説明

ダイスの吹き上げ装置及びダイスゲーム装置

【課題】ダイスの出目確定時に可動式載置体を用いることで吹上げ筒壁面にダイスが寄り掛かり傾斜して止まることを防ぐ、寄り掛かり防止装置を有するダイスの吹上げ装置を得る。
【解決手段】基台15上に鉛直方向に設けられた透明な筒体16,17、目視可能な印が付されたダイス体Dが載置可能な前記筒体の下方に位置する載置体と、該載置体を略水平方向に揺動自在に吊るす吊下げ体と、該載置体の下方から流体を送り、該載置体を通過して該流体が該載置体に載置されたダイスDを前記透明な筒体16の内部上方17へ吹き上げ可能な送流体と、を備えたダイスの吹き上げ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイスを空気等の流体により物理的に吹き上げて転がしてランダムな出目を出して、検出するダイスの吹き上げ装置及びダイスゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スゴロクなどの遊戯等において使用するサイコロ振り器として、軽量なサイコロを収納する中空容器とその中空容器内への風送り部とを併設したサイコロ振り器が提案されている(例えば、特許文献1(第2頁、図2)参照。)。
【0003】
またゲーム駒操作装置としては、下記(a)ないし(d)項記載の構成要素、即ち(a)基台上に鉛直に設けられる中空円筒状の透明なハウジングと、(b)上記透明ハウジング内に収納される少なくとも1個の軽量ゲーム駒と、(c)上記透明ハウジングの底部において上記ゲーム駒を支持する通気性を有する回転台と、(d)上記回転台の下面へ送風し、台上のゲーム駒を上記透明ハウジング内上方へ向けて吹き上げる送風機とから成るゲーム駒操作装置がある(例えば、特許文献2(第2頁、第3図)参照。)。
【0004】
さらに特許文献2のゲーム駒操作装置を3基備えるダイス操作装置と、それぞれのダイス操作装置内のダイスの出目を読み取るテレビカメラと、上記テレビカメラの出力に基づき各ダイスの出目数を判別する判別回路と、プレイヤに賭けを行わせるゲーム操作盤と、上記ゲーム操作盤からの入力データと上記判別回路からの出力データを照合しゲーム結果を導出する演算回路と、上記演算回路の出力に応じて予め定められた景品を払い出す装置とからなるダイスゲーム機がある(例えば、特許文献3(第2頁、第3図)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−352980号公報
【特許文献2】特許2573981号公報
【特許文献3】特許2575738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の方式では、内部のサイコロを風送り部から吹き出す風によって吹き上げてから落下する過程を経て無作為にサイコロの出目が出るのであるが、出目の判定は人が行う必要があった。
特許文献2では送風機により透明ハウジング内にゲーム駒が吹き上げられた後、回転台上で落下し、回転台の回転に伴い斜めに傾くことがなく水平となり、回転台の中央付近へもたらされ、出目が確定する。この構成ではサイコロが落下時に斜めに傾かないように回転台を設けており、回転機構が必要となってしまうのであった。
【0007】
また、特許文献3では、さらに停止したサイコロの出目を検出するためにカメラを備えており、透明ハウジングの底部においてゲーム駒を回転させる回転台がある関係上、前記カメラは透明ハウジングの上部に備えられている。この場合には、出目検出の撮影時において透明ハウジングを通して外光が入ってしまうことで、出目検出の精度を著しく低下させ、場合によっては誤った出目判定となるのであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明では、上記課題を解決するために、
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
目視可能な印が付されたダイス体が載置可能な前記筒体の下方に位置する載置体と、
該載置体を略水平方向に揺動自在に吊るす吊下げ体と、
該載置体の下方から流体を送り、該載置体を通過して該流体が該載置体に載置されたダイスを前記透明な筒体の内部上方へ吹き上げ可能な送流体と、
を備えたダイスの吹き上げ装置とした。
【0009】
上記発明により、透明な筒体に下方に位置するダイス体が搭載可能な載置体に載置された状態から、送流体にて筒体内部の上方へ吹上げられ再び前記載置体に載置される際に前記筒体内壁に寄り掛かった場合に吊下げ体により載置体が略水平方向に揺動することでダイスが水平になり出目が決まるのである。
【0010】
本発明では、上記課題を解決するために、
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
目視可能な印が付された駒体が載置可能な、前記筒内の下方に位置し通気性を有する載置体と、
該載置体の略水平方向に揺動自在に支持する揺動支持体と
該揺動支持体の下方から空気を送り、該揺動支持体に載置された駒体を透明な筒体内の上方へ吹き上げ可能な送風体と、
を備えた駒体の吹き上げ装置とした。
【0011】
上記発明により、透明な筒体の下方に位置した載置体に搭載された駒体が該載置体に載置された状態から、送風体にて筒体内部の上方へ吹上げられ再び前記載置体に載置される際に前記筒体内壁に寄り掛かった場合に揺動支持体により載置体が略水平方向に揺動することで駒体が水平になるのである。
【0012】
本発明では、上記課題を解決するために、
基台上に鉛直方向設けられた透明な筒体と、
該筒体内に収容される目視可能な印が付されたダイス体と、
該筒体の下方に位置にし、通気性を有し前記ダイス体が搭載可能な載置体と
該載置体を略水平方向に揺動自在に支持する揺動支持体と、
該揺動支持体の下方から空気を送り、該揺動支持体に載置されたダイスを透明な筒体の上方へ吹き上げ可能な送風体と、
を備えたダイスの吹き上げ装置とした。
【0013】
上記発明により、透明な筒体に入れられたダイスが載置体に載置された状態から、送風体にて筒体内部の上方へ吹上げられ再び前記載置体に載置される際に前記筒体内壁に寄り掛かった場合に揺動支持体により載置体が略水平方向に揺動することでダイス体が水平になり出目が決まるのである。
【0014】
本発明では、上記課題を解決するために、
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
該筒体内に収容され目視可能な印が付されたダイス体と、
該筒体の下方に位置し、前記ダイス体が載置可能な載置面を有する載置体と、
該載置体を略水平方向に揺動自在に吊るす吊下体と、
該載置体の搭載面に載置されたダイス体の下面を検出する載置体の下方に設けた検出体と、
該検出体の取得したダイス体の下面の情報を解析し、出目を判定する出目判定手段と、
該載置体の下方から流体を送り、該載置体に載置されたダイス体を前記透明な筒体の内部上方へ吹き上げ可能な送流体と、
を備えたダイスの吹き上げ装置とした。
【0015】
上記発明により、透明な筒体に入れられたダイス体が載置体に載置された状態から、送流体にて筒体内部の上方へ吹上げられ再び前記載置体に載置される際に前記筒体内壁に寄り掛かった場合に吊下げ体により載置体が略水平方向に揺動することでダイス体が水平になり出目が決まり、検出体で載置体の下方からダイスの下面を検出し、出目判定部にてダイス体の出目を判定するのである。
【0016】
本発明では、上記課題を解決するために、
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
該筒体内に収容され目視可能な印が付されたダイス体と、
該筒体の下方に位置し、前記ダイス体が載置可能な載置面を有する載置体と、
該載置体を略水平方向に揺動自在に吊るす吊下体と、
該載置体の搭載面に載置されたダイス体の下面を検出する載置体の下方に設けたカメラ体と、
該カメラ体の取得したダイス体の下面の情報を解析し、出目を判定する出目判定手段と、
該載置体の下方から空気を送り、該載置体に載置されたダイス体を前記透明な筒体の内部上方へ吹き上げ可能な送風体と、
を備えたダイスの吹き上げ装置とした。
【0017】
上記発明により、透明な筒体に入れられたダイスが載置体に載置された状態から、送流体にて筒体内部の上方へ吹上げられ再び前記載置体に載置される際に前記筒体内壁に寄り掛かった場合に吊下げ体により載置体が略水平方向に揺動することでダイスが水平になり出目が決まり、
カメラ体で載置体の下方からダイスの下面を検出し、出目判定部にてダイス体の出目を判定するのである。
【0018】
本発明では、上記課題を解決するために、
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
該筒体内に収容され目視可能な印が付されたダイス体と、
該筒体の下方に位置し、前記ダイス体が搭載可能な載置面を有する載置体と、
該載置体の載置面に載置されたダイス体を撮影する該載置体の下方に設けたカメラ体と、
該カメラ体の取得したダイス体の画像情報を解析し、出目を判定する出目判定手段と、
該載置体の下方から空気を送り、該載置体に搭載されたダイス体を前記透明な筒体の内部上方へ吹き上げ可能な送風体と、
を有するダイスの吹き上げ出目判定装置を3基備えている。
そして前記ダイス体の全出目と配当を表示するゲームフィールドと、
プレイヤーが自分の意思で各ダイス体の出目を予想してチップをゲームフィールドの予想位置に掛ける入力を行う操作部と、
前記プレイヤーが掛けた後に、前記3基のダイス吹き上げ出目判定装置による出目の確定を行い、前記操作部からの入力データと照合し、プレイヤーのゲーム結果を演算して、プレイヤーが勝っていれば掛けに見合う配当を行う制御をする制御部と、
を有するダイスゲーム装置とした。
【0019】
上記発明により、透明な筒体に入れられたダイス体が載置体に載置された状態から、送風体にて筒体内部の上方へ吹上げられ再び前記載置体に載置されたダイス体をカメラ体で載置体の下方からダイス体の下面の画像を取得し、出目判定部にてダイス体の出目を判定するダイスの吹上げ出目判定装置を3基備え、
ゲームフィールドにダイス体の出目と配当を表示し、プレイヤーが出目を予想して掛ける操作部と、
前記ダイスの吹上げ出目判定装置によるダイスの出目を確定を行い、プレイヤーが勝った場合にはかけに見合った配当を行う制御をするのである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ダイスの吹上げ出目判定装置を有するダイス吹上げ装置において、ダイスの出目確定時に可動式載置体を用いることで吹上げ筒壁面にダイスが寄り掛かり傾斜して止まることを防ぎ、ダイスが傾斜せずに平面に止まるので出目を確実にすることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のダイスゲーム装置の一実施例の外観斜視図である。
【図2】ダイスゲーム装置の表示部に表示されるゲームフィールドの一実施例である。
【図3】ダイスゲーム装置の一部破断正面図である。
【図4】ダイス吹き上げ装置の全体斜視図である。
【図5】ダイス吹き上げ装置の出面検出装置部分の斜視図である。
【図6】図4の正面図及び右断面図である。
【図7】ダイス吹上げ装置の正面斜視図である。
【図8】ダイス吹き上げ装置のダイスの斜めダイスダイス寄り掛かり防止装置の説明図である。
【図9】ダイス吹上げ装置の動作サイクルの説明図である。
【図10】ダイスゲーム装置のブロック図である。
【図11】ダイス吹き上げ装置のパイプの断面と天板を示す図である。
【図12】ダイス吹き上げ装置のパイプ部分の断面図である。
【図13】ダイス体が回転する穴の開いた出口パイプの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。以下、本願発明の実施形態について述べる。 なお、本発明に係るゲーム装置においてはダイス(サイコロ)、その他各種のゲーム駒等の均等な多面体の物体を取り扱うことができるが、以下に述べる実施例においてはダイスを例にとって説明する。
【0023】
図1は本発明のゲーム装置の一実施形態の外観斜視図を示す。ゲーム装置1は、手前側の操作用筐体2と、奥側のダイス吹上筐体10とから構成され、ダイス吹上げ筐体10には3基の吹上げパイプ16が並んで設けてある。
操作用筐体2の上面には、縦長のゲームテーブル表示部3が設けられている。該ゲームテーブル表示部3を取り囲むように4つの操作卓4が操作用筐体2の上部縁の上側に突出して設けてある。
該操作卓4には、レバーと複数のボタンからなる操作部5、さらにメダルを投入するメダル投入口6が設けてある。各操作卓4の上面には、各操作卓のプレイヤーに向けて音を出す操作卓スピーカ7が設けてある。さらに各操作卓下方の筐体の側面には、筐体内部に設けてあるメダル払出しホッパー8からメダルを払い出すメダル払出し口9がそれぞれ設けてある。
【0024】
ダイス吹上げ筐体10は、操作用筐体2に連接して設けてあり、3基の吹上げパイプ16の内側に入れたダイスを下側から吹上げて落としてダイスの出目を検出する。
ダイス吹き上げ筐体10は縦長であり、筐体の両脇11の支柱に支えられた天井部12は、正面及び背面が各面下方に向けて傾斜した形状になっている。この天井部12の中央には横長の液晶表示の履歴表示部13を有し、両脇には吹上げ筐体スピーカ14が設けられている。
【0025】
ダイス吹上げ筐体の中ほどの高さ位置には水平な基台15が設けられており、該基台15には3本の透明な吹上げパイプ16が天井部12との間に左位置A、中央位置B、右位置Cに設置されている。
プレイヤーは上記吹上げパイプ16内を吹上げられて落下するダイスの様子を観察することが出来ると共に、操作卓の操作部5を操作してゲームテーブル表示部3に表示されたゲームフィールド20を見ながらダイスの出目を予想してゲームを行うのである。
【0026】
図2はダイスゲーム装置の表示部に表示されるゲームフィールドの一実施例である。
該ゲームテーブル表示部3には、液晶表示やプロジェクタ等によるダイスゲームのゲームフィールド20が表示される。
ゲームフィールド20は横長であり、中央下には左側から右にかけて4から10の数字が付された略正方形の升目が並び、その上側には右から左にかけて11から17の数字が付された升目が並び、これらの升目はダイス吹上げ装置3基の3つのダイスの出目の和に賭けるためのスリーダイス合計升目21となっている。
【0027】
スリーダイス合計升目21の右側の上と下にはより大きな略正方形の升目があり、それぞれ3つのダイスの出目の合計が11以上に賭ける場合と、10以下に賭ける場合のHIGH/LOW升目22である。
スリーダイス升目21の下側にはダイスの1から6までの出目を表示した6ケの丸升目が横に並び、これはダイス吹上げ装置内の3ケのダイスのうち1ケでもこの出目が出れば当りとなるシングルダイス升目23である。
【0028】
スリーダイス舛目21の上側には3ケのダイスのゾロ目を表示した6ケの丸升目が横に並び、これはダイス吹上げ装置内の3ケの各ダイスの出目が皆同じ1から6までの出目が出れば当りとなるゾロ目ダイス舛目24である。
シングルダイス升目23の下側中央とゾロ目ダイス舛目24の上側中央にはベット受付時間表示部25があり、プレイヤーのベット可能な残り時間がカウントダウン表示されている。
【0029】
ゲームフィールド20の四隅には各操作卓4に対応して、横長の各操作卓情報表示部26があり、機械側からプレイヤーに対するメッセージ、メダル投入枚数、現在のゲームに対するメダル掛け枚数、ゲームの結果予想が当って払われるメダル枚数を表示する。
プレイヤーは操作卓4について操作部5のレバーを操作してゲームフィールドの各升目の各操作卓に対応した色の付いたカーソルを自分が賭ける升目に移動させて、ベットボタンを押すことで図示しないチップがその升目に表示され、その升目にチップを掛けたことになる。
【0030】
図3には、ダイスゲーム装置の一部裁断正面図を示し、ダイス吹き上げ筐体部分を裁断して図示している。手前側は操作用筐体2があり、操作卓4が両脇に設けられ、内部にはメダルホッパー8がありメダル払出し口9にメダルを払い出すことができる。操作卓4の上面には操作卓スピーカ7、下側の筐体側面にはメダル払出口9が設けてある。各操作卓4には操作卓に着いたレイヤーが操作する操作部5がある。
【0031】
ダイス吹上げ筐体10は両脇の支柱11により天井部12を支えており、天井部12はゲーム結果の履歴を表示する履歴表示部13を見ながら出目予想を行うとともにスピーカ14からゲームの進行を盛り上げるサウンドが出力されるのである。
【0032】
ダイス吹き上げ筐体10には、3基のダイス吹き上げ装置30が左A、中央B、右Cに設置されている。
ダイス吹き上げ筐体10の中ほどの高さ位置には水平板15が設けられており、吹き上げパイプ16内径に合わせて開口15aが設けられ、吹上げパイプの下周縁を保持している。ダイス吹き上げパイプ16の内側にはパイプ内に軽量な丸みを帯びたダイスDが入っており、ダイス吹上げ装置30によりダイスDが吹き上げられる。ダイス吹き上げパイプ16の上側には出口パイプ17が外接して接続されている。
出口パイプ17の上方にはパイプ内を吹き上げられたダイスDが回転可能にやや離れた高さに吹き上げ用筐体10の天板18が設けられている。出口パイプ17の上端から天板18までの距離はおおよそ出口パイプ17の高さ1つ分である。
ダイスDが出口パイプ17から最大に吹上げられた際は、ダイスDが出口パイプの上端から3分の2ほどが表に出るので、天板18までの距離は出口パイプの高さ分あればダイスが天板に衝突することはない。
【0033】
ダイス吹き上げ筐体10のダイス吹き上げパイプ16及び出口パイプ17は、アクリル等の透明な素材で作られており、操作卓4についているプレイヤーは勿論、ゲーム装置1の周囲にいるギャラリーからも吹上げパイプ16内のダイスが吹き上げられ落下して出目が定まる様子が観察できるようになっている。
ダイス吹き上げ筐体10の筐体下側内部には、各吹き上げ装置30に上昇空気を吹上げてダイスDを昇降させて静止したダイスの出目を検出する吹上げ出目検出装置31が筐体底部19に取り付けられている。
【0034】
図4にはダイス吹き上げ装置の一基の全体斜視図を示し、図4(A)は正面図であり、図4(B)は右側面図を示す。図5には吹上げ出目検出装置部分の斜視図を示し、図6には吹上げ出目検出装置の正面図及び側面図を示す。
ダイス吹上げ装置30は、ダイスを吹上げてダイスを落下させることでダイスの姿勢を変えて、出た出目を読み取る装置である。そのためにダイス毎に吹上げパイプ16の下側のダイス吹上げ用筐体10の下部内部には吹上げ出目検出装置31が設けてある。該吹上げ出目検出装置31は、上昇気流を発生させる上昇流発生部32と、吹上げパイプ16内を落下したダイスが吹上げパイプ16の内壁に寄りかかってもダイスの姿勢を水平にするダイスダイス寄り掛かり防止装置40、該ダイスダイス寄り掛かり防止装置40のダイステーブル41に落下したダイスの出目が水平になったときにダイスの出目を読み取る出目検出装置45とから構成される。
【0035】
上昇気流発生部32はダイス吹き上げ筐体10の下側にある短筒状の空気取入口33から空気を取り入れるようになっている。空気取入ロ33を開閉するシャッター34を有し、ステッピングモータ35の駆動によりシャッター34を開閉して、上向きに取り付けてあるDC軸流ファン36への空気の流入を開閉する。DC軸流ファン36はダイス吹上げ筐体10の内部に水平に設けた水平板19の開口に取り付けてある。DC軸流ファン36の中央にはDCモータ36aが位置し、周囲のファン36bを回転させて空気取入口33からダイス吹上げ筐体10の下部内の空気を取り入れ上方に送出する。
DC軸流ファン36の上には賽の目状の整流格子37が載置され、DC軸流ファン36からの乱流状の空気を受けて、空気の流れを上向きに整流している。DC軸流ファン36の外形は長円状(トラック状)になっており、整流格子37の外形もそれに合わせてあり、DC軸流ファンを挟持して水平板19に取り付けられている。
【0036】
整流格子37の上には、送風ダクト38が配されている。送風ダクト38は、上側開口38aが吹上げパイプの内径よりやや小径で、下側開口38bが整流格子37の上面より一回り程大きい開口を有する、縮小角度が15度程のホッパー状の上下面が並行に配している。
送風ダクト38は整流格子37で上向きに発生された空気流を受け、整流して上方向の空気流を吹き出しパイプ16に送風する。送風ダクト38は送風ダクト38を取り囲む略方形体のブラケット39に取り付けられている。送風ダクトの上側開口38aがブラケット39から突出している。送風ダクトの上側開口38aは吹上げパイプ16を支えている基台15の下縁から隙間tを有している。隙間tについては図6(B)、図8(A)に示している。
【0037】
この隙間tにはダイスダイス寄り掛かり防止装置40のダイステーブル41が水平方向に移動可能に位置する。
ダイスダイス寄り掛かり防止装置40は吹上げパイプ16の下方に位置して吹上げパイプを落下したダイスを載置するダイステーブル41を揺動自在に吊るす構造になっている。
ダイステーブル41は、ブラケット39の平面より大きい正方形の水平枠体42に縦横に網目状にワイヤーが張ってある。水平枠体42の前後の辺の下側には略正方形のロの字形をした下向き枠体43が垂設してある。ダイスダイス寄り掛かり防止装置40は、ブラケット39を跨ぐ形状でブラケット39に当接することなく水平方向に移動が可能となっている。
ダイスダイス寄り掛かり防止装置40は、ブラケット39のワイヤー吊下部39aから垂下されたワイヤー43が下向き枠体の下辺43a吊設されている。ワイヤー43は正面側、背面側の各ワイヤー吊下部39aからそれぞれ2本ずつ合計4本でダイスダイス寄り掛かり防止装置40を水平移動可能に吊下げている。
【0038】
これにより、ダイステーブル41が隙間tの間で水平に前後面2本ずつのワイヤー44で吊下げられていることから水平方向のあらゆる方向にもダイスが吹上げパイプ16の内壁面に寄りかかった際にダイステーブル41が僅かな力で移動し、ダイスが傾動してダイステーブル上に載置され出目が真上を向くのである。
図6(B)の右側面図には吹上げ出目検出装置の右側面図を示しており、ダイスダイス寄り掛かり防止装置40のダイステーブル41にダイスが載置された状態を示している。ダイスダイス寄り掛かり防止装置40は、ダイスが吹上げパイプ16を落下して吹上げパイプの内壁に寄り掛かった際に、水平方向へ移動可能である。図6の一点鎖線でダイスダイス寄り掛かり防止装置40のダイステーブルの水平方向へのテーブル可動範囲mの限界位置を示している。
【0039】
次に図6(B)および図7に基づいて、出目検出装置45について説明する。出目検出装置45はダイステーブル41に載置されたダイスの出目を検出するものである。DC軸流ファンのモータ36aの真上に位置する整流格子の中央にカメラ46の撮影方向を上向きにして取り付けてある。さらに整流格子37の長円状の外周壁の狭幅部47にブラケット48を介して赤外線LED49を上側に向けて複数設けてあり、送風ダクト38の下開口38bの内側に位置する。
送風ダクト38の下開口38bから送風ダクト38内に赤外線を発光してダイステーブル41に載置されたダイスを照らして、カメラ46にてダイステーブルの網目越しに撮影する。ダイスはカメラ46で撮影し、画像認識処理を行い画像の動きに変化が無くなった時点で、撮影されたダイスの下面の目を認識して、その上面に付されている出目を決定する。
【0040】
次にダイスダイス寄り掛かり防止装置の動作を説明する。
図7はダイス吹上げ装置内でダイスが寄り掛かった状態での一部を縦断断面とした正面斜視図を示している。
ダイスDは丸みのある軽量な素材でできた立方体であり、ダイス自身の重心はダイスの三次元的な中心Oにある。
ダイスDが吹上げパイプ16を落下してダイステーブル41に接した際に、ダイスの縁が吹上げパイプ16の内壁に接触してダイスが傾いた姿勢を示している。
ダイスの重心Oがダイステーブル41に接しているダイスの辺Daよりも吹上げパイプの内壁側にある場合は、そのまま傾いた状態になってしまう確率が高い。
逆にダイスの重心0がダイステーブル41に接している縁Daよりもパイプの中心側にあっても、ダイスの縁Dbがパイプ内壁に接触するとそのまま傾いた状態になってしまう確率が高い。
これはダイスの重量が軽いのでダイス自身の重心で水平に戻る作用よりも、ダイスの縁部とパイプ内壁と間に生じる摩擦が比較的大きいからである。
【0041】
図8にはダイスが吹上げパイプ16の内壁に寄り掛かかる状態になった場合のダイステーブルの動きを示す正面図である。
図8(A)は、ダイスの重心Oがダイステーブルの接している辺Daを中心に反時計周りに回転する力が発生しており、そのためにダイステーブルが水平右側に移動する方向に力が作用する。
この場合にダイスの接地辺と床面との間に摩擦があると、その寄り掛かった姿勢のまま静止してしまうのである。
【0042】
図8(B)は、図8(A)の状態で発生しているダイステーブルを水平右側に移動させる力によりダイステーブル41が右側に移動した状態であり、ダイスDはダイステーブル41に下面を載置した状態となる。
この際にダイステーブル41はワイヤー44により水平方向に揺動可能に吊下げられているので、ダイステーブル41は僅かな距離であれば僅かな力が加わるとその方向に移動することができる。この際の加わる力はダイスダイス寄り掛かり防止装置40を吊下げているワイヤー44の長さが長ければ長いほどダイステーブルに作用する力は僅かでよい。
【0043】
図9にはダイス吹上げ装置の動作サイクルの説明図であり、図10は本ゲーム装置のブロック図である。
本ゲームのダイス吹上げ装置の動作は、ダイスを吹上げる際には、空気取入口のシャッターを開くためにステッピングモータ35を動作させてシャッターを開き、DC軸流ファン36を動作させ、ダイステーブル上にあるダイスを吹上げる。吹上げパイプ内をダイスが吹上げられ出口パイプ上で回転させてからダイスを落下させるために、DC軸流ファンへの流入空気を遮断すべくステッピングモータを動作させて空気取入口のシャッターを閉じると共にDC軸流ファンの電源をOFFにする。
これにより吹上げパイプ内の上昇気流は完全に遮断され、出口パイプの上で回転していたダイスが直ちに吹上げパイプ内を落下してダイステーブルに載置される。この際にダイスが吹き上げパイプ内面に寄り掛かる状態になる場合には、ダイスダイス寄り掛かり防止装置が動作してダイスが水平な状態になって静止する。
【0044】
ダイスの出目を検出するカメラがダイスの動きを撮影し、制御装置によりダイスの動きが完全に止まった映像を画像処理により出目として確定し、出目を表示してゲームの進行を行う。この動作を3基の吹上げ装置について行い、最終的なダイスの出目を決定し、各プレイヤー毎にゲームの勝敗を判定して、ゲームの結果に応じて負けている場合は賭けたメダルを没収し、勝っている場合は配当を払う制御を行う。
【0045】
本ゲーム装置には制御部50、記憶部55、ゲームフィールド表示部3、操作部5、メダル検出部6、操作卓スピーカ7、メダル払い出しホッパー8、ゲーム履歴表示部13、吹上げ筐体スピーカ14、カメラ46、赤外線LED49、シャッター開閉用のステッピングモータ35、DC軸流ファン36が設けられている。
プレイヤーがゲームテーブル表示部3に表示されたゲームフィールド20の任意の升目にカーソルを動かしてメダルを賭けるための操作部5、メダル投入口6からのメダルを検出するメダル検出部6、それとダイスの下面を撮影するカメラ46からの入力信号は、それぞれゲーム制御部50に伝えられる。
制御部50は、CPUやメモリ(RAM、ROM)を含んで構成されており、記憶部60のゲームプログラム62を実行することにより各種の機能を実現してゲーム装置1全体を制御する。制御部50において実現される機能としては、ゲーム制御部51、ダイスの吹上げ制御部52、出目検出処理部53、表示制御部54、サウンド制御部55がある。
記憶部60には、ゲームプログラム61、ベットデータ62、参考情報63、ペイアウト率データ64が記憶される。
【0046】
ゲーム制御部51は、記憶部60のゲームプログラム61の実行により、3ケのダイスを用いたゲームを制御し、ゲームの進行に伴いベットデータ62、過去のゲームの結果の履歴を参考情報63として記憶してあり、ゲームを重ねる毎に変化するペイアウト率をペイアウト率のデータ64として蓄積している。
ゲーム制御部51には、ダイスゲームを実行するために設定部51a、判定部51b、及び支払い部51cが設けられる。
設定部51aは、ゲームの進行に合わせてダイスゲームの各種ゲームフィールドを設定し、プレイヤーの賭けた情報をゲームフィールドに設定する。
判定部51bは、ダイス吹上げ制御部52から吹上げパイプ内で吹上げられたダイスが昇降してダイステーブル上に落下したダイスの出目をカメラ46で撮影して出目検出処理部53にて画像処理により判定する。支払い部51cは、判定部51bにより予想が当ったことが判定された場合に、予想の設定に対する支払いを行う。支払い部51cは、ベットに応じた枚数のメダルを、メダル払出しホッパー8から払出す。
【0047】
本実施形態のゲーム装置1では、プレイヤーは、ダイス吹上げ装置が吹上げるダイスの出目を予想して、図2に示すゲームフィールドに表示されたベットレイアウトテーブルに操作部を操作してメダルを賭けることで、記憶部のベットテーブルに記憶される。
チップの賭け方は、各操作部5のレバーを操作して、図2に示したレイアウトテーブルのスリーダイス合計、HIGH/LOW、シングルダイス、ゾロ目ダイスの各升目21、22、23、24にカーソルを動かしてベットボタンを押して賭けるのである。
【0048】
ベット受付時間表示部25の表示が0になりベット時間終了となると、ダイス吹上げ装置30にて吹き上げられたダイスが出口パイプの上端までさらに吹き上げられ回転した後、それぞれ落下する。出目検出部45では、落下したダイスの下方に赤外線LED49で赤外線をあててカメラ46で撮影し、その映像を制御部の出目検出処理部53に送る。
ダイスが、ダイステーブルにて水平に着座して出目が定まると、出目検出処理部53は、カメラ46の撮影映像を画像処理して出目を読み。この場合にダイスは対向面同士の出目の和が7になるように配置されているから、ダイスの下側の目を読み取ることで、上側の出目が決まるのである。
ダイス吹上げ装置30は、ダイスを落下させる際には、吹上げ装置の空気取入口のステッピングモータであるシャッターモータ35を駆動してシャッターを閉じて取入空気を遮断すると共に、DC軸流ファン36の駆動を停止する。
こうすることにより、吹上げパイプ内のダイスがフワフワしたゆっくりとした落下にならず、直にダイステーブルに落下してメリハリのある動きを見せるのである。
【0049】
演算部51dは出目検出処理部53により、検出された出目に応じて所定の演算を実行する。演算部51dは検出された出目に基いて、ペイアウト率や各出目が現れる確率などを演算する。演算部51dはペイアウト率を算出しペイアウト率データ64として記憶しておく。
記憶部60は、ハードディスク装置などにより構成されており各種のプログラムやデータが記憶される。記憶部60に記憶されるデータには、設定部51aにより設定されるベットの状況を示すベットデータ62、ベット可能時間中にプレイヤーに対して提供するベットの参考にすることができる参考情報63(出現ダイスの履歴情報や、過去のゲームの各目の出現率)、演算部51dによって演算された現在のペイアウト率を示すペイアウト率データ64が含まれる。
【0050】
表示制御部54は、制御部50の下でゲームフィールド表示部3、ゲーム履歴表示部13における表示を制御する。サウンド制御部55は、ゲームの進行に合わせてスピーカ7,14からの音声や各種効果音の出力を制御する。
メダル検出部6は、メダル投入口から投入されたメダルやICカードリーダライターから図示しないICカードに内蔵されたメダル情報を入力する。入力されたメダル数は、ゲームフィールドの各種操作卓情報表示部26の手持ちメダル数に表示する。
吹上げ制御部52は、制御部の制御の下で、吹上げパイプの電飾や、空気取入口のシャッターを開閉するシャッターモータ35、上昇気流を発生させるDC軸流ファン36を動作させる。
支払い部51cは、プレイヤーがゲームに勝った際には、ベットに応じた枚数のメダルを、メダル払出しホッパーから払出すか、あるいは各種操作卓情報表示部の現有メダル枚数に蓄積表示する。
【0051】
図11にはダイスが浮遊しているダイス吹上げ装置の吹上げパイプと出口パイプの図を示す。図11(A)はダイス吹上げ装置のパイプの平面図を示し、図11(B)は同斜視図を示し、図11(C)は同縦断面図を示す。
吹上げパイプ16に入れるダイスDは一辺が90mmの正立方体であり、対角最長距離136mmの角に丸みが設けてあり、重さが略50gの発泡スチロール等の軽量素材で作れている。ダイスDの各面には出目が視認可能に付されている。出目は通常の1から6を表す点が付された出目、あるいは各面毎に6種類の別々の絵柄でもよい。
【0052】
ダイス吹上げパイプ16はアクリル製の透明で内径が150mmで長さは長く任意とすることができる。吹上げパイプ16の上端は平面端であり、この平面端には出口パイプ17が外接して固着されている。出口パイプ17は内径160mmで高さが165mmのアクリル製の透明な円筒である。出口パイプ17の下側15mmが吹上げパイプ17の上端に外接して挿入されている。出口パイプの吹上げパイプ上端から5mmの高さから幅15mm、高さ45mmの長穴17aが、パイプの中心からの角度が36度ずつ離れた位置に3ケ設けてある。
図11(C)に示すように、出口パイプ17の上端から出口パイプの高さ程(150mm)の高さにはダイス吹上げ筐体の天井部の天板18が位置している。
【0053】
上記の構成において、吹上げパイプ16の下のダイステーブルにあるダイスに対して、ダイス吹上げ装置の空気取入口のシャッター34を開いて、DC軸流ファン36を始動させると、吹上げ筐体内部の空気が空気取入口33からDC軸流ファンからの上昇空気を整流格子37で整流されて送風ダクトから上昇流が発生して吹上げパイプ内で浮力となり、ダイスDを持ち上げる。
ダイスDは吹上げパイプ内を上昇気流により上部へ運ばれる。ダイスDの対角最長距離(136mm)は吹上げパイプの内径(150mm)よりも小さいので、ダイスDが吹上げパイプ内で嵌ることはなく、上昇空気の流れに押し上げられて、ふわふわしながら上昇する。そしてダイスが内径の異なる出口パイプに差し掛かるとそれまで一定の風量の風w1でダイスを持ち上げて上昇していたものが出口パイプの内径(160mm)が広がったことから、上昇空気に乱れが生じてダイスが回転し出すのである。
【0054】
この回転するためのベストモードは、上記の寸法で示される通りであり、ダイスDの大きさと吹上げパイプの内径、出口パイプの長さ(高さ)と内径が影響している。出口パイプの内径が上記の寸法より小さい(150mm)と、ダイスDは回転を始めるような動きはするものの、ダイスDがグラついて出口パイプの淵に当たり回転を止めてしまう。
出口パイプの内径を変えて実験をしてみた。
出口パイプの内径が上記の寸法より大きくなる(170mm)と出口パイプ内をダイスが昇降する動きが主となり、時折出口パイプの上端の淵で回転するのみである。出口パイプの内径があまりにも大きくなると(180mm)では、吹上げパイプと出口パイプの接合部付近でダイスは滞留して浮遊するだけで、回転はおろかそれ以上の高さには昇ることができない。
出口パイプの内径を165mmとした場合は、160mmのときと比し、ダイスの昇降、回転することに大差はない。出口パイプの内径が160mmの方が、内径が狭い分、出口パイプの上方に抜ける風の方向が限定されるので、内径165mmよりは早く回転する。
【0055】
次に吹上げパイプと出口パイプ内を上昇気流が流れダイスを浮かす原理を説明する。図12(A)は出口パイプの側面に穴がない断面図であり、図12(B)は出口パイプの側面に穴がある断面図である。
図12(A)では上述したベストモード下において、出口パイプ17の側面に穴がなく、出口パイプ17の上端から外部に空気を拡散させることにより風力が弱まり、ダイスの重量と釣り合い、ダイスは出口パイプの上端近傍にふらつきながら滞留している。
【0056】
このとき上昇気流とダイスのふらつきにより上昇気流のバランスが大きく崩れたときにダイスDが回転運動を開始する。ダイスDの回転運動が一度始まると上昇気流w1の風をダイスの面で受けて回転速度が加速していくのである。
つまりダイスは出口パイプの上端付近でその姿勢を保ったまま滞留して浮遊しているが、上昇気流のバランスが崩れた際に回り出すのである。
【0057】
図12(B)では、より確実にダイスを回転させるために出口パイプに長さ(高さ)方向に長穴17aを設けてある。
この長穴17aにより、出口パイプ17の外に風woを逃がすことで、ダイスのグラつきを大きくしてバランスを崩しやすくすることで回転しだすのである。
ダイスが出口パイプの上端に滞留した状態において、上昇気流により発生する風は大きく分けて3種類存在する。
(1)
出口パイプを上昇する風:w1
(2)
ダイスの面に沿って外へ拡散する風:w2
(3)
ダイスの底面にぶつかり反射する風:w3
上記の3種類の風のうち、(1)と(3)がダイスの下方近傍でぶつかりあい乱流wdを発生させるのである。この乱流wdは複雑なベクトルを持つ風であり、ダイスを不安定にふらつかせる要因のひとつとなる。この乱流が発生する箇所の出口パイプの側面に縦に長穴17aを開口し、(3)の風の一部を外に逃がす。長穴17aから外への風woである。これにより出口パイプ内では長穴17aを設けた箇所で弱い乱流wd1が発生する。長穴17aがない箇所では強い乱流wd2が発生する。このように長穴17aの有無により、異なる乱流が発生し、結果としてダイスDのふらつきが大きくなり、ダイスが直ぐに回転するのである。
【0058】
図13にはダイスが回転するのに適した穴を有する出口パイプの平面図と正面図を示す。
図13(A)は上記実施例で説明した長穴を有する出口パイプの正面図であり、図13(B)は同平面図である。
出口パイプ17のパイプ中心から36度の角度ずつ離して出口パイプの側面に縦長の長穴17aが3つ開口している。
図13(C)は出口パイプの側面に丸穴17bを2ケ、出口パイプの長さ(高さ方向)に並んで開口したものであり、パイプ中心から36度の角度ずつ離して上下2つの丸穴17bを3列設けてある。この場合でも同様にダイスが回転した。
図13(D)は、出口パイプの側面に斜めに配置したスクリュー形状の穴17cを同様に36度の角度をずらして配置した。この場合ではダイスは縦回転と共にパイプ面に沿って横回転する動きも生じ、お互いの方向が干渉しあいながら回転する。
【0059】
次に出口パイプの側面に設けた穴と出口パイプの上端との位置関係について実験を行った結果を述べる。
図13(A)、(B)において、長穴17aの中心から出口パイプの上端までの距離をLとすると、Lが大き過ぎると長穴17aで発生させた弱い乱流wd1が混ざり合って整流されてしまい平均的な強さの風となり出口パイプ上端に滞留するダイスの底面に当り、ダイスを回転させるには乏しくなってしまう。
逆に距離Lが小さ過ぎてしまうと、長穴を通過する風が(3)のダイスの側面にぶつかり反射する風ではなくて、(2)のダイスの面に沿って外へ拡散する風w2になる。
【0060】
結果的には(3)のダイスの底面にぶつかる反射する風w3として強弱がついた乱流wd1、wd2にはならず、且つ(2)のダイスの面に沿って外で拡散する風w2の放出量が出口パイプの前後では異なり、ダイスは大きく前後に揺れる動きとなるが回転運動は生じない。
適切な距離Lは上記の実験から122.5mmとなっている場合にダイスが回転しやすいのである。
【0061】
また長穴17aの数は1つでもよいものの、2つ以上の長穴がある方が、ダイスが出口パイプの上端において早めに回転状態に入りやすい。
図12(B)では3つの長穴17aは、出口パイプの前面側に36度ずつのパイプの中心からの配置角度を有しているが、長穴17aの出口パイプの中心からの配置角度は180度以内であればよく、これにより出口パイプの前後で発生する乱流wd1、wd2に強弱が付けられ、ダイスが回転しやすくなる。
【0062】
上記実施形態では駒体としてダイスを例にあげ説明したが、ダイス体は立方体に限らず、いずれの面も同様に出目が出る正多面体でもよい。正多面体とした場合に各面の出目の出る確率は、同一となる。
また吹上げ装置として空気を吹上げる形式としたが、空気に限らず、吹上げ出目検出装置を水中で水流を発生させて駒体を吹上げる構成としてもよい。
さらに、本実施形態ではダイスを吹上げるパイプの高さを筐体の天井部の下方までの高さとしてあるが、吹上げパイプの高さを吹上げ筐体の天井部を貫通してより高い位置まで高く伸ばす構成とすることも可能である。この場合には室内の天井が高い部屋に設置することで、吹上げパイプの高さが高く取れ、その中をダイスが上昇して回転するのを、遠くからでも見ることができ、アイキャッチ効果が高い製品となる。
【0063】
上述の通り本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0064】
1 ゲーム装置
2 操作用筐体
3 ゲームテーブル表示部
4 操作卓
5 操作部
6 メダル投入口
7 操作卓スピーカ
8 メダル払出しホッパー
9 メダル払出し口
10 ダイス吹上げ筐体
11 支柱
12 天井部
13 履歴表示部
14 吹上げ筐体スピーカ
15 基台
16 吹上げパイプ
17 出口パイプ
18 天板
19 筐体底部
20 ゲームフィールド
21 スリーダイス合計升目
22 H/L升目
23 シングルダイス升目
24 ゾロ目ダイス升目
25 ベット受付時間表示部
26 各種操作卓情報表示部
30 ダイス吹上げ装置
31 吹上げ出目検出装置
32 上昇気流発生装置
33 空気取入口
34 シャッター
35 ステッピングモータ
36 DC軸流ファン
37 整流格子
38 送風ダクト
39 ブラケット
40 ダイスダイス寄り掛かり防止装置
41 ダイステーブル
42 水平枠体
43 ワイヤー
44 下向き枠体
45 出目検出装置
46 カメラ
47 赤外線LED
50 制御部
51 ゲーム制御部
52 吹上げ制御部
53 出目検出処理部
60 記憶部
61 ゲームプログラム
62 ベットデータ
63 参考情報
64 ペイアウト率データ






































【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
目視可能な印が付されたダイス体が載置可能な前記筒体の下方に位置する載置体と、
該載置体を略水平方向に揺動自在に吊るす吊下げ体と、
該載置体の下方から流体を送り、該載置体を通過して該流体が該載置体に載置されたダイスを前記透明な筒体の内部上方へ吹き上げ可能な送流体と、
を備えたことを特徴とするダイスの吹き上げ装置
【請求項2】
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
目視可能な印が付された駒体が載置可能な、前記筒内の下方に位置し通気性を有する載置体と、
該載置体の略水平方向に揺動自在に支持する揺動支持体と
該揺動支持体の下方から空気を送り、該揺動支持体に載置された駒体を透明な筒体内の上方へ吹き上げ可能な送風体と、
を備えたことを特徴とする駒体の吹き上げ装置。
【請求項3】
基台上に鉛直方向設けられた透明な筒体と、
該筒体内に収容される目視可能な印が付されたダイス体と、
該筒体の下方に位置にし、通気性を有し前記ダイス体が搭載可能な載置体と
該載置体を略水平方向に揺動自在に支持する揺動支持体と、
該揺動支持体の下方から空気を送り、該揺動支持体に載置されたダイスを透明な筒体の上方へ吹き上げ可能な送風体と、
を備えたことを特徴とするダイスの吹き上げ装置。
【請求項4】
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
該筒体内に収容され目視可能な印が付されたダイス体と、
該筒体の下方に位置し、前記ダイス体が載置可能な載置面を有する載置体と、
該載置体を略水平方向に揺動自在に吊るす吊下体と、
該載置体の搭載面に載置されたダイス体の下面を検出する載置体の下方に設けた検出体と、
該検出体の取得したダイス体の下面の情報を解析し、出目を判定する出目判定手段と、
該載置体の下方から流体を送り、該載置体に載置されたダイス体を前記透明な筒体の内部上方へ吹き上げ可能な送流体と、
を備えたことを特徴とするダイスの吹き上げ装置。
【請求項5】
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
該筒体内に収容され目視可能な印が付されたダイス体と、
該筒体の下方に位置し、前記ダイス体が載置可能な載置面を有する載置体と、
該載置体を略水平方向に揺動自在に吊るす吊下体と、
該載置体の搭載面に載置されたダイス体の下面を検出する載置体の下方に設けたカメラ体と、
該カメラ体の取得したダイス体の下面の情報を解析し、出目を判定する出目判定手段と、
該載置体の下方から空気を送り、該載置体に載置されたダイス体を前記透明な筒体の内部上方へ吹き上げ可能な送風体と、
を備えたことを特徴とするダイスの吹き上げ装置。
【請求項6】
基台上に鉛直方向に設けられた透明な筒体と、
該筒体内に収容され目視可能な印が付されたダイス体と、
該筒体の下方に位置し、前記ダイス体が搭載可能な載置面を有する載置体と、
該載置体の載置面に載置されたダイス体を撮影する該載置体の下方に設けたカメラ体と、
該カメラ体の取得したダイス体の画像情報を解析し、出目を判定する出目判定手段と、
該載置体の下方から空気を送り、該載置体に搭載されたダイス体を前記透明な筒体の内部上方へ吹き上げ可能な送風体と、
を有するダイスの吹き上げ出目判定装置を3基備え、
前記ダイス体の全出目と配当を表示するゲームフィールドと、
プレイヤーが自分の意思で各ダイス体の出目を予想してチップをゲームフィールドの予想位置に掛ける入力を行う操作部と、
前記プレイヤーが掛けた後に、前記3基のダイス吹き上げ出目判定装置による出目の確定を行い、前記操作部からの入力データと照合し、プレイヤーのゲーム結果を演算して、プレイヤーが勝っていれば掛けたチップに見合う配当を行う制御をする制御部と、
を有することを特徴とするダイスゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6において、
透明な筒体を円筒として、該円筒体の上部には該円筒体の外径を内径とし、該円筒体の略直径の寸法を高さとする出口筒体を接続すると共に、該出口筒体の一方面側の下部に位置に高さ方向に少なくとも1つの穴を設けた、
ことを特徴とするダイスの吹き上げ装置。



































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−75622(P2012−75622A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223007(P2010−223007)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)