Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
ターボチャージャ
説明

ターボチャージャ

【課題】タービン軸を軸支するベアリングの性能低下を防止できるようにしたターボチャージャを提供する。
【解決手段】内燃機関の排気ガスによりタービンインペラを回転駆動させるとともに、そのタービンインペラに連結されたベアリングで軸支されたタービン軸を回転させ、そのタービン軸の回転駆動によって圧縮機を作動させて気体を圧縮し、高圧になった気体を内燃機関に供給するターボチャージャであって、前記ベアリングの一方の側面に対向して設けられた潤滑油の噴出孔と、前記ベアリングの他方の側面に対向して設けられた空間部と、その空間部に連通して設けられた潤滑油の排出通路とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボチャージャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ターボチャージャ(過給機)は、内燃機関の排気ガスによりタービンインペラを回転駆動させるとともに、そのタービンインペラに連結された回転軸を回転させ、この回転軸の回転駆動によって圧縮機を作動させて気体を圧縮し、高圧になった気体を内燃機関に供給することで、内燃機関の出力や効率を向上させるようにしている(特許文献1参照)。
なお、特許文献1に示されるターボチャージャは、可変容量型のターボチャージャである。この可変容量型のターボチャージャは、タービンインペラの回転軸周りに所定の間隔を保って配列された複数のノズルベーンを有している。そして、各ノズルベーンは、アクチュエータに接続されたリンク機構を介して駆動される駆動機構により傾動されて各ノズルベーン間の開度が調整され、タービンインペラに供給される排気ガスの流量を調整することができるように構成されている。
可変容量型のターボチャージャは、上述のように、ノズルベーンの傾動の調整によりタービンインペラに供給される排気ガスの流速を変化させることができるので、低回転のときでも高圧になった気体を内燃機関に供給することが可能となる。したがって、可変容量型のターボチャージャがガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の車載用のエンジンに用いられる場合は、低回転域から高回転域までの広い範囲に亘り低燃費化等の性能向上や出力向上等を実現させることができる特長を有している。
【0003】
上記特許文献1の本文においては言及されていないが、この特許文献1の図1のベアリングハウジング17には、回転軸部材9を軸支するベアリングに潤滑油を供給するための給油口(特許文献1の図1の符号3及び17間に示される縦長の「開孔」)が設けられている。このように、ターボチャージャには、高速で回転するタービン軸(特許文献1では「回転軸部材」)を軸支するベアリングを保護するために、ベアリングに潤滑油が供給されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−125588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のターボチャージャは、高速で回転するタービン軸を保護するために、タービン軸を軸支するベアリングに潤滑油を供給するように構成されているが、供給された潤滑油がベアリング部分で滞ると、ベアリングに汚染物が蓄積してベアリングの性能が低下するおそれがあつた。
特に、従来のターボチャージャのベアリングは、ベアリングハウジング内に挿入されたオイルフィルムダンパー(OFD(Oil Film Damper))と呼ばれる部材内に装着され、そのオイルフィルムダンパーがダンパー押さえによってベアリングハウジングに保持されるように構成されているので、そのダンパー押さえにより供給された潤滑油の流れが遮られ、ベアリングに汚染物が蓄積され易いという課題があった。
【0006】
そこで、本発明に係るターボチャージャは、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、タービン軸を軸支するベアリングに供給された潤滑油の流れを良好にし、ベアリングの性能低下を防止できるようにしたターボチャージャを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るターボチャージャは、上記目的を達成するために、内燃機関の排気ガスによりタービンインペラを回転駆動させるとともに、そのタービンインペラに連結されたベアリングで軸支されたタービン軸を回転させ、そのタービン軸の回転駆動によって圧縮機を作動させて気体を圧縮し、高圧になった気体を内燃機関に供給するターボチャージャであって、前記ベアリングの一方の側面に対向して設けられた潤滑油の噴出孔と、前記ベアリングの他方の側面に対向して設けられた空間部と、その空間部に連通して設けられた潤滑油の排出通路とを有することを特徴としている。
上記構成からなるターボチャージャにおいて、ベアリングの他方に設けられた空間部は、ベアリングの一方の側面側に設けられた噴出孔から供給された潤滑油を排出するように作用する。
【0008】
本発明に係るターボチャージャは、前記空間部が前記タービン軸周りに沿って設けられており、前記空間部と前記排出通路とは、前記タービン軸の径方向において連通していることを特徴としている。
上記構成からなるターボチャージャにおいては、タービン軸が回転駆動すると、ベアリングの他方の側面側で受けた潤滑油が、その回転駆動に同伴されて空間部を旋回する。そして、空間部と排出通路とが径方向で連通するため、該回転に伴う遠心力で勢いよく潤滑油を排出通路に排出するよう作用する。
【0009】
また、本発明に係るターボチャージャは、ベアリングはタービン軸の軸方向に対して所定の間隔を保って設けられた第1ベアリング及び第2ベアリングからなり、空間部は、前記第1ベアリング及び第2ベアリングを装着し、かつ、ハウジングに設けられた円筒空間部に挿入されたオイルフィルムダンパーをそのハウジングに保持するダンパー押さえに設けられていることを特徴としている。
上記構成からなるターボチャージャは、ベアリングに供給された潤滑油をダンパー押さえに設けられている空間部から排出するように作用する。
【0010】
そして、本発明に係るターボチャージャは、ベアリングはタービン軸の軸方向に対して所定の間隔を保って設けられた第1ベアリング及び第2ベアリングからなり、空間部は、前記第1ベアリング及び第2ベアリングを装着し、かつ、ハウジングに設けられた円筒空間部に挿入されたオイルフィルムダンパーを受け止めるその円筒空間部の側壁面に設けられていることを特徴としている。
上記構成からなるターボチャージャは、ベアリングに供給された潤滑油をオイルフィルムダンパーを受け止める円筒空間部の側壁面に設けられている空間部から排出するように作用する。
【0011】
さらに、本発明に係るターボチャージャは、ベアリングはタービン軸の軸方向に対して所定の間隔を保って設けられた第1ベアリング及び第2ベアリングからなり、空間部は、前記第1ベアリング及び第2ベアリングを装着し、かつ、ハウジングに設けられた円筒空間部に挿入されたオイルフィルムダンパーをそのハウジングに保持するダンパー押さえと、その円筒空間部に挿入されたオイルフィルムダンパーを受け止めるその円筒空間部の側壁面とに設けられていることを特徴としている。
上記構成からなるターボチャージャは、ベアリングに供給された潤滑油をダンパー押さえに設けられている空間部と、オイルフィルムダンパーを受け止める円筒空間部の側壁面に設けられている空間部とから排出するように作用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るターボチャージャは、ベアリングの一方の側面側に設けられた潤滑油の噴出孔の反対側に、そのベアリングに供給された潤滑油を排出する空間部が設けられているので、ベアリングに供給された潤滑油の流れが良好となり、ベアリングに蓄積される汚染物の発生を防止でき、したがって、ベアリングの性能低下を防止することができる。
また、本発明に係るターボチャージャは、空間部がタービン軸周りに沿って設けられており、空間部と排出通路とがタービン軸の径方向において連通しているため、タービン軸の回転に伴う遠心力を用いて勢いよく潤滑油を排出通路に排出でき、排油性が高まる。このため、潤滑油の流れが良好となり、汚染物を蓄積させることがない。
また、本発明に係るターボチャージャは、潤滑油を排出する空間部をオイルフィルムダンパーを保持するダンパー押さえに設けるようにしているので、そのダンパー押さえを利用して容易に実施することができる。
そして、本発明に係るターボチャージャは、潤滑油を排出する空間部をオイルフィルムダンパーを受け止める円筒空間部の側壁面に設けるようにしているので、その側壁面を利用して容易に実施することができる。
さらに、本発明に係るターボチャージャは、潤滑油を排出する空間部をオイルフィルムダンパーを保持するダンパー押さえと、オイルフィルムダンパーを受け止める円筒空間部の側壁面に設けるようにしているので、ダンパー押さえ及び側壁面を利用して容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るターボチャージャの概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の一点鎖線で囲まれた部分の拡大図である。
【図3】(a)はダンパー押さえの正面図、(b)はそのダンパー押さえの断面図である。
【図4】(a)は図2のX−X線方向から見た側面図、(b)は図4(a)のZ−Z線方向から見た断面図である。
【図5】図2のY−Y線方向から見た側面図である。
【図6】図2のX−X線方向から見た他の例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係るターボチャージャについて、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るターボチャージャを可変容量型のターボチャージャとしたときの概略構成を示す断面図、図2は図1の一点鎖線で囲まれた部分の拡大図である。なお、図1では、図面の煩雑さを避けるために断面を示すハッチングは省略されている。
この可変容量型のターボチャージャTは、ベアリングハウジング1a、タービンハウジング1b及びコンプレッサハウジング1cからなるハウジング1を有している。このうち、ベアリングハウジング1aは中央部分に位置し、タービンハウジング1bはベアリングハウジング1aの一端側(図示の例では左端側)周縁部に締結ボルトを介して設けられ、コンプレッサハウジング1cはベアリングハウジング1aの他端側(図示の例では右端側)周縁部に締結ボルトを介して設けられている。
【0015】
ベアリングハウジング1a内には、水平方向に延びるタービン軸2が後述するベアリングを介して回転自在に軸支されている。このベアリングの部分は、本発明の特徴をなす構成であり、後に図2を用いて詳述する。
タービン軸2の一端側(図示の例では左端側)にはタービンインペラ3が一体的に連結され、他端側(図示の例では右端側)にはコンプレッサインペラ4が一体的に連結されている。なお、タービンインペラ3はタービンハウジング1b内に配置され、コンプレッサインペラ4はコンプレッサハウジング1c内に配置されるように構成されている。
【0016】
タービンハウジング1bは、タービンインペラ3の径方向外側に設けられるタービンスクロール流路5を有するとともに、タービン軸2の軸心方向で、かつ、そのタービン軸2と反対側に開口する、排気ガスの排気口のタービンハウジング出口6を有している。また、タービンハウジング1b内のタービンインペラ3の径方向外側には、略環状を呈する可変ノズルユニットNが設置されている。
【0017】
タービンスクロール流路5は、タービンインペラ3を囲んで略環状に形成されているとともに、このタービンスクロール流路5は、排気ガスを導入するための図示しないガス流入口と連通している。また、タービンスクロール流路5及びタービンハウジング出口6間に形成される空間(流路)には、可変ノズルユニットNの後述するノズルベーンが配置されるように構成されている。なお、図示しないが、タービンハウジング出口6は、排気ガス浄化装置に接続されている。
【0018】
コンプレッサハウジング1cには、タービン軸2の軸心方向で、かつ、そのタービン軸2と反対側に開口する吸気口7が形成されている。この吸気口7は、図示しないエアクリーナに接続されている。また、ベアリングハウジング1aとコンプレッサハウジング1cとの間には、空気を圧縮して昇圧するディフューザ流路8がコンプレッサインペラ4の径方向外側で略環状に形成されている。このディフューザ流路8は、コンプレッサインペラ4の設置箇所を介して吸気口7と連通されている。
さらに、コンプレッサハウジング1cは、コンプレッサインペラ4の径方向外側で略環状に形成されるコンプレッサスクロール流路9が形成されていているとともに、このコンプレッサスクロール流路9は、ディフューザ流路8と連通されている。なお、コンプレッサスクロール流路9は、図示しないエンジンの吸気口と連通されている。
【0019】
可変ノズルユニットNについては、本出願人の先願で公知なので、詳しい説明はその先願に譲るが、この可変ノズルユニットNは、タービンスクロール流路5及びタービンハウジング出口6間に形成される空間(流路)に、シュラウドリング10及びノズルリング11間の周囲に所定の等間隔を保って設けられた複数のノズルベーン12が支軸13を介して回動自在に設けられている。そして、各ノズルベーン12の支軸13は、それぞれ同期用伝達リンク14に接続されていて、これら同期用伝達リンク14は、回動自在に設けられている駆動リング15に連結されている。
【0020】
上記駆動リング15は、駆動軸16の一端側(図示の例では左端側)に連結された駆動用伝達リンク17に連結されている。この駆動軸16は、ベアリングハウジング1aに設けられた不図示の軸受に貫通して軸支されている。そして、この駆動軸16の他端側には、ベアリングハウジング1aの外側に位置するアクチュエータAと駆動レバー19を介して連結されている。
上記構成からなる可変ノズルユニットNは、少ない部品点数で高精度の可変ノズルユニットを低コストで実現することができる特長を有している。
【0021】
本発明の特徴的構成であるベアリングの部分を説明する前に、上記構成からなる可変容量型のターボチャージャTの動作を説明する。
この可変容量型のターボチャージャTおいて、図示しないエンジンの排気口から排出された排気ガスはタービンスクロール流路5に導入される。そして、その導入された排気ガスは、シュラウドリング10及びノズルリング11間に導入されたのち、タービンハウジング出口6から排出される。
他方、アクチュエータAは、エンジンの回転数応じて動作される。すなわち、タービンスクロール流路5に導入される排気ガスの流量に応じてアクチュエータAが作動される。アクチュエータAの動作は、駆動レバー19を介して駆動軸16を回転させ、その駆動軸16の端部に設けられた駆動用伝達リンク17を介して駆動リング15を回転駆動させる。この駆動リング15が回転駆動することにより、各同期用伝達リンク14を介して各ノズルベーン12の角度を同期して傾動(可変)させ、シュラウドリング10及びノズルリング11間の開口面積が変化させられる。そして、この開口面積の変化により、タービンインペラ3に供給される排気ガスの流量が調節される。
【0022】
上述のように、可変容量型のターボチャージャTは、ノズルベーン12の傾動の調整によりタービンインペラ3に供給される排気ガスの流速を変化させることができるので、エンジンの低回転のときでも高圧になった気体を内燃機関に供給することが可能となる。したがって、この可変容量型のターボチャージャTがガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の車載用のエンジンに用いる場合は、低回転域から高回転域までの広い範囲に亘り低燃費化等の性能向上や出力向上等を実現させることができる
【0023】
次に、本発明の特徴的構成のベアリング部分を図2〜図6を用いて説明する。図2は、図1の一点鎖線で囲まれる部分の拡大図である。図3(a)は、ダンパー押さえ24の正面図、図3(b)は、ダンパー押さえ24の断面図である。図4(a)は、図2のX−X線方向から見た側面図、図4(b)は、図4(a)のZ−Z線方向から見た断面図である。図5は、図2のY−Y線方向から見た側面図である。図6は、図2のX−X線方向から見た他の例の側面図である。
図中、20aは第1ベアリング、20bは第2ベアリングであり、後述するオイルフィルムダンパー(以下、「OFD」という。)内に装着されている。
【0024】
これらベアリング20a,20bは、内輪と外輪との間に両側がリティナに挟まれたボールを有する周知のベアリングから構成されていて、このうち、第1ベアリング20aはタービン軸2のタービンインペラ3側に設けられ、第2ベアリング20bはタービン軸2のコンプレッサインペラ4側に設けられている。なお、これらベアリング20a,20bは、図示のような玉軸受でなく、ころ軸受等の周知の軸受とすることができる。
【0025】
図2中、21はOFDであって、ベアリングハウジング1aのタービン軸2の周りに設けられる円筒状の円筒空間部22内に装着されるように構成されている。すなわち、このOFD21は、タービンインペラ3側が円筒空間部22の側壁23に当接して支持され、コンプレッサインペラ4側がダンパー押さえ24により支持されて、円筒空間部22内に保持されるように構成されている。そして、このダンパー押さえ24には、図3(a),(b)に示されるように、第2ベアリング20bに対向する位置に、本発明の空間部に相当する凹部24aが設けられている。さらに、凹部24aは、タービン軸2周りに沿った略円形に設けられる。この凹部24aの下側は大きく形成されていて、ベアリングハウジング1aのコンプレッサインペラ4側に設けられている、本発明の排出通路の一つに相当する貫通孔25に対向するように工夫されている。
【0026】
図2中、23は、OFD21が装着される円筒空間部22を形成するベアリングハウジング1aのタービンインペラ3側の側壁であって、この側壁23の一部には、図4及び図5に示されるように、本発明の空間部に相当する切欠部23a、凹部23a1が設けられている。切欠部23aにより、第1ベアリング20aの下側の側面の一部がベアリングハウジング1a内に形成されている、本発明の排出通路の一つに相当する空間1a´に露出できるように構成されている。また、図2に示すように、凹部23a1は、タービン軸2周りに沿って略円形で設けられ、切欠部23aを経由して空間1a´とタービン軸2の径方向で連通している。
なお、図4(a)において、破線で示される小さい丸印は、後述する第2ベアリング20bに潤滑油を供給するための噴出孔27aの位置を示している。すなわち、この噴出孔の位置は、図4(a)において、タービン軸2の回転方向が反時計方向の場合、垂直線を中心にして所定の角度(図示の例ではθ)だけ、回転方向前方側に位置している。
【0027】
上記OFD21内には、タービンインペラ3側に第1ベアリング20aが、コンプレッサインペラ4側に第2ベアリング20bが装着されている。そして、第1ベアリング20aは、OFD21内のタービン軸2に巻回されたコイル状のスプリング26を介してタービンインペラ3側に押圧されるように構成されている。すなわち、このスプリング26一端側は、第1ベアリング20aに向けて開口された潤滑油の噴出孔27aを備えた押圧リング27に当接され、その他端側は、第2ベアリング20b側に設けられたOFD21と一体的に設けられた突片21aに当接されている。また、この突片21aの第2ベアリング20bに対向し、かつ、上記噴出孔27aに対向した位置に第2ベアリング20bに向けて開口された潤滑油の噴出孔21bが設けられている。
【0028】
図2中、28aはベアリングハウジング1aに縦方向に設けられた潤滑油の供給通路、28bはベアリングハウジング1aに横方向に設けられた潤滑油の供給通路、28cはその供給通路28bに連通して設けられ、上記噴出孔27aに連絡するように設けられた供給通路、及び、28dはその供給通路28bに連通して設けられ、上記噴出孔21bに連絡するように設けられた供給通路である。なお、供給通路28aには、図示しないが、潤滑油手段が接続されている。
【0029】
上記構成からなるターボチャージャTは、ターボチャージャTが回転駆動されると、図示しない潤滑油手段から供給通路28aに潤滑油が供給される。この供給通路28aに供給された潤滑油は、図2に破線矢印で示されるように、供給通路28b,28cを介して噴出孔27aに供給され、その噴出孔27aから第1ベアリング20aの一方の側面側(図2において第1ベアリング20aの右側)に供給される。さらに、供給通路28aに供給された潤滑油は、供給通路28b,28dを介して噴出孔21bに供給され、その噴出孔21bから第2ベアリング20bの一方の側面側(図2において第2ベアリング20bの左側)に供給される。各ベアリング20a,20bには、図4を用いて説明したように、回転方向前方の位置(図4のθ参照)から潤滑油が供給されるので、その供給された潤滑油は、各ベアリング20a,20bの回動力に同伴されてベアリング全体に効率よく供給される。
なお、ターボチャージャTが低速回転のとき、第1ベアリング20aの回転に伴う同伴力が弱くなり、噴出孔27aから供給された潤滑油が時計方向に流れ、潤滑油が有効に利用されることなく排出されるのを防止するため、図6に示されるように、時計方向に向かうに従って流路幅(流路面積)の小さくなる凹部23a1´のようにしてもよい。また、回転方向前方が開口面積の小さい切欠部23a´のようにしてもよい。
【0030】
噴出孔27aから第1ベアリング20aに供給されてその第1ベアリング20aの潤滑に使用された潤滑油は、切欠部23aからベアリングハウジング1aに設けられた空間1a´に排出される。なお、噴出孔27aから第1ベアリング20aに供給された潤滑油の一部は、第1ベアリング20aを挟んだ逆側の凹部23a1が受ける。凹部23a1で受けた潤滑油は、タービン軸2の回転に同伴して凹部23a1内を旋回し、切欠部23aに至る。そして、該回転の遠心力により径方向に連通する空間1a´に勢いよく排出される。
【0031】
一方、噴出孔21bから第2ベアリング20bに供給されてその第2ベアリング20bの潤滑に使用された潤滑油は、ダンパー押さえ24に設けられた凹部24aに流出し、その流出した潤滑油は、ベアリングハウジング1aに設けられた空間1a´に排出される。なお、噴出孔21bから第2ベアリング20bに供給された潤滑油の一部は、第2ベアリング20bを挟んだ逆側の凹部24aの上側が受ける。凹部24aの上側で受けた潤滑油は、タービン軸2の回転に同伴して凹部24a内を旋回し、凹部24aの下側に至る。そして、凹部24aの下側で一時貯溜されて、貫通孔25を介して空間1a´に排出される。
また、スプリング26の設けられている空間に残存する潤滑油は、OFD21の中央下部に設けられた開口21c、及びこの開口21cに対向するベアリングハウジング1aに設けられた開口29を介して空間1a´に排出される。この空間1a´に排出された潤滑油は、図示しない油回収手段に回収される。
【0032】
上記構成からなるターボチャージャTは、各ベアリング20a,20bに供給された潤滑油は、各ベアリング20a,20bに滞ることなく移動するので、各ベアリング20a,20bの箇所に汚染物が蓄積するのを防止でき、ベアリングの性能低下を効果的に防止することができる。特に、ダンパー押さえ24に設けられた凹部24aは、図3(a)に示されるように、下部の面積が大きく形成されているので、潤滑油の排出を円滑に行うことができる。また、側壁23には図4に示すように切欠部23aが設けられているので、潤滑油の排出を円滑に行うことができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して詳説したが、具体的な構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計変更等が可能である。
例えば、上述の例では、ターボチャージャは、可変容量型のターボチャージャとしたが、可変ノズルユニットNを持たないターボチャージャとすることもできる。
【符号の説明】
【0034】
T…ターボチャージャ、N…可変ノズルユニット、A…アクチュエータ、1…ハウジング、1a…ベアリングハウジング、1a´…空間(排出通路)、1b…タービンハウジング、1c…コンプレッサハウジング、2…タービン軸、3…タービンインペラ、4…コンプレッサインペラ、5…タービンスクロール流路、6…タービンハウジング出口、7…吸気口、8…ディフューザ流路、9…コンプレッサスクロール流路、10…シュラウドリング、11…ノズルリング、12…ノズルベーン、13…支軸、14…同期用伝達リンク、15…駆動リング、16…駆動軸、17…駆動用伝達リンク、19…駆動レバー、20…シールリング、20a…第1ベアリング、20b…第2ベアリング、21…オイルフィルムダンパー(OFD)、21a…突片、21b…噴出孔、21c…開口、22…円筒空間部、23…側壁、23a,23a´…切欠部(空間部)、23a1…凹部(空間部)、24…ダンパー押さえ、24a…凹部(空間部)、25…貫通孔(排出通路)、26…スプリング、27…押圧リング、27a…噴出孔、28a,28b,28c…供給通路、29…開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気ガスによりタービンインペラを回転駆動させるとともに、そのタービンインペラに連結されたベアリングで軸支されたタービン軸を回転させ、そのタービン軸の回転駆動によって圧縮機を作動させて気体を圧縮し、高圧になった気体を内燃機関に供給するターボチャージャであって、
前記ベアリングの一方の側面に対向して設けられた潤滑油の噴出孔と、
前記ベアリングの他方の側面に対向して設けられた空間部と、
前記空間部に連通して設けられた潤滑油の排出通路と、
を有することを特徴とするターボチャージャ。
【請求項2】
前記空間部は、前記タービン軸周りに沿って設けられており、
前記空間部と前記排出通路とは、前記タービン軸の径方向において連通していることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
【請求項3】
前記ベアリングは、前記タービン軸の軸方向に対して所定の間隔を保って設けられた第1ベアリング及び第2ベアリングからなり、
前記空間部は、前記第1ベアリング及び第2ベアリングを装着し、かつ、ハウジングに設けられた円筒空間部に挿入されたオイルフィルムダンパーをそのハウジングに保持するダンパー押さえに設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のターボチャージャ。
【請求項4】
前記ベアリングは、前記タービン軸の軸方向に対して所定の間隔を保って設けられた第1ベアリング及び第2ベアリングからなり、
前記空間部は、前記第1ベアリング及び第2ベアリングを装着し、かつ、ハウジングに設けられた円筒空間部に挿入されたオイルフィルムダンパーを受け止めるその円筒空間部の側壁面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のターボチャージャ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−270673(P2010−270673A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123148(P2009−123148)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】