説明

タンデム型感光体ユニットおよび画像形成装置

【課題】軽量化および材料コストの低減を図ることができながら、複数の感光ドラムの相対的な位置関係を一定に保つことができる、タンデム型感光体ユニットおよび画像形成装置を提供する。
【解決手段】4つの感光ドラム5は、互いに並列に配置され、第1構造体20に一括して保持されることにより相対的に位置決めされている。各感光ドラム5には、現像カートリッジ7が個別に対応して設けられている。これらの現像カートリッジ7は、第2構造体21に一括して保持される。そして、第1構造体20は、前後方向の後側において、第2構造体21に固定され、前後方向の前側において、第2構造体21に少なくとも前後方向に遊びを有して取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンデム型感光体ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタにおいて、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光ドラムを並列に配置した、いわゆるタンデム型のものが知られている。
【0003】
タンデム型のカラープリンタでは、各感光ドラムに対向して、現像ローラが備えられている。感光ドラムの表面には、静電潜像が形成される。感光ドラムの回転に伴って、静電潜像が現像ローラに対向すると、現像ローラから静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラムの表面にトナー像が形成される。各感光ドラムにそれぞれ対応する色のトナー像が形成され、その各色のトナー像がベルトにより搬送される用紙に重ねて転写されることにより、用紙へのカラー画像の形成が達成される。
【0004】
このようなタンデム型のカラープリンタとして、本体ケーシングに対して、4つの感光ドラムを一体的に着脱可能な構成としたものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
この提案に係る構成では、各感光ドラムを保持するドラムサブユニットと、これらのドラムサブユニットを感光ドラムの軸方向の両側から挟む1対の側板とを備えている。両側板間には、各ドラムサブユニットに対応して、現像ローラを保持する現像カートリッジが着脱可能に装着される。そして、ドラムサブユニット、現像カートリッジおよび1対の側板は、ドラムユニットとして、本体ケーシングに対して着脱可能に装着される。
【0006】
感光ドラムのドラム軸の両端部は、ドラムサブユニットの両側面から外側に突出している。各側板には、4つの軸孔が感光ドラムの並び方向に一定の間隔で形成されている。そして、各軸孔にドラム軸の端部が挿通されることにより、各感光ドラムの位置決めが達成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−72422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
側板は、線膨張係数が比較的低い金属からなる。この金属からなる側板(以下、この項において「金属側板」という。)は、各感光ドラムの相対的な位置関係を一定に保つことができる剛性を有するが、その反面、樹脂で形成された同一形状の側板(以下、この項において「樹脂側板」という。)と比べて重い。また、金属側板は、樹脂側板よりも材料コストが高くつくといった問題もある。
【0009】
そこで、1枚の側板を金属側板および樹脂側板を互いに固定することにより形成し、金属側板に感光ドラムを保持させ、樹脂側板に現像カートリッジなどを保持させることが考えられる。この構成では、樹脂側板を一部に採用した分、側板の軽量化および材料コストの低減を図ることができる。
【0010】
しかしながら、側板の周囲の温度(カラープリンタ内の温度)が変化したときに、金属側板と樹脂側板との間に、金属と樹脂との線膨張係数の差に起因する膨張/収縮量の差が生じる。金属側板と樹脂側板との間に膨張/収縮量の差が生じると、樹脂側板の膨張/収縮につられて金属側板が変形し、各感光ドラムの相対的な位置関係が変化(位置ずれ)するおそれがある。各感光ドラムの相対的な位置ずれは、用紙上での各色トナー像の位置ずれ(色ずれ)を招く。
【0011】
そこで、本発明の目的は、軽量化および材料コストの低減を図ることができながら、複数の感光ドラムの相対的な位置関係を一定に保つことができる、タンデム型感光体ユニットおよび画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、第1の発明は、画像形成装置の装置本体内に装着されるタンデム型感光体ユニットにおいて、互いに並列に配置される複数の感光ドラムと、金属から形成されており、前記感光ドラムの軸線方向に互いに対向して配置され、それぞれ前記感光ドラムの並び方向に延び、各前記感光ドラムの前記軸線方向の両端部を保持して、複数の前記感光ドラムを相対的に位置決めする1対の第1側板と、樹脂から形成されており、前記第1側板を前記軸線方向外側から挟むように配置され、それぞれ前記並び方向に延び、各前記感光ドラムに対応して設けられた複数の現像カートリッジを一括して保持する1対の第2側板とを備え、前記第2側板の前記並び方向一端部には、前記第1側板へ向かうように、前記軸線方向内側へ突出する一端側ボスが形成され、前記第2側板の前記並び方向他端部には、前記第1側板へ向かうように、前記軸線方向内側へ突出する他端側ボスが形成され、前記第1側板の前記並び方向一端部には、前記第2側板の前記一端側ボスが遊びのない状態で嵌合される一端側ボス孔が形成され、前記第1側板の前記並び方向他端部には、前記第2側板の前記他端側ボスが、前記軸線方向および前記並び方向の両方と直交する方向において、遊びのない状態で嵌合され、かつ、前記並び方向において、遊びを有して嵌合される他端側ボス孔が形成されていることを特徴としている。
【0013】
また、第2の発明は、画像形成装置であって、装置本体と、前記装置本体内に装着される、上記したタンデム型感光体ユニットとを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明および第2の発明によれば、複数の感光ドラムは、互いに並列に配置され、第1側板に一括して保持されることにより相対的に位置決めされている。各感光ドラムには、現像カートリッジが個別に対応して設けられている。これらの現像カートリッジは、第2側板に一括して保持される。
【0015】
そして、第1側板は、感光ドラムの並び方向(以下、この項において「並び方向」という。)の一端側において、第2側板に固定され、並び方向の他端側において、第2側板に対して少なくとも並び方向に遊びを有して取り付けられている。
【0016】
そのため、タンデム型感光体ユニットの周囲の温度の変化に伴い、第1側板と第2側板との間に膨張/収縮量の差が生じても、その差を第2側板に対する第1側板の遊び量で吸収することができる。
【0017】
その結果、第2側板の膨張/収縮につられて第1側板が変形することを防止でき、第1側板に保持された各感光ドラムの相対的な位置関係(ドラムピッチ)を一定に保つことができる。
【0018】
また、感光ドラムと異なり、複数の現像カートリッジは、それらの相対的な位置関係はさほど重要でないので、現像カートリッジを保持する第2側板を樹脂などで形成することにより、第2側板の材料として金属を用いる場合と比較して、タンデム型感光体ユニットの軽量化および材料コストの低減を図ることができる。
【0019】
よって、タンデム型感光体ユニットの軽量化および材料コストの低減を図ることができながら、周囲の温度変化などにかかわらず、複数の感光ドラムの相対的な位置関係を一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るカラープリンタの側断面図である。
【図2】図2は、図1に示すドラムユニットの左前上側から見た斜視図である。
【図3】図3は、図1に示すドラムユニットの右前上側から見た斜視図である。
【図4】図4は、図1に示すドラムユニットの右側面図である。
【図5】図5は、図4に示す切断線V−Vにおけるドラムユニットの断面図である。
【図6】図6は、図1に示すドラムユニットを感光ドラムの軸線方向内側から左側に見た側面図である。
【図7】図7は、図2に示す第2構造体を感光ドラムの軸線方向内側から右側に見た側面図である。
【図8】図8は、図5に示す感光ドラム、ドラムサブユニットおよび第1構造体の左前上側から見た斜視図である。
【図9】図9は、図5に示す感光ドラム、ドラムサブユニットおよび第1構造体の右前上側から見た斜視図である。
【図10】図10は、図2に示す第2構造体の左前上側から見た斜視図である。
【図11】図11は、図3に示す第2構造体の右前上側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.カラープリンタの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るカラープリンタの側断面図である。
【0022】
画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。装置本体の一例としての本体ケーシング2内には、タンデム型感光体ユニットの一例としてのドラムユニット3が装着されている。このドラムユニット3は、本体ケーシング2の一方側面に設けられたフロントカバー4を開けて、本体ケーシング2に対して着脱可能となっている。
【0023】
なお、以下の説明において、フロントカバー4が設けられる側(図1における右側)を前側(正面側)とし、その反対側(図1における左側)を後側(背面側)とする。また、カラープリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。以下では、左右方向を幅方向という。ドラムユニット3に関しては、特に言及がない限り、本体ケーシング2に対する装着状態での方向を基準に説明する。
【0024】
ドラムユニット3は、ユニットフレーム19を備えている。ユニットフレーム19には、4つの感光ドラム5、4つのドラムサブユニット6および4つの現像カートリッジ7が保持されている。
【0025】
感光ドラム5は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色に対応して設けられ、前後方向に沿って、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に、互いに前後方向に等間隔を隔てて並列的に配置されている。
【0026】
各ドラムサブユニット6は、各感光ドラム5に対応して設けられ、その対応する感光ドラム5の後側に配置されている。ドラムサブユニット6は、帯電器の一例としてのスコロトロン型帯電器8およびクリーニングブラシ9を保持している。
【0027】
各現像カートリッジ7は、各感光ドラム5に対応して設けられ、その対応する感光ドラム5の前側に配置されている。現像カートリッジ7には、供給ローラ10および現像ローラ11などが保持されている。また、現像カートリッジ7内には、各色のトナーが収容されている。
【0028】
ドラムユニット3の上方には、各色に対応した4本のレーザービームを出射する露光器12が配置されている。なお、露光器12に代えて、4つのLEDアレイが各感光ドラム5に対応して設けられてもよい。
【0029】
感光ドラム5の回転に伴って、感光ドラム5の表面は、スコロトロン型帯電器8によって一様に帯電された後、露光器12からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光により、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。そして、感光ドラム5の回転に伴って、静電潜像が現像ローラ11に対向すると、供給ローラ10を介して、現像ローラ11から静電潜像にトナーが供給され、感光ドラム5の表面にトナー像が形成される。
【0030】
本体ケーシング2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット13が配置されている。給紙カセット13に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト14上に搬送される。搬送ベルト14は、4つの感光ドラム5に下方から対向して配置されている。各感光ドラム5に対して搬送ベルト14の上側部分を挟んで対向する各位置には、転写ローラ15が配置されている。搬送ベルト14上に搬送された用紙Pは、搬送ベルト14の走行により、搬送ベルト14と各感光ドラム5との間を順次に通過する。そして、感光ドラム5の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、転写ローラ15に印加された転写バイアスによって、用紙Pに転写される。
【0031】
搬送ベルト14に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着器16が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着器16に搬送される。定着器16では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ17に排出される。
2.ドラムユニット
図2は、図1に示すドラムユニットの左前上側から見た斜視図である。図3は、図1に示すドラムユニットの右前上側から見た斜視図である。図4は、図1に示すドラムユニットの右側面図である。図5は、図4に示す切断線V−Vにおけるドラムユニットの断面図である。図6は、図1に示すドラムユニットを感光ドラムの軸線方向内側から左側に見た側面図である。図7は、図2に示す第2構造体を感光ドラムの軸線方向内側から右側に見た側面図である。
【0032】
図2および図3に示すように、ドラムユニット3のユニットフレーム19は、第1構造体20および第2構造体21を備えている。
(1)第1構造体
図8は、図5に示す感光ドラム、ドラムサブユニットおよび第1構造体の左前上側から見た斜視図である。図9は、図5に示す感光ドラム、ドラムサブユニットおよび第1構造体の右前上側から見た斜視図である。
【0033】
図8および図9に示すように、第1構造体20は、幅方向に対向する1対の第1側板22を備えている。1対の第1側板22間には、4つの感光ドラム5および4つのドラムサブユニット6が一括して保持されている。
(1−1)第1側板
左右の各第1側板22は、同一のプレス型を用いた金属板のプレス加工により作製され、同一の形状を有している。
【0034】
第1側板22は、前後方向に延びる略細長矩形板状に形成されている。第1側板22の前端部は、後側下方から前側上方に向けて斜めに延びている。この第1側板22の前端部には、第1側板の前端部が延びる方向に間隔を空けた2つの位置に、それぞれ第1ボス孔26が前後方向に延びる長孔として形成されている。また、上側の第1ボス孔26の上方には、第2ボス孔27が前後方向に延びる長孔として形成されている。また、第2ボス孔27の前方には、支持軸挿通孔28が形成されている。各第1側板22の支持軸挿通孔28には、支持軸54が挿通され、これにより、それらの第1側板22間には、支持軸54が架設されている。さらに、上側の第1ボス孔26の後側下方には、ボス挿通孔29が丸孔として形成されている。
【0035】
第1側板22の後端部は、側面視略L字状に形成されている。この第1側板22の後端部には、前上がりに傾斜する方向に間隔を空けた2つの位置に、それぞれ第3ボス孔30A,Bが形成されている。上側の第3ボス孔30Aは、長孔として形成されている。また、下側の第3ボス孔30Bは、丸孔として形成されている。また、上側の第3ボス孔30Aの下方の位置であって、下側の第3ボス孔30Bの前方の位置には、第4ボス孔31が丸孔として形成されている。また、上側の第3ボス孔30Aの後方の位置であって、下側の第3ボス孔30Bの上方の位置には、連結ボス孔32が丸孔として形成されている。
【0036】
第1側板22の中間部(前端部と後端部との間)には、4つの円形のドラム保持孔33が形成されている。ドラム保持孔33は、第1側板22における前端部と後端部との間において、前後方向に互いに一定間隔を空けて形成されている。各ドラム保持孔33には、リング状の軸受部材34が相対回転不能に嵌合されている。
【0037】
各ドラム保持孔33の前側上方の位置には、その上端縁から側面視略三角形状に切り欠かれることにより、現像受け入れ溝35が形成されている。現像受け入れ溝35は、ドラムユニット3(第2構造体21)に現像カートリッジが装着された状態で、現像カートリッジ7の下端部を非接触状態で受け入れる。
【0038】
また、各ドラム保持孔33の前方の位置には、側面視略三角形状の三角孔37が形成されている。各三角孔37には、図9に示すように、除電光透過部材46が挿通されている。除電光透過部材46は、側面視略半円形状の棒状部材であり、感光ドラム5の回転軸線と平行に延びている。
【0039】
各三角孔37の後側上方の位置には、前上がりに傾斜する方向に間隔を空けた2つの位置に、それぞれボス孔18が形成されている。
【0040】
また、各ドラム保持孔33の下方には、第1側板22を下端縁から切り欠いた形状の係止溝42が形成されている。この係止溝42には、後述するクリップ部材43の遊端部が係止される。
(1−2)ドラムサブユニット
ドラムサブユニット6は、図8および図9に示すように、1対の第1側板22間に架設されており、幅方向において間隔を隔てて対向配置される1対のサイドフレーム23と、各サイドフレーム23間に架設されるセンターフレーム24とを備えている。
【0041】
サイドフレーム23は、樹脂からなり、側面視略三角形板状に形成されている。サイドフレーム23には、2本のボス25が幅方向外方に突出して形成されている。2本のボス25は、第1側板22におけるサイドフレーム23と対向する位置に形成されているボス孔18にそれぞれ嵌合されている。これにより、ドラムサブユニット6は、第1側板22に対して位置決めされ、その状態でねじ36により第1側板22に対して固定されている。
【0042】
また、図9に示すように、右側のサイドフレーム23には、スコロトロン型帯電器8に電源を供給するための帯電電極の一例としての帯電ワイヤ電極38および帯電グリッド電極39が設けられている。これらの帯電ワイヤ電極38および帯電グリッド電極39は、サイドフレーム23の右側面から右方に向けて突出し、ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着された状態で、後述する本体ケーシング2内に設けられた本体側帯電電極93に接続される。
【0043】
センターフレーム24は、樹脂からなり、平面視において幅方向に細長い矩形状に成形されている。センターフレーム24には、図1に示すように、スコロトロン型帯電器8と、感光ドラム5の表面のクリーニングのためのクリーニングブラシ9が保持されている。
【0044】
各ドラムサブユニット6が1対の第1側板22間に架設されることにより、第1側板22および4つのドラムサブユニット6による梯子状の構造物が形成される。
(1−3)感光ドラム
感光ドラム5は、図8および図9に示すように、1対の第1側板22間に架設されており、円筒状のドラム本体40と、ドラム本体40の両端部にそれぞれ相対回転不能に嵌合される2つのフランジ部材41とを備えている。
【0045】
ドラム本体40は、その最表層が正帯電性の感光層により形成される。
【0046】
フランジ部材41は、樹脂材料からなり、ドラム本体40の両端部に、その一部が挿入されている。左側のフランジ部材41には、感光ドラム5の軸方向外側(左側)の端面に、受動溝44が形成されている。この受動溝44には、ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着された状態で、後述する本体ケーシング2内に設けられたドラム駆動入力部94が接続される。
【0047】
また、右側のフランジ部材41には、図9に示すように、右側の軸受部材34から延びる接地軸45が幅方向に貫通されている。接地軸45は、図示しないアース板と接触している。この接地軸45の右側端部には、金属製のクリップ部材43が係止されている。クリップ部材43は、側面視コ字状に形成されており、その各遊端部が第1側板22の係止溝42に係止されている。これにより、感光ドラム5は、接地軸45およびクリップ部材43を介して接地される。
【0048】
左右のフランジ部材41は、左右の軸受部材34によって、第1側板22に対して回転可能に支持されている。
(2)第2構造体
図10は、図2に示す第2構造体の左前上側から見た斜視図である。図11は、図3に示す第2構造体の右前上側から見た斜視図である。
【0049】
第2構造体21は、側面視で前後方向に延びた形状を有し、第2ビーム部材の一例としてのフロントビーム51、第1ビーム部材の一例としてのリヤビーム52および左右1対の第2側板53を備えており、四角枠状の枠体をなしている。第2構造体21には、4つの現像カートリッジ7が一括して保持される。
(2−1)フロントビーム
フロントビーム51は、樹脂からなる。フロントビーム51は、図10および図11に示すように、1対の第2側板53の前端部間に架設されている。
【0050】
また、フロントビーム51には、幅方向中央部に、手前側把持部56が一体的に形成されている。
【0051】
フロントビーム51の幅方向の両側面には、図6に示すように、前上がりに傾斜する方向に間隔を空けた2つの位置に、それぞれ円筒形状の連結ボス57が幅方向外側に向けて突出して形成されている。連結ボス57は、第1側板22のボス挿通孔29よりも小さい外径を有し、そのボス挿通孔29に挿通される。
【0052】
また、フロントビーム51の幅方向の両側面には、前上がりに傾斜する方向に間隔を空けた2つの位置に、それぞれ円筒形状の第1側板用ボス63が幅方向外側に向けて突出して形成されている。各第1側板用ボス63は、第1側板22の第1ボス孔26の短手方向(上下方向)の幅より小さい径を有している。
【0053】
第1側板用ボス63は、第1側板22の各第1ボス孔26に挿通される。第1側板用ボス63が円筒形状に形成され、第1ボス孔26がそれぞれ前後方向に延びる長孔として形成されているため、第1側板用ボス63は、第1ボス孔26に対して前後方向に遊びを有している。
(2−2)リヤビーム
リヤビーム52は、樹脂からなる。リヤビーム52は、図10および図11に示すように、1対の第2側板53の後端部間に架設されている。
【0054】
リヤビーム52の幅方向中央部には、背面視略U字状の奥側把持部60が一体的に形成されている。
【0055】
リヤビーム52の幅方向の両側面には、図6に示すように、それぞれ連結ボス58が幅方向外側に向けて突出して形成されている。連結ボス58は、第1側板22の連結ボス孔32の内径よりも小さい径を有する円筒形状に形成されている。
【0056】
また、リヤビーム52の幅方向の両側面には、前上がりに傾斜する方向に間隔を空けた2つの位置に、それぞれ第1側板用ボス62が幅方向外側に向けて突出して形成されている。第1側板用ボス62は、第1側板22の第3ボス孔30A,Bの内径とほぼ同じ外径を有する円筒形状に形成されている。そして、第1側板用ボス62は、第1側板22の第3ボス孔30A,Bに対してそれぞれ挿通されている。
(2−3)第2側板
第2側板53は、たとえば、繊維強化樹脂からなる。第2側板53は、図6に示すように、第1側板22と比較して、上下方向に幅広かつ前後方向にほぼ同じ長さを有する側面視略細長矩形板状に形成されている。第2側板53の前端部および後端部は、図10および図11に示すように、それぞれフロントビーム51およびリヤビーム52に対向している。
【0057】
第2側板53の上端部には、前後方向にわたって幅方向外側に延びる鍔部65が形成されている。鍔部65は、本体ケーシング2内に設けられるころ部材(図示せず)に対して、上方からスライド自在に当接する。これにより、第2構造体21(ドラムユニット3)を本体ケーシング2内に対してスムーズに出し入れすることができる。
【0058】
また、第2側板53には、各現像カートリッジ7(図1参照)が第2構造体21(ドラムユニット3)に装着された状態で、各現像カートリッジ7の側面に形成された検知窓77(図1参照)と幅方向に対向する位置に、検知光通過孔78が幅方向に貫通して形成されている。
【0059】
第2側板53の前端部には、図7に示すように、フロントビーム51の第1側板用ボス63とそれぞれ幅方向に対向する位置に、第1ボス孔68が形成されている。上側の第1ボス孔68は、丸孔として形成されている。また、下側の第1ボス孔68は、前側上方に向けて延びる長孔として形成されている。これらの第1ボス孔68にフロントビーム51の第1側板用ボス63が挿通されることにより、フロントビーム51が第2側板53に対して位置決めされる。
【0060】
また、第2側板53の前端部には、フロントビーム51の連結ボス57(図6参照)とそれぞれ幅方向に対向する位置に、ねじ孔67が形成されている。ねじ孔67に対して幅方向外側からねじ59が挿通され、このねじ59がフロントビーム51の連結ボス57に螺着されることにより、フロントビーム51が第2側板53に対して固定される。また、第2側板53の前端部には、ねじ孔67の下方に支持軸54(図8および図9参照)が挿通される支持軸挿通孔55が形成されている。
【0061】
第2側板53の内側面において、第1側板22の第4ボス孔31と幅方向に対向する位置には、第1側板用ボス75が幅方向内側に向けて突設されている。また、第2側板53の内側面において、第1側板22の第2ボス孔27と幅方向に対向する位置には、第1側板用ボス76が幅方向内側に向けて突設されている。
【0062】
第2側板53の後端部には、図7に示すように、リヤビーム52の連結ボス58(図6参照)と幅方向に対向する位置に、ねじ孔67が形成されている。ねじ孔67に対して幅方向外側からねじ61が挿通され、このねじ61がリヤビーム52の連結ボス57に螺着されることにより、リヤビーム52が第2側板53に対して固定される。
【0063】
また、第2側板53の後端部には、その後端縁から略三角形状に切り欠いた形状の切欠部70が形成されている。また、切欠部70に対応して、第1側板22の後端部には、ドラムユニット3が組み立てられたときに第2側板53の切欠部70と重なる位置に、切欠部70とほぼ同形状の切欠部71(図6参照)が形成されている。切欠部71は、ドラムユニット3が本体ケーシング2に対して装着された状態で、本体ケーシング2に設けられた本体基準軸(図示せず)を受け入れて、その本体基準軸に上方および前方から当接する。
【0064】
第2側板53の幅方向内側の面(左側の第2側板53の右側面、右側の第2側板53の左側面)には、左右の第2側板53間に対する現像カートリッジ7の着脱を案内するための4つのカートリッジ案内部72が前後方向に互いに一定間隔を空けて形成されている。カートリッジ案内部72は、第2側板53の内側面から幅方向内側に向かって突出し、互いに間隔を隔てて形成される2本の突条から形成される。カートリッジ案内部72は、第2側板53の上端部から後側下方に向けて一定勾配で傾斜している。
【0065】
カートリッジ案内部72の下端部には、カートリッジ保持部73が一体的に形成されている。カートリッジ保持部73は、感光ドラム5の中心と現像ローラ11の中心を結んだ線に並行に形成され、その下端部が感光ドラム5の装着位置に向けて開放されている。カートリッジ案内部72の下端縁は、第1側板22の現像受け入れ溝35と幅方向において対向している。
【0066】
第2側板53の内側面の上端部において、各カートリッジ案内部72の後方には、現像カートリッジ7を下方に向けて押圧するためのカートリッジ押圧部材74が設けられている。
(2−3−1)左側の第2側板
左側の第2側板53には、図10に示すように、各感光ドラム5の軸方向左端部を露出させるドラムカップリング挿通孔81が形成されている。
【0067】
各ドラムカップリング挿通孔81は、第2側板53の下端部において、前後方向に沿って互いに間隔を隔てて4つ形成されている。このドラムカップリング挿通孔81は、各感光ドラム5の軸方向左端部および第1側板22に設けられたドラム保持孔33と幅方向に対向する位置において、厚さ方向を貫通する丸孔として形成され、後述する本体ケーシング2内に設けられたドラム駆動入力部94(図5参照)に対向する。また、ドラムカップリング挿通孔81は、フランジ部材41(図8参照)の外径よりも大きく、左側の軸受部材34(図8参照)の外径よりも小さな径を有している。
【0068】
また、左側の第2側板53には、各カートリッジ案内部72の上下方向の途中部に、それぞれ現像カップリング挿通孔82が形成されている。左右の第2側板53間に各現像カートリッジ7が装着された状態で、各現像カップリング挿通孔82には、現像カートリッジ7の左側面に設けられたカップリング受動ギヤ(図示せず)が対向する。
(2−3−2)右側の第2側板
右側の第2側板53には、図7および図11に示すように、4つの帯電ワイヤ電極開口部83、4つの帯電グリッド電極開口部84、4つの除電光通過孔85および4つの現像電極86が形成されている。
【0069】
各帯電ワイヤ電極開口部83は、カートリッジ案内部72の上端部の後方において、第1側板22(図6参照)の上端面よりも上方に配置されている。帯電ワイヤ電極開口部83には、スコロトロン型帯電器8(図1参照)のワイヤ電極への給電のための帯電ワイヤ電極38(図9参照)が対向し、帯電ワイヤ電極開口部83は、その帯電ワイヤ電極38を露出させる。
【0070】
各帯電グリッド電極開口部84は、各カートリッジ案内部72の下端部の後方に配置されている。帯電グリッド電極開口部84には、スコロトロン型帯電器8(図1参照)のグリッド電極への給電のための帯電グリッド電極39が対向し、帯電グリッド電極開口部84は、その帯電グリッド電極39を露出させる。
【0071】
除電光通過孔85は、各帯電グリッド電極開口部84の後側斜め下方に配置されている。この除電光通過孔85は、除電光透過部材46(図3参照)と対向する位置において、厚さ方向を貫通する角孔として形成されている。ドラムユニット3の外側に設けられる図示しない除電ランプから出射された除電孔が、除電光通過孔85を通過して除電光透過部材46(図9参照)を介して感光ドラム5の周面に供給されることにより、感光ドラム5の周面が露光され、感光ドラム5の周面に残留した正電荷が除電される。
【0072】
現像電極86は、各カートリッジ案内部72の前側であって、各現像カートリッジ7がドラムユニット3に装着された状態で、各現像カートリッジの側面に設けられるカートリッジ電極(図示せず)と幅方向に対向する位置に設けられている。この現像電極86には、後述する本体ケーシング2内に設けられた本体側現像電極92(図5参照)が接続される。これにより、現像電極86を介してカートリッジ電極と本体側現像電極92との電気的な導通を達成することができる。
3.第1構造体および第2構造体の連結構造
第1構造体20は、第2構造体21の1対の第2側板53、フロントビーム51およびリヤビーム52により構成される枠体の内側に配置される。
【0073】
より具体的には、図6に示すように、第1側板22の前端部がフロントビーム51と幅方向に対向し、第1側板22の後端部がリヤビーム52と幅方向に対向する位置に配置される。
【0074】
そして、第1側板22の第1ボス孔26には、フロントビーム51の第1側板用ボス63が前後方向に遊びを有して挿通される。第1側板用ボス63の先端部は、前述したように、第2側板53の第1ボス孔68に挿通される。また、第1側板22の支持軸挿通孔28には、支持軸54(図2および図3参照)が挿通される。さらに、第1側板22のボス挿通孔29には、連結ボス57が遊びを有して挿通される。
【0075】
一方、第1側板22の第3ボス孔30A,Bには、リヤビーム52の第1側板用ボス62が挿通される。また、第1側板22の連結ボス孔32には、連結ボス58が挿通される。
【0076】
また、図5に示すように、第2構造体21の第2側板53は、第1側板22を幅方向外側から挟むように配置されている。第2側板53の第1側板用ボス75(図7参照)は、第1側板22の第4ボス孔31(図6参照)に対して遊びのない状態で嵌合される。また、第2側板53の第1側板用ボス76(図7参照)は、第1側板22の第2ボス孔27(図6参照)に対して前後方向に遊びを有して嵌合される。
【0077】
これにより、第1側板22(第1構造体20)の後端部は、リヤビーム52および第2側板53(第2構造体21)に対して固定され、第1側板22の前端部は、上下方向に位置決めされた状態で、フロントビーム51および第2側板53に対して前後方向に遊びを有して取り付けられている。
【0078】
また、図5に示すように、第1側板22の後端部は、第2側板53とリヤビーム52とに幅方向から挟まれた状態で固定されている。一方、右側の第1側板22の前端部は、第2側板53との間に幅方向に隙間91が形成される状態で介在され、左側の第1側板22の前端部は、フロントビーム51との間に幅方向に隙間91が形成される状態で介在されている。
4.本体ケーシングの内部構造
図5に示すように、本体ケーシング2内には、押圧部材の一例としての本体側現像電極92、押圧部材の一例としての本体側帯電電極93およびドラム駆動入力部94が備えられている。本体側現像電極92、本体側帯電電極93およびドラム駆動入力部は、ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着された状態で、ドラムユニット3に対して進退可能に設けられている。
【0079】
本体側現像電極92は、ドラムユニット3が本体ケーシング2に装着された状態で、第2構造体21の右側の第2側板53に設けられた各現像電極86に対して右側から対向するように配置されている。ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着されると、本体側現像電極92は、各現像電極86に向けて左側に進出し、各現像電極86に対して電気的に接続される。その後、さらに本体側現像電極92が左側に進出することにより、現像電極86を介して第2構造体21が左方に押圧される。これにより、第2構造体21の幅方向の位置決めが達成される。
【0080】
本体側帯電電極93は、ドラムユニット3が本体ケーシング2に装着された状態で、第1構造体20のドラムサブユニット6の右側のサイドフレーム23に設けられた各帯電ワイヤ電極38および帯電グリッド電極39に対して右側から対向するように配置されている。ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着されると、本体側帯電電極93は、各帯電ワイヤ電極38および各帯電グリッド電極39に向けて左側に進出し、各帯電ワイヤ電極38および各帯電グリッド電極39に対して電気的に接続される。その後、さらに本体側帯電電極93が左側に進出することにより、ドラムサブユニット6を介して第1構造体20が左方に押圧される。これにより、第1構造体20の幅方向の位置決めが達成される。
【0081】
ドラム駆動入力部94は、ドラムユニット3が本体ケーシング2に装着された状態で、感光ドラム5の左側のフランジ部材41(図8および図9参照)に対して左側から対向するように配置される。ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着されると、ドラム駆動入力部94は、各フランジ部材41に向けて右側に進出し、各フランジ部材41の受動溝44(図8参照)に接続される。これにより、感光ドラム5に対して駆動力を伝達することができる。
【0082】
ドラムユニット3の本体ケーシング2内に対する装着の際には、まず、本体ケーシング2のフロントカバー4が開かれる。そして、ドラムユニット3の第2側板53の鍔部65の後端縁がころ部材(図示せず)に対して上側から当接される。その後、ドラムユニット3が後方へ移動されることにより、第2側板53の鍔部65がころ部材上をスライドして、ドラムユニット3が本体ケーシング2内へ案内される。第1側板22の切欠部71(図8参照)が本体ケーシング2内の後側に幅方向にわたって架設された本体基準軸(図示せず)に当接すると、それ以上のドラムユニット3の押し込みが規制される。これにより、ドラムユニット3の本体ケーシング2内に対する装着が完了する。
5.作用効果
以上のように、4つの感光ドラム5は、互いに並列に配置され、第1構造体20(1対の第1側板22)に一括して保持されることにより相対的に位置決めされている。各感光ドラム5には、現像カートリッジ7が個別に対応して設けられている。これらの現像カートリッジ7は、第2構造体21に一括して保持される。そして、第1構造体20は、前後方向の後側において、第2構造体21に固定され、前後方向の前側において、第2構造体21に対して前後方向に遊びを有して取り付けられている。そのため、ドラムユニット3の周囲の温度の変化に伴い、第1構造体20と第2構造体21(第2側板53)との間に膨張/収縮量の差が生じても、その差を第2構造体21に対する第1構造体20の遊び量で吸収することができる。その結果、第2構造体21の膨張/収縮につられて第1構造体20が変形することを防止でき、第1構造体20に保持された各感光ドラム5の相対的な位置関係(ドラムピッチ)を一定に保つことができる。
【0083】
また、感光ドラム5と異なり、4つの現像カートリッジ7は、それらの相対的な位置関係はさほど重要でないので、現像カートリッジ7を保持する第2構造体21を樹脂で形成することにより、第2構造体21の材料として金属を用いる場合と比較して、ドラムユニット3の軽量化および材料コストの低減を図ることができる。
【0084】
よって、ドラムユニット3の軽量化および材料コストの低減を図ることができながら、周囲の温度変化などにかかわらず、4つの感光ドラム5の相対的な位置関係を一定に保つことができる。
【0085】
また、フロントビーム51の第1側板用ボス76は、第1側板22の第2ボス孔27に対して上下方向に固定されている。そのため、第1構造体20は、第2構造体21に対して、上下方向に固定されている。その結果、第1構造体20と第2構造体21との間に上下方向のがたつきが生じるのを防止することができる。
【0086】
第1構造体20および第2構造体21は、それらの側面形状が前後方向に延びているので、第1構造体20および第2構造体21間に生じる前後方向の膨張/収縮量の差は、第1構造体20および第2構造体21間に生じる上下方向の膨張/収縮量の差よりも大きい。第1構造体20が第2構造体21に対して前後方向に遊びを有して取り付けられているので、その前後方向の大きな膨張/収縮量の差を遊び量で上手く吸収することができる。その結果、第1構造体20に保持された各感光ドラム5の相対的な位置関係を一定に保つことができる。
【0087】
また、第1構造体20は、1対の第1側板22を備えている。1対の第1側板22は、幅方向に互いに対向して配置され、それぞれ前後方向に延びて形成されている。各感光ドラム5は、その幅方向の両端部が各第1側板22に保持されることにより、1対の第1側板22間に架設されている。第2構造体21は、フロントビーム51、リヤビーム52および1対の第2側板53からなる枠体であり、各第2側板53が第1構造体20(第1側板22)に対して幅方向の外側から対向するように配置されている。そして、各第1側板22の後端部は、第2側板53とリヤビーム52とに挟まれている。これにより、前後方向の後側において、第1側板22を第2構造体21に対して固定させることができる。一方、各第1側板22の前端部は、第2側板22またはフロントビーム51との間に隙間91が形成される状態で、フロントビーム51と第2側板53との間に介在されている。これにより、前後方向の前側において、第1側板22を第2構造体21に対して遊びを有した状態で取り付けることができる。
【0088】
また、第1側板22は、金属からなる。これにより、第1側板22が金属よりも高い線膨張係数を有する樹脂からなる場合と比較して、第1側板22の膨張/収縮(変形)を抑制することができる。一方、第2側板53は、樹脂からなる。これにより、第2側板53が金属からなる場合と比較して、第2側板53の材料コストを低く抑えることができる。そして、金属からなる第1側板22と樹脂からなる第2側板53との間に、金属と樹脂との線膨張係数の差に起因する膨張/収縮量の差が生じても、その差を第2構造体21に対する第1側板22の遊び量で吸収することができる。
【0089】
また、各第1側板22は、同一のプレス型を用いたプレス加工により形成される。そのため、第1側板22を同じ精度で形成することができる。
【0090】
また、各感光ドラム5に対応して、スコロトロン型帯電器8を保持するドラムサブユニット6が設けられている。各ドラムサブユニット6は、1対の第1側板22間に架設されている。これにより、ドラムサブユニット6を感光ドラム5に対して高い位置精度で配置することができる。そのため、スコロトロン型帯電器8により感光ドラム5の表面を良好に帯電させることができる。
【0091】
また、1対の第1側板22間に4つのドラムサブユニット6が架設されることにより、第1側板22およびドラムサブユニット6による梯子状の構造物が形成されるので、各第1側板22を平行に保つことができる。
【0092】
また、ドラムサブユニット6の右側のサイドフレーム23の右側面には、スコロトロン型帯電器8への給電のための帯電ワイヤ電極38および帯電グリッド電極39が配置されている。これにより、本体ケーシング2から帯電ワイヤ電極38および帯電グリッド電極39を介してスコロトロン型帯電器8に電力を供給することができる。
【0093】
また、各感光ドラム5に対応して、除電光透過部材46が設けられている。各除電光透過部材46は、1対の第1側板22間に架設されている。これにより、除電光透過部材46を感光ドラム5に対して高い位置精度で配置することができる。そのため、除電光透過部材46を透過する光を感光ドラム5の表面に良好に照射することができ、感光ドラム5の良好な除電を達成することができる。
【0094】
また、第2側板53には、第2構造体21に対する現像カートリッジ7の着脱を案内するためのカートリッジ案内部72が形成されている。カートリッジ案内部72の案内により、現像カートリッジ7を第2構造体21に対してスムーズに着脱させることができる。また、カートリッジ案内部72が第1側板22に形成される構成と比較して、第1側板22を簡素な構成とすることができる。その結果、第1側板22の加工コストおよび材料コストのさらなる低減を図ることができる。
【0095】
また、第2側板53には、検知光通過孔78が幅方向に貫通して形成されている。検知光通過孔78は、現像カートリッジ7が第2構造体21に保持された状態で、各現像カートリッジ7内のトナーの量を光学的に検知するための検知光を通過させる。検知光通過孔78が第2側板53に形成されているので、検知光通過孔78が第1側板22に形成される構成と比較して、第1側板22を簡素な構成とすることができる。その結果、第1側板22の加工コストおよび材料コストのさらなる低減を図ることができる。
【0096】
また、右側の第2側板53の幅方向の外側面(右側面)には、現像カートリッジ7の給電のための現像電極86が配置されている。これにより、本体ケーシング2から現像電極86を介して現像カートリッジ7に電力を供給することができる。
【0097】
また、本体ケーシング2内には、第1構造体20および第2構造体21をそれぞれ左側に押圧するための本体側現像電極92および本体側帯電電極93が備えられている。そのため、第1構造体20(第1側板22)と第2構造体21(第2側板53)との間に幅方向に隙間91が生じていても、ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着された状態では、第1構造体20および第2構造体21が左側に押圧されることにより、第1構造体20および第2構造体21を相対的に一定の位置関係をなす位置に配置することができ、また、ドラムユニット3を幅方向において本体ケーシング2内の一定の位置に位置決めすることができる。
【符号の説明】
【0098】
1 カラープリンタ
2 本体ケーシング
3 ドラムユニット
5 感光ドラム
6 ドラムサブユニット
7 現像カートリッジ
8 スコロトロン型帯電器
20 第1構造体
21 第2構造体
22 第1側板
27 第2ボス孔(他端側ボス孔)
31 第4ボス孔(一端側ボス孔)
38 帯電ワイヤ電極
39 帯電グリッド電極
46 除電光透過部材
51 フロントビーム
52 リヤビーム
53 第2側板
72 カートリッジ案内部
75 第1側板用ボス(一端側ボス)
76 第1側板用ボス(他端側ボス)
78 検知光通過孔
86 現像電極
91 隙間
92 本体側現像電極
93 本体側帯電電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体内に装着されるタンデム型感光体ユニットにおいて、
互いに並列に配置される複数の感光ドラムと、
金属から形成されており、前記感光ドラムの軸線方向に互いに対向して配置され、それぞれ前記感光ドラムの並び方向に延び、各前記感光ドラムの前記軸線方向の両端部を保持して、複数の前記感光ドラムを相対的に位置決めする1対の第1側板と、
樹脂から形成されており、前記第1側板を前記軸線方向外側から挟むように配置され、それぞれ前記並び方向に延び、各前記感光ドラムに対応して設けられた複数の現像カートリッジを一括して保持する1対の第2側板と
を備え、
前記第2側板の前記並び方向一端部には、前記第1側板へ向かうように、前記軸線方向内側へ突出する一端側ボスが形成され、
前記第2側板の前記並び方向他端部には、前記第1側板へ向かうように、前記軸線方向内側へ突出する他端側ボスが形成され、
前記第1側板の前記並び方向一端部には、前記第2側板の前記一端側ボスが遊びのない状態で嵌合される一端側ボス孔が形成され、
前記第1側板の前記並び方向他端部には、前記第2側板の前記他端側ボスが、前記軸線方向および前記並び方向の両方と直交する方向において、遊びのない状態で嵌合され、かつ、前記並び方向において、遊びを有して嵌合される他端側ボス孔が形成されていることを特徴とする、タンデム型感光体ユニット。
【請求項2】
各前記第1側板は、同一のプレス型を用いたプレス加工により形成される、請求項1に記載のタンデム型感光体ユニット。
【請求項3】
各前記感光ドラムに対応して設けられ、前記1対の第1側板間に架設されており、前記感光ドラムの表面を帯電させるための帯電器を保持するドラムサブユニットを備えている、請求項1または2に記載のタンデム型感光体ユニット。
【請求項4】
前記ドラムサブユニットの前記軸線方向の一方側面には、前記帯電器への給電のための帯電電極が配置されている、請求項3に記載のタンデム型感光体ユニット。
【請求項5】
各前記感光ドラムに対応して設けられ、前記1対の第1側板間に架設されており、前記感光ドラムを除電するための除電光を透過させる除電光透過部材を備えている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンデム型感光体ユニット。
【請求項6】
前記第2側板には、前記現像カートリッジの着脱を案内するためのカートリッジ案内部が形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタンデム型感光体ユニット。
【請求項7】
前記第2側板には、各前記現像カートリッジが前記第2側板に保持された状態で、各前記現像カートリッジ内の現像剤の量を光学的に検知するための検知光を通過させる検知光通過孔が前記軸線方向に貫通して形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタンデム型感光体ユニット。
【請求項8】
一方の前記第2側板の前記軸線方向の外側面には、前記現像カートリッジへの給電のための現像電極が配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタンデム型感光体ユニット。
【請求項9】
装置本体と、
前記装置本体内に装着される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンデム型感光体ユニットとを備えている、画像形成装置。
【請求項10】
前記装置本体内には、前記第1側板および前記第2側板を、それぞれ前記軸線方向の一方側に押圧するための押圧部材が備えられている、請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−282233(P2010−282233A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213395(P2010−213395)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【分割の表示】特願2008−192788(P2008−192788)の分割
【原出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】