23がライン状に配置されている。発光素子22、受光素子23がパネル21
側面に密接して設けられているため、汚れの影響が受けにくくなっている。
【0008】
発光素子22からの出射光は光路イに沿って進み、受光素子23に受光される。パネル
21を指で押すと押された部分が歪むため、発光素子22から出射光は光路ロに沿って進
むことになり、受光素子23に受光されない。これにより、指で押した部分の位置が検出
できるというものである。このタッチパネルでは、発光素子の光はパネル内を進むため、
外光の影響を受けずに済む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図9に示した特開平7−253853号公報に記載のタッチパネルでは
、位置検出ためにパネル21を変形しているので、例えばパネル21を液晶パネル上面に
取り付けた場合、パネル21の変形の影響が液晶パネルにも及ぶことになり、セルギャッ
プの維持に影響する。
【0010】
また、上記公報ではパネル21を変形することで、発光素子22の出射光を反射させて
パネル外部へ導いているが、パネル21の変形加減、即ち変形された部分の曲率半径によ
っては、光路イを進んでいた光をパネル21外部に反射させることができず、パネル21
内で散乱されるおそれもある。このような散乱光が生ずると、位置が正確に検出できなく
なってしまう。
【0011】
本発明の目的は、このような欠点を解消し、光センサーを用いて位置を検出するタッチ
パネルであって、外光や汚染、機械的な衝撃に強く、かつ位置を精度良く検出できるタッ
チパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解消するために、本発明に係るタッチパネルは、透光性材料でなる導光板
と、前記導光板の側面に受光面が対向した光センサーアレイと、前記側面と対向する側面
に出射面が対向したレンズシートと、前記レンズシートの入射面を照明する照明手段とを
有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明において、導光板を構成する透光性材料の屈折率は1.4〜1.7である
ことを特徴とする。
【0014】
これは、屈折率が21/2 に近ければ導光板側面から入射する光の入射角が90度であっ
ても、導光板側面で屈折できるためである。即ち、導光板側面への入射角に依らず、側面
への入射光を屈折させることができるため、導光板内に効率よく光を導くことができる。
更に、導光板内に導かれた光を導光板の表面と背面の間で全反射させることができるため
である。
【0015】
上記構成において、照明手段を出射した照明光は、レンズシートにより指向性の高い光
とされた後に、導光板の側面から入射される。入射した光は導光板内を全反射しながら対
向する側面へ進み、光センサーアレイで受光される。導光板の表面を入力ペン又は指先で
触れると、触れた位置では、光が屈折又は吸収されるため、光センサーアレイの受光光量
が減少する。光センサーアレイで、この受光光量の変化が電気的に検出される。
【発明の効果】
【0016】
本発明のタッチパネルは、入力部分に電気的な配線がないため、衝撃に強い。
また、レンズシートにより照明手段からの照明光を指向性の高い光にしてから、導光板内
へ入射させるため、入力位置を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のタッチパネルの上面図及び断面図。
【図2】本発明の入力ペンの説明図。
【図3】本発明のタッチパネルの動作をしめす説明図。
【図4】本発明のタッチパネルの上面図及び断面図。
【図5】本発明のタッチパネル付きの液晶表示装置の模式図。
【図6】EL表示装置の上面図及び断面図。
【図7】本発明のタッチパネルを搭載した情報端末の説明図。
【図8】従来例のタッチパネルの説明図。
【図9】従来例のタッチパネルの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を用いて、 以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[実施形態1] 図1〜図3を用いて、本実施形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明のタッチパネルの構成を示す図である。図1(A)は上面図であり、図
1(B)は図(A)の一点鎖線X−X'に沿った断面図である。本発明のタッチパネル1
00のパネル面は、透光性材料でなる導光板101で形成されている。導光板101の側
面101ybには、Y軸方向の位置(Y座標)を検知するための光センサーアレイ110
が密接して設けられている。側面101ybに対向する側面101yaに沿ってプリズム
レンズシート111が設けられており、プリズムレンズシート111の出射面は側面10
1yaと対向している。更に、照明装置112がプリズムレンズシート111の入射面に
対向して設けられている。
【0020】
一点鎖線Y−Y'に沿った断面構造も図1(B)と同じであり、導光板101の側面1
01xbには、X軸方向の位置(X座標)を検知するための光センサーアレイ120が密
接して設けられている。側面101xbに対向する側面101xaと対向して、プリズム
レンズシート121が設けられている。プリズムレンズシート121の入射面に対向して
、照明装置122が設けられている。
【0021】
本発明において、導光板101は透光性材料で形成される。本発明では、透光性材料と
は、可視光に対する透過率(又は全光線透過率)が80%以上、好ましくは85%以上で
あることを指す。また、本発明では、導光板101を形成する透光性材料の屈折率は1.
4〜1.7とする。
【0022】
このような透光性材料としては、石英ガラスやほうけい酸ガラス等の無機ガラス(屈折
率1.42〜1.7、透過率90〜91%)や、樹脂材料(プラスチック)を用いること
ができる。プラスチックとしては、メタクリル樹脂(具体的はポリメチルメタクリレート
(屈折率1.49、透過率92〜93%))、ポリカーボネート(屈折率1.59、透過
率87〜90%)、ポリスチレン(屈折率1.59、透過率88〜90%)、ポリアリレ
ート(屈折率1.61、透過率80%)、ポリ−4−メチルペンテンー1(屈折率1.4
6、透過率90%)、AS樹脂[アクリロニトリル・スチレン共重合体](屈折率1.5
7、透過率90%)、MS樹脂[メチルメタクレート・スチレン共重合体](屈折率1.
56、透過率90%)等を用いることができ、またこれら樹脂材料を混合した透光性材料
を用いることもできる。
【0023】
なお、本発明では、屈折率はNaのD線(589.3nm)を用いた空気中での屈折率
とする。特に、プラスチックの屈折率や透過率はJISK7105に記載された屈折率測
定法及び全光線透過率測定法に基づいて測定された値で定義される。
【0024】
また、導光板101の厚さは0.1〜10mm、好ましくは3〜7mmとする。これは
あまり薄いと導光板側面101xa、101yaから光を入射させることが困難になり、
照明装置112、122の光利用効率を低下させてしまうためである。厚くなると、表面
101aや背面101bから入射した光が導光板101内を拡散してしまい、位置検出の
精度を低下させてしまうからである。
【0025】
プリズムレンズシート111、121は照明装置112、122からの照明光の指向性
を高める手段であり、プリズムレンズシート112、122は上記した導光板と同じ透光
性材料で形成することができる。図3(A)に示すように、プリズムレンズシート111
の出射側には、三角柱状(三角プリズム状)の凸部111aが連続して形成されている。
プリズムレンズシート121もシート111と同じ構成である。
【0026】
図1(B)に示すように、照明装置112は光源113と、反射シート114を有する
。光源113からの出射光を有効利用するため、反射シート114で光源113の出射側
以外を覆っている。光源113としては、液晶パネルのバックライトに用いられている蛍
光管や発光ダイオード(LED)を用いることができる。ここでは、省電力化のため、光
源113としてLEDランプをライン状に配列した光源を用いる。照明装置122の構成
は照明装置112と同じである。
【0027】
光センサーアレイ110、120は光起電力効果又は光伝導効果を利用した光センサー
が、アレイ状(ライン状)に配列されている。フォトダイオード、フォトトランジスタ、
CdSセル、CdSeセル等の光センサー素子をアレイ状に配列したものや、一次元のイ
メージセンサー、例えばCCD[Charge Coupled Device]、BBD[Bucket Bridge Dev
ice]、CID[Charge Injection Device]
、CPD[Charge Priming Device]やMOS型イメージセンサー等を用いることができ
る。
【0028】
また、汚染や外光の影響をなくすため、光センサーアレイ110、120は導光板10
1の側面101xb、101ybに密着している。また、光センサーアレイ110、12
0に光を確実に導くため、導光板101と光センサーアレイ110、120の受光素子又
は受光画素の隙間は、導光板101よりも屈折率の高い透光性樹脂で埋められている。
【0029】
図2(A)に示すように、本発明のタッチパネルセンサーは入力ペン140を備えてい
る。入力ペンの導光板101と接触する先端部分は透光性材料で形成され、かつその屈折
率は導光板102の屈折率と同じかそれ以上とする。ここでは、製造方法の簡単化のため
、入力ペン140全体を導光板101よりも高い屈折率の透光性材料で形成し、ペン全体
を導光部とした。
【0030】
入力ペン140の先端を形成する透光性材料としては、上述した導光板101を形成す
る材料から適宜に選択することができる。例えば、ポリメチルメタクリレート(屈折率1
.49)で導光板101を形成し、ポリカーボネート(屈折率1.59)で入力ペン14
0を形成することができる。
【0031】
また、入力ペン140のペン先が導光板101表面101aと密着しやすいように、入
力ペン140の先端は適度な弾力性があるほうが好ましく、この点から、ガラスよりも樹
脂材料のほうが好ましい。
【0032】
以下、図3を用いて、本発明のタッチパネルの動作を説明する。図3(A)はパネルの
部分的な上面図であり、図3(B)、(C)は断面図である。なお、図3(A)において
、110ya〜ycは光センサーアレイ110の単位センサーであり、例えば1つのフォ
トダイオード素子、1次元センサーの1画素に対応する。これら単位センサー110ya
〜110ycの受光光量の変化を電気的に検出することにより、Y軸方向の入力位置が検
出される。光センサーアレイ120の構造もアレイ110と同じである。
【0033】
照明装置112から出射した光201はプリズムレンズシート111の受光面を照明し
、プリズムレンズシート111へ入射する。プリズムレンズシート111において、凸部
111aのプリズムの作用により、入射した光はY軸方向に集光され、広がり角が小さい
光202として出射する。即ち、光201のプリズムシート111への入射角は不規則で
あるが、凸部111aの斜面で屈折されることで、光202はY軸方向に集光され、X軸
方向への指向性が高められている。
この結果、導光板101に入射した光203は、導光板101内でY軸方向に広がること
なくX軸に沿って伝搬させることができる。
【0034】
他方、プリズムレンズシート111によって光202はZ軸方向(導光板の膜厚方向)
に集光されないが、導光板101の屈折率が1.4〜1.7であるため、導光板101の
側面101yaへの入射光の入射角が90度に近くとも、光202を側面101ybで屈
折させて、導光板101内部に導くことができる。
【0035】
空気よりも導光板101の屈折率が高いため、図3(B)で実線に示すように、導光板
101内に入射した光203は表面101aと背面101bとの間で全反射されながら、
側面101yaから側面101ybへ伝搬する。
【0036】
上述したように、プリズムレンズシート111によって、光202はZ軸方向(導光板
の膜厚方向)には集光されていない。これにより、光202の導光板101への入射角が
不規則になるので、図3(B)で実線に示すように、光203は不規則な反射角で全反射
されるので、導光板表面101aのあらゆ場所で光203が反射されている。即ち、この
構成によって、(後述するが)、光203が導光板101の表面101aの特定位置だけ
で反射されることがないので、位置を確実に検出することができる。
【0037】
また、本発明では、プリズムレンズシート111により光203をX軸方向に指向性の
強い光にしたため、ある特定の凸部111aから出射した光のほとんどを光センサーアレ
イ110の特定の単位センサーに受光させることができる。即ち、その凸部111aと対
向している単位センサに殆ど受光させることができるので、位置を精度良く検出すること
ができる。
【0038】
また、導光板101の表面101a(背面101b)から入射した外光は、背面101
b(表面101a)へ出射して、導光板101内を拡散することが殆どないので、光セン
サーアレイ110、120に影響を与えることがない。
【0039】
なお、レンズシートはプリズムレンズシート111、121のように、入射角の異なる
光を所定の1方向に集光する作用があればよく、凸部の形状が半円柱状のレンチキュラー
レンズシートを用いても同様の効果を得ることができる。
【0040】
図3(A)、(B)を用いて、照明装置112からの照明光201が光センサーアレイ
110に受光される過程を説明したが、照明装置122からの照明光が光センサーアレイ
120に受光される過程も同様であり、光の伝搬方向がY軸方向である点が異なる。
【0041】
照明装置122からの照明光はプリズムレンズシート121によりX軸方向に集光され
、Z軸方向には集光されていないY軸方向に直進する指向性の高い光にされて、プリズム
レンズシート121から出射する。出射した光は導光板101の側面101xaに入射し
、全反射しながら導光板101内を伝搬して側面101xbから出射し、光センサーアレ
イ120で受光される。
【0042】
位置を入力する場合には、図3(C)に示すように、入力ペン140で導光板101の
表面101aを触れる。入力ペン140は導光板101よりも屈折率が高いため、ペン1
40が触れている箇所では光203の殆どが屈折される。屈折された光204は入力ペン
140内に入射するため、光センサーアレイ111の単位センサー110ybの受光光量
が減少する。この単位センサー110ybの位置が、入力ペン140のペン先のY軸方向
の位置(Y座標)として検出される。同様な原理で、X軸方向の位置も光センサーアレイ
120で検出される。以上により、入力ペン140の接触位置の2次元的な位置(X座標
、Y座標)が検出される。
【0043】
上述したように、本発明では、プリズムレンズシート111により、光202はZ軸方
向では集光されていないので、導光板101に入射した光203は導光板の表面101a
のあらゆる位置で反射されるため、位置を確実に検出することができる。
【0044】
このことは、導光板の表面101aの特定の位置だけで光203が反射されていた場合
を想定すると理解できる。Z軸方向に集光されていると、側面101ya、101xaへ
の入射角が一定になって、導光板の表面101a及び背面101bでの反射角が一定にな
るので、導光板の表面101aの特定の位置だけで光203が反射されることになる。よ
って、光203が反射されていない位置を入力ペン140で触れても、光センサーアレイ
での受光光量に変化がないので、入力位置が検出できない。
【0045】
本発明では、プリズムレンズシート111から出射した光202は、Z軸方向に集光し
ていないため、導光板側面101yaへの入射角もランダムになるので、光203を導光
板表面101a、背面101bのあらゆる位置で反射させることができ、入力位置を確実
に検出することができる。
【0046】
光センサーアレイ110、120の単位センサーの受光光量の変動をより大きくするに
は、入力ペン140内に導かれた屈折光204を再び導光板101入射させないようにす
ることが好ましい。そのため、屈折の効果だけでなく吸収の効果を利用して、光203を
導光板101外部に導くようにすればよい。
【0047】
この場合には、図2(b)に示すように、入力ペン140の導光部141を透光性材料
で形成し、ペン尻に着色樹脂などで光吸収部142を形成する。光吸収部142は入力ペ
ンの装飾も兼ねる。図2(b)の構成は入力ペン140の導光部の屈折率が導光板101
と同じ場合でも、光203を入力ペン140の導光部141に導き易くなる。
【0048】
本発明において、入力ペンはペン先を含むペン軸が透光性材料で形成されていれば、光
を導光板101外部へ導くことができる。これを妨げない限り、入力ペンに適宜に装飾を
施すことができる。
【0049】
また、透光性材料でなる入力ペンだけでなく、指先やペン先が着色されたもので位置入
力をすることもできる。この場合には、指先等が接触した部分で、光203が吸収される
ため、光センサーアレイへ到達する拡散光の強度が小さくなる。なお、ペン先を着色する
色は、照明光201の波長によって吸収効率が最も高くなるようにするのが望ましい。
【0050】
[実施形態2] 図4を用いて、本実施形態を説明する。図4において、図1〜3に示す
符号は同じ構成要素を示す。図4は、本発明のタッチパネルの構成を示す図である。図4
(A)は上面図であり、図4(B)は図(A)の一点鎖線X−X'に沿った断面図である

【0051】
本実施形態は実施形態1の変形例である。本実施形態では、導光板101へ導かれた光
を光センサーアレイ110、120でより効率良く受光されるようしたものである。導光
板101と光センサーアレイ110の間に、1対のプリズムレンズシート301と302
が挿入され、導光板101と光センサーアレイ1120の間に1対のプリズムレンズシー
ト303と304が挿入されている。
【0052】
プリズムレンズシート301、303は導光板101の側面101yb、101xbに
密着されている。プリズムレンズシート301と302、プリズムレンズシート303と
304はプリズム面が互いに直交するように配置されている。
【0053】
上記の構成により、導光板101の側面101ybから出射した光は、プリズムレンズ
シート301でZ軸方向に集光され、次いでY軸方向に集光されるため、光センサーアレ
イ110に効率良く受光される。
【0054】
他方、側面101xbから出射した光はプリズムレンズシート303でZ軸方向に集光
され、更にプリズムレンズシート304によりX軸方向に集光され、光センサーアレイ1
20に受光される。
【0055】
なお、導光板101の側面101yb、101xbから出射される光は、それぞれプリ
ズムレンズシート111、121によりY軸方向、X軸方向に集光されているため、光セ
ンサーアレイ110、120の前面に設けるプリズムレンズシートはZ軸方向に集光作用
のあるレンズシート301、303だけとすることもできる。
【0056】
また、プリズムレンズシート301〜304の代わりに、レンチキュラーレンズシート
を設けることもできる。
【0057】
[実施形態3] 本実施形態は実施形態1、2のタッチパネルを備えた表示装置に関する

【0058】
図5に示すように、本発明のタッチパネル100は、液晶表示装置400等の表示装置
の表示画面の正面に設けて使用する。導光板101が透光性材料で形成されているため、
導光板101を介して表示画面401を見ることができる。表示画面401を見ながらタ
ッチパネル100に入力ペン140により文字や図等を入力すると、入力ペン140の位
置変化に合わせて液晶表示装置の画面が変化する。本発明の導光板101は入力ペン14
0や指先の入力により殆ど変形しないため、下側の液晶表示装置の画面に物理的な力を加
えることがない。
【0059】
もちろん、表示装置としては液晶表示装置の他の表示装置でもよく、プラズマディスプ
レイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等、他の平板型のディスプレイや
、CRTでもよい。
【0060】
また、本発明のタッチパネルは表示装置と組合せなくとも、タブレットとして用いるこ
ともできる。
【0061】
[実施形態4] 実施形態3は液晶表示装置について説明したが、本実施形態では、本発
明のタッチパネルと組み合わせて使用されるEL表示装置について説明する。
【0062】
図6(A)はEL表示装置の上面図である。図6(A)において、10は基板、11は
画素部、12はソース側駆動回路、13はゲート側駆動回路であり、それぞれの駆動回路
は配線14〜16によってFPC17に接続され、外部の回路や電源に接続されている。
【0063】
画素部を囲むようにして、好ましくは駆動回路及び画素部を囲むようにして、シーリン
グ材(ハウジング材ともいう)18が接着剤19によって基板10に固着されて、基板1
0との間に密閉空間20が形成されている。このとき、EL素子は完全に前記密閉空間に
封入された状態となり、外気から完全に遮断される。
【0064】
さらに、シーリング材18と基板10との間の密閉空間20には不活性ガス(アルゴン
、ヘリウム、窒素等)を充填しておいたり、酸化バリウム等の乾燥剤を設けておくことが
望ましい。これによりEL素子の水分等による劣化を抑制することが可能である。
【0065】
図6(B)は本実施例のEL表示装置の断面構造であり、基板10、下地膜21の上に
駆動回路用TFT(ここではnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを組み合わせたC
MOS回路を図示している。)22及び画素部用TFT23(ここではEL素子への電流
を制御するTFTだけ図示している。)が形成されている。これらのTFTは公知の構造
(トップゲート構造またはボトムゲート構造)を用いれば良い。
【0066】
駆動回路用TFT22、画素部用TFT23は樹脂材料でなる層間絶縁膜(平坦化膜)
26に覆われている。層間絶縁膜26の上に、画素部用TFT23のドレインと電気的に
接続する透明導電膜でなる画素電極27が、形成されている。
透明導電膜としては、酸化インジウムと酸化スズとの化合物(ITOと呼ばれる)または
酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることができる。画素電極27を覆って絶縁
膜28が形成され、絶縁膜28上にEL層29が形成されている。絶縁膜28には画素電
極27に対する開口部が形成されている。
【0067】
EL層29は公知のEL材料(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層または電
子注入層)を自由に組み合わせて積層構造または単層構造とすればよい。どのような構造
とするかは公知の技術を用いればよい。また、EL材料には低分子系材料と高分子系(ポ
リマー系)材料がある。低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いるが、高分子系材料を
用いる場合には、スピンコート法、印刷法またはインクジェット法等の簡易な方法を用い
ることが可能である。
【0068】
例えば、シャドーマスクを用いて蒸着法によりEL層を形成する。シャドーマスクを用
いて画素毎に波長の異なる発光が可能な発光層(赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層
)を形成することで、カラー表示が可能となる。その他にも、色変換層(CCM)とカラ
ーフィルターを組み合わせた方式、白色発光層とカラーフィルターを組み合わせた方式が
あるがいずれの方法を用いても良い。勿論、単色発光のEL表示装置とすることもできる

【0069】
EL層29上に陰極30が形成されている。陰極30とEL層29の界面に存在する水
分や酸素は極力排除しておくことが望ましい。従って、真空中でEL層29と陰極30を
連続成膜するか、EL層29を不活性雰囲気で形成し、大気解放しないで陰極30を形成
するといった工夫が必要である。例えば、マルチチャンバー方式(クラスターツール方式
)の成膜装置を用いることで上述のような成膜を可能とする。
【0070】
陰極30として、LiF(フッ化リチウム)膜とAl(アルミニウム)膜の積層構造を
用いる。具体的にはEL層29上に蒸着法で1nm厚のLiF(フッ化リチウム)膜を形
成し、その上に300nm厚のアルミニウム膜を形成する。勿論、公知の陰極材料である
MgAg電極を用いてもよい。
【0071】
陰極30は31で示される領域において配線16に接続されている。配線16は陰極3
0に所定の電圧を与えるための電源供給線であり、導電性ペースト材料32を介してFP
C17に接続される。
【0072】
31に示された領域において、陰極30と配線16とを電気的に接続するために、層間
絶縁膜26及び絶縁膜28にコンタクトホールが形成されている。これらコンタクトホー
ルは層間絶縁膜26のエッチング時(画素電極用コンタクトホールの形成時)や絶縁膜2
8のエッチング時(EL層形成前の開口部の形成時)
に形成しておけば良い。また、絶縁膜28をエッチングする際に、層間絶縁膜26まで一
括でエッチングしてもよい。この場合、層間絶縁膜26と絶縁膜28が同じ樹脂材料であ
れば、コンタクトホールの形状を良好なものとすることができる。
【0073】
配線16はシーリング材18と基板10との間(但し隙間は接着剤19で塞がれている
。)を通ってFPC17に電気的に接続されている。なお、配線16と同様に、他の配線
14、15もシーリング材18の下を通ってFPC17に電気的に接続されている。
【0074】
[実施形態5] 図7を用いて、本実施形態を説明する。本実施形態は、図5に示した、
タッチパネル付きの液晶表示装置を搭載した電子機器に本発明を応用した例である。図7
にキーボードレスの情報端末機器を示す。
【0075】
図7(A)は、wwwブラウズ機能や、電子メール等の通信機能等備えた情報端末機器
1000であり、デジタルカメラ1001を搭載し、画面にはタッチパネル付きの液晶表
示装置1002を用いている。
【0076】
図7(B)は、通信機能を備えた電子手帳1100であり、画面にはタッチパネル付き
の液晶表示装置1102を用いている。
【0077】
本発明のタッチパネルの入力面は導光板でなり、きわめて単純な構造なため、物理的な
衝撃に強いので、図7に示すような携帯型の情報端末機器には好適である。
【0078】
また、本発明は図7に示す情報端末機器だけでなく、従来タッチパネルが用いられてい
たあらゆる電子機器に応用できる。例えば、券売機、現金自動支払機(ATM)、ファク
シミリやコピー機等のOA機器等にも利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性材料でなる導光板と、
前記導光板の側面に受光面が対向した光センサーアレイと、
前記側面と対向する前記導光板の側面に出射面が対向したレンズシートと、
前記レンズシートの入射面を照明する照明手段と、
を有することを特徴とするタッチパネル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−69348(P2013−69348A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−9171(P2013−9171)
【出願日】平成25年1月22日(2013.1.22)
【分割の表示】特願2012−51265(P2012−51265)の分割
【原出願日】平成11年9月27日(1999.9.27)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】