説明

ダイズ・トランスジェニック事象MON87708およびその使用方法

本発明は、トランスジェニック・ダイズ事象MON87708植物、ならびに事象MON87708に由来する植物、植物細胞、植物種子、植物部分および商品を提供する。また、本発明は、事象MON87708に特異的なポリヌクレオチド、ならびに事象MON87708に特異的なポリヌクレオチドを含む植物、植物細胞、種子、植物部分および商品も提供する。本発明は、事象MON87708に関連する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本願は、その存在を参照することによって本明細書に完全に取り込む、2009年9月17日に出願した米国仮特許出願61/243,227号に基づく優先権の利益を主張する。
【0002】
配列表の取込み
19.5キロバイト(Microsoft Windows(登録商標)で測定したサイズ)で2010年8月13日に作成したファイル名「55544-0001 seqlisting.txt」を含む配列表は電子データとして提出し、出典明示して本明細書の一部とみなす。
【0003】
本発明は、トランスジェニック・グリシン・マックス(Glycine max)事象MON87708に関する。事象は、ジカンバ除草剤に対する耐性を示す。また、本発明は、事象MON87708に関連する植物、植物部分、植物種子、植物細胞、農産物および方法にも関し、事象にユニークであり、グリシン・マックス植物のゲノムへのトランスジェニックDNAの挿入に関連して生成したヌクレオチド分子を提供する。
【背景技術】
【0004】
ダイズ(Glycine max)は世界の多くの領域において重要な作物であり、望ましい特性を有するダイズを生成するために、バイオテクノロジーの方法がこの作物に適用されている。1のかかる望ましい特性は、除草剤耐性である。植物における除草剤耐性トランスジーンの発現は植物に除草剤耐性の望ましい特性を付与し得るが、トランスジーンの発現はトランスジーン挿入の染色体の部分およびゲノム結果物によって影響され得る。例えば、トランスジーンの染色体挿入部位において異なる個々の事象の中のトランスジーン発現のレベルおよびパターンにおける変動が存在する場合があるが、その他の点においては同一であることが観察されている。また、事象間で望ましくないおよび/または望ましい表現型または作物栽培学的な差異も存在し得る。このため、商業目的に好適とするために必要である望ましい特性および最適の表現型および作物栽培学的特徴の両方を有する事象を選抜するために、多数の個々の植物形質転換事象を生成および分析する必要がしばしばある。かかる選抜は、複数の場所で、かつ、有意な量の作物栽培学的、表現型および分子のデータを収集し得るような種々の条件下で、複数年にわたる多数の事象を用いた温室および圃場の試験を必要とする。ついで、得られたデータおよび知見は、商業的に好適な事象を選抜する目的を有する科学者および作物栽培学者によって分析されなければならない。その場合、したがって、選抜したかかる事象は、植物育種法を用いて他の遺伝子バックグラウンドに望ましい特性を遺伝子移入するために、望ましい特性を含み、特異的な地方生育条件に好適に適合する多数の異なる作物品種を生成するために使用し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、事象MON87708と命名するトランスジェニック・ダイズ植物を提供し、それは、ジカンバ除草剤の適用に対して商業上許容し得る耐性を示し、受託番号PTA−9670でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託された代表的な種子を有する。また、本発明は、ダイズ事象MON87708に関連する新規なDNA分子およびその分子を使用する方法も提供する。本発明は、ダイズ事象MON87708の種子、子孫、植物部分、細胞および商品も提供する。また、本発明は、ダイズ事象MON87708を使用する方法およびジカンバ耐性ダイズを生成する方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ダイズ事象87708に関連する組換えDNA分子を提供する。この組換えDNA分子は、トランスジーン挿入部の隣接するゲノミックDNAの領域、および/またはトランスジーン挿入部の領域、および/またはトランスジーン挿入部とダイズ事象MON87708の隣接するゲノミックDNAとの間の接合部の領域のようなこれらの領域の隣接配列を表すヌクレオチド配列を有するヌクレオチド分子を含み得る。本発明は、ダイズ事象MON87708を診断するプライマーおよびプローブおよびダイズ事象MON87708の存在を診断するアンプリコンとして有用なDNA分子も提供する。これらの分子を含むダイズ植物、植物細胞、植物部分、商品、子孫および種子も開示する。
【0007】
本発明は、ダイズ事象MON87708に由来するDNAの存在および/または不存在、およびしたがって該事象の存在および/または不存在を検出するのに有用な方法、組成物およびキットを提供する。本発明は、DNAを含む試料とダイズ事象MON87708からのゲノミックDNAとの拡散増幅反応に用いた場合にダイズ事象MON87708を診断する増幅DNAを生成するプライマー・セットとを接触させ、核酸増幅反応を行い、それによって増幅DNAを生成し、該増幅DNAの存在および/または不存在を検出することによるMON87708を検出する方法を提供する。また、本発明は、DNAを含む試料と、ダイズ事象MON87708からのDNAとのハイブリダイゼーション反応に用いた場合にダイズ事象MON87708に特異的なDNA分子にハイブリダイズするプローブとを接触させ、ハイブリダイゼーション反応を行い、ついで、DNA分子に対するプローブのハイブリダイゼーションを検出することによるMON87708の検出方法も提供する。ダイズ事象MON87708由来のDNAの存在を検出するのに有用な本発明の方法および組成物を含むキットも提供する。
【0008】
本発明は、ダイズ事象MON87708の植物、植物細胞または種子由来のダイズ植物、種子、植物細胞、子孫植物、植物部分または商品を提供する。また、本発明は、配列番号:1-8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する組換えDNA分子、ならびにその相補体およびフラグメントよりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する組換えDNA分子を含む、ダイズ植物、種子、植物細胞、子孫植物、植物部分または商品を提供する。また、本発明は、ダイズ事象MON87708の植物または種子に由来し、かつ、DNA増幅法において配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および/または配列番号:8を含む増幅DNA分子を生成する組換えDNA分子を含むダイズ植物、種子、植物細胞、子孫植物、植物部分または商品を提供する。
【0009】
本発明は、ダイズ事象MON87708を植栽し、ついで、ダイズ事象MON87708植物を傷害することなく雑草を制御することができる有効用量のジカンバ除草剤を塗布することによって圃場の雑草を制御する方法を提供する。また、本発明は、有効用量のジカンバ除草剤を適用して圃場の雑草を制御し、ついで、圃場にダイズ事象MON87708を植栽することによって圃場の雑草を制御する方法も提供する。また、本発明は、ジカンバ耐性ダイズ品種MON87708の種子を圃場に播き、有害な雑草種を死滅させるのに十分な出芽後有効用量のジカンバ除草剤を圃場に適用し、圃場から種子を収穫することによる、実質的に有害な雑草種の種子を含まないダイズ種子を生成する方法も提供する。
【0010】
本発明は、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および/または配列番号:8を含むダイズ事象MON87708植物と第2のダイズ植物とを交配し、それによって種子を生成し、種子を生育して子孫植物を生成し、子孫植物をジカンバで処理し、ついで、ジカンバに耐性である子孫植物を選抜することによるジカンバ除草剤の適用に耐性であるダイズ植物および/または種子を生成する方法を提供する。方法は、選抜した子孫植物を自家受粉させて複数の第二世代子孫植物を生成し、これらからジカンバ耐性植物を選抜することも含み得る。方法は、選抜した子孫植物と他のダイズ植物とを交配して種子を生成し、種子を生育して子孫植物の第二世代を生成し、子孫植物の第二世代をジカンバで処理し、ついで、ジカンバに耐性である第二世代子孫植物を選抜することも含み得る。本発明は、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および/または配列番号:8を含むジカンバ耐性ダイズ事象MON87708植物を自家受粉させ、それによって種子を生成し、種子を生育して子孫植物を生成し、子孫植物をジカンバで処理し、ついで、ジカンバに耐性である子孫植物を選抜することによる、ジカンバ除草剤の適用に耐性であるダイズ植物および/または種子を生成する方法を提供する。
【0011】
本発明は、ダイズDNA試料と配列番号:12、配列番号:13および配列番号:14を含むプライマー・セットならびに配列番号:15および配列番号:16を含むプローブ・セットとを接触させ、ついで、試料、プライマー・セットおよびプローブ・セットを用いた核酸増幅反応を行い、ついで、事象MON87708の診断である第1の蛍光シグナルおよび第1の蛍光シグナルとは異なりかつ事象MON87708トランスジーンの挿入部分に対応する天然ダイズ・ゲノミックDNAの診断である第2の蛍光シグナルを核酸増幅反応物において検出し;ついで、核酸増幅反応物における第1の蛍光シグナルおよび第2の蛍光シグナルの存在および/または不存在を分析することを含む、ダイズ事象MON87708植物または種子の接合生殖性を決定する方法であって、ここに、両方の蛍光シグナルの存在が、試料が事象MON87708について異型接合であることを示し、第1の蛍光シグナルのみの存在が、試料が事象MON87708について同型接合であることを示す該方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、ジカンバ耐性遺伝子を含み、さらにハロタイプ・ウィンドウ19743および19767によってさらに規定されるほぼマップ・ポジション143.5の連鎖群9上のダイズ・ハプロタイプ領域を含むダイズ植物、種子、植物細胞または植物部分、ならびにその使用方法も提供する。本発明の前記したおよび他の態様は、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、ダイズ事象MON87708のゲノム中のトランスジーン挿入部の組織図を示し;[A]はダイズ・ゲノミックDNAとトランスジーン挿入部DNAの5'部分との間の接合部の60ヌクレオチドである配列番号:1の相対ポジションに対応し;[A']はダイズ・ゲノミックDNAとトランスジーン挿入部DNAの5'部分との間の接合部の100ヌクレオチドである配列番号:7の相対ポジションに対応し;[B]はダイズ・ゲノミックDNAとトランスジーン挿入部DNAの3'部分との間の接合部の60ヌクレオチドである配列番号:2の相対ポジションに対応し;[B']はダイズ・ゲノミックDNAとトランスジーン挿入部DNAの3'部分との間の接合部の100ヌクレオチドである配列番号:8の相対ポジションに対応し;[C]は事象MON87708中のゲノムに組み入れた発現カセットの任意に割り当てた/指定した5'末端に隣接するダイズゲノム配列である配列番号:3の相対ポジションに対応し;[D]は事象MON87708中のゲノムに組み入れた発現カセットの任意に割り当てた/指定した3'末端に隣接するダイズゲノム配列である配列番号:4の相対ポジションに対応し;[E]は配列番号:5を含む種々の要素を表し、事象MON87708のゲノムに挿入した発現カセットの配列であり;および[F]は、図面の左から右に表す、配列番号:3、配列番号:5および配列番号:4を含む連続する配列(配列番号:6として提供する)を表し、それには配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および配列番号:8が含まれる。これらの配列は事象MON87708のゲノムに存在するからである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
配列の簡単な説明
配列番号:1は、ダイズ・ゲノミックDNAと組み入れたトランスジェニック発現カセットとの間の5'接合部を表す60ヌクレオチド配列である。配列番号:1は、ヌクレオチド・ポジション1097−1156で配列番号:6中に位置する。
【0015】
配列番号:2は、ダイズ・ゲノミックDNAと組み入れたトランスジェニック発現カセットとの間の3'接合部を表す60ヌクレオチオ配列である。配列番号:2は、ヌクレオチド・ポジション4100−4159で配列番号:6中に位置する。
【0016】
配列番号:3は、ダイズ事象MON87708の挿入したDNAに隣接し、トランスジーンDNA挿入部の領域までおよびそれを含む5'配列である。
【0017】
配列番号:4は、ダイズ事象MON87708の挿入したDNAに隣接し、トランスジーンDNA挿入部の領域までおよびそれを含む3'配列である。
【0018】
配列番号:5は、組み入れたトランスジェニック発現カセットの配列である。
【0019】
配列番号:6は、ダイズ事象MON87708の挿入したDNAに隣接する5'配列(配列番号:3)、挿入したDNAの配列(配列番号:5)、およびダイズ事象MON87708の挿入したDNAに隣接する3'配列(配列番号:4)のコンティグを表すヌクレオチド配列であり、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および配列番号:8を含む。
【0020】
配列番号:7は、ダイズ・ゲノミックDNAと組み入れたトランスジェニック発現カセットとの間の5'接合部を表す100ヌクレオチド配列である。
【0021】
配列番号:8は、ダイズ・ゲノミックDNAと組み入れたトランスジェニック発現カセットとの間の3'接合部を表す100ヌクレオチド配列である。
【0022】
配列番号:9は、プライマーSQ13570というプライマーの配列であり、それを用いてダイズ事象MON87708を同定する。それは、3'トランスジーン挿入部ボーダーに近接する領域の挿入した発現カセットに対して相補的である。SQ13570およびSQ13571(配列番号:10)の組合せを用いたTAQMAN(登録商標)(PE Applied Biosystems,Foster City,CA)から製造したPCRアンプリコンは、事象MON87708の存在に対して陽性の結果である。
【0023】
配列番号:10は、プライマーSQ13571というプライマーの配列であり、それを用いてダイズ事象MON87708を同定する。それは、挿入した発現カセットに隣接する3'領域に相補的であり、トランスジーンDNA挿入部ボーダーに近接する。SQ13570(配列番号:9)およびSQ13571の組合せを用いたTAQMAN(登録商標)(PE Applied Biosystems,Foster City,CA)から製造したPCRアンプリコンは、事象MON87708の存在に対して陽性の結果である。
【0024】
配列番号:11は、プローブPB4655というプローブの配列であり、それを用いてダイズ事象MON87708を同定する。それは、挿入した発現カセットの3'接合部およびゲノミックDNAにひろがる領域に相補的である。このプローブは、6-FAM(商標)−標識合成オリゴヌクレオチドである。6-FAM(商標)−標識プローブPB4655と組み合わせたプライマーSQ13570およびSQ13571(配列番号:9-10)を用いた増幅反応における蛍光シグナルの放出は、TAQMAN(登録商標)アッセイにおける事象MON87708の診断である。
【0025】
配列番号:12は、プライマーSQ20632というプライマーの配列であり、それを用いてMON87708事象の接合生殖性を同定する。
【0026】
配列番号:13は、プライマーSQ20636というプライマーの配列であり、それを用いてダイズ野生型およびMON87708事象の接合生殖性を同定する。
【0027】
配列番号:14は、プライマーSQ20637というプライマーの配列であり、それを用いてダイズ野生型の接合生殖性を同定する。
【0028】
配列番号:15は、プローブPB10130というプローブの配列であり、MON87708事象接合生殖性アッセイに用いる。
【0029】
配列番号:16は、プローブPB10131というプローブの配列であり、ダイズ野生型接合生殖性アッセイに用いる。
【0030】
詳細な説明
以下の定義および方法は本発明をより良好に定義し、当業者を本発明の実施に案内するために提供する。別段指摘しない限り、用語は当業者による従来の用法に従って理解すべきである。
【0031】
本発明は、ジカンバ除草剤の適用に商業的に許容し得る耐性を示すトランスジェニック・ダイズ事象MON87708を提供する。事象は、ダイズ生殖質の染色体すらゲノムへのトランスジェニックDNAの単一の挿入を含む。「事象」は(i)関心のあるトランスジーンを含む核酸構築物での植物細胞の形質転換、(ii)植物のゲノムへのトランスジーンの挿入から生じる植物の集団の再生、および(iii)植物ゲノム中の特定の部分へのトランスジーンの挿入によって特徴付けられる特定の植物の選抜、によって生成される。「事象」なる用語は、植物のゲノム中の特定の部分に挿入したトランスジーンを含むオリジナル形質転換体をいう。
【0032】
かかる子孫は、形質転換体、またはその子孫および他の植物の間の外部交配によって生成し得る。かかる他の植物は、異なる品種からのもののような、同一または異なるトランスジーンを含むトランスジェニック植物および/または非トランスジェニック植物とし得る。反復親への繰り返し戻し交配の後でさえ、形質転換した親からの挿入したDNAおよび隣接するDNAは同一のゲノミック部分で交配した子孫に存在する。
【0033】
本明細書で使用する「ダイズ」なる用語はグリシン・マックス(Glycine max)を意味し、ダイズと繁殖し得るすべての植物品種を含み、それには野生型ダイズ種ならびに種間での繁殖を許容するダイズ属に属する植物が含まれる。
【0034】
「事象」なる用語は、挿入したDNAおよび挿入したDNAのいずれかの側に直近するフランキング・ダイズ・ゲノミックDNAを含むオリジナル形質転換体からのDNA分子もいう。このDNA分子は、ダイズ植物のゲノムにトランスジェニックDNAを挿入する行動、すなわち形質転換の行動によって生成する。したがって、このDNA分子は、事象に特異的であり、かつ、トランスジェニックDNAが挿入しているダイズ植物のゲノムにユニークであるヌクレオチド配列を含み、このヌクレオチド配列はダイズ・ゲノミックDNAおよびトランスジェニックDNAインサートの特定の領域の両方の配列を含む。したがって、周囲のダイズ植物ゲノムDNAに対するダイズ事象MON87708中の挿入されたDNAの配置は、ダイズ事象MON87708に特異的かつユニークである。このDNA分子は、事象MON87708のダイズ染色体の完全な部分でもあり、それ自体では、植物において静的であり、植物の子孫に伝えられ得る。
【0035】
事象MON87708は、ダイズ植物への除草剤の適用に対する耐性を付与するトランスジーンを含む。「ジカンバ」とは、3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸をいう。ジカンバは、広葉の雑草を制御するのに有用な合成オーキシン除草剤である。ダイズ植物は、土壌根圏中に一般的に見出されるステノトロホモーナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)からクローニングされた酵素ジカンバ・モノオキシゲナーゼ(DMO)で形質転換した。ジカンバ・モノオキシゲナーゼは、O−脱メチル化反応を介してジカンバの非除草化合物3,5−ジクロロサリチル酸への非活性化を触媒する酵素である。世界のある領域においては、有毒な雑草種の種子が収穫したダイズ種子に混入する場合があり、これは、混入したダイズ商品を摂取した動物の健康および栄養に影響を及ぼし得る。これらの植物は、ジカンバ除草剤での処理によってダイズ圃場から排除し得る。この有害な雑草群のメンバーには、カルダリア・エスピーピー(Cardaria spp)、ヘリオトロピウム・エスピーピー(Heliotropium spp)、センタウレア・エスピーピー(Centaurea spp.)、セネシオ・エスピーピー(Senecio spp.)、クロタラリア・エスピーピー(Crotalaria spp.)、ソラナム・エスピーピー(Solanum spp.)、キサンチウム・エスピーピー(Xanthium spp.)、アムシンキア・エスピーピー(Amsinckia spp.)、カッシア・エスピーピー(Cassia spp.)、セスバニア・エスピーピー(Sesbania spp.)、ダチュラ・エスピーピー(Datura spp.)、リチナス・エスピーピー(Ricinus spp.)、アルゲモネ・エスピーピー(Argemone spp.)、コルコラス・エスピーピー(Corchorus spp.)、イムポモエ・エスピーピー(Impomoea spp.)およびエチウム・エスピーピー(Echium spp.)がを含む。
【0036】
本明細書中で用いる「組換体」なる用語は、通常天然では見られない、それ自体がヒトの介在によって作られたDNAおよび/またはタンパク質および/または生物の形態をいう。かかるヒトの介在は、組換えDNA分子および/または組換え植物を生成し得る。本明細書中で用いる「組換えDNA分子」とは、天然には一緒に存在しないDNA分子の組合せを含み、ヒトの介在の結果であるDNA分子であり、例えば、互いに異種である少なくとも2のDNA分子の組合せからなるDNA分子、および/または人工的に合成され、天然に通常存在するポリヌクレオチド配列由来のポリヌクレオチドを含むDNA分子、および/または宿主細胞のゲノミックDNAおよび宿主細胞のゲノムの関連するフランキングDNAに人工的に取り込まれたトランスジーンを含むDNA分子である。組換えDNA分子の例は、ダイズ・ゲノミックDNAへのトランスジーンの挿入から生じ、最終的には、その生物中に組換えRNAおよび/またはタンパク質分子の発現を生じ得る本明細書に記載するDNA分子である。本明細書中で用いる「組換え植物」は、天然には通常存在せず、ヒトの介在の結果であり、そのゲノムに取り込まれたトランスジーンおよび/または異種DNA分子を含む。かかるゲノミックの変化として、組換え植物は関係する野生型植物とは全く異なる。組換え植物の例は、事象MON87708と本明細書に記載するダイズ植物である。
【0037】
本明細書中で用いる「トランスジーン」なる用語は、宿主細胞のゲノムに人工的に取り込ませたヌクレオチド配列をいう。かかるトランスジーンは、宿主細胞に対して異種であり得る。「トランスジェニック植物」なる用語は、かかるトランスジーンを含む植物をいう。
【0038】
本明細書中で用いる「異種」なる用語は、天然において第2の分子と組み合わせては通常見出されない第1の分子をいう。例えば、分子は第1の種に由来し、第2の種のゲノムに挿入し得る。したがって、分子は宿主に対して異種であり、宿主細胞のゲノムに人工的に取り込まれる。
【0039】
本明細書中で用いる「キメラ」なる用語は、第1のDNA分子を第2のDNA分子に融合することによって生成される単一のDNA分子をいい、ここに第1のDNA分子も第2のDNA分子も通常はその配置、すなわち互いに融合した配置では見出されない。したがって、キメラDNA分子は、天然においては通常見出されない新規なDNA分子である。
【0040】
本発明はDNA分子およびその対応するヌクレオチド配列を提供する。本明細書中で用いる「DNA」、「DNA分子」、「ヌクレオチド分子」なる用語は、ゲノミックまたは合成起源のDNA分子をいい、すなわち5'(上流)末端から3'(下流)末端に読まれるデオキシリボヌクレオチド塩基のポリマーまたはポリヌクレオチド分子をいう。本明細書中で用いる「DNA配列」、「ヌクレオチド配列」または「ポリヌクレオチド配列」なる用語は、DNA分子のヌクレオチド配列をいう。本明細書で用いる命名法は、合衆国法典37巻連邦規則法典1.822によって要求され、WIPO標準ST.25(1998)、Appendix 2、Table 1および3に記載されているものである。規定により、本発明のヌクレオチド配列を配列番号:1−8として提供し、そのフラグメントを2の相補的ヌクレオチド配列鎖のうちの1のみに参照して開示する。言外の意味により、相補的配列(すなわち、相補鎖の配列)も当該技術分野においては逆方向相補的配列といわれ、これらも本発明の範囲に入り、特許請求する発明特定事項の範囲に入ることを明記しておく。
【0041】
挿入したトランスジェニックDNAの完全なヌクレオチド配列および挿入したトランスジェニックDNAのいずれかの末端に隣接するダイズゲノムDNAの実質的セグメントに対応するヌクレオチド配列も配列番号:6として本明細書に提供する。このサブセクションは配列番号:5として提供する挿入したトランスジェニックDNAである。挿入したトランスジェニックDNAの5'にホスホジエステル結合によって物理的に連結し、したがってそれに隣接するダイズゲノムDNAのヌクレオチド配列は、配列番号:3に示すように記載される。挿入したトランスジェニックDNAの3'にホスホジエステル結合によって物理的に連結し、したがってそれに隣接するダイズゲノムDNAのヌクレオチド配列は、配列番号:4に示すように記載される。
【0042】
ダイズ事象MON87708はさらに2の領域を含み、1はトランスジェニックDNAがゲノミックDNAに挿入される5'部分にひろがり、1は3'部分にひろがり、本明細書中で各々5'および3'接合部という。「接合部配列」または「接合部領域」とは、挿入したトランスジェニックDNAおよび近接するフランキング・ゲノミックDNAにひろがるDNA配列および/または対応するDNA分子をいう。接合部配列は、配列番号:1および配列番号:2として提供する2の60ヌクレオチド配列によって任意に表し得、各々、30ヌクレオチドのインサートDNAに近接するおよび連続する30ヌクレオチドのフランキング・ゲノミックDNAを表す。あるいは、接合部配列は、配列番号:7および配列番号:8として提供する2の100ヌクレオチド配列によって任意に表し得、各々、50ヌクレオチドのインサートDNAに近接するおよび連続する50ヌクレオチドのフランキング・ゲノミックDNAを表す。これらのヌクレオチドはホスホジエステル結合によって連結し、ダイズ事象MON87708においてはゲノムの一部分として存在する。ダイズにおいては、ダイズ植物、種子または植物部分に由来する試料中の配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および配列番号:8は、DNAがダイズ事象MON87708から得られたものであることの決定要素であり、ダイズ事象MON87708からのDNAの試料中の存在の診断となる。したがって、本発明は、少なくとも配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および/または配列番号:8に記載のヌクレオチド配列を含むDNA分子を提供する。配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および/または配列番号:8を含むのに十分であるトランスジェニック・ダイズ事象MON87708由来のいずれのDNAのセグメントも本発明の範囲内にある。また、この段落に記載するいずれかの配列に相補的な配列を含むいずれのポリヌクレオチドも本発明の範囲内にある。図1は、5'から3'に配置した配列番号:6に対する配列番号:1−5および7−8の物理的配置を図示する。
【0043】
本発明は、試料中のダイズ植物事象MON87708由来のDNAの存在を診断するためのプライマーまたはプローブのいずれかとして使用し得る例示的なDNA分子を提供する。かかるプライマーまたはプローブは標的核酸配列に特異的であり、それ自体で、本明細書に記載する本発明の方法によるダイズ事象MON87708核酸配列の同定に有用である。
【0044】
「プライマー」とは、熱的増幅を含む特定のアニーリングまたはハイブリダイゼーション法において使用するために設計された高度に精製され、単離されたポリヌクレオチドである。一対のプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような熱的増幅においてダイズ・ゲノミックDNAの試料のようなテンプレートDNAと一緒に用いてアンプリコンを生成し得、その場合には、かかる反応から生成したアンプリコンはプライマーがテンプレートにハイブリダイズする2の部位の間に位置するテンプレートDNAの配列に対応するDNA配列を有する。本明細書で使用する「アンプリコン」とは、増幅技術を用いて合成されたDNAの一片またはフラグメントである。本発明のアンプリコンは、少なくとも配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および/または配列番号:8を含む。プライマーは、典型的には、相補的なターゲットDNA鎖にハイブリダイズしてプライマーとターゲットDNA鎖との間にハイブリッドを形成するよう設計されており、プライマーの存在は、
テンプレートとしてターゲットDNA鎖を用いてプライマーの伸長を開始する(すなわち、延長するヌクレオチド分子にさらなるヌクレオチドを重合すること)ポリメラーゼによる認識点である。本発明において用いるプライマー対は、典型的には熱的増幅反応または他の従来の核酸増幅法において、プライマー対の個々のメンバーによる結合にターゲットとされる位置の間のポリヌクレオチド・セグメントを線状に増幅するために二本鎖ヌクレオチド・セグメントの反対の鎖に結合する2のプライマーの使用をいうことを意図する。プライマーとして有用な例示的なDNA分子を配列番号:9−10として提供する。配列番号:9および配列番号:10として提供するプライマー対は、第1のDNA分子および第1のDNA分子とは異なる第2のDNA分子として有用であり、両方が各々配列番号:4、配列番号:5または配列番号:6のいずれかの連続するヌクレオチドの十分な長さのものであり、ダイズ事象MON87708由来のテンプレートDNAと熱的増幅反応に一緒に使用した場合に配列番号:2を含むアンプリコンを生成するDNAプライマーとして機能する。
【0045】
「プローブ」とは、ターゲット核酸の鎖に相補的である単離した核酸である。本発明によるプローブは、デオキシリボ核酸またはリボ核酸のみならず、ターゲットDNA配列に特異的に結合するポリアミドおよび他のプローブ材料を含み、かかる結合の検出は特定の試料中のターゲットDNA配列の存在を診断し、識別し、決定し、または確認するのに有用となり得る。プローブは従来の検出可能な標識またはレポーター分子、例えば、放射性同位元素、配位子、ケミルミネセント剤または酵素に結合し得る。プローブとして有用な例示的なDNA分子を配列番号:11として提供する。
【0046】
本発明によるプローブおよびプライマーは、ターゲット配列と完全な配列同一性を有し得るが、ターゲット配列に優先的にハイブリダイズする能力を保持するターゲット配列とは異なるプライマーおよびプローブも慣用的な方法によって設計し得る。プライマーまたはプローブとして核酸分子を作用させるためには、用いる特定の溶媒および塩濃度下で安定な二本鎖構造を形成することができるように配列中に十分な相補性のみが必要とされる。いずれの慣用的な核酸ハイブリダイゼーションまたは増幅法を用いても、試料中のダイズ事象MON87708からのトランスジェニックDNAの存在を同定し得る。プローブおよびプライマーは、一般的に少なくとも約11ヌクレオチド、少なくとも約18ヌクレオチド、少なくとも約24ヌクレオチド、または少なくとも約30ヌクレオチドまたはそれを超える長さである。かかるプローブおよびプライマーは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でターゲットDNA配列に特異的にハイブリダイズする。慣用的なストリンジェンシー条件は、Sambrookら,1989およびHaymesら,Nucleic Acid Hybridization,A Practical Approach,IRL Press,Washington,DC (1985)によって記載されている。本明細書中で用いる2の核酸分子は、2の分子が抗−平行、二本鎖核酸構造を形成することができる場合には、互いに特異的にハイブリダイズすることができる。核酸分子は、それらが完全な相補性を示す場合にはもう1の核酸分子の「相補体」となる。分子のうちの1のすべてのヌクレオチドがもう1のヌクレオチドに相補的である場合は、本明細書で用いる分子は「完全な相補性」を示す。2の分子が少なくとも慣用的な「低ストリンジェンシー」条件下で互いにアニーリングしたままであることを許容する十分な安定性で互いにハイブリダイズし得る場合は、2の分子は「最小限相補的」である。同様にして、分子が慣用的な「高ストリンジェンシー」条件下で互いにアニーリングしたままであることを許容する十分な安定性で互いにハイブリダイズし得る場合は、分子は「相補的」である。したがって、完全な相補性からの逸脱は、かかる逸脱が分子が二本鎖構造を形成する能力を完全に排除しない限りにおいて許容し得る。
【0047】
本明細書で用いる「単離した」なる用語は、そのネイティブまたは天然の状態においてそれと通常関連する他の分子から分子を少なくとも部分的に分離することをいう。1の実施形態において、「単離した」なる用語は、そのネイティブまたは天然の状態でDNA分子に通常隣接する核酸から少なくとも部分的に分離されたDNA分子をいう。したがって、例えば組換え技術の結果として、通常は関連していない調節またはコーディング配列に融合したDNA分子は、本明細書中において単離したと考える。かかる分子は、宿主細胞の染色体に組み入れられた場合または他のDNA分子と核酸溶液中に存在する場合にも単離されたと考える。
【0048】
当業者によく知られている多数の方法を用いて、本発明で開示するDNA分子またはそのフラグメントを単離および操作し得る。例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術を用いて、特定の出発DNA分子を増幅し、および/またはオリジナル分子の変異型を生成し得る。DNA分子またはそのフラグメントは、自動オリゴヌクレオチド合成機を用いて一般的に行われているように、化学的手段によってフラグメントを直接合成することによるように他の技術によっても得ることができる。
【0049】
したがって、本明細書に提供するDNA分子および対応するヌクレオチド配列は、数あるなかでも、ダイズ事象MON87708を同定し、ダイズ事象MON87708を含む植物品種または雑種を選抜し、試料中のトランスジェニック・ダイズ事象MON87708由来のDNAの存在を検出し、ダイズ事象MON87708またはダイズ事象MON87708由来の植物部分の存在および/または不存在について試料をモニターするのに有用である。
【0050】
本発明は、ダイズ植物、子孫、種子、植物細胞、植物部分(花粉、胚珠、莢、花組織、根組織、茎組織および葉組織のような)および商品を提供する。これらの植物、子孫、種子、植物細胞、植物部分および商品は、検出可能な量の本発明のポリヌクレオチド、すなわち、配列番号:1−8に提供する配列の少なくとも1を有するポリヌクレオチドのようなポリヌクレオチドを含む。本発明の植物、子孫、種子、植物細胞、植物部分および商品は、1またはそれを超えるさらなるトランスジーンも含み得る。かかるトランスジーンは、限定されるものではないが、高められた昆虫抵抗性、高められた水使用効率、高められた収量能力、高められた渇水耐性、高められた種子品質、改善された栄養品質、および/または高められた除草剤耐性を含む望ましい特性を付与するタンパク質またはRNA分子をコードするいずれのヌクレオチド配列ともし得、ここに望ましい特性はかかるさらなるトランスジーンを欠くダイズ植物に対して測定されるものである。
【0051】
本発明は、トランスジェニック・ダイズ植物事象MON87708に由来するダイズ植物、子孫、種子、植物細胞、および花粉、胚珠、莢、花、根または茎組織および葉のような植物部分を提供する。ダイズ事象MON87708種子の代表的な試料は、本発明の実施を可能とする目的のためにブダペスト条約に従って寄託されている。寄託を受理するのに選択した寄託機関は、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia USA,Zip Code 20110に住所があるアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)である。ATCC寄託機関は、事象MON87708に対して受託番号PTA−9670を付与している。
【0052】
本発明は、ゲノムに存在する配列番号:1および配列番号:2を有するDNA分子を含む微生物を提供する。かかる微生物の例はトランスジェニック植物細胞である。本発明の植物細胞のような微生物は、多くの産業適用において有用であり、それには、限定されるものではないが:(i)科学上の疑問または産業上の研究のためのリサーチツールとしての使用;(ii)内因性または組換え炭水化物、脂質、核酸、または二次的科学研究または産業製品として有用となり得るタンパク質産物または小分子;および(iii)ついで、農業的な研究または生成に使用し得るトランスジェニック植物または植物組織培養物を生成するための現代植物組織培養技術を用いた使用が含まれる。トランスジェニック植物細胞のような微生物の生成および使用は、現代の微生物技術およびヒトの介在を利用して、人工的でユニークな微生物を生成する。この方法においては、組換えDNAを植物細胞のゲノムに挿入して、天然の植物細胞とは異なり、ユニークなトランスジェニック植物細胞を生成する。ついで、このトランスジェニック植物細胞は、現代の微生物技術を用いて細菌および酵母細胞とほぼ同様にして培養し得、未分化の単細胞状態で存在し得る。新たな植物細胞の遺伝子の組成および表現型は、外因性DNAを細胞のゲノムに組み入れたことによって創出される技術的効果である。本発明のもう1の態様は、本発明の微生物を用いる方法である。トランスジェニック植物細胞のような本発明の微生物を用いる方法は、(i)細胞のゲノムに組換えDNAを組み入れ、ついで、この細胞を用いて同一の外因性DNAを所有するさらなる細胞を誘導する方法;(ii)現代の微生物技術を用いて組換えDNAを含む細胞を培養する方法;(iii)培養した細胞から内因性または組換え炭水化物、脂質、核酸またはタンパク質産物を生成および精製する方法;および(iv)トランスジェニック植物細胞と現代の植物組織培養技術を用いてトランスジェニック植物またはトランスジェニック植物組織培養物を生成する方法、を含む。
【0053】
本発明の植物は、トランスジーンを含む事象DNAを子孫に伝達し得る。本明細書中で用いる「子孫」は、配列番号:1および配列番号:2として提供される少なくとも1の配列を有する祖先植物および/またはポリヌクレオチド由来の事象DNAを含む、いずれの植物、種子、植物細胞および/または再生可能な植物部分を含む。植物、子孫および種子は、トランスジーンについて同型接合または異型接合となり得る。子孫はダイズ事象MON87708植物によって生成された種子および/またはダイズ事象MON87708植物からの花粉で受精した植物によって生成された種子から生育し得る。
【0054】
子孫植物は自家授粉(「自殖」としても知られる)して、植物の真性な育種系統、すなわち、トランスジーンについて同型接合の植物を創製し得る。適当な子孫の自殖は、両方加えた外来性遺伝子について同型接合である植物を生成し得る。
【0055】
あるいは、子孫植物は、外部交配して、例えば他の無関係な植物と育種して、変種(varietal)または雑種の種子または植物を生成し得る。他の無関係な植物はトランスジェニックまたは非トランスジェニックとし得る。したがって、本発明の変種または雑種の種子または植物は、ダイズ事象MON87708の特異的かつユニークなDNAを欠く第1の親とダイズ事象MON87708を含む第2の親とを交配し、ダイズ事象MON87708の特異的かつユニークなDNAを含む雑種を生じることによって誘導し得る。各親は、交配または育種が本発明の植物または種子、すなわちダイズ事象MON87708および配列番号:1および配列番号:2の特異的かつユニークなDNAを含む少なくとも1の対立遺伝子を有する種子、を生じる限り、雑種または同系繁殖体/変種となり得る。したがって、2の異なるトランスジェニック植物を交配して、2の独立して分離した、付加した、外因性の遺伝しを含む雑種子孫を生成し得る。例えば、MON87708ジカンバ耐性ダイズは、他のトランスジェニック・ダイズ植物と交配して、両方のトランスジェニック親の特徴を有する植物を生成し得る。この1の例は、ジカンバに対して耐性であり、1またはそれを超えるさらなる特性を有する子孫植物または種子を生じる、MON87708ジカンバ耐性ダイズと除草剤耐性(例えば、ダイズ事象40−3−2またはダイズ事象MON89788(米国特許出願公開20060282915))、昆虫制御(例えば、ダイズ事象MON87701(米国特許出願公開20090130071))、および/または他の望ましい特性(例えば、ダイズ事象MON87769のような高められた油組成(PCT国際公開WO2009102873))のような1またはそれを超えるさらなる特性を有する植物との交配であろう。トランスジェニック植物耐性が実証され、本発明の方法を適用し得る除草剤は、限定されるものではないが:グリホセート、グルホシネート、スルホニルウレア、イミダゾリノン、ブロモキシニル、デラポン、シキロヘキサンジオン、プロトポルフィリオノーゲン・オキシダーゼ・インヒビターおよびイソキサスフルトーレ除草剤を含む。除草剤耐性に関与するタンパク質をコードするヌクレオチド分子は当該技術分野で知られており、限定されるものではないが、グリホセート−耐性5−エノールピルビルシキメート−3−ホスフェート・シンターゼ(EPSPS)(例えば、米国特許第5,627,061号;第5,633,435号;第6,040,497号;第5,094,945号;第5,804,425号;第6,248,876号;第7,183,110号;RE39,247号を参照されたい);グリホセート・オキシドレダクターゼ(GOX)(例えば、米国特許第5,776,760号を参照されたい);グリホセート−n−アセチルトランスフェラーゼ(GAT);スルホニルウレア、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニル・オキシベンゾエート、スルホニルアミノ・カルボニル・トリアゾリノンおよび/またはヘテロアリール・エーテルに対して耐性の除草剤耐性アセトラクテート・シンターゼ(ALS、アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS);除草剤耐性アセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)またはアリールオキシフェノキシプロピオネート(AOPP)(ハロキシホップ、キザロホップ、ジクロロホップおよびジクロホップのような)に対して耐性のR−2,4−ジクロロフェノキシプロピオネート・ジオキシゲナーゼ(rdpA);合成オーキシン除草剤に対して耐性の2,4−Dジオキシゲナーゼ(tfdA)、R−2,4−ジクロロフェノキシプロピオネート・ジオキシゲナーゼ(rdpA)、アリールオキシ・アルカノエート・ジオキシゲナーゼ(AAD)および/またはS−2,4−ジコルプロップ・ジオキシゲナーゼ(sdpA);ブロモキシニル耐性のブロモキシニル・ニトリラーゼ(Bxn)(例えば、米国特許第4,810,648号ご参照);ノルフルラゾンに対して耐性のフィトエン・デサチュラーゼ(crtI);グルホシネートおよびビアラフォスに対して耐性のビアラフォス耐性(bar)またはホスフィノトリシン・アセチルトランスフェラーゼ(PAT)タンパク質(例えば、米国特許第5,646,024号および第5,276,268号);および耐性4−ヒドロキシフェニルピルベート・ジオキシゲナーゼ(HPPD)、解毒性シトクロムP450、またはアルトブロバクター・グロビホルミス(Artbrobacter globiformis)HPPオキシダーゼ(HPPO)およびシュードモーナス・アシドボランス(Pseudomonas acidovorans)4−HPA 1−ヒドロキシラーゼ(HPAH)およびNADHオキシレダクターゼ(HPAC)のようなHPPD経路のバイパスのようなトリケトン(メゾトリオン、テンボトリオン、トプロメゾン、オキサゾール)除草剤耐性のタンパク質を含む。
【0056】
親植物への戻し交配および非トランスジェニック植物との異系交配も植物繁殖法として意図される。異なる特性および作物のために一般的に使用される他の育種方法の記載は幾つかの参考資料のうちの1、例えば、Fehr,Breeding Methods for Cultivar Development,Wilcox J.編,American Society of Agronomy,Madison WI (1987)に見出し得る。
【0057】
本発明は、ダイズ事象MON87708に由来する植物部分を提供する。本明細書中で用いる「商品」とは、ダイズ事象MON87708植物、種子、植物細胞または植物部分に由来する材料からなるいずれの組成物または生成物をもいう。商品は消費者に販売され、生きていても生きていなくてもよい。生きていない商品は、限定されるものではないが、生きていない種子および穀物;加工した種子、種子部分および植物部分;乾燥植物組織、冷凍植物組織および加工した植物組織;陸棲および/または水棲動物が消費する動物飼料用に加工した種子または植物部分、油、粗びき粉、フレーク、ブラン、ファイバー、ミルク、チーズ、紙、クリーム、ワインおよびヒトが消費するいずれの食品;ならびにバイオマスおよび燃料製品を含む。生きている商品は、限定されるものではないが、種子および植物細胞を含む。したがって、ダイズ事象MON87708を用いて、ダイズ事象MON87708から典型的に得られるいずれの商品をも製造し得る。ダイズ事象MON87708に由来するかかる商品は、ダイズ事象MON87708に対応する特異的かつユニークなDNAの少なくとも検出可能な量を含み得、および配列番号:1または配列番号:2の少なくとも15の連続するヌクレオチドを含む検出可能な量のポリヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチド分子のいずれの標準的な検出方法を使用し得、それには、本明細書に開示する検出方法が含まれる。商品は、商品中にいずれの検出可能な量の配列番号:1または配列番号:2が存在する場合には、本発明の範囲内に入る。
【0058】
したがって、本発明の植物、子孫、種子、植物細胞、植物部分(花粉、胚珠、莢、花、根または茎組織および葉のような)および商品は、数ある中でも、農業的目的でダイズ事象MON87708の種子および/または植物部分を生成する目的で植物を生育する、植物育種および研究目的のダイズ事象MON87708の子孫を生成する、産業および研究適用のために微生物技術と用いる、および消費者に販売するのに有用である。
【0059】
本発明は、ジカンバ除草剤およびダイズ事象MON87708を用いて雑草を制御する方法および植物を生成する方法を提供する。圃場において雑草を制御する方法を提供し、それは、圃場でダイズ事象MON87708のバリエタルまたは雑種植物を植栽し、MON87708植物を傷害することなる圃場において雑草を制御する目的で、圃場に除草上有効な量のジカンバを適用することからなる。かかるジカンバ除草剤の適用は、出芽前、すなわちMON87708種子を植栽した後であってMON87708植物が出芽する前のいずれかの時間、または出芽後、すなわちMON87708植物が出芽した後のいずれかの時間とし得る。圃場において雑草を制御するもう1の方法も提供し、それは、有効用量のジカンバ除草剤を適用して圃場における雑草を制御し、ついで、圃場にダイズ事象MON87708を植栽することからなる。ジカンバ除草剤のかかる適用は植栽前、すなわちMON87708種子を植栽する前であって、限定されるものではないが、植栽前約14日から植栽前1日を含む植栽前のいずれかの時間に行い得る。本発明は、圃場にジカンバ耐性ダイズ品種MON87708の種子を植栽し、有害な雑草種を死滅させるのに十分な出芽後有効用量のジカンバ除草剤を圃場に適用し、圃場から種子を収穫することによる実質的に有害な雑草種を含まないダイズ種子の生成方法も提供する。圃場において使用するための除草上有効な用量のジカンバは、生育期にわたるエーカー当たり約0.005ポンドないしエーカー当たり訳8ポンドのジカンバからなるべきである。生育期にわたるジカンバの複数回の適用、例えば2回適用(植栽前適用および出芽後適用または出芽前適用および出芽後適用のような)または3回適用(植栽前適用、出芽前適用および出芽後適用のような)を用い得る。
【0060】
トランスジェニック事象MON87708について特異的かつユニークなDNA配列を含む除草剤耐性ダイズ植物を生成する方法を提供する。これらの方法に使用するトランスジェニック植物は、トランスジーンについて同型接合または異型接合とし得る。これらの方法によって生成した子孫植物はバリエタルまたは雑種植物とし得;ダイズ事象MON87708植物によって生成された種子および/またはダイズ事象MON87708植物からの花粉と受精した植物によって生成された種子から生育し得る。子孫植物は、つづいて自家受粉して植物の真性育種系統、すなわち、トランスジーンについて同型接合であり、または外部交配し得、例えば、他の無関係の植物と育種してバリエタルまたは雑種の種子または植物を生成する。
【0061】
ジカンバ除草剤の適用に耐性を示すダイズ植物は、配列番号:1および配列番号:2の配列を含む核酸分子を含む事象MON87708植物と他のダイズ植物とを交配し、それによって種子を生成し、それをついで子孫植物に生育することによって生成し得る。ついで、これらの子孫植物はジカンバ除草剤で処理して、ジカンバ除草剤に対して耐性である子孫植物を選抜する。あるいは、これらの子孫植物は、診断方法を用いて分析して事象MON87708 DNAを含む子孫植物を選抜し得る。交配に使用する他の植物は、ジカンバに耐性であってもなくてもよく、トランスジェニックであってもなくてもよい。生成した子孫植物および/または種子はバリエタルまたはハイブリッドの種子とし得る。この方法の実施においては、1の植物ともう1の植物とを交配する、すなわち自家受粉する工程は、ヒトの介在、例えば:1の植物の花粉を収集し、この花粉を第2の植物の花柱または柱頭と接触させ;受精を起こすために、自然の自家受粉が妨げられ、他家授粉が起こるように(例えば、雄穂除去によってまたは化学除雄剤の適用によって)植物のおしべまたは葯を除去、破壊または被覆するヒトの手および/または行動によって行うまたは促進し;「監督受粉」の位置にヒトが受粉昆虫を置く(例えば、果樹園または圃場にミツバチの箱を置くまたは受粉昆虫と一緒に植物を囲いに入れることによって;植物の部分をヒトが開放または除去して、外来の花粉が花柱または柱頭に付くまたは接触させることによって(例えば、交配受粉を妨害または防ぐ花を自然に有するダイズにおいては、ヒトの介在なしに自家受粉因子を自然に課している);植物を選択的に置く(例えば、植物を受粉近接に意図的に置く)ことによって;および/または化学薬品を適用して開花を促進するまたは(花粉に対する柱頭の)感受性を促進することによって、交配受粉を行い得る。
【0062】
ジカンバ除草剤の適用に耐性であるダイズ植物は、配列番号:1および配列番号:2の配列を含むヌクレオチド分子を含む事象MON87708植物を自家受粉することによって生成し、それによってついで子孫植物に生育する種子を生成することによって生成し得る。その場合、これらの子孫植物は、ジカンバ除草剤で処理して、ジカンバ除草剤に耐性である子孫植物について選抜し得る。あるいは、これらの子孫植物は事象MON87708 DNAを含む子孫植物について選抜する診断方法を用いて分析し得る。この方法を実施することにおいては、1の植物自体で交配する、すなわち自家受粉する工程は、ヒトの介在、例えば植物の花粉をヒトの手によって収集し、この花粉を同じ植物の花柱または柱頭と接触させ、ついで所望により植物のさらなる受精を妨げることによって;受精を起こすために自然の異花受粉が妨げられ自家受粉が起こるように他の近くの植物のおしべまたは葯を除去し、破壊し、または被覆するヒトの手および/または行動によって;(例えば、植物単独と受粉昆虫とを囲いに入れることによって)「監督受粉」のための位置に受粉昆虫をヒトが置くことによって;自家受粉を許容する花またはその部分のヒトの操作によって;植物を選択的に置く(受粉の近接を超えて植物を意図的に植栽する)ことによって;および/または、化学薬品を適用して開花を促進するまたは(花粉用の柱頭の)受容性を促進することによって、行うまたは促進し得る。
【0063】
これらの方法によりおよびこれらの方法によって生成される子孫ダイズ植物および種子は、他のダイズ植物とは異なるであろう。なぜならば、例えば子孫ダイズ植物および種子は:組換え体であり、それ自体がヒトの介在によって創製され;ジカンバ除草剤耐性であり;本発明のトランスジーンDNAからなる少なくとも1の対立遺伝子を含み;および/または配列番号:1および配列番号:2よりなる群から選択される検出可能な量のポリヌクレオチド配列を含むからである。種子は個々の子孫植物から選抜し得、種子が配列番号:1および配列番号:2を含む限り、それは本発明の範囲内に入る。
【0064】
本発明の実施においては、2のトランスジェニック植物を交配して、2の独立して分離する異種遺伝子を含む雑種子孫を生成し得る。適当な子孫の自家受粉は、両方の遺伝子について異種である植物を生成することができる。親植物への戻し交配および非トランスジェニック植物との外部交配も栄養繁殖であるから意図される。異なる特性および作物に一般的に使用される他の方法の記載は、幾つかの参考文献のうちの1、例えば、Fehr,Breeding Methods for Cultivar Development,Wilcox J.編,American Society of Agronomy,Madison WI (1987)に見出し得る。
【0065】
本明細書に開示する方法に使用する植物および種子は、1またはそれを超えるさらなるトランスジーンも含み得る。かかるトランスジーンは、限定されるものではないが、かかるさらなるトランスジーンを欠くダイズ植物に関して測定する、高められた昆虫抵抗性、高められた水使用効率、高められた収量能力、高められた渇水耐性、高められた種子品質、改善された栄養品質、および/または高められた除草剤耐性を含む望ましい特性を含む望ましい特性を付与するタンパク質またはRNA分子をコードするいずれのヌクレオチド配列ともし得る。
【0066】
したがって、本発明の方法は、数ある中でも、農業的または研究目的のダイズ事象MON87708の種子および/または植物部分を生成するために植物を生育させながら圃場の雑草を制御し、植物育種または研究目的のためにダイズ事象MON87708の子孫を選抜し、およびダイズ事象MON87708の子孫植物および種子を生成するのに有用である。
【0067】
本発明の植物、子孫、種子、植物細胞、植物部分(花粉、胚珠、莢、花、根または茎組織、および葉のような)および商品は、DNA組成、遺伝子組成および/またはタンパク質発現について評価し得る。かかる評価は、PCR、ノザンブロッティング、サザン分析、ウェスタンブロッティング、免疫沈降、およびELISAのようないずれかの標準的方法を用いることによって、または本明細書に記載する検出方法および/または検出キットを用いることによって行い得る。
【0068】
試料中のダイズ事象MON87708のダイズ細胞、組織、種子または植物由来のDNAの存在を検出する方法を提供する。1の方法は、(i)少なくとも1のダイズ細胞、組織、種子または植物からDNA試料を抽出し、(ii)DNA増幅に適当な条件下でDNA試料と事象MON87708 DNAからのアンプリコンを生成することができるプライマー対とを接触させ、(iii)DNA増幅反応を行い、ついで(iv)アンプリコン分子を検出しおよび/またはアンプリコンのヌクレオチド配列が配列番号:1−8よりなる群から選択されるもののような事象MON87708に特異的なヌクレオチド配列を含むことを確認する、ことからなる。アンプリコンは、配列番号:1または配列番号:2を含むアンプリコンのような、事象MON87708に特異的であるものとすべきである。アンプリコン中の事象MON87708に特異的なヌクレオチド配列の検出は、試料中のダイズ事象MON87708特異的DNAの存在の決定要素および/または診断である。DNA増幅に適用な条件下で事象MON87708 DNAからアンプリコンを生成することができるプライマー対の例を配列番号:10−11として提供する。他のプライマー対は当業者により容易に設計され得、配列番号:6の少なくとも1のフラグメントを含む。試料中のダイズ事象MON87708のダイズ細胞、組織、種子または植物に由来するDNAの存在を検出するもう1の方法は、(i)少なくとも1のサイズ細胞、組織、種子または植物からDNA試料を抽出し、(ii)DNA試料と事象MON87708 DNAに特異的なDNAプローブとを接触させ、(iii)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でプローブおよびDNA試料をハイブリダイズさせ、ついで(iv)プローブとターゲットDNA試料との間のハイブリダイゼーションを検出することからなる。事象MON87708 DNAに特異的であるDNAプローブの配列の一例を配列番号:11として提供する。他のプローブは当業者により容易に設計され得、配列番号:6の少なくとも1のフラグメントを含む。DNA試料に対するハイブリダイゼーションの検出は、試料中のダイズ事象MON87708特異的DNAの存在の診断である。あるいは、ハイブリダイゼーションの不存在は、試料中のダイズ事象MON87708特異的DNAの不存在の診断である。
【0069】
試料中のダイズ事象MON87708 DNAの同定に有用であるDNA検出キットを提供し、それは、適当な事象DNAを含むダイズ植物を育種する方法にも適用し得る。かかるキットは、配列番号:1−8のフラグメントを含むDNAプライマーおよび/またはプローブを含む。かかるキットの1の例は、試料中のトランスジェニック・ダイズ事象MON87708由来のDNAの存在および/または不存在を検出するのに有用なDNAプローブとして機能する配列番号:6の連続するヌクレオチドの十分な長さの少なくとも1のDNA分子を含む。トランスジェニック・ダイズ事象MON87708由来のDNAは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および/または配列番号:8を含む。DNAプローブとして使用するのに十分なDNA分子を提供し、それは、配列番号:11として提供する試料中のダイズ事象MON87708 DNAの存在および/または不存在を決定、検出または診断するのに有用である。他のプローブは当業者により容易に設計され得、配列番号:6の少なくとも15の連続するヌクレオチドを含み、事象由来のDNAを同定するためにダイズ事象MON87708 DNAに対して十分にユニークである。他の型のキットは、試料中のトランスジェニック・ダイズ事象MON87708由来のDNAの存在および/または不存在を検出するのに有用なアンプリコンを生成するのに有用なプライマー対を含む。かかるキットは、ターゲットDNA試料と本明細書に記載したプライマー対とを接触させ、ついで、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7および/または配列番号:8を含むアンプリコンを生成するのに十分な核酸増幅反応を行い、ついでアンプリコンの存在および/または不存在を検出することを含む方法を用いる。かかる方法は、アンプリコンまたはそのフラグメントを配列決定することも含み得、それは、ターゲットDNA試料中のダイズ事象MON87708 特異的DNAの存在の決定要素、すなわち診断である。他のプライマー対は当業者によって容易に設計され得、配列番号:6の少なくとも15の連続するヌクレオチドを含み、事象に由来するDNAを同定するためにダイズ事象MON87708 DNAに対して十分にユニークである。
【0070】
核酸増幅は、熱的増幅方法を含む当該技術分野で知られている種々の核酸増幅方法のいずれかによって行い得る。これらの方法によって生成するアンプリコンを検出し、定量し、および/または配列決定するための多くの技術が、当該技術分野で知られている。本発明を実施するのに有用な1の例示的な技術は、TAQMAN(登録商標)(PE Applied Biosystems,Foster City,CA)である。
【0071】
本発明のキットおよび検出方法は、数ある中で、ダイズ事象MON87708を同定し、ダイズ事象MON87708を含む植物品種または雑種を選抜し、試料中のトランスジェニック・ダイズ事象MON87708由来のDNAの存在を検出し、およびダイズ事象MON87708の存在および/または不存在について試料またはダイズ事象MON87708由来の植物部分をモニターするのに有用である。
【0072】
ダイズ事象MON87708(ATCC PTA−9670として寄託した代表的な種子試料を含む)ダイズ事象MON87708からの異種DNAインサート、接合配列またはフランキング配列の配列は、本明細書に提供する配列由来のプライマーを用いて事象からかかる配列を増幅し、つづいてアンプリコンのまたはクローニングしたDNAの標準的なDNAシークエンシングによって証明(および、必要ならば修正)し得る。
【0073】
本明細書中で用いる「含む」なる用語は、「含むがそれに限定されない」ことを意味する。
【0074】
以下の実施例は本発明のある種の好ましい実施形態の例を示すために含まれる。本発明の実施において本発明者らが見出したアプローチを以下に示す実施例に開示した技術が本発明の実施においてよく機能し、したがってそれを実施する好ましいモードの例を構成することは当業者によって理解される。しかしながら、当業者であれば、本明細書の開示に鑑みて、開示されている特定の実施態様に多くの変更を作成することができ、なお、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく似たまたは同様の結果を得ることができることは理解される。
【実施例】
【0075】
実施例1:ダイズA3225の形質転換およびMON87708事象の選抜
ダイズ植物MON87708は、ダイズのアグロバクテリウム媒介形質転換によって生成した。ダイズ細胞を形質転換し、インタクトなダイズ植物に再生し、植物の集団から植物発現カセットの一体性を示し、ジカンバに対して抵抗性を示した個々の植物を選抜した。この集団から、ダイズ植物事象MON87708を選抜し、特徴付けした。
【0076】
トランスジェニック・ジカンバ耐性ダイズ植物MON87708を、形質転換ベクターPV−GMHT4355を用いてダイズ分裂組織のアグロバクテリウム−媒介形質転換を介して開発した。カルスを利用せずに形質転換植物を生成する方法は、米国特許第6,384,301号(出典明示して本明細書の一部とみなす)に記載されている。簡単には、分裂組織を発芽したA3525ダイズ種子(Asgrow,St Louis,MO)の子房から取り出した。ベクターを担うアグロバクテリウムと同時培養した後に、分裂組織をグリホセート(Monsanto,St Louis,MO)、カルベニシリン二ナトリウム塩、セフォタキシム・ナトリウム塩、およびトリカルシリン二ナトリウム塩/クラブラネート・カリウム塩混合物を含む選択培地に置いて非形質転換植物細胞およびアグロバクテリウムの生育を阻害した。ついで、分裂組織をシュートおよび根の発生を誘導する培地に置いた。正常な表現型特徴を有する発根した植物を選抜し、生育のために土壌に移し、さらに評価した。
【0077】
上記した形質転換から創製したR0植物を生育のために土壌に移し、ついで自家受粉させてR1種子を生成した。R1世代を生成するためにR0植物をつづいて自家受粉する間に、T−DNA I(dmo発現カセット)およびT−DNA II(cp4 epsps発現カセット)の非リンク挿入は分離した。グリホセートの非致死用量をR1植物に適用した。小さな傷害を有する植物をさらなる分析について選抜し、一方、傷害を示さない植物、すなわちT−DNA II(cp4 epsps発現カセット)を含む植物をつづく発達から排除した。つづいて、単一のT−DNA Iインサート(すなわち、dmo遺伝子カセット)のみを含むR0植物を同定した。T−DNA I発現カセットは、タバコ・エッチ・ウイルス(L−TEV)のRNA転写物由来のDNAリーダーに作動可能に連結し;ピサム・サティバム(Pisum sativum)からのリブロース1,5−二リン酸カルボキシラーゼ小ユニット(SSU)からのN−末端クロロプラスト・トランジット・ペプチドをコードするDNA分子(TS−RbcS−3C)に作動可能に連結し;ピサム・サティバムからのリブロース1,5−二リン酸カルボキシラーゼ小ユニット(SSU)からの成熟タンパク質の部分(CR−RbcS−3C)に作動可能に連結し;ステノトロホモーナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)からのジカンバ・モノオキシゲナーゼ(DMO)をコードするDNA分子に作動可能に連結し(シュードモーナス・マルトフィリアはDMO遺伝子のソースの元の名称である。このソース生物はその後、キサントモーナス・マルトフィリアとしてまず再分類され、ついでステノトロホモーナス・マルトフィリアとして再分類された);ピサム・サティバムのリブロース1,5−二リン酸カルボキシラーゼ小サブユニット遺伝子由来の3' UTR DNA分子(T-Ps.RbcS2-E9)に作動可能に連結した、二重のエンハンサー領域を含むピーナッツ・クロロティック・ストリーク・ウイルス(PCISV)プロモーター(PCISV.FLt−enh)を含む。植物を、TaqMan、PCR分析および除草剤噴霧を含む分析技術の組合せによって選抜した。MON87708事象をその優れた表現型特徴、包括的分子プロフィール分析およびその望ましいハプロタイプ関連に基づいてほぼ2,400の個々のトランスジェニック事象の中から選択した。ついで、事象MON87708を事象89788(グリホセート耐性)と交配した。この交配の子孫をジカンバ(Clarity(登録商標),BASF,Research Triangle Park,NC)、グリホセート(Roundup WeatherMAX(登録商標)、Monsanto Co.,St Louis,MO)またはジカンバとグリホセートとの組合せで処理した。処理は、植物3成長ステージ(V3)の植物前、植物後、および再生1ステージ(R1)の植物後に行った。処理した植物は、植栽前除草剤処理については処理後(DAT)14日に、VEステージの出芽後処理3日に、およびR1ステージの出芽後処理の3日行った。除草剤(またはその複数)は表1に示すようにエーカー当たり種々の比率で適用した。%阻害測定値は反復実験の平均を表す。
【0078】
【表1】

【0079】
ジカンバ耐性トランスジーンは、ほぼマップ・ポジション143.5の連鎖群9にダイズ事象MON87708中でマップされた。関連するハロタイプ・ウィンドウ19743および19767は収量、成熟度、高さまたは倒伏に対して効果を有していない。ハプロタイプ関連情報を表2に示す。GM A92205は事象MON87708を示す。
【0080】
【表2】

【0081】
実施例2:ダイズ植物MON87708のゲノムおよびフランキング配列に挿入したDNAを詳細な分子分析によって特徴付けした。これらの分析は:インサート配列、挿入数(ダイズゲノム内の組み入れ部位の数)、コピー数(1の遺伝子座内のトランスジーンDNAのコピー数)、挿入した遺伝子カセットの一体性、フランキング配列、およびダイズゲノムのハプロタイプ領域と挿入の関連を含む。
【0082】
植物発現カセットのインタクトなコード領域およびその対応する調節エレメント、プロモーター、イントロン、およびポリアデニル化配列を含む分子DNAプローブを用いた。
分析は、MON87708が1コピーの発現カセットと単一トランスジーンDNAの挿入を含むことを示した。インバースPCRおよびDNA配列分析を行って、5'および3'インサートから植物ゲノムへの接合部を決定し、インサートナウのエレメントの構成を確認し、ついでダイズ植物MON87708中のインサートの完全なDNA配列を決定した(配列番号:5として提供する)。ゲノム中に図1に示す連結したトランスジーン遺伝子エレメントを含み、ジカンバに抵抗性であるダイズ植物は本発明の態様である。
【0083】
MON87708中のトランスジーンDNA挿入に隣接する配列を、Ochmanら,1990 (PCR Protocols:A guide to Methods and Applications,Academic Press,Inc.)に記載されているインバースPCRおよび/またはゲノム・ウォーカー法を用いて決定した。植物ゲノムDNAはA3235および標準的な温室条件下で生育させた組織からのトランスジェニック・ダイズ系統の両方から単離した。ほぼ1グラムの若葉の組織を液体窒素と合し、乳鉢および乳棒を用いて微粉体にすり潰した。製造業者のプロトコルに従って、Nucleon(商標)PhytoPure(商標)Genomic DNA 抽出キット(RPN8511,Amersham,Piscataway,NJ)を用いてDNAを抽出した。最終沈殿工程の後に、DNAを0.5mlのTE(10mMのTris-HCl、pH8.0、1mMのEDTA)に再懸濁した。この方法は当業者により修飾してダイズのいずれの組織からもDNAを抽出し得、それには限定されるものではないが、種子が含まれる。アリコートのDNAを、トランスジーンDNAの制限分析に基づいて選択した制限エンドヌクレアーゼを用いて消化した。制限フラグメントのセルフ・ライゲーション後に、トランスジーンDNAの5'および3'末端から伸長する配列を増幅する、トランスジーンDNA配列から設計したプライマーを用いてPCRを行った。PCR産物をアガロース・ゲル電気泳動によって分離し、QIAGENゲル精製キット(Qiagen,Valencia,CA)を用いて精製した。標準的なDNAシークエンシング・プロトコルを用いて二次的DNA産物を直接配列決定した。発現カセットトランスジーンDNAの右側ボーダー配列に伸長する5'フランキング配列を配列番号:3として示す([C],図1参照)。発現カセットトランスジーンDNAの左側ボーダー配列に伸長する3'フランキング配列を配列番号:4として示す([D],図1参照)。A3525ゲノミックDNAに完全に組み込まれた発現カセットDNAの部分を配列番号:5として示す([E],図1参照)。
【0084】
単離したDNA分子の配列をトランスジーンDNA配列と比較して、フランキング配列および同時に単離したトランスジーンDNAフラグメントを同定した。発現カセット存在の確認は、推定フランキング配列データおよび公知のトランスジーンDNA配列に基づいて設計したプライマーを用いたPCRによって行った。形質転換系統においてトランスジーンDNAが組み込まれた同一の領域に対応する野生型配列を、MON87708中のフランキング配列から設計したプライマーを用いて単離した。Elongase(登録商標)増幅システム(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いてPCR反応を行った。MON87708中のフランキングDNA配列およびA3525野生型配列を複数のヌクレオチドおよびタンパク質データベースに対して分析した。この情報を用いて植物ゲノムに対するトランスジーンの関係を調べ、挿入部位一体性を探した。フランキング配列および野生型配列を用いて、事象を同定するために用いるTAQMAN(登録商標)エンドポイント・アッセイ用のプライマーを設計した。この情報を用いて接合体アッセイを開発した。
【0085】
実施例3:事象特異的エンドポイントTAQMAN(登録商標)アッセイ
この実施例は、試料中の事象MON87708を同定するために開発した事象特異的エンドポイントTAQMAN(登録商標)熱的増幅法を記載する。事象MON87708特異的エンドポイントTAQMAN(登録商標)法で有用な条件の例は、以下のとおりである:工程1:18メグオームの水を最終体積10μlに調節した。工程2:5.0μlの2xUniversal Master Mix(dNTPs,酵素,緩衝液)を1x最終濃度に調節した。工程3:0.5μlの事象プライマー-1(SQ13570)および事象プライマー-2(SQ13571)混合物(18メグオームの水に各プライマー最終濃度20μMで再懸濁した)を1.0μM最終濃度とし(例えば、遠心管に以下のものを添加して500μlの最終濃度20μMを添加すべきである:100μlのプライマーSQ13570(配列番号:9)、最終濃度100μM;100μlのプライマーSQ13571(配列番号:10)、最終濃度100μM; 300μlの18メグオーム水)。工程4:0.2μlの事象6-FAM(商標)MGBプローブPB4655(18メグオーム水に再懸濁して10μM(配列番号:11)ないし0.2μMの最終濃度とした。工程5:0.5μlの内部対照プライマー-1および内部対照プライマー-2混合物(18メグオーム水に再懸濁して、各プライマーについて20mMの濃度とした)を1.0μMの最終濃度とした。工程6:0.2μlの内部対照VIC(商標)プローブを0.2μMの最終濃度(18メグオーム水に再懸濁して10mMの濃度とした)。工程7:以下のものを含む各々を用いた各試料についての3.0μlの抽出したDNA(テンプレート) 1.分析すべき葉試料; 2. 陰性対照(非-トランスジェニックDNA); 3. 陰性水対照(テンプレート含まず); 4. 陽性対照MON87708 DNA。工程8:サーマルサイクラー条件は以下のとおりである:50℃にて2分間の1サイクル;95℃にて10分間の1サイクル;-1℃/サイクルでの95℃にて15秒間の10サイクルにつづく64℃にて1分間の10サイクル;95℃にて15秒間につづく54℃にて1分間の30サイクル;10℃の最終サイクル。
【0086】
エンドポイント・アッセイに用いたDNAプライマーはプライマーSQ13570(配列番号:9)、SQ13571(配列番号:10)、および6-FAM(商標)標識プローブPB4655(配列番号:11)である。6-FAM(商標)はDNAプローブに結合したApplied Biosystems(Foster City,CA)の蛍光色素の商標である。TAQMAN(登録商標)MGB(商標)プローブに関しては、Taq DNAポリメラーゼの5'エンドヌクレアーゼ活性が、フルオロフォアとクエンチャーとの環で5'-末端からプローブを切断する。ターゲットDNA鎖にハイブリダイズした場合、クエンチャーおよびフルオロフォアは蛍光シグナルを発生するのに十分に離れており、したがって蛍光を放出する。PB4655 (配列番号:11)とこれらの反応法と一緒に使用した場合、SQ13570(配列番号:9)およびSQ13571(配列番号:10)は、事象MON87708 DNAの診断であるDNAアンプリコンを生成する。この分析の対照は、事象MON87708 DNAを含むダイズからの陽性対照、非-トランスジェニック・ダイズからの陰性対照、およびテンプレートDNAを含まない陰性対照を含む。さらに、PCR反応の対照は、グリシン・ゲノム中の単一のコピー遺伝子に特異的な内部対照プローブを含む。当業者であれば、グリシン・ゲノム中の単一コピー遺伝子に特異的なプライマーをどのように設計するかがわかるであろう。これらのアッセイは、Applied Biosystems GeneAmp(登録商標)PCR システム9700(最大速度で運転)またはMJ Research DNA Engine PTC-225サーマルサイクラーのいずれかを用いて使用するために最適化する。事象MON87708 DNAを同定するアンプリコンを製造する他の方法および装置は、当業者であればわかるであろう。
【0087】
発現カセットの存在を示すR0植物は、完全に成熟した植物に発達させた。ジカンバ耐性トランスジーン・カセットの配列に基づいて設計したプローブを用いてサザンブロットをプローブして連鎖を決定した。R0植物は、サザン分析およびエンドポイントTAQMAN(登録商標)の組合せを用いて、発現カセットのコピー数についても評価した。接合生殖性アッセイは、事象を含む植物が事象DNAについて同型接合であるか;すなわち、染色体対の各染色体の同一の部分に外因性DNAを含むか;あるいは、事象DNAについて異型接合であるか、すなわち、染色体対の1のみに外来性DNAを含むか;あるいは事象DNAについて特徴のない、すなわち野生型であるかを決定するのに有用である。エンドポイントTAQMAN(登録商標)サーマル増幅法を用いて、事象MON87708についての接合生殖性アッセイも開発した。本実施例では、試料中の事象MON87708の接合生殖性を決定するために開発した事象特異的エンドポイントTAQMAN(登録商標)を記載する。このアッセイには3のプライマー・アッセイを用い、プライマーSQ20632(配列番号:12)は挿入した外因性DNAおよびゲノミックDNAの3'接合部に特異的にハイブリダイズして伸長し、プライマーSQ20636(配列番号:13)は挿入した外因性DNAの3'末端に隣接するDNAに特異的にハイブリダイズして伸長し、プライマーSQ20637(配列番号:14)は挿入した外因性DNAを組み入れたゲノミックDNAに特異的にハイブリダイズし、伸長する。3のプライマーは事象についての診断である。本実施例においては、挿入した外因性DNAのコピーが存在する場合には診断となるプライマーSQ20636 (配列番号:13)およびプライマーSQ20632(配列番号:12)ならびに6-FAM(商標)−標識オリゴヌクレオチド・プローブPB10130(配列番号:15)が、挿入した外因性DNAのコピーが存在する場合の診断である。本実施例においては、SQ20636(配列番号:13)およびプライマーSQ20637(配列番号:14)ならびにVIC(商標)−標識オリゴヌクレオチド・プローブPB10131(配列番号:16)が、ゲノミックDNAに存在する挿入した外因性DNAのコピー、すなわち野生型が存在する場合の診断である。3のプライマーおよび2のプローブを、事象MON87708について同型接合である植物から抽出したDNAと一緒にPCR反応に混合すると、事象MON87708について同型接合である植物の指標および診断である6-FAM(商標)-標識オリゴヌクレオチド・プローブPB10130 (配列番号:15)からのみの蛍光シグナルが存在した。3のプライマーおよび2のプローブを、事象MON87708について異型接合である植物から抽出したDNAと一緒にPCR反応に混合すると、事象MON87708,6-FAM(商標)-標識オリゴヌクレオチド・プローブPB10130(配列番号:15)および事象MON87708について異型接合である植物の指標および診断であるVIC(商標)-標識オリゴヌクレオチド・プローブPB10131(配列番号:16)の両方からの蛍光シグナルが存在する。3のプライマーおよび2のプローブを、事象MON87708について特徴がない植物(すなわち、野生型)から抽出したDNAと一緒にPCR反応に混合すると、事象MON87708について特徴がない植物(すなわち、野生型)の指標および診断であるVIC(商標)-標識オリゴヌクレオチド・プローブPB1013 (配列番号:16)のみからの蛍光シグナルが存在する。この方法で有用な条件は以下のとおりである。工程1:18メグオームの水を10μlの最終体積に調節する。工程2:5.0μlの2xUniversal Master Mix(Applied Biosystems,カタログ番号4304437;dNTP、酵素、緩衝液)を1x最終濃度にする。工程3:0.5μlの接合生殖性プライマーSQ20632、SQ20636、SQ20637(各プライマーについて18メグオームの水に20μMの濃度に再懸濁する)を1.0μMの最終濃度とする。工程4:0.2μlの6-FAM(商標)プローブPB10130(配列番号:15)(18メグオームの水に10μMの濃度に再懸濁する)を0.2μMの最終濃度とする。工程5:0.2μlのVIC(商標)プローブPB10131(配列番号:16)(18メグオームの水に10μMの濃度に再懸濁する)を0.2μMの最終濃度とする。工程6:各々以下のものを含む3.0μlの各試料の抽出DNA(テンプレート) 1. 分析すべき葉試料(水に希釈した4−80ngのゲノミックDNA);2.陰性対照(非-トランスジェニック・ダイズDNA;水に希釈した4ng);3.陰性水対照(テンプレートなし;DNAを再懸濁した溶液);4.公知の異型事象からの陽性対照MON87708ゲノミックDNA(水中に希釈した4ng);5. 4. 公知の同型事象からの陽性対照MON87708ゲノミックDNA(水中に希釈した4ng)。工程7:ゆっくりと混合。工程8:Applied Biosystems GeneAmp(登録商標)PCRシステム9700(最大速度で運転)またはMJ Research DNAエンジンPTC-225サーマルサイクラーを用いる場合のサーマルサイクラー条件は以下のとおりである:50℃にて2分間の1サイクル;95℃にて10分間の1サイクル;(95℃にて15秒間、ついで64℃にて1分間(-1℃/サイクル)の10サイクル;(95℃にて15秒間、ついで54℃にて1分間)の30サイクル;任意のさらなる10ないし20サイクル(95℃にて15秒間、ついで64℃にて1分間(-1℃/サイクル);エンドポイントTaqMan(登録商標)分析の間により相異する集団分離を提供し得る; 10℃にてホールドを1サイクル。
【0088】
実施例4:いずれかのMON87708育種活性における事象MON87708の同定
以下の実施例は、ダイズ事象MON87708を用いていずれかの育種活性の子孫内のMON87708事象をどのようにして同定し得るかを記載する。
【0089】
DNA事象プライマー対を用いて、ダイズ事象MON87708についての診断であるアンプリコンを生成する。MON87708についての診断であるアンプリコンは、配列番号:1または配列番号:2または配列番号:7または配列番号:8として提供する少なくとも1の接合配列を含む。MON87708についての診断アンプリコンを生成する事象プライマー対は、フランキング配列および挿入した発現カセットに基づいたプライマー対を含む。配列番号:1が見出される診断アンプリコンを獲得するために、配列番号:3の塩基1ないし1126に基づく順方向プライマー分子および挿入した発現カセットDNA配列(配列番号:5、ポジション1ないし3003)に基づく逆方向プライマー分子を設計し、ここにプライマー分子は配列番号:3および配列番号:5に特異的にハイブリダイズする十分な長さの連続するヌクレオチドのものである。配列番号:2が見出される診断アンプリコンを獲得するために、挿入した発現カセットDNA配列(配列番号:5のポジション1ないし3003)に基づく順方向プライマー分子および3'フランキング配列(配列番号:4の塩基131ないし1947)に基づく逆方向プライマー分子を設計し、ここに、プライマー分子は、配列番号:4および配列番号:5に特異的にハイブリダイズするの十分な長さの連続するヌクレオチドのものである。実施目的のために、例えば100ないし1000塩基の、限定したサイズ範囲のアンプリコンを生成するプライマーを設計するべきである。一般的に、より小さいサイズ(より短い長さのポリヌクレオチド)のアンプリコンは、PCR反応においてより信頼性が高く製造し得、より短いサイクル時間を許容し、アガロース・ゲル上で簡単に分離および視覚化し得、あるいはエンドポイントTAQMAN(登録商標)−様アッセイにおける使用に適合し得る。より短いアンプリコンは、DNAアンプリコン検出の技術分野で知られている方法によって生成および検出し得る。また、プライマー対を用いて生成したアンプリコンは、ベクターにクローニングし、繁殖させ、単離し、および配列決定し得、あるいは当該技術分野で確立された方法を用いて直接的に配列決定し得る。MON87708またはその子孫のアンプリコン診断を精製するDNA増幅法に有用である配列番号:3および配列番号:5の組合せまたは配列番号:4および配列番号:5の組合せ由来のいずれのプライマー対は本発明の態様である。MON87708またはその子孫のアンプリコン診断を生成するDNA増幅法に有用である配列番号:3の少なくとも11の連続するヌクレオチドを含むいずれの単一の単離したDNAポリヌクレオチド・プライマー分子またはその相補体は、本発明の態様である。MON87708またはその子孫のアンプリコン診断を生成するDNA増幅に有用である配列番号:4の少なくとも11の連続するヌクレオチドを含むいずれの単一の単離したDNAポリヌクレオチド・プライマー分子またはその相補体は、本発明の態様である。MON87708またはその子孫のアンプリコン診断を生成するDNA増幅法に有用である配列番号:4の少なくとも11の連続するヌクレオチドを含むいずれの単一の単離したDNAポリヌクレオチド・プライマー分子またはその相補体は、本発明の態様である。MON87708またはその子孫のアンプリコン診断を生成するDNA増幅法に有用である配列番号:5の少なくとも11の連続するヌクレオチドを含むいずれの単一の単離したDNAポリヌクレオチド・プライマー分子またはその相補体は、本発明の態様である。
【0090】
この分析の増幅条件の例を実施例3に示す。しかしながら、これらの方法のいずれの修飾または配列番号:3または配列番号:4に相同性または相補的なDNAプライマーまたはMON87708のアンプリコン診断を生成するMON87008のトランスジーン・インサート(配列番号:5)に含まれる遺伝子エレメントのDNA配列の使用は当該技術分野の範囲内にある。診断アンプリコンは、少なくとも1のトランスジーン/ゲノミック接合DNA(配列番号:1または配列番号:2または配列番号:7または配列番号:8)に相同性または相補的なDNA分子、またはそれらの実質的部分を含む。
【0091】
事象MON87708植物組織試料の分析は、事象MON87708からの陽性組織対照、事象MON87708ではないダイズ植物からの陰性対照(例えば、限定されるものではないが、A3525)、およびダイズ・ゲノミックDNAを含まない陰性対照を含むべきである。内因性ダイズDNA分子を増幅するプライマー対は、DNA増幅条件の内部対照として作用する。さらなるプライマー配列は、DNA増幅法の当業者によって配列番号:3、配列番号:4または配列番号:5から選択し得、実施例3に示す方法によるアンプリコンの生成に選択する条件は異なり得るが、事象MON87708 DNAのアンプリコン診断を生じ得る。実施例3の方法に対する修飾を含むこれらのDNAプライマー配列の使用は、本発明の範囲内にある。
【0092】
DNA検出キットは、DNA増幅法で用いた場合にMON87708の診断アンプリコンまたはその子孫を生成する、配列番号:3、配列番号:4または配列番号:5由来の十分な長さの連続するヌクレオチドの少なくとも1のDNAプライマーを含み、本発明の態様である。DNA増幅法で試験した場合にMON87708のアンプリコン診断を生成するMON87708ダイズ植物、植物部分、植物細胞、種子または商品は、本発明の態様である。MON87708アンプリコンのアッセイは、Applied Biosystems GeneAmp(登録商標)PCRシステム9700(最大速度で運転)またはMJ Research DNA Engine PTC-225サーマルサイクラーまたは実施例3に示したMON87708のアンプリコン診断を生成するために用い得るいずれか他の増幅システムを用いることによって行い得る。
【0093】
前記に開示し、特許請求の範囲に引用しているダイズ事象MON87708の代表的な試料の寄託は、ブダペスト条約の下、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)(10801 University Boulevard,Manassas,VA. 20110)になされている。この寄託のATCC受託番号はPTA−9670である。寄託は、30年間、または最後の請求後5年間、または特許権の有効期間のうち最長の期間、寄託機関で維持され、この機関の間に必要に応じて置換される。
【0094】
本発明の原理を説明および記載したが、かかる原理を逸脱することなく配置および詳細を修飾し得ることは当業者であれば明らかであろう。本発明者らは、添付する特許請求の範囲の意図および範囲の中に入るすべての修飾を特許請求する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号:1−8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド分子を含む組換えDNA分子およびその相補体。
【請求項2】
ダイズ植物、植物細胞または種子のゲノミックDNAに外来性核酸分子を挿入することによって形成する請求項1に記載の組換えDNA分子。
【請求項3】
ATCC PTA−9670として寄託されている代表的な試料であるトランスジェニック・ダイズ事象MON87708に由来する請求項1記載の組換えDNA分子。
【請求項4】
ATCC PTA−9670として寄託されている代表的な試料であるダイズ事象MON87708に由来するダイズ植物、植物細胞、種子、植物部分、または商品中に存在する請求項1記載の組換えDNA分子。
【請求項5】
事象MON87708に由来するDNAの存在の診断であるアンプリコンである請求項1記載の組換えDNA分子。
【請求項6】
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1−8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むDNA分子とハイブリダイズするが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1−8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含まないDNA分子にはハイブリダイズしないDNAプローブとして機能する、配列番号:6の十分な長さの連続するヌクレオチド配列のヌクレオチド配列を有するヌクレオチド分子を含むDNA分子およびその相補体。
【請求項7】
第1のDNA分子および第1のDNA分子とは異なる第2のDNA分子からなる一対のDNA分子であって、ここに、該第1および第2のDNA分子の各々が、事象MON87708由来のDNAと増幅反応に一緒に使用した場合に試料中のダイズ事象MON87708 DNAの診断であるアンプリコンを生成するDNAプライマーとして機能する、配列番号:6の十分な長さの連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列を有するヌクレオチド分子およびその相補体を含む該一対のDNA分子。
【請求項8】
試料中のダイズ事象MON87708に由来するDNA分子の存在を検出する方法であって:
a.試料と請求項6記載のDNAプローブとを接触させ;
b.該試料および該DNAプローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に付し;ついで
c.該試料中のDNA分子への該DNAプローブのハイブリダイゼーションを検出することを含み、ここに、該DNA分子への該DNAプローブのハイブリダイゼーションが該試料中にダイズ事象MON87708由来のDNA分子の存在を示す該方法。
【請求項9】
試料中のダイズ事象MON87708に由来するDNA分子の存在を検出する方法であって:
a.試料と請求項7記載の一対のDNA分子とを接触させ;
b.配列番号:1−8よりなる群から選択される配列を含むDNAアンプリコンおよびその相補体を生成するのに十分に増幅反応を行い;ついで
c.該反応物中の該DNAアンプリコンの存在を検出することを含み、ここに、該反応物中の該DNAアンプリコンの存在が該試料中のダイズ事象MON87708由来のDNA分子の存在を示す該方法。
【請求項10】
ダイズ事象MON87708由来のDNAの存在を検出するのに特異的なDNAプライマーまたはプローブとして機能する、配列番号:6の十分な長さの連続するヌクレオチド配列のヌクレオチド配列を含む少なくとも1のDNA分子およびその相補体を含むDNA検出キットであって、ここに、該DNAの検出が試料中の該事象MON87708 DNAの存在の診断である該キット。
【請求項11】
配列番号:1−8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するヌクレオチド分子またはその相補体を含む組換えダイズ植物、その種子、細胞または植物部分。
【請求項12】
該植物、その種子、細胞または植物部分がジカンバ除草剤処理に対して耐性である請求項11記載の組換えダイズ植物、その種子、細胞または植物部分。
【請求項13】
そのゲノムが、DNA増幅法で試験した場合に、配列番号:1−8よりなる群から選択されるDNA分子またはその相補体を含むアンプリコンを生成する請求項11記載の組換えダイズ植物、その種子、細胞または植物部分。
【請求項14】
ATCC受託番号PTA−9670で寄託されている代表的な試料であるダイズ事象MON87708に由来するダイズ植物または種子。
【請求項15】
ダイズ事象MON87708由来の少なくとも1の親を有する雑種である請求項14記載のダイズ植物または種子。
【請求項16】
配列番号:1−8よりなる群から選択される組換えDNA分子およびその相補体を含む、生きていない植物材料。
【請求項17】
配列番号:1−8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するヌクレオチド分子およびその相補体を含む微生物。
【請求項18】
植物細胞である請求項17記載の微生物。
【請求項19】
配列番号:1−8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するヌクレオチド分子およびその相補体を含む商品。
【請求項20】
全種子または加工した種子、動物飼料、油、粗びき粉、穀粉、フレーク、ブラン、ミルク、チーズ、紙、クリーム、ワイン、バイオマスおよび燃料製品よりなる群から選択される請求項19記載の商品。
【請求項21】
圃場にダイズ事象MON87708植物を植栽し、ついで、有効用量のジカンバ除草剤を適用して該ダイズ事象MON87708植物を傷害することなく該圃場において雑草を制御することを含む圃場における雑草を制御する方法。
【請求項22】
該有効用量のジカンバ除草剤がエーカー当たり約0.005ポンドないし約8ポンドである請求項21記載の方法。
【請求項23】
有効用量のジカンバ除草剤を適用して圃場における雑草を制御し、ついで、該圃場にダイズ事象MON87708を植栽することを含む圃場において雑草を制御する方法。
【請求項24】
該有効用量のジカンバ除草剤がエーカー当たり約0.005ポンドないし約8ポンドであり、該ダイズ事象MON87708を植栽することが該有効用量のジカンバ除草剤の適用の14日以内である請求項23記載の方法。
【請求項25】
有害な雑草種の種子を実質的に含まないダイズ種子を生成する方法であって、
a.圃場にダイズ事象MON87708の種子を植栽し;
b.該圃場に有効用量のジカンバ除草剤を適用して、該ダイズ事象MON87708植物を傷害することなく該圃場における有害な雑草を死滅させ;ついで
c.該圃場からダイズ種子を収穫する
ことを含む該方法。
【請求項26】
該有害な雑草種の種子が、カルダリア・エスピーピー(Cardaria spp)、ヘリオトロピウム・エスピーピー(Heliotropium spp)、センタウレア・エスピーピー(Centaurea spp.)、セネシオ・エスピーピー(Senecio spp.)、クロタラリア・エスピーピー(Crotalaria spp.)、ソラナム・エスピーピー(Solanum spp.)、キサンチウム・エスピーピー(Xanthium spp.)、アムシンキア・エスピーピー(Amsinckia spp.)、カッシア・エスピーピー(Cassia spp.)、セスバニア・エスピーピー(Sesbania spp.)、ダチュラ・エスピーピー(Datura spp.)、リチナス・エスピーピー(Ricinus spp.)、アルゲモネ・エスピーピー(Argemone spp.)、コルコラス・エスピーピー(Corchorus spp.)、イムポモエ・エスピーピー(Impomoea spp.)およびエチウム・エスピーピー(Echium spp.)よりなる群から選択される請求項25記載の方法。
【請求項27】
ジカンバ除草剤の適用に耐性を示すダイズ植物を生成する方法であって:
a.配列番号:1−8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するヌクレオチド分子およびその相補体を含むトランスジェニック・ダイズ事象MON87708植物と第2のダイズ植物とを交配し;
b.該交配から生成した種子を収集し;
c.該種子を生育させて複数の子孫植物を生成し;
d.該複数の子孫植物をジカンバで処理し;ついで
e.ジカンバに対して耐性である子孫植物を選抜する
ことを含む該方法。
【請求項28】
ジカンバ除草剤の適用に耐性を示すダイズ植物を生成する方法であって:
a.配列番号:1−8よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するヌクレオチド分子およびその相補体を含むトランスジェニック・ダイズ事象MON87708植物を自家受粉し;
b.該自家受粉から生成した種子を収集し;
c.該種子を生育させて複数の子孫植物を生成し;
d.該複数の子孫植物をジカンバで処理し;ついで
e.ジカンバに対して耐性である子孫植物を選抜する
ことを含む該方法。
【請求項29】
ダイズ事象MON87708植物または種子の接合生殖性を決定する方法であって:
a.ダイズDNAを含む試料と、配列番号:12、配列番号:13および配列番号:14を含むプライマー・セットならびに配列番号:15および配列番号:16を含むプローブ・セットとを接触させ;
b.該試料、プライマー・セットおよびプローブ・セットを用いて核酸増幅反応を行い;
c.該核酸増幅反応物中の、事象MON87708の診断である第1の蛍光シグナル、および該第1の蛍光シグナルとは異なり、かつ、事象MON87708トランスジーンの挿入の部分に対応する天然のダイズ・ゲノミックDNAの診断である第2の蛍光シグナルを検出し;ついで
d.該核酸増幅反応物中の該第1の蛍光シグナルおよび該第2の蛍光シグナルの存在および/または不存在を分析し、ここに、両方の蛍光シグナルの存在が該試料が事象MON87708について異型接合であり、該第1の蛍光シグナルのみの存在が該試料が事象MON87708について同型接合であることを示す
ことを含む該方法。
【請求項30】
ジカンバ耐性遺伝子を含み、かつ、さらにハロタイプ・ウィンドウ19743および19767によってさらに規定される、ほぼマップ・ポジション143.5の連鎖群9上のダイズ・ハプロタイプ領域。

【図1】
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【公表番号】特表2013−505020(P2013−505020A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529778(P2012−529778)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/046759
【国際公開番号】WO2011/034704
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(501231613)モンサント テクノロジー エルエルシー (71)
【Fターム(参考)】