説明

ダクト構造体

【課題】バッテリ、電気機器のヒートシンクの順で冷却風をスムーズに通流させるダクト構造体を提供する。
【解決手段】車両のセンタートンネル101の右側に配置されたバッテリ10と、センタートンネル101の左側に配置されたDC/DCコンバータ21と、下方に向かって開口したバッテリ冷却風出口と、車幅方向中央に向かって開口した電気機器冷却風入口24と、バッテリ冷却風出口と電気機器冷却風入口24と接続し、バッテリ冷却風出口からの冷却風を電気機器冷却風入口24に案内するダクト30と、を備え、ダクト30は、センタートンネル101のバッテリ10側の外形に沿い下流側に向かうにつれて上り勾配である上り傾斜部と、上り傾斜部の下流端から水平方向に延びる水平部と、を備え、電気機器冷却風入口24は、水平部の下流側延長上に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダクト構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車、電気自動車及び燃料電池車等の車両は、高圧(例えば500V)のバッテリと、バッテリの電圧を変換するDC/DCコンバータやバッテリからの電力を制御して走行用のモータに供給するPDU(Power Drive Unit、インバータ)等の電気(電子)機器とを備える。
【0003】
ここで、バッテリと、DC/DCコンバータ等の電気機器とは、作動に伴って発熱するので、出願人は、冷却風をバッテリ、電気機器のヒートシンク(放熱器)の順で通流させ、これらを冷却する技術を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3784813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、電気機器のヒートシンクに向かう冷却風の入口(電気機器冷却風入口)が、バッテリからの冷却風の出口(バッテリ冷却風出口)よりも高い位置であり、冷却風が前記出口から前記入口に向かう途中で、その通流向きが水平向きから鉛直上向きに略90°で曲がるので、冷却風がスムーズに通流し難い虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、バッテリ、電気機器のヒートシンクの順で冷却風をスムーズに通流させるダクト構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、車両のセンタートンネルの車幅方向の一方側に配置されたバッテリと、前記センタートンネルの他方側に配置された電気機器と、前記バッテリを冷却した後の冷却風の出口であって、下方に向かって開口したバッテリ冷却風出口と、前記電気機器のヒートシンクに向かう冷却風の入口であって、車幅方向中央に向かって開口した電気機器冷却風入口と、前記バッテリ冷却風出口と前記電気機器冷却風入口と接続し、前記バッテリ冷却風出口からの冷却風を前記電気機器冷却風入口に案内するダクトと、を備え、前記ダクトは、前記センタートンネルの前記バッテリ側の外形に沿い下流に向かうにつれて上り勾配である上り傾斜部と、前記センタートンネルの上方に配置されると共に前記上り傾斜部の下流端から水平方向に延びる水平部と、を備え、前記電気機器冷却風入口は、前記水平部の下流側延長上に、配置されていることを特徴とするダクト構造体である。
【0008】
このような構成によれば、バッテリ冷却風出口からの冷却風は、ダクトを通って、電気機器冷却風入口に案内される。詳細には、冷却風は、バッテリ冷却風出口から、上り傾斜部、水平部(平坦部)を順に通って、電気機器冷却風入口に導入される。上り傾斜部は、下流に向かうにつれて上り勾配であるので、従来の通流向きが水平向きから鉛直上向きに略90°で曲がる構成に対して、冷却風はスムーズに通流する。水平部は水平方向に延び、電気機器冷却風入口は水平部の下流側延長上に配置されているので、冷却風は水平部から電気機器冷却風入口に向けてスムーズに通流する。
【0009】
そして、このように冷却風がダクトから受ける圧力損失は小さく、冷却風がスムーズに通流するので、冷却風の流れを生じさせるファン等の送風機の消費電力を小さくしつつ、つまり、定格出力を小さくし、送風機を小型化できる。
【0010】
また、上り傾斜部はセンタートンネルのバッテリ側の外形に沿い、水平部はセンタートンネルの上方で水平方向に延びているので、つまり、ダクトはセンタートンネルの外形に略沿った形状であるので、センタートンネルの形状をそのままダクトの形状に利用しつつ、センタートンネルとダクトとの間にデッドスペースが形成され難くなる。そして、このように、高さ方向においてセンタートンネルとダクトとが近づいた構成であるので、ダクト構造体の最上部位置を低くできる。したがって、車両の低床化が図られ、高さ方向において車室を大きくしたり、車高を低くしたりできる。
【0011】
さらに、バッテリ側で結露等による水等の液滴が生成したとしても、この液滴は上り傾斜部によって下流に流れることはできず、液滴が電気機器冷却風入口に導入することはない。
【0012】
また、前記ダクト構造体において、前記センタートンネル内に排気管が配置されていることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、センタートンネル内の排気管とバッテリとの間にダクトが配置されることになる。そうすると、ダクトを通流/滞留する冷却風(空気)の層が、断熱層として機能し、排気管からバッテリに向かう熱を断熱できる。これにより、バッテリ等が排気管からの熱によって昇温し難くなる。
【0014】
また、前記ダクト構造体において、前記センタートンネル内に電気線が配置されており、前記ダクトは金属製であることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、センタートンネル内に配置された電気線に通電すると、電気線からノイズ(電波等)が放射することになるが、金属製のダクトにより、ノイズ(電波等)を遮断できる。これにより、ノイズ(電波等)が、バッテリ、電気機器及びダクト構造体の上方に形成される車室に、伝播し難くなる。
【0016】
また、前記ダクト構造体において、前記バッテリ、前記水平部及び前記電気機器を覆うと共に、車幅方向に延びる上パネルと、前記バッテリを通流する電流が過電流である過電流時、前記バッテリと外部回路とを電気的に遮断することで前記バッテリを保護するコンタクタを含むバッテリ保護用機器と、を備え、前記バッテリ保護用機器は、前記水平部と前記上パネルとの間に配置されていることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、バッテリ保護用機器によって、水平部と上パネルとの間のスペースを有効利用できる。つまり、ダクト構造体内にデッドスペースが形成され難くなり、空間利用効率(スペース効率)が向上する。なお、コンタクタを含むバッテリ保護用機器は、使用に伴って発熱せず、その冷却は不要である。
【0018】
また、前記ダクト構造体において、前記上り傾斜部の上流側に、前記上り傾斜部を逆流した液滴を堰き止める堰き止め壁部を備えることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、上り傾斜部を逆流する液滴が発生したとしても、堰き止め壁部がこの液滴を堰き止める。これにより、この液滴が、堰き止め部の上流のバッテリに侵入することはない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、バッテリ、電気機器のヒートシンクの順で冷却風をスムーズに通流させるダクト構造体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係るダクト構造体の縦断面図である。
【図2】本実施形態に係るダクト構造体の縦断面図であり、左側部分の拡大図である。
【図3】本実施形態に係るダクト構造体の縦断面図であり、中央部分の拡大図である。
【図4】本実施形態に係るダクト構造体の縦断面図であり、右側部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
【0023】
本実施形態に係るダクト構造体1は、ハイブリッド車に搭載されると共に、その外形がやや薄型の直方体を呈し、車幅方向(左右方向)において、センタートンネル101を跨いでいる。なお、ダクト構造体1の搭載される車両は、ハイブリッド車の他、電気自動車、燃料電池車等でもよい。
【0024】
センタートンネル101は、フロアパネル102の車幅方向中央部分が凸状で隆起すると共に、前後方向(図1の紙面の垂直方向)に延びた半円筒状の部分である。フロアパネル102の周縁は、車体の車幅方向両外側で前後方向に延びるサイドシル(図示しない)や、車幅方向の延びるクロスメンバ(図示しない)に溶接されている。そして、センタートンネル101内のトンネル室103に、排気管111と、電気線112とが配置されている。
【0025】
排気管111は、前後方向に延び、車両前側のエンジンから排気され、車両後側の消音器に向かう高温の排気ガスが通流する配管である。よって、排気管111は高温となる。
【0026】
電気線112は、例えば、PDU22と走行用のモータ(図示しない)とを接続し、三層交流電流が流れる三相線や、DC/DCコンバータ21と低圧(12V)のバッテリ及び低圧系の補機(ヘッドライト等)とを接続し、DC/DCコンバータ21で降圧された直流電流が流れるDC線である。そして、このように電流が流れると、電気線112からノイズ(電波等)が放射される。
【0027】
≪ダクト構造体の構成≫
ダクト構造体1は、高圧のバッテリ10と、DC/DCコンバータ21(電気機器)と、PDU22(電気機器)と、ダクト30と、バッテリ保護用機器41と、上パネル51と、を備えている。バッテリ10はセンタートンネル101の右側(一方側)に、DC/DCコンバータ21及びPDU22はセンタートンネル101の左側(他方側)に配置されている。すなわち、バッテリ10と、DC/DCコンバータ21及びPDU22とは、車幅方向において、センタートンネル101を中心として、左右に振り分けられている。
【0028】
<バッテリ>
バッテリ10は、走行用のモータ(図示しない)との間で、電力を充放電するものである。バッテリ10は、4つ(複数)のモジュール11と、ケース12と、を備えている。なお、モジュール11の数は適宜変更してよい。
【0029】
モジュール11は、複数の単電池13が直列に接続してなる組電池で構成されている。単電池13は例えばリチウムイオン型の二次電池で構成され、その外形は円柱状を呈している。ただし、角柱状等でもよい。
【0030】
複数の単電池13は、その両端がグロメット(図示しない)に支持され、相互に間隔をあけて千鳥状に配置されている。そして、冷却風が、単電池13、13の間を鉛直下向きで通流し、単電池13を冷却するようになっている。なお、図4では、便宜的に、単電池13の長手方向が前後方向に沿った構成を記載しているが、単電池13の長手方向が車幅方向(左右方向)に沿った構成等に適宜変更してよい。
【0031】
ケース12は、4つのモジュール11を収容した箱状の容器である。ケース12内において、4つのモジュール11は車幅方向において所定間隔で配置され、車幅方向において隣り合うモジュール11、11の間には、仕切り壁部14が配置されている。
【0032】
モジュール11の上方には、モジュール11(バッテリ10)への冷却風の入口となり上方に向かって開口するバッテリ冷却風入口15が形成されている。モジュール11の下方には、モジュール11(バッテリ10)からの冷却風の出口となり下方に向かって開口するバッテリ冷却風出口16が形成されている。
【0033】
そして、4つのバッテリ冷却風入口15に被さるように、吸気ダクト17が取り付けられている。そして、外部の空気は、右端側の吸気口17aから吸気ダクト17内に吸気され、4つのバッテリ冷却風入口15に冷却風として均等に分配されるようになっている。
【0034】
<DC/DCコンバータ、PDU>
DC/DCコンバータ21は、バッテリ10に対して、PDU22(走行用のモータ)と電気的に並列配置されている。DC/DCコンバータ21は、図示しないECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)からの指令に従って、バッテリ10からの電力(放電電力)、及び/又は、PDU22(走行用のモータ)からの電力(回生電力)を降圧して、図示しない低圧(12V)のバッテリや低圧系の補機(ヘッドライト等)に供給するものである。
【0035】
DC/DCコンバータ21は、作動すると発熱し、この熱を放出するためのヒートシンク21a(放熱器)を備えている。
【0036】
PDU22は、図示しないECUからの指令に従って、バッテリ10からの直流電力を三相交流電流に変換して、走行用のモータ(図示しない)に供給するインバータである。PDU22は、作動すると発熱し、この熱を放出するためのヒートシンク22aを備えている。
【0037】
また、ダクト構造体1は、ダクト23を備えている。ダクト23は、センタートンネル101の左側において、車幅方向に延びており、その上流端には電気機器冷却風入口24が形成されている。電気機器冷却風入口24は、ヒートシンク21a及びヒートシンク22aに向かう冷却風の入口であり、センタートンネル101(車幅方向中央)に向かって開口しており、後記する水平部33の下流側延長上に配置されている。つまり、電気機器冷却風入口24と水平部33とは、略同じ高さ位置である。
【0038】
そして、ダクト23の中流部の上方にDC/DCコンバータ21が配置され、そのヒートシンク21aは、ダクト23の中流部内において、下向きで突出するように配置されている。一方、ダクト23の中流部の下方にPDU22が配置され、そのヒートシンク22aは、ダクト23の中流部内において、上向きで突出するように配置されている。
【0039】
すなわち、DC/DCコンバータ21とPDU22とは、ダクト23の中流部を上下から挟むように配置され、そのヒートシンク21aとヒートシンク22aとは、ダクト23の中流部において、上下方向で対向するように配置されている。
【0040】
ダクト23の下流端には、ECUからの指令に従って作動するファン25が取り付けられている。
【0041】
<ダクト>
ダクト30は、4つのバッテリ冷却風出口16からの冷却風を電気機器冷却風入口24に案内する金属製のダクトである。ダクト30は、上流側から下流側に向かって、マニホールド部31と、上り傾斜部32と、水平部33と、を備えている。
【0042】
マニホールド部31は、4つのバッテリ冷却風出口16に被さり、4つのバッテリ冷却風出口16からの冷却風を集合させる部分である。
【0043】
上り傾斜部32は、マニホールド部31の左端から左斜め上向きで延びる部分である。つまり、上り傾斜部32は、センタートンネル101のバッテリ10側の外形に沿い下流側に向かうにつれて上り勾配となっている。なお、上り傾斜部32とマニホールド部31との間の角度は、鈍角であり、110°〜160°であると好ましい。
【0044】
水平部33は、センタートンネル101の上方に配置されると共に、上り傾斜部32の下流端から水平方向左向きで延び電気機器冷却風入口24に接続する部分である。
【0045】
また、ダクト30は、堰き止め壁部34を備えている。堰き止め壁部34は、上り傾斜部32の下部、つまり、上り傾斜部32の上流側に設けられている。すなわち、堰き止め壁部34は、マニホールド部31と上り傾斜部32との切り替わり部分(曲がり部分)に設けられている。堰き止め壁部34は、ダクト30の内面から上向きに突出すると共に、冷却風の通流方向と垂直な方向(前後方向)に延びるリブである。
【0046】
これにより、上り傾斜部32において結露水が発生し、結露水が上り傾斜部32を滴下しつつ逆流しても、堰き止め壁部34が結露水を堰き止めるようになっている(図3参照)。したがって、この結露水が、バッテリ10側に向かうことはない。
【0047】
<バッテリ保護用機器、上パネル>
バッテリ保護用機器41は、バッテリ10を通流する電流が過電流である過電流時、バッテリ10とDC/DCコンバータ21及びPDU22(外部回路)とを電気的に遮断することでバッテリ10を保護するコンタクタを含んでいる。コンタクタは、特許第3784813号公報(特許文献1)に記載するように、メインコンタクタと、メインコンタクタと並列に配置されると共にプリチャージ抵抗が直列接続したプリチャージコンタクタと、を備えている。
【0048】
また、バッテリ保護用機器41は、特許第3784813号公報(特許文献1)に記載するように、隣り合うモジュール11を電気的に接続/遮断するモジュールスイッチと、モジュールスイッチと直列に設けられたヒューズと、バッテリ10を通流する電流値を検出する電流センサと、ノイズを低減するコンデンサと、を備えて構成されている。
【0049】
なお、コンタクタ、モジュールスイッチ、ヒューズ等からなるバッテリ保護用機器41は、使用に伴って発熱せず、その冷却は不要である。
【0050】
そして、バッテリ保護用機器41は、ダクト30の水平部33と上パネル51との間に配置されている。上パネル51は、ダクト構造体1の上面を構成する薄板状のパネルであって、バッテリ10、水平部33及びDC/DCコンバータ21等を覆っている。
【0051】
すなわち、バッテリ保護用機器41によって、水平部33と上パネル51との間のスペースを有効利用している。つまり、水平部33と上パネル51との間にデッドスペースは形成されておらず、ダクト構造体1内における空間利用効率(スペース効率)が向上している。
【0052】
≪ダクト構造体の作用・効果≫
次に、ダクト構造体1の作用・効果を説明する。
ECUの指令に従ってファン25が作動すると、外部の空気が吸気口17aから吸気され(図4参照)、この空気は冷却風として、吸気ダクト17から4つのモジュール11に均等分配され、各モジュール11を下向きで通流し、4つのモジュール11を均等に冷却する。
【0053】
モジュール11を冷却し、バッテリ冷却風出口16から下向きで排気された冷却風は、マニホールド部31で集合した後、上り傾斜部32、水平部33を通って、電気機器冷却風入口24からダクト23に導入される(図3参照)。次いで、冷却風は、上下に対向して配置されたヒートシンク21a及びヒートシンク22aの熱を均等に放熱させた後、ファン25を通って、外部に排気される(図2参照)。
【0054】
ここで、上り傾斜部32は、左斜め上に延び、下流に向かうにつれて上り勾配であるので、従来の略90°で曲がる構成に対して、冷却風はスムーズ通流する。そして、水平部33は水平方向に延び、電気機器冷却風入口24は水平部33の下流側延長上に配置されているので、水平部33から電気機器冷却風入口24に向けてスムーズに通流する。
このように、冷却風が受ける圧力損失は小さく、冷却風がスムーズに通流するので、ファン25の定格出力を小さくし、小型化できる。
【0055】
また、上り傾斜部32はセンタートンネル101の右側の外形に沿い、水平部33はセンタートンネルの上方で水平方向に延びており、ダクト30はセンタートンネル101の外形に略沿った形状であるので、センタートンネル101の形状をそのままダクト30の形状に利用でき、そして、高さ方向において、センタートンネル101とダクト30とを近づけることができる。これにより、ダクト構造体1の最上部位置が低くなり、車両の低床化が図られ、高さ方向において車室を大きくしたり、車高を低くしたりできる。
【0056】
さらに、バッテリ10側で結露水が生成したとしても、この結露水が上り傾斜部32を下流に流れることはできず、電気機器冷却風入口24に導入することはない。
【0057】
ダクト30を通流又は滞留する冷却風が断熱層として機能するので、排気管111からの熱を断熱できる。ダクト30が金属製であるので、電気線112からのノイズを遮断でき、ノイズがPDU22や車室に伝播し難くなる。
【0058】
≪変形例≫
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更できる。
【0059】
前記した実施形態では、電気機器がDC/DCコンバータ21及びPDU22である構成を例示したが、その他の電気機器でもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 ダクト構造体
10 バッテリ
16 バッテリ冷却風出口
21 DCコンバータ(電気機器)
21a、22a ヒートシンク
22 PDU(電気機器)
24 電気機器冷却風入口
30 ダクト
32 勾配部
33 水平部
34 堰き止め壁部
41 バッテリ保護用機器
51 上パネル
101 センタートンネル
111 排気管
112 電気線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のセンタートンネルの車幅方向の一方側に配置されたバッテリと、
前記センタートンネルの他方側に配置された電気機器と、
前記バッテリを冷却した後の冷却風の出口であって、下方に向かって開口したバッテリ冷却風出口と、
前記電気機器のヒートシンクに向かう冷却風の入口であって、車幅方向中央に向かって開口した電気機器冷却風入口と、
前記バッテリ冷却風出口と前記電気機器冷却風入口と接続し、前記バッテリ冷却風出口からの冷却風を前記電気機器冷却風入口に案内するダクトと、
を備え、
前記ダクトは、前記センタートンネルの前記バッテリ側の外形に沿い下流側に向かうにつれて上り勾配である上り傾斜部と、前記センタートンネルの上方に配置されると共に前記上り傾斜部の下流端から水平方向に延びる水平部と、を備え、
前記電気機器冷却風入口は、前記水平部の下流側延長上に配置されている
ことを特徴とするダクト構造体。
【請求項2】
前記センタートンネル内に排気管が配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のダクト構造体。
【請求項3】
前記センタートンネル内に電気線が配置されており、
前記ダクトは金属製である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダクト構造体。
【請求項4】
前記バッテリ、前記水平部及び前記電気機器を覆うと共に、車幅方向に延びる上パネルと、
前記バッテリを通流する電流が過電流である過電流時、前記バッテリと外部回路とを電気的に遮断することで前記バッテリを保護するコンタクタを含むバッテリ保護用機器と、
を備え、
前記バッテリ保護用機器は、前記水平部と前記上パネルとの間に配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のダクト構造体。
【請求項5】
前記上り傾斜部の上流側に、前記上り傾斜部を逆流した液滴を堰き止める堰き止め壁部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のダクト構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−107565(P2013−107565A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255793(P2011−255793)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】