説明

ダイレクト露光装置及びダイレクト露光方法

【課題】分割露光のオーバラップ部分において、分割露光した場合の相反則不軌を補償できるダイレクト露光装置及び露光方法を提供する。
【解決手段】複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスと、光を照射する光源部と、前記デジタルマイクロミラーデバイスを主走査方向及び前記主走査方向と交差する副走査方向に移動させる走査部と、前記各マイクロミラーを操作して、前記被露光面にパターンを露光する画像制御部と、前記光源部、前記走査部、前記画像制御部を制御するシステム制御部と、を備え、前記システム制御部は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記主走査方向に沿った走査で被露光面の同一箇所を複数回にわたって走査して分割露光する場合に、前記分割露光の各走査ごとに、あらかじめ記憶させた分割露光に起因する相反則不軌を補償する露光条件で露光を行うように、前記光源部、前記走査部、前記画像制御部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムを用いることなく、複数のマイクロミラーを備えたデジタルマイクロミラーデバイス等のダイレクト露光用チップを使用して、ダイレクト露光を行うダイレクト露光装置及びダイレクト露光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーン上に製版する製版技術として、マスキングフィルムを用いたフィルム製版技術が行われてきた。例えば、紗張りしたスクリーン枠に感光乳剤を塗って乾燥させた版(PS版という。)に、原版となるフィルムを密着させて、UV光を含むメタルハライドランプなどで一定時間露光することによってパターン形成が行われてきた。
【0003】
しかし、上記製版技術では、原版フィルムの作成の工数、納期、コスト、原版とスクリーンとの密着時に発生する様々な欠点発生等の多くの課題が存在する。従来の露光法での技術的課題としては、以下のものがある。
(1)原版の寸法制度(伸び縮み)による版のズレの発生
(2)原版密着時のゴミ混入によるピンホールの発生
(3)原版の厚み方向に光が拡散することによる画像エッジ部の滲み発生
(4)原版の傷による欠陥の発生
【0004】
これに対して、フィルムを用いることなく、複数のマイクロミラーを備えたデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いたデジタルダイレクト露光方法が開発された(例えば、特許文献1参照。)。このデジタルマイクロミラーデバイスは小さいため、広い露光範囲に対して、一度の露光だけでは全面の露光を行うことができない。そこで、露光範囲に対してデジタルマイクロミラーデバイスを主走査方向に沿って走査して露光させ、さらに、主走査方向に垂直な副走査方向にシフトさせた後、主走査方向に沿って走査して露光させ、これを繰り返すことによって、露光範囲全面にわたる露光を行う必要がある。
【0005】
上記の場合、主走査方向に走査する際には連続的に走査するため、規定の露光光量を得ることができる。一方、副走査方向にデジタルマイクロミラーデバイスをその全幅にわたってシフトさせて上記と同様に主走査方向について走査を行うと、隣接する2本の主走査方向の走査の間には、いわゆる隙間やズレ、あるいはつなぎ目部分等の欠陥が発生しやすいことがわかった。位置精度を向上させることによって隙間やズレ、つなぎ目部分等の欠陥を生じないようにすることが可能と考えられるが、例えば、「露光エリアを走査させながらオーバラップ露光を実行し、露光エリアを互いに主走査方向に沿ってオーバラップしながら露光される」方法などがある(例えば、特許文献2及び3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−257844号公報
【特許文献2】特開2004−146789号公報
【特許文献3】特開2006−319098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献2及び3で行われているように、オーバラップ部分において、2回の分割露光の積算光量を1回露光の規定の露光光量の100%としても、寸法変化(収縮)などが発生し、1回露光の場合のような感光乳剤の膜厚が得られないという分割露光に起因する相反則不軌の課題を見出したものである。
【0008】
そこで、本発明の目的は、オーバラップ部分において、分割露光した場合の相反則不軌を補償できるダイレクト露光装置及び露光方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るダイレクト露光装置は、複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスと、
前記デジタルマイクロミラーデバイスに光を照射する光源部と、
前記デジタルマイクロミラーデバイスを主走査方向及び前記主走査方向と交差する副走査方向に移動させる走査部と、
前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記各マイクロミラーを操作して、被露光面にパターンを露光する画像制御部と、
前記光源部、前記走査部、前記画像制御部を制御するシステム制御部と、
を備え、
前記システム制御部は、前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記主走査方向に沿った走査で被露光面の同一箇所を複数回にわたって走査して分割露光する場合に、前記分割露光の各走査ごとに、あらかじめ記憶させた分割露光に起因する相反則不軌を補償する露光条件で露光を行うように、前記光源部、前記走査部、前記画像制御部を制御する。
【0010】
また、前記光源部は、異なる波長の光を照射する複数の光源を有し、前記分割露光の各走査ごとに異なる光源から前記デジタルマイクロミラーデバイスに光を照射してもよい。
【0011】
さらに、前記走査部は、前記デジタルマイクロミラーデバイスを前記主走査方向と交差する副走査方向に前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記副走査方向に沿った全幅より小さい幅づつシフトさせ、前記主走査方向に沿って走査する第1の走査と、前記副走査方向について前記第1の走査と隣接する第2の走査との間に、前記第1の走査と前記第2の走査の少なくとも2回にわたって走査して露光するオーバラップ部分を形成してもよい。
【0012】
またさらに、前記走査部は、前記デジタルマイクロミラーデバイスを前記主走査方向と交差する副走査方向に前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記副走査方向に沿った全幅の1/n(なお、nは1より大きい整数)の幅づつシフトさせ、前記被露光面の各部分をn回にわたって走査して露光する、請求項1に記載のダイレクト露光装置。
【0013】
本発明に係るダイレクト露光方法は、複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いて被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法であって、
前記デジタルマイクロミラーデバイスに光を照射する照射ステップと、
前記デジタルマイクロミラーデバイスを主走査方向及び前記主走査方向と交差する副走査方向に移動させる走査ステップと、
前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記各マイクロミラーを操作して、前記被露光面にパターンを露光するステップと、
前記被露光面の同一箇所を複数回にわたって走査して分割露光する場合に、前記分割露光の各走査ごとに、あらかじめ記憶させた分割露光に起因する相反則不軌を補償する露光条件で露光を行う分割露光ステップと、
を含む。
【0014】
また、前記分割露光ステップの各走査ごとに異なる光源から前記デジタルマイクロミラーデバイスに光を照射してもよい。
【0015】
さらに、前記走査ステップにおいて、前記デジタルマイクロミラーデバイスを前記主走査方向と交差する副走査方向に前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記副走査方向に沿った全幅より小さい幅づつシフトさせ、
前記分割露光ステップにおいて、前記主走査方向に沿って走査する第1の走査と、前記副走査方向について前記第1の走査と隣接する第2の走査との間に、前記第1の走査と前記第2の走査の少なくとも2回にわたって走査して露光するオーバラップ部分を形成してもよい。
【0016】
またさらに、前記走査ステップにおいて、前記デジタルマイクロミラーデバイスを前記主走査方向と交差する副走査方向に前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記副走査方向に沿った全幅の1/n(なお、nは1より大きい整数)の幅づつシフトさせ、
前記分割露光ステップにおいて、前記被露光面の各部分をn回にわたって走査して露光してもよい。
【0017】
本発明に係るスクリーンの製造方法は、複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法であって、
スクリーンメッシュを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布するステップと、
前記第1の感光乳剤の層の上に、前記第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤を塗布するステップと、
を含む。
【0018】
本発明に係るスクリーンの製造方法は、複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法であって、
スクリーンメッシュを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布するステップと、
前記第1の感光特性を有する前記第1の感光乳剤の層と、前記第1の感光乳剤の層の下に、前記第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤の層とを有するフィルムを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に塗布した前記第1の感光乳剤の層の上に、前記フィルムの前記第1の感光乳剤の層を貼り合わせるステップと、
を含む。
【0019】
本発明に係るスクリーンの製造方法は、複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法であって、
スクリーンメッシュを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布するステップと、
前記第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤の層を有するフィルムを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に塗布した前記第1の感光乳剤の層の上に、前記フィルムを貼り合わせるステップと、
を含む。
【0020】
本発明に係るスクリーンの製造方法は、複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法であって、
スクリーンメッシュを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布するステップと、
前記第1の感光特性を有する前記第1の感光乳剤の層を有するフィルムを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に塗布した前記第1の感光乳剤の層の上に、前記フィルムの前記第1の感光乳剤の層を貼り合わせるステップと、
前記フィルムの上に前記第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤を塗布するステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るダイレクト露光装置及び露光方法によれば、あらかじめ分割露光の場合の積算光量と成膜量との間の関係を得ることによって、分割露光に起因する相反則不軌を補償する露光条件を導くことができる。これによって、ダイレクト露光方法において、上記分割露光に起因する相反則不軌を補償する露光条件で、分割露光の各走査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】デジタルマイクロミラーデバイスの構成を示す概略図である。
【図2】図1のデジタルマイクロミラーデバイスのヘッドをスクリーン上で主走査方向に移動させながら露光する模式図である。
【図3】出力画像を形成するために、デジタルマイクロミラーデバイスを主走査方向に移動させながら露光する際の各ミラーのオンオフ状態を示す概略図である。
【図4】本発明の実施例1に係るデジタルダイレクト露光方法における、2回の主走査方向の露光の際に、同一箇所を2回にわたって走査し露光するオーバラップ部分での1回目の光量と2回目の光量との関係を示す図である。
【図5】本発明の実施例1のダイレクト露光方法において、分割露光に起因する相反則不軌を補償するように設定した、分割露光の1回目の光量と2回目の光量との様々な関係の例を示す概略図である。
【図6】実施例2に係る分割露光における1回目の光量の設定例を示す図である。
【図7】オーバラップ部分の露光時に、1回露光に対して、2回露光の分割露光を行った場合に、分割露光に起因して露光光量に相反則不軌の現象が発生することを示す概略図である。
【図8】デジタルマイクロミラーデバイスを副走査方向に1/3幅づつシフトさせるごとに主走査方向に走査させて露光させ、スクリーン20の各部分について3回づつ露光させる場合の概略図である。
【図9】従来のフィルム製版の概要を示すものであって、(a)は、パターン52を有するフィルム50をスクリーン54上に張り付けるステップを示す図であり、(b)は、フィルム50を張り付けたスクリーン50を全体で露光して、スクリーン上にパターンを形成するステップを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係るダイレクト露光装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態に係るダイレクト露光装置、ダイレクト露光方法について、添付図面を用いて以下に説明する。なお、図面において実質的に同一の部材は同一の符号を付している。
【0024】
実施の形態1
<ダイレクト露光装置>
図10は、本発明の実施の形態1に係るダイレクト露光装置30の構成を示すブロック図である。このダイレクト露光装置30は、複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイス10と、デジタルマイクロミラーデバイスに光を照射する光源部32と、デジタルマイクロミラーデバイス10を主走査方向及び副走査方向に移動させる走査部34と、画像データ40に基づいてデジタルマイクロミラーデバイス10の各マイクロミラーを操作して、被露光面にパターンを露光する画像制御部36と、光源部32、走査部34及び画像制御部36を全体として制御するシステム制御部38と、を備える。なお、画像制御部36とシステム制御部38とは一体的に構成してもよい。
【0025】
以下に、このダイレクト露光装置の各構成部材について説明する。
図1は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)10の構成を示す概略図である。このデジタルマイクロミラーデバイス10は、例えば、一つのマイクロミラーが一辺約10.8μmの鏡からなり、横方向に1920個、縦方向に1080個のマイクロミラーを配置している。デジタルマイクロミラーデバイス10のミラー・アレイ部分の大きさは、例えば、横26mm、縦15mm程度である。また、ダイレクト露光の際には、各マイクロミラーをオンオフして光を照射して被露光面にパターン(画像)を形成する。
【0026】
光源部32は、被露光面の感光乳剤を感光させる波長の光を照射できる光源を有する。また、光源部32は、異なる波長の光を照射する複数の光源を有してもよい。この場合、分割露光の各走査ごとに異なる光源からデジタルマイクロミラーデバイスに光を照射することができる。なお、焦点深度の異なる複数の光源を有してもよい。これによって、分割露光の各走査ごとに焦点深度を変えて照射できる。また、光量を適宜変化させることができる光源を有してもよい。
【0027】
図2は、スクリーン20に対して、走査部34によってデジタルマイクロミラーデバイス10を主走査方向22に走査して露光する場合の概略図である。スクリーン20がデジタルマイクロミラーデバイス10の大きさよりもはるかに大きいので、デジタルマイクロミラーデバイス10そのままで露光してもスクリーン20全体を露光できない。そこで、走査部34によってデジタルマイクロミラーデバイス10を主走査方向22に沿って走査して露光する。さらに、1回の主走査方向22への走査でもスクリーン20全体を露光できない場合には、走査部34によってデジタルマイクロミラーデバイス10を主走査方向22と交差する副走査方向にシフトして、複数回にわたって主走査方向22に走査して露光を行う必要がある。
【0028】
なお、走査部34によってデジタルマイクロミラーデバイスの副走査方向に沿った全幅より小さい幅づつシフトさせ、主走査方向に沿って走査する第1の走査と、副走査方向について第1の走査と隣接する第2の走査との間に、第1の走査と第2の走査の少なくとも2回にわたって走査して露光するオーバラップ部分を形成することができる。具体的には、第1の走査から第2の走査について、デジタルマイクロミラーデバイスをその全幅より小さくシフトさせることによって、第1の走査に対してオーバラップさせながら第2の走査を行うことができる。また、図8に示すように、走査部34によってデジタルマイクロミラーを主走査方向と交差する副走査方向に、デジタルマイクロミラーデバイスの副走査方向に沿った全幅の1/n(なお、nは1より大きい整数)の幅づつシフトさせることによって、被露光面の各部分をn回にわたって走査して露光することができる。図8では、デジタルマイクロミラーデバイスを全幅の1/3づつシフトさせることで、被露光面の各部分を3回づつ走査することができる。
【0029】
画像制御部36は、画像データ40に基づいてデジタルマイクロミラーデバイス10の各マイクロミラーを操作して、被露光面にパターンを露光する。図3は、デジタルマイクロミラーデバイス10を主走査方向22に走査して露光する場合に、画像制御部36によって出力画像をどのように出力するか、を示す概略図である。図3に示すように、出力画像を形成する箇所のマイクロミラーをオンとし、それ以外のマイクロミラーをオフとする。なお、走査部34による主走査方向への移動は、連続的に移動させるのではなく、デジタルマイクロミラーデバイス10の一つのマイクロミラー分の10.8μm分だけステップシフトさせる。つまり、デジタルマイクロミラーデバイスをステップシフトさせながら主走査方向の走査を行う。
【0030】
<分割露光について>
次に、被露光面の同一箇所を複数回にわたって走査する分割露光について説明する。
上述のように、デジタルマイクロミラーデバイス10は小さく、広いスクリーン20の全体を露光するには複数回の主走査方向の走査が必要となる。この場合に、本発明のダイレクト露光方法では、2本の走査の間に上記のオーバラップ部分を設け、同一箇所を複数回にわたって走査する分割露光を行う。
【0031】
図7は、オーバラップ部分の露光時に、1回露光に対して、2回露光の分割露光を行った場合に、分割露光に起因して露光光量に相反則不軌の現象が発生することを示す概略図である。また、下記の表1は、図7に示す1回露光及び2回露光の露光時間と感光乳剤の残存する膜厚との関係をそれぞれ相対値(0%−100%)で示す表である。1回露光とは、露光を1回だけ行う場合であって、その露光時間と感光乳剤の残存する膜厚との関係をそれぞれ相対値(0%−100%)で示している。2回露光とは、2回の露光、つまり、分割露光を行う場合である。2回露光では、まず、1回目の露光を1回露光の際の20%の露光時間で実施後、時間をおいて2回目の露光を1回露光換算で残り80%の露光時間の範囲内(0%、10%、20%、40%、80%の5点)で実施した。図7では、2回露光の露光時間は、1回目の露光の露光時間と2回目の露光の露光時間とを積算したものについて、膜厚との関係をそれぞれ相対値(0−100)で示している。下記の表1は、図7の各点の露光条件によって得られた相対膜厚の値を示すものである。表1に示すように、2回露光のうちの2回目の露光は、1回露光換算で0%、10%、20%、40%、80%の露光量でそれぞれ露光した。なお、表1では、2回露光の場合、1回目の露光で既に20%露光量での露光が行われているので、2回目の露光が0%の露光量でも合計20%の露光量となる。そのため、2回露光の2回目の露光のそれぞれによって、合計20%、合計30%、合計40%、合計60%、合計100%の露光量となる。
【0032】
【表1】

【0033】
図7の結果から、1回露光の場合の光量と、2回露光の1回目の露光と2回目の露光との総光量が、同じ場合であっても膜厚(相対値)は異なっている。つまり、1回露光に対して、2回露光の場合には、露光時間すなわち照射光量と成膜量との間に相反則が成立しない。上記のように、本願では、分割露光に起因する相反則不軌の課題を見出したものである。図7の2回露光の場合の積算光量と成膜量との間の関係から、分割露光に起因する相反則不軌を補償する露光条件を導くことができる。
【0034】
なお、図7の場合、2回露光の1回目の露光を1回露光の20%の露光時間で実施したが、例えば、1回目の露光を30%、40%、60%等の露光条件とした場合の分割露光の相反則不軌を補償する露光条件を得ておくことが好ましい。また、分割露光の1回目と2回目の露光時間の割合が異なる場合のそれぞれの相反則不軌を補償する露光条件を得ておくことによって、例えば、後述するようにオーバラップ部分での一端から他端にわたって1回目の光量を段階的に変化させていた場合、分割露光に起因する相反則不軌を補償するように2回目の光量を設定しやすくなる。
【0035】
なお、相反則とは、露光された感光乳剤の光学密度は,露光時間と光の強度の積に比例する(ブンゼン‐ロスコーの法則)ことをいう。また、相反則不軌とは、様々な条件、例えば、光源が低照度又は高照度である場合や、露光時間が短すぎる場合、又は、長すぎる場合等の条件によって上記相反則からのずれが認められる現象をいう。本願では、特に分割露光に起因する相反則不軌の課題を見出したものである。
【0036】
(実施例1)
図4は、実施例1のダイレクト露光方法において、デジタルマイクロミラーデバイス10を主走査方向22にオーバラップ部分で2回にわたって走査して分割露光する場合に、隣接する2つの主走査方向の走査の際のオーバラップ部分の1回目の露光の露光量と2回目の露光の露光量とを示す概略図である。1回目の露光と2回目の露光とにおいて、オーバラップしない部分への光量は通常照射される100%の光量で照射される。一方、オーバラップ部分において、1回目の露光では、光量を副走査方向の距離に対して直線的に変化させた場合、分割露光に起因する相反則不軌を補償するように、2回目の露光では光量を副走査方向の距離に対して上に凸となるように曲線的に変化させている。
【0037】
図5は、本発明の実施例1のダイレクト露光方法において、分割露光に起因する相反則不軌を補償するように設定した、分割露光の1回目の光量と2回目の光量との様々な関係の例を示す概略図である。縦軸及び横軸は、それぞれ1回露光の場合の光量(積算光量又は露光時間に対応する)を100%とした場合の相対値を示す。なお、1回目の光量の100%と2回目の光量の100%とを結ぶ直線は、1回目の光量と2回目の光量の積算光量が100%になる場合であり、この場合、分割露光に起因する相反則不軌が生じない場合であるので、本発明に係るダイレクト露光方法の対象とならない。この直線より上に凸な場合、1回目の光量と2回目の光量との積算光量が1回露光の光量より多くなる場合である。上記直線より下に凸の場合、1回目の光量と2回目の光量との積算光量が1回露光の光量より少なくなる場合である。これは、感光乳剤のUV硬化感度や膜厚、硬化時の収縮率、使用するスクリーンメッシュの線径、メッシュ厚、露光する光量等の条件によって変化する。
【0038】
(実施例2)
図6は、実施例2に係る分割露光における1回目の光量の設定例を示す図である。この実施例2では、分割露光の1回目の露光の光量をオーバラップ部分の距離に対して直線で設定するのではなく、オーバラップ部分の距離に対して下に凸の曲線的に変化させる場合の一例を示すものである。
【0039】
(実施例3)
実施例3に係るダイレクト露光方法では、分割露光の1回目をオフセットさせる方法に関する。この実施例3は、まず、1回目の露光で輪郭線を先に露光した後、2回目以降の走査(分割露光又は多重露光)で間を塗りつぶし露光することを特徴とする。1回目の露光で輪郭線を先に露光し、重ね合わせ部分の変形を最小に抑えることができる。また、初めに輪郭線を露光することで、露光するエリアでの光の拡散が減少し、スクリーンのプロファイル(形状)が安定する。なお、感光乳剤等の感光材料の化学的な変化のため、さまざまな要因が考えられるが、スクリーンの紗及び感光乳剤の伸びは最小に抑えられるので、塗りつぶし時の輪郭の広がり(光のにじみ)や寸法変化が少なくなる。
【0040】
(実施例4)
実施例4に係るダイレクト露光装置及び方法では、2か所(DUAL)の光源部32を用いて、非露光面に対する焦点深度を変えることを特徴とする。この場合、光源部32だけでなく、デジタルマイクロミラーデバイス10、走査部34を含めた光源ヘッドを2組あるいは、それ以上用意してもよい。実施例4は、分割露光の1回目の露光では光源の焦点を被露光面の表面側に設定して表面側の感光乳剤を感光させ、2回目の露光では光源の焦点を被露光面の内部側に設定して内部側の感光乳剤を感光させる。
【0041】
(実施例5)
実施例5に係るダイレクト露光装置及び露光方法では、光源部32には、波長の異なる2以上の光源を備えることを特徴とする。実施例5では、分割露光の1回目の露光では、被露光面の表面側の感光乳剤に感光しやすい波長の光源を用いて表面側の感光乳剤を感光させ、2回目の露光では、内部側の感光乳剤に感光しやすい光源を用いて内部側の感光乳剤を感光させる。あるいは、分割露光の1回目の露光では、拡散しにくい短波長の光源を用いて表面側の感光乳剤を主に感光させ、2回目の露光では、内部側まで到達しやすい長波長の光源を用いて内部側の感光乳剤を主に感光させてもよい。なお、実施例5の構成は、実施例3又は4と組み合わせてもよい。
【0042】
実施の形態2
図8は、実施の形態2に係るダイレクト露光装置及び露光方法の例を示す概略図である。実施の形態2に係るダイレクト露光方法では、走査部34によって、デジタルマイクロミラーデバイス10を主走査方向22と交差する副走査方向24にデジタルマイクロミラーデバイス10の副走査方向24に沿った全幅の1/n(なお、nは1より大きい整数)の幅づつシフトさせ、被露光面の各部分をn回にわたって走査して露光することを特徴とする。図8の例では、デジタルマイクロミラーデバイス10の副走査方向24に沿った全幅の1/3づつシフトさせて、オーバラップ部分26及びオーバラップ部分28をそれぞれ3回にわたって走査して分割露光する。なお、図8で、最初の2回の走査では、スクリーン20からはみ出すデジタルマイクロミラーデバイス10の部分の各マイクロミラーを「オフ」状態とすることで、スクリーン20からはみ出す部分への影響を生じさせないようにできる。また、図8に示すように、最初の2回の走査をスクリーン20からはみ出す部分から開始することによって、スクリーン20の端部から全面にわたって3回の分割露光を行うことができる。
【0043】
実施の形態3
実施の形態3は、複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法に関する。このスクリーンの製造方法には、スクリーンメッシュに2種類の感光乳剤を順に塗布して、2層の感光乳剤の層を形成する方法(実施例6)と、あらかじめ2種類の感光乳剤を順にコーティングした2層の感光乳剤の層を有するフィルムをスクリーンメッシュに張り合わせる方法(実施例7)とがある。この実施の形態3のスクリーンの製造方法によって得られる2層の感光乳剤の層を有するスクリーン20をダイレクト露光に使用することによって、上記実施例4又は5に示すように、異なる波長の光源で分割露光を行うことによって、分割露光に起因する相反則不軌を補償することができる。さらに、重ね合わせ部分のつなぎ目に段差が付かないようにすることができる。また、重ね合わせ部分が目立ちにくくなるだけでなく、製版の解像性向上と露光時間の短縮の効果が得られる。
【0044】
(実施例6)
実施例6に係るスクリーンの製造方法は、スクリーンメッシュ上に2種類の感光乳剤を順に塗布する方法である。その各工程を以下に説明する。
(1)スクリーンメッシュを用意する。
(2)次に、スクリーンメッシュの上に、直描用感光乳剤(SBQ乳剤)を塗布する。なお、SBQ乳剤は、高感度のため光量が少なくても感光する直描にマッチした乳剤であるが、その一方、解像性が悪い点が欠点である。
(3)次いで、直描用感光乳剤(SBQ乳剤)の層のプリント面に、ジアゾ乳剤を塗布する。ジアゾ乳剤は、解像性に優れるが、その一方、感光感度が低く露光に時間がかかり、直描(ダイレクト露光)では長時間の露光を要する欠点がある。
なお、直接乳剤塗布法の詳細は、例えば、特開2010−66613号公報に記載の方法を用いてもよい。
以上の方法によって、ダイレクト露光に用いるスクリーン20(PS版)を提供することができる。
この製造方法によって得られたスクリーン20をダイレクト露光に使用することによって、重ね合わせ部分が目立ちにくくなるだけでなく、製版の解像性向上と露光時間の短縮効果が得られる。
【0045】
(実施例7)
実施例7に係るスクリーンの製造方法は、感光乳剤をコーティングしたフィルムを張り合わせる方法(キャピラリフィルムラミネート法)に関する。その各工程を以下に説明する。
(1)スクリーンメッシュを用意する。
(2)次に、直描用感光乳剤(SBQ乳剤)と、ジアゾ乳剤を少なくとも2層にコートした(キャピラリ)フィルムを用意する。なお、SBQ乳剤は、高感度のため光量が少なくても感光する直描にマッチした乳剤であるが、その一方、解像性が悪い点が欠点である。また、ジアゾ乳剤は、解像性に優れるが、その一方、感光感度が低く露光に時間がかかり、直描(ダイレクト露光)では長時間の露光を要する欠点がある。
(3)次いで、SBQ乳剤を貼り付け用乳剤としてスクリーンメッシュにコートした後、上記のキャピラリフィルムを張り合わせてスクリーン印刷用製版を得る。なお、この場合に、プリント面の表面側には、解像性に優れるジアゾ系乳剤が露出するように配置する。ここでプリント面とは、スクリーン印刷用製版の表面側をいう。なお、スクリーン印刷用製版の裏面側はスキージ面という。一方、スクリーンメッシュ側には、光感応性の速い、いわゆる速感性があるSBQ乳剤を配置する。なお、解像性とは、露光後の感光乳剤のプロファイルの変形が少なく、クリティカルな元データに忠実な製版を行う能力を意味する。
このフィルム貼り合わせ方法は、乳剤塗布法に比べ、コストは高いが、スクリーン20面の平滑差が良好なため元の画像データに忠実な製版が得られる。
以上の方法によって、ダイレクト露光に用いるスクリーン20(PS版)を提供することができる。
この製造方法によって得られたスクリーン20をダイレクト露光に使用することによって、重ね合わせ部分が目立ちにくくなるだけでなく、製版の解像性向上と露光時間の短縮効果が得られる。
【0046】
なお、塗布法と貼り合わせ法とを混在させて用いてもよい。例えば、スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布した後、第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤の層を有するフィルムを用意し、スクリーンメッシュの上に塗布した前記第1の感光乳剤の層の上に、フィルムを貼り合わせてもよい。この場合、第1の感光乳剤の層は塗布法によって形成し、第2の感光乳剤の層はフィルムによって形成している。
【0047】
また、上記の変形例とは逆に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤の層を有するフィルムを用意し、スクリーンメッシュの上に塗布した第1の感光乳剤の層の上に、フィルムの第1の感光乳剤の層を貼り合わせた後、前記フィルムの第1の感光乳剤の層の上に第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤を塗布してもよい。この場合、第1の感光乳剤の層はフィルムによって形成し、第2の感光乳剤の層は塗布法によって形成している。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るダイレクト露光装置及びダイレクト露光方法は、デジタルマイクロミラーデバイスを用いて、感光乳剤を設けたスクリーン上の露光面にパターンを形成するダイレクト露光に有用である。特に、同一箇所に複数回にわたって走査して分割露光を行う場合に、分割露光に起因する相反則不軌を補償することができる。
【符号の説明】
【0049】
10 デジタルマイクロミラーデバイス
20 スクリーン
22 主走査方向
24 副走査方向
26 オーバラップ部分
28 オーバラップ部分
30 ダイレクト露光装置
32 光源部
34 走査部
36 画像制御部
38 システム制御部
40 画像データ
50 フィルム
52 パターン
54 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスと、
前記デジタルマイクロミラーデバイスに光を照射する光源部と、
前記デジタルマイクロミラーデバイスを主走査方向及び前記主走査方向と交差する副走査方向に移動させる走査部と、
前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記各マイクロミラーを操作して、被露光面にパターンを露光する画像制御部と、
前記光源部、前記走査部、前記画像制御部を制御するシステム制御部と、
を備え、
前記システム制御部は、前記デジタルマイクロミラーの前記主走査方向に沿った走査で被露光面の同一箇所を複数回にわたって走査して分割露光する場合に、前記分割露光の各走査ごとに、あらかじめ記憶させた分割露光に起因する相反則不軌を補償する露光条件で露光を行うように、前記光源部、前記走査部、前記画像制御部を制御する、ダイレクト露光装置。
【請求項2】
前記光源部は、異なる波長の光を照射する複数の光源を有し、前記分割露光の各走査ごとに異なる光源から前記デジタルマイクロミラーデバイスを照射する、請求項1に記載のダイレクト露光装置。
【請求項3】
前記走査部は、前記デジタルマイクロミラーデバイスを前記主走査方向と交差する副走査方向に前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記副走査方向に沿った全幅より小さい幅づつシフトさせ、前記主走査方向に沿って走査する第1の走査と、前記副走査方向について前記第1の走査と隣接する第2の走査との間に、前記第1の走査と前記第2の走査の少なくとも2回にわたって走査して露光するオーバラップ部分を形成する、請求項1に記載のダイレクト露光装置。
【請求項4】
前記走査部は、前記デジタルマイクロミラーデバイスを前記主走査方向と交差する副走査方向に前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記副走査方向に沿った全幅の1/n(なお、nは1より大きい整数)の幅づつシフトさせ、前記被露光面の各部分をn回にわたって走査して露光する、請求項1に記載のダイレクト露光装置。
【請求項5】
複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いて被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法であって、
前記デジタルマイクロミラーデバイスに光を照射する照射ステップと、
前記デジタルマイクロミラーデバイスを主走査方向及び前記主走査方向と交差する副走査方向に移動させる走査ステップと、
前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記各マイクロミラーを操作して、前記被露光面にパターンを露光するステップと、
前記被露光面の同一箇所を複数回にわたって走査して分割露光する場合に、前記分割露光の各走査ごとに、あらかじめ記憶させた分割露光に起因する相反則不軌を補償する露光条件で露光を行う分割露光ステップと、
を含む、ダイレクト露光方法。
【請求項6】
前記分割露光ステップの各走査ごとに異なる光源から前記デジタルマイクロミラーデバイスに光を照射する、請求項5に記載のダイレクト露光方法。
【請求項7】
前記走査ステップにおいて、前記デジタルマイクロミラーデバイスを前記主走査方向と交差する副走査方向に前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記副走査方向に沿った全幅より小さい幅づつシフトさせ、
前記分割露光ステップにおいて、前記主走査方向に沿って走査する第1の走査と、前記副走査方向について前記第1の走査と隣接する第2の走査との間に、前記第1の走査と前記第2の走査の少なくとも2回にわたって走査して露光するオーバラップ部分を形成する、請求項5に記載のダイレクト露光方法。
【請求項8】
前記走査ステップにおいて、前記デジタルマイクロミラーデバイスを前記主走査方向と交差する副走査方向に前記デジタルマイクロミラーデバイスの前記副走査方向に沿った全幅の1/n(なお、nは1より大きい整数)の幅づつシフトさせ、
前記分割露光ステップにおいて、前記被露光面の各部分をn回にわたって走査して露光する、請求項5に記載のダイレクト露光方法。
【請求項9】
複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法であって、
スクリーンメッシュを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布するステップと、
塗布した前記第1の感光乳剤の層の上に、前記第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤を塗布するステップと、
を含む、スクリーンの製造方法。
【請求項10】
複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法であって、
スクリーンメッシュを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布するステップと、
前記第1の感光特性を有する前記第1の感光乳剤の層と、前記第1の感光乳剤の層の下に、前記第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤の層とを有するフィルムを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に塗布した前記第1の感光乳剤の層の上に、前記フィルムの前記第1の感光乳剤の層を貼り合わせるステップと、
を含む、スクリーンの製造方法。
【請求項11】
複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法であって、
スクリーンメッシュを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布するステップと、
前記第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤の層を有するフィルムを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に塗布した前記第1の感光乳剤の層の上に、前記フィルムを貼り合わせるステップと、
を含む、スクリーンの製造方法。
【請求項12】
複数のマイクロミラーを有するデジタルマイクロミラーデバイスを用いてスクリーンの被露光面にパターンを露光するダイレクト露光方法に使用するスクリーンの製造方法であって、
スクリーンメッシュを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に、第1の感光特性を有する第1の感光乳剤を塗布するステップと、
前記第1の感光特性を有する前記第1の感光乳剤の層を有するフィルムを用意するステップと、
前記スクリーンメッシュの上に塗布した前記第1の感光乳剤の層の上に、前記フィルムの前記第1の感光乳剤の層を貼り合わせるステップと、
前記フィルムの上に前記第1の感光特性と異なる第2の感光特性を有する第2の感光乳剤を塗布するステップと、
を含む、スクリーンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−22194(P2012−22194A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160816(P2010−160816)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】