説明

ターンテーブル式光ディスクメディア消去装置、方法及びプログラム

【課題】光ディスクメディアに焦点を合わせて熱を加え、記録層の破壊を自動的に行う。
【解決手段】光ディスクメディアのデータを消去するターンテーブル式光ディスクメディア消去装置に、円形のテーブルであり、回転するターンテーブル104と、回転する前記ターンテーブル上に光ディスクメディアを1枚ずつ乗せるメディア投入機構107と、光ビームスポットを現出し、前記ターンテーブル上の光ディスクメディアに光ビームスポットを照射し、光ディスクメディア内の記録層を破壊することによってデータを消去し、光ディスクメディア自体を変形させる光ビームスポット部101と、前記光ビームスポット部によりデータが消去され、変形された光ディスクメディアを回転する前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出し押出し部111と、前記押出し部により前記ターンテーブルから押出された光ディスクメディアをピックアップし排出するメディア排出機構109とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主としてCD(Conpact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue Ray Disk)、HDDVD(High Density Digital Versatile Disk)等の光ディスクメディアのデータを消去する装置に関する。特に、本発明は、光ディスクメディアのデータを連続して大量に消去し、光ディスクメディアの変形を行うターンテーブル式光ディスクメディア消去装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクメディアを一枚ずつ手動で特定の位置へセットした後、ハロゲン/キセノン等の光ビームスポットにより光ディスクメディア内データ格納領域の記録層に焦点を合わせて熱を加え、記録層を破壊したあと、手動により光ディスクメディアを特定の位置から取り外していたため、光ディスクメディアを一枚ずつ作業者により着脱する必要があり、大量の光ディスクメディアを消去する際、消去装置の前に作業者が常に付きっきりになる必要があるという問題点があった。
【0003】
また従来、光ディスクメディアの寿命予測及び自動複製、並びに光ディスクメディアへの読み書き、光ディスクメディアの保管管理、及び光ディスクメディア廃棄時のデータ消去の全てを同一装置内で実現するものはあるが、構造が複雑となり、価格も高価であるという問題点があった。
また、光ディスクメディアを消去したことの証拠を示す必要がある場合、シュレッダー等による破砕では、その細かくなった破片をもって、消去対象の光ディスクメディアである証拠とすることは難しいという問題があった。
このような光ディスクメディアの廃棄に関連する従来の技術として以下の特許文献1及び2に記載のものがある。
【0004】
ポリ乳酸を原料とする透明プラスチックの基板を備える光ディスクを熱変形温度に加熱することにより、基板は軟化して、基板の信号記録面上に形成されたピットが消去し、このため、光ディスクに記録されたデータが読み出せない状態になり、ディスクを廃棄しても、光ディスクの廃棄に伴ってデータを不用意に読み取られてしまうことがなくなるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、生分解性を持ち、100℃という比較的低温で変形する特殊なプラスチックを原料としたディスクを開発したことが骨子となり以下それを使用した場合の有用性を述べているに過ぎず、大量の光ディスクメディアを消去する問題を解決するものではない。
また、光ディスクに記録されたデータを簡便に効率よく廃棄することができるディスクの記録データ消去装置を提供するため、ディスクを回転させるスピンドルモータと、光ピックアップを前記ディスクの半径方向に往復動させるスレッドモータと、前記ディスクの記録データを消去させるモードを設定する設定手段と、この設定手段からデータ消去指令があると、前記スピンドルモータの回転を制御し、前記ディスクをランダムな速度で回転させつつ、このディスクにデータを上書きさせる制御手段と、を備えたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、上記特許文献2では、レーザーピックアップを使用しデータ記録層のデータ部分を上書きにより破壊する方式の一種であるが、大量の光ディスクの記録層及び媒体自体の基盤材料までを含めた熱破壊、変形を行う問題を解決するものではない。
また、光ディスクメディアに関連する従来の技術として、特許文献3に記載のものがある。
回転可能なターンテーブル上に複数の光ディスクを平板状に載置しターンテーブルを回転操作して再生する光ディスクを選択するディスクチェンジャ装置において、ターンテーブルに加わる外力による回転駆動機構の破損を防止するため、モータの駆動軸に取付けられたウォームギヤが噛合するウォームホイールとターンテーブルに設けられたギヤ部に噛合する伝達ギヤとの間に、伝達される駆動力を制限するリミッタ機構を設けたものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、上記特許文献3では、ターンテーブル上に複数の光ディスクを平板状に載置しターンテーブルを回転操作するが、大量の光ディスクメディアを消去する問題を解決するものではない。
【0008】
【特許文献1】特開2005−050499号公報
【特許文献2】特開2007−184053号公報
【特許文献2】特開平09−147468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、光ディスクメディア内データ格納領域の記録層に焦点を合わせて熱を加え、記録層を破壊することによってデータの消去を自動的に大量に行うターンテーブル式光ディスクメディア消去装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記問題点を解決するために、光ディスクメディアのデータを消去するターンテーブル式光ディスクメディア消去装置において、円形のテーブルであり、回転するターンテーブルと、回転する前記ターンテーブル上に光ディスクメディアを1枚ずつ乗せるメディア投入機構と、光ビームスポットを現出し、回転する前記ターンテーブル上の光ディスクメディアに光ビームスポットを照射し、光ディスクメディア内の記録層を破壊することによってデータを消去し、光ディスクメディア自体を変形させる光ビームスポット部と、前記光ビームスポット部によりデータが消去され、変形された光ディスクメディアを回転する前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出す押出し部と、前記押出し部により前記ターンテーブルから押出された光ディスクメディアをピックアップし排出するメディア排出機構とを備えることを特徴とするターンテーブル式光ディスクメディア消去装置を提供する。
【0011】
さらに、前記ターンテーブルの回転により前記光ビームスポット部は円形の光ディスクメディアの外周から中心部分の円形穴の内周を通過し、さらに、中心部分の円形穴の内周から外周を通過し光ディスクメディアに光ビームスポットを照射する。
さらに、前記メディア投入機構は、光ディスクメディアを乗せる位置を前記ターンテーブルの回転に伴って検出し、検出毎に一枚の光ディスクメディアを前記ターンテーブルに乗せる。
【0012】
さらに、前記ターンテーブル上に設置された板で構成されるメディア押出し部により複数の光ディスクメディアを前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出し排出する。
さらに、前記メディア排出機構は、前記ターンテーブルから押し出される光ディスクメディアをピックアップする回転機構と、前記回転機構によりピックアップされた光ディスクメディアを排出するための滑り台とを有し、前記回転機構は前記ターンテーブル側から前記滑り台に向かって回転し、ピックアップした光ディスクメディアを前記滑り台に乗せる回転体と、前記回転体を駆動するためのギアボックスとを有し、前記回転体の形状は四角形、三角形を含む多角形の任意の1つであり、前記回転体の材質はゴム等の光ディスクメディアに対して摩擦抵抗の大きな材質、又は、ゴム等の光ディスクメディアに対して摩擦抵抗の大きな材料をコーティングした材質であり、前記回転体の形状が円形状の場合、前記回転体にブラシを含む突起を付し、前記滑り台には光ディスクメディアのガイドが設けられ、前記ガイドは前記ターンテーブルから離れて前記メディア排出機構の排出側に行くほど狭くし、前記滑り台に取り付けたメディア排出センサが光ディスクメディアを検出する際に、光ディスクメディアの中央部の穴、中心部付近の透明な部分以外の部分が前記メディア排出センサを通過するようにする。
【0013】
さらに、消去動作スタート時に前記ターンテーブル上の光ディスクメディアの数を格納し、前記ターンテーブルに乗せる光ディスクメディアを検出する毎に光ディスクメディアの数をカウントアップし、前記ターンテーブルから排出する光ディスクメディアを検出する毎にカウントダウンし、前記ターンテーブル上の光ディスクメディアの数が0になった場合には、前記光ビームスポット部の出力を停止し、前記ターンテーブルの回転を停止する。
【0014】
さらに、動作モードデータベースを備え、前記動作モードデータベースは消去動作スタートからの前記ターンテーブル上に存在する光ディスクメディアの数を格納し、光ディスクメディアの数のカウントダウン又はカウントアップに使用される。
さらに、電源の投入により、前記ターンテーブルを1回転し、前記ターンテーブル上の光ディスクメディアを全て排出する。
【0015】
さらに、消去動作スタートで、前記ターンテーブルの回転と同時に前記光ビームスポット部の出力を開始する。
さらに、本発明は、光ディスクメディアのデータを消去するターンテーブル式光ディスクメディア消去方法において、円形のテーブルであるターンテーブルを回転する工程と、回転するターンテーブル上に光ディスクメディアを1枚ずつ乗せる工程と、回転する前記ターンテーブル上の光ディスクメディアに光ビームスポットを照射し、光ディスクメディア内の記録層を破壊することによってデータを消去し、且つ、光ディスクメディア自体を変形させる工程と、データが消去され、且つ、変形された光ディスクメディアを前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出された光ディスクメディアをピックアップし、排出する工程とを備えることを特徴とするターンテーブル式光ディスクメディア消去方法を提供する。
【0016】
さらに、前記光ビームスポットを通過し光ビームスポットが照射される光ディスクメディアの表面の温度を測定する工程と、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以上の場合には前記ターンテーブルの回転速度を早くし、若しくは、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以下の場合には前記ターンテーブルの回転速度を遅くし、又は、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以上の場合には前記光ビームスポット部の出力を下げ、又は、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以下の場合には前記光ビームスポット部の出力を上げ、さらに、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以上の場合に前記ターンテーブルの回転速度を早くすることにより、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が降下し上限温度以下の場合には前記光ビームスポット部の出力をさげ、又は、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以下の場合に前記ターンテーブルの回転速度を遅くすることにより、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が上昇し下限温度以上の場合には前記光ビームスポット部の出力を上げるように前記ターンテーブルの回転速度及び前記光ビームスポット部の出力を制御し、光ディスクメディアの表面の温度を最適温度付近に安定させる工程と、前記光ディスクメディアの表面の温度が一定時間内に一定の温度範囲に入らない場合、前記ターンテーブルの回転速度を早くしても通過中の光ディスクメディアの表面の温度が降下せず、又は、前記ターンテーブルの回転速度を遅くしても通過中の光ディスクメディアの表面の温度が上昇しない場合、さらに、前記ターンテーブルの回転速度を早くし通過中の光ディスクメディアの表面の温度が降下しても上限温度以下にならず、又は、前記ターンテーブルの回転速度を遅くし通過中の光ディスクメディアの表面の温度が上昇しても下限温度以上にならない場合には前記光ビームスポット部の出力、前記ターンテーブルの回転、メディア排出機構の動作を停止する工程とを備えることを特徴とする、請求項11に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去方法を提供する。
【0017】
さらに、動作モードデータベースに前記ターンテーブルの標準回転速度、下限回転速度及び上限回転速度、前記光ビームスポット部の標準出力、下限出力及び上限出力、並びに光ディスクメディアの消去標準温度、下限温度及び上限温度を格納する工程を備え、前記ターンテーブルの回転速度、前記光ビームスポット部の出力の制御に使用されることを特徴とする、請求項12に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去方法。
【0018】
さらに、本発明は、光ディスクメディアのデータを消去するターンテーブル式光ディスクメディア消去プログラムにおいて、円形のテーブルであるターンテーブルを回転する手順と、回転するターンテーブル上に光ディスクメディアを1枚ずつ乗せる手順と、回転する前記ターンテーブル上の光ディスクメディアに光ビームスポットを照射し、光ディスクメディア内の記録層を破壊することによってデータを消去し、且つ、光ディスクメディア自体を変形させる手順と、データが消去され、且つ、変形された光ディスクメディアを前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出された光ディスクメディアをピックアップし、排出する手順とを備えることを特徴とするターンテーブル式光ディスクメディア消去プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、円形のテーブルであるターンテーブルを回転し、回転するターンテーブル上に光ディスクメディアを1枚ずつ乗せ、回転する前記ターンテーブル上の光ディスクメディアに光ビームスポットを照射し、光ディスクメディア内の記録層を破壊することによってデータを消去し、且つ、光ディスクメディア自体を変形させ、データが消去され、且つ、変形された光ディスクメディアを前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出された光ディスクメディアをピックアップし、排出するようにしたので、連続して大量の光ディスクメディアを消去することが可能になり、且つ、動作スタート後は、作業者が別の作業を行うことが出来る。
【0020】
さらに、本発明では、簡単な構造であるターンテーブル方式により一度に大量に光ディスクメディアを消去可能にする光ディスクメディア消去装置を実現し、また他の機能を付けずに消去機能だけに絞ることにより、安価な価格が実現可能となった。
また、光ディスクメディアを消去したことの証拠を示す必要がある場合、シュレッダー等による破砕では、その細かくなった破片をもって、消去対象の光ディスクメディアである証拠とすることは難しいが、本発明の方法では、光ディスクメディアそのものは破砕されず、対象の光ディスクメディアと光ビームスポットによってその記録面が変形されていることの対応が一目で判定でき証拠能力は高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は図1のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の主要な外観を示す図である。
図1に示すように、ターンテーブル式光ディスクメディア消去装置100は、光ビームスポット部101、光ビーム出力制御部102、温度センサ部103、ターンテーブル104と、ターンテーブル制御部105、テーブル位置センサ106、メディア投入機構107、メディア投入センサ108、メディア排出機構109、メディア排出センサ110、メディア押出し部111、動作モード選択スイッチ(SW)112、動作モード表示部113、動作モードデータベース(DB)114、メモリ部115、AC電源117に接続される電源部116及び制御部(CPU)118により構成されている。以下に、図1の構成部分について、図2のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の主要な外観図を参照し、説明を行う。
【0022】
光ビームスポット部101は、高出力のハロゲン/キセノン等の光ビーム光源から発生した光を回転楕円曲面反射鏡等を用いて集光することで焦点位置に高熱のハロゲン/キセノン等の光ビームスポットを現出する、光ビームスポットヒーターであり、光ビームスポットを光ディスクメディア120に照射し、光ディスクメディア120内のデータ格納領域の記録層のピットを破壊することによってデータを消去し、また、光ディスクメディア120自体を変形させる際に使用される。
【0023】
光ビーム出力制御部102は、光ビームスポット部101を制御する制御回路であり、光ビームスポット部101の出力制御やON/OFFの制御等を行う際に使用される。
温度センサ部103は、高温(一例として最大300℃)測定可能な温度センサであり、光ビーム出力位置で光ビームスポットにより照射された光ディスクメディア120の表面の温度を測定する際に使用される。
【0024】
ターンテーブル104は、ターンテーブル制御部105により指定された回転速度で回転し、テーブル位置センサ106により検出されるセンサフラグがテーブル裏面に等間隔に設置された、一例としてテーブルが直径360mmの円形の耐熱板であるターンテーブルであり、メディア投入機構107により乗せられた光ディスクメディア120を光ビームスポット部101の下を通過させ、光ディスクメディア120自体を変形させ、光ディスクメディア120のデータを消去し、メディア押出し部111により外周側よりはみ出させてメディア排出機構109へ送る際に使用される。
【0025】
ターンテーブル制御部105は、温度センサ部103により測定された光ビームスポット部101の下を通過中の光ディスクメディア120の表面の温度が、一定以上の場合はターンテーブル104の回転速度を速くし、逆に温度が一定以下の場合は、ターンテーブル104の回転速度を遅くする制御を行う。
テーブル位置センサ106は、リードスイッチや磁気センサ等であり、ターンテーブル104に複数の光ディスクメディア120を乗せる位置としてターンテーブル104のテーブル裏面に等間隔で設置された複数のセンサフラグ(一例として磁石等、図示しない)に対して、動作スタート後ターンテーブル104の回転に伴ってセンサフラグを検出すると、制御部(CPU)118がメディア投入機構107へ1枚の光ディスクメディア120をターンテーブル104上に乗せるタイミングの指示を送る際に使用される。
【0026】
メディア投入機構107は、最大100枚程度積み重ねた光ディスクメディア120を一枚ずつスライドさせることにより、ターンテーブル104上へ乗せることが出来るメカ機構であり、制御部(CPU)118より指示を受けると、光ディスクメディア120を1枚ターンテーブル104へ乗せる際に使用される。
メディア投入センサ108は、光ディスクメディア120の通過を検出するフォトセンサであり、メディア投入機構107からターンテーブル104へ光ディスクメディア120を一枚乗せる際に検出し制御部(CPU)118へ報告し、報告を受けた制御部(CPU)118が動作モードDB114内に格納された光ディスクメディア120の数をカウントアップする際に使用される。
【0027】
メディア排出機構109は、メディア押出し部111によってターンテーブル104から押し出された光ディスクメディア120をピックアップするための回転機構と、回転機構によってピックアップされた光ディスクメディア120を排出先のトレーや箱に投入するための滑り台で構成され、光ディスクメディア120を1枚ターンテーブル104から排出する際に使用される。
【0028】
メディア排出センサ110は、メディア排出機構109の滑り台にある光ディスクメディア120の通過を検出するフォトセンサであり、メディア排出機構109上を光ディスクメディア120が滑り落ちる際に検出し、制御部(CPU)118へ報告し、報告を受けた制御部(CPU)118が動作モードデータベース(DB)114内に格納された光ディスクメディア120の数をカウントダウンする際に使用される。
【0029】
メディア押出し部111は、ターンテーブル104上に設置された板であり、ターンテーブル104の回転により、光ディスクメディア120をメディア排出機構109の方(外周方向)へ押し出す際に使用される。
動作モード選択スイッチ(SW)112は、押しボタン等を使用したスイッチであり、動作モードを選択する際、及び消去動作をスタートする際に使用される。
【0030】
動作モード表示部113は、7セグメントLED(発光ダイオード)や液晶ディスプレイ等の表示回路であり、動作モード選択スイッチ(SW)112の状態を監視し、動作モード及び動作結果等を表示する際に使用される。
動作モードデータベース(DB)114は、ターンテーブル式光ディスクメディア消去装置100の消去動作モード及び光ディスクメディアの数カウントモードのデータを格納する。
【0031】
メモリ部115は、制御部(CPU)118が直接読み書きできるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)やROM(リード・オンリ・メモリ)などの半導体記憶装置であり、動作モードデータベース(DB)114を有し、動作モードや各部からの情報等の一時格納に使用される。
電源部116は、交流(AC)電源117の入力から直流(DC)へ変換するパワーサプライ等であり、各モジュールへ電源を供給する際に使用される。
【0032】
制御部(CPU)118は、マイクロプロセッサ等で構成されている中央処理装置(CPU)であり、光ビームスポット部101、光ビーム出力制御部102、温度センサ部103、ターンテーブル制御部105、テーブル位置センサ106、メディア投入機構107、メディア投入センサ108、メディア排出機構109、メディア排出センサ110、動作モード選択スイッチ(SW)112、動作モード表示部113、メモリ部115等を含むターンテーブル式光ディスクメディア消去装置100に対して、動作モードデータベース(DB)114内の動作モード情報及び光ディスクメディア120の数を基に、以下の主要な制御を行う。
【0033】
制御部(CPU)118では、電源が投入されるとターンテーブル104を1回転し、ターンテーブル104上の光ディスクメディア120を全て排出する制御を行う。
制御部(CPU)118では、動作モード選択スイッチ(SW)112により動作モードを選択後、動作をスタートさせると、ターンテーブル104の回転と同時に光ビームスポット部101の出力を開始する制御を行う。
【0034】
さらに、制御部(CPU)118では、ターンテーブル104のテーブル裏側に等間隔で設置されたセンサフラグをテーブル位置センサ106が検出するとメディア投入機構107により光ディスクメディア120を1枚ターンテーブル104上に乗せる制御を行う。
さらに、制御部(CPU)118は、メディア投入センサ108が光ディスクメディア120を検出すると、動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数をカウントアップし、メディア排出センサ110が光ディスクメディア120を検出すると、光ディスクメディア120の数をカウントダウンし、光ディスクメディアの数が“0”になると光ビームスポット部101の出力を停止後、ターンテーブル104の回転を停止し、動作を終了する制御を行う。
【0035】
さらに、制御部(CPU)118では、温度センサ部103により、光ビームスポット部101の下を通過中の光ディスクメディア120の表面の温度を測定し、ターンテーブル104の回転速度及び光ビームスポット部101の出力を制御することにより、光ディスクメディア120の温度を最適温度(本実施例の場合、150℃)付近で安定させる制御を行う。
【0036】
さらに、制御部(CPU)118では、温度センサ部103により、光ビームスポット部101の下を通過中の光ディスクメディア120の表面の温度を監視し、光ディスクメディア120の表面の温度が上限温度(本実施例の場合、200℃)以上または下限温度(本実施例の場合80℃)以下の場合、またはターンテーブル104の回転速度の出力変更により光ディスクメディア120の表面の温度変化がない場合、または光ビームスポット部101の出力変更により一定時間(一例として光ディスクメディア120が光ビームスポット部101配下に入ってから1秒)内に光ディスクメディア120の表面の温度が最適温度(本実施例の場合、150℃)近辺とならない場合に装置を停止させる制御を行う。
【0037】
図3は図2におけるターンテーブル104上の光ディスクメディアの動き及び消去箇所の例を示した図である。本図に示すように、ターンテーブル104上に乗せられ、ターンテーブル104の回転により、光ディスクメディア120が光ビームスポット部101に向かって動き、光ビームスポット部101の下を通過すると、光ディスクメディア120の通過部分の記録層のピットが破壊されることによってデータが消去され、さらに、光ディスクメディア120が変形し、メディア押出し部111によりメディア排出機構の方向に移動し、データが消され、変形された光ディスクメディア120が排出される。
【0038】
図4は図3における光ビームスポット部101の照射順序の例を示す図である。本図(a)に示すように、円形の光ディスクメディア120の中心部分には円形の穴があり、ターンテーブル104の回転により光ビームスポット部101が円形の光ディスクメディア120の外周120Bから中心部分の円形穴の内周120Cを通過し、本図(b)に示すように、光ビームスポット部101が光ディスクメディア120の円形穴の内周120Cから外周120Bを通過する。光ビームスポット部101の通過により、通過した光ディスクメディア内データ格納領域の記録層に焦点を合わせて熱が加えられ、記録層のピットの破壊が行われることによって、光ディスクメディア120のデータの消去が行われ、且つ、光ディスクメディア120の変形が行われる。
【0039】
図5は図2又は図3におけるメディア排出機構109の詳細を説明する図である。本図に示すように、メディア排出機構109の回転機構109Bは、回転体109Cと回転体109Cを駆動させるためのギアボックス109Dで構成され、回転体109Cはターンテーブル104側から滑り台109Aへ向かって回転し、光ディスクメディア120をピックアップし排出する。
本図(a)では、回転体109Cの材質と形状は、光ビームスポット部101によって歪曲した光ディスクメディア120を確実にピックアップし、かつ滑り台109Aに勢いよく乗せるため、ゴム等の光ディスクメディアに対して摩擦抵抗の大きく滑らない材質、又は、ゴム等の光ディスクメディアに対して摩擦抵抗の大きく滑らない材料をコーティングした材質で、四角形であり、三角形などの多角形でもよく、円形(ローラー)以外のものとしている。
【0040】
円形の場合には、光ビームスポット部101を当ていない平らな光ディスクメディア120であれば回転体109Cの表面との接触面が多くかつ連続的に接触するのでピックアップすることができるが、光ビームスポット部101によって歪曲した光ディスクメディア120Aでは回転体表面と接触する部分が不連続となり接触面が小さくなるので空すべりしピックアップすることができない。
【0041】
四角形の回転体109Cの場合、先のとがった摩擦の大きな部分で連続的に引き寄せる形となり、確実にピックアップすることができる。
本図(b)に示すように、単なる円形(ローラー)の回転体の場合、円形(ローラー)状のものにブラシや突起を付してあるものならば良い。ブラシや突起の摩擦の大きな部分で連続的に引き寄せる形となり、確実にピックアップすることができるためである。
【0042】
メディア排出機構109の滑り台109Aは、自然落下を利用したもので、光ディスクメディア120を滑らせるもので、滑り台109Aには取り付けたメディア排出センサ110が確実に光ディスクメディア120を検出するための位置決め用のガイド109Eが設けられる。
なお、滑り台109Aの材質は摩擦が少ないPP(ポリプロピレン)板等であり、ガイド109Eは特にそれ自身の形状を保てるものであればどのようなものでも良い。
【0043】
メディア排出機構109のガイド109Eはメディア排出機構109の排出側に行くほど狭くなるようにする。
メディア排出センサ110の取り付け位置との関係は、例えば図3のように、光ディスクメディア120がメディア排出機構109に向かって右よりの滑り台109Aのガイド109Eに沿って滑ってきたときには、光ディスクメディア120の周縁部でメディア排出センサ110が検出でき、かつ光ディスクメディア120がメディア排出機構109に向かって左よりの滑り台109Aのガイド109Eに沿って滑ってきたときには、光ディスクメディア120の中心部の穴及び中心付近の透明でメディア排出センサ110が検知できない部分にかからないような位置とサイズとする。この位置関係にするのは、光ディスクメディア120の中心部の穴及び中心付近の透明がメディア排出センサ110を通った場合、1枚の光ディスクメディア120が通過したのにかかわらず、2枚通過であると重複して検出するのを防ぐためである。
【0044】
図6は図1における動作モードデータベース(DB)114に格納されるデータ例を説明する図である。本図に示すように、動作モードデータベース(DB)114は、ターンテーブル式光ディスクメディア消去装置100の消去動作モード及び光ディスクメディアの数カウントモードのデータを格納する。
消去動作モードでは、標準動作パラメータ、一例としてターンテーブル104の標準回転速度、下限回転速度及び上限回転速度、光ビームスポットの標準出力、下限出力及び上限出力、並びに光ディスクメディア消去最適温度、下限温度及び上限温度等が関連付けて格納され、データベース化されており、光ディスクメディア120の温度によって各パラメータを変更しつつ動作を行う際に使用される。
【0045】
光ディスクメディアの数カウントモードでは、消去動作スタートから光ディスクメディア120の数が格納され、メディア投入センサ108検出時にはカウントアップされる際に使用され、メディア排出センサ110検出時にはカウントダウンされる際に使用される。
図7は図1におけるターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の制御部(CPU)118の一連の概略制御動作例(その1)を説明するフローチャートである。本図に示すように、ステップA1において、ターンテーブル式光ディスクメディア消去装置100の制御部(CPU)118では、電源が投入されるとターンテーブル104を1回転し、ターンテーブル104上の光ディスクメディア120を全て排出する制御を行う。
【0046】
ステップA2において、制御部(CPU)118では、動作モード選択スイッチ(SW)112により動作モードを選択後、動作をスタートさせる制御を行う。
ステップA3において、制御部(CPU)118では、動作をスタートさせると動作モードデータベース(DB)114からターンテーブル104の標準回転速度、光ビームスポット部101の標準出力値等をメモリ部115へ読み込み後、読み込んだ値を基にターンテーブル104の回転と同時に光ビームスポット部101の出力、及びメディア排出機構109の動作を開始する制御を行う。
【0047】
ステップA4において、制御部(CPU)118では、ターンテーブル104のテーブル裏側に等間隔で設置された複数のセンサフラグの各々をテーブル位置センサ106が検出する制御を行う。
ステップA5において、制御部(CPU)118では、センサフラグを検出するとメディア投入機構107により光ディスクメディア120を1枚ターンテーブル104上に乗せる制御を行う。
【0048】
ステップA6において、制御部(CPU)118では、メディア投入センサ108がターンテーブル104に乗せる光ディスクメディア120を検出する制御を行う。検出できない場合には異常終了とする。
ステップA7において、制御部(CPU)118では、メディア投入センサ108がターンテーブル104に乗せる光ディスクメディア120を検出すると、動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数をカウントアップする制御を行う。
【0049】
ステップA8において、制御部(CPU)118では、光ディスクメディア120が光ビームスポット部101の下を通過するのを待つ。
ステップA9において、通過すると、温度センサ部103により、光ディスクメディア120の表面の温度を測定する制御を行う。
ステップA10において、測定された光ディスクメディア120の表面の温度Xが、
X<最適温度−20℃、
最適温度−20℃≦X≦最適温度+20℃、
又は、
最適温度+20℃<X
のいずれの範囲にあるかを確認する制御を行う。
X<最適温度−20℃
の場合は図8のステップB1に進み、
最適温度−20℃≦X≦最適温度+20℃
の場合は図9のC1に進み、
最適温度+20℃<X
の場合は図10のステップD1に進む。
【0050】
図8は図1におけるターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の制御部(CPU)118の一連の概略制御動作例(その2)を説明するフローチャートである。本図に示すように、ステップB1において、制御部(CPU)118では、光ディスクメディア120の温度が動作モードデータベース(DB)114内の光ディスクメディア最適温度X(本実施例の場合、150℃)より20℃以上低い範囲の場合(ステップA10:X<最適温度−20℃)、ターンテーブル104の回転速度を動作モードデータベース(DB)114内のターンテーブル104の下限回転速度まで落とす制御を行う。
【0051】
ステップB2において、制御部(CPU)118では、光ディスクメディア120の表面温度の上昇があるか確認する制御を行い、確認できない場合には異常終了とする。
ステップB3において、制御部(CPU)118では、温度が上昇している場合で、その表面温度が動作モードDB114内の光ディスクメディア120の消去下限温度(本実施例の場合、80℃)よりも高いかを確認する制御を行う。確認できない場合には異常終了とする。
【0052】
ステップB4において、制御部(CPU)118では、高い場合は、次に光ビームスポット部101の出力を動作モードDB114内の光ビーム上限出力の範囲内で上げつつ光ディスクメディア120の温度を測定する制御を行う。
ステップB5において、制御部(CPU)118では、一定時間内に動作モードデータベース(DB)114内の光ディスクメディア120の最適温度(本実施例の場合、150℃)±20℃まで上昇したかを確認する制御を行う。上昇を確認できない場合には異常終了とする。
【0053】
ステップB6において、制御部(CPU)118では、上昇を確認できた場合、光ディスクメディア120が光ビームスポット部101配下を通過するかを確認する。通過するまで光ビームスポット部101の出力を調整しつつ、最適温度(本実施例の場合、150℃)±20℃を維持する制御を行う。
以上を要約すると、ターンテーブル式光ディスクメディア消去装置100の制御部(CPU)118では、ターンテーブル104の回転速度を動作モードデータベース(DB)114内のターンテーブル104の下限回転速度まで落とし(ステップB1)、光ディスクメディア120の表面温度の上昇があるか確認し、表面温度が上昇していない場合(ステップB2)、または上昇しているがその表面温度が動作モードデータベース(DB)114内の光ディスクメディア消去下限温度(本実施例の場合、80℃)よりも低い場合(ステップB3)、または上昇しているが一定時間内に最適温度(本実施例の場合、150℃)±20℃まで上昇しない場合(ステップB5)は、異常終了として光ビームスポット部101の出力、ターンテーブル104の回転、及びメディア排出機構109の動作を停止する制御を行う。
【0054】
ステップB7において、制御部(CPU)118では、光ディスクメディア120が光ビームスポット部101配下を通過し終わると、ターンテーブル104の回転速度及び光ビームスポット部101の出力を、動作モードデータベース(DB)114内の標準回転速度及び標準出力にそれぞれ戻す制御を行う。
ステップB8において、制御部(CPU)118では、ターンテーブル104の回転とメディア押出し部111により、光ディスクメディア120がターンテーブル104の外周方向へ押し出されると、メディア排出機構109内の四角の回転機構により光ディスクメディア120を持ち上げ、メディア排出機構109下部にある滑り台109Aへ運び、滑り台109Aを滑らせることにより、メディア排出機構109下部の滑り台109Aに設置しているメディア排出センサ110で検出する制御を行う。
【0055】
ステップB9において、制御部(CPU)118では、検出されると、動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア数をカウントダウンする制御を行う。
ステップB10において、制御部(CPU)118では、動作モードDB114内に格納している光ディスクメディア数が“0枚”となった場合光ビームスポット部101の出力、ターンテーブル104の回転、及びメディア排出機構109の動作を停止する制御を行う。
【0056】
制御部(CPU)118では、動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数が“1枚”以上の場合、ステップA4(図7参照)に戻って動作を繰り返す制御を行う。
図9は図1におけるターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の制御部(CPU)118の一連の概略制御動作例(その3)を説明するフローチャートである。本図に示すように、ステップC1において、制御部(CPU)118では、ステップA10(図7参照)で光ディスクメディア120の表面温度Xが動作モードデータベース(DB)114内の光ディスクメディア最適温度(本実施例の場合、150℃)±20℃の範囲の場合(ステップA10:最適温度−20℃≦X≦最適温度+20℃)光ディスクメディアが光ビームスポット部101配下を通過するまで動作モードデータベース(DB)114内の光ビームスポット部101の上限出力から下限出力までの間で光ビームスポット部101の出力を調整しつつ、最適温度(本実施例の場合、150℃)±20℃の範囲を維持する制御を行う。
【0057】
ステップC2において、制御部(CPU)118では、ターンテーブル104の回転とメディア押出し部111により、光ディスクメディア120がターンテーブル104の外周方向へ押し出されると、メディア排出機構109内の四角の回転機構109Bにより光ディスクメディア120を持ち上げ、メディア排出機構109下部にある滑り台109Aへ運び、滑り台109Aを滑らせることにより、メディア排出機構109下部の滑り台109Aに設置しているメディア排出センサ110で検出する制御を行う。
【0058】
ステップC3において、制御部(CPU)118では、検出されると、動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数をカウントダウンする制御を行う。
ステップC4において、制御部(CPU)118では、動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数が“0枚”となった場合光ビームスポット部101の出力、ターンテーブル104の回転、及びメディア排出機構109の動作を停止する制御を行う。
【0059】
制御部(CPU)118では、動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数が“1枚”以上の場合ステップA4(図7参照)に戻って動作を繰り返す制御を行う。
図10は図1におけるターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の制御部(CPU)118の一連の概略制御動作例(その4)を説明するフローチャートである。本図に示すように、ステップD1において、制御部(CPU)118では、ステップA10(図7参照)で光ディスクメディア120の表面温度Xが動作モードデータベース(DB)114内の光ディスクメディア120の最適温度(本実施例の場合、150℃)+20℃以上の範囲の場合(ステップA10:最適温度+20℃<X)、ターンテーブル104の回転速度を動作モードデータベース(DB)114内のターンテーブル104の上限回転速度まで上げる制御を行う。
【0060】
ステップD2において、制御部(CPU)118では、光ディスクメディア120の表面温度の低下があるか確認する制御を行う。温度が低下していない場合には異常終了とする。
ステップD3において、制御部(CPU)118では、温度が低下している場合で、その表面温度が動作モードデータベース(DB)114内の光ディスクメディア120の消去上限温度(本実施例の場合、200℃)よりも低いかを確認する制御を行う。確認できない場合には異常終了とする。
【0061】
ステップD4において、制御部(CPU)118では、低い場合は、次に光ビームスポット部101の出力を動作モードデータベース(DB)114内の光ビーム下限出力の範囲内で下げる制御を行う。
ステップD5において、制御部(CPU)118では、出力を下げつつ光ディスクメディアの温度を測定し、一定時間内に動作モードデータベース(DB)114内の光ディスクメディア最適温度(本実施例の場合、150℃)±20℃の範囲まで低下したかを確認する制御を行う。確認できない場合には異常終了とする。
【0062】
ステップD6において、制御部(CPU)118では、低下した場合、光ディスクメディア120が光ビームスポット部101配下を通過するまで光ビームスポット部101の出力を調整しつつ、最適温度(本実施例の場合、150℃)±20℃の範囲を維持する制御を行う。
以上を要約すると、制御部(CPU)118では、ターンテーブル104の回転速度を動作モードデータベース(DB)114内のターンテーブル104の上限回転速度まで上げ(ステップD1)、光ディスクメディア120の表面温度の低下があるか確認し、表面温度が低下していない場合(ステップD2)、または低下しているがその表面温度が動作モードデータベース(DB)114内の光ディスクメディア120の消去上限温度(本実施例の場合、200℃)よりも高い場合(ステップD3)、または低下しているが一定時間内に最適温度(本実施例の場合、150℃)±20℃の範囲まで低下しない場合(ステップD5 No)は、異常終了として光ビームスポット部101の出力、ターンテーブル104の回転、及びメディア排出機構109の動作を停止する制御を行う。
【0063】
ステップD7において、制御部(CPU)118では、光ディスクメディア120が光ビームスポット部101配下を通過し終わると、ターンテーブル104の回転速度及び光ビームスポット部101の出力を、動作モードデータベース(DB)114内の標準回転速度及び標準出力にそれぞれ戻す制御を行う。
ステップD8において、制御部(CPU)118では、ターンテーブル104の回転とメディア押出し部111により、光ディスクメディア120がターンテーブル104の外周方向へ押し出されると、メディア排出機構109内の四角の回転機構109Bにより光ディスクメディア120を持ち上げ、メディア排出機構109下部にある滑り台109Aへ運び、滑り台109Aを滑らせることにより、メディア排出機構109下部の滑り台109Aに設置しているメディア排出センサ110で検出する制御を行う。
ステップD9において、制御部(CPU)118では、検出した場合には動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数をカウントダウン(ステップD9)する制御を行う。
【0064】
ステップD10において、制御部(CPU)118では、動作モードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数が“0枚”となった場合、光ビームスポット部101の出力、ターンテーブル104の回転、及びメディア排出機構109の動作を停止する制御を行う。
制御部(CPU)118では、動作モードモードデータベース(DB)114内に格納している光ディスクメディア120の数が“1枚”以上の場合、ステップA4(図7参照)に戻って動作を繰り返す制御を行う。
【0065】
したがって、本発明によれば、メディア投入機構が格納された大量の光ディスクメディアを一枚ずつターンテーブル上に乗せる機能、及びターンテーブルが回転することにより光ディスクメディアがハロゲン/キセノン等の光ビームスポットの下を通過しデータ格納領域の一部が破壊されることによってデータが消去され、さらに、光ディスクメディアが変形され、光ディスクドライブへ投入できない状態とした上でメディア排出部により光ディスクメディアをターンテーブル上から押し出しメディア排出機構により光ディスクメディアを装置から排出する機能を用い、連続して大量の光ディスクメディアを消去出来る様にすることにより、動作スタート後は、作業者が別の作業を行うことが出来る。
【0066】
さらに、本発明では、簡単な構造であるターンテーブル方式による光ディスクメディア消去装置を実現し、また他の機能を付けずに消去機能だけに絞ることにより、一度に大量に光ディスクメディアを消去可能で、且つ価格も安価である。
また、光ディスクメディアを消去したことの証拠を示す必要がある場合、シュレッダー等による破砕では、その細かくなった破片をもって、消去対象の光ディスクメディアである証拠とすることは難しいが、本発明の方法では、光ディスクメディアそのものは破砕されず、対象の光ディスクメディアと光ビームスポットによってその記録面が破壊されることによってデータが消去されていることの対応が一目で判定でき証拠能力は高い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係るターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の主要な外観を示す図である。
【図3】図2におけるターンテーブル104上の光ディスクメディアの動き及び消去箇所の例を示した図である。
【図4】図3における光ビームスポット部101の照射順序の例を示す図である。
【図5】図2又は図3におけるメディア排出機構109の詳細を説明する図である。
【図6】図1における動作モードデータベース(DB)114に格納されるデータ例を説明する図である。
【図7】図1におけるターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の制御部(CPU)118の一連の概略制御動作例(その1)を説明するフローチャートである。
【図8】図1におけるターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の制御部(CPU)118の一連の概略制御動作例(その2)を説明するフローチャートである。
【図9】図1におけるターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の制御部(CPU)118の一連の概略制御動作例(その3)を説明するフローチャートである。
【図10】図1におけるターンテーブル式光ディスクメディア消去装置の制御部(CPU)118の一連の概略制御動作例(その4)を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
100…ターンテーブル式光ディスクメディア消去装置
101…光ビームスポット部
102…光ビーム出力制御部
103…温度センサ部
104…ターンテーブル
105…ターンテーブル制御部
106…テーブル位置センサ
107…メディア投入機構
108…メディア投入センサ
109…メディア排出機構
109A…滑り台
109B…回転機構
109C…回転体
109D…ギアボックス
109E…ガイド
110…メディア排出センサ
111…メディア押出し部
112…動作モード選択スイッチ(SW)
113…動作モード表示部
114…動作モードデータベース(DB)
115…メモリ部
116…電源部
117…AC電源
118…制御部(CPU)
120…光ディスクメディア
120A…変形光ディスクメディア
120B…外周
120C…内周

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクメディアのデータを消去するターンテーブル式光ディスクメディア消去装置において、
円形のテーブルであり、回転するターンテーブルと、
回転する前記ターンテーブル上に光ディスクメディアを1枚ずつ乗せるメディア投入機構と、
光ビームスポットを現出し、回転する前記ターンテーブル上の光ディスクメディアに光ビームスポットを照射し、光ディスクメディア内の記録層を破壊することによってデータを消去し、光ディスクメディア自体を変形させる光ビームスポット部と、
前記光ビームスポット部によりデータが消去され、変形された光ディスクメディアを回転する前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出す押出し部と、
前記押出し部により前記ターンテーブルから押出された光ディスクメディアをピックアップし排出するメディア排出機構とを備えることを特徴とするターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項2】
前記ターンテーブルの回転により前記光ビームスポット部は円形の光ディスクメディアの外周から中心部分の円形穴の内周を通過し、さらに、中心部分の円形穴の内周から外周を通過し光ディスクメディアに光ビームスポットを照射することを特徴とする、請求項1に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項3】
前記メディア投入機構は、光ディスクメディアを乗せる位置を前記ターンテーブルの回転に伴って検出し、検出毎に一枚の光ディスクメディアを前記ターンテーブルに乗せることを特徴とする、請求項1に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項4】
前記ターンテーブル上に設置された板で構成されるメディア押出し部により複数の光ディスクメディアを前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出し排出することを特徴とする、請求項1に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項5】
前記メディア排出機構は、前記ターンテーブルから押し出される光ディスクメディアをピックアップする回転機構と、前記回転機構によりピックアップされた光ディスクメディアを排出するための滑り台とを有し、
前記回転機構は前記ターンテーブル側から前記滑り台に向かって回転し、ピックアップした光ディスクメディアを前記滑り台に乗せる回転体と、前記回転体を駆動するためのギアボックスとを有し、
前記回転体の形状は四角形、三角形を含む多角形の任意の1つであり、前記回転体の材質はゴム等の光ディスクメディアに対して摩擦抵抗の大きな材質、又は、ゴム等の光ディスクメディアに対して摩擦抵抗の大きな材料をコーティングした材質であり、前記回転体の形状が円形状の場合、前記回転体にブラシを含む突起を付し、
前記滑り台には光ディスクメディアのガイドが設けられ、前記ガイドは前記ターンテーブルから離れて前記メディア排出機構の排出側に行くほど狭くし、前記滑り台に取り付けたメディア排出センサが光ディスクメディアを検出する際に、光ディスクメディアの中央部の穴、中心部付近の透明な部分以外の部分が前記メディア排出センサを通過するようにすることを特徴とする、請求項1に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項6】
消去動作スタート時に前記ターンテーブル上の光ディスクメディアの数を格納し、前記ターンテーブルに乗せる光ディスクメディアを検出する毎に光ディスクメディアの数をカウントアップし、前記ターンテーブルから排出する光ディスクメディアを検出する毎にカウントダウンし、前記ターンテーブル上の光ディスクメディアの数が0になった場合には、前記光ビームスポット部の出力を停止し、前記ターンテーブルの回転を停止することを特徴とする、請求項1に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項7】
動作モードデータベースを備え、前記動作モードデータベースは消去動作スタートからの前記ターンテーブル上に存在する光ディスクメディアの数を格納し、光ディスクメディアの数のカウントダウン又はカウントアップに使用されることを特徴とする、請求項6に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項8】
電源の投入により、前記ターンテーブルを1回転し、前記ターンテーブル上の光ディスクメディアを全て排出することを特徴とする、請求項1に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項9】
消去動作スタートで、前記ターンテーブルの回転と同時に前記光ビームスポット部の出力を開始することを特徴とする、請求項1に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去装置。
【請求項10】
光ディスクメディアのデータを消去するターンテーブル式光ディスクメディア消去方法において、
円形のテーブルであるターンテーブルを回転する工程と、
回転するターンテーブル上に光ディスクメディアを1枚ずつ乗せる工程と、
回転する前記ターンテーブル上の光ディスクメディアに光ビームスポットを照射し、光ディスクメディア内の記録層を破壊することによってデータを消去し、且つ、光ディスクメディア自体を変形させる工程と、
データが消去され、且つ、変形された光ディスクメディアを前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出された光ディスクメディアをピックアップし、排出する工程とを備えることを特徴とするターンテーブル式光ディスクメディア消去方法。
【請求項11】
前記光ビームスポットを通過し光ビームスポットが照射される光ディスクメディアの表面の温度を測定する工程と、
通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以上の場合には前記ターンテーブルの回転速度を早くし、若しくは、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以下の場合には前記ターンテーブルの回転速度を遅くし、又は、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以上の場合には前記光ビームスポット部の出力を下げ、又は、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以下の場合には前記光ビームスポット部の出力を上げ、さらに、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以上の場合に前記ターンテーブルの回転速度を早くすることにより、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が降下し上限温度以下の場合には前記光ビームスポット部の出力をさげ、又は、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が一定以下の場合に前記ターンテーブルの回転速度を遅くすることにより、通過中の光ディスクメディアの表面の温度が上昇し下限温度以上の場合には前記光ビームスポット部の出力を上げるように前記ターンテーブルの回転速度及び前記光ビームスポット部の出力を制御し、光ディスクメディアの表面の温度を最適温度付近に安定させる工程と、
前記光ディスクメディアの表面の温度が一定時間内に一定の温度範囲に入らない場合、前記ターンテーブルの回転速度を早くしても通過中の光ディスクメディアの表面の温度が降下せず、又は、前記ターンテーブルの回転速度を遅くしても通過中の光ディスクメディアの表面の温度が上昇しない場合、さらに、前記ターンテーブルの回転速度を早くし通過中の光ディスクメディアの表面の温度が降下しても上限温度以下にならず、又は、前記ターンテーブルの回転速度を遅くし通過中の光ディスクメディアの表面の温度が上昇しても下限温度以上にならない場合には前記光ビームスポット部の出力、前記ターンテーブルの回転、メディア排出機構の動作を停止する工程とを備えることを特徴とする、請求項10に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去方法。
【請求項12】
動作モードデータベースに前記ターンテーブルの標準回転速度、下限回転速度及び上限回転速度、前記光ビームスポット部の標準出力、下限出力及び上限出力、並びに光ディスクメディアの消去標準温度、下限温度及び上限温度を格納する工程を備え、前記ターンテーブルの回転速度、前記光ビームスポット部の出力の制御に使用されることを特徴とする、請求項11に記載のターンテーブル式光ディスクメディア消去方法。
【請求項13】
光ディスクメディアのデータを消去するターンテーブル式光ディスクメディア消去プログラムにおいて、
円形のテーブルであるターンテーブルを回転する手順と、
回転するターンテーブル上に光ディスクメディアを1枚ずつ乗せる手順と、
回転する前記ターンテーブル上の光ディスクメディアに光ビームスポットを照射し、光ディスクメディア内の記録層を破壊することによってデータを消去し、且つ、光ディスクメディア自体を変形させる手順と、
データが消去され、且つ、変形された光ディスクメディアを前記ターンテーブル上から外周側に順次押し出された光ディスクメディアをピックアップし、排出する手順とを備えることを特徴とするターンテーブル式光ディスクメディア消去プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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