ダミー体
【課題】 飲み口部に取り付けられたキャップに代えて、容易に他のキャップを使用することができる、ダミー体を提供する。
【解決手段】 飲料の容器を模したダミーボトル1は、上端部分に飲み口部2eを備えたダミー体本体2を有する。ここで、飲み口部2eは、ネジ部が形成される前の第1のキャップC1とネジ部が形成された後の第2のキャップC2とが選択的に取り付けられるように、第1のキャップC1が着脱可能に嵌められる基端側の径大部D1と、第2のキャップC2が着脱可能に嵌められる先端側の径小部D2とを備える。
【解決手段】 飲料の容器を模したダミーボトル1は、上端部分に飲み口部2eを備えたダミー体本体2を有する。ここで、飲み口部2eは、ネジ部が形成される前の第1のキャップC1とネジ部が形成された後の第2のキャップC2とが選択的に取り付けられるように、第1のキャップC1が着脱可能に嵌められる基端側の径大部D1と、第2のキャップC2が着脱可能に嵌められる先端側の径小部D2とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料の容器を模したダミー体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ジュース等の飲料用の自動販売機内には、その飲料のボトルを模した、ダミー体としてのダミーボトルが陳列されることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明の目的とするところは、飲み口部に取り付けられたキャップに代えて、容易に他のキャップを使用することができる、ダミー体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明に係るダミー体は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係るダミー体は、飲料の容器を模したダミー体であって、上端部分に飲み口部を備えたダミー体本体を有する。ここで、前記飲み口部は、ネジ部が形成される前の第1のキャップとネジ部が形成された後の第2のキャップとが選択的に取り付けられるように、前記第1のキャップが着脱可能に嵌められる基端側の径大部と、前記第2のキャップが着脱可能に嵌められる先端側の径小部とを備えている。
【0005】
これにより、ダミー体本体の飲み口部には、径大部に、ネジ部が形成される前の第1のキャップを、そして、径小部に、ネジ部が形成された後の第2のキャップを、適宜選択して嵌めることができる。したがって、例えば、初期においては、第1のキャップを用い、そして、第1のキャップが変質、破損等した場合には、第1のキャップに代えて、例えば使用済みの第2のキャップを用いることができる。さらには、このダミー体を、例えば異なる飲料に対応させるために、第1または第2のキャップに代えて、デザインの異なる第1または第2のキャップを用いることもできる。こうして、キャップが変質、破損等した場合や、異なる飲料に対応させるために、そのキャップに代えて、容易に他のキャップを使用することができる。
【0006】
また、請求項2に記載の発明に係るダミー体のように、請求項1に記載のダミー体において、前記径大部には、その径大部に嵌められる前記第1のキャップの内面に当たる第1の凸部、または、前記第1のキャップの内面から逃げる第1の平坦部もしくは第1の凹部が形成されており、前記径小部には、その径小部に嵌められる前記第2のキャップの内面に当たる第2の凸部、または、前記第2のキャップの内面から逃げる第2の平坦部もしくは第2の凹部が形成されていてもよい。これにより、第1のキャップや第2のキャップが若干変形している場合、あるいは若干径が異なる場合であっても、第1または第2のキャップを、径大部または径小部に押し込むようにすれば、その径大部または径小部に嵌めることができる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るダミー体によれば、次の効果がある。
【0008】
請求項1に記載されたダミー体によれば、ダミー体本体の飲み口部に取り付けられるキャップが変質、破損等した場合や、異なる飲料に対応させるために、そのキャップに代えて、容易に他のキャップを使用することができる。
【0009】
また、請求項2に記載されたダミー体によれば、請求項1の効果に加えて、第1のキャップや第2のキャップが若干変形している場合、あるいは若干径が異なる場合であっても、第1または第2のキャップを、径大部または径小部に嵌めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ダミー体の第一の実施の形態の、背面図である。
【図2】同じく、図1におけるA−A線による拡大断面図である。
【図3】同じく、ダミー体本体の背面図である。
【図4】同じく、見本表示ラベルの展開図である。
【図5】ダミー体の第二の実施の形態の、側面図である。
【図6】同じく、正面図である。
【図7】同じく、背面図である。
【図8】同じく、径大部にキャップを嵌めた状態を示す要部拡大断面図である。
【図9】同じく、径小部にキャップを嵌めた状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】ダミー体の第三の実施の形態の、縦断面図である。
【図11】ダミー体の第四の実施の形態の、ダミー体本体の分解斜視図である。
【図12】同じく、縦断面図である。
【図13】同じく、背面図である。
【図14】同じく、大サイズとなったダミーボトルを示す背面図である。
【図15】ダミー体の第五の実施の形態の、分解斜視図である。
【図16】同じく、大サイズにしたダミーボトルの斜視図である。
【図17】同じく、図16における要部拡大背面図である。
【図18】同じく、小サイズにしたダミーボトルの斜視図である。
【図19】同じく、図18における要部拡大背面図である。
【図20】ダミー体の他の実施の形態の、第一の例を示す斜視図である。
【図21】ダミー体の他の実施の形態の、第二の例を示す斜視図である。
【図22】ダミー体の他の実施の形態の、第三の例を示す斜視図である。
【図23】ダミー体の他の実施の形態の、第四の例を示す斜視図である。
【図24】ダミー体の実施の形態の、飲み口部の第一の変形例を示す斜視図である。
【図25】ダミー体の実施の形態の、飲み口部の第二の変形例を示す斜視図である。
【図26】ダミー体の実施の形態の、飲み口部の第三の変形例を示す斜視図である。
【図27】ダミー体の実施の形態の、飲み口部の第四の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明に係るダミー体を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1ないし図4は、ダミー体の第一の実施の形態(参考形態)を示す。図中符号1は、自動販売機内に陳列される、飲料の容器として、例えばPETボトルを模した、ダミー体としてのダミーボトルである。このダミーボトル1は、中空状のダミー体本体2と、そのダミー体本体2に取り付けられる湾曲可能な見本表示ラベル3とを有している。
【0013】
ここで、ダミー体本体2は、光透過体として、例えばポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であって、ブロー成形によって形成されている。そして、ダミー体本体2は、柱状、例えば円柱状に形成された本体部2aと、その本体部2aから上方に延びるとともに上方に向かうに連れて径小となる傾斜部2bとを備えている。また、このダミー体本体2には、その背面側であって本体部2a部分に、ダミー体本体2の外周から窪むようにして、第1の平面部2cが設けられている。さらに、ダミー体本体2は、見本表示ラベル3の後述する被掛止片3bと対応する位置に掛止孔2dを備えており、この掛止孔2dは、後述する被掛止片3bの両方が差し入れられる共通の孔からなっている。具体的には、この掛止孔2dは、前記第1の平面部2cに、つまりはダミー体本体2の背面側に、例えばブロー成形後の後加工によって切り取られるようにして明けられている。
【0014】
そして、図3に示すように、ダミー体本体2は、上端部分に、飲み口部2eを備え、その飲み口部2eには、合成樹脂製のキャップCが螺合するようにして取り付けられている。また、ダミー体本体2の下部には、このダミー体本体2、つまりはダミーボトル1を自動販売機内のステージに固定するための係合爪2fを外周に備えた、円形状の突底部Wが設けられている。
【0015】
見本表示ラベル3は、例えば、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルム等からなり、外面もしくは内面に、前記PETボトルと同様の文字や模様(図示省略)が印刷されている。また、この見本表示ラベル3は、ダミー体本体2における本体部2aの外周を覆うように配置されるラベル本体3aと、そのラベル本体3aの各側端側に形成された被掛止片3b、3bとを備えている。そして、これら被掛止片3b、3bは、ダミー体本体2の掛止孔2dに外側から差し入れられて、掛止孔2dの周縁部に掛け止められる。具体的には、被掛止片3bは、その被掛止片3bとラベル本体3aとを繋ぐ繋ぎ部3cとともに、ラベル本体3aの側端3dからさらに側方に向かって突出するようにして設けられている。そして、被掛止片3bは、繋ぎ部3cよりも上方に延びる上側被掛止部3e、および、繋ぎ部3cよりも下方に延びる下側被掛止部3fを備え、それら上側被掛止部3eおよび下側被掛止部3fが、ダミー体本体2における掛止孔2dの周縁部の内側面と掛かり合うことで、被掛止片3bは、掛止孔2dの周縁部に掛け止められる。このとき、被掛止片3b、3bは、側方先端部分が、互いに重なるようにして、掛止孔2dに差し入れられている(図1、図2参照)。
【0016】
次に、第一の実施の形態に示すダミーボトル1の作用効果について説明する。見本表示ラベル3をダミー体本体2に取り付けるにあたって、見本表示ラベル3のラベル本体3aを、湾曲させながら、ダミー体本体2における本体部2aの外周を覆うように配置し、ラベル本体3aの各側端側に形成された被掛止片3b、3bを、順に、ダミー体本体2の掛止孔2dに外側から差し入れる。このとき、被掛止片3b、3bが、その掛止孔2dの周縁部に掛け止められることで、見本表示ラベル3は、ダミー体本体2に簡単に取り付けられる。具体的には、見本表示ラベル3の被掛止片3bは、その上方に延びる上側被掛止部3eおよび下方に延びる下側被掛止部3fが、ダミー体本体2における掛止孔2dの周縁部の内側面と掛かり合って、その周縁部に掛け止められる。このように、見本表示ラベル3は、その上側被掛止部3eおよび下側被掛止部3fが、掛止孔2dの周縁部の内側面と掛かり合うことで、確実にダミー体本体2に取り付けられる。
【0017】
また、共通の孔からなる掛止孔2dに差し入れられる被掛止片3b、3bは、少なくとも側方先端部分が互いに重なって、掛止孔2dの周縁部に掛け止められるので、これら被掛止片3bは、掛止孔2dから外れにくくなる。したがって、見本表示ラベル3は、一層確実にダミー体本体2に取り付けられることとなる。
【0018】
また、ダミー体本体2は、光透過体からなるので、見本表示ラベル3を照らす場合には、照明光を、例えば下方等からダミー体本体2内に取り入れ、そのダミー体本体2の内側からラベル本体3aを照らすことができる。しかも、このとき、掛止孔2dは、少なくとも側方先端部分が互いに重なった被掛止片3b、3bによって塞がっているので、照明光が、掛止孔2dから外部に漏れにくい(図1、図2参照)。
【0019】
また、見本表示ラベル3をダミー体本体2から取り外すには、各被掛止片3b、3bを、撓ませるようにして掛止孔2dから抜き出せばよい。こうして、見本表示ラベル3をダミー体本体2から取り外し、そして、他の見本表示ラベル3をダミー体本体2に取り付けることで、見本表示ラベル3の交換を容易に行うことができる。そして、種々のデザインの見本表示ラベル3を交換してダミー体本体2に取り付ければ、一つのダミー体本体2で、様々なダミーボトル1に対応させることができる。
【0020】
また、掛止孔2dは、第1の平面部2c、つまりは平面部分に明けられるので、この掛止孔2dを容易に形成することができる。
【0021】
図5ないし図9は、ダミー体の第二の実施の形態(本発明)を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態と比較すると、ダミー体としてのダミーボトル1は、飲料の容器として、アルミニューム等の金属ボトルを模したものであり、第1および第2の開口2g、2hが形成され、また、段部2iが設けられ、さらには、飲み口部2eの構造等が異なるが、他はほぼ同様であり、以下にその異なる部分を主に説明する。
【0022】
ダミー体本体2は、合成樹脂製であって、ブロー成形により形成されているが、合成樹脂材料自体が光が不透過であったり、成形後の塗装等により、光不透過体となっている。そして、図5および図6に示すように、ダミー体本体2には、第1の平面部2cの他に、ダミー体本体2の正面側であって本体部2a部分に、ダミー体本体2の外周から窪むようにして、第2の平面部2jが設けられている。この第2の平面部2jは、下側に比して上側が一層窪む傾斜面となっている。
【0023】
また、ダミー体本体2には、掛止孔2dの他に、そのダミー体本体2の底面、すなわち、この実施の形態においては、円形状の突底部Wの下面に、第1の開口2gが形成されるとともに、ラベル本体3aと対面する位置であって、前記第2の平面部2jに、つまりはダミー体本体2の正面側に、第2の開口2hが形成されている(図5参照)。そして、これら第1および第2の開口2g、2hは、例えばブロー成形後の後加工によって切り取られるようにして明けられている。
【0024】
そして、ダミー体本体2には、ラベル本体3aが嵌まる段部2iが、例えば、正面側において、上側および下側に設けられている(図5参照)。
【0025】
さらに、図8および図9に示すように、ダミー体本体2の上端部分に備わる飲み口部2eは、ネジ部が形成される前の第1のキャップC1とネジ部が形成された後の第2のキャップC2とが選択的に取り付けられるように、第1のキャップC1が着脱可能に嵌められる基端側の径大部D1と、第2のキャップC2が着脱可能に嵌められる先端側の径小部D2とから構成されている。
【0026】
この第二の実施の形態に示すダミーボトル1の作用効果は、第一の実施の形態とは、ダミー体本体2への見本表示ラベル3の取り付けに関しては同様であるが、その他に、以下の作用効果を奏する。
【0027】
見本表示ラベル3をダミー体本体2の内側から照らす場合には、照明光を、第1の開口2gからダミー体本体2内に取り入れ、そして、第2の開口2hからラベル本体3aを照らすことができる(図5参照)。こうして、ダミー体本体2が光不透過体からなる場合であっても、見本表示ラベル3をダミー体本体2の内側から照らす場合に、第1および第2の開口2g、2hを介して、ラベル本体3aを照らすことができる。しかも、このとき、底面の第1の開口2gからダミー体本体2に取り入れられた照明光は、下側に比して上側が一層窪む傾斜面となった第2の平面部2jに明けられた第2の開口2hを容易に通ることができ、ラベル本体3aを確実に照らすことができる。さらに、このとき、掛止孔2dは、少なくとも側方先端部分が互いに重なっている被掛止片3b、3bによって塞がっているので、照明光が、掛止孔2dから外部に漏れにくい(図7参照)。
【0028】
また、第1の開口2gは、底面の平面部分に明けられるので、この第1の開口2gを容易に形成することができる。同様にして、掛止孔2dや第2の開口2hは、第1の平面部2cや第2の平面部2j、つまりは平面部分に明けられるので、これら掛止孔2dや第2の開口2hを容易に形成することができる。
【0029】
また、ダミー体本体2には、ラベル本体3aが嵌まる段部2i、2iが設けられているので、見本表示ラベル3を、前記段部2i、2iによって位置決めすることができる(図5参照)。
【0030】
また、図8および図9に示すように、ダミー体本体2の飲み口部2eには、径大部D1に、ネジ部が形成される前の第1のキャップC1を、そして、径小部D2に、ネジ部が形成された後の第2のキャップC2を、適宜選択して嵌めることができる。したがって、例えば、初期においては、第1のキャップC1を用い、そして、第1のキャップが変質、破損等した場合には、第1のキャップC1に代えて、例えば使用済みの第2のキャップC2(実際の飲料ボトルに用いられて、開栓後に捨てられた、使用済みのキャップ)を用いることができる。そして、さらに、この第2のキャップが変質、破損等した場合には、この第2のキャップC2に代えて、例えば使用済みの別の第2のキャップC2を用いることができる。さらには、このダミーボトル1を、例えば異なる飲料に対応させるために、第1または第2のキャップC1、C2に代えて、デザインの異なる第1または第2のキャップC1、C2を用いることもできる。こうして、キャップC1、C2が変質、破損等した場合や、異なる飲料に対応させるために、そのキャップC1、C2に代えて、容易に他のキャップC1、C2を使用することができる。
【0031】
図10は、ダミー体の第三の実施の形態(本発明)を示す。この実施の形態は、第二の実施の形態と比較すると、ダミー体としてのダミーボトル1における、ダミー体本体2の製造方法が異なり、また、第1および第2の平面部2c、2jは設けられていないが、他はほぼ同様であり、以下にその異なる部分を主に説明する。
【0032】
ダミー体本体2は、例えばポリプロピレン樹脂等の合成樹脂製であって、射出成形によって形成されるとともに、底部2kが、別体に形成されている。そして、ダミー体本体2には、第1および第2の平面部2c、2jは設けられておらず、掛止孔2dおよび第2の開口2hは、本体部2aの外周の曲面部分に直接明けられている。そして、ダミー体本体2における、ラベル本体3aが嵌まる段部2iは、下側のみとなっている。そして、この第三の実施の形態においても、掛止孔2dおよび第2の開口2hが曲面部分に明けられる点を除き、第二の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0033】
図11ないし図14は、ダミー体の第四の実施の形態(本発明)を示す。この実施の形態は、第三の実施の形態と比較すると、ダミー体本体2が、複数の分割部材からなる点が異なるが、他はほぼ同様であり、以下にその異なる部分を主に説明する。
【0034】
ダミー体本体2は、上下方向に対して分割されて着脱可能に組み付けられる複数の分割部材(図示実施の形態においては二つの分割部材)からなる。すなわち、ダミー体本体2は、分割部材として、上部部材6と下部部材7とからなり、それら上部部材6および下部部材7のいずれか(図示実施の形態においては上部部材6)は、高さの異なる分割部材(図示実施の形態においては上部部材6)が選択的に組み付けられる。
【0035】
具体的には、上部部材6は、射出成形によって形成されたポリプロピレン樹脂等の合成樹脂製であって、傾斜部2bと、上端部分の飲み口部2eと、傾斜部2bから背面側を下方に延びるようにして延設された背板部6aとを備えている。ここで、飲み口部2eは、第二の実施の形態や第三の実施の形態と同様に、ネジ部が形成される前の第1のキャップC1が着脱可能に嵌められる基端側の径大部D1と、ネジ部が形成された後の第2のキャップC2が着脱可能に嵌められる先端側の径小部D2とから構成されている。そして、この実施の形態においては、径大部D1には、その径大部D1に嵌められた前記第1のキャップC1の内面に当たる、リブからなる第1の凸部E1が形成されており、径小部D2には、その径小部D2に嵌められた前記第2のキャップC2の内面に当たる、リブからなる第2の凸部E2が形成されている。詳細には、第1の凸部E1は、径大部D1の、例えば、背面側に、縦に延びるようにして二本並んで設けられており、同様にして、第2の凸部E2は、径小部D2の、例えば、背面側に、縦に延びるようにして二本並んで設けられている。
【0036】
そして、この背板部6aは、両サイドを除くほぼ全体が、若干内側に入った段部部分6bとなっており、この段部部分6bに、掛止孔2dが明けられている。また、背板部6aには、段部部分6bから下方に延びて、後述する係合溝7dに差し入れられる係合片6cが設けられている。さらに、この係合片6cには、その下端部分のほぼ中央位置に、後方に向かって突出し、後述する係止孔7fに係止される被係止突起6dが設けられている。
【0037】
また、下部部材7は、上部部材6と同様に射出成形によって形成されたポリプロピレン樹脂等の合成樹脂製であって、突底部Wを備える底板7aと、その底板7aの周縁部全周から上方に起立する第1の側板7bと、この第1の側板7bの内側であってその第1の側板7bの背面側と対向するように底板7aから上方に起立する第2の側板7cとからなる。そして、第1の側板7bの背面側と第2側板7cとの間が、前記上部部材6における係合片6cが差し入れられる係合溝7dとなる。詳細には、この係合溝7dには、第2の側板7cから突出するリブ7e、7eが設けられており、このリブ7e、7eによって、前記係合片6cが押さえられる。さらに、第1の側板7bの背面側の下端ほぼ中央位置には、前記上部部材6における被係止突起6dを係止する係止孔7fが設けられている。こうして、上部部材6と下部部材7との組付けにあたっては、上部部材6の係合片6cが、下部部材7の係合溝7dに差し入れられ、そして、上部部材6の被係止突起6dが、下部部材7の係止孔7fに係止される。また、上部部材6を下部部材7から外す場合には、被係止突起6dを押し込むようにして、係止孔7fによる係止を解除し、その後、上部部材6を下部部材7に対して持ち上げるように引っ張れば、上部部材6の係合片6cは、下部部材7の係合溝7dから抜け出る。こうして、このダミー体本体2は、分割部材の一方となる上部部材6が、分割部材の他方となる下部部材7に着脱可能に差し入れられて組み付けられている。
【0038】
そこで、高さの異なる上部部材6、6を適宜用意しておき、それらを選択的に下部部材7に組み付けることで、ダミー体本体2は、段階的に高さ調整される。そして、見本表示ラベル3は、高さの異なる見本表示ラベル3が、ダミー体本体2の高さに応じて、そのダミー体本体2に、選択的に取り付けられる。ここで、図13には、350mlタイプの飲料ボトルを模したダミーボトル1が示されており、飲み口部2eには、その径大部D1に第1のキャップC1が嵌められている。また、図14には、500mlタイプの飲料ボトルを模したダミーボトル1が示されており、飲み口部2eには、その径小部D2に第2のキャップC2が嵌められている。なお、ダミー体本体2の底面、すなわち、円形状の突底部Wの下面には、第1の開口2gが形成されるとともに、このダミー体本体2の周面における、背板部6aがない前面側が、第2の開口2hとなって、見本表示ラベル3におけるラベル本体3aと対面することとなる(図12参照)。
【0039】
この第四の実施の形態に示すダミーボトル1の作用効果においては、第三の実施の形態における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。ダミー体本体2の飲み口部2eにおいては、第1のキャップC1と第2のキャップC2とを適宜選択して嵌めることによる作用効果(第二の実施の形態に記載)の他に、第1のキャップC1や第2のキャップC2が若干変形している場合、あるいは若干径が異なる場合にも対応することができる。すなわち、第1のキャップC1(第2のキャップC2)を、第1の凸部E1が形成された径大部D1(第2の凸部E2が形成された径小部D2)に押し込むようにすれば、キャップC1(C2)が凸部E1(E2)にならうように、キャップC1(C2)あるいは凸部E1(E2)が変形し、そのキャップC1(C2)を径大部D1(径小部D2)に嵌めることができる。
【0040】
また、ダミー体本体2は、高さの異なる上部部材6が選択的に組み付けられることで、つまりは、高さの異なる上部部材6が交換されることで、高さ調整が段階的に可能となる。こうして、このダミー体本体2および見本表示ラベル3によって、高さの異なる複数のダミーボトル1を形成することができ、こうして、高さ調整が可能なダミーボトル1を得ることができる。
【0041】
図15ないし図19は、ダミー体の第五の実施の形態(本発明)を示す。この実施の形態は、第三の実施の形態と比較すると、ダミー体としてのダミーボトル1が、高さ調整可能となっており、また、掛止孔2dは、被掛止片3b、3bが個別に差し入れられる別々の孔からなっているが、他はほぼ同様であり、以下にその異なる部分を主に説明する。
【0042】
ダミー体本体2は、上部体4と下部体5とからなり、それら上部体4と下部体5とが高さ調整可能に組み付けられている。上部体4は、傾斜部2bと、キャップC1(C2)が取り付けられた飲み口部2eと、傾斜部2bから背面側を下方に延びるようにして延設された第1の延設部としての上側背板部4aとからなっている。そして、この上側背板部4aには、上下に並ぶようにして、後方に向かって突出する、つまり、後述する長孔5c側に突出する突出片4b、4bが設けられている。この突出片4bは、後述する長孔5cに通されてその長孔5c内を上下に移動可能な脚部4cと、その脚部4cの先端から側方に延びて後述する長孔5cの周縁部に係合する係合部4dとからなっている。さらに、上側の突出片4bにおける脚部4cには、側方に突出する位置決め突起4eが設けられており、この位置決め突起4eは、後述する凹部5fと係合して、このダミー体本体2を所定の高さ寸法に保持するための位置決めとして機能している。
【0043】
また、下部体5は、底部5aと、その底部5aから背面側を上方に延びるようにして延設された第2の延設部としての下側背板部5bとからなっている。そして、この下側背板部5bには、上下方向に長手となる長孔5cが設けられている。そして、この長孔5cには、その中間部分の二ヵ所に、幅狭となった幅狭部5dが、そして、上端に、幅広となった幅広部5eが設けられている。さらに、幅狭部5dには、凹部5fが形成されている。そして、下側背板部5bには、前記凹部5fを囲むように、孔5g、5gが形成されている。そして、この下側背板部5bの、左右の各側に、長孔5cを挟むようにして、掛止孔2d、2dが設けられている。
【0044】
ここで、これら上部体4と下部体5との組付けにあたっては、上部体4における下側の突出片4bを、下部体5における長孔5cの幅広部5eに挿入し(図15参照)、突出片4bの脚部4cが、長孔5c内を下方に移動するように、上部体4を下部体5に対して下げ、次いで、上側の突出片4bを、長孔5cの幅広部5eに挿入する。さらに、上部体4を下部体5に対して下げると、両突出片4b、4bの脚部4c、4cが、長孔5c内を下方に移動して、位置決め突起4eが、上側の凹部5fと係合し、ダミー体本体2の高さは、大サイズの高さに保持される(図16、図17参照)。そして、さらに上部体4を下部体5に対して下げると、同様に、両突出片4b、4bの脚部4c、4cが、長孔5c内を下方に移動して、位置決め突起4eが、下側の凹部5fと係合し、ダミー体本体2の高さは、小サイズの高さに保持される(図18、図19参照)。そして、見本表示ラベル3は、高さの異なる見本表示ラベル3が、ダミー体本体2の高さに応じて、そのダミー体本体2に、選択的に取り付けられる。なお、図中符号4fは、上側背板部4aに設けられたストッパであり、大サイズとなったダミー体本体2において、長孔5cの幅広部5eの上端面と当接することで、上部体4が、下部体5に対してさらに上方に移動するのを阻止している。
【0045】
また、見本表示ラベル3においては、被掛止片3bに、上側被掛止部3eおよび下側被掛止部3fの他に、被掛止片3bの先端中央部分からさらに側方に向かって突出するようにして,掛止孔2dの周縁部の内側面と対向する突片3gが設けられている。そして、この突片3gにより、被掛止片3bは、掛止孔2dから外れにくくなり、見本表示ラベル3は、一層確実にダミー体本体2に取り付けられることとなる。なお、ダミー体本体2の底面、すなわち、円形状の突底部Wの下面には、第1の開口2gが形成されるとともに、このダミー体本体2の周面における、上側背板部4aおよび下側背板部5bがない前面側が、第2の開口2hとなって、見本表示ラベル3におけるラベル本体3aと対面することとなる(図16、18参照)。
【0046】
この第五の実施の形態に示すダミーボトル1の作用効果においては、第三の実施の形態と比較すると、掛止孔2dが、被掛止片3bが個別に差し入れられる別々の孔からなることで、ダミー体本体2において、掛止孔2dを設ける位置の自由度を増加させることができる。そして、ダミー体本体2を、上部体4と下部体5とに分割することで、高さ調整が可能なダミーボトル1を得ることができる。すなわち、ダミー体本体2は、上部体4と下部体5とが高さ調整可能に組み付けられて、そのダミー体本体2の高さに応じて、ダミー体本体2に、高さの異なる見本表示ラベル3が、選択的に取り付けられる。こうして、このダミー体本体2および見本表示ラベル3によって、高さの異なる複数のダミーボトル1を形成することができる。
【0047】
なお、本発明および参考形態は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第四の実施の形態において、ダミー体本体2は、高さの異なる上部部材6が選択的に組み付けられているが、反対に、高さの異なる下部部材7が選択的に組み付けられてもよい。また、このダミー体本体2は、上部部材6と下部部材7との二つの分割部材からなっているが、上下方向に対して分割されて着脱可能に組み付けられる三つ以上の分割部材からなっていてもよい。
【0048】
また、図20に示すように、見本表示ラベル3は、上部片3hを備えていてもよい。この上部片3hは、ダミー体本体2の傾斜部2bと向かい合うよう、ラベル本体3aの上端3iからさらに上方に向かって突出している。したがって、この上部片3hが、ダミー体本体2の傾斜部2bを覆うこととなり、この上部片3hによって、見る者の注意を喚起することができる。
【0049】
また、見本表示ラベル3における被掛止片3bは、ラベル本体3aの側端3dからさらに側方に向かって突出するようにして設けられなくとも、図21に示すように、ラベル本体3aの側端部分に形成された切込み3jによって、ラベル本体3aの側端3dとは反対側に向かって突出するようにして設けられてもよい。このとき、被掛止片3bは、ダミー体本体2における掛止孔2dの周縁部の内側面と掛かり合うことで、その周縁部に掛け止められる。
【0050】
さらに、見本表示ラベル3における被掛止片3bは、図22に示すように、ラベル本体3aの側端3dからさらに側方に向かって突出するようにして設けられた被掛止片3bと、ラベル本体3aの側端部分に形成された切込み3jによって、ラベル本体3aの側端3dとは反対側に向かって突出するようにして設けられた被掛止片3bとの両者からなっていてもよい。
【0051】
また、ダミー体は、PETボトルや金属ボトルを模したダミーボトル1でなくとも、参考として、図23に示すように、飲料の容器としての缶を模した、ダミー缶Fであってもよい。このとき、ダミー体本体2には、傾斜部2bはなく、また、キャップC(C1、C2)は設けられておらず、したがって、ダミー体本体2は、本体部2aのみからなっている。
【0052】
また、第四の実施の形態において、径大部D1に形成された第1の凸部E1や径小部D2に形成された第2の凸部E2は、リブからならなくとも、図24に示すように円弧状に突出して設けられていてもよく、また、図25に示すように、三角形状に突出して設けられていてもよい。また、第1の凸部E1(第2の凸部E2)の代わりに、図26に示すように、径大部D1(径小部D2)には、第1のキャップC1(第2のキャップC2)の内面から逃げる第1の平坦部G1(第2の平坦部G2)が形成されていてもよい。さらには、第1の凸部E1(第2の凸部E2)の代わりに、図27に示すように、径大部D1(径小部D2)には、第1のキャップC1(第2のキャップC2)の内面から逃げる第1の凹部H1(第2の凹部H2)が形成されていてもよい。また、以上において、凸部E1、E2、平坦部G1、G2、そして凹部H1、H2は、一ヶ所に設けられていても、あるいは二ヵ所以上に設けられていてもよく、その数は、任意に定めることができる。
【0053】
また、以上に示すダミーボトル1やダミー缶Fの構造において、既述した各実施の形態に示される個々の構成部分、構成要素を適宜組み合わせることができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 ダミーボトル(ダミー体)
2 ダミー体本体
2e 飲み口部
C1 第1のキャップ
C2 第2のキャップ
D1 径大部
D2 径小部
E1 第1の凸部
E2 第2の凸部
G1 第1の平坦部
G2 第2の平坦部
H1 第1の凹部
H2 第2の凹部
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料の容器を模したダミー体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ジュース等の飲料用の自動販売機内には、その飲料のボトルを模した、ダミー体としてのダミーボトルが陳列されることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明の目的とするところは、飲み口部に取り付けられたキャップに代えて、容易に他のキャップを使用することができる、ダミー体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明に係るダミー体は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係るダミー体は、飲料の容器を模したダミー体であって、上端部分に飲み口部を備えたダミー体本体を有する。ここで、前記飲み口部は、ネジ部が形成される前の第1のキャップとネジ部が形成された後の第2のキャップとが選択的に取り付けられるように、前記第1のキャップが着脱可能に嵌められる基端側の径大部と、前記第2のキャップが着脱可能に嵌められる先端側の径小部とを備えている。
【0005】
これにより、ダミー体本体の飲み口部には、径大部に、ネジ部が形成される前の第1のキャップを、そして、径小部に、ネジ部が形成された後の第2のキャップを、適宜選択して嵌めることができる。したがって、例えば、初期においては、第1のキャップを用い、そして、第1のキャップが変質、破損等した場合には、第1のキャップに代えて、例えば使用済みの第2のキャップを用いることができる。さらには、このダミー体を、例えば異なる飲料に対応させるために、第1または第2のキャップに代えて、デザインの異なる第1または第2のキャップを用いることもできる。こうして、キャップが変質、破損等した場合や、異なる飲料に対応させるために、そのキャップに代えて、容易に他のキャップを使用することができる。
【0006】
また、請求項2に記載の発明に係るダミー体のように、請求項1に記載のダミー体において、前記径大部には、その径大部に嵌められる前記第1のキャップの内面に当たる第1の凸部、または、前記第1のキャップの内面から逃げる第1の平坦部もしくは第1の凹部が形成されており、前記径小部には、その径小部に嵌められる前記第2のキャップの内面に当たる第2の凸部、または、前記第2のキャップの内面から逃げる第2の平坦部もしくは第2の凹部が形成されていてもよい。これにより、第1のキャップや第2のキャップが若干変形している場合、あるいは若干径が異なる場合であっても、第1または第2のキャップを、径大部または径小部に押し込むようにすれば、その径大部または径小部に嵌めることができる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るダミー体によれば、次の効果がある。
【0008】
請求項1に記載されたダミー体によれば、ダミー体本体の飲み口部に取り付けられるキャップが変質、破損等した場合や、異なる飲料に対応させるために、そのキャップに代えて、容易に他のキャップを使用することができる。
【0009】
また、請求項2に記載されたダミー体によれば、請求項1の効果に加えて、第1のキャップや第2のキャップが若干変形している場合、あるいは若干径が異なる場合であっても、第1または第2のキャップを、径大部または径小部に嵌めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ダミー体の第一の実施の形態の、背面図である。
【図2】同じく、図1におけるA−A線による拡大断面図である。
【図3】同じく、ダミー体本体の背面図である。
【図4】同じく、見本表示ラベルの展開図である。
【図5】ダミー体の第二の実施の形態の、側面図である。
【図6】同じく、正面図である。
【図7】同じく、背面図である。
【図8】同じく、径大部にキャップを嵌めた状態を示す要部拡大断面図である。
【図9】同じく、径小部にキャップを嵌めた状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】ダミー体の第三の実施の形態の、縦断面図である。
【図11】ダミー体の第四の実施の形態の、ダミー体本体の分解斜視図である。
【図12】同じく、縦断面図である。
【図13】同じく、背面図である。
【図14】同じく、大サイズとなったダミーボトルを示す背面図である。
【図15】ダミー体の第五の実施の形態の、分解斜視図である。
【図16】同じく、大サイズにしたダミーボトルの斜視図である。
【図17】同じく、図16における要部拡大背面図である。
【図18】同じく、小サイズにしたダミーボトルの斜視図である。
【図19】同じく、図18における要部拡大背面図である。
【図20】ダミー体の他の実施の形態の、第一の例を示す斜視図である。
【図21】ダミー体の他の実施の形態の、第二の例を示す斜視図である。
【図22】ダミー体の他の実施の形態の、第三の例を示す斜視図である。
【図23】ダミー体の他の実施の形態の、第四の例を示す斜視図である。
【図24】ダミー体の実施の形態の、飲み口部の第一の変形例を示す斜視図である。
【図25】ダミー体の実施の形態の、飲み口部の第二の変形例を示す斜視図である。
【図26】ダミー体の実施の形態の、飲み口部の第三の変形例を示す斜視図である。
【図27】ダミー体の実施の形態の、飲み口部の第四の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明に係るダミー体を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1ないし図4は、ダミー体の第一の実施の形態(参考形態)を示す。図中符号1は、自動販売機内に陳列される、飲料の容器として、例えばPETボトルを模した、ダミー体としてのダミーボトルである。このダミーボトル1は、中空状のダミー体本体2と、そのダミー体本体2に取り付けられる湾曲可能な見本表示ラベル3とを有している。
【0013】
ここで、ダミー体本体2は、光透過体として、例えばポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であって、ブロー成形によって形成されている。そして、ダミー体本体2は、柱状、例えば円柱状に形成された本体部2aと、その本体部2aから上方に延びるとともに上方に向かうに連れて径小となる傾斜部2bとを備えている。また、このダミー体本体2には、その背面側であって本体部2a部分に、ダミー体本体2の外周から窪むようにして、第1の平面部2cが設けられている。さらに、ダミー体本体2は、見本表示ラベル3の後述する被掛止片3bと対応する位置に掛止孔2dを備えており、この掛止孔2dは、後述する被掛止片3bの両方が差し入れられる共通の孔からなっている。具体的には、この掛止孔2dは、前記第1の平面部2cに、つまりはダミー体本体2の背面側に、例えばブロー成形後の後加工によって切り取られるようにして明けられている。
【0014】
そして、図3に示すように、ダミー体本体2は、上端部分に、飲み口部2eを備え、その飲み口部2eには、合成樹脂製のキャップCが螺合するようにして取り付けられている。また、ダミー体本体2の下部には、このダミー体本体2、つまりはダミーボトル1を自動販売機内のステージに固定するための係合爪2fを外周に備えた、円形状の突底部Wが設けられている。
【0015】
見本表示ラベル3は、例えば、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルム等からなり、外面もしくは内面に、前記PETボトルと同様の文字や模様(図示省略)が印刷されている。また、この見本表示ラベル3は、ダミー体本体2における本体部2aの外周を覆うように配置されるラベル本体3aと、そのラベル本体3aの各側端側に形成された被掛止片3b、3bとを備えている。そして、これら被掛止片3b、3bは、ダミー体本体2の掛止孔2dに外側から差し入れられて、掛止孔2dの周縁部に掛け止められる。具体的には、被掛止片3bは、その被掛止片3bとラベル本体3aとを繋ぐ繋ぎ部3cとともに、ラベル本体3aの側端3dからさらに側方に向かって突出するようにして設けられている。そして、被掛止片3bは、繋ぎ部3cよりも上方に延びる上側被掛止部3e、および、繋ぎ部3cよりも下方に延びる下側被掛止部3fを備え、それら上側被掛止部3eおよび下側被掛止部3fが、ダミー体本体2における掛止孔2dの周縁部の内側面と掛かり合うことで、被掛止片3bは、掛止孔2dの周縁部に掛け止められる。このとき、被掛止片3b、3bは、側方先端部分が、互いに重なるようにして、掛止孔2dに差し入れられている(図1、図2参照)。
【0016】
次に、第一の実施の形態に示すダミーボトル1の作用効果について説明する。見本表示ラベル3をダミー体本体2に取り付けるにあたって、見本表示ラベル3のラベル本体3aを、湾曲させながら、ダミー体本体2における本体部2aの外周を覆うように配置し、ラベル本体3aの各側端側に形成された被掛止片3b、3bを、順に、ダミー体本体2の掛止孔2dに外側から差し入れる。このとき、被掛止片3b、3bが、その掛止孔2dの周縁部に掛け止められることで、見本表示ラベル3は、ダミー体本体2に簡単に取り付けられる。具体的には、見本表示ラベル3の被掛止片3bは、その上方に延びる上側被掛止部3eおよび下方に延びる下側被掛止部3fが、ダミー体本体2における掛止孔2dの周縁部の内側面と掛かり合って、その周縁部に掛け止められる。このように、見本表示ラベル3は、その上側被掛止部3eおよび下側被掛止部3fが、掛止孔2dの周縁部の内側面と掛かり合うことで、確実にダミー体本体2に取り付けられる。
【0017】
また、共通の孔からなる掛止孔2dに差し入れられる被掛止片3b、3bは、少なくとも側方先端部分が互いに重なって、掛止孔2dの周縁部に掛け止められるので、これら被掛止片3bは、掛止孔2dから外れにくくなる。したがって、見本表示ラベル3は、一層確実にダミー体本体2に取り付けられることとなる。
【0018】
また、ダミー体本体2は、光透過体からなるので、見本表示ラベル3を照らす場合には、照明光を、例えば下方等からダミー体本体2内に取り入れ、そのダミー体本体2の内側からラベル本体3aを照らすことができる。しかも、このとき、掛止孔2dは、少なくとも側方先端部分が互いに重なった被掛止片3b、3bによって塞がっているので、照明光が、掛止孔2dから外部に漏れにくい(図1、図2参照)。
【0019】
また、見本表示ラベル3をダミー体本体2から取り外すには、各被掛止片3b、3bを、撓ませるようにして掛止孔2dから抜き出せばよい。こうして、見本表示ラベル3をダミー体本体2から取り外し、そして、他の見本表示ラベル3をダミー体本体2に取り付けることで、見本表示ラベル3の交換を容易に行うことができる。そして、種々のデザインの見本表示ラベル3を交換してダミー体本体2に取り付ければ、一つのダミー体本体2で、様々なダミーボトル1に対応させることができる。
【0020】
また、掛止孔2dは、第1の平面部2c、つまりは平面部分に明けられるので、この掛止孔2dを容易に形成することができる。
【0021】
図5ないし図9は、ダミー体の第二の実施の形態(本発明)を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態と比較すると、ダミー体としてのダミーボトル1は、飲料の容器として、アルミニューム等の金属ボトルを模したものであり、第1および第2の開口2g、2hが形成され、また、段部2iが設けられ、さらには、飲み口部2eの構造等が異なるが、他はほぼ同様であり、以下にその異なる部分を主に説明する。
【0022】
ダミー体本体2は、合成樹脂製であって、ブロー成形により形成されているが、合成樹脂材料自体が光が不透過であったり、成形後の塗装等により、光不透過体となっている。そして、図5および図6に示すように、ダミー体本体2には、第1の平面部2cの他に、ダミー体本体2の正面側であって本体部2a部分に、ダミー体本体2の外周から窪むようにして、第2の平面部2jが設けられている。この第2の平面部2jは、下側に比して上側が一層窪む傾斜面となっている。
【0023】
また、ダミー体本体2には、掛止孔2dの他に、そのダミー体本体2の底面、すなわち、この実施の形態においては、円形状の突底部Wの下面に、第1の開口2gが形成されるとともに、ラベル本体3aと対面する位置であって、前記第2の平面部2jに、つまりはダミー体本体2の正面側に、第2の開口2hが形成されている(図5参照)。そして、これら第1および第2の開口2g、2hは、例えばブロー成形後の後加工によって切り取られるようにして明けられている。
【0024】
そして、ダミー体本体2には、ラベル本体3aが嵌まる段部2iが、例えば、正面側において、上側および下側に設けられている(図5参照)。
【0025】
さらに、図8および図9に示すように、ダミー体本体2の上端部分に備わる飲み口部2eは、ネジ部が形成される前の第1のキャップC1とネジ部が形成された後の第2のキャップC2とが選択的に取り付けられるように、第1のキャップC1が着脱可能に嵌められる基端側の径大部D1と、第2のキャップC2が着脱可能に嵌められる先端側の径小部D2とから構成されている。
【0026】
この第二の実施の形態に示すダミーボトル1の作用効果は、第一の実施の形態とは、ダミー体本体2への見本表示ラベル3の取り付けに関しては同様であるが、その他に、以下の作用効果を奏する。
【0027】
見本表示ラベル3をダミー体本体2の内側から照らす場合には、照明光を、第1の開口2gからダミー体本体2内に取り入れ、そして、第2の開口2hからラベル本体3aを照らすことができる(図5参照)。こうして、ダミー体本体2が光不透過体からなる場合であっても、見本表示ラベル3をダミー体本体2の内側から照らす場合に、第1および第2の開口2g、2hを介して、ラベル本体3aを照らすことができる。しかも、このとき、底面の第1の開口2gからダミー体本体2に取り入れられた照明光は、下側に比して上側が一層窪む傾斜面となった第2の平面部2jに明けられた第2の開口2hを容易に通ることができ、ラベル本体3aを確実に照らすことができる。さらに、このとき、掛止孔2dは、少なくとも側方先端部分が互いに重なっている被掛止片3b、3bによって塞がっているので、照明光が、掛止孔2dから外部に漏れにくい(図7参照)。
【0028】
また、第1の開口2gは、底面の平面部分に明けられるので、この第1の開口2gを容易に形成することができる。同様にして、掛止孔2dや第2の開口2hは、第1の平面部2cや第2の平面部2j、つまりは平面部分に明けられるので、これら掛止孔2dや第2の開口2hを容易に形成することができる。
【0029】
また、ダミー体本体2には、ラベル本体3aが嵌まる段部2i、2iが設けられているので、見本表示ラベル3を、前記段部2i、2iによって位置決めすることができる(図5参照)。
【0030】
また、図8および図9に示すように、ダミー体本体2の飲み口部2eには、径大部D1に、ネジ部が形成される前の第1のキャップC1を、そして、径小部D2に、ネジ部が形成された後の第2のキャップC2を、適宜選択して嵌めることができる。したがって、例えば、初期においては、第1のキャップC1を用い、そして、第1のキャップが変質、破損等した場合には、第1のキャップC1に代えて、例えば使用済みの第2のキャップC2(実際の飲料ボトルに用いられて、開栓後に捨てられた、使用済みのキャップ)を用いることができる。そして、さらに、この第2のキャップが変質、破損等した場合には、この第2のキャップC2に代えて、例えば使用済みの別の第2のキャップC2を用いることができる。さらには、このダミーボトル1を、例えば異なる飲料に対応させるために、第1または第2のキャップC1、C2に代えて、デザインの異なる第1または第2のキャップC1、C2を用いることもできる。こうして、キャップC1、C2が変質、破損等した場合や、異なる飲料に対応させるために、そのキャップC1、C2に代えて、容易に他のキャップC1、C2を使用することができる。
【0031】
図10は、ダミー体の第三の実施の形態(本発明)を示す。この実施の形態は、第二の実施の形態と比較すると、ダミー体としてのダミーボトル1における、ダミー体本体2の製造方法が異なり、また、第1および第2の平面部2c、2jは設けられていないが、他はほぼ同様であり、以下にその異なる部分を主に説明する。
【0032】
ダミー体本体2は、例えばポリプロピレン樹脂等の合成樹脂製であって、射出成形によって形成されるとともに、底部2kが、別体に形成されている。そして、ダミー体本体2には、第1および第2の平面部2c、2jは設けられておらず、掛止孔2dおよび第2の開口2hは、本体部2aの外周の曲面部分に直接明けられている。そして、ダミー体本体2における、ラベル本体3aが嵌まる段部2iは、下側のみとなっている。そして、この第三の実施の形態においても、掛止孔2dおよび第2の開口2hが曲面部分に明けられる点を除き、第二の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0033】
図11ないし図14は、ダミー体の第四の実施の形態(本発明)を示す。この実施の形態は、第三の実施の形態と比較すると、ダミー体本体2が、複数の分割部材からなる点が異なるが、他はほぼ同様であり、以下にその異なる部分を主に説明する。
【0034】
ダミー体本体2は、上下方向に対して分割されて着脱可能に組み付けられる複数の分割部材(図示実施の形態においては二つの分割部材)からなる。すなわち、ダミー体本体2は、分割部材として、上部部材6と下部部材7とからなり、それら上部部材6および下部部材7のいずれか(図示実施の形態においては上部部材6)は、高さの異なる分割部材(図示実施の形態においては上部部材6)が選択的に組み付けられる。
【0035】
具体的には、上部部材6は、射出成形によって形成されたポリプロピレン樹脂等の合成樹脂製であって、傾斜部2bと、上端部分の飲み口部2eと、傾斜部2bから背面側を下方に延びるようにして延設された背板部6aとを備えている。ここで、飲み口部2eは、第二の実施の形態や第三の実施の形態と同様に、ネジ部が形成される前の第1のキャップC1が着脱可能に嵌められる基端側の径大部D1と、ネジ部が形成された後の第2のキャップC2が着脱可能に嵌められる先端側の径小部D2とから構成されている。そして、この実施の形態においては、径大部D1には、その径大部D1に嵌められた前記第1のキャップC1の内面に当たる、リブからなる第1の凸部E1が形成されており、径小部D2には、その径小部D2に嵌められた前記第2のキャップC2の内面に当たる、リブからなる第2の凸部E2が形成されている。詳細には、第1の凸部E1は、径大部D1の、例えば、背面側に、縦に延びるようにして二本並んで設けられており、同様にして、第2の凸部E2は、径小部D2の、例えば、背面側に、縦に延びるようにして二本並んで設けられている。
【0036】
そして、この背板部6aは、両サイドを除くほぼ全体が、若干内側に入った段部部分6bとなっており、この段部部分6bに、掛止孔2dが明けられている。また、背板部6aには、段部部分6bから下方に延びて、後述する係合溝7dに差し入れられる係合片6cが設けられている。さらに、この係合片6cには、その下端部分のほぼ中央位置に、後方に向かって突出し、後述する係止孔7fに係止される被係止突起6dが設けられている。
【0037】
また、下部部材7は、上部部材6と同様に射出成形によって形成されたポリプロピレン樹脂等の合成樹脂製であって、突底部Wを備える底板7aと、その底板7aの周縁部全周から上方に起立する第1の側板7bと、この第1の側板7bの内側であってその第1の側板7bの背面側と対向するように底板7aから上方に起立する第2の側板7cとからなる。そして、第1の側板7bの背面側と第2側板7cとの間が、前記上部部材6における係合片6cが差し入れられる係合溝7dとなる。詳細には、この係合溝7dには、第2の側板7cから突出するリブ7e、7eが設けられており、このリブ7e、7eによって、前記係合片6cが押さえられる。さらに、第1の側板7bの背面側の下端ほぼ中央位置には、前記上部部材6における被係止突起6dを係止する係止孔7fが設けられている。こうして、上部部材6と下部部材7との組付けにあたっては、上部部材6の係合片6cが、下部部材7の係合溝7dに差し入れられ、そして、上部部材6の被係止突起6dが、下部部材7の係止孔7fに係止される。また、上部部材6を下部部材7から外す場合には、被係止突起6dを押し込むようにして、係止孔7fによる係止を解除し、その後、上部部材6を下部部材7に対して持ち上げるように引っ張れば、上部部材6の係合片6cは、下部部材7の係合溝7dから抜け出る。こうして、このダミー体本体2は、分割部材の一方となる上部部材6が、分割部材の他方となる下部部材7に着脱可能に差し入れられて組み付けられている。
【0038】
そこで、高さの異なる上部部材6、6を適宜用意しておき、それらを選択的に下部部材7に組み付けることで、ダミー体本体2は、段階的に高さ調整される。そして、見本表示ラベル3は、高さの異なる見本表示ラベル3が、ダミー体本体2の高さに応じて、そのダミー体本体2に、選択的に取り付けられる。ここで、図13には、350mlタイプの飲料ボトルを模したダミーボトル1が示されており、飲み口部2eには、その径大部D1に第1のキャップC1が嵌められている。また、図14には、500mlタイプの飲料ボトルを模したダミーボトル1が示されており、飲み口部2eには、その径小部D2に第2のキャップC2が嵌められている。なお、ダミー体本体2の底面、すなわち、円形状の突底部Wの下面には、第1の開口2gが形成されるとともに、このダミー体本体2の周面における、背板部6aがない前面側が、第2の開口2hとなって、見本表示ラベル3におけるラベル本体3aと対面することとなる(図12参照)。
【0039】
この第四の実施の形態に示すダミーボトル1の作用効果においては、第三の実施の形態における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。ダミー体本体2の飲み口部2eにおいては、第1のキャップC1と第2のキャップC2とを適宜選択して嵌めることによる作用効果(第二の実施の形態に記載)の他に、第1のキャップC1や第2のキャップC2が若干変形している場合、あるいは若干径が異なる場合にも対応することができる。すなわち、第1のキャップC1(第2のキャップC2)を、第1の凸部E1が形成された径大部D1(第2の凸部E2が形成された径小部D2)に押し込むようにすれば、キャップC1(C2)が凸部E1(E2)にならうように、キャップC1(C2)あるいは凸部E1(E2)が変形し、そのキャップC1(C2)を径大部D1(径小部D2)に嵌めることができる。
【0040】
また、ダミー体本体2は、高さの異なる上部部材6が選択的に組み付けられることで、つまりは、高さの異なる上部部材6が交換されることで、高さ調整が段階的に可能となる。こうして、このダミー体本体2および見本表示ラベル3によって、高さの異なる複数のダミーボトル1を形成することができ、こうして、高さ調整が可能なダミーボトル1を得ることができる。
【0041】
図15ないし図19は、ダミー体の第五の実施の形態(本発明)を示す。この実施の形態は、第三の実施の形態と比較すると、ダミー体としてのダミーボトル1が、高さ調整可能となっており、また、掛止孔2dは、被掛止片3b、3bが個別に差し入れられる別々の孔からなっているが、他はほぼ同様であり、以下にその異なる部分を主に説明する。
【0042】
ダミー体本体2は、上部体4と下部体5とからなり、それら上部体4と下部体5とが高さ調整可能に組み付けられている。上部体4は、傾斜部2bと、キャップC1(C2)が取り付けられた飲み口部2eと、傾斜部2bから背面側を下方に延びるようにして延設された第1の延設部としての上側背板部4aとからなっている。そして、この上側背板部4aには、上下に並ぶようにして、後方に向かって突出する、つまり、後述する長孔5c側に突出する突出片4b、4bが設けられている。この突出片4bは、後述する長孔5cに通されてその長孔5c内を上下に移動可能な脚部4cと、その脚部4cの先端から側方に延びて後述する長孔5cの周縁部に係合する係合部4dとからなっている。さらに、上側の突出片4bにおける脚部4cには、側方に突出する位置決め突起4eが設けられており、この位置決め突起4eは、後述する凹部5fと係合して、このダミー体本体2を所定の高さ寸法に保持するための位置決めとして機能している。
【0043】
また、下部体5は、底部5aと、その底部5aから背面側を上方に延びるようにして延設された第2の延設部としての下側背板部5bとからなっている。そして、この下側背板部5bには、上下方向に長手となる長孔5cが設けられている。そして、この長孔5cには、その中間部分の二ヵ所に、幅狭となった幅狭部5dが、そして、上端に、幅広となった幅広部5eが設けられている。さらに、幅狭部5dには、凹部5fが形成されている。そして、下側背板部5bには、前記凹部5fを囲むように、孔5g、5gが形成されている。そして、この下側背板部5bの、左右の各側に、長孔5cを挟むようにして、掛止孔2d、2dが設けられている。
【0044】
ここで、これら上部体4と下部体5との組付けにあたっては、上部体4における下側の突出片4bを、下部体5における長孔5cの幅広部5eに挿入し(図15参照)、突出片4bの脚部4cが、長孔5c内を下方に移動するように、上部体4を下部体5に対して下げ、次いで、上側の突出片4bを、長孔5cの幅広部5eに挿入する。さらに、上部体4を下部体5に対して下げると、両突出片4b、4bの脚部4c、4cが、長孔5c内を下方に移動して、位置決め突起4eが、上側の凹部5fと係合し、ダミー体本体2の高さは、大サイズの高さに保持される(図16、図17参照)。そして、さらに上部体4を下部体5に対して下げると、同様に、両突出片4b、4bの脚部4c、4cが、長孔5c内を下方に移動して、位置決め突起4eが、下側の凹部5fと係合し、ダミー体本体2の高さは、小サイズの高さに保持される(図18、図19参照)。そして、見本表示ラベル3は、高さの異なる見本表示ラベル3が、ダミー体本体2の高さに応じて、そのダミー体本体2に、選択的に取り付けられる。なお、図中符号4fは、上側背板部4aに設けられたストッパであり、大サイズとなったダミー体本体2において、長孔5cの幅広部5eの上端面と当接することで、上部体4が、下部体5に対してさらに上方に移動するのを阻止している。
【0045】
また、見本表示ラベル3においては、被掛止片3bに、上側被掛止部3eおよび下側被掛止部3fの他に、被掛止片3bの先端中央部分からさらに側方に向かって突出するようにして,掛止孔2dの周縁部の内側面と対向する突片3gが設けられている。そして、この突片3gにより、被掛止片3bは、掛止孔2dから外れにくくなり、見本表示ラベル3は、一層確実にダミー体本体2に取り付けられることとなる。なお、ダミー体本体2の底面、すなわち、円形状の突底部Wの下面には、第1の開口2gが形成されるとともに、このダミー体本体2の周面における、上側背板部4aおよび下側背板部5bがない前面側が、第2の開口2hとなって、見本表示ラベル3におけるラベル本体3aと対面することとなる(図16、18参照)。
【0046】
この第五の実施の形態に示すダミーボトル1の作用効果においては、第三の実施の形態と比較すると、掛止孔2dが、被掛止片3bが個別に差し入れられる別々の孔からなることで、ダミー体本体2において、掛止孔2dを設ける位置の自由度を増加させることができる。そして、ダミー体本体2を、上部体4と下部体5とに分割することで、高さ調整が可能なダミーボトル1を得ることができる。すなわち、ダミー体本体2は、上部体4と下部体5とが高さ調整可能に組み付けられて、そのダミー体本体2の高さに応じて、ダミー体本体2に、高さの異なる見本表示ラベル3が、選択的に取り付けられる。こうして、このダミー体本体2および見本表示ラベル3によって、高さの異なる複数のダミーボトル1を形成することができる。
【0047】
なお、本発明および参考形態は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第四の実施の形態において、ダミー体本体2は、高さの異なる上部部材6が選択的に組み付けられているが、反対に、高さの異なる下部部材7が選択的に組み付けられてもよい。また、このダミー体本体2は、上部部材6と下部部材7との二つの分割部材からなっているが、上下方向に対して分割されて着脱可能に組み付けられる三つ以上の分割部材からなっていてもよい。
【0048】
また、図20に示すように、見本表示ラベル3は、上部片3hを備えていてもよい。この上部片3hは、ダミー体本体2の傾斜部2bと向かい合うよう、ラベル本体3aの上端3iからさらに上方に向かって突出している。したがって、この上部片3hが、ダミー体本体2の傾斜部2bを覆うこととなり、この上部片3hによって、見る者の注意を喚起することができる。
【0049】
また、見本表示ラベル3における被掛止片3bは、ラベル本体3aの側端3dからさらに側方に向かって突出するようにして設けられなくとも、図21に示すように、ラベル本体3aの側端部分に形成された切込み3jによって、ラベル本体3aの側端3dとは反対側に向かって突出するようにして設けられてもよい。このとき、被掛止片3bは、ダミー体本体2における掛止孔2dの周縁部の内側面と掛かり合うことで、その周縁部に掛け止められる。
【0050】
さらに、見本表示ラベル3における被掛止片3bは、図22に示すように、ラベル本体3aの側端3dからさらに側方に向かって突出するようにして設けられた被掛止片3bと、ラベル本体3aの側端部分に形成された切込み3jによって、ラベル本体3aの側端3dとは反対側に向かって突出するようにして設けられた被掛止片3bとの両者からなっていてもよい。
【0051】
また、ダミー体は、PETボトルや金属ボトルを模したダミーボトル1でなくとも、参考として、図23に示すように、飲料の容器としての缶を模した、ダミー缶Fであってもよい。このとき、ダミー体本体2には、傾斜部2bはなく、また、キャップC(C1、C2)は設けられておらず、したがって、ダミー体本体2は、本体部2aのみからなっている。
【0052】
また、第四の実施の形態において、径大部D1に形成された第1の凸部E1や径小部D2に形成された第2の凸部E2は、リブからならなくとも、図24に示すように円弧状に突出して設けられていてもよく、また、図25に示すように、三角形状に突出して設けられていてもよい。また、第1の凸部E1(第2の凸部E2)の代わりに、図26に示すように、径大部D1(径小部D2)には、第1のキャップC1(第2のキャップC2)の内面から逃げる第1の平坦部G1(第2の平坦部G2)が形成されていてもよい。さらには、第1の凸部E1(第2の凸部E2)の代わりに、図27に示すように、径大部D1(径小部D2)には、第1のキャップC1(第2のキャップC2)の内面から逃げる第1の凹部H1(第2の凹部H2)が形成されていてもよい。また、以上において、凸部E1、E2、平坦部G1、G2、そして凹部H1、H2は、一ヶ所に設けられていても、あるいは二ヵ所以上に設けられていてもよく、その数は、任意に定めることができる。
【0053】
また、以上に示すダミーボトル1やダミー缶Fの構造において、既述した各実施の形態に示される個々の構成部分、構成要素を適宜組み合わせることができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 ダミーボトル(ダミー体)
2 ダミー体本体
2e 飲み口部
C1 第1のキャップ
C2 第2のキャップ
D1 径大部
D2 径小部
E1 第1の凸部
E2 第2の凸部
G1 第1の平坦部
G2 第2の平坦部
H1 第1の凹部
H2 第2の凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の容器を模したダミー体であって、
上端部分に飲み口部を備えたダミー体本体を有し、
前記飲み口部は、ネジ部が形成される前の第1のキャップとネジ部が形成された後の第2のキャップとが選択的に取り付けられるように、前記第1のキャップが着脱可能に嵌められる基端側の径大部と、前記第2のキャップが着脱可能に嵌められる先端側の径小部とを備えていることを特徴とするダミー体。
【請求項2】
前記径大部には、その径大部に嵌められる前記第1のキャップの内面に当たる第1の凸部、または、前記第1のキャップの内面から逃げる第1の平坦部もしくは第1の凹部が形成されており、前記径小部には、その径小部に嵌められる前記第2のキャップの内面に当たる第2の凸部、または、前記第2のキャップの内面から逃げる第2の平坦部もしくは第2の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダミー体。
【請求項1】
飲料の容器を模したダミー体であって、
上端部分に飲み口部を備えたダミー体本体を有し、
前記飲み口部は、ネジ部が形成される前の第1のキャップとネジ部が形成された後の第2のキャップとが選択的に取り付けられるように、前記第1のキャップが着脱可能に嵌められる基端側の径大部と、前記第2のキャップが着脱可能に嵌められる先端側の径小部とを備えていることを特徴とするダミー体。
【請求項2】
前記径大部には、その径大部に嵌められる前記第1のキャップの内面に当たる第1の凸部、または、前記第1のキャップの内面から逃げる第1の平坦部もしくは第1の凹部が形成されており、前記径小部には、その径小部に嵌められる前記第2のキャップの内面に当たる第2の凸部、または、前記第2のキャップの内面から逃げる第2の平坦部もしくは第2の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダミー体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2010−176704(P2010−176704A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104545(P2010−104545)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【分割の表示】特願2001−28863(P2001−28863)の分割
【原出願日】平成13年2月5日(2001.2.5)
【出願人】(399020212)東山フイルム株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【分割の表示】特願2001−28863(P2001−28863)の分割
【原出願日】平成13年2月5日(2001.2.5)
【出願人】(399020212)東山フイルム株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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