説明

ターボ機械モータ

【課題】端壁輪郭が容易に形成可能であることにより優れている、改良された実施形態を提供する。
【解決手段】動翼列(7)が設けられていて、該動翼列が、複数の動翼(8)を有しており、該動翼が、ロータ(5)の回転軸線(6)に関して周方向(19)で互いに隣り合って配置されており、ロータシャフト(9)が設けられていて、該ロータシャフトが、各動翼列のために、周方向に延びる収容溝(10)を有しており、該収容溝内に、動翼のルート(13)が挿入されており、中間部材(14)が設けられていて、該中間部材が、収容溝内に、隣り合う2つの動翼の間にそれぞれ配置されており、動翼が、ルートの外側面(15)に、周方向で各動翼のブレードの隣に、それぞれ1つの湾曲させられた端壁輪郭(16)を有しており、中間部材が、外側面において、それぞれ1つの湾曲された端壁輪郭を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ機械(Turbomaschine)に用いられるロータ、特に、有利には発電設備のターボ機械、たとえばガスタービンまたは蒸気タービンの圧縮機ロータまたはタービンロータに関する。さらに本発明は、ターボ機械を更新する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータは通常、少なくとも1つの動翼列を有している。動翼列は、複数の動翼(Laufschaufel)を有している。これらの動翼は、ロータの回転軸線に関して周方向で互いに間隔を置いて配置されている。この場合、動翼は、ロータを起点としてガス路(Gaspfad)内に突出している。ガス路内には、ターボ機械の運転中に作用ガスが流れる。さらに、このようなロータは典型的にはロータシャフトを有している。このロータシャフトは、各動翼列のために、周方向に延びる収容溝を有している。この収容溝内には、動翼のルートが挿入されている。さらに、収容溝内に、隣り合った2つの動翼の間にそれぞれ配置された複数の中間部材が設けられていてよい。
【0003】
さらに、動翼はそれぞれ1つのブレード(Schaufelblatt)を有している。ブレードは、所属するルートを起点として、ロータからほぼ半径方向に突出していて、これによりガス通路内に突入している。この場合、各動翼はルートを介してロータシャフトに取り付けられている。ルートに対応配置された内側の端区分の領域において、特に圧縮機の場合には、ターボ機械の運転中のガス流の安定化が、ロータの、ブレードに隣接する、ガス路にさらされた外側面への特殊な輪郭形成により達成され得る。これは、ロータの、ガス路を画定する端壁輪郭である。端壁輪郭は、特にガス路に沿って湾曲させられていてよい。この場合、基本的には、動翼のルートに、ガス路に面した外側面で、周方向でブレードの隣に、このような湾曲させられた端壁輪郭を備えることが可能である。
【0004】
たとえば、米国特許第5232348号明細書および米国特許第2916257号明細書の図面は、湾曲させられた端壁輪郭を示している。この場合、中間部材の、ガス路側の端壁は、ルートの端壁に面一にかつ段差なしに移行している。湾曲部の、ガス路に向けられた凸状の形態の代わりに、直線状の形態が設けられていてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5232348号明細書
【特許文献2】米国特許第2916257号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のロータのために、特に、端壁輪郭が容易に形成可能であることにより優れている、改良された実施形態を提供することである。この場合、既存のターボ機械の比較的に廉価な更新が実現されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明による構成では、ターボ機械に用いられるロータであって、少なくとも1つの動翼列が設けられていて、該動翼列が、複数の動翼を有しており、該動翼が、ロータの回転軸線に関して周方向で互いに隣り合って配置されており、少なくとも1つのロータシャフトが設けられていて、該ロータシャフトが、各動翼列のために、周方向に延びる収容溝を有しており、該収容溝内に、動翼のルートが挿入されており、さらに複数の中間部材が設けられていて、該中間部材が、収容溝内に、隣り合う2つの動翼の間にそれぞれ配置されており、動翼が、ルートの外側面において、周方向で各動翼のブレードの隣に、それぞれ1つの湾曲させられた端壁輪郭を有しており、中間部材が、外側面において、同じくそれぞれ1つの湾曲された端壁輪郭を有しており、ルートの外側面と、中間部材の外側面とが、半径方向で面一に整合して周方向で互いに隣接している形式の、ターボ機械に用いられるロータにおいて、端壁輪郭が、ロータの軸方向の切断平面において、凹状の湾曲部を有しているようにした。
【0008】
本発明の有利な構成によれば、前記端壁輪郭が、2つの変曲点を有している。
【0009】
本発明の有利な構成によれば、前記湾曲部が、流入側または流出側にずらされて配置されている。
【0010】
本発明の有利な構成によれば、前記端壁輪郭が、軸対称に形成されている。
【0011】
本発明の有利な構成によれば、ルートの外側面における端壁輪郭と、中間部材の外側面における端壁輪郭とが同一である。
【0012】
本発明の有利な構成によれば、中間部材およびルートが非対称であり、中間部材が、唯1つの組付け位置でのみ正常に組付け可能である。
【0013】
本発明の有利な構成によれば、前記収容溝が、該収容溝の溝壁に、半径方向内方に向けられた支持輪郭を有していて、中間部材が、前記収容溝の前記支持輪郭に対して相補的な、半径方向外方に向けられた支持輪郭を有していて、該支持輪郭が、組み付けられた状態で、前記収容溝の前記支持輪郭に半径方向に支持される。
【0014】
本発明の有利な構成によれば、ルートの内側面が、周方向に突出する段部を有していて、該段部が、組み付けられた状態で、それぞれ隣り合う中間部材の内側面に半径方向に支持される。
【0015】
本発明の有利な構成によれば、動翼が、単に間接的に中間部材を介して、ロータシャフトに半径方向で取り付けられている。
【0016】
本発明の課題は、本発明に係るロータを備えた、ターボ機械のための圧縮機およびタービンにより解決される。
【0017】
さらに、本発明の課題は、ターボ機械、特に圧縮機またはタービンのロータを更新する方法であって、ロータが、少なくとも1つの動翼列を有していて、該動翼列が、複数の動翼を有していて、該動翼が、ロータの回転軸線に関して周方向で互いに隣り合って配置されており、さらに少なくとも1つのロータシャフトが設けられており、該ロータシャフトが、各動翼列のために、周方向に延びる収容溝を有しており、該収容溝内に、動翼のルートが挿入されており、さらに複数の中間部材が設けられており、該中間部材が、収容溝内に、隣り合った2つの動翼の間にそれぞれ配置されている、ロータを更新する方法において、動翼を、ルートの外側面において、周方向で各動翼のブレードの隣に、それぞれ1つの湾曲させられた端壁輪郭を有している動翼に交換し、中間部材を、外側面において同様にそれぞれ1つの湾曲された端壁輪郭を有する中間部材に交換することにより解決される。
【発明の効果】
【0018】
有利な実施形態によれば、各端壁輪郭は、軸方向切断面で、まさに2つの変曲点(Wendepunkt)を有していてよく、特にその軸方向の端部で、ロータシャフトの外側面に接線方向で移行してよい。付加的にまたは択一的には、各端壁輪郭が、凹状に湾曲させられていてよい。付加的または択一的には、各端壁輪郭で、湾曲部がガス路に沿って偏心して配置されていることも可能である。この場合、湾曲部は、特に圧縮機の場合に、流入側に向かってずらされていてよい。
【0019】
本発明による圧縮機もしくは本発明によるタービンは、上述の形態のロータを備えていてよく、ターボ機械、たとえば発電設備の定置のターボ機械において使用され得る。
【0020】
本発明では特に、ルートの、ガス路に面した外側面だけではなく、中間部材の、ガス路に面した外側面にも、上述のような端壁輪郭を備えることが規定されている。これによって、各ルートの外側面の端壁輪郭から、それぞれ隣接した中間部材の外側面の端壁輪郭への移行部はより単純になる。したがって、特に、ルートにおける端壁輪郭のための複雑な三次元の形状付与はもはや必要ではない。それゆえ、端壁輪郭を製造するための手間を減じることができる。本発明によれば、いまや中間部材も上述のような端壁輪郭を備えているので、たとえば更新の範囲で、既存のターボ機械にあとから湾曲させられた端壁輪郭を備えるために、動翼および中間部材を交換することが可能である。
【0021】
有利な実施形態によれば、ルートの外側面における端壁輪郭と、中間部材の外側面における端壁輪郭とが、同一であってよい。ルートにも中間部材にも同一の端壁輪郭を製造することにより、複雑な三次元の移行部が回避される。このことは端壁輪郭の製造を簡略化する。
【0022】
特に有利な実施形態によれば、端壁輪郭が、軸対称に形成されていてよい。このことは、端壁輪郭が、回転軸線に関して回転対称に形成されていることを意味する。換言すれば、各端壁輪郭は、回転軸線を含む1つの切断平面で、周方向で一様にもしくは一定に異形成形されている。これにより、端壁輪郭をルートの外側面と中間部材の外側面とに設けることは特に簡単である。
【0023】
別の有利な実施形態によれば、中間部材と、ルートとは、軸方向で非対称に形成されていてよい。この場合、中間部材は、唯1つの組付け位置でのみ正常に組付け可能であるようにされる。湾曲させられた端壁輪郭が軸方向で非対称に構成されている場合、上記で提案された構造形状は、中間部材の誤った組付けを阻止する。誤った組付けは、ルートの領域において、各動翼を取り囲む流れの著しい損失につながり得る。
【0024】
特別な実施形態によれば、収容溝は、軸方向で互いに向かい合った溝壁に、半径方向内方に向けられた支持輪郭を有している。この場合、中間部材は、収容溝の支持輪郭に対して相補的な、半径方向外方に向けられた支持輪郭を有している。中間部材の支持輪郭は、組み付けられた状態で、収容溝に設けられた支持輪郭において半径方向に支持されている。これによって、中間部材は、収容溝内で、互いに当て付けられた両支持輪郭の間の集中的な形状接続(嵌合:形状による束縛に基づく結合)により、半径方向外方に向かって位置固定されている。中間部材を各収容溝内に導入することができるように、ロータシャフトが軸方向平面で分割されていてよい。
【0025】
有利な別の実施形態によれば、ルートは、ガス路とは反対の側を向けられた、もしくは当該ルートの外側面とは反対の側を向けられた内側面に、周方向に突出する段部を有していてよい。これらの段部は、組み付けられた状態で、それぞれ隣接した中間部材の、各外側面とは反対の側を向けられた内側面において、半径方向に支持されている。したがって、この実施形態では、ルートが、間接的に中間部材を介してロータシャフトに半径方向で固定されている。付加的には、ルートが、中間部材と同様に、収容溝に設けられた支持輪郭と協働する支持輪郭を有していてよい。
【0026】
しかし、動翼が、単に間接的に中間部材を介してロータシャフトに半径方向で取り付けられている実施形態が有利である。これによって、少なくとも1つの中間部材が収容溝から取り出されていて、残留している全ての中間部材およびルートが収容溝内で周方向に移動可能である場合、修理のために動翼を収容溝から半径方向に引き出すことが特に簡単に可能である。
【0027】
本発明の別の重要な特徴および利点は、従属請求項および図面ならびに所属する図面の説明から明らかになる。
【0028】
上記の特徴および以下でさらに説明する特徴は、本発明の範囲を逸脱することなしに、それぞれ記載された組合せでだけではなく、別の組合せにおいて、または単独でも使用可能であると理解される。
【0029】
本発明の有利な実施形態を図面に示し、以下の説明において詳しく説明する。この場合同一の符号は、同一の構成部材、類似の構成部材または機能同一の構成部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ロータの領域のターボ機械の長手方向断面図である。
【図2】ロータの動翼列の周方向区分の縮尺図である。
【図3】動翼列の周方向区分を半径方向から見た平面図である。
【図4】別の実施形態の、図3と同様の平面図である。
【図5】端壁輪郭の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に相当して、発電のための発電所のガスタービン設備または蒸気タービン設備であり得るターボ機械1は、圧縮機2またはタービン3を有している。圧縮機2またはタービンは、ステータ4を備えており、該ステータ4内には、ロータ5が回転軸線6を中心として回転可能に支承されている。ロータ5は、少なくとも1つの動翼列7を有している。動翼列7は、複数の動翼8を有している。これらの動翼8は、回転軸線6に関して周方向に隣り合って配置されている。図1に示された、回転軸線6を表す一点破線は縮尺通りではなく、単に回転軸線6の配向を示唆するものである。
【0032】
さらにロータ5は、ロータシャフト9を有している。ロータシャフト9には、各動翼列7のために、周方向に環状に延びる収容溝10が加工されている。動翼8は、それぞれ1つのブレード(羽根:Scaufelblatt)11を有している。ブレード11は、組み込まれた状態で、図1に一点破線により示されたガス路12内に突入している。さらに動翼8は、ルート(基部:Scaufelfuesse)13を有している。ルート13は、収容溝10内に挿入されている。その限りで、ルート13は、構造的にロータシャフト9内に組み込まれている。さらに、ロータ5は、図2によれば、複数の中間部材14を有している。これらの中間部材14は、同じく収容溝10内に挿入されていて、この場合、隣り合う2つの動翼8の間もしくは隣り合う2つのルート13の間にそれぞれ配置されている。したがって、各動翼列7の内部もしくは各動翼列7に所属する収容溝10の内部で、中間部材14と、動翼8もしくはルート13とが交互に配置されている。
【0033】
各ルート13は、周方向でブレード8の隣に位置する、ガス路12に面した外側面15において、湾曲させられた端壁輪郭16を有している。この湾曲させられた端壁輪郭16は、図1に示されていて、かつ図5で再現されている。中間部材14は、同じくガス路12に面した外側面17を有している。この外側面17において、中間部材14は、同じくそれぞれ1つの湾曲させられた端壁輪郭16を有している。この場合、端壁輪郭16の湾曲部は、ガス路12に沿って延びている。つまり実質的に、回転軸線6により規定されている軸方向に沿って延びている。さらに、少なくとも中間部材14は、周方向でも湾曲されていてよい、すなわちロータ5の曲率半径34に一致して湾曲されていてもよい。
【0034】
この場合、一方ではルート13の外側面15の端壁輪郭16と、他方では中間部材14の外側面17の端壁輪郭16とが、幾何学的に同一に成形されていると特に有利である。これによって特に、ルート13と中間部材14との互いに隣接する外側面15,17において面一に揃った移行部が実現され得る。たとえば、ルート13の外側面15と、中間部材14の外側面17とは、図2から判るように、半径方向で見て面一に整合して周方向に互いに隣接していてよい。
【0035】
ルート13の外側面15の端壁輪郭16と、中間部材14の外側面17の端壁輪郭16とが軸対称に形成されている実施形態が特に有利である。このことは、端壁輪郭16が周方向において一定した形状を有していることを意味している。この場合、回転軸線6を含む長手方向断面で図1および図5に示すようなそれぞれの成形形状が生じる。したがって、回転軸線6に関連して、端壁輪郭16は、回転対称に形成されていてよい。各動翼8においてのみ、ルート13からブレード11への三次元の移行部が設けられていると有利である。
【0036】
図3に示した実施形態では、ルート13と中間部材14とが対称的に形成されているので、基本的には、ルート13と中間部材14とを収容溝10内で180°回転させて配置することが可能である。この場合、180°の回転は、図3および4において図平面に対して垂直に延びる半径方向を中心とした回転である。
【0037】
端壁輪郭16が、図1および図5に示したように、軸方向に関して非対称に形成されている場合、中間部材14の逆の組付けは、ルート13の領域でブレード11を取り囲む流れの著しい悪化につながる。この場合、動翼8の誤った組付けは、ほぼ排除されている。なぜならば、ブレード11の非対称性に基づいて、誤った組付けが直ちに明らかとなるからである。中間部材14の誤組付けを阻止するために、図4によれば、中間部材14とルート13とを非対称に構成することが規定されていてよい。この場合、中間部材14が、予め規定された唯1つの組付け位置でのみ正常に組付け可能であるようにされる。このことは、たとえば図4の例では、純粋に例示的に、中間部材14の、当該中間部材14の軸方向の延在長さに関する楔形状と、ルート13の、中間部材14の楔形状に対して相補的な、同じくルート13の軸方向の延在長さに関する楔形状とにより達成される。たとえば、図3および図4に双方向矢印によって示された周方向19で測定されるルート13の幅18は、図3および図4ならびに図1に双方向矢印によって示された軸方向20で、作用ガスの、図3および図4に1方向矢印によって示された流れ方向21に増大することができる一方で、中間部材14の、周方向19で測定された幅22は、軸方向20で、流れ方向21に向かって相応して減少する。これとは異なり、図3に示したルート13は、流れ方向21で一定の幅18を有している。この場合、中間部材14は、同じく流れ方向21で一定の幅22を有している。
【0038】
中間部材14およびルート13への非対称の形状付与により、誤組付け時には必然的に目視可能な隙間がルート13と中間部材14との間に残るので、誤組付けは直ちに認識され得る。
【0039】
図1によれば、収容溝10は、該収容溝10の、軸方向で互いに向かい合う溝壁23に、半径方向内方に向けられた支持輪郭24を有している。中間部材14は、図2によれば、軸方向で互いに反対の側を向いた端部25に、半径方向外方に向けられた支持輪郭26を有している。この支持輪郭26は、収容溝10に設けられた支持輪郭24に対して相補的に成形されている。
【0040】
組み付けられた状態では、中間部材14の支持輪郭26が、収容溝10の支持輪郭24に半径方向に支持されている。図2によれば、ルート13は、該ルート13のガス路12もしくは外側面15とは反対の側の内側面27に、周方向19で突出する段部28を有している。この場合、ルート13毎に、このような段部28が2つ設けられていると有利である。これらの段部28は、互いに反対の側を向けられた2つの端面において、周方向19に各端面から突出している。組み付けられた状態では、これらの段部28は、隣接する中間部材14の、当該中間部材14の外側面17もしくはガス路12とは反対の側の内側面29に下方から係合する。さらに、上記段部28は、組み付けられた状態では、隣接する中間部材14の内側面29において半径方向に支持されている。この場合、動翼8が単に間接的に中間部材14を介してロータシャフト9に固定されている実施形態が特に有利である。
【0041】
図5によれば、端壁輪郭16は、当該端壁輪郭16が、まさに2つの変曲点30を有しているように構成されていてよい。これによって、回転軸線6に向けられた凹状の湾曲部31を形成し、かつ端壁輪郭16の端区分32に接線方向の移行部を実現することが可能である。湾曲部31は、端壁輪郭16の幾何学的な中心33に対して軸方向20に関してずらされて配置されている、つまり偏心して配置されていることが判る。特に、湾曲部31は、この場合、中心33に対して流入側に向かってずらされて位置決めされている。
【符号の説明】
【0042】
1 ターボ機械
2 圧縮機
3 タービン
4 ステータ
5 ロータ
6 回転軸線
7 動翼列
8 動翼
9 ロータシャフト
10 収容溝
11 ブレード
12 ガス路
13 ルート
14 中間部材
15 ルート13の外側面
16 端壁輪郭
17 中間部材14の外側面
18 ルート13の幅
19 周方向
20 軸方向
21 流れ方向
22 中間部材14の幅
23 溝壁
24 収容溝10の支持構造体
25 中間部材14の端部
26 中間部材14の支持構造体
27 ルート13の内側面
28 段部
29 中間部材14の内側面
30 変曲点
31 湾曲部
32 端区分
33 中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械(1)に用いられるロータであって、
少なくとも1つの動翼列(7)が設けられていて、該動翼列(7)が、複数の動翼(8)を有しており、該動翼(8)が、ロータ(5)の回転軸線(6)に関して周方向(19)で互いに隣り合って配置されており、
少なくとも1つのロータシャフト(9)が設けられていて、該ロータシャフト(9)が、各動翼列(7)のために、周方向(19)に延びる収容溝(10)を有しており、該収容溝(10)内に、動翼(8)のルート(13)が挿入されており、
さらに複数の中間部材(14)が設けられていて、該中間部材(14)が、収容溝(10)内に、隣り合う2つの動翼(8)の間にそれぞれ配置されており、
動翼(8)が、ルート(13)の外側面(15)において、周方向(19)で各動翼(8)のブレード(11)に並んで、それぞれ1つの湾曲させられた端壁輪郭(16)を有しており、
中間部材(14)が、外側面(17)において、同じくそれぞれ1つの湾曲された端壁輪郭(16)を有しており、
ルート(13)の外側面(15)と、中間部材(14)の外側面(17)とが、半径方向で見て面一に整合して周方向(19)で互いに隣接している形式の、ターボ機械に用いられるロータにおいて、
前記端壁輪郭(16)が、ロータ(5)の軸方向の切断平面において、凹状の湾曲部(31)を有していることを特徴とする、ターボ機械に用いられるロータ。
【請求項2】
前記端壁輪郭(16)が、2つの変曲点(30)を有している、請求項1記載のロータ。
【請求項3】
前記湾曲部(31)が、流入側または流出側にずらされて配置されている、請求項1または2記載のロータ。
【請求項4】
前記端壁輪郭(16)が、軸対称に形成されている、請求項1または2記載のロータ。
【請求項5】
ルート(13)の外側面(15)における端壁輪郭(16)と、中間部材(14)の外側面(17)における端壁輪郭(16)とが同一である、請求項1から4までのいずれか1項記載のロータ。
【請求項6】
中間部材(14)およびルート(13)が非対称であり、中間部材(14)が、唯1つの組付け位置でのみ正常に組付け可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載のロータ。
【請求項7】
前記収容溝(10)が、該収容溝(10)の溝壁(23)に、半径方向内方に向けられた支持輪郭(24)を有していて、中間部材(14)が、前記収容溝(10)の前記支持輪郭(24)に対して相補的な、半径方向外方に向けられた支持輪郭(26)を有していて、該支持輪郭(26)が、組み付けられた状態で、前記収容溝(10)の前記支持輪郭(24)に半径方向に支持されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のロータ。
【請求項8】
ルート(13)の内側面(27)が、周方向(19)に突出する段部(28)を有していて、該段部(28)が、組み付けられた状態で、それぞれ隣接する中間部材(14)の内側面(29)に半径方向に支持されている、請求項7記載のロータ。
【請求項9】
動翼(8)が、単に間接的に中間部材(14)を介して、ロータシャフト(9)に半径方向で固定されている、請求項8記載のロータ。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載のロータ(5)を備えた、ターボ機械(1)のための圧縮機およびタービン。
【請求項11】
ターボ機械(1)、特に圧縮機(2)またはタービン(3)のロータ(5)を更新する方法であって、ロータ(5)が、少なくとも1つの動翼列(7)を有していて、該動翼列(7)が、複数の動翼(8)を有していて、該動翼(8)が、ロータ(5)の回転軸線(6)に関して周方向(19)で互いに隣り合って配置されており、さらに少なくとも1つのロータシャフト(9)が設けられており、該ロータシャフト(9)が、各動翼列(7)のために、周方向(19)に延びる収容溝(10)を有しており、該収容溝(10)内に、動翼(8)のルート(13)が挿入されており、さらに複数の中間部材(14)が設けられており、該中間部材(14)が、収容溝(10)内に、隣り合った2つの動翼(8)の間にそれぞれ配置されている、ロータを更新する方法において、
動翼(8)を、ルート(13)の外側面(15)において、周方向(19)で各動翼(8)のブレード(11)に並んで、それぞれ1つの湾曲させられた端壁輪郭(16)を有している動翼(8)に交換し、
中間部材(14)を、外側面(17)において、同様にそれぞれ1つの湾曲された端壁輪郭(17)を有する中間部材(14)に交換することを特徴とする、ターボ機械のロータを更新する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−215175(P2012−215175A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−76732(P2012−76732)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5400 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】