説明

タービンバイパス弁の漏洩検出装置及び漏洩検出方法

【課題】蒸気の漏洩を簡易に検出するタービンバイパス弁の漏洩検出装置及び漏洩検出方法を提供する。
【解決手段】バイパス弁10は、蒸気Vが流入可能な弁室11を内部に有する弁箱1、弁室11に連通する蒸気導入路21を有し、弁室11の底面に取り付けた弁座2、及び蒸気導入路21に設けた導入開口を開閉する弁体3を備える。又、バイパス弁10は、ガスケット20を介在して弁座2で弁室11との連通が封止されると共に、蒸気導入路21を通過した蒸気Vが流出する流出室12を弁箱1の内部に有する。漏洩検出装置100は、弁室11の底面から立設して弁座2の周囲を水密可能に囲うと共に、所定の水位が確保できるように水Wを貯留可能な囲壁7を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンバイパス弁の漏洩検出装置及び漏洩検出方法に関する。特に、タービンバイパス弁の弁箱の内部に設置された弁座からの蒸気の漏洩を検出する漏洩検出装置及び漏洩検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、火力発電所又は原子力発電所では、ボイラーなどで作られた過熱蒸気でタービンを回転し、タービンに連結した発電機で電力を発生している。復水器は、タービンを作動させた後の過熱蒸気を冷却して凝縮させ、低圧の飽和液(復水)に戻している。例えば、この復水は、タービン蒸気として再利用される。
【0003】
ボイラーで発生した過熱蒸気は、主管路から分岐し、タービンを迂回したバイパス配管を介して、復水器に直接供給されている。タービンバイパス弁は、バイパス配管の途上に設けられ、弁体を開閉することにより、例えば、タービンに送る過熱蒸気の圧力や流量を調整することができる。
【0004】
このようなタービンバイパス弁として、バイパス弁体への局部的な異物の衝突を防ぎ、蒸気流量を正確に制御できるタービンバイパス弁が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−101516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1にも開示されているように、タービンバイパス弁は、弁室を内部に有する弁箱と弁室を密閉する弁蓋によって、本体となる圧力容器を構成している。弁箱の内部には、弁座と弁体を設けている。弁体は、弁棒の先端部に固定されている。そして、油圧シリンダを駆動することにより、弁棒が進退し、弁体が弁座に設けた中心開口を開閉できる。
【0007】
このように、タービンバイパス弁は、弁室に流入された過熱蒸気が弁座の中心開口を通過して、流出ポートから流出できる。一方、弁体が弁座の中心開口を閉じると、弁室に流入された過熱蒸気を流出ポートから流出することなく密閉できる。
【0008】
一般に、弁座は、弁箱とは別体の円筒状の部品で構成されている。そして、弁座の端部に設けたフランジに当接する円環状のガスケット(パッキン)を介して、弁座が弁室の底面にねじ止めされている。
【0009】
しかし、長期間に亘り、発電所を稼動していると、ガスケット又は弁座のガスケット当接面が劣化して、弁体を閉じても弁座のシート面から蒸気が流出ポートに漏洩することがある。このため、タービンの効率を低下させる要因の一つになっていた。
【0010】
したがって、火力発電所又は原子力発電所では、弁箱から弁座を取り外して、目視でガスケットの劣化状態を確認する点検作業が定期的又は不定期に実施されていた。そして、劣化したガスケットは、交換することが実施されていた。又、劣化した弁座は、補修又は交換することが実施されていた。
【0011】
しかし、火力発電所又は原子力発電所に設置されたタービンバイパス弁は、全長が約4.5mと大型である。そして、弁座のフランジの直径が約30cmと大きく、弁座の取り付けねじが18本あるなど、弁座の取り外しに多くの作業時間を費やしていた。更に、このタービンバイパス弁には、三つの弁座を弁箱に配置しているので、一台のタービンバイパス弁に対する弁座の取り外し時間を多大なものとしていた。
【0012】
大型のタービンバイパス弁の弁箱の内部に設置された弁座からの蒸気の漏洩を簡易に検出する装置及び方法が実現できれば、台座の劣化を確認するための作業時間を短縮できる。又、この作業時間を短縮できれば、所定期間内の点検回数を増やすこともでき、タービンの効率を維持することに貢献できる。そして、以上ことが本発明の課題といってよい。
【0013】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、タービンバイパス弁の弁箱の内部に設置された弁座からの蒸気の漏洩を簡易に検出するタービンバイパス弁の漏洩検出装置及び漏洩検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、弁座の周囲を水が貯留可能な囲壁で囲み、この囲壁の水位の変化を確認することにより、この課題が解決可能なことを見出し、これに基づいて、以下のような新たなタービンバイパス弁の漏洩検出装置及び漏洩検出方法を発明するに至った。
【0015】
(1)本発明によるタービンバイパス弁の漏洩検出装置は、蒸気が流入可能な弁室を内部に有する弁箱、前記弁室に連通する蒸気導入路を有し、前記弁室の底面に取り付けた弁座、及び前記蒸気導入路に設けた導入開口を開閉する弁体を備え、ガスケットを介在して前記弁座で前記弁室との連通が封止されると共に、前記蒸気導入路を通過した蒸気が流出する流出室を前記弁箱の内部に有するタービンバイパス弁の漏洩検出装置であって、前記弁室の底面から立設して前記弁座の周囲を水密可能に囲うと共に、所定の水位が確保できるように水を貯留可能な囲壁を備える。
【0016】
(2)前記囲壁は、撤去可能な防水用のパテで造形されてもよい。
【0017】
(3)前記囲壁は、貯留された水の水位を確認可能な目盛りを有することが好ましい。
【0018】
(4)前記弁箱は、複数の前記流出室を内部に連設していてもよい。
【0019】
(5)前記弁室が円筒状の内壁からなり、前記囲壁は、前記弁室の底面に沿って前記弁室の軸方向に延びて、前記弁座を間にして対向する一対の帯状の第1堰と、これらの第1堰に両端縁が結合すると共に、前記弁室の底面に沿って前記弁室の軸方向を横断するように延びて、前記弁座を間にして対向する一対の帯状の第2堰と、を有してもよい。
【0020】
(6)前記弁箱は、弁蓋で密閉されると共に、前記弁座を取り外し可能な点検開口を上面に有することが好ましい。
【0021】
(7)本発明によるタービンバイパス弁の漏洩検出方法は、蒸気が流入可能な弁室を内部に有する弁箱、前記弁室に連通する蒸気導入路を有し、前記弁室の底面に取り付けた弁座、及び前記蒸気導入路に設けた導入開口を開閉する弁体を備え、ガスケットを介在して前記弁座で前記弁室との連通が封止されると共に、前記蒸気導入路を通過した蒸気が流出する流出室を前記弁箱の内部に有するタービンバイパス弁の漏洩検出方法であって、前記弁室の底面から立設して前記弁座の周囲を水密可能に囲うと共に、水を貯留可能な囲壁を設ける造形ステップと、所定の水位が確保できるように前記囲壁に水を注入する注入ステップと、所定時間後に前記囲壁の水位を確認する確認ステップと、を含む。
【0022】
(8)前記囲壁は、貯留された水の水位を確認可能な目盛りを有し、前記弁箱は、弁蓋で密閉されると共に、前記弁蓋を取り外して前記弁室の内部を確認可能な点検開口を上面に有し、前記点検開口を介して前記目盛りを確認する確認ステップと、を含むことが好ましい。
【0023】
(9)前記囲壁を前記弁箱から撤去する撤去ステップを更に含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるタービンバイパス弁の漏洩検出装置は、弁室の底面から立設して、弁座の周囲を水密可能に囲うと共に、所定の水位が確保できるように水を貯留可能な囲壁を備えるので、水位が変化すれば、ガスケットを介して弁室から流出室に蒸気が漏洩していると判断できる。一方、水位が変化しなければ、ガスケットを介した弁室の密封性が確保されていると判断できる。このように、本発明によるタービンバイパス弁の漏洩検出装置は、弁座を弁箱から取り外すことなく、弁座からの蒸気の漏洩を簡易に検出できる。
【0025】
又、本発明によるタービンバイパス弁の漏洩検出方法は、弁室の底面から立設して弁座の周囲を水密可能に囲うと共に、水を貯留可能な囲壁を設ける造形ステップと、所定の水位が確保できるように、弁座の周囲を水密可能に囲う囲壁に水を注入する注入ステップと、所定時間後に囲壁の水位を確認する確認ステップと、を含むので、弁座を弁箱から取り外すことなく、弁座からの蒸気の漏洩を簡易に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態によるタービンバイパス弁の構成を示す平面図である。
【図2】前記実施形態によるタービンバイパス弁の構成を示す正面図である。
【図3】前記実施形態によるタービンバイパス弁の構成を示す縦断面図である。
【図4】前記実施形態によるタービンバイパス弁の構成を示す斜視分解組立図であり、部分的に断面で示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[タービンバイパス弁の構成]
最初に、本発明の一実施形態によるタービンバイパス弁の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態によるタービンバイパス弁の構成を示す平面図である。図2は、前記実施形態によるタービンバイパス弁の構成を示す正面図である。
【0028】
又、図3は、前記実施形態によるタービンバイパス弁の構成を示す縦断面図である。図4は、前記実施形態によるタービンバイパス弁の構成を示す斜視分解組立図であり、部分的に断面で示している。
【0029】
図1から図4を参照すると、本発明の一実施形態によるタービンバイパス弁(以下、バイパス弁と略称する)10は、鋳造などで成形された本体となる弁箱1を備えている。弁箱1は、蒸気Vが流入可能な円筒状の弁室11を内部に有している。
【0030】
図1から図4を参照すると、弁箱1は、弁室11の軸中心が略水平状態を維持できるように、図示しない部材で支持されている。弁箱1の一方の端部には、円錐台部111を突出している。弁箱1の他方の端部には、円錐台部112を突出している。
【0031】
円錐台部111には、図示しない第1配管が接続される接続部11aを設けている。そして、第1配管から送出された蒸気Vを弁室11に供給できる。又、円錐台部112には、図示しない第2配管が接続される接続部11bを設けている。そして、第2配管から送出された蒸気Vを弁室11に供給できる。
【0032】
図1から図4を参照すると、弁箱1の上面には、点検開口15を密閉する弁蓋5を固定している。通常は、弁蓋5が弁室11を密閉している。つまり、バイパス弁10は、弁室11を内部に有する弁箱1と弁室11を密閉する弁蓋5によって、本体となる圧力容器を構成している。
【0033】
図3又は図4を参照すると、弁室11の底面には、弁座2を取り付けている。弁座2は、点検開口15の直下に位置するように配置されている。弁座2は、弁室11に連通する蒸気導入路21を中央部に有している。
【0034】
図3を参照すると、弁体3は、蒸気導入路21の導入開口を閉じている。弁体3は、弁棒4の先端部に取り付けられている。弁棒4を上昇すると、弁体3は、蒸気導入路21の導入開口を開くことができる。そして、弁室11と蒸気導入路21と連通できる。
【0035】
図2を参照すると、弁棒4の基端部は、油圧シリンダ40のピストンロッド(図示せず)に連結している。油圧シリンダ40を駆動すると、弁体3が進退して、蒸気導入路21の導入開口を開閉できる(図3又は図4参照)。なお、図2から図4では、油圧シリンダ40の動作を切り換えるサーボ弁及び電磁急開弁の図示を省略している。
【0036】
図3又は図4を参照すると、弁箱1は、三つの流出室12を内部に有している。流出室12は、ガスケット20及び弁座2で封止されている。又、流出室12は、蒸気導入路21を通過した蒸気Vが流出する。
【0037】
図1から図4を参照すると、バイパス弁10は、例えば、三つの流出室12の内のいずれか一つの流出室12を図示しない復水器に接続することもでき、全ての流出室12を復水器に接続することもできる。又、これらの流出室12の内のいずれか一つの流出室12を復水器以外の装置に接続してもよい。
【0038】
図3又は図4を参照すると、弁座2の端部に設けたフランジ2aに当接する円環状のガスケット20を介して、弁座2が弁室11の底面(シート面)にねじ止めされている。又、弁座2の胴部2bは、流出室12側に挿通されている。
【0039】
図3又は図4を参照すると、バイパス弁10を長期間に亘り稼動すると、ガスケット20又は弁座2のガスケット当接面が劣化して、弁体3を閉じても弁座2のシート面から蒸気Vが流出室12に漏洩することがある。
【0040】
従来は、弁箱1から弁座2を取り外して、目視でガスケット20の劣化状態を確認する点検作業が定期的又は不定期に実施されていた。しかし、弁座2は、多数の埋込ボルトで弁室11の底面に固定され、更に、この埋込ボルトの上面は、ロックリングで押さえられ、かつ、このロックリングが弁座2のボルト孔に廻り止め溶接されているので、弁座2の取り外しに多くの作業時間を費やしていた。したがって、以下に述べる、タービンバイパス弁の漏洩検出装置を発明することにより、この問題を解決した。
【0041】
[漏洩検出装置の構成]
次に、本発明の実施形態によるタービンバイパス弁の漏洩検出装置の構成を説明する。図1から図4を参照すると、本発明の実施形態による漏洩検出装置100は、所定の水位が確保できるように水Wを貯留可能な囲壁7を備えている。囲壁7は、弁室11の底面から立設している。又、囲壁7は、弁座2の周囲を水密可能に囲っている。
【0042】
図1から図4を参照すると、囲壁7は、弁座2の周囲を水密可能に囲うよう防水用のパテで造形することが好ましく、後述する一対の第1堰7a・7a及び一対の第2堰7b・7bを防水用のパテで造形してもよい。
【0043】
図1から図4を参照すると、囲壁7は、弁座2を間にして、対向する一対の帯状の第1堰7a・7aを有している。又、囲壁7は、弁座2を間にして、対向する一対の帯状の第2堰7b・7bを有している。
【0044】
図1から図4を参照すると、一対の第1堰7a・7aは、弁室11の底面に沿って、弁室11の軸方向に延びている。そして、これらの第1堰7a・7aの底面は、弁室11の底面に水密可能に接合している。これらの第1堰7a・7aの底面は、弁室11の底面に水密可能に溶接してもよい。
【0045】
図1から図4を参照すると、一対の第2堰7b・7bは、それらの両端縁が一対の第1堰7a・7aに水密可能に結合している。又、一対の第2堰7b・7bは、弁室11の底面に沿って、弁室11の軸方向を横断するように延びている。そして、これらの第2堰7b・7bの底面は、弁室11の底面に水密可能に接合している。これらの第2堰7b・7bの底面は、弁室11の底面に水密可能に溶接してもよい。
【0046】
図4を参照すると、囲壁7の内壁には、目盛り71を表示している。点検開口15から目盛り71を視認して、囲壁7に貯留された水Wの水位を確認できる。
【0047】
[漏洩検出装置の作用]
次に、実施形態による漏洩検出装置100の漏洩検出方法及び作用を説明する。図4を参照して、最初に、防水用のパテを用いて、弁室11の底面から立設して、弁座2の周囲を水密可能に囲うと共に、水を貯留可能な囲壁7を設ける(造形ステップ)。次に、所定の水位が確保できるように、囲壁7に水Wを注入する(注入ステップ)。次に、所定時間後に、囲壁7の水位を確認する(確認ステップ)。最後に、囲壁7を弁箱1から撤去して(撤去ステップ)、一連の漏洩検出作業を終了する。
【0048】
漏洩検出装置100は、囲壁7の内部の水位が変化すれば(下がれば)、ガスケット20を介して、水Wが流出室12に漏洩していると判断でき、同様に、弁室11から流出室12に蒸気Vが漏洩すると十分に推測できる。一方、水位が変化しなければ、ガスケット20を介した弁室11の密封性が確保されていると判断できる。
【0049】
このように、実施形態による漏洩検出装置100は、弁座2を弁箱1から取り外すことなく、弁座2からの蒸気Vの漏洩を簡易に検出できる。又、実施形態による漏洩検出方法は、弁室11の底面から立設して弁座2の周囲を水密可能に囲うと共に、水を貯留可能な囲壁7を設ける造形ステップと、所定の水位が確保できるように、弁座2の周囲を水密可能に囲う囲壁7に水Wを注入する注入ステップと、所定時間後に囲壁7の水位を確認する確認ステップと、を含むので、弁座2を弁箱1から取り外すことなく、弁座2からの蒸気の漏洩を簡易に検出できる。
【0050】
本発明によるタービンバイパス弁の漏洩検出装置及び漏洩検出方法は、弁座を弁箱から取り外すことなく、大型のタービンバイパス弁の弁箱の内部に設置された弁座からの蒸気の漏洩を簡易に検出できる。したがって、台座の劣化を確認するための作業時間を短縮できる。又、この作業時間を短縮できれば、所定期間内の点検回数を増やすこともでき、タービンの効率を維持することに貢献できる。
【0051】
本発明による漏洩検出装置が適用されるタービンバイパス弁は、実施形態に限定されない。例えば、弁箱は、一つの弁室に対して、一つの流出室を構成してもよく、一つの弁室に対して、複数の流出室を構成してもよい。又、実施形態では、弁棒が弁座の蒸気導入路を貫通する、いわゆるポペットバルブを開示したが、弁座の導入開口に対向して弁体が開閉するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 弁箱
2 弁座
3 弁体
7 囲壁
10 (タービンバイパス弁)
11 弁室
12 流出室
20 ガスケット
21 蒸気導入路
100 漏洩検出装置
V 蒸気
W 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気が流入可能な弁室を内部に有する弁箱、前記弁室に連通する蒸気導入路を有し、前記弁室の底面に取り付けた弁座、及び前記蒸気導入路に設けた導入開口を開閉する弁体を備え、ガスケットを介在して前記弁座で前記弁室との連通が封止されると共に、前記蒸気導入路を通過した蒸気が流出する流出室を前記弁箱の内部に有するタービンバイパス弁の漏洩検出装置であって、
前記弁室の底面から立設して前記弁座の周囲を水密可能に囲うと共に、所定の水位が確保できるように水を貯留可能な囲壁を備えるタービンバイパス弁の漏洩検出装置。
【請求項2】
前記囲壁は、撤去可能な防水用のパテで造形されている請求項1記載のタービンバイパス弁の漏洩検出装置。
【請求項3】
前記囲壁は、貯留された水の水位を確認可能な目盛りを有する請求項1又は2記載のタービンバイパス弁の漏洩検出装置。
【請求項4】
前記弁箱は、複数の前記流出室を内部に連設している請求項1から3のいずれかに記載のタービンバイパス弁の漏洩検出装置。
【請求項5】
前記弁室が円筒状の内壁からなり、
前記囲壁は、
前記弁室の底面に沿って前記弁室の軸方向に延びて、前記弁座を間にして対向する一対の帯状の第1堰と、
これらの第1堰に両端縁が結合すると共に、前記弁室の底面に沿って前記弁室の軸方向を横断するように延びて、前記弁座を間にして対向する一対の帯状の第2堰と、を有する請求項1から4のいずれかに記載のタービンバイパス弁の漏洩検出装置。
【請求項6】
前記弁箱は、弁蓋で密閉されると共に、前記弁座を取り外し可能な点検開口を上面に有する請求項1から5のいずれかに記載のタービンバイパス弁の漏洩検出装置。
【請求項7】
蒸気が流入可能な弁室を内部に有する弁箱、前記弁室に連通する蒸気導入路を有し、前記弁室の底面に取り付けた弁座、及び前記蒸気導入路に設けた導入開口を開閉する弁体を備え、ガスケットを介在して前記弁座で前記弁室との連通が封止されると共に、前記蒸気導入路を通過した蒸気が流出する流出室を前記弁箱の内部に有するタービンバイパス弁の漏洩検出方法であって、
前記弁室の底面から立設して前記弁座の周囲を水密可能に囲うと共に、水を貯留可能な囲壁を設ける造形ステップと、
所定の水位が確保できるように前記囲壁に水を注入する注入ステップと、
所定時間後に前記囲壁の水位を確認する確認ステップと、を含むタービンバイパス弁の漏洩検出方法。
【請求項8】
前記囲壁は、貯留された水の水位を確認可能な目盛りを有し、
前記弁箱は、弁蓋で密閉されると共に、前記弁蓋を取り外して前記弁室の内部を確認可能な点検開口を上面に有し、
前記点検開口を介して前記目盛りを確認する確認ステップを更に含む請求項7記載のタービンバイパス弁の漏洩検出方法。
【請求項9】
前記囲壁を前記弁箱から撤去する撤去ステップを更に含む請求項7又は8記載のタービンバイパス弁の漏洩検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−190712(P2011−190712A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55797(P2010−55797)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】