説明

タンパク質の分析、分離・精製用吸着剤

【課題】 各種タンパク質、特に免疫グロブリンの分析、分離・精製に利用可能なω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基固定化不溶性担体を提供する。
【解決手段】 一般式(1)
【化1】


で表される、ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基を不溶性担体に固定化して得られるタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種タンパク質、特に免疫グロブリンの分析、分離・精製に利用可能なω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療用タンパク質の需要は拡大しつつあり、該タンパク質の精製を工業的に簡便かつ大規模に実施できる技術の確立が切望されている。一般にタンパク質精製技術には、ゲル透過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、およびアフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィー分離技術がある。しかしながら現状、これらの技術で医療用タンパク質の精製を工業的に実施する場合、経済性に乏しく、実用的とは言い難い。また、医療用タンパク質を工業的に製造する過程では多種類のタンパク質が混在しているため、これらの技術単独で目的とするタンパク質を純粋に得ることは困難である。そのため通常はいくつかの技術を複合させた精製プロセスが採用されている(特許文献1)。
【0003】
近年、医療用タンパク質の一つである免疫グロブリンを精製するためのクロマトグラフィー用吸着剤として、有機化合物を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤が注目されている。例えば、スルホン誘導体(特許文献2)、トリアジン誘導体(特許文献3)、メルカプト複素環式化合物(特許文献4)、4−(アルキルチオエチル)ピリジン誘導体(非特許文献1)を不溶性担体上に固定化して得られるタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤が開示されている。一方、ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基を不溶性担体に固定化して得られる本発明の吸着剤についての報告例はこれまでない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2004/087761号
【特許文献2】米国特許4696980号公報
【特許文献3】米国特許6117996号公報
【特許文献4】特許第3844496号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Bioseparation,9(4),211−221,2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、タンパク質、特に免疫グロブリンの分析、分離・精製に有用な低分子を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の下記一般式(1)で示されるω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤が、タンパク質、特に免疫グロブリンの簡便な分析、分離・精製に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、RおよびRは各々独立に、水素原子;炭素数1から12のアルキル基;炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基;炭素数2から6のハロアルキル基;テトラヒドロフルフリル基;ピリジルメチル基;炭素数3から6のシクロアルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;炭素数3から6のアルケニルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基;炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフルフリル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素数7から11のアラルキルオキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のハロアルキルスルホニル基、炭素数1から6のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ナフチル基およびピリジル基からなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基もしくは炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよいビフェニリル基;ナフチル基;炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよいチエニル基;チアゾリル基;ベンゾチアゾリル基;キノリル基;またはターフェニル基を表す。RとRは結合する窒素原子と一体となって複素環を形成していてもよい。nは1から9の整数を表す。)で表されるω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基を、不溶性担体に固定化して得られる、タンパク質の分析、分離・精製用吸着剤に関するものである。
【0011】
その具体例として、活性基を有する不溶性担体と、一般式(1a)
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、RおよびRは各々独立に、水素原子;炭素数1から12のアルキル基;炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基;炭素数2から6のハロアルキル基;テトラヒドロフルフリル基;ピリジルメチル基;炭素数3から6のシクロアルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;炭素数3から6のアルケニルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基;炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフルフリル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素数7から11のアラルキルオキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のハロアルキルスルホニル基、炭素数1から6のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ナフチル基およびピリジル基からなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基もしくは炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよいビフェニリル基;ナフチル基;炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよいチエニル基;チアゾリル基;ベンゾチアゾリル基;キノリル基;またはターフェニル基を表す。RとRは結合する窒素原子と一体となって複素環を形成していてもよい。nは1から9の整数を表す。)で表されるω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体と反応させて得られる、タンパク質の分析、分離・精製用吸着剤がある。
【0014】
また本発明は、タンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)を用いることを特徴とする、タンパク質の分析、分離・精製法に関するものである。
【0015】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】
はじめに本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)およびω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)における、RおよびRについて説明する。
【0017】
およびRで表される炭素数1から12のアルキル基としては、直鎖状または分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、4−メチルペンチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基が例示できる。
【0018】
およびRで表される炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基が例示できる。
【0019】
およびRで表される炭素数2から6のハロアルキル基としては、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロパン−2−イル基が例示できる。
【0020】
およびRで表されるピリジルメチル基としては、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基が例示できる。
【0021】
およびRで表される炭素数3から6のシクロアルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基としては、2−(シクロプロピルチオ)エチル基、3−(シクロプロピルチオ)プロピル基、4−(シクロプロピルチオ)ブチル基、2−(シクロペンチルチオ)エチル基、3−(シクロペンチルチオ)プロピル基、4−(シクロペンチルチオ)ブチル基、2−(シクロヘキシルチオ)エチル基、3−(シクロヘキシルチオ)プロピル基、4−(シクロヘキシルチオ)ブチル基が例示できる。
【0022】
およびRで表されるハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基としては、2−(ベンジルチオ)エチル基、3−(ベンジルチオ)プロピル基、4−(ベンジルチオ)ブチル基、2−(3−フルオロベンジルチオ)エチル基、2−(4−フルオロベンジルチオ)エチル、2−(2,4−ジクロロベンジルチオ)エチル基が例示できる。
【0023】
およびRで表される炭素数3から6のアルケニルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基としては、2−(プロピレンチオ)エチル基、3−(プロピレンチオ)プロピル基、4−(プロピレンチオ)チオブチル基が例示できる。
【0024】
およびRで表される炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基としては、ベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、1−カルボキシ−2−フェニルエチル基、1―メトキシカルボニル−2−フェニルエチル基が例示できる。
【0025】
およびRで表される炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフルフリル基としては、フルフリル基、5−メチルフルフリル基、5−エチルフルフリル基、5−ヘキシルフルフリル基、3−メチルフルフリル基、4−メチルフルフリル基が例示できる。
【0026】
およびRで表されるハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素数7から11のアラルキルオキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のハロアルキルスルホニル基、炭素数1から6のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ナフチル基およびピリジル基からなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、3−クロロ−2,4−ジフルオロフェニル基、2,4,5−トリクロロフェニル基、2,4−ジクロロ−3−メチルフェニル基、2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロ−5−イソプロピルオキシフェニル基、2−フルオロ−4−クロロ−5−メトキシフェニル基、2−フルオロ−4−クロロ−5−イソプロピルオキシフェニル基、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−フルオロ−3−フェノキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−イソプロピルオキシフェニル基、4−tert−ブチルオキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−ベンジルオキシフェニル基、3−ベンジルオキシフェニル基、4−ベンジルオキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−(トリフルオロメチル)スルホニルフェニル基、3−(トリフルオロメチル)スルホニルフェニル基、4−(トリフルオロメチル)スルホニルフェニル基、2−メトキシカルボニルフェニル基、3−メトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、2−カルボキシフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−(1−ナフチル)フェニル基、2−(2−ナフチル)フェニル基、2−(3−ピリジル)フェニル基が例示できる。
【0027】
およびRで表されるハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基もしくは炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよいビフェニリル基としては、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、4’−フルオロビフェニル−2−イル基、3’,4’−ジクロロビフェニル−2−イル基、4’−メチルビフェニル−2−イル基、4’−tert−ブチルビフェニル−2−イル基、2’−メトキシビフェニル−2−イル基、4’−メトキシビフェニル−2−イル基が例示できる。
【0028】
およびRで表されるナフチル基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基が例示できる。
【0029】
およびRで表される炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよいチエニル基としては、2−チエニル基、3−チエニル基、3−メトキシカルボニル−2−チエニル基、3−エトキシカルボニル−2−チエニル基、2−メトキシカルボニル−3−チエニル基、2−エトキシカルボニル−3−チエニル基、3−カルボキシ−2−チエニル基、2−カルボキシ−3−チエニル基が例示できる。
【0030】
およびRで表されるチアゾリル基としては、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基が例示できる。
【0031】
およびRで表されるベンゾチアゾリル基としては、2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基が例示できる。
【0032】
およびRで表されるキノリル基としては、キノリン−2−イル基、キノリン−3−イル基、キノリン−4−イル基、キノリン−5−イル基、キノリン−6−イル基、キノリン−7−イル基、キノリン−8−イル基が例示できる。
【0033】
およびRで表されるターフェニル基としては、ターフェニル−2−イル基が例示できる。
【0034】
とRが結合する窒素原子と一体となって複素環を形成する置換基としては、モルホリノ基、チオモルホリノ基が例示できる。
【0035】
特にタンパク質の分析、分離・精製の性能がよい点で、RおよびRは水素原子;ベンジル基;フルフリル基;ハロゲン原子、メチルチオ基およびピリジル基からなる群より選択される基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいビフェニル基;ナフチル基;カルボキシル基で置換していてもよいチエニル基;またはキノリル基が好ましい。
【0036】
本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)の製造原料であるω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)は、市販品として入手可能な化合物や、既知の方法で合成できる化合物を用いることができる。また、必要に応じて、これらの塩酸塩を用いてもよい。
【0037】
本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)の製造原料である不溶性担体に特に限定はなく、アガロース、アルギネート、カラゲナン、キチン、セルロース、デキストリン、デキストラン、デンプン等の多糖類、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリウレタン等の合成高分子、表面プラズモン共鳴(SPR)センサーチップが例示できる。中でも、タンパク質の分析、分離・精製の性能が良い点で、ポリメタクリレート、アガロース、セルロース、キトサンまたは表面プラズモン共鳴(SPR)センサーチップが不溶性担体として好ましい。不溶性担体として用いるポリメタクリレートとしてはトヨパール(商品名、東ソー製)が、アガロースとしてはSepharose 6 Fast Flow(商品名、GEヘルスケア製)が、セルロースとしてはセルファインGCL−2000(商品名、JNC製)が、表面プラズモン共鳴(SPR)センサーチップとしてはセンサーチップCM5(商品名、ビアコア製)が、それぞれ例示できる。不溶性担体の形状、表面構造、細孔構造、重合度については特に限定はないが、オープンカラムに充填して使用する態様では、微粒子状とすると、分析、分離・精製性能が良い点で好ましい。また、粒子径を1から1000μmの範囲とすると、圧力損失を抑えつつタンパク質の吸着量を上げることができるため好ましい。
【0038】
前記不溶性担体を、本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)の製造原料として用いる際は、該不溶性担体表面にあらかじめ活性基を導入する。導入する活性基としては、固定化効率がよい点で、スクシンイミドオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニルオキシ基、エポキシ基が好ましい。不溶性担体(gel)表面に活性基を結合させる方法については特に限定はなく、例えば、文献:アフィニティークロマトグラフィー(東京化学同人、1991)に記載の方法に準じて実施することができる。なお、導入する活性基の量を10μmol/mL(gel)以上とすると、ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)の固定化量を多くできる点で好ましい。一方、HiTrap NHS−activated HP(商品名、GEヘルスケア製)、エポキシトヨパール(商品名、東ソー製)、ホルミルトヨパール(商品名、東ソー製)、トレシルトヨパール(商品名、東ソー製)、カルボキシトヨパール(商品名、東ソー製)、活性化キトパールK−66(商品名、富士紡ホールディングス製)、BIOACT EPO(商品名、昭和電工製)、POROS EP(商品名、ライフテクノロジーズ製)、セルファインホルミル(商品名、JNC製)、Profinity Epoxide(商品名、バイオラッド製)、M.S.GEL Epoxy−D−50−1000AW(商品名、AGCエスアイテック製)等の市販の活性基を有する不溶性担体を、そのまま本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)の製造原料として用いてもよい。
【0039】
活性基を有する不溶性担体にω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)を固定化する方法については特に限定はなく、例えば、文献:アフィニティークロマトグラフィー(東京化学同人、1991)に記載の方法に準じて実施することができる。
【0040】
次に、本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)を用いて、タンパク質の分析を行なう方法について説明する。
【0041】
ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)とタンパク質との親和性は、例えば該誘導体をカルボキシルメチルデキストランに固定化した態様で、表面プラズモン共鳴(SPR)解析装置を用いて測定することができる。該SPR解析装置としてはBIACORE2000(ビアコア製)が例示できる。親和性の指標としては、結合速度定数k、解離速度定数k、解離定数K=k/k、一定解離時間後のタンパク質結合量RU、またはこれらを組み合わせて用いることができる。
【0042】
次に、本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)を用いてタンパク質を分析、分離・精製する方法について説明する。
【0043】
本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)を用いる方法で分析、分離・精製することができるタンパク質としては、血漿タンパク質成分(例えば血漿中の免疫グロブリン)、血清アルブミン、血液凝固因子、ラクトアルブミンやラクトフェリン等の乳タンパク質成分、天然には微量しか存在しないペプチドホルモン、インターフェロン、インターロイキン、成長因子、成長抑制因子、ワクチンが例示できる。また、人工的に設計された遺伝子組換えタンパク質も含む。中でも免疫グロブリンが、本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)の特徴を活かせる点で好ましい。なお、ここでいう免疫グロブリンは、その類縁体、フラグメントまたは融合体を含んでもよい。ここでいう類縁体とは、免疫グロブリンの構造や機能が少なくとも部分的に保持された、天然もしくは人工的に作られたタンパク質またはタンパク質コンジュゲートを指し、フラグメントとは、酵素的な処理または遺伝子工学的な設計によって作製された、免疫グロブリンの部分構造を有したタンパク質を指し、免疫グロブリンの融合体とは各種サイトカインやサイトカイン受容体などの生物活性を有したタンパク質の機能部分を、免疫グロブリンの全部または一部と遺伝子工学的に融合させて作製したものを指す。
【0044】
本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)をオープンカラムに充填し、緩衝液、金属塩溶液、アミノ酸溶液、アルコール溶液等の溶離液を通液することで、タンパク質の分析、分離・精製を行なうことができる。本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)を充填したカラムの溶離液として用いる緩衝液としては、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、Tris、PIPES、ACES、Cholamine、BES、MOPS、TES、HEPESを例示できる。溶離液として用いる金属塩溶液に含まれる金属塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムを例示できる。溶離液として用いるアミノ酸溶液に含まれるアミノ酸としては、グリシン、アルギニン、ベータアラニン、ガンマアミノ酪酸を例示できる。溶離液として用いるアルコール溶液に含まれるアルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセロール、エチレングリコールを例示できる。なお、前述した溶液を混合した溶液も溶離液として用いることもできる。溶離液のpHは3から11の範囲内であれば、目的とするタンパク質を分析、分離・精製できる。本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)を用いて免疫グロブリン、またはこの類縁体、フラグメントもしくは融合体を分離および精製する場合、例えば、pH3から8に調製した塩化ナトリウムを含むリン酸緩衝液を通液するクロマトグラフィーを実施すればよい。
【0045】
本発明のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸の酸性水溶液、塩酸グアニジン水溶液、尿素水溶液等のタンパク変性剤水溶液、アルギニンやヒスチジン等のアミノ酸を含んだ水溶液、ドデシル硫酸ナトリウム、Tween(商品名)等の界面活性剤水溶液、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、エチレングリコール等のアルコール、またはこれら溶液を混合した溶液を用いて洗浄することによって、初期状態に復帰させることができ、繰り返し使用することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明の、ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基を不溶性担体に固定化して得られる、タンパク質の分析、分離・精製用吸着剤(1)は、タンパク質、特に免疫グロブリンの分析、分離・精製に使用すると、耐久性に富む選択的な吸着剤となるため、医療用タンパク質、特に免疫グロブリンの工業的な精製において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】参考例8に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したセンサーチップ(実験163)と各種タンパク質との親和性解析結果(センサーグラム)。
【図2】参考例2に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したセンサーチップ(実験198)と各種タンパク質との親和性解析結果(センサーグラム)。
【図3】参考例4に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したセンサーチップ(実験212)と各種タンパク質との親和性解析結果(センサーグラム)。
【図4】参考例6に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したセンサーチップ(実験67)と各種タンパク質との親和性解析結果(センサーグラム)。
【図5】参考例2、4、6、8、23、63に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したHiTrapカラムを用いた免疫グロブリンの吸脱着を表した図。
【図6】参考例2に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したHiTrapカラム(実験199)を用いた免疫グロブリンの吸脱着を表した図。
【図7】参考例63に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したHiTrapカラム(実験153)を用いた免疫グロブリンおよびBSAの吸脱着を表した図。
【図8】参考例8に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したキトサンゲルカラム(実験169)を用いた免疫グロブリンの吸脱着を表した図。
【図9】参考例8に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したセルロースゲルカラム(実験168)を用いた免疫グロブリンの吸脱着を表した図。
【図10】参考例23に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したトレシルトヨパールカラム(実験159)を用いた免疫グロブリンの吸脱着を表した図。
【図11】参考例23に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したエポキシトヨパールカラム(実験160)を用いた免疫グロブリンの吸脱着を表した図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0049】
実施例1 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)の表面プラズモンセンサーチップへの固定化
(1)後述の参考例に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体のうち、参考例2、4、6、8、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、53、54、56、57、58、59、60、61、62、63、64、66、67、68、69、71、72、73、74、75、76、77、79、80、81、82、83に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(表1から6参照)をそれぞれ4mg秤量して1mLのDMSOに溶解後、1MのNaClを含む10mMホウ酸緩衝液(pH8.5)で8倍に希釈することで、0.5mg/mLの試料溶液を調製した。
【0050】
【化3】

【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
【表5】

【0056】
【表6】

【0057】
(2)表面プラズモン(SPR)センサーチップ(ビアコア製CM5、以下単にセンサーチップと略記する)を、表面プラズモン(SPR)解析装置であるBIACORE2000(商品名、ビアコア製)に装備し、アミンカップリングキット(商品名、ビアコア製)を用いてN−ヒドロキシスキシニミド(NHS)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)の混合溶液をセンサーチップに5分間通液させることによりセンサーチップの活性化を行なった。
(3)(2)で調製したセンサーチップに(1)で調製した試料溶液を5分間通液させることで、誘導体をセンサーチップに固定化した。固定化過程はセンサーチップ表面のSPRの増減(共鳴単位:RU)によってモニタリングした。
【0058】
実施例2 SPR解析装置を用いた親和性解析(その1)
参考例8に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したセンサーチップ(実験163)に対して、マウスIgG(ポリクローナル、320μg/mL)、マウスIgM(ポリクローナル、10μg/mL)、ニワトリIgY(ポリクローナル、400μg/mL)、ヒト化IgG(モノクローナル、320μg/L)、ヒト−マウスキメラIgG(モノクローナル、320μg/mL)をそれぞれ120秒間通液(結合相)後、標準緩衝液で240秒間置換(解離相)して親和性を解析した。なお、標準緩衝液としてはビアコア製HBS−EP(組成:150mM NaCl、3mM EDTA、0.005%SP20を含む10mM HEPES緩衝液(pH7.4))を用い、分析終了ごとに10mM水酸化ナトリウム水溶液を80秒間通液することでセンサーチップの再生を行なった。
【0059】
結果(センサーグラム)を図1に示す。図1のうち、AはマウスIgG(ポリクローナル)を、BはマウスIgM(ポリクローナル)を、CはニワトリIgY(ポリクローナル)を、Dはヒト化IgG(モノクローナル)、Eはヒト−マウスキメラIgG(モノクローナル)を、それぞれ用いたときのセンサーグラムを表す。解離時間240秒後の残存RUは、マウスIgG(ポリクローナル)の場合55、マウスIgM(ポリクローナル)の場合268、ニワトリIgY(ポリクローナル)の場合24、ヒト化IgG(モノクローナル)の場合44、ヒト−マウスキメラIgG(モノクローナル)の場合34であった。
【0060】
実施例3 SPR解析装置を用いた親和性解析(その2)
実施例1で作製したω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)を固定化したセンサーチップに対して、タンパク質濃度160μg/mLまたは320μg/mLのマウスIgG(ポリクローナル)、ヒト化IgG(モノクローナル)、ウシ血清アルブミン(BSA)をそれぞれ120秒間通液(結合相)後、標準緩衝液で240秒間置換(解離相)して親和性を解析した。用いた標準緩衝液およびセンサーチップの再生方法は実施例2と同様である。
【0061】
参考例2、4および6で得られたω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したセンサーチップ(実験198、212、67)での解析結果(センサーグラム)を図2から4に、それぞれ示す。図2から4において、aは160μg/mLのマウスIgG(ポリクローナル)を用いたときの、Aは320μg/mLのマウスIgG(ポリクローナル)を用いたときの、bは160μg/mLのヒト化IgG(モノクローナル)を用いたときの、Bは320μg/mLのヒト化IgG(モノクローナル)を用いたときの、cは160μg/mLのBSAを用いたときの、Cは320μg/mLのBSAを用いたときの結果(センサーグラム)をそれぞれ示す。また、解離時間240秒後の残存RUを表7に示す。
【0062】
【表7】

【0063】
実施例4 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基のアガロースゲルへの固定化
(1)参考例2、4、6、8、23、63で得られたω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)18μmolを、DMSO/(0.5M NaClを含む0.2M炭酸水素ナトリウム水溶液)=1/1(v/v)緩衝液(pH8.3)1.5mLに溶解後、文献:はじめてのリガンドカップリングハンドブック(アマシャムバイオサイエンス株式会社、2005)に記載された方法に従い、アガロースゲル充填カラム(HiTrap NHS−activated HP 1ml(商品名)、ゲル容量1mL、GEヘルスケアバイオサイエンス製、以下HiTrapカラムと略記する)に通液し、常温で20分間反応させて固定化した。
(2)ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体の固定化量を、非特許文献3に記載された方法に従い、HiTrapカラム通液前後における該誘導体溶液の吸光度を測定することで算出した。
【0064】
HiTrapカラムへのω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)の固定化量は、それぞれ6.0μmol/mL(gel)(参考例2、実験199)、7.2μmol/mL(gel)(参考例4、実験213)、8.4μmol/mL(gel)(参考例6、実験68)、8.4μmol/mL(gel)(参考例8、実験165)、8.4μmol/mL(gel)(参考例23、実験161)、7.2μmol/mL(gel)(参考例63、実験153)であった。
【0065】
実施例5 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基固定化アガロースゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その1)
(1)実施例4で調製した、ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)固定化HiTrapカラムを、0.6M硫酸ナトリウム、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液A)で平衡化した。
(2)ヒト免疫グロブリン溶液(150mg/mL免疫グロブリンG、化血研製)を緩衝液Aで300倍に希釈し(OD280=0.7)、希釈液5mLをそれぞれのω−{3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体(1a)固定化HiTrapカラムへアプライした。
(3)緩衝液A25mLで洗浄後、0.15M NaClおよび1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液B)を20mL通液した。
(4)HiTrapカラムから回収した溶液を5mLずつ分画し、280nmにおける吸光度を測定した。
【0066】
結果を図5に示す。図5においてPはアプライ時の通過液を、W1からW5は洗浄液を、E1からE4は溶出液を、それぞれ表す。緩衝液Bを通液した直後の溶出画分(E1)の吸光度(OD280)はそれぞれ0.021(参考例2、実験199)、0.060(参考例4、実験213)、0.324(参考例6、実験68)、0.493(参考例8、実験165)、0.062(参考例23、実験161)、0.674(参考例63、実験153)であった。
【0067】
なお、分析終了ごとに100mM水酸化ナトリウム水溶液を5mL通液することで固定化HiTrapカラムの再生を行なったが、本実施例で使用した固定化HiTrapカラムはいずれも前記再生処理により初期状態に復帰させることができ、繰り返し使用による特性変化も生じなかった。
【0068】
実施例6 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基固定化アガロースゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その2)
(1)実施例4で調製した、参考例2に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したHiTrapカラム(実験199)を、1mM EDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液C)で平衡化した。
(2)実施例5(2)と同様の方法(ただし希釈には緩衝液Cを使用)で調製した免疫グロブリン希釈液5mLを、前記HiTrapカラムへアプライした。
(3)緩衝液C30mLで洗浄後、0.15M NaCl、1mM EDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)(緩衝液D)を20mL通液した。
(4)続けて0.5M NaCl、1mM EDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)を15mL通液した。
(5)HiTrapカラムから回収された液体を5mLずつ分画し、280nmにおける吸光度を測定した。
【0069】
結果を図6に示す。図6においてPはアプライ時の通過液を、W1からW6は洗浄液を、E1からE4は(3)での溶出液を、E5からE7は(4)での溶出液を、それぞれ表す。緩衝液Dを通液した直後の画分(E1)の吸光度(OD280)は0.576であった。
【0070】
実施例7 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基固定化アガロースゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その3)
(1)実施例4で調製した、参考例63に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したHiTrapカラム(実験153)を、0.8M硫酸ナトリウム、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液E)で平衡化した。
(2)実施例5(2)と同様の方法(ただし希釈には緩衝液Eを使用)で調製した免疫グロブリン希釈液5mLを、前記HiTrapカラムへアプライした。
(3)緩衝液E25mLで洗浄後、0.15M NaCl、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液B)を20mL通液した。
(4)HiTrapカラムから回収された液体を5mLずつ分画し、280nmにおける吸光度を測定した。
(5)100mM水酸化ナトリウム水溶液を5mL通液してHiTrapカラムの再生を行なった後、緩衝液Eで平衡化した。
(6)緩衝液Eで溶解した0.5mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)5mLをHiTrapカラムへアプライした。
(7)緩衝液E25mLで洗浄後、緩衝液Bを20mL通液した。
(8)カラムから回収された液体を5mLずつ分画し、280nmにおける吸光度を測定した。
【0071】
結果を図7に示す。図7において、Pは免疫グロブリンまたはBSAアプライ時の通過液を、W1からW5は洗浄液を、E1からE4は溶出液を、それぞれ表す。緩衝液Bを通液した直後の画分(E1)の吸光度(OD280)は0.717(免疫グロブリン)、0.042(BSA)であった。
【0072】
実施例8 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基のキトサンゲルへの固定化
(1)キトサンゲル(キトパールK−66(商品名)、富士紡ホールディングス製)1mLをイソプロピルアルコールに懸濁後、両端にフィルターを装備した円筒容器に充填してキトサンゲルカラムを作製し、1mM塩酸を5mL通液して洗浄した。
(2)参考例8に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体45μmolを、DMSO/(0.5M NaClを含む0.2M炭酸水素ナトリウム緩衝液)=1/1(v/v)(pH8.3)3mLに溶解後、キトサンゲルカラムに30分間循環通液することで固定化した。
(3)ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体の固定化量を、キトサンゲルカラム通液前後における該誘導体溶液の吸光度を測定することで算出した。
【0073】
キトサンゲルへのω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体の固定化量は8.1μmol/mL(gel)となった。
【0074】
実施例9 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基固定化キトサンゲルを用いたタンパク質の吸脱着
(1)実施例8で調製した、参考例8に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したキトサンゲルカラム(実験169)を、0.6M硫酸ナトリウム、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液A)で平衡化した。
(2)実施例5(2)で調製した免疫グロブリン希釈液5mLを、前記キトサンゲルカラムへアプライした。
(3)緩衝液A25mLで洗浄後、0.15M NaCl、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液B)を20mL通液した。
(4)キトサンゲルカラムから回収された液体を5mLずつ分画し、280nmにおける吸光度を測定した。
【0075】
結果を図8に示す。図8において、Pはアプライ時の通過液を、W1からW5は洗浄液を、E1からE4は溶出液を、それぞれ表す。緩衝液Bを通液した直後の溶出画分(E1)の吸光度(OD280)は0.271であった。
【0076】
実施例10 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基のセルロースゲルへの固定化
(1)参考例8に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体45μmolをDMSO/(0.5M NaClを含む0.2M炭酸水素ナトリウム水溶液)=1/1(v/v)緩衝液(pH8.3)2.5mLに溶解した。
(2)前記溶液を、グラスフィルター上で水洗したセルロースゲル(セルファインホルミル(商品名)、JNC製)2.1gに添加して40℃で3時間振とうした。
(3)ピリジン−ボラン20μLを添加後、さらに40℃で1時間振とうして固定化を行なった。なお、セルロースゲルへのω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体の固定化量は算出できなかった。
【0077】
実施例11 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基固定化セルロースゲルを用いたタンパク質の吸脱着
(1)実施例10で調製した、参考例8に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したセルロースゲル(実験168)1mLを、両端にフィルターを装備した円筒容器に充填してゲルカラムを作製し、0.6M硫酸ナトリウム、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液A)で平衡化した。
(2)実施例5(2)で調製した免疫グロブリン希釈液5mLを、前記セルロースゲルカラムへアプライした。
(3)緩衝液A25mLで洗浄した後、0.15M NaCl、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液B)を20mL通液した。
(4)セルロースゲルカラムから回収された液体を5mLずつ分画し、280nmにおける吸光度を測定した。
【0078】
結果を図9に示す。図9において、Pはアプライ時の通過液を、W1からW5は洗浄液を、E1からE4は溶出液を、それぞれ表す。緩衝液Bを通液した直後の溶出画分(E1)の吸光度(OD280)は0.218であった。
【0079】
実施例12 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基のポリメタクリレートゲルへの固定化(その1)
(1)参考例23に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体200μmolをDMSO/0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液=1/4(v/v)緩衝液2.5mLに溶解した。
(2)グラスフィルター上で水洗したポリメタクリレートゲル(AF−Tresyl−650M(商品名)、東ソー製、以下トレシルトヨパールとする)0.5gに(1)の溶液を添加後、37℃で16時間振とうすることにより固定化を行なった。
(3)ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体の固定化量を、トレシルトヨパールカラム通液前後における該誘導体溶液の吸光度を測定することで算出した。
【0080】
トレシルトヨパールへのω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体の固定化量は86μmol/mL(gel)となった。
【0081】
実施例13 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基固定化ポリメタクリレートゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その1)
(1)実施例12で調製した、参考例23に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したトレシルトヨパールゲル(実験159)1mLを、両端にフィルターを装備した円筒容器に充填してゲルカラムを作製し、0.8M硫酸ナトリウム、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液E)で平衡化した。
(2)実施例5(2)と同様の方法(ただし希釈には緩衝液Eを使用)で調製した免疫グロブリン希釈液5mLを、前記トレシルトヨパールカラムへアプライした。
(3)緩衝液E25mLで洗浄後、0.15M NaCl、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液B)を20mL通液した。
(4)トレシルトヨパールカラムから回収された液体を5mLずつ分画し、280nmにおける吸光度を測定した。
【0082】
結果を図10に示す。図10において、Pはアプライ時の通過液、W1からW5は洗浄液、E1からE4は溶出液を表す。緩衝液Bを通液した直後の溶出画分(E1)の吸光度(OD280)は0.473であった。
【0083】
実施例14 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基のポリメタクリレートゲルへの固定化(その2)
(1)参考例23に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体200μmolをDMSO/0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液=1/4(v/v)緩衝液2.5mLに溶解した。
(2)前記溶液を、グラスフィルター上で水洗したポリメタクリレートゲル(AF−Epoxy−650M(商品名)、東ソー製、以下エポキシトヨパールとする)0.5gに添加し、37℃で16時間振とうすることにより固定化を行なった。
(3)ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体の固定化量を、エポキシトヨパールカラム通液前後における該誘導体溶液の吸光度を測定することで算出した。
【0084】
エポキシトヨパールへのω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体の固定化量は84μmol/mL(gel)となった。
【0085】
実施例15 ω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基固定化ポリメタクリレートゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その2)
(1)実施例14で調製した、参考例23に記載のω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体を固定化したエポキシトヨパールゲル(実験160)1mLを、両端にフィルターを装備した円筒容器に充填してゲルカラムを作製し、0.8M硫酸ナトリウム、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液E)で平衡化した。
(2)実施例5(2)と同様の方法(ただし希釈には緩衝液Eを使用)で調製した免疫グロブリン希釈液5mLを、前記エポキシトヨパールカラムへアプライした。
(3)緩衝液E25mLで洗浄後、0.15M NaCl、1mM EDTAを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)(緩衝液B)を20mL通液した。
(4)エポキシトヨパールカラムから回収された液体を5mLずつ分画し、280nmにおける吸光度を測定した。
【0086】
結果を図11に示す。図11において、Pはアプライ時の通過液、W1からW5は洗浄液、E1からE4は溶出液を表す。緩衝液Bを通液した直後の溶出画分(E1)の吸光度(OD280)は0.325であった。
【0087】
参考例1 3−{3−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ]プロピオニルアミノ}チオフェン−2−カルボン酸エチルの合成
【0088】
【化4】

【0089】
2−ブトキシカルボニルアミノエタンチオール(1.48g,8.35mmol)のエタノール(15mL)溶液に炭酸カリウム(1.2g,8.70mmol)を添加し、3−(3−アクリロイルアミノ)チオフェン−2−カルボン酸エチル.37g,6.48mmol)を添加後、室温で4時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、反応混合物に水(20mL)を添加し、酢酸エチル(80mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(40mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7)で精製することで、3−{3−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ]プロピオニルアミノ}チオフェン−2−カルボン酸エチルの褐色油状物(2.09g,84%)を得た。
H−NMR(250MHz,CDCl,TMS,ppm):δ 1.39(t,J=7.5Hz3H),1.44(s,9H),2.72(m,4H),2.92(t,J=7.5Hz,2H),3.34(q,J=7.5Hz,2H),4.35(q,J=7.5 Hz,2H),5.03(br,1H),7.46(d,J=2.5Hz,1H),8.21(d,J=2.5Hz,1H),10.28(s,1H)。
【0090】
参考例2 2−[3−(2−カルボキシ−3−チエニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩の合成
【0091】
【化5】

【0092】
3−{3−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ]プロピオニルアミノ}チオフェン−2−カルボン酸(0.36g,0.948mmol)のクロロホルム(5mL)溶液に塩酸ガスを30分間導入したところ反応系内に沈殿物が析出した。該沈殿物を濾取し、少量のクロロホルムとエーテルで洗浄後、充分に乾燥させることで、白色固体の2−[3−(2−カルボキシチオフェン−3−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩(0.251g,85%)を得た。
H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.74−2.86(m,6H),2.96−3.02(m,2H),7.85(d,J=5.0Hz,1H),7.96(d,J=5.0Hz,1H),8.09(brs,3H),10.2(s,1H)。カルボキシル基のプロトンは帰属できなかった。
【0093】
参考例3 N−(キノリン−8−イル)−3−{2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ)プロピオナミドの合成
【0094】
【化6】

【0095】
2−ブトキシカルボニルアミノエタンチオール(0.95g,5.35mmol)のエタノール(10mL)溶液に炭酸カリウム(0.74g,5.36mmol)を添加し、N−(キノリン−8−イル)アクリル酸アミド(0.84g,4.16mmol)を添加後、室温で4時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、反応混合物に水(20mL)を添加後、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、N−(キノリン−8−イル)−3−{2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ)プロピオナミドの黄色油状物(1.46g,93%)を得た。
H−NMR(250MHz,CDCl,TMS,ppm):δ 1.43(s,9H),2.73(t,J=2.5Hz,2H),2.83−2.89(m,2H),2.98−3.03(m,2H),3.37(m,2H),5.08(brs,1H),7.43−7.58(m,3H),8.16(dd,J=1.8 and 8.3Hz,1H),8.75−8.82(m,2H),9.90(brs,1H)。
【0096】
参考例4 2−[3−オキソ−3−(キノリン−8−イル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩の合成
【0097】
【化7】

【0098】
N−(キノリン−8−イル)−3−{2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ)プロピオナミド(0.582g,1.54mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に塩酸ガスを60分間導入したところ反応系内に沈殿物が析出した。該沈殿物を濾取し、少量のクロロホルムとエーテルで洗浄後、黄緑色固体2−[3−(キノリン−8−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩(0.446g,93%)を得た。
H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.82−3.04(m,8H),7.69(t,J=7.5Hz,1H),7.76−7.85(m,2H),8.23(br,3H),8.54(dd,J=1.0 and 7.5Hz,1H),8.65(dd,J=1.0 and 10Hz,1H),9.04(dd,J=1.0 and 5.0Hz,1H),10.4(s,1H)。
【0099】
参考例5 N−フルフリル−N−フェニル−3−{2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ)プロピオナミドの合成
【0100】
【化8】

【0101】
2−tert−ブトキシカルボニルアミノエタンチオール(0.95g,5.35mmol)のメタノール(10mL)溶液に炭酸カリウム(0.74g,5.36mmol)を添加し、N−フェニル−N−フルフリルアクリル酸アミド(0.72g,4.16mmol)を添加後、室温で4時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、反応混合物に水(20mL)を添加後、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、N−フルフリル−N−フェニル−3−{2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ)プロピオナミドの黄色油状物(1.40g,64%)を得た。
H−NMR(250MHz,CDCl,TMS,ppm):δ 1.43(s,9H),2.32(t,J=2.5Hz,2H),2.53(t,J=5.0Hz,2H),2.78(t,J=7.5Hz,1H),3.25(m,2H),4.87(s,1H),4.93(br,1H),6.13(d,J=2.5Hz,1H),6.25(dd,J=2.5 and 5.0Hz,1H),6.27(dd,J=2.5 and 5.0Hz,1H),7.03−7.07(m,2H),7.33−7.39(m,5H)。
【0102】
参考例6 2−{3−[N−フルフリル−N−フェニル]アミノ−3−オキソプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩の合成
【0103】
【化9】

【0104】
N−フルフリル−N−フェニル−3−{2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルチオ)プロピオナミド(0.49g,1.21mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に塩酸ガスを30分間導入した。薄層クロマトグラフィーにて原料の消失を確認し、溶媒を減圧留去した。残渣の油状物に少量のエーテルを加え攪拌後、静沈し、上澄みのエーテルを除去した。得られた黄色油状物を充分に乾燥させることで、黄色油状物の2−{3−[N−フルフリル−N−フェニル]アミノ−3−オキソプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩(0.429g,定量的)を得た。
潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.29(t,J=7.5Hz,2H),2.62−2.74(m,4H),2.89−2.94(t,J=7.5Hz,2H),4.86(s,2H),6.15(d,J=2.8Hz,1H),6,34(dd,J=1.8 and 2.8Hz,1H),7.17(d,J=7.5Hz,2H),7.34−7.46(m,3H),7.55(d,J=1.8Hz,1H),7.98(brs,3H)。
【0105】
参考例7 N−(ビフェニル−2−イル)−3−{5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンチルチオ)プロピオナミドの合成
【0106】
【化10】

【0107】
5−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンチオール(0.50g,2.28mmol)のメタノール(10mL)溶液に炭酸カリウム(0.32g,2.32mmol)を添加し、N−ビフェニ−2−イル−アクリル酸アミド(1.0g,6.62mmol)を添加後、室温で4時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、反応混合物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、N−(ビフェニル−2−イル)−3−{5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンチルチオ)プロピオナミドの無色油状物(0.611g,61%)を得た。
H−NMR(250MHz,CDCl,TMS,ppm):δ 1.36−1.61(m,15H),2.43−2.54(m,4H),2.77(t,J=7.5Hz,2H),3.05−3.11(m,2H),4.52(br,1H),7.15−7.51(m,9H),8.26(d,J=7.5Hz,1H)。
【0108】
参考例8 5−[3−(ビフェニル−2−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]ペンチルアミン塩酸塩の合成
【0109】
【化11】

【0110】
N−(ビフェニル−2−イル)−3−{5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンチルチオ)プロピオナミド(0.611g,1.38mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に塩酸ガスを30分間導入した。薄層クロマトグラフィーにて原料の消失を確認後、水10mLで抽出し、水を減圧留去した。油状物を減圧下で充分に乾燥させることで、無色油状物の5−[3−(ビフェニル−2−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]ペンチルアミン塩酸塩(0.383g,73.2%)を得た。
褐色固体、潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.35−1.44(m,2H),1.48−1.60(m,4H),2.42−2.53(m,4H),2.67(t,J=7.5Hz,2H),2.77(t,J=7.5Hz,2H),7.30−7.48(m,9H),7.92(brs,3H),9.35(s,1H)。
【0111】
参考例11 2−[3−オキソ−3−(2−チアゾリル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.78−2.87(m,6H),2.98(m,2H),7.23(d,J=2.5Hz,1H),7.48(d,J=2.5Hz,1H),8.23(brs,3H)。アミドプロトンは帰属できなかった。
【0112】
参考例12 2−[3−(2−ベンゾチアゾリル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DO,TMS,ppm):δ 2.76−2.86(m,6H),3.18(t,J=7.5Hz,2H),7.31(ddd,J=1.0,7.5 and 7.5Hz,1H),7.43(ddd,J=1.0,7.5 and 7.5Hz,1H),7.61(m,2H),7.76(d,J=1.0 and 7.5Hz,1H),8.12(brs,1H),8.28(brs,1H)。
【0113】
参考例13 2−[3−オキソ−3−チオモルホリノ−プロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.60−2.81(m,8H),2.95−2.98(m,2H),2.34−3.72(m,6H),8.18(brs,3H)。
【0114】
参考例14 2−[3−(3−クロロフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体、潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.68(t,J=7.5Hz,2H),2.97−2.86(m,4H),3.00(m,2H),7.08(ddd,J=1.0,2.5 and 8.0Hz,1H),7.32(dd,J=8.0 and 8.3Hz,1H),7.51(dd,J=1.0,1.0 and 8.3Hz,1H),7.86(dd,J=1.0 and 2.5Hz,1H),8.18(brs,3H)。アミドプロトンは帰属できなかった。
【0115】
参考例15 5−[3−(3−クロロフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]ペンチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.38−1.44(m,2H),1.49−1.63(m,4H),2.52−2.83(m,8H),7.08(dd,J=1.0 and 7.5Hz,1H),7.33(dd,J=7.5 and 8.0Hz,1H),7.50(dd,J=1.0 and 8.0Hz,1H),7.86(s,1H),7.93(brs,3H),10.4(s,1H)。
【0116】
参考例16 2−[3−フルフリルアミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.44(t,J=7.5Hz,2H),2.72−2.79(m,4H),2.90−3.07(m,2H),4.26(d,J=2.5Hz,2H),6.25(dd,J=0.8 and 2.5Hz,1H),6.39(dd,J=0.8 and 2.5Hz,1H),7.57(dd,J=0.8 and 2.5Hz,1H),8.21(brs,3H),8.51(t,J=2.5Hz,1H)。
【0117】
参考例17 2−[3−オキソ−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.69(t,J=7.5Hz,2H),2.78−2.83(m,4H),2.97−3.02(m,2H),7.31(dd,J=2.0 and 7.5Hz,2H),7.56(dd,J=2.0 and 7.5Hz,2H),8.13(brs,3H)。アミドプロトンは帰属できなかった。
【0118】
参考例18 2−[3−{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.76(t,J=7.5Hz,2H),2.82−2.90(m,4H),3.01−3.03(m,2H),7.74(s,1H),8.10(brs,3H),8.39(s,2H),11.2(s,1H)。
【0119】
参考例19 2−[3−(2−tert−ブチルフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.33(s,9H),2.67(t,J=7.5Hz,2H),2.80−2.88(m,4H),2.97−3.00(m,2H),7.03(dd,2.5 and 7.5Hz,1H),7.21(ddd,J=2.5,5.0 and 7.5Hz,2H),7.40(dd,J=2.5 and 5.0Hz,1H),8.18(brs,3H),9.43(s,1H)。
【0120】
参考例20 2−[3−(4−エトキシフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.62(t,J=7.5Hz,2H),2.82(m,4H),2.97−3.04(m,2H),3.97(q,J=7.5Hz,2H),6.87(d,J=7.5Hz,2H),7.53(d,J=7.5Hz,2H),8.15(brs,3H),10.1(s,1H)。
【0121】
参考例21 5−[3−(2−メチルフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]ペンチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.40−1.46(m,2H),1.51−1.65(m,4H),2.22(s,3H),2.51−2.68(m,4H),2.72−2.82(m,2H),3.72−3.82(m,2H),7.05−7.22(m,3H),7.36(d,J=7.5Hz,1H),8.01(brs,3H),9.46(s,1H)。
【0122】
参考例22 2−[3−(1−メチル−1−フェニルエチル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.55(s,6H),2.43−2.52(m,2H),2.67−2.81(m,4H),2.92−3.00(m,2H),7.13−7.19(m,1H),7.24−7.36(m,4H),8.19(brs,3H),8.26(s,1H)。
【0123】
参考例23 2−[3−(ビフェニル−2−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.46−2.52(m,2H),2.74(m,4H),2.97−3.04(m,2H),7.31−7.48(m,9H),8.14(brs,3H),9.45(s,1H)。
【0124】
参考例24 2−[3−(2−メチルシクロヘキシル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 0.83(d,J=2.5Hz,3H),1.00−1.73(m,9H),2.38(t,J=7.5Hz,2H),2.75(m,J=7.5Hz,4H),2.92−2.80(m,2H),3.18−3.26(m,1H),7.85(d,J=7.5Hz,1H),8.19(brs,3H)。
【0125】
参考例25 2−[3−(N−エチル−N−シクロヘキシル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.01−1.77(m,13H),2.59−2.80(m,6H),2.95−2.98(m,2H),3.18−3.28(m,2H),3.59 and 4.13(each m,1H),8.19(brs,3H)。
【0126】
参考例26 2−(3−ヘキシルアミノ−3−オキソプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 0.87(d,J=6.2Hz,3H),1.25−1.41(m,8H),2.37(t,J=7.5Hz,2H),2.73(m,J=7.5Hz,4H),2.93−3.07(m,4H),8.00(t,J=5.0Hz,1H),8.18(brs,3H)。
【0127】
参考例27 2−(3−デシルアミノ−3−オキソプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 0.83(d,J=7.5Hz,3H),1.25−1.41(m,16H),2.37(t,J=7.5Hz,2H),2.73(q,J=7.5Hz,4H),2.93−3.07(m,4H),7.97(t,J=5.0Hz,1H),8.10(brs,3H)。
【0128】
参考例28 2−[3−オキソ−3−(2−トリフルオロメチルフェニル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色固体、潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ2.64−2.70(m,2H),2.81(m,4H),2.95−3.04(m,2H),7.44−7.50(m,2H),7.66−7.76(m,2H),8.08(brs,3H),9.76(s,1H)。
【0129】
参考例29 2−[3−オキソ−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.11(s,6H),2.16(s,3H),2.64(t,J=5.0Hz,2H),2.74(m,4H),2.98−3.04(m,2H),6.87(s,2H),8.09(brs,3H),9.36(s,1H)。
【0130】
参考例30 2−[3−オキソ−(3−トリフルオロメチルスルホニルフェニル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.63−3.03(m,8H),7.79−7.81(m,2H),8.11(m,4H),8.61(s,1H),11.0(s,1H)。
【0131】
参考例31 2−[3−(2−エトキシカルボニル−3−チエニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.7−2.84(m,6H),2.95−3.00(m,2H),4.28−4.36(m,2H),7.90(d,J=5.0Hz,1H),7.94(d,J=5.0Hz,1H),8.22(brs,3H),10.1(s,1H)。
【0132】
参考例32 2−[3−(4−ベンジルオキシフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.63(t,J=5.0Hz,2H),2.80−2.84(m,4H),2.98−3.01(m,2H),5.06(s,2H),6.95(d,J=10Hz,2H),7.32−7.45(m,5H),7.55(d,J=10Hz,2H),8.20(brs,3H),10.1(s,1H)。
【0133】
参考例33 2−[3−(4−カルボキシフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
黄色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.69−2.28(m,6H),2.98−3.03(m,2H),7.73−7.91(m,4H),8.12(brs,3H),10.6(s,1H)。カルボキシル基のプロトンは帰属できなかった。
【0134】
参考例34 2−[3−(2−カルボキシフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.70−2.86(m,6H),2.97−3.02(m,2H),7.20(ddd,J=2.5,8.0 and 8.0Hz,1H),7.60(ddd,J=2.5,8.0 and 8.0Hz,1H),7.99(dd,J=2.5 and 8.0Hz,1H),8.09(brs,3H),8.47(dd,J=2.5 and 8.0Hz,1H),11.2(s,1H)。カルボキシル基のプロトンは帰属できなかった。
【0135】
参考例35 2−[3−(2−エトキシカルボニルフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.34(t,J=7.5Hz,3H),2.72(t,J=7.5Hz,2H),2.69−2.89(m,4H),2.97−3.02(m,2H),4.32(q,J=7.5Hz,2H),7.21(ddd,J=2.5,7.5 and 7.5Hz,1H),7.61(ddd,J=2.5,7.5 and 7.5Hz,1H),7.92(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H),8.17(brs,3H),8.23(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H),10.7(s,1H)。
【0136】
参考例37 5−(3−フルフリルアミノ−3−オキソプロピルチオ)ペンチルアミン塩酸塩
白色固体、潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.34−1.63(m,6H),2.40(t,J=7.5Hz,4H),2.67−2.80(m,4H),4.26(d,J=5.0Hz,2H),6.25(d,J=3.0Hz,1H),6.39(dd,J=0.8 and 3.0Hz,1H),7.57(d,J=0.8Hz,1H),7.98(brs,3H),8.42(t,J=5.0Hz,1H)。
【0137】
参考例38 2−[3−(3−メチルチオフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.45(s,3H),2.69(t,J=7.5Hz,2H),2.82(m,J=7.5Hz,4H),2.97−3.05(m,2H),6.93(d,J=7.5Hz,1H),7.24(t,J=7.5Hz,1H),7.39(d,J=7.5Hz,1H),7.68(s,1H),8.12(brs,3H),10.3(s,1H)。
【0138】
参考例39 2−[3−(5−メチルフルフリル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.23(s,3H),2.43(t,J=7.5Hz,2H),2.75(t,J=7.5Hz,4H),2.96(m,2H),4.20(d,J=5.0Hz,2H),5.98(d,J=2.5Hz,1H),6.11(d,J=2.5Hz,1H),8.11(brs,3H),8.42(t,J=5.0Hz,1H)。
【0139】
参考例40 2−[3−オキソ−3−(テトラヒドロフルフリルアミノ)プロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.50−1.84(m,4H),2.40(t,J=7.5Hz,2H),2.70−2.78(m,4H),2.92−3.00(m,2H),3.12(d,J=7.5Hz,2H),3.37−3.62(m,2H),3.76−3.85(m,1H),8.10−8.15(m,4H)。
【0140】
参考例41 2−[3−(4’−フルオロビフェニル−2−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.46−2.53(m,2H),2.71−2.78(m,4H),2.95−3.01(m,2H),7.23−7.46(m,8H),8.07(brs,3H),9.47(s,1H)。
【0141】
参考例42 2−[3−オキソ−3−(ピリジン−4−イルメチル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.51−2.60(m,2H),2.80(t,J=7.5Hz,4H),2.94−3.02(m,2H),4.57(d,J=5.0Hz,2H),7.97(d,J=6.5Hz,2H),8.27(brs,3H),8.88(d,J=6.5Hz,2H),9.13(t,J=5.0Hz,1H)。
【0142】
参考例43 2−[3−オキソ−3−(2−フェノキシフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.61−2.83(m,6H),2.95(m,2H),6.89−6.92(m,1H),6.91−7.00(m,2H),7.08−7.16(m,3H),7.36−7.42(m,2H),7.96(dd,J=2.0 and 4.8Hz,1H),8.17(brs,3H),9.60(s,1H)。
【0143】
参考例44 2−[3−オキソ−3−(ピリジン−2−イルメチル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
黄色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.58(t,J=7.5Hz,2H),2.79(t,J=7.5Hz,4H),2.94−3.01(m,2H),4.68(d,J=5.0Hz,2H),7.94(d,J=5.0Hz,1H),8.21(brs,3H),8.54−8.55(m,1H),8.32(d,J=5.0Hz,1H),9.10(d,J=5.0Hz,2H)。
【0144】
参考例45 2−[3−オキソ−3−(2−チエニル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.44(t,J=7.5Hz,2H),2.76(t,J=7.5Hz,4H),2.91−3.03(m,2H),4.44(d,J=5.0Hz,2H),6.94−6.97(m,2H),7.38(dd,J=1.5 and 4.8Hz,1H),8.13(brs,3H),8.65(brt,J=5.0Hz,1H)。
【0145】
参考例46 2−[3−(1−ナフチル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.86−3.06(m,8H),7.47−7.57(m,3H),7.68(d,J=7.5Hz,1H),7.78(d,J=7.5Hz,1H),7.93−7.96(m,1H),8.12−8.14(m,4H),10.15(s,1H)。
【0146】
参考例47 2−[3−(1−カルボキシル−2−フェニルエチル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.39(t,J=7.5Hz,2H),2.61−2.70(m,4H),2.73−3.08(m,4H),4.44−4.47(m,1H),7.19−7.33(m,5H),7.98(brs,3H),8.33(d,J=7.5Hz,1H)。カルボキシル基のプロトンは帰属できなかった。
【0147】
参考例48 2−[3−{1−(メトキシカルボニル)−2−フェニルエチル}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.40(t,J=7.5Hz,2H),2.62−2.75(m,4H),2.92−3.02(m,4H),3.06(s,3H),4.44−4.53(m,1H),7.19−7.33(m,5H),8.08(brs,3H),8.51(d,J=7.5Hz,1H)。
【0148】
参考例49 2−[3−{(5−メチルフラン−2−イル)メチル}アミノ−3−オキソペンチルチオ]エチルアミン塩酸塩
無色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.38−1.60(m,6H),2.36−2.78(m,8H),2.31(s,3H),4.19(d,J=5.0Hz,2H),5.99(s,1H),6.10(s,1H),8.03(brs,3H),8.38(brs,1H)。
【0149】
参考例50 2−[3−(N−エチル−N−フルフリル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
無色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 0.94−1.07(m,3H),2.66−2.80(m,6H),2.94−2.99(m,2H),3.26−3.31(m,2H),4.52(d,J=7.5Hz,2H),6.31 and 6.43(each d,J=2.5Hz,1H),6.41(d,J=2.5Hz,1H),7.58 and 7.56(each s,1H),8.12(brs,3H)。
【0150】
参考例51 2−[3−(N,N−ビスフルフリル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
無色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.78−2.87(m,6H),2.94−3.01(m,2H),4.51(d,J=9.8Hz,4H),6.29(d,J=3.0Hz,1H),6.46(d,J=3.0Hz,1H),6.39(dd,J=1.8 and 3.0Hz,1H),6.43(dd,J=1.8 and 3.0Hz,1H),7.57(d,J=1.8Hz,1H),7.65(d,J=1.8Hz,1H),8.16(brs,3H)。
【0151】
参考例52 2−[3−オキソ−3−(キノリン−8−イル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.82−3.04(m,8H),7.69−7.85(m,3H),8.23(brs,3H),8.54(ddd,J=1.0,7.5 and 7.5Hz,1H),8.65(d,J=1.0 and 7.5Hz,1H),9.04(dd,J=1.0 and 5.0Hz,1H),10.4(s,1H)。
【0152】
参考例53 2−[3−(2−ベンジルチオエチル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.35−2.51(m,4H),2.70−2.77(m,4H),2.97(m,J=7.5Hz,2H),3.24(q,J=7.5Hz,2H),3.76(s,2H),7.21−7.34(m,5H),8.07(brs,3H),8.20(t,J=5.0Hz,1H)。
【0153】
参考例54 2−[3−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
無色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.69−2.79(m,6H),2.96(t,J=7.5Hz,2H),4.53(d,J=5.0Hz,4H),7.19−7.41(m,10H),7.97(brs,3H)。
【0154】
参考例56 2−[3−(N−ベンジル−N−フルフリル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
無色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.64−3.00(m,8H),4.50−4.53(m,4H),6.30−6.44(m,2H),7.17−7.38(m,5H),7.58(dd,J=2.5Hz,1H),8.08(brs,3H)。
【0155】
参考例57 2−[3−{N−(ビフェニル−2−イル)−N−フルフリル}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.43−2.79(m,8H),3.70 and 3.77(each s,1H),5.07 and 5.13(each s,1H),6.14(dd,J=2.0 and 3.3Hz,1H),6.33(dd,J=2.0 and 3.3Hz,1H),7.11(d,J=7.5Hz,1H),7.30−7.52(m,9H),8.03(brs,3H)。
【0156】
参考例58 2−[3−{N−フルフリル−N−(3−メチルチオフェニル)}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.33−2.35(m,2H),2.45(s,3H),2.62−2.75(m,4H),2.89(t,J=7.5Hz,2H),4.85(s,2H),6.18(d,J=3.0Hz,1H),6.35(dd,J=2.5 and 3.0Hz,1H),6.91(d,J=7.5Hz,1H),7.02(s,1H),7.22(d,J=7.5Hz,1H),7.32(t,7.5Hz,1H),7.58(d,J=2.5Hz,1H),8.34(brs,3H)。
【0157】
参考例59 2−[3−{N−フルフリル−N−(2−フルオロフェニル)}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.17−2.51(m,2H),2.62−2.94(m,6H),4.70(d,J=15.5Hz,1H),4.95(d,J=15.5Hz,1H),6.15(d,J=1.5Hz,1H),6.33(dd,J=1.5 and 3.0Hz,1H),7.16−7.47(m,4H),7.54(d,J=1.5Hz,1H),8.06(brs,3H)。
【0158】
参考例60 2−[3−{N−フルフリル−N−(4−フルオロフェニル)}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.29(t,J=7.5Hz,2H),2.60−2.73(m,4H),2.91−2.96(m,2H),4.84(s,2H),6.17(d,J=3.0Hz,1H),6.35(dd,J=1.8 and 3.0Hz,1H),7.23−7.30(m,4H),7.56(d,J=1.8Hz,1H),8.04(brs,3H)。
【0159】
参考例61 2−[3−{N−フルフリル−N−(3−フルオロフェニル)}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.33−2.39(m,2H),2.81−2.95(m,4H),3.20−3.29(m,2H),4.84(s,2H),6.13(d,J=2.5Hz,1H),6.26(dd,J=1.0 and 2.5Hz,1H),6.80−6.91(m,2H),7.03−7.09(m,1H),7.27−7.76(m,2H),8.45(brs,3H)。
【0160】
参考例62 2−[3−{N−(4−エチルフェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロイソプロピル)}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
黄色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.14−1.26(m,6H),2.16(t,J=7.5Hz,2H),2.60−2.73(m,6H),2.87(t,J=7.5Hz,2H),5.47−5.59(m,1H),7.12(d,J=7.5Hz,1H),7.25(d,J=7.5Hz,1H),7.34(d,J=8.5Hz,2H),8.34(brs,3H)。
【0161】
参考例63 2−[3−オキソ−3−{2−(ピリジン−3−イル)フェニル}アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
黄色固体、潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.56−2.66(m,2H),2.69−2.80(m,4H),2.91−2.96(m,2H),7.40(t,J=5.0Hz,1H),7.60(t,J=7.5Hz,1H),7.67−7.74(m,2H),7.90(t,J=7.5Hz,1H),8.04(d,J=7.5Hz,1H),8.27(brs,3H),8.49(t,J=7.5Hz,1H),8.88(d,J=5.0Hz,1H),10.8(s,1H)。
【0162】
参考例64 2−[3−{N−フルフリル−N−4−トルイル}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.28(t,J=7.5Hz,2H),2.31(s,3H),2.62−2.73(m,4H),2.89−2.91(m,2H),4.83(s,2H),6.15(d,J=2.8Hz,1H),6.34(dd,J=2.0 and 2.8Hz,1H),7.04(d,J=8.2Hz,2H),7.22(d,J=8.2Hz,2H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),8.12(brs,3H)。
【0163】
参考例66 2−[3−(3’,4’−ジクロロビフェニル−2−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
無色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.47−2.52(m,2H),2.71−2.77(m,4H),2.91−2.99(m,2H),7.30−7.41(m,5H),7.62(d,J=2.0Hz,1H),7.68(d,J=7.5Hz,1H),8.03(brs,3H),9.59(s,1H)。
【0164】
参考例67 2−[3−(2’−メトキシビフェニル−2−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
無色油状物;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.43(t,J=7.5Hz,2H),2.65−2.75(m,4H),2.91−2.99(m,2H),3.72(s,3H),7.02−7.23(m,5H),7.32−7.39(m,2H),7.57(d,J=7.5Hz,1H),8.08(brs,3H),8.85(s,1H)。
【0165】
参考例68 2−[3−(4’−tert−ブチル−ビフェニル−2−イル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体、潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.33(s,9H),2.48−2.53(m,2H),2.72−2.76(m,4H),2.92−3.01(m,2H),7.32−7.48(m,8H),8.10(brs,3H),9.43(s,1H)。
【0166】
参考例69 2−[3−{2−(1−ナフチル)フェニル}アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
褐色油状物;潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.18−2.51(m,4H),2.60(t,J=7.5Hz,2H),2.83−2.88(m,2H),7.33−7.48(m,9H),8.20(m,5H),9.43(m,1H)。
【0167】
参考例71 2−[3−{2−(4−フルオロベンジルチオ)エチルアミノ}−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.36−2.51(m,4H),2.71−2.78(m,4H),2.94−2.98(m,2H),3.19(m,2H),3.76(s,2H),7.11−7.18(m,2H),7.35−7.40(m,2H),8.09(brs,3H),8.19(brt,1H)。
【0168】
参考例72 2−[3−{2−(3−フルオロベンジルチオ)エチルアミノ}3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.36−2.53(m,4H),2.70−2.79(m,4H),2.92−2.97(m,2H),3.19−3.27(m,2H),3.78(s,2H),7.03−7.12(m,1H),7.16−7.20(m,2H),7.33−7.41(m,1H),8.20(m,4H)。
【0169】
参考例73 2−[3−{2−(2,4−ジクロロベンジルチオ)エチルアミノ}−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.39(t,J=7.5Hz,2H),2.49−2.54(m,2H),2.71−2.79(m,4H),2.92−3.00(m,2H),3.21−3.28(m,2H),3.83(s,2H),7.38−7.53(m,2H),7.61(d,J=2.0Hz,1H),8.20(brs,3H),8.27(brt,J=5.0Hz,1H)。
【0170】
参考例74 2−[3−オキソ−3−(ターフェニル2−イル)アミノプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;潮解性;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.52−2.56(m,2H),2.70−2.80(m,4H),2.95−3.01(m,2H),7.30−7.48(m,9H),7.72−7.75(m,4H),8.20(brs,3H),9.50(m,1H)。
【0171】
参考例75 2−[3−(2−(2−ナフチル)フェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.45−2.52(m,2H),2.70−2.75(m,4H),2.91−2.99(m,2H),7.32−7.58(m,7H),7.96−8.04(m,7H),9.47(s,1H)。
【0172】
参考例76 2−[3−{2−(シクロペンチルチオ)エチルアミノ}−3−オキソプロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 1.57−1.98(m,6H),2.35−2.39(m,2H),2.50(t,J=2.5Hz,2H),2.53−2.60(m,2H),2.70−2.79(m,4H),2.95(m,2H),3.15−3.38(m,3H),8.13(brs,3H),8.22(t,J=5.0Hz,1H)。
【0173】
参考例77 2−[3−オキソ−3−{2−(2−プロピレンチオ)エチルアミノ}プロピルチオ]エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,TMS,ppm):δ 2.39(t,J=7.5Hz,2H),2.46−2.52(m,2H),2.70−2.79(m,4H),2.93−3.00(m,2H),3.16−3.26(m,4H),5.07−5.18(m,2H),5.71−5.81(m,1H),8.19−8.20(m,4H)。
【0174】
参考例79 2−(3−オキソ−3−フェニルアミノプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,DMSO,ppm):δ 2.58−2.70(m,2H),2.72−2.90(m,4H),2.91−3.12(m,2H),6.96−7.10(m,1H),7.20−7.38(m,3H),7.56−7.70(m,2H),7.80−8.20(m,3H)。
【0175】
参考例80 2−{3−(4−メチルフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,DMSO,ppm):δ 2.26(s,3H),2.62(t,J=7.0Hz,2H),2.76(t,J=7.0Hz,2H),2.83(t,J=7.0Hz,2H),3.02(t,J=7.0Hz,2H),7.11(d,J=8.2Hz,2H),7.49(d,J=8.2Hz,2H),7.84(m,3H),9.96(s,1H)。
【0176】
参考例81 2−{3−(2−メチルフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,DMSO,ppm):δ 2.22(s,3H),2.68(t,J=7.1Hz,2H),2.73−2.93(m,4H),3.02(t,J=7.1Hz,2H),7.02−7.28(m,3H),7.38(d,J=7.5Hz,1H),7.72−7.30(m,3H),9.46(s,1H)。
【0177】
参考例82 2−{3−(4−フルオロフェニル)アミノ−3−オキソプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,DMSO,ppm):δ 2.64(t,J=7.3Hz,2H),2.70−3.10(m,4H),2.90−3.10(m,2H),7.07−7.25(m,2H),7.55−7.70(m,2H),7.80−8.20(m,3H),10.24(brs,1H)。
【0178】
参考例83 2−(3−ベンジルアミノ−3−オキソプロピルチオ)エチルアミン塩酸塩
白色固体;H−NMR(250MHz,DMSO−d,DMSO,ppm):δ 2.48(t,J=7.3Hz,2H),2.65−2.85(m,4H),2.90−3.10(m,2H),4.29(d,J=5.9Hz,2H),7.16−7.40(m,5H),7.80−8.30(m,3H),8.55(brt,J=5.9Hz,1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、RおよびRは各々独立に、水素原子;炭素数1から12のアルキル基;炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基;炭素数2から6のハロアルキル基;テトラヒドロフルフリル基;ピリジルメチル基;炭素数3から6のシクロアルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;炭素数3から6のアルケニルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基;炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフルフリル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素数7から11のアラルキルオキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のハロアルキルスルホニル基、炭素数1から6のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ナフチル基およびピリジル基からなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基もしくは炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよいビフェニリル基;ナフチル基;炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよいチエニル基;チアゾリル基;ベンゾチアゾリル基;キノリル基;またはターフェニル基を表す。RとRは結合する窒素原子と一体となって複素環を形成していてもよい。nは1から9の整数を表す。)で表されるω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミノ基を、不溶性担体に固定化して得られる、タンパク質の分析、分離・精製用吸着剤。
【請求項2】
活性基を有する不溶性担体と、一般式(1a)
【化2】

(式中、RおよびRは各々独立に、水素原子;炭素数1から12のアルキル基;炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基;炭素数2から6のハロアルキル基;テトラヒドロフルフリル基;ピリジルメチル基;炭素数3から6のシクロアルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;炭素数3から6のアルケニルチオ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基;炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフルフリル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素数7から11のアラルキルオキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のハロアルキルスルホニル基、炭素数1から6のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ナフチル基およびピリジル基からなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基もしくは炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよいビフェニリル基;ナフチル基;炭素数1から6のアルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよいチエニル基;チアゾリル基;ベンゾチアゾリル基;キノリル基;またはターフェニル基を表す。R1とR2は結合する窒素原子と一体となって複素環を形成していてもよい。nは1から9の整数を表す。)で表されるω−(3−アミノ−3−オキソプロピルチオ)アルキルアミン誘導体とを反応させて得られる、請求項1に記載のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤。
【請求項3】
不溶性担体が有する活性基がスクシンイミドオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニルオキシ基またはエポキシ基である、請求項2に記載のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤。
【請求項4】
およびRが各々独立に、水素原子;ベンジル基;フルフリル基;ハロゲン原子、メチルチオ基およびピリジル基からなる群より選択される基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいビフェニリル基;ナフチル基;カルボキシル基で置換されていてもよいチエニル基;またはキノリル基を表し、nが1から4の整数である、請求項1から3のいずれかに記載のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤。
【請求項5】
不溶性担体が、表面プラズモン共鳴測定センサーチップ、アガロース、キトサン、セルロースまたはポリメタクリレートである請求項1から4のいずれかに記載のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のタンパク質の分析、分離・精製用吸着剤を用いた、タンパク質の分析、分離・精製法。
【請求項7】
タンパク質が免疫グロブリンまたはこの類縁体、フラグメントもしくは融合体である、請求項6に記載のタンパク質の分析、分離・精製法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−83447(P2013−83447A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221427(P2011−221427)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】