説明

ダイナミック信号処理のための方法と装置

ダイナミック信号処理に、一例示的実施形態において、高速のスワイプイメージスキャナを備えつけるための方法および装置。ダイナミック信号処理は、スキャナのデータ収集モジュールの前を通過する、たとえば、バーコードなどのデータフォームの移動速度を決定することを備える。次に、移動速度に基づき、信号処理方法をデータフォームに適用する。データフォームをデコードするために使用される、選択された信号処理方法の複雑性は、データフォームの検出された移動速度に基づき、選ばれ得る。代わりの実施形態において、二つ以上のアルゴリズムは、同時に、処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイナミック信号処理、およびより詳細には、高速スワイプイメージスキャナのためのダイナミック信号処理に関する。
【背景技術】
【0002】
(本発明の背景)
世界中で販売されている製品を識別するための多くの規格がある。たとえば、製品は、統一商品コード(UPC)および/または欧州統一商品番号(EAN)に委託される。これらの多くのコードによって、企業は、製品およびメーカーを識別し、膨大な在庫を維持し、同様なシステムの下における広範囲の種々の製品およびその他の多くの機能を管理する。製品のUPCまたはEANは、プリントされ、ラベル付けされ、エッチングされ、または他の場合には、データフォームとして製品に添付される。
【0003】
データフォームは、製品を識別するために使用され得る任意の印であり、たとえば、データフォームは、バーコード、二次元コード、製品上のマーク、ラベル、署名、符号などであり得る。たとえば、バーコードなどのデータフォームは、一連の異なる幅の明るいおよび暗い長方形領域から構成される。明るいおよび暗い領域は、UPCの数を表すために配置され得る。さらに、データフォームは、製品に限定されない。それらは、人、場所などを識別するために使用され得る。
【0004】
いくつかのデータフォ−ムは、他のものよりデコードするのがより困難である。データフォームは、輸送時に損傷され得、データフォ−ムは、ごみのためノイズがあり得る。その他の困難なコードは、スーパー切断バーコード(super truncated barcodes)を含み、それらのバーコードは、縦方向が非常に短いバーコードである。切断コードは、長くて平らな対象物、たとえば、鉛筆上で使用される。さらに、情報を二次元でコード化するデータフォームがある。困難なデータフォームは、また、署名またはイメージを備える。
【0005】
たとえば、バーコードスキャナなどのデータフォームをデコードし得るスキャナは、非常に一般的になってきた。スキャナの一つのカテゴリは、高速スワイプスキャナである。これらのスキャナは、毎秒50インチの速度で、それらのリーダーを通過してスワイプされるバーコードなどのデータフォームをデコードし得る。高速スワイプスキャナは、従来レーザー技術に焦点を当てたが、イメージスキャナもまた、高速スワイプ構成において使用され得る。
【0006】
公知の高速スワイプイメージスキャナは、毎秒50インチでそのリーダーを通過するデータフォ−ムを処理し得るが、コードを迅速に処理するために、単純な信号処理アルゴリズムが使用される。単純な信号処理アルゴリズムは、一次元バーコードを効果的にクリアにデコードし得るが、それらは、ノイズコード、損傷コード、切断コード、二次元コード、署名、イメージなどの困難なデータフォ−ムを読み取り得ない。従って、高速処理アルゴリズムが装備された従来の高速スワイプイメージスキャナは、困難なコードを読み取るために使用され得ない。困難なコードを処理し得る、より高度なアルゴリズムがあるが、それらは、完了するために、より多くの時間または非常に強力なコンピュータを必要とする。データフォ−ムは、スワイプスキャナを高速に通過し移動するので、高度なアルゴリズムを使用するための十分な時間がない。
【0007】
時には、データフォームは、より遅い速度でスワイプスキャナを通過し移動する。これらの状況において、困難なデータフォームをデコードするための高度なアルゴリズムを使用する十分な時間がある。残念ながら、単純な信号処理アルゴリズムを装備した公知の高速スワイプイメージスキャナは、付加的な時間の利点を利用し得なく、困難なデータフォームをデコードしない。従って、データフォームをダイナミックに処理することによって広範囲のデータフォームをデコードし得るスワイプスキャナのニーズが存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(本発明の概要)
本明細書に記述され、特許請求の範囲を主張される本発明は、このニーズおよびその他のニーズを満足し、このことは、本明細書の教示から明らかである。本発明の実施形態は、たとえば、高速スワイプイメージスキャナにおけるダイナミックな信号処理のための方法および装置を含む。
【0009】
高速スワイプイメージスキャナは、その視野内の映像を連続的に取り込む。本発明の例示的実施形態において、データフォームは、スキャナの視野内を通過するとき、スキャナは、データフォームを検出し、たとえば、速度などのデータフォームの移動速度を決定する。次に、スキャナは、データフォームの移動速度に基づき、データフォームをデコードするために信号処理アルゴリズムを選択する。
【0010】
いくつかの実施形態において、データフォームが高速で移動し、所定の移動速度以上である場合、第1のたとえば速い信号処理アルゴリズムが、データフォームをデコードするために使用され得る。あるいは、データフォームが低速で移動または静止し、所定の移動速度またはそれ以下である場合、第2、たとえば、より時間集約的なアルゴリズムがデータフォームをデコードするために使用され得る。
【0011】
代わりの実施形態において、第1の信号処理アルゴリズムは、データフォームの移動速度を決定する前にキャプチャしたイメージの少なくともある部分に適用される。第1信号処理アルゴリズムがフェイルした場合、スワイプスキャナは、データフォームの移動速度を決定し、データフォームが0と「X」との間またはそれらを含む所定の移動範囲内で移動する場合、(ここで、「X」は閾移動速度を表し、スワイプスキャナは第2アルゴリズムを使用する十分な時間を有する)、次に第2アルゴリズムがデータフォ−ムに適用される。
【0012】
さらに、本発明のいくつかの実施形態は、二つのアルゴリズムに限定されない。完了までに異なる時間を要するいくつかの信号処理に関連して、いくつかの所定の移動範囲があり得る。データフォームの動作速度によって、アルゴリズムの一つがデータフォームをデコードするために使用される。
【0013】
本発明の代わりの実施形態は、ダイナミック信号処理の方法を提供する。ダイナミック信号処理において、たとえば、スキャナなどのデータ収集デバイスは、第1および第2処理アルゴリズムを同時に適用する。第1アルゴリズムは、次のイメージをキャプチャする前に完了するように設計され、一方、第2アルゴリズムは、所定のイメージを分析するのにより多くの時間を使う。
【0014】
別の実施形態において、速いスワイプイメージスキャナの動作は、監視デバイスとして機能するために「逆」にされ得る。たとえば、夜通しすなわち店が閉鎖されているとき、イメージスキャナは、動きを検出するために配置され得る。スキャナは、視野内のイメージを連続してキャプチャし、イメージに描かれる対象物の移動速度を決定する。次に、スキャナは、対象物の移動速度に基づき、動作を開始する。
【0015】
動作は、たとえば、可聴ノイズ、当局へのコールおよび/またはオーナーへの警報であり得るが、これらに限定されない。警報は、いくつかの実施形態において、電話、移動対象物のサンプルイメージから成るページおよび/またはeメールであり得る。
【0016】
スキャナによってなされる動作のタイプは、種々にわたり得、いくつかの例示的実施形態においては、検出された動作速度に基づく。たとえば、動きがわずかの場合、イメージスキャナは、後の検査のために単にイメージをセーブし得る。動きがより大きい場合、イメージスキャナは、イメージをセーブし、当局に警報するように構成され得る。さらに、スキャナは、たとえば、アニメ化のウィンドウディスプレイなどの移動対象物がスキャナからの動作を開始しないように予想される動きを無視するようにプログラムされ得る。
【0017】
本発明のその他の目的および特徴は、添付図面と共に考慮して、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、図面は、例示的目的のみであり本発明の範囲を限定する意図がないことが理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(例示的実施形態の詳細な説明)
ダイナミック信号処理のための方法と装置のいくつかの例示的実施形態は、添付の図面に関連し、ここで示され、記述される。
【0019】
本発明に従ってインプリメントされる例示的な高速スワイプイメージスキャナは、データフォ−ムの移動速度に基づき、データフォームデーコーディングのために、信号処理アルゴリズムをダイナミックに選ぶ。一実施形態において、データフォームが多数の動きを示す場合、スキャナは、データフォ−ムをデコードするために高速で単純なアルゴリズムを使用するが、データフォームが、ほとんどまたは全く動きを示さない場合、スキャナは、より高度なアルゴリズムを使用する。ほとんどまたは全く動きを有しないデータフォームは、速く動くデータフォ−ムより長い時間、スキャナの視界内に留まる。スキャナは、困難なデータフォームをキャプチャし、デコードするために、データフォームが視界から消える前、利用可能な付加的な時間を使用する。従って、長時間および短時間とは、データフォームがスキャナの視界から消える前に利用可能な時間を言い得る。
【0020】
別の実施形態において、スキャナは、通過するデータフォームを試し、デコードするために、単純なアルゴリズムを最初に使用する。単純なアルゴリズムがフェイルした場合、スキャナは、より高度なアルゴリズムを使用する十分な時間を有するかどうかを判定するために、データフォームの移動速度を決定する。データフォームの動きが、動きの所定の範囲内である場合、スキャナは、高度なアルゴリズムを使用してデータフォームをデコードすることを試みる。この実施形態において、スキャナは、単純なアルゴリズムがフェイルした後、または同時に、データフォーム移動速度を決定する。
【0021】
本発明の追加の実施形態において、スキャナは、同時にデータフォームをデコードするために、二つ以上のアルゴリズムを使用する。第1アルゴリズムは、単純で高速なアルゴリズムで、一方、第2アルゴリズムは、より高度で、時間集約的アルゴリズムである。第1アルゴリズムは、どのイメージも少なくとも第1アルゴリズムによってデコードされるように、スキャナが次のイメージをキャプチャする前に完了するように設計され、一方、第2アルゴリズムは、より少ないイメージを完了し、分析するためにより長い時間をかける。従って、スキャナは、速く動く単純なデータフォームを第1アルゴリズムを使用してデコードし、また、より遅い速度で動く、より困難なデータフォームを第2アルゴリズムを使用してデコードし得る。
【0022】
代わりの実施形態において、スキャナは、監視モードにおいて動作し得る。スキャナは、動きを検出するようにセットされ、予期しない対象物の移動速度に基づき、移動対象物のイメージをセーブすること、オーナーとコンタクトすること、および/または当局にコールすることなどのある動作を実施するようにプログラムされ得る。
【0023】
従って、本発明の例示的高速スワイプイメージスキャナは、スキャナの高速スワイプの機能性を犠牲にすることなく、困難なコードのデコーディングおよび監視モードを含むように、高速スワイプイメージスキャナの機能性を拡張する。
【0024】
図1を参照すると、データ収集モジュール100を備えるデバイス101の例示的ブロック図が示される。デバイス101は、例示的実施形態において、チェックアウトカウンター、ハンドヘルドスキャナ、モバイルコンピュータなどであり得る。データ収集モジュール100は、非限定例示的実施形態において、スワイプスキャナモジュール100であり得る。スワイプスキャナ100は、デバイス101に統合され得る。さらに、データ収集モジュール100は、デバイス101内にあるように例示されているが、代わりの実施形態において、データ収集モジュール100は、有線または無線でデバイス101に連結された別のモジュールであり得る。たとえば、一実施形態において、データ収集モジュール100は、キャッシュレジスタに連結されたコンバーティブルなハンドヘルド/固定式スキャンガンであり得る。
【0025】
スワイプスキャナ100は、バス125によって互いに連結された、処理ユニット105、スキャンモジュール115、メモリ120および通信インタフェース110を備える。データ収集モジュール100のモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ハードウェアエミュレートソフトウェア、および再プログラミングハードウェアの任意の組み合わせとしてインプリメントされ得る。バス125は、本発明の異なるモジュールのインタオペラビリティを示す例示的バスである。設計選択の問題として、二つ以上のバスでが存在し得、いくつかの実施形態において、あるモジュールは、バス125への連結の代わりに直接に連結され得る。
【0026】
処理ユニット105は、例示的実施形態において、一つ以上の中央処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、としてインプリメントされ得る。実施形態において、処理ユニット105は、ソフトウェアおよびメモリ120に記憶された生(raw)のイメージデータを処理する汎用CPUを備え得る。別の実施形態において、処理ユニット105のモジュールは、たとえば、信号処理、インタフェ−スエミュレーション、などの機能を実行するためにプレプログラムされ得る。代わりの実施形態において、処理ユニット105の一つ以上のモジュールは、メモリ120からの異なる処理でロードされ得るFPGAとしてインプリメントされ得、複数の機能を実行し得る。処理ユニット105は、上記のプロセッサの任意の組み合わせを備え得る。
【0027】
スキャンモジュール115は、一例示的実施形態において、光学モジュール130、およびセンサモジュール135および照明モジュール130を備えるカメラ115としてインプリメントされ得る。光学モジュール130は、たとえば、カメラ115のレンズ130であり得る。いくつかの実施形態において、光学モジュール130は、二つ以上のレンズおよび/または二つ以上の焦点が付いたレンズから構成され得る。さらに、光学モジュール130は、レンズに限定されず、任意のプリズムおよび/またはイメージキャプチャに適したその他の光学媒体が、光学モジュール130をインプリメントするために使用され得る。
【0028】
センサモジュール135は、一例示的実施形態において、電荷結合素子(CCD)としてインプリメントされ得る。CCD135は、処理のためディジタルフォーマットでイメージを記録する。代わりの実施形態において、イメージをキャプチャする任意のセンサは、たとえば、CMOS半導体などのセンサモジュール135をインプリメントするために使用され得る。照明モジュール145は、一つの非限定の例示的実施形態において、一つ以上の発光ダイオード(LED)145としてインプリメントされ得る。他の照明媒体は、代わりの実施形態において使用し得る。
【0029】
メモリ120は、揮発性メモリ、不揮発性メモリおよび、たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)および/またはフラッシュメモリなどの再書き込み可能メモリとしてインプリメントされ得る。メモリ120は、信号処理方法150、電力管理方法155、インタフェース方法160および監視方法170などのスワイプスキャナ100を動作するために使用される方法および処理を記憶する。メモリ120は、また、生のイメージデータおよび/または処理されたイメージデータを記憶するために使用され得る。
【0030】
スキャンモジュール115は、スキャナ100の視野内のイメージを連続的にキャプチャする。イメージは、信号処理方法150によって分析され、イメージ統計は、イメージから引き出される。スワイプスキャナ100は、たとえば、ターゲットのデータフォームがキャプチャされたイメージであるときなどの情報を決定するためにイメージ統計を使用する。ターゲットのデータフォームが検出されたとき、本発明の例示的イメージスワイプスキャナ100は、データフォームをデコードするためにダイナミック信号処理方法165を使用する。例示的ダイナミック信号処理方法のステップは、図2〜図4を参照して以下に記述される。
【0031】
イメージスワイプスキャナオペレータは、毎秒50インチの速さでスキャナ100を通過する対象物をスワイプし得る。従って、イメージスワイプスキャナ100は、毎秒多くの画像を取り込み、スワイプされたデータフォームを検出およびデコードするために、これらの画像をすばやく分析しなければならない。従って、高速で単純なアルゴリズムは、イメージスワイプスキャナ用に有利である。残念ながら、単純なアルゴリズムは、損傷したコードまたは署名などの困難なデータフォームをデコードし得ないため、スキャナの機能性を制限する。
【0032】
スワイプスキャナがデータフォームの読取りをフェイルした場合、対象を再びスワイプし、および/またはより遅い速度でスワイプし、または対象をスキャナまで持っていくことが自然の傾向である。これらの場合、イメージスキャナは、データフォームをデコードするための追加の時間を有し、より高度で、時間集約的なアルゴリズムが、データフォームを試み、デコードするために使用され得る。従って、データフォームの移動速度は、最適な信号処理アルゴリズムをダイナミックに選ぶために使用され得る。たとえば、より高度で時間のかかるアルゴリズムが、ゆっくりと動くデータフォームをデコードするために使用される。
【0033】
一例示的実施形態において、データフォームの移動速度は、一連のイメージからイメージ統計における差を使用するダイナミック信号処理方法165によって決定される。移動速度は、データフォームの速度であり得、データフォームの速度は、データフォームが二つの連続したイメージ間で動く距離、または二つの連続したイメージ間の差の統計的決定、またはデータフォームの移動速度を決定するための任意のその他方法から決定され得る。いくつかの実施形態において、外部の速度検出器は、スキャナ100がデータフォームを読取る前にデータフォームの速度を決定するために使用され得る。代わりの実施形態において、移動速度分析のために使用されるイメージは、時間的に隣接よりはむしろ時間的に近くあり得る。
【0034】
データフォームが速く動いている場合、第1信号処理方法166は、データフォームをデコードするために使用される。この実施形態において、第1信号処理アルゴリズムは、速く完了され得る単純アルゴリズムである。データフォームがゆっくりと動いている場合、スワイプスキャナ100は、第2信号処理アルゴリズム167を使用する。このアルゴリズム167は、第1アルゴリズム166より時間がかかるが、データフォームがゆっくりと動くので、スワイプスキャナ100は、データフォームがスキャナ100の視野を出る前に、データフォームをキャプチャおよびデコードするためのより多くの時間を有する。第2アルゴリズム167は、ノイズコード、切断コード、損傷コードなどのより困難なデータフォームをデコードする能力がある。
【0035】
代わりの実施形態において、ダイナミック信号処理方法165は、第1信号処理アルゴリズム166および第2信号処理アルゴリズム167の両方を使用してキャプチャされたイメージを同時に処理する。この実施形態において、第1信号処理アルゴリズム166は、スキャナによって取込まれたあらゆる画像をデコードし、より悪いケースのシナリオにおいて、次の画像がキャプチャされる前に完了するように設計される。第2信号処理アルゴリズム167は、より少ないイメージをデコードし、各イメージにより多くの時間をかける。アルゴリズム間の処理は、分割および単一の処理ユニットによって同時に処理され得、他の実施形態において、スキャナは、二つの独立した処理ユニットを有し得る。
【0036】
データ収集モジュール100は、種々の言語で通信する異なるデバイス101のためのモジュールとしてインプリメントされ得る。従って、データ収集モジュール100は、デコードされたデータフォームをデータ収集モジュール100とインタフェ−スするデバイス101の言語に翻訳するインタフェース方法160を備える。異なるインタフェースは、ユニバーサルシリアルバス(USB)、スキャナエミュレーション、IBMキーボードウェッジ、SSIインタフェースなどを含む。
【0037】
電力管理方法155は、スワイプスキャナ100によって使用される電力を管理する。いくつかの実施形態において、スワイプスキャナ100は、パワーセーブモードに切換え得、このとき所定の時間の間どの活動も検出されない。パワーセーブモードは、スキャナ100を完全に停止し得、あるいは、パワーセーブモードは、イメージキャプチャ速度を落とすかまたは他のパワーセーブ技術を開始し得る。
【0038】
スワイプスキャナ100は、また、イメージスワイプスキャナを監視デバイスとして動作させる監視方法170を備える。たとえば、店におけるスワイプスキャナ100は、夜間または店が閉まっているときはいつでも、セキュリティモードに切換え得る。動きが検出されたとき、スワイプスキャナ100は、動作を実行するようにプログラムされる。スキャナ100は、動きが検出されたレベルに基づき異なる動作を実行するようにプログラムされ得る。たとえば、動きがわずかな場合、スキャナ100は、後の検査のためにイメージをセーブするようにプログラムされ得る。検出された動きが中位レベルの場合、スキャナは、携帯電話またeメールでオーナーにコンタクトし、オプションで検出された動きの画像を送る。動きが大きい場合、スキャナ101は、当局にコールしオーナーにコンタクトするようにプログラムされ得る。
【0039】
図1の例示的実施形態は、信号処理方法150の一部としてダイナミック信号処理方法165を例示し、別のコンポーネントとして、電力管理方法155、インタフェース方法160および監視方法170を例示するが、これらの方法は、この構成に限定されない。本明細書に記述された各方法の全体または部分は、別のコンポーネントであり得、コンポーネントをインタオペレートおよびシェアし得る。さらに、方法は、メモリ120に描かれているが、代わりの実施形態において、方法は、処理ユニット105に、常時または不定に組込まれ得る。いくつかの実施形態において、スキャンモジュール115は、データ収集モジュール100から分離され得、データ収集モジュールは、汎用コンピュータおよびソフトウェアを使用してインプリメントされ得る。
【0040】
メモリ120は、図1に単一のモジュールとして例示されているが、いくつかの実施形態において、スワイプスキャナ100は、二つ以上のメモリモジュールを備え得る。たとえば、上記の方法は、別のメモリモジュールに記憶され得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、イメージの処理速度を増加させるために、信号処理方法150は、全体または部分的にFPGAに転送され得る。FPGAは、スキャンモジュール115から生のイメージデータを入手し、イメージ統計を生成する。イメージ統計は、たとえば、データフォームがイメージに存在するかどうかを決定するなど、さらなる処理のために、メモリに生のイメージデータと共に記憶される。イメージ処理のいくつかをFPGAに転送することによって、スワイプスキャナ100が、イメージ内のデータフォームの場所を約1ミリ秒で決定できるようにする。ハードウェア支援の信号処理に関するさらなる情報は、2004年7月29日に出願され、Symbol Technologies Inc.に譲渡された、発明の名称「Point−of−Transaction Workstation for Electro−Optically Reading One−Dimensional and Two−Dimensional Indicia by Image Capture」の米国特許出願第10/901,515号に見つけられ得、その全内容は、参考のため、本明細書に援用される。
【0042】
図2は、本発明に従って、ダイナミック信号処理をインプリメントするための方法200の例示的実施形態を示す。スワイプスキャナ100の参照は、方法200の記述においてなされる。ダイナミック信号処理方法200は、開始ステップ205から始まる。例示的実施形態において、方法200は、スワイプスキャナ100および/またはデバイス101の電源が入れられたとき、開始する。デバイス101および/またはスワイプスキャナ100は、また、動作の前に、診断を実行し得る。
【0043】
処理は、ステップ210に進み、そこでは、スワイプスキャナ100は、イメージを連続的にキャプチャおよび分析する。一例示的実施形態において、生のイメージデータは、メモリ120に記憶され、信号処理方法150は、処理ユニット105の制御の下で、生のイメージデータからイメージ統計を引き出す。イメージ統計は、スワイプスキャナ100に対して、データフォームまたは対象がイメージに存在するかどうかを示す。
【0044】
代わりの実施形態において、キャプチャされたイメージは、FPGAに転送され、イメージ統計を決定するルーチンを用いてFPGAにロードされる。イメージ統計の生のイメージは、次に、メモリ120に記憶され、信号処理方法150は、処理ユニット105の制御の下で、データフォームまたは他のターゲットの対象物がイメージ統計からのイメージに存在するかどうかを決定し得る。
【0045】
ステップ215に進むと、データフォームがキャプチャされたイメージ処理において検出されない場合、ステップ210に戻り、そこで、スワイプスキャナは、イメージを取込みし続ける。ステップ215に戻ると、データフォームが検出された場合、処理は、ステップ220に進む。ステップ220において、第1信号処理アルゴリズムは、検出したデータフォームに適用される。例示的実施形態において、第1信号処理アルゴリズムは、速く完了され得る単純なアルゴリズムである。第1アルゴリズムは、従来のバーコードなどのデータフォームを処理し得るが、ノイズコード、損傷コード、切断コード、二次元コード、署名またはイメージなどのより困難なデータフォ−ムを処理するほど十分に高度ではない。代わりの実施形態において、処理はステップ210から220に直接に進み、そこでは、第1アルゴリズムはキャプチャされたイメージに適用される。
【0046】
処理は、ステップ225に進み、そこでは、スワイプスキャナ100は、第1アルゴリズム166が成功したかどうかが判定される。第1アルゴリズム166が成功した場合、処理はステップ255に進み、そこで、デコードされたデータはさらに処理される。たとえば、データは、デバイス101が解釈し得る言語に翻訳され得る。たとえば、スワイプスキャナ100が、USB接続を介してキャッシュレジスタに付加される場合、デコードされたデータフォ−ムは、ステップ255において、シリアル形式に翻訳され、通信インタフェース110を介してデバイスに通信される。ステップ255に続いて、方法200の処理は、ステップ260に進み、そこで、方法は、ステップ210に戻り、スワイプスキャナ100は、次のデータフォームを処理する用意ができている。
【0047】
ステップ225に戻ると、第1アルゴリズムが成功しなかった場合、処理は、ステップ225からステップ230に進み、そこで、スワイプスキャナ100は、たとえばデータフォームのような速度の移動速度を決定する。上記のとおり、データフォームの速度は、連続したイメージ間のデータフォームの移動から決定され得る。あるいは、連続したイメージ間の統計的変化は、データフォームの移動速度のための測定規準として使用され得る。データフォームの移動速度が決定された後に、処理は、ステップ230からステップ235に進む。代わりの実施形態において、移動速度決定ステップ230は、第1アルゴリズムと同時に実行され得る。その実施形態において、第1アルゴリズムが成功した場合、データフォームの速度は、無視または別の目的に使用されるが、第1アルゴリズムがフェイルした場合、データフォームの速度は、ステップ235への用意ができている。
【0048】
ステップ235において、スワイプスキャナ100は、データフォームの速度が所定の移動範囲内にあるかどうかを判定する。より詳細には、データフォームが、0と「X」を含むその間の速度で移動する場合、処理は、ステップ240に進むが、データフォームの速度が、「X」を超える場合、処理は、ステップ250に進む。「X」は、第2アルゴリズム167が完了するに要する時間に基づき選ばれた所定値であり得る。換言すると、データフォームが、「X」より速く移動する場合、スワイプスキャナ100は、より時間集約的アルゴリズム167を実行するに十分な時間を有しない。
【0049】
データフォ−ムの速度が、0と「X」との間にない場合、処理は、ステップ250に進み、そこで、スワイプスキャナ100は、データフォームをデコードしない。いくつかの実施形態において、スワイプスキャナ100は、なにもしないで、ステップ260においてステップ210に戻るが、他の実施形態において、スワイプスキャナ100は、フェイル信号を通信インタフェース110に送信、もしくは、可聴フェイルインディケータをスワイプスキャナ100のオペレータに発し得る。デバイス101は、オペレータにフェイルを可聴音または画面上のメッセージで警報を発するようにプログラムされ得る。さらに、スキャナ100および/またはデバイス101は、オペレータに対して、より遅い速度で再度試みるように、もしくはデータフォ−ムをスキャナ100までもっていくように命令し得る。
【0050】
ステップ235に戻ると、データフォームの速度が0および「X」またはその間にある場合、処理は、ステップ240に進み、そこで、第2信号処理アルゴリズム167は、データフォームに適用される。第2アルゴリズム167は、より時間がかかるが、困難なコードをデコードするほど十分に高度である。ステップ240からステップ245に進むと、第2アルゴリズムの処理が不成功である場合、処理は、フェイルステップ250に進み、ステップ260においてステップ210に戻る。いくつかの実施形態において、スキャナ100および/またはデバイス101は、異なるフェイルトーンまたはメッセージを使用し得る。ステップ245に戻ると、第2アルゴリズムが成功する場合、処理はステップ245から処理ステップ255へ進み、次に、ステップ260においてステップ210に戻る。
【0051】
方法200および本明細書に記述された他の方法は、例示的であり、ステップの順序は、設計選択の問題として再配置され得る。
【0052】
方法200は、二つの信号処理アルゴリズムを備えるが、本発明は、二つの信号処理アルゴリズムに限定されない。図3は、複数の使用可能な処理方法から選ぶために、スワイプスキャナ100によって使用され得る表300を例示する。列305は、データフォームがその中に入る速度範囲を備え、列310は、その範囲に対応するアルゴリズムを備える。一般に、データフォームの動きがゆっくりであればあるほど、対応するアルゴリズムは、より高度で、時間のかかるものであり得る。
【0053】
方法200の実施形態において、イメージスキャナは、データフォームがその中に入る速度範囲を決定し、対応するアルゴリズムを適用する。行320に示されるようにより詳細には、データフォームの速度が、0および「A」またはその間にある場合スワイプスキャナ100は、データフォームをデコードするためにアルゴリズム2を使用する。データフォームの速度が、「A」を超え、「B」以下である場合、スワイプスキャナ100は、データフォームをデコードするためにアルゴリズム3を使用する。データフォームの速度が、「B」を超える場合、スワイプスキャナ100は、第1信号処理アルゴリズムを適用する。代わりの実施形態において、スキャナは、デコードフェイルを登録し、オペレータに対して、より遅い速度で再び試みるように求め得る。表300は、必要に応じて多くの範囲およびアルゴリズムを含むように拡張され得る。文字「A」および「B」は、表300の範囲を規定する所定の速度を表す。代わりの実施形態において、それらの文字は、連続したイメージ間の差を測定する統計的測定規準を表し得る。
【0054】
図4は、本発明に従ってインプリメントされた、代わりのダイナミック信号処理方法400を例示する。方法400は、ステップ405において開始し、ステップ410に進む。ステップ410において、スワイプスキャナ100は、イメージを捕捉および分析する。ステップ415に進むと、データフォームがイメージにおいて検出されない場合、処理は、ステップ410に戻るが、データフォームが検出された場合、処理は、ステップ420に進む。
【0055】
ダイナミック信号処理方法200と対照的に、ステップ420における方法400は、信号処理アルゴリズムを検出されたデータフォームに適用する前に、データフォームの移動速度を決定する。スワイプスキャナ100が、データフォームの移動速度を決定した後、処理は、ステップ425に進み、そこで、スワイプスキャナ100は、データフォームの速度が、たとえば、0〜「X」の所定の移動範囲内にあるかどうかを判定する。前述のように、代わりの実施形態において、データフォームの移動速度は、データ収集モジュール100がデータフォ−ムをスキャンする前に、外部の速度測定デバイスによって決定され得る。この測定は、データフォームの速度が所定の移動範囲内にあるかどうかを判定するために、ステップ425において使用され得る。
【0056】
データフォームが所定の移動範囲内にない場合、スワイプスキャナ100は、高度なアルゴリズムを使用する時間を有し得ないので、処理は、ステップ430に進み、そこで、第1のたとえば高速で単純な信号処理アルゴリズム166が、検出されたデータフォームに適用される。ステップ430に続いて、処理はステップ440に進む。
【0057】
ステップ425に戻ると、データフォームが所定の移動範囲内にある場合、スワイプスキャナ100は、高度なアルゴリズムを使用する時間を有するので、処理は、ステップ435に進み、そこで、第2のたとえばより高度な信号処理アルゴリズム167が、検出されたデータフォームに適用される。ステップ430に続いて、処理はステップ440に進む。
【0058】
ダイナミック信号処理方法200と同様に、方法400は、二つの信号処理アルゴリズムに限定されない。表300は、二つ以上の移動範囲および対応する信号処理アルゴリズムを提供するため、改変され、方法400と共に使用され得る。
【0059】
ステップ440において、スワイプスキャナ100は、適用されたアルゴリズムが成功したかどうかを判定する。アルゴリズムが成功しない場合、処理は、フェイルステップ445に進み、ステップ455においてステップ410に戻る。アルゴリズムが成功した場合、処理はプロセスデータステップ450に進み、ステップ455においてステップ410に戻る。
【0060】
図7は、本発明に従ってインプリメントされたダイナミック信号処理方法700の代わりの実施形態を例示し、該実施形態において、データ収集モジュール100、たとえば、スワイプスキャナ100は、二つのアルゴリズムを同時に使用してデータフォームをデコードする。方法700は、たとえば、データ収集モジュールの電源が入れられたとき、ステップ705において、開始する。処理は、ステップ710に進み、そこで、スキャナ100は、イメージを取込み始める。ステップ710に続いて、処理は、並行してステップ715および720に進む。
【0061】
一つのデバイスの中で二つの処理をマルチタスクする多くの方法がある。一つの例示的方法は、連携マルチタスキングを使用することである。連携マルチタスキングにおいて、第1タスクは、処理における論理ブレークポイントに達するまで、処理ユニットたとえば、CPUを使用し、CPUを第2タスクに引渡す。第2タスクは、処理における論理ブレークポイントに達するまで、CPUを使用し、CPUを第1タスクに戻す。CPUは、両方のタスクが完了するまで、タスク間で受け渡しされる。
【0062】
別のマルチタスク方法は、割込み形多重タスキングであり、この場合、各タスクは、CPUに対して所定の時間が与えられる。第1タスクの時間が終了したとき、第1タスクが論理ブレークポイントにない場合であっても、CPUは、第2のタスクに切換えられる。この方法は、より多くの予測可能な処理時間をもたらす。スキャナ100は、二つの信号処理アルゴリズムを同時に処理するために、オペレーティングシステム(OS)および/または、ある他のスケジューリングプログラムを使用する。
【0063】
方法800に戻ると、ステップ715および720においてスキャナは、第1信号処理アルゴリズムと第2信号処理アルゴリズムを同時に処理する。第1信号処理アルゴリズムは、一つの実施形態において、高速で単純なアルゴリズムであり、一方、第2信号処理アルゴリズムは、完了までにより多くの時間がかかるが、より困難なデータフォームをデコードし得るより高度なアルゴリズムである。第1アルゴリズムは、完了までに第2アルゴリズムより少ない時間がかかるので、スキャナ100は、ステップ720〜740を一度実行する時間で、ステップ715〜740を複数回実行し得る。OSは、アルゴリズムの各々の処理を切換える。
【0064】
図8は、例示的処理のタイムラインを示す表800を例示する。表800は、3行から成る。第1行845は、スキャナ100があるフレームを例示する。スキャナ100は、たとえば、毎秒30フレームの速度で、すべてのフレームに画像を取込む。表800は、8フレーム805〜840の処理を例示する。第2行目850は、第1アルゴリズムを完了するために使用される時間を例示する。図8に示されるように、第1アルゴリズムは、スキャナによって取込まれるあらゆるイメージが少なくとも第1アルゴリズムによって処理されるように、各フレーム内で完了するように設計される。第3行目855は、第2アルゴリズムを完了するために使用される時間を例示する。第2アルゴリズムは、第1アルゴリズムより時間集約的である。従って、第2アルゴリズムは、完了するまでに4フレームかかる。第2アルゴリズムは、この例示的実施形態において、フレーム1の805、フレーム5の825、などからのイメージを処理する。
【0065】
任意のフレーム間にあるスキャナの前でスワイプされる単純なデータフォームは、第1アルゴリズムによってデコードされ得るが、困難なデータフォームは、データフォームが例示的表800に例示されるように、4フレームごとの間でスワイプされるとき、デコードされる。データフォームがより遅い速度で動いているかもしくは動いていない場合、データフォームは、より長い時間スキャナ100の視野内に留まり、スキャナ100に対してデータフォームのイメージをキャプチャおよびデコードするためのより多くの時間を与える。従って、スキャナ100は、単純なコードのための高速スワイプ構成において使用され、また、より困難なデータフォームをデコードするために使用され得る。第2アルゴリズムがデコードすべきイメージを得るとき、たとえば、フレーム5の825などのフレーム時にデータフォームがスキャナ100を通過する場合、スキャナ100は、また、困難なデータフォームのための限定された高速スワイプデコーディングを提供し得る。
【0066】
同じデータフォームが、アルゴリズムの一つまたは両方によって数回デコードされ得るので、スキャナは、複数の読取りからの一つのデータフォームを認識するための公知の方法を使用し得る。
【0067】
方法700の記述に戻ると、第1または第2アルゴリズムのいずれかが完了するとき、処理は、ステップ725に進む。完了したアルゴリズムが成功しない場合、処理は、フェイルステップ730に進み、次に、ステップ740において、ステップ710に戻る。アルゴリズムが成功した場合、処理は、処理データステップ735に進み、ステップ740においてステップ710に戻る。方法700の処理は、二つの信号処理アルゴリズムに限定されない。
【0068】
スワイプスキャナ100を有する店が業務の閉鎖のとき、スキャナ100は、監視モードにおいて動作し得る。図5は、本発明の実施形態に従ってインプリメントされる例示的監視方法500を例示する。監視方法500は、たとえば、スイッチをスワイプスキャナモードから監視モードに切換えることによって、ステップ505において開始する。スワイプスキャナは、その視野を増加、および/または夜間視覚モードを使用し得る。
【0069】
ステップ510において、スワイプスキャナ100は、連続的にイメージをキャプチャする。ステップ510に続いて、処理はステップ515に進み、そこで、キャプチャされたイメージは動きに関して分析される。いくつかの実施形態において、スワイプスキャナ100は、動きを検出したとき、動作するようにプログラムされ得るが、他の実施形態において、スワイプスキャナ100は、予期された動きを無視するようにプログラムされ得る。たとえば、アニメーションのウィンドウディスプレイの動きは、キャプチャされたイメージの分析に組込まれ得、次に、動きが予期されているので無視され得る。予期された動きを組込んだ一つの例示的方法は、動き分析を全く動きが予期されない視野のサブフィールドに限定することによる。たとえば、ダイナミックディスプレイを含む領域の視野の動きのある領域は、動き分析外に置かれる。予期されない動きが検出されたとき、処理は、ステップ515からステップ520へ進む。スキャナの視野のサブフィールドを分析することは、予期された動きを組込むことに限定されず、代わりの実施形態において、動き検出は、性能を向上させ、記憶されたイメージサイズを減少させるなどのためにサブフィールドに限定され得る。
【0070】
ステップ520において、スワイプスキャナ100は、予期されない動きが、動きの第1所定範囲内にあるかどうかを判定する。たとえば、0〜「G」である。動きが第1範囲内である場合、処理は、ステップ520からステップ535に進み、そこで、スワイプスキャナは第1動作を実行する。たとえば、変数「G」は、この範囲において検出された動きがわずかであるように、比較的低い値に設定され得る。わずかな動きに関して、スワイプスキャナ100は、後の分析のためにイメージおよび/または映像をセーブするようにプログラムされ得る。ステップ535においてイメージをセーブした後に、方法500は、さらなる監視のために、ステップ540においてステップ510に戻る。
【0071】
ステップ520に戻ると、動きが動きの第1範囲内でない場合、処理はステップ525に進み、そこで、スワイプスキャナ100は、検出された動きが第2移動範囲、たとえば、「G」を超え、「H」以下の範囲内かどうかを判定する。動きが第2範囲内である場合、処理は、ステップ530に進み、そこで、スワイプスキャナ100は第2動作を開始する。この範囲における動きはより大きいので、スワイプスキャナ100は、さらなる動作をとるようにプログラムされ得る。たとえば、スワイプスキャナ100は、検出された動きのイメージをセーブし、次に、イメージをたとえば、eメールで店のオーナーへ送信するようにプログラムされ得る。ステップ530に続いて、方法500は、さらなる監視のために、ステップ540においてステップ510に戻る。
【0072】
ステップ525に戻ると、検出された動きが、第1または第2の移動範囲内にない場合、すなわち「G」を超える場合、動きは、たとえば、強盗であり、潜在的に重大である。この状況において、処理は、ステップ525からステップ537に進み、そこで、スワイプスキャナ100は、たとえば、地元の警察または警備会社などの当局にコンタクトし、動きのイメージを店オーナーにeメールし、可聴アラームを発するようにプログラムされ得る。ステップ537に続いて、方法500は、さらなる監視のために、ステップ540においてステップ510に戻る。
【0073】
前述の実施形態における範囲および動作の数は、例示である。代わりの実施形態においてスワイプスキャナ100は、多くの異なる組合せにおける複数の動作に対応したより多くの移動範囲を有し得る。
【0074】
図6は、例示的システム600を例示し、発明が使用され得る。システム600は、インターネットクラウド605、イメージスキャナ615を備えた店610、警察署630、およびモバイルコンピュータ625を保持する店オーナー620を備える。スワイプスキャナ615は、ある範囲内の動きを検出した場合、スワイプスキャナは、警察630および/または店オーナー620とコンタクトするために、インターネット605およびその他の手段を使用し得る。店オーナー620が、たとえば、ラップトップまたはパーソナルディジタルアシスタント(PDA)などのモバイルコンピュータ625を有する場合、店オーナー620は、そのオーナーの店におけるあらゆる異常な活動が通知される。オーナーは、動きの画像を見て、警報を無視するかまたは当局にコールするべきか決定する。
【0075】
本発明の好適な実施形態に適用されるように、本発明の基本的な新規の特徴が示され、記述され、指摘されているが、開示された発明の形式および詳細における種々の省略および代用および変更が、本発明の精神を逸脱することなく、当業者によってなされ得ることは理解される。従って、本明細書に添付された特許請求の範囲の範囲によって指示されるようにのみ、限定されることが意図されである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図面は、一定の縮尺ではなく、単に例示的であり、同じ参照番号は、いくつかの図全体にわたり、同じエレメントを示す。
【図1】図1は、本発明の実施形態に従ってインプリメントされる例示的データ収集モジュールを例示する。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従ってインプリメントされる例示的ダイナミック信号処理方法を例示する。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従って使用される例示的表を例示する。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態に従ってインプリメントされる第2の例示的ダイナミック信号処理方法を例示する。
【図5】図5は、本発明の実施形態に従ってインプリメントされる例示的監視方法を例示する。
【図6】図6は、本発明の監視実施形態が動作し得る例示的システムを例示する。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態に従ってインプリメントされる代わりの例示的ダイナミック信号処理方法を例示する。
【図8】図8は、本発明の実施形態に従っていくつかの信号処理アルゴリズムによって使用される相対時間量を示す例示的表を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイナミック信号処理の方法であって、該方法は、
データ収集装置の視野内のイメージをキャプチャするステップと、
該データ収集装置の該視野を通過するデータフォームの移動速度を決定するステップと、
該決定された移動速度に基づき信号処理アルゴリズムを適用するステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記データフォームの前記移動速度が所定の移動速度を超えている場合、第1信号処理方法が選択され、該データフォームの該移動速度が該所定の移動速度以下の場合、第2信号処理が選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1信号処理方法は、前記第2信号処理方法より時間がかからない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記データフォームはバーコードである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記データ収集装置は、高速スワイプイメージスキャナであり、該スキャンモジュールは、照明モジュール、センサモジュールおよび光学モジュールを備えるカメラである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
連続キャプチャイメージは、前記データフォームの前記移動速度を決定するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の信号処理アルゴリズムは、前記決定された移動速度に基づき信号処理方法を選択するステップのために利用可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の信号処理アルゴリズムの各々は、移動速度の範囲に関連し、該信号処理アルゴリズムは、前記データフォームの該移動速度に基づき選ばれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
データフォームの移動速度を決定する前記ステップの前に、第1信号処理アルゴリズムを前記イメージの少なくともある部分に適用するステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記決定された移動速度に基づき信号処理アルゴリズムを適用するステップは、前記データフォームの該移動速度が、0と「X」との間を含む所定の移動範囲内にあり、「X」が閾移動速度を表し、前記スワイプスキャナが第2信号処理アルゴリズムを使用する時間を有する場合、該第2アルゴリズムを適用するステップを包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
データフォームの移動速度を決定する前記ステップと同時に、第1信号処理アルゴリズムを前記イメージの少なくともある部分に適用するステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記決定された移動速度に基づき信号処理アルゴリズムを適用するステップは、前記データフォームの該移動速度が、0と「X」との間を含む所定の移動範囲内にあり、「X」が閾移動速度を表し、前記スワイプスキャナが第2信号処理アルゴリズムを使用する時間を有する場合、該第2アルゴリズムを適用することを包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記データフォームをデコードしないステップと、
ユーザーに対して該データフォームをより遅い速度でスキャンするように命令するステップと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
高速スワイプイメージスキャナを使用する監視の方法であって、該方法は、
該スキャナを監視モードにするステップと、
該高速スワイプイメージスキャナの視野内のイメージをキャプチャするステップと、
該イメージの少なくともある部分に描かれた対象物の移動速度を決定するステップと、
該決定された移動速度に基づき動作を開始するステップと
を包含する、方法。
【請求項15】
前記高速スワイプスキャナは、複数の動作から一つの動作を選択する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の動作は、前記検出された動きの前記イメージをセーブし、該イメージを所定の場所に送信するステップを包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の動作の各々は、動作速度の範囲に関連し、該動作は、該移動速度または前記対象物の場所に基づき選ばれる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記高速スワイプスキャナは、ある対象物からの動きを予期するようにプログラムされる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
データ収集装置であって、
処理ユニットと、
スキャンモジュールと、
該データ収集装置において動作する少なくとも一つの処理を記憶するメモリと
を備え、該データ収集装置は、
該データ収集装置の視野内のイメージをキャプチャすることと、
該データ収集装置の該視野を通過するデータフォームの移動速度を決定することと、
該決定された移動速度に基づき信号処理アルゴリズムを適用することと
を行なう、データ収集装置。
【請求項20】
前記データフォームの前記移動速度が所定の移動速度を超えている場合、第1信号処理方法が選択され、該データフォームの該移動速度が該所定の移動速度以下の場合、第2信号処理が選択される、請求項19に記載のデータ収集装置。
【請求項21】
前記第1信号処理方法は、前記第2信号処理方法より時間がかからない、請求項20に記載のデータ収集装置。
【請求項22】
前記データフォームはバーコードである、請求項19に記載のデータ収集装置。
【請求項23】
前記データ収集装置は、高速スワイプイメージスキャナであり、該スキャンモジュールは、照明モジュール、センサモジュールおよび光学モジュールを備えるカメラである、請求項19に記載のデータ収集装置。
【請求項24】
連続キャプチャイメージは、前記データフォームの前記移動速度を決定するために使用される、請求項19に記載のデータ収集装置。
【請求項25】
複数の信号処理アルゴリズムは、前記決定された移動速度に基づき信号処理方法を選択するステップのために利用可能である、請求項19記載のデータ収集装置。
【請求項26】
前記複数の信号処理アルゴリズムの各々は、移動速度の範囲に関連し、該信号処理アルゴリズムは、前記データフォームの該移動速度に基づき選ばれる、請求項25に記載のデータ収集装置。
【請求項27】
前記処理は、データフォームの移動速度を決定する前記ステップの前に、第1信号処理アルゴリズムを前記イメージの少なくともある部分に適用するステップをさらに包含する、請求項19に記載のデータ収集装置。
【請求項28】
前記決定された移動速度に基づき信号処理アルゴリズムを適用するステップは、前記データフォームの該移動速度が、0と「X」との間を含む所定の移動範囲内にあり、「X」が閾移動速度を表し、前記スワイプスキャナが第2信号処理アルゴリズムを使用する時間を有する場合、該第2アルゴリズムを適用するステップである、請求項27に記載のデータ処理装置。
【請求項29】
前記処理は、データフォームの移動速度を決定する前記ステップと同時に、第1信号処理アルゴリズムを前記イメージの少なくともある部分に適用するステップをさらに包含する、請求項19に記載のデータ収集装置。
【請求項30】
前記決定された移動速度に基づき信号処理アルゴリズムを適用するステップは、該データフォームの該移動速度が、0と「X」との間を含む所定の移動範囲内にあり、「X」が閾移動速度を表し、前記スワイプスキャナが第2信号処理アルゴリズムを使用する時間を有する場合、該第2アルゴリズムを適用することを包含する、請求項29に記載のデータ収集装置。
【請求項31】
前記処理は、
前記データフォームをデコードしないステップと、
該データフォームをより遅い速度でスキャンするようにユーザーに対して命令するステップと
をさらに含む、請求項19に記載のデータ収集装置。
【請求項32】
データ収集装置であって、
処理ユニットと、
カメラと、
該データ収集装置において動作する少なくとも一つの監視処理を記憶するメモリとを備え、該データ収集装置は、
該データ収集装置の視野内のイメージをキャプチャすることと、
該イメージの少なくともある部分に描かれる対象物の移動速度を決定することと、
該決定された移動速度に基づき動作を開始すること
を行なう、データ収集装置。
【請求項33】
前記データ収集装置は、複数の動作から一つの動作を選択する、請求項32に記載のデータ収集装置。
【請求項34】
前記複数の動作は、前記検出された動きの前記イメージをセーブし、該イメージを所定の場所に送信することを包含する、請求項33に記載のデータ収集装置。
【請求項35】
前記複数の動作の各々は、動作速度の範囲に関連し、該動作は、該移動速度または前記対象物の場所に基づき選ばれる、請求項33に記載のデータ収集装置。
【請求項36】
前記データ収集装置は、ある対象物からの動きを予期するようにプログラムされた、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
ダイナミック信号処理の方法であって、該方法は、
データ収集装置の視野内のイメージをキャプチャするステップと、
第1信号処理アルゴリズムを該キャプチャされたイメージに適用し、同時に第2信号処理アルゴリズムを該キャプチャされたイメージに適用するステップと
を包含する、ダイナミック信号処理の方法。
【請求項38】
前記データ収集装置は、前記第1信号処理アルゴリズムおよび前記第2信号処理アルゴリズムと同時に、少なくとも第3信号処理アルゴリズムを適用する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記データフォームはバーコードである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記データ収集装置は、高速スワイプイメージスキャナであり、該スキャンモジュールは、照明モジュール、センサモジュールおよび光学モジュールを備えるカメラである、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記データフォームをデコードしないステップと、
該データフォームをより遅い速度でスキャンするようにユーザーに対して命令するステップと
をさらに包含する、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記第1信号処理アルゴリズムおよび前記第2信号処理アルゴリズムの同時適用は、割込み形多重タスキングを包含する、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記第1信号処理アルゴリズムは、前記第2信号処理アルゴリズムよりも、イメージ系列内のより多くのイメージに適用される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1信号処理アルゴリズムは、前記データキャプチャ装置によってキャプチャされた実質的にすべてのイメージに適用される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
データ収集装置であって、
カメラと、
メモリと、
プロセッサと
を備え、該データ収集装置を制御するためのプロセッサであって、該データ収集装置は少なくとも、該データ収集装置の視野内のイメージをキャプチャすることと、第1信号処理アルゴリズムを該キャプチャされたイメージに適用し、同時に第2信号処理アルゴリズムを該キャプチャされたイメージに適用することを行なう、データ収集装置。
【請求項46】
前記プロセッサは、少なくとも二つの信号処理アルゴリズムを切換える、請求項45に記載のデータ収集装置。
【請求項47】
前記プロセッサは、前記切換えをオペレーティングシステムによって実行する、請求項46に記載のデータ収集装置。
【請求項48】
前記第1信号処理アルゴリズムは、前記第2信号処理アルゴリズムよりも、イメージ系列内のより多くのイメージに適用される、請求項47に記載のデータ収集装置。
【請求項49】
前記第1信号処理アルゴリズムは、前記データキャプチャ装置によってキャプチャされた実質的にすべてのイメージに適用される、請求項47に記載のデータ収集装置。
【請求項50】
前記プロセッサは、前記切換えを割込みシステムを利用することによって実行する、請求項46に記載のデータ収集装置。
【請求項51】
前記第1信号処理アルゴリズムは、前記第2信号処理アルゴリズムよりも、イメージ系列内のより多くのイメージに適用される、請求項50に記載のデータ収集装置。
【請求項52】
前記第1信号処理アルゴリズムは、前記データキャプチャ装置によってキャプチャされた実質的にすべてのイメージに適用される、請求項50に記載のデータ収集装置。
【請求項53】
前記プロセッサは、前記切換えを前記第1信号処理アルゴリズムと第2信号処理アルゴリズムとの間の連携手段によって実行する、請求項46に記載のデータ収集装置。
【請求項54】
前記第1信号処理アルゴリズムは、前記第2信号処理アルゴリズムよりも、イメージ系列内の多くのイメージに適用される、請求項53に記載のデータ収集装置。
【請求項55】
前記第1信号処理アルゴリズムは、前記データキャプチャ装置によってキャプチャされた実質的にすべてのイメージに適用される、請求項53に記載のデータ収集装置。
【請求項56】
同時にとは、前記第1アルゴリズムおよび第2アルゴリズムの少なくともいくつかが、前記キャプチャされたイメージ系列内のイメージをキャプチャする時間内に完了することを意味する、請求項53に記載のデータ収集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−518353(P2008−518353A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538910(P2007−538910)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/032609
【国際公開番号】WO2006/049704
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(506144101)シンボル テクノロジーズ, インコーポレイテッド (58)
【Fターム(参考)】