説明

タッピングデバイス

【課題】面倒な操作をすることなく、被検体に所定範囲の荷重を与えることができるタッピングデバイスを提供する。
【解決手段】ホルダ10に内装され、ホルダ10の長手方向に沿って往復移動可能な移動体32を有するガイド機構30と、ホルダ10に内装され、その先端側がホルダ10の前面から突出すると共に、その後端が移動体32に支持され長手方向に沿った前進及び後退が可能なロッド13と、ロッド13の先端に形成された衝撃ヘッド14と、ロッド13に所定の荷重を加えてロッド13を基準位置で保持すると共に、ロッド13に所定以上の打撃荷重が作用した際(衝撃ヘッドを介したロッドへの荷重が所定の荷重に達した際)、ロッド13の後退を許容する抵抗手段40と、ロッド13の後端に接続されて、後退したロッドを付勢して基準位置に戻す圧縮バネ50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッピングデバイスに関し、例えば、構造物等の被検体を打撃して、当該被検体を検査するタッピングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、構造物等の被検体を打撃するハンマータイプのタッピングデバイス(衝撃感度測定用ハンマー)が開示されている。
ここで、図11を参照しながら、特許文献1に記載された従来技術のタッピングデバイスの構造を説明する。図示するように、タッピングデバイス100は、作業者に握られる柄101と、柄101の先端部に装着されたハンマー頭部102とが設けられ、更に前記ハンマー頭部102に加速度計(センサ)103が設けられている。
【0003】
また、上記のタッピングデバイス100は、作業者が柄101を握って被検体に向けてハンマー頭部102を振り下ろすことにより、当該被検体への衝撃を加えることができると共に、加速度計103により、ハンマー頭部102の加速度が測定できるように構成されている。そしてまた、加速度計103により測定された打撃時の加速度の値に、ハンマーの重量を乗ずることにより、打撃時に被検体に加えられて衝撃力を算出するようになされている。
【0004】
更に特許文献2には、図12に示すように、被検体に一定の衝撃力を加えるタッピングデバイス(インパルスハンマー)200が提案されている。
図示するように、タッピングデバイス200は、中空筒状のホルダ210と、このホルダ210の長手軸方向に沿って移動自在に設置された移動体212とを備えている。
【0005】
前記ホルダ210は、本体部210aと、この本体部210aの先端に装着され、測定対象物の被検体と接する当接片210dとを有している。
前記移動体212は、当接片210dの開口部に臨んで設けられた衝突片212aと、この衝突片212aに接続され、当該衝突片212aの衝突力を検出するフォースセンサ212bと、このフォースセンサ212bに結合されたガイドロッド212cとを備え、当該ガイドロッド212cには係止溝212fが形成されている。
また、前記ホルダ210には、移動体212の衝突片212aを前記開口部から突出するように付勢するコイルバネ224が内装されると共に、前記コイルバネ224の付勢位置で移動体212の係止溝212fを係止すると共に、該係止を解除するトリガー220が設けられている。
【0006】
そして、上記のタッピングデバイス200により被検体を打撃する場合、先ず、ホルダ210の長手軸方向に沿って移動体212を後方側に引っ張り、当該移動体212の係止溝212fをトリガー220に係止する。次に、ホルダ210の先端側の当接片210dを被検体に押し付けてトリガー220を開放する。
これにより、移動体212がコイルバネ224に付勢されてホルダ210の前方に動作し、その先端の衝突片212aが被検体に衝突する。
上記タッピングデバイス200によれば、被検体に衝突する衝突片212bの衝撃力が、コイルバネ224の付勢力によって一義的に決定されるため、被検体に対して一定荷重の打撃を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−181196号公報
【特許文献2】特開平7−39550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のタッピングデバイス100(図11参照)にあっては、被検体に所定範囲の荷重で打撃を与えることが困難であるという技術的課題を有している。具体的には、タッピングデバイス100では、ハンマー頭部102を振り下ろす際の力の加減により当該被検体に与える衝撃力が変わるため、被検体に与える荷重がバラツキ、精度の高い検査ができないという技術的課題があった。
【0009】
また、上述した特許文献2に記載のタッピングデバイス200(図12参照)にあっては、被検体に打撃するための操作が面倒であるという技術的課題を有している。具体的には、特許文献2のタッピングデバイス200は、被検体への打撃の度に、移動体212を後方側に引っ張りトリガー220にセットし、その後、トリガー220を開放するという面倒な操作を行う必要があった。また、前記タッピングデバイス200では、複数回の連続打撃を短時間で行うことができなかった。そのため、特許文献2に記載のタッピングデバイス200では、効率良く検査を行うことができないという技術的課題があった。
【0010】
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、面倒な操作をすることなく、効率的に被検体に所定範囲の荷重の打撃を与えることができるタッピングデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかるタッピングデバイスは、中空箱状のホルダと、該ホルダの底面部に取り付けられた柄とを備えたタッピングデバイスであって、前記ホルダに内装され、その先端が該ホルダの前面から突出すると共に、前記ホルダの長手方向に沿って前進及び後退が可能なロッドと、前記ロッドの先端に形成された衝撃ヘッドと、前記ホルダに内装された、前記ロッドの前進及び後退をガイドするガイド機構と、 前記ロッドに所定の荷重を加えて前記ロッドを基準位置で保持すると共に、前記ロッドに所定以上の打撃荷重が作用した際、ロッドの後退を許容する抵抗手段と、前記後退したロッドを前記基準位置に戻す、前記ロッドの後端に接続された弾性体と、を備えることを特徴としている。
【0012】
上記のタッピングデバイスの構成によれば、被検体を打撃した際に、衝撃ヘッドに所定の打撃荷重が作用すると(衝撃ヘッドを介したロッドへの荷重が所定の荷重に達すると)、衝撃ヘッドがロッドと共に後退する。
このように、所定力以上の打撃力をもって被検体を打撃しても、衝撃ヘッドがロッドと共に後退するため、必要以上に大きな打撃力を作用させることがなく、所定の衝撃力(所定荷重)を被検体に作用させることができる。
また、本発明にかかるタッピングデバイスにあっては、ロッドが後退しても基準位置に戻す弾性体が設けられているため、上述した特許文献2のように、打撃を行う度にトリガーの設定をする必要がなく、被検体への連続打撃を簡単に行うことができる。
【0013】
ここで、前記ロッドは、後端に向けて径方向の寸法が小さくなるテーパ部を有し、前記抵抗手段は、前記ロッド上を移動可能な回転ローラと、前記回転ローラの両端を回転自在に支持すると共に前記ホルダに対して回動自在に支持されるリンク部材と、前記回転ローラを前記ホルダの底面方向に付勢する付勢手段とを備え、前記テーパ部の下部に回転ローラが位置している場合には、前記回転ローラによって、前記ロッドの後退が制限されることが望ましい。
【0014】
上記の構成により、被検体を打撃した際に、所定以上の打撃荷重を受けない限り、回転ローラはテーパ部の下部に位置し、前記ロッドの後退が制限される。
一方、ロッドに対して所定以上の打撃荷重が作用すると、テーパ部下部に位置する回転ローラの付勢力に抗しながらロッドは後退し、前記回転ローラは前記テーパ部上を移動し登り切る。その後、更にロッドは後退し、前記回転ローラはロッドの外周面上を移動する。
このように、所定力以上の打撃力が作用すると、ロッドは後退し、所定の衝撃力を被検体に作用させる。これにより、一定の仕事量を与えることができる。
【0015】
また、前記衝撃ヘッドは、弾性材料により形成されていることが望ましい。
このように衝撃ヘッドを弾性材料で形成することで、衝撃ヘッドが被検体を打撃したときの衝撃を吸収することができ、その結果、被検体への衝撃力に影響する加速度(衝撃ヘッドが被検体に与える加速度)のバラツキを減らすことができる。これにより、打撃対象となる被検体の硬さやひずみ量のバラツキに影響されることなく、被検体に与える衝撃力のバラツキを少なくすることができる。
【0016】
また、前記ロッドは、前記ホルダの前面側に配置される第1ロッドと、後面側に配置される第2ロッドと、一端が前記第1ロッドに取付けられ、他端が前記第2ロッドに取付けられた圧縮バネとを備え、前記第1ロッドの先端部には前記衝撃ヘッドが設けられると共に、前記第2ロッドには回転ローラが移動可能な前記テーパ部が設けられ、更に前記第2ロッドの後端に前記弾性体が接続されていることが望ましい。
上記の構成により、衝撃ヘッドが被検体に当たった瞬間の第1ロッドによって発生する衝撃が圧縮バネに吸収されるため、被検体に与える加速度のバラツキを減少させることができる。その結果、被検体に与える衝撃力のバラツキを小さくすることができる。
【0017】
また、上面が開放した中空の有底筒状に形成された柄の底部に対して、高さ寸法が変更可能に取付けられた支持棒を備え、引張りバネにより形成された前記付勢手段の一端部が、前記リンク部材の下端部に接続されると共に、前記付勢手段の他端部が前記支持棒に接続され、前記支持棒の高さ寸法を変えることにより、前記引張りバネの長さを変えることが望ましい。
上記の構成によれば、支持棒の底部からの高さ寸法を変えることで、引張りバネの付勢力を変更することができる。その結果、ロッドに作用せしめる荷重を調節することができ、被検体の種類や検査の目的に対応して、被検体に作用させる打撃荷重(ロッドを後退させる打撃荷重)を適切に設定することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、面倒な操作をすることなく、効率的に被検体に所定範囲の打撃荷重を作用させることができるタッピングデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの外観を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの内部構造を示した模式図であり、タッピングデバイスの側面を示した模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの内部構造を示した模式図であり、タッピングデバイスの上面を示した模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態のタッピングデバイスのカバーを外した状態を示した斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態のガイド機構の構成を説明するための模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの動作を説明するための模式図である。
【図7】本発明の第2実施形態のタッピングデバイスの内部構造を示した模式図であり、タッピングデバイスの側面を示した模式図である。
【図8】本発明の第2実施形態のタッピングデバイスの内部構造を示した模式図であり、タッピングデバイスの上面を示した模式図である。
【図9】本発明の実施形態の抵抗手段の変形例を示した模式図である。
【図10】本発明の実施形態の抵抗手段の変形例を示した模式図である。
【図11】従来技術のタッピングデバイスの構造を示した模式図である。
【図12】従来技術のタッピングデバイスの構造を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のタッピングデバイスについて図面に基づいて説明する。
先ず、本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの全体構成を図1乃至図4を用いて説明する。なお、図1は、本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの外観を示した斜視図である。また、図2は、本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの内部構造を示した模式図であり、タッピングデバイスの側面を示した模式図である。また、図3は、本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの内部構造を示した模式図であり、タッピングデバイスの上面を示した模式図である。また、図4は、本発明の第1実施形態のタッピングデバイスのカバーを外した状態を示した斜視図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、第1実施形態のタッピングデバイス1は、中空箱状のホルダ10と、ホルダ10の底面部に取り付けられた柄20と、前記ホルダ10に内装され、その先端側がホルダ10の一端面(前面部)に対して突出すると共に、進退可能(前進及び後退可能)に形成されたロッド13と、前記ロッド13の先端部に形成された衝撃ヘッド14とを備えている。
そして、上記タッピングデバイス1は、作業者が柄20を握り、検査対象の構造物等の被検体に向け衝撃ヘッド14を振り下ろすことにより、前記被検体を打撃し、検査するようになされている。
【0022】
また、前記ロッド13は、ホルダ10に内装されたガイド機構30(具体的な構成は後述する)に、その後端部が支持され、そのガイド機構30により、ホルダ10の長手方向に往復移動可能に構成されている。
またこのロッド13は、ホルダ10の内装された抵抗手段40(具体的な構成は後述する)により所定荷重で押さえられ、所定の基準位置(図2に示す位置)に位置決めされた状態で保持されている。そして、ホルダ10の長手方向(X2方向)への荷重が所定荷重に達すると、前記ロッド13は抵抗手段40から開放され、前記長手方向に後退する(X2方向に動作する)ように構成されている。
【0023】
更に、前記ホルダ10の内部には、前記後退したロッド13を付勢して(ホルダ10の前面部11b1に向けて付勢して)、前記基準位置にロッド13を戻す圧縮ばね(弾性体)50が設けられている。
【0024】
このように構成されたタッピングデバイス1の動作の概要を説明すると、被検体を打撃した際に、衝撃ヘッド14に作用する荷重が所定荷重に達すると(すなわち、衝撃ヘッド14を介してロッド13が受ける荷重が所定荷重に達すると)、衝撃ヘッド14がロッド13と共に後退する。
そのため、所定力以上の打撃力をもって打撃しても、衝撃ヘッド14がロッド13と共に後退するため、被検体に必要以上に大きな打撃力を作用させることなく、所定の衝撃力(所定荷重)を作用させることができる。
また、前記後退したロッド13は、圧縮ばね(図2〜図4参照)50により、前記基準位置に戻されるため、上述した特許文献2のようなトリガーを設定する操作をすることなく、被検体への連続打撃が可能になる。そのため、複数回の連続打撃を短時間で行うことができるため、検査効率を上げることができる。
【0025】
続いて、第1実施形態のタッピングデバイス1の各構成について詳細に説明する。
先ず、ホルダ10及び柄20の構造について図2乃至図4を用いて説明する。
ホルダ10は、上面が開放した中空箱状の本体部11と、本体部11の上面及び左右両側面部11d(図3、図4参照)を覆う断面視コの字の板状のカバー12(図2参照)とを備えている。具体的には、本体部11は、底面部11a、前面部11b、背面部11c及び左右の側面部11dを有し、底面部11aの略中心に貫通孔11a1(図2参照)が形成され、前面部11bにロッド13を挿通させる貫通孔11b1(図2参照)が形成されている。
【0026】
また、図2に示すように、柄20は、上面が開放した中空の有底筒状に形成された内筒部20aと、内筒部20aの下端側の外周部に外嵌された中空筒状のグリップ部20bとを備えている。前記内筒部20aは、上端側外周部にフランジ部20a1が形成されている。
また、内筒部20aの底部20a2の軸心部には、高さ寸法が変更可能に、支持棒21が取付けられている。この支持棒21の一端部にはネジ部21aが形成されると共に、この支持棒21の一端部は内筒部20aの底部20a2を貫通し、底部20a2の外側に設けられたナット22と螺合する。この支持棒21のネジ部21aとナット22の螺合位置を変更することにより、前記支持棒21における底部20a2からの高さ寸法を変更する。
この支持棒21の高さ寸法の変更によって、支持棒21の上端に取り付けられる付勢手段43(後述する)の付勢力を調整することができる。
また、グリップ部20bの底部20b1の軸心には、貫通孔20b2が形成され、当該貫通孔20b2の内部には、内筒部20aの底部20a2を貫通した支持棒21の一端部が配置されている。
【0027】
また、図2に示すように、本体部11を構成する底面部11aの貫通孔11a1には、当該底面部11aの外側から、柄20の内筒部20aの上端が挿嵌される。そして、柄20のフランジ部20a1が底面部11aの外側に当接し、締結手段(ボルト、ねじ等)により、底面部11aとフランジ部20a1とが固定される。なお、本体部11の内部の中空部と柄20の筒内の中空部とは、貫通孔11a1を介して連通している。
【0028】
次に、ロッド13と、ロッド13を支持するガイド機構30について、上述した図2及び図5を用いて説明する。なお、図5は、本発明の第1実施形態のガイド機構30の構成を説明するための模式図である。
【0029】
具体的には、図2及び図5に示すように、ロッド13は棒状に形成され、その一端(先端)側が、本体部11の前面部11bの貫通孔11b1に摺動自在に挿通され支持されている。また、ロッド13の他端(後端)側には、後端に向けて径方向の寸法が徐々に小さくなすテーパ部13aと、テーパ部13aから後端に延びる平坦部13bとが形成されている。
【0030】
また、ロッド13の先端部に形成された衝撃ヘッド14は、ゴム等の弾性材料により形成されている。このように衝撃ヘッド14を弾性材料で形成することで、衝撃ヘッド14が被検体を打撃した瞬間の衝撃を吸収することができ、その結果、被検体への衝撃力に影響する加速度(衝撃ヘッド14が被検体に与える加速度)のバラツキを減らすことができる。これにより、打撃する対象となる被検体の硬さやひずみ量に影響されることなく、衝撃力のバラツキを少なくすることができる。
【0031】
また、図2及び図5に示すように、ガイド機構30は、ホルダ10を構成する本体部11の底面部11aに敷設されたガイドレール31と、ガイドレール31の上に摺動自在に支持されている移動体32とを備えている。
なお、ガイドレール31は、前記底面部11aに形成された貫通孔11a1よりも後方に取り付けられていると共に、その長手方向が、ホルダ10の長手方向と平行をなすように配置されている。この構成により、移動体32は、本体部11の長手方向(X1、X2方向)を往復自在に移動できる。
【0032】
また、ガイド機構30の移動体32には、ロッド13の後端側の平坦部13bが載置され、更にその平坦部13bの上にストッパ金具15が載置され、ロッド13及びストッパ金具15は、ネジによって移動体32に固定されている。
これにより、ロッド13は、その軸線方向(X1、X2方向)に受ける荷重により、本体部11の長手方向(X1、X2方向)を往復自在に移動できる(前進及び後退が可能になっている)。
【0033】
つぎに、圧縮ばね50について図2及び図3を用いて説明する。
図示するように、圧縮バネ50は、一端部がロッド13に固定されたストッパ金具15に取り付けられ(すなわち、ストッパ金具15を介して、ロッド13の後端部に接続され)、他端部がホルダ10を構成する本体部11の背面部11cに取り付けられている。
【0034】
そして、圧縮バネ50は、ロッド13が基準位置(図2に示す位置)から後退した(図示するX2方向に後退してきた)場合、後退したロッド13に押されて圧縮し、ホルダ10の前面部11b方向に、ロッド13を付勢する。
これにより、後退したロッド13は、圧縮バネ50に付勢されて(反発力により)前記基準位置に復帰する。
なお、第1実施形態では、後退したロッド13を所定の位置に戻すために圧縮バネ50を用いているが、あくまでもこれは一例である。圧縮バネ50と同様の機能を備える付勢手段であればどのようなものを用いてもよい。
【0035】
次に、抵抗手段40の構成を図2及び図4に基づいて説明する。
図2に示すように、抵抗手段40は、ロッド13上を移動自在になされ、ロッド13の移動を制限する際にはテーパ部13aの下部に位置する回転ローラ41と、回転ローラ41の両端を回転自在に支持するリンク部材42と、リンク部材42の下端部に接続された付勢手段43とを備えている。また、リンク部材42の上端部は、本体部11の左右両側面部11d(図4参照)に対して、回動可能に支持されている。
【0036】
そして、付勢手段43は、リンク部材42をZ1方向に付勢し、リンク部材42が支持する回転ローラ41を介してロッド13に荷重F1を作用させ(図6(a)参照)、ロッド13の軸線方向の動作を制限している。
即ち、テーパ部13aの下部に、回転ローラ41が位置している状態においては、ロッド13は回転ローラ41から所定荷重F1を受けると共に、前記テーパ部13aによって後退動作が制限されている。
【0037】
また、リンク部材42は、略L字型の板状に形成された一対のアーム部42aと、一対のアーム部42aの上端部を挿通すると共に、本体部11の左右両側面部11dに架け渡された棒状のピン部42bと、一対のアーム部42aの下端部の間に架け渡された棒状の支持部42cとを備えている。
また、一対のアーム部42aは相対向して配置されて、回転ローラ41の両端を挟み、その回転ローラ41を回転自在に支持すると共に、その上端部がピン部42bを中心に回動可能に取り付けられている。
また一対のアーム部42aの下端部の間に架け渡された棒状の支持部42cには、付勢手段43が係止されている。
【0038】
前記付勢手段43は、引っ張りコイルバネ等により構成され、その一端(上端)がリンク部材42の支持部42cに係止され、その他端(下端)が柄20の内筒部20aの底部20a2に取付けられた支持棒21の上端部に係止され、リンク部材42を下方(図2に示すZ1方向)に付勢するように取付けられている。
【0039】
上記の構成により、リンク部材42に支持された回転ローラ41は、リンク部材42と共に下方(図2に示すZ方向)に付勢され、ロッド13は回転ローラ41からの荷重F1を受けて押さえられ、その動作が制限される(図6(a)参照)。
具体的には、テーパ部13a(テーパ部13a下部)の上に回転ローラ41が位置する状態において、ロッド13がX2方向の荷重を受けた場合、回転ローラ41がテーパ部13aを登りきるまでは回転ローラ41を介して受けているZ1方向の荷重F1のX1方向の分力f1が作用するため、ロッド13のX2方向への後退が制限される(図6(a)参照)。
一方、回転ローラ41がテーパ部13aを登りきると、回転ローラ41を介して受けているZ1方向の荷重F1の分力f1が生じないため、ローラ13は、ホルダ10の長手方向を移動することができる。
尚、前記ロッド13が受ける後退方向(X2方向)の荷重が所定の荷重に達するまでは、X2方向に動作しないように、テーパ部13aの角度や、回転ローラ41をZ1方向に引っ張る付勢手段43の付勢力が設計されている。
【0040】
また、ロッド13のテーパ部13aの下部位置が、ロッド13の基準位置であり、基準位置のロッド13には、圧縮バネ50からの力は作用しない(圧縮バネ50は圧縮されておらず自然長の長さを有しているため、反発力は生じない)。また、ロッド13が基準位置よりも前方に突出しないように、その移動を制限するストッパ金具15が設けられ、前記回転ローラ41がストッパ金具15の立設部15bに当接するように形成されている。
【0041】
次に、本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの動作を上述した図2及び図6を用いて説明する。
なお、図6は、本発明の第1実施形態のタッピングデバイスの動作を説明するための模式図であり、図6(a)は、被検体Wを打撃する前のタッピングデバイス1を示した模式図であり、図6(b)〜図6(d)は、被検体Wを打撃した際のタッピングデバイス1の動作を示した模式図であり、図6(e)は、打撃により後退したロッド13が基準位置に復帰する動作を説明するための模式図である。
【0042】
具体的には、図6(a)に示すように、被検体Wを打撃する前のタッピングデバイス1にあっては、ロッド13が抵抗手段40を構成する回転ローラ41を介してZ1方向の荷重F1を受けて押さえられ、基準位置(テーパ部13aの下部)に位置決めされた状態に保持されている。
【0043】
そして、図6(a)に示すタッピングデバイス1の柄20を握って振り上げ、被検体Wに向けてホルダ10を振り下ろし、被検体Wにロッド13の先端部の衝撃ヘッド14を打ち付けると、図6(b)に示すように、衝撃ヘッド14により、被検体Wに衝撃力(打撃荷重)f2が加えられる(この場合、衝撃ヘッド14は、被検体WからX2方向に反力(打撃荷重)f2を受ける)。
【0044】
また、被検体Wを打撃した際の衝撃力f2が、所定荷重(荷重F1のX1方向の分力)f1に達すると(f2=f1)、図6(c)に示すように、テーパ部13aの下部に位置する回転ローラ41が回転してテーパ部13aを乗り越え、ロッド13は更にX2方向に移動(後退)する。ここで、前記所定荷重f1は、回転ローラ41からのZ1方向の荷重F1によって生じる、X1方向の荷重(分力)である。
なお、被検体Wへの衝撃力f2が前記荷重f1より小さい場合には(f2<f1)、回転ローラ41がテーパ部13aを乗り越えることができないため、ロッド13が後退することがない。
【0045】
また、上記のように、ロッド13がX2方向に後退した場合、図6(d)に示すように、後退するロッド13の後端に接続された圧縮バネ50は圧縮される。
この圧縮バネ50は、前記圧縮後に変位前の位置まで伸張するため、ロッド13がX1方向に付勢され、X1方向に向けて移動する(このときに、回転ローラ41がロッド13上を転がる)。そして、ロッド13は、図6(e)に示すように、回転ローラ41がテーパ部13aの下部に位置する状態で停止する(基準位置に復帰する)。
【0046】
以上説明したように、第1実施形態のタッピングデバイス1によれば、衝撃ヘッド14に所定荷重より大きい打撃荷重が作用するように力を加減して(回転ローラ41がテーパ部13aを乗り越える程度の打撃荷重が作用するように力を加減して)、衝撃ヘッド14を振り下ろすようにすれば、被検体に所定の衝撃力(所定荷重)を与えることができる。
なお、第1実施形態のタッピングデバイス1は、柄20を握って振り上げ、被検体Wに向けて衝撃ヘッド14を振り下ろして打撃するハンマータイプであるため、上述した図12のタッピングデバイス200に比べて、簡単に被検体に打撃を与えることができる。
【0047】
また、第1実施形態のタッピングデバイス1では、後退したロッド13が圧縮バネ50により自動的に基準位置に戻されるため、面倒な操作を行うことなく連続して被検体に打撃を行うことができる。その結果、第1実施形態によれば、被検体に対する複数回の打撃を短時間で行うことができる。
【0048】
また、第1実施形態では、衝撃ヘッド14が弾性材料で形成されているため、衝撃ヘッド14が被検体を打撃したときの衝撃を吸収することができ、その結果、被検体への衝撃力に影響する加速度のバラツキを減らすことができる。これにより、打撃する対象となる被検体の硬さやひずみ量に影響されることなく、衝撃力のバラツキを少なくすることができる。
【0049】
また、第1実施形態のタッピングデバイス1は、抵抗手段40がロッド13に与える荷重F1の設定(付勢手段43の付勢力F1の設定)により、被検体Wへの所定打撃力(衝撃力)が定まるため、上述した特許文献1のタッピングデバイス100(図11参照)のように、被検体を打撃した際の衝撃力を求めるセンサを搭載する必要がない(前記センサが検知した信号の入力を受け付ける電子機器も不要である)。
その結果、第1実施形態のタッピングデバイス1によれば、装置コストを削減することができる。
【0050】
つぎに、本発明の第2実施形態のタッピングデバイスについて図7及び図8に基づいて説明する。ここで、図7は、本発明の第2実施形態のタッピングデバイスの内部構造を示した模式図であり、タッピングデバイスの上面を示した模式図である。また、図8は、本発明の第2実施形態のタッピングデバイスの内部構造を示した模式図であり、タッピングデバイスの測面を示した模式図である。
なお、第2実施形態のタッピングデバイス2は、上述した第1実施形態のロッド13の構造を変形したものであり、それ以外の構成は、上述した第1実施形態と同じである。そのため、以下では、第1実施形態と異なる構成を詳細に説明し、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
図7及び図8に示すように、第2実施形態のタッピングデバイス2は、ホルダ10と、ホルダ10の底面部に取り付けられた柄20と、ホルダ10に内装され、ホルダ10の一端面(前面部)に対して進退可能なロッド19と、ロッド19の先端部に形成された衝撃ヘッド14とを備えている。なお、ロッド19は、ホルダ10の内部に取り付けられたガイド機構30に、その後端部が支持され、そのガイド機構30により、ホルダ10の長手方向を往復移動可能に構成されている。
【0052】
また、ロッド19は、上述した第1実施形態と同様、ホルダ10の内部において、抵抗手段40により所定荷重が付加され、基準位置(図7に示す位置)に位置決めされた状態で保持されている。そして、ホルダ10の長手方向(後退方向(X2方向))の荷重が所定の荷重に達すると、ロッド19は抵抗手段40から開放されて、前記長手方向に後退する。また、ホルダ10の内部には、前記後退したロッド19を付勢して、前記基準位置にロッド13を戻す圧縮バネ50が設けられている。
【0053】
また、前記ロッド19は、2本の棒状部材(第1ロッド19a、第2ロッド19c)と、第1ロッド19aに一端が接続され、第2ロッド19cに他端が接続された圧縮バネ19bとを備えている。
なお、ロッド19を構成する圧縮バネ19bには、ロッド19の後端部を付勢する圧縮バネ50と比べて、バネ定数が大きいものが用いられている。
このように、第1ロッド19aと第2ロッド19cとの間に圧縮バネ19bを挟むことにより、衝撃ヘッド14が被検体を打撃したときの第1ロッドにより発生する衝撃が吸収され(圧縮バネ19bにより吸収され)、その結果、被検体に与える加速度のバラツキを減少させることができる。
【0054】
また、第1ロッド19aは、ホルダ10の本体部11の前面部11bの貫通孔11b1に摺動自在に挿通され支持され、その先端部に衝撃ヘッド14が形成され、その後端部が圧縮ばね19bに接続されている。
【0055】
また、先端部に衝撃ヘッド14が形成される第1ロッド19aの径寸法は小さくなされ、軽量化が図られている。
このように構成したのは、衝撃ヘッド14側の重さが大きいと、被検体に当たったときの衝撃力が大きくなるためであり、第2実施形態では、前記軽量化することにより前記の衝撃力を小さくしている。
尚、前記第1ロッド19aと第2ロッド19cが同一の材質である場合には、第1ロッド19aの径寸法は、第2ロッド19cの径寸法と同一、あるいは第2ロッド19cの径寸法より小さな寸法であるのが好ましい。
また、衝撃ヘッド14は、第1実施形態と同様、ゴム等の弾性材料により形成されている。
【0056】
また、図7に示すように、第2ロッド19cは、その後端側に、第1実施形態のテーパ部13aと同様のテーパ部19c1が形成され、更にテーパ部19c1から後端に延びる平坦部19c2が形成されている。
そして、第2ロッド19cの先端部が、圧縮ばね19bの後端部に接続され、その後端側の平坦部19c2が、ガイド機構30の移動体32(図7には示さず(図5参照))に固定される。
【0057】
具体的には、ガイド機構30の移動体32(図7には示さず(図5参照))に、第2ロッド19cの平坦部19c2が載置され、その平坦部13bの上にストッパ金具15が置かれ、移動体32に、第2ロッド19c及びストッパ金具15が固定されている(ネジ等で固定されている)。なお、第2ロッド19cのテーパ部19c1には、抵抗手段40を構成する回転ローラ41が移動可能に配置されている。
これにより、ロッド19cが、回転ローラ41からの荷重を受けて押さえられ、ロッド19cの後退動作が制限される(弾性体19bを介してロッド19cに接続されているロッド19aの後退動作も制限される)。
【0058】
次に、第2実施形態のタッピングデバイス2の動作を説明する。
具体的には、図7に示す状態のタッピングデバイス2の柄20を握って振り上げ、被検体に向けてホルダ10から突出したロッド19の先端部の衝撃ヘッド14を打ち付けると、被検体に衝撃力(荷重)が与えられる。
【0059】
そして、第2実施形態においては、第1ロッド19aの先端の衝撃ヘッド14と被検体とが衝突した瞬間の衝撃力が、第1ロッド19aと第2ロッド19cとの間の圧縮バネ19bにより吸収される(圧縮バネ19bが圧縮して吸収する)。
その後、被検体Wに対する打撃力(荷重)が、抵抗手段40から受けている荷重に達すると、上述した第1実施形態と同様、テーパ部19c1に位置する回転ローラ41が回転してテーパ部19c1を乗り越える。
即ち、ロッド19は、回転ローラ41及びテーパ部19c1による移動規制から開放されて、X2方向に後退すると共に、後退しながら前記圧縮した圧縮バネ19bが伸びる(圧縮ばね19bが圧縮前の状態に戻る)。
【0060】
このように、ロッド19が後退した場合に、圧縮した圧縮バネ19bが伸びるのは(圧縮前の状態に戻るのは)、圧縮バネ19bに、ロッド19cの後端部に接続されている圧縮バネ50よりも、バネ定数が大きいものが用いられているためである。
【0061】
また、上記のように、ロッド19がX2方向に後退すると、上述した第1実施形態と同様、後退するロッド19の後端に接続された圧縮バネ50が圧縮され、その後は上述した第1実施形態と同様の動作をして、ロッド19は図7に示す基準位置に復帰する。
【0062】
以上説明したように、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様、面倒な操作をすることなく、被検体に所定範囲の荷重を与えることができるタッピングデバイスを提供することができる。
【0063】
また、第2実施形態では、被検体を打撃する衝撃ヘッド14が形成された第1ロッド19aと、抵抗手段40を構成する回転ローラ41から荷重を受ける第2ロッド19cとを別体で形成して、第1ロッド19a及び第2ロッド19cを圧縮バネ19bで接続するようにしている。
また、第2実施形態では、衝撃ヘッド14を弾性材料で形成した構成が採用されている。即ち、第2実施形態では、弾性材料で形成された衝撃ヘッド14及び圧縮バネ19bの両者により、衝撃ヘッド14が被検体に当たった瞬間の衝撃が吸収されるため、被検体に与える加速度のバラツキを減少させることができる。その結果、第2実施形態によれば、被検体に与える衝撃力のバラツキを小さくすることができる。
【0064】
なお、本発明は、上述した実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
具体的には、上述した実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)では、ロッド13(或いはロッド19)にテーパ部13a(或いは19c1)を設け、そのテーパ部13a(或いは19c1)に回転ローラ41を位置させ、荷重を加えて押さえることにより、ロッド13(或いはロッド19)の後退動作を制限する抵抗手段40を示したが、あくまでもこれは一例に過ぎない。
【0065】
例えば、抵抗手段として、図9に示すようなボールプランジャ60を用いるようにしてもよい。
この場合、図9(a)に示すように、ロッド13の後端側に穴(或いは溝)13cを形成し、ロッド13の孔13cに、ホルダ10(図9には示さず)の内部に取り付けられたボールプランジャ60のボール60aの一部を挿嵌する。これにより、ロッド13に所定の荷重が付加され、ロッド13の軸線方向の動作が制限される。
【0066】
そして、上記構成によれば、ロッド13が受ける軸線方向の荷重が所定の荷重に達すると、ボール60aを付勢していたバネ60bが圧縮され、ボール60aが本体内に押し込まれ、図9(b)に示すように、ロッド13が軸線方向に動作する。
すなわち、図示するボールプランジャ60を利用する構成を採用した場合においても、上述した抵抗手段40と同様の機能が実現される。
【0067】
また、例えば、抵抗手段として、図10に示すような板バネ70を用いるようにしてもよい。
この場合、図10(a)に示すように、ホルダ10の内部に、板バネ70の一端を固定し、さらに、ロッド13の後端部(或いは、ロッド13に設けた係止溝(図示せず))に、板バネ70の他端を係止する。これにより、ロッド13に所定の荷重が付加され、ロッド13の軸線方向の動作が制限される。
そして、上記構成によれば、ロッド13が受ける軸線方向の荷重が所定の荷重に達すると、板バネ70が押されて、板バネの他端部がロッド13の上面に乗り、図10(b)に示すように、ロッド13が軸線方向に動作する。
すなわち、図示する板バネ70を利用する構成を採用した場合においても、上述した抵抗手段40と同様の機能が実現される。
【符号の説明】
【0068】
1 タッピングデバイス
2 タッピングデバイス
10 ホルダ
11 本体部(ホルダ)
11a 底面部(本体部(ホルダ))
11b 前面部(本体部(ホルダ))
11c 背面部(本体部(ホルダ))
11d 側面部(本体部(ホルダ))
12 カバー(ホルダ)
13 ロッド
13a テーパ部(ロッド)
13b 平坦部(ロッド)
14 衝撃ヘッド
15 ストッパ金具
19 ロッド
19a 第1ロッド(ロッド)
19b 圧縮バネ(ロッド)
19c 第2ロッド(ロッド)
19c1 テーパ部(第2ロッド(ロッド))
19c2 平坦部(第2ロッド(ロッド))
20 柄
20a 内筒部(柄)
20a1 フランジ部(内筒部(柄))
20a2 底部(内筒部(柄))
20b グリップ部(柄)
20b1 底部(グリップ部(柄))
20b2 貫通孔(グリップ部(柄))
21 支持棒(柄)
21a ネジ部(支持棒(柄))
22 ナット(柄)
30 ガイド機構
31 ガイドレール
32 移動体
40 抵抗手段
41 回転ローラ(抵抗手段)
42 リンク部材(抵抗手段)
42a アーム部(リンク部材(抵抗手段))
42b ピン部(リンク部材(抵抗手段))
42c 支持部(リンク部材(抵抗手段))
43 付勢手段(抵抗手段)
50 圧縮ばね
60 ボールプランジャ
60a ボール(ボールプランジャ)
60b バネ(ボールプランジャ)
70 板バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空箱状のホルダと、該ホルダの底面部に取り付けられた柄とを備えたタッピングデバイスであって、
前記ホルダに内装され、その先端が該ホルダの前面から突出すると共に、前記ホルダの長手方向に沿って前進及び後退が可能なロッドと、
前記ロッドの先端に形成された衝撃ヘッドと、
前記ホルダに内装された、前記ロッドの前進及び後退をガイドするガイド機構と、
前記ロッドに所定の荷重を加えて前記ロッドを基準位置で保持すると共に、前記ロッドに所定以上の打撃荷重が作用した際、ロッドの後退を許容する抵抗手段と、
前記後退したロッドを前記基準位置に戻す、前記ロッドの後端に接続された弾性体と、
を備えることを特徴とするタッピングデバイス。
【請求項2】
前記ロッドは、後端に向けて径方向の寸法が小さくなるテーパ部を有し、
前記抵抗手段は、前記ロッド上を移動可能な回転ローラと、前記回転ローラの両端を回転自在に支持すると共に前記ホルダに対して回動自在に支持されるリンク部材と、前記回転ローラを前記ホルダの底面方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記テーパ部の下部に回転ローラが位置している場合には、前記回転ローラによって、前記ロッドの後退が制限されることを特徴とする請求項1に記載のタッピングデバイス。
【請求項3】
前記衝撃ヘッドは、弾性材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタッピングデバイス。
【請求項4】
前記ロッドは、前記ホルダの前面側に配置される第1ロッドと、後面側に配置される第2ロッドと、一端が前記第1ロッドに取付けられ、他端が前記第2ロッドに取付けられた圧縮バネとを備え、
前記第1ロッドの先端部には前記衝撃ヘッドが設けられると共に、前記第2ロッドには回転ローラが移動可能な前記テーパ部が設けられ、更に前記第2ロッドの後端に前記弾性体が接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタッピングデバイス。
【請求項5】
前記圧縮バネのばね定数は、前記弾性体のばね定数より大きいことを特徴とする請求項4に記載のタッピングデバイス。
【請求項6】
上面が開放した中空の有底筒状に形成された柄の底部に対して、高さ寸法が変更可能に取付けられた支持棒を備え、
引張りバネにより形成された前記付勢手段の一端部が、前記リンク部材の下端部に接続されると共に、前記付勢手段の他端部が前記支持棒に接続され、
前記支持棒の高さ寸法を変えることにより、前記引張りバネの長さを変えることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載のタッピングデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−169785(P2011−169785A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34529(P2010−34529)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【特許番号】特許第4631066号(P4631066)
【特許公報発行日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(303042084)TMCシステム株式会社 (6)
【Fターム(参考)】