ダイヤ作成装置およびダイヤ作成方法
【課題】視認性および操作性の高いダイヤ図を表示し、分岐が多数存在する鉄道網における運行ダイヤグラムの作成を容易にする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置は、データベース、処理装置および表示装置を備える。処理装置は、時間軸に平行に、線区名、線区に含まれる各駅の駅名、各駅の基準点からの距離程が表示された駅線をダイヤ図内に表示する手段と、各駅の内、他の線区に属する分岐駅に対応した駅線の近傍に、分岐先の他の線区が対応付けられた分岐ボタンをダイヤ図内に表示する手段と、分岐ボタンが押下された場合に、分岐先の線区コードに基づいて駅順データおよび分岐データを読込み、ダイヤ図内に表示している線区に係る駅線の一部を分岐駅を起点として他の線区に属する分岐駅以降の駅線に切り替えて表示する手段と、を有する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置は、データベース、処理装置および表示装置を備える。処理装置は、時間軸に平行に、線区名、線区に含まれる各駅の駅名、各駅の基準点からの距離程が表示された駅線をダイヤ図内に表示する手段と、各駅の内、他の線区に属する分岐駅に対応した駅線の近傍に、分岐先の他の線区が対応付けられた分岐ボタンをダイヤ図内に表示する手段と、分岐ボタンが押下された場合に、分岐先の線区コードに基づいて駅順データおよび分岐データを読込み、ダイヤ図内に表示している線区に係る駅線の一部を分岐駅を起点として他の線区に属する分岐駅以降の駅線に切り替えて表示する手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ダイヤ作成装置およびダイヤ作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄道の運行会社は、列車の各駅における発着時刻、隣接駅間の距離程(キロ程)等のデータをダイヤ作成装置上で入力してダイヤデータを作成した後、このダイヤデータを運行ダイヤグラム(以下、「ダイヤ図」という。)として画面上に表示することで、列車の運行を管理している。例えば、ダイヤ図は、始発駅(基準駅)からのキロ程を縦軸、時刻を横軸にとり、駅間距離を考慮して走行駅名を縦軸上に配置したグラフ状で表される。そして、一つの列車はダイヤ図上で一本の線(ダイヤスジ)で表現される。仮に、下り列車の始発駅を一番上に配置し、ここを原点として距離程を下向き、時間を右向きに増加するように座標軸を配置すると、下り列車は右肩下がり、反対に上り列車は右肩上がりの折れ線を描く。線の傾きは列車の速度を表し、速い列車ほど線の傾きは大きくなり、水平線(傾き0)は停車していることを表す。
また、分岐が多数存在する線区を持つ鉄道網における運行ダイヤグラムを作成するときには、分岐先の線区も含め、1画面に入れるように描画する工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3544328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術におけるダイヤ図表記法は、鉄道運行会社独自のものであり、分岐が多数存在する線区を持つ鉄道の運行ダイヤグラムを作成するときには、スジ描画操作も単純に線を結ぶだけでなく、ある区間を飛ばしたりするなど複雑なものとなってしまう。
【0005】
また、新線ができた場合や、他社路線との乗り入れが実現した場合には、新しい線区への乗り入れに対する検討を開始しなければならないが、先の複雑な表記法のため、ダイヤ図の配置から見直すことになってしまう。これは紙上でのダイヤ図記述方式を踏襲しているためであるが、コンピュータ化されたダイアグラムシステムでも新しいダイヤ表記・作成手法は発案されていない。
【0006】
更に、従来のダイヤ表記・作成手法では、海外の鉄道事情を考慮し、ダイヤを作成することは極めて困難である。例えば、ヨーロッパでは、鉄道の経営は、下部(インフラ)の管理と上部(運行・運営)を行う組織を分離し、下部と上部の会計を独立させている。特にドイツの場合は、上部と下部を分離するだけでなく、オープンアクセスを導入して複数の上部組織が存在するケースまである。この仕組みから、新たな運行会社の参入まで認められ、線路を自由に使用できる状況になっている。また、ヨーロッパの鉄道では、日本の大都市間の大量輸送とは異なり、地域拠点間の輸送を目的として、網の目のように張り巡らされた線路上を自由に経路選択して列車を運行したいというニーズも高い。このため、線路という1つの資源を複数の運行会社で有効に活用し、複雑になりがちな運行経路の選択および管理をシンプルに行えることがダイヤシステムには求められている。しかし、従来のダイヤ表記・作成手法は、日本のように決められた路線を繰り返し走行する場合を対象としているため適していない。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、視認性および操作性の高いダイヤ図を表示し、分岐が多数存在する鉄道網における運行ダイヤグラムの作成を容易に行えるダイヤ作成装置およびダイヤ作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置は、データベース、処理装置および表示装置を備える。
【0009】
データベースは、複数の線区を含む鉄道網内の線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データとして記憶する線区マスタと、線区コードと共に、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および基準駅からのキロ程の関係を駅順データとして記憶する駅順マスタと、複数の線区に属する分岐駅に係る線区コード、駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶する分岐マスタと、を有する。
【0010】
処理装置は、データベースから線区データ、駅順データおよび分岐データを読込み、時間軸と距離軸からなる二次元平面に、駅名に対応付けられた駅線およびダイヤスジを表示するダイヤ図を作成する。表示装置は、処理装置で作成されたダイヤ図を表示する。
【0011】
処理装置は、時間軸に平行に、線区名、線区に含まれる各駅の駅名、各駅の基準点からの距離程が表示された駅線をダイヤ図内に表示する手段と、各駅の内、他の線区に属する分岐駅に対応した駅線の近傍に、分岐先の他の線区が対応付けられた分岐ボタンをダイヤ図内に表示する手段と、分岐ボタンが押下された場合に、分岐先の線区コードに基づいて駅順データおよび分岐データを読込み、ダイヤ図内に表示している線区に係る駅線の一部を分岐駅を起点として他の線区に属する分岐駅以降の駅線に切り替えて表示する手段と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置の全体構成例を示すブロック図。
【図2】図1に示すダイヤ作成装置のハードウェア構成例を示す図。
【図3】図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤデータの作成対象となる鉄道網を示す路線図。
【図4】従来のダイヤ作成装置が図3に示す路線について作成・表示するダイヤ図の具体例を示す図。
【図5】図1に示すダイヤ作成装置におけるダイヤ図作成処理の具体例を示すフローチャート。
【図6】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の具体例を示すフローチャート。
【図7】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図8】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図9】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図10】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図11】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図12】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図13】図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤ図上で描かれたダイヤスジの具体例を示す図。
【図14】図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤ図の作成対象となる他の鉄道網を示す路線図。
【図15】図14に示す鉄道網について従来のダイヤ作成装置が作成・表示するダイヤ図の具体例を示す図。
【図16】図14に示す鉄道網について図1に示すダイヤ作成装置が作成・表示するダイヤ図の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置1の全体構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、ダイヤ作成装置1は、線区マスタ101、駅順マスタ102、分岐マスタ103、ダイヤデータ記憶部104、線区決定部105、駅順データ読込部106、分岐データ読込部107、ダイヤ表示処理部108、線区切替部109およびダイヤデータ作成部110を備えるコンピュータである。
【0014】
線区マスタ101は、複数の線区を含む鉄道網内の線区の名称(路線名)およびこれを識別する線区コードの関係を線区データとして記憶するテーブルである。下記の表1は、線区マスタ101の具体例を示す。
【表1】
【0015】
駅順マスタ102は、線区コード、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および基準駅からのキロ程(駅順コード1またはある基準からの累計距離)の関係を駅順データとして記憶するテーブルである。下記の表2は、駅順マスタ102の具体例を示しており、駅順コードが線区ごとに始発駅から昇順に付けられている。
【表2】
【0016】
分岐マスタ103は、複数の線区に属する分岐駅に係る線区コード、駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶するテーブルである。下記の表3は、分岐マスタ103の具体例を示す。
【表3】
【0017】
ここでは、駅線からの他線区への表示順が正の値の場合は、駅順コード昇順側(ダイヤ図下側)に配置すること、負の値の場合は、駅順コード降順側(ダイヤ図上側)に配置することを表す。また、分岐先線区方向が1の場合は、駅順コード昇順方向の駅へ、−1の場合は、駅順コード降順方向の駅へ分岐することを表す。
【0018】
線区決定部105は、線区マスタ101を参照し、キロ程と時刻の関係を示すダイヤ図の表示・作成の対象となる対象線区に係る線区コードを決定するプログラムである。尚、線区コードの決定方法としては、線区マスタ101のデータを読み込み、画面に表示させた一覧の中からユーザに選択させる方法や、線区コードを直接入力する方法が挙げられる。
【0019】
駅順データ読込部106は、線区決定部105において決定された線区コードをキーとして駅順マスタ102から駅順データを読込むプログラムである。
分岐データ読込部107は、駅順データ読込部106において読込まれた駅順データに含まれる線区コードおよび駅順コードをキーとして分岐マスタ103から分岐データを読込むプログラムである。
【0020】
ダイヤ表示処理部108は、駅順データに基づいて対象線区に含まれる駅のキロ程を表す駅線を描画し、この駅線に対応して駅名を表示すると共に、分岐データに基づいてダイヤ図内の分岐駅に係る駅線の近傍に分岐先線区コードおよび分岐線線区方向を関連付けた分岐ボタンを付したダイヤ図を含むダイヤ作成画面を表示するプログラムである。
また、ダイヤ表示処理部108は、分岐データに含まれる分岐駅の駅線に対する分岐ボタンの配置順(駅線からの他線区への表示順)および他の線区における分岐駅から隣接駅への方向フラグ(分岐線線区方向)に基づいて分岐ボタンの配置および分岐ボタンに対応付けられる駅順コードを決定してダイヤ図を作成し、表示する。
【0021】
線区切替部109は、ダイヤ作成画面において分岐ボタンが押下された場合に、分岐先線区コードに基づいてダイヤ図内の対象線区に係る駅線の一部を分岐駅を起点として他の線区に属する分岐駅以降の駅線に切り替えて表示するプログラムである。具体的には、ダイヤ図の作成時に分岐ボタンに関連付けされている分岐先線区コード、駅順コードおよび分岐先線区方向をダイヤ表示処理部108へ出力して、マスタデータの再読込みを行わせることで線区切替を行う。
【0022】
ダイヤデータ作成部110は、ダイヤ作成画面においてダイヤ図内に連続した線で描画されたダイヤスジの座標を解析し、列車が走行する線区に係る線区コード、出発駅、到着駅、出発時刻および到着時刻の関係を示すダイヤデータを作成するプログラムである。
また、ダイヤデータ作成部110は、ダイヤ作成画面において作成済みのダイヤデータに基づくダイヤスジが変更された場合、変更後のダイヤスジに基づいて新たなダイヤデータを作成してダイヤデータ記憶部104を更新する。
【0023】
図2は、図1に示すダイヤ作成装置に適用されるコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。同図に示されるように、ダイヤ作成装置は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、入出力インターフェース404、システムバス405、入力装置406、表示装置407、補助記憶装置408および通信装置409から構成される。
【0024】
CPU401は、ROM402やRAM403に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM402は、コンピュータを機能させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM403は、CPU401が実行するプログラムおよび各プログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。入出力インターフェース404は、各種のハードウェアとシステムバス405との接続を仲介する装置およびプログラムである。システムバス405は、CPU401、ROM402、RAM403および入出力インターフェース404で共有される情報伝達路である。
また、入出力インターフェース404には、入力装置406、表示装置407、補助記憶装置408、および通信装置409などのハードウェアが接続されている。入力装置406は、ユーザからの入力を処理する装置であり、例えばキーボードやマウスなどである。表示装置407は、ユーザに対して演算結果や作成画面などを表示する装置であり、例えばCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。補助記憶装置408は、走行実績データの作成プログラムやデータを蓄積する大容量の記憶装置であり、例えばハードディスク装置などである。
【0025】
図3は、図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤデータの作成対象となる鉄道網を示す路線図である。この鉄道網では、B駅を中心として、α線区、β線区、γ線区の三つの路線が分岐している。また、図4は、従来のダイヤ作成装置が図3に示す路線について作成・表示するダイヤ図の具体例を示す図である。同図に示されるように、多くの事例ではダイヤ図上に異なる線区を、組み合わせて1枚の中で表記されることが多い。これは分岐線区をひとつの図の中で表記しようとする工夫である。
しかし、コンピュータ上で、このダイヤ図表現でダイヤスジ(ダイヤ上での列車1本1本の描画のこと)を描くと、分岐の部分の描画、オペレーションとも複雑なものになる。また鉄道会社の路線ごとの事情に影響され、鉄道会社を問わない統一的なシステムを実現することが大変難しい。
【0026】
例えば、β線区X駅からB駅を経由してγ線区Z駅に行く列車があるとすると、図4のダイヤ図のダイヤスジになる。B駅より下側の、α線区、β線区を飛ばすよう(点線で結ばれている部分)にダイヤスジを描画しなければならない。また、点線で結ぶためには、リンク情報を別途入力しなければならない。
これに対して、本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置1は、複数の線区に跨ったダイヤスジを連続した線で描くことができる。以下、ダイヤ作成装置1におけるダイヤ図作成処理および線区切替処理を詳細に説明する。
【0027】
図5は、図1に示すダイヤ作成装置におけるダイヤ図作成処理の具体例を示すフローチャートである。
S501において、線区決定部105は、線区マスタ101を参照し、キロ程と時刻の関係を示すダイヤ図の表示・作成の対象となる対象線区に係る線区コードを決定する。
S502において、駅順データ読込部106は、線区決定部105において決定された線区コードをキーとして駅順マスタ102から駅順データを読込む。
【0028】
S503において、駅順データ読込部106は、対象線区について未処理の駅順データが有るか否かを判定する。ここで、未処理の駅順データ有りと判定された場合(S503:Yes)は、S504へ進む。これに対し、未処理の駅順データは無しと判定された場合(S503:No)は、S511へ進む。
【0029】
S504において、分岐データ読込部107は、駅順データ読込部106において読込まれた駅順データに含まれる線区コードおよび駅順コードをキーとして分岐マスタ103から分岐データを読込む。この際、駅順コードに対応する分岐マスタ103の表示指定順(駅線からの他線区への表示順)の小さい順に分岐データを読み込む。
【0030】
S505において、ダイヤ表示処理部108は、分岐データが存在するか否かを判定する。ここで、分岐データが存在すると判定した場合(S505:Yes)は、S506へ進む。これに対し、分岐データは存在しないと判定された場合(S505:No)は、S502へ戻る。
【0031】
S506において、ダイヤ表示処理部108は、分岐チェックボックスが未作成か否かを判定する。ここで、分岐チェックボックスが未作成と判定された場合(S506:Yes)は、分岐チェックボックスを作成する(S507)。これに対し、分岐チェックボックスは作成済みと判定した場合(S506:No)は、S508へ進む。
【0032】
S508において、ダイヤ表示処理部108は、他線区への表示順が正の値か否かを判定する。ここで、正の値と判定された場合(S508:Yes)は、S509へ進む。これに対し、負の値と判定された場合(S508:No)は、S510へ進む。
S509において、ダイヤ表示処理部108は、分岐駅の下側に分岐ボタンを作成する。
【0033】
S510において、ダイヤ表示処理部108は、分岐駅の上側に分岐ボタンを作成する。
S511において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤデータ記憶部104から登録済みのダイヤデータを読み込み、メモリ上に展開する。
S512において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤを描画・表示する。
【0034】
図6は、図1に示すダイヤ作成装置1における線区切替処理の具体例を示すフローチャートである。また、図7乃至図12は、線区切替処理の具体例を示す図である。
S601において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面上に表示されている分岐チェックボックスがONとなっているか否かを判定する。分岐チェックボックスのON/OFFは、分岐駅の駅線の周囲に分岐がある場合に、分岐ボタン表示するか否かを決めるスイッチである。ここで、分岐チェックボックスがONとなっていると判定された場合(S601:Yes)はS602へ進む。これに対し、分岐チェックボックスがOFFとなっていると判定された場合(S601:No)はS603へ進む。
【0035】
S602において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面において分岐駅の駅線近傍に分岐ボタンを表示する。最初に分岐チェックボックスがOFFの状態であるとすると、α線区を表示したときのダイヤ描画領域は図7のような状態になる。そして、駅名とキロ程の間に表示されている分岐チェックボックスをONにすると、図8のように分岐があるα線B駅の周囲に分岐ボタンが表示される。ここでは、上記の表3に示される分岐マスタ103に基づいて分岐ボタンが表示されており、他線区への表示順が負の値のときは、駅コード降順側(ダイヤ図上側)に分岐ボタンが配置され、他線区への表示順が正の値のときは、駅コード昇順側に(ダイヤ図下側)に分岐ボタンが配置されている。
【0036】
S603において、線区切替部109は、ダイヤ作成画面内で分岐ボタンが押下されたか否かを判定する。ここで、分岐ボタンが押下されたと判定された場合(S603:Yes)は、S604へ進む。これに対し、分岐ボタンの押下はないと判定された場合(S601:No)は、S605へ進む。
【0037】
S604において、線区切替部109は、押下された分岐ボタンに対応付けされた分岐先線区コード、駅順コードおよび分岐先線区方向をダイヤ表示処理部108へ出力する。これに伴い、ダイヤ表示処理部108は、駅順コードと分岐先線区コードをキーとして駅順マスタ102および分岐マスタ103からマスタデータを再度読込む。マスタデータの読込む処理は上記図5のフローチャートと同様であるが、駅順マスタ102から再度読込む駅順マスタデータは分岐駅から分岐先線区方向についてのみで十分である。
【0038】
S605において、ダイヤ表示処理部108は、分岐先線区コードに基づいてダイヤ図内の対象線区に係るダイヤ表示領域の一部を他の線区に係るダイヤ表示領域に分岐駅を起点として切り替えて表示する。
例えば、図9に示すように、α線区が表示されている状態では、B駅の分岐ボタンが3つ出現している。そして、駅順コード昇順側(画面下側)の「γ線区Z駅方面」の分岐ボタンをクリックすると、図10に示すように、B駅より駅順コード昇順側(画面下側)が、γ線区に切り替わる。また、γ線区B駅として、分岐マスタ103を再度読込むことで、γ線について分岐ボタンが再作成されている。また、図11に示すように、B駅の分岐ボタンが3つ出現している状態で、駅順コード降順側(画面上側)の「β線区X駅方面」の分岐ボタンをクリックすると、図12に示すようにB駅より駅順コード降順側(画面上側)がβ線区に切り替わる。
【0039】
S606において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面上に表示されている分岐チェックボックスがOFFとなっているか否かを判定する。ここで、分岐チェックボックスがOFFとなっていると判定された場合はS607へ進む。これに対し、分岐チェックボックスがONとなっていると判定された場合はS608へ進む。
【0040】
S607において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面において分岐駅の駅線近傍に表示されている分岐ボタンを非表示に戻す。
S608において、ダイヤ表示処理部108は、列車が走行する線区が確定したか否かを線区切替要求の有無に基づいて判定する。ここで、線区が確定したと判定された場合は、S609へ進む。これに対し、線区が確定していないと判定された場合は、S601へ戻る。
【0041】
S609において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ図上に表示されている線区についてユーザからの入力を受付け、ダイヤスジの描画を行う。
S610において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面においてダイヤスジの描画が完了したか否かを判定する。例えば、完了ボタン(図示省略する)の押下有無などに基づいて判定するものとする。ここで、ダイヤスジの描画が完了したと判定された場合は、S611へ進む。これに対して、未完了と判定された場合は、S609へ戻る。
【0042】
S611において、ダイヤデータ作成部110は、ダイヤ作成画面のダイヤ図内に連続した線で描画されたダイヤスジの座標を解析し、列車が走行する線区に係る線区コード、出発駅、到着駅、出発時刻および到着時刻の関係を示すダイヤデータを作成し、ダイヤデータ記憶部104へ登録する。尚、登録済みのダイヤデータに係るダイヤスジを変更していた場合には、ダイヤデータの更新を行う。例えば、図4に示した事例と同様に、β線区X駅からB駅を経由してγ線区Z駅に行く列車があるとすると、図13に示すようなダイヤ図のダイヤスジになり、分岐を感じさせないシンプルな描画を実現できる。
【0043】
このように、本実施形態に係るダイヤ作成装置1によれば、分岐線区が存在する駅に分岐ボタン(分岐線区表示ボタン)を用意し、分岐ボタンを押下することで、駅表示部の上り方、下り方にそれぞれ分岐線区名が書かれたボタンが出現する。そして、分岐線区名が書かれたボタンを押下すると、そこから以遠が新たに選択された線区に表示が切り替わる。この表現を用いることによって、分岐があっても単純な直線路線のようにダイヤ図を表現でき、その上でのダイヤスジ描画、オペレーションも簡単な操作によって実現できる。
【0044】
また、既に分岐・乗り入れをしている路線だけでなく、乗り入れできない構造になっていて、今後乗り入れを検討している線区であっても、マスタデータの修正だけで乗り入れの検討も可能である。
【0045】
また、ダイヤの描画自体を、分岐駅を中心に連続した1つの線区のように取り扱うことができ、従来からの駅間で線を引くという、単純なダイアグラム理論で描画することができる。特に、網の目のように張り巡らされた路線の上で、列車ダイヤを作成する際に、分岐を切替えて1本の路線のように表現することで、スジの連続性が失われて断続的な描画となることはなく、連続した視認性の高いダイヤスジの表示を実現できる。
【0046】
以下、従来のダイヤスジの表示との違いを補足して説明する。図14は、図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤ図の作成対象となる鉄道網を示す路線図である。ここでは、網の目のように張り巡らされた5つの路線が存在している。また、図15は、従来のダイヤ作成装置が図14に示す鉄道網について表示するダイヤ図の具体例を示す図である。ここで、図14のような鉄道網内を太線のように走行させる列車のダイヤを作成する場合を考える。従来からの日本の描画・表現方法であれば、同一の画面、紙面上にすべての経路を掲載しておくか、ある程度ルートを決め、絞り込んだ路線のみを表示してダイヤを作成することになる。しかし、この描画ルールでは、路線を自由に選択して経路を設定しようとすると、図15に示すようにダイヤスジの連続性が失われ、視認性および操作性の悪い画面になってしまう。
【0047】
これに対し、図16は、図1に示すダイヤ作成装置が図14に示す鉄道網について表示するダイヤ図の具体例を示す図である。例えば、スタート時はH線が表示されているとして、分岐ボタンを次々と切り替えていくことにより、図14の太線で示される複雑な経路であっても、図16のような駅順のダイヤ図を表現でき、図15と比較して視認性の高い連続線によるダイヤスジ描画を実現することができる。
【0048】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1…ダイヤ作成装置
101…線区マスタ
102…駅順マスタ
103…分岐マスタ
104…ダイヤデータ記憶部
105…線区決定部
106…駅順データ読込部
107…分岐データ読込部
108…ダイヤ表示処理部
109…線区切替部
110…ダイヤデータ作成部
401…CPU
402…ROM
403…RAM
404…入出力インターフェース
405…システムバス
406…入力装置
407…表示装置
408…補助記憶装置
409…通信装置
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ダイヤ作成装置およびダイヤ作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄道の運行会社は、列車の各駅における発着時刻、隣接駅間の距離程(キロ程)等のデータをダイヤ作成装置上で入力してダイヤデータを作成した後、このダイヤデータを運行ダイヤグラム(以下、「ダイヤ図」という。)として画面上に表示することで、列車の運行を管理している。例えば、ダイヤ図は、始発駅(基準駅)からのキロ程を縦軸、時刻を横軸にとり、駅間距離を考慮して走行駅名を縦軸上に配置したグラフ状で表される。そして、一つの列車はダイヤ図上で一本の線(ダイヤスジ)で表現される。仮に、下り列車の始発駅を一番上に配置し、ここを原点として距離程を下向き、時間を右向きに増加するように座標軸を配置すると、下り列車は右肩下がり、反対に上り列車は右肩上がりの折れ線を描く。線の傾きは列車の速度を表し、速い列車ほど線の傾きは大きくなり、水平線(傾き0)は停車していることを表す。
また、分岐が多数存在する線区を持つ鉄道網における運行ダイヤグラムを作成するときには、分岐先の線区も含め、1画面に入れるように描画する工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3544328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術におけるダイヤ図表記法は、鉄道運行会社独自のものであり、分岐が多数存在する線区を持つ鉄道の運行ダイヤグラムを作成するときには、スジ描画操作も単純に線を結ぶだけでなく、ある区間を飛ばしたりするなど複雑なものとなってしまう。
【0005】
また、新線ができた場合や、他社路線との乗り入れが実現した場合には、新しい線区への乗り入れに対する検討を開始しなければならないが、先の複雑な表記法のため、ダイヤ図の配置から見直すことになってしまう。これは紙上でのダイヤ図記述方式を踏襲しているためであるが、コンピュータ化されたダイアグラムシステムでも新しいダイヤ表記・作成手法は発案されていない。
【0006】
更に、従来のダイヤ表記・作成手法では、海外の鉄道事情を考慮し、ダイヤを作成することは極めて困難である。例えば、ヨーロッパでは、鉄道の経営は、下部(インフラ)の管理と上部(運行・運営)を行う組織を分離し、下部と上部の会計を独立させている。特にドイツの場合は、上部と下部を分離するだけでなく、オープンアクセスを導入して複数の上部組織が存在するケースまである。この仕組みから、新たな運行会社の参入まで認められ、線路を自由に使用できる状況になっている。また、ヨーロッパの鉄道では、日本の大都市間の大量輸送とは異なり、地域拠点間の輸送を目的として、網の目のように張り巡らされた線路上を自由に経路選択して列車を運行したいというニーズも高い。このため、線路という1つの資源を複数の運行会社で有効に活用し、複雑になりがちな運行経路の選択および管理をシンプルに行えることがダイヤシステムには求められている。しかし、従来のダイヤ表記・作成手法は、日本のように決められた路線を繰り返し走行する場合を対象としているため適していない。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、視認性および操作性の高いダイヤ図を表示し、分岐が多数存在する鉄道網における運行ダイヤグラムの作成を容易に行えるダイヤ作成装置およびダイヤ作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置は、データベース、処理装置および表示装置を備える。
【0009】
データベースは、複数の線区を含む鉄道網内の線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データとして記憶する線区マスタと、線区コードと共に、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および基準駅からのキロ程の関係を駅順データとして記憶する駅順マスタと、複数の線区に属する分岐駅に係る線区コード、駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶する分岐マスタと、を有する。
【0010】
処理装置は、データベースから線区データ、駅順データおよび分岐データを読込み、時間軸と距離軸からなる二次元平面に、駅名に対応付けられた駅線およびダイヤスジを表示するダイヤ図を作成する。表示装置は、処理装置で作成されたダイヤ図を表示する。
【0011】
処理装置は、時間軸に平行に、線区名、線区に含まれる各駅の駅名、各駅の基準点からの距離程が表示された駅線をダイヤ図内に表示する手段と、各駅の内、他の線区に属する分岐駅に対応した駅線の近傍に、分岐先の他の線区が対応付けられた分岐ボタンをダイヤ図内に表示する手段と、分岐ボタンが押下された場合に、分岐先の線区コードに基づいて駅順データおよび分岐データを読込み、ダイヤ図内に表示している線区に係る駅線の一部を分岐駅を起点として他の線区に属する分岐駅以降の駅線に切り替えて表示する手段と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置の全体構成例を示すブロック図。
【図2】図1に示すダイヤ作成装置のハードウェア構成例を示す図。
【図3】図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤデータの作成対象となる鉄道網を示す路線図。
【図4】従来のダイヤ作成装置が図3に示す路線について作成・表示するダイヤ図の具体例を示す図。
【図5】図1に示すダイヤ作成装置におけるダイヤ図作成処理の具体例を示すフローチャート。
【図6】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の具体例を示すフローチャート。
【図7】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図8】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図9】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図10】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図11】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図12】図1に示すダイヤ作成装置における線区切替処理の方法を説明する図。
【図13】図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤ図上で描かれたダイヤスジの具体例を示す図。
【図14】図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤ図の作成対象となる他の鉄道網を示す路線図。
【図15】図14に示す鉄道網について従来のダイヤ作成装置が作成・表示するダイヤ図の具体例を示す図。
【図16】図14に示す鉄道網について図1に示すダイヤ作成装置が作成・表示するダイヤ図の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置1の全体構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、ダイヤ作成装置1は、線区マスタ101、駅順マスタ102、分岐マスタ103、ダイヤデータ記憶部104、線区決定部105、駅順データ読込部106、分岐データ読込部107、ダイヤ表示処理部108、線区切替部109およびダイヤデータ作成部110を備えるコンピュータである。
【0014】
線区マスタ101は、複数の線区を含む鉄道網内の線区の名称(路線名)およびこれを識別する線区コードの関係を線区データとして記憶するテーブルである。下記の表1は、線区マスタ101の具体例を示す。
【表1】
【0015】
駅順マスタ102は、線区コード、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および基準駅からのキロ程(駅順コード1またはある基準からの累計距離)の関係を駅順データとして記憶するテーブルである。下記の表2は、駅順マスタ102の具体例を示しており、駅順コードが線区ごとに始発駅から昇順に付けられている。
【表2】
【0016】
分岐マスタ103は、複数の線区に属する分岐駅に係る線区コード、駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶するテーブルである。下記の表3は、分岐マスタ103の具体例を示す。
【表3】
【0017】
ここでは、駅線からの他線区への表示順が正の値の場合は、駅順コード昇順側(ダイヤ図下側)に配置すること、負の値の場合は、駅順コード降順側(ダイヤ図上側)に配置することを表す。また、分岐先線区方向が1の場合は、駅順コード昇順方向の駅へ、−1の場合は、駅順コード降順方向の駅へ分岐することを表す。
【0018】
線区決定部105は、線区マスタ101を参照し、キロ程と時刻の関係を示すダイヤ図の表示・作成の対象となる対象線区に係る線区コードを決定するプログラムである。尚、線区コードの決定方法としては、線区マスタ101のデータを読み込み、画面に表示させた一覧の中からユーザに選択させる方法や、線区コードを直接入力する方法が挙げられる。
【0019】
駅順データ読込部106は、線区決定部105において決定された線区コードをキーとして駅順マスタ102から駅順データを読込むプログラムである。
分岐データ読込部107は、駅順データ読込部106において読込まれた駅順データに含まれる線区コードおよび駅順コードをキーとして分岐マスタ103から分岐データを読込むプログラムである。
【0020】
ダイヤ表示処理部108は、駅順データに基づいて対象線区に含まれる駅のキロ程を表す駅線を描画し、この駅線に対応して駅名を表示すると共に、分岐データに基づいてダイヤ図内の分岐駅に係る駅線の近傍に分岐先線区コードおよび分岐線線区方向を関連付けた分岐ボタンを付したダイヤ図を含むダイヤ作成画面を表示するプログラムである。
また、ダイヤ表示処理部108は、分岐データに含まれる分岐駅の駅線に対する分岐ボタンの配置順(駅線からの他線区への表示順)および他の線区における分岐駅から隣接駅への方向フラグ(分岐線線区方向)に基づいて分岐ボタンの配置および分岐ボタンに対応付けられる駅順コードを決定してダイヤ図を作成し、表示する。
【0021】
線区切替部109は、ダイヤ作成画面において分岐ボタンが押下された場合に、分岐先線区コードに基づいてダイヤ図内の対象線区に係る駅線の一部を分岐駅を起点として他の線区に属する分岐駅以降の駅線に切り替えて表示するプログラムである。具体的には、ダイヤ図の作成時に分岐ボタンに関連付けされている分岐先線区コード、駅順コードおよび分岐先線区方向をダイヤ表示処理部108へ出力して、マスタデータの再読込みを行わせることで線区切替を行う。
【0022】
ダイヤデータ作成部110は、ダイヤ作成画面においてダイヤ図内に連続した線で描画されたダイヤスジの座標を解析し、列車が走行する線区に係る線区コード、出発駅、到着駅、出発時刻および到着時刻の関係を示すダイヤデータを作成するプログラムである。
また、ダイヤデータ作成部110は、ダイヤ作成画面において作成済みのダイヤデータに基づくダイヤスジが変更された場合、変更後のダイヤスジに基づいて新たなダイヤデータを作成してダイヤデータ記憶部104を更新する。
【0023】
図2は、図1に示すダイヤ作成装置に適用されるコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。同図に示されるように、ダイヤ作成装置は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、入出力インターフェース404、システムバス405、入力装置406、表示装置407、補助記憶装置408および通信装置409から構成される。
【0024】
CPU401は、ROM402やRAM403に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM402は、コンピュータを機能させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM403は、CPU401が実行するプログラムおよび各プログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。入出力インターフェース404は、各種のハードウェアとシステムバス405との接続を仲介する装置およびプログラムである。システムバス405は、CPU401、ROM402、RAM403および入出力インターフェース404で共有される情報伝達路である。
また、入出力インターフェース404には、入力装置406、表示装置407、補助記憶装置408、および通信装置409などのハードウェアが接続されている。入力装置406は、ユーザからの入力を処理する装置であり、例えばキーボードやマウスなどである。表示装置407は、ユーザに対して演算結果や作成画面などを表示する装置であり、例えばCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。補助記憶装置408は、走行実績データの作成プログラムやデータを蓄積する大容量の記憶装置であり、例えばハードディスク装置などである。
【0025】
図3は、図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤデータの作成対象となる鉄道網を示す路線図である。この鉄道網では、B駅を中心として、α線区、β線区、γ線区の三つの路線が分岐している。また、図4は、従来のダイヤ作成装置が図3に示す路線について作成・表示するダイヤ図の具体例を示す図である。同図に示されるように、多くの事例ではダイヤ図上に異なる線区を、組み合わせて1枚の中で表記されることが多い。これは分岐線区をひとつの図の中で表記しようとする工夫である。
しかし、コンピュータ上で、このダイヤ図表現でダイヤスジ(ダイヤ上での列車1本1本の描画のこと)を描くと、分岐の部分の描画、オペレーションとも複雑なものになる。また鉄道会社の路線ごとの事情に影響され、鉄道会社を問わない統一的なシステムを実現することが大変難しい。
【0026】
例えば、β線区X駅からB駅を経由してγ線区Z駅に行く列車があるとすると、図4のダイヤ図のダイヤスジになる。B駅より下側の、α線区、β線区を飛ばすよう(点線で結ばれている部分)にダイヤスジを描画しなければならない。また、点線で結ぶためには、リンク情報を別途入力しなければならない。
これに対して、本発明の一実施形態に係るダイヤ作成装置1は、複数の線区に跨ったダイヤスジを連続した線で描くことができる。以下、ダイヤ作成装置1におけるダイヤ図作成処理および線区切替処理を詳細に説明する。
【0027】
図5は、図1に示すダイヤ作成装置におけるダイヤ図作成処理の具体例を示すフローチャートである。
S501において、線区決定部105は、線区マスタ101を参照し、キロ程と時刻の関係を示すダイヤ図の表示・作成の対象となる対象線区に係る線区コードを決定する。
S502において、駅順データ読込部106は、線区決定部105において決定された線区コードをキーとして駅順マスタ102から駅順データを読込む。
【0028】
S503において、駅順データ読込部106は、対象線区について未処理の駅順データが有るか否かを判定する。ここで、未処理の駅順データ有りと判定された場合(S503:Yes)は、S504へ進む。これに対し、未処理の駅順データは無しと判定された場合(S503:No)は、S511へ進む。
【0029】
S504において、分岐データ読込部107は、駅順データ読込部106において読込まれた駅順データに含まれる線区コードおよび駅順コードをキーとして分岐マスタ103から分岐データを読込む。この際、駅順コードに対応する分岐マスタ103の表示指定順(駅線からの他線区への表示順)の小さい順に分岐データを読み込む。
【0030】
S505において、ダイヤ表示処理部108は、分岐データが存在するか否かを判定する。ここで、分岐データが存在すると判定した場合(S505:Yes)は、S506へ進む。これに対し、分岐データは存在しないと判定された場合(S505:No)は、S502へ戻る。
【0031】
S506において、ダイヤ表示処理部108は、分岐チェックボックスが未作成か否かを判定する。ここで、分岐チェックボックスが未作成と判定された場合(S506:Yes)は、分岐チェックボックスを作成する(S507)。これに対し、分岐チェックボックスは作成済みと判定した場合(S506:No)は、S508へ進む。
【0032】
S508において、ダイヤ表示処理部108は、他線区への表示順が正の値か否かを判定する。ここで、正の値と判定された場合(S508:Yes)は、S509へ進む。これに対し、負の値と判定された場合(S508:No)は、S510へ進む。
S509において、ダイヤ表示処理部108は、分岐駅の下側に分岐ボタンを作成する。
【0033】
S510において、ダイヤ表示処理部108は、分岐駅の上側に分岐ボタンを作成する。
S511において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤデータ記憶部104から登録済みのダイヤデータを読み込み、メモリ上に展開する。
S512において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤを描画・表示する。
【0034】
図6は、図1に示すダイヤ作成装置1における線区切替処理の具体例を示すフローチャートである。また、図7乃至図12は、線区切替処理の具体例を示す図である。
S601において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面上に表示されている分岐チェックボックスがONとなっているか否かを判定する。分岐チェックボックスのON/OFFは、分岐駅の駅線の周囲に分岐がある場合に、分岐ボタン表示するか否かを決めるスイッチである。ここで、分岐チェックボックスがONとなっていると判定された場合(S601:Yes)はS602へ進む。これに対し、分岐チェックボックスがOFFとなっていると判定された場合(S601:No)はS603へ進む。
【0035】
S602において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面において分岐駅の駅線近傍に分岐ボタンを表示する。最初に分岐チェックボックスがOFFの状態であるとすると、α線区を表示したときのダイヤ描画領域は図7のような状態になる。そして、駅名とキロ程の間に表示されている分岐チェックボックスをONにすると、図8のように分岐があるα線B駅の周囲に分岐ボタンが表示される。ここでは、上記の表3に示される分岐マスタ103に基づいて分岐ボタンが表示されており、他線区への表示順が負の値のときは、駅コード降順側(ダイヤ図上側)に分岐ボタンが配置され、他線区への表示順が正の値のときは、駅コード昇順側に(ダイヤ図下側)に分岐ボタンが配置されている。
【0036】
S603において、線区切替部109は、ダイヤ作成画面内で分岐ボタンが押下されたか否かを判定する。ここで、分岐ボタンが押下されたと判定された場合(S603:Yes)は、S604へ進む。これに対し、分岐ボタンの押下はないと判定された場合(S601:No)は、S605へ進む。
【0037】
S604において、線区切替部109は、押下された分岐ボタンに対応付けされた分岐先線区コード、駅順コードおよび分岐先線区方向をダイヤ表示処理部108へ出力する。これに伴い、ダイヤ表示処理部108は、駅順コードと分岐先線区コードをキーとして駅順マスタ102および分岐マスタ103からマスタデータを再度読込む。マスタデータの読込む処理は上記図5のフローチャートと同様であるが、駅順マスタ102から再度読込む駅順マスタデータは分岐駅から分岐先線区方向についてのみで十分である。
【0038】
S605において、ダイヤ表示処理部108は、分岐先線区コードに基づいてダイヤ図内の対象線区に係るダイヤ表示領域の一部を他の線区に係るダイヤ表示領域に分岐駅を起点として切り替えて表示する。
例えば、図9に示すように、α線区が表示されている状態では、B駅の分岐ボタンが3つ出現している。そして、駅順コード昇順側(画面下側)の「γ線区Z駅方面」の分岐ボタンをクリックすると、図10に示すように、B駅より駅順コード昇順側(画面下側)が、γ線区に切り替わる。また、γ線区B駅として、分岐マスタ103を再度読込むことで、γ線について分岐ボタンが再作成されている。また、図11に示すように、B駅の分岐ボタンが3つ出現している状態で、駅順コード降順側(画面上側)の「β線区X駅方面」の分岐ボタンをクリックすると、図12に示すようにB駅より駅順コード降順側(画面上側)がβ線区に切り替わる。
【0039】
S606において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面上に表示されている分岐チェックボックスがOFFとなっているか否かを判定する。ここで、分岐チェックボックスがOFFとなっていると判定された場合はS607へ進む。これに対し、分岐チェックボックスがONとなっていると判定された場合はS608へ進む。
【0040】
S607において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面において分岐駅の駅線近傍に表示されている分岐ボタンを非表示に戻す。
S608において、ダイヤ表示処理部108は、列車が走行する線区が確定したか否かを線区切替要求の有無に基づいて判定する。ここで、線区が確定したと判定された場合は、S609へ進む。これに対し、線区が確定していないと判定された場合は、S601へ戻る。
【0041】
S609において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ図上に表示されている線区についてユーザからの入力を受付け、ダイヤスジの描画を行う。
S610において、ダイヤ表示処理部108は、ダイヤ作成画面においてダイヤスジの描画が完了したか否かを判定する。例えば、完了ボタン(図示省略する)の押下有無などに基づいて判定するものとする。ここで、ダイヤスジの描画が完了したと判定された場合は、S611へ進む。これに対して、未完了と判定された場合は、S609へ戻る。
【0042】
S611において、ダイヤデータ作成部110は、ダイヤ作成画面のダイヤ図内に連続した線で描画されたダイヤスジの座標を解析し、列車が走行する線区に係る線区コード、出発駅、到着駅、出発時刻および到着時刻の関係を示すダイヤデータを作成し、ダイヤデータ記憶部104へ登録する。尚、登録済みのダイヤデータに係るダイヤスジを変更していた場合には、ダイヤデータの更新を行う。例えば、図4に示した事例と同様に、β線区X駅からB駅を経由してγ線区Z駅に行く列車があるとすると、図13に示すようなダイヤ図のダイヤスジになり、分岐を感じさせないシンプルな描画を実現できる。
【0043】
このように、本実施形態に係るダイヤ作成装置1によれば、分岐線区が存在する駅に分岐ボタン(分岐線区表示ボタン)を用意し、分岐ボタンを押下することで、駅表示部の上り方、下り方にそれぞれ分岐線区名が書かれたボタンが出現する。そして、分岐線区名が書かれたボタンを押下すると、そこから以遠が新たに選択された線区に表示が切り替わる。この表現を用いることによって、分岐があっても単純な直線路線のようにダイヤ図を表現でき、その上でのダイヤスジ描画、オペレーションも簡単な操作によって実現できる。
【0044】
また、既に分岐・乗り入れをしている路線だけでなく、乗り入れできない構造になっていて、今後乗り入れを検討している線区であっても、マスタデータの修正だけで乗り入れの検討も可能である。
【0045】
また、ダイヤの描画自体を、分岐駅を中心に連続した1つの線区のように取り扱うことができ、従来からの駅間で線を引くという、単純なダイアグラム理論で描画することができる。特に、網の目のように張り巡らされた路線の上で、列車ダイヤを作成する際に、分岐を切替えて1本の路線のように表現することで、スジの連続性が失われて断続的な描画となることはなく、連続した視認性の高いダイヤスジの表示を実現できる。
【0046】
以下、従来のダイヤスジの表示との違いを補足して説明する。図14は、図1に示すダイヤ作成装置においてダイヤ図の作成対象となる鉄道網を示す路線図である。ここでは、網の目のように張り巡らされた5つの路線が存在している。また、図15は、従来のダイヤ作成装置が図14に示す鉄道網について表示するダイヤ図の具体例を示す図である。ここで、図14のような鉄道網内を太線のように走行させる列車のダイヤを作成する場合を考える。従来からの日本の描画・表現方法であれば、同一の画面、紙面上にすべての経路を掲載しておくか、ある程度ルートを決め、絞り込んだ路線のみを表示してダイヤを作成することになる。しかし、この描画ルールでは、路線を自由に選択して経路を設定しようとすると、図15に示すようにダイヤスジの連続性が失われ、視認性および操作性の悪い画面になってしまう。
【0047】
これに対し、図16は、図1に示すダイヤ作成装置が図14に示す鉄道網について表示するダイヤ図の具体例を示す図である。例えば、スタート時はH線が表示されているとして、分岐ボタンを次々と切り替えていくことにより、図14の太線で示される複雑な経路であっても、図16のような駅順のダイヤ図を表現でき、図15と比較して視認性の高い連続線によるダイヤスジ描画を実現することができる。
【0048】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1…ダイヤ作成装置
101…線区マスタ
102…駅順マスタ
103…分岐マスタ
104…ダイヤデータ記憶部
105…線区決定部
106…駅順データ読込部
107…分岐データ読込部
108…ダイヤ表示処理部
109…線区切替部
110…ダイヤデータ作成部
401…CPU
402…ROM
403…RAM
404…入出力インターフェース
405…システムバス
406…入力装置
407…表示装置
408…補助記憶装置
409…通信装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の線区を含む鉄道網内の前記線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データとして記憶する線区マスタと、前記線区コードと共に、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および前記基準駅からのキロ程の関係を駅順データとして記憶する駅順マスタと、複数の前記線区に属する分岐駅に係る前記線区コード、前記駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶する分岐マスタと、を有するデータベースと、
前記データベースから前記線区データ、前記駅順データおよび前記分岐データを読込み、時間軸と距離軸からなる二次元平面に、前記駅名に対応付けられた駅線およびダイヤスジを表示するダイヤ図を作成する処理装置と、
前記作成された前記ダイヤ図を表示する表示装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記時間軸に平行に、前記線区名、前記線区に含まれる各駅の前記駅名、前記各駅の基準点からの前記距離程が表示された前記駅線を前記ダイヤ図内に表示する手段と、
前記各駅の内、他の線区に属する分岐駅に対応した前記駅線の近傍に、分岐先の前記他の線区が対応付けられた分岐ボタンを前記ダイヤ図内に表示する手段と、
前記分岐ボタンが押下された場合に、前記分岐先の前記線区コードに基づいて前記駅順データおよび前記分岐データを読込み、前記ダイヤ図内に表示している線区に係る前記駅線の一部を前記分岐駅を起点として前記他の線区に属する前記分岐駅以降の前記駅線に切り替えて表示する手段と、
を有することを特徴とするダイヤ作成装置。
【請求項2】
複数の線区を含む鉄道網内の前記線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データ、前記線区コードと共に、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および前記基準駅からのキロ程の関係を駅順データ、および前記駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データを読込み、時間軸と距離軸からなる二次元平面に、前記駅名に対応付けられた駅線およびダイヤスジを表示するダイヤ図を作成する処理装置と、
前記作成された前記ダイヤ図を表示する表示装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記時間軸に平行に、前記線区名、前記線区に含まれる各駅の前記駅名、前記各駅の基準点からの前記距離程が表示された前記駅線を前記ダイヤ図内に表示する手段と、
前記各駅の内、他の線区に属する分岐駅に対応した前記駅線の近傍に、分岐先の前記他の線区が対応付けられた分岐ボタンを前記ダイヤ図内に表示する手段と、
を有することを特徴とするダイヤ作成装置。
【請求項3】
複数の線区を含む鉄道網内の前記線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データとして記憶する線区マスタと、
前記線区コードと共に、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および前記基準駅からのキロ程の関係を駅順データとして記憶する駅順マスタと、
複数の前記線区に属する分岐駅に係る前記線区コード、前記駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶する分岐マスタと、
前記線区マスタを参照し、前記キロ程と時刻の関係を示すダイヤ図の表示および作成の対象となる対象線区に係る前記線区コードを決定する線区決定部と、
前記決定された線区コードをキーとして前記駅順マスタから前記駅順データを読込む駅順データ読込部と、
前記読込まれた前記駅順データに含まれる前記線区コードおよび前記駅順コードをキーとして前記分岐マスタから前記分岐データを読込む分岐データ読込部と、
前記駅順データに基づいて前記対象線区に含まれる駅の前記キロ程を表す駅線を描画し、この駅線に対応して前記駅名を表示すると共に、前記分岐先線区コードを関連付けた分岐ボタンを付した前記ダイヤ図を含むダイヤ作成画面を表示するダイヤ表示処理部と、
前記分岐ボタンが押下された場合に、前記分岐先線区コードに基づいて前記ダイヤ図内の前記対象線区に係る前記駅線の一部を前記分岐駅を起点として前記他の線区に属する前記分岐駅以降の前記駅線に切り替えて表示する線区切替部と、
前記ダイヤ作成画面において前記ダイヤ図内に連続した線で描画されたダイヤスジの座標を解析し、前記列車が走行する線区に係る前記線区コード、出発駅、到着駅、出発時刻および到着時刻の関係を示すダイヤデータを作成するダイヤデータ作成部と、
を備えることを特徴とするダイヤ作成装置。
【請求項4】
作成済みの前記ダイヤデータを記憶するダイヤデータ記憶部を更に備え、
前記ダイヤ表示処理部は、前記ダイヤ作成画面に表示されている線区に係る前記線区コードに基づいて前記ダイヤデータ記憶部から前記ダイヤデータを読込み、前記ダイヤ図内に前記ダイヤデータに基づく前記ダイヤスジを表示し、かつ、
前記ダイヤデータ作成部は、前記ダイヤ作成画面において前記ダイヤデータに基づく前記ダイヤスジが変更された場合、変更後のダイヤスジに基づいて新たなダイヤデータを作成して前記ダイヤデータ記憶部を更新することを特徴とする請求項3記載のダイヤ作成装置。
【請求項5】
複数の線区からなる鉄道網内の前記線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データとして記憶する線区マスタを参照し、前記キロ程と時刻の関係を示すダイヤ図の表示および作成の対象となる対象線区に係る前記線区コードを決定する線区決定ステップと、
前記線区コード、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および前記基準駅からのキロ程の関係を駅順データとして記憶する駅順マスタから、前記線区決定ステップで決定された線区コードをキーとして前記駅順データを読込む駅順データ読込ステップと、
複数の前記線区に属する分岐駅に係る前記線区コード、前記駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶する分岐マスタから、前記駅順データ読込ステップで読込まれた前記駅順データに含まれる前記線区コードおよび前記駅順コードをキーとして前記分岐データを読込む分岐データ読込ステップと、
前記駅順データに基づいて前記対象線区に含まれる駅の前記キロ程を表す駅線を描画し、この駅線に対応して前記駅名を表示すると共に、前記分岐先線区コードを関連付けた分岐ボタンを付した前記ダイヤ図を含むダイヤ作成画面を表示するダイヤ作成画面表示ステップと、
前記分岐ボタンが押下された場合に、前記分岐先線区コードに基づいて前記ダイヤ図内の前記対象線区に係る前記駅線の一部を前記分岐駅を起点として前記他の線区に属する前記分岐駅以降の前記駅線に切り替えて表示する線区切替ステップと、
前記ダイヤ作成画面において前記ダイヤ図内に連続した線で描画されたダイヤスジの座標を解析し、前記列車が走行する線区に係る前記線区コード、出発駅、到着駅、出発時刻および到着時刻の関係を示すダイヤデータを作成するダイヤデータ作成ステップと、
を有することを特徴とするダイヤ作成方法。
【請求項1】
複数の線区を含む鉄道網内の前記線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データとして記憶する線区マスタと、前記線区コードと共に、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および前記基準駅からのキロ程の関係を駅順データとして記憶する駅順マスタと、複数の前記線区に属する分岐駅に係る前記線区コード、前記駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶する分岐マスタと、を有するデータベースと、
前記データベースから前記線区データ、前記駅順データおよび前記分岐データを読込み、時間軸と距離軸からなる二次元平面に、前記駅名に対応付けられた駅線およびダイヤスジを表示するダイヤ図を作成する処理装置と、
前記作成された前記ダイヤ図を表示する表示装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記時間軸に平行に、前記線区名、前記線区に含まれる各駅の前記駅名、前記各駅の基準点からの前記距離程が表示された前記駅線を前記ダイヤ図内に表示する手段と、
前記各駅の内、他の線区に属する分岐駅に対応した前記駅線の近傍に、分岐先の前記他の線区が対応付けられた分岐ボタンを前記ダイヤ図内に表示する手段と、
前記分岐ボタンが押下された場合に、前記分岐先の前記線区コードに基づいて前記駅順データおよび前記分岐データを読込み、前記ダイヤ図内に表示している線区に係る前記駅線の一部を前記分岐駅を起点として前記他の線区に属する前記分岐駅以降の前記駅線に切り替えて表示する手段と、
を有することを特徴とするダイヤ作成装置。
【請求項2】
複数の線区を含む鉄道網内の前記線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データ、前記線区コードと共に、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および前記基準駅からのキロ程の関係を駅順データ、および前記駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データを読込み、時間軸と距離軸からなる二次元平面に、前記駅名に対応付けられた駅線およびダイヤスジを表示するダイヤ図を作成する処理装置と、
前記作成された前記ダイヤ図を表示する表示装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記時間軸に平行に、前記線区名、前記線区に含まれる各駅の前記駅名、前記各駅の基準点からの前記距離程が表示された前記駅線を前記ダイヤ図内に表示する手段と、
前記各駅の内、他の線区に属する分岐駅に対応した前記駅線の近傍に、分岐先の前記他の線区が対応付けられた分岐ボタンを前記ダイヤ図内に表示する手段と、
を有することを特徴とするダイヤ作成装置。
【請求項3】
複数の線区を含む鉄道網内の前記線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データとして記憶する線区マスタと、
前記線区コードと共に、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および前記基準駅からのキロ程の関係を駅順データとして記憶する駅順マスタと、
複数の前記線区に属する分岐駅に係る前記線区コード、前記駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶する分岐マスタと、
前記線区マスタを参照し、前記キロ程と時刻の関係を示すダイヤ図の表示および作成の対象となる対象線区に係る前記線区コードを決定する線区決定部と、
前記決定された線区コードをキーとして前記駅順マスタから前記駅順データを読込む駅順データ読込部と、
前記読込まれた前記駅順データに含まれる前記線区コードおよび前記駅順コードをキーとして前記分岐マスタから前記分岐データを読込む分岐データ読込部と、
前記駅順データに基づいて前記対象線区に含まれる駅の前記キロ程を表す駅線を描画し、この駅線に対応して前記駅名を表示すると共に、前記分岐先線区コードを関連付けた分岐ボタンを付した前記ダイヤ図を含むダイヤ作成画面を表示するダイヤ表示処理部と、
前記分岐ボタンが押下された場合に、前記分岐先線区コードに基づいて前記ダイヤ図内の前記対象線区に係る前記駅線の一部を前記分岐駅を起点として前記他の線区に属する前記分岐駅以降の前記駅線に切り替えて表示する線区切替部と、
前記ダイヤ作成画面において前記ダイヤ図内に連続した線で描画されたダイヤスジの座標を解析し、前記列車が走行する線区に係る前記線区コード、出発駅、到着駅、出発時刻および到着時刻の関係を示すダイヤデータを作成するダイヤデータ作成部と、
を備えることを特徴とするダイヤ作成装置。
【請求項4】
作成済みの前記ダイヤデータを記憶するダイヤデータ記憶部を更に備え、
前記ダイヤ表示処理部は、前記ダイヤ作成画面に表示されている線区に係る前記線区コードに基づいて前記ダイヤデータ記憶部から前記ダイヤデータを読込み、前記ダイヤ図内に前記ダイヤデータに基づく前記ダイヤスジを表示し、かつ、
前記ダイヤデータ作成部は、前記ダイヤ作成画面において前記ダイヤデータに基づく前記ダイヤスジが変更された場合、変更後のダイヤスジに基づいて新たなダイヤデータを作成して前記ダイヤデータ記憶部を更新することを特徴とする請求項3記載のダイヤ作成装置。
【請求項5】
複数の線区からなる鉄道網内の前記線区の名称およびこれを識別する線区コードを線区データとして記憶する線区マスタを参照し、前記キロ程と時刻の関係を示すダイヤ図の表示および作成の対象となる対象線区に係る前記線区コードを決定する線区決定ステップと、
前記線区コード、同一線区内における基準駅からの順序を示す駅順コード、駅名および前記基準駅からのキロ程の関係を駅順データとして記憶する駅順マスタから、前記線区決定ステップで決定された線区コードをキーとして前記駅順データを読込む駅順データ読込ステップと、
複数の前記線区に属する分岐駅に係る前記線区コード、前記駅順コードおよび分岐先線区コードの関係を分岐データとして記憶する分岐マスタから、前記駅順データ読込ステップで読込まれた前記駅順データに含まれる前記線区コードおよび前記駅順コードをキーとして前記分岐データを読込む分岐データ読込ステップと、
前記駅順データに基づいて前記対象線区に含まれる駅の前記キロ程を表す駅線を描画し、この駅線に対応して前記駅名を表示すると共に、前記分岐先線区コードを関連付けた分岐ボタンを付した前記ダイヤ図を含むダイヤ作成画面を表示するダイヤ作成画面表示ステップと、
前記分岐ボタンが押下された場合に、前記分岐先線区コードに基づいて前記ダイヤ図内の前記対象線区に係る前記駅線の一部を前記分岐駅を起点として前記他の線区に属する前記分岐駅以降の前記駅線に切り替えて表示する線区切替ステップと、
前記ダイヤ作成画面において前記ダイヤ図内に連続した線で描画されたダイヤスジの座標を解析し、前記列車が走行する線区に係る前記線区コード、出発駅、到着駅、出発時刻および到着時刻の関係を示すダイヤデータを作成するダイヤデータ作成ステップと、
を有することを特徴とするダイヤ作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−201153(P2012−201153A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65749(P2011−65749)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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