説明

タッチパネル

【課題】 所望の凹凸を備えた三次元形状に成型することが可能なタッチパネルを提供する。
【解決手段】 タッチパネルは、両面に導電層32を設けた基材33をカバーフィルム31で覆ったタッチパネル10において、基材33を易成型樹脂シートであるポリカーボネートで挟んだものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のタッチパネルは、例えば、下記特許文献1に記載されているものが知られている。このタッチパネルは、透明基板及び透明基板の上に設置される透明導電膜を備える。透明導電膜は、X軸方向及びY軸方向に沿って分布される複数の電気容量センサーを備え、これらの電気容量センサーは、均衡な電気抵抗電気容量分布を有する図案にパターン化される。本発明のタッチパネルは、タッチ・スクリーンの上の押圧位置を精確に検出するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−39819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のタッチパネルは、平面もしくは二次曲面を想定しているために、表面に凹凸などを備えた三次元形状の成型には向いておらず、所望の凹凸形状を得にくかった。
【0005】
そこで本発明は、前述の課題を解決するため、所望の凹凸を備えた三次元形状に成型することが可能なタッチパネルの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、両面に導電層を設けた基材からなるタッチパネルにおいて、前記基材を易成型樹脂シートで挟んだものである。
【0007】
また、前記易成型樹脂シートをポリカーボネートとしたものである。
【0008】
また、前記易成型樹脂シートを前記基材に接着層で貼り付けたものである。
【0009】
また、前記易成型樹脂シートに易接着処理を施したものである。
【0010】
また、前記導電層を備えた機材をカバーフィルムで覆い、前記易成型樹脂シートと前記カバーフィルムに易接着処理を施したものである。
【0011】
また、前記易成型樹脂シートの表面に保護層を設けたものである。
【0012】
また、前記基材をポリカーボネートとしたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所期の目的を達成でき、所望の凹凸を備えた三次元形状に成型することが可能なタッチパネルの提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態のタッチパネルの正面図。
【図2】図1中A−A線の断面図。
【図3】同実施形態のタッチパネルの一部拡大断面図。
【図4】本発明の他の実施形態のタッチパネルの一部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1〜図3に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0016】
本実施形態によるタッチパネル10は、図1、2に示すように、凸部11と、凹部12を備えた凹凸形状をしている。
【0017】
タッチパネル10は、易成型樹脂シート1と、接着層2と、(静電容量式)タッチパネル主要部3とで構成されている。(静電容量式)タッチパネル主要部3は、カバーフィルム31と、導電層32と、基材33とで構成されている。
【0018】
本実施形態のタッチパネル10は、静電容量式であり、指先と導電層32との間での静電容量の変化を捉えて前記指先の位置を検出する。
【0019】
易成型樹脂シート1は、成型性の良好な樹脂のシートであり、本実施形態では、ポリカーボネートからなる。易成型樹脂シート1は、圧空成型や熱板成型などの方法によって立体形状に成型しやすく、成型後も形状を保持しやすい。本実施形態では、カバーフィルム31で覆った基材33を易成型樹脂シート1で挟んでいる。
【0020】
接着層2は、粘着剤もしくは接着剤からなり、易成型樹脂シート1と基材33とを密着させ、成型中、成型後に易成型樹脂シート1と基材33とが剥がれないようにするものである。
【0021】
タッチパネル主要部3は、前述したように、カバーフィルム31と、導電層32と、基材33とで構成されている。
【0022】
カバーフィルム31は、合成樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)などのフィルムからなり、導電層32を保護するものであり、導電層32が、基材33から剥がれることを防止するものである。
【0023】
導電層32は、導電性の高い金属ペーストや導電性を有するインクなどからなり、タッチパネル10の表面に電界を形成するものである。前記指先がタッチパネル10に触れたとき、図示しない駆動回路からの微弱電流が前記指先を経由して、周辺環境と駆動回路との間で閉回路を構成する。
【0024】
基材33は、合成樹脂、例えば、PETなどのフィルムからなり、図3中、基材33の上下面に設けた導電層32を絶縁するものである。
【0025】
易成型樹脂シート1とカバーフィルム31に、プラズマ処理、コロナ処理などの易接着処理を施すことによって、汚れの除去などの洗浄効果、表面に凹凸形状を形成する粗面効果を得ることによって、易成型樹脂シート1とカバーフィルム31との接着性を向上させることができる。
【0026】
以上のように構成したことによって、所望の凹凸を備えた三次元形状に成型することが可能なタッチパネル10を提供することができる。
【0027】
また、易成型樹脂シート1の表面にハードコートなどの保護層を設けてもよい。この保護層を設けたことによって、易成型樹脂シート1の傷の発生を抑制することができるとともに、易成型樹脂シート1に触れたときに感触を良好にすることができる。
【0028】
また、他の実施形態として、基材33を易成型樹脂シートであるポリカーボネートとしてもよい。基材33をポリカーボネートとすることによって、一層所望の凹凸を備えた三次元形状に成型することが可能となる。
【0029】
また、さらに他の実施形態として、図4で示すように、易成型樹脂シート1が、カバーフィルム31を兼用し、カバーフィルム31を不要とすることによって、部品点数を削減することで、コスト削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0030】
10 タッチパネル
11 凸部
12 凹部
1 易成型樹脂シート
2 接着層
3 タッチパネル主要部
31 カバーフィルム
32 導電層
33 基材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面に導電層を設けた基材からなるタッチパネルにおいて、前記基材を易成型樹脂シートで挟んだことを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記易成型樹脂シートをポリカーボネートとしたことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記易成型樹脂シートを前記基材に接着層で貼り付けたことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記易成型樹脂シートに易接着処理を施したことを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記導電層を備えた基材をカバーフィルムで覆い、前記易成型樹脂シートと前記カバーフィルムに易接着処理を施したことを特徴する請求項3に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記易成型樹脂シートの表面に保護層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記基材をポリカーボネートとしたことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−73599(P2013−73599A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214692(P2011−214692)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】