説明

タービンエンジンの可変ジオメトリ装置の制御システム

本発明は、タービンエンジンの少なくとも2つの可変ジオメトリ装置を制御するためのシステムに関し、前記システムは、2つの装置(22、110、210)を駆動するためのアクチュエータ(24)を備え、一方の装置は、可変設定角を有するステータ(14)の少なくとも1つの翼段(10)を備え、また、他方の装置は、タービンエンジンの本体用の空気抜き弁(136)を備える。システムは、それに応じてアクチュエータの駆動パラメータが増加するにつれて翼段の漸次の開口、および空気抜き弁の漸次の閉鎖を制御するように配置される。このおかげで、制御システムは、単一の制御システムを用いて2つの装置を有利に制御することが可能になる。また、本発明は、このようなシステムを含むタービンエンジンに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ機械の可変ジオメトリ装置を制御する一般分野に関する。より詳細には、本発明は、複数のターボ機械装置の制御を最適化しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
用語「可変ジオメトリ装置」は、本明細書において、ターボ機械の動作に影響を及ぼすために、検出された事象に応じてまたはターボ機械の速度に応じて修正され、または修正され得るサイズ、形状、位置、および/または速度についての制御部材を含む任意の装置を意味するように使用される。このような装置の可変ジオメトリの例には、圧縮機の空気抜き弁の位置、タービン翼の先端の隙間、燃料ポンプの速度等がある。
【0003】
用語「本体」は、本明細書において、共通軸で組み立てられる圧縮機とタービンの両方を主要部材として備えるターボ機械サブアセンブリを意味するように使用される。このような本体の特別な事例は、ラムジェットで使用されるように、圧縮機が収束ノズルによって単独で作られる燃焼後の本体である。ターボ機械の別個の本体の典型的な例は、ターボジェットの低圧および高圧スプールによって構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ターボ機械のスプールは、互いに無関係に作動することができるように設計される。これらの回転速度は、たとえこれらがある作動速度の下で繋がれ、または相互に関連される場合があっても独立している。
【0005】
また、従来、ターボ機械のさまざまなスプール間のこの独立のゆえに、異なるスプールと関連する可変ジオメトリ装置を制御するために、それぞれの別個の制御システムによって制御されるべきこれらの装置の用意がされる。これが、2つの別個のスプールと関連する2つの可変ジオメトリ装置を制御することがこのように通常2つの制御回路、2つのアクチュエータ、2つの動力源等を必要とする理由である。
【0006】
このことは、比較的大きなこのような制御システムの重量、コスト、およびサイズを生じさせる。特に、これは、小さい飛行機に適合されるターボ機械に対して問題を生じさせ、これらの問題は、特に深刻である。
【0007】
したがって、本発明の第1の目的は、ターボ機械の少なくとも2つの可変ジオメトリ装置を制御するための制御システムを画定することであり、システムは、可変ピッチ静翼の少なくとも1つの段を有する装置を備える2つの装置を駆動するアクチュエータを備え、装置は、ターボ機械の本体用の空気抜き弁でありまたは少なくともこれを備え、制御システムは、無駄、コスト、サイズという上述の問題を少なくとも一部分改善する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、制御システムが、アクチュエータの駆動パラメータが増加するにつれて翼段の漸進的な開口および空気抜き弁の漸進的な閉鎖を制御するように配置されるということによって達成される。
【0009】
ある実施形態では、制御システムは、単一のアクチュエータを用いて3つ、またはさらに4つの可変ジオメトリ装置を制御するのに適している。
【0010】
ある実施形態では、可変ジオメトリ装置は、複数のターボ機械のスプールに共通であり、特に2つのスプールに共通である。
【0011】
複数の(少なくとも2つの)可変ジオメトリ装置を制御するためにただ1つのアクチュエータを用いることによって、制御システムは、ターボ機械の部品の数を減少させ、したがって、本発明の目的を達成する働きをする。第2の可変ジオメトリ装置についての第2の制御システムの重量、容積、およびコストの発生が少なくとも大幅に防止される。
【0012】
本発明は、特に2つのスプール、すなわち高圧スプールおよび低圧スプールを有するターボ機械で実施されるのに適している。可変ピッチ翼段(複数可)は、通常、高圧スプールの一部である。この場合には、制御システムによって制御される第1の装置は、ターボ機械の低圧スプールの一部であることができ、一方、可変ピッチ翼段(複数可)を備える第2の被制御装置は、高圧スプールの一部である。
【0013】
ターボ機械の高圧スプールの可変ピッチ翼段は、これらが高圧スプールの周囲に(かつ、比較的上流に)配置される場合、特に、低圧スプールの装置と共に制御されるのに適しており、したがって、これらは、高圧スプールの近くに設置される。この接近により、翼段について、および低圧スプールの可変ジオメトリ装置について共通の制御システムを実施することがより容易になる。
【0014】
ある実施形態では、第2の装置において、翼段は、ターボ機械のケーシングのピボットにそれぞれが取り付けられる複数の翼と、ケーシングを取り囲み、かつそれぞれのレバーを介して段の翼のそれぞれに接続される制御リングとから成り立っており、アクチュエータは、段の制御リングをケーシングに枢支されたドライバ部材によって回転させるのに適している。
【0015】
ある実施形態では、可変ジオメトリ装置は、ターボ機械の少なくとも1つの空気抜き弁であり、または少なくともこれを備え、かつ空気を排出しまたは抽気するための単一の弁、または同様の一組の弁であることができる。
【0016】
さまざまな他の実施形態では、少なくとも1つの空気抜き弁でありまたは少なくともこれを備える可変ジオメトリ装置は、次の要素のうちの任意の1つ、または次の装置のうちの1つについての要素であり、またはこれを備えており:
ブースタ可変ブリード弁(VBV)と、
高圧圧縮機から空気を抽気し、比例的な開口を与えるための過渡ブリード弁(TBV)または開始ブリード弁(SBV)と、
オン/オフベースで高圧圧縮機から空気を抽気するための操作ブリード弁(HBV)と、
隙間の制御に寄与する空気の流れを調整するための低圧タービンアクティブ隙間制御(LPTACC)または高圧タービンアクティブ隙間制御(HPTACC)弁とである。
【0017】
さらに、本発明の制御システムは、特に、さまざまな次の改善を含むことができる:
ある実施形態では、制御システムにおいて、アクチュエータは、両方の装置に指令を伝達する動作を行う可動制御部材を含んでいる。たとえば、制御部材は、アクチュエータのアームであることができる。
【0018】
この実施形態の変形例では、アクチュエータは、その外側でこれが第1の装置に作用することができない第1の装置の駆動範囲にわたってパラメータを変化させることによって前記装置のうちの第1のものを駆動するように配置され、アクチュエータは、その外側でこれが第2の装置に作用することができない第2の装置の駆動範囲にわたって同じパラメータを変化させることによって第2の装置を駆動するように配置され、第1の装置の駆動範囲の少なくとも一部分は、第2の装置の駆動範囲の外側にある。
【0019】
上述のアクチュエータパラメータは、通常、アクチュエータの駆動部材の位置パラメータである。たとえば、このパラメータは、アクチュエータのアームの端部の位置である。このパラメータを変化させることは、アクチュエータの端部を移動させること、またはアクチュエータの作動端部の位置を移動させることと等価である。
【0020】
この制御システムにおいて、2つの可変ジオメトリ装置を制御するように単一のアクチュエータを用いることは、2つの装置の駆動範囲が対応せず、それらのうちの一方(第1の装置)の駆動範囲が、他方(第2の装置)の範囲の一部を構成しない部分を含むということによってより容易になる。
【0021】
通常、制御システムの作動は、装置のそれぞれについて、装置の駆動範囲の境界の間のアクチュエータパラメータの変化が、十分な振幅を通して前記範囲にわたってその装置を駆動することで足りるように、設計される。
【0022】
さらに、アクチュエータパラメータが装置のうちの1つの駆動範囲の外側にある範囲にわたって変化するとき、その装置はアクチュエータによって駆動されない。いかなる動作も装置のうちの1つに有効に加えられないアクチュエータパラメータの値のこのような範囲は、「ロストモーション」を構成する。この範囲では、いかなるパラメータの変化にかかわらず、アクチュエータは、問題の装置に対していかなる(意味のある)動作もとらない。
【0023】
この制御システムを用いることと関連する制御の困難さは、アクチュエータがそれらのそれぞれの駆動範囲の一方または他方または両方に位置するかどうかに応じて、アクチュエータのそれぞれの動作が、装置の一方および/または他方に伝達される、または伝達され得ることである。
【0024】
特に、駆動パラメータが、両方のアクチュエータの両方の駆動範囲に共通である範囲にわたって変化させられる場合、両方の装置に同時に動作が行われる。
【0025】
たとえば、アクチュエータパラメータが、第1の装置の駆動範囲にわたって変化させられる場合、また、この変化が他方の装置の駆動範囲内にある場合、2つの指令が同じパラメータ、すなわち駆動パラメータの変化によって決定されるとすれば、新しい指令が、両方の装置に同時に伝達されることになる。
【0026】
2つの装置の駆動範囲の間の重なり合う部分が十分に小さいとき、および/または駆動パラメータが他の装置の全駆動範囲にわたって変化するが、装置のうちの少なくとも1つについての制御変化の振幅が、小さいままであることができ、または制限され得るときには、本発明の制御システムを用いる困難さは、それにもかかわらず許容可能なものとして考えられることができ、無視してよく、またはさらに存在しないことがある。
【0027】
したがって、使用の際のこの困難さにもかかわらず、2つの制御システムを有するための重量、サイズ、コストによる難点を有することなく、ターボ機械で同時に2つの可変ジオメトリ装置を制御できる可能性によって達成される節約は、有利なものである。
【0028】
また、この制御システムを用いる困難さは、適切な実施形態を選択することによって最小限にされ得る。
【0029】
ある実施形態では、第2の装置の駆動範囲が、第1の装置の駆動範囲内に含まれる。このことにより、第1の装置について大きな駆動振幅を有することができ、それによって、それの機械的実装を容易にし、制御部材および/または被制御要素によって受け取られる機械的応力を制限する。
【0030】
ある実施形態では、第2の装置の駆動範囲が、第1の装置の駆動範囲の全振幅の20%未満、または10%未満である振幅を有する。したがって、第2の装置の駆動範囲の振幅は、減少される。結果として、第2の装置の範囲が第1の装置の範囲内に含まれるとき、第2の装置の制御動作は、ほとんど認知できない第1の装置の制御においてほとんど変化を生じさせないだけである。このことにより、2つの被制御装置を制御するために単一の制御システムを用いることが容易になる。次いで、第1の装置の制御は、実質的に一定のままであり、または少なくともその変化は、小さいまたは取るに足らないままであるが、第2の装置は、その装置に与えられる全制御振幅にわたって制御されている。
【0031】
ある実施形態では、アクチュエータと装置のうちの1つとの間の接続が、クラッチ遮断装置を含み、このクラッチ遮断装置は、駆動パラメータの値の範囲にわたってアクチュエータによって前記装置の駆動装置のクラッチを遮断するのに適している。したがって、パラメータのこの範囲は、問題の装置についての駆動範囲の外側にある。したがって、クラッチ遮断装置は、考慮下の装置以外の1つまたは複数の装置を制御するだけのために駆動範囲の一部を残しておく働きをする。このことは、たとえ他の装置のうちの1つに与えられる制御が変化しても、考慮下の装置が影響を及ぼされてはならない場合に不可欠であり得る。
【0032】
この実施形態の変形例では、クラッチ遮断装置は、第2の制御部材の空き空間内で可動である第1の制御部材を備え、したがって、この空間は、第2の装置に対してロストモーションを可能にする。この可動制御部材によって与えられるロストモーションでは、その制御が第2の装置にいかなる影響を及ぼすこともなく、自由に第1の装置を制御することができる。
【0033】
ある実施形態では、制御システムは、アクチュエータと装置のうちの1つとの間の接続に配置される駆動スケーリング装置を含んでいる。したがって、小さな振幅であるこの装置の駆動範囲の場合でさえも、駆動スケーリング装置によって与えられるスケーリングの結果として、大きな振幅によって装置を制御することができる。このようなスケーリング装置の例は、レバーである。
【0034】
ある実施形態では、また、制御システムは、少なくともアクチュエータパラメータが装置の駆動範囲の外側にある範囲にわたって変化しているが、装置のうちの1つの制御部材を所定の位置に維持するための復帰手段を含んでいる。
【0035】
本発明の第2の目的は、ターボ機械の2つの可変ジオメトリ装置を制御するのに適しているアクチュエータを含む制御システムに装着されるターボ機械を画定することであり、前記装置は、2つの異なる本体の部分を形成し、小さな重量、コスト、および/またはサイズを与える。
【0036】
この目的は、ターボ機械が、上で画定されたような制御システムに装着されるということによって達成される。
【0037】
本発明は、非限定的な例示として示される実施形態についての次の詳細な説明を読むと、十分に理解されることができ、その利点がよりよく明らかになる。説明には添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の制御システムの斜視図である。
【図2】アクチュエータの最小伸長位置の場合に示される図1のシステムの平面図である。
【図3】アクチュエータの中間伸長位置の場合に示される図1のシステムの平面図である。
【図4】アクチュエータの最大伸長位置の場合に示される図1のシステムの平面図である。
【図5】可変ジオメトリ装置が高圧スプール用の空気抜きハッチである特定の環境の場合の、図1から図4に示される制御システムの長手方向断面図である。
【図6】ある量の「ロストモーション」が与えられること可能にするクラッチ遮断装置の変形例を示す図である。
【図7】図6に示されるクラッチ遮断装置を組み込んだ本発明の制御システムによって制御される装置の動作を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1から図4を参照すると、本発明の制御システム1の実施形態が、下に説明されている。
【0040】
制御システム1は、可変ピッチ翼の段10(第1の装置10)を制御するための制御リング22の回転と、第2の装置110のための制御部材115の動作との両方を制御する働きをする。
【0041】
第2の可変ジオメトリ装置110は、たとえば、これがターボ機械の空気抜き弁であり得るさまざまなタイプからなることができる。
【0042】
例示として、可変ピッチ翼段10は、ターボ機械の圧縮機の一部を形成している。圧縮機は、ターボ機械の軸X−Xに中心を合わせられる環状ステータシュラウド12(またはケーシング)を備える。
【0043】
段10は、ターボ機械の軸X−Xを中心に半径方向に配置される複数の翼14を備えている。翼14のそれぞれは、ケーシング12を通過するピン16(またはピボット)を中心に枢動する。
【0044】
可変ピッチ翼14の各ピボット16は、制御レバーまたはリンク18の1つの端部に接続され、この制御レバーまたはリンク18は、制御リング22に半径方向に延在するぺグ19を中心に蝶着される他方の端部を有する。
【0045】
制御リング22は、ケーシング12を取り囲み、ターボ機械の軸に中心を合わせられる。したがって、翼14の角度位置は、ターボ機械の軸を中心に制御リング22を回転させることによって同期して修正される。
【0046】
さらに、制御システムは、ターボ機械ケーシング12のユニット28に枢支されたクランク型ドライバ部材26を介して段10の制御リング22の回転駆動するために、ケーシング12に固締されたシリンダ型アクチュエータ24を含んでいる。
【0047】
アクチュエータ24は、電子制御ユニット100によって制御される(図2から図4に示される)。
【0048】
ターンバックル型の制御コネクティングロッド32が、ドライバクランク26からリング22まで動作を伝達する。このコネクティングロッドは、これが接続フォーク27を介して固締されるリング22まで接線方向に延在する。フォーク27と反対のその端部で、コネクティングロッド32は、それに蝶着されている、ドライバクランク26のアーム(または分岐)34のうちの1つに固締される。
【0049】
クランク26およびコネクティングロッド32は、アクチュエータ24から制御リング22までの駆動伝達システムを構成する。
【0050】
指令は、同期バー30を介して最初は第2の被制御装置110に伝達される。
【0051】
同期バー30は、同じようにケーシング12のユニット28に枢支されたクランク型フォロア部材26’を介して第2の装置110までアクチュエータ24の動作を伝達する。
【0052】
したがって、制御システムの同期バー30は、それに蝶着されることによってドライバクランク26およびフォロアクランク26’の2つのそれぞれのアーム38およびアーム40を一体化させる。アクチュエータ24は、コネクティングロッド32が固締されるアーム34と反対のドライバクランク26の第3のアーム42に蝶着される。
【0053】
さらに、図1から図4に示される制御システムは、駆動スケーリング装置20(本発明に不可欠ではない)を含み、この駆動スケーリング装置20は、アクチュエータ24と可変ジオメトリ装置110との間の接続に挿入される。
【0054】
この装置は、特に、フォロア部材26’と可変ジオメトリ装置110との間に挿入される追加の枢動部材44(または、追加のクランク)を備えている。この追加のクランク44は、フォロア部材26’と、ガイドロッド50および枢動支持体54を介して間接的にケーシング12との両方に枢支される。
【0055】
この追加のクランク44は、可変ジオメトリ装置110の制御ケーブル60の1つの端部62に接続される第1の端部のあるアーム46を有し、それに蝶着され、かつフォロアクランク26’のアーム36の端部に枢支されたその第2の端部を有する。アーム46のこの第2の端部において、追加のクランク44はまた、フォロア部材26’の追加のクランク44のピボット軸Zに沿って第1のアーム46に直角に延在するピボットピン48も含む。ガイドロッド50は、このピボットピン48を通過する。ガイドロッド50は、ケーシングにろう付けされる枢動支持体54を介してケーシング12に枢支された摺動リング52に摺動可能に取り付けられる。
【0056】
駆動スケーリング装置20と可変ジオメトリ装置110との間の接続は、遠隔的に、すなわち(たとえば、「Bowden」ケーブル型の)プッシュプルケーブル60および摺動接合部材120を介して行われる。
【0057】
クランク26、同期バー30、フォロアクランク26’を介して伝達され、次いで駆動スケーリング装置20(この装置の動作は、下で説明される)によって増幅されるようなアクチュエータ24からの駆動は、プッシュプル制御ケーブル60に伝達される。
【0058】
制御ケーブル60の端部64は、U字状のヨーク126の中間部分に接続される。ヨーク126の2つの分岐は、可変ジオメトリ装置110の制御部材115の両側を通過し、矢印Aで示される方向に沿って装置110の動作を制御する働きをする。この制御部材115は、長孔124によって貫通される長方形の板からなる。ヨーク126の2つの分岐は、長孔124を通過するロッド122によって一緒に接続される。
【0059】
長孔124内を摺動するヨーク126およびロッド122は、摺動接合部材120を構成する。アクチュエータ24は、この摺動接合部材120を介して第2の装置110を駆動し、それの摺動は、ある一定量のロストモーションを画定する。ロッド122が、長孔124の端部のうちの1つと当接することなく長孔124の内部を移動している限り、その場合は制御部材115のいかなる動作もなく、換言すれば、アクチュエータ24の動作は、装置110のための制御部材115のいかなる動作も生じさせない。
【0060】
他の実施形態(図示せず)では、制御ケーブル60の端部62が、フォロアクランク26’のアーム36の端部に直接接続されることもでき(図1)、それによって、第1の制御装置10(可変ピッチ翼の段10の制御リング22)の行程と同一の行程を得ることができるようになることを観察すべきである。このような実施形態は、第2の装置の制御が駆動行程のいかなるスケーリングも必要としないときに適切である。
【0061】
制御システム1の動作を理解するために、図2から図4は、アクチュエータ24の最小伸長、中間伸長、および最大伸長位置に対応する3つの位置におけるシステムの動作を示している。制御システム1では、本発明24の伸長は、アクチュエータの駆動パラメータを構成する。
【0062】
例示として、図2は、装置の動作の開始を示している。初期の状況(図2)では、アクチュエータは、その最小伸長位置にあり、可変ピッチ翼14は、それらの開いた位置にある。
【0063】
この位置から開始すると、アクチュエータ24を駆動することより、ドライバクランク26は回転し、また、フォロアクランク26’は同期バー30からの駆動を受けて回転する。ユニット28のそのピボット点を中心としたクランク26の回転は、順番にコネクティングロッド32を駆動する働きをし、次いでこのコネクティングロッド32により、リング22はターボ機械の軸を中心とした一方の方向に、または他方の方向に回転する。上述したように、リング22を回転すると、段10の翼14の角度位置は、制御レバー18によって同期して修正される。
【0064】
さらに、クランク26’を回転すると、初期のクランク44は、それによってクランク26’が回転する角度に対して一定に割合で決められる角度によって回転する。角度スケーリングは、フォロアクランク26’の枢動により追加のクランク44のピボットピン(アーム48)がケーシングのピボット点(枢動支持体54)の非常に近くで通過するということと関連する。このような環境の下で、フォロアクランク26’の非常に小さな量の回転が、追加のクランク44の比較的大きな量の回転を生じさせる。
【0065】
追加のクランク44の回転は、そのシース内の摺動時に制御ケーブル60を駆動し、したがってヨーク126を駆動し、そのケーブルおよびヨークは、追加のクランク44のアーム46によって押し戻される。
【0066】
図3は、アクチュエータ24の伸長中の特定の位置に対応している。
【0067】
アクチュエータ24が伸長すると、制御ケーブル60は、矢印Aの方向に長孔124内のロッド122と一緒にヨーク126を押し戻す。図3に示される位置は、ヨーク126に固定されるロッド122が矢印Aの方向(これは、制御部材155についての駆動方向である)に孔124に対して当接するときの特定の瞬間に対応し、その位置から、ロッド122は、可変ジオメトリ装置110の制御部材(プレート115)を駆動し始めるという点で特殊である。逆に言えば、アクチュエータ24の伸長の開始から、かつこの位置まで、制御部材155は、ヨーク126の動作にかかわらずその初期位置(図2)から移動しない。したがって、その初期位置(図2)と図3の特定の中間位置との間のアクチュエータ24の駆動範囲は、第2の被制御装置110についてのロストモーションを構成する。
【0068】
これと対照的に、図3に示されるように、特定の位置、または駆動開始位置から開始すると、アクチュエータ24の任意の追加の伸長により、ヨーク126に固定されるロッド122は、矢印Aの方向に制御部材155を押し戻し、それによって、これを駆動する。この位置よりも大きい、またはこれに等しいアクチュエータ24の位置が、第2の装置110についての駆動範囲を構成する。
【0069】
また、アクチュエータ54がこの駆動の開始位置を越えて動くとすぐ、ばね112が、制御部材155をロッド122と永続的に接触した状態に保つための復帰手段として働くことを観察すべきである。このように、次いで、制御部材155は、矢印Aの方向に、およびまた反対方向にロッド122の任意の動作にあらゆる場合に追従する。逆に言えば、摺動接合部材120のロストモーションにおいては、制御部材155は、図2および図3のその「低い」位置にブロックされたままである。
【0070】
最後に、制御システムは、前記可変ジオメトリ装置の近くに配置され、かつ可変ジオメトリ装置110の位置に関係する情報を中継するのに適切な位置センサ114を含んでいる。図示された実施形態では、センサ114は、可変ジオメトリ装置110の制御部材155の位置を決定するように、および電子制御ユニット100にこれを中継するように設計される。
【0071】
図5を参照して与えられる、本発明の制御システム2の実施形態の説明が次に続く。この図は、第2の可変ジオメトリ装置が一組の空気抜きハッチ136を含む空気抜きシステム210である、特定の環境を示す。
【0072】
この制御システム2は、図1から図4を参照して説明されたシステムと非常に類似しており、対応する要素は、同じ参照符号を保有している。
【0073】
図5は、バイパスターボジェットであるターボ機械150の部分断面図である。ターボ機械150の上流部分では、ターボ機械によって吸い込まれる空気流が、主流146および二次流148に分離される。主流は、燃焼室に注入される燃料の燃焼を可能にするための酸化剤を構成する。
【0074】
燃焼によって放出されるエネルギーの第1の一部分が、ターボ機械の第1の主サブアセンブリ、すなわち高圧スプール151によって第1のタービン(高圧タービン)を使って回収される。高圧スプールは、燃焼室に注入される前に主流のガスが、その一部が図5で見られ得る高圧圧縮機と呼ばれる圧縮機152によって高圧に圧縮されるので、「高圧」であると言われる。
【0075】
燃焼によって放出されるエネルギーの第2の一部分は、ターボ機械の第2の主サブアセンブリ、すなわち低圧スプール153によって第2のタービンを使って回収される。この低圧スプールは、反作用によってターボ機械150によって伝えられる推力の大部分を発生するように、回転駆動される翼(ファン翼)の少なくとも1つの段を含む。
【0076】
この設計の結果として、高圧および低圧スプールは、特に回転速度の点から見ると互いから相対的に独立している。これらの装置に適用される指令は、環境に応じて完全に異なり、または独立した考慮すべき事項によって支配されることがあることになる。
【0077】
知られている方法で、およびターボ機械を通る上流から下流への二次空気流に続いて、二次空気流は、最初は、低圧圧縮機によってまた次に高圧圧縮機によって圧縮され、次いで、これは、燃焼室の中に進み、次いで膨張し、引き続いて高圧および低圧タービンを通過する。したがって、高圧圧縮機は、低圧圧縮機から下流に設置される。
【0078】
主流146および二次流148は、それぞれの同心環状通路156および158によりターボ機械150を通過する。主流の通路156は、外部整形板138と内部整形板140との間を延在する。二次流の通路158は、ナセルの内部整形板を構成する外部整形板(図示せず)と内部整形板142との間に延在する。
【0079】
制御システム2は、整形板138と整形板142との間に配置され、主流と二次流との間にある。
【0080】
従来の方法では、可変ピッチ翼段の翼の位置は、周囲圧力の、および高圧スプールの回転速度に応じて制御される。
【0081】
さらに、従来の方法では、空気抜きハッチ136が、周囲圧力の、および出口の空気流量に応じて開かれ、低圧圧縮機を形成する。したがって、空気は、圧縮機の運転速度を変えるために、低圧圧縮機から下流の二次流から抽気される。
【0082】
上で概略が述べられたように、可変ピッチ翼段および空気抜きハッチを制御するための通常のパラメータは異なるが、制御システム2により、2つの装置、すなわちまず第1に可変ピッチ翼段10、10’、10’’、および第2に一組の空気抜きハッチ136によって構成される可変ジオメトリ装置210を制御することができる。
【0083】
可変ピッチ翼段10、10’、および10’’は、それぞれのピボット16、16’、および16’’を中心に枢動するのに適した3つのそれぞれの一連の翼14、14’、および14’’を有する。動翼17、17’を担持する2つの翼付きホイール15、15’が、段10および10’と段10’および10’’との間に挿入される。
【0084】
簡潔さの理由で、第1の翼段10ついての制御だけが示されているが、他の翼段10’および10’’についての制御は示されていない。段の制御は、図1から図4を参照して説明されたものと同一である。第2の被制御装置は、空気抜きハッチ136の組である。下記の説明では、1つのハッチだけが説明されており、それにもかかわらず実際には、ターボ機械は、整形板138にターボ機械の周囲の全周にわたって分布される一組の同一のハッチを有し、これらのすべてが、説明されるハッチ136と同じ方法で制御される。
【0085】
ハッチ136は、いくつかの機能を有する。その機能のうちの1つは、ターボ機械によって吸い込まれる空気が大量の水(雨、雪、またはひょう)を有するときに、多過ぎる水が燃焼混合気に含まれることになれば別様に燃焼を起こすことになる乱れを回避するために、主流からこの空気の一部を排出することである。他の機能は、高レベルの減速中に、または低速で主流回路をオフロードすることである。アクチュエータ24によって出される指令は、プッシュプルケーブル60、ヨーク126、および制御部材115を介してハッチ136に伝達される。プッシュプルケーブルは、支持体130および132によって整形板138、142に固締される。また、支持体130は、ヨーク126の、および制御部材115の動作を案内するための手段として働く。
【0086】
ハッチ136の制御は、復帰手段(ばね212)が図1から図4のバネ112とは異なって配置されるという点で、図1から図4に示される装置とは少し異なる。
【0087】
ハッチ136は、(矢印Iの方向に)ピボット軸134を中心に枢動するのに適している。一般に、ハッチ136は、閉鎖され、ばね212によって閉鎖位置へと押しやられている。ばね212の一方の端部は、整形板142に固定される支持体160に取り付けられ、一方、他方の端部は、ハッチ136に固定され、かつハッチ136を閉鎖する働きをする駆動アーム144に復帰力を伝える。
【0088】
ハッチ136を開くために、アクチュエータ24は、ハッチ136の制御部材115を移動させるように十分な伸長の位置をとるように(すなわち、図3を参照して説明された特定の位置を越えて)制御される必要がある。この特定の位置、または駆動開始位置から、およびこれを越えて、アクチュエータパラメータ24は、ハッチ駆動範囲にわたって変化する。第1の結果は、これにより、ハッチ136を開くことが望まれるときは必ず翼14が、大きく収縮されているアクチュエータ24に対応するピッチ角度をとることである。
【0089】
この駆動範囲にわたって、ヨーク126は、ハッチ136の制御部材115を移動させる。制御部材115は、ロッド119によって延在される板からなる。ロッド119の端部は、駆動アーム144に当たっている。制御部材115の動作は、駆動アーム144を押し、それによって、ハッチ136は枢動し、開く。
【0090】
ハッチ136によって主流から抽気される空気は、その後、二次流の中に放出される(このステップは、図5には示されていない)。この空気は、ファン翼によって加速される空気の二次流に加わる。
【0091】
アクチュエータが伸ばされ、または伸長されるとき、すなわちハッチ136を再閉鎖することが望まれるとき、ヨーク126および制御部材115は、制御ケーブル60によって後方へ引っ張られる。次いで、ハッチ136は、ばね212の作用を受けて閉鎖する。
【0092】
図6は、2つの異なる本体に対応する2つの可変ジオメトリ装置を制御するための制御システムの一部を構成するクラッチ遮断システム220を示し、第2の装置は、装置310である。クラッチ遮断システム220は、摺動接合部材120で構成される、図1から図4に示される実施形態のクラッチ遮断システムに匹敵する。また、同様にして、クラッチ遮断システム220は、「ロストモーション」を可能にする働きをする。
【0093】
クラッチ遮断システム220は、プッシュプル制御ケーブル60の端部に配置されるように設計される。プッシュプルケーブル60の端部は、ケーブルの軸Bに直角に延在する、駆動バー222に固締される。
【0094】
また、クラッチ遮断システム220は、制御部材215も含んでいる。制御部材は、軸Bの方向に細長い長孔224を有し、これを通してバー222が通過する。したがって、バー222は、いったん長孔224の端部と当接すると並進運動で制御部材215を駆動するのに適している。
【0095】
圧縮時に作動する復帰ばね312は、制御部材215の第1の端部217とターボ機械の固定部362に固定される支持体360との間に配置される。このばね312は、制御部材215の端部217に力を働かせることによって、プッシュプルケーブル60の動作の第1の方向に対応する方向に軸Bに沿って制御部材を押しやる(矢印C)。
【0096】
したがって、クラッチ遮断システムの動作は次のようである:
プッシュプル制御ケーブル60に作用するアクチュエータの値の第1の範囲にわたって、ロッド222は、長孔224の端部に当接し、ばね312は、圧縮される。したがって、制御部材215の動作は、ロッド222の動作と同一である。
【0097】
アクチュエータの値の第2の範囲にわたって、いったんばね312が伸長され、その最高伸長に達すると、これはいかなる機能も果たさない。ロッド222は、プッシュプルケーブル60からの推力を受けてさらに移動することができるが、制御部材215は移動しない。したがって、駆動パラメータの値のこの第2の範囲は、第2の被制御装置310の「ロストモーション」を構成する。
【0098】
制御部材215は、第2の被制御装置310に直接作用しない。制御部材215の第1の端部217と反対側の制御部材215の第2の端部219は、レバー230の一方の端部232に蝶着されるように接続される。レバー230の他方の端部234は、被制御装置310に蝶着されるように接続される。したがって、レバー230は、1よりも大きい、これに等しい、またはこれよりも小さい場合がある係数により、制御部材215の動作をスケーリングする働きをし、または実際に、これにより、駆動の方向を変えることができる。
【0099】
図7は、2つの装置が、図6に示される装置220などのクラッチ遮断装置を含む制御システムによっていかに制御されるかをより理論的な方法で示している。
【0100】
この図は、第1の被制御装置が可変ピッチ静翼VSVの段であり、第2の装置が一組の可変空気抜き弁VBVである状況を指している。
【0101】
アクチュエータパラメータの変化は、横座標軸に沿って描かれており、すなわち、この軸は、アクチュエータ24が延在されるより大きな、またはより小さな範囲を示している。このパラメータは、ターボ機械のアイドリングまたは低速運転に対応する初期位置と、ターボ機械の高速運転に対応する最終位置との間を変化する。
【0102】
縦座標軸は、可変静翼VSVのピッチ角度、および可変ブリード弁VBVの開口角度に対応する。これらの2つの装置のそれぞれについて、これらの角度は、「開」に対してO、および「閉鎖」に対してCで標示される2つに位置の間を変化することができる。
【0103】
翼段VSVについての制御関係は、下方の曲線によって表わされている。これは、翼が駆動範囲Eにわって次第に開かれていることを示す。制御システムの配置に応じて、開口は、幾分急峻な傾斜を有するこの曲線により表わされるように、幾分突然に生じることがある。
【0104】
空気抜き弁VBVについての制御関係は、上方の曲線によって表わされている。空気抜き弁VBVは、対応する駆動範囲Dの範囲内で、駆動パラメータが増加するにつれて(アクチュエータ24が延在するにつれて)次第に閉鎖する。
【0105】
図7で分かるように、ターボ機械の比較的低速に対応する、空気抜き弁VBVを閉鎖している範囲では、可変ピッチ翼VSVは、実質的に閉鎖されたままであり、空気抜き弁VBVが大部分閉鎖されて初めて、可変ピッチ翼VSVが開き始める。
【0106】
同様に、いったん空気抜き弁VBVが大部分閉鎖されると、可変ピッチ翼VSVは開き始める。したがって、可変ピッチ翼の位置にわたって、および空気抜き弁にわたっての両方の微細な制御が、本発明の制御システムに含まれるように単一のアクチュエータを用いて達成され得ることを理解することができる。
【0107】
図1から図5に示されるクラッチ遮断装置120は、駆動パラメータの変化の範囲の始めにロストモーションを与える。
【0108】
これと対照的に、図7が言及する制御システムで使用されるクラッチ遮断装置220では、ロストモーションは、駆動パラメータが変化する範囲の終わりに置かれる(大きな横座標値について)。
【0109】
制御システムは、弁VBVが閉鎖しながら翼VSVが開き始めるように(すなわち、翼VSVが開き始め、かつ50%より十分下の、たとえば20%未満の開口に部分的に開くように)、空気抜き弁VBVを閉鎖するように配置される。この配置は、駆動スケーリング装置によって容易にされ、これにより、弁VBVの完全な閉鎖が、小さな振幅ではあるが駆動範囲Hにわたって得ることができるようになる。したがって、適切なスケーリング装置を用いることによって、たとえば使用されるアクチュエータの全駆動範囲の20%または10%、またはさらに5%を占める小さな駆動範囲にわたって、可変ジオメトリ装置310を制御することができる。
【0110】
その後、空気抜き弁VBVは、閉鎖され、または少なくとも実質的に閉鎖され、制御システムは、達成するのに適切であり、可変ピッチ翼の段の翼の閉鎖の主要な一部分を達成する働きをする。したがって、弁VBVが閉鎖され、したがってもはやアクチュエータによって駆動されないときに、アクチュエータは、他の装置、すなわち可変ピッチ翼段の翼に作用し、これを調節するように完全に動作中のままである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械の少なくとも2つの可変ジオメトリ装置を制御するための制御システムにして、可変ピッチ静翼(14)の少なくとも1つの段(10)を有する1つの装置と、ターボ機械の本体用の空気抜き弁(136)を構成する1つの装置とを備える2つの装置(22、110、210)を駆動するアクチュエータ(24)を備える制御システムであって、アクチュエータの駆動パラメータが増加するにつれて翼段の漸進的な開口、および空気抜き弁の漸進的な閉鎖を制御するように配置されることを特徴とする、制御システム。
【請求項2】
前記アクチュエータの駆動パラメータの漸進的な増加につれて可変ピッチ静翼(14)が前記空気抜き弁の閉鎖の間に開き始めるように、前記空気供給弁を閉鎖するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記空気供給弁が実質的に閉鎖されるときに、制御システムが、可変ピッチ静翼の段の翼の閉鎖の主要な一部分を実行するのに適している、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
翼段(10)が、ターボ機械のケーシング(12)で枢動するようにそれぞれ取り付けられる複数の翼(14、14’)と、ケーシングを取り囲み、かつそれぞれのレバー(18)を介して段の翼(14)のそれぞれに接続される制御リング(22)とから成り立っており、アクチュエータが、段(10)の制御リング(22)をケーシング(12)に枢支されたドライバ部材(26)によって回転させるのに適している、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
アクチュエータが、可動制御部材(26)を含み、それの動作が両方の装置に指令を伝達する、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項6】
アクチュエータ(24)が、その外側でこれが第1の装置に作用することができない第1の装置の駆動範囲(D)にわたってパラメータを変化させることによって前記装置のうちの第1のものを駆動するように配置され、アクチュエータ(24)が、その外側でこれが第2の装置に作用することができない第2の装置の駆動範囲(C)にわたって同じパラメータを変化させることによって第2の装置を駆動するように配置され、第1の装置の駆動範囲(D)の少なくとも一部分が、第2の装置の駆動範囲(C)の外側にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項7】
第2の装置の駆動範囲(C)が、第1の装置の駆動範囲の範囲内に含まれる、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
アクチュエータ(24)と装置(110)のうちの1つとの間の接続が、クラッチ遮断装置(120)を含み、このクラッチ遮断装置(120)が、アクチュエータの駆動パラメータ()の値の範囲にわたってアクチュエータ(24)によって前記装置(110)の駆動装置のクラッチを遮断するのに適している、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項9】
クラッチ遮断装置が、第2の制御部材(126)の空き空間内で可動である第1の制御部材(115)を備え、したがって、この空間が、第2の装置(110)に対してロストモーションを可能にする、請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
少なくとも駆動パラメータ()が装置(110、210)の駆動範囲(C)の外側にある範囲にわたって変化するときに、装置(110、210)のうちの1つの制御部材(115)を所定の位置に維持する復帰手段(112、212)をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項11】
アクチュエータと装置のうちの1つとの間の接続に配置される駆動スケーリング装置(20)をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項12】
アクチュエータ(24)から前記装置まで制御を伝達するために、駆動スケーリング装置が、ケーシングに枢支されたフォロア部材(26’)と、翼段を備える装置との間に挿入される追加の枢動部材(44)とを備え、前記追加の枢動部材(44)が、ケーシング(12)とフォロア部材(26’)の両方で枢動するように取り付けられる、請求項4および11に記載の制御システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の制御システムを含む、ターボ機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−504211(P2012−504211A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529597(P2011−529597)
【出願日】平成21年9月23日(2009.9.23)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051791
【国際公開番号】WO2010/037949
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】