説明

ダスト等吸着用フィルター

【課題】自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等の工場内における浮遊を阻害することなく、様々な形態のダスト等に対応し、効率よく確実にダスト等を捕捉すると共に、製造コストを抑えたダスト等吸着用フィルターを提供する。
【解決手段】自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等を捕捉する為のダスト等吸着用フィルター1において、前記ダスト等吸着用フィルター1は、平板状の不織布からなるフィルター状基材2の少なくとも片面に粘着層3が形成されてあるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等を捕捉する為のダスト等吸着用フィルターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等を捕捉する為のダスト等吸着用フィルターに関しては、さまざまな改良がなされ、例えば、所望幅を有する長尺でフレキシブルなシート状基材の長手方向両側縁にドライ部分を設け、このドライ部分を除く箇所に粘着剤を塗布し、この粘着剤の上面に粘着剤層の幅と同等又はそれより若干幅広でかつ前記シート状基材より幅狭のフレキシブルな剥離シートを貼着したことを特徴とする自動車製造工場内ダストの吸着用シートが、特開2000−61227号公報に開示されてある。
【0003】
また、所望幅を有するフレキシブルなネット状基材に粘着剤を塗布したことを特徴とする自動車製造工場内ダスト等の吸着用ネットが、特開2002−233800号公報に開示されてある。
【0004】
また、熱可塑性樹脂製モノフィラメントが弧を描きながら相互に隣り合う弧をくぐり抜け、前記弧によって形成される緩い空間部を有する網脚と、この複数の網脚間を、熱可塑性モノフィラメントで水平状、斜め状又はX字状に連結し、かつこれらのモノフィラメントに粘着剤を塗布したことを特徴とするダスト等吸着用ネットが、特開2004−314008号公報に開示されてある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−61227号公報
【特許文献2】特開2002−233800号公報
【特許文献3】特開2004−314008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のダスト等吸着用フィルターは、例えば、上記の如くの特徴を有する技術が開示されてあるが、特開2000−61227号公報に開示されてある技術においては、シート状基材は合成樹脂により形成されたシート状体、クラフト紙、合成紙である為、シート状基材には空隙部が無く、自動車工場内における空気の流れが遮断される為、ダスト等の浮遊が阻害され、ダスト等の捕捉が不十分であるという課題を有していた。即ち、工場内に浮遊するダスト等は、空気の流れにしたがって工場内を浮遊し、ダスト等吸着用フィルターに付着して捕捉されることになるが、前記シート状基材には通気口となる空隙部が無く、空気の流れが遮断される為、ダスト等の浮遊が阻害され、十分にダスト等を捕捉することができないのである。また、シート状基材は空隙部が無いので、軽量化を図ることが難しく、粘着剤を多量に塗布することができないという課題も有していた。
【0007】
また、特開2002−233800号公報に開示されてある技術においては、ネット状基材は通気口となる空隙部を有し、ダスト等の浮遊を阻害しないものの、前記ネット状基材は平織、ラッセル織、蛙又織等からなる織布である為、空隙部は規則的に配列されたものであった。自動車工場内に浮遊するダスト等は、形態の異なるもの、大きさの異なるもの等、さまざまなダスト等が存在する為、前記の如くの各種ダスト等の捕捉には十分に対応できないという課題を有していた。
【0008】
また、特開2004−314008号公報に開示されてある技術においては、網脚間にさまざまな形状の空隙部を形成することは可能であるが、網脚を形成した後、網脚間を熱可塑性モノフィラメントで水平状、斜め状、X字状に連結して形成する為、生産が複雑で、製造コストが嵩むという課題を有していた。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等の工場内における浮遊を阻害することなく、様々な形態のダスト等に対応し、効率よく確実にダスト等を捕捉すると共に、製造コストを抑えたダスト等吸着用フィルターを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決する為に、本発明のダスト等吸着用フィルターは、自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等を捕捉する為のダスト等吸着用フィルターにおいて、前記ダスト等吸着用フィルターは、平板状の不織布からなるフィルター状基材の少なくとも片面に粘着層が形成されてあるもので、フィルター状基材は不織布にて形成されてある為、通気口となる空隙部を不規則に形成することが可能であり、前記工場内における空気の流れを遮断することなく、ダスト等の浮遊を阻害せず、さまざまな形態のダスト等に対応して、効率よく確実にダスト等を粘着層にて捕捉することが可能である。
【0011】
また、本発明のダスト等吸着用フィルターは、フィルター状基材が不織布にて形成されてある。不織布は、1ラインで一貫生産することが可能である為、製造コストが安価である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のダスト等吸着用フィルターは、平板状の不織布からなるフィルター状基材の少なくとも片面に粘着層が形成されているので、フィルター状基材の空隙部を不規則に形成することが可能であり、自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場内における空気の流れを遮断することなく、ダスト等の浮遊を阻害せず、さまざまな形態のダスト等に対応して、効率よく確実にダスト等を粘着層にて捕捉することができる。
【0013】
また、フィルター状基材は、不織布にて形成されているので、1ラインで一貫生産することが可能である為、製造コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1の発明は、自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等を捕捉する為のダスト等吸着用フィルターにおいて、前記ダスト等吸着用フィルターは、平板状の不織布からなるフィルター状基材の少なくとも片面に粘着層が形成されてあるもので、フィルター状基材は不織布にて形成されてある為、通気口となる空隙部を不規則に形成することが可能であり、前記工場内における空気の流れを遮断することなく、ダスト等の浮遊を阻害せず、さまざまな形態のダスト等に対応して、効率よく確実にダスト等を粘着層にて捕捉することができる。
【0015】
また、ダスト等吸着用フィルターは、フィルター状基材が不織布にて形成されてある。不織布は、1ラインで一貫生産することが可能である為、製造コストを抑えることができる。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明のダスト等吸着用フィルターにおいて、前記ダスト等吸着用フィルターは、少なくとも粘着層が形成されてある面に、剥離層を有するシート状体が貼着されてあるもので、ダスト等吸着用フィルターが製造され、前記工場内で使用されるまでの間に粘着層が揮発することが防止され、ダスト等吸着用フィルターの経時変化を防ぐことができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1から第2の発明のダスト等吸着用フィルターにおいて、前記ダスト等吸着用フィルターは、ロール状に形成されてあるもので、長尺に形成されたダスト等吸着用フィルターをロール状にして保管できる。また、ダスト等吸着用フィルターが前記工場内で使用される際、必要な長さ、幅等に切断して用いることができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第1から第3の発明のダスト等吸着用フィルターにおいて、前記フィルター状基材を構成する繊維は、少なくとも一つの稜を有すると共に、異形断面にて形成されてあるもので、ダスト等が吸着する粘着層が形成された繊維の表面積が、略同一外径の概丸形断面の繊維よりも増加する為、ダスト等の捕捉性能が大幅に向上する。
【0019】
第5の発明は、特に、第1から第4の発明のダスト等吸着用フィルターにおいて、前記フィルター状基材を構成する繊維の少なくとも一部の外面は、マンセル明度7.5以上の明度を有するもので、繊維の一部の外面は白色等の淡色にて形成されている。その為、ダスト等の吸着を視覚で捉えることができ、ダスト等吸着用フィルターの取り替え時期を、容易に判断することができる。なお、明度とは色の度合いのことであり、マンセル明度とは、最も明度の高い白色を9.5とし、最も明度の低い黒色を1.5として、0.5段階にて17分割した明度の指標のことである。また、マンセル明度7.5は、略白色である。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施例1)
図1は、本発明のダスト等吸着用フィルターの平面図、図2(A)は、シート状体が貼着されたダスト等吸着用フィルターの側面図、図2(B)は、シート状体を前面側から見た斜視図、図3は、シート状体が貼着されロール状に形成されたダスト等吸着用フィルターの側面図、図4(A)から図4(E)は、他の実施の形態における繊維の断面図である。
【0022】
図1において、ダスト等吸着用フィルター1は、繊維4が絡合された平板状の不織布からなるフィルター状基材2を構成する繊維4の表面に粘着層3が形成され、繊維4の間には複数の空隙部5が不規則に形成されてある。なお、実施例1のフィルター状基材2は、スパンボンド法と呼ばれる不織布製造方法にて形成されてあり、繊維4は長繊維にて形成されてある。
【0023】
次に、不織布からなるフィルター状基材2の製造方法について、いくつか述べる。
第1の方法は、熱溶融した合成樹脂を連続的に紡糸して繊維4を形成し、繊維4を延伸しながら捕集ネット上に集積して熱ロールで加圧することにより繊維4を結合して不織布を形成するもので、前記の如くの方法は、一般的にスパンボンド法と呼ばれており、実施例1のフィルター状基材2は、前記製造方法にて形成されてある。なお、熱ロールを用いずに、加熱状態の複数の繊維4を互いに接触させ、水中に浸漬することにより冷却して、繊維4を結合して不織布を形成することもできる。また、合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等のポリアミド系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等が単独使用、あるいは併用される。
【0024】
第2の方法は、熱溶融した合成樹脂を紡糸口から吐出する際、高温エアーで紡出し、捕集ネット上で加熱された繊維4を結合させて不織布を形成するもので、前記の如くの方法は、一般的にメルトブロー法と呼ばれている。なお、使用される合成樹脂は、第1の方法に示した合成樹脂と同じものが使用できる。
【0025】
第3の方法は、塩化メチレン、フロン等の低沸点溶剤中に合成樹脂を溶解し、紡糸口から加熱、加圧状態で繊維4を紡糸すると同時に、前記低沸点溶剤を揮発させ、繊維4を捕集ネット上に集積し、熱ロールで加圧して繊維4を結合して不織布を形成するもので、前記の如くの方法は、一般的にフラッシュ紡糸法と呼ばれている。なお、使用される合成樹脂は、第1の方法に示した合成樹脂と同じものが使用できるが、前記低沸点溶剤に容易に溶解するポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が好適に使用される。
【0026】
上記の如くの不織布の製造方法は、代表的な例であり、その他、繊維4を刺の付いた特殊な針で突き刺して機械的に絡合させるニードルパンチング法、繊維4に高圧水流をあてることで繊維4を結合させる水流絡合法、繊維4をケミカルバインダーで接着させるケミカルボンド法、融点の異なる複数の合成樹脂を溶融して融点の高い方の合成樹脂を紡糸して繊維4を形成し、溶融された融点の低い方の合成樹脂をバインダーとして繊維4を接着させるファイバーボンド法やサーマルボンド法等、従来から不織布の製造に用いられている方法なら特に限定されることなく、得られた不織布をフィルター状基材2として用いることができる。なお、実施例1の繊維4は、長繊維が使用されているが、短繊維も採用できる。一般的に、長繊維とは糸長が50mmより大の繊維のことであり、短繊維とは糸長が50mm以下の繊維のことである。
【0027】
前記の如く、不織布は、1ラインで一貫生産することが可能であり、織布や網布のように複雑な生産工程を必要としない為、不織布をフィルター状基材2として用いた場合、ダスト等吸着用フィルター1のコストを抑えることができる。
【0028】
次に、粘着層3について説明する。粘着層3は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、あるいは前記樹脂の変性系樹脂等からなる一般的にクリアーと呼ばれる透明な粘着剤を、繊維4の表面に付着させることにより、形成される。スプレー、塗布等の方法を用いて、前記樹脂を繊維4の表面に付着させれば、平板状のフィルター状基材2の片面に粘着層3を形成することができる。また、前記樹脂の溶液中に、フィルター状基材2を含浸、浸漬させれば、平板状のフィルター状基材2の両面に粘着層3を形成することができる。粘着剤の種類、粘度、粘着力、繊維4にたいする付着量、フィルター状基材2の片面に粘着層3を形成するのか、あるいはフィルター状基材2の両面に粘着層3を形成するのか等の各種条件は、ダスト等吸着用フィルター1が使用される工場内に発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等の形態や量に応じて、適宜決定されるものである。
【0029】
次に、フィルター状基材2を構成する繊維4について説明する。繊維4は、一般的には概丸形断面の繊維4が使用される。繊度は、工場内におけるダスト等の浮遊を阻害せず、効率よく確実にダスト等を捕捉するという観点から、100〜500デシテックス(dtex)の繊維4が好適に用いられる。繊度が100dtex未満の場合、ダスト等が吸着する粘着層3が表面に形成された繊維4の表面積が小さく、効率的にダスト等を捕捉することができず、繊度が500dtexより大の場合、不織布を製造する際に、複数の繊維4を強固に結合させることが難しくなる。なお、1dtexとは、糸長10000mで1gとなる繊維4のことである。
【0030】
また、繊維4の少なくとも一部の外面は、白色、黄色等の淡色系にして用いると、ダスト等の吸着を視覚で捉えることができ、ダスト等吸着用フィルター1の取り替え時期を、容易に判断することができる。マンセル明度7.5以上の明度にて、繊維4の外面を形成すると効果的である。
【0031】
また、繊維4の断面形状は、概丸形以外にも、図4(A)の如くの雫状断面を有する繊維14、図4(B)の如くの四角形断面を有する繊維24、図4(C)の如くの三角形断面を有する繊維34、図4(D)の如くの概星形断面を有する繊維44、図4(E)の如くの十字断面を有する繊維54等を用いてもよい。前記の如くの異形断面形状を有する繊維14、24、34、44、54を用いた場合には、ダスト等が吸着する粘着層3が表面に形成された繊維14、24、34、44、54の表面積が、略同一外径の概丸形断面の繊維4よりも増加する為、ダスト等の捕捉性能が大幅に向上する。なお、異形断面形状としては、前記以外にも、五角形、六角形、卍形、菱形、M字形、N字形、X字形等を用いても何ら支障は無い。
【0032】
次に、空隙部5について説明する。空隙部5は、フィルター状基材2を構成する繊維4の間に形成されてある。フィルター状基材2は、不織布からなる為、不織布は、織布や網布と異なり、繊維4を不規則に結合して形成することができるので、繊維4の間に形成される空隙部5も不規則に形成される。ダスト等吸着用フィルター1における空隙部5の占める空隙率は、工場内におけるダスト等の浮遊を阻害しないという観点から、5〜95%に設定される。また、効率よく確実にダスト等を捕捉するには、空隙率は50〜70%に設定されるのがより好適である。
【0033】
上記の如くの構成となっているダスト等吸着用フィルター1を工場内に設置して用いた場合、工場内における空気の流れを遮断することなく、ダスト等の浮遊を阻害せず、さまざまな形態のダスト等に対応して、効率よく確実にダスト等を粘着層3にて捕捉することができる。
【0034】
次に、図2、及び図3を用いて、ダスト等吸着用フィルター1が、工場内で使用されるまでの間の形態について説明する。
【0035】
図2(A)において、ダスト等吸着用フィルター1の粘着層3が形成された面には、シート状体6の剥離層7を有する面が貼着されている。シート状体6は、図2(B)の如く、シート状基材8の片面に、剥離層7を有する平板状にて形成されてある。シート状基材8は、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、オルトフェニルフェノール等のフィルムからなり、シート状基材8の片面にフッ素、ワックス、オレフィン等の剥離剤からなる剥離層7が形成され、シート状体6が構成される。
【0036】
工場内でダスト等吸着用フィルター1が使用される場合には、シート状体6がダスト等吸着用フィルター1から剥がされ、ダスト等吸着用フィルター1の粘着層3が露出して使用される。従って、ダスト等吸着用フィルター1の粘着層3が形成されてある面に、剥離層7を有するシート状体6が貼着されてある場合、ダスト等吸着用フィルター1が製造され、工場内で使用されるまでの間に粘着層3が揮発することが防止され、ダスト等吸着用フィルター1の経時変化を防ぐことができる。なお、ダスト等吸着用フィルター1の両面に粘着層3が形成されてある場合には、ダスト等吸着用フィルター1の両面に、シート状体6の剥離層7を有する面が貼着される。
【0037】
また、図3の如く、ダスト等吸着用フィルター1の粘着層3が形成されてある面に、剥離層7を有するシート状体6を貼着し、ロール状に形成してもよい。ロール状に形成されている場合、ダスト等吸着用フィルター1を工場内で使用する際、必要な長さ、幅等に切断して用いることができる。また、必要なダスト等吸着用フィルター1の分だけ、ロールから巻き起こし、シート状体6のみを剥がして切り取り、粘着層3を露出して使用し、残りの部分はロール状のまま工場内に設置しておくこともできるので、平板状のダスト等吸着用フィルター1のように、取り替え時期にダスト等吸着用フィルター1を工場内に運搬して設置する作業等が不要となり、効率的である。なお、ダスト等吸着用フィルター1の両面に粘着層3が形成されてある場合には、ダスト等吸着用フィルター1の両面に、シート状体6の剥離層7を有する面を貼着させて、ロール状に形成してもよい。
【0038】
また、ダスト等吸着用フィルター1の粘着層3が形成されてある面に、剥離層7を有するシート状体6を貼着せず、工場内でダスト等吸着用フィルター1を使用する直前に、フィルター状基材2に粘着剤をスプレー、塗布、含浸、あるいは浸漬し、粘着層3を形成して、ダスト等吸着用フィルター1を構成して用いても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のダスト等吸着用フィルターは、自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等を捕捉する為のダスト等吸着用フィルターとして主に使用される他、効率よく確実に塵埃等を捕捉することが要求される工業用品等に配設される吸着用フィルターとしても広く好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のダスト等吸着用フィルターの平面図
【図2】(A)シート状体が貼着されたダスト等吸着用フィルターの側面図、(B)シート状体を前面側から見た斜視図
【図3】シート状体が貼着されロール状に形成されたダスト等吸着用フィルターの側面図
【図4】(A)他の実施の形態における繊維の断面図、(B)他の実施の形態における繊維の断面図、(C)他の実施の形態における繊維の断面図、(D)他の実施の形態における繊維の断面図、(E)他の実施の形態における繊維の断面図
【符号の説明】
【0041】
1 ダスト等吸着用フィルター
2 フィルター状基材
3 粘着層
4、14、24、34、44、54 繊維
5 空隙部
6 シート状体
7 剥離層
8 シート状基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車、精密機械、電気部品、食品等の製造工場で発生するダスト、粉塵、塗料ミスト等を捕捉する為のダスト等吸着用フィルターにおいて、前記ダスト等吸着用フィルターは、平板状の不織布からなるフィルター状基材の少なくとも片面に粘着層が形成されてあることを特徴とするダスト等吸着用フィルター。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなるダスト等吸着用フィルターにおいて、前記ダスト等吸着用フィルターは、少なくとも粘着層が形成されてある面に、剥離層を有するシート状体が貼着されてあることを特徴とするダスト等吸着用フィルター。
【請求項3】
請求項1から2記載の構成よりなるダスト等吸着用フィルターにおいて、前記ダスト等吸着用フィルターは、ロール状に形成されてあることを特徴とするダスト等吸着用フィルター。
【請求項4】
請求項1から3記載の構成よりなるダスト等吸着用フィルターにおいて、前記フィルター状基材を構成する繊維は、少なくとも一つの稜を有すると共に、異形断面にて形成されてあることを特徴とするダスト等吸着用フィルター。
【請求項5】
請求項1から4記載の構成よりなるダスト等吸着用フィルターにおいて、前記フィルター状基材を構成する繊維の少なくとも一部の外面は、マンセル明度7.5以上の明度を有することを特徴とするダスト等吸着用フィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−29972(P2008−29972A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207280(P2006−207280)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】