チェックアウトシステム
【課題】顧客の待ち行列の解消が可能なチェックアウトシステムとして、店員の負担が軽減され、かつ、低コストで運営できるようにすること。
【解決手段】携帯端末装置30により読み取った買上商品の商品コードと精算カードのカードコードを、買上情報としてストアコントローラ10に送信して記憶させる。POSレジスタ20は、顧客が持参した精算カードのカードコードに一致する買上情報をストアコントローラ10から受信し、この買上情報を利用して精算処理を実行する。これにより、例えば買上情報を伝票に印刷する必要がなくなり、プリンタが不要となる。
【解決手段】携帯端末装置30により読み取った買上商品の商品コードと精算カードのカードコードを、買上情報としてストアコントローラ10に送信して記憶させる。POSレジスタ20は、顧客が持参した精算カードのカードコードに一致する買上情報をストアコントローラ10から受信し、この買上情報を利用して精算処理を実行する。これにより、例えば買上情報を伝票に印刷する必要がなくなり、プリンタが不要となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店などで使用され、登録が行われた顧客の買上商品について代金精算が行われるチェックアウトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスーパーマーケットなどの店舗において来店客数が多かったり、レジスタの店員が不慣れであったりするような状況では、POS(Point Of Sale)レジスタに顧客の待ち行列ができてしまうことがある。そこで、このような顧客の待ち行列を解消する(列崩しする)ために、以下のようなPOSシステムが知られている。
【0003】
つまり、レジ待ちのために並ぶ顧客の列が長くなると、店員は、携帯端末を持って列に並んで待っている顧客の買上商品の登録を行う。この店員は、例えば腰に小型のプリンタを吊り下げており、携帯端末により登録した買上商品の情報(買上情報)を、上記プリンタにより例えば二次元バーコードで印刷して伝票として発行する。そして、この発行した伝票を顧客に渡す。顧客は、そのまま列に並んで、自分がレジスタの先頭に達したときに、レジスタの操作をしている店員(オペレータ)に伝票を渡す。オペレータが受け取った伝票をレジスタに読み取らせることで、その顧客の買上商品に一致した買上情報を取得し、精算処理を行う(例えば、特許文献1参照)。これにより、顧客がPOSレジスタに達したときには、買上商品の登録を行うことなく直ちに代金精算を行えることになり、待ち行列を解消させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−182105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の構成では、顧客の買上商品と買上情報の内容を一致させるために、伝票を印刷するプリンタが必要になる。プリンタは、店員が腰に吊り下げるなどして持ち運べるものではあるが、例えば比較的大きな容量のバッテリーを内蔵して重いために、店員の作業負担が大きい。また、プリンタ自体の費用をはじめ、伝票を印刷するための消耗品である用紙などにも費用が多くかかるためにシステムのコストも高い。
【0006】
そこで、本発明は上記した課題を考慮して、顧客の待ち行列の解消が可能なチェックアウトシステムとして、店員の負担が軽減され、かつ、低コストで運営できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カゴに入っていた商品の登録を行って買上情報を生成する登録装置と、当該登録装置から離れた位置にあり、その買上情報を読み出して代金の精算を行う精算装置とからなるチェックアウトシステムにおいて、登録装置近傍に複数用意され、機械読み可能なカードごとに固有のカードコードが付され、顧客ごとに登録装置によりカードコードが読み取られると商品が入ったカゴに付帯され、その後、前記カゴとともに前記精算装置の位置に移動されるカードと、登録装置において、顧客ごとに買上商品の商品登録が行われるのに応じて買上情報を生成するとともに、前記カードコードが読み取られるのに応じて前記買上情報とともに前記カードコードを記憶手段に記憶させる登録制御手段と、前記精算装置により前記カゴに付帯されていたカードのカードコードが読み取られるのに応じて前記記憶手段から該当する買上情報を読み出して精算を行う精算制御手段とを備えたことを特徴とするチェックアウトシステムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、顧客の待ち行列の解消が可能なチェックアウトシステムとして、店員の負担が軽減され、かつ、低コストで運営できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのチェックアウトシステムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態としてのチェックアウトシステムの運用例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のチェックアウトシステムにおける精算カード80を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における買上情報テーブルの構造例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における携帯端末装置30が実行する処理手順例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるPOSレジスタ20が実行する処理手順例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるストアコントローラ10が実行する処理手順例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態としてのチェックアウトシステムの構成例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態のチェックアウトシステムにおける精算装置500の外観例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態のチェックアウトシステムの運用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのチェックアウトシステムの構成例を示している。この図に示すチェックアウトシステムは、ストアコントローラ10と、複数のPOSレジスタ20(精算装置)と、複数の携帯端末装置30(登録装置)を備える。ストアコントローラ10とPOSレジスタ20はLAN(Local Area Network)50経由で通信可能に接続される。LAN50には無線LANルータ40が接続されており、携帯端末装置30は、無線LANルータ40との無線LAN通信を経由してLAN50に接続されることでストアコントローラ10と通信可能に接続される。
【0011】
ストアコントローラ10は、商品マスタなどの各種ファイルやデータの管理を行うコンピュータである。商品マスタは、各商品の商品識別情報(コード情報)、商品名称、販売価格などの商品情報を格納したファイルである。ストアコントローラ10は、必要に応じてその内容を編集・変更する。ストアコントローラ10は、最新の商品マスタを各POSレジスタ20に適宜送信する。
【0012】
POSレジスタ20は、顧客が購入する商品の登録および精算を行うための装置であり、各種の操作キーや表示部などを備えている。このPOSレジスタ20には、店員の操作により商品に添付されたバーコードおよび精算カード80のバーコードを読み取るバーコードスキャナが接続されている。携帯端末装置30は、商品に添付されたバーコードと後述する精算カード80のバーコードを読み取るとともに、読み取った情報をストアコントローラ10に送信する。なお、商品に添付されたバーコードは商品を一意に識別する識別子としての商品コードを含む。また、精算カード80のバーコードは、精算カード80ごとに固有となる識別子であるカードコードを含む。
【0013】
次に、図2を参照して本実施の形態のチェックアウトシステムの運用例について説明する。この図に示されるPOSレジスタ20は、チェッカー部220とキャッシャー部230から成る。チェッカー部220は、台221に対してスキャナ部214が固定して設置されている。また、図示は省略しているが、スキャナ部214に関連した操作部を備える。スキャナ部214は、商品に付されたバーコードを光学的に読み取る部位であり、台221には、顧客C1が買い上げた商品を入れた買い物カゴ70−1などが置かれる。
【0014】
キャッシャー部230は、自動入出金装置(図示は省略)、精算に関連した操作部(図示は省略)や客用表示部206などを備える。客用表示部206は顧客Cに表示内容が見えるように設置されており、例えば顧客C1が買い上げた商品の合計金額などが表示される。図2においては、POSレジスタ20に対応して、先頭の顧客C1に続けて顧客C2、C3、C4・・・・の順で待ち行列を形成している様子が示されている。
【0015】
POSレジスタ20を操作する店員(キャッシャー担当者)S1は、行列の先頭の顧客C1から買い物カゴ70−1を受け取る。買い物カゴ70−1には顧客C1が買い上げようとする商品が入っている。店員S1は、買い物カゴ70−1から商品を取り出して、スキャナ部214により商品に付されているバーコードを読み取らせる。この商品のバーコードは対応の商品を識別するための商品コードを含んでいる。POSレジスタ20は、商品マスタと商品コードとを照合して買上情報を生成し、この生成情報を利用して、店員S1の操作に応じた精算処理を実行する。通常は、このようにPOSレジスタ20において、買上商品の登録と、この登録に応じた精算が行われる。
【0016】
しかし、例えばPOSレジスタ20に比較的長い顧客の待ち行列ができてしまって、顧客の精算までの待ち時間が相当に長くなりそうな場合、本実施の形態では、次のように列崩しを行うことができる。つまり、このような場合には、POSレジスタ20を操作する店員S1とは別の店員S2が携帯端末装置30を持参し、例えば図示するように精算待ちで並んでいる顧客C3のところに赴く。そして、この顧客C3が持っている買い物カゴ70−3から買上商品を取り出して、その商品に添付されたバーコードを携帯端末装置30に読み取らせる(以下、仮登録という)。店員S2は、バーコードの読み取りを行った商品は、例えば、別の買い物カゴ70−5に移していくようにする。このバーコードの読み取りに応じて、携帯端末装置30は、バーコードに含まれている商品コードを記憶する。
【0017】
また、店員S2は、精算カード80を複数枚収納なカード収納部60Bを、例えば腰に吊り下げるなどして持参している。そして、例えば買い物カゴ70−3に入っているすべての商品のバーコードの読み取りを完了すると、店員S2は、カード収納部60Bから精算カード80を1枚取り出して、精算カード80に印刷されているバーコードの読み取りを行う。図3には、精算カード80の一例が示されている。このように精算カード80には、バーコード81が印刷されている。このバーコード81は、精算カード80ごとに一意に割り当てられたカードコードを示している。店員S2は、このバーコード81を携帯端末装置30に読み取らせる。
【0018】
このように携帯端末装置30には、一人の顧客C3が買い上げた商品をそれぞれ識別する商品コードのセットと、1つのカードコードを保持する。そして、携帯端末装置30は、例えばカードコードを読み取ったことに応じて商品の登録が完了したものと認識し、ストアコントローラ10に対して商品コードのセットとカードコードとを対応付けた情報(買上情報)を送信する。なお、このようにカードコードの読み取りを商品登録の完了として扱うようにして買上情報を送信するようにすれば、カードコードの読み取りを忘れたまま買上情報を送信してしまうような不具合を避けることができる。また、買上情報の送信操作を省いて操作性を高くすることもできる。
【0019】
上記の買上情報の送信まで終えたことを確認した店員S2は、今回バーコードを読み取らせた精算カード80を、図3に示すように、今回登録を行った商品が移された買い物カゴ70−5の上に載せる(付帯させる)。そして、顧客C3に、買い物カゴ70−5を渡したうえで、精算の順番がきたときには、店員S1に精算カード80を渡してもらうように伝える。
【0020】
顧客C3は、自分がPOSレジスタ20における列の先頭となって精算の順番がきたとき、店員S1に精算カード80を渡す。店員S1は、渡された精算カード80に印刷されているバーコード81をスキャナ部214により読み取らせる。なお、スキャナ部214は商品のバーコード専用としたうえで、これとは別のスキャナによって精算カード80を読み取るようにしてもよい。POSレジスタ20は、読み取られたバーコードが示すカードコードに該当する買上情報を要求する信号とともに前記カードコードをストアコントローラ10に送信させる。そして、POSレジスタ20は、店員S1の操作に応じて、受信した買上情報に基づいた精算処理を行う。
【0021】
このようにすれば、事前に携帯端末装置30により商品の仮登録をしてもらった顧客C3は、POSレジスタ20の先頭に到達したときに、商品を登録してもらうことなく、すぐに代金支払いだけを行って精算を済ませることができる。つまり、精算の順番になったときに、精算のために要する時間が短くて済むものであり、これにより待ち行列を解消する(列崩しを行う)ことができる。
【0022】
また、店員S1は、バーコード81の読み取りを終えた精算カード80を、近傍に設置されたカード収納部60Aに入れておくようにする。このように、カード収納部60Aには、使用済みの精算カード80が貯まっていく。店員S2は、このカード収納部60Aに貯まっている精算カード80を必要なだけ取り出して、自分が所持するカード収納部60Bに入れ直して使用すればよい。
【0023】
本実施の形態では上記のように列崩しを行うことができるが、この際、店員S2は、プリンタを所持して移動する必要がないため作業負担は非常に軽くなる。本実施の形態の場合、店員S2は、例えばプリンタに代えてカード収納部60Bを携帯することになるのであるが、このカード収納部60Bには、精算カード80が例えば10枚程度入っているだけで軽量かつ小型であるために、これによる負担はほとんどない。
【0024】
また、プリンタを携帯する必要がなくなるために、チェックアウトシステムにおいてプリンタを備える必要がなくなり、さらに、伝票を印刷するための用紙も不要となる。さらに、精算カード80は、店舗の狭い範囲で環流させることができるので少数で足りることになる。これにより、チェックアウトシステム導入、運営にかかるコストの削減が図られる。
【0025】
携帯端末装置30のハードウェア構成は、特開2010−182105号公報(特許文献1)の図2と同様でよい。つまり、CPU、ROM、スキャナ部、RAMと、表示部、操作部、通信部、電源制御部、充電式電池310などを備える。ただし、印刷通信は備えなくともよい。携帯端末装置30において、CPU(Central Processing Unit)は、中央処理装置であり、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末装置30の動作を制御する。ROMは、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。スキャナ部は、商品に付されているバーコードを光学的に読み取る。RAMは、スキャナ部で読み取られたバーコードなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。表示部は、登録した商品の一覧やその他各種のメッセージ等を表示する。通信部は、無線LAN経由での通信を制御する部位である。電源制御部は、充電式電池への充電を制御する。充電式電池は、携帯端末装置の各部を動作させるための電力を供給する。操作部は、携帯端末装置30を操作する各種のキーからなる。
【0026】
また、携帯端末装置30の外観も、例えば特許文献1の図3と同様でよい。つまり、携帯端末装置30の筐体には、スキャナ部、表示ディスプレイ、操作部などが配置される。なお、本実施の形態において接続端子は省略されてよい。携帯端末装置に配置される操作部としては、例えばバーコードの読み取りを開始するためのスキャンキー、バーコードを読み取った商品を1つずつ取り消したり数量を修正したりするための訂正キー、読み取った全商品を取り消すための取消キー、買上商品の数量を指定するための+(プラス)キー、−(マイナス)キー、読み取った全商品のリスト表示において商品を選択するカーソルを上下させるための上下矢印キー、入力操作を決定するための決定キーなどとされる。また、スキャナ部は、例えば携帯端末装置30の裏側の面に設けられており、このスキャナ部に商品または精算カード80のバーコードを近付けることにより、読み取り動作が行われる。
【0027】
また、POSレジスタ20のハードウェア構成は、特許文献1の図8と同様となる。つまり、CPU、ハードディスク、ROM、RAM、液晶タッチパネル部、客用表示部、レシート印字部、ドロワ部、通信部、操作部、カードリーダをブザーを備えて構成される。ただし、本実施の形態殿対応では、スキャナ接続部に代えてスキャナ部214(図2参照)を備える。
【0028】
POSレジスタ20において、CPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POSレジスタ20の動作を制御する。ROMは、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAMは、ストアコントローラ10より取得した商品マスタなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。表示部である液晶タッチパネル部(店員用表示部)と客用表示部206(図2参照)とは、商品マスタの情報を表示する。また、液晶タッチパネル部(店員用表示部)は、タッチパネル式であるため、表示だけではなく入力も受け付ける。操作部は、POSレジスタ20を動作させる各種のキー、小計キー、現計キー、会員呼出キー、値引キー、割引キー、置数キー、訂正キー、追加キー等の操作ボタンからなる。
【0029】
通信部は、LAN50を経由してストアコントローラ10と通信する部位である。ブザーは、操作の確認が必要なときなどにブザー音を発生させる。ハードディスクは精算処理が終了後、RAMが記憶する情報を記憶する。レシート印字部はレシートを印字する。ドロワ部は現金や金券などを保管する。カードリーダ部は顧客がクレジットカードでの支払いを希望する場合、会計処理のためクレジットカードの情報を読み取る。スキャナ部214は、商品に添付されたバーコードまたは精算カード80のバーコードを光学的に読み取る。読み取られたこれらのバーコードはCPUによって解析され、商品コードまたはカードコードにデータ化される。
【0030】
また、ストアコントローラ10のハードウェア構成は、図示は省略するが、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、通信部などを備えてなる。ストアコントローラ10において、CPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ストアコントローラ10の動作を制御する。ROMは、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAMはCPUの作業領域として使用されるメモリである。ハードディスク(記憶手段)には、商品マスタのデータ、携帯端末装置30から送信された買上情報からなる買上情報テーブル、さらに精算が終了した買上情報に基づいて形成された精算履歴としてのログのデータが記憶される。通信部は、LAN50経由でPOSレジスタ20および携帯端末装置30と通信する部位である。
【0031】
また、本実施の形態において上記POSレジスタ20が記憶する商品マスタのデータ構造は、特許文献1の図9と同様でよい。つまり、コード情報(商品コード)ごとに、商品名称および販売価格などの商品情報の項目が対応付けられた構造を有する。
【0032】
図4は、ストアコントローラ10が記憶する買上情報テーブルの構造例を示している。買上情報テーブルは、カードコードに対して、1以上の商品コード、使用フラグなどが対応付けられた構造を有する。1つのカードコードと、そのカードコードに対応する商品コードのセットが、携帯端末装置30から送信された1つの買上情報に相当する。つまり、1つのカードコードに対応する商品コードは、携帯端末装置30により登録された一人の顧客Cの買上商品を示す。この構造により、ストアコントローラ10は、カードコードごとに対応して複数の登録された商品の商品コードを記憶することができる。使用フラグは、対応のカードコードにより特定される精算カード80が使用中であるか否かを示す。精算カード80が使用中の状態とは、その精算カード80を受け取った顧客が、まだ精算を終えていない状態である。ここでは、使用中であれば「1」、使用中でなければ「0」としている。
【0033】
図5は、携帯端末装置30が実行する処理手順例を示している。この図に示す処理は、携帯端末装置30のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0034】
携帯端末装置30は、ステップS101により、スキャナ部により読み取られた商品コードが入力されたか否かについて判定しており、ここで、商品コードが入力されたことを判定すると、ステップS102にて、この入力された商品コードをRAMに記憶する。一方、ステップS101にて商品コードが入力されないと判定した場合には、ステップS103にてカードコードが入力されたか否かについて判定する。
【0035】
上記ステップS103にてカードコードが入力されていないと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS109により所定の他の処理を実行してステップS101に戻る。一方、ステップS103にてカードコードが入力されたと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS104にて、RAMに記憶されている商品コードが存在しているか否かについて判定する。
【0036】
ステップS104において、商品コードは記憶されていないと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS110において表示部にエラー表示を行ってステップS101に戻る。ここでのエラー表示は、例えばカードコードに対応付けられている商品コードが1つも登録されていないことを示すようなものとなる。一方、ステップS104において商品コードが記憶されていると判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS105により、入力されたカードコードにRAMに記憶されている商品コードを対応付けてストアコントローラ10に対して送信する。つまり、1顧客に対応する買上情報のデータを送信する。
【0037】
ストアコントローラ10では、上記ステップS105により送信された買上情報の受信が成功すると、応答として受信成功の通知を携帯端末装置30に対して送信してくる。そこで、携帯端末装置30は、ステップS106により、ストアコントローラ10にて買上情報の受信が成功したか否かについて判定する。携帯端末装置30は、例えば受信成功の通知が一定時間以内に送信されてこない場合、ストアコントローラ10にて買上情報の受信が成功しなかった(失敗した)と判定する。この場合、携帯端末装置30は、ステップS108によりエラー表示を行ってステップS101に戻る。この場合のエラー表示の内容は、例えば、携帯端末装置30からの買上情報の送信が失敗した旨を店員S2に知らせるものとなる。一方、ステップS106にて受信が成功したと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS107により、ステップS105にて送信した商品コードをRAMから消去し、ステップS101に戻る。このように商品コードをクリアすることで、次の顧客に対応して読み込まれた商品コードに前回の商品コードが含められてしまうようなエラーの発生が防止される。
【0038】
図6は、POSレジスタ20が実行する、カードコードの入力に応じた精算のための処理手順例を示している。この図に示す処理は、POSレジスタ20のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0039】
POSレジスタ20は、ステップS201においてスキャナ部214により読み取られたカードコードの入力が行われたか否かについて判定している。ここで、カードコードの入力が行われていないと判定した場合、POSレジスタ20は、ステップS208により、他の所定の処理を実行してステップS201に戻る。このステップS208における他の処理としては、例えば商品に添付されたバーコードの読み取りに応じて入力した商品コードの登録、各種設定に応じたメンテナンス処理などとなる。
【0040】
一方、ステップS201においてカードコードが入力されたと判定した場合、POSレジスタ20は、ステップS202により、入力されたカードコードに対応する買上情報の要求とともにカードコードをストアコントローラ10に対して送信し、ステップS203にて、買上情報が受信されたか否か判定する。
【0041】
例えば通信エラーなどにより一定時間内に買上情報が正常に受信できなかった場合には、ステップS203において買上情報は受信されなかったと判定し、ステップS209に進む。POSレジスタ20は、ステップS209において、例えば買上情報が受信できなかったことを通知する内容のエラーメッセージを表示し、ステップS201に戻る。
【0042】
一方、ステップS203において買上情報が受信されたと判定した場合、POSレジスタ20はステップS204において、合計金額を算出する。このために、POSレジスタ20は、受信した買上情報において示される商品コードに対応する価格を商品マスタのデータから読み取り、この価格を加算して合計金額を求める。そして、POSレジスタ20は、上記のように算出した合計金額を、ステップS205により液晶タッチパネル部や客用表示部などに表示する。
【0043】
ステップS206において、POSレジスタ20は、先のステップS204により算出された合計金額に基づいて、店員Sの操作に応じて精算処理を実行する。このステップS206に対応して、店員Sは、顧客Cから受け取った預かり金額を、POSレジスタ20における自動入出金装置に投入する。これに応じて、POSレジスタ20はレシートを発行するとともに、釣銭額を液晶タッチパネル部や客用表示部に表示する。店員は、例えばドロワ部から釣銭を取り出して客に渡す。
【0044】
そして、POSレジスタ20は、ステップS207により、今回入力したカードコードを含んだ精算処理の結果を示す実績データ(例えば、買上情報および合計額などの情報から成る)を、ストアコントローラ10に対して送信し、ステップS201に戻る。ステップS207により送信される実績データは、ストアコントローラ10においてログに追加登録されて記録される。
【0045】
図7は、ストアコントローラ10が実行する処理手順例を示している。この図に示す処理は、ストアコントローラ10のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0046】
ストアコントローラ10は、ステップS301において、携帯端末装置30から送信されてくる買上情報が受信されたか否かについて判定しており、ここで、買上情報が受信されたと判定した場合には、ステップS302に進む。
【0047】
ステップS302において、ストアコントローラ10は、買上情報テーブルから、受信した買上情報に含まれるカードコードと一致する買上情報の使用フラグを参照し、その使用フラグが使用中を示しているか否かについて判定する。ここで、使用フラグが使用中(「1」)であることを示した場合には。なんらかの原因で、今回受信した買上情報に対応して使用された精算カード80は、重複して使用されていることになる。つまり、まだ精算が終了していない顧客が所持しているはずの精算カード80を、別の顧客の買上商品に対応して携帯端末装置30で読み込んで使用していることになる。あるいは、通信エラーによって誤ったカードコードを認識した結果、使用中の他のカードコードと一致してしまったような状況も想定される。そこで、この場合、ストアコントローラ10は、ステップS306により、買上情報の送信元の携帯端末装置30に対して、送信された買上情報が無効である旨のエラー通知を送信する。この処理によって、1つのカードコードにより複数の買上情報を重複して特定してしまうことが回避される。ステップS306の処理の後はステップS301に戻る。
【0048】
一方、ステップS302において使用フラグが使用中ではない(「0」)と判定した場合は、今回受信した買上情報に対応して使用された精算カード80は、重複して使用されてはいないことになる。そこで、この場合のストアコントローラ10は、ステップS303にて、今回受信した買上情報を、買上情報テーブルに追加登録するようにして記憶させる。また、この追加登録の際、ストアコントローラ10は、ステップS304において、追加登録した買上情報に対応付けられる使用フラグFについて「F=1」として使用中であることが示されるように設定する。そして、ステップS305により、買上情報の送信元の携帯端末装置30に対して、今回の買上情報が適正に受信されたことを示す受信成功通知を送信し、ステップS301に戻る。
【0049】
また、先のステップS301において買上情報が受信されないと判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS307において、POSレジスタ20から送信される買上情報要求が受信されたか否かについて判定する。ここで、買上情報要求の受信を判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS308において、要求された買上情報について、買上情報テーブルにおいて使用中の状態で登録されているか否かについて判定する。具体的に、ストアコントローラ10は、買上情報テーブルから、受信した買上情報要求に含まれるカードコードに一致する買上情報を検索し、この買上情報に対応する使用フラグが使用中を示す「1」であるか否かについて判定する。
【0050】
ステップS308において「NO」の判定となった場合、要求された買上情報は買上情報テーブルに登録されていない、または、登録されてはいるが対応の使用フラグが「0」であり使用中ではないことを示している場合となる。このような場合には、なんらかの原因で登録商品とカードコードとが一致していないことになる。そこで、この場合には、ステップS306により、買上情報要求の送信元のPOSレジスタ20に対してエラー通知を送信する。この処理によっても1つのカードコードにより複数の買上情報を特定してしまうことの不具合を回避できる。
【0051】
これに対して、ステップS308において要求された買上情報が買上情報テーブルにおいて使用中の状態で登録されていると判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS309において、この要求された買上情報として、少なくとも該当する全ての商品コードを送信し、ステップS301に戻る。
【0052】
また、ステップS307において買上情報の要求を受信していないと判定したことに応じて、ストアコントローラ10は、ステップS310により、POSレジスタ20から送信される実績データが受信されたか否かについて判定する。ここで、実績データが受信されたと判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS311により、受信した実績データを追加登録するようにログを更新させる。また、ストアコントローラ10は、ステップS312により、買上情報テーブルにおいて、受信した実績データに含まれるカードコードに一致する買上情報に対応する使用フラグFについて、使用中ではないことを示す「0」を設定し、ステップS301に戻る。
【0053】
また、ステップS310において実績データを受信していないと判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS313により所定の他の処理を実行してステップS301に戻る。
【0054】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する以外の部分は第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態のチェックアウトシステムは、セルフPOSシステムに対応した構成を採る。セルフPOSシステムでは、商品登録を行う登録装置と、精算を行う精算装置とが別体とされて店舗に配置される。そして、買上商品の登録は店員が登録装置を操作して行うが、精算は、顧客自身が精算装置を操作して行う。このようなセルフPOSシステムは、精算装置を安価に増設しやすいためにいわゆる客捌きに優れており、そのシステム自体が待ち行列の解消に有利となっている。
【0055】
図8および図9は、第2の実施の形態におけるチェックアウトシステムの構成例を示している。第2の実施の形態におけるチェックアウトシステムは、ストアコントローラ10と、複数の登録装置400と、複数の精算装置500をLAN50により通信可能に接続して構成される。
【0056】
登録装置400は、店員が操作するもので、第1の実施の形態との対応では、携帯端末装置30と、POSレジスタ20におけるチェッカー部としての機能を備える。図示による説明は省略するが、登録装置400は、例えばCPU、RAM、ROM、スキャナ部、表示部、操作部、通信部、液晶タッチパネル部、客用表示部等を備えて構成される。また、精算装置500は、顧客C自身が操作を行って精算を行うための装置である。
【0057】
図10は、精算装置500の外観例を示す斜視図である。精算装置500は、表示部501と、スキャナ部502と、人検知センサ503と、釣銭釣札部504と、サインポール部505とを備える。
【0058】
表示部501は、買上情報として、例えば買上商品の内訳や金額を表示する。また、顧客Cに対する操作ガイダンスを表示する。スキャナ部502は、精算カード80に印刷されたバーコード81を読み取る。人検知センサ503は、当該精算装置500の前に立っている人を検知するセンサである。
【0059】
釣銭釣札部504は、例えば精算装置500の下部前面に位置している。この釣銭釣札部504は、硬貨出金口504aと、硬貨入金口504bと、紙幣入出金口504cとを有している。硬貨出金口504aは、例えば前面下部中央部に配置され、凹部から硬貨の釣銭が排出される。硬貨入金口504bは、例えば硬貨出金口310aの上部に配置され、上記とは別の凹部から硬貨が投入される。紙幣入出金口310cは、例えば硬貨入金口310bに向かって右側に配置され、紙幣が水平に投入/排出される。サインポール部505は、例えば向かって右奥に立てられて、先端の発光部が点灯または点滅する。また、精算装置500には、カード収納部60Cが設置される。このカード収納部60Cには、精算を済ませた顧客Cが精算装置500から離れる際に、それまで所持していた精算カード80が入れられる。
【0060】
精算装置500は、上記図10において示される部位のほか、内部のハードウェアとして、例えばCPU、RAM、ROM、通信部、印刷部などを備える。CPUは、ROMに記憶されるプログラムを実行することにより、精算装置500としての機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として利用されるメモリである。ROMには、上記プログラムのほか、各種設定データなどが記憶されている。通信部は、CPUの制御に応じて、LAN50経由でストアコントローラ10などと通信を実行する部位である。印刷部は、精算の終了に応じて買上情報や精算結果などを用紙に印刷し、これをレシートとして発行する部位である。
【0061】
図9を参照して、第2の実施の形態のチェックアウトシステムの運用例について説明する。この図に示すように、登録装置400は、店舗内にて複数台が並ぶようにして設置されている。また、この登録装置400から離れた位置に複数の精算装置500が設置されている。また、登録装置400において店員Sが位置している場所の近傍には、図2と同様に精算カード80が入れられたカード収納部60Aが備えられている。なお、この図においてストアコントローラ10は示されていないが、ストアコントローラ10は、例えば店舗のバックヤードなどの顧客の目に入らない場所に設置されている。
【0062】
顧客Cは買上商品を例えば買い物カゴに入れて登録装置400に赴く。登録装置400には、それぞれ店員Sが配置されている。店員Sは、買い物カゴから商品を取り出しながら、商品に添付されているバーコードを登録装置400のスキャナ部により読み取らせながら登録を行っていく。そして、顧客Cの買上商品の登録が完了すると、店員Sは、カード収納部60Aから1枚の精算カード80を取り出して、その精算カード80に印刷されているバーコード81をスキャナ部により読み取らせたうえで、登録完了の操作を行う。
【0063】
上記登録完了の操作に応じて、登録装置400は、登録された商品の商品コードと、読み取られたバーコード81が示すカードコードとから成る買上情報をストアコントローラ10に対して送信する。つまり、登録装置400は、商品コードの入力と、カードコードの入力に対応して、図5に準じた処理手順を実行する。
【0064】
ストアコントローラ10は、登録装置400からの買上情報の受信に応答して、図7のステップS301〜S306と同様の処理を実行する。これにより、使用中でない精算カード80のカードコードに対応する買上情報が正常に受信された場合には、その買上情報が買上情報テーブルに追加登録される。
【0065】
そして、店員Sは、登録完了の操作を行った後において正しく買上情報が送信されたことを確認すると、今回バーコード81の読み取りを行った精算カード80を顧客Cに渡す。顧客Cは、登録が済んだ買上商品と渡された精算カードを持って精算装置500にまで赴く。
【0066】
精算装置500は、その前の位置に顧客Cが立ったことが人検知センサ503により検知されるのに応じて、例えば表示部501にガイダンスなどを表示させる。顧客Cは、まず、スキャナ部502に対して精算カード80をかざしてのバーコード81を読み取らせる。このバーコード81の読み取りに応じてカードコードを入力した精算装置500は、図6と同様の処理を実行する。つまり、精算装置500においては、顧客Cの買上情報をストアコントローラ10から受信して合計額などを表示部501に表示し、顧客Cの入金に応じた精算処理を実行する。そして、精算処理の完了に応じて実績データをストアコントローラ10に送信する。
【0067】
なお、ストアコントローラ10は、精算装置500からの買上情報の送信に応じてステップS307〜S309の処理を実行し、上記実績データの送信に応じてステップS310〜S313の処理を実行する。そして、精算を完了した顧客Cは、それまで所持していた精算カード80を、精算装置500の近傍に備え付けられているカード収納部60Cに入れて売り場の外に出る。カード収納部60Cに貯まった精算カード80は、例えば定期的に、店員Sによって登録装置400近傍に配置されるカード収納部60Aに移される。この第2の実施の形態のように登録装置400と精算装置500とが分離して設置されるセルフPOSシステムにおいても本実施の形態のチェックアウトシステムが適用できる。
【0068】
なお、精算カード80は、例えばカードコードをバーコードとして印刷した用紙をラミネート(パウチ)加工したものとすれば、安価で扱いも容易であり、かつ、汚れや破損にも強くなる。また、精算カード80の形状は、名刺状に限定されるものではない。例えば、買い物カゴ70の高さよりも高くした形状とすれば、精算カード80を買い物カゴ70の中で立てかけた状態で見えるようにすることができる。さらに、精算カード80の幅を買い物カゴ70の内寸に合せれば、精算カード80を買い物カゴ70の仕切板としても使用することができる。また、精算カード80において印刷されるカードコードは、1次元バーコードのほか、二次元バーコードや三次元(3D)コードなどとされてもよい。さらには、RFIDなどを採用してカードコードの送受信が行われるようにしてもよい。
【0069】
また、第1の実施の形態において、買い物カゴ70を覆う程度のサイズのシートにカードコードに相当する識別コードが印刷されたタグなどを設ける。そして、店員S2は、携帯端末装置30によるバーコード(商品コード)の読み取りが済んだ商品の入った買い物カゴ70にシートをかぶせ、このシートのタグの識別コードを携帯端末装置30により読み取るようにしてもよい。このようにシートを用意することで、商品登録を一旦完了させた後において買い物カゴ70の中に未登録の商品が誤って入れられてしまうことを有効に防止できる。また、この場合にはシートに精算カード80に相当する識別コードが設けられていることから、買い物カゴ70に精算カード80を付帯させる店員Sの手間が省かれる。また、このシートの4隅には例えばゴムなどの重りとなるものを付けておくと、シートをかぶせたときに買い物カゴ70のうえで安定するので好ましい。
【0070】
また、第2の実施の形態において、登録装置400側で顧客Cの特徴を示す特徴情報(例えば、性別、年齢層などの選択肢を提示し、これを店員Sが選択する操作を行うようにする)を入力し、これを買上情報に含めてストアコントローラ10に送信する。そして、精算装置500では、顧客Cに特徴情報を入力してもらい、この入力された特徴情報に該当する買上情報をストアコントローラ10に送信させるようにすることも考えられる。あるいは、精算装置500において候補となる買上情報の一部内容と特徴情報とを表示させたうえで、これらのうちから精算しようとする顧客Cが、自分に一致する特徴情報の買上情報を選択することにより、顧客Cの買上商品と買上情報の一致を図るようにすることも考えられる。また、このような方法と、本実施の形態におけるカードコードに基づく買上情報の特定方法とを選択できるようにすることも考えられる。
【0071】
また、携帯端末装置30や登録装置400は、1顧客の買上商品の登録完了の操作が行われた際に、商品コードとカードコードがRAMに保持されていれば、上記の登録完了操作を有効とするようにしてもよい。また、上記実施の形態において、精算カード80が使用中であるか否かの判定(図5:ステップS106)は、買上情報の送信に応答してストアコントローラ10から通知されるようになっているが(図7:ステップS305またはS306)、例えば、携帯端末装置30により精算カード80のバーコード81の読み取りを行ってカードコードを入力したタイミングで行われるようにしてもよい。
【0072】
また、買上情報テーブルの記憶期間は任意でよい。例えば、一日分を記憶してもよいし、1ヶ月分を記憶してもよいし、精算終了に応じて消去することも考えられる。
【0073】
また、ストアコントローラ10は、チェックアウトシステムにおいて単独で設けるのではなく、複数のPOSレジスタ20や登録装置400における1つにその機能を与えるようにしてもよい。
【0074】
また、本実施の形態において精算カード80は、複数の顧客に重複して同時に使用されることが禁止されており、精算の終了に応じてその使用が許可されるようになっている。そのうえで、第2の実施の形態において、売り場とその外との間に、精算を完了した顧客Cのみを通過させるためのゲートを設けている場合には、このゲートを顧客Cが通過した後に、精算カード80の使用が許可されるようにすれば、複数の顧客の間で精算カード80が重複して使用されてしまうことをより万全に防ぐことができる。
上記のゲートは、精算装置500とサッカー台(買い物カゴ70内の買上商品を持ち帰り用袋に移し替えるための台)との間に設けられ、ストアコントローラ10と通信する通信部および精算カード80の情報を読み取る読取部を備えたものである。顧客が精算を完了するとストアコントローラ10は使用フラグを「2」(精算済みを表す)とし、顧客がゲートで精算カード80を読取部に読み取らせると通信部がストアコントローラ10と通信して、使用フラグが「2」である場合にのみ、ゲートが開いて顧客の通過が許可される。そして、顧客が通過すると、通信部がカードコードをストアコントローラ10に送信して、ストアコントローラ10は使用フラグを「0」に書き換える。
また、ゲートは開閉式のものに限らず、ブザー等の報知により顧客の通過を禁止するものであってもよい。また、ゲートを設ける場合には、精算装置500のカード入れはサッカー台のところに設置するとよい。
また、登録装置400で読み取られた精算カード80が買い物カゴ70に付帯される、とは、精算カード80を買い物カゴ70の中に入れることに限らず、買い物カゴ70と一緒に移動する顧客に持ってもらうことも含むものとする。
【0075】
また、ストアコントローラ10の買上情報テーブルに買上情報が登録されてしまった後において買上商品を追加登録したい場合には、次のようにして対応することができる。つまり、追加登録としての商品登録操作を行ったうえで、はじめの買上情報と同じ精算カード80のカードコード(バーコード81)を読み取って入力し、ストアコントローラ10に対して、追加の買上情報として入力データとその旨の信号を送信する。ストアコントローラ10は、この場合は使用中か否かのチェックを外し、これをすでに買上情報テーブルにおいて登録されている買上情報に追加登録するようにする。
【0076】
また、上述した実施形態における携帯端末装置30、POSレジスタ20、ストアコントローラ10、登録装置400および精算装置500をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0077】
10 ストアコントローラ
20 POSレジスタ
30 携帯端末装置
40 無線LANルータ
60A、60B、60C カード収納部
70 買い物カゴ
80 精算カード
81 バーコード
400 登録装置
500 精算装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店などで使用され、登録が行われた顧客の買上商品について代金精算が行われるチェックアウトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスーパーマーケットなどの店舗において来店客数が多かったり、レジスタの店員が不慣れであったりするような状況では、POS(Point Of Sale)レジスタに顧客の待ち行列ができてしまうことがある。そこで、このような顧客の待ち行列を解消する(列崩しする)ために、以下のようなPOSシステムが知られている。
【0003】
つまり、レジ待ちのために並ぶ顧客の列が長くなると、店員は、携帯端末を持って列に並んで待っている顧客の買上商品の登録を行う。この店員は、例えば腰に小型のプリンタを吊り下げており、携帯端末により登録した買上商品の情報(買上情報)を、上記プリンタにより例えば二次元バーコードで印刷して伝票として発行する。そして、この発行した伝票を顧客に渡す。顧客は、そのまま列に並んで、自分がレジスタの先頭に達したときに、レジスタの操作をしている店員(オペレータ)に伝票を渡す。オペレータが受け取った伝票をレジスタに読み取らせることで、その顧客の買上商品に一致した買上情報を取得し、精算処理を行う(例えば、特許文献1参照)。これにより、顧客がPOSレジスタに達したときには、買上商品の登録を行うことなく直ちに代金精算を行えることになり、待ち行列を解消させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−182105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の構成では、顧客の買上商品と買上情報の内容を一致させるために、伝票を印刷するプリンタが必要になる。プリンタは、店員が腰に吊り下げるなどして持ち運べるものではあるが、例えば比較的大きな容量のバッテリーを内蔵して重いために、店員の作業負担が大きい。また、プリンタ自体の費用をはじめ、伝票を印刷するための消耗品である用紙などにも費用が多くかかるためにシステムのコストも高い。
【0006】
そこで、本発明は上記した課題を考慮して、顧客の待ち行列の解消が可能なチェックアウトシステムとして、店員の負担が軽減され、かつ、低コストで運営できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カゴに入っていた商品の登録を行って買上情報を生成する登録装置と、当該登録装置から離れた位置にあり、その買上情報を読み出して代金の精算を行う精算装置とからなるチェックアウトシステムにおいて、登録装置近傍に複数用意され、機械読み可能なカードごとに固有のカードコードが付され、顧客ごとに登録装置によりカードコードが読み取られると商品が入ったカゴに付帯され、その後、前記カゴとともに前記精算装置の位置に移動されるカードと、登録装置において、顧客ごとに買上商品の商品登録が行われるのに応じて買上情報を生成するとともに、前記カードコードが読み取られるのに応じて前記買上情報とともに前記カードコードを記憶手段に記憶させる登録制御手段と、前記精算装置により前記カゴに付帯されていたカードのカードコードが読み取られるのに応じて前記記憶手段から該当する買上情報を読み出して精算を行う精算制御手段とを備えたことを特徴とするチェックアウトシステムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、顧客の待ち行列の解消が可能なチェックアウトシステムとして、店員の負担が軽減され、かつ、低コストで運営できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのチェックアウトシステムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態としてのチェックアウトシステムの運用例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のチェックアウトシステムにおける精算カード80を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における買上情報テーブルの構造例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における携帯端末装置30が実行する処理手順例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるPOSレジスタ20が実行する処理手順例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるストアコントローラ10が実行する処理手順例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態としてのチェックアウトシステムの構成例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態のチェックアウトシステムにおける精算装置500の外観例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態のチェックアウトシステムの運用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのチェックアウトシステムの構成例を示している。この図に示すチェックアウトシステムは、ストアコントローラ10と、複数のPOSレジスタ20(精算装置)と、複数の携帯端末装置30(登録装置)を備える。ストアコントローラ10とPOSレジスタ20はLAN(Local Area Network)50経由で通信可能に接続される。LAN50には無線LANルータ40が接続されており、携帯端末装置30は、無線LANルータ40との無線LAN通信を経由してLAN50に接続されることでストアコントローラ10と通信可能に接続される。
【0011】
ストアコントローラ10は、商品マスタなどの各種ファイルやデータの管理を行うコンピュータである。商品マスタは、各商品の商品識別情報(コード情報)、商品名称、販売価格などの商品情報を格納したファイルである。ストアコントローラ10は、必要に応じてその内容を編集・変更する。ストアコントローラ10は、最新の商品マスタを各POSレジスタ20に適宜送信する。
【0012】
POSレジスタ20は、顧客が購入する商品の登録および精算を行うための装置であり、各種の操作キーや表示部などを備えている。このPOSレジスタ20には、店員の操作により商品に添付されたバーコードおよび精算カード80のバーコードを読み取るバーコードスキャナが接続されている。携帯端末装置30は、商品に添付されたバーコードと後述する精算カード80のバーコードを読み取るとともに、読み取った情報をストアコントローラ10に送信する。なお、商品に添付されたバーコードは商品を一意に識別する識別子としての商品コードを含む。また、精算カード80のバーコードは、精算カード80ごとに固有となる識別子であるカードコードを含む。
【0013】
次に、図2を参照して本実施の形態のチェックアウトシステムの運用例について説明する。この図に示されるPOSレジスタ20は、チェッカー部220とキャッシャー部230から成る。チェッカー部220は、台221に対してスキャナ部214が固定して設置されている。また、図示は省略しているが、スキャナ部214に関連した操作部を備える。スキャナ部214は、商品に付されたバーコードを光学的に読み取る部位であり、台221には、顧客C1が買い上げた商品を入れた買い物カゴ70−1などが置かれる。
【0014】
キャッシャー部230は、自動入出金装置(図示は省略)、精算に関連した操作部(図示は省略)や客用表示部206などを備える。客用表示部206は顧客Cに表示内容が見えるように設置されており、例えば顧客C1が買い上げた商品の合計金額などが表示される。図2においては、POSレジスタ20に対応して、先頭の顧客C1に続けて顧客C2、C3、C4・・・・の順で待ち行列を形成している様子が示されている。
【0015】
POSレジスタ20を操作する店員(キャッシャー担当者)S1は、行列の先頭の顧客C1から買い物カゴ70−1を受け取る。買い物カゴ70−1には顧客C1が買い上げようとする商品が入っている。店員S1は、買い物カゴ70−1から商品を取り出して、スキャナ部214により商品に付されているバーコードを読み取らせる。この商品のバーコードは対応の商品を識別するための商品コードを含んでいる。POSレジスタ20は、商品マスタと商品コードとを照合して買上情報を生成し、この生成情報を利用して、店員S1の操作に応じた精算処理を実行する。通常は、このようにPOSレジスタ20において、買上商品の登録と、この登録に応じた精算が行われる。
【0016】
しかし、例えばPOSレジスタ20に比較的長い顧客の待ち行列ができてしまって、顧客の精算までの待ち時間が相当に長くなりそうな場合、本実施の形態では、次のように列崩しを行うことができる。つまり、このような場合には、POSレジスタ20を操作する店員S1とは別の店員S2が携帯端末装置30を持参し、例えば図示するように精算待ちで並んでいる顧客C3のところに赴く。そして、この顧客C3が持っている買い物カゴ70−3から買上商品を取り出して、その商品に添付されたバーコードを携帯端末装置30に読み取らせる(以下、仮登録という)。店員S2は、バーコードの読み取りを行った商品は、例えば、別の買い物カゴ70−5に移していくようにする。このバーコードの読み取りに応じて、携帯端末装置30は、バーコードに含まれている商品コードを記憶する。
【0017】
また、店員S2は、精算カード80を複数枚収納なカード収納部60Bを、例えば腰に吊り下げるなどして持参している。そして、例えば買い物カゴ70−3に入っているすべての商品のバーコードの読み取りを完了すると、店員S2は、カード収納部60Bから精算カード80を1枚取り出して、精算カード80に印刷されているバーコードの読み取りを行う。図3には、精算カード80の一例が示されている。このように精算カード80には、バーコード81が印刷されている。このバーコード81は、精算カード80ごとに一意に割り当てられたカードコードを示している。店員S2は、このバーコード81を携帯端末装置30に読み取らせる。
【0018】
このように携帯端末装置30には、一人の顧客C3が買い上げた商品をそれぞれ識別する商品コードのセットと、1つのカードコードを保持する。そして、携帯端末装置30は、例えばカードコードを読み取ったことに応じて商品の登録が完了したものと認識し、ストアコントローラ10に対して商品コードのセットとカードコードとを対応付けた情報(買上情報)を送信する。なお、このようにカードコードの読み取りを商品登録の完了として扱うようにして買上情報を送信するようにすれば、カードコードの読み取りを忘れたまま買上情報を送信してしまうような不具合を避けることができる。また、買上情報の送信操作を省いて操作性を高くすることもできる。
【0019】
上記の買上情報の送信まで終えたことを確認した店員S2は、今回バーコードを読み取らせた精算カード80を、図3に示すように、今回登録を行った商品が移された買い物カゴ70−5の上に載せる(付帯させる)。そして、顧客C3に、買い物カゴ70−5を渡したうえで、精算の順番がきたときには、店員S1に精算カード80を渡してもらうように伝える。
【0020】
顧客C3は、自分がPOSレジスタ20における列の先頭となって精算の順番がきたとき、店員S1に精算カード80を渡す。店員S1は、渡された精算カード80に印刷されているバーコード81をスキャナ部214により読み取らせる。なお、スキャナ部214は商品のバーコード専用としたうえで、これとは別のスキャナによって精算カード80を読み取るようにしてもよい。POSレジスタ20は、読み取られたバーコードが示すカードコードに該当する買上情報を要求する信号とともに前記カードコードをストアコントローラ10に送信させる。そして、POSレジスタ20は、店員S1の操作に応じて、受信した買上情報に基づいた精算処理を行う。
【0021】
このようにすれば、事前に携帯端末装置30により商品の仮登録をしてもらった顧客C3は、POSレジスタ20の先頭に到達したときに、商品を登録してもらうことなく、すぐに代金支払いだけを行って精算を済ませることができる。つまり、精算の順番になったときに、精算のために要する時間が短くて済むものであり、これにより待ち行列を解消する(列崩しを行う)ことができる。
【0022】
また、店員S1は、バーコード81の読み取りを終えた精算カード80を、近傍に設置されたカード収納部60Aに入れておくようにする。このように、カード収納部60Aには、使用済みの精算カード80が貯まっていく。店員S2は、このカード収納部60Aに貯まっている精算カード80を必要なだけ取り出して、自分が所持するカード収納部60Bに入れ直して使用すればよい。
【0023】
本実施の形態では上記のように列崩しを行うことができるが、この際、店員S2は、プリンタを所持して移動する必要がないため作業負担は非常に軽くなる。本実施の形態の場合、店員S2は、例えばプリンタに代えてカード収納部60Bを携帯することになるのであるが、このカード収納部60Bには、精算カード80が例えば10枚程度入っているだけで軽量かつ小型であるために、これによる負担はほとんどない。
【0024】
また、プリンタを携帯する必要がなくなるために、チェックアウトシステムにおいてプリンタを備える必要がなくなり、さらに、伝票を印刷するための用紙も不要となる。さらに、精算カード80は、店舗の狭い範囲で環流させることができるので少数で足りることになる。これにより、チェックアウトシステム導入、運営にかかるコストの削減が図られる。
【0025】
携帯端末装置30のハードウェア構成は、特開2010−182105号公報(特許文献1)の図2と同様でよい。つまり、CPU、ROM、スキャナ部、RAMと、表示部、操作部、通信部、電源制御部、充電式電池310などを備える。ただし、印刷通信は備えなくともよい。携帯端末装置30において、CPU(Central Processing Unit)は、中央処理装置であり、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末装置30の動作を制御する。ROMは、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。スキャナ部は、商品に付されているバーコードを光学的に読み取る。RAMは、スキャナ部で読み取られたバーコードなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。表示部は、登録した商品の一覧やその他各種のメッセージ等を表示する。通信部は、無線LAN経由での通信を制御する部位である。電源制御部は、充電式電池への充電を制御する。充電式電池は、携帯端末装置の各部を動作させるための電力を供給する。操作部は、携帯端末装置30を操作する各種のキーからなる。
【0026】
また、携帯端末装置30の外観も、例えば特許文献1の図3と同様でよい。つまり、携帯端末装置30の筐体には、スキャナ部、表示ディスプレイ、操作部などが配置される。なお、本実施の形態において接続端子は省略されてよい。携帯端末装置に配置される操作部としては、例えばバーコードの読み取りを開始するためのスキャンキー、バーコードを読み取った商品を1つずつ取り消したり数量を修正したりするための訂正キー、読み取った全商品を取り消すための取消キー、買上商品の数量を指定するための+(プラス)キー、−(マイナス)キー、読み取った全商品のリスト表示において商品を選択するカーソルを上下させるための上下矢印キー、入力操作を決定するための決定キーなどとされる。また、スキャナ部は、例えば携帯端末装置30の裏側の面に設けられており、このスキャナ部に商品または精算カード80のバーコードを近付けることにより、読み取り動作が行われる。
【0027】
また、POSレジスタ20のハードウェア構成は、特許文献1の図8と同様となる。つまり、CPU、ハードディスク、ROM、RAM、液晶タッチパネル部、客用表示部、レシート印字部、ドロワ部、通信部、操作部、カードリーダをブザーを備えて構成される。ただし、本実施の形態殿対応では、スキャナ接続部に代えてスキャナ部214(図2参照)を備える。
【0028】
POSレジスタ20において、CPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POSレジスタ20の動作を制御する。ROMは、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAMは、ストアコントローラ10より取得した商品マスタなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。表示部である液晶タッチパネル部(店員用表示部)と客用表示部206(図2参照)とは、商品マスタの情報を表示する。また、液晶タッチパネル部(店員用表示部)は、タッチパネル式であるため、表示だけではなく入力も受け付ける。操作部は、POSレジスタ20を動作させる各種のキー、小計キー、現計キー、会員呼出キー、値引キー、割引キー、置数キー、訂正キー、追加キー等の操作ボタンからなる。
【0029】
通信部は、LAN50を経由してストアコントローラ10と通信する部位である。ブザーは、操作の確認が必要なときなどにブザー音を発生させる。ハードディスクは精算処理が終了後、RAMが記憶する情報を記憶する。レシート印字部はレシートを印字する。ドロワ部は現金や金券などを保管する。カードリーダ部は顧客がクレジットカードでの支払いを希望する場合、会計処理のためクレジットカードの情報を読み取る。スキャナ部214は、商品に添付されたバーコードまたは精算カード80のバーコードを光学的に読み取る。読み取られたこれらのバーコードはCPUによって解析され、商品コードまたはカードコードにデータ化される。
【0030】
また、ストアコントローラ10のハードウェア構成は、図示は省略するが、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、通信部などを備えてなる。ストアコントローラ10において、CPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ストアコントローラ10の動作を制御する。ROMは、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAMはCPUの作業領域として使用されるメモリである。ハードディスク(記憶手段)には、商品マスタのデータ、携帯端末装置30から送信された買上情報からなる買上情報テーブル、さらに精算が終了した買上情報に基づいて形成された精算履歴としてのログのデータが記憶される。通信部は、LAN50経由でPOSレジスタ20および携帯端末装置30と通信する部位である。
【0031】
また、本実施の形態において上記POSレジスタ20が記憶する商品マスタのデータ構造は、特許文献1の図9と同様でよい。つまり、コード情報(商品コード)ごとに、商品名称および販売価格などの商品情報の項目が対応付けられた構造を有する。
【0032】
図4は、ストアコントローラ10が記憶する買上情報テーブルの構造例を示している。買上情報テーブルは、カードコードに対して、1以上の商品コード、使用フラグなどが対応付けられた構造を有する。1つのカードコードと、そのカードコードに対応する商品コードのセットが、携帯端末装置30から送信された1つの買上情報に相当する。つまり、1つのカードコードに対応する商品コードは、携帯端末装置30により登録された一人の顧客Cの買上商品を示す。この構造により、ストアコントローラ10は、カードコードごとに対応して複数の登録された商品の商品コードを記憶することができる。使用フラグは、対応のカードコードにより特定される精算カード80が使用中であるか否かを示す。精算カード80が使用中の状態とは、その精算カード80を受け取った顧客が、まだ精算を終えていない状態である。ここでは、使用中であれば「1」、使用中でなければ「0」としている。
【0033】
図5は、携帯端末装置30が実行する処理手順例を示している。この図に示す処理は、携帯端末装置30のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0034】
携帯端末装置30は、ステップS101により、スキャナ部により読み取られた商品コードが入力されたか否かについて判定しており、ここで、商品コードが入力されたことを判定すると、ステップS102にて、この入力された商品コードをRAMに記憶する。一方、ステップS101にて商品コードが入力されないと判定した場合には、ステップS103にてカードコードが入力されたか否かについて判定する。
【0035】
上記ステップS103にてカードコードが入力されていないと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS109により所定の他の処理を実行してステップS101に戻る。一方、ステップS103にてカードコードが入力されたと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS104にて、RAMに記憶されている商品コードが存在しているか否かについて判定する。
【0036】
ステップS104において、商品コードは記憶されていないと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS110において表示部にエラー表示を行ってステップS101に戻る。ここでのエラー表示は、例えばカードコードに対応付けられている商品コードが1つも登録されていないことを示すようなものとなる。一方、ステップS104において商品コードが記憶されていると判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS105により、入力されたカードコードにRAMに記憶されている商品コードを対応付けてストアコントローラ10に対して送信する。つまり、1顧客に対応する買上情報のデータを送信する。
【0037】
ストアコントローラ10では、上記ステップS105により送信された買上情報の受信が成功すると、応答として受信成功の通知を携帯端末装置30に対して送信してくる。そこで、携帯端末装置30は、ステップS106により、ストアコントローラ10にて買上情報の受信が成功したか否かについて判定する。携帯端末装置30は、例えば受信成功の通知が一定時間以内に送信されてこない場合、ストアコントローラ10にて買上情報の受信が成功しなかった(失敗した)と判定する。この場合、携帯端末装置30は、ステップS108によりエラー表示を行ってステップS101に戻る。この場合のエラー表示の内容は、例えば、携帯端末装置30からの買上情報の送信が失敗した旨を店員S2に知らせるものとなる。一方、ステップS106にて受信が成功したと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS107により、ステップS105にて送信した商品コードをRAMから消去し、ステップS101に戻る。このように商品コードをクリアすることで、次の顧客に対応して読み込まれた商品コードに前回の商品コードが含められてしまうようなエラーの発生が防止される。
【0038】
図6は、POSレジスタ20が実行する、カードコードの入力に応じた精算のための処理手順例を示している。この図に示す処理は、POSレジスタ20のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0039】
POSレジスタ20は、ステップS201においてスキャナ部214により読み取られたカードコードの入力が行われたか否かについて判定している。ここで、カードコードの入力が行われていないと判定した場合、POSレジスタ20は、ステップS208により、他の所定の処理を実行してステップS201に戻る。このステップS208における他の処理としては、例えば商品に添付されたバーコードの読み取りに応じて入力した商品コードの登録、各種設定に応じたメンテナンス処理などとなる。
【0040】
一方、ステップS201においてカードコードが入力されたと判定した場合、POSレジスタ20は、ステップS202により、入力されたカードコードに対応する買上情報の要求とともにカードコードをストアコントローラ10に対して送信し、ステップS203にて、買上情報が受信されたか否か判定する。
【0041】
例えば通信エラーなどにより一定時間内に買上情報が正常に受信できなかった場合には、ステップS203において買上情報は受信されなかったと判定し、ステップS209に進む。POSレジスタ20は、ステップS209において、例えば買上情報が受信できなかったことを通知する内容のエラーメッセージを表示し、ステップS201に戻る。
【0042】
一方、ステップS203において買上情報が受信されたと判定した場合、POSレジスタ20はステップS204において、合計金額を算出する。このために、POSレジスタ20は、受信した買上情報において示される商品コードに対応する価格を商品マスタのデータから読み取り、この価格を加算して合計金額を求める。そして、POSレジスタ20は、上記のように算出した合計金額を、ステップS205により液晶タッチパネル部や客用表示部などに表示する。
【0043】
ステップS206において、POSレジスタ20は、先のステップS204により算出された合計金額に基づいて、店員Sの操作に応じて精算処理を実行する。このステップS206に対応して、店員Sは、顧客Cから受け取った預かり金額を、POSレジスタ20における自動入出金装置に投入する。これに応じて、POSレジスタ20はレシートを発行するとともに、釣銭額を液晶タッチパネル部や客用表示部に表示する。店員は、例えばドロワ部から釣銭を取り出して客に渡す。
【0044】
そして、POSレジスタ20は、ステップS207により、今回入力したカードコードを含んだ精算処理の結果を示す実績データ(例えば、買上情報および合計額などの情報から成る)を、ストアコントローラ10に対して送信し、ステップS201に戻る。ステップS207により送信される実績データは、ストアコントローラ10においてログに追加登録されて記録される。
【0045】
図7は、ストアコントローラ10が実行する処理手順例を示している。この図に示す処理は、ストアコントローラ10のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0046】
ストアコントローラ10は、ステップS301において、携帯端末装置30から送信されてくる買上情報が受信されたか否かについて判定しており、ここで、買上情報が受信されたと判定した場合には、ステップS302に進む。
【0047】
ステップS302において、ストアコントローラ10は、買上情報テーブルから、受信した買上情報に含まれるカードコードと一致する買上情報の使用フラグを参照し、その使用フラグが使用中を示しているか否かについて判定する。ここで、使用フラグが使用中(「1」)であることを示した場合には。なんらかの原因で、今回受信した買上情報に対応して使用された精算カード80は、重複して使用されていることになる。つまり、まだ精算が終了していない顧客が所持しているはずの精算カード80を、別の顧客の買上商品に対応して携帯端末装置30で読み込んで使用していることになる。あるいは、通信エラーによって誤ったカードコードを認識した結果、使用中の他のカードコードと一致してしまったような状況も想定される。そこで、この場合、ストアコントローラ10は、ステップS306により、買上情報の送信元の携帯端末装置30に対して、送信された買上情報が無効である旨のエラー通知を送信する。この処理によって、1つのカードコードにより複数の買上情報を重複して特定してしまうことが回避される。ステップS306の処理の後はステップS301に戻る。
【0048】
一方、ステップS302において使用フラグが使用中ではない(「0」)と判定した場合は、今回受信した買上情報に対応して使用された精算カード80は、重複して使用されてはいないことになる。そこで、この場合のストアコントローラ10は、ステップS303にて、今回受信した買上情報を、買上情報テーブルに追加登録するようにして記憶させる。また、この追加登録の際、ストアコントローラ10は、ステップS304において、追加登録した買上情報に対応付けられる使用フラグFについて「F=1」として使用中であることが示されるように設定する。そして、ステップS305により、買上情報の送信元の携帯端末装置30に対して、今回の買上情報が適正に受信されたことを示す受信成功通知を送信し、ステップS301に戻る。
【0049】
また、先のステップS301において買上情報が受信されないと判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS307において、POSレジスタ20から送信される買上情報要求が受信されたか否かについて判定する。ここで、買上情報要求の受信を判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS308において、要求された買上情報について、買上情報テーブルにおいて使用中の状態で登録されているか否かについて判定する。具体的に、ストアコントローラ10は、買上情報テーブルから、受信した買上情報要求に含まれるカードコードに一致する買上情報を検索し、この買上情報に対応する使用フラグが使用中を示す「1」であるか否かについて判定する。
【0050】
ステップS308において「NO」の判定となった場合、要求された買上情報は買上情報テーブルに登録されていない、または、登録されてはいるが対応の使用フラグが「0」であり使用中ではないことを示している場合となる。このような場合には、なんらかの原因で登録商品とカードコードとが一致していないことになる。そこで、この場合には、ステップS306により、買上情報要求の送信元のPOSレジスタ20に対してエラー通知を送信する。この処理によっても1つのカードコードにより複数の買上情報を特定してしまうことの不具合を回避できる。
【0051】
これに対して、ステップS308において要求された買上情報が買上情報テーブルにおいて使用中の状態で登録されていると判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS309において、この要求された買上情報として、少なくとも該当する全ての商品コードを送信し、ステップS301に戻る。
【0052】
また、ステップS307において買上情報の要求を受信していないと判定したことに応じて、ストアコントローラ10は、ステップS310により、POSレジスタ20から送信される実績データが受信されたか否かについて判定する。ここで、実績データが受信されたと判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS311により、受信した実績データを追加登録するようにログを更新させる。また、ストアコントローラ10は、ステップS312により、買上情報テーブルにおいて、受信した実績データに含まれるカードコードに一致する買上情報に対応する使用フラグFについて、使用中ではないことを示す「0」を設定し、ステップS301に戻る。
【0053】
また、ステップS310において実績データを受信していないと判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS313により所定の他の処理を実行してステップS301に戻る。
【0054】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する以外の部分は第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態のチェックアウトシステムは、セルフPOSシステムに対応した構成を採る。セルフPOSシステムでは、商品登録を行う登録装置と、精算を行う精算装置とが別体とされて店舗に配置される。そして、買上商品の登録は店員が登録装置を操作して行うが、精算は、顧客自身が精算装置を操作して行う。このようなセルフPOSシステムは、精算装置を安価に増設しやすいためにいわゆる客捌きに優れており、そのシステム自体が待ち行列の解消に有利となっている。
【0055】
図8および図9は、第2の実施の形態におけるチェックアウトシステムの構成例を示している。第2の実施の形態におけるチェックアウトシステムは、ストアコントローラ10と、複数の登録装置400と、複数の精算装置500をLAN50により通信可能に接続して構成される。
【0056】
登録装置400は、店員が操作するもので、第1の実施の形態との対応では、携帯端末装置30と、POSレジスタ20におけるチェッカー部としての機能を備える。図示による説明は省略するが、登録装置400は、例えばCPU、RAM、ROM、スキャナ部、表示部、操作部、通信部、液晶タッチパネル部、客用表示部等を備えて構成される。また、精算装置500は、顧客C自身が操作を行って精算を行うための装置である。
【0057】
図10は、精算装置500の外観例を示す斜視図である。精算装置500は、表示部501と、スキャナ部502と、人検知センサ503と、釣銭釣札部504と、サインポール部505とを備える。
【0058】
表示部501は、買上情報として、例えば買上商品の内訳や金額を表示する。また、顧客Cに対する操作ガイダンスを表示する。スキャナ部502は、精算カード80に印刷されたバーコード81を読み取る。人検知センサ503は、当該精算装置500の前に立っている人を検知するセンサである。
【0059】
釣銭釣札部504は、例えば精算装置500の下部前面に位置している。この釣銭釣札部504は、硬貨出金口504aと、硬貨入金口504bと、紙幣入出金口504cとを有している。硬貨出金口504aは、例えば前面下部中央部に配置され、凹部から硬貨の釣銭が排出される。硬貨入金口504bは、例えば硬貨出金口310aの上部に配置され、上記とは別の凹部から硬貨が投入される。紙幣入出金口310cは、例えば硬貨入金口310bに向かって右側に配置され、紙幣が水平に投入/排出される。サインポール部505は、例えば向かって右奥に立てられて、先端の発光部が点灯または点滅する。また、精算装置500には、カード収納部60Cが設置される。このカード収納部60Cには、精算を済ませた顧客Cが精算装置500から離れる際に、それまで所持していた精算カード80が入れられる。
【0060】
精算装置500は、上記図10において示される部位のほか、内部のハードウェアとして、例えばCPU、RAM、ROM、通信部、印刷部などを備える。CPUは、ROMに記憶されるプログラムを実行することにより、精算装置500としての機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として利用されるメモリである。ROMには、上記プログラムのほか、各種設定データなどが記憶されている。通信部は、CPUの制御に応じて、LAN50経由でストアコントローラ10などと通信を実行する部位である。印刷部は、精算の終了に応じて買上情報や精算結果などを用紙に印刷し、これをレシートとして発行する部位である。
【0061】
図9を参照して、第2の実施の形態のチェックアウトシステムの運用例について説明する。この図に示すように、登録装置400は、店舗内にて複数台が並ぶようにして設置されている。また、この登録装置400から離れた位置に複数の精算装置500が設置されている。また、登録装置400において店員Sが位置している場所の近傍には、図2と同様に精算カード80が入れられたカード収納部60Aが備えられている。なお、この図においてストアコントローラ10は示されていないが、ストアコントローラ10は、例えば店舗のバックヤードなどの顧客の目に入らない場所に設置されている。
【0062】
顧客Cは買上商品を例えば買い物カゴに入れて登録装置400に赴く。登録装置400には、それぞれ店員Sが配置されている。店員Sは、買い物カゴから商品を取り出しながら、商品に添付されているバーコードを登録装置400のスキャナ部により読み取らせながら登録を行っていく。そして、顧客Cの買上商品の登録が完了すると、店員Sは、カード収納部60Aから1枚の精算カード80を取り出して、その精算カード80に印刷されているバーコード81をスキャナ部により読み取らせたうえで、登録完了の操作を行う。
【0063】
上記登録完了の操作に応じて、登録装置400は、登録された商品の商品コードと、読み取られたバーコード81が示すカードコードとから成る買上情報をストアコントローラ10に対して送信する。つまり、登録装置400は、商品コードの入力と、カードコードの入力に対応して、図5に準じた処理手順を実行する。
【0064】
ストアコントローラ10は、登録装置400からの買上情報の受信に応答して、図7のステップS301〜S306と同様の処理を実行する。これにより、使用中でない精算カード80のカードコードに対応する買上情報が正常に受信された場合には、その買上情報が買上情報テーブルに追加登録される。
【0065】
そして、店員Sは、登録完了の操作を行った後において正しく買上情報が送信されたことを確認すると、今回バーコード81の読み取りを行った精算カード80を顧客Cに渡す。顧客Cは、登録が済んだ買上商品と渡された精算カードを持って精算装置500にまで赴く。
【0066】
精算装置500は、その前の位置に顧客Cが立ったことが人検知センサ503により検知されるのに応じて、例えば表示部501にガイダンスなどを表示させる。顧客Cは、まず、スキャナ部502に対して精算カード80をかざしてのバーコード81を読み取らせる。このバーコード81の読み取りに応じてカードコードを入力した精算装置500は、図6と同様の処理を実行する。つまり、精算装置500においては、顧客Cの買上情報をストアコントローラ10から受信して合計額などを表示部501に表示し、顧客Cの入金に応じた精算処理を実行する。そして、精算処理の完了に応じて実績データをストアコントローラ10に送信する。
【0067】
なお、ストアコントローラ10は、精算装置500からの買上情報の送信に応じてステップS307〜S309の処理を実行し、上記実績データの送信に応じてステップS310〜S313の処理を実行する。そして、精算を完了した顧客Cは、それまで所持していた精算カード80を、精算装置500の近傍に備え付けられているカード収納部60Cに入れて売り場の外に出る。カード収納部60Cに貯まった精算カード80は、例えば定期的に、店員Sによって登録装置400近傍に配置されるカード収納部60Aに移される。この第2の実施の形態のように登録装置400と精算装置500とが分離して設置されるセルフPOSシステムにおいても本実施の形態のチェックアウトシステムが適用できる。
【0068】
なお、精算カード80は、例えばカードコードをバーコードとして印刷した用紙をラミネート(パウチ)加工したものとすれば、安価で扱いも容易であり、かつ、汚れや破損にも強くなる。また、精算カード80の形状は、名刺状に限定されるものではない。例えば、買い物カゴ70の高さよりも高くした形状とすれば、精算カード80を買い物カゴ70の中で立てかけた状態で見えるようにすることができる。さらに、精算カード80の幅を買い物カゴ70の内寸に合せれば、精算カード80を買い物カゴ70の仕切板としても使用することができる。また、精算カード80において印刷されるカードコードは、1次元バーコードのほか、二次元バーコードや三次元(3D)コードなどとされてもよい。さらには、RFIDなどを採用してカードコードの送受信が行われるようにしてもよい。
【0069】
また、第1の実施の形態において、買い物カゴ70を覆う程度のサイズのシートにカードコードに相当する識別コードが印刷されたタグなどを設ける。そして、店員S2は、携帯端末装置30によるバーコード(商品コード)の読み取りが済んだ商品の入った買い物カゴ70にシートをかぶせ、このシートのタグの識別コードを携帯端末装置30により読み取るようにしてもよい。このようにシートを用意することで、商品登録を一旦完了させた後において買い物カゴ70の中に未登録の商品が誤って入れられてしまうことを有効に防止できる。また、この場合にはシートに精算カード80に相当する識別コードが設けられていることから、買い物カゴ70に精算カード80を付帯させる店員Sの手間が省かれる。また、このシートの4隅には例えばゴムなどの重りとなるものを付けておくと、シートをかぶせたときに買い物カゴ70のうえで安定するので好ましい。
【0070】
また、第2の実施の形態において、登録装置400側で顧客Cの特徴を示す特徴情報(例えば、性別、年齢層などの選択肢を提示し、これを店員Sが選択する操作を行うようにする)を入力し、これを買上情報に含めてストアコントローラ10に送信する。そして、精算装置500では、顧客Cに特徴情報を入力してもらい、この入力された特徴情報に該当する買上情報をストアコントローラ10に送信させるようにすることも考えられる。あるいは、精算装置500において候補となる買上情報の一部内容と特徴情報とを表示させたうえで、これらのうちから精算しようとする顧客Cが、自分に一致する特徴情報の買上情報を選択することにより、顧客Cの買上商品と買上情報の一致を図るようにすることも考えられる。また、このような方法と、本実施の形態におけるカードコードに基づく買上情報の特定方法とを選択できるようにすることも考えられる。
【0071】
また、携帯端末装置30や登録装置400は、1顧客の買上商品の登録完了の操作が行われた際に、商品コードとカードコードがRAMに保持されていれば、上記の登録完了操作を有効とするようにしてもよい。また、上記実施の形態において、精算カード80が使用中であるか否かの判定(図5:ステップS106)は、買上情報の送信に応答してストアコントローラ10から通知されるようになっているが(図7:ステップS305またはS306)、例えば、携帯端末装置30により精算カード80のバーコード81の読み取りを行ってカードコードを入力したタイミングで行われるようにしてもよい。
【0072】
また、買上情報テーブルの記憶期間は任意でよい。例えば、一日分を記憶してもよいし、1ヶ月分を記憶してもよいし、精算終了に応じて消去することも考えられる。
【0073】
また、ストアコントローラ10は、チェックアウトシステムにおいて単独で設けるのではなく、複数のPOSレジスタ20や登録装置400における1つにその機能を与えるようにしてもよい。
【0074】
また、本実施の形態において精算カード80は、複数の顧客に重複して同時に使用されることが禁止されており、精算の終了に応じてその使用が許可されるようになっている。そのうえで、第2の実施の形態において、売り場とその外との間に、精算を完了した顧客Cのみを通過させるためのゲートを設けている場合には、このゲートを顧客Cが通過した後に、精算カード80の使用が許可されるようにすれば、複数の顧客の間で精算カード80が重複して使用されてしまうことをより万全に防ぐことができる。
上記のゲートは、精算装置500とサッカー台(買い物カゴ70内の買上商品を持ち帰り用袋に移し替えるための台)との間に設けられ、ストアコントローラ10と通信する通信部および精算カード80の情報を読み取る読取部を備えたものである。顧客が精算を完了するとストアコントローラ10は使用フラグを「2」(精算済みを表す)とし、顧客がゲートで精算カード80を読取部に読み取らせると通信部がストアコントローラ10と通信して、使用フラグが「2」である場合にのみ、ゲートが開いて顧客の通過が許可される。そして、顧客が通過すると、通信部がカードコードをストアコントローラ10に送信して、ストアコントローラ10は使用フラグを「0」に書き換える。
また、ゲートは開閉式のものに限らず、ブザー等の報知により顧客の通過を禁止するものであってもよい。また、ゲートを設ける場合には、精算装置500のカード入れはサッカー台のところに設置するとよい。
また、登録装置400で読み取られた精算カード80が買い物カゴ70に付帯される、とは、精算カード80を買い物カゴ70の中に入れることに限らず、買い物カゴ70と一緒に移動する顧客に持ってもらうことも含むものとする。
【0075】
また、ストアコントローラ10の買上情報テーブルに買上情報が登録されてしまった後において買上商品を追加登録したい場合には、次のようにして対応することができる。つまり、追加登録としての商品登録操作を行ったうえで、はじめの買上情報と同じ精算カード80のカードコード(バーコード81)を読み取って入力し、ストアコントローラ10に対して、追加の買上情報として入力データとその旨の信号を送信する。ストアコントローラ10は、この場合は使用中か否かのチェックを外し、これをすでに買上情報テーブルにおいて登録されている買上情報に追加登録するようにする。
【0076】
また、上述した実施形態における携帯端末装置30、POSレジスタ20、ストアコントローラ10、登録装置400および精算装置500をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0077】
10 ストアコントローラ
20 POSレジスタ
30 携帯端末装置
40 無線LANルータ
60A、60B、60C カード収納部
70 買い物カゴ
80 精算カード
81 バーコード
400 登録装置
500 精算装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カゴに入っていた商品の登録を行って買上情報を生成する登録装置と、当該登録装置から離れた位置にあり、その買上情報を読み出して代金の精算を行う精算装置とからなるチェックアウトシステムにおいて、
登録装置近傍に複数用意され、機械読み可能なカードごとに固有のカードコードが付され、顧客ごとに登録装置によりカードコードが読み取られると商品が入ったカゴに付帯され、その後、前記カゴとともに前記精算装置の位置に移動されるカードと、
登録装置において、顧客ごとに買上商品の商品登録が行われるのに応じて買上情報を生成するとともに、前記カードコードが読み取られるのに応じて前記買上情報とともに前記カードコードを記憶手段に記憶させる登録制御手段と、
精算装置において、前記精算装置により前記カゴに付帯されていたカードのカードコードが読み取られるのに応じて前記記憶手段から該当する買上情報を読み出して精算を行う精算制御手段と、
を備えたことを特徴とするチェックアウトシステム。
【請求項2】
前記登録装置は、
店員が複数の前記カードとともに携帯し、精算待ちのために並ぶ顧客の買上商品の商品登録をその場で行うために使用する携帯端末装置である、
ことを特徴とする請求項1のチェックアウトシステム。
【請求項3】
前記登録装置により読み取られて前記記憶手段に前記買上情報とともに記憶されたカードコードは、他の買上情報とともに有効な状態で記憶されることが禁止され、精算完了を条件として解禁される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェックアウトシステム。
【請求項4】
前記登録装置は前記カードから前記カードコードを読み取るのに応じて全商品の商品登録が終了したと判断し、それまでに登録されている商品の買上情報と前記カードコードを前記記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のチェックアウトシステム。
【請求項5】
前記携帯端末装置によりチェックアウト待ちのために並ぶ顧客の買上商品の商品登録を行うのに応じて登録済み商品が入ったカゴを覆うためのシートに前記カードを備えたことを特徴とする請求項2に記載のチェックアウトシステム。
【請求項6】
各精算装置に対応して前記カードを収納するカード収納部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のチェックアウトシステム。
【請求項7】
前記カードの幅は前記カゴの内寸と略同等であり、前記カードを前記カゴの仕切板として使用可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載のチェックアウトシステム。
【請求項8】
チェックアウト終了の際に顧客が通過するゲートを設け、
前記ゲートに前記カードの情報を読み取る読取装置を設け、
前記ゲートは、前記読取装置により前記カードを読み取って精算済みの顧客であると判断した場合に前記顧客の通過を許可する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載のチェックアウトシステム。
【請求項1】
カゴに入っていた商品の登録を行って買上情報を生成する登録装置と、当該登録装置から離れた位置にあり、その買上情報を読み出して代金の精算を行う精算装置とからなるチェックアウトシステムにおいて、
登録装置近傍に複数用意され、機械読み可能なカードごとに固有のカードコードが付され、顧客ごとに登録装置によりカードコードが読み取られると商品が入ったカゴに付帯され、その後、前記カゴとともに前記精算装置の位置に移動されるカードと、
登録装置において、顧客ごとに買上商品の商品登録が行われるのに応じて買上情報を生成するとともに、前記カードコードが読み取られるのに応じて前記買上情報とともに前記カードコードを記憶手段に記憶させる登録制御手段と、
精算装置において、前記精算装置により前記カゴに付帯されていたカードのカードコードが読み取られるのに応じて前記記憶手段から該当する買上情報を読み出して精算を行う精算制御手段と、
を備えたことを特徴とするチェックアウトシステム。
【請求項2】
前記登録装置は、
店員が複数の前記カードとともに携帯し、精算待ちのために並ぶ顧客の買上商品の商品登録をその場で行うために使用する携帯端末装置である、
ことを特徴とする請求項1のチェックアウトシステム。
【請求項3】
前記登録装置により読み取られて前記記憶手段に前記買上情報とともに記憶されたカードコードは、他の買上情報とともに有効な状態で記憶されることが禁止され、精算完了を条件として解禁される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェックアウトシステム。
【請求項4】
前記登録装置は前記カードから前記カードコードを読み取るのに応じて全商品の商品登録が終了したと判断し、それまでに登録されている商品の買上情報と前記カードコードを前記記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のチェックアウトシステム。
【請求項5】
前記携帯端末装置によりチェックアウト待ちのために並ぶ顧客の買上商品の商品登録を行うのに応じて登録済み商品が入ったカゴを覆うためのシートに前記カードを備えたことを特徴とする請求項2に記載のチェックアウトシステム。
【請求項6】
各精算装置に対応して前記カードを収納するカード収納部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のチェックアウトシステム。
【請求項7】
前記カードの幅は前記カゴの内寸と略同等であり、前記カードを前記カゴの仕切板として使用可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載のチェックアウトシステム。
【請求項8】
チェックアウト終了の際に顧客が通過するゲートを設け、
前記ゲートに前記カードの情報を読み取る読取装置を設け、
前記ゲートは、前記読取装置により前記カードを読み取って精算済みの顧客であると判断した場合に前記顧客の通過を許可する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載のチェックアウトシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−256094(P2012−256094A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127296(P2011−127296)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
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