説明

タンパク質のミスフォールディングおよび神経保護の制御および使用の方法

ポリヌクレオチド分子および前記分子によりコードされるタンパク質, タンパク質凝集で特徴付けられる神経学的な障害のための診断および治療の方法が提供される。遺伝子が本出願に記載され、これらは凝集傾向のタンパク質(例えば、アルファ-シヌクレイン)のミスフォールディングおよび引き続く凝集に影響し、タンパク質凝集に関連する神経疾患(例えば、パーキンソン病)の診断および治療と関係がある。本出願に記載される遺伝子の発現をRNAiを用いてノックダウンすることによって、タンパク質凝集の線虫モデルにおけるアルファ-シヌクレインのタンパク質凝集が生じる。また、アルファ-シヌクレインの過剰発現後のドーパミン作用性の神経保護は、タンパク質の過剰発現により提供されえる。タンパク質のミスフォールディングおよび凝集に関連している遺伝子の知識によって、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)を治療するための新規の治療的な神経保護の化合物の開発のための診断上のスクリーニング方法, 変異分析およびドラッグデザインの情報を開発するための強力な手段が提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の説明】
【0001】
優先権の主張および関連出願の相互参照
本出願は、2007年8月8日に出願された米国特許仮出願60/964,184号の優先権を主張するものであり、この出願は本明細書に参照によって援用される。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、タンパク質凝集を制御する神経保護タンパク質をコード化しているポリヌクレオチド分子および同じものを使用する方法に関する。より具体的には、本発明は、ポリヌクレオチド分子およびそれらでコードされた神経保護タンパク質を用いてタンパク質のミスフォールディングおよび神経変性を予防する方法および同じことをおこなうための化合物をスクリーン(screen)する方法に関する。
【0003】
[発明の背景]
毒性で凝集する傾向があるタンパク質および幾つかの神経学的な障害(neurological disorders)で生じる可能性があるニューロンの機能不全およびダメージは、かようなコンディションで特徴付けられ。これらには筋萎縮性側索硬化症, アルツハイマー病, パーキンソン病, プリオン病, ポリグルタミン伸長病(polyglutamine expansion diseases), 遺伝性脊髄小脳変性症(spincocerebellar ataxia), 脊髄および延髄性の筋萎縮(spinal & bulbar muscular atrophy), 海綿状脳症, タウオパシー, ハンチントン病,またはジストニー(dystonia)などの障害が含まれる。タンパク質及びそれらをコードしている遺伝子が同定され、これらはこれらの障害の原因である毒性で凝集傾向(aggregation-prone)があるタンパク質をコードしている。正常な代謝性の酵素はタンパク質を再循環し、合成およびデグラデーションの恒久的なサイクルを形成している。これらの遺伝子における変異によって、ミスフォールディングしたタンパク質の異常な蓄積およびデグラデーションが生じる。これらのミスフォールディングしたタンパク質は、ニューロンのダメージの指標であろうニューロン性の封入体(inclusions)およびプラークを生じることが知られている。従って、細胞機構の理解および係るミスフォールディングしたタンパク質の低下, 阻害, および寛解に必要とされる分子ツールの同定は、重要である。さらにまた、ニューロンの生存におけるタンパク質のミスフォールディングおよび凝集の影響を理解することによって、これらの障害の合理的で効果的な治療の開発が可能となる。
【0004】
パーキンソン病は、四肢振戦(limb tremors), 緩徐な運動または無運動(slow or no movement), 四肢の硬直(stiff limbs), ひきずり歩行(shuffling walk), かがんだ姿勢(a stooped posture)で特徴付けられる神経学的な障害である。他の症候には、うつ病(depression), 個性の変化(personality changes), 痴呆, 睡眠障害, 言語障害(speech impairments), 性的不全(sexual difficulties)が含まれえる。これらのコンディションは、進行性にさらに重篤となる。症候は、基底核(basal ganglia)におけるモノアミン作動性の神経変性の結果である。このニューロンの変性は、一般にタンパク質 アルファ-シヌクレインのミスフォールディングおよび引き続く凝集と関連する。黒質(nigra)におけるニューロン変性によって、神経伝達物質(ドーパミン)の低下が導かれ、神経伝達に欠陥を生じ、運動能力の重篤な障害を生じる。
【0005】
アルファ-シヌクレインの変異形態によって、ミスフォールディングの性向が増加し、同様に他のタンパク質の凝集物への取込みが誘導されると考えられる。また、酵素をデグラデーションするタンパク質の欠陥によって、タンパク質の蓄積, 凝集および細胞のホメオスタシスの変更に影響する可能性がある。これらの凝集物は、ローリー体として知られ、主にアルファ-シヌクレインで構成される。神経原線維タングル(neurofibrillary tangles)におけるアルファ-シヌクレインの存在は、アルツハイマー病, ピック病, 進行性の核上性麻痺, および大脳皮質基底核変性症に関係する。
【0006】
神経変性の障害を取り巻く主要な障壁は、ニューロンの変性に影響しているニューロンの環境が臨床の症候が明らかとなるポイントまで進行していることに患者が気づかないことである。臨床の症候が明らかとなるまでに、既に甚だしいニューロンの欠損が存在し、このニューロンの環境は有意にニューロンの生存に敵対するものである。タンパク質凝集またはニューロンの欠損(neuronal loss)の信頼のおける早期の検出方法が欠除していることによって、これらの退行性の疾患が、ニューロン欠損を既に発生していることから治療が無効または不必要であろうポイントまで未監視のまま進行することが許されてしまう。さらにまた、たとえ信頼のおける早期の検出方法が利用可能であるとしても、現行の療法は、これらの神経変性疾患の長期の治療に無効であり、新たな薬物および治療方法を必要としている。
【0007】
異常なタンパク質凝集に関する分子機構およびタンパク質制御因子を理解することが、有意にニューロンが破壊される前の早期ステージでこれらの障害を診断し、薬のデザインおよび開発のモデルシステムを提供するための改善方法を開発するために必要とされる。タンパク質凝集に関する特定の遺伝子および遺伝子産物を標的とする化合物が、スクリーンされ、モデルシステムを用いて開発されえる。また、神経変性の機構が理解され、異常なタンパク質ミスフォールディングおよび凝集の根本的な原因の効果的な治療が開発されるまで、ニューロンの欠損を予防または減弱しえる神経保護化合物を開発することが必要である。
【0008】
[発明の概要]
本発明は、診断に使用するポリヌクレオチド分子および前記分子によりコードされるタンパク質を用いる新規の方法およびニューロン機能不全, 神経変性またはタンパク質のミスフォールディングおよび引き続く凝集で特徴付けられる神経学的な障害の治療方法に関する。特に, 幾つかの遺伝子が本出願に記載され、これらは凝集傾向のタンパク質のミスフォールディングおよび引き続く凝集に影響し、タンパク質凝集に関連する神経疾患の診断および治療に関係(implications)がある。本出願に記載される遺伝子は、RNAi スクリーン(RNAi screen)におけるノックダウンで特にアルファ-シヌクレインのタンパク質のミスフォールディングおよび凝集の増加を生じる。このプロセスに関連している遺伝子の知識によって、新規の治療上の神経保護の化合物の開発のための診断上のスクリーニング方法, 変異分析およびドラッグデザインの情報を開発するための強力な手段が提供される。これらの方法は、タンパク質のミスフォールディングを低下させる又は予防する又は神経保護を提供するための幾つかのタンパク質の活性の調節を含む。これらには、SURF ファミリーのタンパク質, SEC22 ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素(Acyl CoA oxidase enzymes)が含まれる。
【0009】
以上のように、本発明の課題は、タンパク質のミスフォールディングおよび凝集に関連する神経学的な障害を検出および治療するための方法および組成物を提供することである。
特にアルファ-シヌクレインのミスフォールディングおよび凝集が原因のパーキンソン病または障害を検出および治療するための方法および組成物を提供することが本発明の別の課題である。
障害がタンパク質のミスフォールディングおよび凝集に関連する遺伝子における発現レベルの変化または一または二以上の変異で特徴付けられるヒトにおける神経変性疾患の存在または非存在を検出する方法を提供することが本発明の別の課題である。
遺伝子の神経解剖学的(neuroanatomical)な発現と一致する哺乳類における顕性(overt)の臨床症候を生じる特定の表現型の付与に関係する他のニューロンの遺伝子における変異または多形性を検出する方法を提供することが本発明の別の課題である。
ヒトにおけるタンパク質のミスフォールディングおよび凝集に関連する神経学的な障害のための診断方法を提供することが本発明の別の課題である。好ましくは、ヒトにおける障害の存在または非存在を診断する;障害が進行する尤度(likelihood)または障害が進行する素因(predisposition)を予測する方法が提供される。
ニューロン性疾患への感受性が増加されるタンパク質凝集に関連するニューロン性遺伝子における変異または多形性を同定する方法を提供することが本発明の別の課題である。
【0010】
タンパク質のミスフォールディングおよび凝集を低下させる, 阻害する, 寛解する, または予防する化合物を、前記化合物の存在下でのタンパク質のミスフォールディングおよび凝集の量と前記化合物の非存在下でのタンパク質のミスフォールディングおよび凝集の量との比較によってスクリーニングする方法を提供することが本発明の別の課題である。
【0011】
神経変性(neurodegeneration)を低下させる, 阻害する, 寛解する, または予防する化合物を、前記化合物の存在下での神経変性の量と前記化合物の非存在下での神経変性の量との比較によってスクリーニングする方法を提供することが本発明の別の課題である。
タンパク質の凝集を促進するコンディションに感受性のニューロンに神経保護を提供するための治療化合物またはタンパク質のミスフォールディングおよび凝集を予防または減弱するための化合物またはタンパク質の凝集物を可溶化するための化合物を設計および開発する方法を提供することが本発明の別の課題である。
タンパク質凝集の結果としての細胞の機能不全を低下(reducing)させる, 阻止する(arresting), 軽減する(alleviating), 寛解する(ameliorating), または予防する方法を提供することが本発明の別の課題である。
治療を必要とする動物におけるタンパク質のミスフォールディングおよび凝集を低下させる又は神経保護を提供するための効果的な量の組成の薬学的製剤を提供することが本発明の別の課題である。
【0012】
また、本発明は、ポリヌクレオチド分子とそれらでコードされるポリペプチドを用いてタンパク質のミスフォールディングおよび凝集を促進するコンディションに感受性のニューロンに神経保護を提供する方法に関する。
タンパク質のミスフォールディングおよび凝集と関連する神経疾患を治療するための医薬を作出するための方法を提供することが本発明の別の課題である。
神経学的な障害を治療するための新規の療法のスクリーニングに使用するためのトランスジェニック動物を提供することが本発明の別の課題である。
ヒトから得られるサンプルの遺伝子における変異を検出するための一または二以上の試薬を含んでいるヒトにおける神経変性疾患の存在または非存在を診断するためのキットを提供することが本発明の別の課題である。
【0013】
本発明のこれらおよび他の課題, 特徴(features)および利点は、開示された態様の詳細な記載および付属の特許請求の範囲を検討後に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】動物の齢にしたがい発生するα-シヌクレイン誘発性の変性後のドーパミンニューロンの神経保護における線虫(C. elegans)のSEC22 タンパク質発現の効果を示しているグラフを提供する。
【0015】
[図2]本出願に記載されるヌクレオチド および タンパク質の配列のリストを提供する。
[発明の詳細な記述]
本発明は、次の本出願に含まれる特定の態様の詳細な記載を参照することで容易に理解されえる。本発明はその特定の態様の特定の詳細を参照するが、かかる詳細が本発明の範囲の制限とみなされることを意図していない。本出願で言及される参照のテキストは、参照によってその全体が本出願に援用される。
【0016】
ニューロンは、特に変異体またはミスフォールディングしたタンパク質の毒性効果に脆弱である。望まれない潜在的に有害(noxious)なタンパク質を処理する正常な細胞の機構の理解に基づいて、本発明はミスフォールディングした又は凝集したタンパク質のニューロンへの影響を無効(negating)にするためのユニークな方法および組成物を提供する。変異体またはミスフォールディングしたタンパク質によって、ニューロンがダメージをうける, 変性する、または死にいたる可能性があるのみならず、ニューロンは生存するが細胞プロセスが損なわれ、神経疾患の臨床症候の発症(onset)にいたるニューロンの機能不全(malfunction)の原因にもなりえる。
【0017】
本出願の明細書および特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、および「the」には、前後関係で他で明確に指示しない限り複数形が含まれる。
【0018】
次の考察はヒトの患者に関するが、本出願の教示は表 Iのタンパク質を発現する任意の動物にも適用可能であることが理解される。本出願で規定される「哺乳類」の用語は、単孔類および有袋類を含む任意の脊椎動物を意味する。哺乳類の種の例には、霊長類(例えば、ヒト, サル, チンパンジー, ヒヒ), 齧歯類(例えば、ラット, マウス, モルモット, ハムスター)および反芻動物(例えば、ウシ, ウマ)が含まれる。
【0019】
本発明の範囲内の「治療(Treating)」は、パーキンソン病を含んでいるが限定されない神経変性疾患などの異常性と関連する症候または分子的なイベントを低下させること, 阻害すること, 寛解させること, または予防することを含む。好ましくは, タンパク質のミスフォールディングおよび凝集およびタンパク質凝集関連疾患の結果としてのタンパク質凝集, 細胞の機能不全が治療されえる。
「神経学的な障害(Neurological disorders)」は、ニューロンの変性(degeneration)および/または欠損(loss)で特徴付けられる臨床コンディションを含む。これらの障害に含まれるものは、筋萎縮性側索硬化症, アルツハイマー病, パーキンソン病, プリオン病, 前頭側頭型の痴呆(frontotemporal dementia), ポリグルタミン伸長病(polyglutamine expansion diseases), 遺伝性脊髄小脳変性症(spincocerebellar ataxia), 脊髄および延髄性の筋萎縮(spinal & bulbar muscular atrophy), 海綿状脳症, タウオパシー, ハンチントン病,またはジストニー(dystonia)などである。
【0020】
本出願に使用される「ワーム(worm)」の用語は、本発明のタンパク質凝集を研究するため使用されたモデル系を意味し、モデル生物体は線形動物門(phylum nematoda)からのものである。この定義内に含まれるものは、特定の線形動物 Caenorhabditis elegansまたは線虫(C. elegans)である。
【0021】
正しいフォールディングには、可能ではあるが不正確なコンフォメーションの座(constellation)から一つの特定の構造をタンパク質に想定(assume)することが必要とされる。ポリペプチドが適切な構造の採択に失敗することは、細胞の機能および生存(viability)に対して大きな脅威である。ミスフォールディングしたタンパク質は、自身が毒性であり、凝集物を形成し、非常に重篤であるか寧ろ致死的な結果にいたるだろう。結果的に、細胞をミスフォールディングしたタンパク質の有害な影響から防御するために精巧なシステムが進化した。
本発明の範囲内の「タンパク質」は、完全長のタンパク質, ホモログ, グリコシル化が変更されたタンパク質, タンパク質フラグメント, スプライスバリアント, 機能上均等なバリアント(functionally equivalent variants), 野生型タンパク質と実質的に同じ機能を保持する変異体およびその保存された置換体を含む。
【0022】
本発明の範囲内の「タンパク質凝集(Protein aggregation)」には、何れか一つのポリペプチドが脱溶媒(de-solvation)の状態を生じる様式で、少なくとも 二つのポリペプチドが互いに接触する現象が含まれる。また、これにはポリペプチドの本来(native)の機能または活性の欠損が含まれえる。
本発明の範囲内の「タンパク質凝集関連疾患(Protein-aggregation-associated disease)」には、神経変性の障害を含む、任意の疾患(disease), 障害(disorder), および/または病気(affliction), タンパク質凝集関連疾患が含まれる。
【0023】
本発明に包含される基礎の技術を行うための定義および方法および手段を含む分子生物学の標準的な教科書に関して参照がなされ、例えば、文献〔Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (2001), Current Protocols in Molecular Biology, Ausebel et al (eds.), John Wiley & Sons, New York (2001)〕およびその中で引用される様々な参照に記載される。
本発明は、タンパク質のミスフォールディング/凝集 および 神経保護に関連しているタンパク質をコード化する幾つかのポリヌクレオチドを提供する。幾つかの候補遺伝子は、今までに未知であった機能または活性を有する仮定上のタンパク質をコード化する。しかしながら、本発明は、少なくとも一つのこれらのタンパク質の共通の機能または活性がタンパク質のミスフォールディングおよび凝集の予防であることを確立した。RNAiを用いてこれらのタンパク質の活性を低下させることによって、線虫モデルでタンパク質のミスフォールディング および アルファ-シヌクレイン凝集が生じる。これらのタンパク質における変更及び発現および活性を低下させるそれらをコード化しているポリヌクレオチドによっても、タンパク質のミスフォールディングおよび凝集が生じる。
【0024】
また、これらのタンパク質の幾つかによって、ドーパミン含有ニューロン(dopamine-containing neurons)などのニューロンへの神経保護が提供される。従って、本発明は、ドーパミン含有ニューロンの神経保護のための、本出願で記載されるポリヌクレオチドの使用を含む神経変性疾患における治療上の介入のための新規のアプローチを提供する;そのような次第で、本発明は、パーキンソン病の治療を開発するための別の道(avenue)を提供する。ドーパミン作用性のニューロンに神経保護の優良性(qualities)を付与(impart)するタンパク質をコード化している遺伝子は、遺伝子およびタンパク質療法, 抗体療法を開発するために使用でき、またドーパミンニューロンの神経保護を提供する新しい薬物に関するデザインおよびスクリーニングに使用できる。同様に、これらの分子における変更によって、有害な条件下でニューロンがダメージをうけやすく、また死にやすくなる。これらの遺伝子でコードされるタンパク質には、SURF ファミリーのタンパク質, SEC22 ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素が含まれる。これらのタンパク質のリストは、表 Iに提供される。
【0025】
【表I】

【0026】
sft-4 遺伝子は、マウスのsurf-4 遺伝子で高度に保存されたSURF ファミリーのメンバーである推定上のカーゴ輸送タンパク質ERV29をコードし、保存されたものには前記マウスタンパク質の小胞体局在化に関係するコード化されたジリシン(dilysine)モチーフが含まれる。
SEC22は、小胞体およびシス-ゴルジの間の順行性(anterograde)および逆行性(retrograde)の輸送の両方において機能する(膜貫通ドメインでアンカーされる)。
アシルCoA 酸化酵素は、ペルオキシソームの β-酸化経路における第一の酵素である。
本発明において、「単離された(isolated)」または「精製された(purified)」は、天然の環境からの分離であり、細胞抽出物にしばしばみつけられる他の汚染しているタンパク質, ポリヌクレオチド, および/または他の生物学的な物質から実質的にフリー(free)であることを意味する。
本発明において、「ポリヌクレオチド」は、通常はポリリボヌクレオチドおよびポリデオキシリボヌクレオチドに関し、これらは非修飾RNAまたはDNAまたは修飾RNAまたはDNAである可能性がある。ポリヌクレオチド分子には、タンパク質をコード化する遺伝子およびRNAまたは非コードのRNAまたはDNAが含まれえる。
表 Iに示される分子は線虫のオープンリーディングフレーム (ORF) 識別名(identifier)の名称でリストされているが、本発明は線虫の配列のみに限定されない。表 Iに示される分子の他の種のホモログは、本発明の使用に意図される(特に、ヒトのホモログ)。線虫および対応するヒトの遺伝子およびタンパク質の配列は、本出願において提供される。対応する線虫のヌクレオチドおよびタンパク質の配列、同様に、ヒトのヌクレオチドおよびタンパク質の配列は、表 IIに提供される。
【0027】
【表II】

【0028】
当業者は、ヒト以外の生物体も、かかる遺伝子を含むことを理解する(例えば, 真核生物; より具体的には、哺乳類(好ましくは, ゴリラ, アカゲザル, およびチンパンジー), げっ歯類, ワーム(好ましくは, 線虫), 昆虫(好ましくは, キイロショウジョウバエ), トリ, 魚, 酵母, および植物)。本発明は、表 Iにリストされたタンパク質をコード化する上記記載の生物体から単離された核酸分子が含まれることを意図するが、これらに限定されない。
これらの遺伝子の多くは進化上で非常に保存されており、種間でタンパク質の高い相同性が示されている。例えば、ヒトのアシル-CoA 酸化酵素(配列番号:11 および12)は、線虫 F55A4.1 (配列番号:9 および10) およびキイロショウジョウバエ (配列番号: 13 および14), Danio rerio (配列番号: 15 および16), ウシ (配列番号: 17 および18) マウス (配列番号: 19 および20), およびラット (配列番号: 21 および22)遺伝子/タンパク質と相同的である。これらの配列の全ては基本的にゼロのe-値を有し、この遺伝子が進化をとおして高度に保存されてきたことを示している。構造において高度に相同性であるとの観点において、これらの配列は適切なレベルで発現する場合に神経変性, タンパク質のミスフォールディングおよび凝集の低下に関して同じ機能を有する。
【0029】
また、本発明の単離された核酸分子は、化学的に合成された核酸分子を含む。例えば、遺伝子の発現産物をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子を、デザインでき、必要に応じて、適切な小さな断片に分けられる。それから核酸分子または分けられた断片の各々に対応するオリゴマーを合成できる。係る合成オリゴヌクレオチドは、合成(Matteucci et al., 1981, J Am. Chem. Soc. 103:3185-3191)で又は自動化DNA シンセサイザーを用いて調製できる。オリゴヌクレオチドは、合成又はクローニングに由来するものであってもよい。必要に応じて、オリゴヌクレオチドの5'端は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸化されてもよい。オリゴヌクレオチドの5’端のキナーゼ処理(Kinasing)によって、放射性同位元素(通常 32P)を5’端に付着することなどで、特定のオリゴヌクレオチドを標識する一つの様式が提供される。次に、オリゴヌクレオチドは、アニーリングおよびT4 リガーゼなどでのライゲーションに供されてもよい。
さらにまた、表 IIの配列からの生じるプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応法 (PCR)で調製されるDNA配列は、本発明において有用である。係るオリゴヌクレオチドは、典型的に少なくとも 15 ヌクレオチドの長さを有する。
表 Iにリストされるタンパク質から対応する様式で生じるアミノ酸配列及びその使用は、本発明に意図される。
【0030】
核酸配列に関連して、「から本質的になる(Consisting essentially of)」は、第三塩基の縮重に関するヌクレオチドの置換に言及するため明細書および特許請求の範囲に使用される用語である。当業者により認識されるとおり、第三塩基の縮重が原因で、殆んど全てのアミノ酸は、コードしているヌクレオチド配列において一つの三つ組コドンをこえて提示できる。更に、マイナーな塩基対の変化によって、コードされたアミノ酸配列にバリエーション(保存された置換)が生じる可能性があり、これにより実質的に遺伝子産物の生物活性が変更されることは期待されない。従って、本出願に開示されたタンパク質またはペプチドをコードしている核酸のシークエンシングは、配列が僅かに修飾されてもよく(例えば、三つ組コドンにおけるヌクレオチドの置換)、なお同じアミノ酸配列のそれぞれの遺伝子産物をコードする。
【0031】
本出願に使用されるポリヌクレオチドの配列における「変更(Alterations)」は、遺伝子のノックアウトまたはノックダウンにより生じる増加または減少などの配列の発現レベルにおける差を意味する。同様に、本願に含まれるものは、野生型タンパク質によって与えられる適切なタンパク質のフォールディングおよび神経保護に効果を有する配列自身における差である。係る変更には、発現の増加または減少、ポリヌクレオチド分子またはタンパク質の変異(mutations), 短縮(truncations)および欠失(deletions)が含まれる。結果的に、SURF ファミリーのタンパク質, SEC22 ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素またはその断片をコード化するポリヌクレオチド分子とハイブリダイズするDNA配列は、本発明の構成要素である。
当業者は、専門家が認識できるハイブリダイゼーションの手段でのDNA配列を同定するための説明書をみつけるだろう。とりわけ、Boehringer Mannheim GmbHからのハンドブック「The DIG System Users Guide for Filter Hybridization」(Mannheim, Germany, 1993) およびLiebl等〔Liebl et al. (International Journal of Systematic Bacteriology 41: 255-260 (1991)〕においてみつけるだろう。ハイブリダイゼーションはストリンジェントな条件下で生じ、プローブ および 標的配列(即ち、プローブで処理されるポリヌクレオチド)が少なくとも 70% 同一であるハイブリッドのみが形成される。洗浄工程を含むハイブリダイゼーションのストリンジェンシー(stringency)は、緩衝剤の組成, 温度および塩濃度を変化させることによって影響または決定されることが知られている。ハイブリダイゼーション反応は、好ましくは洗浄工程と比較して相対的に低いストリンジェンシーで行われる(Hybaid Hybridisation Guide, Hybaid Limited, Teddington, UK, 1996)。
【0032】
例えば、5x SSC 緩衝剤で約 50゜C - 68゜Cの温度を、ハイブリダイゼーション反応に用いてもよい。また、プローブは、プローブの配列と70%未満同一であるポリヌクレオチドとハイブリダイズできる。係るハイブリッドは、安定性が低く、ストリンジェントな条件下で洗浄で除去される。これは塩濃度を2x SSCに(任意で、引き続いて 0.5x SSCに)低下させ、約 50゜C - 68゜Cの温度を達成することなどで達成できる(The DIG System User's Guide for Filter Hybridisation, Boehringer Mannheim, Mannheim, Germany, 1995)。任意で、塩濃度を0.lx SSCに低くすることが可能である。例えば、用いたプローブの配列と少なくとも 70%または少なくとも 80%または少なくとも 90% から95% 同一であるポリヌクレオチド断片を、ハイブリダイゼーション温度を段階的に50゜C から68゜Cに約 1 - 2゜Cのステップで増加させることによって単離できる。さらに、ハイブリダイゼーションの説明書は、いわゆるキットの形態で市場から入手可能である(例えば、DIG Easy Hyb from Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, Catalogue No. 1603558)。
【0033】
「変異」は、遺伝物質における任意の検出可能な変化であり、娘細胞に(および、おそらく次の世代にすら)伝達され、変異体の細胞、変異体の個体を生じえる。変異は、任意の一または二以上(または組み合わせ)のデオキシリボヌクレオチドの化学的なまたは物理的な構成, 変異, 複製, 表現型の機能(phenotypic function),または組換えに影響する検出可能で非天然(unnatural)な変化であってもよく;ヌクレオチドは逆位(inversion)を有する及び有さない新しいポジションへの付加, 欠失, 置換, 逆位(inverted), または転位(transposed)されてもよい。また、本出願に使用される「変異(mutation)」の用語は、本出願に記載される一つのタンパク質をコード化している核酸配列における任意の修飾を意味しえる。例えば、変異は、一または二以上のヌクレオチドの点変異または付加, 欠失, 挿入(insertion)および/または置換又はその任意の組み合わせであってもよい。変異は、ミスセンスまたはフレームシフト変異であってもよい。修飾は、例えば、保存性または非保存性, 天然(natural)または非天然(unnatural)のものであってもよい。タンパク質のN-および/またはC-末端での変化は、その機能を実質的に損傷させず、それどころか該機能を安定化し得ることもまた知られている。この事項における情報は、とりわけBen-Bassat等〔Ben-Bassat et al. (Journal of Bacteriology 169:751-757 (1987))〕、O'Regan等〔O'Regan et al. (Gene 77:237-251 (1989))〕、Sahin-Toth等〔Sahin-Toth et al. (Protein Sciences 3:240-247 (1994))〕、Hochuli等〔Hochuli et al. (BioTechnology 6:1321-1325 (1988))〕および遺伝学および分子生物学の既知の教科書から専門家がみつけられる。変異は、表 IIにリストされるポリヌクレオチド分子又はその断片に対応するポリヌクレオチド 分子とのハイブリダイゼーションで単離できる。
【0034】
また、本発明は、タンパク質のミスフォールディングの予防に関するタンパク質などの幾つかのポリペプチド分子を用いる方法及びそれらの使用の方法も意図している。タンパク質は表 Iに記載され、アミノ酸配列は表 IIにリストされる。これらのタンパク質は、好ましくは汚染しているタンパク質, ポリヌクレオチドまたは他の汚染している化合物がフリーの実質的に純粋な状態に精製または単離される。
本出願に使用されるタンパク質における「変更」は、タンパク質が適切なタンパク質のフォールディングを補助し、野生型タンパク質により与えられる神経保護を提供する能力における変化を意味する。係る変更には、例えば、タンパク質発現における変化, タンパク質配列における変異および選択的スプライシングが含まれえるが、タンパク質の活性を変化させる他の変更も意図される。
別の態様において、ポリペプチドは、表 IIで表されるアミノ酸配列又はその変異体または種のバリエーションを有する;またはその少なくとも 70% 同一性, さらに少なくとも 80% 同一性または およびなおさらに少なくとも 90% 同一性(好ましくは, その少なくとも 90%, 95%, 96%, 97%, 98%,または99% 同一性または少なくとも 95%, 96%, 97%, 98%,または99% 類似性),または少なくともその 6つの近接する アミノ酸 (好ましくは, その少なくとも 10, 15, 20, 25,または50 近接するアミノ酸)を有する。
本発明のタンパク質は、グリコシル化形態で同様に非グリコシル化形態で提供されえる。グリコシル化タンパク質又はその断片の調製は、当該技術分野において知られており、典型的には真核細胞においてペプチドをコード化している組換えDNAの発現が関係する。同様に、一般に原核生物(例えば、細菌)の細胞においてペプチドをコード化している組換えDNAを発現し、グリコシル化されていないペプチドを得ることは当該技術分野において知られている。これら及び他の糖タンパク質における炭水化物部分を変更する方法は、文献〔Essentials of Glycobiology (1999), Edited By Ajit Varki, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York〕中でみつけられ、該文献の内容は本出願中に参照によって援用される。
【0035】
また、ポリペプチド分子は、表 Iにリストされたタンパク質に関するポリペプチド配列から本質的になることが意図される。
本発明のタンパク質は、一または二以上の保護されたアミノ酸残基を含有してもよい。保護されたアミノ酸は、官能基または複数の官能基が既知の方法により保護基で保護されたアミノ酸であり、様々な保護されたアミノ酸が商業的に利用可能である。また、タンパク質又はその断片は、一または二以上の修飾アミノ酸を含有してもよい。係るアミノ酸のリストは、本出願中にその全体が参照によって援用される米国特許公開第2003/0235823号中に発見できる。
アミノ酸配列バリエーションを導入するための部位は予め決定されるが、変異自身が予め決定される必要はない。例えば、所望の活性に関して特定のポリペプチドの性能を至適化するため、ランダム突然変異誘発がポリペプチドの標的のコドンまたは領域で行うことができ、発現バリアントが至適な所望の活性に関してスクリーンできる。既知の配列を有しているDNAにおける予め決定された部位で置換変異を作出するための技術は、周知である(例えば、部位特異的な突然変異誘発)。
アミノ酸配列の欠失は、一般に約 1 〜30 残基, より好ましくは 1 〜10 残基の範囲である。アミノ酸配列の挿入は、一つの残基から基本的に非制限的の長さのポリペプチドのアミノおよび/またはカルボキシ末端融合, 同様に単一のまたは複数のアミノ酸残基の配列内挿入(intrasequence insertions)が含まれる。配列内挿入(すなわち、完全なタンパク質配列内の挿入)は、一般に約 1 〜10 残基, より好ましくは 1〜5の範囲であってもよい。
第三のグループのバリアントは、少なくともポリペプチド分子において一つのアミノ酸残基(好ましくは、一つのみ)が除去され、その場所に異なる残基が挿入されるものである。
【0036】
機能的または免疫学的な同一性における実質的な変化は、低く保存された置換を選択すること、すなわち、a) 置換の領域におけるポリペプチド バックボーンの構造, b) 標的部位での分子の電荷または疎水性, またはc) 側鎖のバルク(bulk)を維持することにおいてその影響が有意に異なる残基を選択することでなされる。保存された置換は、置換するアミノ酸(天然または修飾)が置換されるアミノ酸と構造的に関連する(すなわち、置換されているアミノ酸と凡そ同じサイズおよび電気的な特性を有する)置換である。従って、置換するアミノ酸は、側鎖においてオリジナルのアミノ酸と同じまたは類似する官能基を有するだろう。機能上類似するアミノ酸を提供する保存された置換の表は、当該技術分野において周知である。次の六つのグループは、各々互いに保存された置換であるアミノ酸を含む:
1) アラニン (A), セリン (S), スレオニン (T);
2) アスパラギン酸 (D), グルタミン酸 (E);
3) アスパラギン (N), グルタミン (Q);
4) アルギニン (R), リジン (K);
5) イソロイシン (I), ロイシン (L), メチオニン (M), バリン (V); および
6) フェニルアラニン (F), チロシン (Y), トリプトファン (W)。
【0037】
さらに置換は、以下のものを含みえる:
a) グリシン および/または プロリンが、別のアミノ酸で置換された又は欠失または挿入されたもの;
b) セリルまたはスレオニルなどの親水性の残基が、ロイシル, イソロイシル, フェニルアラニル, バリル,またはアラニルなどの疎水性の残基で置換されたもの;
c) システイン残基が、任意の他の残基で置換されたもの;
d) リジル, アルギニル,またはヒスチジルなどの正に帯電した側鎖を有している残基が、グルタミルまたはアスパルチルなどの負に帯電した側鎖を有している残基で置換されたもの;または
e) フェニルアラニンなどのバルキーな側鎖を有している残基が、グリシンなどの係る側鎖を有していない残基で置換されたもの。
【0038】
幾つかの欠失, 挿入および置換は、タンパク質の特性にラジカルな変化を生じることは期待されない。当業者は、置換の影響が動物モデル(例えば、本出願に開示されたモデル)同様に 生化学的及びインビボのスクリーニングアッセイを用いて日常的に評価できることを認識する。
一態様において、本発明は、抗体応答を誘導させるための表 Iに記載されるタンパク質のエピトープを用いる方法に関する。抗原性のエピトープ断片を選択する方法は、当該技術分野において周知である(Sutcliffe et al., 1983, Science. 219:660-666)。本発明の抗原性のエピトープ保持ペプチドおよびポリペプチド(Antigenic epitope-bearing peptides and polypeptides)は、特異的にポリペプチドを認識する免疫応答を上昇させるために有用である。本発明の抗原性のエピトープ保持ペプチドおよびポリペプチドは、DNA中の変異によって調製できる表 Iにリストされるタンパク質のアミノ酸配列バリアントのタンパク質の少なくとも 4 アミノ酸 (好ましくは, 6, 7, 9, 10, 12, 15または20 アミノ酸)を含む。係るバリアントは、例えば、本出願に記載されるアミノ酸配列内の残基の欠失または挿入または置換を含む。欠失, 挿入, および置換の任意の組み合わせを、最終的な構築物で達成できる(但し、最終的な構築物は、所望の活性を有する)。一態様において、本出願に記載されるタンパク質を使用して、前記タンパク質の野生型または変更形態(altered forms)に対応するポリペプチド配列に特異的な抗体が作出される。また、抗体を、プローブとして又は予防または療法上の治療のために使用してもよい。
【0039】
本発明は、ミスフォールディングおよびタンパク質凝集に関係するタンパク質のためのスクリーン方法を提供する。例えば、表 Iにリストされた配列は、ヒトのアルファ-シヌクレイン::GFP 融合タンパク質を過剰発現しているトランスジェニック線形動物系統を用いたRNAi ライブラリのスクリーニングから由来した。GFP, RFP, BFP, YFP および ルシフェラーゼなどの他のレポーター分子は、アルファ-シヌクレインとの融合タンパク質として発現されてもよい。他の凝集傾向のタンパク質をこの様式で過剰発現して、アルツハイマー病におけるタウおよびベータ-アミロイドタンパク質, ハンチントン舞踏病における変異ハンチントン(又はポリグルタミン反復伸長), 筋萎縮性側索硬化症におけるSOD1および神経フィラメント, および, 脊髄性および延髄性の筋萎縮における変異アンドロゲンレセプターなどの限定されない他の神経疾患のためにタンパク質のミスフォールディングおよび凝集を研究してもよい。特にパーキンソン病を参照すると、アルファ-シヌクレインの過剰発現は線形動物の線虫において蛍光顕微鏡観察で検出可能なアルファ-シヌクレインの視覚的な凝集物の形成を生じる。遺伝子発現は、容易な可視化のために体壁に直接発現するunc-54 プロモーターのコントロール下にある。TOR-2は、アルファ-シヌクレインを過剰発現している線虫においてタンパク質凝集を低下させることが示されているタンパク質である。アルファ-シヌクレイン::GFP +TOR-2を含んでいるトランスジェニックワーム系統は、ミスフォールディングおよびタンパク質凝集に関連する候補遺伝子のRNAi スクリーニングに使用しえる。TOR-2によるミスフォールディング および タンパク質凝集の類似する抑制は、ポリグルタミン依存的なタンパク質凝集に関して以前に報告されている〔Caldwell et al. Hum Mol遺伝子t. 2003 Feb 1;12(3):307-19〕。このトランスジェニック生物体によって、アルファ シヌクレイン::GFP + TOR-2を含んでいるワームの体壁筋においてRNAiフィーディング(RNAi feeding)を用い、アルファ-シヌクレイン凝集の復帰(return)を生じる遺伝子を遺伝子発現のRNAi ノックダウンでみつける
急速なスクリーニング方法が提供される。線虫遺伝子のライブラリをRNAiを用いたルーチンの実験法でスクリーンして、再現性のあるアルファ-シヌクレインの凝集における遺伝子ノックダウンの影響を決定しえる。一般に、タンパク質凝集に関係すると評価される標的遺伝子に関して、凝集の表現型がアッセイされたアルファ-シヌクレイン::GFP + TOR-2生物体の約 80%に発生する。相同的な配列は、NCBI BLASTデータベース(NCBI, National Library of Medicine, NIH, Bethesda, MD)を用いて決定しえる。
【0040】
別の態様において、本発明の遺伝子は、ニューロンに神経保護の優良性を付与するタンパク質をコード化する。本出願の教示によると、線虫の遺伝子ライブラリをスクリーンして、候補遺伝子がニューロンに保護を提供するかどうかを決定できる。例えば、神経毒 6-OHDAでの処理は、線虫モデルにおいてドーパミン作用性 ニューロンの欠損を生じる。選択した遺伝子の過剰発現によって、6-OHDA処理により生じるドーパミン作用性ニューロン欠損が予防される。6-OHDAでの処理によって、活性酸素種の形成をとおしてダメージが生じ、死に至る。6-OHDA処理自体によって、活性酸素種の形成に関する神経疾患のための神経保護をアッセイするモデルが提供される。同様に、神経疾患モデルによって、神経疾患に関係する凝集傾向のタンパク質を発現するものが作られえる。例えば、線虫のドーパミンニューロンにおけるヒトのアルファ-シヌクレインの過剰発現によって、パーキンソン病の神経変性の様相が再現(recapitulates)され、これらの動物が加齢にともないドーパミンニューロンの欠損を示す〔Cao et al., J Neurosci. 2005 Apr 13;25(15):3801-12〕。この関連において、トランスジェニックワームは、特定の化合物および遺伝子の神経保護機能を同定するためのモデルシステムを提示する。
【0041】
標的遺伝子を過剰発現している線虫は、GFP, RFP, BFP, ルシフェラーゼなどの蛍光タンパク質をニューロン特異的プロモーターのコントロール下で発現するトランスジェニックワームから開始して調製される。ニューロン特異的なプロモーターは、当該技術分野において日常的に利用可能であり、神経伝達物質合成酵素および神経伝達物質トランスポーター、例えば、チロシン水酸化酵素, ドーパミンベータ水酸化酵素, ドーパミントランスポーター, セロトニントランスポーター, 小胞(vesicular)のアセチルコリントランスポーターなどの発現をコントロールするプロモーターを含むが、これらに限定されない。
【0042】
別の態様において、本発明は、上記記載の核酸分子または少なくともその断片に対応するDNAまたはRNA分子を含んでいるサンプルにおける関連する核酸の存在を特異的に検出するための核酸プローブであって前記核酸とストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件下でハイブリダイズする核酸プローブを用いる方法に関する。
特定の適用において、本出願で記載されるポリヌクレオチドの検出を診断アッセイに導入して、神経変性疾患と関連するタンパク質のミスフォールディングまたは凝集の存在または性向(propensity)を示してもよい。一つの好適な態様において、本発明は次の単離された核酸プローブに関する。そのプローブとは、優先的(preferentially)にRNAまたはDNA断片とハイブリダイズする10〜1000 ヌクレオチド(好ましくは, 10〜500, 10〜100, 10〜50, 10〜35, 20〜1000, 20 〜500, 20 〜100, 20 〜50,または20 〜35)からなる核酸プローブであって、一または二以上の表 IIにリストされたポリペプチドをコード化しているヌクレオチド配列;任意の上記ヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列;および上記で以前に記載した任意のヌクレオチド配列と少なくとも 90% 同一のポリヌクレオチド配列を含んでいる核酸分子からの少なくとも 10 連続的な ヌクレオチド(好ましくは, 15, 18, 20, 25,または30)からなるヌクレオチド配列と相補的である核酸プローブ。
【0043】
本発明のハイブリダイゼーションプローブは、放射標識, 蛍光標識, ビオチン/アビジン標識, 化学発光などの標準的な標識技術で検出するために標識できる。ハイブリダイゼーション後、プローブは、既知の方法を用いて可視化できる。
別の態様において、本発明は、サンプル中の核酸の存在を、前記サンプルを上記で記載の核酸プローブとハイブリダイゼーションが生じるような特異的なハイブリダイゼーション条件下で接触させること, および核酸分子と結合したプローブの存在を検出することにより検出する方法に関する。当業者は、上記の当該技術分野において既知の技術による核酸プローブを選択するだろう。試験されるサンプルは、ヒト組織からのRNAまたはDNA サンプルを含むが、これらに限定されるべきではない。
【0044】
本発明の核酸プローブ法(nucleic acid probing methods)に適切な検査サンプルには、例えば、細胞または細胞の核酸抽出物,または生物学的流体(biological fluids)が含まれる。記載された方法に使用されるサンプルは、アッセイで使用されるアッセイ型式, 検出方法および組織, 細胞または抽出物の性質に基づいて変動するだろう。細胞の核酸抽出物を調製するための方法は、当該技術分野において周知であり、利用される方法に適合するサンプルを得るために容易に適応させることができる。
【0045】
また、ミスフォールディング/凝集に関する又は神経保護を提供するタンパク質における変更を検出することによる神経疾患の診断のために方法が提供される。これらの方法において、個体からの組織サンプルは、SURF ファミリーのタンパク質, SEC22 ファミリーのタンパク質およびアシルCoA酸化酵素から選択されるタンパク質における変更に関して分析され、変更の存在が神経疾患の素因または存在を示す。本出願に使用される「組織(tissue)」は、個体からの生物学的サンプルを意味する。係るサンプルの例には、細胞のサンプル, 個々の細胞, 血液, リンパ,または唾液などの身体の流体のサンプル(ここで細胞はサンプル中に存在してもよい又は存在しなくてもよい)が含まれるが、これらに限定されない。
別の態様において、前記方法は、サンプル中のSURF ファミリーのタンパク質, SEC22 ファミリーのタンパク質およびアシルCoA酸化酵素から選択されるタンパク質を検出することを伴い、該方法は前記サンプルを上記の抗体(またはタンパク質)と免疫複合体が形成されるような条件下で接触させること, および前記ポリペプチドと結合した抗体の存在を検出することを含む。特異的に結合する抗体またはタンパク質は、検出可能な標識に抱合(conjugated)されてもよい。より詳細には、前記方法は、検査サンプルを一または二以上の本発明の抗体とインキュベーションすること及び前記抗体が前記検査サンプルと結合するかどうかをアッセイすることを含む。正常なレベルと比較したサンプル中のタンパク質のレベルまたは活性における変更によって、特定の疾患を指摘することができる。
更なる一態様において、本発明は、サンプル中の表 Iからのタンパク質に特異的な抗体を検出する方法に関し、該方法は前記サンプルを表 Iからのタンパク質と免疫複合体が形成されるような条件下で接触させること, および前記抗体と結合したタンパク質または前記タンパク質と結合した抗体の存在を検出することを含む。より詳細には、前記方法は、検査サンプルを一または二以上の本発明のタンパク質とインキュベーションすること及び前記抗体が前記検査サンプルと結合するかどうかをアッセイすることを含む。
【0046】
抗体を検査サンプルとしてインキュベーションするための条件は、変動する。インキュベーション条件は、アッセイで用いた型式, 用いた検出方法, およびアッセイに使用した抗体のタイプおよび性質に依存する。当業者は、一般に利用可能な免疫学的なアッセイ型式〔例えば、ラジオイムノアッセイ, 酵素結合免疫吸着アッセイ, 拡散に基づくオークタロニー(diffusion based Ouchterlony),またはロケット免疫蛍光アッセイ(rocket immunofluorescent assays)〕の何れかを本発明の抗体の採用に容易に適応できることを認識する〔Chard, In: An Introduction to Radioimmunoassay and Related Techniques, Elsevier Science Publishers, Amsterdam, The Netherlands (1986); Bullock, et al., In: Techniques in Immunocytochemistry, Academic Press, Orlando, Fla. Vol. 1(1982), Vol. 2(1983), Vol. 3(1985); Tijssen, In: Practice and Theory of enzyme Immunoassays: Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Elsevier Science Publishers, Amsterdam, The Netherlands (1985)〕。
【0047】
本発明の免疫学的なアッセイの検査サンプルは、細胞, 細胞のタンパク質または膜抽出物,または生物学的流体(例えば、血液, 血清, 血漿,または尿)を含む。上記で記載された方法に使用される検査サンプルは、アッセイ型式, 検出方法の性質およびアッセイされるサンプルとして使用される組織, 細胞または抽出物に基づいて変動するだろう。細胞のタンパク質抽出物または膜抽出物を調製する方法は、当該技術分野において周知であり、利用される系に適合するサンプルを得るために容易に適応させることができる。
【0048】
請求される発明は、凝集し、神経疾患を生じるタンパク質を測定できる幾つかの適切なアッセイを利用する。適切なアッセイには、ラジオイムノアッセイ, 酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA), 化学発光アッセイ(chemiluminescence assays)などの免疫学的な方法が包含される。
幾つかの好適な態様において、免疫学的な技術によって、表 Iからのタンパク質のレベルがモノクローナルおよび/またはポリクローナル抗体, 及びその混合物が含まれる抗体反応混液(すなわち、一または二以上の抗体)の手段で検出される。例えば、これらの免疫学的な技術には、マウスのモノクローナルおよびウサギのポリクローナルの反応混液などのポリクローナル および/または モノクローナル抗体の混合物を利用できる。
【0049】
当業者は、単離された及び/又は組換えのタンパク質又はその部分または断片(合成ペプチドなどの合成分子を含む)などの適切な免疫原に対する抗体を作出できる。一態様において、抗体は、表 Iにリストされた単離された及び/又は組換えのタンパク質又はその部分または断片(例えば、ペプチド)に対して又はこれらの組換えタンパク質の一つを発現する宿主細胞に対して作出される。加えて、トランスフェクトされた細胞などの組換えタンパク質を発現している細胞は、免疫原として又は前記タンパク質と結合する抗体に関するスクリーンに使用できる。
【0050】
前記方法にしたがい、アッセイによって、生物学的サンプル中のタンパク質のレベルまたは濃度を決定できる。タンパク質の量の決定において、アッセイは、試験されるサンプルを抗体およびタンパク質の間の複合体の形成に適切な条件下でタンパク質に対して特異性を有している抗体と混合(combining)すること、および複合体の形成を検出すること又は測定すること(直接的に又は間接的に)を含む。サンプルは、選択される特定のサンプル(例えば、全血, 組織抽出物, 血清)および アッセイ型式に適切な方法で得られ、調製できる。例えば、全血(whole blood)の採取に適切な方法は、静脈穿刺または留置した動脈ラインから血液を得ることである。血液を採集するための容器は、CACD-A, ヘパリン,またはEDTAなどの抗凝固剤を含むことができる。また、サンプルおよび抗体を混合する方法, および複合体形成を検出する方法は、アッセイ型式と適合するように選択される。適切な標識は、放射性, 蛍光または化学発光の標識などで直接的に;または酵素標識および他の抗原性または特異的な結合パートナー、例えば、ビオチンおよび金コロイドなどの標識を用いて間接的に検出できる。係る標識の例には、蛍光標識、例えば、フルオレッセイン, ローダミン, CY5, APC, 化学発光標識、例えば、ルシフェラーゼ, 放射性同位元素標識、例えば、32P, 125I, 131I, 酵素標識、例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ, およびアルカリホスファターゼ, ベータ-ガラクトシダーゼ, ビオチン, アビジン, スピン標識などが含まれる。また、複合体における抗体の検出は、免疫学的に二次抗体で行うことができ、これが次に検出される。従来の方法または他の適切な方法によって、直接的または間接的に抗体が標識できる。
【0051】
別の態様において、表 Iにリストされた分子を、ヒトにおいてニューロン疾患を生じる遺伝子における変異の存在(または非存在)を検出することを包含する診断およびスクリーニング方法のために使用してもよい。例えば、本発明の診断およびスクリーニング方法は、特に、家族歴に基づいて表 Iのタンパク質の発現レベルの変更と関連する疾患を発症するリスクがあると疑われるヒト患者,またはこれらのタンパク質に関連する疾患を診断することを所望する患者におけるニューロン遺伝子における変異または多形性の存在または非存在を診断するため有用である。
【0052】
別の態様において、本出願に記載されるポリヌクレオチドを、変異の存在または野生型の配列または個体を神経学的な障害にかかりやすくする配列の非存在に関してスクリーニングするためのマイクロアレイへと進展させることができる。マイクロアレイは、個体からの組織サンプル中の遺伝子の発現における変更を検出するために本出願に記載される野生型または変更された配列を含んでもよい。前記アレイは、全ての本出願に提供される配列またはサンプル中の相補的な配列と特異的に結合する配列の断片および変異体を含んでもよい。アレイを、神経学的な障害にかかりやすくする又はその存在を示す野生型遺伝子の発現における増加または減少を決定するため使用しえる。任意のケースにおいて、全配列(entire sequence)の代表的な量(a representative amount)をアレイに提供し、組織サンプルから由来した相補的な配列の検出が許される。ポリヌクレオチドのアレイまたはマイクロアレイは、一般に標的分子と特異的に結合できるDNA, RNA, PNA, および cDNAなどの核酸であるが、タンパク質, ポリペプチド, オリゴ糖, 細胞, 組織及びその任意の組合わせを含んでもよい。マイクロアレイにおけるスクリーニングは、アレイにおいて核酸配列に特異的な検出可能な標識の使用を含んでもよい。係るスクリーンは、例えば、スポットされたマイクロアレイ(spotted microarrays)により又は製造者の指示にしたがってAffymetrix社(Affymetrix, Inc. Santa Clara, Calif.)の断片DNAマイクロアレイ技術を用いて行ってもよい(基本的に、Schena et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:10614-10619,1996 および Heller et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:2150-2155,1997により記載される)。遺伝子発現の分析におけるマイクロアレイの使用は、一般にFritz等〔Fritz et al Science 288:316, 2000; "Microarray Biochip Technology", L Shi, www.Gene-Chips.com〕により論評されている。マイクロアレイ分析を行うためのシステムおよび試薬は、Affymetrix社(Affymetrix, Inc., Santa Clara Calif.); Gene Logic社(Gene Logic Inc., Columbia Md.); HySeq社(HySeq Inc., Sunnyvale Calif.); Molecular Dynamics社(Molecular Dynamics Inc., Sunnyvale Calif.); Nanogen社(Nanogen, San Diego Calif.); およびSynteni社(Synteni Inc., Fremont Calif.) (Incyte Genomics, Palo Alto Calif.が取得)などの会社から商業的に利用可能である。
【0053】
本出願において互換的に使用される「マイクロアレイ(Microarray)」および「アレイ」は、中心位置(centralized location)におけるヌクレオチド配列の採取の配置(arrangement)を意味する。アレイは、表面, 例えば, 固形の基質, 例えば, スライドガラス, または半固体(semi-solid)の基質, 例えば, ニトロセルロース膜に存在できる。ヌクレオチド配列は、DNA, RNA,または及びその任意の組合わせであってもよい。当該技術分野において知られているとおり、マイクロアレイは、基質における規定のポジション(表面)で固定化された別個(distinct)のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの集合(assembly)を意味する。アレイは、紙, ガラス, プラスチック(例えば、ポリプロピレン, ナイロン), ポリアクリルアミド, ニトロセルロース, シリコン, 光ファイバー, ポリスチレン,または任意の他の適切な固体または半固体の支持体などの物質で製造された基質に形成され、平面(例えば、ガラスプレート, シリコンチップ)または三次元〔例えば、ピン(pins), ファイバー(fibers), ビーズ, 粒子, マイクロタイターのウェル, キャピラリー〕に構成(configured)される。アレイを形成しているポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、(i) フォトリソグラフ技術を用いたインサイチュー合成(例えば、高密度オリゴヌクレオチドアレイ)〔Fodor et al., Science (1991), 251:767-773; Pease et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1994), 91:5022-5026; Lockhart et al., Nature Biotechnology (1996), 14:1675; 米国特許第5,578,832; 5,556,752; および 5,510,270を参照されたい〕; (ii) ガラス, ナイロンまたはニトロセルロースにおける中密度から低密度でのスポッティング/プリンティング(例えば、cDNA プローブ) 〔Schena et al, Science (1995), 270:467-470, DeRisi et al, Naturegenetics (1996), 14:457-460; Shalon et al., Genome Res. (1996), 6:639-645; および Schena et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1995), 93:10539-11286〕; (iii) マスキングによる〔Maskos and Southern, Nuc. Acids. Res. (1992), 20:1679-1684〕および (iv) ナイロンまたはニトロセルロースハイブリダイゼーション膜におけるドットブロッティングによる〔例えば、 Sambrook et al., Eds., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory (Cold Spring Harbor, N.Y.)を参照されたい〕を含む任意の数の様式で基質(substrate)に付着させてもよい。
【0054】
一態様において、マイクロアレイは、神経学的な障害を診断するアレイの調製におけるSURFファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素から選択されるタンパク質に関連する配列を含む。
【0055】
別の態様において、本発明は、表 Iのタンパク質の活性を刺激する又は低下させる化合物をスクリーニングする方法に関する。また、これらのタンパク質は、インビトロで発現され、スクリーニングアッセイに関して精製され、タンパク質のミスフォールディング/凝集および神経毒性に関して動物モデルにおいて発現されてもよい。ランダムなスクリーニングに関して、ペプチド, 炭水化物, 薬学的因子などの因子がランダムに選択され、前記タンパク質に結合する又はタンパク質の活性を刺激する/低下させる能力に関してアッセイされる。かかる方法には、タンパク質を発現している細胞を試験される化合物とインキュベーションすること;および前記細胞をタンパク質のATP結合における前記化合物の効果を測定することでタンパク質の活性に関してアッセイすることが含まれる。任意の細胞を機能的な形態のタンパク質を発現し、タンパク質の活性が測定できるかぎり、上記アッセイに使用しえる。好適な発現細胞は、真核生物の細胞または生物体(organisms)である。係る細胞を、当該技術分野において既知のルーチンの処置を用いてタンパク質をコード化しているDNA配列を含ませるために修飾することができる。代わりに、当業者は、タンパク質をコード化しているmRNAを直接的に細胞に導入できる。
【0056】
別の態様において、本発明は、変更されたタンパク質の発現または異常な活性に対抗できる医薬品(例えば、薬物)のスクリーンに関する。好ましくは、ニューロン培養を、本出願に記載されるベクター技術を用いてタンパク質の変異体形態の過剰発現に使用しえる。ニューロン形態およびタンパク質分布における変化が評価され、定量の手段が使用される。この生物検定は、表現型を寛解することができる薬物のスクリーンとして使用される。表 Iからのタンパク質に対するリガンド(上記のアンタゴニスト および アゴニストを含む)を用いて、本発明はさらに細胞におけるタンパク質の活性を調節するための方法を提供する。通常、タンパク質の活性をブロックまたは刺激すると同定された因子(アンタゴニスト および アゴニスト)を、化合物がタンパク質をインビボで発現している細胞と接触できるように製剤化できる。係る細胞を係る化合物と接触させることによって、タンパク質の活性のインビボでの調節(modulation)が生じる。
【0057】
候補化合物は、小分子化合物, ペプチド化合物, ペプチドミメティック(peptide mimetics), 抗体, 抗体断片, 抗体誘導体(antibody derivatives), ヌクレオチド分子, ホルモンなどの従来のクラスの薬物療法から選択されてもよい。
【0058】
一態様において、候補の小分子化合物には、トポイソメラーゼ II インヒビター, 細菌性のトランスペプチダーゼインヒビター, カルシウムチャネルブロッカー, シクロオキシゲナーゼ インヒビター, 葉酸合成インヒビターおよびナトリウムチャネルブロッカーが含まれえる。これらの分子によって、タンパク質のミスフォールディングおよび凝集が予防され、参照によってその全体が本出願に援用される公開されたPCT出願WO 2007/062186 A2に開示された神経保護が提供される。
【0059】
アッセイでスクリーンされた他の因子は、アミノ酸誘導体, ペプチド, 炭水化物, ビタミン誘導体,または他の薬学的因子(pharmaceutical agents)でありえるが、これらに限定されない。これらの因子は、タンパク質またはリガンドのモデリング技術(好ましくは, コンピュータ モデリング)などを用いて、合理的に選択またはデザインすることでランダムにスクリーンできる。
【0060】
また、表 Iに記載されるヌクレオチド配列およびタンパク質は、アゴニスト, アンタゴニストまたは内因性分子(endogenous molecules)との結合パートナーとして作用する新しい化合物をデザインするために使用されてもよい。ミスフォールディングおよびタンパク質凝集に影響する本出願に記載されるスクリーニング方法で同定された活性試験因子(Active test agents)は、アナログ化合物(analog compounds)の合成のためのリード化合物として貢献できる。典型的に、アナログ化合物は、合成されてリード化合物のものと類似する電気的なコンフィギュレーションおよび分子のコンフォメーションを有する。アナログ化合物の同定は、自己無撞着の場(SCF; self-consistent field)分析, コンフィギュレーション相互作用 (CI; configuration interaction)分析, および正常モード動力学分析(normal mode dynamics analysis)などの技術の使用をとおして行うことができる。これらの技術を提供するためのコンピュータ・プログラムは、利用可能である。例えば、Rein等〔Rein et al., (1989) Computer-Assisted Modeling of Receptor-Ligand Interactions (Alan Liss, New York)〕を参照されたい。
【0061】
一旦、アナログが調製されれば、それらを本出願に開示された方法を用いてスクリーンし、タンパク質凝集を調節する能力の増加を示すアナログを同定することができる。係る化合物は、さらに分析に供試されて、薬学的因子として最大のポテンシャルを有する化合物が同定される。代わりに、スクリーニング方法をとおして活性を有することが示されたアナログは、なおさらなるアナログの調製におけるリード化合物として貢献することができ、これは本出願に記載される方法でスクリーンできる。スクリーニング, アナログの合成および再スクリーニングのサイクルを、複数回反復できる。
代わりに、因子を、合理的(rationally)に選択またはデザインしてもよい。本出願に使用される因子(agent)は、因子がタンパク質のコンフィギュレーションに基づいて選択される場合に「合理的に選択またはデザインされる」といわれる。
【0062】
定量的構造活性関係(QSAR; Quantitative Structure-Activity Relationship)法を使用して、化合物の化学構造及びその生物活性の間の関係を定量しえる。各化合物のクラスを構造活性関係(SAR)および/または定量的構造活性関係(QSAR)を含む一または二以上の技術を用いて広域の有効性を定量または見積ることができ、化合物のクラスに関連する一または二以上の構造に関連する一または二以上の活性を同定できる。これらの化合物のクラスの各々は、合成可能性(synthesizability), 可動性(flexibility), 特許性, 活性, 毒性, および/または代謝のような要素に基づいて優先順位がつけられてもよい。この場合において、各々の特定の化合物のクラスの化合物の全てのまたは付加的なセットが、アッセイされ、分析されてもよい。幾つかの化合物クラスは非常に大きいので、前記クラス中の化合物のサブセットがアッセイされ、分析されてもよく、前記クラスが予め決定された過剰のレベルにおける有効性が継続的に実証されている場合、残っているメンバーがアッセイされる。また、このアプローチによって、本発明に使用するための機能的な化合物のアナログおよび化合物のクラスが同定される。機能的なアナログの活性は、神経保護およびタンパク質のミスフォールディングおよび凝集における作用をスクリーンするための線虫モデルを用いて確認されえる。
【0063】
コンピュータ モデリング技術によって、選択された分子の三次元の原子構造の可視化および前記分子と相互作用する新しい化合物の合理的なデザインが許容される。これらの方法によって、神経保護において及びタンパク質のミスフォールディングおよび凝集において作用を有することが知られている既知の小分子化合物の機能的なアナログをみつけるための様式が提供される。標的タンパク質に結合する化合物の三次元構造の分析によって、相互作用の部位が同定され、次に類似する結合特性を有するだろう類似する化合物および機能的なアナログを同定するために使用される。三次元構築は、典型的には選択された分子のX線結晶分析またはNMRイメージングからのデータに依存する。分子動力学(molecular dynamics)は、力場データ(force field data)を必要とする。コンピュータグラフィクスシステムによって、如何に新しい化合物が標的分子と連結するかの予測が可能となり、化合物および標的分子の構造を完全な結合特異性へと実験的に操作することが許容される。小さい変化が一方または両方になされた場合に如何なる分子化合物相互作用が存在するかの予測は、通常分子デザインプログラムおよび利用者の間のユーザーフレンドリーでメニュー選択方式のインターフェースで連結した分子力学ソフトウェアおよび計算集中的なコンピュータ(computationally intensive computers)を必要とする。
【0064】
分子モデリングシステムの例は、CHARMmおよびQUANTAプログラム(Polygen Corporation, Waltham, Mass)である。CHARMmは、エネルギー極小化および分子動力学機能を行う。QUANTAは、分子構造の構築, グラフィックモデリングおよび分析を行う。QUANTAによって、分子の互いの行動の相互作用の構築, 修飾, 可視化, および分析が許容される。
いくつかの文献は、特異的なタンパク質と相互作用する薬物のコンピュータ モデリングを論評している(Schneider and Fechner, Nat Rev Drug Discov. 2005 Aug;4(8):649-63; Guner, IDrugs. 2005 Jul;8(7):567-72; およびHanai, Curr Med Chem. 2005;12(5):501-25)。化学物質をスクリーンし、図示して描写する他のコンピュータ・プログラムは、BioDesign(BioDesign, Inc., Pasadena, Calif.)およびHypercube(Hypercube, Inc., Cambridge, Ontario)などの会社から利用可能である。これらは特定のタンパク質に特異的な薬物に適用させるため主にデザインするが、それらをDNAまたはRNAの領域(一旦、その領域が同定されたら)に特異的な薬物のデザインに適応させることができる。結合を変更させえるだろう化合物のデザインおよび生成(generation)を参照して上記に記載したが、インヒビターまたはアクチベータである化合物に関して、タンパク質を含む天然の産物または合成化学物質, および生物学的に活性な物質を含む既知の化合物のライブラリーもスクリーンできるだろう。このアプローチを用いて同定された化合物の活性は、タンパク質のミスフォールディングおよび凝集における神経保護作用をスクリーンするための線虫モデルを用いて確認されえる。
【0065】
また、本発明は、予防上および治療上の適用のための化合物のスクリーニングに使用するためのトランスジェニック動物モデルを提供する。本発明のトランスジェニック動物は、非天然の手段(すなわち、ヒトの操作)で外来遺伝子(foreign genes), 遺伝的に操作された内因性遺伝子などの動物において天然で生じない一又は二以上の遺伝子が導入された動物である。導入遺伝子(transgene)として知られる非天然の導入された遺伝子は、前記動物と同じまたは異なる種からのものであってもよいが、前記コンフィギュレーションにおいて及び/又は導入遺伝子により与えられた染色体の座位で前記動物に天然でみつけられない。
【0066】
導入遺伝子は、外来のDNA配列、すなわち、通常宿主動物のゲノムにみつけられない配列を含んでもよい。代わりに又は付加的に、導入遺伝子は、前記遺伝子の発現の正常なインビボパターンを変化させる又は前記遺伝子でコードされる内因性遺伝子産物の生物活性を排除するためにインビトロで再配置(rearranged)または変異されたことにおいて異常である内因性DNA配列を含んでもよい〔Watson, J. D., et al., In: Recombinant DNA, 2d Ed., W. H. Freeman & Co., New York (1992), pg. 255-272; Gordon, J. W., 1989, Intl. Rev. Cytol. 115:171-229; Jaenisch, R., 1989, Science. 240:1468-1474; Rossant, J., 1990, Neuron. 2:323-334〕。導入遺伝子は、すべてが当業者に知られる前核注射(pronuclear injection), ES細胞伝達, ウイルス性の統合的な方法で導入されてもよい。
【0067】
本発明の非ヒト動物は、内因性遺伝子のトランスジェニックの妨害(interruption)または変更を有している(ノックアウト動物)及び/又はそのゲノムにSURF ファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質およびアシルCoA酸化酵素から選択されるタンパク質の発現を方向づける(direct)一つまたは二つ以上の導入遺伝子が導入された任意の動物を含む。
係る非ヒト動物には、げっ歯類, 非ヒト霊長類, ヒツジ, イヌ, ウシ(cow), 両生類, 爬虫類などの脊椎動物が含まれる。好適な非ヒト動物は、非ヒト哺乳類の種の動物から選択される、最も好ましくは、ラット および マウスを含んでいるげっ歯類ファミリーからの動物であり、最も好ましくはマウスである。
結果的に生じる病にかかりやすい又は導入遺伝子により病を生じるトランスジェニック非ヒト動物は、病を誘発する組成物を同定する、病を誘発することが知られる又は疑われる組成物の病原性ポテンシャル(pathogenic potential)を評価する(Bems, A. J. M., 米国特許第5,174,986号)、または病を治療する又はその症候を寛解させるために使用しえる組成物を評価する(Scott, et al., WO 94/12627)ために使用してもよい。
【0068】
標的遺伝子は、これらのトランスジェニック生物において、染色体に統合され、標的タンパク質を過剰発現する。
【0069】
一態様において、本発明は、神経疾患に関連するタンパク質のミスフォールディングおよび凝集の症候(symptoms)を、欠陥のあるタンパク質フォールディング機構または凝集傾向性のタンパク質を発現することにより表すトランスジェニック動物を提供する。変異ハンチントン, ベータ-アミロイド, tau, アルファ-シヌクレイン, 変異アンドロゲンレセプター, 変異SODI, 変異アタキシンなどの他の凝集傾向性のタンパク質を、他の神経疾患のモデルとして使用しえる。例として、一態様において、ニューロンにおいてアルファ-シヌクレインタンパク質をニューロン特異的プロモーターを用いて過剰発現するトランスジェニック生物体が使用される。アルファ-シヌクレインの過剰発現は、ミスフォールディングしたタンパク質の中間体(intermediates), タンパク質凝集およびニューロンの変性を生じる。このトランスジェニック系統は、標的遺伝子産物が神経保護の優良性を与え、アルファ-シヌクレインのミスフォールディングおよび凝集の毒性効果を低下させるかどうかを決定するための前のRNAi スクリーニングから同定された標的遺伝子を過剰発現している生物と交雑してもよい。導入遺伝子がSURF ファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質 および アシルCoA 酸化酵素から選択される遺伝子の変更形態である他のモデルを使用してもよい。変更には、神経疾患の症候を生じるタンパク質の増加した又は減少した発現または変異または選択的にスプライスされた形態が含まれてもよい。
【0070】
神経保護をアッセイするためのモデルにおいて、トランスジェニック生物はドーパミン含有ニューロンを破壊することが知られている6-ヒドロキシドパミン (6-OHDA)などの神経毒で処理された。また、他の神経毒を、このスクリーニング方法に使用してもよく、これは当業者に知られている。ニューロンの形態は、毒素の曝露後に蛍光顕微鏡でルーチンにスクリーンできる。
例えば、このスクリーニング方法は、ドーパミン作用性ニューロンをα-シヌクレイン誘導性の神経変性から防御する能力で特徴付けられるこれらの遺伝子産物を同定した。ほとんどゼロのe-値を有しているヒト, ワーム, ウシ, ラット, およびマウスのアシル-CoA酸化酵素の配列などの遺伝子に高度な保存性が存在する。そのようなことから、他の種のホモログは、神経保護の提供に同じ機能を有するであろう。sec-22の過剰発現によって、α-シヌクレイン誘発性の神経変性のドーパミン ニューロンに神経保護が与えられる。同様に、torsin タンパク質によって、α-シヌクレイン誘発性の神経変性のドーパミン作用性ニューロンに神経保護が与えられる〔Cao et al., J Neurosci. 2005 Apr 13;25(15):3801-12〕。トランスジェニックワームによって、他の遺伝子または化合物の神経保護効果をスクリーンするための効果的なモデル系が提供される。
【0071】
本出願に使用される細胞は、細胞が遺伝的な操作をとおして通常産生しない又は前記細胞が通常低いレベルで産生するタンパク質を産生させた場合に「所望のペプチドを発現するため変更された(altered to express a desired peptide)」といわれる。当業者は、ゲノム, cDNA,または合成の配列の何れかを真核または原核細胞の何れかに導入する及び発現させるための処置を容易に適応させることができる。
核酸分子(例えば、DNA)は、転写および翻訳調節性の情報を含むヌクレオチド配列を含み、係る配列が前記ポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列に「作動可能に連結される(operably linked)」場合、ポリペプチドを「発現する能力のある(capable of expressing)」といわれる。作動可能な連結は、調節性のDNA配列および発現されることが望まれるDNA配列が遺伝子発現が許容される様式で連結される連結である。
本出願に記載される核酸分子およびタンパク質によって、神経疾患を治療するための治療上の標的が提供される。欠乏性(deficient)または欠陥性(defective)の遺伝子またはタンパク質により生じる神経疾患は、遺伝子またはタンパク質の機能を回復(restoring)することで治療されえる。係る回復は、遺伝子治療を用いること,または化合物を投与して正常な遺伝子またはタンパク質の機能を回復することにより達成し得る。
【0072】
機能的なDNAは、係る遺伝子でコードされたタンパク質の発現を許す様式および量で、欠乏性(deficient)または欠陥性(defective)のタンパク質により生じる神経疾患を患う又はその疾患にかかりやすい係る患者を治療するため十分な時間および量で係る患者の細胞に提供されえる。細胞から失われている遺伝子またはタンパク質が必要なヒト患者にこのような送達を提供する多くのベクターシステムは当該技術分野において既知である。例えば、レトロウイルスシステムは、特に修飾レトロウイルスシステムおよび特に単純ヘルペスウイルスシステム(Breakefield, X. O., et al., 1991, New Biologist. 3:203-218; Huang, Q., et al., 1992, Experimental Neurology. 115:303-316; WO93/03743; WO90/09441)を使用できる。機能的なタンパク質をコード化しているDNA配列の送達によって、障害を生じる失われている又は変異した遺伝子が効率的に置換される。
【0073】
本発明の別の態様において、遺伝子が、細胞において組換え型の遺伝子として発現し、その細胞を哺乳類(好ましくは、遺伝子治療を必要とするヒト)に移植できる。遺伝子治療を個体に提供するため、遺伝子の全てまたは部分をコード化する遺伝的な配列が、ベクターに挿入され、宿主細胞に導入される。別の態様において、欠陥のある又は機能不全のタンパク質の発現は、RNAiを用いて低下されえる。係る方法は、Forte等〔Forte et al.(Curr Drug Targets. 2005 Feb;6(1):21-9)〕で論評されている。
【0074】
遺伝子治療に適切な疾患の例には、神経変性疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。係る障害には、パーキンソン病, アルツハイマー病, プリオン病, ポリグルタミン 病, タウオパシー, ハンチントン病, ジストニー, 家族性の筋萎縮性側索硬化症, Pick病, 進行性核上性麻痺および皮質性の変性(cortical degeneration)が含まれる。
遺伝子治療法を使用して表 Iのタンパク質のコード配列を患者に伝達できる〔Chattedee and Wong, 1996, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 218:61-73; Zhang, 1996, J. Mol. Med. 74:191-204; Schmidt-Wolf and Schmidt-Wolf, 1995, J. Hematotherapy. 4:551-561; Shaughnessy, et al., 1996, Seminars in Oncology.23:159-171; Dunbar, 1996,Annu. Rev. Med. 47:11-20〕。
遺伝子治療に使用しえるベクターの例には、欠陥レトロウイルス性(defective retroviral), アデノウイルス性,または他のウイルス性のベクター(Mulligan, R. C., 1993, Science. 260:926-932)が含まれるが、これらに限定されない。遺伝子を保持しているベクターを細胞に導入しえる手段には、マイクロインジェクション, 電気穿孔法, 形質導入(transduction),またはDEAE-デキストラン, リポフェクション, リン酸カルシウムを用いるトランスフェクション(Sambrook, J., Fritsch, E. F., and Maniatis, T., 1989, In: Molecular Cloning. A Laboratory Manual., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor)、または当業者に既知の他の処置が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
記載されたスクリーニング方法を用いて発見された治療化合物を含む本発明の化合物は、神経疾患を治療するため投与してもよい。一態様において、組成物は、治療上効果的な量の化合物を含んでいるものが投与されて、神経疾患の症候が治療, 低下または根治(eradicate)される。また、当業者は、任意の特定の治療プロトコールのため投与される量を容易に決定できることを認識するだろう。用量は、望まれない交差反応, アナフィラキシー反応などの有害な副作用を生じるほど多いべきではない。一般に、用量は、患者の年齢, コンディション(condition), 性および疾患の程度、禁忌(ある場合)および他のこのような変数で変動し、個々の医師により調整される。免疫活性化を提供するため本発明に使用される用量は、約 0.1 μg から約 500 μgを含み、これには0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 5.0, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 65, 70, 75, 80, 85, 90, 95, 100, 150, 200, 250, 300, 350, 400, および 450 μgが含まれ、それらの間の全ての範囲および部分的な範囲を包括的に含む。係る量は単一用量として投与されてもよい又は効果的な療法にしたがい投与されてもよい(引き続く追加用量を含む)、例えば、本発明の組成物は、単回または日, 週, 月および/または年の期間のコースで連続的に投与できる。用量は、薬学的に許容される担体において投与されてもよい。
【0076】
また、注射可能な調製物(溶剤, 懸濁剤, エマルジョン剤, 使用の際に溶解される固形剤など), 錠剤, カプセル, 顆粒剤, 粉剤, 液剤(liquids), リポソーム封入剤(liposome inclusions), 軟膏, ゲル, 外用粉剤(external powders), スプレー, 吸入粉剤(inhalating powders), 点眼液, 眼軟膏, 坐剤, ペッサリーなどの剤形(dosage form)を、投与方法に適切に依存して使用でき、本発明のペプチドをそれに応じて製剤化できる。薬学的製剤は、一般に当該技術分野において既知であり、文献〔Comprehensive Medicinal Chemistry, Volume 5, Editor Hansch et al, Pergamon Press 1990〕の25章2などに記載される。
表 Iからのタンパク質又はそのリガンドは、注射により又は時間にしたがい徐々に灌流することにより非経口的に投与できる。静脈内に, 腹腔内に, 筋肉内に, くも膜下腔内にまたは皮下に投与できる。化合物が血液脳関門を通過することを保証する他の方法も、前記化合物の投与に使用するため意図される。
【0077】
非経口投与のための調製には、無菌のまたは水性のまたは非水性の溶剤, 懸濁剤, およびエマルジョン剤が含まれる。非水性の溶液の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイル等の植物油、およびオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルである。水性の担体は、水、アルコール性/水性の溶液、エマルジョンまたは懸濁液、塩類溶液および緩衝化された媒体類を含む。非経口の媒体は、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸化リンゲル、または固定油(fixed oils)を含む。静脈内の媒体は、流体(fluid)および栄養性補液(nutrient replenishers)、リンゲルデキストロースなどに基づくものなどの電解質補充薬(electrolyte replenishers)を含む。例えば、抗菌剤(antimicrobials)、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなどの保存剤(Preservatives)及びその他の添加物が存在してもよい〔Remington 's Pharmaceutical Science, 16th ed., Eds.: Osol, A., Ed., Mack, Easton PA (1980)〕。
別の態様において、本発明は、タンパク質の活性を変更させるため十分な量の表 Iからのタンパク質又はそのリガンド, および薬学的に許容される希釈剤, 担体,または賦形剤を含んでいる薬学的組成物に関する。適切な濃度および剤形サイズは、当業者が上記のとおり容易に決定できる〔Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th ed., Eds.: Osol, A., Ed., Mack, Easton PA (1980); WO 91/19008〕。
【0078】
本発明に使用できる薬学的に許容される担体には、一般に医学的な分野に使用される賦形剤, 結合剤, 潤滑剤, 着色剤, 崩壊剤, 緩衝剤, 等張剤, 保存剤, 麻酔剤などが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
別の態様において、本発明は、表 Iのタンパク質又はそのタンパク質のリガンド(アンタゴニスト および アゴニストを含む)を動物(好ましくは, 哺乳類(より好ましくは, ヒト))におけるそのタンパク質のレベルの変更に影響させるため十分な量で投与する方法に関する。投与されたタンパク質またはリガンドは、タンパク質関連性の機能に特異的に影響できるだろう。さらに、表 Iのタンパク質は脳組織で発現するため、タンパク質またはリガンドの投与は脳におけるタンパク質のレベルまたは機能を変更させるため使用できるだろう。この方法で治療しえる神経学的な障害には、アルツハイマー病, パーキンソン病, プリオン病, ポリグルタミン病, タウオパシー, ハンチントン病, 家族性の筋萎縮性側索硬化症, Pick病, 進行性核上性麻痺および皮質性の変性などのタンパク質凝集の障害が含まれる。
【0080】
別の態様において、本発明は、サンプルにおける表 Iにリストされた核酸またはタンパク質の存在を検出するためのキットに関する。一態様において、前記キットは、変更されたタンパク質を検出する又は神経疾患の素因または存在を診断するための試薬およびその使用のための説明書を含む。キットは、上記の核酸プローブが配されている少なくとも一つの容器が含まれてもよい。好適な態様において、キットは、さらに洗浄する試薬および/またはハイブリダイズした核酸プローブの存在を検出する能力のある試薬を含んでいる他の容器(containers)を含む。検出試薬の例には、放射標識したプローブ, 酵素プローブ (西洋わさびペルオキシダーゼ, アルカリホスファターゼ), および親和性標識プローブ(ビオチン, アビジン,またはストレプトアビジン)が含まれるが、これらに限定されない。一態様において、キットは、PCR, ハイブリダイゼーションまたは配列ベース(sequence-based)のアッセイ又はその任意の組み合わせ(例えば、マイクロアレイ)を行うことにより障害を検出するための一または二以上の試薬を含む。
【0081】
より詳細には、区画化したキット(compartmentalized kit)には、試薬が分離容器(separate containers)に含まれる任意のキットが含まれる。係る容器には、小さいガラス容器, プラスチック容器またはプラスチックまたは紙のストリップ(strips)が含まれる。係る容器によって、サンプルおよび試薬が交差汚染(cross-contaminated)せず、各容器の因子または溶液が一つの区画から別の区画に定量的な様式で付加できるように一つの区画から別の区画に試薬の効率的な移動が許される。係る容器には、検査サンプルを受容(accept)する容器, アッセイに使用されるプローブまたはプライマーを含む容器, 洗浄試薬(例えば、リン酸緩衝食塩水, Tris 緩衝剤, など)を含む容器, およびハイブリダイズしたプローブ, 結合抗体(bound antibody), 増幅させた産物を検出するため使用される試薬を含む容器が含まれる。
【0082】
当業者は、本発明に記載される核酸プローブを当該技術分野において周知の確立したキット型式の一つに導入できることを容易に認識する。
本発明の別の態様において、キットは、表 Iにリストされたタンパク質の存在または非存在;または表 Iにリストされたタンパク質の存在または非存在に基づいて哺乳類において障害を発生する尤度(likelihood)を検出するために提供される。この特定のキットには、前に記載した検出の方法を行うため全ての必要な試薬が含まれる。
【0083】
例えば、キットは、上記の抗体を含んでいる第一の容器手段, および前記抗体の結合パートナー(binding partner)および標識を含んでいる抱合体(conjugate)を含んでいる第二の容器手段を含むことができる。
また、キットは、上記のタンパク質を含んでいる第一の容器手段, および好ましくは前記タンパク質の結合パートナーおよび標識を含んでいる抱合体を含んでいる第二の容器手段を含んでもよい。より具体的には、診断上のキットは、潜在的に感染した動物またはヒトの血清における抗体を検出するための上記の表 Iにおけるリストのタンパク質を含む。
別の好適な態様において、キットは、さらに一または二以上の洗浄する試薬および結合抗体の存在を検出する能力のある試薬を含んでいる一または二以上の他の容器を含む。検出試薬の例には、標識された二次抗体, または代替として, 一次抗体が標識される場合, 標識抗体と反応する能力のある発色団(chromophoric), 酵素,または抗体結合試薬が含まれるが、これらに限定されない。区画化したキットは、上記のように核酸プローブのキットに関するものであってもよい。キットは、例えば、RIAキットまたはELISAキットであってもよい。
【0084】
当業者は、本発明に記載される抗体を当該技術分野において周知の確立したキット型式の一つに導入できることを容易に認識する。
【0085】
本発明の特定の例を詳細に記載する。次の例は、説明の目的で提供され、本発明をなんらかの様式に限定も規定もしない。
【0086】
例 1: RNAiを用いるパーキンソン病におけるタンパク質凝集を制御する遺伝子のスクリーニング
アルファ-シヌクレイン::GFPを過剰発現しているトランスジェニックの線虫系統を、発生させ、蛍光顕微分析で検出可能なアルファ-シヌクレインの視覚的な凝集物を形成させた。遺伝子発現は、unc-54 プロモーターの制御下にあり、体壁に直接発現される。アルファ-シヌクレイン::GFP +TOR-2を含有している別のトランスジェニック ワーム系統を、タンパク質凝集に関連する候補遺伝子のRNAi スクリーニングのために使用した。アルファ-シヌクレイン::GFP + TOR-2ワームにおけるTOR-2の存在によって、体壁の筋肉細胞中のアルファ-シヌクレイン::GFP 融合タンパク質の凝集が阻止され、拡散した蛍光(diffuse fluorescence)を生じる。TOR-2によるタンパク質凝集の類似する抑制は、ポリグルタミン依存的なタンパク質凝集に関して以前に報告されている〔Caldwell et al. Hum Mol遺伝子t. 2003 Feb 1;12(3):307-19〕。このトランスジェニックによって、アルファ シヌクレイン::GFP + TOR-2を含有しているワームの体壁の筋肉においてRNAiフィーディングを用いる迅速なスクリーニング方法が許容され、RNAiで枯渇させた際にミスフォールディングの増加およびアルファ-シヌクレイン凝集の復帰を生じる遺伝子がみつけられる。
線虫遺伝子のライブラリを、RNAiを用いてスクリーンし、アルファ シヌクレインの凝集における遺伝子ノックダウンの効果を決定した。18,000の細菌株のこのRNAi ライブラリを、線虫のゲノムワイド RNAi スクリーニングにおける細菌のフィーディングに使用するため購入した(Sanger Centre, Cambridge)。全体の線虫のゲノムを広くスクリーンするよりも、ER-関連性デグラデーション (ERAD), ユビキチンプロテオソーム系 (UPS), 自己貪食, パーキンソン病 および インタラクトームおよび マイクロアレイ共発現データに関係する遺伝子の論理的(reasoned)なターゲティングによって、スクリーニングに関連するタンパク質凝集に影響する候補分子が同定される。
【0087】
簡単に説明すると、標的遺伝子のdsRNAを発現している大腸菌の新鮮な培養物を、アンピシリンおよびテトラサイクリンを含有しているLB 寒天 プレート上に調製し、一晩成長させた。dauer アルファ-シヌクレイン::GFP ワームの新鮮な培養物および標的遺伝子を発現している大腸菌の3mlの細菌培養物を、次の日に調製した。実験の日に、標的遺伝子ごとに一つの小さいおよび一つのメディウム(medium)のプレートを、IPTGで被覆し、細菌培養物を各物質でコーティングする間の時間に乾燥させた。五つのL4ワームを、各メディウムプレートに約 42 時間25゜Cで配置した。全てのオリジナルの成体ワームを、小さいIPTG/細菌被覆プレートに9 時間移し、その後オリジナルの成体ワームを焼いた(burned off)。子孫を、36 時間後に生じた表現型の発現に関して分析した。
【0088】
複数のラウンドのRNAi 分析 (50 ワーム/遺伝子; 2 反復; >80%のワームが凝集の増加を呈していると陽性に判定された)および加齢とともに強い効果を呈している候補を同定するため発生をステージ分けした動物(developmentally-staged animals)の二次的(よりストリンジェント)なスクリーニングによって、ノックダウンした際にヒト アルファ-シヌクレインのミスフォールディングを再現性をともない誘導する表Iにリストされた候補遺伝子が同定された。これらの遺伝子は、SURF ファミリーのタンパク質, SEC22 ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素の線虫ホモログである。
様々な表現型が、候補のシステマチックな RNAi ノックダウンにつづく凝集した状態への復帰に関してアルファ-シヌクレイン::GFP +TOR-2 ワームをスクリーニングした後に生じる。これらの表現型には、核の周囲の凝集物の時折(occasional)のクラスター形成が含まれる。
【0089】
これらの実験の所見によって、アルファ-シヌクレインの凝集に関係するタンパク質をルーチンの実験法でスクリーニングする信頼のおける方法が提供される。これらの実験の結果によって、標的タンパク質の同定が提供されて、病理学的な表現型の原因であるが、他方で合理的なドラックデザインのためのタンパク質の標的も提供する標的タンパク質のなかの変異が研究される。
【0090】
例 2: アルファ-シヌクレイン過剰発現後の候補遺伝子の発現によるドーパミン ニューロンの神経保護。
線形動物の新しい同質遺伝子系統(isogenic line)を、神経保護の証拠のためにパーキンソン病遺伝子の候補のスクリーニングに関して特異的に設計した。この新しい同質遺伝子系統には、発生および加齢(aging)の間のインビボでの神経変性を評価するためにドーパミン ニューロン単独においてヒト アルファ-シヌクレインをGFPとともに過剰発現している染色体に統合された導入遺伝子が含まれる。この系統は、線虫の発生の4日目の成体ステージで約 30-40%の変性を呈し、アルファ-シヌクレインの素因がドーパミン神経変性に影響するだろう環境的/遺伝的な因子を調査するための理想的なツールを提示する。陽性のRNAiスクリーン候補のシステマチックな評価を、このアルファ-シヌクレイン株のドーパミン ニューロンにおいて対応しているcDNAsを過剰発現している動物を交配して行い、そして神経保護の証拠をみつけた。また、この株を、アルファ-シヌクレイン依存的なデグラデーションの小分子インヒビターのハイスループットスクリーニングに使用しえる。
【0091】
材料および方法
線虫の株およびプロトコール
線形動物を、標準的な処理を用いて維持した(Brenner, 1974))。トランスジェニック系統を、野生型の線虫(N2 Bristol variety)にPdat-1::GFPをPdat-1::SEC22 [株 UA38 (baEx38)]またはPdat-1::torsinA および Pdat-1::TOR-2で形質転換することによって作出した。α-シヌクレインを過剰発現している系統の構築に関して、Pdat-1::GFP および Pdat-1:: α-シヌクレイン[株 UA18 (baEx18)]を、N2 ワームに注射した。プラスミド構築物の各組み合わせに関して、安定な染色体外アレイ(extrachromosomal arrays)を発現している複数のワームの系統を比較し、三つの代表的な系統を実験の分析のために使用した(但し、単一の代表的なトランスジェニック系統が全ての安定な系統における初期の分析後の反復実験に使用された6-OHDA 実験を除く)。
【0092】
プラスミドの構築および突然変異誘発
プラスミドを、GatewayTM技術を用いて構築した(Invitrogen, Carlsbad, CA)。特に、unc-54 プロモーター 領域を、pPD30.38 (Andrew Fireからの供与)からHindIII および KpnIでの二重消化で除き、pRN200(Nass et al., 2002)から増幅したdat-1 プロモーター領域の断片で置換した。生じた新規のベクターを、次にGatewayTM技術を用いてGatewayTMデスティネーションベクター(pDEST-DAT-1)に転換した。ヒト α-シヌクレイン cDNA プラスミドを、Philipp Kahleから取得した。GatewayTMエントリーベクターを、PCR で増幅したSEC22 (配列番号 5) α-シヌクレイン, GFPをコード化しているcDNA断片を用いて、pDONR201またはpDONR221とのBP 反応で作出した。これに続いて、全ての遺伝子を、それぞれエントリーベクターとのLR 反応を介してpDEST-DAT-1 ベクターにクローン化した。
【0093】
免疫ブロットに関する線虫抽出物の調製。
【0094】
抽出物を、二つの100mmのNGM プレートにおいてコンフルエント近くまで各トランスジェニック系統を成長させたのちに調製した。ワームを、M9 緩衝剤での洗浄で収集し、1.5 mlの微量遠心チュウブ(microcentrifuge tube)で 5,000 x g で 1 minで遠心分離して濃縮した。ワームのペレットを、再懸濁し、0.5 mlのワームの溶解緩衝剤 (100mM Tris, pH 6.8, 2% SDS, 15% グリセロール)で5 min煮沸して溶解した。このライセートを、再び13,200 x g で 10 min遠心し、上清を収集し、Centricon YM-10 カラム (Millipore)を用いて14,000 x g 、 30 minで濃縮した。タンパク質濃度を、ビシンコニン酸タンパク質アッセイ (Sigma, St. Louis, MO)を用いて決定した。
【0095】
アルファ-シヌクレイン誘発性の神経変性の分析
α-シヌクレイン トランスジェニック系統の7日齢の動物を得るために、緑色蛍光をともなう非統合型(non-integrated)のL1 および L2 ワームを選択し、成体のステージ4 日(孵化後約 7 日)まで成長させた。各々の選択したステージの30-40 ワームを、各々の非統合型の系統に関して分析し、導入遺伝子の各々の組み合わせに関して少なくとも三つの安定な系統の平均を記録した。樹状突起の形態にかかわらず、全て四つのCEP 細胞体をなお保存している場合、ワームを野生型と評価した。
【0096】
結 果
候補からの野生型 cDNAsを、トランスジェニック線虫での神経保護アッセイにおける評価のためドーパミン発現ベクター(dopamine expression vector)にクローン化した。
【0097】
また、このスクリーニング方法によって、ドーパミン作用性 ニューロンをα-シヌクレイン誘発性の神経変性から防御する能力により特徴付けられる遺伝子が同定された。その線虫遺伝子は、SEC22 (配列番号5)であり、ヒトのSEC22遺伝子に対応する(配列番号7)。SEC22 cDNAは、GFP-標識ドーパミン ニューロンにおいて過剰発現され、6-OHDAへの曝露後の神経保護に関してアッセイされた。独立(Independent)のSEC22発現トランスジェニック系統を取得し、これはドーパミン ニューロンの -シヌクレイン誘発性の神経変性からの劇的な保護を呈した。類似する結果は、アシルCoA 酸化酵素の過剰発現で認められた。SEC22の作用(例えば、DA ニューロンの神経保護における)は、図 1に示される。さらなる研究によって、発生の早期に凝集物を示す他の候補および動物の齢にともなってのみ凝集物を有する他の候補が区別されるだろう。
【0098】
例 3: ヒトにおけるパーキンソン病の素因または存在を変更および診断するタンパク質を検出するためのマイクロアレイを用いる方法
パーキンソン病マイクロアレイの生産
パーキンソン病マイクロアレイは、Affymetrix社により使用されるスポットマイクロアレイ(spotted microarrays)または高密度, オリゴヌクレオチドベースプラットフォーム(oligonucleotide-based platform)などの標準の商業的に利用可能なマイクロアレイ技術を用いて作出された。中間数から多数の遺伝子および/または転写物を、分析〔すなわち、発現(または応答)プロファイリング〕のため選択した。本発明の方法においてモニターできる核酸配列には、GenBank.RTM.データベースのNational Center for Biotechnology Information (ワールドワイドウェブ上でncbi.nlm.nih.gov)にリストされるもの, および公共または商業的に利用可能な データベース〔例えば, NCBI EST 配列データベース, EMBLヌクレオチド配列データベース; Incyteの(Incyte, Palo Alto, Calif.) LifeSeq.TM. データベース, および Celeraの (Celera, Rockville, Md.) "Discovery System".TM. データベース〕が含まれるが、これらに限定されない。また、本発明のマイクロアレイは、表 Iのタンパク質のヒトホモログをコード化している配列に対応する転写物を含む。前記アレイは、サンプルにおける遺伝子/転写物に対応している全配列(whole sequence)または遺伝子/転写物の検出を許容する十分な特異性を提供する全配列の断片または複数の断片を含んでもよい。マイクロアレイに含まれるものは、配列番号: 3, 7,または11に対応している転写物または断片及びこれらの組み合わせ(これらの配列の変異体の形態およびスプライスバリアントを含む)である。他の配列が、パーキンソン病に関連する他の既知の遺伝子を含んでいるアレイに含まれる。また、パーキンソン病と関連する他の遺伝子(例えば、SNPs)が、アレイに含まれてもよい〔Maraganore et al., Am J Hum Genet. 2005 Nov;77(5):685-93〕。また、アレイは、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを含む。
【0099】
マイクロアレイの使用
個体からの組織サンプル(例えば、バイオプシー)は、個体からマイクロアレイ プローブを調製するための標準の方法を用いて収穫される。前記サンプルは、標識されたポリヌクレオチドプローブに転換され、アレイにハイブリダイズする。非結合性のプローブは、洗浄除去される。次に、アレイは、従来のアレイスキャナーを用いてスキャンされて、標識が検出され、患者のサンプル中の遺伝子の野生型または変異体の形態の存在または非存在(定性的な変化)、同様に、前記遺伝子の発現レベルにおける変化(定量的な変化)が決定される。標準の商業的に利用可能なデータマイニングソフトウェアを使用して、遺伝的なプロフィールが分析され、クラスター化される。
マイクロアレイを用いた結果は、薬理ゲノミクスおよび予測的な医療(predictive medicine)における適用に関して有用である。複数の患者の遺伝的なプロフィールを症候の度合, 疾患の開始および重症度と相関させて、パーキンソン病のプロフィールのデータベースが編集される。また、患者のプロフィールは、現存(existing)している治療方法(例えば、L-DOPA治療)に対する患者の応答と相関させられる。また、新規の治療化合物の有効性が、早期の臨床試験の間の患者プロフィールと相関されて、新規の治療に対する至適な遺伝的なプロフィールが決定される。
【0100】
[配列のリスト]
配列番号1
atgaac cagttccggg ctccaggtgg tcagaacgaa atgctggcga aagcagaaga cgccgctgaa gatttcttcc gcaaaacaag gacctaccta ccccacattg ctcgcctctg cctcgtctcc acattccttg aagatggaat ccgtatgtac ttccaatggg atgatcaaaa acagttcatg caagagtctt ggtcttgcgg ttggttcatc gcaactttgt tcgtcatcta caacttcttc ggacagttca tcccggtttt aatgatcatg ctccgcaaga aggtgttggt cgcatgtgga attcttgcca gcattgtcat tctccaaacc atcgcttacc atattctctg ggacttgaag ttcttggcca gaaacattgc cgttggtgga ggacttttgc tccttcttgc cgagacacag gaagagaagg cttccctgtt cgccggagtt ccaacaatgg gagactcgaa caagccaaaa tcgtacatgc ttcttgccgg acgtgttctt cttatcttca tgttcatgtc tttgatgcat tttgagatgt ccttcatgca agttttggag attgttgttg gatttgctct catcactctc gtctcaattg gttacaagac aaagctttcc gcgattgttc ttgtcatctg gctcttcgga cttaaccttt ggcttaatgc ttggtggacc attccttccg accgcttcta cagagacttc atgaagtacg atttcttcca aaccatgtcc gtcattggag gacttctcct tgtcattgcc tacggaccag gaggagtgtc agtcgatgac tacaagaaaa gatggtag
【0101】
配列番号2
MNQFRAPGGQ NEMLAKAEDA AEDFFRKTRT YLPHIARLCL VSTFLEDGIR MYFQWDDQKQ FMQESWSCGW FIATLFVIYN FFGQFIPVLM IMLRKKVLVA CGILASIVIL QTIAYHILWD LKFLARNIAV GGGLLLLLAE TQEEKASLFA GVPTMGDSNK PKSYMLLAGR VLLIFMFMSL MHFEMSFMQV LEIVVGFALI TLVSIGYKTK LSAIVLVIWL FGLNLWLNAW WTIPSDRFYR DFMKYDFFQT MSVIGGLLLV IAYGPGGVSV DDYKKRW
【0102】
配列番号3
ggagccgcagccgacgcggagcgaggccggccgccgggcacttcctgtggaggccgcagc
gggtgcgggcgccgacgggcgagagccagcgagcgagcgagcgagccgagccgagcctcc
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catcaaaataaataatggcgtttgttgtatgcagtgtgatccta
【0103】
配列番号4
MGQNDLMGTAEDFADQFLRVTKQYLPHVARLCLISTFLEDGIRMWFQWSEQRDYIDTTWN
CGYLLASSFVFLNLLGQLTGCVLVLSRNFVQYACFGLFGIIALQTIAYSILWDLKFLMRN
LALGGGLLLLLAESRSEGKSMFAGVPTMRESSPKQYMQLGGRVLLVLMFMTLLHFDASFF
SIVQNIVGTALMILVAIGFKTKLAALTLVVWLFAINVYFNAFWTIPVYKPMHDFLKYDFF
QTMSVIGGLLLVVALGPGGVSMDEKKKEW
【0104】
配列番号5
atggagctaa cgctaattgc ccgtgtacga gacggcctta ttttggccac atcgattgaa ggaaacaatg acggcagtgg cgactcaagt atggtgaaat actcgaatca agcaaaaatg ctcttcaaga agctgaatgg ggctccagca cagcaaagtg tagagtcagg accatttgtt tttcactaca taatcgtcca aaacatttg cgccctggtc ctctgtgata ggaatttccc gcgtaaagtt gccttccagt acctcagtga cattggccaa gagtttctaa acgagaacag ttcgagaatc gagcaagtcg ttcgtccata ccatttcctc gaatttgaca aatacatcca acaagctaaa caaagatatg gagacaccaa caaacacgca atgaatacgg tatccaatga gctccaggac gtcacaagaa ttatggtcac taatatcgaa gatgtcattc atcgaggaga agctttgaat attctggaaa accgagcatc cgaattgtct ggaatgagca aaaaatacag ggatgacgcg aaagccctga atcgacgatc aaccattttc aaagtagcag cctcgattgg aattgccgga gttcttttcc tcatgctccg cttcattttc ttctag
【0105】
配列番号6
MELTLIARVR DGLILATSIE GNNDGSGDSS MVKYSNQAKM LFKKLNGAPA QQSVESGPFV FHYIIVQNIC ALVLCDRNFP RKVAFQYLSD IGQEFLNENS SRIEQVVRPY HFLEFDKYIQ QAKQRYGDTN KHAMNTVSNE LQDVTRIMVT NIEDVIHRGE ALNILENRAS ELSGMSKKYR DDAKALNRRS TIFKVAASIG IAGVLFLMLR FIFF
【0106】
配列番号7
ggagcggcgggtcccgtctcgacaggtcttctctgttggttgaaatgtctatgattttat
ctgcctcagtcattcgtgtcagagatggactgccactttctgcttctactgattatgaac
aaagcacaggaatgcaggagtgcagaaagtattttaaaatgctttcgaggaaacttgctc
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ttattgtttcttttgaaatcacgtctaaaaaatatgactcacactatagccgttgtttcc
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taaagttttttt
【0107】
配列番号8
MSMILSASVIRVRDGLPLSASTDYEQSTGMQECRKYFKMLSRKLAQLPDRCTLKTGHYNI
NFISSLGVSYMMLCTENYPNVLAFSFLDELQKEFITTYNMMKTNTAVRPYCFIEFDNFIQ
RTKQRYNNPRSLSTKINLSDMQTEIKLRPPYQISMCELGSANGVTSAFSVDCKGAGKISS
AHQRLEPATLSGIVGFILSLLCGALNLIRGFHAIESLLQSDGDDFNYIIAFFLGTAACLY
QCYLLVYYTGWRNVKSFLTFGLICLCNMYLYELRNLWQLFFHVTVGAFVTLQIWLRQAQG
KAPDYDV
【0108】
配列番号9
atgagtcgat ggattcagcc aggcgataat gtagacatta ccaatgaacg
gaaaaaagct acgtttgaca cagaacgtat gtcagcttgg atacatggag
ggactgaagt tatgaagcgt cgccgtgaaa ttctggattt tgtcaaaagc
gttgacgact tcaaagatcc ggttccaaca gagtttatgt ctcgcgaaga
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ttgacgatgg gccgtgatct tcatgcaatg tcgcttcatt acgttatgtt
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ttaccaaaac aatttcccgt gcagtagttg gaacttatgc tcaaacagaa
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aatggtggcc gggaggcttg ggtaaatcgt cgaactacgc tgtggttgtt
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gcaacttcgc gatgaagaca ctcactatcc actcaaggga attcgtttgg
gagatattgg accaaaactt ggcatcaatg gaaatgacaa tggattctta
cttttcgata aagtcagaat tccaagaaaa gcattgctga tgagatacgc
aaaagtgaat ccagatggaa cttacattgc tccggctcat tccaaattgg
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actcaacttg cggcagctgc aacaattgct acgagatatg cagcagtgag
aagacaggga gaaatcactc caggaaaagg ggaagttcaa atcattgact
accaaaccca acaatttcgt gtcttccctc aactcgccag agcgtttgct
ttcatggcag cggccactga aatccgtgat ctctacatga cagtcaccga
gcagcttaca catggaaaca ccgaacttct cgccgagctt catgtcttgt
cttccggtct caagtcgtta gtgtcgtggg atactgctca aggaattgag
caatgcagat tggcgtgtgg aggtcatggg tattcacaag cttctggatt
cccagaaatc tatggatatg ctgttggtgg atgcacttac gagggtgaaa
atattgtgat gcttctgcaa gtagcaagat tcctgatgaa agcagccgaa
ggagttagaa aaggaactgc taacctagca gacatcggag cttacattgg
aaagcctgga aggaaaacct cgcgcttaac aactcaccac cactacacag
atgctgatat cgttgaagat cttgagcacg ttgctcgcaa acaagtattc
cgagcctacg accgcctgaa aaaggctcag agcatcttcg tccggaaga
tgcttggaac tcggtttctg tggaacttgc taaagcttcg agatggcacg
ttcgtctgta tctcgtgaag aacttattgc acaaagtttc tattgctcct
caggatttga agattgtgct cttcgatgtt gctcggctgt atgcttatga
catcattaca tcatcaattg gagcattttt ggaggatggc tacatgagct
ctaatcagat gaatgaagtt aaagaaggta tttataaatg cttgtccaat
atgcgtccaa atgcggttgg cctagttgac tgttgggatt atgacgataa
agagctcaaa tcagttttgg gaagacgtga cggaaacgtg taccctgctc
ttctccagtg ggctcaaaat agtcaactca acagatcgga agttcttccg
gcctacgaaa agtatcttgg tccaatgatg aaagacgctc gatcaaaatt
gtaa
【0109】
配列番号10
MSRWIQPGDN VDITNERKKA TFDTERMSAW IHGGTEVMKR RREILDFVKS VDDFKDPVPT EFMSREERIL NNARKVVAMT NNTDQIDGSD FFGEGMYYQA LTMGRDLHAM SLHYVMFIPT LQGQTDDDQL DEWLTKTISR AVVGTYAQTE LGHGTNLSKL ETTATYDPAT EEFVMNSPTI TAAKWWPGGL GKSSNYAVVV AQLYTKGECK GPHPFIVQLR DEDTHYPLKG IRLGDIGPKL GINGNDNGFL LFDKVRIPRK ALLMRYAKVN PDGTYIAPAH SKLGYGTMVF VRSIMIKDQS TQLAAAATIA TRYAAVRRQG EITPGKGEVQ IIDYQTQQFR VFPQLARAFA FMAAATEIRD LYMTVTEQLT HGNTELLAEL HVLSSGLKSL VSWDTAQGIE QCRLACGGHG YSQASGFPEI YGYAVGGCTY EGENIVMLLQ VARFLMKAAE GVRKGTANLA DIGAYIGKPG RKTSRLTTHH HYTDADIVED LEHVARKQVF RAYDRLKKAQ EHLRPEDAWN SVSVELAKAS RWHVRLYLVK NLLHKVSIAP QDLKIVLFDV ARLYAYDIIT SSIGAFLEDG YMSSNQMNEV KEGIYKCLSN MRPNAVGLVD CWDYDDKELK SVLGRRDGNV YPALLQWAQN SQLNRSEVLP AYEKYLGPMM KDARSKL
【0110】
配列番号11
ctcccctggccaggagcaggggattagtctgccccgcgaccggccccagccacgacgcgg
acatcgccccctctgtctgggccgctgtcactcacgcgccaaagggccacggagaaagaa
ggggcgggccggggcgggccgggcgagcggaggcggggacttgcgccgtcctgaggctgc
ctcctagggtccggccggcgctggagctgcggatttagattgtcactgccacctcggtcg
gtgcttacttcgctgccagctggtcgtcgccatgaacccggacctgcgcagggagcggga
ttccgccagcttcaacccggagctgcttacacacatcctggacggcagccccgagaaaac
ccggcgccgccgagagatcgagaacatgatcctgaacgacccagacttccagcatgagga
cttgaacttcctcactcgcagccagcgttatgaggtggctgtcaggaaaagtgccatcat
ggtgaagaagatgagggagtttggcatcgctgaccctgatgaaattatgtggtttaaaaa
actacatttggtcaattttgtggaacctgtgggcctcaattactccatgtttattcctac
cttgctgaatcagggcaccactgctcagaaagagaaatggctgctttcatccaaaggact
ccagataattggcacctacgcccagacggaaatgggccacggaactcaccttcgaggctt
ggaaaccacagccacgtatgaccctgaaacccaggagttcattctcaacagtcctactgt
gacctccattaaatggtggcctggtgggcttggaaagacttcaaatcatgcaatagttct
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tgaaatcgggacccataagcctttgccaggaattaccgttggtgacatcggccccaaatt
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tgaaatcaagccaggtgaaccagaaccacagattttggattttcaaacccagcagtataa
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tcatgccctcaccgctggactgaaggctttcacctcctggactgcaaacactggcattga
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ttatgtcaatttcaccccaagctgtacctttgagggagaaaacactgtcatgatgctcca
gacggctaggttcctgatgaaaagttatgatcaggtgcactcaggaaagttggtgtgtgg
catggtgtcctatttgaacgacctgcccagtcagcgcatccagccacagcaggtagcagt
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cgcgggggatttccttcaggggagcatcatgacagagcctcagattacacaagtaaacca
gcgtgtaaaggagttactcactctgattcgctcagatgctgttgctttggttgatgcatt
tgattttcaggatgtgacacttggctctgtgcttggccgctatgatgggaatgtgtatga
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cttcagaaagcgcctgtgtgcaactcaaattttgtggaatctttttcgaattcaaatagc
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tgcatttatcaaactattcatgctagcatttttccaacgagggaacttattccgcacggg
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gtgcagagtgtaactctgggacaatcagatttcacatattctgtcatcttggcataagcc
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gaaaatattgaaactgtgagttgttttttttttaacaactgggaaaaaacaaaaacaaaa
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gttttcagtctatttctaggagctttctctgaatcgctaattgtcctttcagttgaaatc
taatttatacaatcattctatacttaaaggttaaatacatcttaattaattttttctt
【0111】
配列番号12
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SDAVALVDAFDFQDVTLGSVLGRYDGNVYENLFEWAKNSPLNKAEVHESYKHLKSLQSKL
【0112】
F59F4.1/ アシル-CoA酸化酵素のタンパク質ホモログ
ショウジョウバエ(Drosophila)
配列番号13
gcgtgagaataatggttgtgctacagactatttcaacacaaaagcgaact
tattacatgtgtattttcgcggttaaagttcacgtcgttcgagagctggc
atcgatgattagattcggaatagctggatcagatcagcagtccataatct
caatctcctccactggatttcctccaccagcacttgagtgaccgactgac
tgaccactgagcgcaattcgcctttccagcaacaatcagtcagtacgcga
tattcaacgaagacggacgctttgcggtggctcgttaatccataacctgt
ttacgtgacttgaatactgtgccgcatagcaaaatgccagccaaaccagt
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agttctccgttctgtgggccggcggcgaggagcgattcaaggagaagaag
gccctggagaaattgtttttggaggatccagcccttcaggacgacttgcc
catttcctatttgtcacacaaggagctctatgagcacagcttgcgcaaag
cctgcatcataggagagaagatccgcaagctacgtgctgatggcgaggat
ggagtggatacttacaatgctctgcttggtggatccttgggatcggctat
tctaaaggagggcaatccgcttgcgctgcactacgtgatgttcgtgccca
ccatcatgggccagggaacgatggatcagcaggtggaatggctgagcaag
gcctgggactgtgaaatcattggcacctatgcccaaacggaactgggaca
cggaaccttcctgcgcggtctggagaccagggctgactacgatgccagca
cccaggagtttgttataaacactccatcactcagtgcatacaagtggtgg
cccggtggattgggacacactgctaaccatgcggttgtggtggcacaact
ctacaccaagggcgagttccgtggtctggctccttttattgtccaattga
gggattccgatactcaccgtcccatgcccggcatcgacattggagatatt
ggtaccaagctgggcatgaagggtgtcaacaatggctatttgggactgaa
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tgcccgatggcacatatgtggcgccgaagaatagcgtgcttacctacgga
actatgatgtttgtgcgttgtgctcttatccgtgataccgctcagagcct
ggcaaaggcatccactattgccactaggtattcagctgttcgccgacaga
gtcccattgatcccaatcaaccggagccccaaatcatggaccataccacg
cagcagttgaagttgttcccccagatagctaaagccatcgttttcaaaac
gacgggtgatggcatctggaatatgtacaacgtgatatctggcgagattg
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cttaaggccatctgtagtgccgatgccgccgccggcgtggaaacgtgtcg
tctgtcatgtggcggacatggctacatggactgctccaacttccccacga
tatacggcatgaccacggccgtttgcacctatgagggcgagaacacagtg
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gaatggagagaagctggtgccaacggtttcgtacatcagtgatgcaataa
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gctttccaattcgttgccgccaacaaaacccgaattgcctatgagcagat
tgaactgcgccgcaagcaaggttatggtaccgaggtggcagctaatctat
gtggcaccttcctaacagcagctgcagatcttcatggacgcgccttccta
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agaactagctgaagtcctaaaggtggtgctggagctgtatctggtagacg
cctgcctcaaccgcattggcgacttcttgcggttcattgatctcactgat
caagatgtcacgaaactggaggttcgcctggagaactgcttaaaacgatt
ccggccgaatgccgtcagcttggtggacagctttgatcttcacgatcgcg
tgctagattccgcattgggtgcctatgatggaaatgtttacgaacacatc
ttcgagtctacgaagaagaacccgttgaacaaggagccagtcaacggagc
attccacaagtacttgaagccattcatgaaggctcacctctagattcata
tcctattgctctggaagattttcacaagtgttattattgtaaatatacat
ttgtttccattgtttttgtattatacaactgtctgcttagcaaatggtct
ttaagacaattatgatgtcagggcttgtgcagttgaaactaggctgtaaa
attatacacaaataaaatattcaactatattt
【0113】
配列番号14
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qtaytellal srevspelae vlkvvlelyl vdaclnrigd flrfidltdq dvtklevrle
nclkrfrpna vslvdsfdlh drvldsalga ydgnvyehif estkknplnk epvngafhky
lkpfmkahl
【0114】
Danio rerio(ゼブラフィッシュ)
配列番号15
aaaaaaaaag aaaaaaggac acaaagcaga aggcacgtag ctcgaaagaa agtttaactg
aatagtcatg aatcctgata ttagccgtga acgtgaaaat gcgtctttta acctggagat
tcttacaaac gtgctggatg gtggagcgga aaagacaaat agaaggagag aaatagagtc
tctggttatt ggagatccag atttccaaca tgaagaccta aactttctct ctcgaagtga
gcgatatgat gcagcagtgc ggaagagtgc acagatgatt ctgaaactta gggaatatgg
tatctctgat ccagaagaga tctactccta caagactgtt gtgaggggtg tatttcaaga
gcccctaggt gtccataatg tcatgttcat acccacctta aaaagccagt gtactgctga
acaacgcaaa aaatggatcc cattagctga gtcattccat atgttaggca cctatgctca
gacagagctg gggcacggta cacacatccg tgctcttgaa accactgcca catatgaccc
ttccacccaa gagttcgttt tgaacagttc aacaatctcc tcaattaaat ggtggccagg
tggattgggt aaaacctcaa accatgctat agtcctggct cagctgtaca cgcagggcaa
gtgtcatggc ctgcatgctt tcatcacacc cattcgctgt atgaagacac acatgccact
tccaggtgtg gtcgttggtg atattgggcc caaatttggt tttgatgagg tggataatgg
ctatttgaaa ctggaaaatg ttagaattcc acgagagaat atgcttatga agtatgccca
ggttgaaccg gatggtacat atgtgaagcc tcctagtgat aaactcacat atggtaccat
ggtgtttatt cgctccatga tagtgggaga gtcagcacga gctctctcca aatcctgcac
tattgccatt cgctacagtg cagtccgaca tcagtctgaa ctacgcccag gtgaacctga
gccacagatc ttggactatc aaacccagca gtataaacta tttcctcttc tggctactgc
atatgccttt cactttgtag ggcagtacat gaataaaaca taccatcgca tctcaggaga
catcagtctg ggtgacttca gtgagcttcc agagctgcat gccttgtcag ctggtctgaa
agcttttacc acctgggcag caaatactgg cattgaggta tgtcgtatgt catgtggtgg
tcatggctac tcccgctgca gcagtttacc tgacatctac gtcactttta cgccaacctg
cacttatgag ggagagaata cggttatgat gctgcagaca gctaggtatt tggtgaagag
ctacaagcaa gcacgggcag gacaacagtt gactggcatt gtgtcttacc tgaacgaatc
tcagagcagg atacagcccc attctgtgtc ttcccggcct actgttgtca atattaatga
cctggtcagc cttgtcgagg catacaagtt cagagctgca aagttagttg aagttgcagc
taagaacctt cagttggagc tacagcacag caagagtaac gaagatgcct ggaacaacac
ttccattgat ctagtcagag catctgatgc ccattgccat tatgtggttg tgaagctatt
tgctgctaaa ctgagtgaga ttggagataa ggctgtccac tcagtactca gcactttggc
tctgctttat gcccttcatg gagttgcaca gaattctggg gactttttaa aggctggtct
gctaagtgtt tctcagctgg atcagatttc acagaggctg aagggtctcc tcttagagat
aaggcccaat gcagtggctc tcgttgatgc ttttgactac cgtgatgaga tgcttaattc
ttctctggga cgatatgatg gcaacgtcta tgagcacatg tttgagtggg ccaagaagtc
acctctgaac catactgagg tccatgagtc ccacaacaag tatttgaagc cactacgatc
caaattgtaa ctagtgcaag aaaggggaag aaagggaaaa gtctgtctat taaaaaaaaa
tgttagagaa gaaaataatg tttgcttaaa ttctaaatgg atgaggttgc attctccatt
ctaataattt ataacagcaa tccatgattt ctgtgtgcac ttaaaatgaa tgataatttc
aagtaaacaa atttttattt tgttttgtaa ttgtatcgat tctggtatca tgtaatattt
gcttattatt ttgagagaat gtgatgtttc agtaaacata cttctaatga tttggacttt
gtgaaaatgg ttctgtactg aataattaac atttggatga ggatggtaag acatacatat
ctttatgaaa tcatgcctta agacccacat acaagaatgt tttttagtat taataaaatt
aatagttgta tagttccatt tcaatgatgt gtaattatta gatattgtat tgtgatctga
ccatgttata tttgtaacac ttgtcatttg aacttatttg ctgcattaat aaataaatca
tttaacattt acaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaa
【0115】
配列番号16
mnpdisrere nasfnleilt nvldggaekt nrrreieslv igdpdfqhed lnflsrsery
daavrksaqm ilklreygis dpeeiysykt vvrgvfqepl gvhnvmfipt lksqctaeqr
kkwiplaesf hmlgtyaqte lghgthiral ettatydpst qefvlnssti ssikwwpggl
gktsnhaivl aqlytqgkch glhafitpir cmkthmplpg vvvgdigpkf gfdevdngyl
klenvripre nmlmkyaqve pdgtyvkpps dkltygtmvf irsmivgesa ralsksctia
irysavrhqs elrpgepepq ildyqtqqyk lfpllataya fhfvgqymnk tyhrisgdis
lgdfselpel halsaglkaf ttwaantgie vcrmscgghg ysrcsslpdi yvtftptcty
egentvmmlq tarylvksyk qaragqqltg ivsylnesqs riqphsvssr ptvvnindlv
slveaykfra aklvevaakn lqlelqhsks nedawnntsi dlvrasdahc hyvvvklfaa
klseigdkav hsvlstlall yalhgvaqns gdflkaglls vsqldqisqr lkgllleirp
navalvdafd yrdemlnssl grydgnvyeh mfewakkspl nhtevheshn kylkplrskl
【0116】
ウシ(Bovine)
配列番号17
gggattcctg ctgtcgccgc tgccacctac actgcctcag ccgcccgtta ccatgaatcc
agacctgcag aaagagcggg ccggcgccag cttcaacccg gagctgctca cgaatgtcct
ggacggcagc cccgagaaca ctcggcgccg ccgagagatc gagaacctca ttctgaacga
cccagacttc cagcatgaga acttgaattt cctcagccgt agccagcgtt acgaggtggc
tgttaagaag agtgccatca tggtgcagaa gatgaggaag tttggcatcg cagatcctgc
tgaaatcatg tggtttaaaa aactacattt ggtcaatttt gtggaacctg tgggcctcaa
ttactccatg tttattccta ccttgctgaa tcagggcacc actgctcagc aagagaaatg
gctgcattca tccaaaggac tcgagataat tggcacctac gcccagacgg aaatgggcca
cggaacccat cttcgaggct tggaaaccac agccacttat gaccctgaaa cccaggagtt
cattctcaac agtcctactg tgacctccat caagtggtgg cctggtggac ttggaaaaac
ttcaaatcat gctatcgtac ttgcccagct cttcactcag ggaaaatgct atggattaca
tgccttcatt gtacctattc gtgaacttgg gacccataag cctttgccag gtattactgt
aggagacatt ggccccaagt ttggctatga tgagatggat aatggctact tgaagatgga
caactatcgt attcccagag aaaacatgct gatgaaacat gcccaggtga agcctgatgg
cacatacgta aaacccctga ataacaagct gacctacggg accatggtgt tcatcaggtc
cttcctcgtg ggagaatccg ctcggagtct gtctaaggca tgcaccattg ccgtccgata
cagtgctgtg aggcatcagt ctgaaatcaa cccaggtgaa ccagaaccac agattttgga
ttatcaaacc cagcaatata aacttttccc cctcctggcc actgcctatg ccttccagtt
tgtaggcgca tacatgaaag agacctatct tcggattaat gaagacattg gccatgggga
cctgagtgag ctgcctgagc ttcacgcgct caccgctggg ctgaaggctt tcacgtcctg
gacaacgaac acagctattg aagcctgtcg gatggcttgt ggcggacatg gctattctca
ctgcagtgga cttccaaata tttatgtcac ttttacccca acctgcacct tcgaggggga
aaacactgtc atgatgctgc agacagccag gttcctgatg aaaagttacg accaggtgca
ctcaggcaag ttggtgtgtg gcatggtgtc ctacttgaat gacctgccca gccagcgcat
ccagccacag caggtggctg tgtggccaac tatggtggat atcaacagcc ccgacagcct
gacagaggcg tacaagcttc gagcggccag attagtagaa attgctgcta aaaaccttca
gactgaagtg attcacagaa aaagcaagga ggtagcgtgg aacctaacgt ccattgacct
tgttcgggca agtgaggcac attgccacta tgtggtggtt aagctcttta cggaaaaagt
cctccagatt caagagaagt ccatccaagc tgtcctaagg cgtttgtgtc tcttgtattc
tttgtatgga atcagtcaga atgcagggga ttttcttcag gggagcatca tgacagagtc
tcagatcacc caggtgaatg ggcgcatcaa ggagctgctg actgcgattc gccctgacgc
ggttgctctg gtggatgcat ttgattttca ggatgtgaca ctgggctctg tgcttggccg
ctatgatggc aatgtgtacg aaaacttgtt tgaatgggcc aagaaatccc cactgaacaa
aacagaggtc catgagtctt acaagcacct aaagtcgctg cagtccaagc tctgacgtgg
cttgatgata agtgcagtct gccctgaaag tagctgttct tacacctgtc acacaaactt
cgtggaatct tgatcaaatt cagaaaagct gtagagcaag tgataaattg accctttcct
ctttttataa atgaaaaaaa aaaaaaaa
【0117】
配列番号18
mnpdlqkera gasfnpellt nvldgspent rrrreienli lndpdfqhen lnflsrsqry
evavkksaim vqkmrkfgia dpaeimwfkk lhlvnfvepv glnysmfipt llnqgttaqq
ekwlhsskgl eiigtyaqte mghgthlrgl ettatydpet qefilnsptv tsikwwpggl
gktsnhaivl aqlftqgkcy glhafivpir elgthkplpg itvgdigpkf gydemdngyl
kmdnyripre nmlmkhaqvk pdgtyvkpln nkltygtmvf irsflvgesa rslskactia
vrysavrhqs einpgepepq ildyqtqqyk lfpllataya fqfvgaymke tylrinedig
hgdlselpel haltaglkaf tswttntaie acrmacgghg yshcsglpni yvtftptctf
egentvmmlq tarflmksyd qvhsgklvcg mvsylndlps qriqpqqvav wptmvdinsp
dslteayklr aarlveiaak nlqtevihrk skevawnlts idlvraseah chyvvvklft
ekvlqiqeks iqavlrrlcl lyslygisqn agdflqgsim tesqitqvng rikelltair
pdavalvdaf dfqdvtlgsv lgrydgnvye nlfewakksp lnktevhesy khlkslqskl
【0118】
マウス
配列番号19
agactacatatggtcaattttgtggaacctgttggcctcaattactccatgtttatccct
accttgctgaatcagggcaccactgctcagcaggagaaatggatgcacccgtcccaagaa
ctccagataattggcacctacgcccagacggagatgggccacgctctgtgcaccgagggc
atcctgagcctttggaccttcacttgggcatgttcctgcccaccttgcttcaccaggcca
ccgaagagcagcaggagcgtttcttcatgccggcctggaatctggagatcacgggcactt
atgcgcagacagagatgggtcatggaactcatcttcgaggcttggaaaccactgccacat
atgaccccaagacccaagagttcattctcaacagcccaactgtgacttccatcaagtggt
ggcctggggggcttgggaagacttccaatcatgcgatagtcctggctcagctcatcactc
gaggggagtgctacgggttacatgcctttgttgtccctatccgtgagattgggacccaca
agcctctgccaggcatcactgttggggatatcggccccaagtttggttatgaagagatgg
ataatggctacctgaagatggacaattaccgtattcctagagagaacatgttgatgaaat
atgcccaggtgaagcctgacggcacgtatgtaaaacctctgagtaacaagctgacatatg
ggaccatggttttcgtaaggtccttcctcgtgggaagtgcagctcagagtctgtccaagg
catgcaccattgccattcgatacagtgctgtgaggcgccagtctgaaatcaagagaagcg
agccagagccccagattttggattttcagacgcagcagtataaactcttcccgctcctgg
ccaccgcctatgccttccactttctcggaagatacataaaggagacctacatgcggatta
atgagagcattggccaaggcgacctgagtgagctgcctgagcttcatgccctcacagctg
ggctgaaggcttttactacctggacagccaatgctggtatcgaagaatgtcggatggctt
gcggtgggcacggctattctcacagcagtgggattccaaatatttacgtcacgtttaccc
cggcctgcaccttcgagggggagaacactgttatgatgctgcagacggccaggttcttga
tgaaaatctatgaccaggttcagtcggggaagctggtgggtggtatggtgtcgtacttga
atgacctgccgagccagcgtatccagccgcagcaggtggcagtctggccaactctggtgg
acattaacagcctggacagcctgacagaagcctacaagctacgtgcagccagattggtag
aaattgctgcaaaaaaccttcaggcccaagtgagtcacaggaagagcaaggaagtggcgt
ggaacttgacttctgtcgaccttgttcgcgcaagtgaggcgcactgccactacgtgaccg
ttaaggtctttgcagataaactccccaagattcaagacagagccgtgcaagccgtgctga
ggaacctgtgtctcttatattctctctatgggatcagccagaaaggaggggattttcttg
aggggaacatcatcacaggggctcagatgtcacaggtaaacagtcggatcctggagctgc
tcacagtgactcgccccaacgctgtggctttggtggatgcctttgactttaaggatgtga
cccttggctctgttctcggccgctatgatggcaatgtgtatgaaaacttgtttgagtggg
ccaagaagtccccactgaacaagacagaggtccacgaatcttactacaagcacttgaagc
ccctgcagtcgaagctttgaagtttccccagggacaagtctgagctccacagagaggccg
aatctctccttgattcactaatccttgtgaaatcgtcttcagacttgtgtagctatagag
caaatgatgggctggcctttccctctctataagtaaagagaaatgagcagacttagagat
gaaatgagaatccagtgttgtaggtgcagtagtagcccaggccgacgtaggacctcggga
agccactgccgcgctgtggcctggctgacgttatttgttctgctgctaatctctgtaggc
cttgactctgggggaattaacagagtttaactactaaatacttagtaattttcacatttt
cactgctaatcactggatatatgttttttaaacaaaggtgttctatagagctggactttc
caggctttcttgcctagcactttctgatctaccactaagagcaggagtttgggggccaga
aactaatagaaacccagatgtgagtgtgtggcccttacatatgcccctgctgcctgctgt
gtgggtatgtcattcctaccaactgtcacactaacatatcaacaagaggagtccttaaac
acccacccaccaagaaagcagcgctccgggactaagctcccactctggtcttcctggcaa
tggcatgcacccgcccatgaccccacttcctgacacagctaagttgcttgtctttacctc
caggctttcggccgttgcctggacttcaatcatggtggctgaccttccctttcttgcttt
gcttctcctcaaagagataatagagacaatgaccagtctttcctcatagatcaagtatgg
ggagagccctcagctatggtattcctgtattttggtgacttatttaagtaaatttcctgg
gacaatccagatttgaaagattctgtcttcttgttgtcataaactattaaaatgcttggt
ggtcaccaaagtatttgacataaaaataaataaataaatcattcaggccaccttttacac
cagaaatcacaggaaagccctgggccccagccatctgctgagtgttagttgagaagatgg
atcctaagccagctgaagaatgagtgcaggctgtggggaggttcttgctgagtagctggc
tttgtggtaagctgctagcagccttacagggtggcgaagcagcccccctttggatgcaga
gcagcctctacaatcattctgaccttaaaggtagagtatggaccttttgtggtatgtgtg
tgtatgcttttttttatgtagtgattttttttttcttgagacagggcccagagtggcctt
gacctctgatcctcagcctcccagatgctggggttacaggtttgcgctgacatgcctggc
tagttggaactctttgttcttaaaagcacagtagagagatcattgtgacctattaagtct
gtgtctgtggcattggcatcgtgagaacagttctttcagagcagttctgagaacacagta
ttaatggagtggaaatgacatcaagtcaaagccatcagatttgctgacacagtcttaacc
tttctcctggaatgactgataatccctgaagattgacagtaagcagcatgtcacctgtgg
ggtttctatttgacagtaattcatattctggaaaatagccaataaatttaaatgactgg
【0119】
配列番号20
mnpdlrkera aatfnpelit hildgspent rrrreienli lndpdfqhed ynfltrsqry
evavkksatm vkkmrefgia dpeeimwfkn svhrghpepl dlhlgmflpt llhqateeqq
erffmpawnl eitgtyaqte mghgthlrgl ettatydpkt qefilnsptv tsikwwpggl
gktsnhaivl aqlitrgecy glhafvvpir eigthkplpg itvgdigpkf gyeemdngyl
kmdnyripre nmlmkyaqvk pdgtyvkpls nkltygtmvf vrsflvgsaa qslskactia
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【0120】
ラット
配列番号21
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【0121】
配列番号22
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【0122】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のタンパク質における変更を検出するための方法であって、少なくとも一つの第二のタンパク質のミスフォールディングまたは凝集をスクリーニングすることを含み、前記第一のタンパク質がSURF ファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質およびアシルCoA酸化酵素から選択される方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記変更が前記第一のタンパク質の発現の増加または減少を含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記変更が前記第一のタンパク質における変異を含む方法。
【請求項4】
神経疾患を診断するための方法であって、個体からの組織サンプルにおけるSURF ファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素から選択されるタンパク質における変更を検出することを含み、変更が神経疾患の素因または存在を示す方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、さらにインビボまたはインビトロモデルにおいてタンパク質のミスフォールディングまたは凝集の量を検出することを含む方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、前記タンパク質は、前記タンパク質の野生型または変更形態に対応しているポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列に特異的な抗体検出可能な標識(antibodies detectable labels), 核酸プローブまたはマイクロアレイで検出される方法。
【請求項7】
神経疾患を治療する化合物をスクリーニングする方法であって、標的化合物をSURF ファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素から選択されるタンパク質と接触させること、および前記タンパク質の活性における変化を前記化合物の非存在下で決定することを含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、さらに前記化合物を神経疾患の動物モデルに投与して、少なくとも一つの第二のタンパク質のミスフォールディングおよび凝集を低下させる又は神経保護を提供することを含む方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記化合物は、トポイソメラーゼ II インヒビター, 細菌性トランスペプチダーゼインヒビター, カルシウムチャネルアンタゴニスト, シクロオキシゲナーゼインヒビター, 葉酸合成インヒビター, およびナトリウムチャネルブロッカーから選択される方法。
【請求項10】
神経疾患を治療するための方法であって、治療を必要とする個体におけるSURF ファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質およびアシルCoA酸化酵素から選択される第一のタンパク質の活性を変更させることを含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記第一のタンパク質の活性は、SURFファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素から選択される第二のタンパク質を発現するベクターを治療を必要とする個体に投与することで変更される方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、前記タンパク質は、ニューロンを変性および死から防御する方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、前記第一のタンパク質の活性は、化合物を、前記第一のタンパク質の活性を前記化合物の非存在下で変更させるために投与することで変更される方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、前記神経疾患は、筋萎縮性側索硬化症, アルツハイマー病, パーキンソン病, プリオン病, ポリグルタミン伸長病, 遺伝性脊髄小脳変性症, 脊髄および延髄性の筋萎縮, 海綿状脳症, タウオパシー, ハンチントン病,またはジストニーから選択される方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、前記第一のタンパク質の活性は、神経疾患にかかりやすい個体における症候の発症前に変更される方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、前記化合物は、トポイソメラーゼ II インヒビター, 細菌性トランスペプチダーゼインヒビター, カルシウムチャネルアンタゴニスト, シクロオキシゲナーゼインヒビター, 葉酸合成インヒビター, およびナトリウムチャネルブロッカーから選択される方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、前記化合物は、吸入(inhalation), 経皮(transdermal), 経口, 直腸(rectal), 経粘膜, 腸(intestinal)または非経口的な経路で薬学的に許容される担体において投与される方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法であって、前記化合物は、神経疾患にかかりやすい個体における症候の発症前に投与される方法。
【請求項19】
SURFファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質 および アシルCoA 酸化酵素から選択され、野生型の動物における活性が変更されたタンパク質を含んでいるトランスジェニック動物。
【請求項20】
前記活性の変更が前記タンパク質の増加した又は減少した発現または前記タンパク質の配列における変異を含む、請求項19に記載のトランスジェニック動物。
【請求項21】
変更されたタンパク質の検出または神経疾患の診断のためのキットであって、前記変更されたタンパク質を検出する又は前記神経疾患を診断するための試薬およびその使用における説明書を含み、前記タンパク質はSURFファミリーのタンパク質, SEC22ファミリーのタンパク質およびアシルCoA 酸化酵素から選択されるキット。

【図1】
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【公表番号】特表2010−535505(P2010−535505A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519979(P2010−519979)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/009458
【国際公開番号】WO2009/020624
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(504474220)ザ・ボード・オブ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティー・オブ・アラバマ・フォー・アンド・オン・ビハーフ・オブ・ザ・ユニバーシティー・オブ・アラバマ (4)
【Fターム(参考)】