説明

タマネギ由来乾燥食品

【課題】本発明の目的は、常温での長期保存が可能なオニオンソテーを提供することである。
【解決手段】前記課題は、オニオンパウダー及びオニオンミンスを含むことを特徴とする、タマネギ由来乾燥食品によって解決することができる。タマネギ由来乾燥食品の好ましい態様においては、オニオンパウダー及びオニオンミンスの割合が、95:5〜60:40である。タマネギ由来乾燥食品の更に好ましい態様においては、前記オニオンパウダーが、バインダーを含むオニオン顆粒であり、オニオン顆粒の粒子径が0.01〜6.0mmであり、そして前記オニオンミンスの粒子径が0.10〜10.0mmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タマネギ由来乾燥食品に関する。本発明のタマネギ由来乾燥食品を用いることにより、従来のオニオンソテーと同等の風味及び食感を有するオニオンソテー様食品を得ることができる。
【背景技術】
【0002】
オニオンソテーは、料理に香ばしい風味や深いコクを与えることから、カレー、シチュー(例えば、ビーフシチュー)、スープ(例えば、オニオングラタンスープ)、パスタソース(例えば、ミートソース)、ハンバーグ、リゾット、マリネ、肉じゃが、ステーキソース、又はオニオンドレッシングなどに、主原料又は隠し味として広く用いられている。オニオンソテーは、タマネギをスライス又はみじん切りにし、十分な時間、例えば60分〜100分の時間をかけて、飴色になるまでソテーするものである(特許文献1)。時間をかけてソテーすることによって、タマネギの辛みが弱くなり、甘みが強調されることによって、オニオンソテー独特の香ばしい風味や深いコクが得られる。
【0003】
プロの料理人は、時間をかけてオニオンソテーの調理を行い、カレーやシチューなどに用いているが、家庭では、調理する時間も限られており、オニオンソテーを手軽に料理に用いることは難しかった。
【0004】
最近、オニオンソテーを冷凍した、冷凍オニオンソテーが、レストランなどの業務用として市販されており、時間をかけずにオニオンソテーを料理に用いることができるようになっている。更に、家庭用としても、小分けトレーに充填した冷凍オニオンソテーや、レトルトパックに充填したレトルトオニオンソテーが販売されており、家庭においてもオニオンソテーを、時間をかけずに料理に使用することができるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−333836号公報
【特許文献2】特開2005−224241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の業務用の冷凍オニオンソテーは、例えば10kg又は20kg単位の大容量で販売されているが、融解した冷凍オニオンソテーを、再冷凍すると風味が低下するため、一回で使用する必要があった。また、業務用及び家庭用の冷凍オニオンソテーは、冷凍して保管するため、保管コスト及び流通コストが高くなるという問題があった。
従来、オニオンソテーについて、製造時間を短縮するための調理法(特許文献1)の検討、及び風味や甘みを改善するための調理法(特許文献2)の検討は行われていたが、保管コスト及び流通コストを低下させるために、常温での長期保存が可能なオニオンソテーの製造方法については、検討されていなかった。
本発明の目的は、常温での長期保存が可能なオニオンソテーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、常温で長期保存が可能なオニオンソテーについて、鋭意研究した結果、驚くべきことに、オニオンパウダー及びオニオンミンスを混合したタマネギ由来乾燥食品により、従来のオニオンソテーと同等の風味及び食感を有するオニオンソテー様食品が得られることを見出した。
また、オニオンパウダーを、バインダーを用いて、オニオン顆粒とすることにより、オニオンソテー様食品の風味が増すことを見出した。更に、オニオン顆粒を用いることにより、タマネギ由来乾燥食品中において、オニオンミンスとオニオンパウダーとが分離しにくくなり、調理の際に、再び混合することなく、用いることが可能である。
また、オニオン顆粒に油脂を添加することにより、オニオン顆粒が凝集することを防ぐことができる。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
【0008】
従って、本発明は、オニオンパウダー及びオニオンミンスを含むことを特徴とする、タマネギ由来乾燥食品に関する。
本発明のタマネギ由来乾燥食品の好ましい態様においては、前記オニオンパウダー及びオニオンミンスの割合が、95:5〜60:40である。
本発明のタマネギ由来乾燥食品の好ましい態様においては、甘味剤、油脂、及び副原料からなる群から選択される少なくとも1つを更に含む。
本発明のタマネギ由来乾燥食品の別の好ましい態様においては、前記オニオンパウダーが、バインダーを含むオニオン顆粒である。
本発明のタマネギ由来乾燥食品の好ましい態様においては、前記オニオン顆粒の粒子径が0.01〜6.0mmであり、そして前記オニオンミンスの粒子径が0.10〜10.0mmである。
本発明のタマネギ由来乾燥食品の好ましい態様においては、前記オニオン顆粒が甘味剤、油脂、及び副原料からなる群から選択される少なくとも1つを含む
本発明のタマネギ由来乾燥食品の別の好ましい態様においては、前記オニオンミンスが、非加熱乾燥オニオンミンス、加熱乾燥オニオンミンス、ソテーオニオンミンス、ローストオニオンミンス、及びフライドオニオンミンスからなる群から選択される少なくとも1つである。
本発明のタマネギ由来乾燥食品の別の好ましい態様においては、乾燥食材を更に含む。
また、本発明は、前記のタマネギ由来乾燥食品に、水を添加し、加熱することによって得られるオニオンソテー様食品に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のタマネギ由来乾燥食品によれば、簡便に、従来のオニオンソテーと同等の風味及び食感を有するオニオンソテー様食品を得ることができる。本発明のタマネギ由来乾燥食品は、常温で長期保存が可能である。従って、従来の冷凍オニオンソテーと比較して、保管コスト、及び流通(輸送)コストを低減させることが可能である。また、本発明のタマネギ由来乾燥食品は、原料及び製品の長期保存が可能なため、品質のよいタマネギを用いて製造することが可能であり、加えて、品質のバラツキを抑えることもできる。更に、本発明のタマネギ由来乾燥食品は、少量ずつ使用することが可能であり、業務用のオニオンソテー様食品としてのみでなく、家庭においても、さまざまな料理に、手軽に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のタマネギ由来乾燥食品は、オニオンパウダー及びオニオンミンスを含む。
【0011】
(オニオンパウダー)
本発明のタマネギ由来乾燥食品に用いるオニオンパウダーは、タマネギを乾燥させて粉末状にしたものであれば、特に限定されるものではなく、常法に従い、製造することもでき、また市販されているオニオンパウダーを用いてもよい。
オニオンパウダーは、具体的には、タマネギを切断し、加熱して破砕することによって製造することができる。タマネギの切断は、例えば千切り、みじん切り、又は角切りなどに切断する。加熱方法も、特に限定されるものではなく、例えば電気加熱、スチーム加熱、温風加熱、ガス加熱、又は煮熟加熱を用いることができる。更に、加熱と同時にタマネギをソテー、ロースト、又はフライすることもできる。ソテーは、オニオンを少量の油と共に炒めることによって行う。ローストは、必要に応じて油を加えて、オニオンをオーブンで焼き上げること又は炒ることによって行う。また、フライは、オニオンを油で揚げることによって行う。
【0012】
加熱したタマネギは、必要に応じて乾燥させる。電気加熱、温風加熱、又はガス加熱などの場合は、乾燥を加熱と同時に行うことも可能であるが、スチーム加熱、又は煮熟加熱などの場合は、別に乾燥を行う。乾燥方法は特に限定されるものではなく、凍結乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥、真空乾燥、ドラム乾燥、スプレードライ、減圧乾燥又は過熱水蒸気乾燥等を用いることができる。乾燥は、水分が0.1〜10%、好ましくは1〜7%、より好ましくは1.5〜6%になるまで行う。
例えば、熱風乾燥であれば60℃〜80℃で、数時間程度で行うことができ、凍結乾燥であれば、初期品温が−20℃〜−40℃で、棚加熱温度が50℃〜80℃で、10〜20時間で行うことができる。
【0013】
乾燥したタマネギを破砕して、オニオンパウダーとする。破砕は、例えばコーヒーミル、ボールミル、ローラーミル、ロッドミル、ハンマーミル、ギア式ミル、又はジェットミルなどを用いて行うことができる。ジェットミルを用いて、乾燥と破砕とを同時に行うことも可能である。オニオンパウダーの粒径は、特に限定されるものではないが、1000μ以下が好ましく、500μm以下に破砕されたものが、更に好ましい。
【0014】
(オニオンミンス)
本発明のタマネギ由来乾燥食品に用いるオニオンミンスは、タマネギを切断し、加熱し、更に乾燥させたものであれば、特に限定されるものではなく、常法によって製造されたもの、又は市販されているものを用いることができる。
タマネギの切断方法は、特に限定されるものではなく、目的の粒子径が得られる公知の切断方法を用いることができ、例えば千切り、みじん切り、又は角切りによって切断することができる。
加熱方法も特に限定されるものではなく、公知の加熱方法を用いることができる。タマネギは、破砕(切断)、及び加熱によって香味が変化する。例えば、加熱により刺激臭や辛味感が減少し、甘みが増加する。加熱の方法によっても、刺激臭や辛味感の減少の程度、及び甘みの増加の程度は異なるので、使用する料理に合わせて、本発明に用いるオニオンミンスの加熱方法を選択することができる。
本明細書において、オニオンミンスの加熱方法は限定されるものではないが、例えば加熱方法によって、フライドオニオンミンス、ローストオニオンミンス、ソテーオニオンミンス、加熱乾燥オニオンミンス、及び非加熱乾燥オニオンミンスを挙げることができる。
【0015】
フライドオニオンミンスは、オニオンを油で揚げることによって得ることができる。ローストオニオンミンスは、必要に応じて油を加えて、オニオンをオーブンで焼き上げるか、又は炒ることによって得ることができる。ソテーオニオンミンスは、オニオンを少量の油と共に炒めることによって得ることができる。加熱乾燥オニオンミンスは、油を用いず、乾燥装置を用い、例えば電気加熱、温風加熱、又はガス加熱により得ることができる。更に、非加熱乾燥オニオンミンスは、乾燥装置を用いた加熱を行わずに、天日、又は風乾などの自然乾燥によって得られたオニオンミンスを意味する。
乾燥は、前記加熱と同時に行うこともできるが、加熱と別に行うことも可能であり、例えば、凍結乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥、真空乾燥、ドラム乾燥、スプレードライ、減圧乾燥又は過熱水蒸気乾燥等を用いることができる。例えば、熱風乾燥であれば60℃〜80℃で、数時間程度出行うことができ、凍結乾燥であれば、初期品温が−20℃〜−40℃で棚加熱温度が50℃〜80℃で、10〜20時間で行うことができる。
【0016】
オニオンミンスの水分は、1〜15%、好ましくは3〜10%である。
【0017】
オニオンミンスの粒子径は、特に限定されるものではなく、本発明のタマネギ由来乾燥食品から得られるオニオンソテー様食品を用いる料理の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、カレー、シチュー、オニオングラタンスープ、マリネ、肉じゃが、又はオニオンドレッシングなどに、主原料として用いる場合は、大きめの粒子径のものを用い、ミートソース、ハンバーグ、ステーキソース、又はリゾットなどに、隠し味として用いる場合は、小さめの粒子径のものを用いることができる。
従って、オニオンミンスの粒子径は、限定されるものではないが、用いる料理を考慮すると0.10mm〜10mmが好ましく、0.10〜5mmがより好ましく、0.10〜3.0mmがより好ましく、0.5〜2.5mmが最も好ましい。粒子径が0.10〜10mmであることにより、本発明のタマネギ由来乾燥食品から得られるオニオンソテー様食品が、特にオニオンソテーの好ましい食感を得ることができる。
【0018】
本明細書において、例えば「オニオンミンスの粒子径が0.10〜3.0mm」であるとは、目開きが0.10mmの篩を通過せず、目開きが3mmの篩を通過する粒子径のオニオンミンスが90重量%以上であることを意味する。前記オニオンミンスの粒子径は、製造時に測定されるものを意味するが、製造工程又は流通工程において、オニオンミンスの崩れが発生することがあるため、製品においては「オニオンミンスの粒子径が0.10〜3.0mm」であるとは、目開きが0.10mmの篩を通過せず、目開きが3mmの篩を通過する粒子径のオニオンミンスが80重量%以上であるものを含む。
【0019】
粒子径の測定方法は、例えば以下のように行うことができる。
目開きが3mm及び0.1mmの篩を、それぞれ上段及び下段にセットし、0.1mmの篩の下に容器をセットする。測定するオニオンミンス100gを目開きが3mmの篩に載せ、振動篩い機を用いて、5分間篩分する。0.1mmの篩に残ったオニオンミンスを回収し、90重量%以上であれば、「オニオンミンスの粒子径が0.10〜3.0mm」であると判定する。
なお、篩の目開きの規定は、JIS Z 8801−1の「付表1ふるい網の目開き及び線径(公称目開き1mm以上)」に準じた。
【0020】
本発明に用いるオニオンミンスのかさ比重は、特に限定されるものはないが、20〜70g/100mLが好ましく、30〜60g/100mLがより好ましい。20g/100mL未満であると、かさが軽いために使用する際に水に沈まない為に分散が悪くなることがあり、70g/100mLを超えると、一般にはかさ比重が重いことから、原料そのものが硬質になり水戻りしにくいことがある。
【0021】
(甘味剤)
本発明のタマネギ由来乾燥食品は、甘味剤を含んでもよい。前記オニオンパウダー及びオニオンミンスは、それ自体の甘さを有しているが、更に甘味剤を含むことによって、オニオンソテー様食品の風味を良好にすることができる。
甘味剤としては、具体的には糖類又は甘味料を挙げることができる。なお、本明細書において、糖類とは、糖及び糖アルコールを含む。
具体的には、糖類として、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、オリゴ糖、トレハロース、パラチニット、又はパラチノースを挙げることができ、甘味料として、アスパルテーム、アセスルファムK、サイクラミン酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース(登録商標)、ステビア甘味料、ズルチン、タウマチン、ネオターム、モネリン、アスパルテーム、ソーマチン、グリチルリチン、レバウディオサイドA、又はステビオサイドを挙げることができる。これらの甘味剤の1つ又は2つ以上を組み合わせて、本発明のタマネギ由来乾燥食品に用いることができ、特にはショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、アセスルファムK、スクラロース、又はステビア甘味料が好ましく、ショ糖、ブドウ糖、果糖がより好ましい。これらの糖類は、風味の面で特に優れており、またコスト的にも安価であり好ましい。
【0022】
甘味剤は、タマネギ由来乾燥食品にそのまま混合してもよく、後述のオニオン顆粒に含ませてもよい。タマネギ由来乾燥食品に対する甘味剤の含有量は、タマネギ由来乾燥食品から得られるオニオンソテー様食品の食感及び風味を損なわない限り、限定されるものではないが、0〜40重量%が好ましく、2〜30重量%がより好ましく、5〜22重量%が最も好ましい。甘味剤を含まない場合も、本発明の効果を得ることができるが、1重量%以上であれば、更にオニオンソテー様食品の風味が良好になる。また、用いる料理の味に影響を与えることがあるため、50重量%以下が好ましい。
【0023】
(油脂)
本発明のタマネギ由来乾燥食品は、油脂を含んでもよい。油脂としては、動物油脂、又は植物油脂を挙げることができる。動物油脂の由来としては、特に限定されるものではないが、例えばウシ(牛脂)、ブタ(豚脂)ヒツジ(羊脂)、ヤギ(山羊脂)、ウマ(馬脂)、又はニワトリ(鶏脂)、を挙げることができる。また、植物油脂としてしては、ひまわり油、菜種油、大豆油、紅花油、大豆油、綿実油、コーン油、米油、ゴマ油、アマニ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、つばき油、カカオ脂、シア脂、サル脂、イリッペ脂、アーモンド油、カノーラ油、落花生油、米糠油、カカオ脂、アマニ油、サフラワー油、椿油、ベニバナ油、ピーナッツ油、又はアボカド油を挙げることができる。更に、本発明においては、前記動物油脂又は植物油脂の分別油、極度硬化油、部分硬化油、又はエステル交換油を用いることもでき、前記油脂、又はその分別油、極度硬化油、部分硬化油、若しくはエステル交換油の1つ又は2つ以上を組み合わせて、本発明のタマネギ由来乾燥食品に用いることができ、特には牛脂、豚脂、パーム油、コーン油、若しくはなたね油、又はその2つ以上の組み合わせが好ましい。
【0024】
油脂は、タマネギ由来乾燥食品にそのまま混合してもよく、後述のオニオン顆粒に含ませてもよい。タマネギ由来乾燥食品に対する油脂の含有量は、タマネギ由来乾燥食品から得られるオニオンソテー様食品の食感及び風味を損なわない限り、限定されるものはないが、0〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、0.1〜3重量%が最も好ましい。油脂を含まない場合も、本発明の効果を得ることができるが、0.1重量%以上であれば、タマネギ由来乾燥食品において後述のオニオン顆粒が凝集することを防ぐことができる。また、調理の際に水への分散が良好になり、いわゆるままこ(塊又はダマと言われるもの)になりにくくなる。一方、用いる料理の味に影響を与えることがあるため、10重量%以下が好ましい。
【0025】
(副原料)
本発明のタマネギ由来乾燥食品は、副原料を含むことができる。副原料としては、色素、調味料、香料、香辛料、酸味料、ビタミン類、安定化剤、保存剤、乳化剤、又はゲル化剤を挙げることができる。
例えば、色素としては、カラメル色素、トウガラシ色素、クチナシ色素、又はターメリック色素を挙げることができ、調味料としては、食塩、醤油、味噌、ソースなどの食品調味料の他にいわゆる食品添加物の調味料(例えば、L−グルタミン酸ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム、又はグリシン)、を挙げることができ、香辛料としては、こしょう、山椒、又はハーブ類を挙げることができる。
【0026】
副原料は、タマネギ由来乾燥食品にそのまま混合してもよく、後述のオニオン顆粒に含ませてもよい。タマネギ由来乾燥食品に対する副原料の含有量は、タマネギ由来乾燥食品から得られるオニオンソテー様食品の食感及び風味を損なわない限り、限定されるものはないが、0〜30重量%が好ましく、0〜20重量%がより好ましく、0〜15重量%が最も好ましい。
【0027】
(オニオン顆粒)
前記オニオンパウダーは、バインダーを含むオニオン顆粒とすることが好ましい。オニオン顆粒とすることによって、本発明のタマネギ由来乾燥食品から得られるオニオンソテー様食品の風味が良好になる。これはオニオン顆粒を製造するときの加熱により、オニオンパウダー特有の辛味及び苦味が減少し、甘みが強調されるためであると考えられる。
【0028】
(バインダー)
オニオン顆粒は、バインダーを用いてオニオンパウダーを造粒することによって得ることができる。
バインダーは糊剤として用いられるものであり、寒天、カラギナン、澱粉(例えば、リン酸架橋デンプン、ばれいしょでん粉、コーンスターチ、又はタピオカデンプン)、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、タラガム、タマリンドガム、カラヤガム、サイリュームシードガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸塩、ゼラチン、カードラン、コンドロイチン硫酸、ガラクタン、カシアガム、ペクチン、ファーセレラン、結晶セルロース、デキストリン、粉飴、及びメチルセルロース、並びにそれらの誘導体を挙げることができ、好ましくは、ばれいしょでん粉、又はグァーガムである。
【0029】
オニオン顆粒におけるバインダーの含有量は、顆粒が形成される限り、特に限定されるものではないが、0.1〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、0.2〜2.5重量%が更に好ましく、0.3〜1重量%が最も好ましい。
【0030】
更に、オニオン顆粒は、前記甘味剤、油脂、及び副原料からなる群から選択される少なくとも1つ又は2つ以上を含むことができる。特に、オニオン顆粒に油脂を添加することにより、オニオン顆粒が凝集することを防ぐことができる。
【0031】
オニオン顆粒の粒子径は、特に限定されるものではなく、0.01mm〜6.0mmが好ましく、0.03〜5.0mmがより好ましく、0.05〜3.0mmがより好ましく、0.3mm〜2.5mmが最も好ましい。粒子径が0.01〜6.0mmであることにより、本発明のタマネギ由来乾燥食品中において、オニオンミンスとオニオン顆粒とが分離しにくくなり、調理の際に、再び混合することなく、用いることが可能である。
【0032】
本明細書において、例えば「オニオン顆粒の粒子径が0.01〜6.0mm」であるとは、目開きが0.01mmの篩を通過せず、目開きが6.0mmの篩を通過する粒子径のオニオン顆粒が90重量%以上であることを意味する。前記オニオン顆粒の粒子径は、製造時に測定されるものを意味するが、製造工程又は流通工程において、オニオン顆粒の崩れが発生することがあるため、製品においては「オニオン顆粒の粒子径が0.01〜6.0mm」であるとは、目開きが0.01mmの篩を通過せず、目開きが6.0mmの篩を通過する粒子径のオニオンミンスが80重量%以上であるものを含む。
【0033】
(オニオン顆粒の造粒)
オニオン顆粒の造粒方法は、特に限定されるものではなく、例えば、押出造粒、撹拌造粒、転動造粒、流動層造粒、及び噴霧造粒を挙げることができるが、流動層造粒が好ましい。流動層造粒は、核であるオニオンパウダーを流動層造粒機に仕込み、乾燥空気等を送ることによって流動層を形成させる。この流動層に、溶媒にバインダーを溶解又は分散させた溶解液又は分散液を噴霧し、オニオンパウダーを核とし、バインダーにより造粒されたオニオン顆粒を形成させる。更に、この造粒工程に続いて、流動層造粒機に乾燥空気を送ることによって、乾燥工程を行い、オニオン顆粒を乾燥させることが好ましい。
【0034】
前記流動層には、オニオンパウダーに加えて、前記の甘味剤、油脂、及び副原料からなる群から選択される少なくとも1つ又は2つ以上を添加し、流動層を形成させることができる。
溶媒としては、水、低級アルコール、油脂、又はそれらの混合物を用いることができるが、水が好ましい。これらの溶媒に、バインダーを0.5〜3重量%程度、好ましくは1〜2重量%に溶解又は分散させ、噴霧に用いる。なお、油脂としては、前記の油脂を制限なく用いることができる。
造粒工程における流動層を形成させる乾燥空気の温度は、通常流動層造粒に用いられる温度でよいが、例えば60℃〜120℃であり、好ましくは70℃〜110℃であり、より好ましくは80℃〜100℃である。造粒時間は、特に限定されないが、10分〜2時間程度で行うことができる。
乾燥時間も、特に限定されないが、10分〜1時間程度であり、乾燥終了後に、室温、又は除湿した低い温度の空気を送風することにより風冷することが、好ましい。
【0035】
得られたオニオン顆粒は更に乾燥機で乾燥してもよく、例えば、凍結乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥、真空乾燥、ドラム乾燥、減圧乾燥又は過熱水蒸気乾燥等を用いることができる。オニオン顆粒の水分は、1〜10%、好ましくは2〜5%である。すなわち、噴霧に用いた溶媒のほとんどは、乾燥工程によって除去される。
【0036】
造粒されるオニオン顆粒の粒子径は、バインダーの濃度又は量によって調整することができる。すなわち、濃度を高くしたり、噴霧量を増加させることにより粒子径は大きくなり、濃度を低くしたり、噴霧量を減少させることによって粒子径を小さくすることができる。
【0037】
前記オニオン顆粒のかさ比重は、特に限定されるものはないが、40〜80g/100mLが好ましく、50〜70g/100mLがより好ましい。40g/100mL未満であると、かさが軽いために調理時に水に浮いて分散又は溶解しにくくなることがあり、80g/100mLを超えると、顆粒が硬質になって溶解しにくくなることがある。
【0038】
(タマネギ由来乾燥食品の製造)
タマネギ由来乾燥食品の1つの態様としては、前記オニオンパウダー及びオニオンミンスを混合することによって製造することができる。更に、甘味剤、油脂、及び副原料からなる群から選択される1つ又は2つ以上を混合することもできる。
タマネギ由来乾燥食品の別の態様としてしては、前記オニオン顆粒及びオニオンミンスを混合することによって製造することができる。この態様においても、甘味剤、油脂、及び副原料からなる群から選択される1つ又は2つ以上を混合することができる。甘味剤、油脂、又は副原料は、オニオン顆粒を製造するときに添加してもよく、オニオン顆粒とは別に添加してもよい。
【0039】
混合方法は、特に限定されるものではなく、公知の混合方法を用いることができる。例えば、前記オニオン顆粒を製造した流動層造粒機に、オニオンミンスを添加して混合することともできるが、別の粉体混合機を用いて混合することもできる。
オニオンパウダー(又はオニオン顆粒)とオニオンミンスとの混合比は、特に限定されるものではないが、95:5〜60:40が好ましく、90:10〜65:35がより好ましい。オニオンミンスが5部〜40部の場合、風味及び甘みの点で好ましく、5部より少ないと、風味が十分でないことがあり、40部より多いと苦味が出ることがある。また、オニオンパウダー(又はオニオン顆粒)が95部〜60部の場合、風味及び食感の点で好ましく、95部を超えると食感が生っぽくなることがある。
【0040】
得られた混合物は、凝集したオニオン顆粒などを除去するために、好ましくは篩い分けを行う。篩の目開きは、本発明のタマネギ由来乾燥食品を用いる料理に応じて、適宜選択することが可能であり、例えば、例えば、カレー、シチュー、オニオングラタンスープ、マリネ、肉じゃが、又はオニオンドレッシングなどに、主原料として用いる場合は、比較的大きな粒子径のものを含んでもよいため、大きめの目開きの篩を用いてもよく、ミートソース、ハンバーグ、ステーキソース、又はリゾットなどに、隠し味として用いる場合は、小さめの目開きの篩を用いてもよい。例えば、目開き10.0mm、6.0mm、5.0mm、4.0mm、3.0mm、又は2.5mm、又は2.0mmの篩を用いて、篩分をすることができる。
【0041】
(乾燥食材)
本発明のタマネギ由来乾燥食品は、更に乾燥食材を含むことができる。乾燥食材としては、例えば、ネギ、キャベツ、ニンジン、ガーリック、シイタケ、ピーマン、イモ、しょうが(ジンジャー)、又はハクサイ等の野菜の乾燥食材、モモ、イチゴ、リンゴ、マンゴー、アプリコット、ブルーベリー、クランベリー、キウイ、パイナップル、ブドウ、又はミカンなどの果実の乾燥食材、豚肉、牛肉、又は鶏肉等の肉の乾燥食材、エビ、イカ、タコ、カニ、アサリ、又はホタテ等の魚介の乾燥食材、コンブやワカメ等の海藻の乾燥食材、小豆、大豆、枝豆、空豆、グリーンピース、コーンなどの豆類の乾燥食材、米、麦、又は小麦などの穀類の乾燥食材、あるいは卵の乾燥食材を挙げることができる。これらの乾燥食材の水分含有量は、15%以下が好ましく、0.1〜10%がより好ましい。乾燥方法は、公知の方法を用いることができ、例えば凍結乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥、真空乾燥、ドラム乾燥、スプレードライ、減圧乾燥又は過熱水蒸気乾燥等を用いることができる。
【0042】
乾燥食材は、本発明のタマネギ由来乾燥食品を、オニオンソテー様食品として、用いる料理に合わせて適宜選択することができる。例えば、カレーに用いる場合は、肉、野菜、果実の乾燥食材を加えることによって、そのままカレーの材料として用いることができる。
【0043】
本発明のタマネギ由来乾燥食品は、後述のように水を添加し、加熱して、オニオンステー様食品として用いることも可能であるが、そのまま料理に添加して用いることもできる。すなわち、カレー、シチュー(例えば、ビーフシチュー)、スープ(例えば、オニオングラタンスープ)、パスタソース(例えば、ミートソース)、ハンバーグ、リゾット、マリネ、肉じゃが、ステーキソース、又はオニオンドレッシングなどに、乾燥状態で加えることによっても、それらの料理に、香ばしい風味や深いコクを与えることができる。
【0044】
(オニオンソテー様食品)
本発明のタマネギ由来乾燥食品は、簡便な処理によって、従来のオニオンソテーと同等の風味及び食感を有するオニオンソテー様食品とすることができる。例えば、タマネギ由来乾燥食品1重量部に対して、水3重量部を加え、沸騰させて加熱混合させる。そして、1/4程度の水分を蒸発させることにより、目的のオニオンソテー様食品を得ることができる。この加熱により、オニオンソテーに特徴的な香ばしい風味を得ることができる。
【0045】
本発明のオニオンソテー様食品は、カレー、シチュー(例えば、ビーフシチュー)、スープ(例えば、オニオングラタンスープ)、パスタソース(例えば、ミートソース)、ハンバーグ、リゾット、マリネ、肉じゃが、ステーキソース、焼肉のたれ、又はオニオンドレッシングなどに適宜用いることができる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0047】
《実施例1》
本実施例では、オニオンパウダー及びフライドオニオンミンスを用いて、タマネギ由来乾燥食品を製造した。
オニオンパウダーA(大津屋製)350g及びフライドオニオンミンス(斎藤食品工業社製)150gを、1分間程度混合した。
混合物を目開き2.5mmの篩に載せ、1分間手動で篩分し、タマネギ由来乾燥食品1を得た。
ジッパーつきの袋に、得られたタマネギ由来乾燥食品1を100gずつ充填し、ヒートシールを行った。
表1にオニオンパウダーとフライドオニオンミンスとの割合を示す。
【0048】
なおフライドオニオンミンスの粒子径は、以下のように測定した。
目開きが3mm及び0.1mmの篩を、それぞれ上段及び下段にセットし、0.1mmの篩の下に容器をセットする。測定するオニオンミンス100gを目開きが3mmの篩に載せ、振動篩い機を用いて、5分間篩分した。0.1mmの篩に残ったオニオンミンスを回収し、重量を測定したところ、98gであった。従って98重量%が、0.10〜3.0mmの粒子径の範囲にあった。
【0049】
《実施例2》
本実施例では、オニオンパウダー、フライドオニオンミンス、及び糖を用いて、タマネギ由来乾燥食品を製造した。
オニオンパウダーA252g及びフライドオニオンミンス150gに加えて、ブドウ糖(フジクリスター;加藤化学)49g及び果糖(ガラム社)49gを用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、タマネギ由来乾燥食品2を得た。
表1にオニオンパウダー、フライドオニオンミンス、ブドウ糖、及び果糖の割合を示す。
【0050】
《実施例3》
本実施例では、オニオンパウダー、フライドオニオンミンス、及び糖を用いて、タマネギ由来乾燥食品を製造した。
オニオンパウダーA303g及びフライドオニオンミンス130gに加えて、ブドウ糖33.5g及び果糖33.5gを用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、タマネギ由来乾燥食品3を得た。
表1にオニオンパウダー、フライドオニオンミンス、ブドウ糖、及び果糖の割合を示す。
【0051】
《実施例4》
本実施例では、オニオンパウダーを造粒してオニオン顆粒とし、タマネギ由来乾燥食品を製造した。
(オニオン顆粒の造粒及び乾燥)
オニオンパウダーB(エスビー食品社製)810g、ブドウ糖87g、果糖87g、カラメル色素(丸紅商会社製)6g、及びコーン油(日清オイリオ社製)4gを、流動層造粒機に投入し、吸気温度80〜100℃、排気温度45℃〜55℃で流動層を形成させた。
噴霧を行うために、ばれいしょ澱粉(ホクレン農業協同組合連合会製)5gを、水0.25Lに混合し、糊液を作製した。前記流動層に1分間あたり8mLの糊液を、30分間噴霧して、造粒を行った。
造粒終了後、乾燥温度65℃で、20分間乾燥した。温度を55℃に低下させて、終了した。
【0052】
(混合)
得られたオニオン顆粒に、フライドオニオンミンスを混合した。具体的には、流動層造粒機に、フライドオニオンミンス370gを投入し、5分間混合した。
流動層造粒機から、混合物を取り出し、目開き2.5mmの篩に載せ、1分間手動で篩分し、タマネギ由来乾燥食品4を得た。
ジッパーつきの袋に、得られたタマネギ由来乾燥食品4を100gずつ充填し、ヒートシールを行った。
表1にオニオン顆粒とフライドオニオンミンスとの割合を示し、表2にオニオン顆粒中のオニオンパウダー、ブドウ糖、果糖、色素、及び油脂の割合を示す。
【0053】
なお、オニオン顆粒の粒子径は、以下のように測定した。
目開きが3mm及び0.05mmの篩を、それぞれ上段及び下段にセットし、0.05mmの篩の下に容器をセットする。測定するオニオンミンス100gを目開きが3mmの篩に載せ、振動篩い機を用いて、5分間篩分した。0.1mmの篩に残ったオニオンミンスを回収し、重量を測定したところ、95gであった。従って95重量%が、0.05〜3.0mmの粒子径の範囲にあった。
【0054】
《実施例5》
本実施例では、2種類のオニオンパウダーを用いて、造粒を行った。更に、2種類のオニオンミンスを用いた。
オニオンパウダーB810gに代えて、オニオンパウダーA405g及びオニオンパウダーB405gを用いたこと、及びフライドオニオンミンス370gに代えて、フライドオニオンミンス185g及びミンスドオニオン(大津屋社製)185gを用いたことを除いては、実施例4の操作を繰り返して、タマネギ由来乾燥食品5を得た。
【0055】
使用したミンスドオニオンは、加熱乾燥オニオンミンスであり、その粒子径は、98重量%が、0.10〜3.0mmの粒子径の範囲にあった。また、得られたオニオン顆粒の粒子径は、95重量%が、0.05〜3.0mmの粒子径の範囲にあった。
表1にオニオン顆粒、フライドオニオンミンス及びミンスドオニオンとの割合を示し、表2にオニオン顆粒中のオニオンパウダー、ブドウ糖、果糖、色素、及び油脂の割合を示す。
【0056】
《実施例6》
オニオンパウダーA260g及びオニオンパウダーB550gを用いたこと、及びフライドオニオンミンス123g及びミンスドオニオン246gを用いたことを除いては、実施例5の操作を繰り返して、タマネギ由来乾燥食品6を得た。
【0057】
得られたオニオン顆粒の粒子径は、95重量%が、0.05〜3.0mmの粒子径の範囲にあった。
表1にオニオン顆粒、フライドオニオンミンス及びミンスドオニオンとの割合を示し、表2にオニオン顆粒中のオニオンパウダー、ブドウ糖、果糖、色素、及び油脂の割合を示す。
【0058】
《実施例7》
オニオンパウダーA140g及びオニオンパウダーB670gを用いたこと、及びフライドオニオンミンス68.5g及びミンスドオニオン300gを用いたことを除いては、実施例5の操作を繰り返して、タマネギ由来乾燥食品7を得た。
【0059】
得られたオニオン顆粒の粒子径は、95重量%が、0.05〜3.0mmの粒子径の範囲にあった。
表1にオニオン顆粒、フライドオニオンミンス及びミンスドオニオンとの割合を示し、表2にオニオン顆粒中のオニオンパウダー、ブドウ糖、果糖、色素、及び油脂の割合を示す。
【0060】
《実施例8》
オニオンパウダーB800gを用いたこと、及びフライドオニオンミンス1.90gを用いたことを除いては、実施例5の操作を繰り返して、タマネギ由来乾燥食品8を得た。
【0061】
得られたオニオン顆粒の粒子径は、95重量%が、0.05〜3.0mmの粒子径の範囲にあった。
表1にオニオン顆粒、及びフライドオニオンミンスとの割合を示し、表2にオニオン顆粒中のオニオンパウダー、ブドウ糖、果糖、色素、及び油脂の割合を示す。
【0062】
《実施例9》
オニオンパウダーA250g、オニオンパウダーB500g、果糖115g、カラメル色素10g、及びコーン油5gを用いたこと、及びフライドオニオンミンス174gを用いたことを除いては、実施例5の操作を繰り返して、タマネギ由来乾燥食品9を得た。
【0063】
得られたオニオン顆粒の粒子径は、95重量%が、0.05〜3.0mmの粒子径の範囲にあった。
表1にオニオン顆粒、及びフライドオニオンミンスとの割合を示し、表2にオニオン顆粒中のオニオンパウダー、ブドウ糖、果糖、色素、及び油脂の割合を示す。
【0064】
《実施例10:オニオンソテー様食品》
本実施例では、前記実施例1〜9で得られたタマネギ由来乾燥食品1〜9を用いて、オニオンソテー様食品を製造した。
タマネギ由来乾燥食品30gをなべに入れ、水90mLを加える。ガスコンロを用いて加熱を行う。沸騰したら焦がさないように気をつけながら、容量が3/4程度になるまで加熱及び混合し、オニオンソテー様食品1〜9を得た。
【0065】
《官能試験》
得られたオニオンソテー様食品1〜8の風味及び食感を評価した。評価は5人で行い、風味、食感、及び香りについてオニオンソテーと比較し、総合的に点数化した。10点満点で10点をオニオンソテーと同等とした。
オニオンパウダーを造粒することにより、風味や食感がよくなる。またフライドオニオンミンスを用いることにより、風味や食感がよくなることがわかる
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のタマネギ由来乾燥食品は、カレー、シチュー(例えば、ビーフシチュー)、スープ(例えば、オニオングラタンスープ)、パスタソース(例えば、ミートソース)、ハンバーグ、リゾット、マリネ、肉じゃが、ステーキソース、焼肉のたれ、又はオニオンドレッシングなどに主原料又は隠し味として用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オニオンパウダー及びオニオンミンスを含むことを特徴とする、タマネギ由来乾燥食品。
【請求項2】
前記オニオンパウダー及びオニオンミンスの割合が、95:5〜60:40である、請求項1に記載のタマネギ由来乾燥食品。
【請求項3】
甘味剤、油脂、及び副原料からなる群から選択される少なくとも1つを更に含む、請求項1又は2に記載のタマネギ由来乾燥食品。
【請求項4】
前記オニオンパウダーが、バインダーを含むオニオン顆粒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタマネギ由来乾燥食品。
【請求項5】
前記オニオン顆粒の粒子径が0.01〜6.0mmであり、そして前記オニオンミンスの粒子径が0.10〜10.0mmである、請求項4に記載のタマネギ由来乾燥食品。
【請求項6】
前記オニオン顆粒が甘味剤、油脂、及び副原料からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項4又は5に記載のタマネギ由来乾燥食品。
【請求項7】
前記オニオンミンスが、非加熱乾燥オニオンミンス、加熱乾燥オニオンミンス、ソテーオニオンミンス、ローストオニオンミンス、及びフライドオニオンミンスからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタマネギ由来乾燥食品。
【請求項8】
乾燥食材を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタマネギ由来乾燥食品。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のタマネギ由来乾燥食品に、水を添加し、加熱することによって得られるオニオンソテー様食品。

【公開番号】特開2012−249531(P2012−249531A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122262(P2011−122262)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【Fターム(参考)】