説明

タデ科作物の栽培法

【課題】開花時に18℃〜26℃の温度下であれば、土壌pH(H20)が5.5〜8.5でも日本そばや韃靼そば等を栽培し、沖縄県の基幹作物であるサトウキビや甘藷と輪作栽培可能とする。
【解決手段】カルシウムやマグネシウムから成るアルカリ土類金属を土壌に添加し、土壌pH(H20)を5.5〜8.5に調整した土壌、又は土壌pH(H20)が5.5〜8.5の土壌化学的性質を示す土壌に、日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を開花時に18℃〜26℃の温度下で栽培し、そば粉及びそばの実を生産し、菓子・パンやそば焼酎や味噌の原料として利用する。また、サトウキビや甘藷と輪作栽培可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ土類金属を土壌に添加し土壌pHを5.5〜8.5に調整した土壌又はアルカリ土類金属による土壌pHの矯正をする必要がなく、土壌化学的性質として土壌pH(H20)が5.5〜8.5を示す暗赤色土に日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培し、当該作物の開花時に18℃〜26℃の温度下で栽培し収穫した後、サトウキビ又は甘藷と輪作栽培することを特徴とし、日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属由来のそば粉を沖縄(琉球)伝統菓子及びパンの原料とし調整した加工品に血圧降下作用成分ルチンを含有させ、又はそばの実(玄そば)に黒麹菌を添加し発酵させ、そば泡盛焼酎の原料として調整したそば泡盛焼酎に血圧降下作用成分ルチンを含有させ、又はそばの実(玄そば)に青麹菌を添加し発酵させ、そば味噌の原料とし調整したそば味噌に血圧降下作用成分ルチンを含有することを特徴とするタデ科作物の栽培法に関する。
【背景技術】
【0002】
農林水産省大臣官房統計部は、平成22年11月22日に平成21年産そば生産に伴う、作付面積、10a当たりの収量および収穫量について公表した。平成21年産日本そば作付面積は全国で45,400haであり、10a当たりの収量は40kg、収穫量は全国で15,300tであった。我が国における日本そば生産に伴う比較統計資料として、農林水産省大臣官房統計部によると、平成19年産のそば作付面積は全国で46,100ha、10a当たりの収量は69kg、収穫量は全国で26,300tであった。また、平成20年産のそば作付面積は全国で47,300ha、10a当たりの収量は58kg、収穫量は全国で23,200tであった。このように、我が国における日本そばの作付面積、10a当たりの収量及び収穫量は年々減少傾向にあり、現在の日本そば栽培の現状は日本古来からの伝統的な作物として、その存在は危機的状況にある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】 「そば生産関係資料」、日本蕎麦協会、2006年、p.5.表1 土壌pHがそばの生育に及ぼす影響
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
我が国における日本そばの生産性低下の要因として、日本そば栽培農家の高齢化と後継者難に伴う離農や日本そばは元来急斜面のやせ地など換金性の高い農作物の耕作地としては不適当な畑地が活用されており、機械化が進まず、依然として収穫作業等も含めた手作業による日本そばの管理作業が行われており、作業効率性は悪い。さらに、土壌の理学性及び物理性に関しても課題があり、我が国の多くの日本そばの主産地は転作水田の黒ボク土でありpHは酸性で保水性は良好であるものの排水性の悪い地域では多額の予算を投入し暗渠排水工事により排水性を確保した後、日本そばを栽培しているもののそばの生産性は低い。
【0005】
日本そばの栽培環境は、従来の研究結果として土壌pH(H20)は4.4〜4.9の酸性域にあり、地下水位は出芽のみならず生育、収量にも大きく影響し、排水性の良好な土壌で高い生産性が認められるが、このように我が国の主要な日本そば生産地の土壌条件は必ずしも適しているとはいえない。本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであって、アルカリ土類金属を土壌に添加し土壌pHを5.5〜8.5に調整した土壌及びその土壌化学的性質を有する暗赤色土に、日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培し、当該作物の開花時に18℃〜26℃の温度下で栽培し、収穫したそば粉を沖縄(琉球)伝統菓子及びパン又はそばの実(玄そば)に黒麹菌を添加、発酵させそば泡盛焼酎の原料又はそばの実(玄そば)は、そば味噌の原料として、青麹菌を添加、発酵させ、そば味噌の原料とすることを特徴とするタデ科作物の栽培方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記目的を達成し上記の問題点を解決すべく研究を重ねた結果、カルシウム及びマグネシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を土壌に添加し、土壌pH(H20)を5.5〜8.5に調整した土壌に、日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培することを特徴とする。
【0007】
また、土壌pH(H20)が5.5〜8.5の土壌化学的性質を示す土壌として、南西諸島に広く分布する暗赤色土はカルシウム材である琉球石灰岩を母材とし、pHが5.5の弱酸性から8.5のアルカリ性を呈し、排水性または透水性がよく、保水性に乏しい特徴を有し、その暗赤色土に日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培することを特徴とする。
【0008】
上記記載の暗赤色土に日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培収穫後、沖縄県の基幹作物であるサトウキビ又は甘藷を栽培、日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物とサトウキビ又は甘藷を輪作栽培することを特徴とする。
【0019】
前記のタデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培収穫後、その茎葉及び根を緑肥(有機物源)として土壌中にすき込んで、土壌微生物の増殖を図ると、土壌微生物層が豊かで土壌微生物数が約10倍に増殖することが認められた。
【0009】
さらに、上記記載のそば粉を焼き菓子(沖縄方言でちんすこう又はくんぺん又はタンナファクルー又はポーポー又はチンビン)、揚げ菓子(沖縄方言でサーターアンダギー)及び蒸し菓子(沖縄方言でアガラサー)又はパンの原料として添加し、血圧降下作用成分ルチンを含有することを特徴とする。
【0010】
また、上記記載のそばの実を原料に黒麹菌を添加、発酵したそば焼酎(沖縄方言でそば泡盛)を調整し、血圧降下作用成分ルチンを含有することを特徴とする。
【0011】
また、上記記載のそばの実を原料に青麹菌を添加、発酵したそば味噌を調整し、血圧降下作用成分ルチンを含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カルシウム及びマグネシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を土壌に添加し、土壌pH(H20)を5.5〜8.5に調整した土壌で、開花時の温度が18℃〜26℃の温度条件下で日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培することが可能である。
【0013】
また、土壌pH(H20)が5.5〜8.5の土壌化学的性質を示す土壌として、南西諸島に広く分布する暗赤色土はカルシウム材である琉球石灰岩を母材とし、pHが5.5の弱酸性から8.5のアルカリ性を呈し、排水性または透水性がよく、保水性に乏しい特徴を有し、その暗赤色土で日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培することができる。
【0014】
さらに、暗赤色土に日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培収穫後、沖縄県の基幹作物であるサトウキビ又は甘藷を栽培、日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物とサトウキビ又は甘藷を輪作栽培することが可能である。
なお、少なくとも1作物を栽培収穫後、その茎葉及び根を緑肥(有機物源)として土壌中にすき込むと、土壌微生物数が約10倍に増殖した。
【0015】
そして、生産したば粉を原料に活用して焼き菓子(沖縄方言でちんすこう又はくんぺん又はタンナファクルー又はポーポー又はチンビン)、揚げ菓子(沖縄方言でサーターアンダギー)及び蒸し菓子(沖縄方言でアガラサー)及びパン又はそばの実を原料に黒麹菌を添加、発酵したそば焼酎(沖縄方言でそば泡盛)又はそばの実を原料に青麹菌を添加、発酵したそば味噌を調整し、そば粉を使用した加工品又はそばの実を原料にしたいずれの製造物にも血圧降下作用成分ルチンを含有調整製造することが可能である。しかも、日本そばや韃靼そばは、沖縄そばやラーメン、うどんに比べてカロリーが少ないので、メタボ防止の上でも有効である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明によるタデ科作物の栽培法が実際上どのように具体化されるか実施形態を詳述する。本発明では、土壌pH(H20)が酸性を示す土壌を酸度矯正することなく、直接タデ科作物を栽培するのではなく、カルシウム及びマグネシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を土壌に添加し、土壌pH(H20)を5.5〜8.5に調整した土壌、又は土壌pH(H20)が5.5〜8.5の土壌化学的性質を示す土壌として、南西諸島に広く分布する暗赤色土は、カルシウム材である琉球石灰岩を母材とし、土壌pH(H20)が5.5の弱酸性から8.5のアルカリ性を呈し、排水性または透水性がよく、保水性に乏しい特徴を有し、その暗赤色土に日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を開花時に18℃〜26℃の温度下で栽培し、そば粉及びそばの実(玄そば)を生産した後、沖縄県の基幹作物であるサトウキビ又は甘藷を輪作栽培するものである。
【0017】
そして、そば粉及びそばの実(玄そば)の利活用としては、そば粉は焼き菓子(沖縄方言でちんすこう又はくんぺん又はタンナファクルー又はポーポー又はチンビン)、揚げ菓子(沖縄方言でサーターアンダギー)及び蒸し菓子(沖縄方言でアガラサー)又はパンの原料として添加、血圧降下作用成分ルチンを含有することが好ましく、そばの実(玄そば)はそば焼酎(沖縄方言でそば泡盛)の原料として、黒麹菌を添加、発酵させ、血圧降下作用成分ルチンを含有させそば泡盛焼酎の原料として添加することが好ましく、さらにそばの実(玄そば)は味噌の原料として、青麹菌を添加、発酵させ血圧降下作用成分ルチンを含有させ、そば味噌の原料として使用される。
【0018】
土壌pH(H20)が酸性を示す土壌の矯正剤であるアルカリ土類金属は、安価に入手が可能であり、土地利用型で換金性の低い日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属を栽培するのに経済的な面でも適している。また、アルカリ土類金属を土壌pH矯正の目的で農耕地に施用せずとも土壌pH(H20)が5.5〜8.5の土壌化学的性質を示す、土壌として南西諸島に広く分布する暗赤色土は、カルシウム材である琉球石灰岩を母材とし、土壌pH(H20)が5.5の弱酸性から8.5のアルカリ性を呈し、排水性または透水性がよく、保水性に乏しい特徴を有し、その暗赤色土に日本そば及び韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培することは最大利点である。
【0019】
土壌pH(H20)が5.5〜8.5の土壌化学的性質を示す土壌として、南西諸島に広く分布する暗赤色土は、カルシウム材である琉球石灰岩を母材とし、土壌pH(H20)が5.5の弱酸性から8.5のアルカリ性を呈し、排水性または透水性がよく、保水性に乏しい特徴を有し、日本そば栽培に適しており、土壌の酸度矯正をすることなく、直接日本そばを栽培しても問題ない。南西諸島では、基幹作物のサトウキビ又は甘藷と日本そば及び韃靼そば等を組合せ、輪作栽培することは土地利用率の向上又は作物生産性の向上、そして農家所得の向上及び土作りを通した地下水保全に役立つ。例えば、沖縄県宮古島では、川や湖がなく飲料水源の全てを地下水に頼り、サトウキビ栽培が盛んで農耕地約12,000haの内、約8,600haがサトウキビ栽培の農耕地として活用されている。宮古島では、サトウキビの夏植え栽培体型が約90%で、その方法は8月にサトウキビの二節苗を植付け、約1年半年後の1月〜2月に収穫する。そして、サトウキビ収穫後の2月〜3月に日本そば及び韃靼そば等の種を播種し、約2ヶ月間無農薬で栽培した後、4月〜5月の梅雨前に子実を収穫し、茎葉及び根は緑肥(有機物源)として土壌にすき込む。その結果、日本そばの茎葉及び根の土壌処理区(好気性バクテリアが土壌1g中に約80,000菌数)は、日本そばの茎葉及び根を土壌処理しない処理区(好気性バクテリアが土壌1g中に約8,000菌数)に比べ、土壌微生物層が豊かで土壌微生物数が約10倍に増殖することを認めた。
【0020】
上記のように、南西諸島に広く分布する暗赤色土で日本そば及び韃靼そば等タデ科作物を栽培することは、土壌条件又は栽培環境条件等が特別な資材やエネルギー施設などの必要性が皆無で、栽培コストを低減化して日本そば及び韃靼そば等を生産することが可能であり、南西諸島に点在する離島のそば粉を主原料とする、地域の食糧自給率の向上とフードマイレージの削減など、環境問題と経済問題の改善に役立つ。そして、南西諸島に広く分布する暗赤色土で生産したそば粉を小麦粉の代替活用して、沖縄伝統菓子である焼き菓子(沖縄方言でちんすこう又はくんぺん又はタンナファクルー又はポーポー又はチンビン)、揚げ菓子(沖縄方言でサーターアンダギー)及び蒸し菓子(沖縄方言でアガラサー)又はパンなどの原料として、製品重量当たり約20%〜80%の割合で添加し、血圧降下作用成分ルチンを含有しかつメタボを抑制することが可能である。また、南西諸島に広く分布する暗赤色土で生産した、そばの実を原料に沖縄伝統焼酎である泡盛の種菌である黒麹菌を添加し、血圧降下作用成分ルチンを含有したそば泡盛焼酎を生産することは、主原料の米を外国からの輸入に全量依存している現状からして、泡盛生産コスト又はフードマイレージの削減など課題が多く、地域で生産したそばの実を泡盛焼酎の原料にする意義は大きい。また、南西諸島に広く分布する暗赤色土で生産した、そばの実を原料に味噌の種菌である青麹菌を添加し、血圧降下作用成分ルチンを含有した、そば味噌を生産することは、主原料の大豆を外国からの輸入に、その大部分を依存している現状からして、味噌生産コスト又はフードマイレージの削減などの課題が多く、地域で生産したそばの実を味噌の原料にする意義は大きい。さらに、無農薬でそば種子及びそば粉を生産することは、加工品の原料として食の安全・安心に繋がり、消費者のニーズに貢献できる。
【0021】
次に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に水酸化カルシウムを添加し土壌pH(H20)6.92に調整した土壌に日本そば種子(品種:常陸秋そば)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約100kgであった。
【実施例2】
【0023】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に水酸化マグネシウムを添加し土壌pH(H20)6.92に調整した土壌に日本そば種子(品種:常陸秋そば)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約100kgであった。
【実施例3】
【0024】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に水酸化カルシウムを添加し土壌pH(H20)6.92に調整した土壌に日本そば種子(品種:さちいずみ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約100kgであった。
【実施例4】
【0025】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に水酸化カルシウムを添加し土壌pH(H20)6.92に調整した土壌に日本そば種子(品種:キタワセ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約100kgであった。
【実施例5】
【0026】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に水酸化カルシウムを添加し土壌pH(H20)6.92に調整した土壌に韃靼そば種子(品種:北海道T8号)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約50kgであった。
【比較例1】
【0027】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に日本そば種子(品種:常陸秋そば)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約60kgであった。
【比較例2】
【0028】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約60kgであった。
【比較例3】
【0029】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に日本そば種子(品種:キタワセ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約60kgであった。
【比較例4】
【0030】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に韃靼そば種子(品種:北海道T8号)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約30kgであった。
【比較例5】
【0031】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に水酸化カルシウムを添加し土壌pH(H20)6.92に調整した土壌に日本そば種子(品種:常陸秋そば)を10a当たり5kgを2004年7月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は29℃〜33℃の温度下で推移し、播種後60日後の9月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は皆無であった。
【比較例6】
【0032】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に水酸化カルシウムを添加し土壌pH(H20)6.92に調整した土壌に日本そば種子(品種:さちいずみ)を10a当たり5kgを2004年7月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は29℃〜33℃の温度下で推移し、播種後60日後の9月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は皆無であった。
【比較例7】
【0033】
土壌pH(H20)4.92の赤色土に水酸化カルシウムを添加し土壌pH(H20)6.92に調整した土壌に日本そば種子(品種:キタワセ)を10a当たり5kgを2004年7月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は29℃〜33℃の温度下で推移し、播種後60日後の9月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は皆無であった。
【実施例6】
【0034】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:常陸秋そば)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約100kgであった。
【実施例7】
【0035】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約100kgであった。
【実施例8】
【0036】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:キタワセ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約100kgであった。
【実施例9】
【0037】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に韃靼そば種子(品種:北海道T8号)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりの子実の収量は約60kgであった。
【実施例10】
【0038】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:常陸秋そば)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し約100kgの子実を得ることができ、葉、茎及び根の残渣は有機物源として土壌にすき込んだ。その後、8月10日にサトウキビ(品種:農林8号)の二節苗を移植し栽培後、2006年2月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりのサトウキビ収穫量は約10tであった。
【実施例11】
【0039】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し約100kgの子実を得ることができ、葉、茎及び根の残渣は有機物源として土壌にすき込んだ。その後、8月10日にサトウキビ(品種:農林8号)の二節苗を移植し栽培後、2006年2月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりのサトウキビ収穫量は約10tであった。
【実施例12】
【0040】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:キタワセ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し約100kgの子実を得ることができ、葉、茎及び根の残渣は有機物源として土壌にすき込んだ。その後、8月10日にサトウキビ(品種:農林8号)の二節苗を移植し栽培後、2006年2月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりのサトウキビ収穫量は約10tであった。
【比較例8】
【0041】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土で2004年8月10日にサトウキビ(品種:農林8号)の二節苗を移植し栽培後、2006年2月10日に収穫し収量調査を実施した。収量調査の結果、10a当たりのサトウキビ収穫量は約6tであった。
【実施例13】
【0042】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:常陸秋そば)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し約100kgの子実を得ることができ、葉、茎及び根の残渣は有機物源として土壌にすき込んだ。
その後、7月10日に甘藷(品種:宮農36号)の苗を移植し栽培管理後、12月10日に収穫し、収量調査を実施した。収量調査の結果、1a当たり甘藷の収穫量は約500kgであった。
【実施例14】
【0043】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し約100kgの子実を得ることができ、葉、茎及び根の残渣は有機物源として土壌にすき込んだ。
その後、7月10日に甘藷(品種:宮農36号)の苗を移植し栽培管理後、12月10日に収穫し、収量調査を実施した。収量調査の結果、1a当たり甘藷の収穫量は約500kgであった。
【実施例15】
【0044】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:キタワセ)を10a当たり5kgを2004年3月10日に播種、栽培管理は全くせず、播種後30日目に開花し開花時の温度は18℃〜26℃の温度下で推移し、播種後60日後の5月10日に収穫し約100kgの子実を得ることができ、葉、茎及び根の残渣は有機物源として土壌にすき込んだ。
その後、7月10日に甘藷(品種:宮農36号)の苗を移植し栽培管理後、12月10日に収穫し、収量調査を実施した。収量調査の結果、1a当たり甘藷の収穫量は約500kgであった。
【比較例9】
【0045】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土で2004年7月10日に甘藷(品種:宮農36号)の苗を移植し栽培管理後、12月10日に収穫し、収量調査を実施した。収量調査の結果、1a当たり甘藷の収穫量は約300kgであった。
【実施例16】
【0046】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そば粉を調整し、焼き菓子であるちんすこう(沖縄方言)を、そば粉35%、小麦粉35%、上白糖15%、ラード10%及び水分5%の分量で調整し、焼き上げた。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量2mg/gのちんすこう(沖縄方言)の焼き菓子ができた。
すなわち、小麦粉の分量を減らし、代わりにそば粉を使用する。なお、そば粉の分量は、35±15%でも可能である。この範囲を越えるとそば粉の分量が多過ぎ、逆に小麦粉の分量が少な過ぎて焼き上げた状態の色と、生地の状態から1.3倍〜1.5倍の大きさの焼き上がり状態が確保できないという問題が出る。この範囲より少ないとそば粉の分量が少な過ぎて、そば粉を使用する意味が無くなる。
【比較例10】
【0047】
焼き菓子であるちんすこう(沖縄方言)を、小麦粉70%、上白糖15%、ラード10%及び水分5%の分量で調整し、焼き上げた。その結果、焼き菓子であるちんすこう(沖縄方言)に血圧降下作用成分ルチンの含有量は認められなかった。
【実施例17】
【0048】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そば粉を調整し、焼き菓子であるくんぺん(沖縄方言)を、そば粉30%、小麦粉30%、砂糖10%、ピーナッツバター10%、ゴマ10%、その他10%(植物油脂、卵、膨張剤、水分)の分量で調整し、焼き上げた。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量1.5mg/gのくんぺん(沖縄方言)の焼き菓子ができた。なお、そば粉の分量は、30±10%でも可能である。
【比較例11】
【0049】
焼き菓子であるくんぺん(沖縄方言)を、小麦粉60%、砂糖10%、ピーナッツバター10%、ゴマ10%、その他10%(植物油脂、卵、膨張剤、水分)の分量で調整し、焼き上げた。その結果、焼き菓子であるくんぺん(沖縄方言)に血圧降下作用成分ルチンの含有量は認められなかった。
【実施例18】
【0050】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そば粉を調整し、焼き菓子であるタンナファクルー(沖縄方言)を、そば粉30%、小麦粉30%、黒糖20%、卵10%、その他10%(重曹、ベーキングパウダー、サラダ油、糖蜜、水分)の分量で調整し、焼き上げた。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量1.5mg/gのタンナファクルー(沖縄方言)の焼き菓子ができた。なお、そば粉の分量は、30±10%でも可能である。
【比較例12】
【0051】
焼き菓子であるタンナファクルー(沖縄方言)を、小麦粉60%、黒糖10%、卵10%、その他10%(重曹、ベーキングパウダー、サラダ油、糖蜜、水分)の分量で調整し、焼き上げた。その結果、焼き菓子であるタンナファクルー(沖縄方言)に血圧降下作用成分ルチンの含有量は認められなかった。
【実施例19】
【0052】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そば粉を調整し、焼き菓子であるポーポー(沖縄方言)を、そば粉40%、小麦粉40%、ベーキングパウダー5%、砂糖5%、その他10%(みそ、おろししょうが、水分)の分量で調整し、焼き上げた。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量2.0mg/gのポーポー(沖縄方言)の焼き菓子ができた。なお、そば粉の分量は、40±20%でも可能である。
【比較例13】
【0053】
焼き菓子であるポーポー(沖縄方言)を、小麦粉80%、ベーキングパウダー5%、砂糖5%、その他10%(みそ、おろししょうが、水分)の分量で調整し、焼き上げた。その結果、焼き菓子であるポーポー(沖縄方言)に血圧降下作用成分ルチンの含有量は認められなかった。
【実施例20】
【0054】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そば粉を調整し、焼き菓子であるチンビン(沖縄方言)を、そば粉35%、小麦粉35%、黒砂糖20%、その他10%(ベーキングパウダー、みそ、卵白、水分)の分量で調整し、焼き上げた。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量1.8mg/gのチンビン(沖縄方言)の焼き菓子ができた。なお、そば粉の分量は、35±15%でも可能である。
【比較例14】
【0055】
焼き菓子であるチンビン(沖縄方言)を、小麦粉70%、黒砂糖20%、その他10%(ベーキングパウダー、みそ、卵白、水分)の分量で調整し、焼き上げた。その結果、焼き菓子であるチンビン(沖縄方言)に血圧降下作用成分ルチンの含有量は認められなかった。
【実施例21】
【0056】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そば粉を調整し、揚げ菓子であるサーターアンダギー(沖縄方言)を、そば粉35%、小麦粉35%、黒糖20%、卵5%、その他5%(ベーキングパウダー、サラダ油、砂糖、水分)の分量で調整し、揚げた。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量1.8mg/gのサーターアンダギー(沖縄方言)の揚げ菓子ができた。なお、そば粉の分量は、35±15%でも可能である。
【比較例15】
【0057】
揚げ菓子であるサーターアンダギー(沖縄方言)を、小麦粉70%、黒糖20%、卵5%、その他5%(ベーキングパウダー、サラダ油、砂糖、水分)の分量で調整し、揚げた。その結果、揚げ菓子であるサーターアンダギー(沖縄方言)に血圧降下作用成分ルチンの含有量は認められなかった。
【実施例22】
【0058】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そば粉を調整し、蒸し菓子であるアガラサー(沖縄方言)を、そば粉25%、小麦粉25%、黒糖40%、その他10%(卵、酢、重曹、水分)の分量で調整し、蒸した。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量1.5mg/gのアガラサー(沖縄方言)の蒸し菓子ができた。なお、そば粉の分量は、25±10%でも可能である。
【比較例16】
【0059】
蒸し菓子であるアガラサー(沖縄方言)を、小麦粉50%、黒糖40%、その他10%(卵、酢、重曹、水分)の分量で調整し、蒸した。その結果、蒸し菓子であるアガラサー(沖縄方言)に血圧降下作用成分ルチンの含有量は認められなかった。
【実施例23】
【0060】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そば粉を調整し、パン生地調整のため、そば粉40%、小麦粉40%、バター5%、砂糖5%、その他10%(ドライイースト、塩、水分)の分量で調整し、発酵焼き上げた。
その結果、血圧降下作用成分ルチン含量2.5mg/gのパンができた。なお、そば粉の分量は、40±20%でも可能である。
【比較例17】
【0061】
パン生地を、小麦粉80%、バター5%、砂糖5%、その他10%(ドライイースト、塩、水分)の分量で調整し、発酵焼き上げた。その結果、パンに血圧降下作用成分ルチンの含有量は認められなかった。
【実施例24】
【0062】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そばの実を蒸した後、黒麹菌を添加し、発酵タンクにて6ヶ月間発酵させ、単式蒸留機で蒸留しアルコール度数が45度のそば焼酎(沖縄方言でそば泡盛)を調整した。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量3.5mg/gのそば焼酎(沖縄方言でそば泡盛)ができた。
【比較例18】
【0063】
インディカ米を蒸した後、黒麹菌を添加し、発酵タンクにて6ヶ月間発酵させ、単式蒸留機で蒸留しアルコール度数が45度の焼酎(沖縄方言で泡盛)を調整した。その結果、血圧降下作用成分ルチンの含量は認められなかった。
【実施例25】
【0064】
土壌pH(H20)6.92の暗赤色土に日本そば種子(品種:さちいずみ)を収穫後、そばの実を蒸した後、青麹菌を添加し、発酵桶にて3ヶ月間発酵させ、そば味噌を調整した。その結果、血圧降下作用成分ルチン含量3.0mg/gのそば味噌ができた。なお、この味噌をクッキーなどの焼き菓子や揚げ菓子、蒸し菓子などの生地に混ぜてもよい。
【比較例19】
【0065】
大豆を蒸した後、青麹菌を添加し、発酵層桶にて3ヶ月間発酵させ調整した。その結果、血圧降下作用成分ルチンの含量は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、アルカリ土類金属を土壌に添加し、土壌pH(H20)を5.5〜8.5に調整した土壌、又は土壌pH(H20)が5.5〜8.5の土壌化学的性質を示す土壌に、日本そばや韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を開花時に18℃〜26℃の温度下で栽培すれば、そば粉やそばの実を生産できる。そして、そば粉は小麦粉の一部に代替可能で、沖縄そばの麺や菓子・パン、そば焼酎、味噌の原料として利用可能なため、小麦粉の消費量を節減でき、地産地消の上でも好ましい。また、サトウキビや甘藷と輪作栽培することで土地を効果的に利用でき、タデ科作物の栽培後は、葉や茎、根などの残渣は有機物源として土壌にすき込んで堆肥代わりにできるので、サトウキビや甘藷の収量が増す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウム若しくはマグネシウムよりなるアルカリ土類金属を土壌に添加し、pH(H20)を5.5〜8.5に調整した土壌、又はカルシウム材である琉球石灰岩を母材として南西諸島に広く分布し土壌化学的性質がpH(H20)5.5〜8.5の土壌に、日本そば又は韃靼そば等タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培することを特徴とするタデ科作物の栽培法。
【請求項2】
前記のタデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培収穫後、サトウキビ又は甘藷を栽培することにより、タデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物とサトウキビ又は甘藷を輪作栽培することを特徴とする請求項1に記載のタデ科作物の栽培法。
【請求項3】
前記のタデ科ソバ属から選ばれる少なくとも1作物を栽培収穫後、その茎葉及び根を緑肥として土壌中にすき込んで、土壌微生物の増殖を図ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタデ科作物の栽培法。
【請求項4】
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の方法で栽培し得たそばの実を挽いたそば粉を焼き菓子、揚げ菓子、蒸し菓子又はパンの原料として添加することを特徴とする菓子・パンの製造方法。
【請求項5】
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の方法で栽培し得たそばの実を原料にして、黒麹菌を添加、発酵したそば焼酎を調整し、血圧降下作用成分ルチンを含有することを特徴とする焼酎の製造方法。
【請求項6】
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の方法で栽培し得たそばの実を原料にして、青麹菌を添加、発酵したそば味噌を調整し、血圧降下作用成分ルチンを含有することを特徴とする味噌の製造方法。

【公開番号】特開2012−228242(P2012−228242A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−290731(P2011−290731)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【出願人】(504415762)
【Fターム(参考)】