説明

ダンパおよびダンパを有する光ディスク装置

【課題】水平方向においては低剛性で且つ位置決め性がよく、軸方向においては、メカシャーシの変位の小さい、変位規制が強い、光ディスク装置用ダンパおよび光ディスク装置を提供する。
【解決手段】円筒状のダンパ10は、軸方向の中央部において、円筒の外周に設けられた溝12を有し、溝12によって上部円筒体11aと下部円筒体11bとに分離される。上部円筒体11aおよび下部円筒体11bはそれぞれの端部に平面部13,18を有し、上部円筒体11aおよび下部円筒体11bのそれぞれの平面部13,18の中央部には突起部14,19が設けられる。円筒状のダンパ10の内周部であって、溝12に対向する位置には内周方向に延在する薄肉連結部22が設けられ、薄肉連結部22の内周側端部には、軸方向に沿って延在する内側円筒体17が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はダンパおよびダンパを有する光ディスク装置に関し、特に、高速回転時においても振動吸収特性や位置決め精度の高いダンパおよびダンパを有する光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク装置に使用されるダンパが、たとえば、特許第3585953号公報(以下、「特許文献1」という)や実開平1−174790号公報(以下、「特許文献2」という)に開示されている。
【0003】
図7は特許文献1に開示されたダンパを示す図である。図7を参照して、従来の光ディスク装置に使用されるダンパ100は、全体として瓢箪型で、上部突出部101aと下部突出部101bと、上下の突出部101a,101bの間に設けられた凹部104とを有し、筐体103に取付けねじ102で取付けられている。凹部104は光ディスク装置の駆動ユニットを保持するメカシャーシ106を保持する。
【0004】
上部突出部101aは取付けねじ102の頭部102aの下側に当接する上端部108と、上端部108に連続して取付けねじ102の頭部102aの下方で取付けねじ102の軸部102bに当接する端部109とを有する。下部突出部101bは光ディスク装置の筐体103の上部に当接する下端部110と、下端部110に連続して取付けねじの下方で且つ筐体103の上部で取付けねじ102の軸部102bに当接する端部111とを有する。なお、凹部104はその取付けねじ102側に突出した突出部112を有し、この突出部112は光ディスク駆動ユニットの駆動時に取付けねじ102に当接する。
【0005】
特許文献2は水平方向と垂直方向とのばね特性がほぼ同じにされたディスク駆動装置のダンパを提供することを目的としている。図8は特許文献2に開示されたダンパを示す図である。図8(A)はダンパの一部断面図を含む側面図であり、図8(B)は図8(A)においてVIIIB-VIIIBで示す部分の断面図であり、図8(C)は図8(A)においてVIIIC-VIIICで示す部分の平面図であり、図8(D)は図8(A)に示したダンパの取付け状態を示す図である。
【0006】
図8を参照して、ダンパ120は、中央に貫通孔123を有する円筒状のゴム弾性体であり、外周面に溝121を有し、軸方向の端部の面には軸方向に突出する3個の突起部122が設けられている。また、図8(B)に示すように、貫通孔123の内周面には径方向に突出する突出部124が3箇所設けられるとともに、溝121内には放射状に隆起部125が設けられている。このダンパ120は、図8(D)に示すように、上部に所定の径を有する頭部131を有し、下端部にねじ部を有する取付け軸132とナット133でダンパ120を筐体134に取り付けるとともに、ダンパ120の溝121で光ディスク装置の駆動ユニットを保持するメカシャーシ135を保持する。一方、上部の突起部122はその頂部で取付け軸132の頭部131の下の面に当接し、下部の突起部122はその頂部で筐体134の上面に当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3585953号公報
【特許文献2】実開平1−174790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の光ディスク装置用のダンパは上記のように構成されていた。
【0009】
近年、ブルーレイディスクの登場等による光ディスクの高速化により、水平方向の振動が増加し、光ディスク装置を内蔵するノート形のパソコンにおいては、光ディスク装置の外部装置であるパソコンへの伝達振動が問題となりつつある。したがって、水平方向の剛性を低下させ、振動吸収性を上げることが必要となる。
【0010】
また、光ディスク装置の薄型化が進み、光ディスクの回転振動による軸方向のシャーシの変位、及び、外部から振動ショック等の外的要因によるシャーシの変位が問題となる。したがって、シャーシの変位を抑制することが必要となる。
【0011】
さらに、光ディスク装置のコンパクト化が進み、光ディスクと筐体とのクリアランスが狭くなっているため、水平方向の位置決め性も高める必要がある。
【0012】
このような高速化した光ディスク装置用のダンパとしては、上記した従来の光ディスク装置用のダンパでは次のような問題があった。
【0013】
図7に示したダンパ100においては、ダンパ100の、光ディスク駆動部を保持するメカシャーシ106を支持する部分の反対側に取付けねじ102の軸部102bに当接する水平方向の突出部112を有している。したがって、水平方向において剛性が高く、メカシャーシ106の水平方向の振動吸収性が悪いという問題があった。また、軸方向においては、ダンパが軸方向に突出部108,110を有し、上部突出部108で取付けねじ102の頭部102a下面に当接し、下部突出部110で筐体103に当接している。したがって、メカシャーシ106と上下の当接部との間はダンパ100本体を構成する薄いゴムとゴムで囲まれた空間とでのみ保持されているため剛性が低く、メカシャーシ106の軸方向の変位を抑制することが困難である、すなわち、変位規制が効かない、という問題があった。
【0014】
また、図8に示したダンパ120においては、水平方向と垂直(軸)方向とのばね特性がほぼ同じである。水平方向においては、3箇所の突出部124のみが取付け軸132に当接するので、位置決め性が悪い。また、軸方向においてはメカシャーシ135の振動はダンパ120の上端部の突起部122と取付け軸の頭部131の下の面との当接部、および、下端部の突起部122と筐体134との当接部とで吸収しているため、これらの突起部が容易に変形する。その結果、水平方向における位置決め性が悪く、軸方向の変位規制が効かないという問題があった。
【0015】
この発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、水平方向においては低剛性で且つ位置決め性がよく、軸方向においては、メカシャーシの変位の小さい、変位規制が強い、光ディスク装置用ダンパおよび光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明に係るダンパは、対向する上壁と下壁との間に配置され、弾性体で形成された円筒状である。ダンパは、振動する部材を保持する保持部を有する外側円筒体と、外側円筒体の内周面から離れて位置し、対向する上壁と下壁とを接続する接続部材を取り囲む内側円筒体と、外側円筒体と内側円筒体とを接続する薄肉連結部とを含む。外側円筒体の軸方向の上端部および下端部のうち、少なくともいずれか一方の端部には軸方向に凹凸となる形状を有する。
【0017】
好ましくは、保持部は外側円筒体の外周に設けられた溝である。
【0018】
さらに好ましくは、内側円筒体は、薄肉連結部の軸方向の一方側にのみ設けられる。
【0019】
内側円筒体は薄肉連結部の他方側にも設けられてもよい。
【0020】
また、凹凸となる形状は上端部および下端部の両方に設けられてもよい。
【0021】
薄肉連結部には貫通孔が設けられてもよい。
【0022】
この発明の他の局面においては、光ディスク装置は上記のダンパを有する。
【発明の効果】
【0023】
この発明に係るダンパは、水平方向は柔らかく、且つ、軸方向はシャーシの変位を規制するため、メカシャーシのような振動する部材の水平方向の振動吸収性が大きく、また、位置決め性が良いとともに、軸方向の変位を抑えることができる。その結果、振動吸収と位置決め性を両立させることができるダンパおよびダンパを有する光ディスク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の一実施の形態に係るダンパを示す図である。
【図2】図1に示したダンパの光ディスク装置への取付け状態を示す図である。
【図3】この発明の他の実施の形態に係るダンパを示す図である。
【図4】図3に示したダンパの光ディスク装置への取付け状態を示す図である。
【図5】この発明の更に他の実施の形態に係るダンパを示す図である。
【図6】図5に示したダンパの光ディスク装置への取付け状態を示す図である。
【図7】従来の光ディスク装置のダンパを示す図である。
【図8】従来の光ディスク装置のダンパを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係るダンパを示す図である。図1(A)は平面図であり、図1(B)は図1(A)においてIB−IBで示す部分の断面図であり、図1(C)は図1(B)においてIC−ICで示す部分の矢視図である。
【0026】
図1を参照して、この実施の形態に係るダンパ10はゴムのような弾性体で形成され、外側円筒体11と、外側円筒体11の内周面から離れて位置する内側円筒体17と、外側円筒体11と内側円筒体17とを接続する薄肉連結部22とを有する円筒状である。外側円筒体11のほぼ中央部の外周には溝12が設けられる。この溝12によって外側円筒体11は上部円筒部11aと下部円筒部11bとに分かれている。上部円筒部11aは上端部に円周方向に所定の幅を有する平面部13を有している。平面部13の中央部には軸方向上側に突出する8個の突起部14が設けられている。この突起部14は平面部13上において相互に等間隔に設けられている。上部円筒部11aはその内周において軸方向に延在する内周壁15と、内壁部15の下方において内壁部15から内周方向に延在する水平の段部16を有する。段部16は内周方向に一定の長さを有している。ここで、上部円筒部11aの内周壁15の内径をaとする。
【0027】
一方、下部円筒部11bは基本的に上部円筒部を溝12の中央部を中心として線対称とした形状である。この形状に、段部16の内周側端部から軸方向下側に延在する薄肉の内側円筒体17が設けられている。すなわち、下部円筒部11bは端部に所定の幅を有する平面部18を有し、平面部18の中央部には下部に突出する8個の突起部19が設けられている。この突起部19は平面部18上において相互に等間隔に設けられている。下部円筒部11bはその内周に内周壁20と、内壁部20の上端において内壁部20から内周方向に延在する水平の段部21を有する。したがって、薄肉連結部22は溝12と対向するダンパの内周側において、上側の段部16と下側の段部21との間で軸方向に直交する水平方向に設けられている。
【0028】
なお、ここでは上下の円筒部の端部に突起部を設けたが、凹凸となる形状であれば任意の形状でよい。
【0029】
この薄肉連結部22の厚さは薄いほど、ダンパ10の水平方向(径方向)の変位が容易になり、自由度が高い。
【0030】
なお、ここでは、薄肉連結部22を溝12に対向する位置に設けたが、これに限らず、任意の位置に設けてもよい。
【0031】
また、内側円筒体17は下部円筒部11bの段部21の内径方向端部から軸方向に設けられている。内側円筒体17の下端は下部円筒部11bの突起部19よりも下方まで延在し、図2に示すように、筐体のフレーム51に当接する。内側円筒体17の上端は上部円筒部11aの段部16まで延在する。
【0032】
なお、ここでは、内側円筒体17の下端は突起部19よりも長く延在しているが、突起部19よりも短くても構わない。
【0033】
なお、段部21の径方向の長さをcとし、内側円筒体17の厚さをdとし、内側円筒部17の内径をbとすると、下部円筒部11bの内径bはb=a−2×(c+d)で表される。
【0034】
次に、この実施の形態に係る光ディスク装置用ダンパの光ディスク装置への取付け状態について説明する。図2はこの実施の形態に係る光ディスク装置用ダンパの光ディスク装置への取付け状態を示す、一部断面図である。図2を参照して、ダンパ10は、取付けねじ53を筐体のフレーム51に設けられた貫通孔51aに通し、ワッシャ54およびナット55を用いてフレーム51に取付けられる。ダンパ10の外周溝12には、光ディスクを駆動するためのターンテーブルおよびスピンドルモータと、光ディスクを読取る光ピックアップとが設けられているメカシャーシ52が取付けられる。このとき、メカシャーシ52はダンパ10の外周に設けられた溝12で保持される。
【0035】
なお、ここでは、メカシャーシ52のような振動する部材を溝12で保持する場合について説明しているが、これに限らず、外側円筒体11に設けられた任意の保持部で保持してもよい。
【0036】
取付けねじ53は径方向に延在するヘッド53aとヘッド53aの中央部から下方向に延びる軸部53bとを有し、軸部53bの下端部にねじが設けられ、このねじにワッシャ54を介してナット55が係合することによってダンパ10を筐体に固定している。
【0037】
図2に示すように、取付け時にはダンパ10の上下突起部14,19は取付けねじのヘッドの下部、および、筐体のフレーム51に触れるか触れない程度の状態である。したがって、ダンパ10によってメカシャーシ52の軸方向の動きが規制されるため、メカシャーシ52の振動が規制される。
【0038】
一方、水平方向においては、ダンパ10は、取付けねじ53の外周に沿って軸方向に延在する内側円筒体17で取付けねじ53に当接しており、この内側円筒体17とメカシャーシ52を保持する溝12との間は、薄肉連結部22で保持されているため、取付けねじ53とメカシャーシ52との水平方向の位置関係は容易に保持することが可能である。
【0039】
なお、ここでは、ダンパ10は取付けねじ53で筐体のフレーム51に取付けられているが、これに限らず、取付けねじ53のヘッドのような任意の上壁と、これに対向する筐体のフレーム51のような任意の下壁との間を接続する任意の接続部材に取付けられてもよい。
【0040】
すなわち、この実施の形態においては、ダンパ10は、対向する上壁と下壁との間に配置され、弾性体で形成されている。ダンパは、振動する部材を保持する保持部を有する外側円筒体11と、外側円筒体11の内周部に設けられ、対向する上壁と下壁とを接続する取付けねじ53を取り囲む内側円筒体17と、外側円筒体11と内側円筒体17とを接続する薄肉連結部22とを含み、外側円筒体11の軸方向の上端部および下端部のうち、少なくともいずれか一方の端部には軸方向に凹凸となる形状を有している。
【0041】
外側円筒体で振動するメカシャーシを保持し、外側円筒体と内側円筒体とが薄肉連結部で連結されているため、水平方向には柔軟性があり、振動吸収性が高まり且つ位置決めが容易である。一方、軸方向は内側円筒体や凹凸となる形状によってダンパの軸方向の移動が規制されるためシャーシの変位が抑制される。その結果、振動吸収性がよいとともに、位置決めが容易であるダンパを得ることができる。
【0042】
なお、この実施の形態においては、内側円筒体17は取付けねじ53の軸部53bを溝12に対向する位置から筐体のフレーム51に達するまでの全体の外周を保持しているが、これに限らず、取付けねじの一部のみを取り囲んでもよい。
【0043】
次に、この発明の他の実施の形態に係るダンパについて説明する。図3はこの発明の他の実施の形態に係るダンパ30を示す図である。図3(A)はこの実施の形態における図1(A)に対応する図であり、図3(B)は図3(A)においてIIIB−IIIBで示す部分の断面図であり、図1(B)に対応する。なお、図1(C)に対応するダンパの下からの矢視図は、図1(C)と同じであるので、図示およびその説明は省略する。
【0044】
また、図4はこの実施の形態におけるダンパ30の光ディスク装置への取付け状態を示す図であり、先の実施の形態における図2に対応する。
【0045】
先の実施の形態においては、段部に設けられる内側円筒体17はダンパ10の下方向にのみ設けられていたが、この実施の形態においては、ダンパの上方向にも設けられる。したがって、先の実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0046】
この実施の形態においては、ダンパ30には、下方向に延在する内側円筒体17に加えて、上方向に延在する内側円筒体31が設けられる。この部分のみが先の実施の形態と異なる。
【0047】
この実施の形態においても、水平方向においては、先の実施の形態と同様に自由度が高い。すなわち、この実施の形態に係るダンパは、軸方向においては、シャーシの変位を規制し、水平方向においては、振動吸収性が高くメカシャーシの取付け位置の保持が容易である、すなわち、位置決め性がよい。
【0048】
次に、この発明のさらに他の実施の形態に係るダンパについて説明する。図5はこの実施の形態に係るダンパ40を示す図である。図5(A)はこの実施の形態における図1(A)に対応する図であり、図5(B)は図5(A)においてVB−VBで示す部分の断面図であり、図1(B)に対応する。なお、図1(C)に対応するダンパの下からの矢視図は、図1(C)と同じであるので、図示およびその説明は省略する。
【0049】
上記した2つの実施の形態においては、上下の両面に突起部が設けられていたが、この実施の形態においては、上面部には突起部が設けられていない。それ以外については、最初の実施の形態と同様であるので、最初の実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0050】
この実施の形態においては、ダンパ40には、上端部には突起部が設けられていないため、取付けねじ53の下面にダンパ40の上端面が面接触する。したがって、取付けねじ53とダンパ40とが軸方向においてより一体化されるため、シャーシの軸方向の変位をより規制できる。
【0051】
一方、水平方向においては、先の実施の形態と同様である。
【0052】
すなわち、この実施の形態に係るダンパは、水平方向においては、より優れた振動を吸収する特性を有するとともに、メカシャーシ52の位置決め性がよい。
【0053】
なお、この実施の形態においては、上端面の突起部のみを設けない場合について説明したが、これに限らず、下端面の突起部も設けないようにしてもよい。この場合は、ダンパの上端面だけでなく、下端面も筐体のフレーム51に当接するため、より軸方向が拘束されるため、より高い軸方向の変位規制を持つ。
【0054】
また、この実施の形態において、内側円筒体を上側にのみ設けるようにしてもよいし、両側に設けてもよい。
【0055】
また、上記実施の形態においては、溝部や薄肉連結部をダンパのほぼ中心部に設ける場合について説明したが、これに限らず、軸方向にずれた位置に設けてもよい。
【0056】
また、薄肉連結部の振動吸収性及び位置決め性をさらに高めるために、薄肉連結部に貫通孔や凹部を設けてもよいし、薄肉連結部を内側円筒体と外側円筒体とを接続する複数の帯状部材としてもよい。
【0057】
なお、上記実施の形態においては、薄肉連結部を水平方向に設ける場合について説明したが、これに限らず、斜め方向に設けてもよい。
【0058】
図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態に限定されるものではない。本発明と同一の範囲内において、または均等の範囲内において、図示した実施形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
この発明に係るダンパは、水平方向は柔らかく、且つ、軸方向はシャーシの変位を規制するため、メカシャーシのような振動する部材の水平方向の振動吸収性が大きく、また、位置決め性がよいとともに軸方向の変位を抑えることができる。その結果、振動吸収と位置決め性を両立させることができるダンパおよびダンパを有する光ディスク装置のダンパとして有利に利用される。
【符号の説明】
【0060】
10,30,40 ダンパ、11 外側円筒体、11a 上部円筒部、11b 下部円筒部、12 溝、13 平面部、14,19 突起部、15 内周壁、16,21 段部、17 内側円筒体、18 平面部、20 内周壁、22 薄肉連結部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する上壁と下壁との間に配置され、弾性体で形成された円筒状のダンパであって、
振動する部材を保持する保持部を有する外側円筒体と、
前記外側円筒体の内周面から離れて位置し、前記対向する上壁と下壁とを接続する接続部材を取り囲む内側円筒体と、
前記外側円筒体と前記内側円筒体とを接続する薄肉連結部とを含み、
前記外側円筒体の軸方向の上端部および下端部のうち、少なくともいずれか一方の端部には軸方向に凹凸となる形状を有する、ダンパ。
【請求項2】
前記保持部は前記外側円筒体の外周に設けられた溝である、請求項1に記載のダンパ。
【請求項3】
前記内側円筒体は、前記薄肉連結部の軸方向の一方側にのみ設けられる、請求項1または2に記載のダンパ。
【請求項4】
前記内側円筒体は前記薄肉連結部の他方側にも設けられる、請求項3に記載のダンパ。
【請求項5】
前記凹凸形状は前記上端部および前記下端部の両方に設けられる、請求項1〜4のいずれかに記載のダンパ。
【請求項6】
前記薄肉連結部には貫通孔が設けられる、請求項1〜5のいずれかに記載のダンパ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のダンパを有する光ディスク装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−138136(P2012−138136A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288395(P2010−288395)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000114710)ヤマウチ株式会社 (82)
【Fターム(参考)】