説明

タバコ顆粒およびタバコ顆粒を生成する方法

無煙タバコ製品は、多数の、口で崩壊可能な顆粒(10)を含む。各顆粒は、コアおよびコアを取り囲む少なくとも1つの層(14)を有する。前記少なくとも1つの層は、タバコ粒子および結合剤を含む。コアならびにタバコ粒子および結合剤を有する少なくとも1つの層を含むタバコ顆粒を作成する方法もまた開示される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年12月19日に出願された米国特許仮出願第61/139,375号の優先権を主張し、該出願は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本発明は、タバコ顆粒およびそれを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
無煙タバコ製品は、製品を燃焼に供することなく口で消費される。これらの製品は、かみタバコ、乾燥嗅ぎタバコ、および湿性嗅ぎタバコを含む様々な形態において製造される。概して、これらのタイプの製品は、以下の特定の順序ではない段階により作製される:タバコを適当なサイズへ切断または粉砕する段階;タバコをケーシング溶液で浸漬するかまたは噴霧する段階;ケーシングされたタバコを部分的に乾燥する段階;しばらくの間タバコを容器中に保持する段階;およびタバコをパッケージングする段階。例えば、米国特許第4,528,993号(特許文献1);第4,660,577号(特許文献2);および第4,987,907号(特許文献3)を参照されたい。
【0004】
嗅ぎタバコはしばしば、「乾燥」または「湿性」のいずれかとして特徴付けられる。乾燥嗅ぎタバコは、概して微細に粉砕され、かつ典型的には約8体積%の水分含量を有する。湿性嗅ぎタバコは、様々な粒子サイズを有し得、かつ典型的に約40重量%〜約60重量%の水分含量を有する。
【0005】
無煙タバコ製品はしばしば、望ましい味覚の経験を提供するために様々なフレーバーで処理される。しかしながら、新規のフレーバーの特徴を有する無煙タバコ製品がなおも必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,528,993号
【特許文献2】米国特許第4,660,577号
【特許文献3】米国特許第4,987,907号
【発明の概要】
【0007】
概要
本開示は、多数の、口で崩壊可能な顆粒を含む無煙タバコ製品を説明する。各顆粒は、コアおよびコアを取り囲む少なくとも1つの層を有する。少なくとも1つの層は、タバコ粒子および結合剤を含む。いくつかの場合において、コアおよび少なくとも1つの層は、タバコ粒子および結合剤の、本質的に同一の組成物を含む。
【0008】
コアは、300マイクロメートル〜2ミリメートルの間の直径を有し得る。コアは各々コア最大直径を有し得、およびタバコ粒子は、コア最大直径のサイズの1/3以下のコア最大直径を有し得る。いくつかの態様において、タバコ粒子の各々は、コア最大直径のサイズの1/5以下のタバコ粒子直径を有する。いくつかの態様において、顆粒はタバコでないコアを含む。例えば、コアは、炭水化物、水溶性ポリマー、着香料、塩、またはそれらの組み合わせを含み得る。他の態様において、コアはタバコを含み得る。いくつかの態様において、コアはタバコ粉末および結合剤を含み得る。
【0009】
タバコ粒子は非発酵タバコを含み得る。いくつかの態様において、タバコ粒子は乾燥嗅ぎタバコを含む。いくつかの態様において、タバコ粒子は、緑葉組織の1cm2あたり20μg未満のDVTを有するタバコ植物から調製された、キュアード(cured)タバコ粒子である。前記少なくとも1つの層におけるタバコ粒子は、100マイクロメートル未満の平均直径を有し得る。
【0010】
結合剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、コンニャク(konjac)、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、小麦グルテン、カラギーナン、アルギナート、プロピレングリコールアルギナート、キサンタン、デキストラン、プルラン、カードラン、ジェラン(gellan)、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、トラガカントガム、ペクチン、寒天、ゼイン、カラヤ、ゼラチン、オオバコ種子、キチン、キトサン、アカシアガム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。いくつかの態様において、結合剤は、ヒドロキシル基含有化合物、およびデキストランまたはデキストラン誘導体を含む。
【0011】
顆粒は概して球形であり得る。いくつかの態様において、顆粒は500マイクロメートル〜5ミリメートルの間の直径を有する。
【0012】
前記少なくとも1つの層は、着香料(flavorant)をさらに含み得る。例えば、着香料は、カンゾウ、ウインターグリーン、サクランボおよびベリータイプの着香料、Dramboui、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ(apium graveolents)、チョウジ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス(honey essence)、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、ハッカ(Japanese mint)、カッシア、カラウェー、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピメント(piment)、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ(Mentha)属の種由来のミント油、ならびにそれらの組み合わせから選択され得る。
【0013】
顆粒は、コアを同心円状に取り囲む追加的な層をさらに含み得る。追加的な層は、タバコ粒子濃度、タバコ粒子のタイプ、結合剤、着香料、またはそれらの組み合わせに関して少なくとも1つの層とは異なる組成を有する。いくつかの態様において、追加的な層および少なくとも1つの層は、異なる着香料を含む。追加的な層および少なくとも1つの層はまた、異なる濃度のタバコも含み得る。
【0014】
無煙タバコ製品は、多数の顆粒からなり得る。他の態様において、無煙タバコ製品は、追加的な成分を含む。例えば、無煙タバコ製品は、多数の顆粒を保持する小袋を含み得る。いくつかの態様において、小袋は可食フィルムを含み得る。いくつかの態様において、小袋は多数の孔を含む。いくつかの態様において、無煙タバコ製品は嗅ぎタバコを含み、および多数の顆粒が嗅ぎタバコ内に分散されている。無煙タバコ製品のための顆粒に対する嗅ぎタバコの比率は、1〜90重量/重量(湿潤)の間であり得る。
【0015】
無煙タバコ製品は、消費の間の異なる時間にまたは同時に知覚可能であるピークフレーバー強度を各々有する、2つまたはそれ以上の異なるフレーバーを有するフレーバープロファイルを含み得る。例えば、顆粒は各々フレーバープロファイルを提供し得る。無煙タバコ製品内の多数の顆粒は、同一のフレーバープロファイルまたは異なるフレーバープロファイルを提供し得る。
【0016】
多数の口で崩壊可能の顆粒は、回転子を有する流動床加工装置内で多数のコアを流動化する段階、流動床中へ多数のタバコ粒子を供給する段階、および流動化されたコアを含有する流動床中へ結合剤溶液または懸濁液を噴霧する段階により、各々生成され得る。結合溶液または懸濁液は、着香料を含み得る。
【0017】
コアを取り囲む少なくとも2つの同心円層を生成するために、コアは、第1の結合溶液を噴霧する段階の後に、流動床中へ第2の結合剤溶液または懸濁液を噴霧する段階によりさらにコーティングされ得る。結合溶液または懸濁液の各々は、異なる組成を有し得る。例えば、第1の結合溶液または懸濁液は第1の着香料を有し得、および第2の結合溶液は、第1の着香料とは異なる第2の着香料を有し得る。いくつかの態様において、流動床中へのタバコの供給速度を変化させる段階により層が形成され、異なる濃度のタバコを有する隣接層が作製される。
【0018】
本開示は、タバコ製品を作製するための方法を説明する。方法は、回転子を含む流動床内で多数のコアを流動化する段階、流動床中へタバコ粒子を供給する段階、流動化されたコアを含有する流動床中へ、結合剤および溶媒または懸濁流体を含むコーティング溶液または懸濁液を噴霧する段階、ならびに、該噴霧する段階および該供給する段階の後に形成された顆粒を収集する段階を含む。形成された顆粒の各々は、結合剤および多数のタバコ粒子を含む少なくとも1つの層により取り囲まれたコアを含む。回転子は円錐形回転子であり得る。
【0019】
方法は、流動化されたコアを含有する流動床中へ着香料を導入する段階をさらに含み得る。いくつかの態様において、コーティング溶液または懸濁液は着香料を含む。
【0020】
流動床中へタバコ粒子を供給する段階は、コーティング溶液または懸濁液を噴霧する段階の間にタバコ粒子が流動床へ供給されるように、タバコ粒子をコーティング溶液または懸濁液に添加することを含み得る。いくつかの態様において、タバコ粒子を供給する段階は、コーティング溶液または懸濁液を噴霧する段階とは別にタバコ粒子を供給することを含み得る。供給する段階は、噴霧する段階と同時であり得る。他の態様において、供給する段階は噴霧する段階より前である。他の態様において、供給する段階は噴霧する段階の後である。
【0021】
方法はまた、噴霧する段階の間に結合溶液または懸濁液の組成を変化させ、それにより形成された層の各々が異なる組成を有するように、該コア上に2つまたはそれ以上の同心円層を生成する段階も含み得る。
【0022】
方法はまた、多数のデンプン粒子、または任意の他の増量剤材料を流動床中へ供給する段階も含み得る。いくつかの態様において、多数のデンプン粒子がタバコ粒子と混合され、かつデンプン粒子およびタバコ粒子が共通の供給装置において流動床に供給される。
【0023】
1つまたは複数の態様の詳細が、添付の図面および以下の説明において示される。他の特徴、対象、および利点は、説明および図面から、ならびに添付の特許請求の範囲から明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】様々な態様による口で崩壊可能な顆粒の横断面図を示す。
【図2】様々な態様によるフレーバー放出プロファイルを示す。
【0025】
種々の図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本開示は、多数の、口で崩壊可能な顆粒10を含む無煙タバコ製品を説明する。口で崩壊可能な顆粒10の例を図1A、1B、1C、および1Dに示す。各顆粒は、コア12、ならびに、タバコ粒子22および結合剤を含有する、コアを取り囲む少なくとも1つの層を有する。いくつかの例において、コアおよび少なくとも1つの層は、同一の材料または類似した材料である。各顆粒は、コアを取り囲む1つより多い層を含み得る。従って、本開示は、異なる配合を有する顆粒、顆粒を作製する方法、およびこれらの顆粒を含む無煙タバコ製品を説明する。本開示による顆粒が無煙タバコ製品に独特のフレーバープロファイルを与え得ることが発見されている。
【0027】
I.コア
コア12は、300マイクロメートル〜2ミリメートルの間の直径を有する。いくつかの態様において、コアは500マイクロメートル〜1ミリメートルの間(例えば、約0.8ミリメートル)の直径を有する。いくつかの態様において、コアは、炭水化物、水溶性ポリマー、着香料、塩、またはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、炭水化物は、ブドウ糖、乳糖、またはショ糖などの1つまたは複数のシュガーを含み得る。例えば、水溶性ポリマーは、デンプンおよびセルロース繊維を含み得る。いくつかの態様において、コア12はグラニュー糖である。塩は、例えば、クエン酸塩または塩化ナトリウムを含み得る。コアとして使用される着香料は、例えば、ハーブ、香辛料、または茶を含み得る。いくつかの態様において、コアはタバコを含まない。他の態様において、コアはタバコを含み得る。例えば、コアは、タバコ粉末のプレス加工されたコアを含み得る。他の態様において、図1Dに示されるように、コアは他の構成要素のマトリクス内にタバコ粒子22を含み得る。いくつかの態様において、コアはショ糖およびデンプンから形成されたシュガー球体(sugar sphere)を含み得、それらはCranbury, New Jerseyに位置するPaulaur Corporationより取得され得る。
【0028】
いくつかの態様において、コアは、多数の構成要素を含むゲルコアを含み得る。ゲルコアは、可溶性または不溶性のゲルを含有し得る。ゲルの中に保持される水の量は、最終製品において望ましい特性に依存する。いくつかの態様において、図1Dに示されるように、ゲルコアは、コア内に分散されるタバコ粒子を含み得る。可溶性および不溶性のゲルのための例示的なゲル結合剤は、κカラギーナン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ペクチン、寒天、およびデンプンを含む。可溶性ゲルは、高温でゲル結合剤を、例えば、180°Fでκカラギーナンを溶解する段階、および任意で、勢いのよい混合を継続する間にこの溶液に炭水化物またはタバコ粒子などの他の成分を添加する段階により形成され得る。熱い混合物をその後、多数の孔を形成するように型の中に沈着させる。ゼラチンは室温で弱いゲルを提供するが、堅さおよび安定性は寒天またはデンプンの添加により増加され得る。他のゲル化結合剤を同様の様式で使用してもよい。不溶性ゲルは、あらかじめ溶解された溶液またはスラリーへの架橋剤の添加により形成され得る。多数の孔を形成するように溶液を型の中に沈着させ、ならびに冷却および/または乾燥を通して調整する。大抵の場合、型の中への沈着より前の時期尚早なゲル化を予防するために、溶液を高温で、例えば180°Fより高くで維持することが必要である。ゲルがビーズ形状へ凝固した後、ゲルコアをそのまま顆粒を形成するようにさらに加工することができ、または望ましい水分含量へさらに乾燥することができる。架橋剤は、カラギーナンについてはカリウムイオン、アルギナートおよび低メトキシペクチンについてはカルシウムイオン、ならびにカルボキシメチルセルロースについてはアルミニウムなどの3価イオンを含み得る。不溶性ゲル(すなわち、口で崩壊しないもの)において、ゲルは口の中で保持されるかまたは噛まれるため、着香料化合物がゲルの外へ浸出する可能性がある。例えば、米国特許出願公開第2006/0191548号および第2008/0029110号において開示されるゲルビーズが、コアとして使用され得る。
【0029】
II.層
顆粒10はさらに、コア12を取り囲む少なくとも1つの層を含む。いくつかの態様において、コア12および少なくとも1つの層14は、同一の材料または類似した材料から構成される。いくつかの態様において、図1Aおよび1Dに示されるように、顆粒12は、コア12を取り囲む単一の層を含み得る。層14は、結合剤およびタバコ粒子22を含む。他の態様において、顆粒12は多数の層を含む。図1Bは、タバコ粒子22および結合剤を各々含む、2つの層15および16を含む態様を示す。いくつかの例において、コア12はさらにタバコを含む。層15および16は組成において異なり得る。例えば、層15および16は、タバコ粒子のタイプもしくは濃度、結合剤のタイプ、および/または着香料のタイプもしくは濃度において異なり得る。図1Cは、3つの層17、18、および19を含む態様を示す。層18および19はタバコ粒子および結合剤を含み、一方層17はタバコを含まない。層18および19は、タバコ粒子のタイプもしくは濃度、結合剤のタイプ、および/または着香料のタイプもしくは濃度において異なり得る。層17は、層18および19と同一の着香料または異なる着香料を含み得る。いくつかの態様において、層17は、デンプン粉末などの他の増量剤構成要素を含み得る。他の態様において、具体的に示されていないが、顆粒10は、層が異なる順序において同一の構成要素または異なる構成要素を各々有し得る、任意の数の層を含み得る。例えば、顆粒は、1つおきの層がタバコ粒子を含み、各々の連続する層が異なる着香料を含み、および異なる層が異なる速度で溶解するように結合剤が層の間で変化する、6つまたはそれ以上の交互の層を含み得る。
【0030】
結合剤
本明細書において説明される層における使用に適する結合剤は、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、およびメチルセルロース(MC));天然ポリマー(例えば、デンプンおよび加工デンプン、コンニャク、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、および小麦グルテン);海藻由来ポリマー(例えば、カラギーナン(κ、ι、およびλ);アルギナート、(およびプロピレングリコールアルギナート)、微生物由来ポリマー(例えば、キサンタン、デキストラン、プルラン、カードラン、およびジェラン);抽出物(例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、トラガカントガム、ペクチン(低メトキシおよびアミド化されたもの)、寒天、ゼイン、カラヤ、ゼラチン、オオバコ種子、キチン、およびキトサン)、浸出物(例えば、アカシア(アラビア)ガムおよびシェラック)、合成ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコール))などの口に適合性のポリマーを含む。他の有用な結合剤が当技術分野において公知であり、例えば、Krochta et al. Food Technology, 1997, 51:61-74; Glicksman Food Hydrocolloids CRC 1982; Krochta Edible Coatings and Films to Improve Food Quality Technomic 1994; Industrial Gums Academic 1993; Nussinovitch Water-Soluble Polymer Applications in Foods Blackwell Science 2003を参照されたい。いくつかの態様において、結合剤は、HPMC E5、E15、およびK4Mという商品名でDow Chemical Companyから取得され得るヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み得る。
【0031】
タバコ
顆粒のコアを取り囲む層の少なくとも1つは、多数のタバコ粒子22を含有する。コア12は、任意でタバコ粒子を含み得る。そのようなタバコ粒子の平均直径は典型的に、コアの最大直径のサイズの1/3以下である。いくつかの態様において、層内の平均タバコ粒子は、コアの平均直径のサイズの1/5以下の平均直径を有する。例えば、コア対タバコ粒子の平均直径の比は、10:1未満、50:1未満、または100:1未満であり得る。例えば、タバコ粒子は、200マイクロメートル未満の平均直径(例えば、10マイクロメートル〜40マイクロメートルの間、40マイクロメートル〜60マイクロメートルの間、60マイクロメートル〜80マイクロメートルの間、80マイクロメートル〜120マイクロメートルの間、120マイクロメートル〜160マイクロメートルの間、または160マイクロメートル〜200マイクロメートルの間の平均タバコ粒子直径)を有し得る。いくつかの態様において、平均タバコ粒子直径は、20マイクロメートル〜40マイクロメートルの間(例えば、25マイクロメートル〜35マイクロメートルの間)である。いくつかの態様において、少なくとも1つの層内のタバコ粒子は、100マイクロメートル未満(例えば、約80マイクロメートル)の平均直径を有する。例えば、タバコ粒子は微粒子化されたタバコ粉末を含み得る。タバコ粒子は、口の中で崩壊する(例えば、溶解する)ように、または溶解性の知覚を与える(例えば、タバコが口において触覚経験を生成しない)ように、サイズジングされ得るかまたは作製され得る。例えば、微粒子化されたタバコ粉末は、27マイクロメートルの平均直径、および120マイクロメートルの99パーセンタイル直径を有し得る。あるいは、タバコは、口において触覚経験を提供するようにサイズジングされるかまたは作製されてもよい。
【0032】
望ましい特徴に依存して、各層は、0重量パーセント〜99重量パーセント(例えば、10〜90重量パーセントの間、25〜75重量パーセントの間、または40〜60重量パーセントの間)に渡る最終的なタバコ濃度を有し得る。例えば、層は、15〜35重量パーセントの間(例えば、約25重量パーセント)のタバコを含有し得る。いくつかの態様において、多数の顆粒は、20パーセントより多いタバコ(例えば、40パーセントより多いタバコ、60パーセントより多いタバコ、または80パーセントより多いタバコ)を含む少なくとも1つの層を各々含み得る。
【0033】
層におけるおよび/またはコア内のいずれかのタバコ粒子として顆粒10において使用されるタバコは、無煙タバコ製品における使用に適するタバコである。「タバコ」により、タバコ(Nicotiana)属のメンバーの部分、例えば、葉、花、および茎が意味される。タバコの例示的な種は、N.ルスチカ(N. rustica)、N.タバカム(N. tabacum)、N.トメントシフォルミス(N. tomentosiformis)、およびN.シルベストリス(N. sylvestris)を含む。適当なタバコは、発酵および無発酵タバコ、ダークエアーキュアード(dark air-cured)、ダークファイアーキュアード(dark fire cured)、バーレー、フルーキュアード(flue cured)、および葉巻の芯葉(filler)または巻き葉(wrapper)、ならびに葉全体から茎を取り除く操作(whole leaf stemming operation)由来の製品を含む。例えば、タバコは、米国特許出願公開第2004/0118422号または第2005/0178398号に記載されているように、加熱、発酵(sweating)、および/または低温殺菌段階により調節され得る。発酵(fermenting)は典型的に、高い初期の含水量、発熱、および乾燥重量の10〜20%の損失により特徴付けられる。例えば、米国特許第4,528,993号;第4,660,577号;第4,848,373号;および第5,372,149号を参照されたい。発酵は、葉の芳香を改変することに加え、葉の色および質感のいずれかまたは両方を変化させ得る。また発酵プロセスの間に、発生ガスが生成され得、酸素が取り込まれ得、pHが変化し得、および保持される水の量が変化し得る。例えば、米国特許出願公開第2005/0178398号およびTso(1999, Chapter 1 in Tobacco, Production, Chemistry and Technology, Davis & Nielsen, eds., Blackwell Publishing, Oxford)を参照されたい。顆粒10中にタバコを組み入れる前に、キュアード、またはキュアードかつ発酵されたタバコは、さらに加工(例えば、切断、膨張、ブレンド、製粉または粉砕)され得る。例えば、米国特許第4,528,993号;第4,660,577号;および第4,987,907号を参照されたい。
【0034】
タバコは、いくつかの態様において、緑葉組織の1cm2あたり20μg未満のDVTを有する植物から調製され得る。例えば、タバコ粒子は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2008/0209586号に記載されているタバコから選択され得る。そのような低DVT品種由来のタバコを含有するタバコ組成物は、減少したレベルのDVTを有さないタバコまたはタバコ組成物と比較した時に、官能パネル評価において改善されたフレーバーの特徴を示す。
【0035】
着香料
コアおよび/または1つもしくは複数の層は、1つまたは複数の着香料を含み得る。着香料は、顆粒10が口で消費される時にフレーバー放出プロファイルを生成し得る。フレーバー放出プロファイルは、層の成分およびサイズを調整することによりカスタマイズされ得る。例えば、同一のパターンの層を各々有する多数の口で崩壊可能な顆粒を有することにより、顆粒を消費する使用者は、以下に説明されるものなどのフレーバープロファイルを同定し得る。
【0036】
顆粒10内で使用される着香料は、当技術分野において公知である任意の着香料であり得る。例えば、適する着香料は、ウインターグリーン、サクランボおよびベリータイプの着香料、Drambouiなどの種々のリキュールおよび酒、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ、チョウジ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、ハッカ、カッシア、カラウェー、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ならびにハッカ属の種由来のミント油を含む。顆粒において有用なミント油は、スペアミントおよびペパーミントを含む。
【0037】
他の層構成要素
望ましい特徴に依存して、各層はまた、増量剤(例えば、デンプン、リン酸二カルシウム、乳糖、ソルビトール、マンニトール、および微結晶性セルロース)、可溶性繊維(例えば、Matsushita由来のFibersol)、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、および粘土)、潤滑剤(例えば、レシチン、ステアリン酸、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール4000〜6000(PEG)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、パルミトステアリン酸グリセリン、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、およびステアリン酸塩(例えば、MgまたはK)、ならびにワックス(例えば、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコール、およびアセチル化モノグリセリド))、可塑剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、トリアセチン、および1,3ブタンジオール)、安定剤(例えば、アスコルビン酸、およびクエン酸モノステロール、BHT、またはBHA)、人工甘味料(例えば、スクラロース、サッカリン、およびアスパルテーム)、崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、架橋されたPVP)、または他の化合物(例えば、植物油、表面活性剤、および保存料)を含んでもよい。いくつかの化合物は、これらのカテゴリーの1つより多くに分類される機能的な属性を示す。例えば、プロピレングリコールは可塑剤および潤滑剤の両方として作用し得、ならびにソルビトールは増量剤および可塑剤の両方として作用し得る。
【0038】
層はまた、コーティングプロセスの間に使用される食品等級の溶媒または懸濁流体の残遺物も含み得る。例えば、食品等級の溶媒または懸濁流体は、流動床加工装置内での結合剤の噴霧を可能にし得る。溶媒または懸濁流体の大部分は、顆粒の層を形成するためのコーティングプロセスの間に概して蒸発するが、微量が残り得る。溶媒または懸濁流体は、少なくとも300 KJ/Kgの気化潜熱を有し得る。いくつかの態様において、溶媒または懸濁流体は、500 KJ/Kg〜2500 KJ/Kgの間(例えば、800〜2300 KJ/Kgの間、500〜1300 KJ/Kgの間、または1300〜2500 KJ/Kgの間)の気化潜熱を有し得る。例えば、エタノールの気化潜熱は841 KJ/Kgであり、および水の気化潜熱は2260 KJ/Kgである。典型的な溶媒または懸濁流体は、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、およびそれらの組み合わせを含む。
【0039】
III.無煙タバコ製品
多数の顆粒10は、それ自身が無煙タバコ製品であり得、または他の材料と共に無煙タバコ製品中に組み入れられ得る。多数の顆粒10を組み入れる無煙タバコ組成物は、非限定的に、スヌース(snus)スタイルの製品、小袋もしくはパック中のルーズ(loose)タバコ、または嗅ぎタバコを含む、湿性または乾燥無煙タバコを含有し得る。いくつかの無煙タバコ組成物の説明については、例えば、米国特許出願公開第2005/0244521号および第2006/0191548号を参照されたい。中に混合された顆粒10を有する無煙タバコ組成物は、望ましいフレーバー放出プロファイルを伴う無煙タバコ組成物を提供し得る。無煙タバコ製品のための顆粒に対する嗅ぎタバコの比率は限定されない。いくつかの態様において、顆粒に対する嗅ぎタバコの比率は1〜90重量/重量(湿潤)の間である。例えば、顆粒に対する嗅ぎタバコの比率は30〜65重量/重量(湿潤)であり得る。
【0040】
顆粒10はまた、顆粒10が他の無煙タバコ製品と混合されること無く、他の無煙タバコ製品と共にパッケージングされ得る。例えば、顆粒10は、分割された容器の異なる区分において、分割された容器において他の無煙タバコ製品と共にパッケージングされ得る。分割された容器は、使用者が、顆粒単独、他の無煙タバコ製品単独、または製品の組み合わせを一緒に経験することを可能にし得る。多数の異なるタイプの顆粒10がまた、分割された容器の異なる区画に含まれ得る。他の態様において、顆粒10は、無煙タバコ製品の容器の内部の1つまたは複数のブリスターにおいてカプセル化され、使用者が無煙タバコ製品のフレーバーを選択的に増加させたりまたは変化させたりすることを可能にする。例えば、使用者は、蓋の内側に複数のブリスターパックを有し、各々のブリスターパックが異なるフレーバープロファイルを提供する顆粒を有する湿性無煙タバコ製品容器を持つことができ、従って、使用者は特定のフレーバーまたはフレーバーの組み合わせを選択でき、またはいかなるフレーバーも使用しないことを選択できる。さらに、最初の使用後にフレーバー強度を増加させるために顆粒を添加することができる。
【0041】
多数の顆粒は、いくつかの態様において、直接の口での消費のためにパッケージにおいて単独で販売され得る。例えば、顆粒10は、シュガータイプの紙パッケージ、ファスナープラスチック袋、ブリスターパック、量制御(portion-control)ディスペンサー(例えば、胡椒挽きなど)、密封された末端を有するストローまたは管、および箱様の容器の中に緩くパッケージングされ得る。例えば、容器は、シガレットパックまたはシガレットライターに近い形状およびサイズを有し得る。いくつかの態様において、多数の顆粒10は、追加的な無煙タバコ製品を伴うかまたは伴わずに、開放性または高度に多孔性の包装材料(例えば、織物、紙、またはプラスチックフィルム)の中にパッケージングされ得る。他の態様において、多数の顆粒10は、消耗品パッケージ(例えば、縁に沿って合わせて密封されるかまたは接着された可食フィルムストリップのペアで作製された小袋)の中にパッケージングされ得る。例えば、消耗品パッケージを生成するために使用される可食フィルムは、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2005/0089548号に記載されているタイプであり得る。多数の異なるタイプの顆粒10が一緒にパッケージングされ得る。いくつかの態様において、第1のフレーバープロファイルを有する第1の多数の顆粒10が、第2のかつ異なるフレーバープロファイルを有する第2の多数の顆粒10と共にパッケージングされる。第1および第2の多数の顆粒は、異なる外側の色を有することにより視覚的に差別化され得る。異なるように顆粒群が混合または分離され得る。
【0042】
他の無煙タバコ組成物または他の成分を伴うかまたは伴わない顆粒の混合物は、成形加工された無煙タバコ片へ、成型、押し出し成形、プレス加工、または別の方法で成形され得る。いくつかの態様において、他の無煙タバコ組成物または他の成分を伴うかまたは伴わない顆粒の混合物は、錠剤またはディスクを形成するように圧縮され得る。錠剤はその後、積み重ねられた錠剤を含み、および分配機構の起動時に一度に一つの錠剤を個々に押し出すディスペンサーにおいてパッケージングおよび/または分配され得る。例えば、顆粒10は、非溶解性タバコ錠剤またはディスクに含まれ得、そこで非溶解性無煙タバコ材料のマトリクス内に分散される。無煙タバコ錠剤またはディスクはまた、一緒にプレス加工された顆粒10で全体的に作製され得る。他の態様において、錠剤は、質感相互作用を提供するように、一つの側に顆粒10の層を、および逆の側に別の無煙タバコ製品の滑らかな質感を含み得る。顆粒10はまた、棒またはスティックの形状にプレス加工され得る。多数の顆粒はまた、不規則なクラスター形状にプレス加工され得る。いくつかの態様において、顆粒10のクラスターは、脂質コーティング(例えば、ステアリン酸)を含み得る。顆粒10はまた柔軟なテープにプレス加工され得、それは分配のために巻き上げられ得る。顆粒はまた、つま楊枝、プレッツェルスティック、他の小さな円柱形状、または柔軟な担体などのあらかじめ形成された品目の周囲に成型され得る。例えば、顆粒10は、タバコ顆粒ネックレスを形成するように、紐上の真珠様ビーズに成型され得る。
【0043】
顆粒10はまた、望ましいバルク特性を顆粒10に与え得る外側コーティングも含み得る。例えば、外側コーティングは、使用者が消費のために多数の顆粒10を一緒につまむことを可能にする粘着性コーティングを含み得る。他の態様において、顆粒10は、顆粒10が容易に流動するように、顆粒10の間の結合を阻害する外側コーティングを含み得る。他の態様において、顆粒10のために使用される材料は、望ましい口の感触を与える望ましい圧縮率を付与するように選択され得る。例えば、いくつかの態様において、顆粒10はタピオカボールに近い圧縮率を有し得る。他の態様において、顆粒は非圧縮性であり、および使用者の口においてかみ砕かれるように設計され得る。
【0044】
顆粒10はまた、非タバコ製品と共に含まれ得る。例えば、顆粒10は、ガムに味および/または質感を提供するためにチュアブルガムと併用され得る。いくつかの態様において、ガムは追加的な無煙タバコ製品を含み得る。他の態様において、顆粒10は、消費のためにあらかじめ形成された対象を顆粒10でコーティングするように、顆粒10を有するパッケージングの区画中に浸漬され得るあらかじめ形成された対象と共にパッケージングされ得る。あらかじめ形成された対象は、数多くの消耗品または非消耗品材料で作製され得る。例えば、あらかじめ形成された対象は、脂質ソフトタブ(soft tab)またはプレス加工されたシュガースティックであり得る。いくつかの態様において、あらかじめ形成された対象は他の無煙タバコ製品を含み得る。他の態様において、顆粒10は、結晶化メープルシロップなどの結晶化菓子内に含まれ得る。顆粒10はまた、バブルティーに含まれ得る。例えば、顆粒10は、タピオカボールと共にか、またはタピオカボールを置換してかのいずれかでバブルティー中に存在し得、およびタピオカボールに近い圧縮率を有し得る。
【0045】
多数の顆粒10はまた、多孔性マトリクスを形成するように一緒に焼結され得る。多孔性マトリクスは、口において、例えば、唇とガムとの間で全体的に受け取られるのに適応した形状を有し得る。例えば、多数の顆粒10は、隣接した顆粒が一緒に結合するように望ましい形状に形成され、かつ加熱され得る。プロセスは、顆粒10の外表面の融点より低い温度まで多数の顆粒10を加熱する段階を含み得る。多数の顆粒10はまた、湿性または乾燥無煙タバコなどの他のタバコ材料の存在下で焼結され得る。追加的なタバコ材料は、粉末形態であり得るか、顆粒形態であり得るか、または細長い刻みタバコとして提供され得る。他のタバコ材料はその後、隣接した焼結顆粒の間の結果として生じた孔の中に存在し得る。顆粒10はまた、ポリマー外表面を含み得る。ポリマー外表面は、1つまたは複数の以下のポリマー材料を含み得る:アセタール、ポリメチルメタクリレートおよびポリアクリロニトリルなどのアクリル、アルキド、ポリマー合金、ジアリルフタレートおよびジアリルイソフタレートなどのアリル、尿素、ホルムアルデヒド、およびメラミンホルムアルデヒドなどのアミン、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セロハン、およびレーヨンなどのセルロース誘導体、塩素化ポリエーテル、クマロン-インデン、エポキシ、PTFE、FEP、PFA、PCTFE、ECTFE、ETFE、PVDF、およびPVFなどの過フッ化炭化水素、フラン、炭化水素樹脂、ニトリル樹脂、ポリアリールエーテル、ポリアリールスルホン、フェノール-アルアルキル、フェノール類、ポリアミド(ナイロン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリアリールエーテル、ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、熱可塑性ポリエステル、PBT、PTMT、PET、ならびにSMCおよびBMCのような不飽和ポリエステルなどのポリエステル、熱可塑性ポリイミドおよび熱硬化性ポリイミドなどのポリイミド、ポリメチルペンテン、LDPE、LLDPE、HDPE、およびUHMWPEなどのポリオレフィン、ポリプロピレン、PDおよびポリアロマー(allomer)などのイノマー(inomer)、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリp-キシリレン、シリコーン流体およびエラストマーなどのシリコーン、剛性シリコーン、PS、ADS、SAN、スチレンブタジエン格子、およびスチレンベースのポリマーなどのスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、およびポリフェニルスルホンなどのスルホン、熱可塑性エラストマー、ならびに、PVC、酢酸ポリビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、酪酸ポリビニル、ポリビニルホルマール、プロピレン-塩化ビニルコポリマー、酢酸エチルビニル、およびポリビニルカルバゾールなどのビニル。加えて、ポリマー外表面は着色され得、顆粒10および隣接した焼結顆粒の間に任意で他の無煙タバコ材料を含有する、着色焼結無煙タバコ製品を結果としてもたらす。例えば、着香料およびタバコを含むコアおよび1つまたは複数の層を各々含む多数の顆粒10は、ポリエチレンで各々コーティングされ得る。ポリエチレンでコーティングされた顆粒はその後、唇とガムとの間の配置のための平坦な長方形の形状に一緒に焼結され得る。焼結プロセスは、粉末タバコの存在下においてあらかじめ形成され得る。焼結プロセスの説明は、2008年12月18日に出願された米国特許仮出願第61/141,968号において見出され得、該出願は参照により本明細書に組み入れられる。
【0046】
IV.顆粒形成
顆粒を形成するプロセスは、使用される特定の設備、特定のコア材料、および1つまたは複数の層を形成する材料に依存して変化し得る。いくつかの態様において、顆粒形成のために使用される単一の装置の中で、層が連続的に付加される。例えば、各々の連続的な層の組成を調整するために、コアを流動化し、ならびに各構成要素の組成および/または供給速度を変化させて、連続的な段階において各層の構成要素を添加することができる。
【0047】
顆粒形成に適する装置は、流動床の内部に回転板(「回転子」)を含有する流動床加工装置である。回転子の回転により、および回転子と容器の壁との間の環状隙間を通した空気の流れにより、コアを流動化する。いくつかの態様において、回転子は円錐形の上部表面を有する。回転子を回転することおよび回転子と容器の壁との間の環状隙間を通して空気を通過させることにより、流動床回転子加工装置内で多数のあらかじめ形成されたコア12を流動化する段階によって顆粒10が形成され得る。
【0048】
その後、各層のための成分を1つまたは複数の層を形成するために流動床回転子加工装置に供給する。成分は、少なくとも結合剤、および、少なくとも1つの層のためにタバコ粒子を含む。結合剤は、コーティングプロセスの間に蒸発し得る食品等級の溶媒または懸濁流体に溶解または懸濁することができる。コーティング溶液または懸濁液は、接線スプレーガンにより噴霧することができる。流動床回転子加工装置中にコーティング溶液または懸濁液を導入するために、スプレーノズルが適する。スプレーノズルは、コーティング溶液の適当な噴霧を提供する現在利用可能なノズルであり得る。いくつかの態様において、1つまたは複数のスプレーノズルは、接線スプレーガンを含み得る。結合剤および食品等級の溶媒または懸濁流体に加えて、コーティング溶液または懸濁液は、1つまた複数の着香料を含み得る。他の態様において、着香料は顆粒形成のために使用される装置へ別々に添加することができる。コーティング溶液または懸濁液は、1つまたは複数のスプレーノズルを用いて、顆粒形成のために使用される装置中に噴霧することができる。いくつかの態様において、タバコ粒子および/または他の乾燥成分は、コーティング溶液または懸濁液とあらかじめ混合し、およびコーティング溶液または懸濁液の一部として流動床回転子加工装置中に噴霧して供給することができる。
【0049】
乾燥成分は、流動床回転子加工装置に別々に供給することができる。乾燥成分は、1つまたは複数の層に含まれてもよいタバコ粒子および他の微粒子成分、例えばデンプンを含む。他の乾燥微粒子成分は、タバコ粒子を含まない層を生成するための増量剤、着香料、崩壊剤、結合剤、着色料として働き得る(例えば、図1Cの層17)。乾燥成分を流動床回転子加工装置に供給するには、容積測定の粉末供給ユニットが適する。乾燥成分は、コーティング溶液または懸濁液の噴霧と同時に流動床回転子加工装置に供給することができる。コーティング溶液または懸濁液の噴霧、およびタバコ粒子または他の乾燥微粒子の供給はまた、間欠的であり得る。
【0050】
流動床回転子加工装置により、コアおよび/または各層内のタバコ粒子の一様な分布、各層を形成するためのコーティング溶液または懸濁液の効率的な乾燥、および流動床回転子加工装置内の単一の操作で連続的な層を適用する能力が可能となる。加工装置はまた、顆粒サイズおよび層の厚さにおいて望ましい一様性および相似性を有する顆粒を生成することもできる。タバコ粒子および/またはコーティング溶液もしくは懸濁液の割合および/または組成を変化させることにより、異なる組成を各々有する多数の層を多数のコア12上に形成することができ、以下に説明するもののような望ましいフレーバープロファイルを提供することができる。コアはまた、タバコ粒子を含有し得る。例えば、タバコ粉末および結合剤を含むコアを、流動床回転子加工装置を用いて層を付加するより前の最初の段階において、流動床回転子加工装置を用いて生成することができる。コーティング条件はまた、回転子速度、入口の空気の温度、湿度、および/または空気の流速を変化させることにより制御できる。回転子は、50〜500毎分回転数の間(例えば、185〜325毎分回転数の間)の速度で回転し得る。環状隙間を通過する空気の量は、5〜100立方フィート/分の間(例えば、10〜35立方フィート/分の間)であり得る。環状隙間を通過する空気の温度は、10〜80℃の間(例えば、20〜70℃の間)であり得る。回転子の回転の速度、ならびに/または、環状隙間を通過する空気の量および/もしくは温度は、顆粒形成プロセスの間に変化させることができる。流動床回転子加工装置の例は、Granurex(登録商標)という商品名でVector Corporation(Sloan, Iowa)より販売されている(例えば、GXR30)。Granurex(登録商標)加工装置は、円柱形容器、および中心軸の周囲を回転する円錐形回転子を基部に含む。回転子、特に円錐形回転子を有する流動床加工装置は、回転子を欠く流動床加工装置より一様な層を有する顆粒を生成し得る。
【0051】
V.フレーバープロファイル
顆粒10は、同一の配合を各々有する多数の顆粒10が口で消費される時に放出プロファイルをもたらすために、望ましい通り成分を放出するように製剤化され得る。顆粒10は、顆粒が口で消費される時に成分放出の順序を制御するのに十分な一様性および一貫性の層を有する、多数の顆粒を生成するプロセスにおいて作製され得る。さらに、成分放出の速度は、各層および/またはコアの組成により制御され得る。これらの特徴は、単独または組み合わせのいずれかで、口で消費される時に望ましいフレーバープロファイルを提供する多数の顆粒をもたらし得る。例えば、図2Aに示されるように、図1Aの顆粒の近似構造を有する多数の顆粒を消費する成人消費者は、第1の時間帯に、層14内に位置する第1の着香料Aを第1に検出するであろう。その後、層14が完全に消費されるようになるにつれて、成人消費者は、コア12が完全に消費されるまでの第2の時間帯に、コア12内に位置する第2の着香料Bを検出し始めるであろう。
【0052】
顆粒10は、様々な崩壊速度を有する層を含み得る。速い放出層は典型的に、1分未満で、および最も好ましくは30秒またはそれ以下で、例えば、30 s、25 s、20 s、15 s、10 s、5 s、4 s、3 s、2 s、または1 s未満で崩壊する。崩壊は、溶解、融解、酵素的もしくは他の化学的分解、および/または結合剤とタバコとの間の相互作用の破壊により起こり得る。結合剤またはタバコ自体が同様に崩壊してもよい。組成物が崩壊するのに必要とされる時間は、層の厚さを変化させることにより制御されてもよく、かつ結合剤のタイプ、他の添加物、および顆粒が消費される方法に依存する。フレーバープロファイルはまた、各層における各着香料の濃度および/または強度により制御され得る。いくつかの態様において、顆粒10は、少なくとも50重量パーセントの着香料(例えば、60、70、80、または90重量パーセント)の濃度を有する1つまたは複数の層を含み得る。
【0053】
図2Bは、図2Bの顆粒の近似構造を有する多数の顆粒についての1つの可能なフレーバー放出プロファイルを示す。示されるように、成人消費者は、顆粒10の外表面に沿って急速に溶解する層15において、第1のフレーバーのフレーバースパイクを第1に経験し得る。急速に溶解する外層はまた、成人消費者にタバコの初期バーストも提供し得る。第2の層16はその後、着香料およびタバコ両方のより持続性の放出を伴う着香料Aの第2のフレーバーを成人消費者に提供し得る。最後に、層16が完全に消費されるようになるにつれて、成人消費者はその後、コアに存在する着香料Bの第3のフレーバーを経験し得る。他の態様において、コアは、高い強度および長期に持続するフレーバーを提供し得る。さらに他の態様において、フレーバースパイクは、タバコの存在を伴うかまたは伴わずに、非常に高い濃度の着香料を有する薄い層により生成され得る。
【0054】
顆粒10は、様々な全体溶解時間を有するように製剤化され得る。顆粒の全体溶解時間は、とりわけ、層の数、それらの層の崩壊速度、ならびにコアのサイズおよび組成に基づく。顆粒についての全体溶解時間は、5秒〜15分の間であり得る。いくつかの態様において、顆粒10は、5秒〜30秒の間(例えば、5秒〜10秒の間、10秒〜20秒の間、または20秒〜30秒の間)の急速な全体溶解時間を有する。いくつかの態様において、顆粒は、2分〜15分の間(例えば、2分〜4分の間、4分〜8分の間、または8分〜15分の間)の長期の全体溶解時間を有する。いくつかの態様において、顆粒は、30秒〜2分の間(例えば、30秒〜45秒の間、45秒〜75秒の間、または75秒〜2分の間)の中間の全体溶解時間を有する。
【0055】
顆粒10または顆粒10を含有するタバコ組成物のフレーバー放出プロファイルおよびフレーバーの特徴は、当技術分野において公知である技術を用いて官能パネルにより評価することができる。例えば、Grub(1998, In Flavourings by Ziegler & Zielger, eds., pp. 513-524, Wiley-VCH Verlag GmbH, Weinheim, Germany);Tamura et al. (1989, Agric. Biol. Chem., 53, 1625-1633);およびDunkel et al. (2007, J. Agric. Food Chem., 55:6712-9)に従ってタバコのフレーバーの特徴を評価するために、パネリストを訓練して使用することができる。加えて、North Carolina State University Sensory Service Center、The Institute for Sensory Research at Syracuse University、Ohio State University Sensory Science Group、the Sensory Laboratory at Oregon State University、およびMonell Chemical Senses Center in Philadelphiaは、官能試験施設を有し、種々の官能検査サービスを提供する。例えば、官能パネルの参加者は、様々な検出される着香料の強度を、時間の関数として1〜10のスケールで評価し、ならびに、図2Aおよび2Bに示されるものと同様の図表においてその強度を図化することができる。本明細書において説明される顆粒は、望ましいフレーバープロファイル、例えば、第2のフレーバーのピーク強度の時間に第1のフレーバーのフレーバー強度がそのピーク強度の50%未満である、フレーバー強度ピークを有する第1および第2の着香料、または、第2のフレーバーの検出より前の時間にフレーバー強度ピークを有する第1の着香料を有する。
【0056】
概して、望ましいフレーバー特性の送達はほぼ無制限であり、および、同一の、類似した、または可変の溶解時間を有するコアにおいて、または1つもしくは複数の層において提供される1つまたは複数の着香料を含む。フレーバー強度プロファイルは、実際に、逐次的であるか、重複しているか、または同時に生じる強度ピークを有し得る。いくつかの態様において、顆粒10は、1つまたは複数の顆粒が同一のまたは異なる時点で同一のまたは異なるフレーバーを放出するという点において、互いに異なるフレーバー放出プロファイルを提示するように提供される。異なるフレーバープロファイルを各々有する顆粒または顆粒の群の使用により、カスタマイズ可能な無煙タバコ製品を生じるための異なるフレーバープロファイルを有する顆粒を混合することおよび調和させることが可能になり得る。例えば、顆粒の1つの群がミントフレーバーのバースト放出を提供し得、顆粒の第2の群がシナモンフレーバーの遅延型放出を含み得、および顆粒の第3の群がバニラの間欠的な放出を提供し得;これらの群由来の顆粒は、無煙タバコ製品全体にとって望ましいフレーバープロファイルを生じるように、変動する量で選択的に併用され得る(例えば、間欠的なバニラを伴うミント、シナモンを伴うミント、間欠的なバニラを伴うシナモン、または3種類のフレーバーすべてのバースト)。顆粒の使用はまた、無煙タバコ製品が消費されるまで、ことによると腐食性の環境から着香料を保護することによりフレーバーの安定性を改善し得る。
【0057】
本発明は、添付の特許請求の範囲において説明される発明の範囲を限定しない、以下の実施例においてさらに説明される。
【実施例】
【0058】
VI.実施例
Vector Granurex(登録商標)GXR30流動床回転子加工装置を、ミントフレーバーの顆粒を作製するために使用した。表1に示す成分を用いて、8バッチを加工した。
【0059】
【表1】

【0060】
緑葉組織の1cm2あたり20μg未満のDVTを有する植物由来のタバコを、27マイクロメートルの平均直径および120マイクロメートルの99パーセンタイル直径を有する粒子を生成するために、熟成させ、発酵させ、あらかじめ調整し(pre-condition)、ケーシングし、および粉砕した。タバコを加工する時に、タバコの水分含量を時々監視し、および1つまたは複数の乾燥段階により調整することが注目されるべきである。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC E5、E15、およびK4M)はDow Chemical Companyより取得した。Splenda(登録商標)という商品名で販売されているスクラロースもまた取得した。シュガー球形コアおよびデンプンは、Cranbury, New JerseyのPaulaur Corporation由来であった。あらかじめ水和した(pre-hydrated)ガム(アカシアガム)はTic Gums Inc.由来であった。塩化ナトリウム塩はCargill由来であった。デンプン(B820)はGrain Processing Corporation由来であった。無水アルコール(ET107)およびイソプロピルアルコール(IPA)はSpectrum Chemicals & Laboratory Products由来であった。
【0061】
実験は、乾燥、コーティング、顆粒化、および粉末層化が可能であるGXR30(登録商標)システムを用いて行った。バッチ1〜5は、710〜850マイクロメートルの間の平均直径を有するシュガー球形コアを使用した。バッチ6は、バッチ5の顆粒をさらにコーティングした。バッチ7は、850〜1000マイクロメートルの間の平均直径を有するシュガー球形コアを使用した。タバコ粒子とコアとの間のサイズ比は、1:100より大きかった。バッチ1〜7については、コアを生成物容器中に注ぎ、その後接線スプレーガンを介して霧状にされたコーティング溶液で間欠的に噴霧した。K-Tronにより作製されたスクリュー粉末供給ユニットを用いて、タバコ粒子をGXR30(登録商標)システムに供給した。
【0062】
バッチ1は、結合剤を含まない水を用いてタバコ粒子でシュガーコアをコーティングすることを試みた。ミントフレーバーもまた添加した。バッチ1の実験は、タバコ顆粒を形成しないことが判ると10分後に中止された。
【0063】
バッチ2は、HPMC E5を含有するIPAのコーティング溶液を用いてタバコ粉末でシュガーコアをコーティングすることを試みた。ミントフレーバーもまた添加した。IPAが結合剤を十分に溶解できないことが判るとすぐ40分後に水を添加した。不十分な結合のため70分後に実験を中止した。
【0064】
バッチ3は、塩、スクラロース、および味を調整するために添加したミントフレーバー、および溶液において疎水性ミントフレーバーの懸濁を促進するためのあらかじめ水和したガムと共に、HPMC (E5)および水を、それぞれ結合剤および溶媒として使用した。球形シュガーコアを生成物容器中にロードし、システムを22.4℃に予熱した後、Vectorにより設計された特別な排出装置を有するスクリュー供給ユニットを、タバコ粉末を回転子加工装置中に封じ込めかつ方向付けるために使用した。全体のコーティング溶液重量は1727グラムであり、そのうち1180グラムを900グラムの乾燥タバコ粉末を粉末層化するために使用し、粉末対結合溶液の比は1:1.31となった。すべてのタバコ粒子を加工装置中に供給した後、残りのコーティング溶液を適用した。バッチ3の顆粒は、約15秒の全体溶解時間を有した。
【0065】
バッチ4は、結合剤としてHPMC (E15)、および溶媒として3000グラムのET107を使用した。800グラムの水を10分後にコーティング溶液に添加した。全部で、900グラムのタバコ粒子を1300グラムのコーティング溶液と共に層化し、1:1.44の比であった。すべてのタバコ粒子を加工装置中に供給した後、追加的な1300グラムのコーティング溶液を適用し;1647グラムの溶液が未使用のままであった。バッチ4の顆粒は、約40秒の全体溶解時間を有した。
【0066】
バッチ5は、結合剤としてHPMC (E5)、および溶媒として水を使用した。1:1.15のコーティング溶液に対する比の、900グラムの微粒子のための溶液を使用し、約785グラムのタバコおよびデンプンの1:1混合物を1000グラム/時間の増加した粉末供給速度で層化した。バッチ5の顆粒は、約30秒の全体溶解時間を有した。
【0067】
バッチ6は、出発コアとしてバッチ5の顆粒を使用し、第2の層を付加した。バッチ6は、結合剤としてHPMC (K4M)、および溶媒として水を使用した。0.96:1の粉末対溶液比のために1442グラムのコーティング溶液を使用し、1500グラムの1:1比を有するデンプンおよびタバコの混合物を層化した。粉末層化の後に、追加的な268グラムの溶液を顆粒に適用した。他のバッチと比較して粉末供給速度を増加させ、1250〜2000グラム/時間の間とした。バッチ6の顆粒は、約300秒の平均全体溶解時間を有した。
【0068】
バッチ7においては、粉末層化より前に300グラムのフレーバー添加したコーティング溶液をシュガーコアに適用した。1:1.45の比の、2260グラムの水ベースのコーティング溶液を使用し、1560グラムの1:1のタバコ対デンプン比の粉末を層化した。粉末層化の後に、追加的な100グラムの溶液を適用した。バッチ7の顆粒は、約240秒の平均全体溶解時間を有した。
【0069】
バッチ8においては、デンプンおよびタバコ粉末を生成物容器中にロードした。結合剤としてHPMC (E5)、および溶媒として水を使用し、システムが30℃の余熱温度に達するとすぐに顆粒化を開始した。バッチ8においては、タバコ粉末および/またはデンプンが顆粒形成を開始し、従ってコアとして作用する。バッチ8の顆粒は、5秒未満の平均全体溶解時間を有した。他の態様において、バッチ8で生成した顆粒を、バッチ8の顆粒に付加されるコアおよび層としてさらに使用することができる。
【0070】
上記で考察した実験は、6種類の異なるタイプのタバコ顆粒を結果としてもたらした。異なるタイプの顆粒の特徴を表2に示す。
【0071】
【表2】

1 溶解時間は、口で試食した時に顆粒を完全に溶解するのに必要とされた、平均のおよその時間(秒)である。
【0072】
各バッチにおいて生成した顆粒を、熟練した試験官が味覚試験した。平均溶解時間を、熟練した試験官が測定した。HPMC (E5)を急速なフレーバー放出を与えるための結合剤として使用し、HPMC (E15)を相対的に穏やかな速度のフレーバー放出を与えるための結合剤として使用し、およびHPMC (K4M)を相対的に緩徐なフレーバー放出を与えるための結合剤として使用した。バッチ4の顆粒は、タバコの放出速度を低下させ、およびフレーバー放出持続期間を延長するように設計された追加的な外層を含有した。バッチ5の顆粒は、より緩徐な溶解速度を有するように意図し、達成した。バッチ6の顆粒は、外層の緩徐な初期崩壊、続いて内層のより急速な崩壊を有するように意図した。より大きな平均顆粒サイズは、より長い平均溶解時間に貢献した。バッチ7の顆粒の大きなコアサイズおよび相対的に厚い層は、相対的により長い平均溶解時間をもたらした。加えて、バッチ7の顆粒は、顆粒崩壊の終わり近くにフレーバースパイクを生成するように意図した層を有した。しかしながら、望ましいフレーバー効果を生成するには、使用したコーティング溶液の量が不十分のようであった。
【0073】
これらの実験の間に作製した顆粒を室温で10ヶ月間保管した。フレーバー、pH、またはオーブン揮発性物質(oven volatile)のパーセンテージにおける注目すべき変化は観察されなかった。
【0074】
いくらかの態様を説明してきた。それにもかかわらず、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく種々の改変が作製され得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの無煙タバコ製品は、即時の満足のために外層において使用され得る急速放出結合剤、その後持続性のフレーバーのための中間層における緩徐な放出剤、および最後のフレーバーフラッシュのためのコアにおける、またはコアを直接取り囲む急速放出剤を有する顆粒を含み得る。さらに他の無煙タバコ製品は、異なる着香料、フレーバー放出、および崩壊特性を有する顆粒の組み合わせを含み得る。従って、他の態様は添付の特許請求の範囲の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の、口で崩壊可能な顆粒を含み、各顆粒が:
タバコでないコア、ならびに
タバコ粒子および結合剤を含む、コアを取り囲む少なくとも1つの層
を有する、無煙タバコ製品。
【請求項2】
前記少なくとも1つの層が着香料(flavorant)をさらに含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項3】
着香料が、カンゾウ、ウインターグリーン、サクランボおよびベリータイプの着香料、Dramboui、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ(apium graveolents)、チョウジ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス(honey essence)、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、ハッカ(Japanese mint)、カッシア、カラウェー、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピメント(piment)、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ(Mentha)属の種由来のミント油、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2記載の無煙タバコ製品。
【請求項4】
顆粒が、コアを同心円状に取り囲む追加的な層をさらに含み、該追加的な層が、タバコ粒子濃度、タバコ粒子のタイプ、結合剤、着香料、またはそれらの組み合わせに関して前記少なくとも1つの層とは異なる組成を含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項5】
前記追加的な層および前記少なくとも1つの層が異なる着香料を含む、請求項4記載の無煙タバコ製品。
【請求項6】
前記追加的な層および前記少なくとも1つの層が異なる濃度のタバコを含む、請求項4記載の無煙タバコ製品。
【請求項7】
標準化された官能検査において消費の間の異なる時間に知覚可能であるピークフレーバー強度を各々有する、2種類の異なるフレーバーを有するフレーバープロファイルを含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項8】
異なるフレーバープロファイルを各々有する、第1の顆粒および第2の顆粒を少なくとも含む、請求項7記載の無煙タバコ製品。
【請求項9】
コアが300マイクロメートル〜2ミリメートルの間の直径を有する、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項10】
コアが、炭水化物、水溶性ポリマー、着香料、塩、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項11】
タバコ粒子が非発酵タバコを含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項12】
タバコ粒子が乾燥嗅ぎタバコを含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項13】
タバコ粒子が、緑葉組織の1cm2あたり20μg未満のDVTを有する植物から調製された、キュアード(cured)タバコ粒子である、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項14】
前記少なくとも1つの層におけるタバコ粒子が、100マイクロメートル未満の平均直径を有する、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項15】
結合剤が、ヒドロキシル基含有化合物、およびデキストランまたはデキストラン誘導体を含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項16】
結合剤が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、コンニャク(konjac)、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、小麦グルテン、カラギーナン、アルギナート、プロピレングリコールアルギナート、キサンタン、デキストラン、プルラン、カードラン、ジェラン(gellan)、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、トラガカントガム、ペクチン、寒天、ゼイン、カラヤ、ゼラチン、オオバコ種子、キチン、キトサン、アカシアガム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項17】
顆粒が概して球形である、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項18】
顆粒が500マイクロメートル〜5ミリメートルの間の直径を有する、請求項17記載の無煙タバコ製品。
【請求項19】
多数の顆粒を含む小袋をさらに含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項20】
小袋が可食フィルムを含む、請求項19記載の無煙タバコ製品。
【請求項21】
小袋が多数の孔を含む、請求項19記載の無煙タバコ製品。
【請求項22】
嗅ぎタバコをさらに含み、多数の顆粒が該嗅ぎタバコ内に分散されている、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項23】
多数の、口で崩壊可能な顆粒を含み、各顆粒が:
コア最大直径を有するコア、ならびに
コア最大直径のサイズの1/3以下のタバコ粒子最大直径を各々有するタバコ粒子、および結合剤を含む、コアを取り囲む少なくとも1つの層
を有する、無煙タバコ製品。
【請求項24】
タバコ粒子の各々が、コア最大直径のサイズの1/5以下のタバコ粒子直径を有する、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項25】
前記少なくとも1つの層が着香料をさらに含む、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項26】
顆粒が、コアを同心円状に取り囲む追加的な層をさらに含み、該追加的な層が、タバコ粒子濃度、タバコ粒子のタイプ、結合剤、着香料、またはそれらの組み合わせに関して前記少なくとも1つの層とは異なる組成を含む、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項27】
前記追加的な層および前記少なくとも1つの層が異なる着香料を含む、請求項26記載の無煙タバコ製品。
【請求項28】
前記追加的な層および前記少なくとも1つの層が異なる濃度のタバコを含む、請求項26記載の無煙タバコ製品。
【請求項29】
標準化された官能検査において消費の間の異なる時間に知覚可能であるピークフレーバー強度を有する、2種類の異なるフレーバーを含むフレーバープロファイルを含む、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項30】
異なるフレーバープロファイルを各々有する少なくとも第1の顆粒および第2の顆粒を含み、第1の顆粒が少なくとも第1の着香料を含み、および第2の顆粒が少なくとも第2の着香料を含み、第1の着香料が、第2の着香料由来の第2のピークフレーバー強度とは異なる時間に知覚可能である第1のピークフレーバー強度を提供する、請求項29記載の無煙タバコ製品。
【請求項31】
コアが300マイクロメートル〜2ミリメートルの間の直径を有する、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項32】
コアがタバコ粉末および結合剤を含む、請求項1記載の無煙タバコ製品。
【請求項33】
コアがタバコ粒子を含み、該コアが前記少なくとも1つの層とは異なる濃度のタバコ粒子を有する、請求項32記載の無煙タバコ製品。
【請求項34】
タバコ粒子が非発酵タバコを含む、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項35】
タバコ粒子が乾燥嗅ぎタバコを含む、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項36】
コアが、炭水化物、デンプン、着香料、塩、またはそれらの組み合わせを含む、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項37】
前記少なくとも1つの層におけるタバコ粒子が、100マイクロメートル未満の平均直径を有する、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項38】
結合剤が、ヒドロキシル基含有化合物、およびデキストランまたはデキストラン誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、コンニャク、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、小麦グルテン、カラギーナン、アルギナート、プロピレングリコールアルギナート、キサンタン、デキストラン、プルラン、カードラン、ジェラン、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、トラガカントガム、ペクチン、寒天、ゼイン、カラヤ、ゼラチン、オオバコ種子、キチン、キトサン、アカシアガム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項39】
顆粒が概して球形である、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項40】
顆粒が500マイクロメートル〜5ミリメートルの間の直径を有する、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項41】
多数の顆粒を含む小袋をさらに含む、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項42】
小袋が可食フィルムを含む、請求項41記載の無煙タバコ製品。
【請求項43】
小袋が多数の孔を含む、請求項41記載の無煙タバコ製品。
【請求項44】
嗅ぎタバコをさらに含み、多数の顆粒が該嗅ぎタバコ内に分散されている、請求項23記載の無煙タバコ製品。
【請求項45】
無煙タバコ製品のための顆粒に対する嗅ぎタバコの比率が1〜90重量/重量(湿潤)の間である、請求項44記載の無煙タバコ製品。
【請求項46】
多数の、口で崩壊可能な顆粒を含み、各顆粒がコアおよびコアを取り囲む少なくとも1つの層を有し、各顆粒の該少なくとも1つの層がタバコ粒子および結合剤を含み、回転子を有する流動床加工装置内でコアを流動化する段階、流動床中へ多数のタバコ粒子を供給する段階、および流動化されたコアを含有する流動床中へ結合剤溶液または懸濁液を噴霧する段階により、各顆粒のコアが該少なくとも1つの層でコーティングされる、無煙タバコ。
【請求項47】
結合溶液または懸濁液が着香料をさらに含む、請求項46記載の無煙タバコ製品。
【請求項48】
コアを取り囲む少なくとも2つの同心円層を生成するために、第1の結合溶液を噴霧する段階の後の、流動床中へ第2の結合剤溶液または懸濁液を噴霧する段階によりコアがコーティングされ、結合溶液または懸濁液の各々が異なる組成を有する、請求項46記載の無煙タバコ製品。
【請求項49】
第1の結合溶液または懸濁液が第1の着香料を有し、かつ第2の結合溶液が第1の着香料とは異なる第2の着香料を有する、請求項48記載の無煙タバコ製品。
【請求項50】
異なる濃度のタバコを有する隣接層を作製するために、流動床中へのタバコの供給速度を変化させる段階をさらに含む、請求項48記載の無煙タバコ製品。
【請求項51】
コアが300マイクロメートル〜2ミリメートルの間の直径を有する、請求項46記載の無煙タバコ製品。
【請求項52】
タバコ粒子が非発酵タバコを含む、請求項46記載の無煙タバコ製品。
【請求項53】
前記少なくとも1つの層におけるタバコ粒子が、100マイクロメートル未満の平均直径を有する、請求項46記載の無煙タバコ製品。
【請求項54】
回転子が円錐形回転子である、請求項46記載の無煙タバコ製品。
【請求項55】
回転子を含む流動床内で多数のコアを流動化する段階;
流動床中へタバコ粒子を供給する段階;
流動化されたコアを含有する流動床中へ、結合剤および溶媒または懸濁流体を含むコーティング溶液または懸濁液を噴霧する段階;ならびに
該噴霧する段階および該供給する段階の後に形成された顆粒を収集する段階であって、該顆粒が各々、結合剤および多数のタバコ粒子を含む少なくとも1つの層により取り囲まれたコアを含む、段階
を含む、タバコ製品を作製するための方法。
【請求項56】
回転子が円錐形回転子である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
流動化されたコアを含有する流動床中へ着香料を導入する段階をさらに含む、請求項55記載の方法。
【請求項58】
コーティング溶液または懸濁液が着香料を含む、請求項55記載の方法。
【請求項59】
流動床中へタバコ粒子を供給する段階が、コーティング溶液または懸濁液を噴霧する段階の間にタバコ粒子が流動床に供給されるように、タバコ粒子をコーティング溶液または懸濁液に添加することを含む、請求項55記載の方法。
【請求項60】
タバコ粒子を供給する段階が、コーティング溶液または懸濁液を噴霧する段階とは別にタバコ粒子を供給することを含む、請求項55記載の方法。
【請求項61】
供給する段階が噴霧する段階と同時である、請求項55記載の方法。
【請求項62】
供給する段階が噴霧する段階より前である、請求項55記載の方法。
【請求項63】
供給する段階が噴霧する段階の後である、請求項55記載の方法。
【請求項64】
噴霧する段階の間に結合溶液または懸濁液の組成を変化させ、それによりコア上に2つまたはそれ以上の同心円層を生成し、該層が各々異なる組成を有する段階をさらに含む、請求項55記載の方法。
【請求項65】
多数のデンプン粒子を流動床中へ供給する段階をさらに含む、請求項55記載の方法。
【請求項66】
多数のデンプン粒子がタバコ粒子と混合され、かつデンプン粒子およびタバコ粒子が共通の供給装置において流動床に供給される、請求項65記載の方法。
【請求項67】
多数の、口で崩壊可能な顆粒を含み、各顆粒が多数の同心円層を有し、該多数の同心円層の少なくとも1つが、結合剤および100マイクロメートル未満の平均直径を有する多数のタバコ粒子を含み、該多数の同心円層の少なくとも2つが組成において異なる、無煙タバコ製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−512664(P2012−512664A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542478(P2011−542478)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/068700
【国際公開番号】WO2010/080599
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(398069229)ユーエス スモークレス タバコ カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (20)
【Fターム(参考)】