説明

ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機用のシステム及び装置

【課題】受信信号への局部発振器からの漏れ信号の影響を最小限にする。
【解決手段】データを送信及び受信するシステムを提供する。このシステムは、キャリア周波数信号に変調された信号を受信するダイレクトコンバージョン受信機を具えている。ダイレクトコンバージョン受信機は、1又は2以上の分数調波局部発振器ミクサを具えている。局部発振器は、ダイレクトコンバージョン受信機に接続され、キャリア周波数信号の分数調波に等しい周波数の信号を発生させる。送信機は局部発振器に接続され、局部発振信号を用いて発信データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送の分野に関するものである。さらに詳細には、本発明は、データ伝送用のシステム及び装置であって、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機を、通常これらに要求される、受信信号の直流成分のための遮蔽又はオフセット回路なしで使用できるようにするものである。
【0002】
[関連出願]
本出願は、1999年5月2日に出願された米国特許出願09/260,199号「ダイレクトコンバージョン受信機」に関係しており、当該出願は、本出願と共に所有及び譲渡され、全ての目的に対して引用することをもって本願の記載とする。
【背景技術】
【0003】
ダイレクトコンバージョン受信機は、当該技術分野において公知である。ダイレクトコンバージョン受信機では、データ信号が変調されて含まれている受信キャリア周波数信号は、キャリア周波数と同じ周波数の局部発振器からの信号と混合される。これら2つの信号の信号積(signal product)は、ベースバンド成分とキャリア周波数の2倍の成分とを有する信号である。高い周波数成分はローパスフィルタで除去され、データ信号はベースバンド信号に留まる。そして、ベースバンド信号が処理されて、伝送信号中にエンコードされたデータが取り出される。
【0004】
ダイレクトコンバージョン受信機の欠点の一つは、局部発振器が漏れ信号(leakage signal)を放射することである。漏れ信号は、伝送されてアンテナで受信された信号よりも強いことがある。このような構成では、局部発振信号は、ダイレクトコンバージョン受信機のアンテナで、又はアンテナとミクサ間の中間点で受信され得る。この状況が起きると、放射された局部発振信号は、受信されて、ミクサの入力に直接供給される局部発振信号と混合される。そして、無視できない大きさのDC信号成分がミクサの出力に生じる。
【0005】
このようなフィードバックからDC信号の発生を防止するために、遮蔽又はフィルタリングが行われる。同様に、局部発振器からの漏れ信号によって生成されるDC信号と同じ大きさである、反対の極性を有するDC信号を加えることにより、問題のDC信号をオフセットすることも可能である。DC信号の遮蔽及びオフセットの双方とも、余計な負担が掛かる。例えば、遮蔽の負担と費用、遮蔽による重量増、DCオフセットを生成するために要する余計な電力増、他の同様な負担がある。
【0006】
ゆえに、ダイレクトコンバージョン受信機がある程度の利便性を具える一方で、ダイレクトコンバージョン受信機のアンテナを局部発振器から遮蔽する、又はDC信号をオフセットする余計な負担が、ダイレクトコンバージョン受信機の重量及び費用を大きく増加させる。ダイレクトコンバージョン受信機の増加した重量及び費用は、ダイレクトコンバージョン受信機が効果的に使用される利用形態を制限する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機用のシステム及び方法が提供され、それは、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機に関する公知の問題が克服されるものである。
【0008】
特に、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機用のシステム及び方法が提供され、それは、ダイレクトコンバージョン受信機用の局部発振器が、関係する送信機にも用いることができ、データを受信及び送信するために求められる構成要素の数が減少する。
【0009】
本発明の典型的な実施例によれば、データの送信及び受信用のシステムが提供される。このシステムは、キャリア周波数信号に乗っている変調された信号を受信するダイレクトコンバージョン受信機を具えている。ダイレクトコンバージョン受信機は、1又は2以上の分数調波局部発振器ミクサを具えている。局部発振器は、ダイレクトコンバージョン受信機に接続されて、キャリア周波数信号の分数調波と等しい周波数の信号を発生させる。送信機は、局部発振器に接続されていて、送出すべきデータの送信には、局部発振器を用いる。
【0010】
本発明は、多くの重要な技術的利点を与える。本発明の重要な技術的利点の一つは、データの受信及び送信用のシステム及び方法で、単一の局部発振器をデータの受信及び送信に用いることである。本発明は、分数調波局部発振器を用いて、受信信号への局部発振器からの漏れ場の影響を最小限にする。加えて、通信システムが要求するならば、受信機及び送信機は、時間スロットを受信及び送信機能に割り当てることによって、共に同じ周波数で動作する。
【0011】
当該技術分野で通常の知識を有する者は、図面と共に詳細な説明を読むことにより、本発明の利点と優れた特徴について他の重要な面と併せてさらに理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の典型的な実施例に基づいたダイレクトコンバージョン受信機及び送信機を与えるシステムの図である。
【図2】図2は、本発明の典型的な実施例に基づいたダイレクトコンバージョン受信機の図である。
【図3】図3は、本発明の典型的な実施例に基づいた、送出データ信号を送信する送信機の図である。
【図4】図4は、本発明の典型的な実施例に基づいた、信号を送信する送信機の図である。
【図5】図5は、本発明の典型的な実施例に基づいた、信号を送信する送信機の図である。
【図6】図6は、本発明の典型的な実施例に基づいた、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機を用いる方法の図である。
【図7】図7は、本発明の典型的な実施例に基づいた、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機によってシステム及び構成要素がインターフェイスをするシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記載において、類似の部分は、本明細書及び図面を通じて夫々同じ参照符号で印される。描かれた図は、一定の比率の拡大はされておらず、幾つかの構成要素は、一般的又は略図的な形態で示されており、明確さ及び簡潔さの関係で商業的名称で特定される。
【0014】
図1は、本発明の典型的実施例に基づいたダイレクトコンバージョン受信機及び送信機を与えるシステム(100)の図である。システム(100)により、ダイレクトコンバージョン受信機の局部発振器は、発信信号を送信周波数に変調するために用いることもでき、データを受信及び送信するシステムに必要とされる構成要素の数が減る。システム(100)は、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの適当な組合せで実現され、単一のシリコンウェハー基板上の集積回路であることが好ましい。
【0015】
システム(100)は、アンテナ(124)からのキャリア周波数信号を受信する低ノイズ増幅器(102)を含んでいる。キャリア周波数信号はデータ信号を含んでおり、このデータ信号は、直交位相偏位キーイング(quadrature phase shift keying)、周波数変調、又は他の適当な変調のような、適当な変調技術によって、キャリア周波数信号に変調されている。低ノイズ増幅器(102)は、ハイパスフィルタ(122a)(122b)に結合されている。ここで用いられるように、「結合」、及び「結合する」や「結合した」というようなその変化した語は、(銅導体を介するような)物理的結合、(半導体回路を介するような)論理的結合、(データ記憶デバイスのランダムに割り当てられた記憶位置を介するような)仮想的結合、他の適当な結合、又はこれらのような結合の組合せに言及している。ある典型的な実施例では、システムと構成要素は、半導体回路の導体層のような中間システム又は構成要素を介して、他のシステム及び構成要素と結合される。
【0016】
ハイパスフィルタ(122a)(122b)は、漏れ信号の量を最小化するために用いられる。漏れ信号は、局部発振器(114)から生じ、アンテナ(124)、及び関係するシステム(100)の回路によって、受信される。ある典型的な実施例では、局部発振器(114)は、キャリア信号周波数の2分の1の周波数の信号を発生させ、ハイパスフィルタ(122a)(122b)は、適当な量、例えば−30デシベルだけ漏れ信号の大きさを低減する。この方法によれば、漏れ信号の影響は、アンテナ(124)で受信されるキャリア周波数信号と干渉しないレベルまで低減できる。
【0017】
ミクサ(104)(106)は、低ノイズ増幅器(102)から、増幅されたキャリア周波数信号を受信し、この増幅されたキャリア周波数信号を、局部発振器(114)からの局部発振信号と混合する。バンドパスフィルタ(124a)(124b)は、システム(100)の他の構成要素からの漏れ信号を取り除くのと同様に、局部発振器(114)から受信した信号から、高周波数成分を取り除くために用いられる。このように、バンドパスフィルタ(124a)(124b)は、局部発振器(114)の周波数の信号を通過させる。ローパスフィルタが、局部発振器(114)の周波数以下の周波数を通過させるか、バンドパスフィルタが高い及び低い周波数の双方をブロックしてもよい。
【0018】
ミクサ(104)(106)は、局部発振器から信号を受信し、キャリア周波数と混合する前に、その信号に数値的係数を乗ずる。ある典型的な実施例では、キャリア信号の周波数、局部発振器(114)、及びミクサ(104)(106)の増倍係数が関連して、局部発振器(114)は、キャリア周波数の分数調波周波数の信号を発生させる。ミクサは、局部発振信号をキャリア周波数信号と混合する前に、分数調波の逆数に等しい係数を局部発振信号に乗じる。この方法によれば、ミクサ(104)(106)は、局部発振器(114)の周波数をキャリア周波数に乗ずるので、ミクサ(104)(106)の出力は、ベースバンド周波数の周囲に周波数分布を有し、キャリア周波数の2倍の周波数の周囲に周波数分布を有する信号となる。
【0019】
ミクサ(106)は、フェーズシフタ(108)及びローパスフィルタ(124b)を介して局部発振器(114)からの信号を受信する。フェーズシフタ(108)は、所定量だけ局部発振信号の位相を偏位させ、90度だけ偏位されたミクサ(106)からの出力を生成する。このように、フェーズシフタ(108)の位相偏位の度合いは、局部発振器(114)の周波数及びキャリア信号周波数に合わせて調整されている。
【0020】
ある典型的な実施例では、ミクサ(106)は、キャリア信号周波数の2分の1である局部発振信号を受信する2分の1局部発振器ミクサである。ある典型的な実施例では、フェーズシフタ(108)は、局部発振器(114)から受信した信号の位相を45度偏位させて、位相偏位は、ミクサ(106)によって乗じられた後に90度になる。この方法によれば、ミクサ(104)及びミクサ(106)で生成される信号の位相は90度離れており、直交位相偏位キーイング変調が検知される。同様に、フェーズシフタ(108)、局部発振器(114)、ミクサ(104)及びミクサ(106)に適した他の周波数を用いることができる。例えば、ミクサ(104)(106)は、3分の1局部発振器とミクサであり、局部発振器(114)の周波数は、キャリア周波数の3分の1であり、フェーズシフタ(108)は、局部発振器(114)からの信号の周波数を30度だけ偏位させる。
【0021】
同相信号回路(110)及び直交位相信号回路(112)は、夫々ミクサ(104)(106)と結合されている。同相信号回路(110)及び直交位相信号回路(112)は、同相及び直交位相信号を増幅してフィルタを掛けるために用いられ、低ノイズ増幅器(102)により受信されるキャリア信号に乗っているエンコードされた信号から、直交位相偏位キーイング又は他の適当な変調を検出するために用いられる。
【0022】
局部発振器(114)は、電圧制御型発振器のような適当な発振器であり、所定の周波数の発振信号を生成する。ある典型的な実施例では、局部発振器(114)は、低ノイズ増幅器(102)により受信され、増幅されるキャリア周波数信号の分数調波である周波数の信号を発生させる。この信号の周波数は、例えば、2分の1調波、3分の1調波、4分の1調波又は他の適当な調波である。このようにして、局部発振器(114)とアンテナ(124)間の結合回路に放射される局部発振器(114)で発生した信号は、ミクサ(104)(106)の出力でDC信号を発生しない。
【0023】
周波数逓倍器(116)は、局部発振器(114)に結合され、局部発振器(114)で発生した信号の周波数に所定の係数を乗じて数倍にする。ある典型的な実施例では、システム(100)の送信機は、受信機がキャリア信号を受信していない期間に、キャリア信号周波数と同じ周波数の信号を送信する。この典型的な実施例では、周波数逓倍器(116)は、ミクサ(114)の出力信号に、ミクサ(114)の分数調波の逆数に対応する量を乗ずる。例えば、局部発振器(114)がキャリア信号の周波数の2分の1である周波数の発振信号を発生させる場合、周波数逓倍器(116)は、この信号周波数に係数2を乗ずる。別の典型的な実施例では、局部発振器(114)がキャリア信号の周波数の3分の1である周波数の信号を発生させる場合、周波数逓倍器(116)は、この信号周波数に係数3を乗じる。他の適当な係数を用いてもよい。
【0024】
周波数逓倍器(116)は、また、送信キャリア周波数を受信キャリア周波数以外のレベルに増加することに用いることもできる。この構成では、システム(100)は、同時に送信と受信ができ、送信期間を受信期間と調整する必要はない。同様に、周波数逓倍器(116)を除いて、送信キャリア周波数を局部発振器周波数に等しくできる。
【0025】
同相/直交変調器(118)は、送出する同相及び直交信号を受信し、それら信号を周波数逓倍器(116)から受信したキャリア周波数に変調する。例えば、同相及び直交信号は、周波数逓倍器(116)から受信した信号に、直交位相偏位キーイングを行うために使用できる。この変調信号は、アンテナから送信するためにパワーアンプ(120)に供給される。
【0026】
動作中、システム(100)は、エンコードされたデータで変調されたキャリア信号のダイレクトコンバージョン受信を行うために用いられる。さらに、システム(100)で発生するデータ信号を送信するため、同じ局部発振器周波数を利用する。このようにして、フィードバック、直流の発生、及び、システム(100)のダイレクトコンバージョン受信機及び送信機へのその他の望ましくない影響の可能性を最小にするように、システム(100)は信号の受信及び送信に使用できる。
【0027】
図2は、本発明の典型的な実施例に基づいたダイレクトコンバージョン受信機(200)の図である。ダイレクトコンバージョン受信機(200)は、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの適当な組合せで実現でき、単一のシリコンウエハーダイに組み込まれた集積受信/送信回路の部分である単一の回路とすることもできる。
【0028】
ダイレクトコンバージョン受信機(200)は、低ノイズ増幅器(102)とミクサ(106)の間で結合されたフェーズシフタ(202)を具えている。この構成では、フェーズシフタ(202)は、変調された受信キャリア信号を偏位させて、直交信号(112)を作り出す。ゆえに、分数調波局部発振信号に乗っているフェーズシフタ(202)の偏位量が、ミクサ(106)の増倍係数と乗じられているシステム(100)の構成とは対照的に、フェーズシフタ(202)の影響は、ミクサ(106)で逓倍されていない。つまり、フェーズシフタ(202)は、局部発振器の周波数に対応する割合の代わりに、増幅されたキャリア信号を90度偏位するために用いられる。加えて、ハイパスフィルタ(122a)(122b)、及びローパスフィルタ(124a)(124b)のような適当な周波数フィルタが用いられて、局部発振器又は他のシステム構成要素からの漏れを通じてキャリア周波数信号に生じる信号成分を減少させる。
【0029】
動作中、ダイレクトコンバージョン受信機(200)は、要求される遮蔽量と生成されるDCオフセットの量を低減する方法で、データ信号で変調されたキャリア信号が、ベースバンド信号に直接的に変換されることを許容する。ダイレクトコンバージョン受信機(200)は、ダイレクトコンバージョン受信機(200)で用いられる局部発振器と同じ局部発振器を用いる送信機と結合できる。これにより、必要な構成要素の数が低減され、受信及び送信回路を単一のシリコンウェハーダイに作成可能となる。
【0030】
図3は、本発明の典型的な実施例に基づいた、送出データ信号を送信する送信機(300)の図である。送信機(300)は、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの適当な組合せで実現でき、単一のシリコンウエハーダイに組み込まれた集積受信/送信回路の部分である単一の回路とすることもできる。
【0031】
送信機(300)は、同相/直交変調器(118)の局部発振器から信号を受信し、直交位相偏位キーイングされた信号又は他の適当な変調でエンコードされたデータも受信する。そして、同相/直交変調器は、直交位相偏位キーイングされた又は別の方法で変調された信号で、局部発振器から受信した信号を変調し、送出データ信号を発生させる。送出データ信号の周波数は逓倍器(302)で逓倍されて、その後パワーアンプ(120)で増幅される。このように、エンコードされた送出データ信号を運ぶ発信キャリア信号は、局部発振信号がデータ信号で変調された後、逓倍される。結果として、局部発振信号にエンコードされ、直交位相偏位キーイングされた又は別の方法で変調された信号は、エンコードされたデータを正確にデコードするために、同相/直交変調器(118)で与えられる増倍係数の逆数に対応する位相偏位を有さねばならない。また、送出データ信号は、変調後は周波数逓倍なしで送信できる。
【0032】
ある典型的な実施例では、2の増倍係数が、逓倍器(302)で局部発振信号に与えられるので、同相/直交変調器(118)で与えられる位相偏位は、確実にエンコードされたデータをデコードするのに、信号受信機で要求される位相偏位の2分の1となる。従って、伝送されたデータ信号が90度のキーイングされた位相偏位を有する場合、同相/直交変調器(118)で与えられる位相偏位は、この典型的な実施例では45度になる。
【0033】
動作中、送信機(300)は、単一の局部発振器の使用により、ダイレクトコンバージョン受信機のためにキャリア信号を変調し、送出データ信号を送信することができる。送信機(300)による送出データ信号の変調は、発信キャリア信号に至るまでの信号の逓倍に先立って行われる。送信機(300)は、受信及び送信回路を単一のシリコンウェハーダイ上に作成することができる。
【0034】
図4は、本発明の典型的な実施例に基づいた、信号を送信する送信機(400)の図である。送信機(400)は、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの適当な組合せで実現でき、単一のシリコンウエハーダイに組み込まれた集積受信/送信回路の部分である単一の回路とすることもできる。
【0035】
送信機(400)は周波数変調器(402)を具えており、この周波数変調器(402)は、局部発振器(114)によって生成される信号に送出データ信号を変調する。スイッチ(404)は、周波数変調器(402)及びフェースロックループ(406)に結合されており、スイッチ(404)が閉じている場合、変調器(402)とスイッチ(404)とを含む回路によって、局部発振器(114)は、短い期間で所定の局部発振器周波数からずれることなく、周波数変調器(402)の信号で変調される。この方法によれば、周波数変調器(402)は、所定の期間に、局部発振器(114)で発生した信号を変調することに使用できる。ある典型的な実施例では、所定の受信期間と送信期間が用いられて、単一のキャリア周波数を、ダイレクトコンバージョン受信機とデータを受信及び送信することに使用できる。
【0036】
スイッチ(404)が使用されると、送信機(400)は送信期間に送信でき、受信期間に送信を中断できる。この典型的な実施例では、逓倍器(408)及びパワーアンプ(120)は、送信の間オンになり、受信の間オフになる。ある典型的な実施例では、スイッチ(404)は、例えば、ローカルクロック信号及び受信データ信号を受信することにより、送信及び受信期間を検知できる。別の典型的な実施例では、スイッチ(404)は、コントローラから制御信号を受信する。このコントローラにより、スイッチ(404)は、受信期間に、局部発振器(114)をフェーズロックループ(406)に接続し、送信期間に、局部発振器(114)を周波数変調器(402)に接続する。他の適当な構成が用いられてよい。
【0037】
局部発振器(114)は逓倍器(408)に結合され、所定の倍数を局部発振器(114)から受信した変調されたデータ信号の周波数に乗じる。周波数変調器(402)は、この逓倍器周波数の所定の逆数である倍数で、局部発振信号(114)を変調する。ある典型的な実施例では、局部発振器(114)はキャリア信号の周波数の2分の1である信号を発生し、周波数変調器(402)は、エンコード及び送信されるデータに対応する送信変調レートの2分の1で局部発振信号の周波数を変調する。
【0038】
動作中、送信機(400)によって、単一の局部発振器を、ダイレクトコンバージョン受信機のためにキャリア信号を変調し、送出データ信号を送信することに使用可能となる。フェーズロックロープ及びスイッチが送信機(400)で使用されて、所望の周波数で局部発振器を維持し、送信及び受信期間が夫々制御される。送信機(400)によって、受信及び送信回路を単一のシリコンウェハーダイ上に作成可能となる。
【0039】
図5は、本発明の典型的な実施例に基づいた、信号を送信する送信機(500)の図である。送信機(500)は、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの適当な組合せで実現でき、単一のシリコンウエハーダイに組み込まれた集積受信/送信回路の部分である単一の回路とすることもできる。
【0040】
送信機(500)は、局部発振器に結合されると共に、所定の周波数で局部発振器を維持するフェーズロックループ(502)を具えている。周波数変調器(504)は、局部発振器(114)及び基準発振器(506)に結合され、局部発振器(114)で発生した信号に送出データ信号を変調する。フェーズロックループ(502)は、受信及び送信期間にロックされる。送信の間、周波数変調器(504)は局部発振器(114)に変調を施す。フェーズロックループ(502)はロックされるので、フェーズロックループ(502)は変調の低周波数部分を除去する傾向がある。これを防止するために、変調が基準発振器(506)にも施される。変調されたデータ信号を伴う局部発振器(114)の信号出力の周波数は、その後逓倍器(508)で逓倍されて、パワーアンプ(120)で送信パワーレベルに増幅される。それゆえ、周波数変調器(504)の変調周波数は、逓倍器(508)によるその後の逓倍を相殺するように合わせられ、送信された信号は、エンコードされた送出データ信号が検知及び取り出される変調を有することになる。
【0041】
ある典型的な実施例では、周波数変調器に供給される送出データ信号は、受信期間に信号が供給されないように制御され、送出データ信号は送信期間に供給される。他の適当な構成を用いることもできる。
【0042】
動作中、送信機(500)によって、単一の局部発振器を、ダイレクトコンバージョン受信機のためにキャリア信号を変調し、送出データ信号を送信するために使用できる。送信機(500)によって、受信及び送信回路を、単一のシリコンウェハーダイ上に作成できる。
【0043】
図6は、本発明の典型的な実施例に基づいた、信号を送信する方法(600)の図である。方法(600)により、単一の局部発振器をデータを受信及び送信するために使用でき、受信信号における局部発振器からの漏れ場の効果を低減できる。
【0044】
方法(600)は、エンコードされたデータ信号を有するキャリア信号が受信されて始まる(602)。キャリア信号は、所定の周波数で送信され、直交位相偏位キーイングのような適当な変調技術を用いてキャリア信号に変調された、エンコードされたデータ信号を含んでいる。そして、この方法は、位相偏位キーイングが用いられるか否かを決定する(604)。この方法を、位相偏位キーイングが常時使用される、又は位相偏位キーイングが使用されない回路を用いて実施することもでき、位相偏位キーイングが使用されるか否かを決定する過程は行われない。位相偏位キーイングが使用されない場合、この方法は直接に(610)に至る。使用される場合は(606)に至る。
【0045】
(606)では、キャリア信号は、同相及び直交位相偏位信号に分離される。そして、この方法では、直交位相信号が位相偏位される(608)。ある典型的な実施例では、直交位相信号は、キャリア信号を90度位相偏位させることで位相偏位される。別の典型的な実施例では、直交位相信号は、分数調波周波数の逆数に対応する係数で、分数調波局部発振信号を位相偏位させることで位相偏位され、局部発振信号が逓倍されて、キャリア周波数信号と混合される場合、位相偏位係数は、90度に等しくなるように逓倍される。そして、この方法は(610)に至る。
【0046】
(610)では、キャリア信号は分数調波ミクサを介して分数調波局部発振信号と混合され、ベースバンド信号、及びキャリア信号の周波数の2倍の信号が発生する。ある典型的な実施例では、キャリア信号は、2分の1局部発振器ミクサを用いて、2分の1局部発振信号と混合される。そして、この方法では、ベースバンド受信信号が取り出される(612)。ベースバンド受信信号は、同相成分と直交位相成分として取り出されるので、直交位相キーイングされたデータ信号のデコードが容易になる。そして、この方法は(614)に至る。
【0047】
(614)では、送出データ信号は、データソースから受信される。そして、この方法では、分数調波局部発振信号を用いて送出データ信号が変調される(616)。ある典型的な実施例では、同相及び直交位相変調器が用いられて、送出データ信号を局部発振信号に変調する。別の典型的な実施例では、周波数変調器が用いられて、送出データ信号を局部発振信号に変調する。そして、この方法では、変調された送出データ信号の周波数がキャリア周波数に乗じられる。この逓倍は、局部発振信号の変調の前に行われる。同様に、逓倍は、変調後にも行うことができ、送出データ信号は、局部発振器の分数調波周波数に対応する係数で局部発振信号に変調される。例えば、局部発振器の分数調波周波数がキャリア周波数の2分の1である場合、送出データ信号内のデータは、そのデータが受信機で受信されデコードされるために要求される周波数の2分の1で変調される。他の適当な手段を用いることもできる。
【0048】
動作中、方法(600)は、ダイレクトコンバージョン受信機又は他の適当な受信機、及びキャリア周波数の分数調波の周波数を有する局部発振器を用いて、受信データ信号を受信し、送出データ信号を発信するために使用される。方法(600)により、ダイレクトコンバージョン受信機又は他の適当な受信機を、遮蔽又はDCオフセット補正無しで使用でき、さらに、局部発振器を、送信機と共に使用して、送信データストリームをキャリア周波数又は他の適当な送信用周波数に変調できる。
【0049】
図7は、本発明の典型的な実施例に基づいて、システム及び構成要素が、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機を介してインターフェイスするシステム(700)の図である。システム(700)により、システム及び構成要素は、経済的で軽量化された方法で、短距離の無線結合によりインターフェイス可能となる。
【0050】
システム(700)は、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機、(702a)から(702d)を含んでおり、本発明のシステム(100)から(500)までの特徴を含むことができる。加えて、付加的なインターフェイス回路により、受信データ信号内のデジタルエンコードされたデータが、取り出されて、付加的なシステム又は構成要素に供給される。そして、この回路は、その付加的なシステム又は構成要素からの発信データストリ−ムを受信し、他のシステム又は構成要素に送信する。図7に示す典型的な実施例では、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機(702a)は、ローカルエリアネットワーク(704)に結合されており、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機(702b)は、電話機(706)に結合されており、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機(702c)(702d)は、ラップトップコンピュータ(706a)(706b)に結合されている。これらの構成要素は、ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機、(702a)から(702d)により与えられる無線結合を用いて、他の構成要素とデータを送受信する。ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機、(702a)から(702d)の軽量化及び低コスト化により、無線結合を、多くの装置に、及びこのような無線結合を与えることが非常に高価であった多くの状況下で、廉価で与えることが可能となる。
【0051】
ダイレクトコンバージョン受信機及び送信機のためのシステム及び方法について典型的な実施例が詳細に説明されたが、当該技術分野における通常の知識を有する者は、請求項の範囲と思想から逸脱することなく、これらシステム及び方法に種々の置換及び変更を加えることが可能であることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は2以上の分数調波局部発振器ミクサを具え、キャリア周波数信号に変調された信号を受信するダイレクトコンバージョン受信機と、
前記ダイレクトコンバージョン受信機に接続されており、Nは2以上の整数であり、前記キャリア信号周波数の1/N倍である局部発信周波数を有する局部発振信号を生成する局部発振器と、
送信機とを具えており、
前記送信機は、
1/Nの因子で逓倍された出力データ信号を有しており、前記局部発振器を変調する周波数変調器と、
フェーズロックループと、
受信期間に、前記フェーズロックループを前記局部発振器の変調入力に接続し、送信期間に、前記周波数変調器を前記局部発振器の前記変調入力に接続するスイッチと、
前記局部発振器の出力に接続されており、Nで前記局部発振信号を逓倍することで送信機出力信号を生成する周波数逓倍器とを具えている、データの送信及び受信用のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−254496(P2011−254496A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−150206(P2011−150206)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【分割の表示】特願2002−514873(P2002−514873)の分割
【原出願日】平成13年7月18日(2001.7.18)
【出願人】(503031330)スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
【Fターム(参考)】