タワークレーンの解体方法
【課題】吊り下ろしや解体のための敷地が小さい場合でも、タワークレーンを少ない手間と費用により解体できるタワークレーンの解体方法を提供すること。
【解決手段】タワークレーン1の本体ジブ8で解体用ジブ9の主部材91を吊り上げ、旋回台6に揺動可能に連結する。本体ジブ8を水平に起伏させ、本体ジブ8を作業床として、解体用ジブ9の主部材91,91の間にラチス部材97等を取り付けて解体用ジブ9を組み立てる。解体用ジブ9で本体ジブ8を吊り下ろした後、クレーン本体31をレール14に沿って建築物10の屋上に移動させる。重量が比較的大きい旋回軸受61を含む旋回台6の前部65を後部66から切り離し、解体用ジブ9で吊り下げる。重量が比較的小さい部品で構成されるクレーン本体32により、マスト2の解体を行う。クレーン本体32を小型の解体クレーンで解体し、使用後の解体クレーンは分解して建築物10のエレベータで下ろす。
【解決手段】タワークレーン1の本体ジブ8で解体用ジブ9の主部材91を吊り上げ、旋回台6に揺動可能に連結する。本体ジブ8を水平に起伏させ、本体ジブ8を作業床として、解体用ジブ9の主部材91,91の間にラチス部材97等を取り付けて解体用ジブ9を組み立てる。解体用ジブ9で本体ジブ8を吊り下ろした後、クレーン本体31をレール14に沿って建築物10の屋上に移動させる。重量が比較的大きい旋回軸受61を含む旋回台6の前部65を後部66から切り離し、解体用ジブ9で吊り下げる。重量が比較的小さい部品で構成されるクレーン本体32により、マスト2の解体を行う。クレーン本体32を小型の解体クレーンで解体し、使用後の解体クレーンは分解して建築物10のエレベータで下ろす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高層建築物の建設工事に用いられるタワークレーンの解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、高層建築物の建設工事では、マストクライミング式のタワークレーンが多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。マストクライミング式のタワークレーンは、地表面の基礎の上に立設されるマスト部材に沿って上昇可能なクレーン本体を備え、クレーン本体は、マスト部材の外側を取り囲むように上下に配置されたアウトマスト及びクライミングフレームと、アウトマストとクライミングフレームとの間に設置された油圧シリンダと、アウトマストの上端に連結されてマスト部材の軸線の周りに旋回する旋回台と、旋回台に設けられた本体ジブ、巻上装置及び運転台を備える。
【0003】
アウトマストとクライミングフレームのマスト部材を取り囲む開口には、マスト部材に向かって出没する油圧駆動のロックピンが設けられており、クライミングフレームのロックピンとクライミングフレームのロックピンとを交互にマスト部材に係合させて荷重を盛り換え、かつ、油圧シリンダの伸長と収縮を交互に繰り返すことにより、クレーン本体をマスト部材に沿って上昇させるようになっている。
【0004】
クレーン本体がマスト部材の上端付近に上昇すると、本体ジブにより地上から新たなマスト部材を吊り上げ、新たなマスト部材の下端を既設のマスト部材の上端に接続した後、新たなマスト部材に沿ってクレーン本体が更に上昇するようになっている。
【0005】
建築物の躯体の構築が終了すると、タワークレーンの解体が行われる。タワークレーンの解体では、比較的大型の解体用クレーンをタワークレーンに隣接して設置し、クレーン本体の本体ジブや旋回台等の構成部品を順次分解し、分解した構成部品を解体用クレーンにより地表面に吊り下げる。クレーン本体の解体の後、マスト部材を上端から順次分離させ、分離したマスト部材を解体用クレーンにより順次地表面に吊り下げて、マストを解体してタワークレーンの解体が完了する。タワークレーンを解体して撤去した後、解体用クレーンを解体して撤去し、この後、タワークレーンを設置していた地表面に所定の外構工事が行われる。
【特許文献1】特開平10−139374
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のタワークレーンの解体方法は、外構工事の進捗や立地条件等により、解体用クレーンを搬入及び設置するために十分な敷地や搬入路を確保し難い場合があり、この場合、タワークレーンの解体を行い難いという不都合がある。
【0007】
また、上記従来のタワークレーンの解体方法は、比較的大型の解体用クレーンを別途設置し、タワークレーンの解体の後に、比較的大型の解体用クレーンを解体及び撤去するため、中型の更なる解体用クレーンを別途設置する必要があるので、工数が多くて手間と費用が大きいという不都合がある。
【0008】
さらに、タワークレーンの解体においては、長大な本体ジブをクレーン本体から分離して地表面に吊り下ろし、解体を行う必要がある。ここで、本体ジブの解体用の敷地を確保できない場合は、タワークレーンから離れた位置に大型の解体用クレーンを設置し、タワークレーンから離れた敷地に本体ジブを吊り下ろして解体を行う必要がある。また、建築物の屋上に補強を行って解体用クレーンを設置し、建築物の屋上に本体ジブを吊り下げて解体を行う必要がある。このような本体ジブの解体作業に、手間と費用がかかるという不都合がある。
【0009】
そこで、本発明の課題は、吊り下ろしや解体のための敷地が小さい場合でも、タワークレーンを少ない手間と費用により解体できるタワークレーンの解体方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明のタワークレーンの解体方法は、本体ジブにより解体用ジブの構成部材を吊り上げる解体用ジブ吊上工程と、吊り上げた解体用ジブの主部材の一端を、旋回台に揺動可能に取り付ける解体用ジブ取付工程と、解体用ジブを組み立てる解体用ジブ組立工程と、本体ジブに掛けられた巻上ワイヤ及び起伏ワイヤを解体用ジブに掛け替えるワイヤ掛替工程と、解体用ジブにより本体ジブを吊り下ろす本体ジブ吊下工程と、旋回台をマストから切り離す切り離し工程と、マストから切り離された旋回台をクレーン本体と共に建築物の屋上に配置したレールに沿って水平移動させる移動工程と、建築物の屋上に移動したクレーン本体により、マストを分解して吊り下ろすマスト分解工程とを備えることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、本体ジブにより解体用ジブを吊り上げ、解体用ジブを旋回台に揺動可能に取り付けて解体用ジブを組み立て、本体ジブに掛けられた巻上ワイヤ及び起伏ワイヤを解体用ジブに掛け替えることにより、本体ジブの機能を解体用ジブに持たせることができる。この解体用ジブにより本体ジブを吊り下ろすことにより、解体用クレーンを用いることなく本体ジブを解体することができる。また、旋回台をマストから切り離し、切り離された旋回台を含むクレーン本体を建築物の屋上で水平移動させ、このクレーン本体によってマストを分解して吊り下ろすことにより、解体用クレーンを用いることなくマストを解体することができる。したがって、外構工事の進捗や立地条件等により、解体用クレーンを搬入及び設置するために十分な敷地や搬入路を確保し難い場合においても、少ない工数により迅速かつ安価にタワークレーンの解体及び撤去を行うことができる。
【0012】
また、本体ジブが長大である場合においても、解体用クレーンを設置することなく本体ジブを吊り下ろすことができるので、従来のタワークレーンの解体方法では解体が困難であった敷地においても、本体ジブを解体することができる。したがって、従来よりも少ない工数と費用により、タワークレーンを解体することができる。
【0013】
請求項2の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、クレーン本体の旋回台に設置されたトラスの斜材の下端を、旋回台の旋回軸受が設けられた側から巻上ウインチが設けられた側に付け替える斜材付替工程と、クレーン本体の旋回台を、旋回軸受が設けられた前部と、ジブの支点及び巻上ウインチが設けられた後部とに分離させる分離工程と、分離工程で分離された旋回台の前部と旋回軸受を、クレーン本体により吊り下ろす前部吊下工程とを備える。
【0014】
請求項2のタワークレーンの解体方法によれば、旋回台に設置されたトラスの斜材の下端を、旋回台の旋回軸受が設けられた側から巻上ウインチが設けられた側に付替え、旋回台を前部と後部に分離させ、旋回台の前部と旋回軸受をクレーン本体により吊り下ろすことにより、クレーン本体のうち、重量の比較的小さい部材を残すことができる。したがって、クレーン本体を、比較的小型の解体クレーンによって解体して吊り下ろすことができる。解体クレーンは比較的小型であるので、クレーン本体を吊り下ろした後、分解して建築物のエレベータで下ろすことができる。したがって、タワークレーンを中型又は大型の解体クレーンで解体する場合と比較して、少ない工数と費用によってタワークレーンを解体することができる。
【0015】
請求項3の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、解体用ジブ組立工程を、水平に起伏させた本体ジブを作業床として行う。
【0016】
請求項3のタワークレーンの解体方法によれば、本体ジブを作業床として解体用ジブを組み立てることにより、作業床を別途設けることなく、迅速かつ安価に解体用ジブを組み立てることができる。
【0017】
請求項4の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項3に記載のタワークレーンの解体方法において、解体用ジブ取付工程で、解体用ジブの2つの主部材を本体ジブの両側に配置し、主部材の一端を旋回台の両側に夫々取り付け、解体用ジブ組立工程で、2つの主部材を接続部材で接続する。
【0018】
請求項4のタワークレーンの解体方法によれば、解体用ジブの2つの主部材を本体ジブの両側に配置し、主部材の一端を旋回台の両側に夫々取り付け、解体用ジブの2つの主部材を接続部材で接続することにより、本体ジブを作業床としながら、容易に解体用ジブを組み立てることができる。
【0019】
請求項5の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、解体用ジブ取付工程で、解体用ジブと旋回台との間にトラスを介して仮ガイロープを掛け渡し、仮ガイロープを伸張して解体用ジブを水平に起伏した状態で解体用ジブ組立工程を行い、ワイヤ掛替工程で、仮ガイロープを取り外す。
【0020】
請求項5のタワークレーンの解体方法によれば、仮ガイロープを用いることにより、解体用ジブを旋回台に容易に取り付けることができる。
【0021】
請求項6の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項5に記載のタワークレーンの解体方法において、仮ガイロープは、旋回台側に設けられた起伏用のターンバックルにより、解体用ジブを起伏するように形成されている。
【0022】
請求項6のタワークレーンの解体方法によれば、起伏用のターンバックルにより仮ガイロープを介して解体用ジブを起伏できるので、解体用ジブの起伏角度を調節して本体ジブを作業床として解体用ジブを組み立てることができる。また、解体用ジブを保持して本体ジブからの巻上ワイヤ及び起伏ワイヤの掛け替えを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のタワークレーンの解体方法によれば、大型又は中型の解体用クレーンを用いることなくタワークレーンを解体することができるので、解体用クレーンの設置用の敷地や本体ジブの解体用の敷地に制限がある場合においても、従来よりも少ない手間により、迅速かつ安価にタワークレーンを解体することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1はタワークレーンを示す図であり、図2乃至11は、本発明のタワークレーンの解体方法の工程を示す図である。
【0025】
タワークレーン1は、図1に示すように、マスト2と、マスト2に沿って昇降するクレーン本体3で大略構成されている。マスト2は、L鋼を十字状に交差して形成され、地上に設置された基礎21と、基礎21の上に立設された複数のマスト部材22,22,・・・と、基礎21の外側の端部と最下段のマスト部材22の上端との間に掛け渡された斜材23で構成されている。このタワークレーン1は、中央に吹き抜けを有する建築物10の建設工事に用いられており、吹き抜け部分にマスト2を立設し、建築物10のスラブ11の中央に形成された開口12からクレーン本体3を突出させて、建築資材の吊り作業を行っている。
【0026】
クレーン本体3は、マスト部材22の外側を取り囲んでマスト部材22に沿って昇降可能に形成されたクライミングフレーム4と、クライミングフレーム4の上方に配置され、マスト部材22の外側を取り囲んでマスト部材22に沿って昇降可能に形成されたアウトマスト5と、クライミングフレーム4とアウトマスト5との間に設けられた油圧シリンダ41と、アウトマスト5の上端に連結された旋回台6を備える。上記クライミングフレーム4と、アウトマスト5と、油圧シリンダ41でクライミング装置を構成している。
【0027】
クライミングフレーム4とアウトマスト5の内側には、マスト部材22に向かって出没駆動されるロックピンが設けられている。アウトマスト5の外周には、アウトマスト5を取り囲むように配置されて油圧シリンダ41の油圧ユニットが設置された踊り場51が設けられている。アウトマスト5と旋回台6は、旋回台6の下側に設けられた旋回軸受61を介して連結されている。
【0028】
旋回台6の上には、上端に起伏ワイヤ及び巻き上げワイヤのシーブが設けられたトラス7が設置されている。トラス7は、旋回台6の後部に鉛直に立設された鉛直部材71と、鉛直部材の上端から旋回台6の前端に延びる斜部材72とで構成されており、側面視において、旋回台6と共に直角三角形の形状をなしている。トラス7は典型的には直角三角形であるが、直角三角形に限られない。すなわち、トラス7の鉛直部材は多少前方又は後方に傾斜したものであってもよい。旋回台6のトラス7の鉛直部材71の立設位置の手前側に、本体ジブ8の一端が揺動自在に軸支されている。この本体ジブ8は、30mを越える長さを有する。旋回台6の後部には、巻き上げワイヤを巻き出す巻上ウインチ62と、起伏ワイヤを巻き出す起伏ウインチ63と、各ウインチ62,63の動作を制御する制御盤64が設けられている。旋回台6は、前部65と後部66が分離可能に連結されて形成されており、前部65の下側に旋回軸受61が取り付けられ、また、前部65の前端の両側に、トラス7の斜部材72の下端が連結されている。一方、旋回台6の後部66には、本体ジブ8の支点と、巻上ウインチ62と、起伏ウインチ63と、制御盤64が設けられている。
【0029】
このタワークレーン1は、マスト2の基礎21が地表面に設置された状態で、マスト2を上方に延ばしながらクレーン本体3を上昇させてクライミングを行うマストクライミング式のタワークレーン1であり、次のようにしてクライミングを行う。
【0030】
すなわち、クラミングフレーム4のロックピンをマスト部材22に向かって突出させ、マスト部材22の水平材にロックピンを係合させると共に、アウトマスト5のロックピンをマスト部材22から退去させてマスト部材22との係合を解除する。これにより、クレーン本体3の重量はクライミングフレーム4を介してマスト部材22に支持される。この状態で、油圧シリンダ41を伸長駆動させ、アウトマスト5、旋回台6、トラス7及び本体ジブ8等を上昇させる。油圧シリンダ41が最大の伸張長さに達すると、アウトマスト5のロックピンをマスト部材22に係合させると共に、クライミングフレーム4のロックピンのマスト部材22との係合を解除し、クレーン本体3の重量の支持をアウトマスト5に盛り換える。この後、油圧シリンダ41を収縮駆動させ、クライミングフレーム4を上方に引き上げる。油圧シリンダ41が最小の収縮長さに達すると、アウトマスト5のロックピンのマスト部材22との係合を解除すると共に、クライミングフレーム4のロックピンをマスト部材22に係合させ、クレーン本体3の重量の支持をクライミングフレーム4に盛り換える。
【0031】
このように、クレーン本体3の重量の支持を、クライミングフレーム4とアウトマスト5との間で交互に盛り換えると共に、油圧シリンダ41の伸縮を交互に行うことにより、クレーン本体3がマスト2に沿って上昇する。クレーン本体3が、マスト2の上端に到達すると、本体ジブ8により、マスト部材22を吊り上げてマスト2の上端に配置して固定し、マスト2を上方に延長させる。この後、上述のクラミングを行い、マスト2に沿ってクレーン本体3を更に上昇させる。
【0032】
図1に示すように、建築物10の構築が完了すると、次のようにしてタワークレーン1の解体を行う。
【0033】
まず、図2に示すように、本体ジブ8により、解体用ジブ9の主部材91,91を吊り上げ、主部材91の一端を、旋回台6の後部66の前端に揺動可能に連結する。主部材91は、旋回台6の本体ジブ8の揺動支点の両側に設けられた軸穴に、揺動軸を挿通させて旋回台6に連結する。これにより、主部材91は、本体ジブ8の両側に配置される。主部材91を旋回台6に連結すると、主部材91の長手方向中央よりも先端側に一端が固定された仮ガイロープ92を、トラス7の上端のシーブ93を介して掛け渡し、仮ガイロープ92の他端を旋回台6の後部に固定する。仮ガイロープ92の他端側には、仮ガイロープを伸張させるターンバックル94が設けられている。図3は、主部材91を旋回台6に連結し、主部材91を仮ガイロープ92で起伏させた様子を示す側面図であり、図4は平面図である。
【0034】
引き続いて、本体ジブ8により、解体用ジブ9の構成部品を旋回台6に吊り上げる。この後、本体ジブ8を略水平に起伏させ、本体ジブ8を作業床として、解体用ジブ9を組み立てる。解体用ジブ9の組み立ては、2つの主部材91を接続部材で接続して行う。接続部材は、主部材91の先端を互いに連結する先端連結部材96や、主部材91の長さ方向に渡って互いに連結するラチス部材97を用いる。先端連結部材96やラチス部材97を、ボルト又はピンで主部材91に取り付けることにより、解体用ジブ9の組み立てを容易に行うことができる。図5は、理解容易のため、本体ジブ8の一部の図示を省略して、主部材91に先端連結部材96やラチス部材97を取り付けた様子を示す平面図である。本体ジブ8を作業床に用いるため、作業員の落下防止のための手摺81を本体ジブ8の上部に設置する。2つの主部材91を接続部材で接続することにより、長さが約20m以下の小型の解体用ジブ9が完成する。
【0035】
この後、本体ジブ8に掛けられていた巻上げワイヤを取り外し、解体用ジブ9に巻き上げワイヤを掛ける。解体用ジブ9に掛けた巻き上げワイヤは、巻上ウインチ62にローピングする。引き続いて、解体用ジブ9に掛けた巻上げワイヤの先端のフックに玉掛けワイヤを吊り下げ、玉掛けワイヤで本体ジブ8を吊る。この後、本体ジブ8に掛けられていた起伏ワイヤを取り外し、解体用ジブ9に起伏ワイヤを掛け、解体用ジブ9に掛けた起伏ワイヤを起伏ブロック95に接続する。引き続いて、解体用ジブ9の仮ガイロープを取り外す。図6は、起伏ワイヤが掛けられた解体用ジブ9により本体ジブ8を吊った様子を示す図である。
【0036】
この後、巻上ウインチ62を巻き出し駆動し、必要に応じて起伏ウインチ63を駆動させ、図7の側面図に示すように解体用ジブ9で本体ジブ8を建築物10の屋上に吊り下ろす。建築物10の屋上に吊り下ろした本体ジブ8は、小型の解体用クレーン等で分解して地表面に吊り下ろし、建設現場から搬出する。この際、小型の移動式クレーン等に代えて、屋上の解体用ジブ9を利用することも可能である。このように、本体ジブ8を、解体用クレーンを用いることなく吊り下ろすことができるので、解体用クレーンをタワークレーンに隣接して設置する必要が無いから、少ない敷地により長大な本体ジブ8の解体及び搬出を行うことができる。なお、本体ジブ8は、建築物10の屋上以外に、地表面に吊り降ろして分解を行っても良い。この場合においても、大型の解体用クレーンを用いることなく本体ジブ8を吊り下ろすことができるので、敷地に制限がある場合であっても、小型の移動式クレーン等により本体ジブ8を分解して搬出することができる。
【0037】
本体ジブ8に替えて解体用ジブ9を取り付けたクレーン本体31により、本体ジブ8の解体を完了すると、クレーン本体31をマストと切り離して建築物10の屋上に移動させる。まず、図8の側面図及び図9の平面図に示すように、建築物10の屋上のスラブ11の開口12を掛け渡すようにレール14,14を敷設する。このレール14,14には複数のころを等間隔で回転自在に装着しておく。そしてクレーン本体31の荷重をレール14,14のころで支持する。これと共に、クレーン本体31をマスト2から切り離す。続いて、クレーン本体31を、レール14,14に沿って水平移動させ、建築物10の屋上のスラブ11上に配置する。クレーン本体31は、人力により移動させることができるが、ウインチ62,63を利用してクレーン本体31を水平移動させてもよい。
【0038】
図10に示すように、クレーン本体31を建築物10の屋上のスラブ11上に水平移動させた後、クレーン本体31の構成部品のうち、重量が比較的大きい旋回軸受61を撤去する。まず、旋回台6の後部66の後端に、後方に延びる延長部材67を取り付ける。この延長部材67と旋回台6の後部66の下方に支持部材15,15を配置した後、トラス7の斜部材72の下端を、旋回台6の前部65の前端から延長部材67の後端に付け替える。この後、旋回台6の前部65と後部66を切り離し、解体用ジブ9により、旋回台6の前部65と旋回軸受61を吊り下ろす。こうして、図11に示すように、重量が比較的小さい部品により構成されるクレーン本体32が建築物10の屋上に残留する。軽量となったクレーン本体32により、建築物10の吹き抜け内部に残留したマスト2を解体する。マスト2の解体は、マスト2を構成するマスト部材22を上端から順次取り外し、解体用ジブ9で一旦屋上まで吊り上げ、この吊り上げ状態のまま建築物10の外側に移動させ、その後に地表面に吊り下げることにより行う。建築物10の外側へのマスト部材22の移動は、レール(レール14とは別のレール)に沿ったクレーン本体32の水平移動と解体用ジブ9の起伏動作を組み合わせて行うことができる。この際、直線状のレール、或いは直線状のレールに組み合わせるようにして、水平面内で円弧状に屈曲したいわゆる曲がりレールを直線状のレールに組み合わせるようにして採用すれば、クレーン本体32の水平移動範囲の自由度を高めることができる。なお、図10の旋回台6の前部65と旋回軸受61を分離する前のクレーン本体31によりマスト2の解体を行い、マスト2の解体の後に、旋回台6の前部65と旋回軸受61を分離して吊り下ろしてもよい。
【0039】
マスト2の解体が完了すると、クレーン本体32を解体する。クレーン本体32の解体は、クレーン本体32よりも小型の解体クレーンを建築物10の屋上に設置して行う。クレーン本体32は、重量が比較的小さい部品で構成されているので、従来よりも小型の解体クレーンによって解体を行うことができる。解体クレーンにより、旋回台6の後部66などのクレーン本体32の構成部品を順番に地上に吊り下げ、クレーン本体32の解体が完了すると、次に解体クレーンを分解する。解体クレーンは、従来のタワークレーンの解体に用いられるものよりも小型であるので、分解後の解体クレーンの構成部品は、建築物10のエレベータで下ろすことができる。
【0040】
以上のように、本実施形態のタワークレーンの解体方法は、長大の本体ジブ8を小型の解体用ジブ9に交換し、解体用ジブ9によって本体ジブ8を吊り下ろすので、解体用クレーンの設置用の敷地や本体ジブ8の解体用の敷地に制限がある場合においても、従来よりも少ない手間により、迅速かつ安価にタワークレーンを解体することができる。また、本体ジブ8の解体を、解体用ジブ9を用いて行うことができるので、本体ジブ8を吊り下ろした建築物10の屋上に、解体用クレーンを設置する必要が無い。したがって、本体ジブ8を少ない手間とコストで解体することができる。
【0041】
また、本実施形態のタワークレーンの解体方法は、クレーン本体31を建築物10の屋上に移動させ、重量が比較的大きい旋回軸受61を分離してクレーン本体32で吊り下ろし、重量が比較的小さい部材で構成されたクレーン本体32によりマスト2の解体等を行うので、使用後のクレーン本体32を小型の解体クレーンにより容易に解体して撤去することができる。したがって、タワークレーンを、従来よりも少ない工数と費用で解体することができる。
【0042】
また、タワークレーン1の解体のために大型又は中型の解体用クレーンを設置する必要がないので、外構工事の進捗や立地条件等により、大型又は中型の解体用クレーンを搬入及び設置することが困難な場合においても、少ない工数により迅速かつ安価にタワークレーン1の解体及び撤去を行うことができる。
【0043】
上記実施形態では、建築物10の吹き抜け部の地表面に基礎21を設置し、この基礎21の上にマスト部材22を継ぎ足すと共にクレーン本体3が上昇するマストクライミング式のタワークレーンについて説明したが、建築物の床スラブにマストの基礎を設置し、建築物の床スラブを構築するに伴ってマストの基礎を上階の床スラブに盛り換えてクレーン本体を上昇させるフロアクライミング式のタワークレーンに適用することもできる。この場合、解体用ジブ9の先端が建築の外側まで延びるようにしておく。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】タワークレーンを示す図である。
【図2】解体用ジブの主部材を旋回台に取り付けた様子を示す図である。
【図3】主部材を旋回台に連結して仮ガイロープで起伏させた様子を示す側面図である。
【図4】主部材を旋回台に連結して仮ガイロープで起伏させた様子を示す平面図である。
【図5】解体用ジブの組み立てが完了した様子を示す平面図である。
【図6】解体用ジブで本体ジブを吊った様子を示す図である。
【図7】解体用ジブで本体ジブを建築物の屋上に吊り下ろす様子を示す平面図である。
【図8】クレーン本体を建築物の屋上に移動させる工程を示す側面図である。
【図9】クレーン本体を建築物の屋上に移動させる工程を示す平面図である。
【図10】建築物の屋上に移動したクレーン本体を示す側面図である。
【図11】旋回台の前部と旋回軸受を撤去したクレーン本体を示す側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 タワークレーン
2 マスト
3 クレーン本体
4 クライミングフレーム
5 アウトマスト
6 旋回台
7 トラス
8 本体ジブ
9 解体用ジブ
31 解体用ジブが取り付けられたクレーン本体
32 旋回台の前部と旋回軸受が撤去されたクレーン本体
14 レール
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高層建築物の建設工事に用いられるタワークレーンの解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、高層建築物の建設工事では、マストクライミング式のタワークレーンが多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。マストクライミング式のタワークレーンは、地表面の基礎の上に立設されるマスト部材に沿って上昇可能なクレーン本体を備え、クレーン本体は、マスト部材の外側を取り囲むように上下に配置されたアウトマスト及びクライミングフレームと、アウトマストとクライミングフレームとの間に設置された油圧シリンダと、アウトマストの上端に連結されてマスト部材の軸線の周りに旋回する旋回台と、旋回台に設けられた本体ジブ、巻上装置及び運転台を備える。
【0003】
アウトマストとクライミングフレームのマスト部材を取り囲む開口には、マスト部材に向かって出没する油圧駆動のロックピンが設けられており、クライミングフレームのロックピンとクライミングフレームのロックピンとを交互にマスト部材に係合させて荷重を盛り換え、かつ、油圧シリンダの伸長と収縮を交互に繰り返すことにより、クレーン本体をマスト部材に沿って上昇させるようになっている。
【0004】
クレーン本体がマスト部材の上端付近に上昇すると、本体ジブにより地上から新たなマスト部材を吊り上げ、新たなマスト部材の下端を既設のマスト部材の上端に接続した後、新たなマスト部材に沿ってクレーン本体が更に上昇するようになっている。
【0005】
建築物の躯体の構築が終了すると、タワークレーンの解体が行われる。タワークレーンの解体では、比較的大型の解体用クレーンをタワークレーンに隣接して設置し、クレーン本体の本体ジブや旋回台等の構成部品を順次分解し、分解した構成部品を解体用クレーンにより地表面に吊り下げる。クレーン本体の解体の後、マスト部材を上端から順次分離させ、分離したマスト部材を解体用クレーンにより順次地表面に吊り下げて、マストを解体してタワークレーンの解体が完了する。タワークレーンを解体して撤去した後、解体用クレーンを解体して撤去し、この後、タワークレーンを設置していた地表面に所定の外構工事が行われる。
【特許文献1】特開平10−139374
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のタワークレーンの解体方法は、外構工事の進捗や立地条件等により、解体用クレーンを搬入及び設置するために十分な敷地や搬入路を確保し難い場合があり、この場合、タワークレーンの解体を行い難いという不都合がある。
【0007】
また、上記従来のタワークレーンの解体方法は、比較的大型の解体用クレーンを別途設置し、タワークレーンの解体の後に、比較的大型の解体用クレーンを解体及び撤去するため、中型の更なる解体用クレーンを別途設置する必要があるので、工数が多くて手間と費用が大きいという不都合がある。
【0008】
さらに、タワークレーンの解体においては、長大な本体ジブをクレーン本体から分離して地表面に吊り下ろし、解体を行う必要がある。ここで、本体ジブの解体用の敷地を確保できない場合は、タワークレーンから離れた位置に大型の解体用クレーンを設置し、タワークレーンから離れた敷地に本体ジブを吊り下ろして解体を行う必要がある。また、建築物の屋上に補強を行って解体用クレーンを設置し、建築物の屋上に本体ジブを吊り下げて解体を行う必要がある。このような本体ジブの解体作業に、手間と費用がかかるという不都合がある。
【0009】
そこで、本発明の課題は、吊り下ろしや解体のための敷地が小さい場合でも、タワークレーンを少ない手間と費用により解体できるタワークレーンの解体方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明のタワークレーンの解体方法は、本体ジブにより解体用ジブの構成部材を吊り上げる解体用ジブ吊上工程と、吊り上げた解体用ジブの主部材の一端を、旋回台に揺動可能に取り付ける解体用ジブ取付工程と、解体用ジブを組み立てる解体用ジブ組立工程と、本体ジブに掛けられた巻上ワイヤ及び起伏ワイヤを解体用ジブに掛け替えるワイヤ掛替工程と、解体用ジブにより本体ジブを吊り下ろす本体ジブ吊下工程と、旋回台をマストから切り離す切り離し工程と、マストから切り離された旋回台をクレーン本体と共に建築物の屋上に配置したレールに沿って水平移動させる移動工程と、建築物の屋上に移動したクレーン本体により、マストを分解して吊り下ろすマスト分解工程とを備えることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、本体ジブにより解体用ジブを吊り上げ、解体用ジブを旋回台に揺動可能に取り付けて解体用ジブを組み立て、本体ジブに掛けられた巻上ワイヤ及び起伏ワイヤを解体用ジブに掛け替えることにより、本体ジブの機能を解体用ジブに持たせることができる。この解体用ジブにより本体ジブを吊り下ろすことにより、解体用クレーンを用いることなく本体ジブを解体することができる。また、旋回台をマストから切り離し、切り離された旋回台を含むクレーン本体を建築物の屋上で水平移動させ、このクレーン本体によってマストを分解して吊り下ろすことにより、解体用クレーンを用いることなくマストを解体することができる。したがって、外構工事の進捗や立地条件等により、解体用クレーンを搬入及び設置するために十分な敷地や搬入路を確保し難い場合においても、少ない工数により迅速かつ安価にタワークレーンの解体及び撤去を行うことができる。
【0012】
また、本体ジブが長大である場合においても、解体用クレーンを設置することなく本体ジブを吊り下ろすことができるので、従来のタワークレーンの解体方法では解体が困難であった敷地においても、本体ジブを解体することができる。したがって、従来よりも少ない工数と費用により、タワークレーンを解体することができる。
【0013】
請求項2の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、クレーン本体の旋回台に設置されたトラスの斜材の下端を、旋回台の旋回軸受が設けられた側から巻上ウインチが設けられた側に付け替える斜材付替工程と、クレーン本体の旋回台を、旋回軸受が設けられた前部と、ジブの支点及び巻上ウインチが設けられた後部とに分離させる分離工程と、分離工程で分離された旋回台の前部と旋回軸受を、クレーン本体により吊り下ろす前部吊下工程とを備える。
【0014】
請求項2のタワークレーンの解体方法によれば、旋回台に設置されたトラスの斜材の下端を、旋回台の旋回軸受が設けられた側から巻上ウインチが設けられた側に付替え、旋回台を前部と後部に分離させ、旋回台の前部と旋回軸受をクレーン本体により吊り下ろすことにより、クレーン本体のうち、重量の比較的小さい部材を残すことができる。したがって、クレーン本体を、比較的小型の解体クレーンによって解体して吊り下ろすことができる。解体クレーンは比較的小型であるので、クレーン本体を吊り下ろした後、分解して建築物のエレベータで下ろすことができる。したがって、タワークレーンを中型又は大型の解体クレーンで解体する場合と比較して、少ない工数と費用によってタワークレーンを解体することができる。
【0015】
請求項3の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、解体用ジブ組立工程を、水平に起伏させた本体ジブを作業床として行う。
【0016】
請求項3のタワークレーンの解体方法によれば、本体ジブを作業床として解体用ジブを組み立てることにより、作業床を別途設けることなく、迅速かつ安価に解体用ジブを組み立てることができる。
【0017】
請求項4の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項3に記載のタワークレーンの解体方法において、解体用ジブ取付工程で、解体用ジブの2つの主部材を本体ジブの両側に配置し、主部材の一端を旋回台の両側に夫々取り付け、解体用ジブ組立工程で、2つの主部材を接続部材で接続する。
【0018】
請求項4のタワークレーンの解体方法によれば、解体用ジブの2つの主部材を本体ジブの両側に配置し、主部材の一端を旋回台の両側に夫々取り付け、解体用ジブの2つの主部材を接続部材で接続することにより、本体ジブを作業床としながら、容易に解体用ジブを組み立てることができる。
【0019】
請求項5の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、解体用ジブ取付工程で、解体用ジブと旋回台との間にトラスを介して仮ガイロープを掛け渡し、仮ガイロープを伸張して解体用ジブを水平に起伏した状態で解体用ジブ組立工程を行い、ワイヤ掛替工程で、仮ガイロープを取り外す。
【0020】
請求項5のタワークレーンの解体方法によれば、仮ガイロープを用いることにより、解体用ジブを旋回台に容易に取り付けることができる。
【0021】
請求項6の発明のタワークレーンの解体方法は、請求項5に記載のタワークレーンの解体方法において、仮ガイロープは、旋回台側に設けられた起伏用のターンバックルにより、解体用ジブを起伏するように形成されている。
【0022】
請求項6のタワークレーンの解体方法によれば、起伏用のターンバックルにより仮ガイロープを介して解体用ジブを起伏できるので、解体用ジブの起伏角度を調節して本体ジブを作業床として解体用ジブを組み立てることができる。また、解体用ジブを保持して本体ジブからの巻上ワイヤ及び起伏ワイヤの掛け替えを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のタワークレーンの解体方法によれば、大型又は中型の解体用クレーンを用いることなくタワークレーンを解体することができるので、解体用クレーンの設置用の敷地や本体ジブの解体用の敷地に制限がある場合においても、従来よりも少ない手間により、迅速かつ安価にタワークレーンを解体することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1はタワークレーンを示す図であり、図2乃至11は、本発明のタワークレーンの解体方法の工程を示す図である。
【0025】
タワークレーン1は、図1に示すように、マスト2と、マスト2に沿って昇降するクレーン本体3で大略構成されている。マスト2は、L鋼を十字状に交差して形成され、地上に設置された基礎21と、基礎21の上に立設された複数のマスト部材22,22,・・・と、基礎21の外側の端部と最下段のマスト部材22の上端との間に掛け渡された斜材23で構成されている。このタワークレーン1は、中央に吹き抜けを有する建築物10の建設工事に用いられており、吹き抜け部分にマスト2を立設し、建築物10のスラブ11の中央に形成された開口12からクレーン本体3を突出させて、建築資材の吊り作業を行っている。
【0026】
クレーン本体3は、マスト部材22の外側を取り囲んでマスト部材22に沿って昇降可能に形成されたクライミングフレーム4と、クライミングフレーム4の上方に配置され、マスト部材22の外側を取り囲んでマスト部材22に沿って昇降可能に形成されたアウトマスト5と、クライミングフレーム4とアウトマスト5との間に設けられた油圧シリンダ41と、アウトマスト5の上端に連結された旋回台6を備える。上記クライミングフレーム4と、アウトマスト5と、油圧シリンダ41でクライミング装置を構成している。
【0027】
クライミングフレーム4とアウトマスト5の内側には、マスト部材22に向かって出没駆動されるロックピンが設けられている。アウトマスト5の外周には、アウトマスト5を取り囲むように配置されて油圧シリンダ41の油圧ユニットが設置された踊り場51が設けられている。アウトマスト5と旋回台6は、旋回台6の下側に設けられた旋回軸受61を介して連結されている。
【0028】
旋回台6の上には、上端に起伏ワイヤ及び巻き上げワイヤのシーブが設けられたトラス7が設置されている。トラス7は、旋回台6の後部に鉛直に立設された鉛直部材71と、鉛直部材の上端から旋回台6の前端に延びる斜部材72とで構成されており、側面視において、旋回台6と共に直角三角形の形状をなしている。トラス7は典型的には直角三角形であるが、直角三角形に限られない。すなわち、トラス7の鉛直部材は多少前方又は後方に傾斜したものであってもよい。旋回台6のトラス7の鉛直部材71の立設位置の手前側に、本体ジブ8の一端が揺動自在に軸支されている。この本体ジブ8は、30mを越える長さを有する。旋回台6の後部には、巻き上げワイヤを巻き出す巻上ウインチ62と、起伏ワイヤを巻き出す起伏ウインチ63と、各ウインチ62,63の動作を制御する制御盤64が設けられている。旋回台6は、前部65と後部66が分離可能に連結されて形成されており、前部65の下側に旋回軸受61が取り付けられ、また、前部65の前端の両側に、トラス7の斜部材72の下端が連結されている。一方、旋回台6の後部66には、本体ジブ8の支点と、巻上ウインチ62と、起伏ウインチ63と、制御盤64が設けられている。
【0029】
このタワークレーン1は、マスト2の基礎21が地表面に設置された状態で、マスト2を上方に延ばしながらクレーン本体3を上昇させてクライミングを行うマストクライミング式のタワークレーン1であり、次のようにしてクライミングを行う。
【0030】
すなわち、クラミングフレーム4のロックピンをマスト部材22に向かって突出させ、マスト部材22の水平材にロックピンを係合させると共に、アウトマスト5のロックピンをマスト部材22から退去させてマスト部材22との係合を解除する。これにより、クレーン本体3の重量はクライミングフレーム4を介してマスト部材22に支持される。この状態で、油圧シリンダ41を伸長駆動させ、アウトマスト5、旋回台6、トラス7及び本体ジブ8等を上昇させる。油圧シリンダ41が最大の伸張長さに達すると、アウトマスト5のロックピンをマスト部材22に係合させると共に、クライミングフレーム4のロックピンのマスト部材22との係合を解除し、クレーン本体3の重量の支持をアウトマスト5に盛り換える。この後、油圧シリンダ41を収縮駆動させ、クライミングフレーム4を上方に引き上げる。油圧シリンダ41が最小の収縮長さに達すると、アウトマスト5のロックピンのマスト部材22との係合を解除すると共に、クライミングフレーム4のロックピンをマスト部材22に係合させ、クレーン本体3の重量の支持をクライミングフレーム4に盛り換える。
【0031】
このように、クレーン本体3の重量の支持を、クライミングフレーム4とアウトマスト5との間で交互に盛り換えると共に、油圧シリンダ41の伸縮を交互に行うことにより、クレーン本体3がマスト2に沿って上昇する。クレーン本体3が、マスト2の上端に到達すると、本体ジブ8により、マスト部材22を吊り上げてマスト2の上端に配置して固定し、マスト2を上方に延長させる。この後、上述のクラミングを行い、マスト2に沿ってクレーン本体3を更に上昇させる。
【0032】
図1に示すように、建築物10の構築が完了すると、次のようにしてタワークレーン1の解体を行う。
【0033】
まず、図2に示すように、本体ジブ8により、解体用ジブ9の主部材91,91を吊り上げ、主部材91の一端を、旋回台6の後部66の前端に揺動可能に連結する。主部材91は、旋回台6の本体ジブ8の揺動支点の両側に設けられた軸穴に、揺動軸を挿通させて旋回台6に連結する。これにより、主部材91は、本体ジブ8の両側に配置される。主部材91を旋回台6に連結すると、主部材91の長手方向中央よりも先端側に一端が固定された仮ガイロープ92を、トラス7の上端のシーブ93を介して掛け渡し、仮ガイロープ92の他端を旋回台6の後部に固定する。仮ガイロープ92の他端側には、仮ガイロープを伸張させるターンバックル94が設けられている。図3は、主部材91を旋回台6に連結し、主部材91を仮ガイロープ92で起伏させた様子を示す側面図であり、図4は平面図である。
【0034】
引き続いて、本体ジブ8により、解体用ジブ9の構成部品を旋回台6に吊り上げる。この後、本体ジブ8を略水平に起伏させ、本体ジブ8を作業床として、解体用ジブ9を組み立てる。解体用ジブ9の組み立ては、2つの主部材91を接続部材で接続して行う。接続部材は、主部材91の先端を互いに連結する先端連結部材96や、主部材91の長さ方向に渡って互いに連結するラチス部材97を用いる。先端連結部材96やラチス部材97を、ボルト又はピンで主部材91に取り付けることにより、解体用ジブ9の組み立てを容易に行うことができる。図5は、理解容易のため、本体ジブ8の一部の図示を省略して、主部材91に先端連結部材96やラチス部材97を取り付けた様子を示す平面図である。本体ジブ8を作業床に用いるため、作業員の落下防止のための手摺81を本体ジブ8の上部に設置する。2つの主部材91を接続部材で接続することにより、長さが約20m以下の小型の解体用ジブ9が完成する。
【0035】
この後、本体ジブ8に掛けられていた巻上げワイヤを取り外し、解体用ジブ9に巻き上げワイヤを掛ける。解体用ジブ9に掛けた巻き上げワイヤは、巻上ウインチ62にローピングする。引き続いて、解体用ジブ9に掛けた巻上げワイヤの先端のフックに玉掛けワイヤを吊り下げ、玉掛けワイヤで本体ジブ8を吊る。この後、本体ジブ8に掛けられていた起伏ワイヤを取り外し、解体用ジブ9に起伏ワイヤを掛け、解体用ジブ9に掛けた起伏ワイヤを起伏ブロック95に接続する。引き続いて、解体用ジブ9の仮ガイロープを取り外す。図6は、起伏ワイヤが掛けられた解体用ジブ9により本体ジブ8を吊った様子を示す図である。
【0036】
この後、巻上ウインチ62を巻き出し駆動し、必要に応じて起伏ウインチ63を駆動させ、図7の側面図に示すように解体用ジブ9で本体ジブ8を建築物10の屋上に吊り下ろす。建築物10の屋上に吊り下ろした本体ジブ8は、小型の解体用クレーン等で分解して地表面に吊り下ろし、建設現場から搬出する。この際、小型の移動式クレーン等に代えて、屋上の解体用ジブ9を利用することも可能である。このように、本体ジブ8を、解体用クレーンを用いることなく吊り下ろすことができるので、解体用クレーンをタワークレーンに隣接して設置する必要が無いから、少ない敷地により長大な本体ジブ8の解体及び搬出を行うことができる。なお、本体ジブ8は、建築物10の屋上以外に、地表面に吊り降ろして分解を行っても良い。この場合においても、大型の解体用クレーンを用いることなく本体ジブ8を吊り下ろすことができるので、敷地に制限がある場合であっても、小型の移動式クレーン等により本体ジブ8を分解して搬出することができる。
【0037】
本体ジブ8に替えて解体用ジブ9を取り付けたクレーン本体31により、本体ジブ8の解体を完了すると、クレーン本体31をマストと切り離して建築物10の屋上に移動させる。まず、図8の側面図及び図9の平面図に示すように、建築物10の屋上のスラブ11の開口12を掛け渡すようにレール14,14を敷設する。このレール14,14には複数のころを等間隔で回転自在に装着しておく。そしてクレーン本体31の荷重をレール14,14のころで支持する。これと共に、クレーン本体31をマスト2から切り離す。続いて、クレーン本体31を、レール14,14に沿って水平移動させ、建築物10の屋上のスラブ11上に配置する。クレーン本体31は、人力により移動させることができるが、ウインチ62,63を利用してクレーン本体31を水平移動させてもよい。
【0038】
図10に示すように、クレーン本体31を建築物10の屋上のスラブ11上に水平移動させた後、クレーン本体31の構成部品のうち、重量が比較的大きい旋回軸受61を撤去する。まず、旋回台6の後部66の後端に、後方に延びる延長部材67を取り付ける。この延長部材67と旋回台6の後部66の下方に支持部材15,15を配置した後、トラス7の斜部材72の下端を、旋回台6の前部65の前端から延長部材67の後端に付け替える。この後、旋回台6の前部65と後部66を切り離し、解体用ジブ9により、旋回台6の前部65と旋回軸受61を吊り下ろす。こうして、図11に示すように、重量が比較的小さい部品により構成されるクレーン本体32が建築物10の屋上に残留する。軽量となったクレーン本体32により、建築物10の吹き抜け内部に残留したマスト2を解体する。マスト2の解体は、マスト2を構成するマスト部材22を上端から順次取り外し、解体用ジブ9で一旦屋上まで吊り上げ、この吊り上げ状態のまま建築物10の外側に移動させ、その後に地表面に吊り下げることにより行う。建築物10の外側へのマスト部材22の移動は、レール(レール14とは別のレール)に沿ったクレーン本体32の水平移動と解体用ジブ9の起伏動作を組み合わせて行うことができる。この際、直線状のレール、或いは直線状のレールに組み合わせるようにして、水平面内で円弧状に屈曲したいわゆる曲がりレールを直線状のレールに組み合わせるようにして採用すれば、クレーン本体32の水平移動範囲の自由度を高めることができる。なお、図10の旋回台6の前部65と旋回軸受61を分離する前のクレーン本体31によりマスト2の解体を行い、マスト2の解体の後に、旋回台6の前部65と旋回軸受61を分離して吊り下ろしてもよい。
【0039】
マスト2の解体が完了すると、クレーン本体32を解体する。クレーン本体32の解体は、クレーン本体32よりも小型の解体クレーンを建築物10の屋上に設置して行う。クレーン本体32は、重量が比較的小さい部品で構成されているので、従来よりも小型の解体クレーンによって解体を行うことができる。解体クレーンにより、旋回台6の後部66などのクレーン本体32の構成部品を順番に地上に吊り下げ、クレーン本体32の解体が完了すると、次に解体クレーンを分解する。解体クレーンは、従来のタワークレーンの解体に用いられるものよりも小型であるので、分解後の解体クレーンの構成部品は、建築物10のエレベータで下ろすことができる。
【0040】
以上のように、本実施形態のタワークレーンの解体方法は、長大の本体ジブ8を小型の解体用ジブ9に交換し、解体用ジブ9によって本体ジブ8を吊り下ろすので、解体用クレーンの設置用の敷地や本体ジブ8の解体用の敷地に制限がある場合においても、従来よりも少ない手間により、迅速かつ安価にタワークレーンを解体することができる。また、本体ジブ8の解体を、解体用ジブ9を用いて行うことができるので、本体ジブ8を吊り下ろした建築物10の屋上に、解体用クレーンを設置する必要が無い。したがって、本体ジブ8を少ない手間とコストで解体することができる。
【0041】
また、本実施形態のタワークレーンの解体方法は、クレーン本体31を建築物10の屋上に移動させ、重量が比較的大きい旋回軸受61を分離してクレーン本体32で吊り下ろし、重量が比較的小さい部材で構成されたクレーン本体32によりマスト2の解体等を行うので、使用後のクレーン本体32を小型の解体クレーンにより容易に解体して撤去することができる。したがって、タワークレーンを、従来よりも少ない工数と費用で解体することができる。
【0042】
また、タワークレーン1の解体のために大型又は中型の解体用クレーンを設置する必要がないので、外構工事の進捗や立地条件等により、大型又は中型の解体用クレーンを搬入及び設置することが困難な場合においても、少ない工数により迅速かつ安価にタワークレーン1の解体及び撤去を行うことができる。
【0043】
上記実施形態では、建築物10の吹き抜け部の地表面に基礎21を設置し、この基礎21の上にマスト部材22を継ぎ足すと共にクレーン本体3が上昇するマストクライミング式のタワークレーンについて説明したが、建築物の床スラブにマストの基礎を設置し、建築物の床スラブを構築するに伴ってマストの基礎を上階の床スラブに盛り換えてクレーン本体を上昇させるフロアクライミング式のタワークレーンに適用することもできる。この場合、解体用ジブ9の先端が建築の外側まで延びるようにしておく。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】タワークレーンを示す図である。
【図2】解体用ジブの主部材を旋回台に取り付けた様子を示す図である。
【図3】主部材を旋回台に連結して仮ガイロープで起伏させた様子を示す側面図である。
【図4】主部材を旋回台に連結して仮ガイロープで起伏させた様子を示す平面図である。
【図5】解体用ジブの組み立てが完了した様子を示す平面図である。
【図6】解体用ジブで本体ジブを吊った様子を示す図である。
【図7】解体用ジブで本体ジブを建築物の屋上に吊り下ろす様子を示す平面図である。
【図8】クレーン本体を建築物の屋上に移動させる工程を示す側面図である。
【図9】クレーン本体を建築物の屋上に移動させる工程を示す平面図である。
【図10】建築物の屋上に移動したクレーン本体を示す側面図である。
【図11】旋回台の前部と旋回軸受を撤去したクレーン本体を示す側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 タワークレーン
2 マスト
3 クレーン本体
4 クライミングフレーム
5 アウトマスト
6 旋回台
7 トラス
8 本体ジブ
9 解体用ジブ
31 解体用ジブが取り付けられたクレーン本体
32 旋回台の前部と旋回軸受が撤去されたクレーン本体
14 レール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ジブにより解体用ジブの構成部材を吊り上げる解体用ジブ吊上工程と、
吊り上げた解体用ジブの主部材の一端を、旋回台に揺動可能に取り付ける解体用ジブ取付工程と、
解体用ジブを組み立てる解体用ジブ組立工程と、
本体ジブに掛けられた巻上ワイヤ及び起伏ワイヤを解体用ジブに掛け替えるワイヤ掛替工程と、
解体用ジブにより本体ジブを吊り下ろす本体ジブ吊下工程と、
旋回台をマストから切り離す切り離し工程と、
マストから切り離された旋回台をクレーン本体と共に建築物の屋上に配置したレールに沿って水平移動させる移動工程と、
建築物の屋上に移動したクレーン本体により、マストを分解して吊り下ろすマスト分解工程と
を備えることを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項2】
請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、
クレーン本体の旋回台に設置されたトラスの斜材の下端を、旋回台の旋回軸受が設けられた側から巻上ウインチが設けられた側に付け替える斜材付替工程と、
クレーン本体の旋回台を、旋回軸受が設けられた前部と、ジブの支点及び巻上ウインチが設けられた後部とに分離させる分離工程と、
分離工程で分離された旋回台の前部と旋回軸受を、クレーン本体により吊り下ろす前部吊下工程と、
を備えることを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項3】
請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、
解体用ジブ組立工程を、水平に起伏させた本体ジブを作業床として行うことを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項4】
請求項3に記載のタワークレーンの解体方法において、
解体用ジブ取付工程で、解体用ジブの2つの主部材を本体ジブの両側に配置し、主部材の一端を旋回台の両側に夫々取り付け、
解体用ジブ組立工程で、2つの主部材を接続部材で接続することを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項5】
請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、
解体用ジブ取付工程で、解体用ジブと旋回台との間にトラスを介して仮ガイロープを掛け渡し、
仮ガイロープを伸張して解体用ジブを水平に起伏した状態で解体用ジブ組立工程を行い、
ワイヤ掛替工程で、仮ガイロープを取り外すことを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項6】
請求項5に記載のタワークレーンの解体方法において、
仮ガイロープは、旋回台側に設けられた起伏用のターンバックルにより、解体用ジブを起伏するように形成されていることを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項1】
本体ジブにより解体用ジブの構成部材を吊り上げる解体用ジブ吊上工程と、
吊り上げた解体用ジブの主部材の一端を、旋回台に揺動可能に取り付ける解体用ジブ取付工程と、
解体用ジブを組み立てる解体用ジブ組立工程と、
本体ジブに掛けられた巻上ワイヤ及び起伏ワイヤを解体用ジブに掛け替えるワイヤ掛替工程と、
解体用ジブにより本体ジブを吊り下ろす本体ジブ吊下工程と、
旋回台をマストから切り離す切り離し工程と、
マストから切り離された旋回台をクレーン本体と共に建築物の屋上に配置したレールに沿って水平移動させる移動工程と、
建築物の屋上に移動したクレーン本体により、マストを分解して吊り下ろすマスト分解工程と
を備えることを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項2】
請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、
クレーン本体の旋回台に設置されたトラスの斜材の下端を、旋回台の旋回軸受が設けられた側から巻上ウインチが設けられた側に付け替える斜材付替工程と、
クレーン本体の旋回台を、旋回軸受が設けられた前部と、ジブの支点及び巻上ウインチが設けられた後部とに分離させる分離工程と、
分離工程で分離された旋回台の前部と旋回軸受を、クレーン本体により吊り下ろす前部吊下工程と、
を備えることを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項3】
請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、
解体用ジブ組立工程を、水平に起伏させた本体ジブを作業床として行うことを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項4】
請求項3に記載のタワークレーンの解体方法において、
解体用ジブ取付工程で、解体用ジブの2つの主部材を本体ジブの両側に配置し、主部材の一端を旋回台の両側に夫々取り付け、
解体用ジブ組立工程で、2つの主部材を接続部材で接続することを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項5】
請求項1に記載のタワークレーンの解体方法において、
解体用ジブ取付工程で、解体用ジブと旋回台との間にトラスを介して仮ガイロープを掛け渡し、
仮ガイロープを伸張して解体用ジブを水平に起伏した状態で解体用ジブ組立工程を行い、
ワイヤ掛替工程で、仮ガイロープを取り外すことを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【請求項6】
請求項5に記載のタワークレーンの解体方法において、
仮ガイロープは、旋回台側に設けられた起伏用のターンバックルにより、解体用ジブを起伏するように形成されていることを特徴とするタワークレーンの解体方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−64867(P2010−64867A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233478(P2008−233478)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(591165919)株式会社新井組 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(591165919)株式会社新井組 (13)
【Fターム(参考)】
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