説明

タムスロシン塩酸塩徐放錠およびこの製造方法

本発明は、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリエチレンオキシドを含むタムスロシン塩酸塩徐放製剤、およびこのような医薬組成物の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製薬技術の分野に属する。より詳細には、経口用医薬組成物の分野に属し、長時間タムスロシンを放出することができる錠剤の形をしたタムスロシン塩酸塩徐放製剤およびこのような錠剤の製造方法に関する。
【0002】
本発明の錠剤は、活性成分の長期放出が可能であると同時に、低用量の活性成分を良好な内容物一様性で錠剤として製造することを可能にする技術手順で製造される。その上、本発明の技術手順は、低用量タムスロシン塩酸塩錠剤の圧縮中の異なる相での分離の問題(顆粒相と他の賦形剤)を解決する。
【背景技術】
【0003】
タムスロシンは、α1Aおよびα1Dアドレナリン受容体の選択的アンタゴニストであり、良性前立腺肥大の治療に適用される。αシナプス後受容体への選択的および競合的結合により、タムスロシンは前立腺および膀胱頸部の平滑筋を弛緩させ、それにより尿流量を増加させ、排尿を促進し、良性前立腺肥大の他の症状を改善する。
【0004】
即時放出型配合のタムスロシンは急速に吸収されて血漿濃度が急上昇する。放出を修飾した医薬配合物を開発することが、活性物質の許容度を改善して活性を伸ばす上で重要な一歩となる。放出を修飾した配合物を用いることで、血管拡張とこれに関連した循環器系副作用を引き起こす可能性が小さくなる。
【0005】
特許文献には、徐放性タムスロシン塩酸塩を開発する様々な技術的アプローチが存在する。
【0006】
EP661045は、水の組成物への浸透を確実にする添加物、および2,000,000以上の平均分子量を有する、または1%濃度の水溶液にして25℃で測定した場合に1000cps以上の粘度を有するヒドロゲル形成重合体を基礎として、70%以上のゲル化指数を持つ持効性ヒドロゲル製剤を開示する。
【0007】
EP1568361およびEP1529526は、持効性ヒドロゲル形成組成物、浸透圧ポンプ型製剤、複数のゴムを組み合わせたゲル製剤、幾何学的に配列した薬の層と放出制御層とを含む多層錠剤、膨潤重合体を用いる胃内滞留剤形、水溶性重合体を用いるマトリクス製剤など、タムスロシン含有持効性医薬組成物への複数のアプローチを開示する。
【0008】
EP1443917は液体を用いない方法により得られるタムスロシンの医薬錠剤を開示する。
【0009】
EP1441713およびDE20221486は、0.1から10mgのタムスロシンまたはこの医薬的に許容される塩、10から90重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含有し、錠剤全体の質量が10から300mgである、一体化医薬錠剤を開示する。
【0010】
EP1205190は、(i)2%水溶液にして25℃で2,000cP以上の粘度を有する、または(ii)2,000,000以上の粘度平均分子量を有するポリエチレンオキシドを基礎とするマトリクス型持効性製剤を開示し、薬および親水性基剤は、このポリエチレンオキシドのマトリクス中に分散していて、黄色酸化鉄および/または赤色酸化鉄が製剤の薬放出速度を安定化している。
【0011】
European Urology Supplements 4(2005),p.1−4の論文では、従来の親水性マトリクスと比較したOCAS系の利点が述べられている。
【0012】
EP1523994は、薬、2,000,000を超える分子質量のPEO、およびサイジングで得られた特定のサイズ制御剤からなる粒子を含む徐放性製剤の製造を開示する。サイジングにより得られた粉末粒子は、小さいPEO粒子が再結合して再び大きいPEO粒子になり、適切な粒子サイズと内容物一様性を確実にすることにより調製される。顆粒化の目的は、内容物一様性を確実にすることである。
【0013】
EP1595538およびDE20221486は、タムスロシンまたはこの医薬的に許容される塩を含む医薬錠剤を開示し、ここで重合体マトリクス成分は、水膨潤性セルロース誘導体;アルギン酸ナトリウム;アクリレート、メタクリレート、およびこれらの様々な共単量体との共重合体;ならびにポリビニルピロリドンからなる群より選択され、水膨潤性セルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、好ましくはHPMCである。実施例4は、圧縮、粉砕、および錠剤圧縮による錠剤の製造を開示する。粉砕工程は、内容物一様性に関するものとして記載されてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許第661045号明細書
【特許文献2】欧州特許第1568361号明細書
【特許文献3】欧州特許第1529526号明細書
【特許文献4】欧州特許第1443917号明細書
【特許文献5】欧州特許第1441713号明細書
【特許文献6】独国特許第20221486号明細書
【特許文献7】欧州特許第1205190号明細書
【特許文献8】欧州特許第1523994号明細書
【特許文献9】欧州特許第1595538号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】European Urology Supplements 4(2005),p.1−4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明は、良好な内容物一様性を持つタムスロシン塩酸塩徐放性錠剤の安定な配合物の製造を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らが提案する解決方法は、顆粒製剤に関し、圧縮方法中に最終混合物の分離が減少することで製造される錠剤のバッチ内での内容物一様性が確実に改善される。内容物一様性は、通常、中間工程としての顆粒製造により解決される。良好な内容物一様性を確実にするために用いられる顆粒化とは別に、製造した顆粒の粉砕が内容物一様性を改善する助けとなることが、本発明者らにより示された。湿潤顆粒化に続けて粉砕工程を追加することで内容物一様性を改善するとは思いもよらないことであり、一般的な製造方式とは見なされない。
【0018】
本発明の第一の態様において、顆粒の製造、この粉砕、および粉砕した顆粒の錠剤化を含む、医薬組成物(タムスロシン塩酸塩徐放錠)の製造方法が提供される。
【0019】
別の態様において、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリエチレンオキシドを含む医薬組成物(タムスロシン塩酸塩徐放錠)が提供される。
【0020】
別の態様において、中粘度および高粘度のヒドロキシプロピルセルロース、ならびにポリエチレンオキシドを含む医薬組成物(タムスロシン塩酸塩徐放錠)が提供される。
【0021】
別の態様において、良性前立腺肥大および他の関連する状態または症状の予防薬または治療薬の製造のための、タムスロシン塩酸塩を含むこのような医薬配合物の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
タムスロシン塩酸塩徐放錠は、極少量の活性成分を含有する。一般的な薬務において、そうした低用量製剤の製造には複数の問題が生じる恐れがあることが既知である。一方で、このような少量の活性成分が長期間放出されることが望ましくもある。好ましくは少なくとも24時間放出されることが最も望ましい。そうした放出プロファイルを達成するために、タムスロシン塩酸塩錠剤は親水性マトリクス錠剤を基礎として作られた。2種類のヒドロゲル形成重合体の組合せが選択された。重合体の1つは高分子量(高粘度)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)であり、2つめは高分子量(高粘度)ポリエチレンオキシド(PEO)であった。重合体は両方とも、少量のタムスロシン活性成分を長時間放出することができる効果的な長期放出配合物の形成に相乗的役割を果たす。
【0023】
高分子量(高粘度)ヒドロキシプロピルセルロースは、薬の放出を効果的に持続させることが既知である。この欠点は、水中での膨潤が遅く、そのため、このような錠剤の摂取から最初の数時間は、水和が不完全なマトリクス系からの活性成分の放出速度が速くなることが予想されるということである(バースト効果)。反対に、ポリエチレンオキシド重合体は、この親水性のためヒドロキシプロピルセルロースよりも速く膨潤し、これによりポリエチレンオキシド重合体と水媒体との接触から最初の数時間の間に重合体鎖のほぼ完全な水和を確実にする。従って、ポリエチレンオキシドをヒドロキシプロピルセルロースに加えることにより、いわゆるバースト効果を防ぐことができ、ヒドロキシプロピルセルロース単独による親水性マトリクスよりも一様に水和する親水性マトリクス系を提供することができる。
【0024】
良好な内容物一様性を確実にし、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリエチレンオキシドの組合せからなる親水性マトリクスからのタムスロシン塩酸塩活性成分のバースト効果をさらに減少させるために、タムスロシン塩酸塩と中分子量(中粘度)ヒドロキシプロピルセルロースおよび微結晶性セルロース(不活性充填剤/希釈剤)との湿潤顆粒化を技術方法に含めて徐放性錠剤を製造した。
【0025】
高分子量(高粘度)ヒドロキシプロピルセルロースは、2%水溶液にして25℃で2000mPa・s超の粘度または500,000超のMr、好ましくは3000mPa・s超の粘度または700,000超のMr、より好ましくは4000から6500mPa・sの範囲の粘度または850,000程度のMrを有することができる。この量としては、錠剤の全質量の10から90%、好ましくは20から60%、より好ましくは30から40%を占めることができる。
【0026】
中分子量(中粘度)ヒドロキシプロピルセルロースは、2%水溶液にして25℃で10から2000mPa・sの範囲の粘度または90,000から500,000の範囲のMr、好ましくは100から1000mPa・sの範囲の粘度または300,000から400,000の範囲のMr、より好ましくは150から400mPa・sの範囲の粘度または370,000程度のMrを有することができる。この量としては、錠剤の全質量の1から50%、好ましくは2から20%、より好ましくは3から5%を占めることができる。
【0027】
ポリエチレンオキシドは、1%水溶液にして25℃で1000mPa・s超の粘度または2,000,000超のMr、好ましくは5000mPa・s超の粘度または5,000,000超のMr、より好ましくは7500から10000mPa・sの範囲の粘度または7,000,000程度のMrを有する高分子量(高粘度)ポリエチレンオキシドが可能である。この量としては、錠剤の全質量の10から90%、好ましくは15から50%、より好ましくは20から30%を占めることができる。
【0028】
高分子量(高粘度)ヒドロキシプロピルセルロースは、2種類の粒子サイズで入手可能である(通常粉砕:粒子の95%がUS#30メッシュ(590μm)ふるいを通過、および粒子の99%がUS#20メッシュ(840μm)ふるいを通過)。徐放性マトリクス系の製造については、粒子サイズが小さい方のヒドロキシプロピルセルロースが好ましい(即ちKlucel Xグレード;X粉砕:粒子の100%がUS#60メッシュ(250μm)ふるいを通過、および粒子の80%がUS#100メッシュ(149μm)ふるいを通過)。なぜなら粒子が小さいほうが大きいものよりも活性成分の放出をより良く持続させるからである。残念なことに、タムスロシン塩酸塩活性成分と中粘度ヒドロキシプロピルセルロースの上記顆粒を製造する典型的な湿潤顆粒化手順では、微細グレードの高粘度ヒドロキシプロピルセルロースの粒子サイズよりも大きい粒子サイズの顆粒となった。この顆粒を微細グレードヒドロキシプロピルセルロースと混合すると、問題が生じた。圧縮機械において、この混合物が分離してしまい、錠剤化方法の開始から終了までの間で錠剤のバッチ内内容物一様性が劣る結果となってしまった。この問題を解決するのに、典型的な湿潤顆粒化では顆粒のサイズを最終的に減少することで改善するが、本発明者らは思いがけず顆粒化手順での変更が従来の手順よりも非常に良好な特性を持つ顆粒を与えることを発見した。圧縮用最終混合物の製造において改善された顆粒を使用することで、圧縮機械での分離を減少させ、結果として製造した錠剤のバッチ内内容物一様性を改善した。
【0029】
いわゆる典型的な顆粒は以下の方法で製造した。
【0030】
タムスロシン塩酸塩を微結晶性セルロースおよび中粘度ヒドロキシプロピルセルロースと混合した。この混合物を高剪断造粒機で水を用いて顆粒化した。得られた湿潤顆粒を流動床乾燥機で乾燥させた。乾燥中、ほとんど乾燥した顆粒をメッシュサイズ1.200mmのふるいに通してこれより大きい凝集塊を砕いた。乾燥完了後、顆粒をメッシュサイズ0.500mmのふるいにかけた。
【0031】
次いで、調製した顆粒をポリエチレンオキシドおよび他の賦形剤と混合してロータリー圧縮機械で圧縮した。
【0032】
改善された顆粒は以下の方法で製造した。
【0033】
タムスロシン塩酸塩を微結晶性セルロースおよび中粘度ヒドロキシプロピルセルロースと混合した。この混合物を高剪断造粒機で水を用いて顆粒化した。得られた湿潤顆粒を流動床乾燥機で乾燥させた。乾燥中、ほとんど乾燥した顆粒をメッシュサイズ1.200mmのふるいに通してこれより大きい凝集塊を砕いた。乾燥完了後、顆粒をハンマーミルで粉砕してメッシュサイズ0.500mmのふるいに通した。次いで、調製した顆粒をポリエチレンオキシドおよび他の賦形剤と混合してロータリー圧縮機械で圧縮した。
【0034】
上記のとおり、粉砕により調製した第二の顆粒は、圧縮方法中の最終混合物の分離を減少させることにより、思いがけず、調製した錠剤のバッチ内内容物一様性に非常に良好な結果を与えた。湿潤顆粒化後の粉砕は内容物一様性を改善するために一般的に行われるものではないため、得られた結果は剤形設計を扱う薬学研究者にとって予想外である。
【0035】
錠剤の核は従来の着色コーティングでさらに被覆することができる。
【0036】
以下の実施例は本発明の態様を例示するために提供されるものであり、いかなる様式でも本発明を制限または定義することを意図しない。
【実施例1】
【0037】
典型的な湿潤顆粒化アプローチを用いたタムスロシン塩酸塩徐放錠の調製
a)錠剤組成
【0038】
【表1】

【0039】
b)製造手順
タムスロシン塩酸塩、微結晶性セルロース、および中粘度ヒドロキシプロピルセルロースを1:40.25:8.75の比でビニール袋中混合してこれらの成分の倍散剤を調製した。
【0040】
得られた倍散剤を、高剪断造粒機GRAL PRO25で、残りの微結晶性セルロースと5分間混合した(羽根車速度100rpm)。この混合物を水で顆粒化した(高剪断造粒機GRAL PRO25、水の添加58ml/分、羽根車速度100rpm、チョッパー速度低速)。この混合物をさらに顆粒化した(高剪断造粒機GRAL PRO25、羽根車速度150rpm、チョッパー速度低速、時間5分)。湿潤顆粒を流動床乾燥機で乾燥させた(Glatt GPCG3、導入空気温度60℃)。生成物の温度が45℃に達したところで、顆粒をメッシュサイズ1.200mmのふるいにかけてこれより大きい凝集塊を砕き、流動床乾燥機に戻した。乾燥完了後、顆粒をメッシュサイズ0.500mmのふるい(Frewitt)でふるい分けした。
【0041】
粒子サイズ分布(ふるい分析)
【0042】
【表2】

【0043】
次いで、調製した顆粒に個々の賦形剤(Erweka)を徐々に加えて混合した。賦形剤を加えた後、混合物を5分間混合した。最終的な混合物をロータリー圧縮機械Kilian LX18で圧縮した。
【0044】
c)調製した錠剤の特性決定
バッチ内内容物一様性
【0045】
【表3】

【実施例2】
【0046】
本発明の湿潤顆粒化アプローチを用いたタムスロシン塩酸塩徐放錠の調製
a)錠剤組成
【0047】
【表4】

【0048】
b)製造手順
タムスロシン塩酸塩、微結晶性セルロース、および中粘度ヒドロキシプロピルセルロースを1:40.25:8.75の比でビニール袋中混合してこれらの成分の倍散剤を調製した。
【0049】
得られた倍散剤を、高剪断造粒機GRAL PRO25で、残りの微結晶性セルロースと5分間混合した(羽根車速度100rpm)。この混合物を水で顆粒化した(高剪断造粒機GRAL PRO25、水の添加58ml/分、羽根車速度100rpm、チョッパー速度低速)。この混合物をさらに顆粒化した(高剪断造粒機GRAL PRO25、羽根車速度150rpm、チョッパー速度低速、時間5分)。湿潤顆粒を流動床乾燥機で乾燥させた(Glatt GPCG3、導入空気温度60℃)。生成物の温度が45℃に達したところで、顆粒をメッシュサイズ1.200mmのふるいにかけてこれより大きい凝集塊を砕き、流動床乾燥機に戻した。乾燥完了後、顆粒をハンマーミルで粉砕してメッシュサイズ0.500mmのふるい(Fitzmill D6)に通した。
【0050】
粒子サイズ分布(ふるい分析)
【0051】
【表5】

【0052】
次いで、調製した顆粒に個々の賦形剤(Erweka)を徐々に加えて混合した。賦形剤を加えた後、混合物を5分間混合した。最終的な混合物をロータリー圧縮機械Kilian LX18で圧縮した。
【0053】
c)調製した錠剤の特性決定
バッチ内内容物一様性
【0054】
【表6】

【実施例3】
【0055】
本発明の湿潤顆粒化アプローチを用いたタムスロシン塩酸塩徐放錠の調製
a)錠剤組成
【0056】
【表7】

【0057】
b)製造手順
タムスロシン塩酸塩、微結晶性セルロース、および中粘度ヒドロキシプロピルセルロースを1:40.25:8.75の比でビニール袋中混合してこれらの成分の倍散剤を調製した。
【0058】
得られた倍散剤を、高剪断造粒機GRAL PRO25で、残りの微結晶性セルロースと5分間混合した(羽根車速度100rpm)。この混合物を水で顆粒化した(高剪断造粒機GRAL PRO25、水の添加58ml/分、羽根車速度100rpm、チョッパー速度低速)。この混合物をさらに顆粒化した(高剪断造粒機GRAL PRO25、羽根車速度150rpm、チョッパー速度低速、時間5分)。湿潤顆粒を流動床乾燥機で乾燥させた(Glatt GPCG3、導入空気温度60℃)。生成物の温度が45℃に達したところで、顆粒をメッシュサイズ1.200mmのふるいにかけてこれより大きい凝集塊を砕き、流動床乾燥機に戻した。乾燥完了後、顆粒をハンマーミルで粉砕してメッシュサイズ0.500mmのふるい(Fitzmill D6)に通した。
【0059】
次いで、調製した顆粒に個々の賦形剤(Erweka)を徐々に加えて混合した。賦形剤を加えた後、混合物を5分間混合した。最終的な混合物をロータリー圧縮機械Kilian LX18で圧縮した。
【実施例4】
【0060】
被覆したタムスロシン塩酸塩徐放錠の調製
a)被覆した錠剤組成
【0061】
【表8】

【0062】
b)製造手順
全ての成分を水に分散させて均一な分酸液となるまでUltra turraxで混合した。
【0063】
600gのタムスロシン錠剤核を6.25mgのコーティングが塗布されるまでO’haraラボラトリーパンコーターで被覆した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリエチレンオキシドを含むことを特徴とするタムスロシン塩酸塩徐放性医薬組成物。
【請求項2】
前記ヒドロキシプロピルセルロースが中粘度および高粘度ヒドロキシプロピルセルロースを含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記中粘度ヒドロキシプロピルセルロースが10から2000mPa・sの粘度を有することを特徴とする、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記中粘度ヒドロキシプロピルセルロースの量が錠剤の合計質量の10から90%を占めることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記高粘度ヒドロキシプロピルセルロースが2000mPa・s超の粘度を有することを特徴とする、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記高粘度ヒドロキシプロピルセルロースの量が錠剤の合計質量の10から90%を占めることを特徴とする、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記ポリエチレンオキシドの量が、1錠中、上限70mgまでであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記医薬組成物が被覆されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
以下の工程、
(i)顆粒の製造、
(ii)該顆粒の粉砕、および
(iii)該粉砕した顆粒の錠剤化、
を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項10】
良性前立腺肥大および他の関連する状態または症状の予防あるいは治療のための医薬を製造するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。

【公表番号】特表2010−540491(P2010−540491A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526282(P2010−526282)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062815
【国際公開番号】WO2009/040388
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(504359293)レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー (60)
【Fターム(参考)】