タッチ・アンド・クローズ要素の雄部材を形成する締結要素
締結要素を有し、熱可塑性材料からなる基部ストリップと、ストリップから作製された少なくとも1つの要素とを備え、該要素が、基部ストリップの面に対して横方向、特に垂直方向に延在するステムから構成され、該ステムが、実質的に一様であるか、または基部ストリップからステムの頂点に向かって、特にステムの頂点まで低減する断面と、ステムの頂点から側方に突出する頭部を形成する部分とを有する、シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に熱可塑性材料からなるシートから構成される(雄−雌型)フック・アンド・ループタイプのタッチ・アンド・クローズ要素の雄部材を形成するように意図されている締結要素を有するシートであって、そのシートから、ステムを備える締結要素が突出し、ステムは、シートに対して横方向に、特に実質的に直角に延在し、かつステムから側方に突出する頭部によって終端する、シートに関する。
【0002】
本発明はまた、この種のシートを製造する設備に加えて、この種のシートを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マッシュルーム形状のフックを有する、すなわち熱可塑性材料からなるストリップから構成され、ストリップからマッシュルーム形状の締結要素が突出し、それらは各々、シートに対して実質的に直角なステムから構成されるとともに、前記ステムの周囲全体にステムから側方に突出する頭部から構成される、シートを製造するために、実質的に、以降溶融と呼び、液体ではなく、ただし完全に固体ではないが、部分的に軟化した形態で、押出機から熱可塑性材料を押し出して、加圧ローラと成形ローラとの間でシートを成形しかつ搬送し、成形ローラが、相補的なステム形状を有するキャビティを備え、それにより、シートが2つのローラ間を通過すると、材料の固化の後に、出口において、後に加圧によってかつ/または上部を加熱することによって実質的に変形してマッシュルーム形状の締結頭部を形成する、実質的に円筒状または円錐状のステムを備えたシートが得られることが、従来技術において既知である。
【0004】
シートから作製されるこれらの締結要素は、ループ側のループと協働するように意図されており、ループ側は、たとえば、特に、縦糸、横糸およびループ糸を含む3本棒織機(three-bar loom)で作製されるループ状(編または織)布か、またはループを形成する不織布から構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ループ側と協働する時にあり得る最大引張強度および/または剥離強度を有する締結要素を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願では、(ステムの中央長手方向軸、特にステムの中心を通る垂直軸に対する)所与の長手方向の放射状半断面における頭部の下面の湾曲の突出締結角度、または左、個々に右の締結角度とは、所与の放射状長手方向半断面において、一方でステムの長手方向軸(通常、垂直軸)に対して直角な軸(通常、水平軸)と、所与の放射状面の2つの点PhおよびPbを通る直線であって、Pbは、この放射状半平面においてステムから最も遠い頭部の点として、Phは、ステムから離れ点Pbに向かう締結要素の頭部の下面の第1の点であって、この下面における接線が、前記直角の軸(通常、水平軸)に対して最も傾斜せず(絶対値で)、特にそれに対して平行である、点として定義される、直線との間に形成された角度αと理解される。特に、下面が、ステムから最も遠い点Pbとは異なる最高点を含む場合、接線が最も傾斜していない、特に、通常水平軸である直角の軸に対して平行であるのは、この点である。
【0007】
直線PhPbが、ステムの長手方向軸に対して直角な軸(通常、水平軸)に対して下方に傾斜している場合、締結角度は負であり、それが上方に傾斜している場合、角度は正である。
【0008】
本発明によれば、締結要素を有し、特に熱可塑性材料からなる基部ストリップと、ストリップから作製された少なくとも1つの締結要素とを備え、締結要素が、ステム部とステムから側方に突出する頭部とから構成され、頭部が、それぞれ左側および右側に最大である締結角度を有する、横方向すなわちCDにおいてステムから側方に突出している2つの左翼および右翼を備え、一方、2つの翼の間において放射状に、後方突出部が、方向CDに対して直角である方向MDにおいてステムの後方側から突出し、後側に最大である締結角度を有する、シートは、左側および右側に最大である2つの締結角度が、後側に最大である締結角度より大きいことを特徴とする。
【0009】
したがって、本発明によれば、頭部は、締結要素がループと協働することに関して利点を提供する形状を有し、前記ループは、いくつかの「進入軸」に沿って容易にフックで留められることが可能であり、そのため、最も突出する部分によってより適切に支持される。
【0010】
好ましくは、左側および右側の最大締結角度は厳密に正であり、一方で後側の締結角度はゼロかまたはゼロ未満である。
【0011】
好ましくは、頭部は、前部において、すなわち突出部とは反対側において、ステムから側方に突出しない。
【0012】
さらなる実施形態によれば、頭部は、前部においてもまたステムから突出し、それにより頭部はステムから360°にわたって突出し、したがって締結要素はマッシュルーム形状となる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、方向CDにおける長手方向断面において、2つの左翼および右翼は、中心長手方向面MDに対して実質的に対称である。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、各翼が横方向において左側または右側に突出する距離は、前側から後側に向かう方向に、かつステムから最も遠い中間点まで漸次増大する。
【0015】
好ましくは、ステムは、断面が多角形、特に実質的に矩形または正方形であり、好ましくは最大長手方向寸法の最大側方寸法の比が厳密に1〜2であり、長手方向寸法が好ましくは方向MDに延在している形状を有する。
【0016】
好ましい実施形態によれば、頭部は、リブの形態の2つの突起を備え、それらは、その後方の角によって形成されたステムの縁から頭部の外縁まで、特に、それぞれ左側または右側の翼と後方突出部とが接合される外縁の点まで延在する。
【0017】
好ましくは、各リブは、それが延出する起点であるステムのそれぞれの縁から連続している隆起を有する。
【0018】
好ましくは、頭部とステムとの間の画成面は、基部の面に対して後部に向かう方向において下方に傾斜している。
【0019】
好ましくは、後方突出部とは反対側において、頭部の上面は凹状領域を備え、その凹面は、締結要素から離れる方向に向けられ、この凹状領域は、隆起線により後方にかつステム−頭部画成面によって前方に画成される。
【0020】
好ましくは、隆起線は、ステムの軸を通る頭部の前後軸のそれぞれ右側および左側の頭部の2つの最高点である2つの右頂点および左頂点を含む。
【0021】
好ましくは、2つの頂点は、後縁より前縁に近い。
【0022】
これらの2つの頂点は、ループを、突出部とは反対の側に沿って締結要素に向かってそらすように、またはそれらを翼にそらすように、最適な方法で案内することにより、ループのあり得る最適なフック留めを促進する機能を有する。
【0023】
本発明はまた、締結要素を有するシート、特に本発明による締結要素を有するシートを製造する方法に関する。
【0024】
本発明によれば、締結要素を有するシートを製造する方法は、
プリフォームを有するシートであって、基部ストリップと、シートから横方向に、特に実質的に直角に突出する少なくとも1つのプリフォームとを備え、少なくとも1つのプリフォームが、たとえば正方形あるいは矩形および/または円錐形状の1つまたは複数の円筒状ステムである、シートが搬送されるステップと、
前記プリフォームを有するシートが、支持要素、特に支持ローラの湾曲したまたは直線状の支持面であって、支持が、シートがプリフォームのないその面により支持面と接触するようなものである、支持面と、加圧要素の湾曲したまたは直線状の加圧面との間に形成された隙間内に送られ、2つの支持面および加圧面の凹面が同じ方向に向けられており、隙間が、入口厚さと入口厚さより小さい出口厚さとを有し、支持要素が、プリフォームを有するシートを駆動速度で駆動し、その間に加圧面が固定されるかまたは駆動速度より低い速度で変位する、ステップと、
基部ストリップの厚さと各プリフォームの高さとの合計からなる全高が、入口と出口との間に位置する点における厚さより大きく、この点が入口となることができ、隙間の厚さがこの点から出口に向けて、特に出口まで低減し、それにより、出口に向かって圧縮を増大させることによりプリフォームが変形し、したがって締結要素を有するシートが得られる、ステップと、
を含む。
【0025】
第1の好ましい実施形態によれば、支持要素はローラであり、加圧要素は円形の円筒状面を有し、その凹面は支持要素に向かって向けられており、2つの要素の配置は、2つの間に形成された隙間がその入口から出口まで低減するようなものである。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、要素のうちの一方は周囲温度で維持され、もう一方の要素は、特に熱可塑性材料がポリオレフィン、たとえばPE(ポリエチレン)あるいはPP(ポリプロピレン)またはコポリマーである場合に、特に100℃〜165℃の軟化温度(すなわち弾性変形の限界を超える温度)まで加熱される。
【0027】
好ましくは、周囲温度で維持される要素は、支持要素、すなわちシートのステムと反対側の要素であり、一方で、加熱される要素は加圧要素である。
【0028】
好ましくは、プリフォームは、ステムと、シートの前部の方向においてステムから突出する頭部とから構成され、低減する隙間の出口において、高温の加圧面によりかつもたらされた摩擦により頭部が変形した後、シートの後部の方向に、すなわちプリフォームの頭部に対して反対側に、特に製品の搬送方向とは反対側に突出している部分を有する、本発明による締結要素が得られる。
【0029】
したがって、特に本発明によるように、張り出したかつ/または非対称の突出部を有する締結要素が得られる。
【0030】
好ましくは、隙間内に搬送される、プリフォームを有するシートは、基部ストリップと、特に円筒形状、特に多角形、特に正方形あるいは矩形および/または円錐形の円筒形状である、シートから横方向に、特に実質的に直角に突出しているステムとを備える、ステムを有するシートを、予備支持要素、特に予備支持ローラと、予備加圧要素、特に予備加圧ローラとの間に搬送することによって得られ、
2つの予備支持要素と予備加圧要素との間に予備隙間が形成され、それにより、ステムが、予備加圧要素によって予備支持要素に対して圧縮され、それにより、予備隙間の出口において、シートと端部に側方に突出する頭部を有するプリフォームとを備えた、前記プリフォームを有するシートが得られ、プリフォームの高さは、2つの予備支持要素と予備加圧要素との間の予備隙間の上流で、ステムの高さより小さく、
予備支持要素は、予備隙間の領域においてシートの搬送方向で測定される第1の速度(V1)で変位し、予備加圧要素は、予備隙間の領域においてシートの搬送方向で測定される第2の速度(V2)で変位し、2つの速度は、特に絶対値が互いに異なる。
【0031】
予備加圧要素すなわちローラの速度が予備支持要素すなわちローラの速度より大きい場合、プリフォームに対し、縦方向にステムの前方に張出しを有する「ハンチング(peaked cap)」の形状として知られる形状が得られ(図1に示す例)、一方で逆の場合、縦方向においてステムの後部に、「ハンチング」の形状として知られる張出し形状が得られる。
【0032】
好ましくは、予備支持要素および支持要素は同じ要素、特にローラによって形成され、その一部が予備支持ローラとしての役割を果たし、さらなる部分が支持ローラとしての役割を果たす。
【0033】
好ましくは、2つの予備支持要素および予備加圧要素は、半径が同じであるローラであり、それらの中心は、通過するシートに対する垂線に配置される。
【0034】
好ましくは、予備隙間の正面に戻りローラが設けられる。
【0035】
本発明はまた、特に本発明による、締結要素を有するシートを製造する設備に関する。
【0036】
本発明によれば、締結要素を有するシートを製造するように意図された設備は、湾曲したまたは直線状の支持面を有する支持要素、特にローラならびに湾曲したまたは直線状の加圧面を有する加圧要素であって、2つの支持面および加圧面が、それらの凹面がそれらの間に隙間を形成するように同じ方向に向けられて配置された、支持要素および加圧要素と、プリフォームを有するシートを、2つの要素の間の隙間内に入るように搬送し、それによりシートがプリフォームのないその面によって支持されるように意図された手段であって、隙間が入口と出口との間に、かつ好ましくは入口と出口との間の少なくとも一部分にわたって延在し、隙間の厚さが出口に向かって低減する、手段と、を備え、支持要素は、シートを駆動速度で駆動し、その間に加圧面は固定されるか、または駆動速度より低い速度で変位する。
【0037】
好ましい実施形態によれば、支持要素はローラであり、加圧要素は、湾曲した加圧面を備え、それはその凹面が支持ローラに向かって向けられており、この面は特に断面が円弧からなる。
【0038】
好ましい実施形態によれば、予備支持要素、特に予備支持ローラと、予備加圧要素、特に予備加圧ローラとは、上流に設けられ、2つの予備要素の間に予備隙間が形成され、予備加圧要素は、予備隙間の領域において、搬送方向に測定される第1の変位速度V1を有し、予備支持要素は、予備隙間の領域において、搬送方向に測定される第2の変位速度V2を有し、それは速度V1とは異なる。
【0039】
好ましくは、予備加圧要素は、予備支持要素の温度より高い温度、特に、熱可塑性材料がポリオレフィン、たとえばPEもしくはPPまたはコポリマーである場合は100℃〜165℃の軟化温度まで加熱され、支持要素は、実質的に周囲温度、特に20℃〜40℃である。
【0040】
好ましくは、予備支持要素はローラであり、支持要素は、同じローラから構成され、ローラの一部が予備支持要素を形成し、ローラのさらなる部分が支持要素を形成する。
【0041】
好ましくは、加圧要素は、100℃〜160℃の温度になる。
【0042】
ここで、例として、図面を参照することにより、本発明による装置および本発明によって得られるステムを有するシートの実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】締結要素を有する搬送されたシートも示す、本発明による設備の概略図である。
【図2】厚さが低減している隙間に入る前の、プリフォームを有するシートの部分の中央長手方向断面に沿った図である。
【図3】図2のプリフォームを有するシートの上方からの(図2の線IIIに沿った)図である。
【図4】ステムの中心軸を実質的に通る図2の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】厚さが低減している隙間の出口で得られる締結要素を有するシートの部分の長手方向断面に沿った図である。
【図6】ステムの中心軸を実質的に通る、図5の線VI−VIに沿った断面図である。
【図7】図5のシート部分の上方からの(図5の線VIIに沿った)図である。
【図8】頭部と角度A、BおよびCによって囲まれる円を示す、図7と同一のより大きい倍率での図である。
【図9】図7のより大きい倍率での図である。
【図10】搬送されたシートのない図1の設備の図である。
【図11】図5〜図7の締結要素の正面斜視図である。
【図12】図11の締結要素の側方(CD)からの図である。
【図13】図11および図12の締結要素の下方からの後方斜視図である。
【図14】図11〜図13の締結要素の下方からの正面斜視図である。
【図15】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【図16】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【図17】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【図18】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【図19】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1において、締結要素を有するシートを製造する設備を概略的に示す。
【0045】
たとえば多角形、たとえば正方形あるいは矩形、または楕円形、特に円形、または同様のおよび/あるいは円錐形の断面の円筒状ステムを有するシート1が、ステムを有するシートを形成する図示しない装置から搬送され、装置は、通常、形成されることが望まれるステムに相補的な形状を有するキャビティを備えた成形ローラと、加圧ローラとを備え、前記ローラは互いに離れて隙間を形成し、その隙間に熱可塑性材料が、成形キャビティ内に押し込まれるように完全に固体でも液体でもないシート状の材料の形態で、押出によって運び込まれ、それにより、出口において、キャビティ内で成形することにより、キャビティの形状に相補的な形状、特に円筒形状、たとえば多角形、特に正方形あるいは矩形、または楕円形、特に円形、および/またはわずかに円錐形のステムを有する、シート1が得られる。
【0046】
そして、ステム1を有するこのシートは、(特に戻りローラによって)支持ローラ3(予備支持ローラ)と第1の加圧ローラ4(予備加圧ローラ)との間に形成された第1の隙間2(予備隙間)内に搬送される。
【0047】
2つのローラは実質的に直径が同じである。
【0048】
図1に示すように、支持ローラ3は、シート1を駆動するように、ある回転速度で左回りに回転する。加圧ローラ4は、反対方向に回転する。それはまた、同じ方向に回転することもできる。2つのローラ間の隙間2は、2つのローラの間でそれらのそれぞれの中心を通る線に沿って測定された最短距離からなる深さを有し、その深さは、シートのストリップ5と、前記隙間の上流に搬送された、ステムを有するシートのステム6との全高より小さいように調整されている。
【0049】
予備加圧ローラ4は、好ましくは周囲温度で維持されている支持ローラそれ自体の温度を上回る温度まで加熱される。特に、熱可塑性材料がポリオレフィンである場合、予備加圧ローラ4は、110℃〜165℃の温度まで加熱される。この温度は、2つのローラの間を通過しかつステムを有するシートを形成する熱可塑性材料の溶融温度を下回らなければならない。
【0050】
予備加圧ローラ4の回転速度および予備支持ローラ3の速度は、予備隙間の領域においてシートの搬送方向に測定された加圧ローラの速度V1が、隙間の領域において同じ搬送方向に(すなわち、2つのローラが隙間を形成する領域において2つのローラに対して接線方向に)測定された支持ローラの速度V2とは異なるように選択される。
【0051】
特に、図示する実施形態では、速度V1はV2より大きく、特に5〜20%大きく、速度V2は、特に5〜15m/分であることが可能である。2つの速度は、反対方向に向けられる場合、V2の方向に測定され、したがってV1は負の速度を有し、したがってV2より小さい。
【0052】
2つの予備ローラ3および4の間の第1の隙間2の出口において、ステムを有するシートは、基部5とステム7および頭部8からなる締結要素6’とを備える締結要素またはプリフォームを有するシートになる。頭部8は、搬送方向に対して進行方向にステムから突出している。依然として支持ローラ3によって支持されているシートは、第2の隙間10内に搬送される。
【0053】
この隙間10は、ローラ3の円周部に沿って、200mmの長さの円弧にわたって延在している。
【0054】
この隙間は、一方では支持ローラ3の外面の一部と、他方では加圧要素12の断面(図の面)において円形である湾曲面11との間に形成される。隙間は、入口点Eと出口点Dとの間に延在している。隙間の深さ、すなわち2つの対向する面、すなわち表面11とローラ3の外面の一部分30との間の距離は、点Eから点Dまで低減し、すなわちストリップが搬送される方向に低減する。深さは、ローラ3の外面の半径方向(接線に対して垂直)に測定される。それは、入口においておよそ1mmであり、出口においておよそ0.4mmである。隙間10の第1の長さBにわたり、厚さは、ストリップ5、および第1の隙間から現れるプリフォーム6’の全高より大きい。この第1の長さの間、シートおよびプリフォームは予熱され、その後、シートは第2の長さCに入り、それは、深さが、ストリップ5およびプリフォーム6’の全高に等しく、後に下回り、それにより、表面11と接触し、そこで、出口Dに近づくに従い圧力が増大する。この長さCにわたり、頭部の最終的な形状が生成される。
【0055】
加圧要素12は固定されている(変位速度がゼロである)。それはまた、可動であるが、常に、V2の方向で測定される場合にその速度がV2を下回るように可動であってもよい。
【0056】
対向する表面11および30の凹面は、同じ方向に、すなわち支持ローラ3の中心に向かって向けられている。必要な場合は、これらの2つの表面のいずれかまたは両表面は直線状または実質的に直線状である。
【0057】
要素、特に加圧要素は、概して金属材料、特に硬質材料からなる。しかしながら、それらを、およそ160℃の温度に耐えることができる他の材料から作製してもよい。
【0058】
同様に、支持ローラは金属からなる。しかしながら、それもまた、およそ40°の温度に耐える他の任意の材料(ゴム、熱可塑性材料等)から作製してもよい。
【0059】
図2において、長手方向断面での、すなわち方向MD(縦方向)に平行であるとともにシートの基平面に対して垂直である平面での、2つの予備支持ローラ3と加圧ローラ4との間の第1の予備隙間の出口における、プリフォームを有するシートの図を示す。基部に対して垂直または直角方向にシートの基部5から作製されたプリフォーム6’は、ステム7からなり、その断面、すなわち基部5に対して平行な平面における断面は、実質的に一様であるか、またはその頂点に向かってかつその頂点まで厳密に低減する(これは図に示す場合である)。このステム7は、その上端すなわち頂点において、ステム7から横方向に突出する頭部8によって延長される。プリフォームの実質的に中央部分である、図2に示す長手方向断面の図において、頭部8は、縦方向の前方側(図の左側)で突出し、後方側(すなわち図の右側)では突出せず、特に後方側では、締結能力はない。頭部8は、図3のように上方から見ると、断面が実質的に長円または楕円形状である上面を有する。それは、頭部の全周囲のおよそ25%に対応するステムの周囲の弧にわたって延在する後方部を除き、ステムからステムの円周の大部分にわたって突出する。この割合は、本発明によれば、15%〜50%変化してもよい。これは、円形頭部の場合、およそ50°〜170°、特におよそ90°の角度部分に対応する。
【0060】
突出しない頭部の部分は、この実施形態では、後端部に位置し、それは、予備加圧ローラが支持ローラより迅速に回転するためである。
【0061】
図4において、横方向(CD)における断面に沿って、図2のプリフォームのうちの1つを示す。頭部8は、ステムの左側および右側両方において、この場合は実質的に等しい距離突出する。頭部8が方向CD(横方向)においてステム7に対して左側および右側から突出する、方向CDにおいて測定される距離は、それがゼロであるステムの後側から、それが最大であるステムの前側まで増大する。
【0062】
断面において、ステムは、矩形、正方形、多角形、円形、長円形または同様の断面を有することができる。好ましくは、図に示すように、それは矩形であり、その長さのその幅に対する比は好ましくは1〜2である。特に、その長さは、方向MDに向けられており、その幅は方向CDに向けられている。
【0063】
図5〜図9および図11〜図15に、隙間10の出口で得られるような、締結要素を有するシートを示す。各締結要素は、一定であるかまたは低減している断面(すなわち、ステムの軸が延在する方向(この実施形態では鉛直の方向)に対して直角の断面、但し、ステムの軸は鉛直に対して傾斜してもよいことは本発明の範囲内で完全に想定されている)を有するステム部17からなる。締結要素の頭部18は、ステム部17から横方向に突出している。
【0064】
本発明の範囲内で、フック、マッシュルームまたは締結要素は、2つの部分、すなわちステム部と、ステムから横方向に突出する頭部とを備える。下方に、頭部とステムとの間の画成面が画成され、それは、頭部およびステムが各々この面の一方の側にあるようになっている。
【0065】
この平面を確定するために、ステムの後縁および前縁が画成され、それらは、ステムの外面の最後部点、それぞれステムの前方に最も遠い点を含む線である。
【0066】
後縁の場合、点M2は、以下のような縁の点であるものとして定義される:ステムの(基部の領域における)底部から後縁に沿って頂部まで移動する場合、縁を形成する線が湾曲形状を有し始める点、特に、この点M2の下に位置する縁の部分に対して、後方に向かう点。なお、この点M2に至るまでは、後縁は概して垂直である(円筒状ステム)かまたは前部に対して傾斜している(円錐形ステム)。
【0067】
前縁の場合、後側とは反対の側において、点M1は、前縁が湾曲形状を有し始める位置に対応するものとして定義される。なお、この点に至るまでは、前縁は概して垂直直線形状であるかまたは後方に傾斜している。
【0068】
したがって、画成面は、直線M1M2を含むとともに、方向CDに対して直角かつ平行である面である。
【0069】
たとえば、ステムの断面が矩形または正方形であり、したがって4つの角を有する場合、ステムのそれぞれの縁に位置する、頭部の2つの画成する前方の点および2つの画成する後方の点が画成される。
【0070】
前部では、後側とは反対の側において、2つの点は、前縁が、垂直かつ直線状であるかまたは後部に向かって傾斜している形状を有した後に湾曲形状を有し始める位置に対応する。
【0071】
したがって、例として、図11〜図14の実施形態では、図12に見ることができるように、特におよそ10°、概して1°〜20°である角度、下方にかつ後方に傾斜している直線M1M2が示されている。図示する場合では、点M1およびM2は、各側に2つの縁があるため二重に存在する(矩形または正方形の角毎に1つの縁がステムの断面を形成している)。
【0072】
フックの長手方向断面における各平面において、平面においてステムからステムの右側および左側に突出する頭部の下面に対応する湾曲が画成されている。右側および左側への各湾曲は、最高の点Phと、それぞれ最高点の左または右側の最低の点Pbとを含む。
【0073】
上述したように、フック、マッシュルームまたは締結要素の突出は、所与の放射状長手方向半断面において、締結要素が出ているシートの水平面または基面と、2つの点PbおよびPhを通る直線との間の角度であるものとして定義される。角度が大きいほど、所与の平面における頭部の突出が大きくなる。頭部の外側周縁は、すべての点Pbを含む曲線Cbであるものとして定義される。
【0074】
図4および図5に見ることができるように、左側または右側への最大締結角度(2つの翼は対称である)は、aに等しく、厳格に正であり、図示する直線PhPbは、図6の左側放射状半面において下方に傾斜しており、一方で、図5に示す後部に対して最大の締結角度bは、負であり(図示する直線PhPBは図5の後方放射状半面において上方に傾斜している)、したがって角度aより小さい。
【0075】
図7において、または図9において拡大して見ることができるように、頭部の外縁に対応する曲線Cbは、前方湾曲部分20、右中間部分40、左中間部分41、右側方湾曲部分21、後方湾曲部分22および左側方湾曲部分23を含む。
【0076】
同様に、曲線Ch(図9において点線で示す)は、前方湾曲部分20(この部分に沿った頭部はステムから突出しないため、曲線Cbの前方湾曲部分と同一である)、右中間部分46、右側方湾曲部分25、後方湾曲部分26、左側方湾曲部分27および左中間部分47を含む。
【0077】
これらの部分20〜27ならびに40、41、46および47は、円弧におよそ一致してもよい。
【0078】
前方部分20の凹面は、正面に向かって向けられている。後方部分22の凹面は正面に向かって向けられている。部分21、22、23、25、26、27の凹面はステムに向かって向けられている。
【0079】
中間部分40〜47の凹面は、要素の外側に向かって向けられている。
【0080】
部分40および42ならびに41および43によってそれぞれ画成される領域は、凹状面を有し、その凹面は、要素の外側に向かって向けられている。
【0081】
後方部分26の凹面は、正面に向かって向けられている。部分25および27の凹面は、互いに対向してステムに向かって向けられている。
【0082】
部分26の曲率は部分22の曲率より小さい(部分26の曲率半径は部分22の曲率半径より大きい)。
【0083】
部分21の曲率は部分25の曲率より大きい(部分21の曲率半径は部分25の曲率半径より小さい)。
【0084】
部分23の曲率は部分27の曲率より大きい(部分23の曲率半径は部分27の曲率半径より小さい)。
【0085】
実質的に部分22全体に沿って、特にその中心点すなわち最後部において、頭部の突出は実質的にゼロに等しい。
【0086】
実質的に部分23(個々に21)全体にわたり、頭部の突出は、後方部分にわたる頭部の最大突出より大きい。
【0087】
したがって、締結要素の頭部の側方領域にわたり、ループの牽引において優れた挙動を確実にするのを可能にする大きい突出があり、前方領域にわたり、ループが、頭部の側方翼と協働するために容易に案内されるのを可能にする小さい突出がある。
【0088】
さらに、2つの中間部分40および41は、部分20と、それぞれ部分21および23との間に延在する。
【0089】
図11〜図14において、図5〜図7の実施形態のさまざまな斜視図を示している。
【0090】
締結要素は、4つの角を有する矩形または正方形断面(締結要素が出ている基部ストリップに対して平行である)のステム部30を備えている。したがって、ステム30の高さに沿って、4つの縁31は、基部から、実質的に締結要素の頭部32が延出する高さまで上方に延在する。ステムの断面は矩形または正方形表面領域を有し、それは、基部から頭部が始まる高さ程度まで低減する。それはまた一定であってもよい。
【0091】
方向CD(図12の視軸)における2つの反対の側において、頭部は2つの翼33、34を備え、その外縁は部分21および23に対応している。方向MD(図12に示す)における前方側では、頭部はステムから突出していない。方向MDにおける後方側(図12の左側)では、頭部は突出部35を備え、その外縁は部分22に対応する。
【0092】
方向CDにおいてステムから最も遠い箇所にある翼の締結突出または締結角度は、突出部の締結突出部すべてより大きい。
【0093】
頭部の上面は、後方側に凹状領域36を備え、その凹面は、締結要素から離れる方向に、特に上方に向けられている。この凹状領域は、後部において隆起線37により、前部に対してステムにより特に部分20により画成されている。
【0094】
隆起線37は、右部分42、中心部分および左部分43から構成されている。2つの右部分42および左部分43は、部分20と、それぞれ中間右部分40および中間左部分41との接合部から、間に隆起線の中心部分が延在する、それぞれ2つの右頂点38および左頂点38まで延在している。この中心部分は最後中心点49を含む。
【0095】
さらに、右中間隆起線44および左中間隆起線45が、右翼および左翼の縁または部分21および23の前端を、2つの右頂点38および左頂点38にそれぞれ接続する。
【0096】
頭部の外面は、凹状面36から離れて、2つのさらなる右凹状面および左凹状面を備え、それらの凹面は外側に向かって向けられており、それらの凹状面は、部分40、42、44および41、43、45によってそれぞれ画成されている。
【0097】
2つの頂点38は、締結要素の上面の2つの最高点である。これらの2つの最高頂点38の存在には、締結要素と協働するように意図されたループを、締結要素の直接前方に向かって、または翼33、34に向かって案内し、それによりループは、特に、締結要素に十分に締結され、優れた引張強度および/または剥離強度を有する雄・雌型タッチ・アンド・クローズ要素が得られる、という利点がある。
【0098】
突出部35の側では、2つのリブ39が、ステムの後縁31の上端部から、頭部の外縁20(点Pbの位置)程度まで延在している。これらのリブは、後縁31から連続している隆起線を有する厚化の形状を有している。それらは、方向CDにおいてステムに対して横方向にずれていることにより、方向MDにおいて後側に位置する2つの点において、頭部の外縁まで延在する。これらの2つのリブは、ループと協働する場合により大きい引張強度および/または剥離強度を有する締結要素を提供する。
【0099】
凹状領域36に対して隆起線37の他方の側では、すなわち方向MDにおいて後方側では、頭部の上面は凸状であり、その凸面は上方に向けられており、その領域は、突出部の後外縁により、2つの翼の外縁により、2つの頂点38間に延在する隆起線37の部分により、かつ2つの中間隆起部分44および45により画成されている。
【0100】
2つの翼33、34は外縁(部分Pbの位置)を有し、それは、凸状の曲線湾曲(部分21および23)の形状を有し、その凸面は、方向CDにおいて締結要素から離れる方向に向けられている。
【0101】
各翼に対し、突出締結角度は、端点38の下方に位置する点Pbから、方向MDにおける後部まで増大している。この突出角度の増大は、ステムから最も遠い翼の縁の凸状の曲線湾曲の点に実質的に対応する中間点まで発生する。そして、この突出は、外縁が翼の縁でなくなるリブ39まで低減し、突出角度が実質的にゼロである延長部の縁となる。
【0102】
本発明の好ましい実施形態によれば、
−基部ストリップは厚さが0.05mm〜0.5mmであり、
−ステムは、基部からの垂線に沿って基部から頂点まで測定される高さが、0.1mm〜2.5mmであり、
−頭部は、後方側においてステムから突出し、方向MDにおいて、この方向においてステムの断面の寸法の0.5%〜100%の距離fにより測定され、
−方向CDにおいて、頭部は、ステムの後端の領域において、方向CDにおいて測定される距離、この方向においてステムの断面の寸法の50%〜500%の最大距離e、突出する。
【0103】
頭部に内接する円Ciは、中心O1が、締結要素の上方からの図において方向MDにおける最前点P1(すなわち、方向MDにおいて前部に向けて最も遠い頭部の上面の点)と、締結要素の上方からの図において方向MDにおける最後点P2(すなわち、方向MDにおいて後部に向けて最も遠い頭部の上面の点)との間の、これら2つの点を通る直線上の中間に位置する円として定義され、その半径は、この半分の距離に等しい。
【0104】
好ましくは、左翼および右翼の外周縁は、各々、図8ではおよそ100°に等しく、概して60°〜140°であってもよい、円Ciの円弧Bに対応する長さにわたって延在する。突出部の外周縁は、図8ではおよそ80°に等しく、概して40°〜120°であり得る、円Ciの円弧Cに対応する長さにわたって延在する。最後に、頭部がそれに沿ってステムから突出していない外周縁は、図8ではおよそ80°に等しく、概して40°〜120°であってもよい、Ciの円弧Aに対応する長さにわたって延在する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に熱可塑性材料からなるシートから構成される(雄−雌型)フック・アンド・ループタイプのタッチ・アンド・クローズ要素の雄部材を形成するように意図されている締結要素を有するシートであって、そのシートから、ステムを備える締結要素が突出し、ステムは、シートに対して横方向に、特に実質的に直角に延在し、かつステムから側方に突出する頭部によって終端する、シートに関する。
【0002】
本発明はまた、この種のシートを製造する設備に加えて、この種のシートを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マッシュルーム形状のフックを有する、すなわち熱可塑性材料からなるストリップから構成され、ストリップからマッシュルーム形状の締結要素が突出し、それらは各々、シートに対して実質的に直角なステムから構成されるとともに、前記ステムの周囲全体にステムから側方に突出する頭部から構成される、シートを製造するために、実質的に、以降溶融と呼び、液体ではなく、ただし完全に固体ではないが、部分的に軟化した形態で、押出機から熱可塑性材料を押し出して、加圧ローラと成形ローラとの間でシートを成形しかつ搬送し、成形ローラが、相補的なステム形状を有するキャビティを備え、それにより、シートが2つのローラ間を通過すると、材料の固化の後に、出口において、後に加圧によってかつ/または上部を加熱することによって実質的に変形してマッシュルーム形状の締結頭部を形成する、実質的に円筒状または円錐状のステムを備えたシートが得られることが、従来技術において既知である。
【0004】
シートから作製されるこれらの締結要素は、ループ側のループと協働するように意図されており、ループ側は、たとえば、特に、縦糸、横糸およびループ糸を含む3本棒織機(three-bar loom)で作製されるループ状(編または織)布か、またはループを形成する不織布から構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ループ側と協働する時にあり得る最大引張強度および/または剥離強度を有する締結要素を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願では、(ステムの中央長手方向軸、特にステムの中心を通る垂直軸に対する)所与の長手方向の放射状半断面における頭部の下面の湾曲の突出締結角度、または左、個々に右の締結角度とは、所与の放射状長手方向半断面において、一方でステムの長手方向軸(通常、垂直軸)に対して直角な軸(通常、水平軸)と、所与の放射状面の2つの点PhおよびPbを通る直線であって、Pbは、この放射状半平面においてステムから最も遠い頭部の点として、Phは、ステムから離れ点Pbに向かう締結要素の頭部の下面の第1の点であって、この下面における接線が、前記直角の軸(通常、水平軸)に対して最も傾斜せず(絶対値で)、特にそれに対して平行である、点として定義される、直線との間に形成された角度αと理解される。特に、下面が、ステムから最も遠い点Pbとは異なる最高点を含む場合、接線が最も傾斜していない、特に、通常水平軸である直角の軸に対して平行であるのは、この点である。
【0007】
直線PhPbが、ステムの長手方向軸に対して直角な軸(通常、水平軸)に対して下方に傾斜している場合、締結角度は負であり、それが上方に傾斜している場合、角度は正である。
【0008】
本発明によれば、締結要素を有し、特に熱可塑性材料からなる基部ストリップと、ストリップから作製された少なくとも1つの締結要素とを備え、締結要素が、ステム部とステムから側方に突出する頭部とから構成され、頭部が、それぞれ左側および右側に最大である締結角度を有する、横方向すなわちCDにおいてステムから側方に突出している2つの左翼および右翼を備え、一方、2つの翼の間において放射状に、後方突出部が、方向CDに対して直角である方向MDにおいてステムの後方側から突出し、後側に最大である締結角度を有する、シートは、左側および右側に最大である2つの締結角度が、後側に最大である締結角度より大きいことを特徴とする。
【0009】
したがって、本発明によれば、頭部は、締結要素がループと協働することに関して利点を提供する形状を有し、前記ループは、いくつかの「進入軸」に沿って容易にフックで留められることが可能であり、そのため、最も突出する部分によってより適切に支持される。
【0010】
好ましくは、左側および右側の最大締結角度は厳密に正であり、一方で後側の締結角度はゼロかまたはゼロ未満である。
【0011】
好ましくは、頭部は、前部において、すなわち突出部とは反対側において、ステムから側方に突出しない。
【0012】
さらなる実施形態によれば、頭部は、前部においてもまたステムから突出し、それにより頭部はステムから360°にわたって突出し、したがって締結要素はマッシュルーム形状となる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、方向CDにおける長手方向断面において、2つの左翼および右翼は、中心長手方向面MDに対して実質的に対称である。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、各翼が横方向において左側または右側に突出する距離は、前側から後側に向かう方向に、かつステムから最も遠い中間点まで漸次増大する。
【0015】
好ましくは、ステムは、断面が多角形、特に実質的に矩形または正方形であり、好ましくは最大長手方向寸法の最大側方寸法の比が厳密に1〜2であり、長手方向寸法が好ましくは方向MDに延在している形状を有する。
【0016】
好ましい実施形態によれば、頭部は、リブの形態の2つの突起を備え、それらは、その後方の角によって形成されたステムの縁から頭部の外縁まで、特に、それぞれ左側または右側の翼と後方突出部とが接合される外縁の点まで延在する。
【0017】
好ましくは、各リブは、それが延出する起点であるステムのそれぞれの縁から連続している隆起を有する。
【0018】
好ましくは、頭部とステムとの間の画成面は、基部の面に対して後部に向かう方向において下方に傾斜している。
【0019】
好ましくは、後方突出部とは反対側において、頭部の上面は凹状領域を備え、その凹面は、締結要素から離れる方向に向けられ、この凹状領域は、隆起線により後方にかつステム−頭部画成面によって前方に画成される。
【0020】
好ましくは、隆起線は、ステムの軸を通る頭部の前後軸のそれぞれ右側および左側の頭部の2つの最高点である2つの右頂点および左頂点を含む。
【0021】
好ましくは、2つの頂点は、後縁より前縁に近い。
【0022】
これらの2つの頂点は、ループを、突出部とは反対の側に沿って締結要素に向かってそらすように、またはそれらを翼にそらすように、最適な方法で案内することにより、ループのあり得る最適なフック留めを促進する機能を有する。
【0023】
本発明はまた、締結要素を有するシート、特に本発明による締結要素を有するシートを製造する方法に関する。
【0024】
本発明によれば、締結要素を有するシートを製造する方法は、
プリフォームを有するシートであって、基部ストリップと、シートから横方向に、特に実質的に直角に突出する少なくとも1つのプリフォームとを備え、少なくとも1つのプリフォームが、たとえば正方形あるいは矩形および/または円錐形状の1つまたは複数の円筒状ステムである、シートが搬送されるステップと、
前記プリフォームを有するシートが、支持要素、特に支持ローラの湾曲したまたは直線状の支持面であって、支持が、シートがプリフォームのないその面により支持面と接触するようなものである、支持面と、加圧要素の湾曲したまたは直線状の加圧面との間に形成された隙間内に送られ、2つの支持面および加圧面の凹面が同じ方向に向けられており、隙間が、入口厚さと入口厚さより小さい出口厚さとを有し、支持要素が、プリフォームを有するシートを駆動速度で駆動し、その間に加圧面が固定されるかまたは駆動速度より低い速度で変位する、ステップと、
基部ストリップの厚さと各プリフォームの高さとの合計からなる全高が、入口と出口との間に位置する点における厚さより大きく、この点が入口となることができ、隙間の厚さがこの点から出口に向けて、特に出口まで低減し、それにより、出口に向かって圧縮を増大させることによりプリフォームが変形し、したがって締結要素を有するシートが得られる、ステップと、
を含む。
【0025】
第1の好ましい実施形態によれば、支持要素はローラであり、加圧要素は円形の円筒状面を有し、その凹面は支持要素に向かって向けられており、2つの要素の配置は、2つの間に形成された隙間がその入口から出口まで低減するようなものである。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、要素のうちの一方は周囲温度で維持され、もう一方の要素は、特に熱可塑性材料がポリオレフィン、たとえばPE(ポリエチレン)あるいはPP(ポリプロピレン)またはコポリマーである場合に、特に100℃〜165℃の軟化温度(すなわち弾性変形の限界を超える温度)まで加熱される。
【0027】
好ましくは、周囲温度で維持される要素は、支持要素、すなわちシートのステムと反対側の要素であり、一方で、加熱される要素は加圧要素である。
【0028】
好ましくは、プリフォームは、ステムと、シートの前部の方向においてステムから突出する頭部とから構成され、低減する隙間の出口において、高温の加圧面によりかつもたらされた摩擦により頭部が変形した後、シートの後部の方向に、すなわちプリフォームの頭部に対して反対側に、特に製品の搬送方向とは反対側に突出している部分を有する、本発明による締結要素が得られる。
【0029】
したがって、特に本発明によるように、張り出したかつ/または非対称の突出部を有する締結要素が得られる。
【0030】
好ましくは、隙間内に搬送される、プリフォームを有するシートは、基部ストリップと、特に円筒形状、特に多角形、特に正方形あるいは矩形および/または円錐形の円筒形状である、シートから横方向に、特に実質的に直角に突出しているステムとを備える、ステムを有するシートを、予備支持要素、特に予備支持ローラと、予備加圧要素、特に予備加圧ローラとの間に搬送することによって得られ、
2つの予備支持要素と予備加圧要素との間に予備隙間が形成され、それにより、ステムが、予備加圧要素によって予備支持要素に対して圧縮され、それにより、予備隙間の出口において、シートと端部に側方に突出する頭部を有するプリフォームとを備えた、前記プリフォームを有するシートが得られ、プリフォームの高さは、2つの予備支持要素と予備加圧要素との間の予備隙間の上流で、ステムの高さより小さく、
予備支持要素は、予備隙間の領域においてシートの搬送方向で測定される第1の速度(V1)で変位し、予備加圧要素は、予備隙間の領域においてシートの搬送方向で測定される第2の速度(V2)で変位し、2つの速度は、特に絶対値が互いに異なる。
【0031】
予備加圧要素すなわちローラの速度が予備支持要素すなわちローラの速度より大きい場合、プリフォームに対し、縦方向にステムの前方に張出しを有する「ハンチング(peaked cap)」の形状として知られる形状が得られ(図1に示す例)、一方で逆の場合、縦方向においてステムの後部に、「ハンチング」の形状として知られる張出し形状が得られる。
【0032】
好ましくは、予備支持要素および支持要素は同じ要素、特にローラによって形成され、その一部が予備支持ローラとしての役割を果たし、さらなる部分が支持ローラとしての役割を果たす。
【0033】
好ましくは、2つの予備支持要素および予備加圧要素は、半径が同じであるローラであり、それらの中心は、通過するシートに対する垂線に配置される。
【0034】
好ましくは、予備隙間の正面に戻りローラが設けられる。
【0035】
本発明はまた、特に本発明による、締結要素を有するシートを製造する設備に関する。
【0036】
本発明によれば、締結要素を有するシートを製造するように意図された設備は、湾曲したまたは直線状の支持面を有する支持要素、特にローラならびに湾曲したまたは直線状の加圧面を有する加圧要素であって、2つの支持面および加圧面が、それらの凹面がそれらの間に隙間を形成するように同じ方向に向けられて配置された、支持要素および加圧要素と、プリフォームを有するシートを、2つの要素の間の隙間内に入るように搬送し、それによりシートがプリフォームのないその面によって支持されるように意図された手段であって、隙間が入口と出口との間に、かつ好ましくは入口と出口との間の少なくとも一部分にわたって延在し、隙間の厚さが出口に向かって低減する、手段と、を備え、支持要素は、シートを駆動速度で駆動し、その間に加圧面は固定されるか、または駆動速度より低い速度で変位する。
【0037】
好ましい実施形態によれば、支持要素はローラであり、加圧要素は、湾曲した加圧面を備え、それはその凹面が支持ローラに向かって向けられており、この面は特に断面が円弧からなる。
【0038】
好ましい実施形態によれば、予備支持要素、特に予備支持ローラと、予備加圧要素、特に予備加圧ローラとは、上流に設けられ、2つの予備要素の間に予備隙間が形成され、予備加圧要素は、予備隙間の領域において、搬送方向に測定される第1の変位速度V1を有し、予備支持要素は、予備隙間の領域において、搬送方向に測定される第2の変位速度V2を有し、それは速度V1とは異なる。
【0039】
好ましくは、予備加圧要素は、予備支持要素の温度より高い温度、特に、熱可塑性材料がポリオレフィン、たとえばPEもしくはPPまたはコポリマーである場合は100℃〜165℃の軟化温度まで加熱され、支持要素は、実質的に周囲温度、特に20℃〜40℃である。
【0040】
好ましくは、予備支持要素はローラであり、支持要素は、同じローラから構成され、ローラの一部が予備支持要素を形成し、ローラのさらなる部分が支持要素を形成する。
【0041】
好ましくは、加圧要素は、100℃〜160℃の温度になる。
【0042】
ここで、例として、図面を参照することにより、本発明による装置および本発明によって得られるステムを有するシートの実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】締結要素を有する搬送されたシートも示す、本発明による設備の概略図である。
【図2】厚さが低減している隙間に入る前の、プリフォームを有するシートの部分の中央長手方向断面に沿った図である。
【図3】図2のプリフォームを有するシートの上方からの(図2の線IIIに沿った)図である。
【図4】ステムの中心軸を実質的に通る図2の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】厚さが低減している隙間の出口で得られる締結要素を有するシートの部分の長手方向断面に沿った図である。
【図6】ステムの中心軸を実質的に通る、図5の線VI−VIに沿った断面図である。
【図7】図5のシート部分の上方からの(図5の線VIIに沿った)図である。
【図8】頭部と角度A、BおよびCによって囲まれる円を示す、図7と同一のより大きい倍率での図である。
【図9】図7のより大きい倍率での図である。
【図10】搬送されたシートのない図1の設備の図である。
【図11】図5〜図7の締結要素の正面斜視図である。
【図12】図11の締結要素の側方(CD)からの図である。
【図13】図11および図12の締結要素の下方からの後方斜視図である。
【図14】図11〜図13の締結要素の下方からの正面斜視図である。
【図15】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【図16】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【図17】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【図18】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【図19】図5〜図7および図11〜図14に概略的に示す締結要素の写真の複製である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1において、締結要素を有するシートを製造する設備を概略的に示す。
【0045】
たとえば多角形、たとえば正方形あるいは矩形、または楕円形、特に円形、または同様のおよび/あるいは円錐形の断面の円筒状ステムを有するシート1が、ステムを有するシートを形成する図示しない装置から搬送され、装置は、通常、形成されることが望まれるステムに相補的な形状を有するキャビティを備えた成形ローラと、加圧ローラとを備え、前記ローラは互いに離れて隙間を形成し、その隙間に熱可塑性材料が、成形キャビティ内に押し込まれるように完全に固体でも液体でもないシート状の材料の形態で、押出によって運び込まれ、それにより、出口において、キャビティ内で成形することにより、キャビティの形状に相補的な形状、特に円筒形状、たとえば多角形、特に正方形あるいは矩形、または楕円形、特に円形、および/またはわずかに円錐形のステムを有する、シート1が得られる。
【0046】
そして、ステム1を有するこのシートは、(特に戻りローラによって)支持ローラ3(予備支持ローラ)と第1の加圧ローラ4(予備加圧ローラ)との間に形成された第1の隙間2(予備隙間)内に搬送される。
【0047】
2つのローラは実質的に直径が同じである。
【0048】
図1に示すように、支持ローラ3は、シート1を駆動するように、ある回転速度で左回りに回転する。加圧ローラ4は、反対方向に回転する。それはまた、同じ方向に回転することもできる。2つのローラ間の隙間2は、2つのローラの間でそれらのそれぞれの中心を通る線に沿って測定された最短距離からなる深さを有し、その深さは、シートのストリップ5と、前記隙間の上流に搬送された、ステムを有するシートのステム6との全高より小さいように調整されている。
【0049】
予備加圧ローラ4は、好ましくは周囲温度で維持されている支持ローラそれ自体の温度を上回る温度まで加熱される。特に、熱可塑性材料がポリオレフィンである場合、予備加圧ローラ4は、110℃〜165℃の温度まで加熱される。この温度は、2つのローラの間を通過しかつステムを有するシートを形成する熱可塑性材料の溶融温度を下回らなければならない。
【0050】
予備加圧ローラ4の回転速度および予備支持ローラ3の速度は、予備隙間の領域においてシートの搬送方向に測定された加圧ローラの速度V1が、隙間の領域において同じ搬送方向に(すなわち、2つのローラが隙間を形成する領域において2つのローラに対して接線方向に)測定された支持ローラの速度V2とは異なるように選択される。
【0051】
特に、図示する実施形態では、速度V1はV2より大きく、特に5〜20%大きく、速度V2は、特に5〜15m/分であることが可能である。2つの速度は、反対方向に向けられる場合、V2の方向に測定され、したがってV1は負の速度を有し、したがってV2より小さい。
【0052】
2つの予備ローラ3および4の間の第1の隙間2の出口において、ステムを有するシートは、基部5とステム7および頭部8からなる締結要素6’とを備える締結要素またはプリフォームを有するシートになる。頭部8は、搬送方向に対して進行方向にステムから突出している。依然として支持ローラ3によって支持されているシートは、第2の隙間10内に搬送される。
【0053】
この隙間10は、ローラ3の円周部に沿って、200mmの長さの円弧にわたって延在している。
【0054】
この隙間は、一方では支持ローラ3の外面の一部と、他方では加圧要素12の断面(図の面)において円形である湾曲面11との間に形成される。隙間は、入口点Eと出口点Dとの間に延在している。隙間の深さ、すなわち2つの対向する面、すなわち表面11とローラ3の外面の一部分30との間の距離は、点Eから点Dまで低減し、すなわちストリップが搬送される方向に低減する。深さは、ローラ3の外面の半径方向(接線に対して垂直)に測定される。それは、入口においておよそ1mmであり、出口においておよそ0.4mmである。隙間10の第1の長さBにわたり、厚さは、ストリップ5、および第1の隙間から現れるプリフォーム6’の全高より大きい。この第1の長さの間、シートおよびプリフォームは予熱され、その後、シートは第2の長さCに入り、それは、深さが、ストリップ5およびプリフォーム6’の全高に等しく、後に下回り、それにより、表面11と接触し、そこで、出口Dに近づくに従い圧力が増大する。この長さCにわたり、頭部の最終的な形状が生成される。
【0055】
加圧要素12は固定されている(変位速度がゼロである)。それはまた、可動であるが、常に、V2の方向で測定される場合にその速度がV2を下回るように可動であってもよい。
【0056】
対向する表面11および30の凹面は、同じ方向に、すなわち支持ローラ3の中心に向かって向けられている。必要な場合は、これらの2つの表面のいずれかまたは両表面は直線状または実質的に直線状である。
【0057】
要素、特に加圧要素は、概して金属材料、特に硬質材料からなる。しかしながら、それらを、およそ160℃の温度に耐えることができる他の材料から作製してもよい。
【0058】
同様に、支持ローラは金属からなる。しかしながら、それもまた、およそ40°の温度に耐える他の任意の材料(ゴム、熱可塑性材料等)から作製してもよい。
【0059】
図2において、長手方向断面での、すなわち方向MD(縦方向)に平行であるとともにシートの基平面に対して垂直である平面での、2つの予備支持ローラ3と加圧ローラ4との間の第1の予備隙間の出口における、プリフォームを有するシートの図を示す。基部に対して垂直または直角方向にシートの基部5から作製されたプリフォーム6’は、ステム7からなり、その断面、すなわち基部5に対して平行な平面における断面は、実質的に一様であるか、またはその頂点に向かってかつその頂点まで厳密に低減する(これは図に示す場合である)。このステム7は、その上端すなわち頂点において、ステム7から横方向に突出する頭部8によって延長される。プリフォームの実質的に中央部分である、図2に示す長手方向断面の図において、頭部8は、縦方向の前方側(図の左側)で突出し、後方側(すなわち図の右側)では突出せず、特に後方側では、締結能力はない。頭部8は、図3のように上方から見ると、断面が実質的に長円または楕円形状である上面を有する。それは、頭部の全周囲のおよそ25%に対応するステムの周囲の弧にわたって延在する後方部を除き、ステムからステムの円周の大部分にわたって突出する。この割合は、本発明によれば、15%〜50%変化してもよい。これは、円形頭部の場合、およそ50°〜170°、特におよそ90°の角度部分に対応する。
【0060】
突出しない頭部の部分は、この実施形態では、後端部に位置し、それは、予備加圧ローラが支持ローラより迅速に回転するためである。
【0061】
図4において、横方向(CD)における断面に沿って、図2のプリフォームのうちの1つを示す。頭部8は、ステムの左側および右側両方において、この場合は実質的に等しい距離突出する。頭部8が方向CD(横方向)においてステム7に対して左側および右側から突出する、方向CDにおいて測定される距離は、それがゼロであるステムの後側から、それが最大であるステムの前側まで増大する。
【0062】
断面において、ステムは、矩形、正方形、多角形、円形、長円形または同様の断面を有することができる。好ましくは、図に示すように、それは矩形であり、その長さのその幅に対する比は好ましくは1〜2である。特に、その長さは、方向MDに向けられており、その幅は方向CDに向けられている。
【0063】
図5〜図9および図11〜図15に、隙間10の出口で得られるような、締結要素を有するシートを示す。各締結要素は、一定であるかまたは低減している断面(すなわち、ステムの軸が延在する方向(この実施形態では鉛直の方向)に対して直角の断面、但し、ステムの軸は鉛直に対して傾斜してもよいことは本発明の範囲内で完全に想定されている)を有するステム部17からなる。締結要素の頭部18は、ステム部17から横方向に突出している。
【0064】
本発明の範囲内で、フック、マッシュルームまたは締結要素は、2つの部分、すなわちステム部と、ステムから横方向に突出する頭部とを備える。下方に、頭部とステムとの間の画成面が画成され、それは、頭部およびステムが各々この面の一方の側にあるようになっている。
【0065】
この平面を確定するために、ステムの後縁および前縁が画成され、それらは、ステムの外面の最後部点、それぞれステムの前方に最も遠い点を含む線である。
【0066】
後縁の場合、点M2は、以下のような縁の点であるものとして定義される:ステムの(基部の領域における)底部から後縁に沿って頂部まで移動する場合、縁を形成する線が湾曲形状を有し始める点、特に、この点M2の下に位置する縁の部分に対して、後方に向かう点。なお、この点M2に至るまでは、後縁は概して垂直である(円筒状ステム)かまたは前部に対して傾斜している(円錐形ステム)。
【0067】
前縁の場合、後側とは反対の側において、点M1は、前縁が湾曲形状を有し始める位置に対応するものとして定義される。なお、この点に至るまでは、前縁は概して垂直直線形状であるかまたは後方に傾斜している。
【0068】
したがって、画成面は、直線M1M2を含むとともに、方向CDに対して直角かつ平行である面である。
【0069】
たとえば、ステムの断面が矩形または正方形であり、したがって4つの角を有する場合、ステムのそれぞれの縁に位置する、頭部の2つの画成する前方の点および2つの画成する後方の点が画成される。
【0070】
前部では、後側とは反対の側において、2つの点は、前縁が、垂直かつ直線状であるかまたは後部に向かって傾斜している形状を有した後に湾曲形状を有し始める位置に対応する。
【0071】
したがって、例として、図11〜図14の実施形態では、図12に見ることができるように、特におよそ10°、概して1°〜20°である角度、下方にかつ後方に傾斜している直線M1M2が示されている。図示する場合では、点M1およびM2は、各側に2つの縁があるため二重に存在する(矩形または正方形の角毎に1つの縁がステムの断面を形成している)。
【0072】
フックの長手方向断面における各平面において、平面においてステムからステムの右側および左側に突出する頭部の下面に対応する湾曲が画成されている。右側および左側への各湾曲は、最高の点Phと、それぞれ最高点の左または右側の最低の点Pbとを含む。
【0073】
上述したように、フック、マッシュルームまたは締結要素の突出は、所与の放射状長手方向半断面において、締結要素が出ているシートの水平面または基面と、2つの点PbおよびPhを通る直線との間の角度であるものとして定義される。角度が大きいほど、所与の平面における頭部の突出が大きくなる。頭部の外側周縁は、すべての点Pbを含む曲線Cbであるものとして定義される。
【0074】
図4および図5に見ることができるように、左側または右側への最大締結角度(2つの翼は対称である)は、aに等しく、厳格に正であり、図示する直線PhPbは、図6の左側放射状半面において下方に傾斜しており、一方で、図5に示す後部に対して最大の締結角度bは、負であり(図示する直線PhPBは図5の後方放射状半面において上方に傾斜している)、したがって角度aより小さい。
【0075】
図7において、または図9において拡大して見ることができるように、頭部の外縁に対応する曲線Cbは、前方湾曲部分20、右中間部分40、左中間部分41、右側方湾曲部分21、後方湾曲部分22および左側方湾曲部分23を含む。
【0076】
同様に、曲線Ch(図9において点線で示す)は、前方湾曲部分20(この部分に沿った頭部はステムから突出しないため、曲線Cbの前方湾曲部分と同一である)、右中間部分46、右側方湾曲部分25、後方湾曲部分26、左側方湾曲部分27および左中間部分47を含む。
【0077】
これらの部分20〜27ならびに40、41、46および47は、円弧におよそ一致してもよい。
【0078】
前方部分20の凹面は、正面に向かって向けられている。後方部分22の凹面は正面に向かって向けられている。部分21、22、23、25、26、27の凹面はステムに向かって向けられている。
【0079】
中間部分40〜47の凹面は、要素の外側に向かって向けられている。
【0080】
部分40および42ならびに41および43によってそれぞれ画成される領域は、凹状面を有し、その凹面は、要素の外側に向かって向けられている。
【0081】
後方部分26の凹面は、正面に向かって向けられている。部分25および27の凹面は、互いに対向してステムに向かって向けられている。
【0082】
部分26の曲率は部分22の曲率より小さい(部分26の曲率半径は部分22の曲率半径より大きい)。
【0083】
部分21の曲率は部分25の曲率より大きい(部分21の曲率半径は部分25の曲率半径より小さい)。
【0084】
部分23の曲率は部分27の曲率より大きい(部分23の曲率半径は部分27の曲率半径より小さい)。
【0085】
実質的に部分22全体に沿って、特にその中心点すなわち最後部において、頭部の突出は実質的にゼロに等しい。
【0086】
実質的に部分23(個々に21)全体にわたり、頭部の突出は、後方部分にわたる頭部の最大突出より大きい。
【0087】
したがって、締結要素の頭部の側方領域にわたり、ループの牽引において優れた挙動を確実にするのを可能にする大きい突出があり、前方領域にわたり、ループが、頭部の側方翼と協働するために容易に案内されるのを可能にする小さい突出がある。
【0088】
さらに、2つの中間部分40および41は、部分20と、それぞれ部分21および23との間に延在する。
【0089】
図11〜図14において、図5〜図7の実施形態のさまざまな斜視図を示している。
【0090】
締結要素は、4つの角を有する矩形または正方形断面(締結要素が出ている基部ストリップに対して平行である)のステム部30を備えている。したがって、ステム30の高さに沿って、4つの縁31は、基部から、実質的に締結要素の頭部32が延出する高さまで上方に延在する。ステムの断面は矩形または正方形表面領域を有し、それは、基部から頭部が始まる高さ程度まで低減する。それはまた一定であってもよい。
【0091】
方向CD(図12の視軸)における2つの反対の側において、頭部は2つの翼33、34を備え、その外縁は部分21および23に対応している。方向MD(図12に示す)における前方側では、頭部はステムから突出していない。方向MDにおける後方側(図12の左側)では、頭部は突出部35を備え、その外縁は部分22に対応する。
【0092】
方向CDにおいてステムから最も遠い箇所にある翼の締結突出または締結角度は、突出部の締結突出部すべてより大きい。
【0093】
頭部の上面は、後方側に凹状領域36を備え、その凹面は、締結要素から離れる方向に、特に上方に向けられている。この凹状領域は、後部において隆起線37により、前部に対してステムにより特に部分20により画成されている。
【0094】
隆起線37は、右部分42、中心部分および左部分43から構成されている。2つの右部分42および左部分43は、部分20と、それぞれ中間右部分40および中間左部分41との接合部から、間に隆起線の中心部分が延在する、それぞれ2つの右頂点38および左頂点38まで延在している。この中心部分は最後中心点49を含む。
【0095】
さらに、右中間隆起線44および左中間隆起線45が、右翼および左翼の縁または部分21および23の前端を、2つの右頂点38および左頂点38にそれぞれ接続する。
【0096】
頭部の外面は、凹状面36から離れて、2つのさらなる右凹状面および左凹状面を備え、それらの凹面は外側に向かって向けられており、それらの凹状面は、部分40、42、44および41、43、45によってそれぞれ画成されている。
【0097】
2つの頂点38は、締結要素の上面の2つの最高点である。これらの2つの最高頂点38の存在には、締結要素と協働するように意図されたループを、締結要素の直接前方に向かって、または翼33、34に向かって案内し、それによりループは、特に、締結要素に十分に締結され、優れた引張強度および/または剥離強度を有する雄・雌型タッチ・アンド・クローズ要素が得られる、という利点がある。
【0098】
突出部35の側では、2つのリブ39が、ステムの後縁31の上端部から、頭部の外縁20(点Pbの位置)程度まで延在している。これらのリブは、後縁31から連続している隆起線を有する厚化の形状を有している。それらは、方向CDにおいてステムに対して横方向にずれていることにより、方向MDにおいて後側に位置する2つの点において、頭部の外縁まで延在する。これらの2つのリブは、ループと協働する場合により大きい引張強度および/または剥離強度を有する締結要素を提供する。
【0099】
凹状領域36に対して隆起線37の他方の側では、すなわち方向MDにおいて後方側では、頭部の上面は凸状であり、その凸面は上方に向けられており、その領域は、突出部の後外縁により、2つの翼の外縁により、2つの頂点38間に延在する隆起線37の部分により、かつ2つの中間隆起部分44および45により画成されている。
【0100】
2つの翼33、34は外縁(部分Pbの位置)を有し、それは、凸状の曲線湾曲(部分21および23)の形状を有し、その凸面は、方向CDにおいて締結要素から離れる方向に向けられている。
【0101】
各翼に対し、突出締結角度は、端点38の下方に位置する点Pbから、方向MDにおける後部まで増大している。この突出角度の増大は、ステムから最も遠い翼の縁の凸状の曲線湾曲の点に実質的に対応する中間点まで発生する。そして、この突出は、外縁が翼の縁でなくなるリブ39まで低減し、突出角度が実質的にゼロである延長部の縁となる。
【0102】
本発明の好ましい実施形態によれば、
−基部ストリップは厚さが0.05mm〜0.5mmであり、
−ステムは、基部からの垂線に沿って基部から頂点まで測定される高さが、0.1mm〜2.5mmであり、
−頭部は、後方側においてステムから突出し、方向MDにおいて、この方向においてステムの断面の寸法の0.5%〜100%の距離fにより測定され、
−方向CDにおいて、頭部は、ステムの後端の領域において、方向CDにおいて測定される距離、この方向においてステムの断面の寸法の50%〜500%の最大距離e、突出する。
【0103】
頭部に内接する円Ciは、中心O1が、締結要素の上方からの図において方向MDにおける最前点P1(すなわち、方向MDにおいて前部に向けて最も遠い頭部の上面の点)と、締結要素の上方からの図において方向MDにおける最後点P2(すなわち、方向MDにおいて後部に向けて最も遠い頭部の上面の点)との間の、これら2つの点を通る直線上の中間に位置する円として定義され、その半径は、この半分の距離に等しい。
【0104】
好ましくは、左翼および右翼の外周縁は、各々、図8ではおよそ100°に等しく、概して60°〜140°であってもよい、円Ciの円弧Bに対応する長さにわたって延在する。突出部の外周縁は、図8ではおよそ80°に等しく、概して40°〜120°であり得る、円Ciの円弧Cに対応する長さにわたって延在する。最後に、頭部がそれに沿ってステムから突出していない外周縁は、図8ではおよそ80°に等しく、概して40°〜120°であってもよい、Ciの円弧Aに対応する長さにわたって延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結要素を有し、特に熱可塑性材料からなる基部ストリップと、前記ストリップから作製された少なくとも1つの締結要素とを備え、前記締結要素が、ステム部(17)と前記ステムから側方に突出する頭部とから構成され、前記頭部が、それぞれ左側および右側に最大である締結角度を有する、横方向すなわちCDにおいて前記ステムから側方に突出している2つの左翼(33)および右翼(34)を備え、一方、前記2つの翼の間において放射状に、後方突出部(35)が、前記方向CDに対して直角である方向MDにおいて前記ステムの後方側から突出し、後側に最大である締結角度を有する、シートにおいて、左側および右側に最大である前記2つの締結角度が、前記後側に最大である前記締結角度より大きいことを特徴とする、シート。
【請求項2】
前記頭部が、前部において、すなわち前記突出部とは反対側において、前記ステムから側方に突出しないことを特徴とする、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記ステム(17)が、断面が実質的に矩形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
前記頭部が、前記突出部の側においてその後方の角によりその頂点まで形成された前記ステムの縁から延在するリブ(39)の形態の2つの突起を備えることを特徴とする、請求項3に記載のシート。
【請求項5】
各リブが、それが延出する起点である前記ステムのそれぞれの縁から連続している隆起を有することを特徴とする、請求項4に記載のシート。
【請求項6】
前記頭部と前記ステムとの間の画成面(M1M2)が、前記基部の面に対して後部に向かう方向において下方に傾斜していることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載のシート。
【請求項7】
前記突出部とは反対側において、前記頭部の上面が凹状領域(36)を備え、その凹面が、前記締結要素から離れる方向に向けられ、この凹状領域が、隆起線により後方にかつステム−頭部画成面によって前方に画成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシート。
【請求項8】
前記隆起線(37)が、前記ステムの軸を通る前記頭部の前後軸のそれぞれ右側および左側の前記頭部の2つの最高点である2つの右頂点(38)および左頂点(38)を含むことを特徴とする、請求項7に記載のシート。
【請求項9】
前記2つの点(38)が後縁より前縁に近いことを特徴とする、請求項8に記載のシート。
【請求項10】
前記凹状領域(36)に対して前記隆起線(37)の他方の側において、すなわち前記方向MDにおける後方側において、前記頭部の上面が凸状であり、その凸面が上方向に向けられており、前記領域が、前記突出の後外縁により、前記2つの翼の外縁により、前記2つの頂点(38)の間に延在する前記隆起線(37)の部分により、かつ2つの中間隆起部分(44)および(45)により画成されることを特徴とする、請求項5〜9のいずれか一項に記載のシート。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の締結要素を有するシートを製造する方法であって、
プリフォームを有するシートであって、基部ストリップと、前記シートから横方向に、特に実質的に直角に突出する少なくとも1つのプリフォームとを備え、前記少なくとも1つのプリフォームが、たとえば1つまたは複数の円形または円錐状の円筒状ステムである、シートが搬送されるステップと、
前記プリフォームを有するシートが、支持要素、特に支持ローラの湾曲したまたは直線状の支持面であって、支持が、前記シートがプリフォームのないその面により前記支持面と接触するようなものである、支持面と、加圧要素の湾曲したまたは直線状の加圧面との間に形成された隙間内に送られ、前記2つの面の凹面が同じ方向に向けられており、前記隙間が、入口厚さと前記入口厚さより小さい出口厚さとを有し、前記支持要素が、前記プリフォームを有するシートを駆動速度で駆動し、その間に前記加圧面が固定されるかまたは前記駆動速度より低い速度で変位する、ステップと、
前記基部ストリップの厚さと各プリフォームの高さとの合計からなる全高が、前記入口と前記出口との間に位置する点における厚さより大きく、この点が前記入口となることができ、前記隙間の厚さがこの点から前記出口に向けて、特に前記出口まで低減し、それにより、前記出口に向かって圧縮を増大させることにより前記プリフォームが変形し、それにより締結要素を有するシートが得られる、ステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記隙間内に搬送される、前記プリフォームを有するシートは、基部ストリップと、特に円筒形状、特に円形または円錐形である、前記シートから横方向に、特に実質的に直角に突出しているステムとを備える、ステムを有するシートを、予備支持要素、特に予備支持ローラと、予備加圧要素、特に予備加圧ローラとの間に搬送することによって得られ、
前記2つの予備支持要素と前記予備加圧要素との間に予備隙間が形成され、それにより、前記ステムが、前記予備加圧要素によって前記予備支持に対して圧縮され、それにより、前記予備隙間の前記出口において、シートと端部に側方に突出する頭部を有するプリフォームとを備えた、前記プリフォームを有するシートが得られ、前記プリフォームの高さが、前記2つの予備支持要素と前記予備加圧要素との間の前記予備隙間の上流で、前記ステムの高さより小さく、
前記予備支持要素が、前記予備隙間の領域において前記シートの搬送方向で測定される第1の速度(V1)で変位し、前記加圧要素が、前記予備隙間の領域において前記シートの搬送方向で測定される第2の速度(V2)で変位し、前記2つの速度が方向は同じであるが互いに異なることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の締結要素を有するシートを製造するように意図された設備であって、湾曲したまたは直線状の支持面を有する第1の支持要素、特にローラ、及び、湾曲したまたは直線状の加圧面を有する加圧要素、並びに、プリフォームを有するシートを、前記2つの要素の間の前記隙間内に入るように搬送し、それにより前記シートがプリフォームのないその面によって支持されるように意図された手段を備え、前記2つの支持面および前記加圧面は、それらの凹面がそれらの間に隙間を形成するように同じ方向に向けられて配置され、前記隙間は、入口と出口との間に、かつ好ましくは前記入口と前記出口との間の少なくとも一部分にわたって延在し、前記隙間の厚さが前記出口まで低減し、前記支持要素が前記シートを駆動速度で駆動し、その間に前記加圧面がゼロ速度で、または前記駆動速度より低い速度で変位する、設備。
【請求項1】
締結要素を有し、特に熱可塑性材料からなる基部ストリップと、前記ストリップから作製された少なくとも1つの締結要素とを備え、前記締結要素が、ステム部(17)と前記ステムから側方に突出する頭部とから構成され、前記頭部が、それぞれ左側および右側に最大である締結角度を有する、横方向すなわちCDにおいて前記ステムから側方に突出している2つの左翼(33)および右翼(34)を備え、一方、前記2つの翼の間において放射状に、後方突出部(35)が、前記方向CDに対して直角である方向MDにおいて前記ステムの後方側から突出し、後側に最大である締結角度を有する、シートにおいて、左側および右側に最大である前記2つの締結角度が、前記後側に最大である前記締結角度より大きいことを特徴とする、シート。
【請求項2】
前記頭部が、前部において、すなわち前記突出部とは反対側において、前記ステムから側方に突出しないことを特徴とする、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記ステム(17)が、断面が実質的に矩形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
前記頭部が、前記突出部の側においてその後方の角によりその頂点まで形成された前記ステムの縁から延在するリブ(39)の形態の2つの突起を備えることを特徴とする、請求項3に記載のシート。
【請求項5】
各リブが、それが延出する起点である前記ステムのそれぞれの縁から連続している隆起を有することを特徴とする、請求項4に記載のシート。
【請求項6】
前記頭部と前記ステムとの間の画成面(M1M2)が、前記基部の面に対して後部に向かう方向において下方に傾斜していることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載のシート。
【請求項7】
前記突出部とは反対側において、前記頭部の上面が凹状領域(36)を備え、その凹面が、前記締結要素から離れる方向に向けられ、この凹状領域が、隆起線により後方にかつステム−頭部画成面によって前方に画成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシート。
【請求項8】
前記隆起線(37)が、前記ステムの軸を通る前記頭部の前後軸のそれぞれ右側および左側の前記頭部の2つの最高点である2つの右頂点(38)および左頂点(38)を含むことを特徴とする、請求項7に記載のシート。
【請求項9】
前記2つの点(38)が後縁より前縁に近いことを特徴とする、請求項8に記載のシート。
【請求項10】
前記凹状領域(36)に対して前記隆起線(37)の他方の側において、すなわち前記方向MDにおける後方側において、前記頭部の上面が凸状であり、その凸面が上方向に向けられており、前記領域が、前記突出の後外縁により、前記2つの翼の外縁により、前記2つの頂点(38)の間に延在する前記隆起線(37)の部分により、かつ2つの中間隆起部分(44)および(45)により画成されることを特徴とする、請求項5〜9のいずれか一項に記載のシート。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の締結要素を有するシートを製造する方法であって、
プリフォームを有するシートであって、基部ストリップと、前記シートから横方向に、特に実質的に直角に突出する少なくとも1つのプリフォームとを備え、前記少なくとも1つのプリフォームが、たとえば1つまたは複数の円形または円錐状の円筒状ステムである、シートが搬送されるステップと、
前記プリフォームを有するシートが、支持要素、特に支持ローラの湾曲したまたは直線状の支持面であって、支持が、前記シートがプリフォームのないその面により前記支持面と接触するようなものである、支持面と、加圧要素の湾曲したまたは直線状の加圧面との間に形成された隙間内に送られ、前記2つの面の凹面が同じ方向に向けられており、前記隙間が、入口厚さと前記入口厚さより小さい出口厚さとを有し、前記支持要素が、前記プリフォームを有するシートを駆動速度で駆動し、その間に前記加圧面が固定されるかまたは前記駆動速度より低い速度で変位する、ステップと、
前記基部ストリップの厚さと各プリフォームの高さとの合計からなる全高が、前記入口と前記出口との間に位置する点における厚さより大きく、この点が前記入口となることができ、前記隙間の厚さがこの点から前記出口に向けて、特に前記出口まで低減し、それにより、前記出口に向かって圧縮を増大させることにより前記プリフォームが変形し、それにより締結要素を有するシートが得られる、ステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記隙間内に搬送される、前記プリフォームを有するシートは、基部ストリップと、特に円筒形状、特に円形または円錐形である、前記シートから横方向に、特に実質的に直角に突出しているステムとを備える、ステムを有するシートを、予備支持要素、特に予備支持ローラと、予備加圧要素、特に予備加圧ローラとの間に搬送することによって得られ、
前記2つの予備支持要素と前記予備加圧要素との間に予備隙間が形成され、それにより、前記ステムが、前記予備加圧要素によって前記予備支持に対して圧縮され、それにより、前記予備隙間の前記出口において、シートと端部に側方に突出する頭部を有するプリフォームとを備えた、前記プリフォームを有するシートが得られ、前記プリフォームの高さが、前記2つの予備支持要素と前記予備加圧要素との間の前記予備隙間の上流で、前記ステムの高さより小さく、
前記予備支持要素が、前記予備隙間の領域において前記シートの搬送方向で測定される第1の速度(V1)で変位し、前記加圧要素が、前記予備隙間の領域において前記シートの搬送方向で測定される第2の速度(V2)で変位し、前記2つの速度が方向は同じであるが互いに異なることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の締結要素を有するシートを製造するように意図された設備であって、湾曲したまたは直線状の支持面を有する第1の支持要素、特にローラ、及び、湾曲したまたは直線状の加圧面を有する加圧要素、並びに、プリフォームを有するシートを、前記2つの要素の間の前記隙間内に入るように搬送し、それにより前記シートがプリフォームのないその面によって支持されるように意図された手段を備え、前記2つの支持面および前記加圧面は、それらの凹面がそれらの間に隙間を形成するように同じ方向に向けられて配置され、前記隙間は、入口と出口との間に、かつ好ましくは前記入口と前記出口との間の少なくとも一部分にわたって延在し、前記隙間の厚さが前記出口まで低減し、前記支持要素が前記シートを駆動速度で駆動し、その間に前記加圧面がゼロ速度で、または前記駆動速度より低い速度で変位する、設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2012−526577(P2012−526577A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510326(P2012−510326)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000339
【国際公開番号】WO2010/130886
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(596170996)
【氏名又は名称原語表記】APLIX
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000339
【国際公開番号】WO2010/130886
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(596170996)
【氏名又は名称原語表記】APLIX
【Fターム(参考)】
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