説明

タービン翼点検装置

【課題】簡単な構成でかつ使いやすいガスタービン翼点検装置を提供する。
【解決手段】タービンロータ40を低速で回転可能なターニング装置50を備えるガスタービン30のタービン翼37の健全性を確認するためのガスタービン翼点検装置20であって、該ガスタービン30のタービンケーシング31に設けられたタービン翼検査孔41、42、43から挿入し、該タービン翼37を観察するタービン翼観察手段70と、該ターニング装置50に連結し、該ターニング装置50を介して、該タービンロータ40の回転を任意に制御可能なタービンロータ回転制御手段60と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービン翼の健全性を確認するためのタービン翼点検装置に関し、特にタービンロータを低速で回転可能なターニング装置を備えるタービンのタービン翼点検装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のようにタービンは、作動流体を膨張させて、その熱エネルギーを機械仕事として取り出す回転機械であって、発電所ではガスタービン、スチームタービンが多く使用されている。
【0003】
図6は、加圧流動床ボイラを用いた発電プラント1の概略的構成の一部を示す図である。加圧流動床ボイラ2a、2bは、圧力容器3a、3b内に設置されており、炉内は、約1MPaの圧力に保持されている。加圧流動床ボイラ2a、2bは、火炉内に流動媒体4a、4bを保有し、流動媒体4a、4bは、炉底5a、5bから供給される空気で、流動化される。燃料となる石炭などは、石炭、石灰石、及び水が混合された状態で、燃料供給管路6a、6bを通じて、火炉の下部の流動媒体4a、4b中に供給される。また、加圧流動床ボイラ2は、流動層の層高を調整するために、流動媒体を貯留するBM(ベッドマテリアル)タンク7a、7bを有する。
【0004】
加圧流動床ボイラ2は、水管8及び汽水分離器9を有し、石炭を燃焼させた燃焼熱により蒸気を発生させ、蒸気タービン10、発電機11を駆動し発電を行う。燃焼ガスは、除塵装置12a、12bを介して燃焼ガス中の石炭灰を除去し、ガスタービン13に送られ、ガスタービン13は発電機14を駆動し発電を行う。ガスタービン13へは、基本的には石炭灰を除去したガスが供給されるが、石炭の種類などで除塵装置12a、12bの性能も変化し、石炭灰が除塵装置12a、12bをリークする場合もある。このためガスタービン翼には、耐摩耗性のコーティングが施されている。
【0005】
加圧流動床ボイラ2からの燃焼ガス中に含まれる石炭灰粒子によりガスタービン翼が磨耗すると、回転力を伝えるための翼接触面積が低下し、タービンの性能低下が起こる。このためタービン翼を点検し、翼の磨耗状態を確認する必要がある。このため従来から、ボアスコープ、ファイバースコープやCCDを内蔵した電子内視鏡を、ケーシングに設けられた点検孔からケーシング内に挿入し、タービン翼の点検が行われている。
【0006】
ガスタービン翼は、多くのタービンブレードから構成されており、タービン翼を少しづつ回転移動させ、タービンブレードを1枚1枚点検する方法が多く用いられている。しかしながら、この方法は、手間がかかることから、タービン翼の点検を自動化する方法がいくつか提案されている。例えば特許文献1には、航空機のジェットエンジンのタービンブレードに生じるクラック等の損傷を検出する技術が開示されている。
【0007】
この技術は、タービンブレードが配設されているタービンロータを回転させるターニングツールと、このターニングツールの回転を制御するターニングツールコントロールユニットとを備え、内視鏡を予めタービンブレードに対して位置決め固定しておき、ターニングツールをターニングツールコントロールユニットで制御し、タービンロータを回転、停止させタービンブレードを一枚ずつ内視鏡で検査するものである。
【0008】
また航空機用のジェットエンジンや発電所などで使用されるタービンブレードに発生するクラック等の損傷を検出するタービンブレード検査システムとして、タービンロータを回転させるターニングツールと、タービンブレードに生じた損傷を観察するためにタービンブレードが視界に入るように位置決め固定された電子内視鏡と、この内視鏡に設けた照明光学系を介してタービンブレードを照明する光源装置と、電子内視鏡の内視鏡画像を記録する記録手段とを備え、ターニングツールにて回転する複数のタービンブレードを所望のタイミングで1枚ずつ内視鏡の視界に入るようにシフトさせ、このタービンブレードが内視鏡の視界に入るタイミング毎に撮像される内視鏡画像を順次記録手段に記録する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特公昭62−35614号公報
【特許文献2】特開平7−113749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1及び特許文献2に開示されている技術は、タービンブレードの点検を自動化するものではあるが、内視鏡を固定しているため、タービンブレードを所定の角度でしか撮像することができない。また、ターニングツールを用いて予め定める速度でタービンロータを回転させているため、特定のタービンブレードを詳細に点検したい場合であっても調整が容易ではない。また特許文献1及び特許文献2に開示されている技術は、点検装置が複雑で、コストも決して安価とは言えない。
【0010】
タービンブレードの点検については、タービンブレードの点検を自動化したいと言う要望の他、1枚のタービンブレードを入念に点検したいとの要望もある。1枚のタービンブレードを入念に点検するためには、タービンブレードを微小区間移動させたり、必要に応じてタービンロータを逆方向に回転させる必要が生じるが、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、これらに対応するものではない。これらのことから、簡単にタービンブレードを微小区間移動させたり、逆回転させる手段が求められている。またタービンブレードを微小区間移動させたり、逆回転させる手段を、既存のタービンに容易に適用することができればより好ましい。
【0011】
本発明の目的は、簡単な構成でかつ使いやすいタービン翼点検装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、タービンロータを低速で回転可能なターニング装置を備えるタービンのタービン翼の健全性を確認するためのタービン翼点検装置であって、
該タービンのタービンケーシングに設けられたタービン翼点検孔から挿入し、該タービン翼を観察するタービン翼観察手段と、
該ターニング装置に連結し、該ターニング装置を介して、該タービンロータの回転を任意に制御可能なタービンロータ回転制御手段と、
を含むことを特徴とするタービン翼点検装置である。
【0013】
また本発明で、前記ターニング装置は、ターニングモータと、該ターニングモータの回転を前記タービンロータに伝達可能な回転伝達手段とを備え、
前記タービンロータ回転制御手段は、該回転伝達手段の一部を構成し該ターニングモータの回転軸と連結するターニングモータ回転軸連結体に連結し、該回転伝達手段を介して前記タービンロータを回転させる圧縮空気駆動のエアモータ、又は電動モータであることを特徴とする請求項1に記載のタービン翼点検装置である。
【0014】
また本発明で、前記ターニング装置は、ターニングモータと、該ターニングモータの回転を前記タービンロータに伝達可能な回転伝達手段とを備え、
前記タービンロータ回転制御手段は、該ターニングモータの回転を制御可能なインバータであることを特徴とする請求項1に記載のタービン翼点検装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のタービン翼点検装置は、タービンロータを低速で回転可能なターニング装置を備えるタービンのタービン翼の健全性を確認するためのタービン翼点検装置であって、タービンのタービンケーシングに設けられたタービン翼点検孔から挿入し、タービン翼を観察するタービン翼観察手段と、ターニング装置に連結し、ターニング装置を介して、タービンロータの回転を任意に制御可能なタービンロータ回転制御手段と、を含むので、タービンロータの位置の調整を容易に行うことが可能で、容易にタービン翼の点検を行うことができる。またタービン翼点検装置の構成が簡単で取扱が容易である。
【0016】
また本発明によれば、ターニング装置は、ターニングモータと、ターニングモータの回転をタービンロータに伝達可能な回転伝達手段とを備え、タービンロータ回転制御手段は、回転伝達手段の一部を構成しターニングモータの回転軸と連結するターニングモータ回転軸連結体に連結し、回転伝達手段を介してタービンロータを回転させる圧縮空気駆動のエアモータ、又は電動モータであるので、取扱が容易で簡単にタービンロータの位置の調整を行うことができる。またタービンロータ回転制御手段は、エアモータ、又は電動モータであるので、安価であるとともに、既存のタービンにも容易に適用することができる。
【0017】
また本発明によれば、ターニング装置は、ターニングモータと、ターニングモータの回転をタービンロータに伝達可能な回転伝達手段とを備え、タービンロータ回転制御手段は、ターニングモータの回転を制御可能なインバータであるので、タービンロータの位置の調整を容易に行うことができる。また構成が簡単で取扱が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の実施の一形態としてのガスタービンのタービン翼点検装置20の概略的構成を示す図である。図2は、図1のガスタービンの要部を示す部分断面図である。また図3は、ガスタービンのタービン動翼、タービン静翼部分の拡大図である。本実施形態では、加圧流動床発電プラントのガスタービンを例として説明するけれども、ガスタービンが加圧流動床発電プラントのガスタービンに限定されないことは言うまでもない。
【0019】
本タービン翼点検装置20は、ガスタービンのタービン翼を点検するための装置であって、主としてガスタービン30のタービンロータを低速で回転させるターニング装置50、ターニング装置50に連結し、ターニング装置50を介して、タービンロータの回転を任意に制御可能なタービンロータ回転制御手段60、タービン翼を観察ためのボアスコープ70を含み構成されている。
【0020】
本ガスタービン30は、図示を省略した加圧流動床ボイラから送られる燃焼ガスを駆動源とし、ガスタービン30と連結する発電機75を駆動し発電を行う。ガスタービン30は、同一の軸71上に図示を省略した加圧流動床ボイラへ圧縮空気を送る空気圧縮機80を有し、発電機75と同様、空気圧縮機80を駆動する。また空気圧縮機80には起動モータ90が接続されている。
【0021】
また、図2に示すようにガスタービン30と空気圧縮機80とは、同軸71上に配設され、タービンケーシング31、空気圧縮機ケーシング81は別々に形成されている。図示を省略した加圧流動床ボイラで発生した燃料ガスは、熱交換器32、管路33を経由してタービンケーシング31に配設されるタービン動翼34を回転させる。タービン動翼34を回転させ膨張した燃焼ガスは、ディフューザ35を経由して外部に排気される。空気圧縮機80は、吸込みチャンバ82を経由して大気を吸込み、空気圧縮機ケーシング81内に配設される空気圧縮機動翼83で空気を圧縮し、圧縮された空気は、ディフューザ84、排気チャンバ85、及び熱交換器32を経由して図示を省略した加圧流動床ボイラへ圧送される。
【0022】
図3に示すようにガスタービン30は、タービン動翼34とタービン静翼36とで形成されるタービン翼37をタービンケーシング31内に有する。タービンケーシング内31には、上流側から順に第一段動翼34a、第二段動翼34b、第三段動翼34cと、第一段静翼36a、第二段静翼36b、第三段静翼36cと、第一段シュラウド38a、第二段シュラウド38b、第三段シュラウド38cが配設されている。第一段動翼34a、第二段動翼34b、第三段動翼34cは、各々第一段ディスク39a、第二段ディスク39b、第三段ディスク39cの外周に植設されており、タービンディスク39はタービン軸71に連結されタービンロータ40を形成する。
【0023】
第一段静翼36a、第二段静翼36b、第三段静翼36cは、タービンケーシング31に環状に取り付けられている。第一段シュラウド38a、第二段シュラウド38b、第三段シュラウド38cは、タービン動翼34とタービンケーシング31との隙間を調整し、燃焼ガスのリークを減少させるためのもので、タービンケーシング31に取付けられている。
【0024】
図4(a)、4(b)、4(c)は、ガスタービン30のタービンケーシング31に設けられているボアスコープ点検孔41、42、43の位置を示す図である。図4(a)は、第一段シュラウド38a近傍の一部を示す断面図であり、第一段動翼34a近傍のタービンケーシング31には、上部に4箇所のボアスコープ点検孔41(41a、41b、41c、41d)が設けられている。また図4(b)は、第二段シュラウド38b近傍の一部を示す断面図であり、第二段動翼34b近傍のタービンケーシング31には、上部に3箇所のボアスコープ点検孔42(42a、42b、42c)が設けられている。また図4(c)は、第三段シュラウド38c近傍の一部を示す断面図であり、第三段動翼34c近傍のタービンケーシング31には、上部に2箇所のボアスコープ点検孔43(43a、43b)が設けられている。
【0025】
よってこのボアスコープ点検孔41、42、43から、ボアスコープ70をタービンケーシング31内に挿入することで、タービンケーシング31を開放することなくタービン動翼34、タービン静翼36の点検を行うことができる。ボアスコープ70は、タービン翼37を点検する手段であって、光ファイバースを利用したファイバースコープ、CCDを利用した電子内視鏡などがある。
【0026】
ターニング装置50は、タービンロータ40を低速で回転させる装置である。プラントの停止中に、タービンロータ40を回転させることなく停止状態にさせておくと、タービンケーシング31内のガス温度が低下するのに伴い、タービンケーシング31内で上下方向に温度差が生じ、熱膨張差によりタービンロータ40に曲りが生じる。またタービンロータ40の自重でタービンロータ40に曲りが生じる。これらを防止する目的でタービンロータ40を数〜10rpm程度の低速で回転させる。このようにタービンロータ40を回転させることは、一般にターニングと呼ばれる。
【0027】
ターニング装置50は、主としてターニングモータ51と、ターニングモータ51の回転をタービンロータ40に伝達する回転伝達手段52とを備える。回転伝達手段52は、多数の歯車で構成されており、ターニングモータ51の回転数を多段階にわたり低減させ、回転数を低下させた状態で、タービン軸71と歯車を介して連結する。このように多くの歯車によりターニングモータ51の回転数を多段階にわたり低減させるので、ターニングモータ51の出力する回転トルクが増大する。この結果、比較的出力の小さいターニングモータ51で、タービンロータ40を回転させることができる。また回転伝達手段52には、タービン軸71とターニングモータ51との連結を解除するクラッチが設けられている。
【0028】
タービンロータ回転制御手段60は、主としてエアモータと、エアモータの回転軸と回転伝達手段52とを連結する連結体とを含む。このエアモータの回転軸と連結する連結体は、ターニングモータ51の回転軸53と連結する回転伝達手段52の一部を構成するターニングモータ回転軸連結体54と連結する。これによりエアモータは、ターニングモータ51に代わりタービンロータ40を回転させることができる。エアモータは、圧縮空気で駆動し、一般的に起動停止を瞬時に行うことができる。また、正転、逆転の切替え操作も容易で、回転数の範囲も数十〜数百rpmと幅広い特徴を有する。
【0029】
通常、ガスタービン30は、一段のタービン動翼34であっても、多くのタービンブレード(動翼)から構成されているため、ボアスコープ70を用いでタービンブレード34を一枚一枚点検する場合には、タービンロータ40を微小回転させる必要がある。またタービンブレード34の点検に際し、必要に応じてタービンロータ40を時計周り、反時計周りに回転させる必要も生じる。
【0030】
タービンロータ40を回転させる手段として、ターニングモータ51を使用することも可能であるが、タービンロータ40を数rpmで回転させるターニングモータ51を用いて、任意の位置にタービンブレード34を移動させることは困難である。一段のタービンディスク39には、約100枚のタービンブレード34が植設されており、1のタービンブレードと次ぎのタービンブレードとのタービンディスク39へ取付け角度は、約4°である。このことを考えれば、ターニングモータ51を用いて、任意の場所にタービンブレード34を移動させることは困難であることが理解できる。
【0031】
本発明のガスタービンのタービン翼点検装置20は、タービンロータ40の回転を制御可能なタービンロータ回転制御手段60を有するので、任意の場所にタービンブレード34を回転、移動させることができる。図5は、本発明の実施例であって、ターニングモータ51の回転軸53が連結する、回転伝達手段52の一部を構成するターニングモータ回転軸連結体54にエアモータ61を連結する方法を説明するための図である。本実施例では、図5(a)、(b)に示すように、ターニングモータ51の回転軸53と連結する、回転伝達手段52の一部を構成する歯車54に設けられたターニングモータ51の回転軸53を嵌入するためのボス穴55を利用した。
【0032】
このボス穴55に嵌入可能で、エアモータ61の回転軸62と歯車54とを連結可能な連結体63を用いて、歯車54とエアモータ61の回転軸62を連結した。歯車54は、チェーン、他の歯車などを介してタービン軸71と連結するため、エアモータ61を回転させることで、ターニングモータ51を回転させることなく、タービンロータ40を回転させることができる。エアモータ61は、上述のように、回転方向の切替え、回転数の制御、起動停止操作が容易であり、またエアモータ61の回転数は、ターニングモータ51の回転数の数分の一から、数十分の一であり、エアモータ61を用いることで簡単にタービンブレード34を任意の位置に回転、移動させることができた。
【0033】
また本発明は、ターニング装置50の回転伝達手段52を利用してタービンロータ40を回転させるので、比較的小さな出力のエアモータでタービンロータ40を回転させることができる。また例えば本実施例のように、ターニングモータ51の回転軸53と連結する回転伝達手段52の一部を構成する歯車54を利用することで、容易に既存のガスタービンにも適用することができる。またエアモータ61は比較的安価であるので、タービン翼点検装置20を安価に製造、提供することができる。
【0034】
以上実施形態では、エアモータ61をターニングモータ51の回転軸53が連結するターニングモータ回転軸連結体である歯車54に連結する例を示したけれども、エアモータの代りに低回転数の電動モータを使用してもよい。上記の実施形態において、低回転数のエアモータ61、又は電動モータを直接タービン軸71に連結し、タービンロータ40を回転せることも考えられるが、回転伝達手段52を介していないので、エアモータ、又は電動モータに大きなトルクが要求され、好ましいとは言えない。
【0035】
また、回転伝達手段52の中間部に位置する歯車にエアモータ61、又は電動モータを連結させ、タービンロータ40を回転させる方法も考えられるが、エアモータ61、又は電動モータを直接タービン軸71に連結する方法と同様、エアモータ61、又は電動モータに大きなトルクが要求され、好ましいとは言えない。また、本発明の実施形態に示したように、回転伝達手段52の一部を構成しターニングモータ50の回転軸53と連結するターニングモータ回転軸連結体54は、回転伝達手段52の端部であるため、ターニングモータ回転軸連結体54にエアモータ又は電動モータを連結することが容易である。
【0036】
さらに本発明の他の実施形態として、ターニング装置50のターニングモータ51にインバータを装着し、ターニングモータの回転数をさらに低速化させてもよい。この方法も、ターニング装置50の起動停止、回転方向の正転、逆転操作を容易に行うことが可能で、タービンロータ40を任意の位置に回転、移動させることができる。上記のように本発明のタービン翼点検装置は、タービンロータの回転を任意に制御することが可能なタービンロータ回転制御手段60に特徴を有する。さらにこのタービンロータ回転制御手段60は、既存のタービンに容易に取付け使用することができる。また本発明の実施形態では、ガスタービンを例にとり説明したけれども、タービンはガスタービンに限定されるものではなく、ターニング装置を備える蒸気タービンなどにも本発明を適用可能なことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の一形態としてのガスタービンのタービン翼点検装置20の概略的構成を示す図である。
【図2】図1のガスタービン30の要部を示す部分断面図である。
【図3】図1のガスタービン30の動翼、静翼部分の拡大図である。
【図4】図4(a)、4(b)、4(c)は、図1のガスタービン30のタービンケーシング31に設けられているボアスコープ点検孔41、42、43の位置を示す図である。
【図5】本発明の実施例であって、ターニングモータ51の回転軸53が連結する、回転伝達手段52の一部を構成するターニングモータ回転軸連結体54にエアモータ61を連結する方法を説明するための図である。
【図6】従来から使用されているガスタービンを説明するための図であって、加圧流動床ボイラを用いた発電プラント1の概略的構成の一部を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
20 タービン翼点検装置
30 ガスタービン
31 タービンケーシング
34 タービン動翼
35 タービン静翼
37 タービン翼
40 タービンロータ
41、42、43 ボアスコープ点検孔
50 ターニング装置
51 ターニングモータ
52 回転伝達手段
53 ターニングモータ回転軸
54 ターニングモータ回転軸連結体
60 タービンロータ回転制御手段
61 エアモータ
70 ボアスコープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンロータを低速で回転可能なターニング装置を備えるタービンのタービン翼の健全性を確認するためのタービン翼点検装置であって、
該タービンのタービンケーシングに設けられたタービン翼点検孔から挿入し、該タービン翼を観察するタービン翼観察手段と、
該ターニング装置に連結し、該ターニング装置を介して、該タービンロータの回転を任意に制御可能なタービンロータ回転制御手段と、
を含むことを特徴とするタービン翼点検装置。
【請求項2】
前記ターニング装置は、ターニングモータと、該ターニングモータの回転を前記タービンロータに伝達可能な回転伝達手段とを備え、
前記タービンロータ回転制御手段は、該回転伝達手段の一部を構成し該ターニングモータの回転軸と連結するターニングモータ回転軸連結体に連結し、該回転伝達手段を介して前記タービンロータを回転させる圧縮空気駆動のエアモータ、又は電動モータであることを特徴とする請求項1に記載のタービン翼点検装置。
【請求項3】
前記ターニング装置は、ターニングモータと、該ターニングモータの回転を前記タービンロータに伝達可能な回転伝達手段とを備え、
前記タービンロータ回転制御手段は、該ターニングモータの回転を制御可能なインバータであることを特徴とする請求項1に記載のタービン翼点検装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−113412(P2007−113412A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303146(P2005−303146)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】