説明

タンパク質デアセチラーゼ阻害剤としてのリバースアミド化合物とその使用方法

本発明は新規の亜鉛キレート基を含む新規の「リバースアミド」化合物、及び当該化合物の、HDAC6の阻害、様々な疾病、疾患又はHDAC6に関連する状態の治療における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質デアセチラーゼ阻害剤とその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[優先権]
この出願は、2010年1月22日の米国仮出願61/336,460の優先権を主張し、その内容は完全に本明細書に包含される。
【0003】
特定の生物学的機能に影響する小有機分子の同定は、生物学及び医学双方に衝撃を与える努力である。そのような分子は、治療薬や生物機能のプローブとして有用である。そのような小分子は、化学的なタンパク質ノックアウトとして作用するので、タンパク質の機能を失わせるためにシグナル伝達経路の解明に有用である(非特許文献1、2)。さらに、これら小分子と特定の生物学的標的との相互作用や、特定の生物学的機能(例えば、遺伝子の転写)に影響を与える能力のために、新しい治療法の開発のための候補として役立つ可能性がある。
【0004】
最近関心を持たれている生物学的標的の1つにヒストンデアセチラーゼ(HDAC)(例えば、癌治療にヒストンデアセチラーゼ阻害剤の使用することの議論等を参照、非特許文献3、4)がある。リジン残基のアセチル化、脱アセチル化によるタンパク質の翻訳後修飾は、細胞機能の調節に重要な役割を有する。HDACは、ヒストンタンパク質や他の転写調節因子のN末端リジン残基の脱アセチル化を通じて、遺伝子発現を調節する亜鉛ヒドロラーゼである(非特許文献5)。HDACは細胞の形態や分化を調節する細胞経路に関与し、HDAC阻害剤は他の治療抵抗性の癌の治療に効果があることが示されている(非特許文献6)。現時点では、亜鉛を補因子とする11のヒトHDACが同定されており(非特許文献7−13)、これらは3つのクラス(クラスI、II及びIV)に分類されている。さらに、NADを補因子とする7つのHDACが同定されている。今日までに、特定のクラスや、このファミリーの個々のメンバーを選択的に標的とする小分子は知られていない(例えば、選択的なHDAC阻害剤の相同分子種(ortholog)は報告されている(a)非特許文献14、(b)非特許文献15)。構造的に多様なHDACやチューブリンデアセチラーゼ(tubulin deacetylase (TDAC))阻害剤、特に強力及び/又は特定のクラスのHDACあるいはTDACに選択的な、あるいは個々のHDAC又はTDACに選択的な阻害剤を作成することが依然として必要である。
【0005】
近年、細胞質性のヒストンデアセチラーゼタンパク質、HDAC6が、アグリソーム(aggresome)形成やユビキチン化されミスフォールディングされたタンパク質ストレスからの細胞の生存に必要であることが同定された。アグリソームは、癌細胞が生存するための不可欠な構成要素である。HDAC6を介したアグリソーム形成の機構は、未同定のヒストン以外の標的を標的としたC末端のデアセチラーゼドメインの触媒活性の結果である。本発明はまた、HDAC6の低分子阻害剤を提供する。いくつかの実施形態において、これらの新しい化合物は、有効で選択性のあるHDAC6阻害剤となる。
【0006】
アグリソームは1998年に最初に記載され、嚢胞性繊維症の膜コンダクタンス制御因子(cystic fibrosis transmembrane conductance receptor, CFTR)の 病原性の対立遺伝子ΔF508を過剰発現させた細胞の核周辺に微小管が結合する封入体(inclusion body)として出現することが報告された。それに引き続く報告では、プレセニリン-1(presenilin-1)(非特許文献16)、パーキン(parkin)(非特許文献17)、末梢ミエリンタンパク質PMP22(peripheral myelin protein PMP22) (非特許文献18), インフルエンザウイルス核タンパク質(非特許文献19)、GFPと膜輸送タンパク質pi15のキメラ(非特許文献20)及び新しいアミロイド形成軽鎖(非特許文献61)を過剰発現するアグリソームの病的な出現として同定された。ユビキチン化された(ΔF508 CFTR)(非特許文献16)、そしてユビキチンン化されていない(GFP−250)(非特許文献20)タンパク質凝集体のアグリソームへの膜移送の研究のためにモデル系が確立されてきた。分泌型、変異を有する、また野生型のタンパク質は、不安定な動態学的中間体であるかもしれないが、26Sプロテアソームの細い導管を通って分解されることが不可能な安定な凝集体になる。これらの複合体は、活性化され、ダイニンによって中心子周辺のアグリソームに逆移送され、部分的にヒストンデアセチラーゼ、HDAC6によって媒介される(非特許文献21)。
【0007】
ヒストンデアセチラーゼは、少なくとも11のヒストンタンパク質のリジン残基の脱アセチル化を触媒する亜鉛結合加水分解酵素のファミリーである。HDACの阻害は、クロマチンの高アセチル化、転写の変化、成長阻害、癌細胞株のアポトーシスをもたらす。入手可能な非選択的なHDAC阻害剤の臨床試験は、初期に重篤な毒性を有するけれども、多発性骨髄腫を含む血液の腫瘍が反応することを示した。留意すべき点は、プロテアソームをアグリソームの両者の阻害は提唱されていないけれども、従来の化学療法薬(メルファランのような)とボルテゾミブのインビトロでの相乗効果はミエローマ細胞株で報告されていたことである。最近まで、HDAC阻害剤は実現されていなかった。
【0008】
HDAC6は、ユビキチン化タンパク質ストレスによるアグリソーム形成に必要であり、この状況において細胞生存に本質的である。HDAC6は、ユビキチン化されたタンパク質にZnフィンガードメインを介して結合し、他の結合モチーフを介してダイニンモーター複合体と相互作用すると考えられている。HDAC6は、2つの脱アセチル化触媒ドメインを備えている。N末ヒストンデアセチラーゼドメイン、あるいはC末チューブリンデアセチラーゼ(TDAC)ドメインのいずれがアグリソーム形成を仲介するのかは今のところ知られていない。
【0009】
異常なタンパク質の異化作用は癌の特徴であり、癌関連タンパク質の安定化や、腫瘍抑制物質の分解に関与している(非特許文献22)。核内因子κB(nuclear factor kappa B, NFKB)の活性化を誘導する腫瘍壊死因子α(TNFα)は関連した例であり、腫瘍化したプラズマ細胞のNFKB阻害因子β(IKB)のタンパク質分解により仲介される。プロテアソーム阻害剤によるIKB異化作用の阻害は、部分的に、治療された骨髄腫細胞のアポトーシスによる成長停止を説明する(非特許文献23)。多発性骨髄種は、癌におけるタンパク質分解の機構を研究するのに理想的な系である。1980年のウィリアム ラッセル(William Russell)以来、細胞質封入体は腫瘍化プラズマ細胞の組織学的特徴の定義の1つとして考えられてきた。ラッセル小体の正確な構成は知られていないが、ER由来の単一の型の免疫グロブリンの凝集体を含む小胞であると考えられており(非特許文献24)、ユビキチン染色が見られる(非特許文献25)。ラッセル小体はCFTRを過剰発現した酵母でも報告されており(非特許文献26)、圧倒的なタンパク質異化作用、及びおそらくアグリソームに関連する構造の可能性が挙がっている。アグリソームの癌における役割は不明のままである。
【0010】
異常なヒストンデアセチラーゼ活性はまた、脳卒中、ハンチントン病、筋委縮性側索硬化症(ALS)やアルツハイマー病を含む様々な神経系ならびに神経変性疾患と関連している。HDAC阻害剤は、p21やHSP−70のような生存を促す抗有糸分裂、抗アポトーシス遺伝子の発現を誘導し得る。HDAC阻害剤は、反応性アストロサイトやミクログリアのような中枢神経系の他の神経細胞種に作用し、炎症や神経傷害や疾病の際の二次的な障害を減じる。HDAC阻害は、中枢神経系疾患領域の治療のための期待できる治療研究である(非特許文献27)。
【0011】
ヒストンデアセチラーゼは、ヒストンの高アセチル化を誘導し、遺伝子発現に影響を与え、遺伝子発現調節の転写機構において重要な役割を有することが知られている。したがって、炎症性疾患、糖尿病、糖尿病性合併症、同型接合型サラセミア、線維症、肝硬変、急性前骨髄球性白血病(APL)、器官移植拒絶、自己免疫疾患、原虫感染、癌等の異常な遺伝子発現に起因する疾患の治療ならびに予防薬として有用である。
【0012】
したがって、ヒストンデアセチラーゼやチューブリンヒストンデアセチラーゼの新しい阻害剤の開発は依然として必要である。特に、既知のHDACやTDAC阻害剤より有効かつ/又は特異的な標的に対し、より選択的な阻害剤が必要である。HDACファミリーのあるクラス、あるいはあるメンバーに特異的なHDAC阻害剤は、増殖性疾患やタンパク質が沈着する疾患や、HDAC、特にHDAC6の研究に特に有用であろう。TDACに対してHDACにより特異的な、あるいは逆の阻害剤は、また疾患の治療や生物学的経路を証明するのに有用である。本発明は、新しい化合物、医薬組成物、癌、炎症、自己免疫疾患、神経系並びに神経変性疾患を含むHDAC6に関連する疾患の治療にこれら化合物を使用する方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6099562号明細書
【特許文献2】米国特許第5886026号明細書
【特許文献3】米国特許第5304121号明細書
【特許文献4】米国特許第6517889号明細書
【特許文献5】米国特許第6273913号明細書
【特許文献6】米国特許第6258121号明細書
【特許文献7】米国特許第6251136号明細書
【特許文献8】米国特許第6248127号明細書
【特許文献9】米国特許第6231600号明細書
【特許文献10】米国特許第6203551号明細書
【特許文献11】米国特許第6153252号明細書
【特許文献12】米国特許第6071305号明細書
【特許文献13】米国特許第5891507号明細書
【特許文献14】米国特許第5837313号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開2001/0027340号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Schreiber et al, J. Am. Chem. Soc, 1990, 112, 5583
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【非特許文献3】Marks et al. Nature Reviews Cancer 2001, 7,194
【非特許文献4】Johnstone et al. Nature Reviews Drug Discovery 2002, 287
【非特許文献5】Hassig et al Curr. Opin. Chem. Biol. 1997, 1, 300-308
【非特許文献6】Warrell et al J. Natl. Cancer Inst. 1998, 90, 1621- 1625
【非特許文献7】Taunton et al. Science 1996, 272, 408-411
【非特許文献8】Yang et al. J. Biol. Chem. 1997, 272, 28001- 28007
【非特許文献9】Grozinger et al. Proc. Natl. Acad. Sd. U.S.A. 1999, 96, 4868-4873
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【非特許文献11】Hu et al J. Biol. Chem. 2000, 275, 15254-15264
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【非特許文献13】Venter et al. Science 2001, 291, 1304-1351
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【非特許文献53】Hideshima, T., et al. (2003) Oncogene 22, 8386-8393
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【非特許文献56】Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th Edition, 1980 by Mack Publishing Company, Easton, Pa.
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【非特許文献60】The Merck Manual, Seventeenth Ed. 1999
【非特許文献61】DuI JL, et al.J Cell Biol. 2001;152:705-716
【発明の概要】
【0015】
一つの側面において、本発明は化学式Iの化合物;
【化1】

【0016】
又は、その医薬的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する;
ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である。
【0017】
別の側面において、本発明は化学式Iの化合物を含む医薬組成物、又は、その医薬的に許容できるエステル、塩、又はそれによるプロドラッグを医薬的に許容できる担体とともに提供する。
【0018】
一形態において、本発明は、対象において化学式Iの化合物;
【化2】

【0019】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグをを投与することを含むヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の阻害方法を提供する;
ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である。
【0020】
別の形態では、本発明は、化学式Iの化合物;
【化3】

【0021】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを対象に投与することによりHDAC−6を介した疾病を有する対象を治療する方法を提供する。
【0022】
ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意にH、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である。
【0023】
別の側面では、本発明は、化学式Iの化合物;
【化4】

【0024】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、プロドラッグを対象に治療に効果的な量を投与することを含み、対象は多発性骨髄腫である、又は感受性のある、を治療する方法を提供する。
【0025】
ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意にH、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2であり、
その結果、多発性骨髄腫に罹患している、あるいは感受性のある対象を治療する。
【0026】
別の側面では、本発明は、1つ又はそれ以上の化学式1の化合物;
【化5】

【0027】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグから選択されたHDAC活性を阻害することができる化合物を含むキットを提供する。
【0028】
ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意にH、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2であり;
そして、多発性骨髄腫の治療に使用するための説明書を含む。
【発明を実施するための形態】
【0029】
定義
下記に挙げたリストは、本発明で明細書に用いられた様々な用語の定義である。これらの定義は、個別のあるいは大きなグループの一部としての特別な例に限れられる以外は、この明細書及び請求項を通して用語に適用される。
【0030】
ここで用いられる用語「アルキル」は、飽和、直鎖、分岐鎖の炭化水素部分をさし、いくつかの実施態様では、1から6、又は1から8の炭素原子を各々含む。C−Cのアルキル部分の例は、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル部分を含み;
C1−C8のアルキル部分の例は、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、及び他の部分を含む。
【0031】
ここで用いられる用語「アルケニル」は、炭化水素部分に由来する一価の基を意味し、いくつかの実施態様では、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を備える2から6、又は2から8の炭素原子を含む。二重結合は、他の基の結合部位であってもなくてもよい。アルケニル基は、これに限定されるものではないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1‐メチル‐2‐ブテン‐1−イル、ヘプテニル、オクテニルなどを含む。
【0032】
ここで用いられる用語「アルキニル」は、炭化水素部分に由来する一価の基を意味し、いくつかの実施態様では、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を備える2から6、又は2から8の炭素原子を含む。アルキニル基は、他の基の結合部位であってもなくてもよい。代表的なアルキニル基は、これに限定されるものではないが、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、ヘプチニル、オクチニルなどを含む。
【0033】
用語「アルコキシ」は、−O−アルキル部分をいう。
【0034】
ここで用いられる用語「アリール」は、融合又は融合していない、一又は複数の芳香族環を有する一環又は複環の炭素環系であって、これに限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、イデニルなどを含む。
【0035】
ここで用いられる用語「アラキル」又は「アリールアラキル」はアルキル基がアリール環に結合しているものをいう。例としては、これに限定されるものではないが、ベンジル、フェネチルなどを含む。
【0036】
ここで用いられる用語「炭素環」は、一環又は複環の、飽和、部分的に飽和、完全に不飽和の炭素環化合物に由来する一価の基を意味する。炭素環基の例は、シクロアルキルの定義及びアリールの定義に見出される基を含む。
【0037】
ここで用いられる用語「シクロアルキル」は、一環又は複環の飽和、部分的に飽和、完全に不飽和の炭素環化合物に由来する一価の基を意味する。C−C−シクロアルキルの例としては、これに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル及びシクロオクチルを含む;そして、C−C12−シクロアルキルの例としては、これに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘクシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル及びビシクロ[2.2.2]オクチルを含む。また、一つの水素原子を除くことによる少なくとも一つの炭素‐炭素二重結合を有する一環又は複環の炭素環化合物から由来する一価の基を意味する。そのような基の例としては、これに限定されるものではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル等を含む。
【0038】
ここで用いられる用語「ヘテロアリール」は、一環又は複環(例えば、二環、三環、又はそれ以上)の融合、又は融合していない部分又は環、又は、少なくとも一つの芳香族環を有するもの、S、O、及びNから選択される原子を環に有する5から10の環原子を備えるものを意味する;0、1、または2つの環原子がさらにヘテロ原子として独立にS、O、及びNから選択される;残りの環原子は炭素である。ヘテロアリールは、これに限定されるものではないが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンジイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノオキサリニルなどを含む。
【0039】
ここで用いられる用語「ヘテロシクロアルキル」は、非芳香族の三−、四−、五−、六−又は七−員環、又は二環性、又は三環性の融合、又は融合していない系をいう。ここで(i)各環は酸素、硫黄、窒素から選択される1から3のヘテロ原子を独立に含み、(ii)各五員環は0から1の二重結合、及び六員環は0から2の二重結合を有し、(iii)窒素及び硫黄へテロ原子は任意に酸化されていてもよく、(iv)窒素へテロ原子は任意に四級化され、(v)上記環のいくつかはベンゼン環と融合していてもよい。代表的なヘテロシクロアルキル基は、これに限定されるものではないが、[1,3]ジオキソラン、ピロリジニル、ピラソリニル、ピラソリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、オキゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、及びてテトラヒドロフリルを含む。
【0040】
用語「アルキルアミノ」は、構造−NH(C−C12アルキル)有する基をいい、ここで、C−C12アルキルは前記定義されたとおりである。
【0041】
用語「アシル」は、これに限定されるものではないが、カルボン酸、カルバミン酸、炭酸、スルホン酸、リン酸のような酸に由来する基を含む。例としては、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族リン酸を含む。脂肪族カルボニルは、これに限定されるものではないが、アセチル、プロピオニル、2−フルオロアセチル、ブチリル、2−ヒドロキシアセチルなどを含む。
【0042】
本発明に基づいて、ここに記載されたいかなるアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリールは、いかなる芳香族基であり得る。芳香族基は置換されていることも、置換されていなくてもよい。
【0043】
ここで用いられる用語「ハル(hal)」、「ハロ(halo)」、及び「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素をいう。
【0044】
ここで用いられる用語「オキソ(oxo)」は炭素に好ましくは二重結合(例えば、カルボニル)している酸素をいう。
【0045】
ここに記載しているように、本発明の化合物は、任意に一つあるいはそれ以上の上記のような一般的な、又は、本発明で例示されている特定のクラス、サブクラス、種の置換基で置換されていてもよい。語句「任意に置換された(optionally substituted)」は、語句「置換された、又は、置換されていない」と交換可能に用いられていると認識されるであろう。用語「任意に」が前にあってもなくても、一般的に、用語「置換された」は、特定の置換基の与えられた構造において水素に置き換わることをいう。他に定めた場合を除き、任意に置換された基は、基の置換され得る各位置に置換基を有してもよく、与えられた構造の一以上の位置に、特定の基から選択された一以上の置換基で置換されてもよく、置換基は、各位置で同一、又は異なっていてもよい。用語「任意に置換された」、「任意にアルキルで置換された」、「任意に置換された」、「任意にアルケニルに置換された」、「任意にアルキニルに置換された」、「任意にシクロアルキルに置換された」、「任意にシクロアルケニルに置換された」、「任意にアリールに置換された」、「任意にヘテロアリールに置換された」、「任意にアラルキルに置換された」、「任意にヘテロアラルキルに置換された」、「任意にヘテロシクロアルキルに置換された」及び、ここで用いられているいかなる他の任意の置換基は、これに限定されるものではないが、水素原子が一つ、二つ、三つ、又はそれ以上独立に、以下の置換基で置換、又は置換されていない基であることを意味する:
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル
−F、−Cl、−Br、−I,
−OH、保護された水酸基、酸素、オキソ、
−NO、−CN、
−NH、保護されたアミノ、−NH−C−C12−アルキル、−NH−アリール、ジアルキルアミノ、
−O−C−C12−アルキル,−O−アリール、
−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、
−C(O)−C−C12−アルキル、−C(O)−C−C12−シクロアルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−ヘテロシクロアルキル、
−C(O)O−C−C12−アルキル、−C(O)O−C−C12−シクロアルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−ヘテロシクロアルキル、
−CONH、−CONH−C−C12−アルキル、−CONH−アリール、
−OCO−C−C12−アルキル、−OCO−アリール、−OCONH、−OCONH−C−C12−アルキル、−OCONH−アリール、
−NHC(O)−C−C12−アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHCO−C−C12−アルキル、−NHCO−アリール、
−S(O)−C−C12−アルキル、−S(O)−アリール、−SONH−C−C12−アルキル、−SONH−アリール、
−NHSO−C−C12−アルキル、−NHSO−アリール、
−SH、−S−C−C12−アルキル、又は−S−アリール。
【0046】
いくつかの実施態様では、任意に置換される基は以下を含む:C−C12−アルキル、C−C12−アルケニル、C−C12−アルキニル、C−C12−シクロアルキル、C−C12−アリール、C−C12−ヘテロシクロアルキル、C−C12−ヘテロアリール、C−C12−アリールアルキル、又は、C−C12−ヘテロアリールアルキル。
【0047】
アリール、ヘテロアリール、アルキル等は、さらに置換され得ると解される。
【0048】
ここで用いられている用語「金属キレート剤」は、金属イオンと複合体(すなわちキレート)を形成し得るいかなる分子、又は部分をいう。いくつかの典型的な実施態様では、金属キレート剤は、溶液中で、金属イオンと「結合」し、化学的/酵素的反応の使用に利用できなくさせる、いかなる分子、又は部分をいう。いくつかの実施態様において、溶液は生理学的条件下の水性の環境を含む。金属イオンの例は、これに限定されないが、Ca2+、Fe3+、Zn2+、Na等を含む。いくつかの実施態様では、キレート剤はZn2+と結合する。いくつかの実施態様では、金属イオンを沈殿させる部分の分子は金属キレート剤とはみなされない。
【0049】
ここで用いられる用語「小分子」は、実験室で合成される、あるいは自然界に存在する非ペプチド性、非オリゴマー有機化合物である。ここで用いられる、小分子は、「自然界の産物様の」化合物をさし得るが、用語「小分子」は「自然界の産物様の」化合物に限定されない。むしろ、小分子は、典型的には、2、3の炭素‐炭素結合を含み、分子量1500以下であると特徴付けられる。しかしながら、この特徴は、本発明の目的のために限定されることを意図されていない。自然に存在する「小分子」の例は、これに限定されるものではないが、タキソール、ジネマイシン(dynemicin)、及びラパマイシンがある。いくつかの他の好ましい実施態様では自然界の産物様の小分子が利用される。
【0050】
ここで用いられる用語「対象」は哺乳類をいう。対象はしたがって、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモットなどをいう。好ましくは対象はヒトである。対象がヒトであるときは、対象を患者ということがある。
【0051】
「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、「治療(treatment)」は、病気及び/又は付随する症状を軽減、又は減少する方法をいう。
【0052】
ここで用いられる用語「医薬的に許容できる塩」は、本発明の過程によって形成される化合物の塩をいい、医学的判断の観点から、毒性、刺激、アレルギー反応などヒト及び下等動物の組織に接触させるのに適し、利益/リスクの比が妥当で均衡があるものをいう。医薬的に許容できる塩は、技術分野においてよく知られている。例えば、S.M.Berge,et al.は医薬的に許容できる塩を詳細に記述している(非特許文献28)。塩は、本発明の化合物を最終的に単離、精製する状態で、又は、独立して好適な有機酸と遊離塩基機能との反応によって準備され得る。医薬的に許容できる塩の例は、これに限定されるものではないが、毒性のない酸と付加的な塩であり、塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸のような無機酸、又は、酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、サクシニル酸、マロン酸のような有機酸と形成されるアミノ基の塩であり、又は、イオン交換のような技術分野で用いられている他の方法をいう。他の医薬的に許容できる塩は、これに限定されるものではないが、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ビスルフェート、ホウ酸、酪酸、ショウノウ酸、ショウノウ硫酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、グルコン酸、ヘミスルフェート、ヘプタン酸、ヘキサン酸、塩化水素、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ラクトビオン酸、乳酸、ラウリン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、ペクチン酸、3−フェニルプロピオン酸、リン酸、ピクリン酸、ピルビン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸エステル、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデカン酸、吉草酸の塩などがある。代表的なアルカリ、又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウウ、マグネシウムなどが含まれる。さらなる医薬的に許容できる塩は、適切には、無毒性のアンモニウム、第4級アンモニウム、及び対イオンとして、ハロゲン化合物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、1から6の炭素原子を有するアルカリ、スルホン酸、及びアリールスルホン酸などによって形成されるアミン陽イオンが含まれる。
【0053】
ここで用いられる用語「医薬的に許容できるエステル」は、生体内で加水分解されたり、ヒト体内で出発化合物やその塩からすばやく分解されることを含む、本発明の過程で形成される化合物のエステルをいう。好適なエステル基は、例えば、医薬的に許容される脂肪族カルボン酸、各々のアルキル及びアルケニル部分が、有利には炭素原子が6以上ではなく、特に、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルケン酸、アルカンジオン酸に由来する。特定のエステルの例は、これに限定されるものではないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、エチルコハク酸のエステルを含む。
【0054】
ここで用いられる用語「医薬的に許容されるプロドラッグ」は、医学的判断の観点から、毒性、刺激、アレルギー反応などヒト及び下等動物の組織に接触させるのに適し、利益/リスクの比が妥当で均衡がある本発明の過程で形成される化合物のプロドラッグをいい、意図される使用に効果的であり、本発明の化合物において可能であれば、両性イオン型である。ここで用いられる「プロドラッグ」は、生体内において代謝手段(例えば、加水分解によって)で変換される、本発明の化学式によって説明される任意の化合物を意味する。プロドラッグのさまざまな種類が当技術分野では知られており、例えば、非特許文献29〜35で論じられている。
【0055】
本発明はまた、医薬組成物、及び投与により疾患を治療する方法、本発明の化合物の医薬的に許容できるプロドラッグを包含する。例えば、本発明の化合物は、プロドラッグに変換し得る遊離のアミノ基、アミド基、カルボキシル基を有する。プロドラッグは、アミノ酸残基、又は2あるいはそれ以上(例えば2、3、又は4)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が、アミド又はエステル結合で本発明の化合物の遊離のアミノ基、水酸基、カルボキシル基と共有結合している化合物を含む。アミノ酸残基はこれに限定されるものではないが、一般的に3文字記号によって表記される20の天然のアミノ酸や、4‐ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン(demosine)、イソデモシン(isodemosine)、3‐メチルヒスチジン、ノルバリン(norvalin)、β‐アラニン、γ‐アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、オルニチン及びメチオニンスルホンを含む。プロドラッグの付加的な種類もまた含む。例としては、遊離のカルボキシル基は、アミドやアルキルエステルに誘導体化し得る。遊離の水酸基は、これに限られないが、ヘミコハク酸、リン酸エステル、ジメチルアミノ酢酸、及びホスホリルオキシメチルオキシカルボニルを含む基を用いて、非特許文献36に概説されているように誘導体化され得る。水酸基及びアミノ基のカルバメート プロドラッグもまた、カルボネート プロドラッグ、スルホン酸エステル、水酸基の硫酸エステルとして含まれる。(アシルオキシ)メチルや(アシルオキシ)エチルエステルのような水酸基の誘導体化はもまた包含される。ここでアシル基は、アルキルエステル、好ましくはこれに限定されるものではないが、アミン及びカルボン酸官能基であるか、又はアシル基は上述のアミノ酸エステルを含む。この種のプロドラッグは非特許文献37に記載されている。遊離アミンはまた、アミド、スルホンアミド、又はホスホンアミドなどに誘導体化され得る。これらのプロドラッグの部分は全て、これに限定されるものではないが、アミン、カルボン酸官能基を含む基に組み込まれ得る。
【0056】
本発明による想定される置換基と可変部の組合せは、安定な化合物の形態として得られたもののみをいう。ここで用いられる用語「安定な」は、生産を許容し、ここに記載されている詳細な目的(例えば、治療又は対象に対する予防的投与)に有効な十分な期間、化合物の保存性を維持する、十分な安定性を有する化合物をいう。
【0057】
用語「単離された」、「精製された」又は「生物学的に純粋な(biologically pure)」は、実施的に、又は本質的に、天然の状態で見出されるような通常付随する成分を含まないことをいう。精製度や均一性は、典型的には、ポリアクリルアミド電気泳動や高性能液体クロマトグラフィーのような分析化学的手法を用いて決定される。特に、実施態様では化合物は少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、もっとも好ましくは少なくとも99%の純度である。
【0058】
[本発明の化合物]
一形態において、本発明は化学式Iの化合物;
【化6】

【0059】
又は医薬的に許容し得る塩、エステル又はプロドラッグを提供し、
ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である。
【0060】
一つの実施態様では、環Aはフェニル、ナフチル、アントラセニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イミダゾリル、オキサゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、キノリニル、ピロリル、ピラゾリル、又は5,6,7,8‐テトラヒドロイソキノリンをいい、各々任意に置換されていてもよい。
【0061】
別の実施態様では、環Bはフェニル、ナフチル、アントラセニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イミダゾリル、オキサゾリル、フリル、チエニル、チアゾリルトリアゾリル、イソオキサゾリル、キノリニル、ピロリル、ピラゾリル、又は5,6,7,8‐テトラヒドロイソキノリンをいい、各々任意に置換されていてもよい。
【0062】
任意の実施態様では、Rは、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリール、又はRは水酸基、又はアルコキシ基である。
【0063】
さらなる実施態様では、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、i‐プロピル、ブチル、i‐ブチル、t‐ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ナフチル、ピリジニル、OH、OCH、OCHCH、O−Pr、O−iPr、O−Bu、O−sBu、又はO−tBuであり;各々任意に置換されていてもよい。
【0064】
いくつかの実施態様では、Rは、OH、アルコキシ、NH、NH(アルキル)、N(アルキル)(アルキル)、NH‐アリール、NH‐ヘテロアリール、N(アリール)(アリール)、N(アリール)(ヘテロアリール)、又はN(ヘテロアリール)(ヘテロアリール)である。
【0065】
別の実施態様では、カルボニル及びZ基は、環Aに互いにパラの位置に結合する。
【0066】
別の実施態様では、カルボニル及びZ基は、環Aに互いにメタの位置に結合する。
【0067】
別の実施態様では、カルボニル及びZ基は、環Aに互いにオルトの位置に結合する。
【0068】
一つの実施態様では、本発明は化合物II;
【化7】

【0069】
又はその医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを提供する;
ここで、
各X,X,X,またはX独立にN,CR’,O,S,NCR’,CR’CR’,OCR’,SCR’,又はなくてもよく、又はX又はXはRと結合し二環式環基を形成してもよく;ここで、X,X,X,又はXのうち、3つまではNでよい;
環Bは任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
はH、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R,又はC(O)O−Rであり、各々任意に置換されていてもよく;
RはH、又は任意に置換されたアルキルであり;又はR及びX又はXは任意に置換されてもよい融合した二環式環基を形成してもよく;
各R’は独立にH、任意に置換されたアルキル、ハロ、OH,NH,NHR”,ハロアルキル、CN,N,NOであり;
R”はH又はアルキル;;及び
はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、各々任意に置換されていてもよい。
【0070】
いくつかの実施態様では、X,X,X,及びXはすべてCR’である。
【0071】
他の実施態様では、X及びXは、Nであり、X及びXはCR’である。
【0072】
別の実施態様では、X及びXはCR’であり、X及びXはNである。
【0073】
さらなる実施態様では、XはNであり;XはS,N又はOであり;XはCR’であり、Xは欠如している。
【0074】
一つの実施態様では、環Bはフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、各々任意に置換されていてもよい。
【0075】
さらなる実施態様では、環Bはアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ハロアルキル、ハル、OH,NH,NHR”,CN,N,又はNOによって置換されている。
【0076】
いくつかの実施態様では、RはH、アルキル、アリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールであって、各々任意に置換されていてもよい。
【0077】
別の実施態様では、本発明は、化学式IIIの化合物;
【化8】

【0078】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを提供する;
ここで、
環Bは、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R,C(O)O−R,であり、各々は任意に置換されていてもよく;
は、任意に置換されたヘテロアリールであり、
Rは、H、又は任意に置換されたアルキルであり;又はRと芳香環は結合し、任意に置換された融合した[6,5]二環式環基を形成してもよい。
【0079】
一つの実施態様では、環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、各々は任意に置換されていてもよい。
【0080】
さらなる実施態様において、環Bは、アルキル、アリール、アラアルキル、ハロアルキル、ハル、OH,NH,CN,又はNOによって置換される。
【0081】
別の実施態様において、Rは、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、C(O)−R,又はC(O)O−Rであり、各々任意に置換されていてもよい。
【0082】
様々な実施態様において、R2は任意に置換されたピリジニルがよい。
【0083】
別の実施態様において、本発明は化学式IV;
【化9】

【0084】
又はその医薬的に許容できる塩、エステル又はプロドラッグを提供する;
ここで、
環Bは、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリール;
は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、各々任意に置換されていてもよく;
又は、環B及びRは、各々結合される原子とともに、任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールでよく、並びに、
Rは、H又は任意に置換されたアルキル、又はR及び1,3−ピリミジニル環が結合し、任意に置換されてもよい融合した二環式環基を形成してもよい。
【0085】
いくつかの実施態様では、環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、各々任意に置換されていてもよい。
【0086】
さらなる実施態様では、環Bは任意にアルキル、アリール、アラルキル、ハロアルキル、ハロ、OH,NH,CN,又はNOによって置換される。
【0087】
他の実施態様では、RはH、アルキル、アリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールであり、各々任意に置換されてよい。
【0088】
別の実施態様では、R1はOH、ハロによって置換される。
【0089】
いくつかの実施態様において、環BとRによって形成された環は、各々任意に置換されるピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロキノリン、モルホリン、ピペラジン、テトラヒドロ‐テリアゾロピラジン、ジアゼパンである。
【0090】
別の実施態様では、本発明は化学式Vの化合物;
【化10】

【0091】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを提供する:
ここで、
各々X,X,又はXは独立にN又はCR’であり;
環Bは、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環又は炭素環であり、各々任意に置換されてよい;
各R及びRは独立にH,NH(R),N(R)(R),N(R)CO(R),COH,C(O)R,C(O)OR,C(O)NH,C(O)NH(R),C(O)N(R)(R),SO,SOR,SR,アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環及び炭素環であり、各々さらに置換されていてもよく;又はR及びRは、それらに結合している炭素とともに、カルボニルを形成し;
各Rは、独立にH、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環であり、各々さらに置換されていてもよく;
R’は、H、任意に置換されたアルキル、ハロ、OH,NH,NHR”,ハロアルキル、CN,N,NOであり;
R”はH、又はアルキルであり;及び
mは1又は2である。
【0092】
関連する実施態様において、本発明は、化学式Vaの化合物;
【化11】

【0093】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを提供する:
各々X,X,又はXは独立にN又はCR’であり;
環Bは、任意に置換されたアリール、又は置換されたヘテロアリールであり;
はH、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、各々任意に置換されていてもよく;
各々R及びRは独立に、H、NH(R),N(R)(R),N(R)CO(R),COH,C(O)R,C(O)OR,C(O)NH,C(O)NH(R),C(O)N(R)(R),SO,SOR,SR,アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環及び炭素環であり、各々さらに置換されていてもよく;又はR及びRは、それらに結合している炭素とともに、カルボニルを形成し;
各Rは、独立にH、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又は複素環であり、各々さらに置換されていてもよく;
R’は、H、任意に置換されたアルキル、ハロ、OH,NH,NHR”,ハロアルキル、CN,N,NOであり;
R”はH、又はアルキルであり;及び
mは1又は2である。
【0094】
一つの実施態様において、X,X,及びXはすべて独立にCR’である。
【0095】
別の実施態様において、環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、各々任意に置換されていてもよい。
【0096】
さらなる実施態様においては、環Bは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ハロアルキル、ハロ、OH,NH,NHR”,CN,N,又はNOによって置換される。
【0097】
いくつかの実施態様において、
はH、アルキル、アリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールであり、各々任意に置換されていてもよい。
【0098】
別の実施態様いおいて、化学式VIの化合物;
【化12】

【0099】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを提供する;
ここで、
環Bは任意に置換されたアリール、又は置換されたヘテロアリールであり;
は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
は、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、OH、アルコキシ、NH,NH(アルキル),又はN(アルキル)(アルキル)であり;
又は、R及びRは、各々に結合している原子とともに、任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよく;並びに、
Rは、H又は任意に置換されたアルキルである。
【0100】
一つの実施態様において、環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、又はチアゾールであり、各々置換されていてもよい。
【0101】
別の実施態様いおいて、Rは、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はチアゾールであり、各々任意に置換されてもよい。
【0102】
いくつかの実施態様において、RはOH、メトキシ又はエトキシである。
【0103】
様々な実施態様において、環B及びRは、各々独立に1又は複数のアルキル、ハロゲン又はC(O)NRで置換され、ここで、Rは、H又はアルキルであり、RはH又はアルキルである。
【0104】
他の実施態様において、環B及びRは、各々独立に1又は複数のメチル、F,又はC(O)N(Me)で置換されている。
【0105】
別の特徴において、本発明は、化学式Iの化合物、又は、その医薬的に許容できるエステル、円、又はそのプロドラックを含む医薬組成物とともに、医薬的に許容できる担体を提供する。
【0106】
これに限定されるものではないが、本発明の代表的な化合物、以下の表1の化合物が含まれる。
【0107】
【表1】



































【0108】
好ましい実施態様では、本発明の有用な化合物は、1つまたは複数の以下の特性を備える:化合物は少なくとも1つのヒルトンデアセチラーゼを阻害することができる;化合物はHDAC6を阻害することができる;化合物は選択的なHDAC6の阻害剤である;化合物はHDAC6のポリユビキチン結合ドメインに結合する;化合物は、癌細胞(特に、多発性骨髄腫細胞、非ホジキンリンパ腫(NML)細胞、乳癌細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞)において、アポトーシスを誘導することができる;及び/又はアグリソーム形成を阻害することができる。
【0109】
いくつかの好ましい実施態様では、本発明の化合物は金属結合部分、好ましくは、ヒドロオキサメートのような亜鉛結合部位を含む。上記述べたように、いくつかのヒドロオキサメートは、HDAC6活性の有効な阻害剤である;理論によって拘束されることはないが、これらヒドロオキサメートの効力は、少なくとも部分的には、亜鉛に結合する化合物の能力によるものだと推察されている。好ましい実施態様は、本発明の化合物は、少なくとも一部分、又は一領域が、例えば、チューブリンデアセチラーゼ(TDAC)又はHDAC、例えば、HDAC6を有する生物学的標的のアグリソームが関与する経路において、生物学的標的に選択性を与えることができることを含む。したがって、いくつかの好ましい実施態様においては、本発明の化合物は、分子の他の部分から離れて生物学的標的に結合するための亜鉛結合部位を備える。
【0110】
本発明はまた、化学式Iの化合物、又はその医薬的に許容できるエステル、塩、又はプロドラッグを、医薬的に許容できる担体とともに含む医薬組成物を提供する。
【0111】
本発明の別の対象は、本明細書中の疾患や病気の治療に使用するための薬剤生産において、本明細書に記載したような化合物(例えば、本明細書のいずれかの化学式)の使用である。本発明の別の対象は、本明細書に記載したような化合物(例えば、本明細書のいずれかの化学式)の本明細書中の疾患や病気の治療への使用である。
【0112】
別の特徴として、本発明は、化学式Iの化合物の合成方法を提供する。本発明の化合物の合成は、以下の実施例に見出すことができる。
【0113】
別の実施態様は、本明細書に記載した反応のいずれか一つ又は組み合わせによって、本明細書のいずれかの化学式の化合物を製造する方法である。方法は、本明細書に記載した、一又は複数の中間体、又は化学試薬を使用することを含み得る。
【0114】
別の特徴は、明細書に記載されたいずれかの化学式の同位元素で標識された化合物である。そのような化合物は、一又は複数の、化合物に導入された放射性又は非放射性の同位元素(例えば、 H,H,14C,13C,35S,32P,125I,及び131I)である。そのような化合物は、薬物代謝の研究や診断に治療応用と同様に有用である。
【0115】
本発明の化合物は、化合物の遊離塩基と医薬的に許容され得る無機又は有機酸との反応によって医薬的に許容できる酸の付加塩として調製できる。代わりに、本発明の化合物の医薬的に許容できる塩の付加塩は、化合物の遊離酸と医薬的に許容できる無機塩、又は有機塩との反応によって調製できる。
【0116】
あるいは、本発明の化合物の塩は、出発物質や中間体の塩を用いて調製できる。
【0117】
本発明の遊離酸や遊離塩基は、各々一致する付加塩の塩基又は付加塩の酸から調整できる。例えば、本発明の化合物の酸の付加塩は、適切な塩(例えば、水酸化アンモニウム溶液や、水酸化ナトリウムのような)で処理することによって、相当する遊離塩に変換し得る。本発明の化合物の塩の付加塩は、適切な酸(例えば、塩酸のような)で処理することによって、相当する遊離酸に変換し得る。
【0118】
本発明の化合物から派生するプロドラッグは、当業者に周知の方法(例えば、詳細は非特許文献38)によって調整し得る。例えば、好適なプロドラッグは、適したカルバミル化剤(例えば、1,1‐アシルオキシアルキルカルバノクロリダート、パラ‐ニトロフェニルカルボナート等)と誘導体化していない本発明の化合物を反応させることにより調整し得る。
【0119】
本発明の化合物で保護されている誘導体は、当業者に周知の方法によって製造し得る。保護基の生成やその除去に適用できる技術の詳細な記載は、非特許文献39や後続の版に見出される。
【0120】
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)として都合よく準備されるか、又は発明の工程の間に形成され得る。本発明の化合物の水和物は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、又はメタノールのような有機溶媒を用いた水性/有機溶媒混合物から再結晶させることによって簡便に調製できる。
【0121】
本明細書の方法に有用な酸及び塩基は先行技術として知られている。酸触媒は、いかなる酸性の化学物質、自然界に存在する無機(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、三塩化アルミニウム)又は有機(例えば、カンファースルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、酢酸、イッテルビウムトリフラート)の化学物質でよい。酸は化学反応を触媒、あるいは化学量論的に促進させるのに有効である。塩基は、いかないかなる塩基性の化学物質、自然界に存在する無機(例えば、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム)又は有機(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の化学物質でよい。塩基は化学反応を触媒、あるいは化学量論的に促進させるのに有効である。
【0122】
さらに、本発明のいくつかの化合物は一又は複数の二重結合、一又は複数の非対称中心を有する。そのような化合物は、ラセミ化合物、ラセミ化合物の混合物、単一の光学異性体、個々のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、並びにシス‐、又はトランス‐、又はE‐、Z‐二重異性体、及び、(R)‐、(S)‐のように絶対立体化学の観点や、アミノ酸の(D)‐、又は(L)‐のように定義される他の立体異性体として存在し得る。これら化合物のすべてのそのような異性体は、本発明に明示的に含まれる。光学異性体は、それぞれの光学的に活性のある前駆物質から、上記記載の方法、又はラセミ化合物の混合物を分解することによって、製造される。分離は、分離剤存在かで、クロマトグラフィー、又は、結晶化を繰り返すことや、当業者に周知のこれら技術のいくつかの組み合わせによって、実施することができる。分離に関する更なる詳細は、非特許文献40に見出すことができる。本発明の化合物はまた、複数の互変異性形を表していてもよく、その例示として、発明は、明細書に記載した化合物のすべての互変異性形を明示的に含む。明細書に記載した化合物が、オレフィン二重結合、又は、幾何学的非対称の他の中心を有し、特定しない限りは、化合物はE及びZ幾何異性体の両者を含む。同様に、すべての互変異性形もまた、含まれることを意図されている。明細書に挙げるいずれの炭素‐炭素二重結合の構造も便宜的に選択され、本文中に断りのない限り、特定の構造を指定することを意図しているものではない;したがって、明細書にトランスとして便宜的に描かれている炭素−炭素二重結合はシス、又は任意の割合で2つが混合しているかもしれない。化合物のそのようなすべての異性体は明示的に本発明に含まれる。明細書に記載されている化合物のすべての結晶形は、本発明に明示的に含まれる。
【0123】
合成された化合物は反応混合物から分離され、さらに、カラムクロマロトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、又は再結晶化等の方法によって精製され得る。熟練した技術者が評価するように、明細書の分子式の化合物の合成のさらなる方法は、通常の当業者に明らかであろう。さらに、様々な合成工程は、順序を代えて、又は所望の化合物を得るために実施されてもよい。さらに、明細書に記載されている溶媒、温度、反応時間等は、単に説明のためであり、当業者は、反応条件の変化が、本発明の所望の化合物を生産できることを認識するであろう。明細書に記載された化合物の合成に有用な合成化学変換及び保護基の方法(保護及び脱保護)は、技術的に知られ、例えば、非特許文献41〜44及びこれらの後続の版等の記述が含まれる。
【0124】
本発明の化合物は、生物学的役割の選択性を増強するために、明細書に記載されているいずれかの合成方法によって、様々に機能を付加することによって、変更を加えてもよい。そのような変更は技術的に知られ、既知の生物学的な系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加させること、経口による利用の増加、注射による投与を可能にするための溶解性の増加、代謝を変えること、及び、排出の速度を変えることを含む。
【0125】
本発明の化合物は、明細書に化学構造及び/又は化学名で定義されている。化合物が、化学構造と化学名によって言及され、化学構造と化学名が異なる場合には、化学構造が化合物の同一性を決定する。
【0126】
.明細書の変形のいずれかの定義による列挙されている化学基の記載は、変化をいずれかの単一の基として、又は様々に基を列挙し組み合わせで定義することを含む。変化する実施態様の記載は、実施態様は、いずれか一つの実施例か、又は他の実施態様、あるいはこれの部分との組み合わせであることを含む。
【0127】
[発明の方法]
一つの態様において、本発明は、化学式Iの化合物;
【化13】

【0128】
又はその医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを投与する方法を含む、対象における他のHDACを上回って、HDAC6を選択的に阻害する方法を提供する;
ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である。
【0129】
一実施態様では、化学式Iの化合物は選択的にHDAC6に5〜1000倍の選択性を有する。いくつかの実施態様では、選択性はHDAC6に10〜500倍である。
【0130】
別の実施態様では、化学式Iの化合物は、実施例5に記載された試験では、およそ5〜10007倍のHDAC6に対する選択性を有する。いくつかの実施態様ではHDAC6に対する選択性は10〜500倍である。
【0131】
別の態様では、本発明は、化学式Iの化合物;
【化14】

【0132】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを対象に投与することを含む対象のHDAC−6によって介在される疾患の治療方法を提供する;
ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である。
【0133】
一つの実施態様では、疾病は癌、又は増殖疾患である。
【0134】
さらに別の実施態様では、疾患は肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝癌、膵癌、脳腫瘍、腎癌、卵巣癌、胃癌、皮膚癌、骨肉腫、胃癌、乳癌、膵癌、神経膠腫、膠芽腫、肝細胞癌、乳頭型腎癌、頭頸部扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び固形腫瘍である。
【0135】
さらに別の実施態様では、癌は多発性骨髄腫である。
【0136】
別の実施態様では、疾患は、ウイルソン病、脊髄小脳変性症、プリオン病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、アミロイドーシス、アルツハイマー病、アレキサンダー病、アルコール性肝疾患、膵嚢胞線維症、ピック病、脊髄性筋萎縮症又はレビー小体型認知症である。
【0137】
いくつかの実施態様では、疾患は関節リウマチ、変形性関節症;リウマチ性脊椎炎;乾癬;虚血再灌流障害;炎症性大腸炎;慢性炎症性肺疾患、湿疹、喘息、虚血再灌流障害、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫症候群、乾癬性関節炎、感染性関節炎、進行性慢性関節炎、変形関節炎、変形性関節炎、外傷性関節炎、痛風性関節炎、ライター症候群、多発性軟骨炎、急性滑膜炎及び脊椎炎、糸球体腎炎、溶血性貧血、再生不良性貧血、特発性血小板減少症、好中球減少症、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植片対宿主病、同種移植拒絶反応、慢性甲状腺炎、グレーブス病、強皮症、糖尿病、活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、日焼け、慢性腎不全、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、サルコイドーシス、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎、結膜炎、角結膜炎、中耳炎、歯周病、間質性肺線維症、喘息、気管支炎、鼻炎、副鼻腔炎、じん肺、呼吸不全症候群、肺気腫、肺線維症、珪肺又は慢性炎症性肺疾患である。
【0138】
他の対象において、本発明は、多発性骨髄腫に罹患している、又は感受性のある対象に、化学式1の化合物;
【化15】

【0139】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを必要な対象に治療に効果的な量を投与することを含む方法であって、
ここで、
Zは、N又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2であり、
多発性骨髄腫に罹患している、又は感受性のある対象を治療する方法である。
【0140】
多様な実施様態では、本発明は対象者に対し1剤以上の化学療法薬、放射線薬、ホルモン薬、生物製剤又は抗炎症薬の併用投与をさらに含む方法を提供する。
【0141】
さらに別の実施態様では、前記化学療法薬はタモキシフェン、トラスツズマブ、ラロキシフェン、ドキソルビシン、フルオロウラシル/5‐FU、パミドロン酸二ナトリウム、アナストロゾール、エキセメスタン、シクロホスファミド、エピルビシン、レトロゾール、トレミフェン、フルベストラント、フルオキシメステロン、トラスツズマブ、メトトレキサート、酢酸メゲストロール、ドセタキセル、パクリタキセル、テストラクトン、アジリジン、ビンブラスチン、カペシタビン、酢酸ゴセレリン、ゾレドロン酸、タキソール、ビンブラスチン又はビンクリスチンである。
【0142】
別の実施態様では、本発明の前記対象はヒトである。
【0143】
別の態様では、1又は複数の化学式1の化合物;
【化16】

【0144】
又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグから選択されるHDAC活性を阻害することができる化合物を含むキットであって、
ここで、
Zは、N又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールである;
環Aは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールである;
環Bは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよい;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよい;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2であり、
多発性骨髄腫を治療する方法のための使用説明書を含む。
【0145】
上記議論のように、本発明は多様な疾患の治療に有効な化合物を提供する。
【0146】
ある実施態様では、本発明の前記化合物はヒストン又はチューブリンの阻害剤として有用であり、したがって抗癌剤として有用であるし、したがって腫瘍の細胞死に影響するか、あるいは腫瘍細胞の増殖を阻害することにより癌の治療に有用である可能性がある。
【0147】
ある例示的な実施態様では、上記発明の抗癌剤は癌及びその他の増殖性疾患の治療に有用であり、前記疾患はこれに限定されるものではないが、乳癌、子宮頸癌、結腸及び直腸癌、白血病、肺癌、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌及び胃癌等を含む。
【0148】
一実施態様では、本発明の上記抗癌剤は白血病細胞及び黒色腫細胞に対して活性があり、したがって白血病(例えば、骨髄性、リンパ球性、骨髄球性及びリンパ芽球性白血病)及び悪性黒色腫の治療に有用である。
【0149】
ある実施態様では、上記化合物は多発性骨髄腫の治療に有用である。
【0150】
本発明の上記化合物は炎症性疾患、免疫疾患及び自己免疫疾患の治療又は防止に特に有効であるが、それらには、関節リウマチ、変形性関節症などの関節炎症状に限らず、リウマチ性脊椎炎、乾癬、リウマチ性脊椎炎;乾癬;虚血再灌流障害;炎症性大腸炎;慢性炎症性肺疾患、湿疹、喘息、虚血再灌流障害、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫症候群、乾癬性関節炎、感染性関節炎、進行性慢性関節炎、変形関節炎、変形性関節炎、外傷性関節炎、痛風性関節炎、ライター症候群、多発性軟骨炎、急性滑膜炎及び脊椎炎、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を有する又はない)、自己免疫性血液系疾患(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、特発性血小板減少症、好中球減少症)、自己免疫性胃炎及び自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病)、移植片対宿主病、同種移植拒絶反応、慢性甲状腺炎、グレーブス病、強皮症、糖尿病、活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、日焼け、慢性腎不全、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、サルコイドーシス、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎、結膜炎、角結膜炎、中耳炎、歯周病、間質性肺線維症、喘息、気管支炎、鼻炎、副鼻腔炎、じん肺、呼吸不全症候群、肺気腫、肺線維症、珪肺、慢性炎症性肺疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患)及びその他の起動の炎症性又は閉塞性疾患を含む。
【0151】
さらに、上記発明化合物は原虫感染の治療にも有用である可能性がある。
【0152】
上記発明化合物は、異常なタンパク質の異化作用、例えば、タンパク質分解障害、に関連する疾患、変性タンパク質に関連する障害及びタンパク質沈着障害に関連する疾患の治療にも有用である。
【0153】
ある実施態様では、上記化合物はタンパク質沈着障害、ウイルソン病、脊髄小脳変性症、プリオン病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、アミロイドーシス、アルツハイマー病、アレキサンダー病、アルコール性肝疾患、膵嚢胞線維症、ピック病及びレビー小体型認知症の治療に有用である。
【0154】
ある例示的な実施態様では、上記化合物はヒストン脱アセチル化活性に関連する障害に対して有用である。
【0155】
例示的な一実施態様では、上記化合物はチューブリン脱アセチル化活性に関連する障害に対して有用である。
【0156】
治療及び防止が可能な神経変性疾患には、数あるなかでも、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血、外傷性神経変性疾患、ハンチントン病又は舞踏病、老年性認知症、記憶障害、血管性認知症、脳虚血(脳卒中)及び頭蓋及び延髄の外傷に関連する病変がある。
【0157】
明細書に記載されている方法は、対象は特定の治療が必要だと認められるものを含んでいる。そのような治療の必要な対象の同定は、対象、又は医療専門家の判断、
主観的(例えば、意見)又は客観的(例えば、テスト、又は診断方法によって作成可能もの)であり得る。
【0158】
上述のように、本発明の化合物はHDAC6の選択的阻害剤であり、そのため、ヒストンデアセチラーゼによる変調された疾患の治療に有効である。上記で議論したように、本発明の化合物はチューブリンデアセチラーゼの選択的阻害剤であり、そのため、チューブリンデアセチラーゼによる変調された疾患の治療に有効である。例えば、本発明の化合物は癌(例えば、乳癌、前立腺癌、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫等)の治療に有効である。したがって、また別の態様では、本発明の治療方法によれば、癌細胞と明細書に記載の化合物又は組成物との接触により、癌細胞は死滅され、又は、その成長が阻害される。
【0159】
したがって、本発明の別の実施態様では、明細書に記載されたように、必要とする対象に本発明の化合物(例えば、明細書のいずれかの 処方)の治療的有効量を投与することを含む、癌の治療方法が提供される。いくつかの実施態様では、対象はそのような治療が必要であると同定されている。いくつかの実施態様では、発明の化合物の治療的有効量、又は発明の化合物を含む医薬組成物を必要とする対象に投与すること、所望の結果を達成するのに必要な量と時間とを含む、癌の治療方法が提供される。本発明のいくつかの実施態様では、発明の化合物、又は医薬組成物の「治療的有効量」は、癌細胞の死滅、又は成長阻害に有効な量である。化合物及び組成物は、本発明の方法によって、癌細胞の死滅、又は成長阻害に有効ないかなる量、及びいかなる経路によって投与されてもよい。したがって、「癌細胞の死滅、又は成長阻害の有効量」との表現は、明細書では癌細胞を死滅させるために、又は成長を阻害させるために十分な薬剤の量をいう。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、及び対象の一般的状態、感染の重篤度、特定の抗癌剤、投与方法等によって異なるであろう。
【0160】
いくつかの実施態様では、上記方法は治療的に有効な量の本化合物又はその医薬的に許容される誘導体を対象(ヒト又は動物を含むが、限定はされない)に投与することを含む。ある実施態様では、上記発明化合物は癌(膠芽腫、神経芽細胞腫、乳癌、子宮頸癌、結腸及び直腸癌、白血病(例えば、CML、AML、CLL、ALL)、リンパ腫、肺癌(小細胞肺癌を含むが、限定はされない)、悪性黒色腫及び/又は皮膚癌、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌及び胃癌、膀胱癌、子宮癌、腎癌、精巣癌、胃癌、脳腫瘍、肝癌、又は食道癌)の治療に有用である。
【0161】
ある実施態様では、上記発明の抗癌剤は癌及びその他の増殖性障害の治療に有効であり、それらには、少数を列挙すると、子宮頸癌、結腸及び直腸癌、白血病、肺癌、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌、腎癌、前立腺癌及び胃癌を含むが、限定はされない。ある実施態様では、上記発明の抗癌剤は白血病細胞及び黒色腫細胞に対する活性があり、したがって白血病(例えば、骨髄性、リンパ球性、骨髄球性及びリンパ芽球性白血病)及び悪性黒色腫の治療に有用である。他の実施態様において、上記抗癌剤は、固形腫瘍に対して活性を有する。
【0162】
多発性骨髄腫(MM)は形質細胞の悪性腫瘍であり、従来治療(非特許文献45)ならびに高用量療法及び幹細胞移植(非特許文献46)によっても依然として不治である。MM細胞に加えて骨髄(BM)微小環境を標的とし、従来薬に対する耐性を克服することができる新薬が最近開発されている(非特許文献47)。例えば、プロテアソーム阻害薬のボルテゾミブ(前PS‐341)はヒトMM細胞株及び患者より採取した新鮮なMM細胞において抗腫瘍活性を誘導するが(非特許文献47、非特許文献23、非特許文献48〜非特許文献54)、その活性は、c‐Jun NH2‐terminalキナーゼ(JNK)(ストレス活性化タンパク質キナーゼとしても知られている)及びカスパーゼの活性化とそれに続くアポトーシスが関連している(非特許文献23、非特許文献48、非特許文献52)。ボルテゾミブは接着分子(ICAM‐I及びVCAM‐I)の発現を抑制し、MM細胞が骨髄間質細胞(BMSC)に接着することも阻害する(非特許文献55);また、ボルテゾミブは、DNA‐タンパク質キナーゼの触媒サブユニットとataxia telangiectasia mutatedの分解を誘導することから、DNA修復も阻害することが示唆されている。IL‐6もMM細胞のBMSCへの接着もボルテゾミブが誘導するアポトーシスから保護しない。いかなる科学理論にも拘束されることを望まないが、ボルテゾミブは従来の化学療法薬とくにDNA損傷薬に対するMM細胞の感受性を増強し、抵抗性を克服することができる(非特許文献50)。上記を支持することには、難治性再発MM症例202例に対するボルテゾミブ療法の第II相試験において完全寛解及びほぼ完全寛解10%を含む寛解率が35%であった(非特許文献50)。しかしながら、患者の65%がに効果がなかった。熱ショックタンパク質(hsp)‐27はボルテゾミブ耐性に介在しているが、逆に、hsp‐27のアンチセンス、p38 mitogen−activated protein kinase(MAPK)のsiRNA又はp38 MAPK阻害剤でhsp‐27の発現を抑制すると、MM細胞のボルテゾミブに対する感受性が回復することができる(非特許文献51、非特許文献54)。
【0163】
ある実施態様では、上記発明化合物は血管形成及びステント挿入により外傷を受けた血管の再狭窄の防止における用途も見出している。例えば、本発明の上記化合物は、チューブ、シャント、カテーテル、人工インプラント、ペースメーカーなどの電気インプラント等の移植する医療機器、及び特にバルーン拡張型ステントを含む動脈又は静脈ステントのコーティングとして有用になると考えられる。ある実施態様では、上記発明の化合物は移植用医療機器に結合させる可能性があり、又は移植用機器の表面に受動的に吸収させる可能性がある。別の実施態様では、上記発明化合物は、ステント、縫合糸、留置カテーテル、プロテーゼ及び類似物などの手術又は医療用の機器又はインプラントの内部に含まれるように、またはそこから放出されるように処方される可能性がある。したがって、いかなる科学理論にも拘束されることを望まないが、抗増殖効果を有する上記発明の化合物は、とりわけ再狭窄の防止又は再狭窄率の低下のために、ステント被膜剤として、及び/又はステント内薬物送達装置において使用することが可能である。被覆されたステント可能な装置の適切なコーティング及び一般的な準備は(特許文献1〜3)に記載されており;各々を参照することによって本命最初に組み込まれる。コーティングは、典型的には、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロンラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレンビニル酢酸、及びこれらの混合のような生態適合性ポリマー物質である。コーティングは、任意に、フルオロシラン、ポリサッカライド、ポリエチレングリコール、リン脂質、又は組成の制御放出特徴が開示されている組み合わせの好適なトップコートによって、さらに被覆されてもよい。再狭窄防止のためのステント被覆及び/又は局部ステント薬剤輸送に関する様々な組成及び方法に関しては、当技術分野で周知である(例えば、特許文献4〜15参照、各文献は参照によって、本明細書に完全に組み込まれる)。例えば、ステントは、ポリマー薬剤溶液にステントを浸漬すること、又はそのような溶液をステントにスプレーすることにより、ステント薬剤複合体を被覆してもよい。いくつかの実施態様において、インプラント可能な装置のための好適な材料には、生態適合性及び非毒性材料を含み、ニッケル‐チタン合金、スチールのような金属、又は、生態適合性ポリマー、ヒドロゲル、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニル酢酸共重合体等から選択されてもよい。いくつかの実施態様においては、本発明の化合物は、血管形成術用バルーンに続く動脈又は静脈挿入のためのステントに被覆される。
【0164】
本発明の化合物、又はその医薬的に許容できる組成物は、人工装具、人工弁、移植血管、ステント、及びカテーテルのような、インプラント可能な医療装置に被覆するための組成にもまた組み込まれてもよい。本発明の別の実施態様によれば、一般的に上記記載の本発明の化合物を含むインプラント可能な装置の被覆のための組成物、インプラント可能な装置の被覆のための好適な担体を含む。さらなる別の態様において、本発明は、一般的に上記記載の本発明の化合物を含む組成物、及び前記インプラント可能な装置の被覆のための好適な担体で被覆されたインプラント可能な装置を含む。
【0165】
本発明の他の実施態様は、ステントを挿入する経路、ステントが備える一般的な管状構造を含む生体経路の内腔を拡張するための、構造の表面に、経路が拡張するような本発明の化合物、又は組成物とともに被覆される(又は放出されるように適用される)方法を提供する。いくつかの実施態様においては、生体経路の内腔は、胆管、胃腸、食道、気管/気管支、尿道、及び/又は血管の閉塞を除去するための拡張である。
【0166】
いくつかの実施態様では、本発明は対象をヒトとする明細書中に記載されたいずれかの疾患の治療方法を提供する。
【0167】
前述によれば、本発明は、さらに、そのような治療を必要とする対象の上記いずれかの疾病や疾患の予防、又は治療のための方法を提供する。前記方法は、前記対象に本発明の化合物、又はその医薬的に許容できる塩を治療に効果的な量投与することを含む。上記使用のいずれにも、必要とされる投与量は、投与方法、治療される特定の状態、所望される効果に依存するであろう。
【0168】
[医薬組成物]
別の態様では、本発明は化学式I、又は医薬的に許容えきるエステル、塩、又はプロドラッグとともに医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物を提供する。
【0169】
本発明の組成物は、医薬組成物として、いずれかの慣用経路、特に、経腸、例えば、経口、例えば、錠剤、又はカプセル、又は非経口で、例えば、注射可能な溶液又は懸濁液の形態、局所的に、例えば、乳液、ゲル、軟膏、又はクリームの形態、鼻の、又は座薬の形態で投与され得る。医薬的な組成物は、本発明の化合物を遊離の形態で、又は、少なくとも一つの医薬的に許容できる担体とともに医薬的に許容できる塩の形態で含み、又は、希釈は、混合、粉砕、又は被覆方法による慣用の方法で製造し得る。例えば、経口組成物は、錠剤、又はゼラチンカプセルとして、活性のある成分を、以下の物質ともに含み得る;a)希釈剤、例えば、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール、セルロース、及び/又はグリシン;b)潤滑剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム塩、又はカルシウム塩、及び/又はポリエチレングリコール; 錠剤のためには、またc)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、でん粉ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン;所望の場合にはd)崩壊剤、例えば、でん粉、寒天、アルギン酸、又はそのナトリウム塩、又は発泡性混合物、及び/又はe)吸収剤、色素、香料、及び甘味剤。注射可能な組成物としては、水性等張溶液、又は懸濁液とすることができ、座薬は、脂質乳液、又は懸濁液として調製し得る。組成物は、殺菌され、及び/又は、保存剤、安定剤、保湿剤のような補助剤、又は、乳化剤、液化剤、浸透圧調整のための塩、及び/又は緩衝液を含み得る。さらに、それらはまた、他の治療的に価値あのある物質を含んでもよい。経皮適用に好適な処方は効果的な量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚を通して移行するのを補助する吸収可能な医薬的に許容できる溶剤を含む。例えば、経皮的な装置は、裏張り、任意に担体を含む化合物を備えた容器、任意に長期間調節され、一定の割合で宿主の皮膚に化合物を移送するための割合を調節するバリア、及び皮膚に装置を固定する手段を含む帯具である。経皮処方の基質もまた用いられてもよい。典型的な適用、例えば、皮膚及び眼に好適な処方は、当技術周知の水溶液、軟膏、クリーム、又はゲルである。それらには、溶解剤、安定剤、等張化増強剤、緩衝液、保存剤をを含んでもよい。
【0170】
本発明の化合物は、一又は複数の治療剤との組み合わせ(医薬的組み合わせ)で治療に効果的な量投与することができる。例えば、相乗効果が他の抗増殖薬、他の抗癌剤、免疫調節薬、又は抗炎症薬と生じ得る。本発明の化合物は他の治療と同時に投与される場合には、ともに投与される化合物の用量は、もちろん使用される薬剤の種類、使用される薬剤の特性、治療される状態等に依存する。
【0171】
併用療法は、対象化合物にさらに他の生物学的に活性成分(これに限定されるものではないが、第2の、及び異なる抗腫瘍薬等)の投与、及び非薬剤治療(これに限られるものではないが、手術又は放射線療法等)を含む。例えば、本発明の化合物は、他の医薬的に活性な化合物、好ましくは、本発明の化合物の効果を増強することができる化合物の組み合わせとして使用され得る。本発明の化合物は、同時に(単一の製剤、又は別の製剤として)、又は、他の薬剤療法に連続して投与することができる。一般的に、併用療法は、1サイクル、又は治療過程の間に2又は複数の薬剤を投与することを想定する。
【0172】
いくつかの実施態様では、これら組み合わせは任意にさらに一又は複数の付加的な治療薬剤を含む。代わりに、本発明の化合物は、それが必要な患者に、一又は複数の治療薬の投与と組み合わせて、投与することができる。例えば、連帯投与のための付加的な治療薬、又は、本発明の化合物の医薬組成物の含有物は、化学療法薬、又は、原虫感染及び/又は細胞の異常増殖に付随するいかなる疾患の使用の最終的な承認を得る医薬品局(the Food and Drug Administration)に承認されている薬剤のいずれか1つでよい。いくつかの実施態様において、付加的な治療薬は、明細書中により詳細に議論されている抗癌剤である。いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、原虫感染の治療のために有用である。癌、又はタンパク質分解疾患の治療には、本発明の化合物は、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、Rl15777FTI,MG132,NPI−0052等)と組み合わせてよい。癌、又はタンパク質分解疾患の治療には、本発明の化合物は、タンパク質分解阻害剤(例えば、別の発明の化合物、ツバシン様化合物、ボルテゾミブ、Rl15777FTI,MGl32,NPI−0052,SAHA,166Ho−DOTMP,三酸化ヒ素,17−AAG,MG132等)と組み合わせてよい。
【0173】
本発明の化合物及び医薬組成物は、併用療法に使用され得ることも理解されるであろう。ここで、併用療法は、化合物及び医薬組成物を、同時に、又は先立って、又は連続的に、一又は複数の他の所望の治療薬、又は医学療法とともに投与することである。併用療法に使用する治療(薬物療法、又は治療)の特定の組み合わせは、所望される薬物療法及び/又は治療と達成される所望の治療効果との適合性が考慮されるであろう。使用される薬物療法は、同一の疾患のために所望の効果を達成されてもよく(例えば、発明の化合物は別の抗癌剤と同時に投与してもよい)、又は異なる効果を達成されてもよい(例えば、副作用の調節)ことも理解されるであろう。
【0174】
本発明は、本発明の化合物の医薬的に許容できる局所製剤を包含する。ここで用いる用語「医薬的に許容できる局所製剤」は、上皮への処方の適用による、本発明の化合物の経皮適用のために医薬的に好ましい、いかなる処方をも意味する。いくつかの実施態様は、局所製剤は担体システムを含む。医薬的に効果的な担体は、これに限定されるものではないが、溶媒(例えば、アルコール、ポリアルコール、水)、クリーム、乳液、軟膏、オイル、膏薬、リポソーム、パウダー、エマルション、マイクロエマルション、及び緩衝液(例えば、等張、又は緩衝液)、又は、経皮的な投与の薬剤として技術分野で周知の他の担体を含む。周知の担体のより完全な網羅は技術分野において標準的な参考文献、例えば、非特許文献56、57により与えられ、その開示は、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。いくつかの実施態様において、本発明の局所製剤は、賦形剤を含んでもよい。当技術分野に周知のいかなる医薬的に許容できる賦形剤は、発明の医薬的に許容できる局所製剤の調整に用いられてよい。発明の局所製剤に含まれ得る賦形剤の例としては、これに限定されるものではないが、保存料、抗酸化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、緩衝剤、溶解剤、他の浸透剤、皮膚保護剤、界面活性剤、及び推進薬、及び/又は本発明の化合物と組み合わせて用いる付加的な治療薬を含めることができる。好適な保存料は、これに限定されるものではないが、アルコール、有機酸、パラベン、及びフェノールが含まれる。好適な抗酸化剤は、これに限定されるものではないが、アスコルビン酸及びそのエステル、亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェノール、及びEDTA等のキレート剤、及びクエン酸が含まれる。好適な保湿剤は、これに限定されるものではないが、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、尿素、及びプロピレングリコールが含まれる。本発明の使用に好適な緩衝剤は、これに限定されるものではないが、クエン酸、塩酸、乳酸緩衝液が含まれる。好適な溶解剤は、これに限定されるものではないが、第4級塩化アンモニウム、シクロデキストリン、安息香酸ベンジル、レシチン及びポリソルベートを含む。本発明の局所製剤に使用され得る好適な皮膚保護剤は、これに限定されるものではないが、ビタミンE、オイル、アラトイン(allatoin)、ジメチコン、グリセリン、ワセリン、及び酸化亜鉛を含む。
【0175】
いくつかの実施例において、本発明の医薬的に許容できる局所製剤は、少なくとも一つの本発明の化合物と浸透促進剤を含む。局所製剤の選択は、治療される条件、本発明の化合物、及び存在する他の賦形剤の物理化学的特性、製剤の安定性、製造装置の入手可能性、及び費用の制限を含むいくつかの要因に依存するであろう。ここで用いられる用語「浸透促進剤」は、角質層を通して、上皮、又は真皮、好ましくはほとんど全身に吸収されることなく、移送され得る医薬的に活性のある化合物の薬剤を意味する。広い範囲の化合物は、皮膚を通して薬剤の浸透性の割合を増強する効果として評価されている。例えば、非特許文献58では、様々な皮膚浸透促進剤の使用及び試験を調査している、及び非特許文献59参照。いくつかの例示的な実施態様では、本発明の浸透剤の使用は、これに限定されるものではないが、トリグリセリド(例えば、大豆油)、組成物(例えば、アロエゲル)、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、オクトリフェニルポリエチレングリコール(octolyphenylpolyethylene glycol)、オレイン酸、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール、N‐デシルメチルスルホキシド、脂肪酸エステル(例えば、イソプロピルミリスチン酸、メチルラウリン酸、グリセロールモノオレアート、及びプロピレングリコールモノオレアート)及びN−メチルピロリジンを含む。
【0176】
いくつかの実施態様では、組成物は軟膏、ペースト、クリーム、乳液、ゲル、パウダー、溶液、スプレー、吸入剤、又はパッチの形態でよい。いくつかの例示的な実施態様では、本発明による組成物の製剤は、クリームであり、さらにステアリン酸、パルミチン酸オレイン酸、パルミト‐オレイン酸、セチルアルコール又はオレイルアルコールのような飽和、又は不飽和脂肪酸が含まれてもよく、中でもステアリン酸が特に好ましい。本発明のクリームは、非イオン界面活性剤、例えば、ステアリン酸ポリオキシ40を含んでもよい。いくつかの実施態様では、活性のある成分は滅菌条件下で、医薬的に許容できる担体と必要とされる保存剤、又は必要とされるときには緩衝剤と混合される。眼科溶剤、点耳薬、及び点眼薬は、また、本発明の範囲であると考えられる。さらに、本発明は、身体に化合物を調節して移送する利点を付加する経皮用貼賦剤の使用も考慮する。当該剤形は、適切な媒体に化合物を溶解、調剤することにより製造される。上記で論じたように、浸透促進剤は、皮膚を通して化合物の流れを増加するためにもまた使用されることができる。速度は、速度を調節する膜の提供、又はポリマー基質やゲルに化合物を分散させることにより、調節され得る。
【0177】
本発明の化合物及び医薬組成物は併用療法で処方し実施することが可能であると理解される。つまり、本発明の化合物及び医薬組成物は他の希望する一つ以上の治療法又は医療処置と同時に、前に、後に、処方あるいは投与することが可能である。併用レジメンで実施する特定の療法(治療法又は医療処置)の組み合わせでは、希望した治療法及び/または医療処置の両立性と希望した治療効果が達成されることが考慮される。また、実施される治療法は同じ障害に対して望まれる効果を達成する可能性があるし(例えば、上記発明化合物は、別の免疫調節約、抗癌剤又は乾癬の治療に有用な薬剤と同時に投与される可能性がある)、又は異なる効果(例えば、副作用のコントロール)を達成する可能性もあることが理解される。
【0178】
例えば、本発明の上記発明化合物と併用して使用する可能性のある他の治療法又は抗癌剤には、外科手術、放射線療法(少数ではあるが例を挙げると、ガンマ線照射、中性子線療法、電子線療法、陽子線治療、近接照射療法及び放射性同位体全身投与)、内分泌療法、生物学的反応修飾薬(少数を列挙すると、インターフェロン、インターロイキン、抗体、アプタマー、siRNA、オリゴヌクレオチド、酵素、イオンチャンネル及び受容体の阻害薬又は活性化薬)、温熱療法及び凍結療法、副作用を弱める薬剤(例えば、制吐薬)及びその他の承認された化学療法薬を含み、化学療法薬には、少数を列挙すると、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、ホスファミド)、抗代謝薬(例えば、メトトレキサート)、プリン拮抗薬及びピリミジン拮抗薬(例えば、6‐メルカプトプリン、5‐フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン)、紡錘体毒(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル)、ポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)、酵素(例えば、アスパラギナーゼ)及びホルモン(例えば、タモキシフェン、ロイプロリド、フルタナミド及びメゲステロール)があるが、これに限定されない。さらに最新の癌治療の包括的な議論は、非特許文献60を見ること、引用することでここに全内容を組み入れた。また、医薬品局(the Food and Drug Administration、FDA)が承認した腫瘍薬のリストはthe National Cancer Institute (CNI) のウェブサイト(www.nci.nih.gov)及びthe Food and Drug Administration (FDA) のウェブサイト(www.fda.gov/cder/cancer/dmglistfrarne)を参照のこと。
【0179】
いくつかの実施態様において、本発明の医薬組成物はさらに一又は複数の付加的な治療活性成分(例えば、化学療法薬、及び/又は苦痛緩和剤)を含む。本発明の目的において、用語「苦痛緩和剤(palliative)」は、疾患及び/又は治療レジメンの副作用の症状を軽減するが、治療ではないことに焦点をおいた処置をいう。例えば、苦痛緩和剤治療は、鎮痛剤、制吐薬、非ピリン薬剤、及び抗吐き気薬(anti-sickness drugs)を包含する。さらに、化学療法、放射性治療、及び手術が、すべて苦痛緩和的に用いられ得る(つまり、治癒することなく、症状を軽減する;例えば、癌を縮小する、苦痛、出血、痛み及び癌の他の症状)。
【0180】
本化合物及び組成物は、ホルモン、及びステロイド抗炎症剤、例えば、これに限定されるものではないが、エストラジオール、結合型エストロゲン(例えば、PREMARIN,PREMPRO,及びPREMPHASE)、17βエストラジオール、サケカルシトニン、レボチロキシン、デキサメタゾン、メドロキシプロゲステロン、プレドニゾン、コルチゾン、フルニソリド、及びヒドロコルチゾン;非ステロイド抗炎症剤には、これに限定されるものではないが、例えば、トラマドール、フェンタニル、メタミゾール、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナブメトン、ケトロラック、トロメタミン、ロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリン、及びアセトアミノフェン;抗TNF−α抗体には、インフリキシマブ(REMICADETM)及びエタネルセプト(ENBRELTM)と、併用投与することができる。
【0181】
本発明の医薬組成物には、治療に有効な量の本発明の化合物が、一又は複数の医薬的に許容できる担体とともに処方され含まれる。本明細書に使用される用語「医薬的に許容できる担体」は、非毒性、不活性固体、半固体、又は、液体充填剤、希釈剤、封入材料、又はいかなる種類の補助剤を意味する。本発明の医薬組成物は、ヒト及び他の動物に経口、経腸、非経口で、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(パウダー、軟膏、又は点滴剤として)、口腔に、又は経口又は鼻のスプレーとして投与され得る。
【0182】
経口投与による 液体調剤の形態は、医薬的に許容できる、エマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシル剤を含む。さらに、活性成分を付加し、液体調剤の形態は当技術分野で一般的に用いられている不活性な希釈剤、例えば、水、又は他の溶媒、溶解剤、及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、トウゴマ、及びゴマの油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、及びこれらの混合物を含んでよい。不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた補助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤、及び懸濁剤、甘味、風味、及び香料を含むことができる。
【0183】
注射用製剤には、例えば、無菌の注射用水溶液、又は油性懸濁液が、周知の技術により、適切な分散、又は湿潤剤、及び懸濁剤を用いて調剤されてよい。無菌の注射用製剤は、また、非毒性、非経口で許容できる希釈剤、又は、例えば、1,3−ブタンジオール溶解剤中の無菌の注射用水溶液、懸濁液、又はエマルションであってよい。許容できる担体及び溶剤の中で、水、リンガー液、U.S.P.及び等張の塩化ナトリウム水溶液が使用されてよい。この目的のために、合成のモノ‐又はジグリセリドを含むどのような無菌の固定油が使用できる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸も注射製剤に使用される。
【0184】
薬剤の効果を引き延ばすために、皮下、又は筋内注射から薬剤の吸収を遅くすることはしばしば望まれる。これは、水に溶解性の低い結晶質、又は非結晶質材料の懸濁液を用いることいよって達成されるかもしれない。薬剤の吸収速度は、したがって、溶解速度、同様に結晶の大きさ及び結晶の形態に依存するかもしれない。代わりに、非経口投与された薬剤形態の遅延した吸収は、オイル担体に薬剤を溶解、又は懸濁することにより達成される。
【0185】
直腸、又は膣内投与の組成物は好ましくは座薬であり、本発明の化合物を、ココアバター、ポリエチレングリコールのような適切な刺激性のない賦形剤又は担体、又は、気温では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸又は膣腔内では溶解し、活性な化合物を放出する座薬ワックスと混合することによって、調剤することができる。
【0186】
同種の固体組成物は、高分子のポリエチレングルコール等と同様にラクトースや乳糖のような賦形剤を用いて、軟ゼラチン、並びに硬ゼラチンカプセルに充填されて使用されてもよい。
【0187】
活性のある化合物は、一又は複数の上記賦形剤と微量封入体の形状とすることができる。錠剤、糖衣錠剤、カプセル、丸薬(p ills)、及び顆粒剤の固形の剤形は
腸溶性コーティング、放出を調節するコーティング、及び医薬調剤の技術分野で周知の他のコーティングにより、コーティング及び薬包と調製することができる。当該固形剤形の活性のある化合物は、例えば、蔗糖、乳糖、でん粉のような少なくとも一つの希釈剤と混合することができる。当該剤形は、また、通常の慣行によって、不活性な希釈剤に加えて付加的な物質、例えば、錠剤化潤滑剤、ステアリン酸マグネシウムや微結晶性セルロース等の他の錠剤化補助剤を含んでもよい。カプセル、錠剤、又は丸薬の場合は、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
【0188】
本発明の化合物の局所、又は経皮吸収投与の剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、乳液、ゲル、パウダー溶液、スプレー、吸入剤、又はパッチを含む。活性のある化合物は無菌条件下で、医薬的に許容できる担体、及び必要とされる保存料、又は必要であれば緩衝剤と混合される。眼科用剤形、点耳薬、眼軟膏、パウダー及び溶液は、また本発明の範囲として考慮される。
【0189】
軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルは本発明の活性のある化合物に加えて、動物、並びに植物の脂肪、オイル、ワックス、パラフィン、でん粉、トラガカント、セルロース、誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0190】
パウダー、及びスプレーは本発明の化合物に加えてラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミドパウダー、又はこれら物質の混合物を含み得る。スプレーは付加的にクロロフルオロ炭化水素のような慣習の推進薬を組み込むことができる。
【0191】
経皮パッチは生体に化合物の調節された移送を提供するという付加的な利点を備える。当該剤形は、化合物を適切な溶媒に溶解、又は分散させることにより製造し得る。吸収促進剤は、また、皮膚を介した化合物の流入を増加させるために使用され得る。速度は、速度を調節する膜、又は、ポリマー基質やゲルに化合物を分散させることにより調節され得る。
【0192】
本発明の治療方法によれば、ヒトや他の動物のような対象において、対象に本発明の化合物を治療に有効な量、すなわち所望の結果を達成するのに必要な量、及び期間、投与することによって、疾患は治療され、又は予防される。ここで用いられている用語、本発明の化合物の「治療に有効な量」とは、対象の疾患の症状を軽減するために十分な化合物の量を意味する。医療技術分野において良く理解されているように、本発明の化合物の治療に有効な量は、合理的な利益/リスクの比であり、いかなる医学的処置にも適用し得る。
【0193】
一般的に、本発明の化合物は、単剤であるいは一剤以上の治療薬と併用して、当該技術分野において既知である通常及び許容可能な方法を介して治療的に有効な量が投与される。治療的に有効な量は疾患の重症度、年齢及び対象者の相対的な健康度、使用する化合物の効力及びその他の因子に依存して広範囲に変化する可能性がある。一般に、満足のいく結果とは体重当り0.03から2.5mg/kg(0.05から4.5mg/m)の1日用量の全身投与で得られることを示している。大型動物、例えばヒト、における上記の1日用量は、0.5mgから100mgの範囲であり、例えば1日4回投与まで用量を分割するかあるいは遅延型剤形で、簡便に投与される。経口投与で適切な単位剤形は約1から50mgの有効成分から構成されている。
【0194】
ある実施態様では、本発明の化合物の治療的に有効な量は0.1mg/kgから500mg/kg(約0.18mg/mから約900mg/m)、あるいは1mg/kgから50mg/kg(約1.8mg/mから約90mg/m)である可能性がある。一般的に、本発明による治療レジメンは、当該治療を必要とする患者にたいして約10mgから約1000mgの本発明の化合物(1剤又は複数剤)を1日あたり1回あるいは複数回投与することを含む。治療量あるいは投与量は他の薬剤の使用の可能性と同様に、投与経路にも依存して変化する。
【0195】
対象者の症状の改善により、必要であれば、化合物、組成物又は本発明の組み合わせを維持目的に投与する可能性がある。したがって、症状が期待されるレベルまですでに軽減し、治療を止めるべき時に、改善した症状を保持するレベルに、投与の用量又は頻度、又はその両方を、症状を関数として減量する可能性がある。しかし、長期では対象者は疾患症状の再発に基づき間欠的治療を必要とする可能性もある。
【0196】
しかしながら、本発明の化合物及び組成物の1日用量は参加する医師により妥当な医学的判断の範囲内で決定されると理解される。それぞれの患者に特異的な阻害量は多様な因子に依存するが、それらには治療する障害;障害の重症度;使用する化合物の活性;使用する化合物;年齢;体重;全般的な健康;患者の性別及び食事;投与時間;投与経路;使用する化合物の排泄速度;治療期間;併用す薬剤る又は偶発的に同時に使用する薬剤;医学技術においてよく知られている同様の因子を含む。
【0197】
本発明は医薬品の組み合わせ(pharmaceutical combinations)も提供する。例えば、a)本明細書で開示したような本発明の化合物である第1薬とb)少なくとも1剤以上の共薬剤(co-agent)から構成されるキットである。キットは疾病又は疾患に罹患又は感受性のある対象に投与するための指示書を含むことができる。
【0198】
本明細書で使用している「併用」又は「併用投与」又は類似の用語は選択した複数の治療薬の単一患者への投与を包含すること意図し、並びに、薬剤が同じ経路によって、又は同時に投与されることを要しない治療レジメンを含むことを意図している。
【0199】
本明細書で使用している「医薬品の組み合わせ(pharmaceutical combinations)」は1種類以上の活性成分を混合又は組み合わせの産物を意味しており、活性成分の組み合わせは「固定した組み合わせ」と「非固定の組み合わせ」を含む。用語の「固定した組み合わせ」は、複数の活性成分、例えば、本発明の化合物と1剤の共薬剤が単一実体又は単一投与の形式で一患者に同時に投与することを意味している。用語の「非固定の組み合わせ」は、複数の活性成分、例えば、本発明の化合物と1剤の共薬剤を分離した実態として両方を同時に、同時期に又は特定の時間制限なく順番に投与し、しかもここでは、患者の体内において治療的に有効なレベルの2種類の化合物をこのような投与が提供することを意味している。
【0200】
医薬的に許容可能な担体として機能することが可能な物質の例には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸、グリシンなどの緩衝液の基質、ソルビン酸又はソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウムなどの電解質、鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン‐ポリオキシプロピレン‐ブロックポリマー、羊毛脂、ブドウ糖及びショ糖などの糖;コーンスターチ及びポテトスターチなどのでんぷん、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロースとその誘導体;トラガカント粉末;モルト;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐薬ワックスなどの腑形剤;ピーナッツ油;綿実油;サフラワー油;ごま油;オリーブオイル;コーンオイル及び大豆油などのオイル;プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル、寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質除去蒸留水(pyrogen-free water)、等張食塩水;リンガー液;エチルアルコール、リン酸緩衝液が含まれるが、それに限定されない。また同様に、設計者の判断にしたがって、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどのその他の非毒性適合性潤滑剤、着色剤、放出剤、コーティング、甘味料、香料及び芳香剤、保存剤及び抗酸化剤も組成物に存在する可能性がある。プロテインキナーゼ阻害剤とその製剤塩は動物又はヒトに投与するために医薬組成物に設計される可能性がある。これらの医薬組成物は、プロテインキナーゼが介在する症状を治療又は防止するために有効なプロテインキナーゼ阻害剤の量と医薬的に許容される担体を含み、本発明のまた別の実施態様である。
【0201】
[実施例]
本発明の上記化合物及び上記工程は以下の実施例と関連してより良く理解されるが、実施例は一説明を意図しており、本発明の範囲を限定はしない。開示した態様に対する多様な変更や修飾は上記技術に熟達した者には明白であり、しかも、本発明の化学構造、置換体、誘導体、処方及び/又は方法に限定はされないが、これらを含む多様な変更や修飾は、本発明の思想及び付随する請求の範囲から外れることなく行うことが可能である。本明細書に記載されるスキーム中の構造における可変体の定義は、本明細書に概説されている式中の対応する可変体と相応している。
【0202】
実施例1:2‐(ジフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐ピリミジン‐5‐カルボキサミドの合成
【0203】
【化17】

【0204】
【化18】

【0205】
【化19】

【0206】
DMF(100ml)中にアニリン(3.7g,40mmol)、エチル2‐クロロピリミジン‐5‐カルボン酸塩1(7.5g,40mmol)、KCO(11g,80mmol)を含む混合物を脱気し、窒素下120Cで一晩攪拌した。反応混合物は室温まで冷却し、EtOAc(200ml)で希釈した後に、飽和塩水(200mlx3)で洗浄した。この有機層を分離し、NaSO上で乾燥させ、蒸発乾固させ、シリカゲルクロマトグラフィ(石油エーテル/EtOAc=10/1)を用いて精製し、希望産物(desired product)を白色固形物(6.2g,64%)として得た。
【0207】
【化20】

【0208】
TEOS(200ml)中にヨードベンゼン(6.12g,30mmol)、CuI(955mg,5.0mmol)、CsCO(16.3g,50mmol)を含む混合物を脱気し、窒素ガスで洗浄した。その混合物を140Cで14時間攪拌した。室温まで冷却した後に、残留物をEtOAc(200ml)と95%EtOH(200ml)で希釈し、シリカゲルに含ませたNHF−HO[50g,NHF(100g)を含む水(1500ml)をシリカゲル(500g,100−200mesh)に加えて調製しておく]を加えて、室温で2時間反応させ、固形化した物質を濾過してEtOAcで洗浄した。濾液を蒸発乾固させ、シリカゲルクロマトグラフィ(石油エーテル/EtOAc=10/1)を用いて精製し、黄色固形物(3g,38%)を得た。
【0209】
【化21】

【0210】
化合物3(3.0g,9.4mmol)のEtOH溶液(200ml)に2NのNaOH(200ml)を加えた。混合物を60Cで30分間攪拌した。溶媒を蒸発させた後に、溶液を2NのHClで中和し、白色の沈殿物が生じた。この懸濁液をEtOAc(2x200ml)で抽出し、有機層を分離し、水(2x100ml)と塩水(2x100ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒の除去後に褐色の固形物(2.5g,92%を得た。
【0211】
【化22】

【0212】
化合物4(2.5g,8.58mmol)、アミノヘプタン酸5(2.52g,12.87mmol)、HATU(3.91g,10.30mmol)、DIPEA(4.43g,34.32mmol)の混合物を室温で一晩攪拌した。反応させた混合物を濾過して、濾過物を蒸発乾固させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(石油エーテル/EtOAc=10/1)を用いて精製し、褐色の固形物(2g,54%)を得た。
【0213】
2‐(ジフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミドの合成
【0214】
【化23】

【0215】
MeOH(50ml)とDCM(25ml)に化合物6(2.0g,4.6mmol)、水酸化ナトリウム(2N,20ml)を含む混合物を0Cで10分間攪拌した。ヒドロキシアミン(50%)(10ml)を0Cに冷却し、混合物に加えた。その混合物を室温で20分間攪拌した。溶媒を除去した後に、混合物を1M HClで中和し、白色の沈殿物を得た。粗生成物を濾過し、pre−HPLCで精製して白色固形物(950mg,48%)を得た。
【0216】
実施例2:4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンザミド
【0217】
【化24】

【0218】
【化25】

【0219】
【化26】

【0220】
100mLの三口フラスコにマグネチックスターラーバー、側管付き滴下漏斗、窒素ガスフローラインを接続した還流冷却器を装備した。窒素を流しながらニートガンでシステムを乾燥させた。窒素の軽い陽圧を維持しながら反応槽を水槽で冷却した。フラスコにヒドロキサミン‐O‐スルホン酸2(8.48g,0.075mol)と95-97%ギ酸(45ml)を入れた。15mlの95-97%ギ酸に溶解したシクロヘプタノン(5.61g,0.05mol)(Note3)を攪拌しながら3分間以上かけて加えた。注入が終了した後に、反応混合物を還流下に5時間加熱し、室温に冷却した。混合物の反応を75mlの氷水で停止した。この水溶液を6N水酸化ナトリウムでゆっくりと中和し、100mlのクロロホルムによる抽出を3回行った。有機層はまとめて、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した後に、産物のヘキサヒドロアゾシノンを133-135°C/4mmHgでの蒸留で精製し化合物3(4.6g72%)を得た。
【0221】
【化27】

【0222】
化合物3(5.6g,44.1mmol)を水酸化バリウム(3.8g,26.95mmol)と水(55ml)と混和した。この混合物を110Cで6時間加熱し、氷槽上で冷却した。この溶液から二酸化炭素ガスが20分間泡立った。懸濁液をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮して乾燥させた。残渣をアセトニトリルで粉末にし、集め、エーテルで洗浄し、真空で乾燥し、白色固体4(6.0g,93%)を得た。
【0223】
【化28】

【0224】
塩化チオニル(1.81ml,24.8mmol)を冷却して−5Cから−10Cに保った4(1.8g,12.4mmol)のメタノール(30ml)懸濁液に攪拌しながら一定速度で滴下した。塩化チオニルを全量加えた後に、混合物を室温まで上昇させ、一晩攪拌した。この混合物を真空下で濃縮し、白色の固形物を得て、エーテル(2倍量)内で粉砕し、2.38gの7‐アミノヘプタン酸、メチルエステル、塩酸塩(1:1)5を白色固形物(4.8g,100%)として得た。
【0225】
【化29】

【0226】
1,2‐ジクロロエタン(50ml)に5(1.67g,8.54mmol)、NaBH(AcO)(10.8g,51.2mmol)を加えて攪拌した混合物にベンズアルデヒド(1.00g,9.40mmol)を室温で加えた。その溶液を室温で4時間攪拌した。37%HCHO(513mg,17.0mmol)を1分以内で滴加した。その溶液を室温で一晩攪拌した。溶液はセライトパッドで濾過し、固形物の塊をDCM(100ml)で洗浄した。有機層をまとめて蒸発乾燥させ、残渣物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ(EtOAc)で精製し、6(1.41g,62.8%)を無色オイルとして得た。
【0227】
【化30】

【0228】
1,2‐ジクロロエタン(20ml))に6(1.50g,5.69mmol)を加えて攪拌した溶液にクロロギ酸1‐クロロエチル(1.0g,6.8mmol)を0Cで2分以内に滴加した。その溶液を還流下で10時間攪拌した。溶液を真空下で蒸発させ、残渣物にMeOH(20ml)を加えた。その混合物を還流下で1時間攪拌した。溶液を蒸発乾燥させて7の粗製物(1.3g)を固形物として得て、さらに精製することなく次の反応のために直接使用した。
【0229】
【化31】

【0230】
DCM(30ml)に酸8(2.01g,10mmol)、アミン7(2.52g,12mmol)、DIPEA(5.17 g, 40 mmol)及びHATU(4.561g,12mmol)を加えた混合物を室温で4時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾燥した後に、残渣物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/EtOAc=10/1)で精製し、化合物9(2.4g,66%)を白色固形物として得た。
【0231】
【化32】

【0232】
トルエン(20ml)にアミン10(0.84g,6.94mmol)、臭化物9(2.06g,5.78mmol)、CsCO(4.52g,13.8mmol)、Pd(dba)(64mg,0.069mmol)及びキサントホス(81mg,0.14mmol)を加えた混合物を脱気し、100oCで一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過した。濾液を蒸発乾燥させて、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(石油エーテル/EtOAc=10/1)で精製し、11(2.21g,96%)を薄い黄色のオイルとして得た。
【0233】

4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミノの合成
【0234】
【化33】

【0235】
MeOH(8ml)とDCM(60ml)に化合物11と2N水酸化ナトリウム(10ml,20mmol)を加えた混合物を0oCで10分間攪拌した。50%aq.ヒドロキサミン(7.93g,120mmol)を0oCに冷却し、混合物に加えた。この混合物を0Cで2時間攪拌した。反応混合物を2N HClでpH7に中和した。溶媒を除いた後に、残渣物をEtOAc(10ml)で抽出した。有機層を水(20ml)と塩水(20ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空下で蒸発させて、ACY−161−89(1.55g,98%)を白色固形物として得た。
【0236】
実施例3:2‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルピリミジン‐5‐カルボキサミドの合成
【0237】
【化34】

【0238】
【化35】

【0239】
【化36】

【0240】
化合物1(2g,12mmol)、DMAP(1.32g,11mmol)及びPOCl(20ml)の混合物を還流下で1.5時間加熱した。溶媒の除去した後に、残渣物にEAを加えた。混合物のpHを7にaq.NaOH(2M)で調整し、有機層を分離して、塩水で洗浄した。溶媒を除去した後に、残渣物をPEで抽出し、NaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させて、軽く黄色い固形物(1g,45%)を得た。
【0241】
【化37】

【0242】
DMF(10ml)にアニリン(325mg,2.68mmol)、化合物2(500mg,2.68mmol)、KCO(370mg,2.68mmol)を加えた混合物を脱気し、140℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を水(2x20mL)と塩水(2x20ml)で洗浄し、EAで抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、蒸発乾燥させた。残渣物をシリカゲルクロマトグラフィ(PE/EA=5/1)で精製し、粗産物を褐色オイル(320mg,44%)として得た。
【0243】
【化38】

【0244】
化合物3(320mg,1.18mmol)のEtOH溶液(15mL)に2M NaOH(15mL)を加えた。混合物を60℃で10分間攪拌した。その溶液を2M HClで中和し、EA(2x60mL)で抽出した。有機層を水(2x20mL)と塩水(2x20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させると白色固形物(270mg,94%).が残った。
【0245】
【化39】

【0246】
THF(30ml)に化合物4(270mg,1.11mmol)、化合物5(231mg,1.33mmol)、HATU (506mg,1.33mmol),DIPEA(574mg,4.44mmol)を加えた混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を濾過した。濾液を蒸発乾燥させて、残渣物をpre−TLC(PE/EA=1/2)で精製し、褐色オイル(320mg,72%)を得た。
【0247】

2‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルピリミジン‐5‐カルボキサミドの合成
【0248】
【化40】

MeOH(8ml)とDCM(4ml)に化合物6(200mg,0.50mmol)、NaOH(2M,2ml)を加えた混合物を0℃で10分間攪拌した。ヒドロキシアミンを0℃に冷却して、混合物に加えた。この混合物を室温で20分間攪拌した後に、有機溶媒を真空下で除去した。坐作物を1M HClでpH7に酸性化し、EAで抽出した。有機層をを水(2x20ml)と塩水(2x20ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。蒸発乾燥させ、その残渣物をpre−TLC(DCM/MeOH=5/1)で精製して褐色固形物(106mg,53%)を得た。
【0249】
実施例4:N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(ヒドロキシジフェニルメチル)ベンズアミド
【0250】
【化41】

【0251】
乾燥THF(5ml)に化合物1(201mg,1mmol)を加えた溶液にn‐ブチルリチウム液(1.6Mエキサン溶液,1.5ml)を−65°Cで滴下した。5分後、ベンゾフェノン液(182mgを5ml乾燥THFに加えた液)を10分間以上かけて加えた(発熱反応)。混合物を−65°Cでさらに30分間攪拌した後に、室温で一晩攪拌した。混合物の反応を飽和NHCl(10ml)で停止し、減圧下で濃縮した。この混合物を2N HClでpH4に酸性化し、酢酸エチル(2X10ml)で抽出した。有機層を分離し、NaSO上で乾燥させ、濃縮乾燥させた。残渣物をprep−TLC(DCM/MeOH=10:1)で精製し、化合物2を白色固形物(205mg,67%)として得た。
【0252】
【化42】

【0253】
THF(10mL)に2(150mg,0.49mmol)、EDCI(190 mg,0.98mmol)、HOBt(132mg,0.98mmol)及び3(190mg,0.98mmol)を加えた溶液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣物をprep−TLCで精製して、化合物4を黄色オイル(124mg,56%)として得た。
【0254】
【化43】

【0255】
MeOH(5ml)に化合物4(124mg,0.27mmol)を加えた溶液を水酸化ナトリウム(MeOH、1.0mlに飽和)とaq.NHOH(50wt%、0.55ml)で順番に処理し、室温で30分間攪拌した。この反応混合物に2N HClをゆっくりと加えてpH6−7に酸性化し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、標題の化合物を黄色固形物(111mg,90%)として得た。
【0256】
実施例5:HDAC酵素アッセイ
試験する化合物をDMSOを用いて最終濃度で50倍に希釈し、10ポイントの3倍希釈系列を作製した。この化合物をアッセイ緩衝液(50mM HEPES,pH7.4,100 mM KCl,0.001% Tween−20,0.05% BSA,20・M TCEP)を用いて最終濃度で6倍に希釈した。HDAC酵素(BPS Biosciencesから購入した)はアッセイ緩衝液を用いて最終濃度で1.5倍に希釈した。最終濃度で0.05・Mのトリペプチド基質及びトリプシンはアッセイ緩衝液を用いて最終濃度で6倍に希釈した。アッセイで使用した最終酵素濃度は、3.3ng/ml(HDAC1)、0.2ng/ml(HDAC2)、0.08ng/ml(HDAC3)及び2ng/ml(HDAC6)であった。使用した最終基質濃度は、16・M(HDAC1)、10・M(HDAC2)、17・M(HDAC3)及び14・M(HDAC6)であった。黒色不透明の384ウェルプレートのウェルに5μlの化合物と20μlの酵素を入れ、同じプレートを複製して2枚作製した。酵素と基質は一緒に室温に10分間保温した。5μlの基質をウェルに加えて、プレートを60秒間振動し、Victor 2マイクロタイタープレートリーダーに設置した。蛍光の発色を60分間測定し、反応の線形速度を算出した。IC50はGraph Pad Prismを用いて4パラメータの曲線適合法により決定した。
【0257】
参考文献による取り込み
本明細書に引用したすべての参考文献(非特許文献、特許公報、出願公開公報、及び同時係属中の特許出願を含む。)は、参照によって完全に本明細書に組み込まれる。定義しない限りにおいて、本明細書で使用したすべての技術的及び科学的用語は当業者に通常周知の意味と一致する。
【0258】
均等物
当業者が認識するであろう、又は、慣用の実験方法を用いるにすぎず確認し得る、本発明の特定の実施態様の多くの均等物が明細書に記載されている。そのような均等物は以下の請求の範囲によって包含されることを意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式Iの化合物、又は、その医薬的に許容できる塩、エステル又はプロドラッグ。
【化1】

ここで、
ZはN又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Aは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Bは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH、又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよく;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよく;
RはH又は任意に置換されたアルキルであり、又はR及び環Aは任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよく;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である。
【請求項2】
請求項1記載の化合物において、
環Aは、任意に置換されていてもよいフェニル、ナフチル、アントラセニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イミダゾリル、オキサゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、キノリニル、ピロリル、ピラゾリル、又は5,6,7,8‐テトラヒドロイソキノリンである化合物。
【請求項3】
請求項1記載の化合物において、
環Bは、任意に置換されていてもよいフェニル、ナフチル、アントラセニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、イミダゾリル、オキサゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、キノリニル、ピロリル、ピラゾリル、又は5,6,7,8‐テトラヒドロイソキノリンである化合物。
【請求項4】
請求項1記載の化合物において、
は、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリール、又は前記Rは、OH又はアルコキシである化合物。
【請求項5】
請求項4記載の化合物において、
は、H、メチル、エチル、プロピル、i‐プロピル、ブチル、i‐ブチル、t‐ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ナフチル、ピリジニル、OH、又はOCHであり、各々任意に置換されていてもよい化合物。
【請求項6】
請求項1記載の化合物において、
は、OH、アルコキシ、NH、NH(アルキル)、N(アルキル)(アルキル)、NH‐アリール、NH‐ヘテロアリール、N(アリール)(アリール)、N(アリール)(ヘテロアリール)、又はN(ヘテロアリール)(ヘテロアリール)である化合物。
【請求項7】
請求項1記載の化合物において、
カルボニル基及びZ基は環Aに互いにパラの位置で結合する化合物。
【請求項8】
請求項1記載の化合物において、
カルボニル基及びZ基は環Aに互いにメタの位置で結合する化合物。
【請求項9】
請求項1記載の化合物において、
カルボニル基及びZ基は環Aに互いにオルトの位置で結合する化合物。
【請求項10】
請求項1記載の化学式IIの化合物:
【化2】

又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグであって、
各 X,X,X,又はXは独立にN,CR’,O,S,NCR’,CR’CR’,OCR’,SCR’,又は、なくてもよく、又は、X又はXはRと結合し二環式環基を形成してもよく;X,X,X,又はXのうち、3つまではNでよく;
環Bは任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
はH、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R,又はC(O)O−Rであり、各々任意に置換されていてもよく;
RはH、又は任意に置換されたアルキルであり;又はR及びX又はXは任意に置換されてもよい融合した二環式環基を形成してもよく;
各R’は独立にH、任意に置換されたアルキル、ハロ、OH,NH,NHR”,ハロアルキル、CN,N,NOであり;
R”はH又はアルキル;及び
はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、各々任意に置換されていてもよい化合物。
【請求項11】
請求項10記載の化合物において、
,X,X,及びXはすべてCR’である化合物。
【請求項12】
請求項10記載の化合物において、
及びXはすべてNであり、X及びXはCR’である化合物。
【請求項13】
請求項10記載の化合物において、
及びXはCR’であり、X及びXはNである化合物。
【請求項14】
請求項10記載の化合物において、
はNであり;XはS,N又はOであり;XはCR’であり、かつXは欠如している化合物。
【請求項15】
請求項10記載の化合物において、
環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル又はピラジニルであり、各々任意に置換されていてもよい化合物。
【請求項16】
請求項15記載の化合物において、
環Bは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ハロアルキル、ハル、OH,NH,NHR”,CN,N,又はNOによって置換される化合物。
【請求項17】
請求項10記載の化合物において、
は、H、アルキル、アリール、アリールアルイキル又はヘテロアリールであり、各々は任意に置換されていてもよい化合物。
【請求項18】
請求項1記載の化学式IIIの化合物;
【化3】

又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグであって、
環Bは、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R,C(O)O−R,であり、各々は任意に置換されてもよく;
は、任意に置換されたヘテロアリールであり、
Rは、H、又は任意に置換されたアルキルであり;又はRと芳香環は結合し、任意に置換された融合した[6,5]二環を形成してもよい化合物。
【請求項19】
請求項18記載の化合物において、
環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、各々は任意に置換されていてもよい化合物
【請求項20】
請求項19記載の化合物において、
環Bは、アルキル、アリール、アラアルキル、ハロアルキル、ハル、OH,NH,CN,又はNOによって置換される化合物。
【請求項21】
請求項18記載の化合物において、
は、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、C(O)−R,又はC(O)O−Rであり、各々任意に置換されてもよい化合物。
【請求項22】
請求項21記載の化合物において、
R2は、任意に置換されたピリジニルである化合物。
【請求項23】
請求項1記載の化学式IVの化合物;
【化4】

又は、その医薬的に許容される塩、エステル、又はプロドラッグであって、
環Bは、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、各々任意に置換されていてもよく;
又は、環B及びRは、各々結合される原子とともに、任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールでよく、並びに
Rは、H又は任意に置換されたアルキル、又はR及び1,3−ピリミジニル環が結合し、任意に置換されてもよい融合した二環を形成してもよい化合物。
【請求項24】
請求項23記載の化合物において、
環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、各々任意に置換されていてもよい化合物。
【請求項25】
請求項24記載の化合物であって、
環Bは任意にアルキル、アリール、アラルキル、ハロアルキル、ハロ、OH,NH,CN,又はNOによって置換される化合物。
【請求項26】
請求項23記載の化合物において、
はH、アルキル、アリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールであり、各々任意に置換されてよい化合物。
【請求項27】
請求項26記載の化合物において、R1はOH、ハロによって置換される化合物。
【請求項28】
請求項23記載の化合物において、環BとRによって形成された環は、各々任意に置換されるピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロキノリン、モルホリン、ピペラジン、テトラヒドロ‐テリアゾロピラジン、ジアゼパンである化合物。
【請求項29】
請求項1記載の化学式Vの化合物;
【化5】

又は、その医薬的に許容される塩、エステル、又はプロドラックであって、
各々X,X,又はXは独立にN又はCR’であり;
環Bは、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環又は炭素環であり、各々任意に置換されてよく;
各R及びRは独立にH,NH(R),N(R)(R),N(R)CO(R),COH,C(O)R,C(O)OR,C(O)NH,C(O)NH(R),C(O)N(R)(R),SO,SOR,SR,アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環及び炭素環であり、各々さらに置換されていてもよく;又はR及びRは、それらに結合している炭素とともに、カルボニルを形成し;
各Rは、独立にH、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環であり、各々さらに置換されていてもよく;
R’は、H、任意に置換されたアルキル、ハロ、OH,NH,NHR”,ハロアルキル、CN,N,NOであり;
R”はH、又はアルキルであり;及び
mは1又は2である化合物。
【請求項30】
請求項1記載の化学式Vaの化合物:
【化6】

又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグであって、
各々X,X,又はXは独立にN又はCR’であり;
環Bは、任意に置換されたアリール、又は置換されたヘテロアリールであり;
はH、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、各々任意に置換されてもよく;
各R及びRは独立に、H、NH(R),N(R)(R),N(R)CO(R),COH,C(O)R,C(O)OR,C(O)NH,C(O)NH(R),C(O)N(R)(R),SO,SOR,SR,アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環及び炭素環であり、各々さらに置換されてもよく;又はR及びRは、それらに結合している炭素とともに、カルボニルを形成し;
各Rは、独立にH、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又は複素環であり、各々さらに置換されてもよく;
R’は、H、任意に置換されたアルキル、ハロ、OH,NH,NHR”,ハロアルキル、CN,N,NOであり;
R”はH、又はアルキルであり;及び
mは1又は2である化合物。
【請求項31】
請求項29、又は請求項30記載の化合物において、X,X,及びXはすべて独立にCR’である化合物。
【請求項32】
請求項29、又は請求項30記載の化合物において、環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり、各々任意に置換されていてもよい化合物。
【請求項33】
請求項32記載の化合物において、
環Bは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ハロアルキル、ハロ、OH,NH,NHR”,CN,N,又はNOによって置換される化合物
【請求項34】
請求項29又は請求項30記載の化合物において、
はH、アルキル、アリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールであり、各々任意に置換されていてもよい化合物。
【請求項35】
請求項1記載の化学式VIの化合物:
【化7】

又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグであって、
環Bは任意に置換されたアリール、又は置換されたヘテロアリールであり;
は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
は、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、OH、アルコキシ、NH,NH(アルキル),又はN(アルキル)(アルキル)であり;
又は、R及びRは、各々に結合している原子とともに、任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよく;及び、
Rは、H又は任意に置換されたアルキルである化合物。
【請求項36】
請求項35記載の化合物において、
環Bはフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、又はチアゾールであり、各々置換されていてもよい化合物。
【請求項37】
請求項35記載の化合物において、
は、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はチアゾールであり、各々任意に置換されてもよい化合物。
【請求項38】
請求項35記載の化合物においてRはOH、メトキシ又はエトキシである化合物。
【請求項39】
請求項35記載の化合物において、
環B及びRは、各々独立に1又は複数のアルキル、ハロゲン又はC(O)NRで置換され、ここで、Rは、H又はアルキルであり、RはH又はアルキルである化合物。
【請求項40】
請求項39記載の化合物において、
環B及びRは、各々独立に1又は複数のメチル、F,又はC(O)N(Me)で置換されて化合物いる。
【請求項41】
以下から選択される請求項1記載の化合物:
4‐(ジフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ジピリミジン‐2‐イルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(4‐メトキシフェニル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐((2,6‐ジクロロフェニル)(メチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ジピリミヂン‐2‐イルアミノ)‐N‐(8‐(ヒドロキシアミノ)‐8‐オキソオクチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メチル(2‐(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ベンズアミド;
4‐((2,6‐ジイソプロピルフェニル)(メチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(メチル(フェニル)アミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
4‐(2,6−ジイソプロピルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐((2‐イソプロピルフェニル)(メチル)アミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(エチル(2‐(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ジフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ジピリミジン‐2‐イルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐((2,6‐ジクロロフェニル)(エチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(2,6‐ジクロロフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(フェニル(ピリミジン‐2‐イル)アミノ)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐((2‐イソプロピルフェニル)(メチル)アミノ)‐N‐メチルピリミジン‐5‐カルボキサミド;
4‐((2‐クロロ‐6‐メチルフェニル)(メチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐((2,6‐ジフルオロフェニル)(メチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(エチル(2‐(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(2,6‐ジフルオロフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(3‐クロロフェニル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
7‐(4‐((2,6‐ジフルオロフェニル)(メチル)アミノ)ベンジルアミノ)‐N‐ヒドロキシヘプタナミド;
2‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(ジフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(メチル(ピラジン‐2‐イル)アミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(エチル(ピラジン‐2‐イル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(1‐メチル‐1H‐ベンゾ[d]イミダゾール‐2‐イルアミノ)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(フェニル(ピリミジン‐5‐イル)アミノ)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(N‐フェニルアセトアミド)ベンズアミド;
4‐(ベンゾ[d]オキサゾール‐2‐イルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(フェニル(ピラジン‐2‐イル)アミノ)ベンズアミド;
2‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(フェニル(ピリジン‐2‐イル)アミノ)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(N‐フェニルフェニルスルホンアミド)ベンズアミド
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(フェニル(ピリジン‐3‐イル)アミノ)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐((3‐メチルピリジン‐2‐イル)(フェニル)アミノ)ベンズアミド;
4‐(ベンゾ[d]オキサゾール‐2‐イル(メチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ベンゾ[d]オキサゾール‐2‐イル(メチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐((2‐シアノフェニル)(メチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ベンゾ[d]オキサゾール‐2‐イルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(N‐(2,6‐ジメチルフェニル)アセトアミド)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチル‐4‐(フェニル(ピリジン‐3‐イル)アミノ)ベンズアミド;
4‐((2‐シアノフェニル)(メチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(フェニルアミノ)ベンズアミド;
4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐2‐フルオロ‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐((2,6‐ジメチルフェニル)(メチル)アミノ)‐2‐フルオロ‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチル‐4‐(フェニルアミノ)ベンズアミド;
4‐((2,6‐ジメチルフェニル)(メチル)アミノ)‐2‐フルオロ‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチル‐4‐(N‐フェニルアセトアミド)ベンズアミド;
4‐(N‐(2,6‐ジメチルフェニル)アセトアミド)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチル‐4‐(N‐フェニルイソブチルアミド)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチル‐4‐(フェニル(ピリジン‐2‐イル)アミノ)ベンズアミド;
4‐(N‐(2,6‐ジメチルフェニル)イソブチルアミド)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐3‐フルオロ‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ベンゾ[d]チアゾール‐2‐イルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(N‐(2,6‐ジメチルフェニル)‐3‐メチルブタンアミド)‐N‐(7‐ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐3‐フルオロ‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
3‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
3‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(2,6‐ジイソプロピルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチル‐4‐((3‐メチルピリジン‐2‐イル)(フェニル)アミノ)ベンズアミド;
2‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メシチルアミノ)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(2‐クロロ‐6‐メチルフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐((2,6‐ジメチルフェニル)(ピリミジン‐2‐イル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチル‐4‐(フェニル(ピリミジン‐2‐イル)アミノ)ベンズアミド;
4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(6‐(ヒドロキシアミノ)‐6‐オキソヘキシル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(フェニル(o‐トリル)アミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(メシチルアミノ)‐N‐メチルピリミジン‐5‐カルボキサミド;
4‐((2,6‐ジメチルフェニル)(ピリミジン‐2‐イル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
2‐(2,6‐ジイソプロピリフェニルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルピリミジン‐5‐カルボキサミド;
4‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐N‐(5‐(ヒドロキシアミノ)‐5‐オキソペンチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(ヒドロキシジフェニルメチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メトキシジフェニルメチル)ベンズアミド;
4‐(ヒドロキシ(フェニル)(ピリジン‐4‐イル)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチル‐4‐(N‐フェニルベンズアミド)ベンズアミド;
N‐(4‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチルカルバモイル)フェニル)‐N‐フェニルベンズアミド;
4‐(ビス(4‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(4‐フルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メトキシ(フェニル)(ピリジン‐3‐イル)メチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メトキシ(フェニル)(ピリジン‐3‐イル)メチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メトキシ(フェニル)(ピリジン‐2‐イル)メチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(ヒドロキシジピリジン‐2‐イルメチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(ヒドロキシジピリジン‐2‐イルメチル)‐N‐メチルベンズアミド;
2‐(ジ‐o‐トリルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐((2‐クロロフェニル)(フェニル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐((2,6‐ジメチルフェニル)(フェニル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
7‐(5‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐1‐オキソイソインドリン‐2‐イル)‐N‐ヒドロキシヘプタンアミド;
7‐(5‐(2,6‐ジメチルフェニルアミノ)‐1,3‐ジオキソイソインドリン‐2‐イル)‐N‐ヒドロキシヘプタンアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メトキシジピリジン‐2‐イルメチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メトキシジピリジン‐2‐イルメチル)‐N‐メチルネズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(ピリジン‐2‐イル(o‐トリル)アミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(ピリジン-4-イル(o‐トリル)アミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(メトキシ(フェニル)(ピリジン‐4‐イル)メチル)ベンズアミド;
4‐(ヒドロキシ(フェニル)(ピリジン‐4-イル)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐ベンズヒドリル‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐ベンズヒドリル‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(4‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチルカルバモイル)フェニル)‐N‐フェニルピコリンアミド;
4‐(エトキシジフェニルメチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(3‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(3‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(3‐フルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐ヒドロキシエチル)‐N‐(7−(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(4‐(7‐ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチルカルバモイル)フェニル)‐N‐フェニルピコリンアミド;
4‐(エトキシジフェニルメチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(エトキシジフェニルメチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(エトキシジピリジン‐2‐イルメチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(エトキシジピリジン‐2‐イルメチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキシヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(3‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(3‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(3‐フルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(3‐フルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐ヒドロキシエチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐ヒドロキシエチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐ヒドロキシエチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐ヒドロキシエチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐メトキシエチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐メトキシエチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(1‐ヒドロキシ‐1‐(ピリジン‐2‐イル)エチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(1‐ヒドロキシ‐1‐(ピリジン‐2‐イル)エチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(1‐メトキシ‐1‐(ピリジン‐2‐イル)エチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(1‐メトキシ‐1‐(ピリジン‐2‐イル)エチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(2‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(2‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(2‐フルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(2‐フルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(2,4‐ジフルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(2,4‐ジフルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(2,4‐ジフルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(2,4‐ジフルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(3,5‐ジフルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(3,5‐ジフルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(3,5‐ジフルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(3,5‐ジフルオロフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐(ビス(4‐フルオロ‐2‐メチルフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐(ビス(4‐フルオロ‐2‐メチルフェニル)(メトキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐((4‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)(ピリジン‐2‐イル)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐((4‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)(ピリジン‐2‐イル)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
4‐((4‐フルオロフェニル)(メトキシ)(ピリジン‐2‐イル)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
4‐((4‐フルオロフェニル)(メトキシ)(ピリジン‐2‐イル)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル))‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(ヒドロキシジチアゾール‐2‐イルメチル)ベンズアミド;
3‐(ビス(4‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
3‐(ビス(4‐フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐N‐メチルベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(2,2,2‐トリフルオロ‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐ヒドロキシエチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(2,2,2‐トリフルオロ‐1‐(4‐フルオロフェニル)‐1‐メトキシエチル)ベンズアミド;
4‐(2‐(4‐フルオロフェニル)テトラヒドロフラン‐2‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐((2‐ヒドロキシエチル)(フェニル)アミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐3‐(ヒドロキシジピリジン‐2‐イルメチル)ベンズアミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐3‐(メトキシジピリジン‐2‐イルメチル)ベンズアミド;
4‐(ヒドロキシ(4‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐(オキソヘプチルカルバモイル)フェニル)(フェニル)メチル)‐N,N‐ジメチルベンズアミド;
3‐(ヒドロキシ(4‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐(オキソヘプチルカルバモイル)フェニル)(フェニル)メチル)‐N,N‐ジメチルベンズアミド;
2‐(ビス(4‐フルオロフェニル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐アミノ‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(ジフェニルアミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
4‐((4‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチルカルバモイル)フェニル)(メトキシ))(フェニル)メチル)‐N,N‐ジメチルベンズアミド;
3‐((4‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチルカルバモイル)フェニル)(メトキシ))(フェニル)メチル)‐N,N‐ジメチルベンズアミド;
7‐(2‐(ジフェニルアミノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド)ヘプタン酸;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐4‐(3‐オキソ‐1‐フェニル‐1,3‐ジヒドロイソベンゾフラン‐1‐イル)ベンズアミド;
2‐(ビス(4‐フルオロフェニル)メチルアミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(3,4‐ジヒドロキノリン‐1(2H)‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(3,4‐ジヒドロキノリン‐2(1H)‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐((2,2‐ビス(4‐フルオロフェニル)エチル)(2‐ヒドロキシエチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐((2‐(1H‐インドール‐3‐イル)エチル)(2‐ヒドロキシエチル)アミノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐モルホリノピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐((2S,6R)‐2,6‐ジメチルモルホリノ)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(ピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(4‐ベンジルピペラジン‐1‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(4‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(6,7‐ジメトキシ‐3,4‐ジヒドロイソキノリン‐2(1H)‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(3‐(トリフルオロメチル)‐5,6‐ジヒドロ‐[1,2,4]トリアゾロ[4,3‐a]ピラジン‐7(8H)‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(4‐フェニルピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(4‐(4‐メトキシフェニル)ピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(4‐(2‐メトキシエチル)ピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(4‐(4‐(トリフルオロメチル)ピリミジン‐2‐イル)ピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(2‐(ヒドロキシメチル)モルホリノ)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
(R)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(3‐ヒドロキシピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(4‐カルバモイルピペリジン‐1‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(4‐ヒドロキシ‐4‐フェニルピペリジン‐1‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(4‐(4−クロロフェニル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
(R)‐2‐(3‐(ジメチルアミノ)ピロリジン‐1‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
(S)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(2‐(ヒドロキシメチル)ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(4‐メチル‐2‐フェニルピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(4‐(4−フルオロフェニル)ピペラジン‐1‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
2‐(1,4‐(ジアゼパン‐1‐イル)‐N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(ピペリジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド;及び
N‐(7‐(ヒドロキシアミノ)‐7‐オキソヘプチル)‐2‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)ピリミジン‐5‐カルボキサミド。
【請求項42】
請求項1記載の化合物、又はその医薬的に許容できるエステル、塩、又はこれに関連するプロドラッグと、医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項43】
対象において他のHDACよりも選択的にHDAC6を阻害する方法であって、
化学式Iの化合物;
【化8】

又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを投与することを含み 、
Zは、N又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Aは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Bは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよく;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよく;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよく;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である方法。
【請求項44】
請求項43記載の阻害方法であって、
化学式1の前記化合物は、HDAC6に5〜1000倍の選択性を有する方法。
【請求項45】
請求項43記載の阻害方法であって、
化学式1の前記化合物は、HDAC酵素活性で試験したときにおよそ5〜1000倍、HDAC6に選択性を有する方法。
【請求項46】
対象におけるHDAC-6によって介在される疾患を治療する方法であって、
対象に化学式Iの化合物:
【化9】

又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを投与することを含み、
Zは、N又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Aは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Bは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよく;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよく;
RはH又は任意に置換されたアルキルであり、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよく;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2である方法。
【請求項47】
請求項46記載の方法であって、前記疾患が癌、又は増殖性疾患である方法。
【請求項48】
請求項47記載の方法であって、
前記疾患が、肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝癌、膵癌、脳腫瘍、腎癌、卵巣癌、胃癌(stomach cancer)、皮膚癌、骨肉腫、胃癌(gastric cancer)、乳癌、膵癌、神経膠腫、膠芽腫、肝細胞癌、乳頭型腎癌、頭頸部扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び固形腫瘍である方法。
【請求項49】
請求項47記載の方法であって、前記癌が多発性骨髄腫である方法。
【請求項50】
請求項46記載の方法であって、
前記疾患は、ウイルソン病、脊髄小脳変性症、プリオン病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、アミロイドーシス、アルツハイマー病、アレキサンダー病、アルコール性肝疾患、膵嚢胞線維症、ピック病、脊髄性筋萎縮症又はレビー小体型認知症である方法。
【請求項51】
請求項46記載の方法であって、
前記疾患は、関節リウマチ、変形性関節症;リウマチ性脊椎炎;乾癬;虚血再灌流障害;炎症性大腸炎;慢性炎症性肺疾患、湿疹、喘息、虚血再灌流障害、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫症候群、乾癬性関節炎、感染性関節炎、進行性慢性関節炎、変形関節炎、変形性関節炎、外傷性関節炎、痛風性関節炎、ライター症候群、多発性軟骨炎、急性滑膜炎及び脊椎炎、糸球体腎炎、溶血性貧血、再生不良性貧血、特発性血小板減少症、好中球減少症、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植片対宿主病、同種移植拒絶反応、慢性甲状腺炎、グレーブス病、強皮症、糖尿病、活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、日焼け、慢性腎不全、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、サルコイドーシス、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎、結膜炎、角結膜炎、中耳炎、歯周病、間質性肺線維症、喘息、気管支炎、鼻炎、副鼻腔炎、じん肺、呼吸不全症候群、肺気腫、肺線維症、珪肺又は慢性炎症性肺疾患である方法。
【請求項52】
多発性骨髄腫に罹患している、又は感受性のある対象に、化学式Iの化合物:
【化10】

又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグを必要な対象に治療に効果的な量を投与することを含む方法であって、
Zは、N又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Aは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Bは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよく;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよく;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよく;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2であることにより、
多発性骨髄腫に罹患している、又は感受性のある対象を治療する方法。
【請求項53】
請求項46記載の方法であって、
対象者に対し1剤以上の化学療法薬、放射線薬、ホルモン薬、生物製剤又は抗炎症薬の併用投与をさらに含む方法。
【請求項54】
請求項53記載の方法であって、
前記化学療法薬はタモキシフェン、トラスツズマブ、ラロキシフェン、ドキソルビシン、フルオロウラシル/5‐FU、パミドロン酸二ナトリウム、アナストロゾール、エキセメスタン、シクロホスファミド、エピルビシン、レトロゾール、トレミフェン、フルベストラント、フルオキシメステロン、トラスツズマブ、メトトレキサート、酢酸メゲストロール、ドセタキセル、パクリタキセル、テストラクトン、アジリジン、ビンブラスチン、カペシタビン、酢酸ゴセレリン、ゾレドロン酸、タキソール、ビンブラスチン又はビンクリスチンである方法。
【請求項55】
請求項46〜54いずれか1項記載の方法であって、対象がヒトである方法。
【請求項56】
1又は複数の化学式Iの化合物:
【化11】

又は、その医薬的に許容できる塩、エステル、又はプロドラッグから選択されるHDAC活性を阻害することができる化合物を含むキットであって、
Zは、N又はCRであり、ここでRは任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Aは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールであり;
環Bは任意に置換されたアリール、又は、任意に置換されたヘテロアリールである;
は(i)任意に、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、C(O)−R、C(O)O−R,又はS(O)に置換されてもよく;又は
(ii)ZがCRのときは、Rは任意に分岐アルキル、OR、又はN(R3)(R)−CHCHOH、OCHCHOH、SH又はチオアルコキシに置換されてもよく;
又は、環B及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された複素環、又は、任意に置換されたヘテロアリールを形成してもよく;
又は、R及びRはともに、各々に結合される原子によって任意に置換された炭素環、任意に置換された複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリール環を形成してもよく;
RはH又は任意に置換されたアルキル、又はR及び環Aは、任意に置換された融合した二環式環基を形成するように結合されてもよい;
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
各Rは独立に、各々任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
nは4、5、6、7又は8であり、
pは0、1、又は2であり、
多発性骨髄腫を治療する方法のための使用説明書を含むキット。

【公表番号】特表2013−518050(P2013−518050A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550137(P2012−550137)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2011/021982
【国際公開番号】WO2011/091213
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190767)アセチロン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ACETYLON PHARMACEUTICALS,INC.
【Fターム(参考)】