説明

チェーンカバー及びチェーンカバー付きチェーン

【課題】耐候性に優れ、着脱を容易に行うことができるチェーンカバーを提供すること、及び大多数の外リンクに着脱が容易にできるチェーンカバーを嵌着し、残りの一つの外リンクに外れ防止用のチェーンカバーを嵌着するだけで、全てのチェーンカバーがチェーンから外れないようにすることができるチェーンカバー付きチェーンを提供すること。
【解決手段】チェーンカバー11は、金属製の水平基板12と一対の垂直基板13とで断面コの字状に形成され、垂直基板13には、連結ピン端部9aが嵌入可能な垂直切欠部14と水平切欠部15とからなる一対の逆L字状の切欠部16が形成される。チェーンカバー11は、連結ピン端部9aが垂直切欠部14に入るようにして上方から外リンク7に嵌め込まれ、次いで、水平方向移動されることで水平切欠部15に連結ピン端部9aが嵌合して、外リンク7に嵌着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラチェーン、ローラのないブシュチェーン、ブシュレスチェーン等のチェーンに装着されるチェーンカバー及びチェーンカバー付きチェーンに関し、特に、外リンクに嵌着し易いように形成された断面コの字状のチェーンカバー、及び該チェーンカバーが装着されたチェーンカバー付きチェーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チェーンカバーは、動力伝達用のローラチェーン、ブシュチェーン、ブシュレスチェーンに装着される場合には、チェーンに塗布された油脂の飛散を防止するする目的で用いられ(特許文献1参照。)、コンベヤ用チェーンに装着される場合には、搬送物を載置する搬送板の目的で用いられる(特許文献2参照。)。また、これらの目的で用いられるチェーンカバーは、外リンクに嵌着する必要があるが、位置を間違えて内リンクに装着されることが屡々起こるので、これを防止するために内リンクに装着できないように水平基板内面に誤着防止用の干渉突部を形成したチェーンカバーが提案されている(特許文献3参照。)。
【特許文献1】実公平3−7478号公報
【特許文献2】実開昭50−128883号公報
【特許文献3】特開平8−121542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来のチェーンカバーは、プラスチック製のもので耐候性が劣ると共に、装着し易いように内面に傾斜案内部を形成したり、誤着防止用干渉突起を形成したりするために複雑な形状となり、傾斜案内部を形成した場合は、装着時に無理に外リンク上方から押し込むためメンテナンス時に取り外しが困難になり、また、耐候性を向上させるために、ステンレス、アルミニウムなどの金属製とするとチェーンカバー内面に上記と同じような複雑な形状を形成することが困難になる、という問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決し、耐候性に優れ、着脱を容易に行うことができるチェーンカバーを提供すること、及び大多数の外リンクに着脱が容易にできるチェーンカバーを嵌着し、残りの一つの外リンクに外れ防止用のチェーンカバーを嵌着するだけで、無端状チェーンに装着された全てのチェーンカバーがチェーンから外れないようにすることができるチェーンカバー付きチェーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、内リンク及び外リンクが連結ピンを介して連結されてなるチェーンの外リンクに上方から嵌着可能な、金属製の水平基板と該水平基板の両端から垂下する垂直基板とで断面コの字状に形成されたチェーンカバーであって、前記垂直基板には、前記外リンクの外側に突出する一対の連結ピン端部が嵌入可能な垂直切欠部と水平切欠部とからなる一対の逆L字状の切欠部が形成され、前記逆L字状切欠部の上部における水平切欠部は、嵌入された前記連結ピン端部の外周面が上下部及び奥行き終端部の三箇所で接触する大きさに形成され、前記チェーンカバーは、ピッチラインに略々匹敵する位置より上方の部分がチェーンピッチの2倍の長さを有すると共に、該位置より下方の部分における前記垂直基板の両端部が傾斜態様で切欠されているチェーンカバー、という構成とすることにより前記課題を解決したものである。
【0006】
請求項2に係る本発明は、内リンク及び外リンクが連結ピンを介して連結されてなる無端状チェーンの各々の外リンクにチェーンカバーが嵌着されたチェーンカバー付きチェーンにおいて、前記チェーンの大多数の外リンクには、金属製の水平基板と該水平基板の両端から垂下する一対の垂直基板とで形成された断面コの字状のチェーンカバーが、該垂直基板に形成された一対の逆L字状切欠部の上部における水平切欠部に、前記外リンクの外側に突出する一対の連結ピン端部の外周面を上下部及び奥行き終端部の三箇所で接触させて嵌合することにより嵌着され、前記チェーンの少なくとも一つの外リンクには、水平基板と該水平基板の両端から垂下する一対の垂直基板とで断面コの字状に形成されたばね鋼製のチェーンカバーが、該垂直基板に形成された一対のピン孔に、前記外リンクの外側に突出する一対の連結ピン端部が嵌合して、該外リンクを挟持するように嵌着され、前記チェーンに装着された全てのチェーンカバーは、該チェーンの緊張水平状態において、前記各内リンク中央の位置で互いに隣接するチェーンカバーの端面がピッチライン上方において密着すると共に、ピッチライン下方においてテーパ状に離間しているチェーンカバー付きチェーン、という構成とすることにより前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る本発明によれば、チェーンカバーは、金属製の水平基板と該水平基板の両端から垂下する垂直基板とで断面コの字状に形成されているので、従来のプラスチック製のものに比較して耐候性を向上させることができる。
【0008】
前記垂直基板には、チェーンの外リンク外側に突出する一対の連結ピン端部が嵌入可能な垂直切欠部と水平切欠部とからなる一対の逆L字状の切欠部が形成され、前記逆L字状切欠部の上部における水平切欠部は、嵌入された前記連結ピン端部の外周面が上下部及び奥行き終端部の三箇所で接触する大きさに形成されているので、外リンクにチェーンカバーを嵌着する際、垂直切欠部に嵌入した一対の連結ピン端部がガイドとなって、チェーンカバーを外リンクに上方から滑らかに嵌め込むことができ、その後にチェーンカバーをチェーン長手方向にずらすと水平切欠部に連結ピン端部を嵌合させることができる。このように、外リンクに対してチェーンカバーを垂直方向、水平方向に移動させるだけで容易に嵌着することができ、それと共に、この逆の動作でチェーンカバー取り外すことができるので、チェーンカバーの着脱を容易に効率よく行うことができる。
【0009】
また、前記逆L字状切欠部の上部における水平切欠部は、嵌合された前記連結ピン端部の外周面が上下部及び奥行き終端部の三箇所で接触する大きさに形成されているので、外リンクにチェーンカバーをがたつかないように取り付けることができる。
【0010】
さらに、チェーンカバーは、垂直基板に一対の逆L字状の切欠部が形成されると共に、ピッチラインに略々匹敵する位置より上方の部分がチェーンピッチの2倍の長さを有しているので、それぞれの外リンクにチェーンカバーを上方から嵌め込むと、隣接するチェーンカバー同士端面が接触し、この状態でチェーンカバーを水平方向に移動させるだけで、チェーンカバーをまとめてチェーンに装着することができる。また、チェーンカバーは、ピッチラインに略々匹敵する位置より下方の部分における垂直基板の両端部が傾斜態様で切欠されているので、チェーンがスプロケットに巻き付いて屈曲走行するとき、隣接するチェーンカバー同士の下方の部分における接触干渉を防止することができる。
【0011】
請求項2に係る本発明によれば、チェーンカバー付きチェーンは、チェーンの大多数の外リンクには、前記請求項1に係る発明のチェーンカバー、すなわち、金属製の水平基板と該水平基板の両端から垂下する一対の垂直基板とで形成された断面コの字状のチェーンカバーが、該垂直基板に形成された一対の逆L字状切欠部の上部における水平切欠部に、前記外リンクの外側に突出する一対の連結ピン端部の外周面を上下部及び奥行き終端部の三箇所で接触させて嵌合することにより嵌着されているので、チェーンカバーをチェーンに容易に装着することができると共に、装着されたチェーンカバーのがたつきを防止することができる。
【0012】
チェーンの少なくとも一つの外リンクには、水平基板と該水平基板の両端から垂下する一対の垂直基板とで断面コの字状に形成されたばね鋼製のチェーンカバーが、該垂直基板に形成された一対のピン孔に、前記外リンクの外側に突出する一対の連結ピン端部が嵌合して、該外リンクを挟持するように嵌着され、その他大多数の外リンクには、上記の金属製のチェーンカバーが嵌着されているので、これら金属製のチェーンカバーをチェーンに装着した後に、例えば、残る一つの外リンクに外れ防止用となるばね鋼製のチェーンカバーを嵌着すれば、チェーンに装着された全てのチェーンカバーの水平方向移動が防止されると共に、連結ピン端部が水平切欠部に維持され、チェーンカバーをチェーンから外れないようにすることができる。
【0013】
また、チェーンに装着された全てのチェーンカバーは、該チェーンの緊張水平状態において、前記各内リンク中央の位置で互いに隣接するチェーンカバーの端面がピッチライン上方において密着すると共に、ピッチライン下方においてテーパ状に離間しているので、チェーンがスプロケットに巻き付いて屈曲走行するとき、隣接するチェーンカバー同士の当接による干渉を防止することができ、全てのチェーンカバーが金属製のものなので、チェーンカバー自体の耐候性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施例を図1〜図8を参照して説明する。図1はチェーンカバー11が装着されている部分を示すチェーンカバー付きチェーン1の一部側面図、図2はチェーンカバー付きチェーンの一部平面図、図3は図2におけるX3−X3線断面図、図4は外リンクにチェーンカバーを嵌め込む状態説明図、図5は外リンクにチェーンカバーを嵌着する状態説明図、図6はチェーンカバー付きチェーン1におけるばね鋼製のチェーンカバー17の装着状態を示す側面図、図7はばね鋼製のチェーンカバーの装着状態を示す平面図、図8は図7におけるX8−X8線断面図である。
【0015】
チェーンカバー付きチェーン1は、ローラチェーン(以下、単にチェーンという。)2に、後記するようにチェーンカバー11,17が装着されて形成される。そして、無端状チェーン2の大多数の外リンク7には、金属製、例えばステンレス製、アルミニウム製の非ばね性のチェーンカバー11が嵌着され、一つ又は数個の外リンク7にはばね鋼(SUP)製のチェーンカバー17が嵌着される。
【0016】
図1〜図3に示すように、チェーン2は、内リンク3及び外リンク7が連結ピン9を介して連結されて無端状に形成されている。内リンク3は、内リンクプレート4に穿設された一対のブシュ孔にブシュ5がしまり嵌めされて形成され、このブシュ5にローラ6がすきま嵌めされる。外リンク7は、外リンクプレート8に穿設された一対のピン孔に、ブシュ5に挿入された連結ピン9がしまり嵌めされて形成され、この連結ピン9は先端両端部9a,9aが外リンク7の外側に僅かに突出している。
【0017】
チェーンカバー11は、図3に示すように、金属製の水平基板12と該水平基板12の両端から垂下する一対の垂直基板13,13とで断面コの字状に一体に形成される。このチェーンカバー11は板ばねのようなばね性が殆どない非ばね性のものである。垂直基板13には、外リンク7の外側に突出する一対の連結ピン端部9a,9aが嵌入可能な垂直切欠部14と水平切欠部15とからなる一対の逆L字状の切欠部16,16が形成されている。
【0018】
逆L字状切欠部16の上部における水平切欠部15は、嵌入された連結ピン端部9aの外周面が水平切欠部15の上下部15a,15b及び奥行き終端部15cの三箇所に同時接触する大きさに形成される。すなわち、水平切欠部15は、上下部間が連結ピン9の外径と同程度の間隔を有し、奥行きが連結ピン9の半径より僅かに大きく形成されている。
【0019】
チェーンカバー11は、図1に示すように、チェーン2に嵌着された時のピッチラインPlの上方の部分11a、すなわちピッチラインPlに略々匹敵する位置より上方の部分11aがチェーンピッチ(連結ピン9間距離)Pの2倍の長さL(L=P×2)を有する。それと共に、チェーンカバー11のピッチラインPlに略々匹敵する位置より下方の部分、すなわち垂直基板13の下方の部分13aの両端部が傾斜態様で切欠され、垂直基板13はピッチラインPlに略々匹敵する位置より下方の部分13aの幅が徐々に狭くなっている。
【0020】
チェーンカバー11を外リンク7に嵌着するときは、図4に示すように、上方から外リンク7の外側に突出する各連結ピン端部9aが各垂直切欠部14に嵌入するようにして嵌め込み、次いで、図5に示すように、左方向に移動させて各水平切欠部15に外リンク7の外側に突出する各連結ピン端部9aを嵌合させる。チェーンカバー11をチェーン2に装着する場合、各外リンク7に一つずつチェーンカバー11を嵌着することは可能であるが、複数の外リンク7にそれぞれ上方からチェーンカバー11を一つずつ垂直切欠部14に沿って嵌め込み、次いで、複数のチェーンカバー11をまとめて左方向に移動させ、水平切欠部15に外リンク7の外側に突出する連結ピン端部9aを嵌合させるようにすることも可能であり、このようにするとチェーンカバー11をチェーン2に効率よく装着することができる。
【0021】
チェーンカバー付きチェーン1は、チェーン2の大多数の外リンク7にチェーンカバー11が嵌着されると共に、チェーンカバー11の移動防止用となるばね鋼製のチェーンカバー17が外リンク7に嵌着されて形成される。このチェーンカバー17は、チェーン2に装着されたチェーンカバー11がチェーン2長手方向にずれないようにするもので、一つだけチェーン2に装着されれば充分であるが、適宜数個装着してもよい。
【0022】
図6〜図8に示すように、ばね鋼製のチェーンカバー17は、水平基板18と該水平基板18の両端から垂下する一対の垂直基板19,19とで断面コの字状に一体に形成されている。このばね鋼製のチェーンカバー17は、鋼板を断面コの字状に一体に形成した後、熱処理が施されたばね特性を有する板ばね製のものである。垂直基板19には、外リンク7の外側に突出する一対の連結ピン端部9a,9aに嵌合する一対のピン孔20,20が形成されている。
【0023】
ばね鋼製のチェーンカバー17は、前記非ばね性のチェーンカバー11と同一サイズで、同一外観形状のものである。すなわち、ピッチラインPlに略々匹敵する位置より上方の部分17aがチェーンピッチ(連結ピン9間距離)Pの2倍の長さL(L=P×2)を有し、チェーンカバー17の下方の部分である垂直基板19のピッチラインPlに略々匹敵する位置より下方の部分19aの両端部が傾斜態様で切欠され、垂直基板19はピッチラインPlに略々匹敵する位置より下方の部分19aの幅が徐々に狭くなっている。また、チェーンカバー17は、チェーン2の外リンク7に嵌着されたとき、ばね性により外リンク7を挟持するようになっている。
【0024】
チェーンカバー付きチェーン1は、一つの外リンク7を残して、チェーン2の大多数の外リンク7にチェーンカバー11を装着した後、残る一つの外リンク7にばね鋼製のチェーンカバー17を上方から嵌め込み、外リンク7の外側に突出している連結ピン端部9aに垂直基板19のピン孔を嵌合させて、外リンク7を挟持するように嵌着する。この場合、適宜数個の外リンク7にばね鋼製のチェーンカバー17を嵌着するようにしても構わない。
【0025】
上記のように、チェーン2に装着されたチェーンカバー11及びばね鋼製のチェーンカバー17は、チェーン2の緊張水平状態において、各内リンク3中央の位置で互いに隣接するチェーンカバー11,17の端面がピッチラインPl上方において密着すると共に、ピッチラインPl下方においてテーパ状に離間した状態になって、テーパ状の隙間が形成される。その結果、全てのチェーンカバー11,17がチェーン2から外れないようになると共に、スプロケットに巻き付いて走行する場合、下方がテーパ状に離間して隙間が形成されているため、垂直基板13,19同士が接触干渉することなくスムーズな屈曲走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例を示し、チェーンカバー付きチェーンの一部側面図である。
【図2】チェーンカバー付きチェーンの一部平面図である。
【図3】図2におけるX3−X3線断面図である。
【図4】外リンクにチェーンカバーを嵌め込む状態説明図である。
【図5】外リンクにチェーンカバーを嵌着する状態説明図である。
【図6】ばね鋼製のチェーンカバーの装着状態を示す側面図である。
【図7】ばね鋼製のチェーンカバーの装着状態を示す平面図である。
【図8】図7におけるX8−X8線断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 チェーンカバー付きチェーン 2 チェーン
3 内リンク 4 内リンクプレート
5 ブシュ 6 ローラ
7 外リンク 8 外リンクプレート
9 連結ピン 9a 連結ピン端部
11 チェーンカバー 11a チェーンカバーの上方の部分
12 水平基板 13 垂直基板
13a 垂直基板の下方の部分 14 垂直切欠部
15 水平切欠部 15a,15b 水平切欠部の上下部
15c 水平切欠部の奥行き終端部 16 逆L字状の切欠部
17 ばね鋼製のチェーンカバー 17a チェーンカバーの上方の部分
18 水平基板 19 垂直基板
19a 垂直基板の下方の部分 20 ピン孔
Pl ピッチライン P チェーンピッチ
L チェーンカバーの上方の部分の長さ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内リンク及び外リンクが連結ピンを介して連結されてなるチェーンの外リンクに上方から嵌着可能な、金属製の水平基板と該水平基板の両端から垂下する垂直基板とで断面コの字状に形成されたチェーンカバーであって、
前記垂直基板には、前記外リンクの外側に突出する一対の連結ピン端部が嵌入可能な垂直切欠部と水平切欠部とからなる一対の逆L字状の切欠部が形成され、 前記逆L字状切欠部の上部における水平切欠部は、嵌入された前記連結ピン端部の外周面が上下部及び奥行き終端部の三箇所で接触する大きさに形成され、
前記チェーンカバーは、ピッチラインに略々匹敵する位置より上方の部分がチェーンピッチの2倍の長さを有すると共に、該位置より下方の部分における前記垂直基板の両端部が傾斜態様で切欠されていることを特徴とするチェーンカバー。
【請求項2】
内リンク及び外リンクが連結ピンを介して連結されてなる無端状チェーンの各々の外リンクにチェーンカバーが嵌着されたチェーンカバー付きチェーンにおいて、
前記チェーンの大多数の外リンクには、金属製の水平基板と該水平基板の両端から垂下する一対の垂直基板とで形成された断面コの字状のチェーンカバーが、該垂直基板に形成された一対の逆L字状切欠部の上部における水平切欠部に、前記外リンクの外側に突出する一対の連結ピン端部の外周面を上下部及び奥行き終端部の三箇所で接触させて嵌合することにより嵌着され、
前記チェーンの少なくとも一つの外リンクには、水平基板と該水平基板の両端から垂下する一対の垂直基板とで断面コの字状に形成されたばね鋼製のチェーンカバーが、該垂直基板に形成された一対のピン孔に、前記外リンクの外側に突出する一対の連結ピン端部が嵌合して、該外リンクを挟持するように嵌着され、
前記チェーンに装着された全てのチェーンカバーは、該チェーンの緊張水平状態において、前記各内リンク中央の位置で互いに隣接するチェーンカバーの端面がピッチライン上方において密着すると共に、ピッチライン下方においてテーパ状に離間していることを特徴とするチェーンカバー付きチェーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−307883(P2006−307883A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127894(P2005−127894)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】