ダイエット用組成物
【課題】優れたダイエット効果を得ることができ、しかも、糖尿病等の生活習慣病の予防および治療に役立つ、安全性の高い生コーヒー豆由来のダイエット用組成物を提供する。
【解決手段】本発明のダイエット用組成物は、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。前記極性溶媒抽出物は、含水エタノール抽出物、望ましくはエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であるとよい。前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであるとよい。本発明のダイエット用組成物は、サラシア抽出物、月見草抽出物、セサミン、ガルシニアのうちいずれか一種以上と組み合わせて用いるとよい。本発明のダイエット用組成物は、飲食品、薬品または皮膚外用剤の素材として用いることができる。
【解決手段】本発明のダイエット用組成物は、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。前記極性溶媒抽出物は、含水エタノール抽出物、望ましくはエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であるとよい。前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであるとよい。本発明のダイエット用組成物は、サラシア抽出物、月見草抽出物、セサミン、ガルシニアのうちいずれか一種以上と組み合わせて用いるとよい。本発明のダイエット用組成物は、飲食品、薬品または皮膚外用剤の素材として用いることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生コーヒー豆由来のダイエット用組成物に関するもので、例えば、飲食品、薬品、化粧品等の素材として適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
肥満は、過食や運動不足などが原因で発症し、糖尿病に代表される生活習慣病のリスクファクターと考えられている。糖尿病患者と将来発症の可能性があるいわゆる糖尿病予備軍の総数は増加傾向にあり、その治療や予防には肥満の解消が不可欠である。
【0003】
従来のダイエット素材としては、脂肪代謝を促進するカプサイシン、脂肪の吸収量を減らすキトサン、脂肪分解を促進するシトラス・アウランティウムなどが知られており、これらのダイエット素材がセルライトや水太りの解消、体脂肪減少など、美容的側面から痩身をサポートする食品等に配合されている。しかしながら、これらのダイエット素材には、ダイエット効果が十分に得られないものもあり、生活習慣病の治療や予防にも役立つ付加価値の高いダイエット素材が市場で求められているのが現状である。
【0004】
なお、ダイエット素材に関連する先行技術としては、特許文献1、特許文献2等が開示されている。
【特許文献1】特開2003−34636号公報
【特許文献2】特開2002−308766号公報
【非特許文献1】Tholon L, et al., An in vitro, ex vivo, and in vivo demonstration of the lipolytic effect of slimming liposomes: An unexpected alpha(2)-adrenergic antagonism. J. Cosmet. Sci. 53, 209-18 (2002).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背景の下、本発明者らは、種々の植物由来の抽出物について、含有成分・含有量、SOD様活性等を調査し、クロロゲン酸類やカフェインを豊富に含有する“生コーヒー豆”に着目するに至った。そして、各種実験を行った結果、生コーヒー豆の抽出物、特に、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物に、ダイエット効果の極めて高い成分が含まれることを見出した。また、生コーヒー豆の抽出物の新規な生理活性として、従来明らかにされていなかった脂肪吸収抑制作用を知見し、さらには、脂肪吸収代謝に関与する膵リパーゼ活性阻害作用、脂肪燃焼代謝に関与するカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進作用、および血糖値上昇抑制に関与するα−グルコシダーゼ活性阻害作用を知見し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
本発明の目的は、優れたダイエット効果を得ることができ、しかも、糖尿病等の生活習慣病の予防および治療に役立つ、安全性の高い生コーヒー豆由来のダイエット用組成物、脂肪吸収抑制用組成物、膵リパーゼ活性阻害用組成物、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物およびα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、生コーヒー豆由来のダイエット用の飲食品、薬品および皮膚外用剤を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、脂肪吸収抑制作用、膵リパーゼ活性阻害作用、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進作用、またはα−グルコシダーゼ活性阻害作用を備えた生コーヒー豆由来の飲食品および薬品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[第1発明]
前記課題を解決するための本発明のダイエット用組成物は、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を含有することを特徴とする。
また、本発明のダイエット用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明のダイエット用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明のダイエット用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
さらに、本発明のダイエット用組成物は、前記のいずれかに記載のダイエット用組成物に、サラシア抽出物、月見草抽出物、セサミン、ガルシニアのうちいずれか一種以上を添加してなることを特徴とする。
【0008】
肥満の主な要因としては、体内の脂肪代謝経路に脂肪が過剰に停滞していることが考えられる(図11参照)。このため、脂肪をターゲットとする肥満の解消、すなわちダイエット対策としては、脂肪代謝経路において、(1)脂肪吸収抑制、(2)脂肪蓄積阻害、(3)脂肪分解促進、(4)脂肪燃焼促進を効果的に行うことが有効になる。
本発明(第1発明)によれば、優れたダイエット機能成分を安全な生コーヒー豆由来の抽出物として摂取することで、(1)脂肪吸収抑制、(2)脂肪蓄積阻害、(3)脂肪分解促進、(4)脂肪燃焼促進の全ての効果をバランスよく得ることができる。これにより、脂肪摂取時の体重増加を抑制し、効果的なダイエットを行うことができる。
【0009】
ここで、前記特許文献1および2には、コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸の機能に着目した脂質代謝改善剤(特許文献1)、生活習慣病予防・改善剤(特許文献2)が記載されており、生コーヒー豆の抽出物には抗肥満作用があることが開示されている。
しかしながら、本発明によるダイエット用組成物は、“脱脂生コーヒー豆”を極性溶媒で抽出してクロロゲン酸を含む生コーヒー豆由来の生理活性成分を高濃度に濃縮したものである点で、生コーヒー豆をそのまま抽出して得られた組成物とは異なる。そして、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物には、クロロゲン酸以外の優れたダイエット機能成分が豊富に含まれる。これにより、未脱脂の生コーヒー豆抽出物に比べ極めて高いダイエット効果(体重増加抑制効果)を得ることができる。
特許文献1の抗肥満試験によれば、生コーヒー豆抽出物とクロロゲン酸との体重増加抑制作用を比較した場合、生コーヒー豆抽出物を摂取する場合よりもクロロゲン酸を単独摂取したときの方が体重抑制効果が大きいことが判る(特許文献1の実施例5,表9「第3群、第4群」参照)。本発明による脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物によれば、クロロゲン酸を単独摂取するときよりも優れた体重増加抑制効果を期待することができる。このような優れた効果は、特許文献1,2等からは予測し得ない独自の効果である。
【0010】
[第2発明および第3発明]
本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
さらに、本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
【0011】
本発明(第3発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明(第3発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第3発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第3発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
さらに、本発明(第2発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
【0012】
前述したように、脂肪をターゲットとしてダイエット効果を評価する場合には、脂肪代謝経路における、(1)脂肪吸収抑制、(2)脂肪蓄積阻害、(3)脂肪分解促進、(4)脂肪燃焼促進のうちいずれかの作用を検討することが多い。前記特許文献1および2においても、血中トリグリセロール量を測定することにより、脂肪分解促進作用を明らかにし、生コーヒー豆抽出物の抗肥満作用を示唆している。しかしながら、生コーヒー豆抽出物が脂肪摂取時に脂肪吸収抑制作用をもつことはほとんど知られていない。
【0013】
本発明者らは、脂肪代謝における脂肪吸収系で生コーヒー豆抽出物の生理活性を試験し、その脂肪吸収抑制作用、および脂肪吸収代謝に関与する膵リパーゼ阻害活性作用を知見するに至った。すなわち、本発明によれば、生コーヒー豆抽出物による脂肪吸収抑制作用(第2発明)、および膵リパーゼ阻害活性作用(第3発明)によってダイエット効果を向上させることができる。言い換えれば、脂肪吸収抑制作用の有効成分として、または膵リパーゼ阻害活性作用の有効成分として、生コーヒー豆抽出物を含有するダイエット用組成物を提供することができる。そして、これらの作用の有効成分として、前述した第2発明または第3発明記載の脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物(エタノール抽出物およびN−ヘキサン脱脂物を含む。)を用いることができる。
【0014】
[第4発明]
本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
さらに、本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
【0015】
脂肪代謝に関与する褐色脂肪組織は、エネルギーを熱へと変換して発散することができる脂肪燃焼組織の一つである。熱産生は、褐色脂肪細胞ミトコンドリアの膜上で行われるが、熱変換の際に特殊な脱共役タンパク(UCP−1)が機能することが知られている。
生コーヒー豆に含まれるカフェインに、糖尿病マウス褐色脂肪組織におけるUCP−1の発現促進作用が報告されており、この結果より、カフェインを含む生コーヒー豆には熱産生の形で脂肪を燃焼消費する働きがあると考えられる。
【0016】
一方、脂肪組織から分解・遊離した脂肪酸の一部は、肝臓へと運ばれ、肝細胞のミトコンドリアにおいて、β−酸化を受けて代謝される。ミトコンドリアに脂肪酸が運ばれる際、カルニチンや移送酵素であるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)が機能し、これらはβ−酸化における律速段階になっている。
【0017】
特許文献1によれば、コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸類が、β−酸化などの脂肪酸代謝に重要な酵素の遺伝子転写を活性化させる点を明らかにしているが、クロロゲン酸類がこれらの酵素自体の活性に与える影響については触れていない。
【0018】
本発明者らは、脂肪代謝における脂肪燃焼系で生コーヒー豆抽出物の生理活性を試験し、β−酸化に関与するカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)の活性化作用を知見するに至った。すなわち、本発明(第4発明)によれば、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)の活性化により脂肪燃焼促進作用の面からダイエット効果を向上させることができる。言い換えれば、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)の活性化作用の有効成分として生コーヒー豆抽出物を含むダイエット用組成物を提供することができる。そして、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)活性化作用の有効成分として、前述した第4発明記載の脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物(エタノール抽出物およびN−ヘキサン脱脂物を含む。)を用いることができる。
【0019】
[第5発明]
本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
さらに、本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
【0020】
前述したように、特許文献1によれば、生コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸について脂質代謝酵素遺伝子の転写活性化作用を明らかにしており、クロロゲン酸の血糖値上昇抑制作用を開示している。しかしながら、生コーヒー豆抽出物の糖分解酵素に対する生理活性に関しては明らかにされていない。
【0021】
本発明者らは、生コーヒー豆抽出物について、α−アミラーゼ、α−グルコシダーゼ等の糖分解酵素に対する生理活性を試験し、これらの糖分解酵素のうち、特に、α−グルコシダーゼに対して生コーヒー豆抽出物が優れた活性阻害作用を有することを知見した。すなわち、本発明(第5発明)は、α−グルコシダーゼの酵素活性を阻害することにより、食後血糖値の上昇を抑え、糖尿病や肥満症を効果的に予防することができる。言い換えれば、α−グルコシダーゼ活性阻害作用の有効成分として生コーヒー豆抽出物を含有する抗糖尿病組成物またはダイエット用組成物を提供することができる。そして、α−グルコシダーゼ活性阻害作用の有効成分として、前述した第5発明記載の脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物(エタノール抽出物およびN−ヘキサン脱脂物を含む。)を用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明(第1発明)によるダイエット用組成物の実施形態を説明するが、以下の実施形態は、第2発明(脂肪吸収抑制用組成物)、第3発明(膵リパーゼ活性阻害作用組成物)、第4発明(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物)および第5発明(α−グルコシダーゼ活性阻害用組成物)にも同様に適用することができる。
【0023】
本発明のダイエット用組成物の原料である生コーヒー豆は、飲料用のコーヒー豆を使用することができる。飲料用のコーヒー豆は、通常、最高200〜215℃で15分程度焙煎するが、本発明では、焙煎豆ではなく、生豆を使用する。
【0024】
コーヒー豆の原料植物(コーヒーノキ)は、エチオピア原産のアカネ科の常緑低木で、通常 2 個の種子を含み、種子は半球状で平らな面に深い溝を有し、その種類としては、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica L.)、コンゴコーヒーノキ(C.robusta Linden)、リベリアコーヒーノキ(C.liberica Bull.)などが栽培されている。本発明においては、コーヒーノキの種類は限定されず、また、コーヒー豆の産地等(アラビカ種、ロブスタ種等)も限定されない。
【0025】
また、飲料用のコーヒー豆の調製法としては、果実を乾燥し、果肉と外皮を除く乾式法と、水に漬け発酵させて果肉を除いた後、乾燥して外皮を除く湿式法が行われているが、本発明では、いずれの調整法による生コーヒー豆であっても用いることができる。
【0026】
本発明のダイエット用組成物の抽出原料には、脱脂生コーヒー豆を用いることが望ましい。これは、生コーヒー豆中の油分を除くことにより、この脱脂物からダイエット機能成分が溶媒抽出されやすくなるためである。脱脂方法としては、例えば、生コーヒー豆を圧搾して油分を分離した後、圧搾物の残留油分を脱脂用溶媒(脂溶性有機溶媒)により抽出分離するとよい。なお、前述の第2発明〜第5発明を実施する場合には、未脱脂の生コーヒー豆を使用してもよい。例えば、生コーヒー豆を破砕し、この破砕物からそのまま有効成分を溶媒抽出することができる。
【0027】
好ましい脱脂用溶媒としては、N−ヘキサン、アセトン等が挙げられる。特に、脱脂用溶媒としてN−ヘキサンを用いると、抽出油分を食用油として使用し得るとともに、脱脂生コーヒー豆の抽出物を食品素材等に利用しやすくなる。
【0028】
脱脂生コーヒー豆からダイエット機能成分を抽出するための極性溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル等を使用することができる。これらの溶媒を2種以上混合してもよい。
望ましくは、水またはエタノールを抽出溶媒として用いると、有効成分が効率よく抽出される。特に、含水エタノールは、抽出の際に有効成分の活性を低下させにくく、抽出物の食品使用における安全面の上でも好ましい抽出溶媒である。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水、深層水等を使用することができる。なお、前述の第2発明〜第5発明を実施する場合には、非極性溶媒(アセトン等)を使用しても有効成分を抽出することができる。
【0029】
脱脂生コーヒー豆からダイエット機能成分を抽出する抽出温度としては、例えば含水エタノールを使用する場合、抽出温度20〜80℃、望ましくは40〜50℃程度で行うとよい。抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくくなり、また、抽出温度が高すぎると、有効成分の活性が低下しやすくなるためである。
【0030】
抽出溶媒としての含水エタノールは、エタノール濃度40〜90%(wt/wt)、望ましくはエタノール濃度60〜80%(wt/wt)であるとよい。エタノール濃度40%(wt/wt)以上としたのは、エタノール含有量が少なすぎると、有効成分の抽出量が不十分になりやすいためである。また、エタノール濃度90%(wt/wt)以下としたのは、エタノール濃度が高すぎると、脱脂生コーヒー豆の残留油分が含水エタノール中に溶け出しやすくなるからである。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、エタノール濃度を段階的に変えながら繰り返して行うとよい。
【0031】
ダイエット機能成分の抽出方法としては、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出、超臨界抽出など任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
【0032】
具体的な抽出方法を示すと、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料(脱脂生コーヒー豆)を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として含水エタノールを用いる場合には、抽出原料の5〜100倍量程度(重量比)の抽出溶媒を使用し、30分〜2時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、本発明によるダイエット用組成物を得る。
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられるが、食品等に添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままで使用してもよい。
【0033】
発明者らの調査によれば、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物には、クロロゲン酸類とカフェインが比較的多量に含まれており、特に、ダイエット機能に優れた特有のクロロゲン酸類が濃縮される。これらの含有量としては、クロロゲン酸が20wt%以上、クロロゲン酸類(クロロゲン酸、フェルラ酸、p−クマル酸、カフェ酸など)が45wt%以上の割合で抽出物に含有していると、ダイエット効果が飛躍的に向上する。
【0034】
本発明のダイエット用組成物は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明のダイエット用組成物を適宜配合するとよい。
【0035】
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。
【0036】
具体的な製法としては、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0037】
本発明のダイエット用組成物を飲食品に適用する場合の添加量としては、病気予防や健康維持が主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1〜20wt%以下であるのが好ましい。
【0038】
本発明のダイエット用組成物は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明のダイエット用組成物を適宜配合して製造することができる。本発明のダイエット用組成物に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0039】
本発明によるダイエット用組成物の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内および静脈内注射などによることができる。また、坐剤などの形態としてもよい。
【0040】
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として0.5〜5000mg、子供では通常0.5〜3000mg程度投与することができる。
ダイエット用組成物の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3〜15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01〜10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0041】
本発明のダイエット用組成物には、クロロゲン酸類とカフェインが含まれるが、カフェインと数種の成分からなる複合製剤が外用で痩身作用を示したという報告がある(非特許文献1)。この結果より、本発明のダイエット用組成物は、部分痩せやセルライト解消作用を有する皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む。)として用いても、ダイエット効果を期待することができる。
【0042】
本発明のダイエット用組成物を配合しうる化粧品の形態としては、例えば乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。
また、 本発明のダイエット用組成物を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0043】
上記形態の皮膚外用剤には、本発明によるダイエット用組成物の他に、そのダイエット効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)油分の例
[エステル系の油相成分]:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
[炭化水素系の油相成分]:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
[シリコーン系の油相成分]:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
[フッ素系の油相成分]:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3,4-ジメトキシフェニルメチレン)-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
(6)界面活性剤の例
[アニオン性界面活性剤]:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
[カチオン性界面活性剤]:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
[両性界面活性剤]:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
[ノニオン性界面活性剤]:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
[天然系界面活性剤]:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【実施例】
【0044】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明によって得られる組成物のダイエット効果等の確認のために説明するもので、本発明の範囲は、これらの製品および製法に限定されるものではない。
【0045】
[ダイエット用組成物の製造]
原料としてのコーヒー豆は、インドネシア産ロブスタ種コーヒー豆を用いた。まず、生コーヒー豆を圧搾して油分を分離し、圧搾物1kgを得た。この圧搾物1kgを破砕し、N−ヘキサンで還流し、圧搾物に残存する油分を除いて脱脂物とした。次いで、この脱脂物をエタノール濃度60wt%の含水エタノール50℃で抽出し、エタノール抽出液を乾固させて生コーヒー豆エキス(実施例:ダイエット用組成物)60gを得た。なお、生コーヒー豆エキス(実施例)の含有成分をHPLC分析したところ、クロロゲン酸類45wt%(クロロゲン酸20wt%を含む。)、カフェイン10wt%程度であった。
【0046】
[体重増加および体脂肪蓄積に対するダイエット効果確認試験(in vivo)]
マウスに対し、生コーヒー豆エキス(実施例)とその含有成分(カフェインまたはクロロゲン酸を含有量に応じて配合)をそれぞれ混餌した飼料を自由摂取させ、体重増加および体脂肪蓄積に対するダイエット効果を確認した。
【0047】
試験方法は、マウス(ddY,雄,6週齢)に、生コーヒー豆エキス(0.5および1wt%)、カフェイン(0.05および0.1wt%)、クロロゲン酸(0.15および0.3wt%)のいずれか一種を混餌した飼料(CE−2,日本クレア)を13日間自由摂取させた。この間、体重を2日ごとに測定した後、最終日に内臓脂肪の一つである副睾丸脂肪重量を測定した。なお、飼育中の対照群(飼料のみを与えたもの)と各サンプル投与群の摂餌量には、ほとんど差は見られなかった。結果を図1および図2に示す。
【0048】
図1に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)には、明らかな体重増加抑制作用が認められたのに対し、クロロゲン酸およびカフェインには十分な体重増加抑制作用が認められなかった。これは、生コーヒー豆エキス(実施例)に含まれるクロロゲン酸およびカフェイン以外の特有成分が複合的に体重増加抑制に関与しているものと考えられる。
【0049】
また、図2に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)は、副睾丸脂肪重量および腎周囲脂肪重量に対して蓄積抑制作用を示した。クロロゲン酸およびカフェインについても、僅かながら脂肪蓄積抑制作用を示した。
【0050】
図3に、生コーヒー豆エキス(実施例)と焙煎コーヒー豆エキス(比較例)との体重増加に対する抗肥満作用を比較したグラフを示した。なお、図3に示した試験において、焙煎コーヒー豆エキスは、通常の条件で生コーヒー豆(未脱脂)を焙煎したものを抽出原料とし、生コーヒー豆エキス(実施例)と同様な抽出条件で製造した。また、焙煎コーヒー豆エキス(比較例)の体重変化は、前述した生コーヒー豆エキス(実施例)の試験と同一条件で5日目まで測定した。
【0051】
図3に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)には、焙煎コーヒー豆エキス(比較例)よりも優れた体重増加抑制作用が認められた。これにより、生コーヒー豆エキス(実施例)は、焙煎コーヒー豆エキス(比較例)に比べダイエット効果が高いことが判る。
【0052】
次に、生コーヒー豆エキス(実施例)と既存ダイエット素材(サラシアエキス,月見草エキス,セサミン,ガルシニア)とを組み合わせた場合の体重増加に対するダイエット効果を確認した。なお、サラシアエキスはサラシア根部を溶媒抽出したもの、月見草エキスは、月見草種子部を溶媒抽出したものである。
【0053】
試験方法は、マウス(ddY,雄,5週齢)に、表1に示すサンプルを混餌した飼料(CE−2,日本クレア)を4日間自由摂取させ、その体重増加を測定した。
なお、サンプルの混餌量は、それぞれ生コーヒー豆エキス0.5wt%、サラシアエキス0.5wt%、月見草エキス3.0wt%、セサミン0.5wt%、ガルシニア1.0wt%とした。
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)に、サラシアエキス、月見草エキス、セサミンまたはガルシニアを組み合わせて用いると、単独投与の場合と比べて体重増加抑制作用が効果的に増強されることが判る。
【0056】
このように生コーヒー豆エキス(実施例)によるダイエット処方は、サラシアエキス、月見草エキス、セサミンまたはガルシニアと生コーヒー豆エキス(実施例)との組み合わせによって、ダイエット効果を増強させることができる。すなわち、生コーヒー豆エキス(実施例)は、サラシアエキス、月見草エキス、セサミン、ガルシニアのうちいずれか一種以上と併用することにより、さらに優れたダイエット効果を得ることができる。
【0057】
なお、その他の組み合わせ例としては、生コーヒー豆エキスと、ギムネマ・シルベスタ,桑葉,グアバ葉,白インゲン豆,グルコマンナン,ヤーコン,チアシード,フェヌグリーク,小麦アミラーゼインヒビター,ニガウリ,共役リノール酸,L-カルニチン,コレウス・フォルスコリ,マテ,アカショウマ,シトラス・アウランティウム,トウガラシ,カプシエイト,カシアポリフェノール,マルスエキス,緑茶エキス,緑茶ポリフェノール,大豆イソフラボン、黒米エキス、キトサン、ラズベリーケトン等のうちいずれか一種以上とを組み合わせても、優れたダイエット効果を得ることができる。
【0058】
[脂肪代謝経路におけるダイエット効果確認試験]
(1)脂肪吸収抑制作用確認試験
a.脂肪吸収遅延作用(in vivo):
マウスにオリーブ油を単回投与し、生コーヒー豆エキス(実施例)が摂取脂肪の吸収に及ぼす作用を確認した。
【0059】
試験方法は、絶食(20時間)したマウス(ddY,雄,6週齢)から採血を行い、30分後に、生コーヒー豆エキス(実施例)の5w/v%アラビアガム懸濁液(10mL/kg)を経口投与した。1時間後にオリーブ油(5mL/kg)を経口投与し、その後2、4および6時間目において採血を行った。得られた血液から血清を分離し、トリグリセリド濃度を酵素法(トリグリセリドE−テストワコー,和光純薬工業社製)を用いて測定した。
【0060】
図4に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)は、対照群と比較して有意な血中トリグリセリドの上昇抑制が認められたことから、生コーヒー豆エキスには強い脂肪吸収抑制作用があることが確認された。
【0061】
b.膵リパーゼ阻害活性(in vitro):
生コーヒー豆エキス(実施例)およびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)について、摂取脂肪の分解に関与する膵リパーゼに対する阻害活性をin vitroにおいて評価した。
膵リパーゼの阻害活性は、ブタ膵由来のリパーゼ(SIGMA社製,終濃度105.8units/mL)およびリパーゼキット−S(大日本製薬)を用いて測定した。結果を図5に示す。
【0062】
図5に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)、クロロゲン酸およびカフェインは、膵リパーゼ阻害活性を示し、脂肪吸収を抑制することが確認された。なお、生コーヒー豆エキス(実施例)は、クロロゲン酸およびカフェインよりも優れた膵リパーゼ阻害活性を示した。生コーヒー豆エキス(実施例)中のクロロゲン酸(20wt%程度)およびカフェイン(10wt%程度)の含有量を考慮すると、このような生コーヒー豆エキス(実施例)の膵リパーゼ阻害活性は、クロロゲン酸およびカフェイン以外の成分が膵リパーゼ阻害に関与するものと考えられる。
【0063】
(2)脂肪蓄積阻害作用確認試験
a.3T3−L1脂肪細胞分化抑制作用(in vitro):
生コーヒー豆エキス(実施例)およびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)を、マウス脂肪細胞株(3T3−L1)培養系に添加し、分化誘導惹起後の脂肪蓄積へ及ぼす影響を確認した。
【0064】
試験方法は、3T3−L1脂肪細胞(5×104 cells/mL)を、10wt%牛胎児血清を含むDMEM培地(高グルコース)で2日間培養後、インスリン(1μg/mL)、デキサメタゾン(0.25μM)およびイソブチルメチルキサンチン(0.5mM)を含む培地に交換して分化を誘導した。2日後にサンプルおよびインスリン(1μg/mL)を含む培地に交換し、1日おきに培地交換をしながら計6日間培養した。培養終了後、細胞中のトリグリセリド濃度および脂肪細胞分化の指標となるグリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GPDH)活性を測定した。
【0065】
図6に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)、カフェインおよびクロロゲン酸に緩和な脂肪蓄積阻害(蓄積トリグリセリドの低下)が認められた。
また、脂肪細胞分化の指標となるグリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性(GPDH活性)についても、生コーヒー豆エキス(実施例)、カフェインおよびクロロゲン酸の僅かな低下が認めらた。なお、同濃度において細胞毒性は認められなかった。
【0066】
b.脂肪肝抑制作用(in vivo):
生コーヒー豆エキスおよび含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)を、マウスに継続(2週間)投与した時の肝脂質(トリグリセリドおよび総コレステロール)に及ぼす影響を評価した。
【0067】
試験方法は、マウス(ddY,雄,5週齢)を1週間予備飼育後、4群に分け、1日1回5w/v%アラビアガムに懸濁したサンプルを2週間経口投与した。実験最終日に、非絶食下において肝臓の摘出を行い、肝臓トリグリセリド及び総コレステロール含量を和光純薬工業社製のキットを用いて測定した。結果を図7に示す。
【0068】
図7に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)、カフェインおよびクロロゲン酸は、肝臓トリグリセリドを低下させ、特に、カフェインおよびクロロゲン酸はその効果が強いことが確認された。一方、総コレステロール値は対照と比較してほぼ同等であった。これらの結果より、生コーヒー豆エキスには、中性脂肪蓄積による脂肪肝を抑制する作用があり、その作用にはカフェインおよびクロロゲン酸の関与が示唆される。
【0069】
(3)脂肪分解促進作用確認試験
a. 脂肪分解作用(in vitro):
カフェインには、脂肪細胞中のリパーゼを活性化し、中性脂肪の分解を促進する作用があることが知られている。本試験では、生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の脂肪分解作用を、既存のダイエット素材と比較検討した。
【0070】
試験方法は、Wistar系雄性ラットから副睾丸脂肪を摘出し、Medium199(培地)に溶解した各種サンプル中で、インキュベート(37℃,3時間)した。インキュベート終了後に脂肪を除去し、培地中のグリセロール量をF−キットグリセロール(日本ロシュ社製)を用いて測定した。結果を図8に示す。
【0071】
図8に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)を1000μg/mL添加した場合の脂肪分解作用は、単一化合物であるカフェイン、カプサイシンおよびシネフリンと同等であり、シネフリンを30wt%程度含有するシトラスエキスよりも強いことが判明した。また、クロロゲン酸にも緩和な脂肪分解作用が認められた。
【0072】
b.血中トリグリセリド低下作用(in vivo):
生コーヒー豆エキスとその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)について、絶食下のマウスに経口投与した際の血中トリグリセリドに及ぼす影響を評価した。
【0073】
試験方法は、まず、絶食(24時間)したマウス(ddy,雄,6週齢)の静脈から採血を行い、30分後に5w/v%アラビアガムに懸濁した各種サンプル(10mL/kg)をマウスに経口投与した。以後、1時間毎に経時的に採血を行って、血中トリグリセリドを測定した。なお、対照としてアラビアガムのみ経口投与したものについても、同様な条件で血中トリグリセリドを測定した。
【0074】
図9に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)は、カプサイシンと類似した強い血中トリグリセリドの降下作用を示した。また、カフェインについても、同様に強い血中トリグリセリドの降下作用を示した。一方、クロロゲン酸は、シネフリンと同等の血中トリグリセリド降下作用を示した。
これらの試験結果より、生コーヒー豆エキス(実施例)には、脂肪細胞における脂肪分解促進作用があり、その作用にはカフェインおよびクロロゲン酸の関与が示唆される。
【0075】
(4)脂肪燃焼促進作用確認試験(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)活性促進作用確認試験:in vivo)
生コーヒー豆エキス(実施例)を配合した飼料をマウスに摂取させ、脂肪燃焼代謝のβ−酸化に寄与するカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)活性を測定した。
【0076】
試験方法は、マウス(ddY,雄,7週齢)に生コーヒー豆エキス(0.5および1wt%)を混餌した飼料(CE−2,日本クレア)を6日間自由摂取させた。頚椎脱臼後に肝臓を摘出し、肝重量に対して6倍量の0.25Mスクロースおよび1mM EDTA含有トリス緩衝液(pH7.4)を加えてホモジネートし、遠心分離(3000回転,10分)をおこなった。上清を再び遠心分離(11000回転,10分)し、得られた沈澱(ミトコンドリア分画)に緩衝液(2.5 mL)を加えて懸濁した。蛋白定量後、CPT活性をDTNB法により測定した。結果を図10に示す。
【0077】
図10に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)には、用量依存的なCPT活性の促進作用が認められた。この結果より、生コーヒー豆エキス(実施例)はCPT活性を促進し、脂肪燃焼を補助することが確認された。
【0078】
[糖尿病予防作用確認試験]
a.糖吸収遅延作用(in vivo):
生コーヒー豆エキスの糖質投与時の血糖値上昇抑制作用を、マウス糖質負荷モデルを用いて確認した。
【0079】
試験方法は、絶食(18時間)したマウス(ddy,雄,6週齢)から採血後、直ちに生コーヒー豆エキス(実施例)の水溶液(10mL/kg)を経口投与した。1時間後にグルコース(0.5g/kg)またはスクロース(2g/kg)を経口投与(5mL/kg)し、その後0.5、1および2時間目において採血を行った。得られた血液から血清を分離し、グルコース濃度を酵素法(デタミナーGL−E:協和メデックス社製)により測定した。
【0080】
図12に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)は、グルコース負荷時には400mg/kgの投与で、スクロース負荷時には200mg/kgの投与で血糖値の上昇を抑制することが確認された。
【0081】
b.α−グルコシダーゼ阻害活性(in vivo):
生コーヒー豆エキスとその含有成分(クロロゲン酸、カフェ酸、カフェインおよびキナ酸)について、糖質分解酵素であるα−グルコシダーゼに対する阻害活性を試験した。
【0082】
試験方法は、ラット小腸アセトン粉末(Sigma社)に約10倍量の0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を加え、遠心分離した上清を酵素液とした。基質には0.2mMの4−メチルウンベルフェリル−α−D−グルコピラノシド(Sigma社)を用いた。各サンプルはDMSOに溶解後、4%DMSO含有リン酸緩衝液で2倍希釈系列を調製した。マイクロプレートにサンプル希釈液(50μL/well)および基質緩衝液(25μL/well)を添加して、予備加熱(37℃、10分間)後、酵素液(25μL/well)を添加し、37℃で30分間反応させた(酵素最終濃度:1mg protein/mL,基質終濃度:0.05mM)。0.2MのNa2CO3(100μL/well)を添加して反応を停止させ、マイクロプレートリーダーを用いて蛍光強度(励起波長366nm、測定波長450nm)を測定した。
【0083】
表2に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)、クロロゲン酸およびカフェ酸には、α−グルコシダーゼに対する強い阻害活性が認められたのに対し、カフェインおよびキナ酸には阻害活性が認められなかった。また、生コーヒー豆エキス(実施例)の阻害活性は、クロロゲン酸およびカフェ酸よりも優れたものであった。
【0084】
【表2】
【0085】
[配合例]
本発明によるダイエット用組成物の配合例を示す。以下の配合例において、「生コーヒー豆エキス」には、脱脂生コーヒー豆の含水エタノール抽出物を用いることができる。各配合例は、第2発明(脂肪吸収抑制用組成物)、第3発明(膵リパーゼ活性阻害作用組成物)、第4発明(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物)および第5発明(α−グルコシダーゼ活性阻害用組成物)にも同様に適用することができる。
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
【表7】
【0090】
【表8】
【0091】
【表9】
【0092】
【表10】
【0093】
【表11】
【0094】
【表12】
【0095】
【表13】
【0096】
【表14】
【0097】
【表15】
【0098】
【表16】
【0099】
【表17】
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上説明したように、本発明によれば、次のような優れた効果を奏する。
(a) 生コーヒー豆由来の安全な抽出物を摂取することにより、優れたダイエット効果を得ることができ、糖尿病等の生活習慣病を効果的に予防または治療することができる。
(b) 生コーヒー豆由来の安全な抽出物であるから、飲食品や薬品の素材として安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の継続摂取時のマウス体重増加に及ぼす作用を示すグラフである。
【図2】生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の継続摂取時のマウス内臓脂肪に及ぼす作用を示すグラフである。
【図3】生コーヒー豆エキスおよび焙煎コーヒー豆エキスの継続摂取時のマウス体重増加に及ぼす作用を示すグラフである。
【図4】生コーヒー豆エキスのオリーブ油負荷時における血中トリグリセリドに及ぼす作用を示すグラフである。
【図5】生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の膵由来リパーゼ阻害活性を示すグラフである。
【図6】生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の3T3−L1脂肪細胞分化に及ぼす作用を示すグラフである。
【図7】生コーヒー豆エキス)およびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)を継続投与した際のマウス肝脂質に及ぼす作用を示すグラフである。
【図8】生コーヒー豆エキス、その含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)、並びに脂肪分解素材の副睾丸脂肪からのグリセロール遊離に及ぼす作用を示すグラフである。
【図9】生コーヒー豆エキス、その含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)、並びに既存ダイエット素材のマウス血中トリグリセリドに及ぼす作用を示すグラフである。
【図10】生コーヒー豆エキスの肝ミトコンドリア分画CPT活性に及ぼす作用を示すグラフである。
【図11】脂肪代謝経路におけるダイエット効果を説明するための模式図である。
【図12】生コーヒー豆エキスのグルコースおよびスクロース負荷時における血糖値上昇抑制作用を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生コーヒー豆由来のダイエット用組成物に関するもので、例えば、飲食品、薬品、化粧品等の素材として適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
肥満は、過食や運動不足などが原因で発症し、糖尿病に代表される生活習慣病のリスクファクターと考えられている。糖尿病患者と将来発症の可能性があるいわゆる糖尿病予備軍の総数は増加傾向にあり、その治療や予防には肥満の解消が不可欠である。
【0003】
従来のダイエット素材としては、脂肪代謝を促進するカプサイシン、脂肪の吸収量を減らすキトサン、脂肪分解を促進するシトラス・アウランティウムなどが知られており、これらのダイエット素材がセルライトや水太りの解消、体脂肪減少など、美容的側面から痩身をサポートする食品等に配合されている。しかしながら、これらのダイエット素材には、ダイエット効果が十分に得られないものもあり、生活習慣病の治療や予防にも役立つ付加価値の高いダイエット素材が市場で求められているのが現状である。
【0004】
なお、ダイエット素材に関連する先行技術としては、特許文献1、特許文献2等が開示されている。
【特許文献1】特開2003−34636号公報
【特許文献2】特開2002−308766号公報
【非特許文献1】Tholon L, et al., An in vitro, ex vivo, and in vivo demonstration of the lipolytic effect of slimming liposomes: An unexpected alpha(2)-adrenergic antagonism. J. Cosmet. Sci. 53, 209-18 (2002).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背景の下、本発明者らは、種々の植物由来の抽出物について、含有成分・含有量、SOD様活性等を調査し、クロロゲン酸類やカフェインを豊富に含有する“生コーヒー豆”に着目するに至った。そして、各種実験を行った結果、生コーヒー豆の抽出物、特に、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物に、ダイエット効果の極めて高い成分が含まれることを見出した。また、生コーヒー豆の抽出物の新規な生理活性として、従来明らかにされていなかった脂肪吸収抑制作用を知見し、さらには、脂肪吸収代謝に関与する膵リパーゼ活性阻害作用、脂肪燃焼代謝に関与するカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進作用、および血糖値上昇抑制に関与するα−グルコシダーゼ活性阻害作用を知見し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
本発明の目的は、優れたダイエット効果を得ることができ、しかも、糖尿病等の生活習慣病の予防および治療に役立つ、安全性の高い生コーヒー豆由来のダイエット用組成物、脂肪吸収抑制用組成物、膵リパーゼ活性阻害用組成物、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物およびα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、生コーヒー豆由来のダイエット用の飲食品、薬品および皮膚外用剤を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、脂肪吸収抑制作用、膵リパーゼ活性阻害作用、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進作用、またはα−グルコシダーゼ活性阻害作用を備えた生コーヒー豆由来の飲食品および薬品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[第1発明]
前記課題を解決するための本発明のダイエット用組成物は、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を含有することを特徴とする。
また、本発明のダイエット用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明のダイエット用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明のダイエット用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
さらに、本発明のダイエット用組成物は、前記のいずれかに記載のダイエット用組成物に、サラシア抽出物、月見草抽出物、セサミン、ガルシニアのうちいずれか一種以上を添加してなることを特徴とする。
【0008】
肥満の主な要因としては、体内の脂肪代謝経路に脂肪が過剰に停滞していることが考えられる(図11参照)。このため、脂肪をターゲットとする肥満の解消、すなわちダイエット対策としては、脂肪代謝経路において、(1)脂肪吸収抑制、(2)脂肪蓄積阻害、(3)脂肪分解促進、(4)脂肪燃焼促進を効果的に行うことが有効になる。
本発明(第1発明)によれば、優れたダイエット機能成分を安全な生コーヒー豆由来の抽出物として摂取することで、(1)脂肪吸収抑制、(2)脂肪蓄積阻害、(3)脂肪分解促進、(4)脂肪燃焼促進の全ての効果をバランスよく得ることができる。これにより、脂肪摂取時の体重増加を抑制し、効果的なダイエットを行うことができる。
【0009】
ここで、前記特許文献1および2には、コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸の機能に着目した脂質代謝改善剤(特許文献1)、生活習慣病予防・改善剤(特許文献2)が記載されており、生コーヒー豆の抽出物には抗肥満作用があることが開示されている。
しかしながら、本発明によるダイエット用組成物は、“脱脂生コーヒー豆”を極性溶媒で抽出してクロロゲン酸を含む生コーヒー豆由来の生理活性成分を高濃度に濃縮したものである点で、生コーヒー豆をそのまま抽出して得られた組成物とは異なる。そして、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物には、クロロゲン酸以外の優れたダイエット機能成分が豊富に含まれる。これにより、未脱脂の生コーヒー豆抽出物に比べ極めて高いダイエット効果(体重増加抑制効果)を得ることができる。
特許文献1の抗肥満試験によれば、生コーヒー豆抽出物とクロロゲン酸との体重増加抑制作用を比較した場合、生コーヒー豆抽出物を摂取する場合よりもクロロゲン酸を単独摂取したときの方が体重抑制効果が大きいことが判る(特許文献1の実施例5,表9「第3群、第4群」参照)。本発明による脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物によれば、クロロゲン酸を単独摂取するときよりも優れた体重増加抑制効果を期待することができる。このような優れた効果は、特許文献1,2等からは予測し得ない独自の効果である。
【0010】
[第2発明および第3発明]
本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
さらに、本発明(第2発明)の脂肪吸収抑制用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
【0011】
本発明(第3発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明(第3発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第3発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第3発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
さらに、本発明(第2発明)の膵リパーゼ活性阻害作用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
【0012】
前述したように、脂肪をターゲットとしてダイエット効果を評価する場合には、脂肪代謝経路における、(1)脂肪吸収抑制、(2)脂肪蓄積阻害、(3)脂肪分解促進、(4)脂肪燃焼促進のうちいずれかの作用を検討することが多い。前記特許文献1および2においても、血中トリグリセロール量を測定することにより、脂肪分解促進作用を明らかにし、生コーヒー豆抽出物の抗肥満作用を示唆している。しかしながら、生コーヒー豆抽出物が脂肪摂取時に脂肪吸収抑制作用をもつことはほとんど知られていない。
【0013】
本発明者らは、脂肪代謝における脂肪吸収系で生コーヒー豆抽出物の生理活性を試験し、その脂肪吸収抑制作用、および脂肪吸収代謝に関与する膵リパーゼ阻害活性作用を知見するに至った。すなわち、本発明によれば、生コーヒー豆抽出物による脂肪吸収抑制作用(第2発明)、および膵リパーゼ阻害活性作用(第3発明)によってダイエット効果を向上させることができる。言い換えれば、脂肪吸収抑制作用の有効成分として、または膵リパーゼ阻害活性作用の有効成分として、生コーヒー豆抽出物を含有するダイエット用組成物を提供することができる。そして、これらの作用の有効成分として、前述した第2発明または第3発明記載の脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物(エタノール抽出物およびN−ヘキサン脱脂物を含む。)を用いることができる。
【0014】
[第4発明]
本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
さらに、本発明(第4発明)のカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
【0015】
脂肪代謝に関与する褐色脂肪組織は、エネルギーを熱へと変換して発散することができる脂肪燃焼組織の一つである。熱産生は、褐色脂肪細胞ミトコンドリアの膜上で行われるが、熱変換の際に特殊な脱共役タンパク(UCP−1)が機能することが知られている。
生コーヒー豆に含まれるカフェインに、糖尿病マウス褐色脂肪組織におけるUCP−1の発現促進作用が報告されており、この結果より、カフェインを含む生コーヒー豆には熱産生の形で脂肪を燃焼消費する働きがあると考えられる。
【0016】
一方、脂肪組織から分解・遊離した脂肪酸の一部は、肝臓へと運ばれ、肝細胞のミトコンドリアにおいて、β−酸化を受けて代謝される。ミトコンドリアに脂肪酸が運ばれる際、カルニチンや移送酵素であるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)が機能し、これらはβ−酸化における律速段階になっている。
【0017】
特許文献1によれば、コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸類が、β−酸化などの脂肪酸代謝に重要な酵素の遺伝子転写を活性化させる点を明らかにしているが、クロロゲン酸類がこれらの酵素自体の活性に与える影響については触れていない。
【0018】
本発明者らは、脂肪代謝における脂肪燃焼系で生コーヒー豆抽出物の生理活性を試験し、β−酸化に関与するカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)の活性化作用を知見するに至った。すなわち、本発明(第4発明)によれば、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)の活性化により脂肪燃焼促進作用の面からダイエット効果を向上させることができる。言い換えれば、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)の活性化作用の有効成分として生コーヒー豆抽出物を含むダイエット用組成物を提供することができる。そして、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)活性化作用の有効成分として、前述した第4発明記載の脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物(エタノール抽出物およびN−ヘキサン脱脂物を含む。)を用いることができる。
【0019】
[第5発明]
本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
また、本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物であることを特徴とする。
さらに、本発明(第5発明)のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物は、前記脱脂生コーヒー豆が生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものであることを特徴とする。
【0020】
前述したように、特許文献1によれば、生コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸について脂質代謝酵素遺伝子の転写活性化作用を明らかにしており、クロロゲン酸の血糖値上昇抑制作用を開示している。しかしながら、生コーヒー豆抽出物の糖分解酵素に対する生理活性に関しては明らかにされていない。
【0021】
本発明者らは、生コーヒー豆抽出物について、α−アミラーゼ、α−グルコシダーゼ等の糖分解酵素に対する生理活性を試験し、これらの糖分解酵素のうち、特に、α−グルコシダーゼに対して生コーヒー豆抽出物が優れた活性阻害作用を有することを知見した。すなわち、本発明(第5発明)は、α−グルコシダーゼの酵素活性を阻害することにより、食後血糖値の上昇を抑え、糖尿病や肥満症を効果的に予防することができる。言い換えれば、α−グルコシダーゼ活性阻害作用の有効成分として生コーヒー豆抽出物を含有する抗糖尿病組成物またはダイエット用組成物を提供することができる。そして、α−グルコシダーゼ活性阻害作用の有効成分として、前述した第5発明記載の脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物(エタノール抽出物およびN−ヘキサン脱脂物を含む。)を用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明(第1発明)によるダイエット用組成物の実施形態を説明するが、以下の実施形態は、第2発明(脂肪吸収抑制用組成物)、第3発明(膵リパーゼ活性阻害作用組成物)、第4発明(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物)および第5発明(α−グルコシダーゼ活性阻害用組成物)にも同様に適用することができる。
【0023】
本発明のダイエット用組成物の原料である生コーヒー豆は、飲料用のコーヒー豆を使用することができる。飲料用のコーヒー豆は、通常、最高200〜215℃で15分程度焙煎するが、本発明では、焙煎豆ではなく、生豆を使用する。
【0024】
コーヒー豆の原料植物(コーヒーノキ)は、エチオピア原産のアカネ科の常緑低木で、通常 2 個の種子を含み、種子は半球状で平らな面に深い溝を有し、その種類としては、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica L.)、コンゴコーヒーノキ(C.robusta Linden)、リベリアコーヒーノキ(C.liberica Bull.)などが栽培されている。本発明においては、コーヒーノキの種類は限定されず、また、コーヒー豆の産地等(アラビカ種、ロブスタ種等)も限定されない。
【0025】
また、飲料用のコーヒー豆の調製法としては、果実を乾燥し、果肉と外皮を除く乾式法と、水に漬け発酵させて果肉を除いた後、乾燥して外皮を除く湿式法が行われているが、本発明では、いずれの調整法による生コーヒー豆であっても用いることができる。
【0026】
本発明のダイエット用組成物の抽出原料には、脱脂生コーヒー豆を用いることが望ましい。これは、生コーヒー豆中の油分を除くことにより、この脱脂物からダイエット機能成分が溶媒抽出されやすくなるためである。脱脂方法としては、例えば、生コーヒー豆を圧搾して油分を分離した後、圧搾物の残留油分を脱脂用溶媒(脂溶性有機溶媒)により抽出分離するとよい。なお、前述の第2発明〜第5発明を実施する場合には、未脱脂の生コーヒー豆を使用してもよい。例えば、生コーヒー豆を破砕し、この破砕物からそのまま有効成分を溶媒抽出することができる。
【0027】
好ましい脱脂用溶媒としては、N−ヘキサン、アセトン等が挙げられる。特に、脱脂用溶媒としてN−ヘキサンを用いると、抽出油分を食用油として使用し得るとともに、脱脂生コーヒー豆の抽出物を食品素材等に利用しやすくなる。
【0028】
脱脂生コーヒー豆からダイエット機能成分を抽出するための極性溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル等を使用することができる。これらの溶媒を2種以上混合してもよい。
望ましくは、水またはエタノールを抽出溶媒として用いると、有効成分が効率よく抽出される。特に、含水エタノールは、抽出の際に有効成分の活性を低下させにくく、抽出物の食品使用における安全面の上でも好ましい抽出溶媒である。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水、深層水等を使用することができる。なお、前述の第2発明〜第5発明を実施する場合には、非極性溶媒(アセトン等)を使用しても有効成分を抽出することができる。
【0029】
脱脂生コーヒー豆からダイエット機能成分を抽出する抽出温度としては、例えば含水エタノールを使用する場合、抽出温度20〜80℃、望ましくは40〜50℃程度で行うとよい。抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくくなり、また、抽出温度が高すぎると、有効成分の活性が低下しやすくなるためである。
【0030】
抽出溶媒としての含水エタノールは、エタノール濃度40〜90%(wt/wt)、望ましくはエタノール濃度60〜80%(wt/wt)であるとよい。エタノール濃度40%(wt/wt)以上としたのは、エタノール含有量が少なすぎると、有効成分の抽出量が不十分になりやすいためである。また、エタノール濃度90%(wt/wt)以下としたのは、エタノール濃度が高すぎると、脱脂生コーヒー豆の残留油分が含水エタノール中に溶け出しやすくなるからである。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、エタノール濃度を段階的に変えながら繰り返して行うとよい。
【0031】
ダイエット機能成分の抽出方法としては、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出、超臨界抽出など任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
【0032】
具体的な抽出方法を示すと、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料(脱脂生コーヒー豆)を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として含水エタノールを用いる場合には、抽出原料の5〜100倍量程度(重量比)の抽出溶媒を使用し、30分〜2時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、本発明によるダイエット用組成物を得る。
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられるが、食品等に添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままで使用してもよい。
【0033】
発明者らの調査によれば、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物には、クロロゲン酸類とカフェインが比較的多量に含まれており、特に、ダイエット機能に優れた特有のクロロゲン酸類が濃縮される。これらの含有量としては、クロロゲン酸が20wt%以上、クロロゲン酸類(クロロゲン酸、フェルラ酸、p−クマル酸、カフェ酸など)が45wt%以上の割合で抽出物に含有していると、ダイエット効果が飛躍的に向上する。
【0034】
本発明のダイエット用組成物は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明のダイエット用組成物を適宜配合するとよい。
【0035】
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。
【0036】
具体的な製法としては、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0037】
本発明のダイエット用組成物を飲食品に適用する場合の添加量としては、病気予防や健康維持が主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1〜20wt%以下であるのが好ましい。
【0038】
本発明のダイエット用組成物は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明のダイエット用組成物を適宜配合して製造することができる。本発明のダイエット用組成物に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0039】
本発明によるダイエット用組成物の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内および静脈内注射などによることができる。また、坐剤などの形態としてもよい。
【0040】
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として0.5〜5000mg、子供では通常0.5〜3000mg程度投与することができる。
ダイエット用組成物の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3〜15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01〜10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0041】
本発明のダイエット用組成物には、クロロゲン酸類とカフェインが含まれるが、カフェインと数種の成分からなる複合製剤が外用で痩身作用を示したという報告がある(非特許文献1)。この結果より、本発明のダイエット用組成物は、部分痩せやセルライト解消作用を有する皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む。)として用いても、ダイエット効果を期待することができる。
【0042】
本発明のダイエット用組成物を配合しうる化粧品の形態としては、例えば乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。
また、 本発明のダイエット用組成物を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0043】
上記形態の皮膚外用剤には、本発明によるダイエット用組成物の他に、そのダイエット効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)油分の例
[エステル系の油相成分]:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
[炭化水素系の油相成分]:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
[シリコーン系の油相成分]:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
[フッ素系の油相成分]:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3,4-ジメトキシフェニルメチレン)-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
(6)界面活性剤の例
[アニオン性界面活性剤]:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
[カチオン性界面活性剤]:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
[両性界面活性剤]:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
[ノニオン性界面活性剤]:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
[天然系界面活性剤]:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【実施例】
【0044】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明によって得られる組成物のダイエット効果等の確認のために説明するもので、本発明の範囲は、これらの製品および製法に限定されるものではない。
【0045】
[ダイエット用組成物の製造]
原料としてのコーヒー豆は、インドネシア産ロブスタ種コーヒー豆を用いた。まず、生コーヒー豆を圧搾して油分を分離し、圧搾物1kgを得た。この圧搾物1kgを破砕し、N−ヘキサンで還流し、圧搾物に残存する油分を除いて脱脂物とした。次いで、この脱脂物をエタノール濃度60wt%の含水エタノール50℃で抽出し、エタノール抽出液を乾固させて生コーヒー豆エキス(実施例:ダイエット用組成物)60gを得た。なお、生コーヒー豆エキス(実施例)の含有成分をHPLC分析したところ、クロロゲン酸類45wt%(クロロゲン酸20wt%を含む。)、カフェイン10wt%程度であった。
【0046】
[体重増加および体脂肪蓄積に対するダイエット効果確認試験(in vivo)]
マウスに対し、生コーヒー豆エキス(実施例)とその含有成分(カフェインまたはクロロゲン酸を含有量に応じて配合)をそれぞれ混餌した飼料を自由摂取させ、体重増加および体脂肪蓄積に対するダイエット効果を確認した。
【0047】
試験方法は、マウス(ddY,雄,6週齢)に、生コーヒー豆エキス(0.5および1wt%)、カフェイン(0.05および0.1wt%)、クロロゲン酸(0.15および0.3wt%)のいずれか一種を混餌した飼料(CE−2,日本クレア)を13日間自由摂取させた。この間、体重を2日ごとに測定した後、最終日に内臓脂肪の一つである副睾丸脂肪重量を測定した。なお、飼育中の対照群(飼料のみを与えたもの)と各サンプル投与群の摂餌量には、ほとんど差は見られなかった。結果を図1および図2に示す。
【0048】
図1に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)には、明らかな体重増加抑制作用が認められたのに対し、クロロゲン酸およびカフェインには十分な体重増加抑制作用が認められなかった。これは、生コーヒー豆エキス(実施例)に含まれるクロロゲン酸およびカフェイン以外の特有成分が複合的に体重増加抑制に関与しているものと考えられる。
【0049】
また、図2に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)は、副睾丸脂肪重量および腎周囲脂肪重量に対して蓄積抑制作用を示した。クロロゲン酸およびカフェインについても、僅かながら脂肪蓄積抑制作用を示した。
【0050】
図3に、生コーヒー豆エキス(実施例)と焙煎コーヒー豆エキス(比較例)との体重増加に対する抗肥満作用を比較したグラフを示した。なお、図3に示した試験において、焙煎コーヒー豆エキスは、通常の条件で生コーヒー豆(未脱脂)を焙煎したものを抽出原料とし、生コーヒー豆エキス(実施例)と同様な抽出条件で製造した。また、焙煎コーヒー豆エキス(比較例)の体重変化は、前述した生コーヒー豆エキス(実施例)の試験と同一条件で5日目まで測定した。
【0051】
図3に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)には、焙煎コーヒー豆エキス(比較例)よりも優れた体重増加抑制作用が認められた。これにより、生コーヒー豆エキス(実施例)は、焙煎コーヒー豆エキス(比較例)に比べダイエット効果が高いことが判る。
【0052】
次に、生コーヒー豆エキス(実施例)と既存ダイエット素材(サラシアエキス,月見草エキス,セサミン,ガルシニア)とを組み合わせた場合の体重増加に対するダイエット効果を確認した。なお、サラシアエキスはサラシア根部を溶媒抽出したもの、月見草エキスは、月見草種子部を溶媒抽出したものである。
【0053】
試験方法は、マウス(ddY,雄,5週齢)に、表1に示すサンプルを混餌した飼料(CE−2,日本クレア)を4日間自由摂取させ、その体重増加を測定した。
なお、サンプルの混餌量は、それぞれ生コーヒー豆エキス0.5wt%、サラシアエキス0.5wt%、月見草エキス3.0wt%、セサミン0.5wt%、ガルシニア1.0wt%とした。
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)に、サラシアエキス、月見草エキス、セサミンまたはガルシニアを組み合わせて用いると、単独投与の場合と比べて体重増加抑制作用が効果的に増強されることが判る。
【0056】
このように生コーヒー豆エキス(実施例)によるダイエット処方は、サラシアエキス、月見草エキス、セサミンまたはガルシニアと生コーヒー豆エキス(実施例)との組み合わせによって、ダイエット効果を増強させることができる。すなわち、生コーヒー豆エキス(実施例)は、サラシアエキス、月見草エキス、セサミン、ガルシニアのうちいずれか一種以上と併用することにより、さらに優れたダイエット効果を得ることができる。
【0057】
なお、その他の組み合わせ例としては、生コーヒー豆エキスと、ギムネマ・シルベスタ,桑葉,グアバ葉,白インゲン豆,グルコマンナン,ヤーコン,チアシード,フェヌグリーク,小麦アミラーゼインヒビター,ニガウリ,共役リノール酸,L-カルニチン,コレウス・フォルスコリ,マテ,アカショウマ,シトラス・アウランティウム,トウガラシ,カプシエイト,カシアポリフェノール,マルスエキス,緑茶エキス,緑茶ポリフェノール,大豆イソフラボン、黒米エキス、キトサン、ラズベリーケトン等のうちいずれか一種以上とを組み合わせても、優れたダイエット効果を得ることができる。
【0058】
[脂肪代謝経路におけるダイエット効果確認試験]
(1)脂肪吸収抑制作用確認試験
a.脂肪吸収遅延作用(in vivo):
マウスにオリーブ油を単回投与し、生コーヒー豆エキス(実施例)が摂取脂肪の吸収に及ぼす作用を確認した。
【0059】
試験方法は、絶食(20時間)したマウス(ddY,雄,6週齢)から採血を行い、30分後に、生コーヒー豆エキス(実施例)の5w/v%アラビアガム懸濁液(10mL/kg)を経口投与した。1時間後にオリーブ油(5mL/kg)を経口投与し、その後2、4および6時間目において採血を行った。得られた血液から血清を分離し、トリグリセリド濃度を酵素法(トリグリセリドE−テストワコー,和光純薬工業社製)を用いて測定した。
【0060】
図4に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)は、対照群と比較して有意な血中トリグリセリドの上昇抑制が認められたことから、生コーヒー豆エキスには強い脂肪吸収抑制作用があることが確認された。
【0061】
b.膵リパーゼ阻害活性(in vitro):
生コーヒー豆エキス(実施例)およびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)について、摂取脂肪の分解に関与する膵リパーゼに対する阻害活性をin vitroにおいて評価した。
膵リパーゼの阻害活性は、ブタ膵由来のリパーゼ(SIGMA社製,終濃度105.8units/mL)およびリパーゼキット−S(大日本製薬)を用いて測定した。結果を図5に示す。
【0062】
図5に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)、クロロゲン酸およびカフェインは、膵リパーゼ阻害活性を示し、脂肪吸収を抑制することが確認された。なお、生コーヒー豆エキス(実施例)は、クロロゲン酸およびカフェインよりも優れた膵リパーゼ阻害活性を示した。生コーヒー豆エキス(実施例)中のクロロゲン酸(20wt%程度)およびカフェイン(10wt%程度)の含有量を考慮すると、このような生コーヒー豆エキス(実施例)の膵リパーゼ阻害活性は、クロロゲン酸およびカフェイン以外の成分が膵リパーゼ阻害に関与するものと考えられる。
【0063】
(2)脂肪蓄積阻害作用確認試験
a.3T3−L1脂肪細胞分化抑制作用(in vitro):
生コーヒー豆エキス(実施例)およびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)を、マウス脂肪細胞株(3T3−L1)培養系に添加し、分化誘導惹起後の脂肪蓄積へ及ぼす影響を確認した。
【0064】
試験方法は、3T3−L1脂肪細胞(5×104 cells/mL)を、10wt%牛胎児血清を含むDMEM培地(高グルコース)で2日間培養後、インスリン(1μg/mL)、デキサメタゾン(0.25μM)およびイソブチルメチルキサンチン(0.5mM)を含む培地に交換して分化を誘導した。2日後にサンプルおよびインスリン(1μg/mL)を含む培地に交換し、1日おきに培地交換をしながら計6日間培養した。培養終了後、細胞中のトリグリセリド濃度および脂肪細胞分化の指標となるグリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GPDH)活性を測定した。
【0065】
図6に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)、カフェインおよびクロロゲン酸に緩和な脂肪蓄積阻害(蓄積トリグリセリドの低下)が認められた。
また、脂肪細胞分化の指標となるグリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性(GPDH活性)についても、生コーヒー豆エキス(実施例)、カフェインおよびクロロゲン酸の僅かな低下が認めらた。なお、同濃度において細胞毒性は認められなかった。
【0066】
b.脂肪肝抑制作用(in vivo):
生コーヒー豆エキスおよび含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)を、マウスに継続(2週間)投与した時の肝脂質(トリグリセリドおよび総コレステロール)に及ぼす影響を評価した。
【0067】
試験方法は、マウス(ddY,雄,5週齢)を1週間予備飼育後、4群に分け、1日1回5w/v%アラビアガムに懸濁したサンプルを2週間経口投与した。実験最終日に、非絶食下において肝臓の摘出を行い、肝臓トリグリセリド及び総コレステロール含量を和光純薬工業社製のキットを用いて測定した。結果を図7に示す。
【0068】
図7に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)、カフェインおよびクロロゲン酸は、肝臓トリグリセリドを低下させ、特に、カフェインおよびクロロゲン酸はその効果が強いことが確認された。一方、総コレステロール値は対照と比較してほぼ同等であった。これらの結果より、生コーヒー豆エキスには、中性脂肪蓄積による脂肪肝を抑制する作用があり、その作用にはカフェインおよびクロロゲン酸の関与が示唆される。
【0069】
(3)脂肪分解促進作用確認試験
a. 脂肪分解作用(in vitro):
カフェインには、脂肪細胞中のリパーゼを活性化し、中性脂肪の分解を促進する作用があることが知られている。本試験では、生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の脂肪分解作用を、既存のダイエット素材と比較検討した。
【0070】
試験方法は、Wistar系雄性ラットから副睾丸脂肪を摘出し、Medium199(培地)に溶解した各種サンプル中で、インキュベート(37℃,3時間)した。インキュベート終了後に脂肪を除去し、培地中のグリセロール量をF−キットグリセロール(日本ロシュ社製)を用いて測定した。結果を図8に示す。
【0071】
図8に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)を1000μg/mL添加した場合の脂肪分解作用は、単一化合物であるカフェイン、カプサイシンおよびシネフリンと同等であり、シネフリンを30wt%程度含有するシトラスエキスよりも強いことが判明した。また、クロロゲン酸にも緩和な脂肪分解作用が認められた。
【0072】
b.血中トリグリセリド低下作用(in vivo):
生コーヒー豆エキスとその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)について、絶食下のマウスに経口投与した際の血中トリグリセリドに及ぼす影響を評価した。
【0073】
試験方法は、まず、絶食(24時間)したマウス(ddy,雄,6週齢)の静脈から採血を行い、30分後に5w/v%アラビアガムに懸濁した各種サンプル(10mL/kg)をマウスに経口投与した。以後、1時間毎に経時的に採血を行って、血中トリグリセリドを測定した。なお、対照としてアラビアガムのみ経口投与したものについても、同様な条件で血中トリグリセリドを測定した。
【0074】
図9に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)は、カプサイシンと類似した強い血中トリグリセリドの降下作用を示した。また、カフェインについても、同様に強い血中トリグリセリドの降下作用を示した。一方、クロロゲン酸は、シネフリンと同等の血中トリグリセリド降下作用を示した。
これらの試験結果より、生コーヒー豆エキス(実施例)には、脂肪細胞における脂肪分解促進作用があり、その作用にはカフェインおよびクロロゲン酸の関与が示唆される。
【0075】
(4)脂肪燃焼促進作用確認試験(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)活性促進作用確認試験:in vivo)
生コーヒー豆エキス(実施例)を配合した飼料をマウスに摂取させ、脂肪燃焼代謝のβ−酸化に寄与するカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)活性を測定した。
【0076】
試験方法は、マウス(ddY,雄,7週齢)に生コーヒー豆エキス(0.5および1wt%)を混餌した飼料(CE−2,日本クレア)を6日間自由摂取させた。頚椎脱臼後に肝臓を摘出し、肝重量に対して6倍量の0.25Mスクロースおよび1mM EDTA含有トリス緩衝液(pH7.4)を加えてホモジネートし、遠心分離(3000回転,10分)をおこなった。上清を再び遠心分離(11000回転,10分)し、得られた沈澱(ミトコンドリア分画)に緩衝液(2.5 mL)を加えて懸濁した。蛋白定量後、CPT活性をDTNB法により測定した。結果を図10に示す。
【0077】
図10に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)には、用量依存的なCPT活性の促進作用が認められた。この結果より、生コーヒー豆エキス(実施例)はCPT活性を促進し、脂肪燃焼を補助することが確認された。
【0078】
[糖尿病予防作用確認試験]
a.糖吸収遅延作用(in vivo):
生コーヒー豆エキスの糖質投与時の血糖値上昇抑制作用を、マウス糖質負荷モデルを用いて確認した。
【0079】
試験方法は、絶食(18時間)したマウス(ddy,雄,6週齢)から採血後、直ちに生コーヒー豆エキス(実施例)の水溶液(10mL/kg)を経口投与した。1時間後にグルコース(0.5g/kg)またはスクロース(2g/kg)を経口投与(5mL/kg)し、その後0.5、1および2時間目において採血を行った。得られた血液から血清を分離し、グルコース濃度を酵素法(デタミナーGL−E:協和メデックス社製)により測定した。
【0080】
図12に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)は、グルコース負荷時には400mg/kgの投与で、スクロース負荷時には200mg/kgの投与で血糖値の上昇を抑制することが確認された。
【0081】
b.α−グルコシダーゼ阻害活性(in vivo):
生コーヒー豆エキスとその含有成分(クロロゲン酸、カフェ酸、カフェインおよびキナ酸)について、糖質分解酵素であるα−グルコシダーゼに対する阻害活性を試験した。
【0082】
試験方法は、ラット小腸アセトン粉末(Sigma社)に約10倍量の0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を加え、遠心分離した上清を酵素液とした。基質には0.2mMの4−メチルウンベルフェリル−α−D−グルコピラノシド(Sigma社)を用いた。各サンプルはDMSOに溶解後、4%DMSO含有リン酸緩衝液で2倍希釈系列を調製した。マイクロプレートにサンプル希釈液(50μL/well)および基質緩衝液(25μL/well)を添加して、予備加熱(37℃、10分間)後、酵素液(25μL/well)を添加し、37℃で30分間反応させた(酵素最終濃度:1mg protein/mL,基質終濃度:0.05mM)。0.2MのNa2CO3(100μL/well)を添加して反応を停止させ、マイクロプレートリーダーを用いて蛍光強度(励起波長366nm、測定波長450nm)を測定した。
【0083】
表2に示すように、生コーヒー豆エキス(実施例)、クロロゲン酸およびカフェ酸には、α−グルコシダーゼに対する強い阻害活性が認められたのに対し、カフェインおよびキナ酸には阻害活性が認められなかった。また、生コーヒー豆エキス(実施例)の阻害活性は、クロロゲン酸およびカフェ酸よりも優れたものであった。
【0084】
【表2】
【0085】
[配合例]
本発明によるダイエット用組成物の配合例を示す。以下の配合例において、「生コーヒー豆エキス」には、脱脂生コーヒー豆の含水エタノール抽出物を用いることができる。各配合例は、第2発明(脂肪吸収抑制用組成物)、第3発明(膵リパーゼ活性阻害作用組成物)、第4発明(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性促進用組成物)および第5発明(α−グルコシダーゼ活性阻害用組成物)にも同様に適用することができる。
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
【表7】
【0090】
【表8】
【0091】
【表9】
【0092】
【表10】
【0093】
【表11】
【0094】
【表12】
【0095】
【表13】
【0096】
【表14】
【0097】
【表15】
【0098】
【表16】
【0099】
【表17】
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上説明したように、本発明によれば、次のような優れた効果を奏する。
(a) 生コーヒー豆由来の安全な抽出物を摂取することにより、優れたダイエット効果を得ることができ、糖尿病等の生活習慣病を効果的に予防または治療することができる。
(b) 生コーヒー豆由来の安全な抽出物であるから、飲食品や薬品の素材として安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の継続摂取時のマウス体重増加に及ぼす作用を示すグラフである。
【図2】生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の継続摂取時のマウス内臓脂肪に及ぼす作用を示すグラフである。
【図3】生コーヒー豆エキスおよび焙煎コーヒー豆エキスの継続摂取時のマウス体重増加に及ぼす作用を示すグラフである。
【図4】生コーヒー豆エキスのオリーブ油負荷時における血中トリグリセリドに及ぼす作用を示すグラフである。
【図5】生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の膵由来リパーゼ阻害活性を示すグラフである。
【図6】生コーヒー豆エキスおよびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)の3T3−L1脂肪細胞分化に及ぼす作用を示すグラフである。
【図7】生コーヒー豆エキス)およびその含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)を継続投与した際のマウス肝脂質に及ぼす作用を示すグラフである。
【図8】生コーヒー豆エキス、その含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)、並びに脂肪分解素材の副睾丸脂肪からのグリセロール遊離に及ぼす作用を示すグラフである。
【図9】生コーヒー豆エキス、その含有成分(カフェインおよびクロロゲン酸)、並びに既存ダイエット素材のマウス血中トリグリセリドに及ぼす作用を示すグラフである。
【図10】生コーヒー豆エキスの肝ミトコンドリア分画CPT活性に及ぼす作用を示すグラフである。
【図11】脂肪代謝経路におけるダイエット効果を説明するための模式図である。
【図12】生コーヒー豆エキスのグルコースおよびスクロース負荷時における血糖値上昇抑制作用を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とするダイエット用組成物。
【請求項2】
前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物である、請求項1記載のダイエット用組成物。
【請求項3】
前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物である、請求項1記載のダイエット用組成物。
【請求項4】
前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものである、請求項1、2または3記載のダイエット用組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項記載のダイエット用組成物に、サラシア抽出物、月見草抽出物、セサミン、ガルシニアのうちいずれか一種以上を添加してなる、ダイエット用組成物。
【請求項6】
ダイエット作用の有効成分として、請求項1〜5のいずれか一項記載のダイエット用組成物を含有してなる飲食品。
【請求項7】
ダイエット作用の有効成分として、請求項1〜5のいずれか一項記載のダイエット用組成物を含有してなる薬品。
【請求項8】
ダイエット作用の有効成分として、請求項1〜5のいずれか一項記載のダイエット用組成物を含有してなる皮膚外用剤。
【請求項9】
生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項10】
前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物である、請求項9記載の脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項11】
前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物である、請求項10記載の脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項12】
前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物である、請求項10記載の脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項13】
前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものである、請求項10、11または12記載の脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項14】
脂肪吸収抑制作用の有効成分として、請求項9〜13のいずれか一項記載の脂肪吸収抑制用組成物を含有してなる飲食品。
【請求項15】
脂肪吸収抑制作用の有効成分として、請求項9〜13のいずれか一項記載の脂肪吸収抑制用組成物を含有してなる薬品。
【請求項16】
生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項17】
前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物である、請求項16記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項18】
前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物である、請求項17記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項19】
前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物である、請求項17記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項20】
前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものである、請求項17、18または19記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項21】
膵リパーゼ活性阻害作用の有効成分として、請求項16〜20のいずれか一項記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物を含有してなる飲食品。
【請求項22】
膵リパーゼ活性阻害作用の有効成分として、請求項16〜20のいずれか一項記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物を含有してなる薬品。
【請求項23】
生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有する、α−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項24】
前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物である、請求項23記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項25】
前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物である、請求項24記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項26】
前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物である、請求項24記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項27】
前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものである、請求項24、25または26記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項28】
α−グルコシダーゼ活性阻害作用の有効成分として、請求項23〜27のいずれか一項記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物を含有してなる飲食品。
【請求項29】
α−グルコシダーゼ活性阻害作用の有効成分として、請求項23〜27のいずれか一項記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物を含有してなる薬品。
【請求項1】
脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とするダイエット用組成物。
【請求項2】
前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物である、請求項1記載のダイエット用組成物。
【請求項3】
前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物である、請求項1記載のダイエット用組成物。
【請求項4】
前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものである、請求項1、2または3記載のダイエット用組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項記載のダイエット用組成物に、サラシア抽出物、月見草抽出物、セサミン、ガルシニアのうちいずれか一種以上を添加してなる、ダイエット用組成物。
【請求項6】
ダイエット作用の有効成分として、請求項1〜5のいずれか一項記載のダイエット用組成物を含有してなる飲食品。
【請求項7】
ダイエット作用の有効成分として、請求項1〜5のいずれか一項記載のダイエット用組成物を含有してなる薬品。
【請求項8】
ダイエット作用の有効成分として、請求項1〜5のいずれか一項記載のダイエット用組成物を含有してなる皮膚外用剤。
【請求項9】
生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項10】
前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物である、請求項9記載の脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項11】
前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物である、請求項10記載の脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項12】
前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物である、請求項10記載の脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項13】
前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものである、請求項10、11または12記載の脂肪吸収抑制用組成物。
【請求項14】
脂肪吸収抑制作用の有効成分として、請求項9〜13のいずれか一項記載の脂肪吸収抑制用組成物を含有してなる飲食品。
【請求項15】
脂肪吸収抑制作用の有効成分として、請求項9〜13のいずれか一項記載の脂肪吸収抑制用組成物を含有してなる薬品。
【請求項16】
生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有することを特徴とする膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項17】
前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物である、請求項16記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項18】
前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物である、請求項17記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項19】
前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物である、請求項17記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項20】
前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものである、請求項17、18または19記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物。
【請求項21】
膵リパーゼ活性阻害作用の有効成分として、請求項16〜20のいずれか一項記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物を含有してなる飲食品。
【請求項22】
膵リパーゼ活性阻害作用の有効成分として、請求項16〜20のいずれか一項記載の膵リパーゼ活性阻害用組成物を含有してなる薬品。
【請求項23】
生コーヒー豆抽出物を有効成分として含有する、α−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項24】
前記生コーヒー豆抽出物が脱脂生コーヒー豆の極性溶媒抽出物である、請求項23記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項25】
前記極性溶媒抽出物が含水エタノール抽出物である、請求項24記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項26】
前記極性溶媒抽出物がエタノール濃度40〜90%(wt/wt)の含水エタノール抽出物である、請求項24記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項27】
前記脱脂生コーヒー豆は、生コーヒー豆の油分をN−ヘキサンにより抽出分離したものである、請求項24、25または26記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物。
【請求項28】
α−グルコシダーゼ活性阻害作用の有効成分として、請求項23〜27のいずれか一項記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物を含有してなる飲食品。
【請求項29】
α−グルコシダーゼ活性阻害作用の有効成分として、請求項23〜27のいずれか一項記載のα−グルコシダーゼ活性阻害用組成物を含有してなる薬品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−335758(P2006−335758A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100283(P2006−100283)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【分割の表示】特願2005−514487(P2005−514487)の分割
【原出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(594045089)オリザ油化株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【分割の表示】特願2005−514487(P2005−514487)の分割
【原出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(594045089)オリザ油化株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
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