説明

タンパク質およびその基質への、共有結合による機能性基の係留

随意に関心タンパク質と融合させた変異ヒドロラーゼが提供される。この変異ヒドロラーゼは、対応する非変異(野生型)ヒドロラーゼの基質と、野生型ヒドロラーゼと該基質の間で形成される結合よりも安定した結合を形成することができるし、また野生型ヒドロラーゼと比べて2つのアミノ酸置換を含む。1つまたは複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質もまた、本発明の変異ヒドロラーゼと基質の使用方法と共に、提供される。基質と安定した結合を形成しうる融合タンパク質、それに該融合タンパク質を発現する細胞もまた提供される。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I): R-リンカー-A-X
(式中Rは単数または複数の機能性基である; リンカーは単数または複数の環を含む基である; A-Xはデハロゲナーゼの基質である; そしてXはハロゲンである。)
で示される化合物。
【請求項2】
ロードコッカス(Rhodococcus)デハロゲナーゼの基質である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XはClまたはBrである、請求項1〜2のいずれか1項に記載化合物。
【請求項4】
Aは(CH2)nであり、またn=2〜10である、請求項1〜3のいずれか1項に記載化合物。
【請求項5】
リンカーは炭素原子数約2〜約30の二価分枝または非分枝炭素鎖であって、随意に単数または複数の二重または三重結合を含み、また随意に単数または複数のヒドロキシル基またはオキソ基(=O)を置換基として有し、該炭素鎖を構成する単数または複数の炭素原子は随意に非ペルオキシド-O-、-S-または-NH-に置き換わり、また該炭素鎖を構成する単数または複数の炭素原子はアリールまたはヘテロアリール環に置き換わることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載化合物。
【請求項6】
リンカーはRとAを少なくとも12原子だけ分け隔てる、請求項1〜4のいずれか1項に記載化合物。
【請求項7】
Lおよび/またはAは単数または複数のアリールまたはヘテロアリール環を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
少なくとも1つの機能性基はアミノ酸、アミノアシル化tRNA、化学療法薬、キレート剤、タンパク質、糖タンパク質、多糖、酵素、デハロゲナーゼ以外の酵素の基質、酵素阻害物質、自殺基質、補酵素、補因子、ビオチンまたは他のアビジン結合分子、光学検出適性分子、光学検出適性分子の消光剤、核酸分子、金属、ヘム、金属キレート剤、グルタチオン、スクシンイミジルエステルまたはアルデヒド、ヌクレオチド類似体、cAMP、NTA、cAMPのリガンド、ホスファチジルイノシトール、薬物、脂質、固体担体、Ca2+結合分子、K+結合分子、Na+結合分子、pH感受性分子、放射性核種、高電子密度(electron opaque)分子、発色団、MRI造影剤、X線造影剤、NOの存在下で蛍光を発する分子、三重項増感剤、反応性酸素に対して感受性である分子、またはナノ粒子を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
固体担体は表面プラズモン共鳴センサーチップ、磁性体粒子、セファロースビーズ、セルロースビーズまたは導電性担体である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
核酸分子はオリゴヌクレオチド、関心遺伝子に対応するDNA、タンパク質に結合するDNA、関心遺伝子に対応するRNA、終止コドンを欠くmRNA、またはRNAi用2本鎖RNAである、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
タンパク質はimmunoglobin分子である、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
化学療法薬はドキソルビシン、5-フルオロウラシルまたはCPT-11である、請求項8に記載の化合物。
【請求項13】
脂質はポリエチレングリコール修飾リン脂質である、請求項8に記載の化合物。
【請求項14】
三重項増感剤はエオシンまたはマラカイトグリーンである、請求項8に記載の化合物。
【請求項15】
ナノ粒子は免疫金粒子、量子ドット、常磁性体ナノ粒子、またはアップコンバージョンナノ粒子である、請求項8に記載の化合物。
【請求項16】
機能性基はATP、ADP、AMP、GTP、GDP、NADP、NAD+、フラビンアデニンヌクレオチド(FAD)、リン酸ピリドキサル、金属イオン、5'デオキシアデノシルコバラミン、テトラヒドロ葉酸補酵素A、チアミン、リポフラビン、ニコチンアミド、CoAまたは補酵素B12である、請求項8に記載の化合物。
【請求項17】
阻害物質は可逆的酵素阻害物質である、請求項8に記載の化合物。
【請求項18】
阻害物質は非可逆的酵素阻害物質である、請求項8に記載の化合物。
【請求項19】
阻害物質はキャスパーゼ阻害物質、随意に逆転写酵素阻害物質でもあるポリメラーゼ阻害物質、キナーゼ阻害物質、テロメラーゼ阻害物質またはホスファターゼ阻害物質である、請求項8に記載の化合物。
【請求項20】
光学検出適性分子は蛍光団である、請求項8に記載の化合物。
【請求項21】
機能性基はアルキルグアニンDNAアルキルトランスフェラーゼまたはアルキルグアニンDNAアルキルトランスフェラーゼ基質、またはキャスパーゼ基質である、請求項8に記載の化合物。
【請求項22】
2つの機能性基を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
蛍光団とビオチンとを含む、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
少なくとも2つの機能性基が2種類の酵素に対応する基質を含む、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
1つの機能性基はルシフェリン基質であり、別の機能性基はプロテアーゼ基質である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
3つの機能性基を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
3つの機能性基は蛍光団、プロテアーゼ認識部位をもつタンパク質、および該蛍光団に対応する消光剤を含む、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
式(I): R-リンカー-A-X
[式中Rは単数または複数の機能性基であり、リンカーはC、N、SまたはOを含む多原子直鎖または分枝鎖であり、A-Xはデハロゲナーゼ基質であり、またXはハロゲン原子であり、少なくとも1つの機能性基はアミノアシル化tRNA、化学療法薬、キレート剤、光学検出適性分子の消光剤、多糖、表面プラズモン共鳴センサーチップ、セファロースビーズ、セルロースビーズ、導電性担体、ポリエチレングリコール修飾リン、X線造影剤、三重項増感剤、免疫金粒子、量子ドット、常磁性体ナノ粒子、アップコンバージョンナノ粒子、NADP、NAD+、フラビンアデニンヌクレオチド(FAD)、リン酸ピリドキサル、金属イオン、5'デオキシアデノシルコバラミン、テトラヒドロ葉酸補酵素A、チアミン、リポフラビン、ニコチンアミド、CoA、補酵素B12、スクシンイミジルエステルまたはアルデヒド、グルタチオン、ヘム、ATP、ADP、AMP、GTP、GDP、ヌクレオチド類似体、NTA、cAMP、ホスファチジルイノシトール、cAMPのリガンド、自殺基質、アルキルグアニンDNAアルキルトランスフェラーゼ、可逆的酵素阻害物質または非可逆的酵素阻害物質であるか、または2以上の機能性基が存在する場合には、それらの機能性基は随意に蛍光団とビオチンまたは2種類の酵素に対応した2つの基質を含むか、または3以上の機能性基が存在する場合には、それらの機能性基は随意に蛍光団、プロテアーゼ認識部位をもつタンパク質、および該蛍光団に対応する消光剤を含む]
で示される化合物。
【請求項29】
対応する野生型デハロゲナーゼと比べて少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、単数または複数の機能性基を含むデハロゲナーゼ基質と結合を形成する変異デハロゲナーゼであって、該結合は対応する野生型デハロゲナーゼと基質の間で形成される結合よりも安定しており、また変異デハロゲナーゼにおける少なくとも1つのアミノ酸置換は野生型デハロゲナーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または野生型デハロゲナーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であり、また第2の置換は野生型デハロゲナーゼにあって、活性部位ポケット内の、しかも野生型デハロゲナーゼに結合したデハロゲナーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基の置換であることを特徴とする変異デハロゲナーゼ。
【請求項30】
第2の置換は、単数または複数の電荷を導入する、単数または複数の水素結合を導入する、または立体障害を緩和することで、基質との結合を強めるようなアミノ酸の置換である、請求項29に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項31】
少なくとも1つの置換はロードコッカス・ロードクロウス(Rhodococcus rhodochrous)デハロゲナーゼのアミノ酸残基272に対応する位置での置換である、請求項29〜30のいずれ1項に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項32】
アミノ酸残基272に対応する位置の置換アミノ酸はフェニルアラニン、グリシンまたはアラニンである、請求項31に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項33】
少なくとも1つの置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基106に対応する位置での置換である、請求項29〜32のいずれ1項に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項34】
アミノ酸残基106に対応する位置の置換アミノ酸はシステインまたはグルタミン酸である、請求項33に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項35】
第2の置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176または273に対応する位置での置換である、請求項29〜34のいずれ1項に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項36】
アミノ酸残基175に対応する位置の置換アミノ酸はメチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリンまたはシステインであり、アミノ酸残基176に対応する位置の置換アミノ酸はセリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニンまたはアルギニンであり、またはアミノ酸残基273に対応する位置のアミノ酸置換はロイシン、メチオニンまたはシステインである、請求項35に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項37】
野生型デハロゲナーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型デハロゲナーゼに結合したデハロゲナーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基に第3の、また随意に第4の、置換をさらに含む、請求項29〜36のいずれ1項に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項38】
第3または第4の置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176または273に対応する位置での置換である、請求項37に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項39】
アミノ酸残基175に対応する位置の置換アミノ酸はメチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリンまたはシステインであり、アミノ酸残基176に対応する位置の置換アミノ酸はセリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニンまたはアルギニンであり、またはアミノ酸残基273に対応する位置のアミノ酸置換はロイシン、メチオニンまたはシステインである、請求項38に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項40】
単数または複数の関心タンパク質をさらに含み、以って融合タンパク質を生成する、請求項29〜39のいずれ1項に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項41】
対応する野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項29〜40のいずれ1項に記載の変異デハロゲナーゼ。
【請求項42】
対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成する変異ヒドロラーゼであって、また変異ヒドロラーゼにおける1つのアミノ酸置換は野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であり、また第2の置換は野生型ヒドロラーゼにあって、活性部位ポケット内の、しかも野生型ヒドロラーゼに結合したヒドロラーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基の置換であることを特徴とする変異ヒドロラーゼ。
【請求項43】
第2の置換は、単数または複数の電荷を導入する、単数または複数の水素結合を導入する、または立体障害を緩和することで、基質との結合を強めるようなアミノ酸の置換である、請求項42に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項44】
セリン-β-ラクタマーゼではない、請求項42に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項45】
第2の置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176または273に対応する位置での置換である、請求項42〜44のいずれ1項に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項46】
アミノ酸残基175に対応する位置の置換アミノ酸はメチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリンまたはシステインであり、アミノ酸残基176に対応する位置の置換アミノ酸はセリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニンまたはアルギニンであり、またはアミノ酸残基273に対応する位置のアミノ酸置換はロイシン、メチオニンまたはシステインである、請求項45に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項47】
野生型デハロゲナーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型デハロゲナーゼに結合したデハロゲナーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基に第3の、また随意に第4の置換をさらに含む請求項42〜46のいずれ1項に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項48】
第3または第4の置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176または273に対応する位置での置換である、請求項47に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項49】
アミノ酸残基175に対応する位置の置換アミノ酸はメチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリンまたはシステインであり、アミノ酸残基176に対応する位置の置換アミノ酸はセリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニンまたはアルギニンであり、またはアミノ酸残基273に対応する位置のアミノ酸置換はロイシン、メチオニンまたはシステインである、請求項48に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項50】
変異ヒドロラーゼの存在または量を検出または測定するための
a) 請求項42〜49のいずれか1項に記載の変異ヒドロラーゼを、単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質と接触させるステップ; および
b) 該機能性基の存在または量を検出または測定し、以って変異ヒドロラーゼの存在または量を検出または測定するステップ
を含む方法。
【請求項51】
試料中の関心分子、細胞または細胞内小器官を単離するための
a) 請求項42〜49のいずれか1項に記載の変異ヒドロラーゼと単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質とを含み、かつ関心分子、細胞または細胞内小器官と結合するタンパク質を含む融合タンパク質と試料を接触させるステップ; および
b) 該関心分子、細胞または細胞内小器官を単離するステップ
を含む方法。
【請求項52】
少なくとも1つの機能性基は固体担体または固体担体と結合する分子である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
関心分子はタンパク質である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
請求項42〜49のいずれか1項に記載の変異ヒドロラーゼを含む細胞を、単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質と接触させて、細胞を標識するようにするステップを含む細胞標識の方法。
【請求項55】
機能性基の存在または量を検出または測定するステップをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
変異ヒドロラーゼは細胞内または細胞表面に存在する、請求項50〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
変異ヒドロラーゼは単数または複数の関心タンパク質をさらに含み、以って融合タンパク質を生成する、請求項50〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
関心タンパク質はGSTまたはFLAGである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
1つの関心タンパク質は変異ヒドロラーゼを細胞膜または小胞体に誘導する、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
関心タンパク質はインテグリンまたはそのドメイン、カドヘリンまたはそのドメイン、リガンド依存性イオンチャンネルまたはそのドメイン、またはHERGチャンネルまたはそのドメインである、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
融合タンパク質は、変異ヒドロラーゼを小胞体へと誘導するタンパク質とグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)シグナル配列である別のタンパク質という2つの関心タンパク質を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
ヒドロラーゼはデハロゲナーゼである、請求項56〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
少なくとも1つの機能性基はアミノ酸、タンパク質、糖タンパク質、核酸分子、薬物、脂質、ビオチン、固体担体、光学検出適性分子である、請求項50〜62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
少なくとも1つの機能性基は蛍光団である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
基質は2つの機能性基を含む、請求項50〜64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
基質は請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物である、請求項50〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
変異ヒドロラーゼはさらに選択マーカータンパク質を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項68】
基質に含まれる少なくとも1つの機能性基は蛍光団である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
細胞を、基質との接触の前または後に、固定剤と接触させるステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項70】
細胞を基質と接触させるステップと同時並行で細胞を固定剤と接触させるステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項71】
細胞をメタノール、アセトンおよび/またはパラホルムアルデヒドで固定する、請求項69または70に記載の方法。
【請求項72】
変異デハロゲナーゼは特定宿主細胞で発現させるよう最適化した核酸配列によってコードされる、請求項62に記載の方法。
【請求項73】
式XXIX〜XXXIVのいずれかで示される化合物。
【請求項74】
変異ヒドロラーゼは変異デハロゲナーゼであり、また基質は式(I): R-リンカー-A-X
(式中Rは単数または複数の機能性基である; リンカーはRとAを隔てる基である; A-Xはヒドロラーゼの基質である; またXはハロゲンである。)
で示される、請求項50〜72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
リンカーはC、N、SまたはOを含む多原子直鎖または分枝鎖である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
次のステップを含む、変異ヒドロラーゼの存在または量を検出または測定する方法:
a) 変異ヒドロラーゼを、単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質と接触させるステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であり、また該基質は請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物であることを特徴とするステップ; および
b) 該機能性基の存在または量を検出または測定し、以って変異ヒドロラーゼの存在または量を検出または測定するステップ。
【請求項77】
変異ヒドロラーゼは細胞内に存在する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
次のステップを含む、試料中の関心分子、細胞または細胞内小器官を単離する方法:
a) 試料を、変異ヒドロラーゼと単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質とを含む融合タンパク質と接触させるステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であり、該融合タンパク質は関心分子、細胞または細胞内小器官と結合するタンパク質を含み、また該基質は請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物であることを特徴とするステップ; および
b) 該関心分子、細胞または細胞内小器官を単離するステップ。
【請求項79】
次のステップを含む、細胞を標識する方法:
変異ヒドロラーゼを含む細胞を、単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質と接触させて、細胞を標識するようにするステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質と、Rhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼの位置175、176または273に対応するアミノ酸残基においてエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ。
【請求項80】
機能性基の存在または量を検出または測定するステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
請求項42〜49のいずれか1項に記載の変異ヒドロラーゼをコードするポリヌクレオチド。
【請求項82】
対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも2つのアミノ酸置換を含む変異ヒドロラーゼであって、1つの置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基272に対応する位置またはRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基106に対応する位置での置換であり、第2の置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼの位置175、176または273に対応するアミノ酸残基の置換であることを特徴とする変異ヒドロラーゼ。
【請求項83】
さらに第3および随意に第4の置換を位置175、176または273に対応するアミノ酸残基に含む、請求項82に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項84】
Rhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175および272に対応する位置に置換がある変異デハロゲナーゼである、請求項82に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項85】
アミノ酸残基176および/または273に対応する位置に置換をさらに含む、請求項84に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項86】
Rhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175に対応する位置に少なくとも1つの置換を含む熱安定性変異デハロゲナーゼであって、該置換はアミノ酸残基175に対応する位置に変異を含まない変異デハロゲナーゼと比べた場合の熱安定性の向上と相関することを特徴とする熱安定性変異デハロゲナーゼ。
【請求項87】
置換アミノ酸はメチオニンである、請求項86に記載の熱安定性デハロゲナーゼ。
【請求項88】
次のステップを含む、試料中の関心分子、細胞または細胞内小器官を単離する方法:
試料を融合タンパク質と接触させて関心分子、細胞または細胞内小器官を単離しうるようにするステップであって、該融合タンパク質は第1部分と変異ヒドロラーゼとに結合しうる第1タンパク質、第3部分に結合しうる第2部分に連結した単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質、該第3部分と関心分子、細胞または細胞内小器官と結合するタンパク質との融合体、および固定化されたまたは固定化しうる第1部分を含み、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ。
【請求項89】
第1タンパク質はFlagタグまたはGSTである、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
第1部分は抗体またはその断片である、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
第3部分はHisタグである、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
次のステップを含む、関心分子を単離する方法:
a) 単数または複数の融合タンパク質を含む試料であってそのうちの少なくとも1つは変異ヒドロラーゼと関心分子に結合したタンパク質とを含む融合タンパク質である試料と単数または複数のヒドロラーゼ基質を含む固体担体とを準備するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ; および
b) 該試料と該固体担体を接触させて関心分子を単離しうるようにするステップ。
【請求項93】
次のステップを含む、関心タンパク質を単離する方法:
a) 単数または複数の融合タンパク質を含む試料であってそのうちの少なくとも1つは変異ヒドロラーゼと関心タンパク質とを含む融合タンパク質である試料と単数または複数のヒドロラーゼ基質を含む固体担体とを準備するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ; および
b) 該試料と該固体担体を接触させて関心タンパク質を単離しうるようにするステップ。
【請求項94】
関心分子はクロマチンである、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
固体担体は表面プラズモン共鳴チップ、磁性体粒子、膜、ガラス、セルロース、自己組織化単分子膜、マルチウェルプレートのウェル、電子伝導性表面またはアガロースビーズである、請求項92〜94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
複数の融合タンパク質は異なる関心分子にタンパク質を結合させている、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
複数の融合タンパク質は異なる関心タンパク質を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項98】
変異ヒドロラーゼは少なくとも2つの置換を含み、第2の置換は野生型ヒドロラーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型ヒドロラーゼに結合したヒドロラーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基の置換である、請求項92〜97のいずれか1項に記載の変異ヒドロラーゼ。
【請求項99】
第2の置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176または273に対応する位置の置換である請求項98に記載の方法。
【請求項100】
野生型ヒドロラーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型ヒドロラーゼに結合したヒドロラーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基に、第3の、また随意に第4の、置換をさらに含む、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
第2の置換は、単数または複数の電荷を導入する、単数または複数の水素結合を導入する、または立体障害を緩和することで、基質との結合を強めるようなアミノ酸の置換である、請求項98に記載の方法。
【請求項102】
次のステップを含む、単数または複数の関心分子を試料から単離する方法:
a) 変異ヒドロラーゼを含む固体担体、および少なくとも1つは単数または複数の関心分子と結合することができる単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質を準備するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ; および
b) 該試料、該固体担体および該ヒドロラーゼ基質を接触させて単数または複数の関心分子を単離しうるようにするステップ。
【請求項103】
固体担体は磁性体粒子、ナノ粒子、電子伝導性担体、マルチウェルプレートのウェル、表面プラズモン共鳴センサーチップ、ガラス、膜、プラスチック表面またはアルギン酸である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
1つの機能性基はグルタチオン、ビオチンまたは他のアビジン結合分子、金属、NTA、スクシンイミジルエステルまたはアルデヒド、酵素基質、酵素阻害物質、関心遺伝子に対応するDNA、タンパク質に結合するDNA、または関心遺伝子に対応するRNAである、請求項102または103に記載の方法。
【請求項105】
機能性基は可逆的酵素害物質である、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
関心分子はタンパク質またはペプチドと融合している、請求項102に記載の方法。
【請求項107】
タンパク質またはペプチドはGST、FLAG-タグ、Strep-タグ、カルモジュリン結合ペプチド、NuA、マルトース結合ペプチド、ビオチン化ペプチド、チオレドキシン、低分子量のユビキチン様修飾因子またはHis-タグである、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
関心分子はタンパク質、遺伝子、RNAまたはペプチド核酸である、請求項102に記載の方法。
【請求項109】
変異ヒドロラーゼは少なくとも2つの置換を含み、第2の置換は野生型ヒドロラーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型ヒドロラーゼに結合したヒドロラーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基の置換である、請求項102〜108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
第2の置換は、単数または複数の電荷を導入する、単数または複数の水素結合を導入する、または立体障害を緩和することで、基質との結合を強めるようなアミノ酸の置換である、請求項102〜108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
第2の置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176または273に対応する位置の置換である、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
野生型ヒドロラーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型ヒドロラーゼに結合したヒドロラーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基に、第3の、また随意に第4の、置換をさらに含む、請求項102〜110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
次のステップを含む、単数または複数の関心分子を試料から単離する方法:
試料、変異ヒドロラーゼ、および少なくとも1つは関心分子と結合することができる単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質を接触させて単数または複数の関心分子を単離しうるようにするステップであって、試料は変異ヒドロラーゼと少なくとも1つは関心分子と結合することができる単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質を含むか、または試料は少なくとも1つは関心分子および変異ヒドロラーゼと結合することができる単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質を含み、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ。
【請求項114】
次のステップを含む、試料中の単数または複数の関心分子を検出する方法:
a) 試料、変異ヒドロラーゼ、および少なくとも1つは関心分子と結合することができる単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質を接触させるステップであって、試料は変異ヒドロラーゼと少なくとも1つは関心分子と結合することができる単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質を含むか、または試料は少なくとも1つは関心分子および変異ヒドロラーゼと結合することができる単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質を含み、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ; および
b) 関心分子の存在または量を検出または測定するステップ。
【請求項115】
少なくとも1つの反応性基はルシフェリン、プロテアーゼ認識部位、蛍光団、蛍光団の消光剤、DNAまたはRNA、関心遺伝子またはその一部分に対応し随意にタンパク質に結合するDNAまたはRNA、グルタチオン、金属、NTA、スクシンイミジルエステルまたはアルデヒド、酵素基質、酵素阻害物質、ビオチンまたは他のアビジン結合分子、ホスファチジルイノシトール、cAMP対応リガンド、蛍光cAMP、終止コドンを欠くmRNA、またはアミノアシル化tRNAである、請求項113または114に記載の方法。
【請求項116】
関心分子はタンパク質、酵素、cAMP、RNA、DNA、転写複合体、または翻訳複合体である、請求項113または114に記載の方法。
【請求項117】
酵素はキナーゼ、ホスホジエステラーゼまたはプロテアーゼである、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
プロテアーゼはキャスパーゼである、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
キナーゼはホスファチジルイノシトール3キナーゼである、請求項117に記載の方法。
【請求項120】
基質は少なくとも2つの機能性基を含む、請求項113または114に記載の方法。
【請求項121】
1つの機能性基はホスファチジルイノシトールであり、別の機能性基は蛍光団である、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
少なくとも1つの機能性基は関心分子に結合せず、また発光性または蛍光性である、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
関心分子に結合しない少なくとも1つの機能性基ルシフェラーゼ基質である、請求項120に記載の方法。
【請求項124】
少なくとも1つの機能性基は光学検出適性の分子である、請求項113または114に記載の方法。
【請求項125】
少なくとも1つの機能性基は蛍光団である、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
基質は少なくとも3つの機能性基を含む、請求項124に記載の方法。
【請求項127】
変異ヒドロラーゼは少なくとも2つの置換を含み、第2の置換は野生型ヒドロラーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型ヒドロラーゼに結合したヒドロラーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基の置換である、請求項113〜126のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
第2の置換はRhodococcus rhodochrousデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176または273に対応する位置の置換である、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
野生型ヒドロラーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型ヒドロラーゼに結合したヒドロラーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基に、第3の、また随意に第4の、置換をさらに含む、請求項113〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
第2の置換は、単数または複数の電荷を導入する、単数または複数の水素結合を導入する、または立体障害を緩和することで、基質との結合を強めるようなアミノ酸の置換である、請求項113〜129のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
変異ヒドロラーゼは固体担体に結合させる、請求項113に記載の方法。
【請求項132】
基質はホスファチジルイノシトールを含み、また32P、ガリウムIII および/またはNTAを使用してホスファチジルイノシトールキナーゼが検出される、請求項113または114に記載の方法。
【請求項133】
変異ヒドロラーゼを単数または複数のタンパク質に融合し、以って融合タンパク質を生成させる、請求項92、93、102、113または114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
単数または複数のタンパク質はHis-タグ、GST、Stret-タグ、ビオチン、免疫グロブリンまたはその断片、またはカルモジュリン結合タンパク質である、請求項127に記載の方法。
【請求項135】
変異ヒドロラーゼは変異デハロゲナーゼであり、また基質は式(I): R-リンカー-A-X
(式中Rは単数または複数の機能性基であり、リンカーはRとAを隔てる基であり、A-Xはヒドロラーゼ基質であり、またXはハロゲンであって、リンカーはC、N、SまたはOを含む多原子直鎖または分枝鎖であるか、または単数または複数の環を含む基である。)
で示される化合物である、請求項92、93、102、113または114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項136】
次のステップを含む、細胞内の単数または複数の関心分子を検出する方法:
a) 変異ヒドロラーゼを含む細胞を、複数の機能性基であってそのうちの少なくとも第1機能性基は関心分子に結合しその結合により第2機能性基の性質を変化させる機能性基を含むヒドロラーゼ基質と接触させるステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ; および
b) 第2機能性基の存在または量を検出または測定するステップ。
【請求項137】
次のステップを含む、トランスジェニック動物の細胞を標識する方法:
a) トランスジェニック非ヒト動物であってその細胞のゲノムを随意に、変異ヒドロラーゼまたは変異ヒドロラーゼを含む融合タンパク質を随意にターゲッティングペプチドと併せてコードする核酸断片に作動可能に連結した・随意に組織特異的または細胞特異的な・転写調節配列を含む発現カセットにより拡張したトランスジェニック動物を準備するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ; および
b) 該トランスジェニック非ヒト動物またはその細胞を、単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質と接触させるステップ。
【請求項138】
変異ヒドロラーゼを血液細胞の細胞表面で発現させる、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
次のステップを含む、動物を標識する方法:
単数または複数の機能性基を含む変異ヒドロラーゼまたは該変異ヒドロラーゼを含む融合タンパク質を随意にターゲッティングペプチドと併せてコードする核酸断片に作動可能に連結した・随意に組織特異的または細胞特異的な・転写調節配列を入れた発現カセットを含む細胞を、非ヒト動物に導入するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ。
【請求項140】
次のステップを含む、細胞内の単数または複数の関心タンパク質または細胞活性を選択的に阻害する方法:
a) 変異ヒドロラーゼと関心タンパク質とを含む融合タンパク質を含む細胞を含む試料をヒドロラーゼ基質と接触させ、または変異ヒドロラーゼと関心タンパク質とを含む融合タンパク質をコードする発現カセットを細胞をヒドロラーゼ基質と接触させ、以って混合体とするステップであって、該ヒドロラーゼ基質は単数または複数の機能性基を含み、そのうちの少なくとも1つはある種の波長の光を照射されると一重項酸素を生成し、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とするステップ; および
b) 該混合体にある種の波長の光を照射するステップ。
【請求項141】
1つの機能性基はエオシンまたはマラカイトグリーンである、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
変異ヒドロラーゼを含む固体担体であって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とする固体担体。
【請求項143】
磁性体粒子、プラスチック、表面プラズモン共鳴センサーチップ、膜、ガラス、セルロース、自己組織化単分子膜、マルチウェルプレートのウェル、ナノ粒子、アガロースビーズ、または電子伝導性表面である、請求項142に記載の固体担体。
【請求項144】
グルタチオン、NTA、ホスファチジルイノシトール、cAMP、第1ヒドロラーゼ基質以外の酵素基質、酵素阻害物質、ビオチンまたは他のアビジン結合分子、アミノアシル化tRNA、またはスクシンイミジルエステルまたはアルデヒド基を含む第1ヒドロラーゼ基質。
【請求項145】
次のステップを含む、試料中の関心分子を検出する方法:
a) 第1融合タンパク質と第2融合タンパク質とを含む複合体であって、第1融合タンパク質は変異ヒドロラーゼと第3タンパク質に結合しうる第1タンパク質とを含み、第1融合タンパク質中の変異ヒドロラーゼは単数または複数の・うち1つは蛍光団である・機能性基を含む第1基質と結合し、また第2融合タンパク質は第2基質に結合する第2タンパク質と該第3タンパク質とを含み、該第2タンパク質は単数または複数の・うち1つは第1基質の蛍光団を消光するまたは外形公団とは異なる蛍光団である・機能性基を含む第2基質に結合し、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とする複合体を準備するステップ;
b) 該複合体を該試料と合わせるステップ; および
c) 蛍光を検出または測定するステップ。
【請求項146】
次のステップを含む、試料中の関心分子を検出する方法:
a) 第1融合タンパク質と第2融合タンパク質とを含む複合体であって、第1融合タンパク質は変異ヒドロラーゼと第2タンパク質に結合しうる第1タンパク質とを含み、第1融合タンパク質中の変異ヒドロラーゼは単数または複数の・うち1つは蛍光団である・機能性基を含む第1ヒドロラーゼ基質と結合し、また第2融合タンパク質は該第2タンパク質と蛍光または発光レポータータンパク質とを含み、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とする複合体を準備するステップ;
b) 該複合体を該試料と合わせるステップ; および
c) 蛍光および/または発光を検出または測定するステップ。
【請求項147】
第1タンパク質はPKA調節サブユニットまたはPKA触媒サブユニット、またはその部分であって完全長サブユニットと実質的に同じ結合活性を有する部分である、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
関心分子はcAMPである、請求項145または146に記載の方法。
【請求項149】
第2タンパク質は第2基質と安定結合を形成する変異ヒドロラーゼである、請求項145に記載の方法。
【請求項150】
次のステップを含む、細胞中の単数または複数のプロテアーゼを検出する方法:
a) 第1レポーター遺伝子に連結した第1転写抑制因子タンパク質に結合する第1核酸断片に連結した第1プロモーターを含む第1発現カセットと異種プロテアーゼ認識部位を含む第1修飾転写抑制因子タンパク質をコードする第2核酸断片に連結した第2プロモーターを含む第2発現カセットとを含む細胞または細胞溶解液であって、プロテアーゼの不存在下では第1修飾転写抑制因子タンパク質が第1核酸断片に結合し以って第1プロモーターからの転写を抑制することができ、またプロテアーゼの存在下では、第1修飾転写抑制因子タンパク質の第1核酸断片への結合が阻害されることを特徴とする細胞または細胞溶解液を準備するステップ; および
b) 該細胞または細胞溶解液中のレポーター遺伝子の発現を検出または測定するステップであって、レポーターの発現または発現増大はプロテアーゼの存在を示すことを特徴とするステップ。
【請求項151】
次のステップを含む、細胞中の単数または複数のプロテアーゼを検出する方法:
a) 第1レポーター遺伝子に連結した第1転写抑制因子タンパク質に結合する第1核酸断片に連結した第1プロモーターを含む第1発現カセット、該転写抑制因子タンパク質に対応するコード領域に作動可能に連結した融合タンパク質の第1タンパク質に結合する第2核酸断片に連結した第2プロモーターを含む第2発現カセット、および第2核酸断片に結合する第1タンパク質と該第1タンパク質が該第2核酸断片に結合すると該第2プロモーターを活性化する第2タンパク質と含む該融合タンパク質とを含む細胞または細胞溶解液を準備するステップ; および
b) 該細胞または細胞溶解液中のレポーター遺伝子の発現を検出または測定するステップであって、レポーターの発現または発現増大はプロテアーゼの存在を示すことを特徴とするステップ。
【請求項152】
レポーター遺伝子はヒドロラーゼ基質と安定結合を形成するルシフェラーゼまたは変異ヒドロラーゼをコードする、請求項150または151に記載の方法。
【請求項153】
転写抑制因子タンパク質はtet抑制因子またはlac抑制因子タンパク質である、請求項150または152に記載の方法。
【請求項154】
検出または測定の前に、レポーター遺伝子の遺伝子産物に対応する基質を細胞または細胞溶解液に添加する、請求項150または151に記載の方法。
【請求項155】
基質は請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物である、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
融合タンパク質はGa14、プロテアーゼ認識部位およびVP16、ユビキチンの一部、アデニル酸シクラーゼまたはグアニル酸シクラーゼを含む、請求項151に記載の方法。
【請求項157】
細胞は第2レポーター遺伝子に連結した第2転写抑制因子タンパク質に結合する第2核酸断片に連結した第2プロモーターと第2プロテアーゼ認識部位を含む第2修飾転写抑制因子タンパク質とを含む第2発現カセットを含み、該第2修飾転写抑制因子タンパク質は第2核酸断片に結合し以って第2プロモーターからの転写を抑制することができるが、第2プロテアーゼの存在下では第2修飾転写抑制因子タンパク質の第2核酸断片への結合が阻害され、また2種類のプロテアーゼが検出または測定されることを特徴とする、請求項150に記載の方法。
【請求項158】
細胞はさらに、第2レポーター遺伝子に連結した第2転写抑制因子タンパク質に結合する第3核酸断片に連結した第3プロモーターを含む第3発現カセット、および第2転写抑制因子タンパク質に対応するコード領域に作動可能に連結した第2融合タンパク質の第3タンパク質に結合する第4核酸断片に連結した第4プロモーターを含む第4発現カセットを含み、該第2融合タンパク質は第4核酸断片に結合する第3タンパク質、プロテアーゼ認識部位、および該第3タンパク質が該第4核酸断片に結合すると該第4プロモーターを活性化する第4タンパク質と含み、また2種類のプロテアーゼが検出または測定されることを特徴とする、請求項151に記載の方法。
【請求項159】
次のステップを含む、細胞中の単数または複数のプロテアーゼを検出する方法:
a) タンパク質不安定化配列、プロテアーゼ認識部位およびレポータータンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む細胞を準備するステップ; および
b) レポーターの発現を検出または測定するステップであって、レポーターの発現または発現の延長はプロテーゼの存在を示すことを特徴とするステップ。
【請求項160】
タンパク質不安定化配列はPESTを含む、請求項161に記載の方法。
【請求項161】
1つのプロテアーゼはキャスパーゼである、請求項150〜159のいずれか1項に記載の方法。
【請求項162】
レポータータンパク質はヒドロラーゼ基質と安定結合を形成するルシフェラーゼまたは変異ヒドロラーゼをコードする、請求項150〜159のいずれか1項に記載の方法。
【請求項163】
細胞は任意選択のタンパク質不安定化配列、別のプロテアーゼ認識部位および別のレポータータンパク質を含む第2融合タンパク質をコードする核酸に連結された第2プロモーターを含む第2発現カセットをさらに含む、請求項159に記載の方法。
【請求項164】
細胞を単数または複数の作用物質に接触させ、該単数または複数の作用物質がレポーター遺伝子の発現を阻害するか否かを、該単数または複数の作用物質に接触させない細胞との比較で、検出または測定するステップをさらに含む、請求項150〜159のいずれか1項に記載の方法。
【請求項165】
別のレポーター遺伝子の発現を検出または測定し、以って別の分子の存在を検出または測定するステップをさらに含む、請求項150〜152のいずれか1項に記載の方法。
【請求項166】
プロテアーゼは感染因子または生物兵器に対して特異的である、請求項150〜152のいずれか1項に記載の方法。
【請求項167】
少なくとも1つの異種タンパク質不安定化配列、プロテアーゼ認識部位およびレポータータンパク質を含む融合ポリペプチドをコードする核酸配列を含む単離核酸分子であって、該融合ポリペプチドは該異種タンパク質不安定化配列を欠く対応するレポータータンパク質と比べて半減期が短いことを特徴とする単離核酸分子。
【請求項168】
プロモーターは調節可能なプロモーターである、請求項167に記載の単離核酸分子。
【請求項169】
レポータータンパク質はヒドロラーゼ基質と安定結合を形成するルシフェラーゼまたは変異ヒドロラーゼをコードする、請求項167に記載の方法。
【請求項170】
次のステップを含む、タンパク質を標識する方法:
細胞または翻訳反応混合体を、少なくとも1つはアミノアシル化tRNAまたはアミノ酸である単数または複数の機能性基を含むヒドロラーゼ基質に接触させて、新合成タンパク質を標識するようにするステップ。
【請求項171】
新合成タンパク質を、ヒドロラーゼ基質と安定結合を形成する変異ヒドロラーゼと接触させるステップをさらに含み、該変異ヒドロラーゼは随意に固体担体に固定化されており、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とする、請求項171に記載の方法。
【請求項172】
変異ヒドロラーゼは変異デハロゲナーゼであり、また基質は式(I): R-リンカー-A-X
(式中Rは単数または複数の機能性基であり、リンカーはRとAを隔てる基であり、A-Xはヒドロラーゼ基質であり、またXはハロゲンであって、リンカーはC、N、SまたはOを含む多原子直鎖または分枝鎖であるか、または単数または複数の環を含む基である。)
で示される化合物である、請求項136〜171のいずれか1項に記載の方法。
【請求項173】
変異ヒドロラーゼは少なくとも2つの置換を含み、第2置換は野生型ヒドロラーゼの活性部位ポケット内の、しかも野生型ヒドロラーゼに結合したヒドロラーゼ基質の3〜5Å内の、アミノ酸残基の置換である、請求項136〜171のいずれか1項に記載の方法。
【請求項174】
プロモーター、ヒドロラーゼ基質と安定結合を形成する変異ヒドロラーゼに対応するコード領域に作動可能に連結された転写抑制因子タンパク質に結合する核酸断片を含む単離核酸分子。
【請求項175】
試料は生理学的試料である、請求項114に記載の方法。
【請求項176】
関心分子は少なくとも1つの感染因子に対して特異的である、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
次のステップを含む、試料中の単数または複数のプロテアーゼを検出する方法:
a) 第1レポーター遺伝子に連結した第1転写抑制因子タンパク質に結合する第1核酸断片に連結した第1プロモーターを含む第1発現カセットを含む細胞または細胞溶解液を含む試料と異種プロテーゼ認識部位を含む単離された修飾転写抑制因子タンパク質とを含む混合体、または第1レポーター遺伝子に連結した第1転写抑制因子タンパク質に結合する第1核酸断片に連結した第1プロモーターを含む第1発現カセットを含む試料、細胞または細胞溶解液、および異種プロテーゼ認識部位を含む単離された修飾転写抑制因子タンパク質を含む混合体であって、該プロテアーゼの存在下では第1修飾転写抑制因子タンパク質は第1核酸断片に結合し以って第1プロモーターからの転写を抑制することができ、またプロテアーゼの不存在下では、第1修飾転写抑制因子タンパク質の第1核酸断片への結合が阻害されることを特徴とする混合体を準備するステップ; および
b) 該混合体中のレポーター遺伝子の発現を検出または測定するステップであって、第1レポーター遺伝子の発現または発現増大は試料中のプロテアーゼの存在を示すことを特徴とするステップ。
【請求項178】
細胞溶解液はS30、コムギ胚芽、ウサギ網状赤血球、昆虫細胞または哺乳動物細胞の溶解液である、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
次のステップを含む、試料中の単数または複数のプロテアーゼを検出する方法:
a) 転写抑制因子タンパク質遺伝子に連結した転写活性化因子タンパク質に結合する第1核酸断片に連結した第1プロモーターを含む第1発現カセット、レポーター遺伝子に作動可能に連結した転写抑制因子タンパク質に結合する第2核酸断片に連結した第2プロモーターを含む第2発現カセット、およびDNA結合タンパク質、プロテアーゼ認識部位および該転写活性化因子タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸配列に連結した第3プロモーターを含む第3発現カセット含む細胞または細胞溶解液を含む試料を含む混合体を提供するステップ、または試料と転写抑制因子タンパク質遺伝子に連結した転写活性化因子タンパク質に結合する第1核酸断片に連結した第1プロモーターを含む第1発現カセット、レポーター遺伝子に作動可能に連結した転写抑制因子タンパク質に結合する第2核酸断片に連結した第2プロモーターを含む第2発現カセット、およびDNA結合タンパク質、プロテアーゼ認識部位および該転写活性化因子タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸配列に連結した第3プロモーターを含む第3発現カセット含む細胞または細胞溶解液とを含む混合体提供するステップ; および
b) 該混合体中のレポーター遺伝子の発現を検出または測定するステップであって、レポーター遺伝子の発現または発現増大は試料中のプロテアーゼの存在を示すことを特徴とするステップ。
【請求項180】
次のステップを含む、試料中の単数または複数のプロテアーゼを検出する方法:
a) タンパク質不安定化配列、プロテアーゼ認識部位およびレポータータンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸に連結したプロモーターを含む発現カセット含む細胞または細胞溶解液を含む試料を含む混合体を提供するステップ、または試料とタンパク質不安定化配列、プロテアーゼ認識部位およびレポータータンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸に連結したプロモーターを含む発現カセット含む細胞または細胞溶解液とを含む混合体を提供するステップ; および
b) 該混合体中のレポーター遺伝子の発現を検出または測定するステップであって、レポーター遺伝子の発現または発現増大は試料中のプロテアーゼの存在を示すことを特徴とするステップ。
【請求項181】
次のステップを含む、試料中の単数または複数のプロテアーゼを検出する方法:
a) 変異ヒドロラーゼ、プロテアーゼ認識部位およびレポータータンパク質を含む融合タンパク質にヒドロラーゼ基質を結合させて含む固体担体、ヒドロラーゼ基質と変異ヒドロラーゼ、プロテアーゼ認識部位およびレポータータンパク質を含む融合タンパク質とを含む固体担体であって、該変異ヒドロラーゼは随意に固体担体に固定化されており、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であることを特徴とする固体担体を提供するステップ;
b) 試料を、融合タンパク質にヒドロラーゼ基質を結合させて含む固体担体に、または固体担体と融合タンパク質に、接触させるステップ; および
c) レポーター活性を検出または測定するステップ。
【請求項182】
ヒドロラーゼ基質を、細胞の前に、動物に導入する、請求項139に記載の方法。
【請求項183】
ヒドロラーゼ基質を、細胞の後に、動物に導入する、請求項139に記載の方法。
【請求項184】
ヒドロラーゼ基質を細胞に導入した後、該細胞を動物に導入する、請求項139に記載の方法。
【請求項185】
単数または複数の機能性基を検出するステップをさらに含む、請求項138または139に記載の方法。
【請求項186】
試料は単数または複数の単離プロテアーゼを含む、請求項177に記載の方法。
【請求項187】
次のステップを含む、試料中の酵素基質を検出する方法:
a) 試料、単数または複数の融合タンパク質であってそのうちの1つは本発明の変異ヒドロラーゼと該酵素とを含む融合タンパク質、および単数または複数のヒドロラーゼ基質を含む固体担体を準備するステップ、または試料と、単数または複数のヒドロラーゼ基質を単数または複数の融合タンパク質であってそのうちの1つは本発明の変異ヒドロラーゼと該酵素とを含む融合タンパク質に結合させて含む固体担体を準備するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であり、また変異ヒドロラーゼの該ヒドロラーゼ基質への結合は該固体担体の電気化学的性質を変化させることを特徴とするステップ;
b) 試料と固体担体とを接触させるステップ; および
c) 試料中の基質の存在を検出または測定するステップ。
【請求項188】
酵素はオキシダーゼである、請求項187に記載の方法。
【請求項189】
試料は生理液試料である、請求項187または188に記載の方法。
【請求項190】
固体担体は電極または金ナノ粒子である、請求項187〜189のいずれか1項に記載の方法。
【請求項191】
次のステップを含む、試料中の単数または複数のプロテアーゼまたはキナーゼを検出する方法:
a) 試料と、変異ヒドロラーゼとプロテアーゼまたはキナーゼ認識部位とを含む融合タンパク質にヒドロラーゼ基質を結合させて含む固体担体とを準備するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であり、また変異ヒドロラーゼの該ヒドロラーゼ基質への結合は該固体担体の電気化学的性質を変化させることを特徴とするステップ;
b) 試料を、融合タンパク質にヒドロラーゼ基質を結合させて含む固体担体に接触させるステップ; および
c) 試料中のプロテアーゼまたはキナーゼの存在を検出または測定するステップ。
【請求項192】
次のステップを含む、試料中の単数または複数のプロテアーゼまたはキナーゼ阻害物質を検出する方法:
a) 試料、単離プロテアーゼまたはキナーゼ、および変異ヒドロラーゼとプロテアーゼまたはキナーゼ認識部位とを含む融合タンパク質にヒドロラーゼ基質を結合させて含む固体担体を準備するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であり、また変異ヒドロラーゼの該ヒドロラーゼ基質への結合は該固体担体の電気化学的性質を変化させることを特徴とするステップ;
b) 試料、単離プロテアーゼまたはキナーゼ、および融合タンパク質にヒドロラーゼ基質を結合させて含む固体担体を接触させるステップ; および
c) 試料中の単数または複数のプロテアーゼまたはキナーゼ阻害物質を検出または測定するステップ。
【請求項193】
次のステップを含む、2分子の相互作用を検出する方法:
a) 変異ヒドロラーゼと第2タンパク質に結合しうる第1タンパク質とを含む第1融合タンパク質であって、第1融合タンパク質中の変異ヒドロラーゼは、そのうちの1つは蛍光団である単数または複数の機能性基を含む第1ヒドロラーゼ基質に結合させてある第1融合タンパク質、および第2タンパク質と発光または蛍光レポータータンパク質とを含む第2融合タンパク質を準備するステップであって、該変異ヒドロラーゼは対応する野生型ヒドロラーゼと比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、該少なくとも1つのアミノ酸置換の結果として対応する野生型ヒドロラーゼと基質の間で形成される結合よりも安定した結合を基質と形成し、また変異ヒドロラーゼにおける該少なくとも1つのアミノ酸置換は対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質との間で形成される結合を開裂させる水分子の活性化に関連するアミノ酸残基の置換、または対応する野生型ヒドロラーゼにあって基質とエステル中間体を形成するアミノ酸残基の置換であり、また第1タンパク質と第2タンパク質は二量体であることを特徴とするステップ; および
b) 蛍光および/または発光を検出するステップ。

【図1A−B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A−B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図16C】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図17C】
image rotate

【図17D】
image rotate

【図17E】
image rotate

【図17F】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19A】
image rotate

【図19B】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25A】
image rotate

【図25B】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30A】
image rotate

【図30B】
image rotate

【図30C】
image rotate

【図30D】
image rotate

【図31A】
image rotate

【図31B】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35A】
image rotate

【図35B】
image rotate

【図36A−B】
image rotate

【図37A−C】
image rotate

【図38A−B】
image rotate

【図39A−B】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43A−B】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45A−B】
image rotate

【図46A−B】
image rotate

【図46C−D】
image rotate

【図47A−C】
image rotate

【図48A−B】
image rotate

【図48C−D】
image rotate

【図49】
image rotate

【図49】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50A−B】
image rotate

【図50C−D】
image rotate

【図50E−F】
image rotate

【図51A−B】
image rotate

【図52A−C】
image rotate

【図53A−C】
image rotate

【図54A−B】
image rotate

【図55A−B】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59A】
image rotate

【図59B】
image rotate

【図60A】
image rotate

【図60B】
image rotate

【図60C】
image rotate


【公表番号】特表2008−507983(P2008−507983A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523888(P2007−523888)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/027307
【国際公開番号】WO2006/093529
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(593089149)プロメガ コーポレイション (57)
【氏名又は名称原語表記】Promega Corporation
【Fターム(参考)】