説明

タンパク質水解物を含有する化粧品組成物

本発明は、タンパク質水解物および化粧品として許容しうる賦形剤を含んでいる化粧品組成物であって、該タンパク質水解物が、末端プロリンを有するペプチドの高含量を有する化粧品組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ペプチドの1つの末端上でプロリンに富む、特にカルボキシ末端プロリンに富む、特定のタンパク質水解物を含有する化粧品組成物に関する。これらの化粧品組成物は、皺の治療、皮膚の保湿のために特に有用であるが、同様に表皮の肥厚化、皮膚の脂質バリヤーの保護および修復のため、およびヘアケア組成物のためにも有用である。
【0002】
人の皮膚は、皮膚にその特徴的な外見を与える、あるいくつかの正常な角化プロセスを受ける。偶然の要因または外部要因、例えば厳しい気候(raw climate)、風、光損傷、および日光、雨、および雪によって引起こされた刺激は、しかしながら、皮膚のこの正常な状態を害し、荒れ、鱗屑の形成(例えば頭皮上に)、過剰な角質化、および同様な現象が現れる。さらには皮膚の老化の間に、特に皮膚の構造および機能の変化によって反映される様々な兆候が現れる。これらの兆候の1つは、細かい小皺および深い皺の出現であり、これらの大きさおよび数は、年齢とともに増加する。皮膚の微起伏は、より均一でなくなり、非等方性を有する。年齢と並行して、皮膚は、内因性または外因性のどちらかの憂慮すべき影響に対してさらに敏感になり、このことは、色素沈着障害によって、特に手および顔面に、痒み、発赤、または一層黒くなる染みを、結果として生じることがある。これらの好ましくない兆候は、人についての望ましくない年齢判断につながることがある。
【0003】
化粧品調製物は、スキンケアに本質的に有用である。美容的な意味におけるスキンケアの1つの目的は、環境からの影響(例えば、UV光、埃、化学物質、微生物)に対する、および内生物質(例えば水、天然脂質、電解質)の喪失に対するバリヤーとしての皮膚の自然の機能を強化すること、または再構築することである。この機能が損なわれるならば、毒性またはアレルギー性物質の増加した再吸収または微生物による攻撃が結果として生じ、毒性またはアレルギー性皮膚反応につながることがある。
【0004】
スキンケアの別の目的は、日々の洗浄によって引起こされた脂質および水の皮膚による喪失を補うことである。自然の再生能力が不十分であるならば、このことはとくに重要である。さらにはスキンケア製品は、環境からの影響に対して、特に日光および風に対して保護し、皮膚の老化を遅らせるべきである。同様に、特に冬季に発生する、乾燥した空気の状態は、皮膚の含水量を減少させる傾向がある。既にこの作用は、滑らかさの低減および光沢のない皮膚表面につながる。したがって、スキンケア化粧品が、皮膚の含水量を補給し、湿分の喪失を妨げる成分を供給することが重要である。さらには乾燥肌は、より有害な作用を受けやすく、加齢現象、および例えば痒いかまたはズキズキするなどの感覚的不快さにつながる。したがって、これらの作用に歯止めをかけるための安全な材料を提供することが、本発明の1つの目的である。
【0005】
表皮の強化または肥厚化は、最適化された皮膚バリヤー脂質合成とともに、皮膚のバリヤー能力を再構築することができ、したがって有意な美容的価値を有する。経皮水分喪失(TEWL)の低減は、無傷な脂質バリヤーの兆候であり、これはまた、皮膚の皺の出現に対して保護するための第一防衛線として作用する。
【0006】
皺と闘うための別の手法は、真皮中のコラーゲン合成を刺激することである。いくつかの変性プロセスがコラーゲンマトリックスに対して作用し、外因性要因、例えばUV線、一般的な汚染、および特別なタバコの煙、または内因性要因によって引起こされ、あらゆる慢性または亜慢性炎症につながる。破壊および/または損なわれた修復効果は、真皮のより濃密で、より弾性の低いマクロ構造を生じ、これは今度は、深い皺の形成につながる。真皮のコラーゲンまたはほかの構造タンパク質のデノボ合成の強化は、現存する皺を低減するため、および新しい皺の出現に対して保護するための貴重な療法と考えられる。
【0007】
皮膚細胞の通常の代謝レベルを一定の有利なレベルに維持するために、皮膚細胞の老化を阻止することが、アンチエイジング化粧品にとって特に重要である。
【0008】
化粧品調製物に関して、特に皺の治療のための化粧品調製物に関して、非常に多様な文献がある。広範な文献の例として、例えばGB906,000号明細書、EP−A−699429号明細書、または国際公開第03/086342号パンフレットを参照することができる。
【0009】
化粧品効果を得るために、タンパク質の酵素水解物(タンパク質水解物)を化粧品組成物中に含めることは公知である。米国特許第6,506,732号明細書は、乳タンパク質の水解物、および化粧品および製薬配合物におけるこれらの使用を開示している。これらの水解物は、皮膚の水和および皮膚の再生特性を有するといわれている。アメリカ臨床皮膚科ジャーナル(American Journal of Clinical Dermatology)(2002)、3(8)、547−55は、爪硬化剤における加水分解されたタンパク質の使用を開示している。タンパク質水解物はまた、損傷した髪を修復するためのヘアケア製品、石鹸、入浴ジェル、クリームなどへも添加される(アレルギー(Allergy)(1998年、11月)、53(11)、1078−82)。
【0010】
しかしながら、化粧品配合物におけるタンパク質水解物の使用は、批判されてきた。その理由は、タンパク質水解物が、アレルギー反応を引き起こすことがあるからである。接触皮膚炎(Contact Dermatitis)(2000年6月)42(6)、360は、美容クリーム中の加水分解された小麦タンパク質が、アレルギー性接触皮膚炎の原因になりうることを開示している。アレルギー(1998年、11月)、53(11)、1078−82は、ヘアケア製品中の22のタンパク質水解物をテストし、毛髪化粧品中のタンパク質水解物は、特にアトピー性皮膚炎患者において、接触じんま疹を引起こしうることが発見された。皮膚科の公文書(Archive of Dermatology)(1976年7月)、112(7)、1008−9は、TEA−ココ加水分解タンパク質を含有する特許製品の(proprietary)皮膚洗浄剤を用いた後、顔の重症の皮膚炎を発症した21歳の女性について報告している。脂肪酸およびタンパク質水解物のほかの濃縮物との反応も見られた。
【0011】
例えば、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基をほかのアミノ酸残基で置換することによって、および/またはこれらのタンパク質とポリマーとをカップリングすることによって、これらの水解物を化学的に修飾することにより、タンパク質水解物のアレルゲン性を低減することが提案されてきた。しかしながらこのような修飾は、タンパク質の有効性を変更することがあり、これらの製品はもはや「自然」製品として販売することはできない。
【0012】
米国特許第6,506,792号明細書は、低減された抗原性を有するといわれているタンパク質の特定の水解物を開示している。
【0013】
本発明によって解決されるべき課題は、通常、化粧品組成物へタンパク質水解物を添加することによって得ることができるが、消費者によるアレルギー反応を引起こすリスクが低いか、またはまったくリスクがない、優れた化粧品特性を有する化粧品組成物を提供することである。これらの組成物は、美容効果と皮膚の有害な反応のリスクとの間に有利なバランスを有すべきである。さらには、本発明は、低香料含有製品を包含する、大部分の化粧品配合物と適合性がある、少ない臭いおよび低色彩の加水分解製品を提供する。
【0014】
この課題は、末端プロリンを有するペプチドの高含量を有し、現在まで食品用途または同様な用途にのみ用いられてきたあるいくつかのタンパク質水解物を、化粧品組成物中に有利に組み込むことができるという意外な発見に基づいて解決される。これらのタンパク質水解物を含有する化粧品組成物は、タンパク質水解物を含有する化粧品組成物の有利な特性を有するが、これらは患者に皮膚刺激を引起こさない。
【0015】
したがってその最も広い態様において、本発明は、末端プロリンを有するペプチドの高含量および化粧品として許容しうる賦形剤を有するタンパク質水解物を含有する化粧品組成物を提供する。
【0016】
このタンパク質水解物は好ましくは、カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率(%)が、この水解物を発生させるために用いられるタンパク質基質中のプロリンのモル分率(%)の2倍超であるペプチドを含んでいるタンパク質水解物である。
【0017】
このタンパク質水解物はさらに、好ましくは
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも8%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる乳清水解物、および/または
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは70%未満であるペプチドを含んでいるカゼイン水解物、および/または
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる大豆水解物、および/または
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、有利には70%未満であるペプチドを含んでいるグルテン水解物、および/または
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、有利には70%未満であるペプチドを含んでいる大麦水解物
である。
【0018】
さらには、末端プロリンを有するペプチドの高含量を有するこのタンパク質水解物が、トリペプチドに富み、これによってこれらのトリペプチドが、このペプチドの一端においてプロリンに富むタンパク質水解物であることが好ましい。
【0019】
本発明の化粧品組成物における使用のためのタンパク質水解物は、先行技術において周知である。
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも8%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる乳清水解物;
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは70%未満であるペプチドを含んでいるカゼイン水解物;
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる大豆水解物;
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、有利には70%未満であるペプチドを含んでいるグルテン水解物;および
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、有利には70%未満であるペプチドを含んでいる大麦水解物、
およびこのようなタンパク質水解物の生成方法は、参照により本明細書に援用される国際公開第02/45523号パンフレットおよび国際公開第02/45524号パンフレットから公知である。このタンパク質水解物は好ましくは、カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率(%)が、この水解物を発生させるために用いられるタンパク質基質中のプロリンのモル分率(%)の2倍超であるペプチドを含んでいるタンパク質水解物であり、このようなタンパク質水解物はまた、これらの文献からも公知である。特に、これらの文献において詳細に記載されているタンパク質水解物の調製に関するこれらの文献が参照される。
【0020】
トリペプチドに富み、これによってこれらのトリペプチドがこのペプチドの一端においてプロリンに富むタンパク質水解物は、国際公開第03/102195号パンフレットから公知であり、この文献もまた、参照により本明細書に援用される。トリペプチドに富み、これによってこれらのトリペプチドがこのペプチドの一端においてプロリンに富むタンパク質水解物の生成方法に関して、およびさらに好ましいタンパク質水解物に関して、特に国際公開第03/102195号パンフレットが参照される。本発明の好ましいタンパク質水解物はまた、国際公開第03/102195号パンフレットに開示された好ましいタンパク質水解物でもある。
【0021】
本発明の化粧品組成物に用いることができるタンパク質水解物はまた、国際公開第02/068623号パンフレットに開示された新規タンパク質分解酵素を用いて調製することもでき、この文献も、本発明の化粧品組成物に用いることができるタンパク質水解物の好ましい生成方法に関して、参照により本明細書に援用される。
【0022】
したがって本発明は、国際公開第03/102195号パンフレット、国際公開第02/45523号パンフレット、および/または国際公開第02/45524号パンフレットから公知である、末端プロリンの高含量を有するタンパク質水解物を含有する化粧品組成物を提供する。
【0023】
トリペプチドに富み、これによってこれらのトリペプチドがこのペプチドの一端においてプロリンに富み、このペプチドが、国際公開第03/102195号パンフレットに開示されているようなカルボキシ末端プロリンを有するタンパク質水解物が特に好ましい。これらの水解物はまた場合により、ジペプチドを含んでいてもよい。トリペプチドに富み、これらのトリペプチドがこのペプチドの一端において、好ましくはこのペプチドのカルボキシル末端においてプロリンに富み、200〜2,000ダルトンの分子量を有するこれらのペプチドの少なくとも20モル%、より好ましくは少なくとも25モル%、さらにより好ましくは少なくとも30モル%が、トリペプチドとしてこの水解物中に存在するタンパク質水解物がより好ましい。出発タンパク質中に存在するプロリンの好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも40%が、これらのトリペプチド中に存在する、上記のようなタンパク質水解物もまた好ましい。これらのトリペプチドの少なくとも30%、または好ましくはこれらのトリペプチドの少なくとも35%がカルボキシ末端プロリンを有する、上記のようなタンパク質水解物もまた好ましい。これらのペプチドの少なくとも70モル%、より好ましくはこれらのペプチドの少なくとも75モル%が、2〜7アミノ酸残基(ジペプチド〜ヘプタペプチド)を含有する、上記のようなタンパク質水解物もまた好ましい。ほかの好ましいタンパク質水解物は、国際公開第03/102195号パンフレットから公知である。
【0024】
上記の水解物をベースとして製造された先駆物質生成物、特にアミノ酸のN−末端においてアシル化されたものもまた好ましい。このような先駆物質生成物は、増加した疎水性または皮膚浸透を有する。さらにはアシル化によって、化粧品として活性な別の部分が、ペプチド部分へ添加されうる。線状または分枝状、飽和または不飽和脂肪酸、好ましくは1〜30炭素原子を有する脂肪酸でのアルキルアシル化が、特に好ましい。パルミトイルまたはフィタノイル誘導体が、より好ましい。この明細書において用いられているような「タンパク質水解物」という用語はまた、上記の先駆物質生成物も包含する。
【0025】
ここで、
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも8%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる乳清水解物、
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは70%未満であるペプチドを含んでいるカゼイン水解物、
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる大豆水解物、
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、有利には70%未満であるペプチドを含んでいるグルテン水解物、および
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、有利には70%未満であるペプチドを含んでいる大麦水解物、
およびカルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率(%)が、この水解物を発生させるために用いられるタンパク質基質中のプロリンのモル分率(%)の2倍超であるペプチドを含んでおり、かつ国際公開第02/45523号パンフレットおよび国際公開第02/45524号パンフレットに開示されているタンパク質水解物であるタンパク質水解物を参照して、次の好ましい実施形態に注目すべきである。
【0026】
好ましくは、上記のようなタンパク質水解物は、カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率(%)が、これらの水解物を生成するために用いられるタンパク質基質中のプロリンのモル分率(%)の少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍であるペプチドを含んでいる。好ましくはこれらのタンパク質水解物中のペプチドの平均の長さは、3〜9アミノ酸である。好ましい水解物は、カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも8%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる乳清水解物、カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも25%、好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいるカゼイン水解物、およびカルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる大豆水解物である。このタンパク質基質の少なくとも10%が加水分解されている、好ましくはこのタンパク質基質の20〜90%が加水分解されているタンパク質水解物が好ましい。ペプチドまたはペプチド断片とは好ましくは、400〜2,000ダルトンの分子量を有するペプチドを意味する。これらのペプチドは、国際公開第02/45523号パンフレットに記載されているようなLC/MC分析にしたがって分析することができる。
【0027】
一般に、タンパク質水解物の生成において、このタンパク質基質は、有利には少なくとも50%について実質的に加水分解される。好ましくはこのタンパク質基質の少なくとも10%が、400〜2,000ダルトンの分子量を有するペプチドに転化される。より好ましくはこのタンパク質基質の20〜90%、さらにより好ましくは30〜80%が、このようなペプチドに転化される。
【0028】
1つの実施形態において、タンパク質基質は、単離され、精製されたプロリン特異的エンドプロテアーゼ、セリンエンドプロテアーゼ、またはメタロエンドプロテアーゼ、およびカルボキシペプチダーゼを含んでいる酵素混合物を用いてインキュベーションされて、国際公開第02/45523号パンフレットに開示されているようなカルボキシ末端プロリンを有するペプチド断片に富むタンパク質水解物を生成しうる。
【0029】
好ましくは本発明において用いられる国際公開第02/45523号パンフレットの酵素混合物は、これが、少なくとも1つのエンドプロテアーゼ、例えばセリンエンドプロテアーゼまたはメタロエンドプロテアーゼを、プロリン特異的エンドプロテアーゼ(E.C.3.4..21.26)とともに含有し、第一水解物を生じることを特徴とする。より具体的には、ペプチド断片を含んでいるタンパク質水解物を生成しうる、単離され、精製されたプロリン特異的エンドプロテアーゼ、およびセリンエンドプロテアーゼもしくはメタロエンドプロテアーゼ酵素混合物であって、前記ペプチド断片の少なくとも8%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは30〜70%が、国際公開第02/45523号パンフレットに開示されているようなカルボキシ末端プロリンを有するものが、用いられる。
【0030】
カルボキシ末端アミノ酸残基としてプロリンを有するペプチドの比較的高い含量で強化されたタンパク質水解物もまた好ましい。このような強化された水解物は、カルボキシ末端プロリン残基を有する、少なくとも8%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは30〜70%ペプチド断片を含んでいてもよい。これらのタンパク質水解物は、カルボキシ末端にプロリン残基を有するペプチドを発生しうる酵素調製物によって得ることができる。これは、国際公開第02/45523号パンフレットに開示されている。
【0031】
適切な基質を用いて、国際公開第02/45523号パンフレットの実施例1の方法に対応する方法によって得ることができるタンパク質水解物が最も好ましい。国際公開第02/45523号パンフレットおよび国際公開第03/102195号パンフレットに開示されたタンパク質水解物の混合物もまた好ましい。
【0032】
酵素混合物による加水分解用の基質は、全乳、スキムミルク、酸性カゼイン、レンネット・カゼイン、酸性乳清製品、またはチーズ乳清製品を包含する。アスペルギルス属(Aspergillus)由来のプロリン特異的エンドプロテアーゼは、プロリン残基のカルボキシ末端側で切断されるのみならず、ヒドロキシプロリン残基のカルボキシ末端側でも切断され、このことは、ほかのコラーゲンベースの動物タンパク質、例えばゼラチン、ならびに残留肉を含有する骨または魚骨を、酵素用の興味深い基質にする。さらには、植物基質、例えば小麦グルテン、製粉された大麦、および例えば大豆、米、またはトウモロコシから得られたタンパク質フラクションが、適切な基質である。国際公開第02/45523号パンフレットにしたがって生成された乳タンパク質水解物は、追加の濾過または精製工程をともなって、またはともなわずに用いられてもよい。
【0033】
意外にも、末端プロリンを有するペプチドの高含量を有する上記のタンパク質水解物は、様々な化粧品用途において優れた活性を有するが、一方で、現行技術の方法によって生成されたほかのタンパク質水解物によって引起こされる皮膚の刺激を引起こさない。上記のようなタンパク質水解物を含有する化粧品組成物は、特に皺の治療および予防、皮膚および毛髪の保湿、ならびに表皮の肥厚化のためであるが、同様に、外部または環境危険によって、または皮膚の自然の老化によって引起こされることがある皮膚の老化の作用を改善するための活性を示す。これらのタンパク質水解物はまた、傷んだ髪を防止および修復するため、これを再構成するためおよび/または強化するために用いることができる。これは、長髪またはトリートメントされた毛髪にとって特に重要である。顕著な効果を与える高いタンパク質水解物濃度、例えば0.1%超の乾燥物質タンパク質材料を有する配合物が特に適切である。これらは、有害な反応の低いリスクをともなうか、またはリスクをまったくともなわずに、本発明にしたがって配合することができる。これらのタンパク質水解物はさらに、ネイルケアのための組成物、および特に爪、特に指の爪の強化のための組成物においても用いることができる。
【0034】
これらのタンパク質水解物はまた、清浄化または洗浄組成物または皮膚洗浄剤、特に皮膚に優しいように設計されているもの、特に、有害な反応を引起こすことなく、皮膚の水和をともなった洗浄効果を与えるためのベビーケア用配合物にも用いることができる。
【0035】
本発明はまた、通常、食品に用いられ、食品中のアレルゲンについての通常のテストにおいて有意な陽性反応を示さないタンパク質水解物を有する化粧品組成物も考察する。このようなテストは当業界において公知であり、例えば英国フリントシャー(Flintshire)CH5 2NTのテプネル・バイオシステムズ社(Tepnel BioSystems Limited)から商業的に入手しうるが、ほかの会社からも入手しうる。典型的なテストは、グルテン、乳タンパク質(カゼイン、βLG、BSA)、ピーナッツタンパク質、大豆タンパク質、およびゴマについてのテストである。
【0036】
これらの化粧品組成物は特に、皺または乾燥肌または敏感肌、または健康な皮膚の生理的ホメオスタシスの負の進行によって引起こされたあらゆる症状の治療または予防、毛髪成長の促進、毛髪喪失からの保護、表皮の肥厚化、にきび防止、皮膚細胞の老化の阻止、光損傷の防止または治療、酸化性ストレス現象の防止または治療、セルライトの防止または治療、色素沈着障害および/またはさらに皮膚の色合いの防止または治療、セラミドおよび脂質合成の障害の防止および治療、過剰な皮脂生産の防止、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼまたはほかのプロテアーゼの活性の低減、アトピー性湿疹、多形日光疹(polymorphic light eruption)、乾癬、尋常性白斑(vertiligo)を包含する炎症性の皮膚症状の治療および防止、痒いかまたはヒリヒリする皮膚の防止および治療のため、ならびにヘアケア製品において、または爪、特に手の指に適用するか、またはこれらを治療するための組成物において用いることができる組成物である。
【0037】
これらのタンパク質水解物はまた、日焼け止め組成物、および皮膚および毛髪洗浄組成物、例えば石鹸、入浴ジェル、シャワージェル、液体石鹸、シャンプー、バスソルト、フォーム入浴剤、皮膚洗浄剤などにも用いることもできる。これらのタンパク質水解物はまた、リンス・オフならびにリーブ・オン用途におけるヘアコンディショナー、ヘアトリートメントセラム(sera)、およびスタイリングジェルにも用いることができる。
【0038】
本発明の特に好ましい組成物は、局所組成物である。
【0039】
本出願において用いられているような「化粧品調製物」または「化粧品組成物」という用語は、レンプ・レキシコン・ヘミー(Roempp Lexikon Chemie)、1997年第10版、ゲオルグ・ティーメ・フェアラーク(Georg Thieme Verlag)、シュツットガルト、ニューヨークにおける「化粧品(Kosmetika)」という見出しで規定されているような化粧品組成物のことをいう。皮膚および毛髪洗浄組成物もまた、特に本発明の化粧品組成物中に包含される。
【0040】
本発明の組成物は、化粧品として許容しうる賦形剤または希釈剤とともに、上記のようなタンパク質水解物を含有する。ほかに何も記載されていないならば、次に記載されている賦形剤、添加剤、希釈剤などが、化粧品組成物に適している。
【0041】
ほかに何も記載されていないならば、この出願において部およびパーセンテージは重量であり、この組成物の重量を基準にしている。
【0042】
好ましくは本発明の組成物は、局所組成物、例えば液体または固体水中油エマルジョン、油中水エマルジョン、多重エマルジョン、マイクロエマルジョン、PET−エマルジョン、泡立っている(bickering)エマルジョン、ヒドロゲル、アルコールゲル、リポゲル、1相または多相溶液、フォーム、軟膏、膏薬、懸濁液、粉末、クリーム(creme)、洗浄剤、石鹸、およびほかの通常の組成物であり、これらはまた、ペンによって、マスクとして、またはスプレーとして適用することもできる。
【0043】
本発明のこれらの組成物はまた、通常の化粧品アジュバントおよび添加剤、例えば防腐剤/酸化防止剤、脂肪物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、日焼け止め剤、化粧品活性物質発泡防止剤、保湿剤、香料、界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性ポリマーまたはこれらの混合物、推進薬、酸性化剤もしくは塩基性化剤、染料、着色料、顔料もしくはナノ顔料、例えば紫外線を物理的に遮断することによって光保護効果を与えるのに適しているもの、または化粧品中に通常配合されるあらゆるほかの成分も含有しうる。
【0044】
本発明の組成物はまた、1つまたはそれ以上の追加の製薬的または化粧品的に活性な成分、特にビサボロール、アルキルジオール、例えば1,2−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、または1,2−オクタンジオール、ビタミン、ペンテノール、フィトール、フィタントリオール、セラミドおよびシューデセラミド、アミノ酸および生物活性ペプチド、AHA酸、多不飽和脂肪酸、植物抽出物、DNAもしくはRNA、およびこれらの断片化生成物、または炭水化物も含有しうる。
【0045】
これに加えて、本発明の組成物は、UV−AおよびUV−Bフィルターを含有してもよい。UV−Bまたは広帯幅日焼け止め剤、すなわち本発明の化合物と組み合わせるのに好ましい、約290〜340nmの吸収極大を有する物質の例は、次の有機および無機化合物である。
アシレート、例えば2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレン、パーソル(PARSOL)(登録商標)340)、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなど;
−− カンファー誘導体、例えば4−メチルベンジリデンカンファー(パーソル(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、カンファーベンズアルコニウムメトスルフェート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、スルホベンジリデンカンファー、スルホメチルベンジリデンカンファー、テレフタリデンジカンファースルホン酸など;
−− シンナメート誘導体、例えばオクチルメトキシシンナメート(パーソル(登録商標)MCX)、エトキシエチルメトキシシンナメート、ジエタノールアミンメトキシシンナメート(パーソル(登録商標)ヒドロ)、イソアミルメトキシシンナメートなど、ならびにシロキサンへの桂皮酸誘導体結合;
−− p−アミノ安息香酸誘導体、例えばp−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシルp−ジメチルアミノベンゾエート、N−オキシプロピレン化エチルp−アミノベンゾエート、グリセリルp−アミノベンゾエート、
−− ベンゾフェノン、例えばベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなど;
−− ベンザルマロン酸のエステル、例えばジ−(2−エチルヘキシル)4−メトキシベンザルマロネート;
−− 2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパン二酸のエステル、例えば欧州特許公報EP0895776号明細書に記載されているような、2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパン二酸ジエチルエステル;
−− 欧州特許公報欧州特許第0358584B1号明細書、欧州特許第0538431B1号明細書、および欧州特許出願公開第0709080A1号明細書に記載されているような、ベンズマロネート基を含有するオルガノシロキサン化合物;
−− ドロメトリゾールトリシロキサン(メキソリルXL);
−− 顔料、例えば微粒子化されたTiOなど。「微粒子化された(microparticulated)」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径のことをいう。TiO粒子はまた、金属酸化物、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムによって、または有機コーティング、例えばポリオール、メチコーン、アルミニウムステアレート、アルキルシランによってコーティングされてもよい。かかるコーティングは、当業界において周知である。
−− イミダゾール誘導体、例えば2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩(パーソル(登録商標)HS)。2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩は、例えばアルカリ塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩、アンモニウム塩、モルホリン塩、第一、第二、および第三アミンの塩、例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などである。
−− サリチレート誘導体、例えばイソプロピルベンジルサリチレート、ベンジルサリチレート、ブチルサリチレート、オクチルサリチレート(ネオヘリオパン(NEO HELIOPAN OS))、イソオクチルサリチレート、またはホモメンチルサリチレート(ホモサレート、ヘリオパン)など。
−− トリアジン誘導体、例えばオクチルトリアジン(ユビヌル(UVINUL)T−150)、ジオクチルブタミドトリアゾン(ユバソーブ(UVASORB)HEB)、ビスエトキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブ(Tinosorb)S)など。
【0046】
本発明の化合物との組合せのために好ましい、広帯域またはUV Aスクリーニング剤、すなわち約320〜400nmの吸収極大を有する物質の例は、次の有機および無機化合物である。
−− ジベンゾイルメタン誘導体、例えば4−第三ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(パーソル(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなど;
−− ベンゾトリアゾール誘導体、例えば2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(チノソーブM)など;
−− フェニレン−1,4−ビス−ベンズイミダゾールスルホン酸または塩、例えば2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(ネオヘリオパンAP);
−− 欧州特許公報EP1046391号明細書に記載されているような、アミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン、例えば2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル;
−− 顔料、例えば微粒子化されたZnOまたはTiOなど。「微粒子化された」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径のことをいう。これらの粒子はまた、ほかの金属酸化物、例えば酸化アルミニウムもしくは酸化ジルコニウムによって、または有機コーティング、例えばポリオール、メチコーン、アルミニウムステアレート、アルキルシランによってコーティングされてもよい。かかるコーティングは、当業界において周知である。
【0047】
ジベンゾイルメタン誘導体は、限定された光安定性を有するので、これらのUV−Aスクリーニング剤を光安定化することが望ましいことがある。このようにして、「従来のUV−Aスクリーニング剤」という用語はまた、ジベンゾイルメタン誘導体、例えば次のものによって安定化されたパーソル(登録商標)1789のこともいう:
−− 欧州特許公報EP−A0514491号明細書およびEP−A0780119号明細書に記載されているような3,3−ジフェニルアクリレート誘導体;
−− 米国特許第5,605,680号明細書に記載されているようなベンジリデンカンファー誘導体;
−− 欧州特許公報EP−A0358584号明細書、EP−A0538431号明細書、およびEP−A0709080号明細書に記載されているような、ベンズマロネート基を含有するオルガノシロキサン。
【0048】
本発明の組成物は好ましくは、1つまたはそれ以上の酸化防止剤/防腐剤を含有する。本発明に基づいて、化粧品中に通常配合されているすべての公知の酸化防止剤を用いることができる。特に好ましいものは、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびこれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)および誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよび誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびほかのチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−、およびラウリル−、パルミトイル;オレイル−、y−リノレイル−、コレステリル−、およびグリセリルエステル)およびこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)ならびに非常に低い適合性用量(例えばpモル〜μモル/kg)におけるスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)、これに加えて(金属)−キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、β−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸、没食子抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、およびその誘導体、不飽和脂肪酸およびこれらの誘導体(例えばγ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびこれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、およびアスコルビルテトラ−イソパルミテート、Mg−アスコルビルホスフェート、Na−アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミン−E−アセテート)、天然ビタミンE、ビタミンA、および誘導体(ビタミン−A−パルミテートおよび−アセテート)の混合物、ならびにコニフェリルベンゾアト、ルチン酸および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、尿素およびその誘導体、マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレンおよび誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよび誘導体(例えばスチルベン酸化物、トランススチルベン酸化物)、および挙げられた活性成分の適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、および脂質)からなる群から選択された酸化防止剤である。1つまたはそれ以上の防腐剤/酸化防止剤は、本発明の組成物の総重量の約0.01重量%〜約10重量%の量で存在してもよい。好ましくは、1つまたはそれ以上の防腐剤/酸化防止剤は、約0.1重量%〜約1重量%の量で存在する。
【0049】
典型的には、局所配合物はまた、界面活性成分、例えば乳化剤、可溶化剤なども含有する。乳化剤は、2つまたはそれ以上の不混和性成分が、均質に組み合わされることを可能にする。さらにはこれらの乳化剤は、この組成物を安定化するよう作用する。O/W、W/O、O/W/O、またはW/O/Wエマルジョン/マイクロエマルジョンを形成するために本発明において用いられてもよい乳化剤は、次のものを包含する。すなわち、ソルビタンオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンイソステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセリルエステル、ポリグリセリル−6−ヘキサリシノレート、ポリグリセリル−4−オレエート、ポリグリセリル−4−オレエート/PEG−8プロピレングリコールココエート、オレアミドDEA、TEAミリステート、TEAステアレート、マグネシウムステアレート、ナトリウムステアレート、カリウムラウレート、カリウムリシノレエート、ナトリウムココエート、ナトリウムタローエート、カリウムカストレート、ナトリウムオレエート、およびこれらの混合物である。さらなる適切な乳化剤は、ホスフェートエステルおよびこれらの塩、例えばセチルホスフェート(アンフィソール(Amphisol)(登録商標)A)、ジエタノールアミンセチルホスフェート(アンフィソール(登録商標))、カリウムセチルホスフェート(アンフィソール(登録商標)K)、ナトリウムグリセリルオレエートホスフェート、水素化植物グリセリドホスフェートおよびこれらの混合物である。さらには、1つまたはそれ以上の合成ポリマーが、乳化剤として用いられてもよい。例えばPVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、PEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、およびこれらの混合物である。好ましい乳化剤は、セチルホスフェート(アンフィソール(登録商標)A)、ジエタノールアミンセチルホスフェート(アンフィソール(登録商標))、カリウムセチルホスフェート(アンフィソール(登録商標)K)、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10−30−アルキルアクリレートクロスポリマー、PEG−20ソルビタンイソステアレート、ソルビタンイソステアレート、およびこれらの混合物である。1つまたはそれ以上の乳化剤は、本発明の組成物の総重量の約0.01重量%〜約20重量%の量で存在する。好ましくは約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤が用いられる。
【0050】
これらの局所組成物の脂質相は、有利には次のものから選択することができる:
− 鉱油および無機ワックス;
− 油、例えばカプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリド、好ましくはヒマシ油;
− 油またはワックス、およびほかの天然または合成油、好ましい実施形態において、脂肪酸とアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリンとのエステル、または脂肪アルコールとカルボン酸または脂肪酸とのエステル;
− アルキルベンゾエート;および/または
− シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコーン
およびこれらの混合物。
【0051】
本発明のエマルジョン、マイクロエマルジョン、オレオゲル、ヒドロ分散液、またはリポ分散液の油相中に組み込むことができる脂肪物質の例は、有利には、3〜30炭素原子を有する飽和および/または不飽和、線状または分枝状アルキルカルボン酸、および3〜30炭素原子を有する飽和および/または不飽和、線状および/または分枝状アルコールのエステル、ならびに芳香族カルボン酸、および3〜30炭素原子の飽和および/または不飽和、線状または分枝状アルコールのエステルから選択される。このようなエステルは有利には、オクチルパルミテート、オクチルココエート、オクチルイソステアレート、オクチルドデシルミリステート、セテアリルイソノナノエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレエート、n−ブチルステアレート、n−ヘキシルラウレエート、n−デシルオレエート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−エチルヘキシルラウレート、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、ステアリルヘプタノエート、オレイルオレエート、オレイルエルケート、エルシルオレエート、エルシルエルケート、トリデシルステアレート、トリデシルトリメリテート、ならびにこのようなエステルの合成、半合成、または天然混合物、例えばホホバ油から選択することができる。
【0052】
本発明の局所組成物における使用に適したほかの脂肪成分は、極性油、例えばレシチンおよび脂肪酸トリグリセリド、すなわち8〜24炭素原子、好ましくは12〜18炭素原子を有する飽和および/または不飽和、直鎖または分枝状カルボン酸のトリグリセロールエステルを包含するが、一方で、これらの脂肪酸トリグリセリドは好ましくは、合成、半合成、または天然油(例えばココグリセリド、オリーブ油、ひまわり油、大豆油、ラッカセイ油、菜種油、スイートアーモンド油、ヤシ油、ココナッツ油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、小麦油、ブドウの種油、マカデミアナッツ油、およびその他);無極性油、例えば線状および/または分枝状炭化水素、およびワックス、例えば鉱油、ワセリン(ペトロラタム);パラフィン、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィン、水素化ポリイソブテンおよびイソヘキサデカンであって、有利なポリオレフィンはポリデセンであるもの;ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル;線状または環状シリコーン油、例えば好ましくはシクロメチコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン;セチルジメチコーン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、およびこれらの混合物から選択される。
【0053】
本発明の局所組成物中に有利に組み込むことができるほかの脂肪成分は、イソエイコサン;ネオペンチルグリコールジヘプタノエート;プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート;カプリル/カプリン/ジグリセリルスクシネート;ブチレングリコールカプリラト/カプラト;C12−13−アルキルラクテート;ジ−C12−13アルキルタルトレート;トリイソステアリン;ジペンタエリトリチルヘキサカプリラト/ヘキサカプレート;プロピレングリコールモノイソステアレート;トリカプリリン;ジメチルイソソルビドである。特に有利なのは、C12−15−アルキルベンゾエートと2−エチルヘキシルイソステアレートとの混合物、C12−15−アルキルベンゾエートとイソトリデシルイソノナノエートとの混合物、ならびにC12−15−アルキルベンゾエート、2−エチルヘキシルイソステアレート、およびイソトリデシルイソノナノエートの混合物の使用である。
【0054】
本発明のこれらの組成物の油相はまた、天然植物または動物ワックス、例えば蜜蝋、チャイナワックス、マルハナバチワックス、および昆虫のほかのワックス、ならびにシアバターおよびカカオバターを含有しうる。
【0055】
水和を維持するか、または皮膚を再水和するために、保湿剤が本発明の局所組成物中に組み込まれてもよい。保護コーティングを与えることによって、水が皮膚から蒸発するのを防ぐ保湿剤は、エモリエントと呼ばれる。これに加えて、エモリエントは、皮膚表面に軟化または鎮静効果を与え、一般に、局所使用には安全と考えられている。好ましいエモリエントは、鉱油、ラノリン、ペトロラタム、カプリン/カプリルトリグリセルアルデヒド、コレステロール、シリコーン、例えばジメチコーン、シクロメチコーン、アーモンド油、ホホバ油、アボカド油、ヒマシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ココナッツ油およびブドウの種油、カカオバター、オリーブ油アロエ抽出物、脂肪酸、例えばオレイン酸およびステアリン酸、脂肪アルコール、例えばセチルおよびヘキサデシル(エンジェイ(ENJAY))、ジイソプロピルアジペート、ヒドロキシベンゾエートエステル、C9−15−アルコールの安息香酸エステル、イソノニルイソ−ノナノエート、エーテル、例えばポリオキシプロピレンブチルエーテルおよびポリオキシプロピレンセチルエーテル、およびC12−15−アルキルベンゾエート、およびこれらの混合物を包含する。最も好ましいエモリエントは、ヒドロキシベンゾエートエステル、アロエベラ、C12−15−アルキルベンゾエート、およびこれらの混合物である。エモリエントは、この組成物の総重量の約1重量%〜約20重量%の量で存在する。エモリエントの好ましい量は、約2重量%〜約15重量%、最も好ましくは約4重量%〜約10重量%である。
【0056】
水を結合し、これによって水を皮膚表面に保持する保湿剤は、湿潤剤と呼ばれる。適切な湿潤剤を、本発明の局所組成物中に組み込むことができる。例えば、グリセリン、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素、リン脂質、コラーゲン、エラスチン、セラミド、レシチンソルビトール、PEG−4、およびこれらの混合物である。追加の適切な保湿剤は、水溶性および/または膨潤性および/または水でゲル化する多糖類、例えばヒアルロン酸、キトサン、および/または例えばソラビア(SOLABIA)Sによってフコゲル(Fucogel)(登録商標)1000(CAS番号178463−23−5)として入手しうる、フコースリッチな多糖類の族のポリマー保湿剤である。1つまたはそれ以上の湿潤剤は場合により、本発明の組成物中に約0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%で存在する。
【0057】
本発明の好ましい局所組成物の水相は、通常の化粧品添加剤、例えばアルコール、特に低級アルコール、好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノール、低ジオールまたはポリオールおよびこれらのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル−またはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル−または−モノエチル−または−モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−または−モノエチルエーテルおよび類似物質、ポリマー、発泡安定剤;電解質、および特に1つまたはそれ以上の増粘剤を含有しうる。物質の稠度を適切にするのを補助するために本発明の配合物中に用いられてもよい増粘剤は、カルボマー、二酸化ケイ素、マグネシウムおよび/またはアルミニウムシリケート、蜜蝋、ステアリン酸、ステアリルアルコール多糖類、およびこれらの誘導体、例えばキサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリルアミド、アクリレートクロスポリマー、好ましくはカルボマー、例えば単独の980、981、1382、2984、5984型のカルボポール(carbopole)(登録商標)、またはこれらの混合物を包含する。成分を中和するために本発明の組成物中に含めることができる適切な中和剤、例えば乳化剤またはフォームビルダー/安定剤は、アルカリ水酸化物、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム;有機塩基、例えばジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、アミノメチルプロパノール、およびこれらの混合物;アミノ酸、例えばアルギニンおよびリシンおよびあらゆる前記のもののあらゆる組合せを包含するが、これらに限定されるわけではない。中和剤は、本発明の組成物中に、約0.01重量%〜約8重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%の量で存在しうる。
【0058】
本発明の組成物中への電解質の添加は、疎水性乳化剤の挙動を変更するために必要であることがある。このようにして、本発明のエマルジョン/マイクロエマルジョンは好ましくは、アニオンを含んでいる1つまたはいくつかの塩、例えば非限定的にクロライド、スルフェート、カーボネート、ボレート、およびアルミネートの電解質を含有してもよい。ほかの適切な電解質は、有機アニオンをベースとしてもよく、例えばラクテート、アセテート、ベンゾエート、プロピオネート、タルトレート、およびシトレートであってもよいが、これらに限定されるわけではない。カチオンとして、好ましくはアンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ−またはアルカリ土類金属、マグネシウム−、鉄−、または亜鉛イオンが選択される。特に好ましい塩は、カリウムクロライドおよびナトリウムクロライド、マグネシウムスルフェート、亜鉛スルフェート、およびこれらの混合物である。電解質は、本発明の組成物中に約0.01重量%〜約8重量%の量で存在しうる。
【0059】
本発明の局所組成物は好ましくは、ローション、濃化ローション、ジェル、クリーム、乳液、軟膏、粉末、または固形チューブスティックの形態で提供されてもよく、場合によりエアゾールとして詰められてもよく、ムース、フォーム、またはスプレーの形態で提供されてもよい。本発明による組成物はまた、溶剤または脂肪物質中の懸濁液または分散液の形態、あるいはまたエマルジョンまたはマイクロエマルジョン(特にO/WまたはW/O型、O/W/OまたはW/O/W型)、例えばクリームまたは乳液、小胞分散液の形態、軟膏、ジェル、固形チューブスティック、またはエアゾールムースの形態にあってもよい。これらのエマルジョンはまた、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性界面活性剤を含有してもよい。
【0060】
本発明によれば、これらの組成物を調製するために、活性成分は、そのままでまたはカプセル化形態で、例えばリポソーム形態で用いることができる。リポソームは好ましくは、ステロールまたはフィトステロールの添加をともなって、またはともなわずにレシチンとともに形成される。これらの活性成分のカプセル化は、単独であってもよく、ほかの活性成分と一緒であってもよい。
【0061】
本発明の組成物、特に本発明の局所組成物において、上記のようなタンパク質水解物は、この組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.0001重量%〜約50重量%の量で含有される。より好ましくはこれらのタンパク質水解物は、この組成物の総量を基準にして、約0.01重量%〜約20重量%の量で、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の量で、特に約0.1〜3重量%の量で、さらに好ましくは0.3〜1%の量でこれらの組成物中に含有される。より強力な効果、または最大限の効果をもたらす、特定の強化された化粧品には、0.2〜5重量%を用いることが好ましく、特に1〜2重量%を用いることが特に好ましい。すべてのパーセント値は、乾燥物質タンパク質水解物を基準にしている。
【0062】
本発明の(好ましくは局所)組成物が、さらなる活性成分を含有する場合、このさらなる活性成分は、この組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.0001重量%〜約50重量%の量で含有される。より好ましくはこのさらなる活性成分は、この組成物の総量を基準にして、約0.01重量%〜約20重量%の量で、より好ましくは約0.01重量%〜約1重量%の量で、特に約0.1wtの量でこの組成物中に含有される。
【0063】
この局所調製物の種類およびこれらの局所調製物の調製に関して、ならびにさらなる適切な添加剤について、関連文献、例えばノバック(Novak)G.A.、「化粧品調製物」−第2巻、化粧品調製物−調剤、原料、学術的基礎(Die kosmetischen Praeparate−Band 2,Die kosmetischen Praeparate−Rezeptur,Rohstoffe,wissenschaftliche Grundlagen(化学工業出版社(Verlag fuer Chem.Industrie)H.チオルコウスキー(Ziolkowski)KG、アウグルブルク)を参照することができる。
【0064】
タンパク質水解物成分、ならびにこれが用いられている化粧品配合物についての有害なアレルギー反応を引起こす可能性の低下または不存在は、分析キットを用いて測定することができる。一般にこれらのキットは、食品中で有害反応を引起こすことが知られている、あるいくつかのペプチドまたはタンパク質断片を検出するように設計されている。これらは、例えば英国フリントシャーのテプネル・バイオシステムズ社から商業的に入手しうる。
【実施例】
【0065】
次の実施例において、国際公開第02/45523号パンフレットの実施例1に記載されているような方法によって、必要であれば、適切な基質を用いて、および国際公開第02/45523号パンフレットに開示され、かつ当業者に公知であるような基質にこのプロセス条件を適応させて得られたタンパク質水解物が用いられる。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

【0070】
【表5】

【0071】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質水解物および化粧品として許容しうる賦形剤を含んでいる化粧品組成物であって、前記タンパク質水解物が、末端プロリンを有するペプチドの高含量を有する化粧品組成物。
【請求項2】
前記タンパク質水解物は、カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率(%)が、この水解物を発生させるために用いられるタンパク質基質中のプロリンのモル分率(%)の2倍超であるペプチドを含んでいるタンパク質水解物である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率(%)が、この水解物を発生させるために用いられるタンパク質基質中のプロリンのモル分率(%)の少なくとも3倍である、請求項2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記タンパク質水解物中のペプチドの平均ペプチド長さは、3〜9アミノ酸である、請求項2または3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記タンパク質基質の少なくとも10%は、加水分解され、好ましくは前記タンパク質基質の20〜90%が加水分解される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記タンパク質水解物は、
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも8%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる乳清水解物、および/または
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは70%未満であるペプチドを含んでいるカゼイン水解物、および/または
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは30〜70%であるペプチドを含んでいる大豆水解物、および/または
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、有利には70%未満であるペプチドを含んでいるグルテン水解物、および/または
− カルボキシ末端プロリンを有するペプチドのモル分率が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、有利には70%未満であるペプチドを含んでいる大麦水解物
である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記タンパク質水解物は、トリペプチドに富み、前記トリペプチドは、前記ペプチドの一端においてプロリンに富む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記タンパク質水解物において200〜2,000ダルトンの分子量を有するペプチドの少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも25モル%、より好ましくは少なくとも30モル%が、トリペプチドとして存在する、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
出発タンパク質中に存在するプロリンの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%が、トリペプチド中に存在する、請求項7または8に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記トリペプチドの少なくとも30%、または好ましくは前記トリペプチドの少なくとも35%は、カルボキシ末端プロリンを有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
前記タンパク質水解物中に存在する前記ペプチドの少なくとも70モル%、好ましくは前記ペプチドの少なくとも75モル%は、2〜7アミノ酸残基(ジペプチド〜ヘプタペプチド)を含有する、請求項7〜10のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
局所組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
前記組成物の重量を基準にして、0.01〜50重量%の濃度で前記タンパク質水解物を含有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
前記タンパク質水解物が、前記組成物の重量を基準にして、0.01〜5重量%の濃度で存在する、請求項13に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
前記タンパク質水解物が、前記組成物の重量を基準にして、0.1〜1重量%の濃度で存在する、請求項14に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
前記タンパク質水解物が、前記組成物の重量を基準にして、0.3〜2重量%の濃度で存在する、請求項14に記載の化粧品組成物。
【請求項17】
皮膚洗浄組成物、ヘアケア組成物、日焼け止め組成物、アンチエイジング組成物、またはネイルケア組成物である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項18】
化粧品効果を与えるための組成物の調製のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質水解物の使用。
【請求項19】
前記化粧品効果が、皮膚および毛髪の美化、皺または乾燥肌または敏感肌、または健康な皮膚の生理的ホメオスタシスの負の進行によって引起こされたあらゆる症状の治療または予防、皮膚または毛髪の保湿、表皮の肥厚化、にきび防止、皮膚細胞の老化の阻止、光損傷の防止または治療、酸化性ストレス現象の防止または治療、セルライトの防止または治療、色素沈着障害および/またはさらに皮膚の色合いの防止または治療、セラミドおよび脂質合成の障害の防止および治療、過剰な皮脂生産の防止、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼおよびほかのプロテアーゼの活性の低減、アトピー性湿疹、多形日光疹、乾癬、尋常性白斑を包含する炎症性の皮膚症状の治療および防止、痒いかまたはヒリヒリする皮膚の防止および治療、爪または皮膚洗浄効果の強化および/または保護、傷んだ髪の修復、毛髪の強化、毛髪表面の平滑化、または適合性の改善である、請求項18に記載の使用。

【公表番号】特表2008−504319(P2008−504319A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518495(P2007−518495)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006556
【国際公開番号】WO2006/000350
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】