説明

ダンボール箱組立て装置

【課題】板状ダンボールからダンボール箱を組み立てるまでの作業を自動化して省人化でき、作業者起因の組み立て能率の低下を無くし、組み立て能率の向上を図る。
【解決手段】板状ダンボール搬送機構12は、最上位に載置された板状ダンボール100bの高さを所定高さに設定する。吸着旋回機構13は、第1側面101aに負圧を発生させて旋回させ、角筒状ダンボール100cを成形する。ダンボール移動機構14は、角筒状ダンボール100cを吸着旋回機構13とともに移動させる。これに伴い、第1〜第4底フラップ折り曲げ機構(15〜18)が第1〜第4底フラップ(101a〜101d)を折り曲げ、テープ貼り付け機構19がテープ106をローラ(23b、23c)で押し付けて底面を封止する。箱状に組み立てられたダンボール箱100bがダンボール箱排出部20から排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状に折り畳まれた板状ダンボールから、各側面のそれぞれに一体に設けられた各底フラップを折り曲げるとともにテープで封止することで各側面に垂直な底面を成形し、箱状のダンボール箱を組み立てるダンボール箱組み立て装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダンボール箱の内部に物品が装入される前には、まず、ダンボール箱の組立て作業が行われる。そして、この作業においては、ダンボール箱に折り目が設けられた状態で各側面が筒状に連結されるとともに上面及び底面が開放された状態で板状に折り畳まれた板状ダンボールの状態から、箱状のダンボール箱を組み立てることが行われる。
【0003】
上記のダンボール組立て作業では、作業者は、まず、板状ダンボールの各側面のそれぞれに一体に設けられた各底フラップを各側面に対して折り曲げる。更に、作業者は、4つの底フラップのうち外側に折り曲げられた2つの底フラップの端部をテープで封止することで各側面に垂直な底面を成形し、箱状のダンボール箱を組み立てることになる。このように、上述した一連のダンボール組立て作業は、作業者の手作業に基づいて行われる。
【0004】
尚、特許文献1においては、組み立てられたダンボール箱の内部に装填された内袋の内側に物品が収容された後において、内袋の袋口部を折り込むとともに溶接して閉じる装置として、ダンボールケースの内袋折込装置が開示されている。また、特許文献2においては、組み立てられたダンボール箱の内部に物品が装入された状態で、ダンボール箱の上面を構成する上蓋フラップを折り曲げるとともにテープで封緘する上蓋フラップ封緘装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−165207号公報
【特許文献2】特開平7−215316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、ダンボール箱の内部に物品が装入される前におけるダンボール箱の組立て作業は、作業者の手作業によって行われる。即ち、板状に折り畳まれた板状ダンボールから、各側面のそれぞれに一体に設けられた各底フラップを折り曲げるとともにテープで封止することで各側面に垂直な底面を成形し、箱状のダンボール箱を組み立てるまでの一連の作業が、作業者の手作業に基づいて行われる。このため、作業者の熟練度によってダンボール箱の組立て作業の能率がばらついてしまうことになる。また、作業者の熟練度が高くても、作業者の手作業に基づくものであるため、ダンボール箱の組立て作業の能率にも限界がある。このように、従来においては、板状のダンボールから箱状のダンボール箱を組み立てるまでの一連の作業が作業者の手作業に基づいて行われるため、組み立て作業の能率の向上を図ることが難しいという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、板状のダンボールから箱状のダンボールを組み立てるまでの一連の作業を自動で行うことができ、自動化による省人化が可能であり、作業者に起因する組み立て能率の低下を無くし、組み立て能率の向上を図ることができる、ダンボール箱組立て装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための第1発明に係るダンボール箱組立て装置は、折り目が設けられた状態で第1、第2、第3及び第4側面が筒状に連結されるとともに上面及び底面が開放された状態で板状に折り畳まれた板状ダンボールから、前記第1乃至第4側面のそれぞれに対して折り目を介してそれぞれ一体に設けられた第1、第2、第3及び第4底フラップを折り曲げるとともにテープで封止することで前記第1乃至第4側面に垂直な前記底面を成形し、箱状のダンボール箱を組み立てるダンボール箱組立て装置に関する。そして、第1発明に係るダンボール箱組立て装置は、複数の前記板状ダンボールが載置されて積層され、最上位に載置された前記板状ダンボールの高さを所定の高さに設定する板状ダンボール載置部と、前記板状ダンボール載置部に載置された前記板状ダンボールのうち最上位に載置された組立て対象の前記板状ダンボールの前記第1側面に対して負圧を発生させることにより当該第1側面を吸着する吸着部、及び前記吸着部を旋回させる旋回駆動部を有し、前記第1側面に吸着した前記吸着部を旋回させることで、前記組立て対象の前記板状ダンボールを角筒状に成形する吸着旋回機構と、前記吸着旋回機構を往復移動可能に支持するとともに、前記吸着旋回機構によって前記板状ダンボールから角筒状に成形された角筒状ダンボールを当該吸着旋回機構とともに移動させるダンボール移動機構と、前記吸着旋回機構における前記吸着部の旋回動作に伴って揺動する揺動部材を有し、前記第1側面に一体に設けられた前記第1底フラップに前記揺動部材が揺動して当接することで当該第1底フラップを当該第1側面に対して垂直に折り曲げる第1底フラップ折り曲げ機構と、前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動に伴って、前記第1側面に対向する前記第2側面に一体に設けられた前記第2底フラップに当接することで当該第2底フラップを当該第2側面に対して垂直に折り曲げる第2底フラップ折り曲げ機構と、前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動に伴って、前記第1側面及び前記第2側面の間に配置された前記第3側面に一体に設けられた前記第3底フラップに当接することで当該第3底フラップを当該第3側面に対して垂直に折り曲げる第3底フラップ折り曲げ機構と、前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動に伴って、前記第3側面に対向する前記第4側面に一体に設けられた前記第4底フラップに当接することで当該第4底フラップを当該第4側面に対して垂直に折り曲げ、箱状のダンボール箱を成形する第4底フラップ折り曲げ機構と、前記第4底フラップ折り曲げ機構で成形された前記ダンボール箱の前記ダンボール移動機構による移動に伴って、前記第3底フラップ及び前記第4底フラップの端部に沿って前記テープをローラで押し付けて貼り付けるとともに、当該テープを切断するテープ貼り付け機構と、前記第1乃至第4底フラップが折り曲げられて前記テープで封止されることで前記底面が成形されて箱状に組み立てられた前記ダンボール箱を排出するダンボール箱排出部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
この発明によると、まず、吸着旋回機構によって、板状ダンボール載置部に載置された板状ダンボールの第1側面が吸着部で吸着されて旋回されることで角筒状ダンボールが成形される。このとき、吸着部の旋回動作に連動する揺動部材を有する第1底フラップ折り曲げ機構によって、第1底フラップが折り曲げられる。そして、吸着されて保持された角筒状ダンボールがダンボール移動機構によって移動し、この移動中に、第2底フラップ折り曲げ機構によって第2底フラップが折り曲げられ、第3底フラップ折り曲げ機構によって第3底フラップが折り曲げられ、第4底フラップ折り曲げ機構によって第4底フラップが折り曲げられ、箱状のダンボール箱が成形される。更に、ダンボール移動機構によるダンボール箱の移動に伴って、第3及び第4底フラップの端部に沿ってローラでテープを押し付けるテープ貼り付け機構によってダンボール箱の底面がテープで封止され、ダンボール箱排出部から組み立てられたダンボール箱が排出される。よって、折り畳まれた板状ダンボールの状態から箱状のダンボール箱を組み立てるまでの一連の作業が、板状ダンボール載置部、吸着旋回機構、ダンボール移動機構、第1乃至第4底フラップ折り曲げ機構、テーパ貼り付け機構、及びダンボール排出部を有するダンボール箱組立て装置が作動することで、自動で行われることになる。このため、作業者の手作業に基づいて板状ダンボールからダンボール箱を組み立てる作業を無くすことができ、自動化による省人化を図ることができる。また、上記作業の無人化を図ることができるため、作業者に起因する組み立て能率の低下がそもそも生じないことになり、装置の運転速度を調整することで、飛躍的に組み立て能率の向上を図ることができる。
【0010】
従って、本発明によると、板状のダンボールから箱状のダンボール箱を組み立てるまでの一連の作業を自動で行うことができ、自動化による省人化が可能であり、作業者に起因する組み立て能率の低下を無くし、組み立て能率の向上を図ることができる、ダンボール箱組立て装置を提供することができる。
【0011】
第2発明に係るダンボール箱組立て装置は、第1発明のダンボール箱組立て装置において、前記第2底フラップ折り曲げ機構は、一対のプーリ、及び当該一対のプーリに巻き掛けられた環状ベルトを有し、前記第2底フラップに対して前記環状ベルトの表面で当接するベルト当接部と、前記ベルト当接部を前記角筒状ダンボールに向かって突出させて前記第2底フラップに押し付けるように駆動する押し付け駆動部と、を有していることを特徴とする。
【0012】
この発明によると、第2底フラップに押し付けられた環状ベルトは、ダンボール移動機構による角筒状ダンボールの移動に伴って、一対のプーリに巻き掛けられた状態における表面で第2底フラップを押すことになる。このため、ダンボール移動機構による角筒状ダンボールの移動に伴って第2底フラップと引っ掛かってしまうことなく滑らかに第2底フラップを折り曲げることができる。更に、第2底フラップを折り曲げた後も環状ベルトが角筒状ダンボールに押し付けられていることで、角筒状ダンボールの移動に伴って第1底フラップも環状ベルトによって押されることになる。これにより、第1底フラップ折り曲げ機構によって折り曲げられた第1底フラップが開いてしまうことを防止できる。
【0013】
第3発明に係るダンボール箱組立て装置は、第1発明又は第2発明のダンボール箱組立て装置において、前記第3底フラップ折り曲げ機構は、前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動方向と上下方向とに対して斜めに傾斜する方向に向かって棒状に延びる第1傾斜バーを有し、前記第1傾斜バーは、前記角筒状ダンボールの移動に伴って前記第3底フラップを徐々に折り曲げて先端部において前記第3底フラップを前記第3側面に対して垂直に折り曲げるように片持ち状に配置されていることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、角筒状ダンボールが移動するだけで、角筒状ダンボール移動方向及び上下方向に斜めに延びる第1傾斜バーにより第3底フラップが折り曲げられることになる。よって、角筒状ダンボール移動方向及び上下方向に斜めに延びる第1傾斜バーを設けるという簡素な構造で、容易に第3底フラップを折り曲げることができる。
【0015】
第4発明に係るダンボール箱組立て装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかのダンボール箱組立て装置において、前記第4底フラップ折り曲げ機構は、前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動方向と上下方向とに対して斜めに傾斜する方向に向かって棒状に延びる第2傾斜バーを有し、前記第2傾斜バーは、前記角筒状ダンボールの移動に伴って前記第4底フラップを徐々に折り曲げて先端部において前記第4底フラップを前記第4側面に対して垂直に折り曲げるように片持ち状に配置されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、角筒状ダンボールが移動するだけで、角筒状ダンボール移動方向及び上下方向に斜めに延びる第2傾斜バーにより第4底フラップが折り曲げられることになる。よって、角筒状ダンボール移動方向及び上下方向に斜めに延びる第2傾斜バーを設けるという簡素な構造で、容易に第4底フラップを折り曲げることができる。
【0017】
第5発明に係るダンボール箱組立て装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかのダンボール箱組立て装置において、前記ダンボール箱排出部は、前記ダンボール移動機構による前記ダンボール箱の移動方向と平行に延びる棒状の排出バーを有し、前記排出バーは、前記ダンボール移動機構による前記ダンボール箱の移動が終了して前記吸着部による前記第1側面の吸着が解除されたときに、前記ダンボール箱の下方で当該ダンボール箱に対して前記上面側に偏った位置で当接するように配置されていることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、ダンボール箱の移動が終了して吸着部による第1側面の吸着が解除されてダンボール箱が落下すると、上面側に偏った位置でダンボール箱移動方向と平行に延びる排出バーにダンボール箱が当接する。これにより、ダンボール箱は、約90度回転して底面を下側にした状態で排出されることになる。このため、排出された向きのままで速やかにダンボール箱の使用が可能となる。また、ダンボール箱排出部にて底面を下側にした状態でダンボール箱を排出する構成を排出バーを設けるという簡素な構造で実現することができる。
【0019】
第6発明に係るダンボール箱組立て装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかのダンボール箱組立て装置において、前記板状ダンボール載置部は、載置された前記板状ダンボールを搬送可能な板状ダンボール搬送機構として設けられていることを特徴とする。
【0020】
この発明によると、板状ダンボール載置部が板状ダンボールを搬送可能な機構として設けられる。このため、板状ダンボールの補充が必要な場合には、外部にて板状ダンボールを載置して容易に補充した後に、吸着旋回機構による吸着が可能な所定位置まで板状ダンボールを搬送して配置することができる。これにより、板状ダンボールの補充作業の能率向上が図れ、更なる作業能率の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、板状のダンボールから箱状のダンボール箱を組み立てるまでの一連の作業を自動で行うことができ、自動化による省人化が可能であり、作業者に起因する組み立て能率の低下を無くし、組み立て能率の向上を図ることができる、ダンボール箱組立て装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態にダンボール箱組立て装置を模式的に示す側面図である。
【図2】図1に示すダンボール箱組立て装置の正面図である。
【図3】図2に示すダンボール箱組立て装置の平面図である。
【図4】板状に折り畳まれた板状ダンボールを模式的に示す斜視図である。
【図5】箱状に組み立てられたダンボール箱を模式的に示す斜視図である。
【図6】図2に示すダンボール箱組立て装置における吸着旋回機構を模式的に示す正面図である。
【図7】図6に示す吸着旋回機構によって板状ダンボールが角筒状に成形される途中の状態を模式的に示すダンボールの斜視図である。
【図8】図6に示す吸着旋回機構によって角筒状に成形された角筒状ダンボールを模式的に示す斜視図である。
【図9】図3に示すダンボール箱組立て装置における第1底フラップ折り曲げ機構を模式的に示す平面図である。
【図10】図9に示す第1底フラップ折り曲げ機構によって角筒状ダンボールの第1底フラップが折り曲げられた状態を模式的に示す斜視図である。
【図11】図3に示すダンボール箱組立て装置における第2底フラップ折り曲げ機構を模式的に示す平面図である。
【図12】図11に示す第2底フラップ折り曲げ機構によって角筒状ダンボールの第2底フラップが折り曲げられた状態を模式的に示す斜視図である。
【図13】図2及び図3に示すダンボール箱組立て装置における第3底フラップ折り曲げ機構及び第4底フラップ折り曲げ機構を模式的に示す正面図及び平面図である。
【図14】図13に示す第3底フラップ折り曲げ機構及び第4底フラップ折り曲げ機構によって角筒状ダンボールの第3底フラップ及び第4底フラップが折り曲げられた状態を模式的に示す斜視図である。
【図15】図3に示すダンボール箱組立て装置におけるテープ貼り付け機構を模式的に示す平面図である。
【図16】図15に示すテープ貼り付け機構によって第3底フラップ及び第4底フラップの端部がテープで封止されて箱状に組み立てられたダンボール箱を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、板状に折り畳まれたダンボール(段ボール)から、4つの側面に垂直な底面を成形して箱状のダンボール箱(段ボール箱)を組み立てるダンボール箱組立て装置として、広く適用することができるものである。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態にダンボール箱組立て装置1を模式的に示す側面図である。図2は、ダンボール箱組立て装置1の正面図である。図3は、ダンボール箱組立て装置1の平面図である。また、図4は、ダンボール紙を素材として形成されて板状に折り畳まれた板状ダンボール100aを模式的に示す斜視図である。また、図5は、箱状に組み立てられたダンボール箱100bを模式的に示す斜視図である。図1乃至図3に示すダンボール箱組立て装置1は、図4に示す板状ダンボール100aから図5に示す箱状のダンボール箱100bを組み立てる装置として構成されている。
【0025】
図4に示す板状ダンボール100aは、折り目104が設けられた状態で第1側面101a、第2側面101b、第3側面101c及び第4側面101dが筒状に形成されるとともに上面及び底面が開放された状態で板状に折り畳まれることで構成されている。即ち、板状ダンボール100aにおいては、上面を構成することになる4つの上フラップ103と、底面を構成することになる4つの底フラップ(102a、102b、102c、102d)が開放された状態となっている。尚、図4では第2側面101bが表れていないが、図5にて第2側面101bの内側が図示されている。
【0026】
図5に示すダンボール箱100bは、後述するように、ダンボール箱組立て装置1によって、自動で組み立てられる。この組立てにおいては、まず、第1〜第4側面(101a、101b、101c、101d)のそれぞれに対して折り目105を介してそれぞれ一体に設けられた第1底フラップ102a、第2底フラップ102b、第3底フラップ102c、第4底フラップ102dが折り曲げられる。
【0027】
上記においては、互いに対向する第1側面101aに一体に設けられた第1底フラップ102aと第2側面101bに一体に設けられた第2底フラップ102bとが内側で折り曲げられる。そして、互いに対向する第3側面101cに一体に設けられた第3底フラップ102cと第4側面101dに一体に設けられた第4底フラップ102dとが外側で折り曲げられる。更に、外側で折り曲げられた第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部同士がテープ106で封止されることで第1〜第4側面(101a〜101d)に垂直な底面が成形される。これにより、ダンボール箱100bとして組み立てられた状態が完成することになる。
【0028】
以下、ダンボール箱組立て装置1について詳しく説明する。図1乃至図3に示すように、ダンボール箱組立て装置1は、本体フレーム11、板状ダンボール搬送機構12、吸着旋回機構13、ダンボール移動機構14、第1底フラップ折り曲げ機構15、第2底フラップ折り曲げ機構16、第3底フラップ折り曲げ機構17、第4底フラップ折り曲げ機構18、テープ貼り付け機構19、ダンボール箱排出部20、等を備えて構成されている。尚、図2及び図3は、板状ダンボール搬送機構12の図示が省略されている。また、図1乃至図3では、ダンボールは図示されておらず、また、内部構造が明瞭に示されるようにするため、一部の構成要素の図示が適宜省略されている。
【0029】
本体フレーム11は、吸着旋回機構13、ダンボール移動機構14、第1底フラップ折り曲げ機構15、第2底フラップ折り曲げ機構16、第3底フラップ折り曲げ機構17、第4底フラップ折り曲げ機構18、テープ貼り付け機構19、ダンボール箱排出部20、を支持する基台として設けられている。そして、本体フレーム11は、支柱部や台座部をそれぞれ構成する鋼材等の構造部材が結合されて構成された構造体として構成されている。
【0030】
板状ダンボール搬送機構12は、複数の板状ダンボール100aが載置されて積層され、載置された板状ダンボール100aを搬送可能な機構として設けられている。本実施形態では、板状ダンボール搬送機構12として、複数の板状ダンボール100aが載置されて積層される平坦なテーブル12aと複数の車輪とを有する手押し式の台車として構成された形態を例示している。また、板状ダンボール搬送機構12は、本実施形態における板状ダンボール載置部を構成している。
【0031】
また、板状ダンボール搬送機構12は、複数の板状ダンボール100aがテーブル12aに積層された状態で、図1にて矢印Aで示すように移動され、本体フレーム11の内側に配置される。これにより、板状ダンボール搬送機構12によって板状ダンボール100aが後述の吸着旋回機構13の下方まで搬送されることになる。
【0032】
また、板状ダンボール搬送機構12には、テーブル12aに載置されて積層された複数の板状ダンボール100aにおける最上位に載置された板状ダンボール100aの高さを所定の高さに設定するレベラーが設けられている。このレベラーは、例えば、図示が省略されたテーブル押し上げバネ、ストッパ及び係止バネを備えて構成されている。
【0033】
上記のテーブル押し上げバネは、テーブル12aを上方へ押し上げるバネとして構成されている。上記のストッパは、テーブル12aの上方において最上位に載置された板状ダンボール100aを所定の高さ位置に係止する揺動自在に支持された部材として構成されている。このストッパは、例えば、第1側面101aに対して係止するように配置されている。係止バネは、揺動自在に支持された上記のストッパを最上位の板状ダンボール100aに対して係止させるように付勢するバネとして構成されている。この係止バネのバネ力が、複数の板状ダンボール100aが載置されたテーブル12aを押し上げるテーブル押し上げバネの付勢力よりも大きく設定されていることで、ストッパによって最上位の板状ダンボール100aが所定の高さに設定可能に構成されている。
【0034】
更に、上記のレベラーにおいては、後述の吸着旋回機構13によって板状ダンボール100aの第1側面101aが旋回されるときにおける吸着旋回機構13による付勢力とテーブル押し上げバネの付勢力との合力よりも係止バネのバネ力の方が小さくなるように設定されている。このため、吸着旋回機構13の旋回動作時には、前述のストッパが揺動して最上位の板状ダンボール100aに対する係止が解除され、その1段下の板状ダンボール100a(即ち、新たな最上位の板状ダンボール100a)に対してストッパが係止することになる。これにより、新たな最上の板状ダンボール100aの高さが、所定の高さに設定されることになる。
【0035】
図6は、吸着旋回機構13を模式的に示す正面図である。図1、図2及び図6に示す吸着旋回機構13は、後述するダンボール移動機構14に対して懸架された状態で支持され、吸着部21と旋回駆動部22とを備えて構成されている。
【0036】
吸着部21は、板状ダンボール搬送機構12で搬送された板状ダンボール100aのうち最上位に載置された組立て対象の板状ダンボール100aの第1側面101aに対して負圧を発生させることにより第1側面101aを吸着する機構として設けられている。そして、この吸着部21は、吸着支持プレート21a、複数の吸着パッド21b、複数のダンボール支持突起21c、等を備えて構成されている。
【0037】
吸着支持プレート21aは、複数の吸着パッド21b、複数のダンボール支持突起21cが突出するように取り付けられた平板状の部材として設けられている。そして、吸着支持プレート21aは、その下端側において、旋回駆動部22に対して旋回軸部22eにて回転自在に連結されている。
【0038】
各吸着パッド21bは、ゴム部材で形成されるとともに、貫通孔が形成された筒状の吸盤部材として設けられている。そして、各吸着パッド21bにおける一方の開口端部には、ジャバラ状部分が設けられており、板状ダンボール100aの第1側面101aに対して密着可能に構成されている。また、各吸着パッド21bにおける他方の開口端部は、吸着支持プレート21aに支持されるとともに、図示しない真空ポンプに連通するチューブに接続されている。吸着パッド21bが第1側面101aに密着した状態で真空ポンプによって上記のチューブの内部に負圧が発生することにより、外部の大気圧によって、第1側面101aが吸着パッド21bに吸着されることになる。
【0039】
ダンボール支持突起21cは、吸着支持プレート21aに固定されるとともに、吸着パッド21bに第1側面101aが吸着された際に第1側面101aに当接する円盤状の部分を備えて構成されている。吸着パッド21bに吸着された第1側面101aは、吸着パッド21bとともにこのダンボール支持突起21cによって支持される。これにより、第1側面101aが、吸着支持プレート21aに対して平行に安定して支持されることになる。
【0040】
旋回駆動部22は、吸着部21を旋回させる機構として設けられている。そして、この旋回駆動部22は、ハウジング22a、ブラケット22b、シリンダ22c、ロッド22d、旋回軸22e、等を備えて構成されている。
【0041】
ハウジング22aは、吸着部21等を支持する構造体として設けられ、後述のダンボール移動機構14における懸架支持部14eに対して懸架されるとともに下方に向かって延びた状態で支持されている。尚、ハウジング22aは、懸架支持部14eに対して一体的に結合されて固定されている。ブラケット22bは、ハウジング22aに対してその上部位置において片持ち状に水平方向に向かって突出した状態で固定されている。
【0042】
シリンダ22c及びロッド22dは、圧力流体によって作動するシリンダ機構として設けられ、例えば、圧縮空気によって作動するエアシリンダ機構として構成されている。そして、シリンダ22c内で区画された圧力室の一方に圧縮空気が供給されて他方の圧力室から圧縮空気が排出されることでシリンダ22cに対して往復動自在に支持されたロッド22dが突出するように構成されている。尚、シリンダ22c内における他方の圧力室に圧縮空気が供給されて一方の圧力室から圧縮空気が排出されることでロッド22dが図6にて矢印Bで示す方向に向かって縮退することになる。
【0043】
また、シリンダ22cにおけるロッド22dが突出する側と反対側の端部は、ブラケット22bにおける先端側(即ち、ハウジング22aに固定された側と反対側の端部)に対して回転自在に支持されている。更に、ロッド22dにおける突出する先端側の端部は、吸着支持プレート21aにおける旋回軸22eの上方にて吸着支持プレート21aに対して回転自在に取り付けられている。尚、旋回軸22eは、ハウジング22aの下端部に配置されている。
【0044】
吸着旋回機構13の作動時には、まず、図示しない制御装置からの指令に基づいてロッド22cへの圧縮空気の給排を制御する電磁弁が切り替えられ、ロッド22dがシリンダ22cに対して突出し、図6にて二点鎖線で示した位置まで吸着部21が旋回軸22eを中心として旋回する。このとき、移動して吸着部21の下方に配置された板状ダンボール搬送機構12のテーブル12a上にて最上位に載置された板状ダンボール100aの第1側面101aが吸着パッド21bに密着する位置に位置するように、最上位の板状ダンボール100aの高さが板状ダンボール搬送機構12のレベラーによって設定されている。
【0045】
上記の状態で、図示しない制御装置からの指令に基づいて前述の真空ポンプが作動し、第1側面101aに密着した各吸着パッド21bの内側にて負圧が発生し、第1側面101aが各吸着パッド21bに吸着される。そして、この状態において、図示しない制御装置からの指令に基づいてロッド22cへの圧縮空気の給排を制御する電磁弁が切り替えられ、ロッド22dがシリンダ22cに対して縮退し、図6にて実線で示した位置まで吸着部21が旋回軸22eを中心として矢印C方向に向かって旋回する。これにより、組立て対象の板状ダンボール100aが角筒状に成形されることになる。
【0046】
上記のように、吸着旋回機構13は、吸着部21及び旋回駆動部22が設けられていることで、組立て対象の板状ダンボール100aを角筒状に成形する機構として設けられている。尚、図7は、吸着旋回機構13によって板状ダンボール100aが角筒状に成形される途中の状態を模式的に示すダンボールの斜視図である。また、図8は、吸着旋回機構13によって角筒状に成形された角筒状ダンボール100cを模式的に示す斜視図である。吸着旋回機構13による前述の吸着旋回動作によって、板状ダンボール搬送機構12の上方にて最上位の板状ダンボール100aが図7に示す状態を経て図8に示す角筒状ダンボール100cとして成形されることになる。尚、吸着旋回動作が行われた後、ダンボール箱100bが組み立てられてダンボール排出部20から排出される直前までは、吸着部21が第1側面101aに対して負圧を発生させて吸着した状態が維持される。
【0047】
図9は、第1底フラップ折り曲げ機構15を模式的に示す平面図である。尚、図9(a)及び図9(b)は、異なる作動状態における第1底フラップ折り曲げ機構15の平面図を示している。図1乃至図3、図9に示す第1底フラップ折り曲げ機構15は、本体部15aと揺動部材15bと連動部材15cと電磁石15dと戻しバネ15eとを備えて構成されている。本体部15aは、本体フレーム11に固定されるとともに、揺動部材15b、連動部材15c、電磁石15d、及び戻しバネ15eが取り付けられるブロック状の構造体として設けられている。
【0048】
揺動部材15bは、例えば、円筒状の部材として設けられ、吸着旋回機構13による吸着部21の旋回動作に伴って揺動する部材を構成している。そして、この揺動部材15bは、本体部15aに対して、片持ち状に支持されるとともに、回転自在に支持されている。
【0049】
連動部材15cは、例えば、揺動部材15bよりも短い板状の鋼製の部材として設けられ、電磁石15dが励磁されることで、電磁石15dに対して引き寄せられる部材として構成されている。尚、電磁石15dは、図示しない制御装置からの指令に基づいて励磁状態と消磁状態とが切り替えられる電磁石として構成され、本体部15aに対して支持部材15fを介して支持されている。
【0050】
また、連動部材15cは、一方の端部が揺動部材15bにおける本体部15aに支持される側の端部に対して結合されて固定され、揺動部材15bとの間で所定の角度の方向に突出するように配置されている。更に、連動部材15cは、本体部15aに対して、揺動部材15bとともに回転自在に支持されるとともに、片持ち状に支持されている。
【0051】
尚、連動部材15cを引き寄せる電磁石15dは、吸着旋回機構13の旋回駆動部22が吸着部21を旋回させる旋回動作が開始されるタイミングで、上記の制御装置からの指令によって消磁され、旋回動作が完了したタイミングで、上記の制御装置からの指令によって再び励磁されるように構成されている。電磁石15dの励磁動作に伴って、連動部材15cが電磁石15dに引き寄せられて揺動し、連動部材15cとともに揺動部材15bも揺動する。これにより、第1底フラップ折り曲げ機構15は、図9(a)に示す状態から図9(b)に示す状態に移行することになる。このように、連動部材15cは、電磁石15dの作動を介し、吸着部21の旋回動作に伴って揺動部材15bを連動させて揺動させる部材として構成されている。
【0052】
戻しバネ15eは、例えば、コイル状のバネとして設けられ、一方の端部が本体部15aに対して回転自在に支持され、他方の端部が揺動部材15bに対して回転自在に支持されている。そして、電磁石15dが励磁された際には、連動部材15cが戻しバネ15eのバネ力に抗して電磁石15dに引き寄せられて揺動し、第1底フラップ折り曲げ機構15が、図9(a)に示す状態から図9(b)に示す状態に移行することになる。一方、電磁石15dが消磁された際には、戻しバネ15eのバネ力によって付勢され、第1底フラップ折り曲げ機構15が、図9(b)に示す状態から図9(a)に示す状態に移行することになる。
【0053】
上述した第1底フラップ折り曲げ機構15においては、ロッド22dがシリンダ22cに対して突出する動作が行われるタイミングである吸着部21の旋回動作開始タイミングで電磁石15dが消磁される。これにより、戻しバネ15eの付勢力によって揺動部材15bが揺動し、第1底フラップ折り曲げ機構15が、図9(a)に示す状態に移行することになる。そして、ロッド22dがシリンダ22cに対して縮退して吸着部21が第1側面101aを吸着した状態で旋回する吸着部21の旋回動作が完了するタイミングで作動する電磁石15dの励磁に伴って、吸着部21によって吸着された角筒状ダンボール100cの第1側面101aに一体に設けられた第1底フラップ102aに揺動部材15bが揺動して当接することになる。このとき、揺動部材15bは、第1底フラップ102aに対して折り目105側(即ち、第1側面101aに一体に設けられる側)から接近するように揺動して当接する。このように、第1底フラップ102aは、揺動部材15bが揺動して当接することにより、第1側面101aに対して折り目105にて垂直に折り曲げられることになる。
【0054】
尚、図10は、第1底フラップ折り曲げ機構15によって角筒状ダンボール100cの第1底フラップ102aが折り曲げられた状態を模式的に示す斜視図である。揺動部材15bが揺動して第1底フラップ102aが折り曲げられた後は、電磁石15dが励磁した状態が維持され、第1底フラップ折り曲げ機構15は、図9(b)に示す状態が維持されることになる。
【0055】
図1乃至図3に示すダンボール移動機構14は、レール14a、スクリュー軸14b、電動モータ14c、スライダ14d、懸架支持部14e、移動ナット部材14f、連結部14g、等を備えて構成されている。
【0056】
レール14aは、本体フレーム11の上方に設置されており、ダンボール移動機構14による吸着旋回機構13の移動方向を規定するレール部材として設けられている。本実施形態では、レール14aは、本体フレーム11を正面から(図2に示す方向から)見た状態で、本体フレーム11の左右方向に沿って延びるように設置されており、本体フレーム11における板状ダンボール搬送機構12が配置される箇所からダンボール排出部20にかけて延びる方向に沿って設置されている。
【0057】
スライダ14dは、レール14aに対してレール14aに沿ってスライド移動自在に支持されており、懸架支持部14eに対して固定された状態で連結されている。そして、懸架支持部14eは、ハウジング22aを懸架した状態で支持している。尚、ハウジング22aは、懸架支持部14eに対して固定された状態で支持されている。
【0058】
スクリュー軸14bは、本体フレーム11の上方においてレール14aに平行に延びるように設置されており、一方の端部が電動モータ14cに連結され、他方の端部が軸受を介して本体フレーム11に対して回転自在に支持されている。また、電動モータ14cは、本体フレーム11に固定され、スクリュー軸14bを回転駆動するモータとして設けられている。移動ナット部材14fは、貫通孔が形成されたナット状の部材として設けられ、貫通孔の内周に、スクリュー軸14bの外周に形成された雄ネジ部分(図示を省略)に対して螺合する雌ネジ部分が設けられている。連結部14gは、屈曲形成された平板状の部材として設けられ、一方の端部側が移動ナット部材14fに固定され、他方の端部が懸架支持部14eに固定されている。
【0059】
上述した構成を備えることで、ダンボール移動機構14においては、電動モータ14cが回転するとスクリュー軸14bが回転し、このスクリュー軸14bの回転に伴って、スクリュー軸14bに螺合する移動ナット部材14fがスクリュー軸14bに沿って移動することになる。即ち、スクリュー軸14bが回転すると、連結部14gに連結されることで移動方向がレール14a及びスクリュー軸14bに平行な方向に規定された移動ナット部材14fにおけるスクリュー軸14bに対して螺合する相対位置が変化し、移動ナット部材14fがスクリュー軸14bに沿って移動することになる。
【0060】
そして、移動ナット部材14fには、連結部14g及び懸架支持部14eを介してスライダ14dが固定されているため、スクリュー軸14bに沿って移動する移動ナット部材14fとともにスライダ14dがレール14aに対してスライド移動することになる。更に、スライダ14dには、懸架支持部14eを介してハウジング22aが固定状態で連結されているため、スライダ14dとともに吸着旋回機構13が移動することになる。これにより、ダンボール移動機構14は、吸着旋回機構13をレール14aに沿って往復移動可能に支持するとともに、吸着旋回機構13によって板状ダンボール100aから角筒状に成形された角筒状ダンボール100cを吸着旋回機構13とともに移動させるように構成されている。
【0061】
尚、吸着旋回機構13を介してダンボール移動機構14によって角筒状ダンボール100cがレール11に沿って移動する際には、角筒状ダンボール100cにおいて下方に配置された状態となっている第4側面101dは、本体フレーム11においてレール11と平行に延びるように設けられた支持部材(図示を省略)上で支持されている。そして、ダンボール移動機構14による角筒状ダンボール100cの移動時には、角筒状ダンボール100cは、上記の支持部材上をスライド移動することになる。
【0062】
図11は、第2底フラップ折り曲げ機構16を模式的に示す平面図である。図2、図3及び図11に示す第2底フラップ折り曲げ機構16は、ダンボール移動機構14による角筒状ダンボール100cの移動に伴って、第1側面101aに対向する第2側面101bに一体に設けられた第2底フラップ102bに当接することで第2底フラップ102bを第2側面101bに対して折り目105にて垂直に折り曲げる機構として設けられている。そして、この第2底フラップ折り曲げ機構16は、本体フレーム11の正面側に配置され、ベルト当接部23、押し付け駆動部24、等を備えて構成されている。
【0063】
ベルト当接部23は、ベルト当接部23は、第2底フラップ102bに対して環状ベルト23cの表面で当接する機構として設けられている。そして、このベルト当接部23は、一対のプーリ(23a、23b)、環状ベルト23c、支持部材23d、支持部材23e、戻しバネ23f、等を備えて構成されている。
【0064】
一対のプーリ(23a、23b)は、第1プーリ23a及び第2プーリ23bにより構成されている。環状ベルト23cは、一対のプーリ(23a、23b)に巻き掛けられた環状のベルトとして設けられている。
【0065】
支持部材23dは、一方の端部が押し付け駆動部24におけるロッド24bに対して回転自在に取り付けられるとともに、他方の端部に第1プーリ23aが回転自在に取り付けられた棒状の部材として設けられている。支持部材23eは、一方の端部がロッド24bに対して回転自在に取り付けられるとともに、他方の端部に第2プーリ23bが回転自在に取り付けられ、支持部材23dよりも短い棒状の部材として設けられている。
【0066】
また、支持部材23d及び支持部材23eは、ロッド24bに回転自在に取り付けられる一方の端部が互いに固定されている。これにより、支持部材23a及び支持部材23bは、所定の角度を維持した状態で、ロッド24bに対して揺動可能に構成されている。このため、一対のプーリ(23a、23b)間の距離は、一定に維持される。そして、支持部材(23d、23e)にそれぞれ支持された一対のプーリ(23a、23b)に巻き掛けられた環状ベルト23cにおいて内側の一対のプーリ(23a、23b)によって生じる張力の大きさも所定の大きさ以上の状態に維持されることになる。
【0067】
戻しバネ23fは、例えば、コイル状のバネとして設けられ、一方の端部が支持部材23dに対して回転自在に取り付けられ、他方の端部がロッド24bに対して回転自在に取り付けられている。そして、この戻しバネ23fは、支持部材23dについて、突出するロッド24bを支持するシリンダ24a側に付勢している。
【0068】
押し付け駆動部24は、ベルト当接部23を角筒状ダンボール100cに向かって突出させて第2底フラップ102bに押し付けるように駆動する機構として設けられている。そして、この押し付け駆動部24は、シリンダ24a、ロッド24b、等を備えて構成されている。
【0069】
シリンダ24a及びロッド24bは、圧力流体によって作動するシリンダ機構として設けられ、例えば、圧縮空気によって作動するエアシリンダ機構として構成されている。そして、シリンダ24a内で区画された圧力室の一方に圧縮空気が供給されて他方の圧力室から圧縮空気が排出されることでシリンダ24aに対して往復動自在に支持されたロッド24dが本体フレーム11側に向かって(即ち、図11にて矢印Dで示す方向に向かって)突出するように構成されている。尚、シリンダ24a内における他方の圧力室に圧縮空気が供給されて一方の圧力室から圧縮空気が排出されることでロッド24bが縮退することになる。
【0070】
また、シリンダ24aは、脚部24cの上部に設置され、角筒状ダンボール100cが移動する所定の高さに対応する高さ位置に設置されている。また、ロッド24bには支持部材24eが突出するように固定されている。この支持部材24eの先端部には、第2底フラップ102bに対して補助的に押し付けられる補助ローラ24dが回転自在に支持されている。
【0071】
第2底フラップ折り曲げ機構16においては、図示しない制御装置からの指令に基づいてロッド24aへの圧縮空気の給排を制御する電磁弁が切り替えられ、ロッド24bがシリンダ24aから突出する。このロッド24bとともにベルト当接部23が図11にて二点鎖線で示した位置まで突出する。このとき、環状ベルト23cにおける中央部分又はその近傍の部分が最初に第2底フラップ102bの先端部に当接する。そして、ロッド24bの突出動作とともに、ベルト当接部23が、環状ベルト23cの表面で第2底フラップ102bを折り曲げながら、本体フレーム11側に向かって(図11における矢印D方向に向かって)突出することになる。更に、このとき、戻しバネ23fのバネ力に抗して支持部材(23d、23e)が図11にて矢印Eで示す方向に向かって揺動することになる。これにより、第2底フラップ102bが折り目105にて第2側面101bに対して折り曲げられることになる。
【0072】
図12は、第2底フラップ折り曲げ機構16によって角筒状ダンボール100cの第2底フラップ102bが折り曲げられた状態を模式的に示す斜視図である。ロッド24bの突出動作が終了した状態では、ベルト当接部23は、シリンダ24aに対して図11にて二点鎖線で示す位置まで突出した状態となっている。そして、一対のプーリ(23a、23b)が、レール14aと略平行な方向に並んだ状態、即ち第2側面101bに垂直な面と平行に並んだ状態で配置されることになる。この状態では、図12に示すように、第2底フラップ102bが第2側面101bに対して垂直に折り曲げられた状態となる。
【0073】
また、第2底フラップ102bを折り曲げたベルト当接部23は、ダンボール移動機構14によって角筒状ダンボール100cが通過して外れるまでの間に亘って、第2底フラップ102b及び第1底フラップ102aに対して押し付けられる。角筒状ダンボール100cが通過して外れると、戻しバネ23fのバネ力によって支持部材23bが付勢され、ベルト当接部23がシリンダ24a側に向かって揺動することになる。そして、このタイミングで、図示しない制御装置からの指令に基づいてロッド24aへの圧縮空気の給排を制御する電磁弁が切り替えられ、ロッド24bがシリンダ24aに向かって縮退することになる。
【0074】
図13は、第3底フラップ折り曲げ機構17及び第4底フラップ折り曲げ機構18を模式的に示す正面図(図13(a))及び平面図(図13(b))である。尚、図13(a)は、図2の一部拡大図であり、図13(b)は、図3の一部拡大図である。
【0075】
図2、図3及び図13に示す第3底フラップ折り曲げ機構17は、第1側面101aが吸着部21に吸着された状態で第1側面101a及び第2側面101bの間で上方に配置された第3側面101cに一体に設けられた第3底フラップ102cを折り曲げる機構として設けられ、本体フレーム11における上方に設置されている。そして、この第3底フラップ折り曲げ機構17は、ダンボール移動機構14による角筒状ダンボール100cの移動に伴って、第3底フラップ102cに当接することで第3底フラップ102cを第3側面101cに対して垂直に折り曲げる機構として設けられている。
【0076】
第3底フラップ折り曲げ機構17は、屈曲形成された棒状に延びる部材として設けられて一方の端部側において本体フレーム11に固定されるとともに他方の端部である先端部が本体フレーム11から片持ち状に延びるように配置された第1傾斜バー17aを備えて構成されている。この第1傾斜バー17aは、ダンボール移動機構14による角筒状ダンボール100cの移動方向と上下方向とに対して斜めに傾斜する方向に向かって下方に延びるように配置されている。これにより、第1傾斜バー17aは、角筒状ダンボール100cの移動に伴って第3底フラップ102cを徐々に下方に折り曲げて先端部において第3底フラップ102cを第3側面101cに対して折り目105にて垂直に折り曲げるように配置されている。
【0077】
図2、図3及び図13に示す第4底フラップ折り曲げ機構18は、第1側面101aが吸着部21に吸着された状態で第3側面101cに下方で対向する第4側面101dに一体に設けられた第4底フラップ102dを折り曲げる機構として設けられ、本体フレーム11における第3底フラップ折り曲げ機構17の下方に設置されている。そして、この第4底フラップ折り曲げ機構18は、ダンボール移動機構14による角筒状ダンボール100cの移動に伴って、第4底フラップ102dに当接することで第4底フラップ102dを第4側面101dに対して垂直に折り曲げ、箱状のダンボール箱100bを成形する機構として設けられている。
【0078】
第4底フラップ折り曲げ機構18は、屈曲形成された棒状に延びる部材として設けられて一方の端部側において本体フレーム11に固定されるとともに他方の端部である先端部が本体フレーム11から片持ち状に延びるように配置された第2傾斜バー18aを備えて構成されている。この第2傾斜バー18aは、ダンボール移動機構14による角筒状ダンボール100cの移動方向と上下方向とに対して斜めに傾斜する方向に向かって上方に延びるように配置されている。これにより、第2傾斜バー18aは、角筒状ダンボール100cの移動に伴って第4底フラップ102dを徐々に上方に折り曲げて先端部において第4底フラップ102dを第4側面101dに対して折り目105にて垂直に折り曲げるように配置されている。
【0079】
図14は、第3底フラップ折り曲げ機構17及び第4底フラップ折り曲げ機構18によって角筒状ダンボール100cの第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dが折り曲げられた状態を模式的に示す斜視図である。尚、図14に示すダンボール箱100bにおいては、テープ106が貼り付けられる前の状態を示している。第4底フラップ折り曲げ機構18による第4底フラップ102dの折り曲げ動作は、第3底フラップ折り曲げ機構17による第3底フラップ102cの折り曲げ動作に対して、略同時タイミング又は少し遅れるタイミングで行われる。そして、第3底フラップ折り曲げ機構17及び第4底フラップ折り曲げ機構18の前を通過して外れることで、図14に示すダンボール箱100bが成形されることになる。
【0080】
図15は、テープ貼り付け機構19を模式的に示す平面図である。図2、図3及び図15に示すテープ貼り付け機構19は、第4底フラップ折り曲げ機構18で成形されたダンボール箱100bのダンボール移動機構14による移動に伴って、第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部に沿ってテープ106を第1ローラ19b及び第2ローラ19cで押し付けて貼り付けるとともに、テープ106を切断する機構として設けられている。そして、このテープ貼り付け機構19は、本体部19a、第1ローラ19b、第2ローラ19c、第1支持部材19d、第2支持部材19e、リンク部材19f、揺動軸(19g、19h、19i、19j、19k)、第1バネ19m、第2バネ19n、カッタ保持部材19r、カッタ19s、等を備えて構成されている。また、このテープ貼り付け機構19は、本体フレーム11に対してブラケット26を介して設置されており、巻きほぐされながら繰り出されるテープ106を保持するテープホルダー25から供給されるテープ106を第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dに対して張り付けるように構成されている(図3参照)。
【0081】
本体部19aは、平板状の部材として設けられてブラケット26に固定されている。第1ローラ19bは、本体部19aにおいてダンボール箱排出部20側と反対側に配置されて第1支持部材19dに回転自在に支持されている。この第1ローラ19bは、第3フラップ102c及び第4フラップ102dに乗り上げた後に、第3底フラップ102cの端部と第4底フラップ102dの端部との合わせ目に沿って、テープホルダー25から供給されたテープ106を、第2バネ19nから伝達されるバネ力の作用によって押し付けるローラとして設けられている。
【0082】
第2ローラ19cは、本体部19aにおいてダンボール箱排出部20側に配置されて第2支持部材19eに回転自在に支持されている。この第2ローラ19cは、第1ローラ19bに続いて、第3底フラップ102cの端部と第4底フラップ102dの端部との合わせ目に沿って、テープホルダー25から供給されたテープ106を、第2バネ19nから伝達されるバネ力の作用によって押し付けるローラとして設けられている。
【0083】
第1支持部材19dは、湾曲した平板状の部材として設けられ、本体部19aに対して揺動軸19gを介して揺動自在に支持されている。第2支持部材19eは、湾曲した平板状の部材として設けられ、本体部19aに対して揺動軸19hを介して揺動自在に支持されている。リンク部材19fは、第1支持部材19dと第2支持部材19eとを連結する部材として設けられ、一方の端部が第1支持部材19dに対して揺動軸19iを介して揺動自在に連結され、他方の端部が第2支持部材19eに対して揺動軸19jを介して揺動自在に連結されている。
【0084】
カッタ19sは、第1ローラ19bにて第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部に貼り付けられたテープ106を切断するカッタとして設けられている。そして、このカッタ19sは、カッタ保持部材19rに対して固定された状態で保持されている。
【0085】
カッタ保持部材19rは、平板状の部材として設けられ、1つの辺の縁部に沿って部分的に折り曲げられた部分として形成されるとともに第4底フラップ102dの端部に沿ってテープ106からずれた位置で摺動する摺動部分が設けられている。また、カッタ保持部材19rは、本体部19aに対して揺動軸19kを介して揺動自在に支持されている。尚、カッタ19sは、第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部に貼り付けられるテープ106を切断可能なように、上記の摺動部分から外れた位置に設置されている。
【0086】
第1バネ19mは、コイル状のバネとして設けられ、一方の端部がカッタ保持部材19rにおける揺動軸19kを介してカッタ19sが保持される側と反対側の端部に対して回転自在に取り付けられ、他方の端部が本体部19aに対して回転自在に取り付けられている。そして、この第1バネ19mは、カッタ保持部材19rにおける摺動部分の第4底フラップ102dへの摺動状態が解除されたときに、本体部19aに対してカッタ19sをテープ106の切断のために突出させるようにカッタ保持部材19rを付勢するバネとして設けられている。
【0087】
第2バネ19nは、コイル状のバネとして設けられ、一方の端部が本体部19aに対して回転自在に取り付けられ、他方の端部が第2支持部材19e及びリンク部材19fのそれぞれを揺動自在に連結する揺動軸19jに対して回転自在に取り付けられている。そして、この第2バネ19nは、第3底フラップ102cの端部と第4底フラップ102dの端部との合わせ目に沿ってテープを貼り付けながら回転する第1ローラ19b及び第2ローラ19cを第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dに向かって押し付けるように付勢するようバネとして設けられている。
【0088】
上述したテープ貼り付け機構19は、第3底フラップ折り曲げ機構17及び第4底フラップ折り曲げ機構18で成形されたダンボール箱100bのダンボール移動機構14による移動に伴って、作動することになる。この場合、図15にて矢印Fで示す方向からダンボール箱100bが移動してくることになる。そして、まず、最初に、第1ローラ19bが第2側面101bの縁部分に当接し、本体部19a側に大きく揺動して第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの表面に乗り上げる。このとき、テープホルダー25から供給されるテープ106の端部、即ち、前回の作動時にカッタ19sにて切断されたテープ106の端部が、第2側面101bの縁部分に対して第1ローラ19bで押し付けられて貼り付けられる。
【0089】
第1ローラ19bが第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの上に乗り上げると、リンク部材19fを介して第2バネ19nによって第1支持部材19dが付勢されることで、第1ローラ19bが第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部に押し付けられることになる。これにより、ダンボール移動機構14によるダンボール箱100bの移動に伴って、テープ106が、第1ローラ19bによって、第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部に沿って貼り付けられることになる。
【0090】
また、上記のように第1ローラ19bによるテープ106の貼り付けが行われるときには、カッタ保持部材19rは、第4底フラップ102dに乗り上げるようにして揺動する。そして、カッタ保持部材19rの摺動部分が、第4底フラップ102dの端部に沿ってテープ106からずれた位置で摺動することになる。これにより、カッタ19sがテープ106を避ける位置によけられることになる。
【0091】
更に、ダンボール箱100bが移動すると、第2ローラ19cも、第1ローラ19bと同様に、第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部に対してテープ106の上から押し付けられることになる。そして、第2ローラ19cが第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dに押し付けられた後、第1ローラ19bが第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dから外れることになる。
【0092】
第1ローラ19bが第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dから外れると、次いで、カッタ保持部分19rの摺動部分についても第4底フラップ102dから外れることになる。カッタ保持部分19rの摺動部分が第4底フラップ102dから外れると、カッタ保持部材19rが、第1バネ19mによって付勢され、カッタ19sを本体部19aから突出させる方向に、揺動することになる。このカッタ保持部材19rの揺動動作に伴って、カッタ保持部材19rからずれた位置に設置されたカッタ19sによって、テープ106が切断されることになる。
【0093】
上記の状態から更にダンボール箱100bが移動すると、第2ローラ19cが第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dから外れることになる。このとき、第2バネ19nの付勢力によって、第2支持部材19eが、第2ローラ19cを第1側面101aの縁部分に沿って本体部19aから突出させる方向に、揺動することになる。これにより、第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部に沿って貼り付けられるとともにカッタ19sによって切断されたテープ106の端部が、第2ローラ19cによって、第1側面101aの縁部分に押し付けられて貼り付けられることになる。
【0094】
図16は、テープ貼り付け機構19によって第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部がテープ106で封止されて箱状に組み立てられたダンボール箱100bを模式的に示す斜視図である。テープ貼り付け機構19によるテープ貼り付け動作が終了することで、第1〜第4底フラップ(102a、102b、102c、102d)が折り曲げられてテープ106によって封止された状態となり、第1〜第4側面(101a、101b、101c、101d)に垂直な底面が設けられたダンボール箱100bが完成することになる。
【0095】
図2及び図3に示すダンボール箱排出部20は、第1〜第4底フラップ(102a、102b、102c、102d)が折り曲げられてテープ106で封止されることで底面が成形されて箱状に組み立てられたダンボール箱100bを排出する部分として設けられている。このダンボール箱排出部20は、本体フレーム11における板状ダンボール搬送機構12が配置される側と反対側の端部の近傍の領域として構成されている。
【0096】
そして、ダンボール箱排出部20は、ダンボール移動機構14によるダンボール箱100bの移動方向と平行に延びる棒状の排出バー20aを備えて構成されている。この排出バー20aは、ダンボール移動機構14によるダンボール箱100bの移動が終了して吸着部21による第1側面101aの吸着が解除されたときに、ダンボール箱100bの下方でダンボール箱100bに対して上面側(即ち、第1〜第4底フラップ(102a、102b、102c、102d)にて構成される底面側と反対側)に偏った位置で当接するように配置されている。このため、ダンボール箱排出部20にて吸着部21による第1側面101aの吸着が解除されると、図16に示す姿勢で落下したダンボール箱100bが、排出バー20aと当接することで約90度回転し、姿勢が変換され、図5に示すように上面側を上方に向けて落下することになる。これにより、組み立てられたダンボール箱100bの排出が完了することになる。
【0097】
上述したダンボール箱組立て装置1の作動時には、まず、複数の板状ダンボール100aが積層されて載置された板状ダンボール搬送機構12の本体フレーム11における所定箇所までの移動が行われる。そして、作業者が、図示しない制御装置の起動スイッチを操作することで、自動運転でダンボール箱100bの組立て作業が開始されることになる。
【0098】
ダンボール箱組立て装置1によるダンボール箱100bの自動組立て作業が開始されると、前述のように、吸着旋回機構13によって、板状ダンボール搬送機構12の最上位に載置された組立て対象の板状ダンボール100aの第1側面101aが吸着部21で吸着されて旋回されることで角筒状ダンボール100cが成形される。このとき、吸着部21の旋回動作に連動する揺動部材15bを有する第1底フラップ折り曲げ機構15によって、第1底フラップ102aが折り曲げられる。
【0099】
そして、吸着されて保持された角筒状ダンボール100cがダンボール移動機構14によって移動し、この移動中に、第2底フラップ折り曲げ機構16によって第2底フラップ102bが折り曲げられる。更に、続く移動中に、第3底フラップ折り曲げ機構17によって第3底フラップ102cが折り曲げられ、第4底フラップ折り曲げ機構18によって第4底フラップ102dが折り曲げられ、箱状のダンボール箱100bが成形される。
【0100】
更に、ダンボール移動機構14によるダンボール箱100bの移動に伴って、第3底フラップ102c及び第4底フラップ102dの端部に沿って第1及び第2ローラ(19b、19c)でテープ106を押し付けるテープ貼り付け機構19によってダンボール箱100bの底面がテープ106で封止される。最後に、ダンボール箱排出部20から組み立てられたダンボール箱100bが排出される。
【0101】
以上説明したように、本実施形態によると、折り畳まれた板状ダンボール100aの状態から箱状のダンボール箱100bを組み立てるまでの一連の作業が、板状ダンボール載置部である板状ダンボール搬送機構12、吸着旋回機構13、ダンボール移動機構14、第1〜第4底フラップ折り曲げ機構(15、16、17、18)、テーパ貼り付け機構19、及びダンボール排出部20を有するダンボール箱組立て装置1が作動することで、自動で行われることになる。このため、作業者の手作業に基づいて板状ダンボール100aからダンボール箱100bを組み立てる作業を無くすことができ、自動化による省人化を図ることができる。また、上記作業の無人化を図ることができるため、作業者に起因する組み立て能率の低下がそもそも生じないことになり、ダンボール箱組立て装置1の運転速度を調整することで、飛躍的に組み立て能率の向上を図ることができる。
【0102】
従って、ダンボール箱組立て装置1によると、板状のダンボール100aから箱状のダンボール100bを組み立てるまでの一連の作業を自動で行うことができ、自動化による省人化が可能であり、作業者に起因する組み立て能率の低下を無くし、組み立て能率の向上を図ることができる。
【0103】
また、ダンボール組立て装置1によると、第2底フラップ102bに押し付けられた環状ベルト23cは、ダンボール移動機構14による角筒状ダンボール100cの移動に伴って、一対のプーリ(23a、23b)に巻き掛けられた状態における表面で第2底フラップ102bを押すことになる。このため、ダンボール移動機構14による角筒状ダンボール100cの移動に伴って第2底フラップ102bと引っ掛かってしまうことなく滑らかに第2底フラップ102bを折り曲げることができる。更に、第2底フラップ102bを折り曲げた後も環状ベルト23cが角筒状ダンボール100cに押し付けられていることで、角筒状ダンボール100cの移動に伴って第1底フラップ102aも環状ベルト23cによって押されることになる。これにより、第1底フラップ折り曲げ機構15によって折り曲げられた第1底フラップ102aが開いてしまうことを防止できる。
【0104】
また、ダンボール組立て装置1によると、角筒状ダンボール100cが移動するだけで、角筒状ダンボール移動方向及び上下方向に斜めに延びる第1傾斜バー17aにより第3底フラップ102cが折り曲げられることになる。よって、角筒状ダンボール移動方向及び上下方向に斜めに延びる第1傾斜バー17aを設けるという簡素な構造で、容易に第3底フラップ102cを折り曲げることができる。
【0105】
また、ダンボール組立て装置1によると、角筒状ダンボール100cが移動するだけで、角筒状ダンボール移動方向及び上下方向に斜めに延びる第2傾斜バー18aにより第4底フラップ102dが折り曲げられることになる。よって、角筒状ダンボール移動方向及び上下方向に斜めに延びる第2傾斜バー18aを設けるという簡素な構造で、容易に第4底フラップ102dを折り曲げることができる。
【0106】
また、ダンボール組立て装置1によると、ダンボール箱100bの移動が終了して吸着部21による第1側面101aの吸着が解除されてダンボール箱100bが落下すると、上面側に偏った位置でダンボール箱移動方向と平行に延びる排出バー20aにダンボール箱100bが当接する。これにより、ダンボール箱100bは、約90度回転して底面を下側にした状態で排出されることになる。このため、排出された向きのままで速やかにダンボール箱100bの使用が可能となる。また、ダンボール箱排出部20にて底面を下側にした状態でダンボール箱100bを排出する構成を排出バー20aを設けるという簡素な構造で実現することができる。
【0107】
また、ダンボール組立て装置1によると、板状ダンボール載置部が板状ダンボール100aを搬送可能な板状ダンボール搬送機構12として設けられる。このため、板状ダンボール100aの補充が必要な場合には、外部にて板状ダンボール100aを載置して容易に補充した後に、吸着旋回機構13による吸着が可能な所定位置まで板状ダンボール100aを搬送して配置することができる。これにより、板状ダンボール100aの補充作業の能率向上が図れ、更なる作業能率の向上を図ることができる。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。即ち、板状ダンボール搬送機構、吸着旋回機構、ダンボール移動機構、第1底フラップ折り曲げ機構、第2底フラップ折り曲げ機構、第3底フラップ折り曲げ機構、第4底フラップ折り曲げ機構、ダンボール排出部の形態については、適宜変更して実施してもよい。また、上述の実施形態においては、ダンボール移動機構について、レール、スライダ、スクリュー軸、電動モータ、移動ナット部材を備えるものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、電動シリンダ、エアシリンダ、リニアモータ、回転モータによって駆動されるラックアンドピニオン機等、種々の駆動機構を備えて構成されてもよい。また、上述の実施形態においては、板状ダンボール載置部が板状ダンボール搬送機構として構成されている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、板状ダンボールを搬送する機構が備えられていない板状ダンボール載置部を備えるダンボール箱組立て装置を実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、板状に折り畳まれた板状ダンボールから、各側面のそれぞれに一体に設けられた各底フラップを折り曲げるとともにテープで封止することで各側面に垂直な底面を成形し、箱状のダンボール箱を組み立てるダンボール箱組み立て装置として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0110】
1 ダンボール箱組立て装置
12 板状ダンボール搬送機構(板状ダンボール載置部)
13 吸着旋回機構
14 ダンボール移動機構
15 第1底フラップ折り曲げ機構
16 第2底フラップ折り曲げ機構
17 第3底フラップ折り曲げ機構
18 第4底フラップ折り曲げ機構
19 テープ貼り付け機構
20 ダンボール箱排出部
100a 板状ダンボール
100b ダンボール箱
100c 角筒状ダンボール
101a 第1側面
101b 第2側面
101c 第3側面
101d 第4側面
102a 第1底フラップ
102b 第2底フラップ
102c 第3底フラップ
102d 第4底フラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り目が設けられた状態で第1、第2、第3及び第4側面が筒状に連結されるとともに上面及び底面が開放された状態で板状に折り畳まれた板状ダンボールから、前記第1乃至第4側面のそれぞれに対して折り目を介してそれぞれ一体に設けられた第1、第2、第3及び第4底フラップを折り曲げるとともにテープで封止することで前記第1乃至第4側面に垂直な前記底面を成形し、箱状のダンボール箱を組み立てるダンボール箱組立て装置であって、
複数の前記板状ダンボールが載置されて積層され、最上位に載置された前記板状ダンボールの高さを所定の高さに設定する板状ダンボール載置部と、
前記板状ダンボール載置部に載置された前記板状ダンボールのうち最上位に載置された組立て対象の前記板状ダンボールの前記第1側面に対して負圧を発生させることにより当該第1側面を吸着する吸着部、及び前記吸着部を旋回させる旋回駆動部を有し、前記第1側面に吸着した前記吸着部を旋回させることで、前記組立て対象の前記板状ダンボールを角筒状に成形する吸着旋回機構と、
前記吸着旋回機構を往復移動可能に支持するとともに、前記吸着旋回機構によって前記板状ダンボールから角筒状に成形された角筒状ダンボールを当該吸着旋回機構とともに移動させるダンボール移動機構と、
前記吸着旋回機構における前記吸着部の旋回動作に伴って揺動する揺動部材を有し、前記第1側面に一体に設けられた前記第1底フラップに前記揺動部材が揺動して当接することで当該第1底フラップを当該第1側面に対して垂直に折り曲げる第1底フラップ折り曲げ機構と、
前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動に伴って、前記第1側面に対向する前記第2側面に一体に設けられた前記第2底フラップに当接することで当該第2底フラップを当該第2側面に対して垂直に折り曲げる第2底フラップ折り曲げ機構と、
前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動に伴って、前記第1側面及び前記第2側面の間に配置された前記第3側面に一体に設けられた前記第3底フラップに当接することで当該第3底フラップを当該第3側面に対して垂直に折り曲げる第3底フラップ折り曲げ機構と、
前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動に伴って、前記第3側面に対向する前記第4側面に一体に設けられた前記第4底フラップに当接することで当該第4底フラップを当該第4側面に対して垂直に折り曲げ、箱状のダンボール箱を成形する第4底フラップ折り曲げ機構と、
前記第4底フラップ折り曲げ機構で成形された前記ダンボール箱の前記ダンボール移動機構による移動に伴って、前記第3底フラップ及び前記第4底フラップの端部に沿って前記テープをローラで押し付けて貼り付けるとともに、当該テープを切断するテープ貼り付け機構と、
前記第1乃至第4底フラップが折り曲げられて前記テープで封止されることで前記底面が成形されて箱状に組み立てられた前記ダンボール箱を排出するダンボール箱排出部と、
を備えていることを特徴とする、ダンボール箱組立て装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダンボール箱組立て装置であって、
前記第2底フラップ折り曲げ機構は、
一対のプーリ、及び当該一対のプーリに巻き掛けられた環状ベルトを有し、前記第2底フラップに対して前記環状ベルトの表面で当接するベルト当接部と、
前記ベルト当接部を前記角筒状ダンボールに向かって突出させて前記第2底フラップに押し付けるように駆動する押し付け駆動部と、
を有していることを特徴とする、ダンボール箱組立て装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のダンボール箱組立て装置であって、
前記第3底フラップ折り曲げ機構は、
前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動方向と上下方向とに対して斜めに傾斜する方向に向かって棒状に延びる第1傾斜バーを有し、
前記第1傾斜バーは、前記角筒状ダンボールの移動に伴って前記第3底フラップを徐々に折り曲げて先端部において前記第3底フラップを前記第3側面に対して垂直に折り曲げるように片持ち状に配置されていることを特徴とする、ダンボール箱組立て装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のダンボール箱組立て装置であって、
前記第4底フラップ折り曲げ機構は、
前記ダンボール移動機構による前記角筒状ダンボールの移動方向と上下方向とに対して斜めに傾斜する方向に向かって棒状に延びる第2傾斜バーを有し、
前記第2傾斜バーは、前記角筒状ダンボールの移動に伴って前記第4底フラップを徐々に折り曲げて先端部において前記第4底フラップを前記第4側面に対して垂直に折り曲げるように片持ち状に配置されていることを特徴とする、ダンボール箱組立て装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のダンボール箱組立て装置であって、
前記ダンボール箱排出部は、前記ダンボール移動機構による前記ダンボール箱の移動方向と平行に延びる棒状の排出バーを有し、
前記排出バーは、前記ダンボール移動機構による前記ダンボール箱の移動が終了して前記吸着部による前記第1側面の吸着が解除されたときに、前記ダンボール箱の下方で当該ダンボール箱に対して前記上面側に偏った位置で当接するように配置されていることを特徴とする、ダンボール箱組立て装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のダンボール箱組立て装置であって、
前記板状ダンボール載置部は、載置された前記板状ダンボールを搬送可能な板状ダンボール搬送機構として設けられていることを特徴とする、ダンボール箱組立て装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−96807(P2012−96807A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243602(P2010−243602)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】