説明

タンパク質結合トリプトファンを含有する植物からの粉末による性的欲求及び機能の増大

好ましくは起源植物より高いトリプトファン源を有する、タンパク質結合トリプトファンを含有する起源植物からの、好ましくは少なくとも部分的に脱脂された粉末と、生理学的に許容される稀釈剤又は担体とからなる、哺乳動物の性的欲求及び機能を増大させるための組成物。この組成物は炭水化物を含有していることが好ましい。本発明は上記組成物を有する哺乳動物の性的欲求及び機能を増大させる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然産のトリプトファン、特に、植物からのタンパク質結合トリプトファンを含有する組成物、該組成物の製造方法、該組成物の物理的配合物(physical formulation)及び哺乳動物の性的欲求及び機能の増大させるためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
トリプトファンは多数の天然産植物タンパク質中で見出される必須アミノ酸であり、不眠症の治療並びに多くの精神病の治療における補助薬を包含する多数の興味のある医薬的特性を有する。吸収された後、トリプトファンは、約80%は血漿アルブミンと結合し、残りの20%は遊離のトリプトファンとして血液中を循環し、そして、適当な条件下では、トリプトファンは脳に搬送される。血液脳関門(BBB)を通過すると、トリプトファンはセロトニン、即ち、気分及び睡眠の調節に関連するとされる神経伝達物質への代謝に利用され得るようになる(Boman,1988)。ついで、セロトニンはメラトニン;松果腺、即ち、ヒトの24時間の概日リズム(circadian rhythm)を調節する脳の視床上部中の小さな円錐形状構造体中で見出される睡眠関連ホルモンに代謝される。トリプトファンそれ自体を十分な量で摂取することにより睡眠潜伏期(sleep latency)、即ち、“消灯”(“light out”)から睡眠までの時間が減少し、かつ、睡眠の構造(sleep architecture)が改善されることにより、睡眠の全体的な質が改善される(Boman,1988)。トリプトファンのセロトニンへの代謝も不安症(anxiety disorder)、うつ病、脅迫反応(obsessive compulsive)、ある種の疼痛(pain disorder)、アグレッシション及び食疾患(eating disorder)のごときセロトニン水準が低下した状態で十分に作用する。
【0003】
トリプトファンの睡眠薬効果はよく研究されており、約1000mgにプラトーを有する明らかに平坦な投与量応答曲線が示されている(調査する場合、Schneider-Helmut and
Spinweber,1986参照)。単独で投与した場合、軽度の不眠症に罹病している人又は平均値より長い睡眠潜伏期を有することが報告されている人の睡眠を改善するのに、トリプトファンは250mgという少量で十分である(Hartmann and Spinweber,1976;Hartmann 1982)。
【0004】
1000mgを投与した場合にはより明確な結果を得られるが(Schneider-Helmut and
Spinweber,1986)、より高い投与量(2,000〜12,000mg)で投与した場合、それ以上の利益は少ししか得られず、実際に、最大投与量(12,000mg)では、睡眠潜伏期が減少するにも拘わらず、睡眠構造の中断を伴なう(Griffiths et al,1972)。
【0005】
上記した医薬的条件はPCT出願公開 WO 01/89319号(2001年11月29日公開、出願人
Hudson,Susan P and Hudson,Craig J)に記載されている。上記 WO 01/89319号には、タンパク質結合トリプトファン(protein-bound tryptophan)を含有する起源植物(plant
source)、好ましくはスクアッシュ(カボチャ)種子(squash seed)からの、少なくとも部分的に脱脂された(defatted)粉末(meal)と、場合により、生体内で生じたトリプトファンの血液脳関門を横断しての輸送を促進する量で提供される炭水化物源(carbohydrate
source)とからなる組成物が記載されている。上記特許出願の発明の組成物を含有する食物補充剤(dietary supplement)、食品及び飲料であって、睡眠を誘発し、不安症、うつ病、脅迫反応、攻撃性慢性疼痛(aggression chronic pain)及び食疾患(eating disorder)に使用するための、又は、トリプトファンを必要とする個体にトリプトファンを補充するための組成物も記載されている。
【0006】
脳のセロトニン水準を増大させる医薬によりリビドーが減少しかつ全体的な性的機能が低下することは一般的に認められている(Bradford 2001)。リビドーの低下を伴なう医薬としては抗うつ薬、特に、選択的セロトニン再吸収抑制剤(SSRI)並びにセロトニン先駆体、トリプトファンが挙げられる(Young 1986)。
【0007】
トリプトファンを実質的な投与量、即ち、一日当り6g以上摂取した人において性的欲求及び機能が増大したということは従来、稀にしか報告されていない。
【0008】
更に、従来の報告によれば、トリプトファンを摂取しているのに性的欲求及び機能が増大したと報告されている実質的に全ての人は随伴医薬も服用している。トリプトファンだけを単独医薬(orphan medication)として比較的低い投与量で服用した場合に性的欲求及び機能が増大したということは報告されていない。
【0009】
更に、性的欲求及び機能を増大させることについてのトリプトファン結合タンパク質の効果についても報告されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者は、驚くべきことに、前記 WO 01/89319号で定義されているごとき少なくとも部分的に脱脂された粉末組成物が哺乳動物における性的欲求及び機能を増大させることを知見した。
【0011】
本発明者は、驚くべきことに、タンパク質結合トリプトファンに富む高タンパク質食品組成物を摂取した、選択的睡眠試験におけるヒト検体において性的欲求及び機能が増大することを発見した。これらの結果は、摂取したトリプトファン結合タンパク質から計算して、前記従来技術に記載される量(>6g/日)と比較して、トリプトファン自体を非常に少ない量(<250mg)で投与した研究からの結果である。
【0012】
従って、本発明の目的は哺乳動物における性的欲求及び機能を増大させるために使用される植物起源のトリプトファンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明の一つの要旨によれば、タンパク質結合トリプトファンを含有する起源植物からの粉末(meal)と、該粉末用の生理学的に許容される稀釈剤又は担体とからなる、哺乳動物の性的欲求及び機能を増大させるための組成物が提供される。
【0014】
粉末は部分的に脱脂されていることが最も好ましい。
【0015】
トリプトファンに富む起源タンパク質のタンパク質結合トリプトファン含有量を増大させることにより前記 WO 01/89319号によって開発された、天然産のトリプトファンに富む組成物が哺乳動物の性的欲求及び機能を増大させることが見出された。上記発明で使用される組成物はタンパク質結合トリプトファンを元来含有する起源植物、好ましくはバターナットスカッシュ種子(butternut squash seed)、コショウスカッシュ(peppercorn
squash)種子及びカボチャ種子(pumpkin seed)のごときスカッシュ種子(squash seed)を含有している。起源植物はタンパク質結合トリプトファン含有量を増大させるために、少なくとも部分的に脱脂されていることが好ましい。組成物は、グルコースのごとき炭水化物源を、血液脳関門を横断してのトリプトファンの吸収を増大させかつ中枢神経系(CNS)へのBBB輸送部位(transport site)についての競合(competition)を阻止するのに十分な量で更に含有していることが好ましい。組成物は、場合により、生理学的に許容されるビヒクル、香料、着色剤及びビタミン、好ましくはビタミンB3及び/又はビタミンB6のごとき他の栄養素を更に含有し得る。
【0016】
好ましい態様においては、組成物は少なくとも部分的に脱脂されたスカッシュ種子、特に、バターナットスカッシュ、カボチャ及びコショウスカッシュ種子、グルコース及びビタミンB3及びB6を含有している。
【0017】
本発明は、更に、例えば錠剤、粉末、懸濁液、液体、カプセル又はゲルの形の食物補充剤(dietary supplement);食品、例えばダイエッタリーバー、クッキー、焼き食品(bakedgood)、スナック食品、 キャンディ、キャンディバー、飲料及び本発明の組成物を含有する同様の可食食品に関する。
【0018】
前記 WO 01/89319号には、二次微分分光分析法(second derivative spectroscopy)を使用すること、ある種の起源植物、特に、植物種子は比較的高い水準のタンパク質結合トリプトファンを含有していること及びこれらの材料は生体内でトリプトファンを提供するのに使用し得ることが記載されている。既知の天然産原料よりトリプトファンに富む天然産タンパク質源として、高い水準のタンパク質結合トリプトファンを含有する可食性組成物を製造する方法が開発された。グラミン(gramine)を使用する植物は典型的に高い水準のトリプトファンを含有しており、起源植物として使用し得る。しかしながら、原料植物材料がタンパク質と結合した形で、トリプトファンを少なくとも200mg/100g、即ち、少なくとも0.2%含有していることが望ましい(必ずしも必要ではない)。トリプトファン濃度は例えば高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、二次微分分光分析法又は任意の他の既知の方法を包含する既知の方法を使用して測定し得る。二次微分分光分析法はバックグランド吸収を排除するので、トリプトファン濃度を定量的に分析するのに好ましい方法である。
【0019】
本発明の一つの態様によれば、起源植物材料中に存在するタンパク質結合トリプトファンの水準は、植物材料から油を抽出して該材料を部分的に脱脂する一連の工程を使用することにより増大させる。起源植物は、例えば、バターナットスカッシュ種子、コショウスカッシュ種子、カボチャ種子、ヒラマメ種子、ヒマワリ種子、アマ種子、スイカ種子、シシムブリウム種子、綿種子、ゴマ種子、カノラ種子、マツヨイグサ種子、オオムギ、サフラワー種子、アルファルファ種子、ダイズ及びこれらの組合せであるがこれらに限定されるものではない。種子はバターナットスカッシュ種であることが好ましいが、その理由はこの種子は他のタイプの種子と比較して、全タンパク質に対して最も高い比率のトリプトファンを含有していると考えられるからである。起源植物はアルファルファ、海藻又はケルプのごとき植物の生長部分であり得る。起源植物を部分的に脱脂してタンパク質結合トリプトファンの水準を増大させることが好ましいが、脱脂は本発明を実施するのに必須ではない。
【0020】
前記 WO 01/89319号には、起源植物中のタンパク質結合トリプトファンの天然産原料を同定し;起源植物を該植物中に含まれる油を放出させるのに十分な条件下で圧縮し;ついで、起源植物中に含まれる油の少なくとも一部を除去して、出発原料中に含まれるより高いトリプトファン供給源を有する、部分的に脱脂された起源植物を得ることからなる、富化された天然産トリプトファンの製造方法が記載されている。
【0021】
種子の場合、加工の前に胚乳を露出させるために、種子の外皮、即ち殻を除去することは必要ではない。一つの態様においては、種子を、最初、一連の平坦なローラーにより加工して、フレーキングとして知られる工程で薄いフレークを製造することが好ましい。この工程により油の細胞が少なくとも一部破壊されて、更に加工するための種子の表面積が増大する。
【0022】
ついで、フレーク化された種子をクッキング又はコンディショニングとして知られる工程で熱処理することにより油の細胞を更に破壊し、その後の脱脂のために、油の粘度を増大させる。コンディショニング工程は、例えばマイクロ波又はオーブンを使用して或いは間接スチームにより行い得る。コンディショニング工程の温度は油の細胞を破壊し、油の粘度を増大させるのに十分であるが、植物原料中に含まれるタンパク質を破壊することのない温度であるべきである。この温度は約40℃〜約50℃であることが好ましい。コンディショニング工程は目的の温度に到達するのに十分な時間行われる。
【0023】
ついで、冷却する前に、加熱した種子フレークを機械的に加圧して、該フレーク中に含まれる油の少なくとも一部を除去する。例えばグスタ ラブ プレス(Gusta Lab Press)のごとき任意の機械的プレス又はエキセプラーを使用し得る。脱脂の程度は、一部、実施されるフレーキング及びクッキング工程、温度及び油の粘度及び種子に加えられる圧力に
依存する。典型的には、油の約2/3〜約3/4が除去されることが好ましい。
【0024】
ついで、加圧した植物材料を最終用途に応じて更に加圧し得る。例えば、植物材料をディスクミル、ハンマーミル又はピンミルのごとき任意の慣用の装置を使用して粉砕し得る。粉砕機のタイプは、一部、所望の製品のコンシステンシーに応じて選択される。例えば、ピンミルは小麦粉状のコンシステンシーを有する製品を生じ、ディスクミル又はハンマーミルは顆粒状のコンシステンシーを有する製品を生じる。
【0025】
上記した方法により、元の起源植物より大きいトリプトファン含有量を有する天然産タンパク質結合トリプトファンが得られる。この材料は少なくとも0.2重量%のトリプトファンを提供することが好ましい。得られた、少なくとも部分的に脱脂された種子粉末は性的欲求及び機能を増大させるための組成物中に配合し得る。
【0026】
部分的に脱脂された粉末の他に、本発明の実施に使用する組成物は、好ましくはグルコースの形の、高いグリセミック指数(glycemic index)を有する炭水化物源を更に含有している;グルコースに分解されるスクロース及び他の糖も使用し得る。理論に拘束されるものではないが、炭水化物源は血液脳関門を横断してのトリプトファンそれ自体の吸収を促進し、セロトニンへの代謝に利用し得るものにせしめられると考えられる。ヒトの場合、
CNSの感受性を保護するために、脳の機能を人体の残部から独立した環境で作動させる障壁(barrier)が存在する。この障壁は脳への拡散を制限する血液−脳界面の脳内皮細胞間の無数の緊密な連結(junction)の結果である(Saunders et al,1991)。緊密な連結によって提供される拡散についての重畳回路(superimposed)は、電解質、グルコース、ビタミン及びアミノ酸を包含する広範囲の分子について脳の内部環境を制御する、脳への及び脳からの一連の輸送機構である。トリプトファンについての輸送機構は他の大きな中性アミノ酸(LNAA)によっても同様に利用される(Lajtha,1974;Betz and Goldstein,1978)。多くの高タンパク質粉末(high protein meal)が十分なトリプトファンを含有しているにも拘わらず、睡眠効果を誘発しない理由は、これらの輸送部位についての競合(competition)にあると考えられる(Moller,1983)。これと反対に、同一の研究において、比較的少ない量のトリプトファンを含有する高炭水化物粉末は温和な睡眠効果を誘発した。この明らかな矛盾は、比較的高いインスリン血清水準の時点での競合LNAAの肝臓及び筋肉への分流
(shunting)によって説明し得る(Fernstrom and Wurtman,1971)。トリプトファンはこの方法では分流(shunt)されず、その結果、遊離のトリプトファンはBBBを横断する輸送部位についてインスリンに誘発された競合的利益を提供される。
【0027】
炭水化物源は組成物を消費している個体の血液インスリン水準の増大を誘発するのに十分な量で存在させることが好ましい。トリプトファン/LNAA比はインスリン水準の増大と共に増大する。15マイクロユニット(microunit)/mlから60マイクロユニット/mlに増大させると、トリプトファン/LNAA比は約35%増大する。この増加の水準は十分なものであるが、より小さい増加も有益である。組成物中に存在させるグルコースの量は約25g〜約
150gであるが、75gが最も好ましい。トリプトファンの量は一定であるが、炭水化物の増大により、トリプトファン/LNAA比は増大するであろう。他の炭水化物源はマルトース、スクロース等を包含し得るが、フルクトースはグリセミック指数が低いため、フルクトースでないことが好ましい。肥満している或いはII型糖尿病を有する個体については、グルコースに対するインスリンの応答が異常であるため、より高い量、例えば100gの炭水化物を必要とし得る。
【0028】
約80%のトリプトファンは生体内の血液中の結合しているタンパク質であるため、脳に進入するために他のLNAAと実際に競合する遊離のトリプトファンの貯蔵量は極めて少量である。従って、通常の条件下では、摂取される植物タンパク質結合トリプトファンは代謝され、その結果、“アルブミンレザーバー”中に迅速に貯蔵され、生理学的量を超える
(super-physiological)量で投与されない限り、CANトリプトファンの利用性に少ししか影響を与えることがない。しかしながら、インスリン水準が増大したときにトリプトファンが利用し得るものになる場合には、遊離の脂肪酸が“アルブミンレザーバー”と競合し、存在するタンパク質結合トリプトファンを遊離のトリプトファンに転換し、新たに摂取されたトリプトファンの結合(incorporation)を阻止する。かくして、競合するLNAAの血清水準は減少するが、トリプトファンの2つの別個の供給源、即ち、存在するタンパク質結合トリプトファンと新たに摂取されたトリプトファンにより遊離のトリプトファンが増大する。従って、植物原料又は種子中に存在する脂肪酸の一部を保存するためには、少なくとも若干の残留油分を含有する製品を提供することが望ましい。スクァシュ種子については、約20%の残留油が種子粉末中に残留していることが最適である。他の種子については、脂肪酸のバランスを最適なものにするためには、部分的に脱脂された製品に他の脂肪酸を添加することが好ましい。水素化油又はカノラ油、ヒマワリ油、サフラワー油、パーム核油(kernel oil)、トウモロコシ油叉はミルク固体(milk solid)のごとき他の油をこの目的に使用し得る。
【0029】
好ましい態様においては、本発明の実施に使用される組成物は少なくとも部分的に脱脂されたスカッシュ種子、特に、バターナットスカッシュ種子、カボチャ種子、コショウ種子及びこれらの組合せ、該組成物を消費する個体における脳血液関門を経ての、スカッシュ種子から提供されるトリプトファンの吸収を促進する量のグルコース及びトリプトファンの吸収を促進する量のビタミンB3及びB6を含有している。
【0030】
他の態様においては、上記組成物は、少なくとも部分的に脱脂されたバターナットスカッシュ種子粉末を、約250mg〜約1000mgのトリプトファンを提供するのに十分な量、例えば約50g〜約100g及び約25g〜約200gのグルコースを含有している。油含有量を約75%まで減少させるために加圧した脱脂バターナットスカッシュ種子粉末を約25g〜約50g及びグルコースを約75g〜約100gの量で含有する組成物が特に好ましい。該組成物は、場合により、ビタミンB3及び/又はビタミンB6を含有している。ビタミンB3は約5mg〜約50mgの量で存在させることができ、ビタミンB6は約0.5mg〜約50mgの量で存在させることができるが、ビタミンB3及びビタミンB6の各々を50mg存在させることが好ましい。
【0031】
本発明の組成物及び食物補充剤は、毎日、経口投与するためのものである。該組成物は、意図する用途について、就寝前の単一投与剤として製剤されることが好ましい。別法として、該組成物は所望に応じて、多かれ少なかれ頻繁に投与するための多数部分
(multiple portions)として製剤し得る。嚥下の容易性の増大、生体吸収性の向上叉は睡眠前又は任意、所望の時点での利用という理由から、所与の投与薬剤を2個、3個又はそれ以上の錠剤又はカプセル等に分割し得る。一日投与量を1個の錠剤として、又は、同時に服用する2個の錠剤として投与し得る。上記したごとき各々の成分について推奨されている量は本発明の補充剤を製剤するための指針として与えられているものである。単位投与当りの各成分の実際の量は、この成分を必要とする個体に投与される単位の数に依存するであろう。これは製品の設計の問題であり、食物補充剤を製剤する人の技術の範囲内である。
【0032】
本発明で使用される組成物は、前記したごとき任意の生理学的に許容される形のビタミン、無機質及び他の栄養(これらの塩を含む)を使用して製剤し得る。該組成物は、例えば水、乳、ジュース、デンプン、植物油、塩溶液、ヒドロキシルメチルセルロース、炭水化物のごとき生理学的に許容される担体を場合により含有するカプセル、錠剤、粉末、懸濁液、ゲル又は液体に製剤し得る。この組成物は、例えば、乳、ジュース、水又は消費性
ゲルのごとき消費性液体と混合するための粉末又は食用液体又は食品中に混合するためのシロップとして製剤し得る。本発明で使用される組成物を他の食品又は液体と混合して、例えば、シングルサービングバー(single servings bar)のごときプレメジャードサップルメントフード(premeasured supplement food)を提供し得る。
【0033】
上記組成物は焼成食品、例えば、クッキー、ブロウニー、ファッジ、ケーキ、パン、ビスケット、クラッカー、プディング、糖菓、即ちキャンディ、スナック食品、例えばプレツッエル、チップス、食事飲料(dietary beverage)、アイスクリーム、凍結糖菓及びノベルティ(novelties)、又は、バーのごとき非焼成、押出し食品のごとき種々の形に製造し得る。好ましい形は非焼成、押し出し栄養バーである。
【0034】
本発明の組成物は他のビタミン、無機質、酸化防止剤、繊維及び食事補充剤の1種又はその組合せのごとき他の成分も含有し得る。これらの成分の1種又は多数の選択は、製剤の形状、消費者及び最終用途の機能によって決定される。本発明の組成物に添加されるこれらの成分の量は当業者に容易に知られ得るものであり、かかる量についての指針は成人についてのU.S.RDAドースによって提供され得る。添加し得るビタミン及び無機質としては、第三リン酸又は酢酸カルシウム;第二リン酸カリウム;硫酸又は酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化又は酢酸カリウム;アスコルビン酸;オルソリン酸第二鉄;ニコチン酸アミド;硫酸又は酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベーター−カロチン;ピリドキシン塩酸塩;チアミンモノ硝酸塩;葉酸;ビオチン;塩化クロム又はピコリネート;沃化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亞セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンE;ビタミンB6及びその塩酸塩;ビタミンC;イノシトール;ビタミンB12;沃化カリウムが挙げられる。
【0035】
香料、着色剤、スパイス、ナッツ等も製品中に配合し得る。香料は風味抽出物
(flavored extract)、精油、チョコレート香料、ビーナッツバター香料、クッキーくず、軽焼き米(crisp rice)、バニラ又は他の商業的に入手し得る香料の形であり得る。有用な香料の例としては、例えば、純アニス抽出物、模造(imitation)バナナ抽出物、模造サクランボ抽出物、チョコレート抽出物、純レモン抽出物、純オレンジ抽出物、純ハッカ抽出物、模造パイナップル抽出物、模造ラム抽出物、模造ストローベリー抽出物、純バニラ抽出物;又は、バルム(balm)油、月桂樹油、ベルガモット油、ヒマラヤスギ油、サクランボ油、クルミノキ油、シナモン油、クローブ(clove)油又はハッカ油のごとき精油;ビーナッツバター、チョコレート香料、バニラクッキーくず、バタースコッチ又はトッフィーが挙げられる。好ましい態様においては、食物補充剤は非カフェイン化(non-caffeinated)ココア又はチョコレート又はイナゴマメ(carob)のごときチョコレート代替物を含有している。食品組成物は、更に、例えばヨーグルト被覆を使用して被覆し得る。
【0036】
最終製品の安定化のために乳化剤を添加し得る。適当な乳化剤の例としてはレシチン
(例えばタマゴ又はダイズからのもの)及び/又はモノ-及び/又はジ-グリセリドが挙げられる。他の乳化剤は当業者には明らかであり、適当な乳化剤の選択は一部、配合及び最終製品に依存する。
【0037】
製品の保存寿命を延長するために防腐剤を添加し得る。ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム又はカルシウム 二ナトリウム
EDTAを使用することが好ましい。
【0038】
前記した炭水化物の他に、組成物は人工甘味料、例えばサッカライド、シクラメート、アスパルタミン、アスパルテーム、アセスルフェームK、及び/又はソルビトールを含有し得る。かかる人工甘味料は、食物補充剤が体重超過又は肥満の個体又は高血糖になり易いII型糖尿病を有する個体用の場合に望ましいものであり得る。
【0039】
かかる食品バーを製造するためには、液状成分を加熱する;乾燥成分を液状成分と共にミキサーに添加し、ドウ相が形成されるまで混合する;ドウを押出機に装入する;押出されたドウを適当な長さに切断する;ついで、製品を冷却する。他の食品又は飲料を製造するためには、本発明の実施に使用される組成物を構成する成分を慣用の製剤に添加するか又はこれらの成分を慣用の成分と置換し得る。食品製造における当業者であれば、本発明の目的を想定して適当な食品/又は飲料を設計し得るであろう。
【0040】
トリプトファンの補充については潜在的な副作用が存在することが注目される。トリプトファンは低い投与量では副作用が少ないが、投与量が高い場合或いはある種の抗うつ剤と併用した場合、困難性が生じることが報告されている。モノアミンオキシダーゼ抑制剤(MAOI)と併用した場合には、トリプトファンがせん妄及び神経学的機能障害の危険をもたらす(Thomas and Rubin,1984)。より高い投与量(12g/日以上)では、最も頻繁な訴えは昼間鎮静(daytime sedation)と吐き気である(Hartman,1977)。動物モデルにおいては理論的危険性が少し例示されているが、ヒトでは示されていない。1-トリプトファンを大量に投与した場合、動物において脂肪形成が生じている(Fears and Murrell,1980)が、この効果はヒトでは認められていない(Sourkes,1983)。同様に、トリプトファンの代謝物、キサンツレン酸が糖尿病の発生をもたらすという理論的危険性が存在する(Kotake and
Murakami,1971)。従って、本発明の目的は,これらの潜在的な副作用を回避するために、個体に投与されるタンパク質結合トリプトファンの一日の量を、トリプトファン活性成分(a.i.)として一日当り、約12g以下の水準に制限することにある。本発明の別の要旨によれば、前記したごとき組成物と該組成物用の生理学的に許容される担体とを混合することからなる、ヒトにおける性的欲求と機能を増大させる場合に使用される医薬組成物の製造方法が提供される。
【0041】
本発明の別の要旨によれば、哺乳動物に前記で定義したごとき組成物を有効な量で投与することからなる、哺乳動物における性的欲求と機能を増大させる方法が提供される。
【0042】
実施例
本発明の実施に使用される組成物を得る方法は WO 01/89319号に記載されている方法と同一である。
【0043】
本発明に従って使用するための、下記の組成を有するフードバー(50g)をWO 01/89319号に記載の方法に従って製造した。
【0044】
26.3gの脱脂スクァシュ種子
17.2gのグルコース(“グルコース43”)
5.0gのカラメル(New World Flavours)
1.5gの乾燥リンゴ片
20.0mgのビタミンB3
20.0mgのビタミンB6
患者の報告
3名のヒト検体により性的欲求/機能が増大したことが自発的に報告され、リビドーの変化について研究者による直接的な審問は行わなかった。各検体は夕方、就寝する約1時間前に自分のフードバーを摂取した。2名の検体から持続的な性的欲求が増大したことが報告され、他の検体からは性的欲求が増大し、しかも、性的経験の質が増大したことが報告された。
【0045】
本明細書には本発明の好ましい態様が記載され、例示されているが、本発明はこれらの特定の態様に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、本発明は特定の態様の機能的又は機構的均等物である全ての態様及び本明細書に記載され、例示されている特徴を包含している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質結合トリプトファンを含有する起源植物からの粉末と、該粉末用の生理学的に許容される稀釈剤又は担体とからなる組成物を哺乳動物に投与することからなる、哺乳動物の性的欲求及び機能を増大させる方法。
【請求項2】
上記粉末は少なくとも部分的に脱脂されておりかつ上記起源植物より高いトリプトファン源を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
高いグリセミック指数を有する炭水化物源を更に含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
高いグリセミック指数を有する炭水化物源を更に含有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
起源植物は種子である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
起源植物は種子である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記種子は、バターナットスカッシュ種子、コショウスカッシュ種子、カボチャ種子、ヒラマメ種子、ヒマワリ種子、アマ種子、スイカ種子、シシムブリウム種子、綿種子、ゴマ種子、カノラ種子、マツヨイグサ種子、サフラワー種子、アルファルファ種子、オオムギ、ダイズ及びこれらの組合せから選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記種子は、バターナットスカッシュ種子、コショウスカッシュ種子、カボチャ種子、ヒラマメ種子、ヒマワリ種子、アマ種子、スイカ種子、シシムブリウム種子、綿種子、ゴマ種子、カノラ種子、マツヨイグサ種子、サフラワー種子、アルファルファ種子、オオムギ、ダイズ及びこれらの組合せから選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
起源植物は、海藻、ケルプ及びアルファルファ種子から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
起源植物は、海藻、ケルプ及びアルファルファ種子から選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
炭水化物源はグルコース、マルトース、スクロース及びこれらの組合せから選ばれる、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
炭水化物源はグルコース、マルトース、スクロース及びこれらの組合せから選ばれる、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物はビタミンB3、B6及びこれらの組合せからなる群から選ばれたビタミンを、血液/脳関門を横断するトリプトファンの吸収を増大させるのに十分な量で更に含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物はビタミンB3、B6及びこれらの組合せからなる群から選ばれたビタミンを、血液/脳関門を横断するトリプトファンの吸収を増大させるのに十分な量で更に含有する、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物は錠剤、粉末、懸濁液、液体、カプセル又はゲルの形である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物は錠剤、粉末、懸濁液、液体、カプセル又はゲルの形である、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物は食物補充剤の形である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物は食物補充剤の形である、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記食物補充剤は棒状である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記食事補助剤は棒状である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物は、少なくとも部分的に脱脂されたタンパク質結合トリプトファンを含有するバターナットスカッシュ種子粉末を、トリプトファンの量が約25mg〜約1000mgになる量で含有し、更に、約25mg〜約200mgのグルコース及び生理学的に許容される稀釈剤又は担体を含有している、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物は、少なくとも部分的に脱脂されたタンパク質結合トリプトファンを含有するバターナットスカッシュ種子粉末を、トリプトファンの量が約25mg〜約1000mgになる量で含有し、更に、約25mg〜約200mgのグルコース及び生理学的に許容される稀釈剤又は担体を含有している、請求項3に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物は、少なくとも部分的に脱脂されたタンパク質結合トリプトファンを含有するバターナットスカッシュ種子粉末を、約25mg〜約50mgのトリプトファンを提供する量で含有し、更に、約75mg〜約100mgのグルコース及び生理学的に許容される稀釈剤又は担体を含有している、請求項2に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物は、少なくとも部分的に脱脂されたタンパク質結合トリプトファンを含有するバターナットスカッシュ種子粉末を、約25mg〜約50mgのトリプトファンを提供する量で含有し、更に、約75mg〜約100mgのグルコース及び生理学的に許容される稀釈剤又は担体を含有している、請求項3に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物は、約5mg〜50mgのビタミンB3、約0.5mg〜約50mgのB6及びこれらの組合せを更に含有している、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物は、約5mg〜50mgのビタミンB3、約0.5mg〜約50mgのB6及びこれらの組合せを更に含有している、請求項2に記載の方法。


【公表番号】特表2006−505592(P2006−505592A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547305(P2004−547305)
【出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001627
【国際公開番号】WO2004/039384
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(505157876)
【出願人】(505157887)
【Fターム(参考)】