説明

ターボ分子ポンプおよび真空装置

【課題】電源ユニットの大型化を防止しつつ、装置側の漏電遮断器が動作するのを防止することができるターボ分子ポンプ。
【解決手段】回転翼を有して高速回転するロータを具備するポンプユニットと、ポンプユニットを駆動制御する電源ユニットと、ポンプユニットを加熱するヒータ41とを備えたターボ分子ポンプにおいて、外部電源60からヒータ41へ供給される電流とヒータ41から外部電源60に戻る電流との差分に基づいて、ヒータ41の漏電を検知し、差分が通電停止判定値以上になった場合に、外部電源60からの電力をヒータ41に供給する電力ライン上に設けられたリレー54を開いてヒータ41への通電を停止し、検知された漏電が真の漏電と判定されるとリレー54の開状態を維持し、偽の漏電と判定されるとリレー54を再び閉じてヒータ通電を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータを備えたターボ分子ポンプ、および、そのターボ分子ポンプを搭載した真空装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ分子ポンプは半導体製造装置の排気装置として用いられているが、半導体製造装置では、その反応プロセスに応じて様々なプロセスガスが使用される。そして、プロセスガスの種類によっては、ターボ分子ポンプ内に析出物や反応生成物が堆積する場合がある。例えば、アルミニウム膜用ドライエッチング装置の排気に用いた場合、アルミニウム膜と塩素系の気体が反応して塩化アルミニウム(AlCl)等の反応生成物がポンプ内部に堆積する。
【0003】
このような析出物や反応生成物の堆積は、一般的にポンプ温度が高いほど低減される。そのため、従来のターボ分子ポンプでは、ポンプ本体を加熱機構で加熱することにより析出物や反応生成物の堆積を抑制するようにしている。加熱機構としては、ラバーヒータやシーズヒータ等の電気ヒータが一般的に用いられている。
【0004】
ところで、電気ヒータを用いた加熱機構では、熱サイクル寿命を超えて使用した場合などに漏電が発生するおそれがあった。半導体製造装置では、ターボ分子ポンプやその他の機器へのAC電力は、装置設備から供給されるようになっている。AC電力供給の上流には、サーキットブレーカなどの漏電遮断器が設置されている。そのため、ターボ分子ポンプ側の漏電により、装置設備の漏電遮断器が作動した場合、漏電遮断器より下流に配線されている他機器ヘのAC電力供給が停止されることになる。その結果、生産装置の稼働が停止し、装置生産稼働率低下、装置再立ち上げの手間が発生する可能性がある。
【0005】
このような問題を避けるために、ヒータへの電力供給ラインに絶縁トランスを用いることで、漏電の影響を除去するような構成が知られている(例えば、特許文献1の明細書の(段落0003)を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−285993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、絶縁トランスで対策した場合、絶縁トランスが大きいためターボ分子ポンプの電源ユニットが大型化するという欠点があり、また、コストアップという問題も生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、回転翼を有して高速回転するロータを具備するポンプユニットと、ポンプユニットを駆動制御する電源ユニットと、ポンプユニットを加熱するヒータとを備えたターボ分子ポンプに適用され、外部電源からの電力をヒータに供給する電力ライン上に設けられた開閉器と、外部電源からヒータへ供給される電流とヒータから外部電源に戻る電流との差分に基づいて、ヒータの漏電を検知する漏電検知回路と、差分が通電停止判定値以上になった場合に開閉器を開いてヒータへの通電を停止し、漏電検知回路により検知された漏電が真の漏電か偽の漏電かを判定する漏電チェック手段と、漏電チェック手段により真の漏電と判定されると開閉器の開状態を維持し、漏電チェック手段により偽の漏電と判定されると開閉器を再び閉じてヒータ通電を行わせる制御装置と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、ヒータの通電をオンオフするスイッチング素子を有するヒータ電流制御回路をさらに備え、漏電チェック手段は、開閉器が閉じられた状態において、オン時間が漏電検知回路の漏電検知限界時間よりも短い間欠通電をヒータ電流制御回路により所定時間行わせるとともに、該所定時間の間、差分を積算して差分積算値を算出し、差分積算値が漏電判定値以上ならば真の漏電と判定し、差分積算値が漏電判定値より小ならば偽の漏電と判定することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載のターボ分子ポンプにおいて、漏電チェック手段は、制御装置により開閉器が再び閉じられる前に、ヒータ電流制御回路によりヒータへの通電をオフすることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプにおいて、漏電チェック手段により真の漏電と判定されると警報信号を出力する警報手段を、さらに備えたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプを含む複数の機器が搭載され、それら複数の機器に対して一つの漏電遮断器を介して電力を供給する構成の真空装置であって、漏電検知回路は、ヒータの漏電に対する検知感度が漏電遮断器よりも高く設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ターボ分子の電源ユニットの大型化を防止しつつ、ヒータ漏電時に、ターボ分子ポンプが搭載されている装置側の漏電遮断器が動作するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるターボ分子ポンプ(以下、TMPと記す)の装置構成を示す図である。
【図2】ポンプユニット1の断面図である。
【図3】反応生成物の飽和蒸気圧と温度との関係を示す図である。
【図4】電源ユニット2のヒータ電流制御に関する部分の構成を示すブロック図である。
【図5】漏電監視動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5のステップS30の処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】(a)は漏電電流センサ51により検出される差分値を示す図であり、(b)はヒータ通電のオンオフタイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明によるターボ分子ポンプ(以下、TMPと記す)の装置構成を示す図である。TMPは、ポンプユニット1と電源ユニット2とから構成される。ポンプユニット1と電源ユニット2との間は、モータ制御および磁気浮上制御を行わせるための制御用ケーブルで接続されている。また、後述するような反応生成物対応型TMPの場合には、温度コントロール用の温調ケーブルも接続される。なお、ユニット間が直接結合された、ケーブルレスの一体化されたTMPもある。
【0012】
TMPは半導体製造装置等の真空装置に搭載され、電源ユニット2には装置側からAC電力が供給される。装置には図1に示すTMPだけでなく複数のTMPや他の機器が搭載されており、それぞれの機器に対して、漏電遮断器3を介してAC電力が供給されるような構成となっている。
【0013】
図2は、ポンプユニット1の断面を示す図である。図2に示したTMPは磁気浮上式のポンプであって、ロータ30は、磁気軸受を構成するラジアル方向の電磁石37およびスラスト方向の電磁石38によって非接触支持される。ロータ30の浮上位置は、ラジアル変位センサ27およびアキシャル変位センサ28によって検出される。
【0014】
磁気軸受によって回転自在に磁気浮上されたロータ30は、モータ36により高速回転駆動される。26,29は非常用のメカニカルベアリングであり、磁気軸受が作動していない時にはメカニカルベアリング26,29によりロータ30は支持される。
【0015】
ロータ30には、複数段の回転翼32と円筒状のネジロータ31とが形成されている。一方、固定側には、軸方向に対して回転翼32と交互に配置された複数段の固定翼22と、ネジロータ31の外周側に設けられたネジステータ24とが設けられている。各固定翼22は、スペーサリング23を介してベース20上に載置される。ポンプケーシング21をベース20に固定すると、積層されたスペーサリング23がベース20とポンプケーシング21との間に挟持され、固定翼22が位置決めされる。
【0016】
ベース20には排気ポート25が設けられ、この排気ポート25にバックポンプが接続される。ロータ30を磁気浮上させつつモータ36により高速回転駆動することにより、吸気口21a側の気体分子は排気ポート25側へと排気される。
【0017】
本実施の形態のTMPは、上述したような反応生成物の堆積を防止するために、ポンプ温度調節機構を備えている。ポンプユニット1のベース20には、ポンプ温度を所望の温度に制御するためのヒータ41,冷却水配管40および温度センサ43が設けられている。冷却水配管40内には、冷却水が循環している。42は、電源ユニット2との間のケーブルを接続するためのコネクタである。ヒータ41には、ラバーヒータやシーズヒータなどが用いられる。
【0018】
図3は反応生成物の飽和蒸気圧と温度との関係を示す図であり、一例として塩化アルミニウム(AlCl)の場合について示したものである。飽和蒸気圧は、温度が高くなるほど高くなる。ポンプ内の(温度,圧力)が飽和蒸気圧曲線の右側の領域にある場合には、塩化アルミニウムは気体状態になっているので、そのまま排気ポート25から排気される。しかし、ポンプ内の(温度,圧力)が飽和蒸気圧曲線の左側の領域にある場合には、塩化アルミニウムは気体から固体に変化し、ポンプ内に付着して堆積する。
【0019】
温度調整機構を備えていないTMPは、一般的に領域Aの範囲で使用されるため、塩化アルミニウムの体積が問題となる。一方、本実施の形態のTMPでは、ヒータ41による加熱と冷却水配管40による冷却とを制御して、(温度、圧力)が領域Bで示すような範囲となるようにする。その結果、塩化アルミニウムの堆積を防止することができる。
【0020】
図4は、ヒータ41の電流制御を説明する図であり、電源ユニット2のヒータ電流制御に関する部分の構成を示したものである。右側の一点鎖線の右側領域にはポンプユニット1側の構成を示し、左右の一点鎖線で挟まれた領域には電源ユニット2側の構成を示す。また、60は電源ユニット2に交流電力を供給する外部電源(例えば、200V電源)であり、装置側に設けられている。
【0021】
ポンプユニット1側には、温度調節機構として、ヒータ41、温度センサ43および冷却水配管40の冷却水流量を調節するためのバルブ44が設けられている。温度センサ43の温度検出信号は電源ユニット2の制御回路50に入力される。バルブ44は制御回路50によって制御される。ヒータ41には電源60から交流電力が供給され、電源ライン上に設けられた機械式リレー54を制御回路50からの指令により開閉することにより、電源60とヒータ41との接続および切断が行われる。
【0022】
ヒータ41に流れる交流電流の制御には、SSR(Solid State Relay)などのパワーデバイスによるヒータ電流制御素子52を使用し、ヒータ通電のON/OFF制御を可能とする。SSRには、パワーデバイスとしてサイリスタやトライアックが組み込まれており、それらのトリガのタイミングを変化させることで、ヒータ41の電力制御を行う。電力制御を行う際のヒータ電流は、電流センサ53により検出される。
【0023】
また、ヒータ41の漏電電流を検出する漏電電流センサ51には、貫通電流(被測定電流)による誘導電流をピックアップするCTセンサを組み合わせたものが用いられる。漏電電流センサ51は、CTセンサを用いて、電源からヒータへと流れる電流Iと、ヒータ41から電源60へと戻る電流Iとをそれぞれ検出し、その検出値の差分ΔI=I−Iが制御回路50に入力される。漏電が無ければI=Iであるので、ΔI=0となり、漏電が生じるとΔI>0となる。
【0024】
ところで、一般的に、装置には複数のTMPが搭載されとともにその他の機器も設けられている。装置側の漏電遮断器はそれら複数の機器に対してまとめて一つ設けられているので、TMP側に設けられている漏電電流センサ51が検出する電流値に比べて、装置側の漏電遮断器で扱う電流値は大きく、その漏電遮断器の漏電検出レベルについても比較的大きい。本実施の形態では、TMP側に設けられている漏電電流センサ51の漏電検知感度、すなわち漏電時間や漏電電流値に対する感度を装置側の漏電遮断器の感度よりも高く設定することで、装置側の漏電遮断器が動作する前に漏電を検出することができるように構成されている。
【0025】
本実施の形態では、このように装置側の漏電遮断器よりも早く動作する漏電電流センサ51を用いることにより、装置側で検出される前に漏電を検出することができる。そして、以下に説明するような制御動作を行い、装置側よりも早期に漏電を検出してヒータ41への電力供給を停止することで、ヒータ漏電が原因で装置側の漏電遮断器が動作するのを未然に防止するようにした。
【0026】
図5、6は、制御回路50で行われる漏電監視動作を説明するためのフローチャートである。この漏電監視動作は、TMPが稼働している間は常に実行されている。
【0027】
ステップS10では、漏電電流センサ51で検出されるヒータ電流の差分値ΔIと予め設定された判定値ΔIthとを比較し、ΔI≧ΔIthであるか否かを判定する。この判定値ΔIthは、装置側の漏電遮断器では漏電と判定されない電流値レベルであって、漏電の疑いがあることを判定するための閾値である。ステップS10でΔI≧ΔIthと判定されたならば、漏電の可能性ありと判断してステップS20に進む。
【0028】
ステップS10で漏電の可能性ありと判断されたた場合、それが実際の漏電であるか否かにかかわらず、装置側の漏電遮断器がオフされることを防止するために、ステップS20では、リレー54をオフしてヒータ41の通電を停止する。その後、ステップS30に進んで漏電チェック動作の処理を行う。
【0029】
図6は、ステップS30の漏電チェック動作を詳細に示したフローチャートである。漏電チェックを行う場合、再通電のためにリレー54をオンすることになるが、その際にチャタリングが生じて、漏電チェック動作において誤判定を招くおそれがある。そのため、ステップS300において、ヒータ41への通電量がゼロとなるようにヒータ電流制御素子52をオフ制御した後に、ステップS310においてリレー54をオンする。
【0030】
ステップS320では、ヒータ電流制御素子52を非常に短い時間間隔でオンオフして、ヒータ41に対して間欠通電を行う。図7(b)はオンオフのタイミングを示す図であり、オン時間Δtは、電源ユニット2側で漏電検知とされる瞬時漏電検知限界時間(一般的に10ms程度)以下に設定される。この間欠通電は、予め設定された所定時間または所定回数行われる。制御回路50は、間欠通電の間、漏電電流センサ51で検出される差分値ΔIの積算を行う。
【0031】
図7(a)は、間欠通電期間中に検出される差分値ΔI(=I−I)を示したものであり、実際に漏電が生じている場合を示した。漏電が生じている場合には、I>IなのでΔI>0となり、積算とともに積算値が増加する。一方、ノイズ等による誤信号は正負に関してランダムに発生する。そのため、積算することにより平均化され、実際に漏電している場合と比べ積算値が小さくなる。
【0032】
ステップS320の間欠通電および積算処理が終了したならば、ステップS330に進んでリレー54をオフし、図6に示す漏電チェック動作処理、すなわち図5のステップS30の処理を終了する。その後、図5のステップS40に進んで積算値Ihが予め設定された判定値Ihth以上か否かを判定する。上述したように積算値Ihは漏電しているか否かによって大きく異なっており、漏電、非漏電を確実に区別できる値を判定値Ihthに設定すれば良い。例えば、実際に漏電を発生させる実験を行って決定する。
【0033】
ステップS40で漏電(YES)と判定されると、ステップS80に進んで警報信号を上位コントローラ(装置側のコントローラ)に出力する。また、TMPの電源ユニット2に設けられている表示装置に警報表示を行っても良い。警報を出力することにより、ヒータメンテナンスの必要性を判断することができる。
【0034】
一方、ステップS40において漏電でない(NO)と判定された場合には、ステップS50へ進んでヒータ電流制御素子52をオフ状態に制御した後に、ステップS60に進んでリレー54をオンする。その後、ステップS70において、ヒータ41に対して通常のヒータ通電が行われるように、ヒータ電流制御素子52の通電制御を開始する。ステップS40で漏電でないと判定された場合には通電が再開されるが、通電再開でリレー54をオンした際にチャタリングが生じると、その現象が漏電電流センサ51により検出され、漏電と誤診断されるおそれがある。そのため、上述したように無通電状態でリレー54をオンした後に、通電を再開するようにして、そのような誤診断を防止するようにしている。
【0035】
上述したように、本実施の形態は、ヒータ41の漏電を検出するための漏電電流センサ51を特別に設けたもので、漏電と思われる現象が発生した場合には、漏電電流センサ51によっていち早く検出される。そして、装置側の漏電遮断器が動作する前にヒータ通電を停止することで、ヒータ通電は停止されるが、TMPは運転が継続され、装置側漏電遮断器の動作による生産停止というような事態を避けることができる。
【0036】
なお、漏電電流センサ51で漏電を検出する場合、数Aのオーダのヒ−タ電流と比べ、漏電電流は数mAのオ−ダと大きく異なるため、実際の漏電電流はノイズによる影響を受けやすく、漏電と誤診断する可能性が高い。そこで、ヒータ通電を一旦停止した後に、上述したような漏電チェック動作を行うようにしている。漏電電流値(差分値ΔI)を積算することでS/Nが向上するので、より正確な診断を行うことが可能となり、誤診断による装置側漏電遮断器の作動を防止することができる。
【0037】
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
1:ポンプユニット、2:電源ユニット、22:固定翼、30:ロータ、32:回転翼、40:冷却水配管、41:ヒータ、50:制御回路、51:漏電電流センサ、52:ヒータ電流制御素子、53:電流センサ、54:リレー、60:外部電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転翼を有して高速回転するロータを具備するポンプユニットと、ポンプユニットを駆動制御する電源ユニットと、前記ポンプユニットを加熱するヒータとを備えたターボ分子ポンプにおいて、
外部電源からの電力を前記ヒータに供給する電力ライン上に設けられた開閉器と、
前記外部電源から前記ヒータへ供給される電流と前記ヒータから前記外部電源に戻る電流との差分に基づいて、前記ヒータの漏電を検知する漏電検知回路と、
前記差分が通電停止判定値以上になった場合に前記開閉器を開いて前記ヒータへの通電を停止し、前記漏電検知回路により検知された漏電が真の漏電か偽の漏電かを判定する漏電チェック手段と、
前記漏電チェック手段により真の漏電と判定されると前記開閉器の開状態を維持し、前記漏電チェック手段により偽の漏電と判定されると前記開閉器を再び閉じてヒータ通電を行わせる制御装置と、を備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記ヒータの通電をオンオフするスイッチング素子を有するヒータ電流制御回路をさらに備え、
前記漏電チェック手段は、前記開閉器が閉じられた状態において、オン時間が前記漏電検知回路の漏電検知限界時間よりも短い間欠通電を前記ヒータ電流制御回路により所定時間行わせるとともに、該所定時間の間、前記差分を積算して差分積算値を算出し、前記差分積算値が漏電判定値以上ならば真の漏電と判定し、前記差分積算値が前記漏電判定値より小ならば偽の漏電と判定することを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記漏電チェック手段は、前記制御装置により前記開閉器が再び閉じられる前に、前記ヒータ電流制御回路により前記ヒータへの通電をオフすることを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記漏電チェック手段により真の漏電と判定されると警報信号を出力する警報手段を、さらに備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプを含む複数の機器が搭載され、それら複数の機器に対して一つの漏電遮断器を介して電力を供給する構成の真空装置であって、
前記漏電検知回路は、前記ヒータの漏電に対する検知感度が前記漏電遮断器よりも高く設定されていることを特徴とする真空装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−74893(P2011−74893A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229861(P2009−229861)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】