説明

タッチメニュー機能を備える飲料調製マシン

本発明は、複数のアイコン(72)であり、複数のアイコンが少なくとも2つのメニューレベルのグループ(73、76、78)に分けられることによってそれぞれが飲料調製マシン(1)の選択可能なメニュー機能を示す複数のアイコン(72)を格納するメモリを備える飲料調製マシン(1)に関する。飲料調製マシン(1)は、ディスプレイ(10)であり、第1の動作モードにおいてアイコンの第1のグループ(73)をディスプレイ(10)の主要部分(75)に隣接させて表示し、第2の動作モードにおいて複数のアイコン(72)の1つのグループ(73、76、78)を現在選択可能なアイコン(72)としてディスプレイ(10)の主要部分(75)に表示するディスプレイ(10)を更に備える。タッチパッド(10、22)は第1の動作モードと第2の動作モードの間を切り替えるタッチ操作を受け付けるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の属する技術分野は、タッチメニュー機能を備える飲料調製マシンと、メモリ装置上に格納され、タッチメニュー機能を提供するために飲料調製マシンの制御部によって実行可能なプログラムとに関する。
【0002】
本明細書において、「飲料」は茶、コーヒー、熱い又は冷たいチョコレート飲料、ミルク、スープ、ベビーフードなどの任意の液状食品を含むことが意図されている。「カプセル」は、封入容器内に予め小分けにされた任意の飲料原料を含むことが意図されている。ここで、封入容器は、例えばプラスチック製容器、アルミニウム製容器、再利用可能容器及び/又は生分解可能容器、特に密閉容器など、任意の材料からなり、飲料原料を含有する軟らかいポッド若しくは硬いカートリッジを含む任意の形状かつ構造からなる。
【背景技術】
【0003】
ある種の飲料調製マシンでは、抽出され又は溶解される原料を収容するカプセルが用いられる。他の飲料調製マシンの場合、原料は、飲料調製マシン内において蓄えられ、自動的に投入され、あるいは、飲料を調製する際に加えられる。
【0004】
大部分のコーヒーマシンや他の飲料調製マシンは、液体用、通常は水用のポンプを含む注入手段を備えており、そのポンプは、冷水源から、もしくは、実際には、加熱抵抗器、サーモブロック又は同様のものなどの加熱手段によって加熱される水の供給源から液体を圧送する。通常、そのような注入手段は、飲料調製マシンの制御部、典型的には制御器を伴うプリント回路基板を含む制御部によって制御される。
【0005】
そのようなマシンに動作命令を与えたり、マシンからフィードバックを得たりするために、ユーザがマシンと情報をやりとりできるように、例えば以下の参考文献、すなわち、オーストリア国特許第AT410377号明細書、スイス国特許第682798号明細書、独国特許第4429353号明細書、独国特許第20200419号明細書、独国特許出願公開第202006019039号明細書、独国特許出願公開2007008590号明細書、欧州特許第1302138号明細書、欧州特許第1448084号明細書、欧州特許第1676509号明細書、欧州特許出願公開08155851.2号明細書、仏国特許第2624844号明細書、英国特許第2397510号明細書、米国特許第4,377,049号明細書、米国特許第4,458,735号明細書、米国特許第4,554,419号明細書、米国特許第4,767,632号明細書、米国特許第4,954697号明細書、米国特許第5,312,020号明細書、米国特許第5,335,705号明細書、米国特許第5,372,061号明細書、米国特許号明細書5,375,508号明細書、米国特許第5,731,981号明細書、米国特許第5,645,230号明細書、米国特許第5,836,236号明細書、米国特許第5,959,869号明細書、米国特許第6,182,555号明細書、米国特許第6,354,341号明細書、米国特許第6,759,072号明細書、米国特許第2007/0157820号明細書、国際公開第97/25634号、国際公開第99/50172号、国際公開第2004/030435号、国際公開第2004/030438号、国際公開第2006/063645号、国際公開第2006/090183号、国際公開第2007/003062号、国際公開第2007/003990号、国際公開第2008/104751号、国際公開第2008/138710号、国際公開第2008/138820号及び国際公開第2009/016490号で述べられているように、当分野において様々なシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の飲料調製マシンは、単なる飲料調製という枠を更に超えて増加しつつある様々な機能を提供する。例えば、インターネットなどのネットワークに組み込まれ得る飲料調製マシンは周知である。そのようにネットワークに接続すると、インターネット及びネットワーク機能を追加することが可能になる。
【0007】
しかしながら、飲料調製マシンは、実行可能な機能の数が増えたために、ユーザが実行可能な機能に関する概要を把握してその機能を選択することがより困難になっているという問題を抱える。
【0008】
選択可能な機能を表すアイコンを表示するスクリーンを有するいくつかの飲料ディスペンサは、当分野、例えば国際公開第2007/003062号又は国際公開第2009/016490号の文献から周知である。しかしながら、これらの装置は、ユーザインターフェースをユーザの現ニーズ及び行動に適合させるという問題、より一般的には実行可能な機能の相当数を明確かつ分かり易く表わすという上述の問題を解決するためのソリューションをもたらさない。
【0009】
従って、本発明の目的は先行技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好適な目的は、快適かつユーザにとって使いやすいタッチメニュー機能を有する飲料調製マシンと、飲料調製マシン用のメニュー機構を動作させる方法とを提供することにある。より具体的には、ユーザに対して様々な機能に関する概要を把握し易くさせ、選択処理を簡単にさせることの可能なメニュー機構を提供することにある。更に、本発明の目的は、メニュー機構及び機能の選択をユーザに対してより直感的にさせることにある。
【0011】
第1の態様によれば、本発明は、複数のアイコンであり、複数のアイコンが少なくとも2つのメニューレベルのグループに分けられることによってそれぞれが飲料調製マシンの選択可能なメニュー機能を示す複数のアイコンを格納するメモリと、ディスプレイであり、第1の動作モードにおいてアイコンのグループをディスプレイの主要部分に隣接させて表示し、随意的にこの主要部分には何も表示しないで又は前記アイコンとは異なる画像若しくは任意の画像を表示し、第2の動作モードにおいてアイコンの1つのグループを現在選択可能なアイコンとしてディスプレイの主要部分に表示するディスプレイと、第1の動作モードと第2の動作モードの間を切り替えるタッチ操作を受け付けるタッチパッドとを備える飲料調製マシンに関する。
【0012】
一実施形態では、ディスプレイの主要部分が、ディスプレイの大部分に著しく広がっている。
【0013】
更に、第2の動作モードにおけるアイコンを第1の動作モードにおけるアイコンより大きく表示することができる。
【0014】
別の態様によれば、本発明は、メモリ装置上に格納され、タッチメニュー機能を提供する飲料調製マシン(1)の制御部によって実行可能なプログラムであって、そのプログラムが実行に際して、複数のアイコンのそれぞれが飲料調製マシンの選択可能なメニュー機能を示すように複数のアイコンを少なくとも2つのメニューレベルのグループに分けるステップと、第1の動作モードにおいてアイコンの第1のグループをディスプレイの主要部分に隣接させて表示し、随意的にその主要部分には何も表示しないで又は前記アイコンとは異なる画像(74)若しくは任意の画像(74)を表示し、第2の動作モードにおいてアイコンの1つのグループを現在選択可能なアイコンとしてディスプレイの主要部分に表示するステップと、第1の動作モードと第2の動作モードの間を切り替えるためにタッチパッド上のタッチ操作を受け付けるステップとを行うように構成されたプログラムに関する。一実施形態では、ディスプレイの主要部分がディスプレイの大部分に著しく広がっている。更に、第2の動作モードにおけるアイコンを第1の動作モードにおけるアイコンより大きく表示することができる。
【0015】
別の態様によれば、本発明は、特に上述したように、飲料調製マシン用のタッチメニュー機能を提供するプログラムであって、複数のアイコンを少なくとも2つのメニューレベルに分けるステップを含み、各アイコンがそのアイコンを通してユーザによって選択可能な飲料調製マシンの機能に関連付けられており、それによって、グループの割り当て及び/又はアイコンのサイズが、ユーザによる各アイコンの選択の実際の頻度若しくは予測された頻度に依存する。
【0016】
タッチメニュー機能を提供するこれらのプログラムは、電気的データ処理のプログラムコード命令を含み、プロセッサ又はコントローラのような処理部によって実行されることが意図される。その結果、本発明は、情報サポータ(support)上のプログラムであって、タッチメニュー機能を提供するプログラムにも関する。これらのプログラムは、任意のプログラミング言語を使用してもよく、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、又はソースコードとオブジェクトコードの間の中間コード形式、そのように部分的にコンパイルされたコード形式、あるいは任意適当な他の形式であってもよい。
【0017】
また、本発明は、マシンによって読み取り可能な情報サポータに関するものでもあり、その情報サポータ上には、上述したようなプログラムの命令が格納される。情報サポータは、そのプログラムを格納することが可能な任意適当なデバイスであってもよい。例えば、そのデバイスは、CD−ROM、USBキー、フラッシュメモリ又はマイクロ電子回路のROMを含む格納手段、あるいはフロッピ又はハードドライブのような磁気格納手段を含んでもよい。
【0018】
更に、情報サポータは電気的信号若しくは光学的信号などの伝送可能なサポータであってもよく、その伝送可能なサポータは、電気的配線若しくは光学的配線によって、無線周波数手段によって、又は任意適当な結合手段によって伝送されることができる。
【0019】
これらのプログラムは、インターネットに接続されるネットワークから特にダウンロードされてもよい。
【0020】
情報サポータは、そのプログラムが組み込まれる集積回路であってもよく、集積回路は、これらのプログラムを実行するように又はこれらのプログラムを実行するのに使用されるように構成されている。
【0021】
更に別の態様によれば、本発明は、ディスプレイと、タッチパッドと、そのようなプログラムをサポートするように設計された制御部とを備える飲料調製マシンに関する。
【0022】
本発明の更なる特徴、利点及び目的は、本発明の実例にすぎない実施形態の以下の詳細な説明と添付の図面によって明らかになるであろう。
【0023】
ここで、概略図を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図1b】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図2a】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図2b】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図3】ネットワークに接続されており本発明に係る飲料調製マシンの機能的アーキテクチャを図式的に示すブロック図を示す。
【図4】本発明に係る飲料調製マシンを含むネットワークの機能的アーキテクチャを図式的に示すブロック図を示す。
【図5】本発明に係る飲料調製マシンの一表示画像の図を示す。
【図6】本発明に係る飲料調製マシンの一表示画像の図を示す。
【図7】本発明に係る飲料調製マシンの一表示画像の図を示す。
【図8】本発明に係る方法の処理ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る飲料調製マシンは、コーヒー、茶又はスープのマシン、特に供給される飲料若しくは液状食品の原料、例えば挽かれたコーヒーなどを収容するカプセルに熱水、冷水又は他の液体を通すことによって飲料若しくは液状食品を供給するマシンとすることができる。
【0026】
例えば、飲料調製マシンは、使用のためにカプセルを収容し使用後にカプセルを排出するように構成される飲料調製部、液体貯蔵部、液体循環回路、加熱器、及びポンプのうちの1つ又は複数を含む原料処理装置と、飲料調製部から排出されるカプセルを座部に導く開口部を有する筺体と、容器であって、その座部に排出されるカプセルをその容器に満杯になるまで収集するための収納空間を形成する空洞部を有する容器とを備える。この容器は、カプセルを収集するために座部に挿入することが可能であり、収集済みのカプセルを出して空にするために座部から取り外されることが可能である。そのような原料処理装置の例は、国際公開第2009/074550号及び国際公開第2009/130099号に開示されており、これらの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0027】
飲料調製マシンは、国際出願第EP09/058540号に記載されているようなインターフェースを含んでもよく及び/又は欧州特許出願公開09169800.1号明細書に記載されているようなカプセル再注文用のネットワーク内にあってもよい。
【0028】
飲料調製マシンは、ユーザに情報を提供する及び/又はユーザによる入力を受け付けるユーザインターフェーススクリーンを備えてもよい。ユーザインターフェーススクリーンは、タッチセンサ式スクリーンとすることができ及び/又はタッチセンサ式の入力部分を含むことができる。飲料調製マシンは、タッチパッド、1つ若しくは複数のボタン及び/又はスイッチあるいは当分野で周知の同様のデバイスなどのユーザ入力デバイスを有してもよい。ユーザインターフェーススクリーンはタッチペンに反応するものであり得る。
【0029】
タッチペンは、例えばユーザインターフェーススクリーン上に表示される既定のオプションを選択するのに使用されてもよいし、あるいは飲料調製マシンによって格納されて後に再アクセス可能であり得るメモ及びメッセージをユーザインターフェーススクリーン上に書くのに使用されてもよい。従って、ユーザインターフェーススクリーンはポスト・イット(登録商標)の代わりとして使用されてもよい。
【0030】
本発明によれば、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、ユーザインターフェーススクリーン上に表示可能な遠隔データにアクセスするためのネットワーク及び/又はユーザインターフェーススクリーン経由で取得されるローカルデータを転送するためのネットワーク、特に、ユーザによって要求され得る液状食品若しくは飲料に関連する視覚情報及び/又は音声情報を提供するためのネットワーク、並びに/あるいはユーザインターフェーススクリーンを使用することによって液状食品、飲料原料又はこのマシンに関連するサービスなどの商品を特に遠隔サプライヤから注文するためのネットワークなどの遠隔ネットワークに接続するインターフェースを有する。
【0031】
従って、ユーザは、無くなった若しくは少量レベルの液状食品又は飲料原料を飲料調製マシンを通して直接注文する技術的可能性を与えられ得る。あるいは、ユーザは、特定品目、特にユーザが要求した又は調製若しくは遠隔サプライヤからの注文を飲料調製マシンに要求するつもりである液状食品か飲料に関する最新情報を、飲料調製マシンを通して直接要求する技術的可能性を与えられ得る。
【0032】
更に、ユーザインターフェーススクリーンは、ユーザの措置を要求する飲料調製マシンのパラメータに関する情報をユーザに表示する機能、ローカルに格納され及び/又は遠隔で送られるグラフィック若しくはテキスト要素を表示する機能、メモ帳機能、並びに例えば適当な写真を表示する又は色付きの形状を移動することによって視覚的な雰囲気を作る例えばスクリーンセーバ型の生成器の機能のうちから選択される少なくとも1つの機能を実行するように構成されることができる。
【0033】
視覚効果によって飲料調製マシンの周囲の雰囲気に著しく影響を与えるために、ユーザインターフェーススクリーンは、ユーザが見ることができるマシン部分の多くを占める必要がある。インターフェーススクリーンが小型であり及び/又はマシンのうちユーザが視認可能な部分が欠けていると、最適な雰囲気の効果をもたらさないであろう。
【0034】
更に、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、音響入力装置及び/又は音響出力装置を含んでもよい。その音響装置は、ユーザインターフェーススクリーンと協働するように構成されることができ、特にユーザインターフェーススクリーンと機能的に協働するように構成される音響装置、例えばユーザインターフェーススクリーン上のユーザ入力に反応して旋律的な音響フィードバックを提供する及び/又は音声信号に反応して調和的な視覚フィードバックがユーザインターフェーススクリーン上に生成されるようにユーザインターフェーススクリーンと協働する音響装置などである。その音響装置は、ユーザの口頭命令を受信することができるように及び/又は音声分析によって特定のユーザプロファイルをリンクすることができるように音声認識装置を含んでもよい。
【0035】
例えば、ユーザインターフェーススクリーンは、調製マシンが液状食品若しくは飲料を調製している間に映画、ニュース、天気予報、株式取引情報又は同様の任意のものを表示するように構成されてもよく、これにより、ユーザは、そのような行動に移るために液状食品若しくは飲料が調製されるまで待つ必要はなく、その機能が単なるデータの入力及び/又は出力を著しく越えている快適なインターフェーススクリーンを用いて、それらを最初から行うことができる。
【0036】
そのような液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、特に放送進行中のラジオ又はテレビ番組の間に液状食品若しくは飲料を調製するのに便利である。従って、ユーザは普通のテレビ又はラジオ上でそのような番組の進行を追い続ける間に液体食品若しくは飲料を自身で得て、更に飲料調製マシン上でその番組の進行を追い続けてもよい。従って、ユーザは、番組の終了又は広告による休憩を待とうとしないであろう。飲料調製マシンは、IR又は無線遠隔制御装置などの遠隔制御装置、特にラジオ又はテレビと互換性のある遠隔制御装置に反応することが可能な受信機を含んでもよく、これにより、ユーザは液状食品若しくは飲料調製マシンを遠隔から、特にユーザが自身のテレビの前又はラジオの近くに座っている間に始動することができる。当然、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、ユーザが液状食品若しくは飲料を調製している間にユーザが自身のお気に入りの番組の進行を追い続けることができるようにDVD又は他のメディアソースに接続されてもよい。
【0037】
調製マシンは、ユーザインターフェーススクリーンによって大部分が占められている矩形表面とその表面部分より大きい脚部分とを有する本体によって実質的に形成されることができ、これにより本体が脚部分から表面部分まで先細りになっている。本体は、液状食品若しくは飲料で満たされる容器用の支持部材を有するドリップトレイ、カプセル収集器及び貯水器などの液体供給貯蔵部のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0038】
更に、調製マシンは、満たされる容器を収容する部分の上方に配置される液状食品出口又は飲料出口を有してもよく、その出口はユーザインターフェーススクリーンによって隠されていることが好ましい。例えば、その出口はユーザインターフェーススクリーンの後ろに垂直に配置される。実際、その出口の全領域又は実質的な部分はユーザインターフェーススクリーンの後ろに垂直に配置されることができる。
【0039】
従って、ユーザの注意を自然に惹き続ける調製マシン上のユーザインターフェーススクリーン構成を提供することに加えて、調製マシンの出口と、随意的にその出口の下に配置される容器は、ユーザインターフェーススクリーンに関するもの以外で調製マシンの部分及び/又は操作によってユーザの注意をそらすことを避けるようにユーザの視界から隠されてもよい。
【0040】
既に述べたように、本発明はデータ交換ネットワークに接続可能なマシンに関するものであり、そのマシンは特にカプセル内に予め小分けにされた飲料原料から飲料を調製するように構成される。
【0041】
このため、マシンは有線又は無線接続でそのマシンをデータ交換ネットワークに接続する通信モジュールを備える。通信モジュールが接続可能なデータ交換ネットワークは、インターネット、イントラネット、GSM(登録商標)ネットワーク、UMTSネットワーク、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)ネットワーク、赤外線(IR)ネットワーク、あるいは飲料調製マシンの通信モジュールと通信するために1つ又は複数の遠隔コンピュータ、サーバ及び端末が接続される同様のネットワークであってもよい。本明細書では、「ネットワーク」という用語は、本発明に係るマシンと少なくとも1つの他の装置とを備えるシステムであって、そのマシン及びその装置が一方向又は双方向通信用の通信リンク経由で互いに接続されるシステムを示すことが意図される。2つ以上の装置に対して接続が設けられる場合、マシンは様々な種類の通信ネットワーク経由で様々な装置に接続されることもできる。
【0042】
原料処理装置を制御せずに、あるいは原料処理装置の制御に関与せずに、通信モジュールは、飲料調製マシンのある特定の状況を監視するように及び特にそのような状況をネットワーク上の遠隔サーバに通信するように飲料調製マシン内で構成されることができる。
【0043】
飲料調製マシンは、飲料調製マシン内の全ての処理を制御する制御部を更に備える。一実施形態では、制御部は、通信モジュールとデータ通信するように構成されており、そのデータは飲料調製処理、原料処理装置、制御部及び/又は飲料調製設定のうちの少なくとも1つに関する。その場合、この情報は、遠隔サーバに通信され(又は通信されなく)てもよく、一般的な目的、特別な商業上の目的、サービスの目的、修理の目的、又はカウンセリングの目的のために処理されてもよい。
【0044】
さらにより安全な実施形態では、制御部は、通信モジュールと通信することを阻止される。この場合、通信は上述のように一方向でさえもなく存在しない。従って、制御部は、情報要求のための信号でさえも通信モジュールから一切受信しないように構成される。この実施形態では、データ通信経路は、制御部と通信モジュールの間に必要とされない。
【0045】
典型的には、原料処理装置は、この原料処理装置の状況及び/又は飲料調製処理の状況に関するパラメータを測定する1つ又は複数のセンサを備えている。例えば、そのようなセンサは、温度センサ、圧力センサ、流量計、電力センサ、過熱センサ、湯垢センサ、水位センサ、原料認識センサなどのうちの少なくとも1つを含むことができる。通常、そのようなセンサは、制御部に接続される。
【0046】
一実施形態では、通信モジュールは、それらのセンサのうちの少なくとも1つから情報を受信するように構成されることができる。通信モジュールは、センサに直接的に接続されることができ、通常、制御部と平行に接続され、あるいは制御部を通してセンサに間接的に接続されることができ、典型的には制御部による処理の後にセンサに関する情報を通信することができる。
【0047】
通常、制御部は飲料調製ユーザインターフェースに接続されている。ユーザは、このユーザインターフェースを用いて制御部を通して原料処理装置を動作させる。
【0048】
典型的には、通信モジュールは通信ユーザインターフェースに接続されている。ユーザは、このユーザインターフェースを用いて、ネットワークから情報を取り出したり、このユーザインターフェースから情報を取り出したりする。
【0049】
そのようなユーザインターフェースは、当分野で知られているように、スクリーンやタッチスクリーン、ボタン、スイッチ等を含むことができる。
【0050】
制御部は飲料調製ユーザインターフェースに接続され、通信モジュールは通信ユーザインターフェースに接続されていることが好ましい。飲料調製ユーザインターフェース及び通信ユーザインターフェースは並置されている。特に、飲料調製ユーザインターフェースは、通信ユーザインターフェースと同一面にあることができる。飲料調製ユーザインターフェース及び通信ユーザインターフェースは単一のユーザインターフェース画面(Canvas)に配置されることができる。従って、ユーザインターフェースをこのように配置すると、ユーザが制御部及び通信モジュールに対してあらゆるアクセスをすることが可能な単一インターフェースのようなものを実現することができる。
【0051】
制御部及び通信モジュールが、デジタル的に及び/又は物理的に、全体的に又は部分的に、飲料調製マシン内で分離されるのに対して、対応するユーザインターフェースは、明らかに単一のインターフェースとして構成されることができる。従って、ユーザは、単一型又は集中型のインターフェース構成に対面して、自身の注意が飲料調製マシンのあらゆるところに散漫しなくて済む。
【0052】
典型的には、飲料調製マシンは、原料処理装置、制御部、及び通信モジュールを収容するための筺体を含む。通常、この筺体はユーザインターフェースも有する。
【0053】
例えば、通信モジュールは、特定サービスを実行する必要性、飲料調製マシンを修理する必要性、及び飲料調製マシンで処理される特定原料に関する情報のうちの少なくとも1つに関する情報をネットワークから受信し、例えばディスプレイ及び/又はスピーカなどのユーザ通信手段を通して通信するように構成される。飲料調製マシンの動作及び/又は構成要素を監視するように通信モジュールが構成されると、対応する情報は、評価のために及びユーザへの提案を生成するために、例えば通信モジュールを通して、ネットワークの遠隔サーバに通信されることができる。例えば、適切なセンサシステムを用いて、通信モジュールは、原料の消費量を監視してもよく、かつ、原料の在庫が少なくなったときに適時に再注文することを提案してもよく、あるいは、飲料調製マシンに表示するために、処理される原料又は飲料に関する一般的な情報を送信してもよい。原料、例えば配合された原料カプセルなどを再注文することを単に提案する代わりに、このシステムは、原料の在庫が少なくなったときに自動的に再注文するように構成されてもよい。
【0054】
通信モジュールは、例えば湯垢除去処理を行うための又は一般的な保守作業のためのサービス期間を遠隔監視するように構成されることができる。通信モジュールは、診断目的のために、及び/又は、例えば様々な原料の実際に用いられる割合などの、ユーザの好みに関する市場調査を行うために、原料処理装置及び制御部の様々なパラメータを通信することができる。従って、遠隔サーバは、ある特定の原料により供給される飲料の好適な量などを監視することができる。
【0055】
より一般的には、通信モジュールは、ユーザによるこの種のマシンの取扱い、例えばオンラインユーザマニュアル及び/又は飲料レシピの提供などと、飲料調製マシン、付属品、1つ又は複数の処理される原料、あるいは関連する製品に関する広告と、飲料を処理するための1つ又は複数の原料に関する一般的な情報と、そのような飲料若しくは飲料の調製若しくは飲料の消費に関する雰囲気を作るための視覚効果(visualization)及び/又は音楽と、ニュース及び/又は天気予報となどに関する情報をネットワークから受信し、例えばディスプレイ及び/又はスピーカなどのユーザ通信手段を通して通信するよう構成することができる。例えば、適切なユーザインターフェースを伴う通信モジュールは、ネットワークを通して原料を遠隔注文できるように構成されることができる。
【0056】
飲料調製マシンは、カプセルの消費を自動的に監視し、その自動的な監視が顧客所在地の消耗原料カプセルが不足に達していることを示すたびにサプライヤのサーバにカプセル注文を送るように構成されることができ、このカプセルサプライヤのサーバは、このカプセル注文を受けて顧客に供給するカプセルの新しい在庫の出荷を準備するための対応する命令を生成するように構成される。
【0057】
飲料調製マシンは、カプセルの消費を自動的に監視して上記命令を生成するように構成される、サプライヤのサーバにカプセルの消費を自動的に通信するように構成されることができる。
【0058】
飲料調製マシンのカプセル抽出部は、様々な飲料を調製するための様々な種類の原料カプセルを収容するように構成されることができる。例えば、このカプセル抽出部は、家庭内又は家庭外の飲料調製マシン規格のアラビカ種のカプセル、ロブスタ種のカプセル、カネフォラ種のカプセル等、及びそれらの混合物のカプセル、例えばカプセルタイプのものであるネスプレッソ(NESPRESSO:登録商標)カプセルなどから選択される様々な種類のコーヒーカプセルを収容するよう構成される。
【0059】
一実施形態では、飲料調製マシンはカプセル自動認識装置を有する。
【0060】
例えば、カプセル認識システムは、国際公開第02/28241号に記載されている種類のものである。同文献は、センサを通してマシンにより自動的に読み取り可能なマシン解釈可能な特徴を伴うカプセルを用いるコーヒーマシンを開示する。カプセルに設けられるマシン解釈可能な特徴は、色彩、形状、グリフ、テキスト文字列、バーコード、電子透かし、記号、切込み、溝又は穴のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0061】
例えば、カプセル抽出部は、様々な飲料を調製するための様々な種類の原料カプセルを収容するように構成され、カプセル自動認識装置は、使用されている原料カプセルの種類を識別するように構成される。
【0062】
実際には、様々な種類のカプセルが同じ抽出部において使用される可能性が高い場合、実行される抽出処理数を数えるだけでは残りのカプセルの在庫を導き出すのに不十分である。様々なカプセルの種類に従った分化型管理システムを提供するためにカプセルの種類がマシンによって識別されるべきである。
【0063】
以下では、図1a、図1b、図2a及び図2bを参照して本発明に係る飲料調製マシン1とその飲料調製マシンの基本的な機能を説明する。ここで、図1aは飲料調製マシン1の上面斜視図であり、図1bは底面斜視図であり、図2aは飲料調製マシン1の第1側面の側面図であり、図2bは飲料調製マシン1の第2側面の側面図である。
【0064】
以下では、飲料調製マシン1がコーヒー調製マシンとして説明されるが、本発明は、コーヒー調製マシンに限定されるものではなく、前述したような他のあらゆる種類の飲料調製マシンを含むことに留意されたい。
【0065】
飲料調製マシン1は、コーヒーなどの飲料を注出するために1つ又は複数の飲料原料を処理する装置40を有する。飲料原料を処理する装置40は、当分野で周知のように、ポンプ、加熱器及びコーヒー淹出部を伴う液体循環回路に接続される液体貯蔵部42、好ましくは水貯蔵部を含む。コーヒー淹出部は、飲料調製マシン1の筺体3に枢動可能に取り付けられたハンドル4に接続されることができる。ハンドル4は、挽かれたコーヒーを含むカプセルを導入、抽出及び除去することができるように構成される。抽出後、ハンドル4の再作動後にカプセルは使用済みカプセル収集部に排出される。
【0066】
それに加えて、飲料調製マシン1は予備カップを収容するのに使用され得る上部36を有する。上部36はそのような予備カップを予熱する加熱装置を含んでもよい。そのカップ加熱装置は、抵抗型、特に当分野で周知のような蒸気循環型のカップ加熱装置であってもよく、あるいは他の任意適当な加熱システムであってもよい。また、予備カプセル用の容器が、未使用カプセルを格納するために飲料調製マシン1の上部36上に配置されてもよい。
【0067】
更に、例えば図2bに示されているように、飲料調製マシン1は出口45を有しており、調製された飲料は出口45から出口45の下に配置された容器又はカップ6に注出される。ドリップトレイ装置34は出口45の下に設けられ、例えば欧州特許第1731065号明細書に開示された種類のものである。カップ6を出口45の下に配置する場合、ドリップトレイは、その表面14に位置合わせ装置を含んでもよく、及び/又は注出用の空洞の範囲を定める壁35は、出口45を基準として配置され、カップを位置合わせするための基準として機能することができる。すなわち、これによりカップ6は、壁35に単に押し付けられて出口45の下に適切に配置され得る。また、使用済みカプセル収集部(図中には示されない)が、抽出された使用済みカプセルを収集するために飲料調製マシン1の中央部分に設けられる。
【0068】
飲料調製マシンはスクリーン又はディスプレイ10を更に備える。好適には、ディスプレイ10はタッチセンサ式スクリーンであり、指で触れることよって及び/又はタッチペン15を用いて操作されてもよい。好適には、タッチペン15は、使用されていないときにディスプレイ10内の対応する凹部16又は飲料調製マシン1の他の任意部分に配置され得る。
【0069】
更に、ディスプレイ10は、例えばディスプレイ10にアクセスすることなく飲料調製マシン1を素早く操作するために、一対のボタン12と関連付けられる。その上、好適な実施形態では、ディスプレイ10は、ディスプレイ10上に表示可能なページ及びメニューをナビゲートするためのタッチセンサ面を含む。
【0070】
ディスプレイ10は、例えば上述したように飲料調製マシンがユーザネットワークに接続可能な場合にネットワーク情報を含む様々な情報及び/又は視覚効果を表示するように構成されてもよい。更に、飲料調製マシン1は、上述したようにスピーカ及び/又はマイクロホンを伴う音響生成装置を含んでもよいし、実際のマルチメディアインタラクティブ装置であってもよい。それによって、飲料調製マシン1は、その雰囲気をもたらすために使用されることができる。
【0071】
更に、ディスプレイ10及び/又は筺体3は、特に、そのような雰囲気を作り出すために様々な色の光を発する一連の穴部31をディスプレイ10及び/又は筺体3の横側部、後側部並びに/あるいは上側部上に、特にディスプレイ10内に有することができる。このために様々なLEDが穴部31内に設けられることができる。
【0072】
先行技術の飲料調製マシンとは異なり、ドリップトレイ34、カプセル用容器及び貯蔵部42をディスプレイ10から離してディスプレイ10の下に移動させて及び/又は飲料調製マシン1の脚部分2におおむね平行に移動させて飲料調製マシン1から取り外すことが可能である。同じことが、ディスプレイ1の向こう側で飲料調製マシン1の背部に好適に設けられる貯蔵部42にあてはまる。その結果として、使用中と使用後に飲料調製マシン1が保守されるとき、例えばドリップトレイ34が空になるとき、ディスプレイは、スクリーン10に対して液状食品又は飲料などの液体を吐出する恐れのある飲料調製マシン1の部分に露出されない。
【0073】
更に、飲料調製マシン1は、コーヒーなどの調製される液状食品又は飲料の原料を含有するカプセルを供給するカプセル入口機構32を有する。カプセル入口機構32は、飲料調製マシンの横側部に設けられることができ又はディスプレイ10内に設けられることができる。好適には、カプセル入口機構32は、カプセル形状又は調製される飲料に関連する他の任意の物体の形状を有し、ディスプレイ10に設けられた凹部である。
【0074】
飲料調製マシンのディスプレイ10は完全に平らな表面を有しておらず、脚部分2に近い一側部は凹部を形成する。従って、ドリップトレイ34のカップサポータ14とともにディスプレイ10の窪んでいる壁35は、出口45から注出される飲料で満たされる位置にカップ6を置くことができる空胴部16を形成する。飲料調製マシン1の液状食品若しくは飲料の外観をあまり強調しないようにするために、空胴部16内のディスプレイ10の壁35は、ディスプレイ10上に表示されるあらゆる物体及び/又は画像が空胴部の壁35に拡がるように通常のディスプレイと同様に使用されることができる。
【0075】
上部36又は飲料調製マシンの他の任意部分には、タッチセンサ22を設けることができ、ユーザは、対応するタッチ操作をタッチセンサ22上で行うことによって飲料調製マシンを制御する及び/又はメニュー機能をナビゲートすることが可能になる。ディスプレイ10が単なる表示装置でありタッチスクリーンではない場合、タッチセンサ22は、ユーザに対して飲料調製マシンの制御をより容易及び直感的にさせるであろう。ディスプレイ10がタッチスクリーンである場合には、ユーザはタッチ操作を行うためにディスプレイ10を使用するかタッチセンサ22を使用するかについて選択することができる。しかしながら、タッチスクリーンを使用する代わりにタッチセンサ22を使用することがディスプレイ10のダメージ又は汚染を避けるのに有利であろう。
【0076】
飲料調製マシン1はカードリーダ/ライタ23を更に備える。カードリーダ/ライタ23は、カードに対する読み取り及び/又は書き込み操作を実行するためにカードが挿入され得るスロットとすることができるし、カードリーダ/ライタ23は、例えば無線自動識別RFIDカードなどのカードと無線通信可能な無線インターフェースとすることができるし、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。
【0077】
カップの充填を調節可能にするために、例えば米国特許第4,458,735号明細書、国際公開第97/25634号及び国際公開第99/50172号に開示される種類の充填レベル制御を伴う自動充填システムが飲料調製マシンに組み込まれてもよい。
【0078】
図3は、ネットワーク511に接続される本発明に係る飲料調製マシンの機能的なブロック図を示す。
【0079】
飲料調製マシン1は、双方向データ通信経路221経由でユーザインターフェース201に接続される制御部21を含む。制御部21は、原料処理装置40に接続され、飲料原料の処理を制御する。典型的には、制御部21は、加熱器及びポンプの電力供給を制御し、例えば、温度センサ、圧力センサ及び流量計などのセンサを通して測定された飲料調製処理パラメータに基づいて電力供給を調節する。さらに、原料処理装置40の構成要素の制御は、当分野で知られているようなカプセル認識システム、例えば電磁的認識システム、機械的認識システム、色認識システム又はバーコード認識システムなどを介して自動認識された原料カプセルの種類に合わせて調節されてもよい。
【0080】
従って、原料処理装置40は、原料処理装置40の状況及び飲料調製処理の状況に関する情報を制御部21に伝達するための一連のセンサを含む。制御部21と飲料調製部40の間の通信は、双方向通信経路421を通して実現される。
【0081】
更に、飲料調製マシン1は、外部ネットワーク511、例えばインターネット又はイントラネットなどと双方向通信するための通信モジュール11を有する。通信モジュール11は、双方向データ通信経路111を通して、好適には上述したディスプレイ10の形式、好適にはタッチスクリーン及び場合により1つ又は複数のボタン12の形式のユーザインターフェース110に接続される。タッチスクリーンの場合にはディスプレイ10は、指で触れることによって、あるいはタッチペン15を用いて操作されることができる。
【0082】
制御部21、通信モジュール11及び原料処理装置40の全ては、飲料調製マシン1の筺体内に収容される。
【0083】
本発明によれば、通信モジュール11は、飲料原料の処理を制御することを持続的に阻止される。換言すると、飲料マシン1の通信モジュール11は、制御部21を通して原料処理装置40に直接的又は間接的に作用することができない、あるいは、飲料調製処理、又は原料処理装置40によって実行される他の処理に影響を及ぼすことができない。
【0084】
制御部21は、飲料調製に関する制御データを通信モジュール11から受け取ることを阻止される。
【0085】
図3のアーキテクチャでは、制御部21は、一方向データ通信経路211を通して通信モジュール11にデータ通信するように構成される。適切な通信を確保するために必要な情報や信号のための要求、例えばデータ送信制御信号などが無い状態では、制御部21は、通信モジュール11からいずれのデータも受信しないことになる。逆に、制御部21から通信モジュール11に転送されるデータは、飲料調製処理、原料処理装置40、制御部21内に格納される飲料調製設定、及び/又は、例えばネットワーク511に遠隔接続されるステーション50であらゆる故障を確認するための制御部21の状況のうちの少なくとも1つに関連することができる。
【0086】
また、通信モジュール11は、飲料調製モジュール40内のセンサに直接接続されることも可能である。同様に、飲料調製モジュール40と通信モジュール11の間の通信は、バス411を通る一方向のものである。しかしながら、制御部21を通して飲料調製モジュール40に関するデータを通信モジュール11に伝えることができる場合、この通信経路は、不要となる可能性がある。通信経路411は、通信経路211が無い場合、例えば、制御部21がネットワーク511に対して強化された保護の恩恵を受けるべき場合に、特に役に立つ。
【0087】
通信モジュール11は、例えば湯垢除去などの特定のサービスを実行する要求、上述の飲料調製マシンを修理する要求、及び、上述の飲料調製マシンで処理される特定原料に関する情報のうちの少なくとも1つに関する情報を前述のネットワークから受信し、ユーザ通信インターフェース、例えばディスプレイ10及び/又はスピーカなどを通して通信するように構成される。そのような情報を通信モジュール11に送信するために、対応する情報は、通信モジュール11によって制御部21及び/又は原料処理装置40からまず集められ、適切な警告に際して伝達前に、その情報、あるいは、通信モジュール11に対するネットワーク511経由の他の情報を処理する及び解析する遠隔サーバ50に送信される。
【0088】
別の実施形態では、制御部21は、通信モジュール11と通信することを一方向でさえも一切阻止される。制御部21と通信モジュール11の間には、データ通信経路は存在しない。
【0089】
安全性は、通信モジュール11が制御部21にも飲料調製モジュール40にも接続されないときに最高レベルに到達する。保護の質は、通信モジュール11が一方向の経路を通じて飲料調製モジュール40のセンサを読み取り可能であるときに少し劣ることになる。安全性は、通信モジュールが制御部21から情報を得ることができるときにより低くなる。ネットワーク511を通して原料処理装置40及び制御部21の機能を乱すことに対する耐性(immunity)を確保するために、通信モジュール11が制御部21又は飲料調製部40のパラメータを変える可能性、特に物理的な可能性は、回避されるべきである。
【0090】
図1a及び図1bに示されているように、飲料調製ユーザインターフェース201は、通信ユーザインターフェース101と同一面にあり、ディスプレイ10、ボタン12、LED若しくは同様のものを含む穴部31、スピーカ、マイクロホン又は同様のものの組み合わせとして組み込まれる。
【0091】
また、飲料調製マシン1用のマスタースイッチも設けられる(図中には示されない)。マスタースイッチは、同じ電源、典型的には主電源によって全て電力が供給される通信モジュール11、制御部21、及び原料処理装置40を含む飲料調製マシンの様々な構成要素に対する電源を接続したり切断したりするように構成される。
【0092】
一般的には、通信モジュール11は、そのような飲料調製マシン1のユーザによる取扱いと、そのような飲料調製マシン1若しくは関連するマシン、付属品、及び/あるいは飲料処理のための1つ又は複数の原料に関する広告と、飲料処理のための1つ又は複数の原料に関する一般的な情報と、前述の飲料若しくは飲料の調製若しくは飲料の消費に関する雰囲気を作るための視覚効果及び/又は音楽と、ニュース及び/又は天気予報とに関する情報をネットワーク511から受信し、例えばディスプレイ10及び/又はスピーカなどのユーザ通信インターフェースを通して通信するように構成されることができる。
【0093】
図4は、ネットワーク機能を有する本発明に係るマシン1を含むネットワークを示している。
【0094】
通信ネットワーク501にはサーバ50も接続され、サーバは例えばカプセルサプライヤと関連付けられることができる。サーバ50は、ユーザ、カプセル、マシン、カプセル消費又は同様の事項に関するデータを含むデータベース51に更に接続されることができる。
【0095】
ユーザ装置70は通信ネットワーク501に接続されることが更にできる。そのようなユーザ装置70は、例えばノートパソコン、PC、携帯電話、PDA、又はネットワーク通信機能を有する任意の他のユーザ装置とすることができる。
【0096】
ユーザは、ユーザ装置70によって例えばデータ、プログラム又は情報を飲料調製マシン1に送信することができる。例えばユーザは新しい若しくは更新されたソフトウェア又はデータを飲料調製マシン1にロードすることができる。また、ユーザは飲料調製マシンの設定を遠隔で変更することもできる。制御モジュール21と通信モジュール11の間で通信する可能性の程度に応じて、ユーザは飲料調製処理を遠隔で開始する、停止する又は変更することもできる。ユーザは、ユーザの個人的なユーザ設定を変更するために、カプセル注文を送信するために、サポート要求又は情報要求を送るために、あるいは同様のことをするために、ユーザ装置70を通してサーバ50にログインすることもできる。
【0097】
図4ではネットワーク501が飲料調製マシン1、サーバ50及びユーザ装置70を接続する単一のネットワークとして図示されているが、様々な装置が1つ又は複数の別々のネットワークを経由して通信することも可能である。あらゆる種類のネットワークが、例えばブルートゥース(登録商標)、赤外線、GSM(登録商標)、UMTS、インターネット又は他の任意の種類の有線若しくは無線通信ネットワークを経由する、公衆又は私的ネットワークを含んでいることが可能である。特に、遠隔測定装置などの中間装置が、送信される対応データを変換するために飲料調製マシン1とネットワーク501の間に設けられることができる。複数の装置、すなわち飲料調製マシン1、サーバ50及びユーザ装置70のうちの2つのそれぞれの間における通信は、一方向又は双方向とすることができる。
【0098】
次に、図5から図7を参照して本発明に係るメニュー機構及びメニュー機構を動作させるステップをより詳細に説明する。ここで、図5から図7のそれぞれは飲料調製マシン1の正面図、すなわちディスプレイ10上の表示を示す。また、ボタン12、カプセル入口機構32及びハンドル41を図式的に示す。図5から図7では分かり易さのためにタッチペン15を省略する。
【0099】
ディスプレイ領域71上には、いくつかの画像、記号、アイコン又は同様のものを表示させることができる。ディスプレイは、任意の種類のディスプレイとすることができるし、ディスプレイとタッチパッドの組み合わせ、すなわちタッチスクリーンとすることもできる。図中に図式的に示すようにディスプレイ領域71内に設けられれば、前述したように1つ又は複数のボタン12と更にLEDも設けることができる。
【0100】
本発明によれば、ディスプレイ10が少なくとも2つのアイコン72を表示するように構成されており、それによって、各アイコンが飲料調製マシン1の選択可能なメニュー機能を示す。
【0101】
図7には、そのようなアイコンのいくつかの非限定的な例がディスプレイ領域71上に示されている。車の集団は交通ニュースの機能を示し、星は星図の機能を示し、時計は時間、更には随意的に様々なタイムゾーンを含む世界時間の機能を示し、カップは飲料調製パラメータを設定する機能を示し、地球はネスプレッソクラブに接続する又はフォーラムに参加するWiFi設定若しくは他の任意の通信接続設定などの様々な通信の実現可能手段を示し、本は電子書籍機能を示し、サイコロはゲーム機能を示し、カレンダシートは予定表を示し、太陽は天気のニュースを示し、カプセルは飲料調製マシン1用の新しいカプセル又は他の付属品を注文するためにショップに接続するセットアップを示す。
【0102】
本発明によれば、様々なメニュー機能を提供する複数のアイコン72が少なくとも2つのメニューレベルのグループに分けられる。換言すれば、第1のメニューレベルはアイコンの第1のグループから構成され、少なくとも1つの他のメニューレベルはアイコンの別のグループから構成される。これによって、各アイコンが1つのグループだけに含まれ得る又はいくつかのグループの一部であり得る。すべての飲料調製マシン1は、最初に電源が投入される際には複数のアイコンを少なくとも2つのグループに分けるデフォルト設定を有する。後述するように、顧客によって入力されたパラメータ及び/又は他のパラメータに応じて様々なグループへのアイコンの割り当てを変更することができる。
【0103】
本発明によれば2つの動作モードがある。第1の動作モードでは、図5に示すようにディスプレイ10の主要部分75、すなわちディスプレイ10の大部分に広がる部分に任意の画像74が表示されるか、あるいは何の画像も表示されない。この画像74は、グラフィカルな静止画像若しくは動画像、写真、予定表の記載、ニュース、実際に調製される飲料に関する情報又は同様のもののうちの任意の種類のものとすることができる。この第1の動作モードでは、アイコン72のグループ73も主要部分75に隣接させて表示する。
【0104】
図6に示す第2の動作モードでは、画像74をもはや表示しないが、アイコンのグループ73を主要部分75に表示する。ここで、主要部分に表示されたアイコンのグループ73は、現在選択可能なアイコン又は機能である。第2の動作モードでは、主要部分に表示されるアイコンの様々なグループを切り替えることによって、選択可能にすることができる。
【0105】
第2の動作モードでは、アイコンの1つのグループが現在選択可能なアイコンとして、すなわち現在選択可能なメニュー機能としてディスプレイ上に常に表示される。ここで、現在選択可能なグループが主要部分75に表示される。アイコン72のサイズが第1の動作モードと第2の動作モードの間で変更され、すなわち第2の動作モードにおけるアイコンが第1の動作モードにおけるアイコンより大きく表示され、大きいサイズのアイコン72が現在選択可能であり、小さいサイズのアイコンが現在選択不可能であることが示され得る。
【0106】
既に述べたように、飲料調製マシン1はタッチパッド22を提供して、タッチパッドは飲料調製マシンの上部又は任意の他の部分に設けられることができ、あるいはタッチパッドはディスプレイ10に組み込まれることができる。従って、ディスプレイ10とタッチパッドの組み合わせはタッチスクリーンである。また、タッチスクリーンとそれに加えてタッチパッド22を飲料調製マシン1の筺体上に設けることもできる。
【0107】
ユーザが、ユーザの手によって、タッチペン又は任意の他の手段を用いてタッチパッド上のタッチ操作を行う場合には、このタッチ操作が検出されて、制御部21は第1の動作モードと第2の動作モードの間の切り替えをディスプレイにさせるか、あるいは第2の動作モードの間に制御部21は、現在選択可能なアイコンとして表示されたアイコン72のグループをディスプレイ10に変更させることになる。
【0108】
図5は、本発明に係る第1の動作モードによる飲料調製マシン1のディスプレイ71の第1の表示を示す。ディスプレイ上にはアイコン72のグループ73が表示される。ディスプレイ71の主要部分75には、楽しみ(enchantment)を提供する画像、ムード(mood)動画及び/又は淹出されているコーヒーに関する情報のうちの任意の種類であり得る画像74が示される。この場合、対応するタッチ操作によってアイコン72の第1のグループ73を主要部分74に移動させる可能性を与えるためにそのグループ73が表示される。
【0109】
好適な実施形態によれば、飲料調製マシン1に電源が投入された直後又は飲料調製マシン1がしばらくの間使用されていないときには、第1の動作モードが自動的に選択されて、アイコン73の既定の第1のグループがディスプレイ71上に画像74ととともに表示される。ここで、図5に示すように、アイコン73のグループを小さいサイズで表示することができる。
【0110】
画像74は、受動モード、すなわち様々なシナリオを伴うムードの特徴的形態(mood feature)とすることができる。画像74は、様々なパターンを伴うムード動画、日記帳に残されたメッセージ、すなわちポスト・イット(登録商標)の覚え書き領域のようなもの、又は淹出されているコーヒーに関する特別な動画であり得る。例えば、ユーザがカプセルを挿入するとすぐに、カプセル検出器は制御器20にカプセルに関する情報を送信する。直ちに、動画は、対応する表示及び可能であれば好適にはカップ領域の周囲のLED、並びにまさしくそのカプセルに関する情報又は動画を伴って起動する。
【0111】
第2の動作モードにおいて主要部分75に表示されたアイコン72のグループを変更する際、及び第1の動作モードと第2の動作モードの間を切り替える際には、アイコン72の1つ又は複数のグループの移動をディスプレイ10上に表示するような方法で制御部21がディスプレイを動作させることが好ましい。
【0112】
より具体的には、第1の動作モードではアイコン72の第1のグループ73がディスプレイ上に表示される。第2の動作モードに切り替えると、画像74が消えることになり、アイコンのグループ73がディスプレイ10の主要部分75に移動することになる。好適には、グループ73の移動とともにグループ73の拡大動作も遂行され、これにより主要部分75のグループ73が第1の動作モードより大きく表示される。
【0113】
その他の場合、第2の動作モードにおいてディスプレイの主要部分75のアイコン72のグループを変更する際には、現在表示されているグループ73は主要部分75からディスプレイの端部に移動することになるか、あるいは消えることになる。同様に、主要部分75に第1のグループの代わりに表示されることが意図されたグループは、ディスプレイの端部に現れて、更にディスプレイの主要部分75に移動することになる。
【0114】
第2の動作モードにおいて、ユーザは対応するタッチ操作によってディスプレイ10を変更することができ、それによって、現在選択可能なものとして主要部分75に表示されたアイコンのグループを変更することができる。
【0115】
要約すれば、第2の動作モードにおいてグループのアイコン72が現在選択可能であることを示すために、以下の選択肢がある。すなわち、ディスプレイ10の主要部分にただ1つのグループのみを表示すること、ディスプレイの主要部分に選択可能なアイコンのグループ73を表示すること、及び/又は選択可能であるアイコン72のグループ73をアイコンの他のグループより大きくディスプレイ上に表示することである。
【0116】
選択可能なアイコン72のグループ内のアイコンの機能を最終的に選択するために、タッチスクリーンの場合、それぞれのアイコンに直接触れることは選択として機能し、飲料調製マシン1に対応する機能を提供させる。あるいは、図6に示すように選択インジケータ77、例えば強調表示をアイコン72の周囲に設け、このアイコン72が現在選択されていることが示され得る。選択インジケータ77を現在選択可能なアイコンのグループ73内で別のアイコン72に移動することができる。選択されたアイコンの機能は、タッチパッド上で対応する押圧操作を実行することによって又は対応するボタンを押すことによって提供される。
【0117】
様々なグループ73、76、78に対するアイコン72の割り当ては、ユーザによる各アイコンの選択の実際の頻度又は予測された頻度に依存し得る。メニューレベルのグループ73、76、78は、ユーザによる各アイコンの選択の実際の頻度又は予測された頻度を反映するレベル階層、特に視認性及び/又はアクセス性の階層に構成され得る。従って、より高い使用度を有する機能に関するアイコンを伴うグループは、視覚的表現(例えば視覚的に目立たせること)によって及び/又は(例えば選択されるためにユーザによって必要とされる労力がより少ない)ユーザ選択可能性によって、よりアクセスし易く構成される。
【0118】
例えば、より高い視認性及び/又はアクセス性の階層レベルのグループ78、76は、雰囲気を作る動画と淹出されている飲料とに関する情報から選択される飲料調製マシン機能に関連付けられた少なくとも1つのアイコン72を含む。別の例では、より低い視認性及び/又はアクセス性の階層レベルのグループ73、76は、オンラインショッピング、レシピのチュートリアル、日記帳、ニュース、メッセージボード、クラブサービス、バトラーサービス並びにブレンドライブラリから選択される飲料調製マシン機能に関連付けられた少なくとも1つのアイコン72を含む。
【0119】
様々なグループに対するアイコン72の割り当てを動的に変更することができる。例えば、ユーザは、様々なグループに対するアイコン72の割り当てをユーザの好みに応じて自身で変更することができる。それに代えて又はそれに加えて、飲料調製マシン1は各アイコンについてユーザによる選択の頻度を監視する。次いで、様々なグループに対するアイコンの割り当てがユーザによる選択の頻度に従って変更される。例えば、第1のグループはユーザによって最も選択されそうなアイコンを含み、アイコンの他のグループはユーザによってあまり選択されなさそうなアイコンを含む。
【0120】
あるいは、グループに対する割り当てを変更する代わりに、より高い選択頻度を有するアイコン72をより低い選択頻度を有するアイコン72より大きくディスプレイ10上に表示することができる。
【0121】
更なる可能性は、現日付、現時刻、飲料調製マシンに格納されたユーザの予定表、製造された飲料の種類及び/又は個人設定に応じてディスプレイ10上のアイコン72の割り当て並びに/あるいはサイズを変更することである。
【0122】
以下では、選択可能なアイコンのグループを変更するためにユーザによって実行されるタッチ操作をより詳細に説明する。ここで、以下の説明は、明記されていなければ、ディスプレイ10とは分離された外部タッチパッドの例とともにタッチスクリーンの例に言及する。
【0123】
制御部21及びディスプレイ10にアイコン72のグループをディスプレイ10上で変えさせる第1の機構を図7を参照して説明する。図7の表示例においては、アイコンの3つのグループ73、76及び78がディスプレイ上に示されている。本例では、現在選択可能なアイコンは第2のグループ76である。このことは、第2のグループ76をディスプレイの主要部分75内に表示することによって、及び随意的にこのグループのアイコン72をより大きなサイズで表示することによって示される。
【0124】
第1の可能性は、タッチパッドに沿ったスライド操作の際にタッチ操作が実行されることである。それによって、飲料調製マシン1はスライド操作の方向を検出して、そのスライド方向に従って選択可能なアイコンのグループを変更する。例えば、複数のアイコンは、少なくとも2つのグループ、好ましくは図7に示されているように3つのグループ73、76、78に分けられる。スライド操作の方向が第1の方向で検出される場合には、ディスプレイは第1のグループから第2のグループに変更される。スライド操作の方向がその第1の方向とは反対の第2の方向である場合には、グループの表示は第2のグループから第1のグループに変更される。
【0125】
より具体的には、順位付け又は優先順位付けの類いを様々なグループに割り当てることができる。対応する矢印L及びHを用いて図7に図式的に示すように、一方の方向のグループは矢印Hを伴って示された、より高い優先順位を有し、他の方向のグループは矢印Lを伴って示された、より低い優先順位を有する。それによって、第1の方向へのスライド操作をすると、ディスプレイがより高い優先順位のグループからより低い優先順位のグループに変更され、その第1の方向とは反対の第2の方向へスライドすると、ディスプレイがより低い優先順位のグループからより高い優先順位のグループに変更される。
【0126】
タッチパッドが組み込み型のタッチスクリーンである場合には、グループ変更方向に対するスライド方向の2つの異なる割り当てが可能である。第1の可能性では、ユーザがより低く優先順位付けされたグループの方向にタッチ操作を行う場合には、より低く優先順位付けされたこのグループが現在選択可能であるグループとして表示されることになる。あるいは、ユーザがより低く優先順位付けされたグループの方向にスライド操作を行う場合には、すぐ隣のより高く優先順位付けされたグループが表示される。
【0127】
また、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えるために、すなわち第1の動作モードにおいて端部に表示されたアイコンのグループを主要部分75に移すために同様の機構を使用することもできる。
【0128】
あるいは、スライド方向を検出する代わりに、タッチパッド上のタッチ操作の継続期間を検出することも可能である。既に説明したように、様々な優先順位又は順位を様々なグループに割り当てることができる。ここで、タッチ操作の継続期間が検出される場合には、選択可能なアイコンとして表示されるアイコンのグループが、タッチ操作の継続期間に従って選択される。例えば、その継続期間が長ければ長いほど、選択可能なアイコンとして表示されるアイコンのグループの優先順位がより低くなる。
【0129】
選択可能なアイコンのグループがディスプレイ上で変更される場合、このことは、ディスプレイ上の第1の位置から第2の位置へスライドさせながらアイコンを表示することによって行うことができ、あるいはサイズが一定に変化する画像若しくはその代わりにアイコンのサイズ及び/又は位置が変更された画像が中間画像なしに即座に表示され得る。
【0130】
以下では、図8を参照しながら本発明の方法を再び示す。ここで、主要部分75上でアイコン72のグループを変更する第2の動作モードにおける機構を説明する。
【0131】
処理はステップS0において開始する。ステップS1では各アイコンに対する選択頻度が監視される。ステップS2では複数のアイコンが、随意的に選択頻度に応じて、少なくとも2つのメニューレベルのグループに分けられる。ステップS3では優先順位が各グループに割り当てられる。ステップS4ではアイコンのグループが、ディスプレイ10の主要部分75に現在選択可能なものとして表示される。ステップS5ではタッチパッド上のタッチ操作が検出される。ステップS6ではタッチ操作の方向、速さ及び/又は継続期間が検出される。ステップS7ではアイコンの別のグループが、タッチ操作に応じて及び随意的に優先順位に応じて主要部分75に現在選択可能なものとして表示される。ステップS8では1つのアイコンが現在選択されたアイコンとしてディスプレイ上に表示される。ステップS9ではタッチパッド上の押圧操作が検出される。ステップS10では選択された機能が提供される。処理はステップS11において終了する。
【0132】
従って、本発明によれば、ユーザのニーズ及び行動に容易に適合することができる非常に直感的なメニュー機構が提供される。更に、様々なメニューレベル間の変更と機能の選択が、ユーザに対して非常に容易かつ直感的となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製マシン(1)であって、
複数のアイコン(72)であり、前記複数のアイコンが少なくとも2つのメニューレベルのグループ(73、76、78)に分けられることによってそれぞれが当該飲料調製マシン(1)の選択可能なメニュー機能を示す前記複数のアイコン(72)を格納するメモリと、
ディスプレイ(10)であり、第1の動作モードにおいて前記アイコンの第1のグループ(73)を前記ディスプレイ(10)の主要部分(75)に隣接させて表示し、随意的に前記主要部分には何も表示しないで又は前記アイコン(72)とは異なる画像(74)若しくは任意の画像(74)を表示し、第2の動作モードにおいて前記ディスプレイ(10)の前記主要部分(75)に前記アイコン(72)の1つのグループ(73、76、78)を現在選択可能なアイコン(72)として表示するディスプレイ(10)と、
前記第1の動作モードと前記第2の動作モードの間を切り替えるタッチ操作を受け付けるタッチパッド(10、22)と
を備える、飲料調製マシン(1)。
【請求項2】
前記タッチパッド(22)及び前記ディスプレイ(10)が組み込み型のタッチスクリーンである、請求項1に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項3】
前記タッチパッド(22、10)がスライド式タッチ操作を受け付けるように設計されており、
制御部(21)が、前記スライド式タッチ操作を、前記ディスプレイ(10)上で前記第1の動作モードにおいて示された前記第1のグループ(73)を前記第2の動作モードにおいて前記ディスプレイ(10)の前記主要部分(75)に移す命令に変換するように設計されている、請求項1又は2に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項4】
前記第2の動作モードにおいて前記タッチパッド(10、22)が、前記現在選択可能なアイコン(72)のうちの1つの選択を示すタッチ操作を受け付けるように設計されており、
制御部(21)が対応する前記メニュー機能を開始するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項5】
メモリ装置上に格納され、タッチ式のメニュー機能を提供する飲料調製マシン(1)の制御部(21)によって実行可能なプログラムであって、
当該プログラムが実行に際して、
複数のアイコン(72)のそれぞれが前記飲料調製マシン(1)の選択可能な前記メニュー機能を示すように、複数の前記アイコン(72)を少なくとも2つのメニューレベルのグループに分けるステップと、
第1の動作モードにおいて前記アイコン(72)の第1のグループ(73)をディスプレイ(10)の主要部分(75)に隣接させて表示し、随意的に前記主要部分には何も表示しないで又は前記アイコン(72)とは異なる画像(74)若しくは任意の画像(74)を表示し、第2の動作モードにおいて前記ディスプレイ(10)の前記主要部分(75)に前記アイコン(72)の1つのグループを現在選択可能なアイコン(72)として表示するステップと、
前記第1の動作モードと前記第2の動作モードの間を切り替えるためにタッチパッド(22、10)上のタッチ操作を受け付けるステップと
を行うように構成されている、プログラム。
【請求項6】
前記飲料調製マシン(1)に電源を投入するとき及び/又は前記飲料調製マシン(1)が所定の期間使用されなかった後には、前記第1の動作モードに自動的に切り替えるステップを更に含む、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記タッチパッド(22、10)上のスライド方向、前記スライド方向が第1の方向で検出されるときに前記主要部分(75)の前記アイコン(72)の前記表示を前記第1のグループから第2のグループに変更すること、及び前記スライド方向が前記第1の方向とは反対の第2の方向で検出されるときに前記主要部分(75)の前記表示を前記第2のグループから前記第1のグループに変更すること、並びに/あるいは
前記タッチパッド(10、22)上の前記タッチ操作の継続期間、及び検出される前記継続期間に応じて前記ディスプレイ(10)の前記主要部分(75)に表示される前記アイコン(72)のグループを選択すること
を前記第2の動作モードにおいて検出するステップ、
随意的に、前記アイコン(72)の各グループに優先順位を割り当てるステップ、及び前記継続期間が長いほど前記主要部分(75)に表示される前記アイコン(72)の前記グループの前記優先順位が低くなるように、前記グループの前記優先順位と前記タッチ操作の前記継続期間との関係を規定するステップ
を更に備える、請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2の動作モードにおいて前記主要部分(75)の前記アイコン(72)のうちの1つを現在選択されているアイコンとして示すステップと、
前記タッチパッド(10、22)の押圧操作を検出するステップと、
選択された前記アイコン(72)によって示された対応する前記メニュー機能を提供するステップと
を更に含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2の動作モードにおいて1つのアイコン(72)を現在選択されている前記アイコンとして示す選択ポインタを前記ディスプレイ上に表示するステップと、
前記タッチパッド上の前記タッチ操作を受け付けて、前記タッチ操作に応じて前記選択ポインタを別のアイコン(72)に移動するステップと
を更に含む、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
飲料調製マシン(1)用のタッチ式のメニュー機能を提供するプログラムであって、
複数のアイコン(72)を少なくとも2つのメニューレベルのグループ(73、76、78)に分けるステップを含み、
前記アイコン(72)のそれぞれが前記アイコン(72)を通してユーザによって選択可能な前記飲料調製マシン(1)の前記メニュー機能に関連付けられており、
それによって前記グループの割り当て及び/又は前記アイコン(72)のサイズが前記ユーザによる前記アイコンのそれぞれの実際の選択頻度若しくは予測された選択頻度に依存する、
特に請求項5〜9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記メニューレベルの前記グループ(73、76、78)が、前記ユーザによる前記アイコンのそれぞれの実際の前記選択頻度又は予測された前記選択頻度を反映するレベル階層、特に視認性階層及び/又はアクセス性階層に構成されている、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
より高い視認性及び/又はアクセス性の階層レベルグループ(78、76)が、雰囲気を作る動画と淹出されている飲料に関する情報とから選択される前記飲料調製マシンの前記メニュー機能に関連付けられた少なくとも1つのアイコン(72)を含み、並びに/あるいは
より低い視認性及び/又はアクセス性の階層レベルグループ(73、76)が、オンラインショッピング、レシピのチュートリアル、日記帳、ニュース、メッセージボード、クラブサービス、バトラーサービス及びブレンドライブラリから選択される前記飲料調製マシンの前記メニュー機能に関連付けられた少なくとも1つのアイコン(72)を含む、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記アイコン(72)のそれぞれについて前記ユーザによる前記選択頻度を監視するステップと、
前記選択頻度に応じて前記ディスプレイ(10)上の前記グループの前記割り当て及び/又は前記アイコン(72)の前記サイズを変更するステップと
を更に含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
現日付、現時刻、前記飲料調製マシン(1)内に格納された前記ユーザの予定表、製造された飲料の種類及び/又は個人設定に応じて前記グループの前記割り当て並びに/あるいは前記アイコン(72)の前記サイズを変更するステップを更に含む、請求項8〜13のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
ディスプレイ(10)と、
タッチパッド(10、22)と、
請求項5〜14のいずれか一項に記載のプログラムをサポートするように設計されている制御部(21)と
を備える、飲料調製マシン(1)。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−513146(P2013−513146A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541413(P2012−541413)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068182
【国際公開番号】WO2011/067157
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】