説明

タンデム質量分析

【課題】イオン供給源10、一次飛行時間型手段20、80、フラグメントイオンを生成するための衝突セル40及び二次飛行時間型分析計50を包含する。タンデム質量分析装置の提供。
【解決手段】二次飛行時間型分析計は、装置の光軸に沿って又はそれに対してある角度で二次場を生じるよう配列されるイオン鏡51、52を包含する。一次飛行時間型分析計は、トロイド状又は円筒状静電分析計70の逐次S形立体配置を包含し、2つの静電レンズ80及び96をイオン鏡のどちらかの側に包含し、又は静電レンズ80を包含し得る。時間的収束と共在する空間的収束は、高分解能を生じるために二次場鏡にとっては不可欠な要件である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンデム質量分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオテクノロジー及び生物科学の領域の拡大により、質量分析からの、特に複合体混合物及び微量の、言わばピコモル以下で用いられる小及び中型の大きさの生物分子(100 〜100000 Da )の構造分析に関して、感度に対する要求が増大した。構造情報に関する同一の要求は、合成ポリマーに関しても生じている。
【0003】
このような生物分子及び高分子の伝統的質量分析は、双子型セクター、双子型重極子又はいくつかのハイブリッド組合せ、例えばセクター+四極子から成るタンデム計器により実施された。このような系では、分子は、例えば高速電子衝突(FAB)のようないくつかの技法によりイオン化され、一次質量分析計(MS1)により質量/エネルギー選択され、次いで選択されたイオンはいくつかの中性ガスを含有するセルを通過することにより衝突活性化を受ける。このようにして得られたフラグメントイオンは次に、二次質量分析計(MS2)で分析される。
【発明の開示】
【0004】
本発明によれば、イオン源、一次飛行時間型分析計、一次分析計からイオンを解離してフラグメントイオンを発生させるための手段、及び二次飛行時間型分析計の順次配列を包含するタンデム質量分析装置が提供される。二次飛行時間型分析計は、二次場を適切に反射するよう配列されるイオン鏡から成り、一次飛行時間型分析計は二次場イオン鏡の入口又は入口近くにイオンの空間的集束を提供する静電場手段を包含する。
【0005】
本発明者は、タンデム飛行時間型質量分析装置が特異性及び感度の重要な増大を提供すると認識した。にもかかわらず、慣用的飛行時間型分析計はイオンの空間的拡張を生じ、したがって2つのこのような分析計を直列に使用することは、構造決定に必要な分解能レベルについては実際的でない。二次場(装置の光軸に沿って又はそれと同一角度で)を生じるように配列されるイオン鏡を包含する二次飛行時間型分析計、及びイオン鏡の入口又は入口近くにイオンの空間的集束を提供するための静電場手段を包含する一次飛行時間型分析計の使用により、感度の直接的増大だけでなく高レベルの分解能を提供する有効なイオンタンデム飛行時間型質量分析装置が提供される。
【0006】
イオン鏡は適切な形態をとり、装置の光軸に沿って放物線状の場を生じるよう配列される。イオン鏡は二次場に近似し、入口、出口及び他の場所で場を縁取る作用を容認する。
【0007】
イオン源は、イオンのパルス化ビーム又は連続ビームを提供する。パルス化は、エレクトロスプレーのような連続供給源をパルス化するか、又はマトリックス関連レーザー脱着/イオン化(MALDI)のような固有パルス化法を用いて、例えば質量範囲100 〜100000 Da で分子の無傷分子イオンを提供することにより達成し得る。イオンのパルスにイオンを圧縮又は集束するための手段が提供される。集束手段はイオンのパルスをより短い持続時間のイオンパルスに圧縮するか、又は連続ビームをパルス化ビームに変換する。集束は、一次質量分析計の前、一次質量分析計の後、又は両方で起こる。
【0008】
イオン「集束器」と組合せて用いられるこの種のイオン鏡は、飛行時間型を基礎にした公知のタンデム質量分析系によって得られるものと比較して、質量分解能を大きく改良させる。イオン鏡を使用すれば、いかなる逆戻りも必要とせずに、質量スペクトルを検出できるし、、質量スペクトルを絶対精度で容易に校正し得る。
【0009】
イオン鏡を通したイオンの飛行時間はその質量対電荷比に依っており、そのエネルギーとは完全に無関係であるため、イオンに及ぼすイオン「集束器」の作用による、そしてフラグメンテーションの一部としてのエネルギーの分配によるそのエネルギーの非常に実質的な拡散を蒙る場合でさえ、高度の質量分析が得られる。
【0010】
イオン「集束器」は、「集束器」区域を限定する静電手段を包含し、それにより一次質量分析計によって選択されたイオンのパルスを「集束器」区域に入れる入口と、それによりパルスを「集束器」区域に出す出口を有する。静電手段は、「集束器」区域に入ったパルス中のイオンに静電加速力を適用するよう作用し、それにより、「集束器」区域の出口からのそれらの距離に比例して、イオンを高エネルギーに加速する。
【0011】
好ましくは、一次質量分析計は、光軸に対して直角な拡散、機械の光軸に沿った拡散、パケット内のイオンのエネルギーの拡散及び時間の収束に関して等圧イオンパケットの収束を提供し得る飛行時間型(TOF)分析手段を包含する。
【0012】
好ましくは、一次分析計は、逐次S形立体配置の複数のトロイド状又は円筒状静電分析計を包含する。この装置は、解離セルに収束した空間のある点で異なる質量のイオンの場合とはやがては離れる特定の点に収束等圧イオンパケットを提供する。さらにそれは、三重等時性収束という利点を有する。
【0013】
別の実施態様において、一次飛行時間型手段は、静電レンズの後にイオン鏡を包含する。好ましくは、一次飛行時間型手段はイオン鏡の後に二次静電レンズをさらに包含する。イオン鏡は実質的光学強度が0であるグリッド付きでない平面鏡である。さらに別の実施態様では、一次飛行時間型手段は、静電レンズを包含する。その時、イオン源は静電レンズにイオンを加速するための静電手段を含有する。この配列は少数の成分しか含まず、設定するのが相対的に簡単である。静電レンズは、ポテンシャル上昇時に軸方向対称体を包含し得る。一次飛行時間型手段に関して記載された構造は、分解能の有意の改良を生じる空間的収束を可能にする。空間的収束の概念は、この分野においては有意の進歩である。
【0014】
本発明の3つの実施態様を、実施例により添付の図面を参照しながら、ここに説明する。
【0015】
図1を参照すると、タンデム質量分析系は、「集束器」10、飛行時間型分析計20、イオンレンズL及びそらせ板D1 、イオン「集束器」30、イオンが解離するセル40、そらせ板D2 並びにTOF(飛行時間型)分析のための二次場イオン鏡を装備したパルス化イオン源又は連続供給源の連続配列を包含する。
【0016】
イオン源10により生成されるイオンは、短パルスで、典型的には300 〜500 ns未満の持続時間で質量分析計20に入れられる。
【0017】
検査中の標本は、どちらもパルス化モードで発生させ得るレーザービーム又はイオンビームを用いてイオン化し得る。イオン化ビームを生成するパルスは、相対的に短い持続時間を有し、その結果生じるイオンは、静電抽出場を用いて飛行時間型分析計20に入れるために、供給源から抽出される。あるいは、より長いイオン化パルスを用い得るが、この場合、抽出場がパルス化される。分析計20は、選定された質量対電荷比を有するイオンだけを選択するように向けられる。
【0018】
レーザーパルスの例では、パルスは標的物質をイオン化し、揮発させて、一次飛行時間型ステージ20に対する測時を開始する。一次飛行時間型質量分析計20は、図2に示すような波状経路で次へと供給する「S」形立体配置の4つのトロイド状静電分析計を包含する。そらせ板D1 は一次検出器、即ち一次質量分析計の末端及び衝突セル40の前のイオン増倍器でビームを再収束する。次に、予備飛行時間型スペクトルを記録する。この予備実験からの測時は、所望の質量のイオンパケットを解離セル40に入らせるそらせ板D1 の脱活性化を測時するために用いられる。あるいは、全質量の全イオンを解離セルに入らせる。衝突活性化後、フラグメントイオンを二次飛行時間型質量分析器50に進めた後、チャンネルプレート又は他の検出器集成装置で質量分離及び検出を実施する。
【0019】
2組の静電そらせ板D1 及びD2 を用いて、イオン鏡50の入口での入射の角度を制御して、感度を最適化する。
【0020】
TOF質量分析計の最適質量分解能Rがイオンパルスの持続時間又は時間幅ΔTに並びに分析計を通過するイオンの飛行時間Tに関係することは公知であり、それらは以下のように表される:
【数1】

【0021】
したがって、質量分解能Rは、イオンパルスの時間幅ΔTができるだけ短い場合に改良される。例えば、TOF質量分析計50の飛行経路に入っているイオンは、典型的には、10 keVのオーダーのエネルギーを有し、飛行経路が1m である場合には、質量5000で5000の分解能は、パルス幅ΔTが14 ns 又はそれ未満のオーダーを有する場合にのみ達成される。
【0022】
イオン集束器を初期段階で用いる場合には、質量選択イオンパケットは、予備的飛行時間型スペクトルを用いて圧縮されて、解離セル40内の焦点で空間的又は時間的に拡散したイオンを圧縮する作用を有する集束器10を横切る勾配を成したパルスを測時する。
【0023】
あるいは、全(親及び生成物質)イオンの飛行時間を供給源から測時し得る。この場合、そらせ板D1 を用いない。満足すべきスペクトルが得られた後、親イオンに付与される運動エネルギーは、別の飛行時間型実験のために少量ずつ変えられる。この二次実験では、親イオン飛行時間はエネルギーシフトに関連した時間だけ変えられるが、しかしフラグメントイオンの飛行時間は、そのそれぞれの親イオンとの関係で固定されたままである。これは、個々の親イオンに関連した各組のフラグメントが識別可能であるため、全親イオンフラグメンテーションを同時に分析可能にする。
【0024】
イオン集束器30は、供給源10により生成されたイオンパルスをもっと短い持続時間のパルスに圧縮するために、イオンレンズLとTOF質量分析計50との間に提供される。
【0025】
図3に示すように、イオン「集束器」30は、通常は基底ポテンシャルで保持される1対の電極P1 、P2 を包含する。質量選択親イオンのパルスをもっと短いパルスに圧縮するために、パルスが電極間の「集束器」区域S1 内に完全に位置する場合には、電極P1 即ち質量分析計20に近いほうの電極を迅速に正電圧V1 (正イオンに対して)に上り勾配にする。
【0026】
この電圧はパルス中の各イオンにイオン鏡50の方向の静電加速力を施し、基底化電極P1 からのその分離に比例する量だけ高エネルギーにイオンを加速する。集束器区域に先ず入り、そして電極P1 により近く存在するパルス中のイオンは、加速場では、後に「集束器」区域に入ったイオンよりも費やす時間が少ない。したがって、「後期イオン」は「初期イオン」を捕まえる傾向がある。パルス中のイオンがすべて実質的に同時にTOF質量分析計の入口に到達するように、2つの電極プレートを分離する距離s、下流プレートとTOF質量分析計50とを分離する距離d、及び電極プレートP1 に適用される電圧V1 を選択する。
【0027】
各パルス中の質量選択イオンに加速電圧V1 を施すことの有意の結果は、それらのエネルギーの有意の拡散を導入することである。例えば、イオン源10により生成されたイオンパルスが、イオン集束器の電極P1 、P2 に及ぶように50mmに亘区域に拡散される場合、イオン鏡50に到達しつつある親イオンのエネルギーは10 keV(これが加速場からのエネルギーを全く受け取らないパルス中の先頭イオンのエネルギーである場合)〜14 keV(加速場から4 keVの最大エネルギーを受け取るパルス中の後尾イオンのエネルギー)の範囲である。
【0028】
圧縮イオンパルス(典型的には10 ns 又はそれ未満の時間幅を有する)は、TOF質量分析計50の入口に位置するセル40を通過する。1つの可能性は、ガス衝突によりイオンを分解することである。別の可能性は、レーザーパルスを用いて圧縮化パルスを構成する質量選択親イオンを解離することである。圧縮化イオンパルスは時間及び空間ともに十分に限定されているため、レーザーパルスは時間焦点での各イオンパルスの到着に一致するよう同時性を持たせ得る。
【0029】
質量選択親イオンの解離により生成されるフラグメントイオンは親イオンと同じ軌道上にあり、したがってイオン鏡50を入れる前に導入される時間拡散はほとんどない。イオン鏡50に導入される未解離前駆体イオン及びフラグメントイオンは2つの理由により、実質的エネルギー拡散を示す。同一質量のイオンは前期のようにイオン集束器の作用により、大きなエネルギー拡散を示す。異なる質量のイオンは異なるエネルギーを有する(質量MF の各フラグメントイオンは、それが得られる前駆体イオン(質量MP )のエネルギーの分画MP /MF を有する)。
【0030】
イオン鏡50の二次場Eは、分析計の飛行経路に導入されるイオンが異なるエネルギーを有する場合でも、高質量分解能が得られるようにする。場領域へのイオンの浸透の深さの一関数として線状に増大する静電反射力Fにイオンをさらす。この力はX方向に作用し(図4)、Z軸からのイオンの分離xに直接比例する大きさを有する。
【0031】
静電反射力Fは以下のように表される:
【数2】

(式中、kは定数であり、qは電荷である)。
【0032】
場領域におけるイオンの動きの等式は、単純な調和運動の減衰に関連したものと類似しており、イオン質量mが入口の点1から反射の点2まで移動する間の時間間隔tは以下の式で示される:
【数3】

【0033】
したがって、イオンは次式により示される総時間間隔t’に関する場領域を占める:
【数4】

【0034】
この結果が示すように、イオンは、その質量対電荷比(m/q)にのみ依っている時間間隔に関する場領域Eを占め、これにより、本例と同様に、それらが異なるエネルギーを有する場合でさえ、その質量対電荷比の一関数としてイオンが互いに識別される。
【0035】
イオン鏡を通過するイオンの飛行時間がYZ面における平面検出器により測定した場合に相対的に大きな角度範囲に及ぶX−Y面での角度偏差とは無関係であるということが判明した。
【0036】
以下、図4のシステムにおける飛行経路について考察する。その後、非解離前駆体イオン〔IP 〕、並びに、それぞれ、質量〔MD (1),MD (2)、ここで、MD (1)>MD (2)である。〕を有する2つの娘イオン〔ID (1),ID (2)〕についても考察する。この例においては、上記イオンは全て同一の電荷をもつと仮定する。
【0037】
最も重い非解離前駆体イオンIP は場領域を通過する最長飛行時間を有し、それらは最外側経路に沿って移動するが、一方軽い娘イオンD (2)は最短飛行時間を有し、それらは低エネルギーを有するために最内側経路を取る。
【0038】
異なる質量を有するイオンは、異なる位置で場領域に存在する。イオンは、例えば時間−焦点面に取り付けられるマルチチャンネル板検出器を用いて検出し得る。
【0039】
前述のように、2組のそらせ板D1 、D2 を用いて、TOF質量分析計に入るイオンの入射角∝を制御し得る。第二の組のそらせ板D2 の特別な機能は、検出器でのイオンの空間的拡散を低減することであり、これにより全イオンが検出される。その終わりまで、そらせ板D2 は全イオンを検出器で受理される静電偏向イオンに当てる。原則として、全質量スペクトルを構成する全非解離前駆体イオン及びフラグメントイオンを収集することができる。
【0040】
この形態のエネルギー非依存性イオン鏡の特徴は、解離セル40を基底ポテンシャルに保持し得ることであり、イオンビームの遅滞及びその後の空間的脱収束の必要がないようにし、あらゆるエネルギー依存性抽出光学の必要がないようにする。
【0041】
さらに別の実施態様では、二次場は軸、例えばX軸について回転対称を有する。このような場は、円錐電極面を有する1つの電極と、円錐電極面に面した双曲線又は球面電極面を有する第二電極から成る電極構造により生成される。第二電極は第一電極に関して遅延ポテンシャルで保持される。
【0042】
上記のようなタンデム質量分析系は、大型分子、例えば生物学的及びポリマー標本の構造分析に特別な用途を見出す。イオン鏡を徹イオンの飛行時間がその質量対電荷比に依っており、そしてそれらのエネルギーとは全く無関係であるため、イオンが前駆体対イオンに及ぼすイオン集束器の作用によるそのエネルギーの実質的拡散を受ける場合でさえ、高度質量分解が得られる。
【0043】
本発明の第二の実施態様をここに記載するが、これは第一の実施態様と似ている。第一の実施態様との差異のみを記載し、等価の特徴に関しては同一参考文献番号を用いる。
【0044】
第二の実施態様は、一次飛行時間型分析計がさらに異なる形態を取ることを除いて第一の実施態様と同一である。等価の特徴に関しては同一参考文献番号を用いる。第二の実施態様の一次飛行時間型質量分析計の最初の部分は、静電レンズ80を包含し、この後に平面イオン鏡が提供され、これは光学強度0を示す。これは2つの平行な平面荷電グリッド92の形態をとり、一方が他方の上に提供される。各グリッドの要素94は、静電レンズ80からのイオンの光学経路に垂直に小さい角度で提供される。イオンは鏡93に反射されて、一次静電レンズ80と同一であるさらに別の静電レンズ96を通り抜ける。次にイオンは解離セル40に向かう。静電レンズ80及び96は必要な空間的収束を達成するのに役立つ。
【0045】
第三の実施態様は第一の実施態様と同様であるが、但し、一次タンデム質量分析計20は4つのトロイド状静電分析計の形態を取らず、その代わりに単一静電レンズ80を包含する。レンズは円筒管の形態で、これは数kVの上昇ポテンシャルで存在し、地面に接続される周囲管状囲い又は遮蔽82を有する。使用に際しては、およそ短い持続時間のレーザーパルスをレンズ86を通して収束させ、標的物質88に向ける。表面の標的物質88の一部を揮発させる。標的物質88上のレーザー収束点に隣接した2つの近い間隔で開口したプレート90は、標的物質イオンの発射「雲」が静電レンズ80及び装置の残りの部分に向けられるように順次反らされるポテンシャルで標的物質と一緒にホモジネートされる。
【0046】
各々の実施態様における一次飛行時間型質量分析計は、二次質量分析計50の入口で、又は入口近くで空間的収束が可能である。時間収束も提供され、これらの特徴により3つの実施態様の装置は既存の装置より優れた分解能の有意の改良を提供し得る。
【0047】
時間収束と共在する空間的収束は、高分解能を示すためには二次場鏡にとって不可欠な要件である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の第一の実施態様によるタンデム質量分析装置の図である。
【図2】図2は、図1の実施態様の一次質量分析計の横断面の平面図である。
【図3】図3は、図1のタンデム質量分析装置に用いられるイオン「集束器」の略図である。
【図4】図は、2次元二次場を有するイオン鏡の1型のそれぞれ横断の横断面図及び透視図を示す。
【図5】図は、本発明の第二の実施態様によるタンデム質量分析装置の図である。
【図6】図は、本発明の第三の実施態様によるタンデム質量分析装置の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン供給源、時間的収束とともに空間的収集を提供する特性を有する一次飛行時間型手段、上記一次飛行時間型手段からイオンを解離してフラグメントイオンを生成するための手段、及び二次飛行時間型手段を順次配列して含むタンデム質量分析装置であって、上記二次飛行時間型手段が、当該装置の光軸に沿って、反射し実質的二次的場を生じるよう配列されるイオン鏡を含み、上記一次飛行時間型手段が、前記イオン鏡の入口又は入口近くにイオンの、時間的収束とともに空間的収束を提供するための静電場手段を含み、そして上記二次飛行時間型手段の時間収束平面内に検出器が配置され、当該時間収束平面が当該装置の光軸に対して垂直である、前記装置。
【請求項2】
前記イオン鏡が、前記装置の光軸に沿って放物線場を生じるよう配列される、請求項1記載のタンデム質量分析装置。
【請求項3】
前記イオン供給源が、イオンのパルス化ビームを発射するよう配列される、請求項1又は2記載のタンデム質量分析装置。
【請求項4】
前記装置が、イオンをイオンのパルスに圧縮又は集束するための手段を含む、請求項1、2又は3記載のタンデム質量分析装置。
【請求項5】
前記イオン供給源及び/又は前記一次飛行時間型手段が、イオンをイオンのパルスに圧縮又は集束するための手段を含む、請求項4記載のタンデム質量分析装置。
【請求項6】
前記イオンをイオンのパルスに圧縮又は集束するための手段が、前記一次飛行時間型手段により選択されたイオンのパルスが集束器区域に入るところの入口、並びに前記パルスが集束器区域を出るところの出口を有する集束器区域を定め、前記集束器区域に入った時に静電加速又は減速力をパルス中のイオンに適用し、それにより前記集束器区域の出口からのそれらの分離に比例してより高又は低エネルギーに当該イオンを加速又は減速するよう操作されうる静電手段を含む、請求項4又は5記載のタンデム質量分析装置。
【請求項7】
前記イオンをイオンのパルスに圧縮又は集束するための手段の静電手段が、前記集束器区域への入口又はそこからの出口に、対応の電極プレートを含む、請求項6記載のタンデム質量分析装置。
【請求項8】
前記一次飛行時間型手段が、前記装置の光軸に対して垂直な拡散、前記装置の光軸に沿った拡散、パケット内のイオンのエネルギーの拡散、及び時間的収束に関して、等圧イオンパケットの収束を提供するよう配列される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンデム質量分析装置。
【請求項9】
前記一次飛行時間型手段が、複数のトロイド状又は円筒状静電装置の逐次S形立体配置を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタンデム質量分析装置。
【請求項10】
前記一次飛行時間型手段が、2、3又は4つの前記静電装置を含む、請求項9記載のタンデム質量分析装置。
【請求項11】
前記一次飛行時間型手段が、静電レンズを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタンデム質量分析装置。
【請求項12】
前記イオン源が、イオンを前記静電レンズ内に加速するための静電手段を含む、請求項11記載のタンデム質量分析装置。
【請求項13】
前記静電レンズが、地面に対して上昇したポテンシャルで軸対称体を含む、請求項11又は12記載のタンデム質量分析装置。
【請求項14】
前記一次飛行時間型手段が、前記静電レンズの後に一次飛行時間型イオン鏡をさらに含む、請求項11、12又は13記載のタンデム質量分析装置。
【請求項15】
前記一次飛行時間型手段が、前記一次飛行時間型イオン鏡の後に二次静電レンズをさらに含む、請求項14記載のタンデム質量分析装置。
【請求項16】
前記一次飛行時間型イオン鏡が、光学強度が実質的に0である平面鏡である、請求項14又は15記載のタンデム質量分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−134893(P2006−134893A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353989(P2005−353989)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【分割の表示】特願平8−500523の分割
【原出願日】平成7年5月31日(1995.5.31)
【出願人】(503183422)ユニバーシティー オブ ワーウィック (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF WARWICK
【Fターム(参考)】