説明

ターゲット識別システム

【課題】簡易な構成でありながら正確にターゲットである例えば人の移動軌跡を追跡するなどのターゲット識別をすることができるターゲット識別システムを提供すること。
【解決手段】送信アンテナTAの各素子アンテナから、互いに直交する信号を送信し、ターゲットで反射して帰ってくる信号を受信アンテナRAで受信して、整合フィルタによって、互いに直交する信号を分離することによって空間バーチャルアレーSVAを構成し、異なる時間に得られる信号について、ターゲットの移動に伴う位相ズレを補償することによって仮想的に位置がズレている素子アンテナの信号として得ることによって時間バーチャルアレーTVAを構成する。これによって、実質的に素子アンテナの数を増やし、開口長を拡大することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲット識別システムに関し、特に簡易な構成であっても正確にターゲットである例えば人の移動軌跡を追跡するなどのターゲット識別をすることができるターゲット識別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドップラー信号を検出することによって、人が手を前後に一定回数往復させたことを検出する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、電波を送信及び受信して、電波の受信特性に基づいて人が移動したことやドアが開閉したことなどのイベントを検出するイベント検出装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
さらに、リニアアレーアンテナを用いて仮想平面アレーを構成することが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
さらに、高速直線移動する音源の周波数の変化の程度からターゲットまでの距離を推定することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−237839号公報
【特許文献2】特開2008−216152号公報
【特許文献3】特開2005−260328号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】土肥哲也、外2名、「高速移動体上の騒音発生源の同定 −ドップラー効果を利用した位置推定方法について−」、日本音響学会平成9年度秋季研究発表会講演論文集=II=、平成9年9月17日、p.663−664
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述の従来の装置では、人の移動軌跡を追跡するような高い精度を必要とするターゲット識別を実現することはできなかった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、簡易な構成でありながら正確にターゲットである例えば人の移動軌跡を追跡するなどのターゲット識別をすることができるターゲット識別システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のターゲット識別システムは、a(aは、a≧2の整数)個の各素子アンテナから互いに直交する信号を送信するリニアアレー送信アンテナと、該リニアアレー送信アンテナと異なる方向に配置され、b(bは、b≧2の整数)個の素子アンテナを有するリニアアレー受信アンテナと、前記リニアアレー送信アンテナから送信されたa個の前記信号がターゲットで反射して前記リニアアレー受信アンテナの各素子アンテナが受信するb個の信号を前記リニアアレー送信アンテナの各素子アンテナ毎の信号に分離して、合計a×b個の信号を得る整合フィルタと、前記リニアアレー送信アンテナから異なる時刻にc(cは、c≧2の整数)回の信号を送信して、その時間差にターゲットが移動することによる位相差を補償することによって、更に合計a×b×c個の信号を得る位相補償手段と、該位相補償手段によって得られるa×b×c個の信号によってターゲットの情報を得るターゲット識別手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記ターゲット識別手段は、ターゲットまでのレンジを算出することで、ターゲットまでのレンジを正確に推定することができる。
【0012】
また、前記ターゲット識別手段は、前記a×b×c個の信号の相互の位相差に基づいてターゲットの方位角を算出することで、ターゲットの方位角を正確に推定することができる。
【0013】
また、前記ターゲット識別手段は、ドップラー周波数の時間的変化に基づいてターゲットの行動を識別することで、ターゲットの行動を正確に推定することができる。
【0014】
また、本発明のターゲット識別手段は、異なる地点に配置される第1及び第2アンテナからそれぞれ信号をターゲットに送信及び受信して、それぞれのアンテナに対するターゲットの相対速度の大きさを測定する相対速度測定手段と、ターゲットの絶対速度の大きさを仮に決める絶対速度仮決め手段と、前記相対速度の大きさと絶対速度の大きさから絶対速度ベクトルと相対速度ベクトルのなす角度(θ1、θ2とする)を各算出する角度算出手段と、前記第1及び第2アンテナの配置地点を通りθ1+θ2を円周角とする円弧を異なる時刻において算出する円弧算出手段と、該円弧算出手段によって算出された2つの円弧のうち、時間的に前の円弧上に始点を持ち、後の円弧上に終点を持つ前記絶対速度ベクトルが存在するか否かを判断し、存在しない場合には前記絶対速度ベクトルの大きさを更新し、存在する場合にはその位置をターゲットの位置とする絶対速度更新手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、ドップラー周波数の時間的変化に基づいてターゲットの行動を識別するターゲット識別手段を更に備えることで、ドップラー周波数のみによってターゲットの動線及び行動を識別することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、少ないアンテナ素子によって、多くの信号、特にはドップラー信号を入手することができ、これによって例えば人の移動軌跡を追跡するなどという高い精度を必要とするターゲット識別も実現が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1によるターゲット識別システムの動作を説明するフローチャートである。
【図2】空間バーチャルアレーを構成するアンテナの配置例を示す図である。
【図3】時間バーチャルアレーを構成するアンテナの例を示す図である。
【図4】時間バーチャルアレーを構成する各素子アンテナの例を示す図である。
【図5】本実施例によるドップラー周波数推定のシミュレーション結果を示す図である。
【図6】本実施例による方位角及びレンジ推定のシミュレーション結果を示す図である。
【図7】本実施例による動線推定のシミュレーション結果を示す図である。
【図8】本発明の実施例2によるターゲット識別システムの動作を説明するフローチャートである。
【図9】本実施例の原理を説明する図(その1)である。
【図10】本実施例の原理を説明する図(その2)である。
【図11】本実施例によるドップラー周波数推定のシミュレーション結果を示す図である。
【図12】本実施例による動線推定のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1によるターゲット識別システムの動作を説明するフローチャートである。図2は、空間バーチャルアレーを構成するアンテナの配置例を示す図である。例えばそれぞれ4つの素子アンテナからなるリニアアレーアンテナである送信アンテナTAと受信アンテナRAを図2の左図に示すように互いに直角の方向に配置して(うち1つの素子アンテナは共用できる)、送信アンテナTAの各素子アンテナから互いに直交する信号を送信し(ステップS1)、受信アンテナRAで受信して(ステップS2)、互いに直交している信号を整合フィルタによってそれぞれ分離することによって(ステップS3)、合計4×4=16の信号を得ることができる。これによって、実際には7個の素子アンテナでありながら、仮想的に16個の素子アンテナを有する空間バーチャルアレーSVAを構成することができる。
【0020】
図3は、時間バーチャルアレーを構成するアンテナの例を示す図である。異なる時刻にデータを取得すればデータの数を増やすことができるが、ターゲットが移動している場合には、ターゲットまでのレンジ(距離)が時間によって変化し、受信する信号の位相が変わってしまうので、位相を利用するデータである場合には単純にデータの数が増えることにならない。例えば、ターゲットの速度に関する情報であるドップラー周波数を利用する場合、また、アレーアンテナで受信する信号の素子アンテナ間の位相差を測定してターゲットの方位角を測定する場合などは、位相を利用するので、異なる時間の信号を単純に加えることはできない。そこで、ターゲットの移動に伴う位相差を補償すれば、データとして加えてデータの数を増やすことができる。この位相補償は具体的には位相をシフトするので、仮想的に素子アンテナの位置をシフトすることにもなる。したがって、データの数が増えるとともに、測定する素子アンテナの位置の数も増える結果となる。
【0021】
n番目の素子アンテナから送信したp番目の信号のターゲット位置における信号a(n,p) 、及び受信アンテナRAのm番目の素子アンテナが受信する信号b(m,p) は、
【0022】
【数1】

(1)
ただし、
d:素子アンテナ間隔
θ:ターゲット位置の方位角
λ:信号の波長
v:ターゲットの相対速度
Tr:信号のパルス繰返時間
と表せる(ここでは信号の大きさを規格化している)。そして、Tr、λは既知であり、vは測定可能なので、式(1)の指数内の第2項を求めることが可能であり、受信信号の位相をシフトして第2項を消去することができる(ステップS4)。
【0023】
図4は、時間バーチャルアレーを構成する各素子アンテナの例を示す図である。上述のように、受信信号の位相をシフトすることによって仮想的に素子アンテナの位置をシフトすることになるので、p番目の受信データからp+1番目の受信データ、更にp+2番目の受信データと順に素子アンテナの位置が仮想的にシフトされて、この場合には3倍の素子アンテナによる時間バーチャルアレーTVAを構成する。これによって、実際には7個の素子アンテナでありながら、仮想的に4×4×3=48個の素子アンテナを有する空間バーチャルアレーSVA及び時間バーチャルアレーTVAを構成することができる。
【0024】
図5は、本実施例によるドップラー周波数推定のシミュレーション結果を示す図である。図5(a)は、横軸を経過時間(秒)、縦軸をドップラー周波数(Hz)として、人が普通に歩行したときに空間バーチャルアレーSVAによって推定される各ドップラー周波数の強度を濃淡によって表したシミュレーション結果であり、図5(b)は、横軸を経過時間(秒)、縦軸を相対速度(cm/秒)として、人の体中に分散させた80個のスキャッタの相対速度の真値を表す。本実施例の空間バーチャルアレーSVAによるシミュレーション諸元を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
このシミュレーション結果は、所定の周期で「右脚が前」になったり「左脚が前」になったりを繰り返す様子が良く見て取れて、さらに真値と良く一致しており、空間バーチャルアレーSVAが有効であることを確認できる。
【0027】
図6は、本実施例による方位角及びレンジ推定のシミュレーション結果を示す図である。図6(a)は、横軸を経過時間(秒)、縦軸を方位角(度)として、人が移動したときに空間バーチャルアレーSVA及び時間バーチャルアレーTVAによって推定される仰角10°における方位角の強度を濃淡によって表したシミュレーション結果であり、図6(b)は、横軸を経過時間(秒)、縦軸をレンジ(レンジビンサイズ=7.5cm)として、同じく推定されるレンジの強度を濃淡によって表したシミュレーション結果である。レンジは、エコー波と参照信号との相関をとり、相関値がピークとなる遅延時間を推定することにより推定することができる(ステップS5)。方位角は各素子アンテナ間の信号の位相差によって推定することができる(ステップS6)。
【0028】
このシミュレーション結果は、経過時間1.7秒、方位角120°、レンジ20〜30の辺りにおいて濃度が薄くなっていて多少の誤差が見られるものの、全体としてはターゲット位置の方位角及びレンジを推定することが可能であることを示しており、したがって、リアルタイムでターゲットの動線を推定することが可能であることが示されている。
【0029】
図7は、本実施例による動線推定のシミュレーション結果を示す図である。図7(a)は、横軸をX座標(cm)、縦軸をY座標(cm)として、上述の方位角及びレンジから推定されるターゲットの動線の推定結果であり、図7(b)は、横軸をX座標(cm)、縦軸をY座標(cm)とした、80個のスキャッタの動線の真値を表す。方位角及びレンジについては、それぞれのピークを抽出して方位角及びレンジとした。
このシミュレーション結果は、真値と良く一致しており、空間バーチャルアレーSVA及び時間バーチャルアレーTVAが有効であることを確認できる。
【0030】
以上のとおり、本実施例によって実際には少ない素子アンテナであり、かつ、信号の位相に関する情報を用いる場合であっても、仮想的に多くの素子アンテナを構成し、アンテナの開口長を拡大することができるため、ターゲットまでのレンジ、素子アンテナ間の信号の位相差によるターゲットの方位角、及びドップラー周波数によるターゲットの動作を正確に推定及び判断することが可能である(ステップS7)。
【実施例2】
【0031】
図8は、本発明の実施例2によるターゲット識別システムの動作を説明するフローチャートである。本実施例は、2箇所にアンテナを配置して、ドップラー周波数に基づいてターゲット位置を推定するものである。
【0032】
図9は、本実施例の原理を説明する図(その1)である。XY座標軸上において、2つのアンテナAT1、アンテナAT2をX軸上に配置し、ターゲットTの速度の大きさがVであるとき、アンテナAT1、AT2に対するターゲットTの相対速度の大きさをそれぞれv1、v2とすると、
v1=Vcosθ1
v2=Vcosθ2
(2)
ただし、
θ1、θ2:アンテナAT1、AT2に対するターゲットTの相対速度ベクトルと絶対速度ベクトルとのなす角度
と表せる。そこで、ターゲットTの相対速度の大きさv1、v2をドップラー周波数に基づいて測定し(ステップS11)、ターゲットTの絶対速度の大きさVを、相対速度の大きさをいくらか上回る大きさとして、仮に決定することによって(ステップS12)、相対速度ベクトルと絶対速度ベクトルとのなす角度θ1、θ2を算出することができる(ステップS13)。
【0033】
図10は、本実施例の原理を説明する図(その2)である。θ1、θ2が算出されることによって、ターゲットTの位置は、アンテナAT1、AT2の位置を通って円周角θ1+θ2=θの円弧上に存在することが分かる。そこで、異なる時刻T1、T2(T1<T2)における円周角θ(T1)、θ(T2)の2つの円弧を算出すれば(ステップS14)、ターゲットTは、時刻T1における円弧上の位置から時刻T2における円弧上の位置へと移動しているはずであるので、これに適合する絶対速度ベクトルが存在するか否かを判断し(ステップS15)、適合する絶対速度ベクトルが存在しない場合には、ステップS12における、ターゲットTの絶対速度の大きさVの仮の決定が正しくなかったことになるので、この大きさVを適合する向きに増大又は減少させ、すなわち、更新して、ステップS13以降を繰り返す(ステップS16)。この繰返しにより大きさVは徐々に正しい値に近づく。そして、ステップS15において、適合する絶対速度ベクトルが存在する場合には、ステップS16において更新した大きさVが正しい値になったことになるとともに、その適合する絶対速度ベクトルの(始点)位置をターゲットTの位置と決定する(ステップS17)。これらの一連のフローによってターゲットTの時刻T1における位置が決定されたので、時間を更新して一連のフローを次々と実行することによってターゲットTの動線を推定することができる(ステップS18)。
【0034】
以上の説明のとおり、本実施例は、2箇所にアンテナを配置して、ドップラー周波数に基づいてターゲット位置を推定し、したがって、ターゲットの動線を推定するものである。そして、ドップラー周波数を測定しているので、そのドップラー周波数の変化の様子によって更にターゲットの行動をも識別することができる。
【0035】
図11は、本実施例によるドップラー周波数推定のシミュレーション結果を示す図である。図11(a)は、横軸を経過時間(秒)、縦軸をドップラー周波数(Hz)として、人が移動したときにアンテナAT1において推定されるドップラー周波数の強度を濃淡によって表したシミュレーション結果であり、図11(b)は、同じくアンテナAT2において推定されるシミュレーション結果である。シミュレーション諸元を表2に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
このシミュレーション結果は、図5(a)ほど鮮明ではないものの図5(a)と同様の、所定の周期で「右脚が前」になったり「左脚が前」になったりを繰り返す様子が良く見て取れて、当然ではあるがドップラー周波数を推定できることを確認できる。
【0038】
図12は、本実施例による動線推定のシミュレーション結果を示す図である。図12(a)は、横軸をX座標(cm)、縦軸をY座標(cm)として、初期座標(X,Y)=(−200,200)から70°の方向に、人が移動したときに(タイプA)、本実施例のフローによって推定されるターゲットの動線の推定結果であり、図12(b)は、同じく初期座標(X,Y)=(−200,200)から70°の方向に人が移動し、途中で100°の方向に移動方向を変化させたときに(タイプB)、本実施例のフローによって推定されるターゲットの動線の推定結果である。
【0039】
このシミュレーション結果は、直線の動線については真値と良く一致しており、方向変更した場合には変更した点において若干の誤差が出るものの、全体としてはほぼ動線を推定できることを確認できる。
【0040】
以上のとおり、本実施例によって、複数のドップラー周波数によりターゲットの動線を推定することができ、さらに、そのドップラー周波数によるターゲットの動作を正確に推定及び判断することが可能である。
【0041】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
実施例1について、2つのアレーアンテナの配置方向は直交させることが望ましいが、空間バーチャルアレーを構成すれば良いのであって直交させる必要はない。
各アレーアンテナの素子アンテナの数は複数であれば良く、互いに同じ数である必要もない。
【0042】
実施例1の説明では1つの素子アンテナを送信用と受信用とに兼用としたが、専用の別々の素子アンテナとしても良い。
実施例2について、発明の効果としてターゲットの動線とその行動を識別することができるが、本発明はターゲットの位置を推定するものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a(aは、a≧2の整数)個の各素子アンテナから互いに直交する信号を送信するリニアアレー送信アンテナと、
該リニアアレー送信アンテナと異なる方向に配置され、b(bは、b≧2の整数)個の素子アンテナを有するリニアアレー受信アンテナと、
前記リニアアレー送信アンテナから送信されたa個の前記信号がターゲットで反射して前記リニアアレー受信アンテナの各素子アンテナが受信するb個の信号を前記リニアアレー送信アンテナの各素子アンテナ毎の信号に分離して、合計a×b個の信号を得る整合フィルタと、
前記リニアアレー送信アンテナから異なる時刻にc(cは、c≧2の整数)回の信号を送信して、その時間差にターゲットが移動することによる位相差を補償することによって、更に合計a×b×c個の信号を得る位相補償手段と、
該位相補償手段によって得られるa×b×c個の信号によってターゲットの情報を得るターゲット識別手段と
を備えることを特徴とするターゲット識別システム。
【請求項2】
前記ターゲット識別手段は、ターゲットまでのレンジを算出することを特徴とする請求項1記載のターゲット識別システム。
【請求項3】
前記ターゲット識別手段は、前記a×b×c個の信号の相互の位相差に基づいてターゲットの方位角を算出することを特徴とする請求項1又は2記載のターゲット識別システム。
【請求項4】
前記ターゲット識別手段は、ドップラー周波数の時間的変化に基づいてターゲットの行動を識別することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のターゲット識別システム。
【請求項5】
異なる地点に配置される第1及び第2アンテナからそれぞれ信号をターゲットに送信及び受信して、それぞれのアンテナに対するターゲットの相対速度の大きさを測定する相対速度測定手段と、
ターゲットの絶対速度の大きさを仮に決める絶対速度仮決め手段と、
前記相対速度の大きさと絶対速度の大きさから絶対速度ベクトルと相対速度ベクトルのなす角度(θ1、θ2とする)を各算出する角度算出手段と、
前記第1及び第2アンテナの配置地点を通りθ1+θ2を円周角とする円弧を異なる時刻において算出する円弧算出手段と、
該円弧算出手段によって算出された2つの円弧のうち、時間的に前の円弧上に始点を持ち、後の円弧上に終点を持つ前記絶対速度ベクトルが存在するか否かを判断し、存在しない場合には前記絶対速度ベクトルの大きさを更新し、存在する場合にはその位置をターゲットの位置とする絶対速度更新手段と
を備えることを特徴とするターゲット識別システム。
【請求項6】
ドップラー周波数の時間的変化に基づいてターゲットの行動を識別するターゲット識別手段を更に備えることを特徴とする請求項5記載のターゲット識別システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−24687(P2013−24687A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158913(P2011−158913)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】