説明

タバコ搬送機構

【課題】上下方向に積載されているタバコパッケージを最上位から取り出してローラコンベアで搬出することができるタバコ搬送機構を提供する。
【解決手段】複数個のタバコパッケージSTPが上下方向に商品リフタ110に積載される。リフタ昇降機構が商品リフタ110を昇降させて積載されているタバコパッケージSTPを昇降させる。動作制御ユニットがリフタ昇降機構による商品リフタ110の上昇を制御して積載されている最上位のタバコパッケージSTPを所定のタバコ取出位置に配置する。商品取出ユニット140がタバコ取出位置に配置された最上位のタバコパッケージSTPを側方に取り出す。傾斜したローラコンベア150が側方に取り出されたタバコパッケージSTPを搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向に積載されているタバコパッケージより所定個数を取り出して搬送するタバコ搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコパッケージは、製造および出荷の工程に加えて、店舗内での展示や販売に際しても機械的に搬送される場合がある。例えば、店舗内に商品を展示するための種々のユニットが提案されている。特許文献1のユニットは、前面に商品見本展示部を設けたレジカウンタと、レジカウンタとは別個の位置に設けた商品貯蔵部および商品搬出部とを備え、商品選択部により選択された商品を商品貯蔵部より商品搬出部により搬出させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−298344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のユニットは商品を重力により落下させて搬出するものであるが、商品搬出部の具体的な構成は開示されていない。ここで、商品がソフトタイプのタバコパッケージの場合、商品を高所から落下させた場合にはその角部などを損傷することが懸念される。
【0005】
また、タバコパッケージは一般に軽量で、かつ樹脂フィルムで包装されているため、多数が積載されたまま長期間が経過すると、自重により相互に付着しやすい。特に店舗内などの高湿度環境下では、タバコパッケージ同士の付着が顕著である。このため、積載されたタバコパッケージから所定個数(例えば、一個)を取り出すことが困難な場合がある。
【0006】
なお、ここで云うタバコパッケージとは、いわゆる実際に喫煙される紙巻タバコを、ソフト包装やハードボックスに所定の本数ずつ収容して販売される最小単位のパッケージである。
【0007】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、タバコパッケージの種々の搬送工程で用いられ、積載された複数個のタバコパッケージより所定個数を好適に取り出して搬送することのできるタバコ搬送機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のタバコ搬送機構は、複数個のタバコパッケージが上下方向に積載されるタバコ支持部材と、タバコ支持部材を昇降させ、積載されているタバコパッケージを昇降させるタバコ昇降機構と、タバコ昇降機構によるタバコ支持部材の上昇を制御し、積載されている最上位のタバコパッケージを所定のタバコ取出位置に配置する搬出制御部と、タバコ取出位置に配置された最上位のタバコパッケージを側方に取り出すタバコ取出機構と、側方に取り出されたタバコパッケージを搬送する傾斜したローラコンベアと、を有する。
【0009】
従って、本発明のタバコ搬送機構では、最上位のタバコパッケージがタバコ取出機構により側方に取り出され、傾斜したローラコンベアによって搬送される。このため、取り出しにあたっては、自重によるタバコパッケージ同士の付着の影響が低減される。また、取り出されたタバコパッケージは、傾斜したローラコンベアで搬送されるため、タバコパッケージの落下距離が抑制される。
【0010】
また、上述のようなタバコ搬送機構において、ローラコンベアの側方にタバコパッケージの搬送方向に並列に複数のタバコ支持部材が配列されていてもよい。
【0011】
また、上述のようなタバコ搬送機構において、相互にサイズが相違する複数種類のタバコパッケージを搬送するとともに、ローラコンベアは、軸心方向が搬送方向と交差する回転自在な複数のフリーローラと、複数のフリーローラを搬送方向に配列させて軸支するガイドレールと、を有し、複数のフリーローラの配列のピッチが、複数種類のタバコパッケージのうちの搬送方向での最短寸法の三分の一以下であってもよい。
【0012】
また、上述のようなタバコ搬送機構において、複数のフリーローラ同士の間隔が、タバコパッケージのうちの最短の厚み寸法の半分以下であってもよい。
【0013】
また、上述のようなタバコ搬送機構において、一対のガイドレールで複数のフリーローラが支持されており、ガイドレールの上縁部がフリーローラの上面部より上方に位置しており、一対のガイドレールの間隔が、複数種類のタバコパッケージのうちの搬送状態の平面形状の最短の対角寸法より短い。
【0014】
上述のようなタバコ搬送機構において、搬送状態のタバコパッケージの最長の横幅より長い間隔で一対のガイドレールが配置されていてもよい。
【0015】
また、上述のようなタバコ搬送機構において、タバコ取出機構は、タバコ取出位置に配置された最上位のタバコパッケージを側方のローラコンベアの上面まで押し出してもよい。
【0016】
なお、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたコンピュータ装置、コンピュータプログラムによりコンピュータ装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0017】
また、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要もなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のタバコ搬送機構では、タバコ取出位置に配置された最上位のタバコパッケージをタバコ取出機構が側方のローラコンベアに取り出すので、樹脂フィルムで包装されている複数のタバコパッケージが相互に付着したような場合でも、所望の個数ずつ搬出するようなことができる。そして、側方に取り出されたタバコパッケージを傾斜したローラコンベアが搬送する。このため、商品がソフトタイプのタバコパッケージなどでも、その角部などを損傷することなく所望の位置まで搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態のタバコ搬送機構の内部構造を示す模式的な縦断側面図である。
【図2】タバコ搬送機構の内部構造を示す模式的な縦断背面図である。
【図3】タバコ搬送機構がビルトインされているレジカウンタを介して一般消費者と店舗作業員とが対面した状態を示す模式図である。
【図4】タバコパッケージに対応して商品保持機構である商品リフタにガイド部材を装着した状態を示す模式的な平面図である。
【図5】商品リフタの形状を示す平面図である。
【図6】タバコパッケージとフリーローラとの関係を示す模式的な縦断側面図である。
【図7】タバコパッケージとフリーローラとの関係を示す模式的な平面図である。
【図8】タバコ取出機構である商品取出ユニットがタバコパッケージを搬出する工程を示す模式的な背面図である。
【図9】一変形例のタバコ取出機構である商品取出ユニットの内部構造を示す模式的な背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の一形態を、図面を参照して以下に説明する。本実施形態のタバコ搬送装置100は、タバコパッケージSTPの製造装置、梱包装置、輸送装置、陳列装置(什器)、払出装置、または販売装置に用いることができる。
【0021】
このうち、本実施形態では、図3に示すように、コンビニエンスストアCVSのレジカウンタ200の下部空間にビルトインされた、タバコパッケージSTPの払出装置としてタバコ搬送装置100を用いる場合を例に以下説明する。一般消費者CUUと店舗作業員CSCとは、タバコ搬送装置100がビルトインされたレジカウンタ200を介して対面する。
【0022】
なお、ここで云うタバコ搬送装置100がレジカウンタ200の下部空間にビルトインされるとは、タバコ搬送装置100がレジカウンタ200の下部空間に略間隙なく設置されることを意味しているが、所定の間隙が発生することは許容する。
【0023】
このようなタバコ搬送装置100は、図1および図2に示すように、複数個のタバコパッケージSTPが上下方向に積載されるタバコ支持部材である商品リフタ110と、商品リフタ110を昇降させ、積載されているタバコパッケージSTPを昇降させるタバコ昇降機構であるリフタ昇降機構120と、リフタ昇降機構120による商品リフタ110の上昇を制御し、積載されている最上位のタバコパッケージSTPを所定のタバコ取出位置に配置する搬出制御部である動作制御ユニット130と、タバコ取出位置に配置された最上位のタバコパッケージSTPを側方に取り出すタバコ取出機構である商品取出ユニット140と、側方に取り出されたタバコパッケージSTPを外部の商品搬出位置まで搬送する傾斜したローラコンベア150と、を有する。
【0024】
ここで、本実施形態で云うタバコ取出位置とは、上下方向に積載されているタバコパッケージSTPを、商品取出ユニット140が側方に最上位から所定個数ずつ取り出すことができる位置である。本実施形態の場合、具体的には、タバコ取出位置は商品リフタ110の直上である。
【0025】
また、本実施形態において複数個のタバコパッケージSTPが上下方向に積載されているとは、タバコパッケージSTPの少なくとも一部同士が上下方向に重なり合った状態で、複数個のタバコパッケージが配置されていることを意味している。
【0026】
また、図1に示すように、ローラコンベア150は前後方向に連通する細長形状に形成されており、ローラコンベア150の側方に複数の商品リフタ110が搬送方向である前後方向に配列されている。
【0027】
ローラコンベア150は、ローラ式の搬送装置である。ローラコンベア150は、ローラ体を電気的に駆動する駆動手段を任意で備えてもよい。ただし、本実施形態のローラコンベア150は、複数のフリーローラ151が軸心方向と交差する方向に配列されて回転自在に各々軸支された構造に形成されている。これにより、フリーローラ151に積載された物体を、動力を必要とすることなく自重で搬送することができる。
【0028】
本実施形態のローラコンベア150は、軸心方向が搬送方向と交差する左右方向と平行で、回転自在な複数のフリーローラ151と、複数のフリーローラ151を搬送方向である前後方向に配列させて軸支するガイドレール152と、を有する。
【0029】
フリーローラ151は、上述のように回転自在に軸支されていて動力で駆動されることなく載置された物体を自重で搬送するローラ体である。
【0030】
また、図4に示すように、タバコパッケージSTPは各種サイズがある。そこで、図6および図7に示すように、ローラコンベア150は、搬送方向で最小サイズのタバコパッケージSTPを三本以上のフリーローラ151で支持する。
【0031】
さらに、タバコパッケージSTPは各種サイズの直方体状に形成されており、ローラコンベア150は、タバコパッケージSTPの最短の辺部の半分以下の間隙で複数のフリーローラ151が配列されている。
【0032】
本実施形態のローラコンベア150は、所定の向きでタバコパッケージSTPを搬送する。この搬送方向は、タバコパッケージSTPの長辺方向でもよく、または短辺方向でもよい。
【0033】
そして、フリーローラ151の配列のピッチは、各種サイズのタバコパッケージSTPの搬送方向の寸法のうち、最短の寸法の更に三分の一以下である。ここで、フリーローラ151の配列のピッチとは、隣接するフリーローラ151の軸心同士の距離を意味している。また、フリーローラ151同士の間隔とは、隣接するフリーローラ151同士の隙間の距離を意味している。
【0034】
例えば、最小サイズのタバコパッケージSTPは、最短の辺部が20mmで、搬送方向の全長が60mmである。そこで、本実施の形態のローラコンベア150では、直径10mmのフリーローラ151が10mmの間隙を介して配列されている。
【0035】
また、ローラコンベア150は、一対のガイドレール152で複数のフリーローラ151が支持されており、ガイドレール152の上縁部がフリーローラ151の上面部より上方に位置している。
【0036】
そして、図7に示すように、搬送状態のタバコパッケージSTPの平面形状の最短の対角線より短い間隔で一対のガイドレール152が配置されている。ただし、搬送状態のタバコパッケージSTPの最長の横幅より長い間隔で一対のガイドレール152は配置されている。
【0037】
なお、ガイドレール152の上縁部は、図8に示すように、前述したタバコ取出位置に配置されたタバコパッケージSTPの下面より下方に位置している。そこで、商品取出ユニット140は、タバコ取出位置に配置された最上位のタバコパッケージSTPを側方のローラコンベア150の上面まで押し出す。
【0038】
さらに、上述のようにタバコパッケージSTPは種類により平面形状のサイズが相違しているので、図4に示すように、商品リフタ110には、最小のタバコパッケージSTPに対応した凹部112が三方向に形成されている。
【0039】
そして、本実施の形態の商品リフタ110は、図4(a)(b)に示すように、積載するタバコパッケージSTPに対応したガイド部材113が商品カラムに立設されて凹部112に位置することで、各種サイズのタバコパッケージSTPに対応する。
【0040】
本実施の形態のタバコ搬送装置100では、図2に示すように、商品リフタ110とリフタ昇降機構120とが左右方向に四列形成されており、それが左右二列の二組として配置されている。
【0041】
なお、ここで云う前後左右上下は厳密に相互に直交した関係になくともよい。例えば、商品リフタ110とリフタ昇降機構120とローラコンベア150との位置が相互に前後左右上下に変位していてもよく、傾斜していてもよい(図示せず)。
【0042】
そして、左右二列の商品リフタ110の上方に共用の商品取出ユニット140が配置されており、共用の商品取出ユニット140で左右二列のタバコパッケージSTPが左右二列のローラコンベア150に取り出される。
【0043】
ただし、左右二列の二組からなる商品リフタ110とリフタ昇降機構120との、中央に位置するローラコンベア150は、共用する一個とされているので、ローラコンベア150は左右方向で三列とされている。
【0044】
一方、商品リフタ110とリフタ昇降機構120と商品取出ユニット140とは、図2に示すように、前後方向に五組が配列されており、その側方に前端から後端までローラコンベア150が位置している。
【0045】
このため、本実施の形態のタバコ搬送装置100は、4×5=20種類のタバコパッケージSTPが収容されている。なお、このようにタバコパッケージSTPを種類ごとに収容する部分を、以下では商品カラムと呼称する。
【0046】
商品保持ユニット171は、二列ごとにユニット化された商品リフタ110とリフタ昇降機構120などからなり、搬送装置ハウジング170の下面に敷設されているスライドレール172により前後方向にスライド自在に支持されている。
【0047】
また、商品保持ユニット171の前端にはガイドハンドル173が装着されている。そこで、このガイドハンドル173を把持することで、商品保持ユニット171を手動で前後移動させることができる。
【0048】
なお、商品保持ユニット171が搬送装置ハウジング170の前端まで挿入されると、これを検知するユニット検知センサ174が搬送装置ハウジング170の内部前方に装着されている。
【0049】
リフタ昇降機構120は、上下方向に連通するガイドレール(図示せず)で商品リフタ110を上下方向にスライド自在に支持している。図2に示すように、商品リフタ110には、雌ネジ部材111が側方に突設されており、これがリフタ昇降機構120の雄ネジシャフト121に螺合している。
【0050】
雄ネジシャフト121は、軸心方向が上下方向と平行な状態で回転自在に軸支されており、下部がベルト機構122によりリフタ駆動モータ123に連結されている。このため、リフタ駆動モータ123が駆動されると、ベルト機構122により雄ネジシャフト121が回転され、商品リフタ110が昇降する。
【0051】
商品リフタ110が最上位まで上昇したことを検知する上限検知センサ131と、商品リフタ110が最下位まで下降したことを検知する下限検知センサ132とが、雄ネジシャフト121の下部および上部の近傍に配置されている。
【0052】
さらに、本実施の形態のタバコ搬送装置100では、例えば、十個などの所定個数のタバコパッケージSTPを積載できる位置に商品リフタ110が配置されると、これを検知する補充検知センサ133も雄ネジシャフト121の側方に配置されている。
【0053】
なお、上述のように商品リフタ110には多数のタバコパッケージSTPが積載されるため、その脱落を防止する脱落防止ガイド124が、左右二列の商品カラムの中央と両側とに立設されている。
【0054】
また、商品取出ユニット140には、商品リフタ110に積載されている最上位の商品出入位置のタバコパッケージSTPを側方に取り出す商品取出アーム141が下方に突設されており、この商品取出アーム141が左右方向に移動自在に支持されている。
【0055】
商品取出ユニット140には、最上位のタバコパッケージSTPが商品出入位置に配置されたことを検知するパッケージ検知センサ134も下方に突設されており、このパッケージ検知センサ134は上下方向に出没自在に形成されている。
【0056】
上述のような構成において、本実施の形態のタバコ搬送装置100は、図1ないし図3に示すように、少なくとも販売処理装置であるPOS端末210が載置されるレジカウンタ200の下部空間にビルトインされる。
【0057】
そして、タバコ搬送装置100の四列五組の二十個の商品カラムに二十種類のタバコパッケージSTPが個々に収容される。ただし、前述のようにタバコパッケージSTPは種類により平面形状のサイズが相違している。
【0058】
そこで、商品リフタ110は、図4(a)(b)に示すように、積載するタバコパッケージSTPに対応したガイド部材113が商品カラムに立設されて凹部112に位置することで、各種サイズのタバコパッケージSTPに対応する。
【0059】
なお、ここでは商品リフタ110が最大サイズのタバコパッケージSTPにもガイド部材113で対応することを例示するが、例えば、最大サイズのタバコパッケージSTPを積載するときにはガイド部材113を使用しなくともよい。
【0060】
このような状態で、所定操作でタバコ搬送装置100に搬出するタバコパッケージSTPを指定すると、タバコ搬送装置100は、図8に示すように、そのタバコパッケージSTPを、対応した位置の商品取出ユニット140の商品取出アーム141が商品カラムからローラコンベア150に搬出する。
【0061】
このようにローラコンベア150にタバコパッケージSTPが載置されると、そのタバコパッケージSTPは自重によりローラコンベア150で外部に搬出される。
【0062】
本実施の形態のタバコ搬送装置100では、上述のように複数個のタバコパッケージSTPが上下方向に商品リフタ110に積載される。リフタ昇降機構120が商品リフタ110を昇降させて積載されているタバコパッケージSTPを昇降させる。
【0063】
動作制御ユニット130がリフタ昇降機構120による商品リフタ110の上昇を制御して積載されている最上位のタバコパッケージSTPを所定のタバコ取出位置に配置する。
【0064】
商品取出ユニット140がタバコ取出位置に配置された最上位のタバコパッケージSTPを側方に取り出す。傾斜したローラコンベア150が側方に取り出されたタバコパッケージSTPを外部の商品搬出位置まで搬送する。
【0065】
このため、積載されている複数個のタバコパッケージSTPを最上位から一個ずつ取り出してローラコンベア150により搬出することができる。特に、ローラコンベア150はタバコパッケージSTPを自重により搬送するので、その搬送に電力などが必要ない。
【0066】
しかも、図1に示すように、ローラコンベア150は前後方向に連通する細長形状に形成されており、ローラコンベア150の側方に複数の商品リフタ110が前後方向に配列されている。このため、一個のローラコンベア150で複数個のタバコパッケージSTPを搬出することができる。
【0067】
また、図4に示すように、タバコパッケージSTPは各種サイズがあるが、図6および図7に示すように、ローラコンベア150は、搬送方向で最小サイズのタバコパッケージSTPを三本以上のフリーローラ151で支持する。このため、最小サイズのタバコパッケージSTPでもローラコンベア150で安定に搬送することができる。
【0068】
さらに、タバコパッケージSTPは各種サイズの直方体状に形成されており、ローラコンベア150は、タバコパッケージSTPの最短の辺部の半分以下の間隙で複数のフリーローラ151が配列されている。
【0069】
このため、もしもタバコパッケージSTPが直立するようなことが発生しても、タバコパッケージSTPがフリーローラ151の間隙から下方に落下することがなく、例えば、再度正常な搬送姿勢に復帰して搬出されることになる。
【0070】
また、ローラコンベア150は、一対のガイドレール152で複数のフリーローラ151が支持されており、ガイドレール152の上縁部がフリーローラ151の上面部より上方に位置している。
【0071】
このため、複数のフリーローラ151で順次搬送されるタバコパッケージSTPが側方に変位して落下することを、フリーローラ151を回転自在に軸支する必須のガイドレール152により、防止することができる。
【0072】
特に、図7に示すように、搬送状態のタバコパッケージSTPの平面形状の最短の対角線より短い間隔で一対のガイドレール152が配置されている。このため、複数のフリーローラ151で順次搬送されるタバコパッケージSTPが水平方向に回動しても、一対のガイドレール152の間隙にタバコパッケージSTPが詰まることがない。
【0073】
それでいて、搬送状態のタバコパッケージSTPの最長の横幅より長い間隔で一対のガイドレール152は配置されている。このため、最長の横幅のタバコパッケージSTPもローラコンベア150で問題なく搬送することができる。
【0074】
また、ガイドレール152の上縁部は、前述したタバコ取出位置に配置されたタバコパッケージSTPの下面より下方に位置している。このため、商品取出ユニット140は、タバコ取出位置に配置された最上位のタバコパッケージSTPを側方のローラコンベア150の上面まで問題なく押し出すことができる。
【0075】
特に、商品取出ユニット140は、積載されているタバコパッケージSTPの最上位の一個だけを商品取出アーム141で押し出す。このため、例えば、樹脂フィルムで包装されているタバコパッケージSTPが湿度などのために相互に付着しても、タバコパッケージSTPを一個ずつ搬出することができる。
【0076】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、タバコパッケージSTPの払出装置として用いる本実施形態に代えて、タバコパッケージSTPの製造装置や陳列装置(什器)、または自動販売機の内部に、上述のタバコ搬送装置100を組み込んで用いてもよい。
【0077】
また、タバコ搬送装置100の個別の構成要素に関しては、例えば、上記形態では商品取出ユニット140の商品取出アーム141が直線状に水平移動することで、タバコパッケージSTPの搬出や搬入を実行することを例示した。しかし、商品取出アーム141の移動方向は、上述のような直線状の水平移動に限定されるものではない。より具体的には、図9に例示する商品取出ユニット190では、回転自在に軸支されている雄ネジシャフト191に雌ネジスライダ192が螺合されている。
【0078】
この雌ネジスライダ192に商品取出アーム193が揺動自在に軸支されており、テンションスプリング194により鉛直に弾発的に維持されている。ただし、商品取出アーム193の上端と接離自在に当接するストッパ部材195が両端に位置している。
【0079】
このような構造の商品取出ユニット190では、雄ネジシャフト191が回転駆動されることで、図9(a)(b)に示すように、初期動作としては雌ネジスライダ192とともに商品取出アーム193が水平に移動するので、これでタバコパッケージSTPが搬出される。
【0080】
そして、水平移動する雌ネジスライダ192が側端まで到達すると、図9(b)(c)に示すように、ストッパ部材195が上端に当接することにより、商品取出アーム193が傾斜する。
【0081】
このため、雄ネジシャフト191が、隣接する他の商品取出ユニット190と干渉することなく、商品取出アーム193の下端は側方に大幅に移動することになり、タバコパッケージSTPを側方のローラコンベア150の上面まで確実に排出することができる。
【0082】
また、上記形態では商品カラムが四列のタバコ搬送装置100を例示した。しかし、レジカウンタのスペースなどに対応して、商品カラムが六列や八列のタバコ搬送機構(図示せず)を形成してもよく、商品カラムが二列のタバコ搬送機構(図示せず)を形成してもよい。
【0083】
また、上記形態ではタバコ搬送装置100が別個に形成されているレジカウンタ200の下部空間にビルトインされていることを例示した。しかし、このようなレジカウンタとタバコ搬送装置とが最初から一体に形成されていてもよい(図示せず)。
【0084】
また、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0085】
100 タバコ搬送装置
110 商品リフタ
111 雌ネジ部材
112 凹部
113 ガイド部材
120 リフタ昇降機構
121 雄ネジシャフト
122 ベルト機構
123 リフタ駆動モータ
124 脱落防止ガイド
130 動作制御ユニット
131 上限検知センサ
132 下限検知センサ
133 補充検知センサ
134 パッケージ検知センサ
140 商品取出ユニット
141 商品取出アーム
150 ローラコンベア
151 フリーローラ
152 ガイドレール
170 搬送装置ハウジング
171 商品保持ユニット
172 スライドレール
173 ガイドハンドル
174 ユニット検知センサ
190 商品取出ユニット
191 雄ネジシャフト
192 雌ネジスライダ
193 商品取出アーム
194 テンションスプリング
195 ストッパ部材
200 レジカウンタ
210 POS端末
CSC 店舗作業員
CUU 一般消費者
CVS コンビニエンスストア
STP タバコパッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のタバコパッケージが上下方向に積載されるタバコ支持部材と、
前記タバコ支持部材を昇降させ、積載されている前記タバコパッケージを昇降させるタバコ昇降機構と、
前記タバコ昇降機構による前記タバコ支持部材の上昇を制御し、積載されている最上位の前記タバコパッケージを所定のタバコ取出位置に配置する搬出制御部と、
前記タバコ取出位置に配置された最上位の前記タバコパッケージを側方に取り出すタバコ取出機構と、
側方に取り出された前記タバコパッケージを搬送する傾斜したローラコンベアと、
を有するタバコ搬送機構。
【請求項2】
前記ローラコンベアの側方に前記タバコパッケージの搬送方向に並列に複数の前記タバコ支持部材が配列されている請求項1に記載のタバコ搬送機構。
【請求項3】
相互にサイズが相違する複数種類の前記タバコパッケージを搬送する請求項1または2に記載のタバコ搬送機構であって、
前記ローラコンベアは、軸心方向が搬送方向と交差する回転自在な複数のフリーローラと、複数の前記フリーローラを搬送方向に配列させて軸支するガイドレールと、を有し、
複数の前記フリーローラの配列のピッチが、複数種類の前記タバコパッケージのうちの搬送方向での最短寸法の三分の一以下であることを特徴とするタバコ搬送機構。
【請求項4】
複数の前記フリーローラ同士の間隔が、前記タバコパッケージのうちの最短の厚み寸法の半分以下である請求項3に記載のタバコ搬送機構。
【請求項5】
一対の前記ガイドレールで複数の前記フリーローラが支持されており、
前記ガイドレールの上縁部が前記フリーローラの上面部より上方に位置しており、
一対の前記ガイドレールの間隔が、複数種類の前記タバコパッケージのうちの搬送状態の平面形状の最短の対角寸法より短い請求項4に記載のタバコ搬送機構。
【請求項6】
搬送状態の前記タバコパッケージの最長の横幅より長い間隔で一対の前記ガイドレールが配置されている請求項5に記載のタバコ搬送機構。
【請求項7】
前記タバコ取出機構は、前記タバコ取出位置に配置された最上位の前記タバコパッケージを側方の前記ローラコンベアの上面まで押し出す請求項1ないし6の何れか一項に記載のタバコ搬送機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−207577(P2011−207577A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76874(P2010−76874)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】